[第1実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成されている。
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a、18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a、18bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態(所定遊技状態)とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(特別遊技状態)である。
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。また、所定遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態とすることができる。所定遊技状態は、例えば上記の遊技状態に加えて、確変状態であることを報知しない潜伏確変状態や、通常遊技状態よりも普図変動表示ゲームの当りが発生し易い小当りRUSH状態や、通常遊技状態時のモードとは異なる特定のモード(ゾーン、移行割合が低い特定のステージ)に移行した状態である。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可能な下皿23とが設けられている。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下させる右打ち(通常打ちよりも強い発射勢で打つ特別打ち)が含まれる。
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図2を参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2は、遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又はアクリルやプラスチック等の合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。遊技盤本体30aは、透過性、透光性のある材質によって形成される場合、遊技盤本体30aの一部が透明な部材で形成されてもよく、遊技盤30の一部の裏面ないし後方の構成が視認可能となる。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ通路40eへの流入口40aと、ワープ通路40eを通過した遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステージ部40bは、第1始動入賞口36と第3始動入賞口42を備える始動入賞口ユニット101の上方に配置されているため、ステージ部40b上で転動した遊技球は第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に入賞しやすくなっている。
センターケース40の上部には、上部演出ユニット40cが設けられる。上部演出ユニット40c(可動役物でもよい)は、盤装飾装置46(図4参照)及び盤演出装置44(図4参照)の一部を構成している。
センターケース40の右方の遊技領域32には、遊技球を左右に6回切りかえす6段流路40dが設けられ、6段流路の最上部に一般入賞口35が設けられる。また、6段流路の途中であって5段目の左方に、特別変動入賞装置39が臨んで配置され、6段流路の最下部に普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(図3参照)によって、開閉扉39cの下部を軸として左右に開閉する入賞装置である。特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウントスイッチ39a(図3参照)が配設されている。
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が2個配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a〜35n(図3参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、始動入賞口ユニット820が設けられる。始動入賞口ユニット820の下部には、遊技球が入賞した場合に特図1変動表示ゲームの開始条件(始動条件)を付与する第1始動入賞口36(第1始動入賞領域、始動口1)と、遊技球が入賞した場合に特図2変動表示ゲームの開始条件(始動条件)を付与する第3始動入賞口42(第3始動入賞領域、始動口3)とを備える。
始動入賞口ユニット820は、共通入口823から入った遊技球を入賞切替機構825によって振分けて、第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に交互に入賞させ得るように構成されている。なお、入賞切替機構825として、公知の機構(例えば、特開2015−36026号公報、特開2015−77230号公報に記載)が使用可能である。入賞切替機構825は、入賞領域を変更する領域変更手段を構成する。
入賞切替機構825は、始動入賞口ユニット820の共通入口823から入った遊技球を左側(第1始動入賞口36側)と右側(第3始動入賞口42側)に振分けて、始動入賞口ユニット820内を流下させる。始動入賞口ユニット820の共通入口823には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち時において、右打ち時より遊技球は流入し易くなる。
入賞切替機構825は、始動入賞口ユニット820本体に対して回転軸を中心として回動する回転部材と、回転部材の回転を止めるストッパ部材を有する。回転部材は、回転軸から三方に延びる三つの延在部を有する。三つの延在部によって、第1始動入賞口36へ流下させる遊技球を収容するL字状の収容部と、第3始動入賞口42へ流下させる遊技球を収容するL字状の収容部が形成される。
入賞切替機構825は、回転部材を左側と右側とに交互に回転させ、遊技球が入賞する始動入賞口を、第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に交互に切り替える。始動入賞口ユニット820の共通入口823に入球した遊技球は、エラーがない限り、入賞切替機構825によって左側(第1始動入賞口36側)と右側(第3始動入賞口42側)に交互に振分けられて、第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に交互に入賞(入球)することになる。
センターケース40の右方の遊技領域32には、普図始動ゲート34に下方において、遊技球の入賞に基づき特図2変動表示ゲームの開始条件(始動条件)を付与する第2始動入賞口(第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37が設けられる。普通変動入賞装置37は、上端側が右側に倒れる方向に回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換する開閉部材(可動部材)37bを備える。開閉部材(可動部材)37bが閉状態である場合には遊技球が普通変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が第1始動入賞口36、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)、又は、第3始動入賞口42に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
開閉部材(可動部材)37bは、所謂電チュー型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図3参照)を介して回動して開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、特定遊技状態としての確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第3始動入賞口42、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第3始動入賞口42、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の第1始動入賞口36への入賞、普通変動入賞装置37への入賞、及び第3始動入賞口42への入賞は、始動口1スイッチ36a(図3参照)、始動口2スイッチ37a(図3参照)及び始動口3スイッチ42a(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37及び第3始動入賞口42に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37又は第3始動入賞口42への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)は、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)などによってランプ表示装置80に設けられる左下の発光部85と右下の発光部86が第四特別図柄(第4図柄)として変動して、特図変動表示ゲームの実行中であることを報知することができる。
第四特別図柄の変動表示は、開始から所定時間後に、はずれの場合は「消灯」、大当りの場合は「点灯」で停止する。第四特別図柄の変動表示は、ランプ表示装置80の発光部85、86で表示されるが、それ以外の表示装置41、サブ表示装置で表示されてもよい。
ここで、ランプ表示装置80について説明すると、左上の発光部81と右上の発光部82は、特図2の保留に関する情報を報知し、中左の発光部83と中右の発光部84が特図1の保留に関する情報を報知する。左下の発光部85は、特図1変動表示ゲームの第4図柄として報知し、右下の発光部86は、特図2変動表示ゲームの第4図柄として報知する。なお、特図1の第4図柄と特図2の第4図柄とを区別せずに、単に変動表示ゲームが実行中(変動中)であることや停止中であることを報知してもよい。例えば、発光部85のみが点灯している場合は変動停止を報知し、発光部85と発光部86の交互点灯によって変動中を報知してもよい。
第1始動入賞口36、第3始動入賞口42又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド(39b)(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の短時間だけ閉状態から開状態に変換される。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは、入賞(即ち始動記憶)の発生した順に実行されるようになっており(入賞順消化)、特図1変動表示ゲーム及び/又は特図2変動表示ゲームの始動記憶が生じて特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、最も古くに発生した始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第3始動入賞口42内の始動口3スイッチ42a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ(39a)には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100には初期化スイッチ112が設けられている。初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。変動パターン(変動態様)には、リーチを生じさせるパターンが含まれることがある。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出の系統(リーチの種類、種別)として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値(期待度、信頼度)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、第3始動入賞口42内の始動口3スイッチ42a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ42a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aの検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号が入力される。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第2入力ポート123に入力されるようにしてもよい。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aと始動口3スイッチ42aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポート124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポート123や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64からの信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、中継基板70を介してリセット信号RSTを試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ、中継基板70を介して変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放させるソレノイド(普電ソレノイド)37c、特別変動入賞装置39を開放させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)39bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド39bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置250へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置250との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図4は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
役物演出スイッチ47には、本実施形態において、センサ564、センサ609、センサ668、センサ704等が含まれる。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、第1始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37a、第3始動入賞口42に備えられた始動口3スイッチ42aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第3始動入賞口42)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、12回、8回など)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。高確率状態(確変状態)は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態(電サポ状態)となる。なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして普電サポート(電サポ)を実行する。
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を通常の第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間にする時間短縮変動が可能である(例えば、10000msecが1000msec)。なお、時短状態においては、特図変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され、特図変動表示ゲームの時間短縮変動も実行する。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604msec)よりも短い第2停止時間(例えば704msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100msec)よりも長い第2開放時間(例えば1352msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、通常遊技状態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲームの実行回数が通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5A及び図5Bに示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図6に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5A及び図5Bは、遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
図5Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1002)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば、RAMのアドレスが0000h〜01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込む(A1006)。
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1012)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(A1008)、停電監視信号がオンである否かを判定する(A1009)。
遊技制御装置100は、停電監視信号がオンである場合には(A1009の結果が「Y」)、ステップA1008の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1010)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1010の結果が「N」)、ステップA1009の停電監視信号がオンであるか否かを判定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンでない場合(A1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1011)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1012)。タイマの値が0でない場合(A1012の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の停電監視信号のチェック回数を設定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1012の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1013)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1014)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(A1015)。さらに、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたか否かを判定する(A1016)。
遊技制御装置100は、初期化スイッチがオフである場合には(A1016の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1017)。そして、正常であれば(A1017の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1018)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1018の結果が「Y」)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1019)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1020)。チェックサムが一致する場合には(A1020の結果が「Y」)、図5BのステップA1021の処理に移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を実行する。
また、遊技制御装置100は、初期化スイッチがオンである場合(A1016の結果が「Y」)、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1017の結果が「N」、又は、A1018の結果が「N」)、チェックサムが正常でない場合には(A1020の結果が「N」)、図5BのステップA1026の処理に移行して初期化処理を実行する。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
遊技制御装置100は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(A1021)。初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、遊技制御装置100は、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(A1022)。
ここで、遊技制御装置100は、遊技状態が高確率状態でない場合には(A1022の結果が「N」)、ステップA1023及びステップA1024の処理をスキップして、ステップA1025の処理に移行する。また、遊技状態が高確率状態である場合には(A1022の結果が「Y」)、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(A1023)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(A1024)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信し(A1025)、ステップA1031の処理を実行する。
一方、ステップA1016,A1017,A1018,A1020の実行後にステップA1026の処理を実行する場合には、遊技制御装置100は、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定する(A1026)。さらに、ビジー信号ステータス領域を含むすべてのRAM領域を0クリアし(A1027)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(A1028)。
そして、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1029)。初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。さらに、遊技制御装置100は、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板に送信し(A1030)、ステップA1031の処理を実行する。
なお、ステップA1025の処理で送信される停電復旧時のコマンド及びステップA1030の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に特図変動表示ゲームの実行中であった場合は復旧画面コマンド、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンド、電源投入時に初期化された場合は電源投入コマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンドも含まれる。
遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1031)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
ステップA1031のCTC起動処理の実行後、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(A1032)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)等)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブし(A1033)、割込みを許可する(A1034)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1035)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
ステップA1035の初期値乱数更新処理の後、遊技制御装置100は、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(A1036)、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1037)。停電監視信号がオンでない場合には(A1037の結果が「N」)、ステップA1035の初期値乱数更新処理に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(A1035)の前に割込みを許可する(A1034)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待機させられることで割込み処理が圧迫されることを回避することができる。
なお、ステップA1035の初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要がある。一方、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合には(A1037の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、ステップA1036の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1038)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1038の結果が「N」)、ステップA1037に戻り、停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1038の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止し(A1039)、全出力ポートにオフデータを出力する(A1040)。
その後、遊技制御装置100は、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1041)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1042)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1043)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1044)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1045)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図6は、タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。さらに、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理を実行する(A1304)。なお、メイン処理におけるステップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1305)、さらに、乱数更新処理1(A1306)、乱数更新処理2(A1307)を実行する。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ42a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1308)。
さらに、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行し(A1309)、次に、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1310)。
