JP2019199999A - ガスタービン燃焼器 - Google Patents
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Abstract
【課題】超臨界の二酸化炭素を作動流体としたプラントに適用した際に、熱応力の増大を招くことなく燃焼器ライナに座屈が発生することを防止する。【解決手段】燃料ノズルと、前記燃料ノズルの下流に設けられた筒状の燃焼器ライナと、前記燃焼器ライナの下流に設けられ燃焼ガスをガスタービン静翼に導くトランジションピースとを具備したガスタービン燃焼器であって、前記燃焼器ライナが、複数に分割されたライナ構成部材を軸方向に繋げて構成されている。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、ガスタービン燃焼器に関する。
従来から発電等に用いられるガスタービン設備では、燃料を燃焼させるガスタービン燃焼器が使用されている。図15に示すように、ガスタービン燃焼器200は、上流に燃料ノズル201、その下流に燃焼器ライナ202を有し、燃焼器ライナ202の下流には燃焼ガスをガスタービン静翼150に導くトランジションピース203を有している。
従来のガスタービン燃焼器200では、燃焼器ライナ202は1つの筒状の部品で構成され、トランジションピース203とスプリングシール204等によって接続された構造となっている。燃焼器ライナ202内では、燃料が燃焼し高温の燃焼ガスがトランジションピース203を経てガスタービン静翼150に導かれる。一般的にガスタービン燃焼器200の燃焼器ライナ202には燃焼器入口圧力の3から5%ぐらいの差圧がかかっているが、従来のガスタービンの作動圧では座屈の問題は生じていない。
近年では、タービンの作動流体として超臨界の二酸化炭素を使用した発電プラントが検討されている。この発電プラントでは、タービンの入口における作動流体の温度は1000℃を超え、作動圧力が30MPa程度になる。
従来のガスタービン燃焼器の場合、作動圧力は、2MPa程度である。一方、上記の通り超臨界の二酸化炭素を作動流体としたガスタービン燃焼器の例では作動圧力が30MPa程度と約15倍になる。このため、超臨界の二酸化炭素を作動流体としたガスタービン燃焼器では、燃焼器ライナにかかる差圧も約15倍程度大きくなり、燃焼器ライナの座屈の問題が発生する。
また、燃焼器ライナの内部には高温の燃焼ガスが流れており、ライナメタルは冷却しないと焼損などの問題が生ずる。そこで、燃焼器ライナの外表面に低温の冷却用ガスを流すことによってライナメタルを冷却している。そのため、燃焼器ライナの内表面は高温に、外表面は低温になり内外表面に温度差が生じている。この温度差が大きくなると熱伸び差による熱応力が発生し、燃焼器ライナの破損につながる。ここで、座屈を防ぐ目的で燃焼器ライナの板厚を厚くすると内外表面の温度差が大きくなり熱応力が過大となるため、燃焼器ライナの板厚を厚くして座屈を防ぐことは難しい。
上記したように、ガスタービン燃焼器においては、超臨界の二酸化炭素を作動流体としたプラントに適用しようとすると、燃焼器ライナに作用する差圧が大きくなり座屈の問題が発生する。この座屈を回避するために板厚を厚くすると熱応力が大きくなり、燃焼器ライナの破損につながるため、板厚を変えるだけでは座屈の問題を解決することが困難である。
本発明の目的は、超臨界の二酸化炭素を作動流体としたプラントに適用した際に、熱応力の増大を招くことなく燃焼器ライナに座屈が発生することを防止することのできるガスタービン燃焼器を提供することにある。
実施形態のガスタービン燃焼器は、燃料ノズルと、前記燃料ノズルの下流に設けられた筒状の燃焼器ライナと、前記燃焼器ライナの下流に設けられ燃焼ガスをガスタービン静翼に導くトランジションピースとを具備したガスタービン燃焼器である。前記燃焼器ライナが、複数に分割されたライナ構成部材を軸方向に繋げて構成されている。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態のガスタービン燃焼器を具備したガスタービン設備10の系統図である。ガスタービン設備10は、CO2タービンを用いている。
