JP2019201993A - 除細動カテーテル - Google Patents
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Abstract
【課題】患者の心臓の冠状静脈洞の深部まで除細動電極を挿入することができる除細動カテーテルを提供する。【解決手段】除細動カテーテル10は、先端に先端電極10bが設けられており可撓性を有するチューブ10aと、チューブ10aから突出した状態で先端電極10bに電気的に接続可能とされ可撓性を有するワイヤ状の第一除細動電極11と、チューブ10aの先端から基端側に所定距離離隔した位置に設けられた第二除細動電極12と、を備え、先端電極10b及び第二除細動電極12を、チューブ10aの基端側から先端側へと配された電線20を介して外部電源2と電気的に接続する。第一除細動電極11は、チューブ10aの外径よりも小さい外径を有する。【選択図】図2
Description
本発明は、除細動カテーテルに関する。
従来より、ヒトや動物の血管内に挿入されるカテーテルが提案され、実用化されている。現在においては、患者の心臓に除細動パルスを供給するために、電極ケーブルの先端(遠位端)に除細動電極を設けた除細動カテーテルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された除細動カテーテルにおいては、導体を螺旋状に巻回して中空の円筒体の輪郭を有する除細動電極を形成しており、これにより、血管壁に対して比較的大きな除細動面を形成することができる、とされている。
ところで、除細動カテーテルは、患者の心臓の右心房から左心房に亘って存在する冠状静脈洞に挿入され、一対の除細動電極で心臓を挟み込んで除細動パルスを供給するように構成されるのが一般的である。しかし、冠状静脈洞は、深部側(左心房側)になるにつれて内径が小さく(例えば1〜2mm程度に)なっているため、特許文献1に記載されたような従来の除細動カテーテルでは、冠状静脈洞の深部まで除細動電極を挿入して留置することが困難であった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、患者の心臓の冠状静脈洞の深部まで除細動電極を挿入することができる除細動カテーテルを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る除細動カテーテルは、先端に先端電極が設けられており可撓性を有するチューブと、チューブから突出した状態で先端電極に電気的に接続可能とされ可撓性を有するワイヤ状の第一除細動電極と、チューブの先端から基端側に所定距離離隔した位置に設けられた第二除細動電極と、を備え、先端電極及び第二除細動電極は、チューブの基端側から先端側へと配された電線を介して外部電源と電気的に接続され、第一除細動電極は、チューブの外径よりも小さい外径を有するものである。
かかる構成を採用すると、外部電源に電気的に接続されたチューブの先端電極に、ワイヤ状の第一除細動電極がチューブから突出した状態で電気的に接続され、この第一除細動電極が比較的小径とされているため、比較的内径の小さい冠状静脈洞の深部(左心房付近)まで第一除細動電極を挿入することができる。従って、第一除細動電極を冠状静脈洞の左心房付近に留置する一方、チューブの先端から基端側に所定距離離隔した位置に設けられた第二除細動電極を右心房付近に配置することができるので、左心房と右心房を除細動電極で挟んだ状態で除細動電圧を印加することができる。この結果、除細動効率を高めることができる。
本発明に係る除細動カテーテルにおいて、第一除細動電極を、チューブの先端電極に予め取り付けておくことができる。かかる場合には、チューブとして、内部に操作用ワイヤが埋め込まれた中実チューブを採用することができる。
本発明に係る除細動カテーテルにおいて、第一除細動電極を、チューブの先端電極に対して取付け及び取外し可能に構成することができる。かかる場合には、チューブとして、内部に空洞が形成された中空チューブを採用することができ、この中空チューブの空洞に挿通されるワイヤの先端部分を第一除細動電極とすることができる。
本発明に係る除細動カテーテルにおいて、中空チューブの先端電極として、内部に空洞を有する筒状電極を採用することができる。筒状電極の空洞には、拡径可能なリングを配置することができ、リングの外周面には、電線を接続することができる。そして、ワイヤに、他の部分よりも外径が大きい大径部を局所的に設けておき、リングの内部にワイヤの大径部を挿入してリングを拡径することにより、リングの外周面と筒状電極の内周面とで電線を挟み込み、それにより、電線と筒状電極とワイヤとを電気的に接続するとともに第一除細動電極を中空チューブに取り付けることができる。