次に、遊技制御装置100は、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1311)。セグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられた特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56、第1遊技状態表示部57、第2遊技状態表示部58、第3遊技状態表示部59、ラウンド表示部60を構成するセグメントLEDの駆動に関する設定等を行う。
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1312)。例えば、磁石不正監視処理では、異常があった場合に磁石不正フラグ領域に磁石不正発生フラグをセーブする。さらに、遊技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1313)。例えば、電波不正監視処理では、異常があった場合に盤電波不正フラグ領域に盤電波不正発生フラグをセーブする。
その後、遊技制御装置100は、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1314)。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(A1305)、入賞口スイッチ/状態監視処理(A1308)、磁石不正監視処理(A1312)、盤電波不正監視処理(A1313)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。その後、タイマ割込み処理を終了する。なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処理を行ってもよい。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1309)の詳細について説明する。図7は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ42aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ42aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2601)。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37、第3始動入賞口42に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。なお、大入賞口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A2603)。特図ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A2604)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(A2604の結果が「N」)、ステップA2615の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(A2604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。続いて、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A2607)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する(A2608)。なお、特図普段処理の詳細については、図13にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理を実行する(A2609)。なお、特図変動中処理の詳細については、図21にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理を実行する(A2610)。なお、特図表示中処理の詳細については、図22にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A2611)。例えば、ファンファーレ/インターバル中処理では、実行するラウンド遊技のラウンドに対応するラウンドコマンド(演出コマンド)や大入賞口の開放時間など必要な情報を設定して、大入賞口開放中処理に係る処理番号「4」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A2612)。例えば、大入賞口開放中処理では、演出コマンドとしてのインターバルコマンドやエンディングコマンドなど必要な情報を設定して、大入賞口残存球処理に係る処理番号「5」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「5」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理を実行する(A2613)。例えば、大入賞口残存球処理では、最終ラウンドでなければインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。最終ラウンドであればエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、大当り終了処理に係る処理番号「6」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「6」の場合には、特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A2614)。なお、大当り終了処理の詳細については、図25にて後述する。
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A2615)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A2616)。そして、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A2617)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(A2618)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2601)の詳細について説明する。図8は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、第1始動入賞口36(始動口1)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2701)、ハード乱数取得処理を実行し(A2702)、第1始動入賞口36への入賞があるか否かを判定する(A2703)。第1始動入賞口36への入賞がない場合(A2703の結果が「N」)には、ステップA2709以降の処理を実行する。一方、第1始動入賞口36への入賞がある場合(A2703の結果が「Y」)、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A2704)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A2704の結果が「N」)、ステップA2707以降の処理を実行する。一方、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A2704の結果が「Y」)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する(A2706)。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定処理を実行する。本実施形態の場合、第1始動入賞口36へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に第1始動入賞口36に入賞があった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、第1始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2708)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2709)、ハード乱数取得処理を実行し(A2710)、第2始動入賞口への入賞があるか否かを判定する(A2711)。第2始動入賞口への入賞がない場合(A2711の結果が「N」)には、ステップA2716以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(A2711の結果が「Y」)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中であるか否か、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A2712)。普通電動役物が作動中である場合(A2712の結果が「Y」)、ステップA2714の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合(A2712の結果が「N」)、普電不正発生中であるかを判定する(A2713)。普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。従って、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、ステップA2716以降の処理を実行する。また、A2713にて、普電不正発生中である(A2713の結果が「Y」)と判定した場合にも、ステップA2716以降の処理を実行する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
遊技制御装置100は、第3始動入賞口42(始動口3)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2716)、ハード乱数取得処理を実行し(A2717)、第3始動入賞口42(始動口3)への入賞があるか否かを判定する(A2718)。第3始動入賞口42への入賞がない場合(A2718の結果が「N」)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。一方、第3始動入賞口42への入賞がある場合(A2718の結果が「Y」)、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A2719)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A2719の結果が「N」)、ステップA2722以降の処理を実行する。一方、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A2719の結果が「Y」)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A2720)、演出コマンド設定処理を実行する(A2721)。
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定処理を実行する。本実施形態の場合、第3始動入賞口42へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に第3始動入賞口42に入賞があった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、第3始動入賞口42(始動口3)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2722)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2723)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A2715、A2723)の詳細について説明する。図9は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aや始動口3スイッチ42aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ42aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロードした値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ42aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新する(A2906)。
そして、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド又は飾り特図1保留数コマンド)を演出コマンドとして準備し(A2907)、演出コマンド設定処理を実行する(A2908)。続いて、対象の始動口入賞フラグをセーブする(A2909)。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(A2910)、ステップA2805にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2911)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2912)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2913)。
そして、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1、2を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(A2914)。次に、RWM内において特図1保留数と特図2保留数の合計に対応する変動順序フラグ格納領域のアドレスを算出し(A2915)、算出した変動順序フラグ格納領域に対象の変動順序フラグをセーブする(A2916)。これにより、保留(例えば保留1〜8)の何れかに対応する格納領域のアドレスが算出され、特図1又は特図2の変動(変動表示ゲーム)を示す変動順序フラグがセーブされる。続いて、特図保留情報判定処理を実行して(A2917)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、第1始動入賞口36、第3始動入賞口42、普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)又は第3始動入賞口42への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(A2917)の詳細について説明する。図10は、特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み(事前判定)処理である。
遊技制御装置100は、まず、低確率での判定であることを示す低確率判定フラグを準備し(A3001)、大当り乱数値が大当り判定値(低確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるかを判定する先読み大当り判定処理を実行する(A3002)。そして、先読み大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(A3003)。判定結果が大当りである場合(A3003の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3004)、ステップA2912にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(A3005)、ステップA3007の処理に移行する。一方、判定結果が大当りでない場合(A3003の結果が「N」)、はずれの停止図柄情報を設定して(A3006)、ステップA3007の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄情報をRWM内の図柄情報領域にセーブする(A3007)。続いて、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(低確率)を演出コマンドとして準備し(A3008)、演出コマンド設定処理を実行する(A3009)。先読み停止図柄コマンド(低確率)は、低確率判定値で判定した停止図柄情報等を示す。
次に、遊技制御装置100は、高確率での判定であることを示す高確率判定フラグを準備し(A3010)、大当り乱数値が大当り判定値(高確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるかを判定する先読み大当り判定処理を実行する(A3011)。そして、先読み大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(A3012)。判定結果が大当りである場合(A3012の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3013)、ステップA2912にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(A3014)、ステップA3016の処理に移行する。一方、判定結果が大当りでない場合(A3012の結果が「N」)、はずれの停止図柄情報を設定して(A3015)、ステップA3016の処理に移行する。
そして、遊技制御装置100は、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態、特図高確率中)であるか否かを判定する(A3016)。高確率状態である場合(A3016の結果が「Y」)、停止図柄情報をRWM内の図柄情報領域にセーブして(A3017)、ステップA3018の処理に移行する。高確率状態でない場合(A3016の結果が「N」)、ステップA3017の処理を行わず、そのままステップA3018の処理に移行する。
このように、高確率状態である場合に、高確率判定値で判定した停止図柄情報が図柄情報領域に上書きされ、最終的にセーブされる。一方、高確率状態でない場合(低確率状態の場合)に、低確率判定値で判定した停止図柄情報(A3007)が図柄情報領域に最終的にセーブされていることになる。図柄情報領域に最終的にセーブされている停止図柄情報は、変動パターンの先読み(A3020、A3021)において利用される。
その後、遊技制御装置100は、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(高確率)を演出コマンドとして準備し(A3018)、演出コマンド設定処理を実行する(A3019)。先読み停止図柄コマンド(高確率)は、高確率判定値で判定した停止図柄情報等を示す。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行し(A3020)、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3021)。なお、ステップA3020における特図情報設定処理、ステップA3021における変動パターン設定処理は、後述の特図普段処理内の変動開始処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン番号に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして準備して(A3022)、演出コマンド設定処理を実行し(A3023)、特図保留情報判定処理を終了する。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
さらに、以上の処理によって、低確率判定値で大当り判定した先読み判定結果と、高確率判定値で大当り判定した先読み判定結果の両方が、各々、先読み停止図柄コマンド(低確率)と先読み停止図柄コマンド(高確率)として、演出制御装置300に送信される。これにより、先読み停止図柄コマンドの送信後に大当りの確率状態が変化しても、演出制御装置300は、先読み予告(保留変化予告等)を変化前後の確率状態に対応して実行できる。
〔先読み大当り判定処理〕
次に、特図保留情報判定処理における先読み大当り判定処理(A3002、A3011)の詳細について説明する。図11は、先読み大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3101)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3102)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3102の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3107)、先読み大当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A3102の結果が「N」)、判定フラグが高確率判定フラグであるか否かを判定する(A3103)。そして、判定フラグが高確率判定フラグである場合には(A3103の結果が「Y」)、高確率中の上限判定値を設定する(A3104)。一方、判定フラグが高確率判定フラグでない場合(低確率判定フラグである場合)には(A3103の結果が「N」)、低確率中の上限判定値を設定する(A3105)。
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3106)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3106の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A3107)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3106の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3108)。判定結果を設定すると、先読み大当り判定処理を終了する。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(A2602)の詳細について説明する。図12は、大入賞口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるか否かを判定する(A3201)。大入賞口開放中処理中である場合(A3201の結果が「Y」)、ステップA3203の処理に移行する。また、大入賞口開放中処理中でない場合(A3201の結果が「N」)、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるか否かを判定する(A3202)。
遊技制御装置100は、大入賞口残存球処理中である場合(A3202の結果が「Y」)、ステップA3203の処理に移行する。また、大入賞口残存球処理中でない場合(A3202の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。特図ゲーム処理タイマが0になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ39aに入力があるか否かを判定する(A3203)。大入賞口スイッチに入力がない場合(A3203の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口スイッチに入力がある場合(A3204の結果が「Y」)、大入賞口カウントコマンドを演出コマンドとして準備して(A3204)、演出コマンド設定処理(A3205)を実行する。
続いて、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるか否かを判定する(A3106)。大入賞口開放中処理中でない場合(A3106の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口開放中処理中である場合(A3106の結果が「Y」)、大入賞口カウント数を+1更新する。
そして、遊技制御装置100は、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上となったか否かを判定する(A3208)。大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(A3208の結果が「N」)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(A3208の結果が「Y」)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(A3209)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(A2608)の詳細について説明する。図13は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1保留数と特図2保留数は共に0であるか否かを判定する(A3301)。特図1保留数と特図2保留数が共に0である場合(A3301の結果が「Y」)、ステップA3310の処理に移行する。特図1保留数と特図2保留数のうち少なくとも一方が0でない場合(A3301の結果が「N」)、最先で消化される保留(保留1)(最も古い保留)に対応する変動順序フラグ格納領域(保留数合計1用)から変動順序フラグをロードする(A3302)。
次に、遊技制御装置100は、変動順序フラグが特図1の変動(特図1変動表示ゲーム)を示すものであるか否かを判定する(A3303)。変動順序フラグが特図1の変動を示すものである場合(A3303の結果が「Y」)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備する(A3304)、演出コマンド設定処理を実行する(A3305)。この飾り特図保留数コマンドは、現時点での特図1保留数から1だけ減算した値(これから開始する特図1変動表示ゲーム実行後の特図1保留数)に関する情報を含む。そして、特図1変動表示ゲームを開始するための特図1変動開始処理を実行し(A3306)、特図普段処理を終了する。
また、変動順序フラグが特図1の変動を示すものでない場合(A3303の結果が「N」)、即ち、特図2の変動を示すものである場合、遊技制御装置100は、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A3307)、演出コマンド設定処理を実行する(A3308)。この飾り特図保留数コマンドは、現時点での特図2保留数から1だけ減算した値(これから開始する特図2変動表示ゲーム実行後の特図1保留数)に関する情報を含む。そして、特図2変動表示ゲームを開始するための特図2変動開始処理を実行し(A3309)、特図普段処理を終了する。
遊技制御装置100は、特図1保留数と特図2保留数が共に0である場合(A3301の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定する(A3310)。客待ちデモが開始済みである場合(A3310の結果が「Y」)、ステップA3314の処理に移行する。客待ちデモが開始済みでない場合(A3310の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットし(A3311)、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備し(A3312)、演出コマンド設定処理を実行する(A3213)。客待ちデモコマンドを受信した演出制御装置300は、表示装置41等において客待ちデモを実行する。
続けて、遊技制御装置100は、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A3314)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A3315)。そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(A3316)、RWM内の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A3317)、特図普段処理を終了する。