図1に示すように、酸素及び燃料は、ガスタービン燃焼器20に供給され、燃焼する。また、ガスタービン燃焼器20には、作動流体として循環する二酸化炭素も導入される。燃料および酸素の流量は、例えば、夫々が完全に混合した状態において量論混合比(理論混合比)となるように調整されている。燃料としては、例えば、天然ガス、メタンなどの炭化水素や、石炭ガス化ガスなどが使用される。
ガスタービン燃焼器20から排出された、燃焼によって生成した二酸化炭素、水蒸気、及び作動流体の二酸化炭素からなる燃焼ガスは、タービン21に導入される。タービン21において膨張仕事をした燃焼ガスは、熱交換器22を通り、さらに熱交換器23を通る。熱交換器23を通る際、水蒸気が凝縮して水となる。水は、配管24を通り外部に排出される。なお、タービン21には、発電機25が連結されている。
水蒸気と分離されたドライ作動ガス(二酸化炭素)は、圧縮機26で昇圧され、超臨界流体となる。圧縮機26の出口において、ドライ作動ガスの圧力は、例えば、30MPa度となる。
圧縮機26で昇圧されたドライ作動ガスの一部は、熱交換器22において加熱され、ガスタービン燃焼器20に作動流体として供給される。ガスタービン燃焼器20に導入されたドライ作動ガスは、例えば、ガスタービン燃焼器20の上流側から燃料や酸化剤とともに燃焼領域に噴出されたり、燃焼器ライナの冷却後に希釈孔などから燃焼器ライナ内の燃焼領域の下流側に噴出される。
また、熱交換器22内の流路の途中から分岐された配管を介して超臨界流体のドライ作動ガスの一部が、冷却媒体としてタービン21に導入される。この冷却媒体の温度は、冷却効果と冷却対象物に生ずる熱応力の理由から、例えば、350℃〜550℃程度であることが好ましい。
タービン21で仕事を行い、配管24において水分を除去されたドライ作動ガスの残りは、系統の外部に排出される。外部に排出されたドライ作動ガスは、例えば、回収装置により回収される。また、外部に排出されたドライ作動ガスは、例えば、石油採掘現場で用いられているEOR(Enhanced Oil Recovery)等に利用することができる。上記した系統において、例えば、ガスタービン燃焼器20において燃料と酸素を燃焼させることで生成した二酸化炭素の生成量に相当する分の二酸化炭素が系統の外部に排出される。
(第1実施形態)
次に、第1実施形態に係るガスタービン燃焼器20の構成について説明する。図2は、第1実施形態に係るガスタービン燃焼器20の要部構成を示す断面図である。図2に示すように、ガスタービン燃焼器20は、燃料ノズル101と、この燃料ノズル101の下流に設けられた筒状の燃焼器ライナ102と、この燃焼器ライナ102の下流に設けられ燃焼ガスをガスタービン静翼150に導くトランジションピース103とを具備している。燃焼器ライナ102の内部は、燃料と酸素を燃焼させる燃焼室を構成している。また、燃焼器ライナ102の外側は、図示しないガスタービン外筒にて間隔を空けて覆われている。
次に、第1実施形態に係るガスタービン燃焼器20の構成について説明する。図2は、第1実施形態に係るガスタービン燃焼器20の要部構成を示す断面図である。図2に示すように、ガスタービン燃焼器20は、燃料ノズル101と、この燃料ノズル101の下流に設けられた筒状の燃焼器ライナ102と、この燃焼器ライナ102の下流に設けられ燃焼ガスをガスタービン静翼150に導くトランジションピース103とを具備している。燃焼器ライナ102の内部は、燃料と酸素を燃焼させる燃焼室を構成している。また、燃焼器ライナ102の外側は、図示しないガスタービン外筒にて間隔を空けて覆われている。
燃焼器ライナ102は、2つに分割されて構成されたライナ構成部材112と、ライナ構成部材113を、軸方向に繋げて構成されている。すなわち、燃焼器ライナ102に必要とされる所定の軸方向の長さLに対して、より長さの短い2つのライナ構成部材112(長さL1)、ライナ構成部材113(長さL2)を繋ぎ合わせて全体が長さLとなるよう構成されている。