本発明に係る除細動カテーテルにおいて、中空チューブの外周面に、電線を埋設させるための溝を設けることができる。この際、溝を、中空チューブの基端側から先端側へと螺旋状に設けたり、中空チューブの長手方向に沿って直線状に設けたりすることができる。
本発明に係る除細動カテーテルにおいて、チューブの先端電極と第二除細動電極の間に、ペーシング電極及び検出電極を設けることができる。そして、ペーシング電極と検出電極の間に、基準電位電極を配置することができる。
かかる構成を採用すると、ペーシング信号が検出信号へと回り込むことを抑制することができる。
本発明によれば、患者の心臓の冠状静脈洞の深部まで除細動電極を挿入することができる除細動カテーテルを提供することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の各実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態はあくまでも好適な適用例であって、本発明の適用範囲がこれに限定されるものではない。
<第一実施形態>
まず、図1〜図4を用いて、本発明の第一実施形態に係る除細動カテーテル10について説明する。
まず、図1〜図4を用いて、本発明の第一実施形態に係る除細動カテーテル10について説明する。
本実施形態に係る除細動カテーテル10は、図2に示すように、先端に先端電極10bが設けられており可撓性を有するチューブ10aと、チューブ10aの先端電極10bに電気的に接続され可撓性を有するワイヤ状の第一除細動電極11と、を備えている。また、チューブ10aの先端から基端側に所定距離離隔した位置には、第一除細動電極11の対極となる第二除細動電極12が設けられている。さらに、チューブ10aの先端電極10bと第二除細動電極12の間には、ペーシング電極13及び検出電極14が設けられており、ペーシング電極13と検出電極14の間には、基準電位電極15が配置されている。なお、ペーシング電極13と検出電極14の組み合わせは、電気回路との接続若しくはスイッチ回路により、変更することが可能である。
本実施形態における第一除細動電極11は、チューブ10aの先端から突出した状態で先端電極10bに予め取り付けられ、電気的に接続されている。第一除細動電極11は、チューブ10aの外径(例えば2mm)よりも小さい外径(例えば1mm)を有しており、図1に示すように、下大静脈IVを経由して患者の心臓Hの冠状静脈洞CS内に挿通され、冠状静脈洞CSの深部(左心房LA付近)に留置されるように構成されている。この際、第二除細動電極12は、右心房RA付近に配置されるように構成され、左心房LAと右心房RAを一対の除細動電極11、12で挟みこんで除細動用の電気刺激を患者に付与することができるようになっている。第一除細動電極11の長さは、冠状静脈洞CSの深部(左心房LA付近)に届くように適宜(例えば15〜20mm程度)設定される。
本実施形態におけるチューブ10aは、図3に示すように、内部に操作用ワイヤW1、W2が埋め込まれた中実チューブであり、非導電性材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂材料)で構成されている。操作用ワイヤW1、W2は、チューブ10aの先端(遠位端)を折り曲げるように操作するためのものであり、チューブ10aの基端(近位端)から先端(遠位端)まで延在するようにチューブ10aの内部に埋め込まれている。ユーザは、一方の操作用ワイヤW2を押したり引いたりすることにより、チューブ10aの先端を二方向に折り曲げることができる。
チューブ10aの先端(遠位端)に設けられた先端電極10bは、導電性を有する金属等の材料で構成されている。本実施形態においては、図2に示すように、先端になるにつれて先細になるテーパ形状の先端電極10bを採用しており、先端電極10bの先端部にワイヤ状の第一除細動電極11が取り付けられ、電気的に接続されている。先端電極10bの先端部の内径と第一除細動電極11の外径とはほぼ同一の寸法に設定されている。