このように、最先で消化される保留(保留1)に対応する変動順序フラグ格納領域(保留数合計1用)から変動順序フラグをロードして、変動順序フラグに示される種別の変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲーム)が開始される。すなわち、変動表示ゲームはその入賞(始動記憶)の発生した順に実行されるようになっており、保留は入賞順で古いものから消化されることになる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図1変動開始処理(A3306)の詳細について説明する。図14は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(A3401)。続いて、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A3402)。大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(A3403)。特図1停止図柄設定処理の詳細については後述する。さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3404)。特図情報設定処理の詳細については後述する。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3405)。その後、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3406)。変動パターン設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3407)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、特図1変動表示ゲームに関して、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を行う。また、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する。次いで、乱数格納領域をシフトし、シフト後の空き領域をクリアする。続いて、遊技制御装置100は、変動順序フラグ格納領域をシフトし、シフト後の空き領域をクリアする。
そして、遊技制御装置100は、処理番号として特図変動中処理に係る「1」を設定し(A3408)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A3409)。
そして、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A3410)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3411)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A3412)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(A3413)。続いて、特図1変動図柄番号領域に初期値(例えば0)をセーブし(A3414)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図2変動開始処理(A3309)の詳細について説明する。図15は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図14に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(A3501)。続いて、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理を実行する(A3502)。
次に、遊技制御装置100は、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(A3503)。さらに、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3504)。続いて、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3505)。
その後、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3506)。そして、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行する(A3507)。変動開始情報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、特図2変動表示ゲームに関して、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を行う。また、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する。次いで、乱数格納領域をシフトし、シフト後の空き領域をクリアする。続いて、遊技制御装置100は、変動順序フラグ格納領域をシフトし、シフト後の空き領域をクリアする。
次に、遊技制御装置100は、まず、処理番号として特図変動中処理に係る「1」を設定し(A3508)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A3509)。
そして、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A3510)、特図2の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3511)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A3512)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(A3513)。続いて、特図2変動図柄番号領域に初期値(例えば0)をセーブし(A3414)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3402)の詳細について説明する。図16は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3601)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3602)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3603)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3604)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3604)の判定結果が大当りである場合(A3605の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3606)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3604)の判定結果が大当りでない場合(A3605の結果が「N」)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図1変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3502)の詳細について説明する。図17は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図16に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A3701)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3702)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3703)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3704)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りである場合(A3705の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3706)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りでない場合(A3705の結果が「N」)、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図2変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(A3604、A3704)の詳細について説明する。図18は、大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理である。
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3801)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3802)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3802の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3807)、大当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A3802の結果が「N」)、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態)であるか否かを判定する(A3803)。そして、高確率状態である場合には(A3803の結果が「Y」)、高確率中の上限判定値を設定する(A3804)。一方、高確率状態でない場合には(A3803の結果が「N」)、低確率中の上限判定値を設定する(A3805)。
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3806)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3806の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A3807)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3806の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3808)。判定結果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(A3403)の詳細について説明する。図19は、特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1が大当りか否かを判定し(A4001)、大当りである場合(A4001の結果が「Y」)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4002)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定する(A4003)。続いて、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(A4004)。この処理により特別結果の種類(大当りの種類)が選択される。
その後、遊技制御装置100は、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定して(A4005)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(A4006)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブする(A4007)。本実施形態において、ラウンド数上限値は、12Rや8Rなどである。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、
確率変動判定データ領域にセーブする(A4008)。確率変動判定データには、大当り状態終了後の確率状態(高確率/低確率)、及び、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の情報が含まれてよい。本実施形態では、確率変動判定データとして、低確率データ(通常、電サポなし)、高確率データ1(確変、電サポあり)、高確率データ2(潜伏確変、電サポなし)がある。その後、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド(飾り特図1コマンド)を準備する(A4011)。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A4001の結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(A4009)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(A4010)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4011)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(A4012)、演出コマンド設定処理を実行する(A4013)。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4014)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(A4015)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(A3503)の詳細について説明する。図20は、特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2が大当りか否かを判定し(A4101)、大当りである場合(A4101の結果が「Y」)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4102)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定する(A4103)。続いて、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(A4104)。この処理により特別結果の種類(大当りの種類)が選択される。
その後、遊技制御装置100は、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定して(A4105)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(A4106)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブする(A4107)。本実施形態において、ラウンド数上限値は、12Rや8Rなどである。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得し、
確率変動判定データ領域にセーブする(A4108)。確率変動判定データには、大当り状態終了後の確率状態(高確率/低確率)、及び、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の情報が含まれてよい。例えば、確率変動判定データとして、低確率データ(通常、電サポなし)、高確率データ1(確変、電サポあり)、高確率データ2(潜伏確変、電サポなし)などがある。その後、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド(飾り特図2コマンド)を準備する(A4111)。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ2が大当りでない場合(A4101の結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(A4109)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(A4110)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(A4111)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(A4112)、演出コマンド設定処理を実行する(A4113)。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4114)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアし(A4115)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
〔特図変動中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図変動中処理(A2609)の詳細について説明する。図21は、特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、変動図柄判別フラグ(特図1変動フラグ又は特図2変動フラグ)に対応する図柄停止コマンド(特図1図柄停止コマンド又は特図2図柄停止コマンド)を演出コマンドとして準備し(A4701)、演出コマンド設定処理を実行する(A4702)。図柄停止コマンドを受信した演出制御装置300は、対応する飾り特図変動表示ゲーム(飾り特図1変動表示ゲーム又は飾り特図2変動表示ゲーム)を停止する。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄パターンを示す停止図柄パターン番号に対応する表示時間を設定して(A4703)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4704)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として800msecを設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として2000msecを設定する。
次いで、遊技制御装置100は、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(A4705)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A4706)。
次に、遊技制御装置100は、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A4707)、さらに、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A4708)。
続いて、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号を外部情報端子に出力する際に使用する図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256msec)をセーブする(A4709)。
その後、遊技制御装置100は、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブする(A4710)。さらに、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(A4711)、特図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図表示中処理(A2610)の詳細について説明する。図22は、特図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(A4801)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする(A4802)。
そして、遊技制御装置100は、ロードされた大当りフラグ2が大当りか否かを判定して(A4803)、大当りである場合(A4803の結果が「Y」)、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をオン、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をオン)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(A4811)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(A4812)。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない場合(A4803の結果が「N」)、ロードされた大当りフラグ1が大当りか否かを判定して(A4804)、大当りである場合(A4804の結果が「Y」)、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をオン、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をオン)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(A4805)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理を実行する(A4812)。
遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A4804の結果が「N」)、時間短縮変動回数更新処理を実行し(A4806)、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A4807)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A4808)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(A4809)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A4810)、特図表示中処理を終了する。
その後、遊技制御装置100は、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、12又は8など)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(A4813)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(A4814)。
続いて、遊技制御装置100は、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、演出コマンドとして準備して(A4815)、演出コマンド設定処理を実行する(A4816)。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを演出コマンドとして準備して(A4817)、演出コマンド設定処理を実行する(A4818)。続けて、ラウンド数上限値に対応するファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備して(A4819)、演出コマンド設定処理を実行する(A4820)。
その後、遊技制御装置100は、大当りファンファーレ時間(例えば10000msec)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4821)。そして、大入賞口不正入賞数領域をクリアし(A4822)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(A4823)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(A4824)、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置39を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段をなす。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(A4824)の詳細について説明する。図23は、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を設定し(A5501)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A5502)。
次に、遊技制御装置100は、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をオン、大当り2信号をオン、大当り3信号をオン、大当り4信号をオン)を外部情報出力データ領域にセーブし(A5503)、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をオフ、特別図柄2高確率状態信号をオフ、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフ、普通図柄1高確率状態信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A5504)。なお、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時オフされている。その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するためのラウンド数領域をクリアし(A5505)、時短中の表示LED(例えば、第2遊技状態表示部58)を消灯させるため、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(A5506)、RWM内の普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(A5507)。
そして、遊技制御装置100は、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(A5508)、高確率状態の表示に係る遊技盤30に設けた遊技状態表示LED(第3遊技状態表示部)59を消灯させるために高確率報知フラグ領域をクリアして(A5509)、RWM内の特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(A5510)。次に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブするRWM内の停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(A5511)。これにより高確率状態及び時短状態(普電サポート状態)が終了する。
その後、右打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(A5512)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(A5513)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
次に、前述の特図表示中処理における時間短縮変動回数更新処理(A4806)の詳細について説明する。図24は、時間短縮変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図高確率(高確率状態)中であるか否かを判定する(A5701)。特図高確率中である場合には(A5701の結果が「Y」)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図高確率中でない場合には(A5701の結果が「N」)、特図時短(時短状態)中であるか否かを判定する(A5702)。特図時短中でない場合には(A5702の結果が「N」)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図時短中である場合には(A5702の結果が「Y」)、時短状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する時間短縮変動回数を−1更新し(A5703)、時間短縮変動回数が0となったか否かを判定する(A5704)。時間短縮変動回数が0でない場合(A5704の結果が「N」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも時短状態が継続する場合には、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、時間短縮変動回数が0である場合(A5704の結果が「Y」)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合には、確率情報コマンド(時短終了)を準備し(A5705)、演出コマンド設定処理を実行する(A5706)。その後、時短終了設定処理を実行し(A5707)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。例えば、時短終了設定処理では、遊技状態表示番号領域に低確率中の番号をセーブし、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&普電サポートなしフラグをセーブし、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする。
〔大当り終了処理〕