ライナ構成部材113は、ライナ構成部材112と接続される端部の内径が、ライナ構成部材112の端部の外径より大きくなっている。このライナ構成部材113の端部がライナ構成部材112の端部の外側に重なるように位置させた状態で、これらが接続されている。この接続には、スプリングシール104が使用されている。ライナ構成部材113の内径は、ライナ構成部材112と接続される端部のみ大きくしても、全体を大きくしてもよい。上記のように、ライナ構成部材113は、ライナ構成部材112の外側にその端部が重なるように配置されるため実際の長さは、その重なりの部分の長さ分L2より長くなっている。
スプリングシール104は、環状に構成されており、ライナ構成部材112の外径に合わせてその内径が設定されている。そして、ライナ構成部材112にその一部が溶接等によって固着されている。そして、スプリングの弾性により、ライナ構成部材113の内壁側を押圧した状態で係止し、ライナ構成部材112とライナ構成部材113が軸方向に熱膨張した際に、これらが摺動して応力を吸収できるように構成されている。なお、スプリングシール104以外の接続方法としては、ピストンリングの如きリング状部材を用いることもできる。
ここで、第1実施形態において、上記構成を採用した理由について、以下に詳述する。図3に示すグラフは、横軸に燃焼器ライナの板厚、縦軸に座屈応力を荷重(燃焼器ライナにかかる差圧による荷重)で除した値Cをとって、従来のガスタービン燃焼器ライナ(作動圧力約2MPa)の場合と、超臨界圧燃焼器ライナ(作動圧力約30MPa)の場合とで比較した結果を示している。上記のCの値が1より小さい場合は座屈が生じる可能性がある。図3に示した2本の曲線は後述する理論式から求めたものであり、板厚が厚くなると座屈しなくなることを示している。
作動圧力が大きくなり、燃焼器ライナに作用する差圧も大きくなると、同じ板厚に対して、縦軸のCは小さくなり、座屈しやすくなることを示している。従来の作動圧力2MPaで座屈しない従来のライナ板厚W1は、作動圧力30MPaでは1を大きく下回り、座屈してしまうことがわかる。作動圧力30MPaにおいて座屈を回避するにはW2まで板厚を厚くする必要がある。
一方、前述したとおり、燃焼器ライナの内部には高温の燃焼ガスが流れており、ライナメタルは冷却しないと焼損などの問題が生ずる。そこで、図4に示すように、燃焼器ライナのライナメタルの外表面に低温の冷却用ガスを流すことによってライナメタルを冷却している。このため、燃焼器ライナの内表面は高温(T2)に、外表面は低温(T1)になり内外表面に温度差が生じている。この温度差が大きくなると熱伸び差による熱応力が発生し、ライナの破損につながる。
図5に示すグラフは、横軸を燃焼器ライナの板厚、左側縦軸をライナメタル温度、右側縦軸を熱応力としてライナの温度と作用する熱応力について説明するためのものである。板厚が厚くなると内表面温度T2は大きくなり、外表面温度T1は小さくなる。そのため、板厚が厚くなると温度差T2−T1も大きくなり、熱応力が大きくなっていることがわかる。図5のグラフ中には、破線にて許容熱応力上限線を示している。従来のガスタービンの板厚W1では熱応力はA点となり、許容熱応力以下となる。
座屈を回避するため、燃焼器ライナの板厚を図3に示した板厚W2まで厚くすると、図5のグラフに示すように、熱応力はB点の値となり、許容熱応力上限線を越えてしまう。したがって、燃焼器ライナの板厚を厚くするのみでは、燃焼器ライナの座屈の問題を解決することはできない。なお、熱応力が許容熱応力上限線と交わる限界Cにおける板厚は、図5に示すW3となる。
図6に示すグラフは、横軸を燃焼器ライナの長さ(L)、縦軸を前述したC値(座屈応力を荷重(燃焼器ライナにかかる差圧による荷重)で除した値)として、これらの関係を示したものである。図6のグラフに示す3本の曲線は後述する理論式から求めた超臨界圧力条件のものである。また、グラフ中に示したライナ長さLは、ガスタービン燃焼器内で燃焼を完了するために必要な長さである。