チューブ10aの外周面には、図3及び図4に示すように、複数(例えば24本)の電線20が螺旋状に巻き付けられている。これら複数の電線20のうち、所定数(例えば6本)の電線群21を先端電極10bを介して第一除細動電極11に接続し、所定数(例えば6本)の電線群22を第二除細動電極12に接続し、残る数(例えば12本)の電線群23をペーシング電極13、検出電極14及び基準電位電極15に接続することができる。螺旋状に巻き付けられた電線20の外側は、図3に示すように、非導電性材料から構成される外皮16で被覆される。外皮16を含めたチューブ10aの外径は、例えば2mm程度に設定される。
本実施形態においては、図1に示すように、第一除細動電極11(先端電極10b)に接続される電線群21を、第一コネクタC1を経由して除細動制御装置2に接続し、第二除細動電極12に接続される電線群22を、第二コネクタC2を経由して除細動制御装置2に接続している。除細動制御装置2は、各除細動電極11・12に対して所要の除細動電圧を印加するものであり、本発明における外部電源に相当する。また、ペーシング電極13等に接続される電線群23を、第三コネクタC3を経由して不整脈診断装置3に接続している。除細動制御装置2及び不整脈診断装置3は、本実施形態に係る除細動カテーテル10とともに、除細動システム1を構成する。
第二除細動電極12は、第一除細動電極11の対極として機能するものであり、導電性を有する金属等の材料で構成されている。第二除細動電極12は、図2に示すように、チューブ10aの先端から所定距離離隔した位置に設けられている。第二除細動電極12は、図2に示すように、所定の間隔をおいて配置された複数(例えば9〜10個)のリング状電極から構成されている。このように第二除細動電極12を所定の間隔をおいて配置することにより、チューブ10aの可撓性を維持することができる。なお、第二除細動電極12を設ける位置(チューブ10aの先端からの距離)は、第一除細動電極11を左心房LA付近に留置した際に第二除細動電極12が右心房LA付近に配置されるように適宜(例えば120〜130mm程度に)設定される。また、第二除細動電極12を構成するリング状電極の各々には、電線20(電線群22)が接続され、第二コネクタC2を経由して除細動制御装置2に接続される。
ペーシング電極13は、患者にペーシング用の電気刺激を付与するためのものであり、検出電極14は、患者の心臓内部の心電信号を検出するためのものであり、何れも導電性を有する金属等の材料で構成されている。ペーシング電極13及び検出電極14は、図2に示すように、所定の間隔をおいて配置された複数(例えば8〜10個)のリング状電極から構成されている。このようにペーシング電極13及び検出電極14を所定の間隔をおいて配置することにより、チューブ10aの可撓性を維持することができる。
基準電位電極15は、ペーシング信号(例えば0.3〜2V)が検出信号(例えば1〜10mmV)へと回り込むことを抑制し、心電信号の検出精度を高めるためのものであり、導電性を有する金属等の材料で構成されている。基準電位電極15は、第一除細動電極11とペーシング電極13の間、若しくは、ペーシング電極13と検出電極14の間に、これら電極と所定の間隔をおいて配置することが可能である。
次に、本実施形態に係る除細動カテーテル10の使用方法について説明する。
まず、図1に示すように、除細動カテーテル10を、先端(遠位端)側の第一除細動電極11から下大静脈IVを経由して患者の心臓Hの冠状静脈洞CSに挿入し、冠状静脈洞CSの深部(左心房LA付近)に第一除細動電極11を到達させて留置する一方、右心房RA付近に第二除細動電極12を配置する。この際、操作用ワイヤW2を押したり引いたりすることによりチューブ10aの先端を適宜折り曲げながら、除細動カテーテル10を冠状静脈洞CSに挿入する。
次いで、除細動カテーテル10の検出電極14を用いて、心臓内部の心電信号を検出し、状況に応じて、第一除細動電極11及び第二除細動電極12を用いて心臓Hに除細動用の電気刺激を付与する。
以上説明した実施形態に係る除細動カテーテル10においては、除細動制御装置2に電気的に接続されたチューブ10aの先端電極10bに、ワイヤ状の第一除細動電極11がチューブ10aから突出した状態で電気的に接続され、この第一除細動電極11aが比較的小径とされているため、比較的内径の小さい冠状静脈洞CSの深部(左心房LA付近)まで第一除細動電極11を挿入することができる。従って、第一除細動電極11を冠状静脈洞CSの左心房LA付近に留置する一方、チューブ10aの先端から基端側に所定距離離隔した位置に設けられた第二除細動電極12を右心房RA付近に配置することができるので、左心房LAと右心房RAを除細動電極11・12で挟んだ状態で除細動電圧を印加することができる。この結果、除細動効率を高めることができる。