次に、特図ゲーム処理における大当り終了処理(A2614)の詳細について説明する。図25は、大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、ステップA4008で確率変動判定データ領域にセーブした確率変動判定データによるサブルーチンコールを実行する(A6401)。確率変動判定データが低確率データ(通常、電サポあり)である場合、大当り終了設定処理1を実行する(A6402)。確率変動判定データが高確率データ1(確変、電サポあり)である場合、大当り終了設定処理2を実行する(A6403)。確率変動判定データが高確率データ2(潜伏確変、電サポなし)である場合、大当り終了設定処理3を実行する(A6404)。
次に、遊技制御装置100は、停電復旧時送信コマンド領域から確率情報コマンドをロードし、演出コマンドとして準備し(A6405)、演出コマンド設定処理を実行する(A6406)。
その後、遊技制御装置100は、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定し(A6407)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A6408)。そして、大当りの終了に関する信号(例えば、大当り1信号をオフ、大当り3信号をオフ、大当り4信号をオフ)を外部情報出力データ領域にセーブして(A6409)、大当りの終了に関する信号(例えば、条件装置作動中信号をオフ、役物連続作動装置作動中信号をオフ、特別図柄1当り信号をオフ、特別図柄2当り信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6410)。そして、確率変動判定フラグ領域をクリアする(A6411)。
続いて、遊技制御装置100は、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(A6412)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A6413)、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理1(A6402)の詳細について説明する。図26は、大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A6501)、さらに、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A6502)、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブする(A6503)。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&普電サポートフラグをセーブし(A6504)、さらに、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短フラグをセーブする(A6505)。
次に、遊技制御装置100は、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短)をセーブし(A6506)、さらに、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(例えば70)をセーブする(A6507)。その後、大当り終了設定処理1を終了する。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態となるとともに時短状態となる。また、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(例えば70)をセットすることで、所定回数(例えば70回)の特図変動表示ゲームの実行により時短状態が終了するようになる。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理2(A6403)の詳細について説明する。図27は、大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時短の開始に関する信号(大当り2信号をオン)を外部情報出力データ領域にセーブし(A6601)、高確率&時短ありの開始に関する信号(特別図柄1高確率状態信号をオン、特別図柄2高確率状態信号をオン、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオン、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオン、普通図柄1高確率状態信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6602)。
次に、遊技制御装置100は、時短中の表示LED(例えば、第2遊技状態表示部58)を点灯させるため、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(A6603)、RWM内の普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブし(A6604)RWM内の特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短ありフラグをセーブする(A6605)。そして、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブするRWM内の停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(A6606)。なお、時短中は右打ちするが、大当り中から右打ちしているので右打ちに関する設定は行われない。
〔大当り終了設定処理3〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理3(A6404)の詳細について説明する。図28は、大当り終了設定処理3の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時短なしに関する信号(大当り2信号をオフ)を外部情報出力データ領域にセーブし(A6701)、高確率&時短なしの開始に関する信号(特別図柄1高確率状態信号をオン、特別図柄2高確率状態信号をオン、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフ、普通図柄1高確率状態信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A6702)。
遊技制御装置100は、時短中の表示LED(例えば、第2遊技状態表示部58)を消灯させるため、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(A6703)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブし(A6704)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短なしフラグをセーブする(A6705)。そして、左打ち指示に関する信号(例えば、発射位置指定信号1をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブし(A6706)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(A6707)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(潜伏)をセーブする(A6708)。
〔普図ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図ゲーム処理(A1310)の詳細について説明する。図29は、普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(A7601)。ゲートスイッチ監視処理の詳細については、後述する。
続いて、遊技制御装置100は、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理を実行する(A7602)。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A7603)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A7604)。
遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0である場合(A7604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A7605)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A7606)。そして、普図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A7607)。
遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理を実行する(A7608)。普図普段処理の詳細については、図31にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理を実行する(A7609)。例えば、普図変動中処理では、普図表示中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「2」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図表示時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理を実行する(A7610)。例えば、普図表示中処理では、普図変動表示ゲームの結果が当りの場合に、普図当り中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「3」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする一方、はずれの場合に、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理を実行する(A7611)。例えば、普図当り中処理では、所定回数だけ普通変動入賞装置37を開放するための設定を行った後、普電残存球処理に移行するために、ゲーム処理番号として「4」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理を実行する(A7612)。例えば、普電残存球処理では、普図当り終了処理に移行するために、ゲーム処理番号として「5」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図エンディング時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理(A7608)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理を実行する(A7613)。例えば、普図当り終了処理では、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備する(A7614)。その後、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A7615)、普図ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A7604の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA7614以降の処理を実行する。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
図30は、ゲートスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。ゲートスイッチ監視処理は、図29に示した普図ゲーム処理におけるステップA7601にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるか否かを判定する(A7701)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(A7701の結果が「Y」)、右打ちする遊技状態であるか否かを判定する(A7702)。右打ちする遊技状態は、大当り状態、時短状態(普電サポート状態)である。右打ちする遊技状態である場合(A7702の結果が「Y」)、ステップA7705の処理に移行する。右打ちする遊技状態でない場合(A7702の結果が「N」)、左打ち指示報知コマンド(左打ち指示コマンド)を演出コマンドとして準備し(A7703)、演出コマンド設定処理を実行する(A7704)。左打ち指示報知コマンドを受信した演出制御装置300は、左打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(例えば4)未満であるか否かを判定する(A7705)。遊技制御装置100は、普図保留数が上限値未満である場合には(A7705の結果が「Y」)、普図保留数を+1更新し(A7706)、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(A7707)。そして、当り乱数を抽出してRWMの当り乱数格納領域にセーブし(A7708)、当り図柄乱数を抽出し、当り図柄乱数格納領域にセーブし(A7709)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、ゲートスイッチ34aに入力がない場合(A7701の結果が「N」)、又は、普図保留数が上限値未満でないと判定された場合には(A7705の結果が「N」)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図普段処理(A7608)の詳細について説明する。図31は、普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図保留数が0であるか否かを判定する(A7901)。普図保留数が0でない場合には(A7901の結果が「N」)、RWMの普図当り乱数格納領域(保留数1用)から当り乱数をロードし、RWMの普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から当り図柄乱数をロードし、ロードした後の普図当り乱数格納領域(保留数1用)と普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A7902)。さらに、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高い普図高確率中(高確率状態中)であるか否か、すなわち、時短状態(普電サポート状態)であるか否かを判定する(A7903)。なお、高確率中の普図当り確率は250/251であり、低確率中での普図当り確率は0/251である。
遊技制御装置100は、普図高確率中でない場合(A7903の結果が「N」)、普図低確率中の下限判定値である低確率下限判定値(ここでは251)を設定し(A7904)、普図高確率中である場合(A7903の結果が「Y」)、普図高確率中の下限判定値である高確率下限判定値(ここでは1)を設定し(A7905)、ステップA7906の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が上限判定値(ここでは251)以上であるか否か判定する(A7906)。なお、ここでの上限判定値は、普図高確率中と普図低確率中とで共通する。当り乱数が上限判定値以上である場合(A7906の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、ステップA7908の処理に移行する。当り乱数が上限判定値未満である場合(A7906の結果が「N」)、当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定する(A7907)。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満である場合(A7907の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(A7908)。さらに、普図停止図柄番号としてはずれ停止図柄番号を設定し(A7909)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7910)、ステップA7914の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満でない場合(A7907の結果が「N」)、即ち、当りの場合、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(A7911)、ロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(A7912)、当り停止図柄番号に対応する当り停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7913)、ステップA7914の処理に移行する。なお、当り停止図柄は、数種類存在してよく、本実施形態では2個存在する。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブし(A7914)、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブし(A7915)、普図当り乱数格納領域をシフトし(A7916)、シフト後の空き領域を0クリアした後(A7917)、普図保留数を−1更新する(A7918)。
すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数3を抽出し(A7919)、変動パターン乱数3に対応する変動時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A7920)。例えば、変動時間は、確率200/256で500msec、確率40/256で1500msec、確率16/256で3000msecに振り分けられる。そして、普図変動中処理移行設定処理を実行し(A7921)、普図普段処理を終了する。例えば、普図変動中処理移行設定処理では、普図変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする。そして、普図表示器の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値(例えば100msec)を普図点滅制御タイマ領域にセーブし、普図変動図柄番号領域に初期値(ここでは0)をセーブする。
また、遊技制御装置100は、普図保留数が0である場合には(A7901の結果が「Y」)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A7922)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A7923)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A7924)、普図普段処理を終了する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図32は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイコン311(演出用マイコン)によって実行される。
なお、演出制御装置300が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B0001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B0002、B0003)、割込みを許可する(B0004)。割込みが許可されると、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し(B0005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B0006)。そして、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B0007)。
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B0008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B0002)で起動され、CPU311が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンスイッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B0009)。続いて、遊技者や遊技店関係者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B0010)。ホール・遊技者設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊技者は演出をカスタマイズすることができる。
次に、演出制御装置300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制御処理を実行する(B0011)。演出ポイント制御処理では、演出ポイントの加算対象となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、演出ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時などに、例えば、演出ポイントの情報等を含む情報をQRコード(登録商標)として表示装置41に表示される。
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B0012)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B0013)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図33にて後述する。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する内容に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B0014)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B0015)。
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B0015)。フレーム切替タイミングでない場合は(B0016の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB0016の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B0016の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B0017)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B0018)。
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B0019)。装飾制御処理では、例えば、LED等の装飾装置の発光制御を実行する。
また、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演出装置(盤演出装置44)を制御する可動体制御処理を実行する(B0020)。
また、演出制御装置300は、導光板の発光演出を制御する導光板制御処理を実行する(B0021)。
そして、演出制御装置300は、前述のB0021の処理を終えると、B0008の処理に戻る。以降、B0008からB0021までの処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図33を参照して、上述したメイン処理における受信コマンドチェック処理(B0013)の詳細について説明する。図33は、演出制御装置300によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェックするためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100から受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B1104)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0〜31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返す。
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y」)、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、次の図34にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していない場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y」)、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図34を参照して、前述した受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図34は、演出制御装置300によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100から演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B1202)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1205)。なお、変動系コマンドには、飾り特別図柄の変動パターンを指令する変動コマンドがある。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B1205の結果が「N」)、次に、MODE部が大当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B1207)。なお、大当り系コマンドは、大当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドであり、例えば、ファンファーレコマンド、ラウンドコマンド、インターバルコマンド、エンディングコマンドなどである。そして、MODE部が大当り系コマンドを表す場合には(B1207の結果が「Y」)、大当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が大当り系コマンドを表していない場合には(B1207の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1209)。なお、図柄系コマンドには、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドがある。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B1209の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B1211の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1213)。先読み図柄系コマンドには、先読み停止図柄コマンドがある。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、先読み変動パターンコマンドがある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図35を参照して、前述した受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(B1206)の詳細について説明する。図35は、演出制御装置300によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1301)。特図種別が未確定である場合(B1301の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定でない場合(B1301の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの組合せをチェックし(B1302)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを判定する(B1303)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうことである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1303の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1303の結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別(リーチの種類、種別を含む)を判別し(B1304)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B1305)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1306)、連続演出等の先読み演出回数が0でなければ−1更新する(B1307)。