図6のグラフに示す3本の曲線のうち、燃焼器ライナの板厚が厚い板厚W2の場合は、ライナ長さLとしてもC値は1以上であるが、前述したとおり、熱応力の問題がある。また、従来の燃焼器ライナの板厚と同じである板厚W1の場合は、C値が1を大きく下回り座屈してしまうことがわかる。図5のグラフに示した許容熱応力の上限から求めた板厚W3の場合も、長さをLとすると座屈することがわかる。
図7に示すグラフは、横軸を燃焼器ライナの径(D)、縦軸を前述したC値(座屈応力を荷重(燃焼器ライナにかかる差圧による荷重)で除した値)として、これらの関係を示したものである。図7に示す曲線は、超臨界圧力条件のものである。図7に示すように、燃焼器ライナの径を小さくすれば座屈を回避することができる。しかしながら、ガスタービンの出力、作動流体量、燃焼器内断面平均速度、缶数、燃焼負荷率などの設計条件から決まる必要とされるライナの径(D1)とすると、座屈が生じてしまう。
図8に示すグラフは、横軸を燃焼器ライナの長さ(L)、縦軸を前述したC値(座屈応力を荷重(燃焼器ライナにかかる差圧による荷重)で除した値)として、これらの関係を示したものである。図8に示す2本の曲線は、超臨界圧力条件のものであり、ヤング率の異なる2種類の材質(材質1のヤング率E1>材質2のヤング率E2)について示したものである。図8に示すように、ヤング率が高い材質を選択すれば、座屈し難くなる。しかし、燃焼器ライナの材質は、高温に耐え得るものでなければならず、ヤング率を第一優先度として材料を選ぶことは難しい。
上述した各グラフに示した曲線を求める理論式を以下に示す。
FreL=CθL[π2E/12(1−ν2)](t/L)2
FreL=座屈応力
CθL=座屈係数
ν=ポアソン比
E=ヤング率
t=燃焼器ライナの厚さ
L=燃焼器ライナの長さ
また、r=燃焼器ライナの内半径として、
座屈応力∝(材質 ヤング率)/[{(r/t)2.5}×(L/r)]
の関係がある。
FreL=CθL[π2E/12(1−ν2)](t/L)2
FreL=座屈応力
CθL=座屈係数
ν=ポアソン比
E=ヤング率
t=燃焼器ライナの厚さ
L=燃焼器ライナの長さ
また、r=燃焼器ライナの内半径として、
座屈応力∝(材質 ヤング率)/[{(r/t)2.5}×(L/r)]
の関係がある。
上述したとおり、燃焼器ライナの厚さ、内径、材質などによって、座屈を回避することは難しい。そこで、熱応力の制限で決められたライナの板厚では、超臨界圧で座屈してしまうことを回避する方法として、第1実施形態では、2つに分割されて構成されたライナ構成部材112と、ライナ構成部材113を、軸方向に繋げて燃焼器ライナ102を構成している。
第1実施形態では、分割数を2としているが、分割数は燃焼器ライナに必要な長さLと熱応力の制限から決まる厚さt、材料の座屈曲線の関係から決まる。分割数が少ないとスプリングシール等による接合部分が減り、ライナ外部から燃焼器内への流体のリーク量を減らすことができるため、必要最小限の分割数とすることが好ましい。
図9に示すグラフは、横軸を燃焼器ライナの長さ(L)、縦軸を前述したC値(座屈応力を荷重(燃焼器ライナにかかる差圧による荷重)で除した値)として、これらの関係を示したものである。超臨界圧で使用するガスタービン燃焼器において、1つの部品によって長さがLの燃焼器ライナを構成した場合、ライナにかかる差圧が大きく、荷重が許容座屈応力より大きくなり(C値が1より小さくなり)、座屈する。
一方、図9に示すように、長さがLより短いL1、L2とした場合は、荷重が許容座屈応力より小さくなり(C値が1より大きくなり)、座屈を回避することができる。したがって、例えば、長さがL1のものとL2のものとに2分割し、これらを繋ぎ合わせてL=L1+L2等とすることにより、座屈を回避することができる。なお、図2に示したように、第1実施形態では、略同じ長さのライナ構成部材112と、ライナ構成部材113を、軸方向に繋げて燃焼器ライナ102を構成している。