また、以上説明した実施形態に係る除細動カテーテル10においては、ペーシング電極13と検出電極14の間に基準電位電極15を配置しているため、ペーシング信号が検出信号へと回り込むことを抑制することができる。
<第二実施形態>
次に、図5〜図10を用いて、本発明の第二実施形態に係る除細動カテーテル10Aについて説明する。本実施形態に係る除細動カテーテル10Aは、内部にガイドワイヤを挿通可能な中空チューブを採用するとともに、この中空チューブに対して第一除細動電極を取り付け及び取り外し可能に構成したものであり、その他の構成(第二除細動電極12等)については、第一実施形態と実質的に同一である。このため、異なる構成についてのみ詳細に説明し、共通する構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略することとする。
次に、図5〜図10を用いて、本発明の第二実施形態に係る除細動カテーテル10Aについて説明する。本実施形態に係る除細動カテーテル10Aは、内部にガイドワイヤを挿通可能な中空チューブを採用するとともに、この中空チューブに対して第一除細動電極を取り付け及び取り外し可能に構成したものであり、その他の構成(第二除細動電極12等)については、第一実施形態と実質的に同一である。このため、異なる構成についてのみ詳細に説明し、共通する構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略することとする。
本実施形態に係る除細動カテーテル10Aは、図5に示すように、先端に先端電極31が設けられており可撓性を有するチューブ30と、チューブ30の先端から突出した状態で先端電極31に電気的に接続可能とされ可撓性を有するワイヤ状の第一除細動電極41と、を備えている。また、チューブ30の先端から基端側に所定距離離隔した位置には、第一除細動電極41の対極となる第二除細動電極12(図2と同様)が設けられている。さらに、チューブ30の先端電極31と第二除細動電極12の間には、ペーシング電極13及び検出電極14が設けられており、ペーシング電極13と検出電極14の間には、基準電位電極15が配置されている。第二除細動電極12、ペーシング電極13、検出電極14及び基準電位電極15については、第一実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
本実施形態における第一除細動電極41は、図6に示すように、チューブ30の内部に形成された空洞30aに挿通されるワイヤ40の先端部分であり、チューブ30の先端電極31に対して取り付け及び取り外し可能に構成されている。第一除細動電極41は、チューブ30の外径(例えば2mm)よりも小さい外径(例えば1mm)を有しており、第一実施形態(図1)と同様に、チューブ30に取り付けられた状態で、下大静脈IVを経由して患者の心臓Hの冠状静脈洞CSに挿通され、冠状静脈洞CSの深部(左心房LA付近)に留置されるように構成されている。この際、第二除細動電極32は、右心房RA付近に配置されるように構成され、左心房LAと右心房RAを一対の除細動電極41、12で挟みこんで除細動用の電気刺激を患者に付与することができるようになっている。第一除細動電極41の長さは、冠状静脈洞CSの深部(左心房LA付近)に届くように適宜(例えば15〜20mm程度)設定される。
本実施形態におけるチューブ30は、図6及び図7に示すように、内部に空洞30aが形成された中空チューブであり、非導電性材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂材料)で構成されている。チューブ30の外周面には、図7及び図8に示すように、複数(例えば5本)の電線20を埋設させるための溝30bが、チューブ30の基端(近位端)側から先端(遠位端)側へと螺旋状に設けられている。
溝30aに埋設された複数の電線20のうち、所定数(例えば1本)の電線群21を第一除細動電極41に接続し、所定数(例えば1本)の電線群22を第二除細動電極12に接続し、残る数(例えば3本)の電線群23をペーシング電極13、検出電極14及び基準電位電極15に接続することができる。なお、第一実施形態と同様に、第一除細動電極41(先端電極31)に接続される電線群21及び第二除細動電極12に接続される電線群22は、除細動制御装置2(図1)に接続され、ペーシング電極13等に接続される電線群23は、不整脈診断装置3(図1)に接続される。