〔変動演出設定処理〕
次に、図36を参照して、前述した変動系コマンド処理における変動演出設定処理(B1305)の詳細について説明する。図36は、演出制御装置300によって実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にならない変動)であるか否かを判定する(B1401)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(B1401の結果が「Y」)、機種コード、特図種別、演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B1402)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B1403)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対応するテーブルのアドレスを取得している。
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B1401の結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B1404)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B1405)。
演出制御装置300は、ステップB1403、B1405の後、前半変動中(リーチ前)に出現する予告の抽選を行う(B1406)。続いて、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B1407)、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(B1408)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(B1409)。その後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容を決定する(B1410)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などがわかる。
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決定する(B1411)。その後、リーチ演出等の変動演出や予告演出の内容に応じて、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する(B1412)。ここで、はずれ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止図柄を具体的に決定する。
次に、演出制御装置300は、変動演出の表示設定を行い(B1413)、予告演出の表示設定を行う(B1414)。続いて、特図種別に対応する保留減少(保留シフト)の表示設定を行い、例えば、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減るアニメーションが設定される(B1415)。続いて、スピーカによる演出態様を定める音声番号、装飾装置の演出動作を定める装飾番号を設定する(B1416)。
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B1417)、表示装置41で変動する前述の第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄(第4図柄)に関する第4図柄変動の表示設定を行う(B1418)。なお、第4図柄変動は、表示装置41以外に設けた前述のランプ表示装置(LED)80で表示される。
次に、演出制御装置300は、次に実行される変動表示ゲームの予告までを全て決定した上で、リーチ内容を変更したり、置換するかの切り替えを決定する演出内容決定処理を実行する(B1419)。
〔大当り系コマンド処理〕
次に、図37を参照して、上述した受信コマンド解析処理における大当り系コマンド処理(B1208)の詳細について説明する。図37は、演出制御装置300によって実行される大当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表すか否かを判定する(B1501)。大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表す場合(B1501の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがファンファーレコマンドである場合、演出制御装置300は、ファンファーレ演出設定処理を実行し(B1502)、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにファンファーレ中を設定し(B1503)、本処理を終了する。なお、ラウンド数上限値は、ファンファーレコマンドだけでなく、図柄系コマンド(停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド)から判定される図柄種別からも得ることができる。
演出制御装置300は、受信した大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表さない場合には(B1501の結果が「N」)、大当り系コマンドのMODE部がラウンドを表すか否かを判定する(B1504)。MODE部がラウンドを表す場合(B1504の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがラウンドコマンドである場合、演出制御装置300は、ラウンド演出設定処理を実行し(B1505)、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにラウンド中を設定し(B1506)、本処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのMODE部がラウンドを表さない場合には(B1504の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのMODE部がインターバルを表すか否かを判定する(B1507)。MODE部がインターバルを表す場合(B1507の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがインターバルコマンドである場合、演出制御装置300は、インターバル演出設定処理を実行し(B1508)、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにインターバル中を設定し(B1509)、本処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのMODE部がインターバルを表さない場合には(B1507の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのMODE部がエンディングを表すか否かを判定する(B1510)。MODE部がエンディングを表す場合(B1510の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがエンディングコマンドである場合、エンディング演出設定処理を実行し(B1511)、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにエンディング中を設定し(B1512)、本処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのMODE部がエンディングを表さない場合には(B1510の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのMODE部が大入賞口カウントであるか否かを判定する(B1513)。MODE部が大入賞口カウントを表す場合には(B1513の結果が「Y」)、演出制御装置300は、現在が短開放中であるか否かを判定する(B1514)。短開放中ではない場合には(B1514の結果が「N」)、演出制御装置300は、獲得遊技球数カウンタを更新し(B1515)、本処理を終了する。
短開放中である場合には(B1514の結果が「Y」)、演出制御装置300は、獲得球数を表示するかの抽選を行い(B1516)、獲得遊技球数を非表示とするか否かを判定する(B1517)。獲得遊技球数を非表示とする場合には(B1517の結果が「Y」)、演出制御装置300は、非表示カウンタを更新し(B1518)、本処理を終了する。獲得遊技球数を非表示としない場合には(B1517の結果が「N」)、演出制御装置300は、短開放パターン用カウンタを更新し(B1519)、本処理を終了する。
なお、受信した大当り系コマンドのMODE部が大入賞カウントを表さない場合には(B1513の結果が「N」)、演出制御装置300は、いずれの処理も実行せずに、大当り系コマンド処理を終了する。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図38を参照して、上述した受信コマンド解析処理における図柄系コマンド処理(B1210)の詳細について説明する。図38は、演出制御装置300によって実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1601)。特図種別は、特図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B1602)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテーブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、例えば、図柄種別は、はずれ図柄や突確当り図柄、4R確変大当り図柄(4R−A1等)、4R通常大当り図柄(4R−A2等)、8R確変大当り図柄(8R−A1等)、8R通常大当り図柄(8R−A2等)、12R確変大当り図柄(12R−A1等)、12R通常大当り図柄(12R−A2等)などに対応する。
〔単発系コマンド処理〕
次に、図39を参照して、上述した受信コマンド解析処理における単発系コマンド処理(B1212)の詳細について説明する。図39は、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表すか否かを判定する(B1701)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合には(B1701の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B1702)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1701の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判定する(B1703)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には(B1703の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行し(B1704)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には(B1703の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧時のコマンドを表すか否かを判定する(B1705)。そして、MODE部が停電復旧時のコマンドを表す場合には(B1705の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1706)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧時のコマンドを表していない場合には(B1705の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定する(B1707)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B1707の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1708)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B1707の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンド(A3208)を表すか否かを判定する(B1709)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合には(B1709の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1710)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合には(B1709の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンド(A3203)を表すか否かを判定する(B1711)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す場合には(B1711の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B1712)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合には(B1711の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを判定する(B1713)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1713の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1714)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1713の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを判定する(B1715)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、入賞口スイッチ/状態監視処理や磁石不正監視処理や電波不正監視処理等でのエラー/不正系のコマンドがある。そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1715の結果が「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(B1716)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合には(B1715の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンド(例えば、演出モード切替準備コマンド)を表すか否かを判定する(B1717)。そして、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1717の結果が「Y」)、演出モード切替設定処理を実行し(B1718)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合には(B1717の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1719)。なお、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマンドと特図2の図柄停止コマンドがある。そして、MODE部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1719の結果が「Y」)、演出制御装置300は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1720)。
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1720の結果が「Y」)、演出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1721)、全図柄が停止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1722)、単発系コマンド処理を終了する。B1724の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定しているが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り中」などのフラグが設定される。
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1719の結果が「N」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1720の結果が「N」)には、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
次に、図40を参照して、上述した受信コマンド解析処理における先読み図柄系コマンド処理(B1214)の詳細について説明する。図40は、演出制御装置300によって実行される先読み図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、最新保留情報が特図1保留(特図1始動記憶)の情報であるか否か、例えば、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図1保留数コマンドであるか否かを判定する(B1801)。最新保留情報が特図1保留の情報である場合(B1801の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1802)。
演出制御装置300は、最新保留情報が特図1保留の情報でない場合(B1801の結果が「N」)、即ち、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図2保留数コマンドである場合、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1803)。
演出制御装置300は、ステップB1802とB1803の後、先読み変動系コマンドの受信待ちであることを示す先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定する(B1804)。これは、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドがセットになっているため、遊技制御装置100から先読み図柄系コマンドに続いて先読み変動系コマンドが送信されるためである。その後、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、図41を参照して、上述した受信コマンド解析処理における先読み変動系コマンド処理(B1216)の詳細について説明する。図41は、演出制御装置300によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、先読み変動系コマンドの受信待ち中であるか否かを判定する(B1901)。前述の先読み変動系コマンド受信待ちフラグ(B1804)が設定されている場合、先読み変動系コマンドの受信待ち中であると判定できる。先読み変動系コマンドの受信待ち中でない場合(B1901の結果が「N」)、先読み変動系コマンド処理を終了する。先読み変動系コマンドの受信待ち中である場合(B1901の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグをクリアする(B1902)。
次に、演出制御装置300(サブ基板)は、最新保留情報の図柄(特図1又は特図2)の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定し(B1903)、先読み変動系コマンドのMODE部に対応してサブ内先読み変動コマンドMODE部を取得する(B1904)。次に、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(B1905)、先読み変動系コマンドのACTION部(ACT部)に対応するサブ内先読み変動コマンドACT部を取得する(B1906)。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)が共に0以外であるか否かを判定する(B1907)。なお、正常(有効)なコマンドであれば0以外に変換される。変換後のMODE部、ACT部が共に0以外である場合(B1907の結果が「Y」)、変換後のMODE部とACT部から構成される変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域(特図1先読み変動コマンド領域又は特図2先読み変動コマンド領域)にセーブする(B1908)。そして、先読みコマンド整合チェック処理を実行して(B1909)、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常であるか否か判定する(B1910)。
なお、保留が変動表示ゲームを開始するときの保留数によって、MODE部に対応する前半変動の時間が変化する。保留が変動表示ゲームを開始するときに、保留が他になければ長めの前半変動になり、新たに保留が発生して保留数が多ければ短めの前半変動となる。従って、前半変動の時間値が遷移しても、演出制御装置300の内部コマンドが同じに扱えるように、受信した先読み変動系コマンドのMODE部をサブ内先読み変動コマンドMODE部に変換しておく。
また、リーチの種類は保留数に関係ないため、サブ内先読み変動コマンドACT部に対応する後半変動は保留数に依存しない。しかし、同一系統のリーチにも種類があるため、仮に先読み変動系コマンドのACT部(後半変動の値)を変換せずに、演出制御装置300がそのまま使うと数が多くなりチェックが困難になる。例えば、ノーマルリーチにも、ノーマルリーチ−1停止はずれ、ノーマルリーチ+1停止はずれなどの種類が存在する。従って、同一系統のリーチを示すACT部を、同じサブ内先読み変動コマンドACT部に変換することで、数を減らし、先読みコマンド整合チェック処理等のチェック処理の負担を軽減する。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)の少なくとも一方が0である場合(B1907の結果が「N」)、又は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常でない場合(B1910の結果が「N」)、変換後のコマンドに異常があるとして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常である場合(B1910の結果が「Y」)、先読み対象の保留情報(最新保留の情報)を先読み変動コマンド領域からロードし(B1911)、最新保留の先読み演出に関する先読み抽選処理を実行する(B1912)。先読み演出としては、例えば、連続予告演出(チャンス目先読み演出を含む)、先読みゾーン演出、保留変化予告などがある。続いて、最新保留の先読み演出(保留変化予告等)が発生するか否かを判定する(B1913)。最新保留の先読み演出が発生する場合(B1913の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応するポイント情報を設定する(B1914)。
次に、演出制御装置300は、発生する先読み演出(保留変化予告等)が直ちに開始する演出であるか否か判定する(B1915)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出である場合(B1915の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する表示を設定する(B1916)。そして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、最新保留の先読み演出が発生しない場合(B1913の結果が「N」)、又は、発生する先読み演出が直ちに開始する演出でない場合(B1915の結果が「N」)、そのまま。先読み変動系コマンド処理を終了する。
[第2実施形態]
図42から図57を参照して、第2実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態の実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第2実施形態は、遊技機の状態を確定的に報知する確定演出に係るものである。
〔演出ボタン入力処理〕
図42は、演出ボタン入力処理の手順を示すフローチャートである。演出ボタン入力処理は、メイン処理(図32)のステップB0009にて、演出制御装置300によって実行される。
演出制御装置300は、まず、演出ボタンスイッチ25a(演出ボタンの本体部)の操作を検出可能なボタン操作有効期間(操作検出可能期間)であるか否かを判定する(B2701)。ボタン操作有効期間は、例えば、変動演出設定処理(図36)や後述の確定演出設定処理(図43)などで設定される操作有効期間である。ボタン操作有効期間でない場合(B2701の結果が「N」)、ボタン操作(演出ボタンスイッチ25aの操作)の検出を無効に設定して(B2702)、演出ボタン入力処理を終了する。この場合に、操作促進表示が表示中であり或は操作要求音が発生中(出力中)であれば、操作促進表示や操作要求音が終了する。
ボタン操作有効期間である場合(B2701の結果が「Y」)、ボタン操作の検出を有効に設定する(B2703)。即ち、操作促進表示或は操作要求音が開始又は継続する。
そして、演出制御装置300は、ボタン操作が検出されたか否かを判定する(B2704)。ボタン操作がない場合(B2704の結果が「N」)、演出ボタン入力処理を終了する。ボタン操作が検出された場合(B2704の結果が「Y」)、演出ボタンスイッチ25aのそのボタン操作に対してボタン操作種別を判定して保存する(B2705)。
ボタン操作種別は、単押し操作、長押し操作、連打操作などがある。これら操作の判定方法は公知であるが、例えば、単押し操作は、演出ボタンスイッチ25aが押されて所定の短時間で1度だけオンした場合に判定できる。例えば、長押し操作は、演出ボタンスイッチ25aの押された状態(オン状態)が所定の長時間維持した場合に判定できる。例えば、連打操作は、所定時間内に演出ボタンスイッチ25aのオンオフが所定の複数回あった場合に判定できる。なお、演出ボタンスイッチ25aは、押された(押下された)場合に、光学センサや磁気センサなどで検知されてオン状態になり、押されない場合にはオフ状態が維持される。
次に、演出制御装置300は、判定したボタン操作種別が、ステップB2701のボタン操作有効期間に対応して設定したボタン操作種別であるか否か判定する(B2706)。変動演出設定処理(図36)や確定演出設定処理(図43)などにおいて、ボタン操作有効期間とボタン操作種別は対応付けて設定されている。判定したボタン操作種別が、ボタン操作有効期間に対応して設定したボタン操作種別でない場合(B2706の結果が「N」)、演出ボタン入力処理を終了する。
演出制御装置300は、判定したボタン操作種別が、ボタン操作有効期間に対応して設定したボタン操作種別である場合(B2706の結果が「Y」)、ボタン操作(演出ボタンスイッチ25aの操作)に伴う操作対応演出を実行するための実行情報を設定して(B2707)、ボタン操作の検出を無効に設定して操作促進表示と操作要求音を終了する(B2708)。例えば、ボタン操作に対応する操作対応演出は、表示装置41での所定の画像の表示や可動役物の動作である。その後、演出ボタン入力処理を終了する。
なお、上記の演出ボタン入力処理(図42)において、ボタン操作は、演出ボタンスイッチ25a(演出ボタンの本体部)の操作としたが、ボタン操作は、タッチパネル25bの操作(スワイプ操作など)であってもよい。このように、演出ボタン25は、操作手段として機能する。
また、遊技者の操作を促す操作前演出(操作要求音や操作促進表示)、及び/又は、遊技者の操作に対応する操作対応演出(操作後演出)をまとめて操作演出と呼んでよい。