上記のように、第1実施形態では、2つのライナ構成部材112と、ライナ構成部材113を、軸方向に繋げて1つの燃焼器ライナ102を構成しているので、夫々のライナ構成部材112、ライナ構成部材113を、超臨界圧で使用しても座屈しない長さとすることができる。また、その板厚も許容熱応力以下となる厚さとすることができる。なお、燃焼器ライナ102の内径Dと長さLは、上述した設計条件や燃焼領域の長さなどから適切な値に決められる。この内径Dと長さLの関係と使用される材料から座屈曲線が決まる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るガスタービン燃焼器20aの構成について説明する。図10は、第2実施形態に係るガスタービン燃焼器20aの要部構成を示す縦断面図である。図10に示すように、ガスタービン燃焼器20aは、燃料ノズル101aと、この燃料ノズル101aの下流に設けられた筒状の燃焼器ライナ102aと、この燃焼器ライナ102aの下流に設けられ燃焼ガスをガスタービン静翼150に導くトランジションピース103aとを具備している。
次に、第2実施形態に係るガスタービン燃焼器20aの構成について説明する。図10は、第2実施形態に係るガスタービン燃焼器20aの要部構成を示す縦断面図である。図10に示すように、ガスタービン燃焼器20aは、燃料ノズル101aと、この燃料ノズル101aの下流に設けられた筒状の燃焼器ライナ102aと、この燃焼器ライナ102aの下流に設けられ燃焼ガスをガスタービン静翼150に導くトランジションピース103aとを具備している。
燃焼器ライナ102aは、3つに分割されて構成されたライナ構成部材122、ライナ構成部材123、ライナ構成部材124を、軸方向に繋げて構成されている。すなわち、燃焼器ライナ102aに必要とされる所定の軸方向の長さLに対して、より長さの短い3つのライナ構成部材122、ライナ構成部材123、ライナ構成部材124を繋ぎ合わせて長さLとなるよう構成されている。
3つのうちの中間に位置するライナ構成部材123は、上流側に位置するライナ構成部材122と接続される端部の内径が、ライナ構成部材122の端部の外径より大きくなっている。このライナ構成部材123の端部がライナ構成部材122の端部の外側に重なるように位置させた状態で、これらが接続されている。この接続には、第1実施形態と同様に、スプリングシール104等を使用することができる。ライナ構成部材123の内径は、ライナ構成部材122と接続される端部のみの内径を大きくしても、全体を大きくしてもよい。
最も下流側に位置するライナ構成部材124は、ライナ構成部材123と接続される端部の内径が、ライナ構成部材123の端部の外径より大きくなっている。このライナ構成部材124の端部がライナ構成部材123の端部の外側に重なるように位置させた状態で、これらが接続されている。この接続には、第1実施形態と同様に、スプリングシール104等を使用することができる。ライナ構成部材124の内径は、ライナ構成部材123と接続される端部のみの内径を大きくしても、全体を大きくしてもよい。
燃焼器ライナの内径Dと長さLは、燃焼領域の長さや燃焼負荷率などから適切な値に決められる。この内径Dと長さLの関係と使用される材料から座屈曲線が決まる。必要とされる長さLと座屈曲線、熱応力から求まる板厚から燃焼器ライナ―の軸方向の分割数を2分割より多くする場合もある。この場合、ライナ―の必要長さをLとし、L=L1+L2+L3+…+Lnとn分割することができる。図10に示すように、第2実施形態では、L=L1+L2+L3となるよう3分割した場合を示している。なお、第1実施形態と同様に、ライナ構成部材123は、ライナ構成部材122の外側にその端部が重なるように配置されるため実際の長さは、その重なりの部分の長さ分L2より長くなっている。同様にライナ構成部材124は、ライナ構成部材123の外側にその端部が重なるように配置されるため実際の長さは、その重なりの部分の長さ分L3より長くなっている。