チューブ30の空洞30aの内部には、図7に示すように、チューブ30の内周面を被覆して形状を維持するためのブレード32が設けられている。ブレード32は、金属等の材料で構成することができる。また、チューブ30の外側(溝30bに埋設された電線20の外側)は、図7及び図8に示すように、非導電性材料から構成される外皮33で被覆される。外皮33を含めたチューブ30の外径は、例えば2mm程度に設定される。
本実施形態におけるチューブ30の先端(遠位端)に設けられた先端電極31は、図6、図9、図10に示すように、先端になるにつれて先細になるテーパ形状を有するとともに内部に空洞31aを有する筒状電極であり、導電性を有する金属等の材料で構成されている。先端電極31の空洞31aには、図6に示すように、拡径可能なリング31bが配置されており、このリング31bの外周面には、図9及び図10に示すように、チューブ30の基端側から先端側へと配された電線20が接続されている。リング31bは、樹脂材料等の非導電性材料で構成されている。
ここで、第一除細動電極41を構成するワイヤ40には、図6及び図10に示すように、他の部分よりも外径が大きい大径部42が局所的に設けられている。そして、図10に示すように、チューブ30の先端電極31の内部に配置されるリング31bの内部にワイヤ40の大径部42が挿入されてリング31bが拡径されることにより、図6に示すようにリング31bの外周面と先端電極31の内周面とで電線20が挟み込まれ、それにより、電線20と先端電極31とワイヤ40とが電気的に接続されるとともに第一除細動電極41がチューブ30に取り付けられる。この結果、チューブ30の先端電極31に第一除細動電極41が電気的に接続されることとなる。
次に、本実施形態に係る除細動カテーテル10Aの使用方法について説明する。
まず、除細動カテーテル10Aのワイヤ40と同程度の径を有するガイドワイヤを、下大静脈IVを経由して患者の心臓Hの冠状静脈洞CSに挿入し、そのガイドワイヤの先端部分を冠状静脈洞CSの深部(左心房LA付近)に到達させる。次いで、除細動カテーテル10Aを構成するチューブ30をガイドワイヤの外側に被せ、ガイドワイヤに沿って下大静脈IVを経由してチューブ30を冠状静脈洞CSに挿入し、チューブ30の先端電極31を冠状静脈洞CSの深部付近に配置する。続いて、ガイドワイヤをチューブ30の基端(近位端)側から抜き、除細動カテーテル10Aを構成するワイヤ40をチューブ30の基端(近位端)側から挿入して先端(遠位端)側へと挿通させる。
そして、図6及び図10に示すように、ワイヤ40の大径部42をチューブ30の先端電極31内に配置されたリング31b内に挿入してリング31bを拡径することにより、リング31bの外周面と先端電極31の内周面とで電線20を挟み込む。それにより、電線20と先端電極31とワイヤ40とを電気的に接続するとともに第一除細動電極41をチューブ30に取り付け、チューブ30の先端電極31に第一除細動電極41を電気的に接続する。かかる操作により、冠状静脈洞CSの深部(左心房LA付近)に第一除細動電極11が到達して留置される一方、右心房RA付近に第二除細動電極12を配置される。
次いで、除細動カテーテル10Aの検出電極14を用いて、心臓内部の心電信号を検出し、状況に応じて、第一除細動電極41及び第二除細動電極12を用いて心臓Hに除細動用の電気刺激を付与する。
以上説明した実施形態に係る除細動カテーテル10Aにおいては、除細動制御装置2に電気的に接続されたチューブ30の先端電極31に、ワイヤ状の第一除細動電極41がチューブ30から突出した状態で電気的に接続され、この第一除細動電極41が比較的小径とされているため、比較的内径の小さい冠状静脈洞CSの深部(左心房LA付近)まで第一除細動電極41を挿入することができる。従って、第一除細動電極41を冠状静脈洞CSの左心房LA付近に留置する一方、チューブ30の先端から基端側に所定距離離隔した位置に設けられた第二除細動電極12を右心房RA付近に配置することができるので、左心房LAと右心房RAを除細動電極41・12で挟んだ状態で除細動電圧を印加することができる。この結果、除細動効率を高めることができる。
なお、第二実施形態においては、チューブ30の外周面に螺旋状の溝30bを設けた例を示したが、溝の態様はこれに限られるものではない。例えば、チューブ30の長手方向に沿って直線状に延在する溝を、チューブ30の周方向に沿って所定の間隔をおいて複数設けることもできる。
また、第一(第二)実施形態においては、図1に示すように、下大静脈IVを経由して除細動カテーテル10(10A)を冠状静脈洞CSに挿入した例を示したが、上大静脈SVを経由して除細動カテーテル10(10A)を冠状静脈洞CSに挿入することもできる。