〔確定演出設定処理〕
図43は、確定演出を設定可能な確定演出設定処理の手順を示すフローチャートである。確定演出は、現在の遊技状態(例えば、時短状態や確変状態)又は将来の遊技状態(例えば、大当り状態)を確定的に報知するもので、確定演出が実行されると現在又は将来の遊技状態が確定する。なお、確定演出設定処理では、現在又は将来の遊技状態を確定的には報知しない非確定演出も設定可能である。非確定演出は、実行されても現在又は将来の遊技状態が確定することはない。なお、非確定演出では、現在または将来の遊技状態が確定的には報知されないが、現在または将来の遊技状態が示唆される報知が行われるようにしてもよい。
なお、本実施形態において、確定演出の期待度は100%である。しかし、通常の演出(例えば、30%以下の期待度の演出)を非確定演出として、非確定演出よりも極めて高い期待度(例えば、100%未満90%以上)の演出を確定演出とするような構成も可能である。なお、演出の期待度は、その演出が選択された場合に現時点で所定の遊技状態(確変状態など)である確率又は将来的に所定の遊技状態(大当り状態など)になる確率に相当する。
確定演出が今回開始する特図変動表示ゲームに関するものであれば、確定演出設定処理は、図36の変動演出設定処理の一環として(例えば、ステップB1412とB1413の間で)実行される。なお、確定演出が次回以降の特図変動表示ゲームに関する先読み演出として実行されるものであれば、確定演出設定処理は、図41の先読み変動系コマンド処理の一環として(例えば、ステップB1916以降で)実行される。また、確定演出が大当り状態の継続(大当りラウンド数の昇格)など大当り状態中に実行されるものであれば、確定演出設定処理は、図37の大当り系コマンド処理の一環として(例えば、ステップB1505のラウンド演出設定処理やB1508のインターバル演出設定処理で)実行される。
ここでは、以下、確定演出が将来の遊技状態としての大当り状態の発生を確定的に報知する例を説明する。なお、他の例として、確定演出は、将来の遊技状態として大当り状態の継続(大当りラウンド数の昇格)を確定的に報知するものであってもよい。また、確定演出は、現在の遊技状態として確変状態を確定的に報知するものであってもよい。
演出制御装置300は、まず、今回の特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(B2801)。特図変動表示ゲームの結果が大当りでない場合(B2801の結果が「N」)、即ち、はずれの場合、第1演出期間、第2演出期間、第3演出期間の各期間におけるそれぞれの非確定演出を抽選する(B2810)。ここで、非確定演出は、はずれの場合でも発生するため、期待度は100%でなく(例えば、30%以下)、大当りの確定しない演出となる。
演出制御装置300は、今回の特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合(B2801の結果が「Y」)、第1演出期間に実行される演出(第1演出)を抽選によって第1確定演出と第1非確定演出に振り分ける第1振分処理を実行する(B2802)。続いて、第2演出期間に実行される演出(第2演出)を抽選によって第2確定演出と第2非確定演出に振り分ける第2振分処理を実行する(B2803)。
第2演出期間は、一部又は全部が第1演出期間と重複する。第1演出期間と第2演出期間は同一の期間であってもよいし、開始タイミングと終了タイミングの一方又は両方が異なってもよい。なお、ここでは、第1演出期間と第2演出期間は、特図変動表示ゲーム中の期間である。飾り特図変動表示ゲームでリーチが成立する場合には、遊技者にリーチ演出への興味を維持させるために、第1演出期間と第2演出期間はリーチの成立後の期間に設定してもよい。
次に、演出制御装置300は、第3演出期間に実行される演出(第3演出)を抽選によって第3確定演出と第3非確定演出に振り分ける第3振分処理を実行する(B2804)。なお、第3演出期間は、特図変動表示ゲーム中の期間であるが、第1演出期間及び/又は第2演出期間と重複しなくてもよいし、一部又は全部が第1演出期間と重複してもよい。
例えば、第1確定演出と第1非確定演出の振分率(選択率)は、10%と90%に設定される。例えば、第2確定演出と第2非確定演出の振分率(選択率)は、12%と88%に設定される。例えば、第3確定演出と第3非確定演出の振分率(選択率)は、15%と85%に設定される。各確定演出の振分率(選択率)は、それぞれ異なってもよいし、同じでもよい。なお、非確定演出には、演出を何もしないということを含めてもよい。
次に、演出制御装置300は、所定条件が成立するか否かを判定する(B2805)。所定条件が成立する場合に(B2805の結果が「Y」)、何もせず確定演出設定処理を終了し、ステップB2802からB2804で選択された確定演出又は非確定演出がそのまま調整されずに設定される。即ち、所定条件が成立する場合には(B2805の結果が「Y」)、選択された第1確定演出と第2確定演出が両方とも同時期に実行されることがある。
例えば、所定条件は、第1確定演出と第2確定演出の両方を実行した方が遊技の興趣の高くなる演出態様の場合である。所定条件として、第1確定演出と第2確定演出が同じ部材(例えば、表示装置41や可動役物)で実行されることや、第1確定演出と第2確定演出が互いに強く関連していることなどが挙げられる。
演出制御装置300は、所定条件が成立しない場合に(B2805の結果が「N」)、第1振分処理と第2振分処理の結果によって第1確定演出と第2確定演出が両方発生することになるか否か判定する(B2806)。第1振分処理と第2振分処理の結果によって第1確定演出と第2確定演出が両方発生することはない場合に(B2806の結果が「N」)、何もせずステップB2808の処理に移行する。
演出制御装置300は、第1振分処理と第2振分処理の結果によって第1確定演出と第2確定演出が両方発生することになる場合に(B2806の結果が「Y」)、第1確定演出と第2確定演出の一方を優先して実行するように設定する(B2807)。即ち、第1確定演出と第2確定演出の他方を、全部、又は、重複期間(第1確定演出と第2確定演出の重複する期間)だけ、非確定演出に変更する。他方を非確定演出に変更することによって、同期間にしつこく2重に確定演出が実行されて遊技の興趣が損なわれる事態が防止できる。なお、第1確定演出と第2確定演出のどちらを優先するかは、予め決定した優先順位にしたがって決定してもよいし、抽選によって決定してもよい。
次に、演出制御装置300は、第1振分処理と第2振分処理の結果によって第1確定演出と第2確定演出のうちいずれか一方だけが発生するか否か、即ち、第1非確定演出又は第2非確定演出の一方だけが発生するか否かを判定する(B2808)。第1振分処理と第2振分処理によって第1確定演出と第2確定演出のうちいずれか一方だけが発生する場合、即ち、第1非確定演出又は第2非確定演出の一方だけが発生する場合(B2808の結果が「Y」)、第1非確定演出又は第2非確定演出のうち当該一方を、重複しない期間(非重複期間)だけ確定演出に差替える(B2809)。重複しない期間だけ確定演出に差替えることによって、同期間に2重に確定演出が実行されることを防止しつつ、互いに異なる期間に第1確定演出と第2確定演出の両方が実行でき、遊技の興趣が向上する。
なお、図43において、特図変動表示ゲーム中に大当り状態の発生(即ち、その特図変動表示ゲームの停止結果が特別結果となること)を確定的に報知する確定演出を説明した。しかし、確定演出を、現在の遊技状態が確変状態であることを確定的に報知するものとする場合には、ステップB2801では、現在確変状態であるか否かを判定すればよい。なお、本実施形態では、大当り終了設定処理3(図28)によって潜伏確変状態(特図高確率&時短なし)が発生可能であり、現在確変状態であるか否かを判断することが難しい。このため、確変状態であることを確定演出によって確定的に報知すると遊技者は喜ぶことになり遊技の興趣が向上する。
また、図43において、確定演出を、現在の遊技状態が時短状態であることを確定的に報知するものとする場合には、ステップB2801では、現在時短状態であるか否かを判定すればよい。また、確定演出を、現在の遊技状態が特定遊技状態(時短状態又は確変状態のいずれか)であることを確定的に報知するものとする場合には、ステップB2801では、現在特定遊技状態であるか否かを判定すればよい。
さらに、最終的な大当りラウンド数(ラウンド数上限値)を大当り開始時に明確に報知しない場合には、大当り状態中に大当り状態の継続を確定的に報知する確定演出を実行してよいが(8R終了時に最終的に12Rまで継続することなどを報知するなど)、この場合には、ステップB2801では、ラウンド数上限値に基づいて大当り状態が継続するか否かを判定すればよい。
さらに、確定演出を、発生する又は発生した大当りが確変大当りであることを確定的に報知するものとする場合には、ステップB2801では、大当りが確変大当りであるか否かを判定すればよい。この場合には、飾り特図変動表示ゲームの最終局面で、飾り特別図柄を通常大当りの停止図柄(停止結果)で仮停止しておき、その後、全回転でスクロールして再変動させた後に確変大当りの停止図柄を表示する確定演出が実行されてよい(再抽選演出とも呼ばれる)。また、大当り状態中に確変大当りであることを確定的に報知する確定演出を実行してよい(確定演出設定処理は、図37の大当り系コマンド処理の一環として実行されることになる)。
図44は、以上説明した確定演出設定処理において、第1振分処理と第2振分処理によって選択された確定演出又は非確定演出がステップB2806−B2809の処理でどのように調整されるかを示すテーブルである。前述したように、第1演出期間に実行される第1演出と第2演出期間に実行される第2演出のうち一方が確定演出である場合に、他方は、非確定演出とすることが可能である。
なお、確定演出設定処理において、ステップB2805、B2808、B2809はオプションであり、実行しない構成も可能である。
以下に、確定演出と非確定演出の種類(内容)について説明する。なお、第1から第3確定演出、及び、第1から第3非確定演出の具体的な種類(内容)は、抽選で決定されてもよいし、予め定められたものでもよい。
確定演出は、表示装置41での所定態様の表示演出、特定の可動役物の所定態様の動作/発光演出、演出ボタン25の確定色(虹色等)での発光演出、スピーカの確定音での音発生演出、導光板の所定態様の発光演出、演出ボタン25や前面枠12の所定態様の振動演出、エア吹き出し口(図示せず)から所定態様でエアの吹き出し(例えば、エアバイブレーション)を発生させるエア演出などである。
組合せの例を挙げると、第1から第3確定演出は、各々、演出ボタン25での発光演出、表示装置41での保留表示変化演出(変動中保留又は変動前保留に対応する保留表示の変化)、特定の可動役物の動作/発光演出でよい。また、第1から第3確定演出は、各々、表示装置41での操作促進表示(操作促進画像)の表示演出、表示装置41でのキャラクタの表示演出、当該キャラクタを模した特定の可動役物の動作/発光演出でよい。さらに、第1から第3確定演出は、表示装置41での操作促進表示の表示演出、表示装置41でのキャラクタ1の表示演出、表示装置41でのキャラクタ2の表示演出でよい。なお、キャラクタ1は、遊技機のメーカを代表するメーカ代表キャラクタとし、キャラクタ2は、キャラクタ1の色を虹色に変化させたものでよい。また、操作促進表示が表示される場合には、演出制御装置300は、ボタン操作有効期間(B2701)とボタン操作種別(2706)を設定する。さらに、キャラクタ画像(キャラクタ1)やボタン画像636cの色が虹になること以外に、演出制御装置300は、例えばキャラクタ画像の周囲に表示されるエフェクトやボタン画像636cに付着する別のキャラクタ画像(文字画像でもよい)の色を虹色にしたり、形状を「当」という形状にして確定演出を実行するようにしてもよい。このように、キャラクタ画像やボタン画像636c以外で関連性の高い画像が確定報知態様になることによって、遊技者はキャラクタ画像やボタン画像636cが確定報知していることを間接的に認識できる。すなわち確定報知を強調するものがキャラクタ画像等に付加されることで当該キャラクタ画像等が確定報知を行っていることが間接的に分かるようになるので、遊技の興趣を向上させることができる。
第1確定演出と第2確定演出は、同じ部材又は同じ箇所で実行される場合には、所定条件が成立したとして(B2805の結果が「Y」)、両方とも実行されてよい。また、第1確定演出と第2確定演出は、第1から第3確定演出が遊技機の前面の並んだ部材又は箇所で順番に実行される場合には、互いに強く関連しているため、所定条件が成立したとして(B2805の結果が「Y」)、両方とも実行されてよい。
第3確定演出は、第1確定演出と第2確定演出の実行の有無によらずに独立して実行の可否が決定され、第1確定演出又は第2確定演出と重複しても調整されない(図43)。従って、第3確定演出の種類(内容)は、第1確定演出及び第2確定演出に比較して、制約が少なく幅広く選択可能である。例えば、第3確定演出は、第1確定演出と第2確定演出と比較して長時間実行されるものでよく、大当りが確定するSPリーチ(全回転リーチなど)、最終ステップまで実行されるステップアップ演出や擬似連続演出、通常の変動態様(スクロール変動など)と異なる変動態様(回転変動など)での表示装置41における変動表示、通常と異なる飾り特別図柄での変動表示であってよい。なお、ステップアップ演出は、複数ステップに設定された演出を下位のステップから所定のステップまで順次実行する一連の演出である。擬似連続演出は、1回の前記変動表示ゲームの開始から終了までの間に、飾り特別図柄を変動及び仮停止させる疑似変動を所定回数(所定ステップ)だけ行う演出である。
なお、第1確定演出又は第2確定演出が操作促進表示の表示演出であるなら、第3確定演出は、ボタン操作に対応する操作対応演出にしてよいが、この場合には第1確定演出又は第2確定演出の実行が有る場合にのみ、第3確定演出の実行が決定されてよい。
非確定演出は、確定演出を実行する部材又は箇所(表示装置41、特定の可動役物、演出ボタン25、スピーカ、導光板、エア吹き出し口など)で、確定演出と異なる態様で実行される演出でよい。非確定演出が確定演出と同じ部材又は同じ箇所で実行される構成では、遊技者は同じ部材又は同じ箇所に注目すればよいので簡便である。
非確定演出と確定演出は、表示装置41で表示される互いに形態(形状、色、配置)の異なる操作促進表示でよい。例えば、確定演出が、表示装置41で操作促進表示を大きく表示するものであれば、非確定演出は、表示装置41で操作促進表示を確定演出の場合よりも小さく表示するものでよい。また、確定演出が、演出ボタン25を虹色で発光させるものであれば、非確定演出は、演出ボタン25を虹色と異なる色(青色、赤色など)で発光させるものでよい。なお、虹色は、時間的に各色が隣の領域に移動する循環表示で示されてよい。
〔確定演出設定処理のタイミングチャート〕
次に、図45を参照して、第2実施形態に係る演出制御装置300が実行する確定演出等のタイミングについて説明する。図45は、第2実施形態に係る確定演出等のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
始めに、図45(A)は、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の停止結果が大当り(特別結果)となる場合において、第1確定演出(ボタン大画像表示)が実行される場合のタイミングチャートの例である。
まず、図45(A)に実線で示す第1演出期間に、演出制御装置300が第1確定演出を実行することで、表示装置41の表示画面にボタン大画像がボタン画像636cとして表示される。このように、演出制御装置300は、第1確定演出を実行する第1確定演出手段として機能する。また、演出制御装置300は、第1演出期間と第2演出期間のうち先に始期を迎える第1演出期間にて、確定演出(第1確定演出)を実行するようにできる(先期間優先)。なお、演出制御装置300は、先に始期を迎える期間が第1演出期間であるか第2演出期間であるかに関わらず、第2確定演出よりも第1確定演出を優先して実行してもよい(第1確定演出優先)。また、演出ボタン25は、当初白色に点灯している。
次に、図45(A)に破線で示す第2演出期間に、演出制御装置300が第2非確定演出を実行することで、演出ボタン25は例えば青色に点灯する。なお、第2非確定演出が実行された際に、演出ボタン25を白色に点灯した状態を維持してもよい。このような態様では、演出ボタン25の点灯が白色の状態のまま維持されるので、遊技者に第2非確定演出が実行されたことを認識させないようにできる。また、演出制御装置300は、第1演出期間が第2演出期間より先に始まる場合でも、第2確定演出を優先して実行するようにでき(第2確定演出優先)、第2確定演出が行われる場合には、第1確定演出に代えて第1非確定演出を実行するようにできる。なお、演出制御装置300は、第2演出期間が第1演出期間より先に始まる場合に、第2確定演出よりも第1確定演出を優先して実行するようにしてもよい(第1確定演出優先)。さらに、演出制御装置300は、後から始期を迎える確定演出を優先して実行してもよい(後期間優先)。
そして、第1演出期間および第2演出期間が終わることで、演出制御装置300は第1確定演出と第2非確定演出の実行を終了し、表示装置41のボタン大画像が非表示なり、演出ボタン25が白色に点灯した状態に戻る。
その後、第3演出期間に、演出制御装置300が第3確定演出を実行することで、表示装置41にキャラクタ725aが表示される。このように、演出制御装置300は、第3確定演出を実行する第3確定演出手段として機能する。
続いて、図45(B)は、変動表示ゲームの停止結果が大当りとなる場合において、第2確定演出(演出ボタン25の虹色点灯)が実行される場合のタイミングチャートの例である。
まず、図45(B)に破線で示す第1演出期間に、演出制御装置300が第1非確定演出を実行することで、表示装置41に通常の大きさのボタン画像636c(ボタン通常画像)が表示される。なお、演出ボタン25は、当初白色に点灯している。
次に、図45(B)に実線で示す第2演出期間に、演出制御装置300が第2確定演出を実行することで、演出ボタン25は例えば虹色に点灯する。このように、演出制御装置300は、第2確定演出を実行する第2確定演出手段として機能する。
そして、第1演出期間および第2演出期間が終わり、第1非確定演出と第2確定演出の実行が終了されると、表示装置41のボタン通常画像が非表示になり、演出ボタン25が白色に点灯した状態に戻る。その後、上述した図45(A)と同様に、第3演出期間に第3確定演出が実行され、表示装置41にキャラクタ725aが表示される。
〔第1確定演出が行われる場合の画面遷移例〕
次に、図46を参照して、停止結果態様が大当り結果態様(特別結果態様)となる変動表示ゲーム中に図45(A)のタイミングチャートのタイミングで第1確定演出が行われる場合の画面遷移について説明する。
図46は、第2実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲーム中に第1確定演出が行われる場合の画面遷移の一例である。
図46の(ア)は、第1演出期間に、演出制御装置300が第1確定演出を実行して、ボタン大画像がボタン画像636cとして表示されたときの表示装置41の表示画面である。なお、以下の画面遷移図では、表示装置41の表示画面の左下に、演出ボタン25も適宜図示する。
表示装置41の表示画面の中央には、ボタン大画像としてボタン画像636cが表示される。そのため、遊技者は、ボタン画像636c(ボタン大画像)を視認することで第1確定演出が行われていると分かるので、変動表示ゲームが大当りになる(または大当りになる可能性が極めて高い)と認識できる。
ボタン画像636c(ボタン大画像)の上側にはボタンを押すことを促す画像表示636a(文字表示「押せ!」)が表示される。ボタン画像636cの下側には操作可能時間(操作検出可能期間、ボタン操作有効期間)を表すゲージ636bが表示される。これらの画像表示636a、ゲージ636b、ボタン画像636cは、ボタン操作促進表示636(操作促進画像)として構成される。また、演出ボタン25は、白色に点灯している。
また、表示画面の右上隅の変動表示領域610では、特図変動表示ゲームが飾り特別図柄(小図柄)によって実行され、変動表示(「↓↓↓」)されている。なお、ボタン操作促進表示636が表示されていないときは、後述する図58の(タ)等に示すように、変動表示領域610の飾り特別図柄は、通常の大図柄で表示装置41の表示画面の中央に大きく表示される。
表示装置41の表示画面の左上隅の特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数を示す数字「0」と特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。
表示装置41の表示画面の下側には保留消化領域640が表示され、保留消化領域640には実行中の変動表示ゲームにかかる始動記憶に対応する始動記憶表示(変動中保留表示)として保留表示633aが表示される。なお、後述する図56等に示すように、発生した第1始動記憶に対応する保留表示633(始動記憶表示)を第1保留表示部630aに表示できる。また、発生した第2始動記憶に対応する保留表示を第2保留表示部に表示できる。
図46の(イ)は、ボタン大画像がボタン636cとして表示された後に、第2演出期間になったときの表示装置41の表示画面である。
表示装置41の表示画面には、ボタン操作促進表示636として画像表示636a、ゲージ636b、ボタン画像636cが継続して表示されている。ゲージ636bは、時間経過に伴い操作可能時間を表す色彩が付与された部分の面積が減少している。
第2演出期間になって、演出制御装置300が第2非確定演出を実行すると、演出ボタン25が青色に点灯する。そして、演出ボタン25(具体的には演出ボタンスイッチ25a)が操作可能時間中に遊技者に押下されると、演出制御装置300は、ボタン操作促進表示636を非表示にするとともに、図示しない操作対応演出を実行することができる。
図46の(ウ)は、第1演出期間および第2演出期間の経過後に、第3演出期間になったときの表示装置41の表示画面である。
第3演出期間になって、演出制御装置300が第3確定演出を実行すると、機種キャラクタ(虎たろう)であるキャラクタ725aと、キャラクタ725aのセリフ「おめでとう!」と、が表示装置41の表示画面に表示される。そのため、遊技者は、機種キャラクタ(虎たろう)を視認することで第3確定演出が行われていると分かるので、変動表示ゲームが大当りになる(または大当りになる可能性が極めて高い)と認識できる。このように、第3確定演出は第1確定演出の実行有無に関わらず(独立して)実行されるようにできる。なお、第3確定演出は第2確定演出の実行有無に関わらず実行されるようにもできる。
なお、キャラクタ725aやセリフの表示に合わせて、音声で「おめでとう!」と報知してもよい。また、操作可能時間中に操作ボタン25が押下されていない場合でも、第1演出期間および第2演出期間が経過したことに伴い、ボタン操作促進表示636は非表示になるので、キャラクタ725aの表示と重なることを抑制できる。
その後、特図変動表示ゲームの停止結果態様が大当り結果態様(特別結果態様、例えば「777」)となる。
〔第2確定演出が行われる場合の画面遷移例〕
続いて、図47を参照して、停止結果態様が大当り結果態様(特別結果態様)となる変動表示ゲーム中に図45(B)のタイミングチャートのタイミングで第2確定演出が行われる場合の画面遷移について説明する。
図47は、第2実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲーム中に第2確定演出が行われる場合の画面遷移の一例である。なお、以下の画面遷移図では、図46と重複する内容を適宜省略して説明する。
図47の(エ)は、第1演出期間に、演出制御装置300が第1非確定演出を実行して、通常の大きさのボタン画像636c(ボタン通常画像)が表示されたときの表示装置41の表示画面である。
表示装置41の表示画面には、ボタン操作促進表示636(操作促進画像)として構成される通常の大きさのボタン画像636cが表示される。
図47の(オ)は、ボタン画像636c(ボタン通常画像)が表示された後に、第2演出期間になったときの表示装置41の表示画面である。
第2演出期間になって、演出制御装置300が第2確定演出を実行すると、演出ボタン25が虹色に点灯する。そのため、遊技者は、虹色に点灯する演出ボタン25を視認することで第2確定演出が行われていると分かるので、変動表示ゲームが大当りになる(または大当りになる可能性が極めて高い)と認識できる。
図47の(カ)は、第1演出期間および第2演出期間の経過後に第3演出期間となったときの表示装置41の表示画面である。
演出ボタン25が操作可能時間中に遊技者に押下されると、演出制御装置300は、第3演出期間に第3確定演出を実行して、キャラクタ725a(機種キャラクタ、虎たろう)と、キャラクタ725aのセリフ「おめでとう!」と、を表示装置41の表示画面に表示する。そのため、遊技者は、演出ボタン25の操作に対応して登場する機種キャラクタ(虎たろう)を視認することで第3確定演出が行われていると分かるので、変動表示ゲームが大当りになる(または大当りになる可能性が極めて高い)と認識できる。このように、第3確定演出は、第2確定演出に対応させて(非独立で)実行されるようにできる。なお、第3確定演出は第1確定演出に対応させて実行されるようにしてもよい。なお、図47では、第3確定演出は、ボタン操作(押下)に対応する操作対応演出として第1確定演出又は第2確定演出と非独立で実行される例が説明されたが、図46の例と同様に、第1確定演出及び第2確定演出の有無に関わらず独立して実行されてもよい。
その後、特図変動表示ゲームの停止結果態様が大当り結果態様(特別結果態様、例えば「777」)となる。
〔第1非確定演出が行われる場合の画面遷移例〕
図48は、第2実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲーム中に第1非確定演出が行われる場合の画面遷移の一例である。
図48の(キ)は、第1演出期間に、演出制御装置300が第1非確定演出を実行して、ボタン大画像がボタン画像636cとして表示されるときの表示装置41の表示画面である。なお、演出ボタン25は、第2演出期間に、演出制御装置300が第2非確定演出を実行することで、例えば青色に点灯する。
しかしながら、ボタン画像636c(ボタン大画像)は、表示画面の右隅に表示され、一部が画面外に切れて表示されない状態となっている。このように、演出制御装置300は、第1確定演出が行われた際に表示されるボタン大画像(ボタン画像636c)を不完全な状態(例えば一部のみ表示される態様)で用いることで大当りの期待度が高くない演出(いわゆるガセ演出)として第1非確定演出を実行することができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、第1非確定演出は、ボタン大画像(ボタン画像636c)の一部が画面外に切れて表示されない態様に限らず、表示画面の中央部以外(第1確定演出とは異なる位置)に不完全な状態で表示させるようにしてもよい。また、第1非確定演出は、ボタン画像636cやゲージ636b、画像表示636aの色や形、模様を変えて、図46(ア)とは異なる不完全な状態のボタン操作促進表示636として実行されてもよい。
〔第3確定演出が行われる場合の画面遷移の変形例〕
図49は、第2実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲーム中に第3確定演出が行われる場合の画面遷移の変形例である。
図49の(ク)は、第2演出期間に、演出制御装置300が第2確定演出を実行して、キャラクタ725bが表示されるときの表示装置41の表示画面である。キャラクタ725bは、例えば遊技機のメーカ代表キャラ(キャラクタ1)であり、オニギリを食べる女の子のキャラクタである。また、第2演出期間と重複する第1演出期間に、演出制御装置300が第1非確定演出を実行することで、通常の大きさのボタン画像636cを含むボタン操作促進表示636が、キャラクタ725bとともに表示されている。なお、演出ボタン25は、白色に点灯した状態が維持されている。
図49の(ケ)は、第3演出期間に、演出制御装置300が第3確定演出を実行してキャラクタ725cが表示されるときの表示装置41の表示画面である。キャラクタ725cは、キャラクタ725bを虹色に変化させたキャラクタ(キャラクタ2)である。このように、第2確定演出として表示されたキャラクタ1を、第3確定演出によって虹色のキャラクタ2とすること、すなわち第2確定演出に第3確定演出を重ねて実行することで、遊技者の大当りに対する期待感をより高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、ボタン操作促進表示636は、第1非確定演出として継続して表示されている。