図11に示すグラフは、横軸を燃焼器ライナの長さ(L)、縦軸を前述したC値(座屈応力を荷重(燃焼器ライナにかかる差圧による荷重)で除した値)として、これらの関係を示したものである。図11に示したL1,L2,L3,…Lnは、燃焼器ライナを分割した夫々の長さである。図11に示したように、各ライナ構成部材にかかる荷重が、座屈応力以上にならないような長さL1,L2,L3,…Lnとすることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るガスタービン燃焼器20bの構成について説明する。図12は、第3実施形態に係るガスタービン燃焼器20bの要部構成を示す縦断面図であり、図13はライナ構成部材の正面図である。図12に示すように、ガスタービン燃焼器20bは、燃料ノズル101bと、この燃料ノズル101bの下流に設けられた筒状の燃焼器ライナ102bと、この燃焼器ライナ102bの下流に設けられ燃焼ガスをガスタービン静翼に導くトランジションピース103bとを具備している。
次に、第3実施形態に係るガスタービン燃焼器20bの構成について説明する。図12は、第3実施形態に係るガスタービン燃焼器20bの要部構成を示す縦断面図であり、図13はライナ構成部材の正面図である。図12に示すように、ガスタービン燃焼器20bは、燃料ノズル101bと、この燃料ノズル101bの下流に設けられた筒状の燃焼器ライナ102bと、この燃焼器ライナ102bの下流に設けられ燃焼ガスをガスタービン静翼に導くトランジションピース103bとを具備している。
本第3実施形態に係るガスタービン燃焼器20bでは、第1実施形態と同様に、燃焼器ライナ102bは、2分割されたライナ構成部材112bとライナ構成部材113bを軸方向に繋げて構成されている。さらに、第3実施形態では、燃焼器ライナ102bの外周(ライナ構成部材112b、ライナ構成部材113bの外周)に補強リブ130が設けられている。この補強リブ130は、座屈しにくい構造とするためのものである。このような構成は、燃焼器ライナを多分割した場合でも座屈の恐れがある場合、又は分割数を減らしたい場合などに適用することができる。
図12,13に示す例では、補強リブ130は、軸方向に長いものを、周方向に間隔を開けて複数箇所取り付けている。しかし、環状の補強リブを周方向に取り付け、軸方向に複数箇所設けてもよい。また、凸形状の突起がライナ表面に複数個形成された形状とする方法などを採用してもよい。補強リブ130の材質は、ライナ構成部材112b,113bと同様のものを使用することができる。また、補強リブ130の大きさは必要とされる強度から適宜選択することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係るガスタービン燃焼器20cの構成について説明する。図14は、第4実施形態に係るガスタービン燃焼器20cの要部構成を示す縦断面図であり、図14中下方に示すのはその一部を拡大して示す拡大図である。図14に示すように、ガスタービン燃焼器20cは、燃料ノズル101cと、この燃料ノズル101cの下流に設けられた筒状の燃焼器ライナ102cと、この燃焼器ライナ102cの下流に設けられ燃焼ガスをガスタービン静翼に導くトランジションピース103cとを具備している。
次に、第4実施形態に係るガスタービン燃焼器20cの構成について説明する。図14は、第4実施形態に係るガスタービン燃焼器20cの要部構成を示す縦断面図であり、図14中下方に示すのはその一部を拡大して示す拡大図である。図14に示すように、ガスタービン燃焼器20cは、燃料ノズル101cと、この燃料ノズル101cの下流に設けられた筒状の燃焼器ライナ102cと、この燃焼器ライナ102cの下流に設けられ燃焼ガスをガスタービン静翼に導くトランジションピース103cとを具備している。