また、第一(第二)実施形態における除細動カテーテル10(10A)を2本使用して除細動を実施することもできる。かかる場合には、上大静脈SVを経由して1本目の除細動カテーテル10(10A)の第一除細動電極11(41)を冠状静脈洞CSに挿入する一方、下大静脈IVを経由して2本目の除細動カテーテル10(10A)の第一除細動電極11(41)を右心耳に挿入して、各電極の位置を固定する。そして、一方の第一除細動電極11(41)を、他方の第一除細動電極11(41)の対極として使用して、除細動を実施するようにする。
本発明は、以上の各実施形態に限定されるものではなく、これら実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。すなわち、前記各実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前記各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10・10A…除細動カテーテル
10a…チューブ(中実チューブ)
10b…先端電極
11…第一除細動電極
12…第二除細動電極
13…ペーシング電極
14…検出電極
15…基準電位電極
20…電線
30…チューブ(中空チューブ)
30a…空洞
30b…溝
31…先端電極(筒状電極)
31a…空洞
31b…リング
40…ワイヤ
41…第一除細動電極(ワイヤの先端部分)
42…大径部
W1・W2…操作用ワイヤ
10a…チューブ(中実チューブ)
10b…先端電極
11…第一除細動電極
12…第二除細動電極
13…ペーシング電極
14…検出電極
15…基準電位電極
20…電線
30…チューブ(中空チューブ)
30a…空洞
30b…溝
31…先端電極(筒状電極)
31a…空洞
31b…リング
40…ワイヤ
41…第一除細動電極(ワイヤの先端部分)
42…大径部
W1・W2…操作用ワイヤ
Claims (10)
- 先端に先端電極が設けられており可撓性を有するチューブと、
前記チューブから突出した状態で前記先端電極に電気的に接続可能とされ可撓性を有するワイヤ状の第一除細動電極と、
前記チューブの先端から基端側に所定距離離隔した位置に設けられた第二除細動電極と、を備え、
前記先端電極及び前記第二除細動電極は、前記チューブの基端側から先端側へと配された電線を介して外部電源と電気的に接続され、
前記第一除細動電極は、前記チューブの外径よりも小さい外径を有する、
除細動カテーテル。 - 前記第一除細動電極は、前記先端電極に予め取り付けられている、請求項1に記載の除細動カテーテル。
- 前記チューブは、内部に操作用ワイヤが埋め込まれた中実チューブである、請求項2に記載の除細動カテーテル。
- 前記第一除細動電極は、前記先端電極に対して取付け及び取外し可能に構成されている、請求項1に記載の除細動カテーテル。
- 前記チューブは、内部に空洞が形成された中空チューブであり、
前記第一除細動電極は、前記中空チューブの前記空洞に挿通されるワイヤの先端部分である、請求項4に記載の除細動カテーテル。 - 前記中空チューブの前記先端電極は、内部に空洞を有する筒状電極であり、
前記筒状電極の前記空洞には、拡径可能なリングが配置されており、
前記リングの外周面には、前記電線が接続されており、
前記ワイヤには、他の部分よりも外径が大きい大径部が局所的に設けられており、
前記リングの内部に前記ワイヤの大径部が挿入されて前記リングが拡径されることにより、前記リングの外周面と前記筒状電極の内周面とで前記電線が挟み込まれ、それにより、前記電線と前記筒状電極と前記ワイヤとが電気的に接続されるとともに前記第一除細動電極が前記中空チューブに取り付けられる、請求項5に記載の除細動カテーテル。 - 前記中空チューブの外周面には、前記電線を埋設させるための溝が設けられている、請求項6に記載の除細動カテーテル。
- 前記溝は、前記中空チューブの基端側から先端側へと螺旋状に設けられている、請求項7に記載の除細動カテーテル。
- 前記溝は、前記中空チューブの長手方向に沿って直線状に設けられている、請求項7に記載の除細動カテーテル。
- 前記チューブの前記先端電極と前記第二除細動電極の間には、ペーシング電極及び検出電極が設けられており、
前記ペーシング電極と前記検出電極の間には、基準電位電極が配置されている、請求項1から9の何れか一項に記載の除細動カテーテル。
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