また、演出制御装置300が第3確定演出を実行すると、演出ボタン25が虹色に点灯(発光)する。演出ボタン25の虹色の点灯態様は、キャラクタ725cの虹色の点灯態様と同期される。したがって、虹色に表示されたキャラクタ725cに同期して点灯する虹色の演出ボタン25を遊技者が視認することで、期待度の高い演出が演出ボタン25を押下することで行われることを予感できるので、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、演出ボタン25の虹色の点灯態様は、キャラクタ725cの虹色の点灯態様に例えば0.1secのラグ(遅延)を持たせて同期させてもよい。このように、キャラクタ725cの虹色の点灯態様にラグを持たせて演出ボタン25を虹色に点灯させることで、表示画面から演出ボタン25へと遊技者が視線を移した際に、同じ虹色の点灯態様で発光していることを確認することができる。また、虹色が、時間的に各色が隣の領域に移動する循環表示で表示されている場合には、例えばキャラクタ725cの中央部(例えば目と目の間)の色情報と、演出ボタン25の中心付近の色情報とを同期させればよい。
その後、特図変動表示ゲームの停止結果態様が大当り結果態様(特別結果態様、例えば「777」)となる。なお、ボタン画像636cが表示され始めたときから演出ボタン25の発光が白色になるまでの期間(第1期間〜第2期間)と、第3期間の全てに亘ってメーカー代表キャラクタ(キャラクタ1、キャラクタ725b)を表示してもよく、第2期間の開始タイミングで虹色のキャラクタ2(キャラクタ725c)になり、第3期間の開始タイミングでキャラクタ周囲にエフェクト(例えば虹色の靄(フレア)やスパーク)が表示されるようにしてもよい。このような態様にすることで、表示態様が変化する(虹色になる部分が変化する)タイミングが、各期間(第1〜第3期間)の開始タイミングであると遊技者が認識することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
〔第1〜第3確定演出の実行箇所および実行順序例〕
図50は、第2実施形態において、第1〜第3確定演出の実行箇所および実行順序を示す一例である。
例えば、遊技状態が特定遊技状態(時短状態(普電サポート状態)、確変状態)となることを予告するために第1〜第3確定演出を行ってもよい。このような場合には、図50に示すように、初めにセンターケース40の上部の上部演出ユニット40cが発光し(1st)、次にセンターケース40の右方の6段流路40d周辺の桜花状の装飾部材が発光し(2nd)、続いてセンターケース40の下部の普電変動入賞装置37が発光する(3rd)。
このように、センターケース40の上部、右方、下部と第1〜第3確定演出が関連し連動して順番に発生することで、遊技者は、右打ち状態であることや、最後に発生したセンターケース40の下部、すなわち普電変動入賞装置37に注目し易い。その結果、特定遊技状態となって、普通変動入賞装置37の可動部材37b(開閉部材)が開状態になることを遊技者が確認し易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。なお、右打ち状態であることは、例えば表示装置41の表示画面の右上隅に右打ち指示が表示されることで遊技者に報知されるが、当該右打ち指示の周囲となるセンターケース40の上部、右方、下部にて第1〜第3確定演出が発生することで、当該表示画面の右上隅の右打ち指示に遊技者が気づき易くなる効果も奏することができる。
なお、上部演出ユニット40cの発光後(1st)、表示装置41の表示画面にて第2確定演出を実行し(2nd’)、その後、普電変動入賞装置37を発光させてもよい。このような態様で第1〜第3確定演出を行うことで、普通変動入賞装置37に向かって直線的に遊技者の視線を移すことができるので、可動部材37bが開状態になることを遊技者がより直感的に確認し易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、注目させたい部材に向かって、遊技者の視線が移るように第1〜第3確定演出の実行箇所や実行順序は適宜設定することができ、例えば、第1確定演出としてセンターケース40の上方の導光板を発光させ、第2確定演出としてセンターケース40の中央の導光板を発光させてから、第3確定演出として普通変動入賞装置37を発光させるようにしてもよい。また、遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)となる場合には、第3確定演出として特別変動入賞装置39を発光させるようにしてもよい。なお、導光板は、端部より入射された光の一部が前方へ反射することで発光するもので、表示装置41の前面を覆うような配置だけでなく、遊技盤30の前方全面を覆うような配置でもよいし、ガラス枠15そのものが導光板であってもよい。
〔確定演出設定処理のタイミングチャートの変形例〕
次に、図51を参照して、第2実施形態に係る演出制御装置300が実行する確定演出等のタイミングの変形例について説明する。図51は、第2実施形態に係る確定演出等のタイミングの変形例を示すタイミングチャートである。
始めに、図51(A)は、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の停止結果が大当り(特別結果)となる場合において、第1確定演出(ボタン大画像表示)が実行される場合のタイミングチャートの別の例である。
図51(A)では、第2演出期間の始期が第1演出期間の始期よりも早い。したがって、図51(A)に破線で示す第2演出期間に、演出制御装置300が第2非確定演出を実行することで、演出ボタン25が青色に点灯する。
次に、図51(A)に実線で示す第1演出期間に、演出制御装置300が第1確定演出を実行することで、表示装置41にボタン大画像がボタン画像636cとして表示される。このように、演出制御装置300は、第2演出期間が第1演出期間より先に始まる場合でも、第2確定演出よりも第1確定演出を優先して実行するようにでき(第1確定演出優先)、第1確定演出が行われる場合には、第2確定演出に代えて第2非確定演出を実行するようにできる。なお、演出制御装置300は、第1演出期間が第2演出期間より先に始まる場合に、第1確定演出よりも第2確定演出を優先して実行するようにしてもよい(第2確定演出優先)。
その後、第1演出期間および第2演出期間が終わることで、第1確定演出と第2非確定演出とが終了し、第3演出期間に、演出制御装置300が第3確定演出を実行することで、表示装置41にキャラクタ725aが表示される。
次に図51(B)は、変動表示ゲームの停止結果が大当りとなる場合において、第2確定演出(演出ボタン25の虹色点灯)が実行される場合のタイミングチャートの別の例である。
図51(B)では、第2演出期間の始期が第1演出期間の始期よりも早い。そして、図51(B)に実線で示す第2演出期間になると、演出制御装置300が第2確定演出を実行し、演出ボタン25が虹色に点灯する。
次に、図51(B)に破線で示す第1演出期間に、演出制御装置300が第1非確定演出を実行すると、表示装置41の表示画面に通常の大きさのボタン画像636c(ボタン通常画像)が表示される。このように、演出制御装置300は、第1演出期間と第2演出期間のうち先に始期を迎える第2演出期間にて、確定演出(第2確定演出)を実行するようにできる(先期間優先)。なお、演出制御装置300は、先に始期を迎える期間が第1演出期間であるか第2演出期間であるかに関わらず、第1確定演出よりも第2確定演出を優先して実行してもよい(第2確定演出優先)。さらに、演出制御装置300は、後から始期を迎える確定演出を優先して実行してもよい(後期間優先)。
その後、第1演出期間および第2演出期間が終わることで、第1非確定演出と第2確定演出とが終了し、第3演出期間に、演出制御装置300が第3確定演出を実行することで、表示装置41にキャラクタ725aが表示される。
〔確定演出設定処理のタイミングチャートの第2変形例〕
図52を参照して、第2実施形態に係る演出制御装置300が実行する確定演出等のタイミングの第2変形例について説明する。図52は、第2実施形態に係る確定演出等のタイミングの第2変形例を示すタイミングチャートである。
図52に示すように、第1演出期間になると、演出制御装置300は第1確定演出を実行し、表示装置41の表示画面にボタン画像636c(ボタン大画像)が表示される。
その後、第2演出期間になると、演出制御装置300は、第1確定演出を第1非確定演出に切り替えるとともに、第2確定演出を開始する。第1非確定演出に切り替えられると、表示画面のボタン画像636cは、ボタン大画像からボタン通常画像に切り替えられる。また、第2確定演出が開始(実行)されると、演出ボタン25が虹色に点灯する。このように、演出制御装置300は、第2確定演出を第1確定演出よりも優先させて、第1確定演出と第2確定演出とを重複する期間がないように実行する。
そして、第2演出期間が終了すると、演出制御装置300は、第2確定演出を終了し、第1確定演出を再度開始する。すなわち、演出制御装置300は、実行されていた第1非確定演出を第1確定演出に切り替え、表示装置41の表示画面にはボタン大画像が再度表示される。また、演出ボタン25は、白色に点灯した状態に戻る。このように、第1演出期間内に第2演出期間が納まる(含まれる)場合に、演出制御装置300は、第1確定演出の実行を一時的に中断または中止し、第2確定演出を優先して行うことができる。
なお、演出制御装置300は、始めに表示されたボタン大画像を再表示する態様に限らず、当該始めに表示されたボタン大画像とは異なるボタン大画像を改めて表示するようにしてもよい。例えば、改めて表示するボタン大画像は、始めに表示されたボタン大画像よりさらに大きな画像としてもよく、形状や模様等を異ならせてもよい。
第1演出期間が終わると、演出制御装置300は、第1確定演出を終了し、表示装置41のボタン大画像が非表示になる。その後、第3演出期間に、演出制御装置300が第3確定演出を実行することで、表示装置41にキャラクタ725aが表示される。
〔確定演出設定処理のタイミングチャートの第3変形例〕
図53は、第2実施形態に係る確定演出等のタイミングの第3変形例を示すタイミングチャートである。
図53(A)に示すように、演出制御装置300は、先に始期を迎える第1確定演出が第2確定演出よりも優先して実行される場合に(第1確定演出優先または先期間優先)、第1演出期間の継続中に第2演出期間が始期を迎えると、第2確定演出を実行せずに第2非確定演出を実行する。
その後、第1演出期間が終了すると、演出制御装置300は、第2非確定演出を第2確定演出に切り替える。したがって、第1確定演出と第2確定演出と関連する演出ではない場合でも、第1確定演出と第2確定演出とが同期間に重複実行されることがないので、遊技の興趣が損なわれる事態を防止できる。
続いて、図53(B)に示すように、演出制御装置300は、先に始期を迎える第1確定演出よりも第2確定演出が優先して実行される場合に(第2確定演出優先または後期間優先)、第1演出期間の継続中に第2演出期間が始期を迎えると、第1確定演出を第1非確定演出に切り替えるとともに、第2確定演出を実行する。なお、第1非確定演出を実行することなく、非表示としてもよい。
その後、演出制御装置300は、第1演出期間が終期を迎えると第1非確定演出を終了し、第2演出期間が終期を迎えると第2確定演出を終了する。したがって、このような態様によっても、第1確定演出と第2確定演出とが同期間に重複実行されないので、遊技の興趣が損なわれることを防止できる。
〔確定演出設定処理のタイミングチャートの第4変形例〕
図54は、第2実施形態に係る確定演出等のタイミングの第4変形例を示すタイミングチャートである。
図54に示すように、演出制御装置300は、第1確定演出と第2確定演出とを重複して実行することもできる(B2805の結果が「Y」の場合)。
演出制御装置300は、第1演出期間になり第1確定演出を実行した後で第2演出期間になることで、第2確定演出も第1確定演出と同期間に重複して実行する。したがって、第1確定演出と第2確定演出とが関連する演出である場合に演出効果が増大するので、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、第2確定演出の実行中に第3演出期間になると、演出制御装置300は、第2確定演出を中断して、第3確定演出を実行する。そして、第3確定演出が終了すると、演出制御装置300は、第2確定演出を再開する。なお、再開された第2確定演出は、始めに行われた演出と同様のものでもよく、第2確定演出を際立たせるように始めに行われた演出とは異なる演出でもよい(例えば虹色に点滅する)。
〔時短状態における確定演出の実行態様例〕
図55は、第2実施形態に係る時短状態における確定演出の実行態様例を示すタイミングチャートである。
演出制御装置300は、時短状態(時短モード)において、時間短縮変動回数が3回以下(例えば、時短モードの回転数上限が100回である場合に時短モードに突入してからの回転数が97回以上)である場合に、先読み禁止区間であると判定し、先読み演出を発生させない。具体的には、演出制御装置300は、先読み禁止区間になると、最新保留情報が特図1保留の情報である場合でも(B1801の結果が「Y」)、特図2保留の情報である場合でも(B1803)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定しない(B1804の処理を非実行)。そのため、先読み禁止区間では、先読み変動系コマンドの受信待ち中でなくなり(B1901の結果が「N」)、先読み変動系コマンド処理はB1901の処理の後、すみやかに終了される。このように、回転数上限付近で先読み演出を発生させないことで、モードが切り替わる際にどのモード時に大当りとなったのか遊技者が混同することを防止することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御装置300は、先読み禁止区間で時間短縮変動回数が0回(例えば、時短モードに突入してからの回転数が100回(時短100回目))になると、図56や図57で示すような演出表示が表示装置41の表示画面に表示される。
図56は時短100回目ではずれになる場合の表示装置の表示画面の画面遷移図の一例であり、図57は時短100回目で大当りになる場合の表示装置の表示画面の画面遷移図の一例である。
始めに、時短100回目ではずれになる場合について図56を参照して説明する。時短100回目ではずれになる場合には、演出制御装置300は、図56(サ)に示すように表示装置41の表示画面に、連続大当り回数を示す文字637a(「8連!」)と、連続大当り中に払い出された遊技球数を示す文字637b(「5000発」)と、を通常の色で表示する。連続大当り回数(連荘回数)は、通常遊技状態にならずに特定遊技状態のまま大当りの発生が続いた回数である。
時短100回目ではずれになる場合には、文字637a(「8連!」)は第1非確定演出として通常の色で表示され、文字637b(「5000発」)は第3非確定演出として通常の色で表示される。したがって、通常の色で表示される文字637a、637bを視認した遊技者は、非確定演出が実行されており大当りの期待度(又は大当りの継続する期待度)が高くないことを認識できる。
また、第1保留表示部630aには、第1始動記憶に対応する2つの保留表示633(始動記憶表示)が表示されている。なお、これらの保留表示633は、時短状態の終了後に、通常遊技状態となった際に消化される。
その後、特図変動表示ゲームの停止結果態様がはずれ結果態様(例えば「247」)となる。
続いて、時短100回目で大当りになる場合について図57を参照して説明する。時短100回目で大当りになる場合には、演出制御装置300は、図57(シ)に示すように表示装置41の表示画面に、連続大当り回数を示す文字637a(「8連!」)と、連続大当り中に払い出された遊技球数を示す文字637b(「5000発」)と、を虹色で表示する。
時短100回目で大当りになる場合には、文字637a(「8連!」)は第1確定演出として虹色で表示され、文字637b(「5000発」)は第3確定演出として虹色で表示される。したがって、虹色で表示される文字637a、637bを視認した遊技者は、確定演出が実行されており大当りが確定したこと(大当りの継続が確定したこと)又は大当りの期待度が非常に高いことを認識できる。
そして、演出制御装置300は、図57の(ス)に示すように、第1確定演出を終了して文字637a(「8連!」)を非表示にし、第3確定演出を実行してキャラクタ725a(機種キャラクタ、虎たろう)と、キャラクタ725aのセリフ「おめでとう!」と、を表示する。そのため、キャラクタ725aとキャラクタ725aのセリフを視認した遊技者は、大当りが確定したこと又は大当りの期待度が非常に高いことを再度認識できる。なお、文字637b(「5000発」)は、虹色から通常の色の表示に戻してもよい。
その後、特図変動表示ゲームの停止結果態様が大当り結果態様(特別結果態様、例えば「777」)となる。
〔第2実施形態の作用・効果〕
第2実施形態の遊技機10は、識別情報(識別情報、飾り特別図柄、飾り第1図柄A〜C、本特図)を変動させる変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の表示結果が特別結果(大当り結果)となったことに関連して通常遊技状態よりも遊技者に有利な所定遊技状態(特別遊技状態(大当り遊技状態)、特定遊技状態(確変状態、時短状態))を発生可能である。遊技機10は、現在又は将来の遊技状態を確定的に報知する第1確定演出を第1期間(第1演出期間)に実行可能な第1確定演出手段(演出制御装置300)と、第1期間と少なくとも一部の期間が重複する第2期間(第2演出期間)に第1確定演出とは異なる第2確定演出を実行可能な第2確定演出手段(演出制御装置300)と、を備え、第1確定演出手段と第2確定演出手段のうち一方が確定演出を実行する場合に、他方は、現在又は将来の遊技状態を確定的には報知しない非確定演出を実行可能である。
このような遊技機10によれは、第1確定演出と第2確定演出とが同一の時期に実行されることがなく、回りくどい演出を回避できるので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、非確定演出は、図51で示したように、第1確定演出手段(演出制御装置300)の確定演出(第1確定演出)が実行されるタイミングの前から第2確定演出手段(演出制御装置300)の非確定演出が実行されている場合、確定演出が実行されるタイミング前の非確定演出の演出態様と、確定演出が実行された後の非確定演出の演出態様と、確定演出が実行される(丁度の)ときの非確定演出の演出態様とで、全て同じ演出態様、すなわちずっと同じ演出態様が維持されるようにしてもよく、何れかの(一部の)タイミングの非確定演出だけ演出態様が異なるようにしてもよい(例えば、一部のタイミングでは演出ボタン25が緑色に発光し、他のタイミングでは青色に発光する等)。
また、図45で示したように、第2確定演出手段の確定演出(第2確定演出)が実行されるタイミングの前から第1確定演出手段の非確定演出が実行される場合も、同様に、全て同じ演出態様としてもよく、何れかのタイミングの非確定演出だけ演出態様が異なるようにしてもよい。このように、非確定演出に分類される点では共通する演出であるが、演出態様が異なる演出が実行されるようにすることで、遊技者は様々な演出を楽しむことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、確定演出(第1確定演出や第2確定演出)も、上記の非確定演出と同様に、非確定演出が実行されるタイミングの前や後や丁度のときの演出態様が、全て同じ演出態様としてもよく、何れかのタイミングの確定演出だけ演出態様が異なるようにしてもよい(例えば、非確定演出が実行されるタイミングの前はボタン画像636cが大きい状態であり、実行されて以後はボタン画像636cが大きい状態で揺れ動く演出態様等)。このように、確定演出に分類される点で共通する演出であるが、演出態様が異なる演出が実行されるようにすることで、同様に、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第2実施形態に係る遊技機10では、第1確定演出および第2確定演出とは異なる確定演出である第3確定演出を第3期間(第3演出期間)中に実行可能な第3確定演出手段(演出制御装置300)をさらに備える。第3確定演出手段は、第1確定演出又は第2確定演出の実行の有無によらずに第3確定演出の実行の可否を決定する。このような遊技機10によれば、第1確定演出や第2確定演出の実行有無によらずに独立して第3確定演出を実行することができるので、演出の幅を広げて遊技者の期待感を煽ることができ、遊技の興趣を高めることができる。
[第3実施形態]
図58から図63を参照して、第2実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態および第2実施形態の構成と同様でよい。第3実施形態は、確定演出の演出態様に関するものである。
〔報知演出の演出態様を示す画面遷移例〕
始めに、図58を参照して、第3実施形態に係る演出制御装置300が実行する報知(確定)演出の演出態様について説明する。
図58は、第3実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲーム中の報知演出の演出態様を示す画面遷移の一例である。
図58の(タ)は、変動表示ゲームが開始され、リーチ状態となったときの表示装置41の表示画面である。
表示装置41の表示画面の中央には、複数の変動表示領域610(左領域610A、右領域610B、中領域610C)が設けられる。変動表示領域610において、左領域610Aには飾り第1図柄Aが、右領域610Bには飾り第1図柄Bが、それぞれ大図柄で拡大表示され、「7」という図柄を表示した状態で仮停止して、リーチ状態となっている。また、中領域610Cには飾り第1図柄Cが、拡大表示され、変動表示(「↓」)されている。
図58の(チ)は、演出制御装置300(演出制御手段)が変動表示ゲーム中に第1報知演出を実行したときの表示装置41の表示画面である。例えば、第1報知演出は、第1演出期間に第1確定演出として行われることができる。このように、演出制御装置300は、第1報知演出を実行可能な第1報知演出手段として機能する。
第1報知演出が行われると、図58の(チ)に示すように、表示装置41の表示画面に3つの四角枠725d(725d1〜725d3)が所定情報として表示される。
四角枠725d1は表示画面の左側に虹色で表示される。したがって、虹色の四角枠725d1を視認した遊技者は、大当り期待度が高いことを認識できる。なお、虹色の四角枠725d1は、大当りが確定することを報知する第1確定報知(第1確定演出)としても機能してもよい。他方で、虹色の四角枠725d1が第1確定報知であると気づかない別の遊技者は、3つの四角枠725dの中で一つだけが虹色の四角枠725d1となっているので、もしかしたら外れるかもしれないというドキドキ感を感じることになり、遊技の興趣を高めることができる。
また、四角枠725d2は表示画面の中央に青色で表示され、四角枠725d3は表示画面の右側に白色で表示される。他方で、表示画面の中央に表示されていた変動表示領域610の飾り第1図柄A〜C(「7↓7」)は、四角枠725dが表示される際に、四角枠725dと重なることがないように表示画面の右上隅に縮小移動されて小図柄で表示される。
さらに、表示画面の中央下部には、注射器を持った女の子のキャラクタ725eが表示される。
図58の(ツ)は、演出制御装置300が保持演出を実行したときの表示装置41の表示画面である。
演出制御装置300が保持演出を実行すると、キャラクタ725eが3つの四角枠725dのいずれかに注射器を刺す演出が行われる。例えば、図58の(ツ)に示すように、虹色の四角枠725d1に注射器が刺されると、破線矢印で示すように、虹色の四角枠725d1の色彩情報が注射器内に複製(コピー)されて注射器が虹色に変化した状態に保たれる。虹色の色彩情報が注射器内にコピーされるのを視認することで、遊技者は、大当りの期待度が一層高くなったことを認識できる。
このように、演出制御装置300は、所定情報として表示された四角枠725dの少なくとも一部の情報(色彩情報)を、キャラクタ725eが持っている注射器に複製し保持させる演出を実行可能な保持演出手段として機能する。また、キャラクタ725eの注射器は、四角枠725dの少なくとも一部の情報(例えば色彩情報)を保持する演出を実行可能な保持演出手段として機能する。例えば、内部的には、演出制御装置300は、いずれかの四角枠725dの色彩情報を、キャラクタ725eの注射器の色彩情報を記憶する記憶領域(例えばRAMの領域)に複製保持して、その色彩情報に基づいてキャラクタ725eの注射器を表示する。なお、本実施形態では、演出制御装置300は、保持演出を実行することで、所定情報(四角枠725dの少なくとも一部の情報)として大当りの期待度が非常に高いこと(又は大当りが確定すること)を報知する情報(媒体)、すなわち虹色の色彩情報を注射器内に保持させる。
なお、演出制御装置300は、保持演出によって、虹色の四角枠725d1の色彩情報を注射器内に移転(移動(抽出)、譲渡(譲歩)、遷移)させて、四角枠725d1の色彩情報がない状態(透明な状態や無彩色)にしてもよい。また、保持演出手段は、キャラクタ725eの注射器に限らず、注射器とは異なるものに代えてもよい。さらに、キャラクタ725e自体や他のキャラクタを登場させて保持演出手段として活用してもよく、表示画面上に表示される種々の表示(例えば保留表示633a、633、保留消化領域640、第1保留表示部630a、第2保留表示部、文字、飾り特別図柄のキャラクタ部分やフレーム部分等)を保持演出手段として活用させてもよく、遊技機10のセンターケース40に保持演出手段として機能する部材(表示装置や装飾部材(LED等)や可動部材)を取り付けてもよい。なお、保持演出に限らず、第1報知演出や、後述する第2報知演出や移動演出も、表示画面上に表示される種々の表示や装飾部材(LED等)や可動部材を用いて行ってもよく、表示画面上に表示される種々の表示や装飾部材や可動部材に所定情報(例えば虹色の色彩情報)を移動させる演出を行える。
図58の(テ)は、保持演出手段としてキャラクタ725eの注射器が機能しているときの表示装置41の表示画面である。
注射器内には、例えば図58の(テ)に示すように、虹色の四角枠725d1の色彩情報が保持され、当該注射器を持った女の子のキャラクタ725eが表示画面内をうろうろしている。
演出制御装置300が第2報知演出を実行することで、表示画面の右下隅には四角枠状のオブジェクト725fが表示される。このように、演出制御装置300は、第2報知演出を実行する第2報知演出手段として機能する。なお、オブジェクト725fは、「?」という文字が示された状態で表示され、現時点では遊技者が期待度を判別することができない非確定報知の情報として表示される。
図58の(ト)は、演出制御装置300が移動演出を実行しているときの表示装置41の表示画面である。
演出制御装置300が移動演出を実行すると、キャラクタ725eがオブジェクト725fに注射器を刺して、注射器内に保持している情報(例えば色彩情報)をオブジェクト725fへと移動(伝番、複製)させる移動演出が行われる。例えば図58の(ト)に示すようにオブジェクト725fに虹色の注射器が刺されると、オブジェクト725fの注射器が刺された部分から全体に亘って虹色の色彩情報が広がる演出が行われる。例えば、内部的には、演出制御装置300は、キャラクタ725eの注射器の色彩情報を、オブジェクト725fの色彩情報を記憶する記憶領域(例えばRAMの領域)に複製保持して、その色彩情報に基づいてオブジェクト725fを表示する。
このように、演出制御装置300は、キャラクタ725eが持つ注射器(保持演出手段)に保持された四角枠725dの少なくとも一部の情報(例えば色彩情報)を、第2報知演出としてのオブジェクト725fに移動させるように遊技者に認識させる移動演出を行う移動演出手段として機能する。そして、移動演出によって、オブジェクト725fに虹色の色彩情報が広がっていく態様を遊技者が視認することで、より大当りの期待度が高くなっていることを認識できるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御装置300は、図58の(ト)に示すように、3つの四角枠725dを隠すように箱状のオブジェクトとしてボックス725gを表示する。ボックス725gは、3つの四角枠725dが表示されていた位置に表示され、3つの四角枠725dよりも前面の層(レイヤー)に優先して表示される。なお、ボックス725gは四角枠725dを隠しているように遊技者に認識させる態様で表示されればよく、例えば、ボックス725gを表示させるとともに四角枠725dを非表示にしてもよい。このように、第1報知演出が見えなくなることで、遊技者はドキドキ感を楽しむことができ、遊技の興趣を高めることができる。
他方で、3つの四角枠725d、すなわち第1報知演出が、隠されて(覆われて、包まれて)非表示になっても、保持演出手段としての注射器や第2報知演出としてのオブジェクト725fが虹色に表示されていることを遊技者は認識できるので、大当りの期待度が高いことを認識して期待を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、ボックス725gは、箱状のオブジェクトに限らず、例えばカーテン状といった別のオブジェクトとして表示されてもよい。遊技機のテーマに合わせた態様で表示させることで、遊技の興趣を向上させることができる。