本第4実施形態に係るガスタービン燃焼器20cでは、燃焼器ライナ102cは、2つに分割されて構成されたライナ構成部材112cと、ライナ構成部材113cを、軸方向に繋げて構成されている。すなわち、燃焼器ライナ102cに必要とされる所定の軸方向の長さLに対して、より長さの短い2つのライナ構成部材112c、ライナ構成部材113cを繋ぎ合わせて長さLとなるよう構成されている。
ライナ構成部材113cは、ライナ構成部材112cと接続される端部の内径が、ライナ構成部材112cの端部の外径より大きくなっている。このライナ構成部材113cの端部がライナ構成部材112cの端部の外側に重なるように位置させた状態で、これらが接続されている。この接続には、第1実施形態と同様にスプリングシール104等が使用されている。さらに、図14中にライナ構成部材112cとライナ構成部材113cとの接続部を拡大して示すように、外側に位置するライナ構成部材113cの端部は、ライナ構成部材112cと重なった部分の板厚m1が、ライナ構成部材112cの板厚m2より厚くなっている。
このように、ライナ構成部材同士の接合部における外側のライナ構成部材113cの板厚を厚くすることで、座屈し難くすることができる。外側のライナ構成部材113cは、温度の低い冷却流体で囲まれているため、熱応力の懸念もなく、厚さを厚くすることが可能である。このように接合部外側のライナ構成部材113cの板厚さを厚くすることで、全体の剛性を高めることができ、座屈限界を高くすることができる。
以上説明したように、上記の各実施形態によれば、超臨界の二酸化炭素を作動流体としたプラントに適用した際に、熱応力の増大を招くことなく燃焼器ライナに座屈が発生することを防止することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…ガスタービン設備、20,20a,20b,20c,200…ガスタービン燃焼器、21…タービン、22、23…熱交換器、24…配管、25…発電機、26…圧縮機、101,101a,101b,101c,201…燃料ノズル、102,102a,102b,102c,202…燃焼器ライナ、103,103a,103b,103c,203…トランジションピース、104,204…スプリングシール、112,112c,113,113c,122,123,124…ライナ構成部材、130…補強リブ、150…ガスタービン静翼。
Claims (6)
- 燃料ノズルと、前記燃料ノズルの下流に設けられた筒状の燃焼器ライナと、前記燃焼器ライナの下流に設けられ燃焼ガスをガスタービン静翼に導くトランジションピースとを具備したガスタービン燃焼器であって、
前記燃焼器ライナが、複数に分割されたライナ構成部材を軸方向に繋げて構成されているガスタービン燃焼器。 - 前記燃焼器ライナが、2つに分割された前記ライナ構成部材を軸方向に繋げて構成されている請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
- 前記ライナ構成部材同士を繋げた接続部は、一方の前記ライナ構成部材の端部が他方の前記ライナ構成部材の端部の外周側に位置するように重ねて配置され、これらの間がスプリングシール又はリング状部材によって係止されている請求項1又は2に記載のガスタービン燃焼器。
- 外周側に位置する一方の前記ライナ構成部材の端部の厚さが、内側に位置する他方の前記ライナ構成部材の端部よりの厚さより厚い請求項3に記載のガスタービン燃焼器。
- 前記燃焼器ライナの外表面に、軸方向に伸びる補強リブが周方向に沿って複数配設されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガスタービン燃焼器。
- 前記燃焼器ライナの外表面に、環状の補強リブが軸方向に沿って複数配設されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガスタービン燃焼器。
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