また、ボックス725gは、3つの四角枠725dのうち一部の四角枠725d(例えば青色の四角枠725d2や白色の四角枠725d3)だけを隠すようにしてもよい。このように、虹色の四角枠725d1だけが見えることで、遊技者の期待感を煽ることができ、遊技の興趣を高めることができる。
さらに、四角枠725dは、ボックス725gによって隠される態様に限らず、キャラクタ725eが重なることによって隠されてもよい。また、キャラクタ725eとは異なる別のキャラクターを登場させて、四角枠725dを隠してもよい。このような態様で四角枠725dを隠すことで、四角枠725dの前面でキャラクタ725e等が隠している態様が却って強調され目立った演出となるので、遊技の興趣を高めることができる。
図58の(ナ)は、演出制御装置300が第2報知演出を実行してから、特図変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様(大当り結果態様)となるときの表示装置41の表示画面である。
演出制御装置300が移動演出と併せて第2報知演出を実行すると、オブジェクト725fは全体が虹色となる。オブジェクト725fの全体が虹色となると、大当りが確定するようにしてもよい。したがって、全体が虹色となっているオブジェクト725fを視認することで、遊技者は第2確定演出が実行され大当りが確定することを認識できるので、遊技の興趣を向上させることができる。このように、虹色のオブジェクト725fは第2確定演出としても機能することができる。
なお、演出制御装置300は、上述した移動演出の際に、オブジェクト725f内で虹色の色彩情報が広がるように第2確定演出を実行してもよい。第1報知演出、保持演出、移動演出、第2報知演出が順に実行される際に、虹色の色彩情報(大当りの確定報知としてもよい)が表示画面のどこかしらに表示され、大当りになる期待度が高いと遊技者が認識できる報知が各演出の実行期間(第1演出期間、第2演出期間)に亘って継続(リレー、承継)されているので、大当りになる期待度が下がった(ランクダウンした)という印象や途中で演出が消えることを防止することができる。したがって、遊技者に大当りではないという誤解を与えることを回避でき、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第2報知演出が実行されると、図58の(ナ)に示すように、変動表示領域610で変動表示されていた飾り特別図柄が停止して大当り結果態様(特別結果態様、例えば「777」)となることで、ファンファーレ演出と大当り遊技とが順次開始される。このように、飾り特別図柄が大当り結果態様(「777」)に揃う前に、予告演出として第2報知演出が実行されるので、遊技者は大当りの期待感を高くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、第2報知演出は、予告演出として実行される態様に限らず、飾り特別図柄が大当り結果態様(「777」)に揃うときに実行されるようにしてもよい。このように、飾り特別図柄が大当り結果態様(「777」)となる際に、第2報知演出が実行されることで、大当り結果態様となることを強調した迫力のある演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図58の(ト)や(ナ)では、演出制御装置300は、ボックス725gによって第1報知演出を隠す態様としたが、第1報知演出以外の報知演出を隠す態様としてもよい。例えば、演出制御装置300は、特定遊技状態のときに表示画面に複数表示される右打ち指示のいずれかを隠してもよい。
また、特定遊技状態から通常遊技状態に切り替わる際に、複数表示される右打ち指示のいずれかを隠す代わりに、注射器で右打ち指示の矢印(「→」)を吸い取って(注射器内に右打ち指示の矢印(「→」)を移動させる移動演出を行って)、左打ち指示を表示する画面の左側に当該矢印を逆向き(「←」)になるように放出する演出(指示切替演出)を行ってもよい。このように、保持演出手段(注射器)を用いた保持演出によって、打ち方が変わる又は打ち方が違うことを報知する演出として指示切替演出を行うことで、意外性のある演出となるので、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、保持演出手段(注射器)を用いた保持演出を、遊技以外の報知に適用してもよい。遊技以外の報知への適用例として、エラー報知や注意喚起表示が重複して発生した場合に、優先度の高いエラー報知画像を注射器で吸い取って、優先度の低いエラー報知画像に放出し、当該優先度の低いエラー報知画像を優先度の高いエラー画像に変更することができる。
また、演出制御装置300は、転落抽選の結果が転落となり転落確定であることが転落確定報知として報知される際に、当該転落確定報知を隠してもよい。演出制御装置300は、例えば大当り遊技中に昇格抽選に当選して、大当り遊技後の遊技状態が確変状態となる場合に、当該確変状態が確定したことの報知を隠してもよい。また、他方で、昇格抽選にはずれて、確変状態が否定されたことの報知を隠してもよい。このように演出制御装置300が様々な報知をあえて隠す演出(隠蔽)を実行することで、遊技者に意外感を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、第2実施形態の第3確定演出が実行される際に、機種キャラクタ(虎たろう)であるキャラクタ725aに注射器を持たせて、第1確定演出として表示されるボタン大画像(ボタン画像636c)の所定情報(色彩情報、形状情報)や第2確定演出として虹色点灯する操作ボタン25の所定情報(色彩情報)を吸い取って、注射器内に保持する保持演出を行うようにしてもよい。このような態様によっても期待度の高い演出が発展(進展)していく様子を遊技者が視認することができ、遊技者の期待感を煽ることができるので、遊技の興趣を高くすることができる。さらに、当該保持演出の後、本実施形態の移動演出や第2報知演出を順に実行して、期待度の高い演出をより発展させることで、遊技者の期待感を煽ってもよい。
なお、演出制御装置300は、四角枠725d1の虹色(例えば7色)の色彩情報のうち少なくとも一部(例えば6色)を注射器内に抜き取るように保持演出を実行してもよい。そして、演出制御装置300は、表示画面の右下に表示されたオブジェクト725fの「?」の箱に、キャラクタ725eが注射器内に保持している色彩情報の全て(例えば6色)または一部(例えば5色)を移動させるように移動演出を行ってもよい。
このように、演出制御装置300は、第1報知演出における所定情報の少なくとも一部(例えば7色の色彩情報のうち6色)を保持する保持演出を実行することができる。また演出制御装置300は、保持演出手段としての注射器内に保持された所定情報(6色の色彩情報)の少なくとも一部(例えば6色または5色)を、オブジェクト725fの「?」の箱内に移動させるように遊技者に認識させる移動演出を実行することができる。
このような態様で演出制御装置300が保持演出や移動演出を実行することで、一部の色が脱色しつつ移動していくような演出となるので、過剰な演出態様とならずに済むとともに様々な部分(場所)に遊技者の視線を注視させることができる。また、色(色彩情報)の一部が四角枠725d1や注射器内に残った状態となるので、演出に関連性があることが分かり易くなり、遊技の興趣をより高くすることができる。
〔報知演出の演出態様を示す画面遷移の変形例〕
次に、図59を参照して、第3実施形態に係る演出制御装置300が実行する報知(確定)演出の演出態様の変形例について説明する。
図59は、第3実施形態の変形例において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲーム中の報知演出の演出態様を示す画面遷移の一例である。
図59の(ニ)は、変動表示ゲームが開始され、リーチ状態(「7↓7」)となったときの表示装置41の表示画面であり、図58の(タ)と同じものである。
図59の(ヌ)は、演出制御装置300が変動表示ゲーム中に変形例の第1報知演出を実行したときの表示装置41の表示画面である。
変形例の第1報知演出が行われると、図59の(ヌ)に示すように、表示装置41の表示画面に3つの四角枠725d(725d1〜725d3)が所定情報として表示される。
四角枠725d1には「○」という記号が表示される。したがって、「○」の四角枠725d1を視認した遊技者は、大当り期待度が高いことを認識できる。なお、「○」の四角枠725d1は、大当りの確定を報知する第1確定報知(第1確定演出)としても機能してもよい。
また、四角枠725d2には「△」という記号が表示され、四角枠725d3には「×」という記号が表示される。他方で、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜C(「7↓7」)は、上述した図58と同様に表示画面の右上隅に縮小移動されて表示される。また、表示画面の中央下部には、注射器を持った女の子のキャラクタ725eが表示される。
図59の(ネ)は、演出制御装置300が変形例の保持演出を実行したときの表示装置41の表示画面である。
演出制御装置300が変形例の保持演出を実行すると、キャラクタ725eが3つの四角枠725dのいずれかに注射器を刺す演出が行われる。例えば、図59(ネ)に示すように「○」の四角枠725d1に注射器が刺されると、破線矢印で示すように、四角枠725d1の「○」の記号が注射器内に複製(コピー、移動)されて、注射器の下部に「○」が表示された状態が保たれる。「○」の記号が注射器内にコピーされるのを視認することで、遊技者は、大当りの期待度が一層高くなったことを認識できる。このように、演出制御装置は、変形例の保持演出を実行することで、四角枠725dに表示された所定情報(文字情報)「○」「△」「×」の少なくとも一部(例えば「○」)の所定情報を注射器内に保持する。例えば、内部的には、演出制御装置300は、いずれかの四角枠725d内に表示する記号情報を、注射器内に表示する記号情報を記憶する記憶領域(例えばRAMの領域)に複製保持する。
なお、四角枠725d1には、「○」の記号とともに、例えば虹色の色彩が付与されていてもよい。そして、演出制御装置300は、「○」の記号を四角枠725d1から注射器内に複製することに代えて、図58で上述したように虹色の色彩情報を注射器内に複製してもよい。また、演出制御装置300は、上述した図58と同様に、虹色(例えば7色)の色彩情報のうち少なくとも一部(例えば6色)を注射器内に抜き取るように保持演出を実行してもよい。さらに、演出制御装置300は、保持演出として「○」の記号と虹色の色彩情報との両方を、注射器内に複製してもい。
図59の(ノ)は、変形例の保持演出手段としてのキャラクタ725eの注射器が機能しているときの表示装置41の表示画面である。
変形例の注射器内には、例えば図59の(ノ)に示すように、四角枠725d1の「○」の記号情報(形態情報、文字情報)が保持され、当該注射器を持った女の子のキャラクタ725eが表示画面内をうろうろしている。また、表示画面の右下隅には「?」という文字が示された四角枠状のオブジェクト725fが表示される。
また、例えば図59の(ノ)に示すように、四角枠725d1の「○」の記号情報は、保持演出後に消えるようにしてもよい。四角枠725d1の「○」の記号情報を消すことで、遊技者は注射器内に「○」が移動したと感じ易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
図59の(ハ)は、演出制御装置300が変形例の移動演出を実行しているときの表示装置41の表示画面である。
演出制御装置300が移動演出を実行すると、キャラクタ725eがオブジェクト725fに注射器を刺して、注射器内に保持している情報(例えば記号情報)をオブジェクト725fへと移動(伝番、複製)させる移動演出が行われる。例えば図59の(ハ)に示すようにオブジェクト725fに「○」の記号を保持した注射器が刺されると、オブジェクト725fの注射器が刺された部分から「○」の記号情報が注入される演出が行われる。例えば、内部的には、演出制御装置300は、注射器内に表示する記号情報を、オブジェクト725f内に表示する記号情報を記憶する記憶領域(例えばRAMの領域)に複製保持する。したがって、移動演出によって、オブジェクト725fに「○」の記号情報が注入されていく態様を遊技者が視認することで、より大当りの期待度が高くなっていることを認識できるので、遊技の興趣を向上させることができる。なお、上述した図58のようにボックス725g等で四角枠725dを隠してもよい。
図59の(ヒ)は、演出制御装置300が変形例の第2報知演出を実行してから、特図変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様(大当り結果態様)となるときの表示装置41の表示画面である。
演出制御装置300が移動演出と併せて第2報知演出を実行すると、オブジェクト725fに「○」の記号が大きく表示される。オブジェクト725fに「○」の記号が大きく表示されると、大当りが確定するようにしてもよい。したがって、「○」の記号が大きく表示されたオブジェクト725fを視認することで、遊技者は第2確定演出が実行され大当りの期待度が高くなっていることを認識できるので、遊技の興趣を向上させることができる。その後、変動表示領域610で変動表示されていた飾り特別図柄が大当り結果態様(特別結果態様、例えば「777」)で停止することで、ファンファーレ演出と大当り遊技とが順次開始される。なお、移動演出後は、図59の(ヒ)に示すように、注射器内の「○」の記号が消えるようにしてもよい。このように、注射器内の「○」の記号が消えることで、遊技者は「○」の記号が移動しているように感じることができ、遊技の興趣を向上させることができる。他方で、演出制御装置300は、遊技者が大当りの期待度を確認し易いように、移動演出後に注射器内の「○」の記号が消えないようにしてもよい。
なお、図58では虹色の色彩情報を、図59では「○」の記号情報を複製することとしたが、期待度が高くない所定情報(例えば、青色や白色、「△」や「×」等)を複製する非確定演出を報知演出として実行してもよい。
また、図60に示すように、四角枠725dには、「○」「△」「×」の記号情報に代えて、「勝」「引」「負」という文字情報を表示し、第1報知演出、保持演出、移動演出、第2報知演出を行ってもよい。
図60は、第3実施形態の変形例において、第1報知演出で文字情報を表示したときの表示装置41の表示画面例である。このような態様によっても、勝ち負け等の結果を分かり易く遊技者に認識させることができるので、同様に遊技の興趣を向上させることができる。
〔報知演出の演出態様を示す画面遷移の第2変形例〕
続いて、図61を参照して、第3実施形態に係る演出制御装置300が実行する報知(確定)演出の演出態様の第2変形例について説明する。
図61は、第3実施形態の第2変形例において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲーム中の報知演出の演出態様を示す画面遷移の一例である。
図61の(マ)は、演出制御装置300が第2変形例の保持演出を実行したときの表示装置41の表示画面であり、図59の(ネ)と同じものである。
第2変形例の保持演出が実行されると、演出制御装置300は、例えば、図61の(ミ)のように、第1報知演出の四角枠725d1を非表示にしてもよい。
図61の(ミ)は、第2変形例の保持演出手段としてのキャラクタ725eの注射器が機能しているときの表示装置41の表示画面の画面例である。保持演出の際に、キャラクタ725eが持っている注射器内に四角枠725d1の「○」の記号情報が保持される演出が行われると、四角枠725d1が非表示になる。したがって、遊技者はキャラクタ725eが注射器で「○」と一緒に四角枠725d1も吸引したような意外性のある演出を楽しむことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
その後、図61の(ム)に示すように、移動演出によってオブジェクト725fに「○」の記号情報が移動する。図61の(ム)は、演出制御装置300が第2変形例の移動演出を実行しているときの表示装置41の表示画面である。なお、移動演出が実行されているときも、四角枠725d1は非表示状態が継続される。そして、上述した図59の(ヒ)のように「○」の記号がオブジェクト725fに表示され、特図変動表示ゲームが大当り結果態様(特別結果態様、例えば「777」)となって、ファンファーレ演出や大当り遊技が実行される。
他方で、図61の(メ)に示すように、第2変形例の保持演出が実行されると、キャラクタ725eの注射器内に「○」の記号情報を表示させるとともに、第1報知演出の四角枠725dの記号情報を一つずつ左にずらしてもよい(スライド)。すなわち、3つの四角枠725dにおいて、四角枠725d1の「○」の記号が「△」に、四角枠725d2の「△」の記号が「×」に、四角枠725d3の「×」の記号が非表示に、それぞれ変化する。
図61の(メ)は、第2変形例の保持演出手段としてのキャラクタ725eの注射器が機能しているときの表示装置41の表示画面の別の画面例である。このように、保持演出の実行後に四角枠725dの記号情報が一つずつ左にスライドすることで、保留表示633のように記号情報が順番に消化される意外性のある演出となり、遊技の興趣を向上させることができる。
その後、図61の(モ)に示すように、移動演出によってオブジェクト725fに「○」の記号情報が移動する。図61の(モ)は、演出制御装置300が第2変形例の移動演出を実行しているときの表示装置41の表示画面の別例である。四角枠725dの記号情報は一つずつ左にスライドした状態が維持されている。そして、移動演出が実行されてオブジェクト725fに「○」の記号が表示され、特図変動表示ゲームが大当り結果態様(特別結果態様、例えば「777」)となって、ファンファーレ演出や大当り遊技が実行される。
〔報知演出の演出態様を示す画面遷移の第2変形例の別例〕
また、図62に示すように、演出制御装置300は、「○」の記号情報をオブジェクト725fにうまく移動できずに失敗する移動演出(移動失敗演出)を実行してもよい。
図62は、第3実施形態の第2変形例の別例において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、変動表示ゲーム中の報知演出で移動失敗演出が実行されたときの演出態様を示す画面遷移の一例である。
図62の(モ)は、演出制御装置300が第2変形例の移動演出を実行しているときの表示装置41の表示画面の別例であり、図61の(モ)である。
図61の(メ)の保持演出に続いて、図62の(モ)(図61の(モ))のように移動演出が実行されると、図61で上述したように大当り結果態様(例えば「777」)となることができる。他方で、演出制御装置300は、移動演出が実行されると、図62の(ヤ)に示すように、大当り結果態様とはならずに変動表示ゲームが継続する移動失敗演出を実行することができる。
図62の(ヤ)は、移動失敗演出が実行されているときの表示装置41の表示画面である。移動失敗演出が実行されると、キャラクタ725eが注射器内の「○」の記号情報をオブジェクト725fに注入する演出が行われるが、オブジェクト725fには「○」が大きく表示されることなく「?」の表示が維持される。
そして、第2変形例では、キャラクタ725eの注射器内に表示されている「○」の記号情報が確定報知(確定演出)として機能してよく、移動失敗演出が実行されても、その後、図62の(ヨ)で後述するように、特図変動表示ゲームが大当り結果態様(例えば「777」)となる。なお、キャラクタ725eの注射器内に表示されている「○」の記号情報を確定報知ではなく非確定報知として機能させてもよく、その後、特図変動表示ゲームが大当り結果態様とならないようにしてもよい(はずれ結果態様)。
図62の(ユ)は、演出制御装置300が移動失敗演出の後、保持演出を再度実行したときの表示装置41の表示画面である。
移動失敗演出の後、保持演出が再度実行されると、図62の(ユ)に示すように、四角枠725dに、キャラクタ725eが注射器を刺す演出が再度行われる。そして、キャラクタ725eが持つ注射器内に「△」の記号情報が保持される。なお、四角枠725d内の記号情報は、移動演出によって一つずつ左にスライドされており、左から「△」「×」「 (空白)」となり、「○」は非表示となっている。
図62の(ヨ)は、移動演出が再度実行され、「△」の記号情報がオブジェクト725fに移動したときの移動演出(移動成功演出)が行われた後の表示装置41の表示画面である。
図62の(ユ)の後、移動成功演出が行われることで、例えば図62の(ヨ)に示すように、注射器内の「△」の記号情報が、オブジェクト725fに移動したように遊技者に見える。そして、特図変動表示ゲームが大当り結果態様(特別結果態様、例えば「777」)となって、ファンファーレ演出や大当り遊技が実行される。図62の(モ)で注射器内に「○」の記号情報が表示されたことを確定報知(確定演出)とする場合には、遊技者は注射器内の「○」の記号情報を視認したときに確定報知が行われ大当りの期待度が高いと認識できるが、移動失敗演出が行われることでもしかすると大当りにならないのではと一度焦らされることになる。そのため、意外性のある演出となるので、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、移動失敗演出は、「△」の記号情報を移動させる際に再度実行してもよい。また、本実施形態とは逆の順番で、すなわち「×」「△」「○」の順に記号情報を移動させてもよく、その際、「×」「△」の記号情報を移動失敗演出に用いて、「○」の記号情報を移動成功演出に用いてもよい。このように「○」の記号情報が、最後にオブジェクト725fに移動することで、遊技者がより大当りの期待度が高いことを認識することができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、演出制御装置300は、図58の(ト)に示すように色彩情報をオブジェクト725fに移動させる移動演出においても移動失敗演出を実行してもよい。この場合には、キャラクタ725eが注射器内に保持している虹色の色彩情報をオブジェクト725fに移動させるが失敗して、虹色ではない(例えば青色)色彩情報がオブジェクト725fに表示させる演出を遊技者が視認でき、意外性のある演出となる。
〔報知演出の演出態様を示す画面遷移の第2変形例の別例2〕
続いて、図63を参照して、第3実施形態に係る演出制御装置300が実行する報知(確定)演出の演出態様を示す画面遷移の第2変形例の別例2について説明する。
図63は、第3実施形態の第2変形例の別例2において、四角枠725d3の文字情報がキャラクタ725eが持つ注射器に保持され、移動演出が行われるときの表示装置41の表示画面である。なお、本第2変形例の別例2では、図60と同様に「勝」「引」「負」という文字情報が所定の情報として四角枠725dに表示される。そして、保持演出において、キャラクタ725eが右端の四角枠725d3の「負」の文字情報を注射器に保持(移転、譲渡、遷移)させる演出が、演出制御装置300によって行われる。
図63の(ラ)は、保持演出が行われた後、キャラクタ725eが注射器内の「負」の文字情報をオブジェクト725fに移動させる移動演出を実行しているときの表示装置41の表示画面である。
移動演出が実行されると、オブジェクト725f内に「負」とともに「け…」が付加された「負け…」という文字が表示される。このように、演出制御装置300は、注射器内に保持されている文字情報を用いて、オブジェクト725f内に文字を付加表示する移動演出を実行する(付加表示移動演出)。なお、演出制御装置300は、移動演出において、「負」以外の文字を付加させずに、オブジェクトf内に「負」の文字をそのまま表示してもよい。
図63の(リ)は、移動演出(付加表示移動演出)が行われた後の表示装置41の表示画面である。演出制御装置300は、付加表示移動演出によって、図63の(ラ)のようにオブジェクト725f内に「負け…」という文字を表示させた後、所定の時間(例えば5sec)の経過後に、オブジェクト725f内の「負け…」の文字を「負けない」へと発展させる演出を行う(移動発展演出)。したがって、オブジェクト725f内に表示された「負けない」という文字を見た遊技者は、勝負系の演出で勝つことを連想し、大当りの期待度を高めることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、演出制御装置300は、付加表示移動演出として、オブジェクト725f内に「負けない」を直ぐに表示してもよい。このような態様によっても、遊技者が勝負系の演出で勝ことを連想し大当りの期待度を高めることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御装置300は、保持演出において「勝」や「引」をキャラクタ725eの注射器に保持させた場合には、例えば、付加表示移動演出において「勝ち…」や「引き…」と表示させてもよく、移動発展演出において「勝たない」や「引き分けない」等と表示させてもよい。このような態様によっても、キャラクタ725eが注射器内に保持させた文字情報とは異なる勝負系の演出に発展できるので、意外性のある演出を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、演出制御装置300は、キャラクタ725eの注射器内に保持された所定情報(例えば「引」)の一部(例えば「|」)のみをオブジェクト725f内に表示するように移動演出を実行してもよい。このような態様によっても、意外性のある演出となるので遊技の興趣を向上させることができる。また、当該態様とともに、演出制御装置300が例えば保持演出を継続して注射器内に「引」の一部として「弓」を表示させることで、遊技者は、注射器内の「弓」とオブジェクト725f内の「|」とを合わせるような合体演出を視認できるので、迫力ある演出となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御装置300は、同様の移動演出によって、注射器内の「勝」の一部(「券」)をオブジェクト725f内に表示し注射器内に保持されている「月」と合せるような合体演出や、注射器内の「負」の一部(「貝」)をオブジェクト725f内に表示し注射器内に保持されている「ク」と上下方向に合せるような合体演出を行うことができる。
さらに、演出制御装置300は、保持演出と移動演出とが行われる場合に、始めに注射器で四角枠725d1等から所定情報の一部が抜き取られてオブジェクト725fに移動される演出を行った後、次に、当該所定情報の残りが抜き取られてオブジェクト725fに移動される演出、すなわち少しずつ所定情報の一部が保持され移動されていく演出(解体/分解演出)を実行してもよい。演出制御装置300が解体/分解演出を実行することで、例えば、始めに四角枠725d1の「勝」のうち「月」が抜き取られてオブジェクト725fに移動され、次に残っている「券」が抜き取られて移動される意外性のある演出を行うことができ、遊技の興趣をより高くすることができる。また、演出制御装置300は、「引」を「弓」と「|」とに分けて解体/分解演出を実行してもよく、「負」を「ク」と「貝」とに分けて少しずつ保持され移動される解体/分解演出を実行してもよい。さらに、演出制御装置300は、記号情報や色彩情報を分けて(例えば「△」を2つの斜線部と下線とに分解、「虹」を7色に分解)、少しずつ保持され移動される解体/分解演出を実行してもよい。
〔第3実施形態の作用・効果〕
第3実施形態の遊技機10は、所定条件の成立に基づいてゲーム(例えば、識別情報(識別情報、飾り特別図柄、飾り第1図柄A〜C、本特図)を変動させる変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム))を実行し、該ゲームの結果が特別結果(大当り結果)となったことに関連して所定遊技状態(特別遊技状態(大当り遊技状態)、特定遊技状態(確変状態、時短状態)等の通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態)を発生可能である。遊技機10は、第1期間(第1演出期間)に所定情報(色彩情報、記号情報、形態情報、文字情報)を表示する第1報知演出を実行可能な第1報知演出手段(演出制御装置300)と、第1期間と少なくとも一部の期間が重複する第2期間(第2演出期間)に第1報知演出とは異なる演出である第2報知演出を実行可能な第2報知演出手段(演出制御装置300)と、第1報知演出における所定情報の少なくとも一部を保持する演出を実行可能な保持演出手段(キャラクタ725eが持つ注射器)と、保持演出手段に保持された所定情報の少なくとも一部を、第2報知演出手段が実行する第2報知演出(オブジェクト725f内)に移動させるように遊技者に認識させる移動演出を実行可能な移動演出手段(演出制御装置300)と、を備える。
このような遊技機10によれば、第1報知演出から保持演出、移動演出、第2報知演出と各演出が実行される際に、第1報知演出における所定情報を保持演出や移動演出、第2報知演出に様々な態様で表示させることができるので、遊技者にとって意外性のある演出を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、複数の実施形態を組合せることも可能である。また、例えば、本発明を他の種類の遊技機(スロットマシンなど)に適用することもできる。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。