以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。尚、以下の実施形態は、特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。また、同一の構成要素には、同一の参照番号を付加して、その詳細説明を省略する。
[実施形態1]
図1は画像処理装置とその周辺環境を示す模式図である。
本実施形態では、画像処理装置と端末装置とを含むシステムについて説明する。画像処理装置の一例として本実施形態では、MFPを例に挙げて説明する。MFP200は、印刷機能、スキャナ機能(読取機能)、コピー機能、ファクス機能等の複数の機能を有するインクジェット方式のマルチファンクションプリンタ(以降、MFPと省略)である。尚、MFP200が使用する印刷方式は、インクジェット方式に限定されず、レーザビーム方式等の他の印刷方式を使用することができる。また、画像処理装置は、これに限定されず、印刷機能のみを有するものであってもよいし、スキャナ機能のみを有するものであってもよいし、他の機能を備えていてもよい。
MFP200は、近距離無線通信規格の1つであるBLEのペリフェラルとして動作する。また、MFP200は、特定の端末とネットワーク接続をすること無くアドバタイズ信号を周囲に送信することができる。
端末装置である携帯端末30は、BLEの中心ノードであるセントラルとして動作する。携帯端末30は、例えば、持ち運びができ、印刷ジョブをMFP200に送信することができる端末である。携帯端末30としては、携帯電話、デジタルカメラ、スマートフォン等の、印刷対象となるファイルを扱える情報処理装置であればよく、これらに限定されるものではない。携帯端末30は、MFP200の有効通信範囲である信号エリア20の内部に位置する場合は、MFP200からのアドバタイズ信号(アドバタイズパケット)を受信することができる。従って、携帯端末30は、複数のMFP200(図1の場合、2つのMFP200)の有効通信範囲内にある場合、複数のMFP200のアドバタイズ信号を受信することが可能となる。また、BLEの特性として、MFP200が送信したアドバタイズ信号の信号強度を受信できるため、セントラルはペリフェラルとのおおよその距離を特定することができる。
尚、有効通信範囲である信号エリア20は、MFP200が通信可能とする範囲であり、WLAN等の長距離無線通信よりも短い通信範囲(所定距離より短い通信範囲)の近距離無線通信で実現される通信範囲である。また、MFP200と携帯端末30は互いに通信するという意味では、通信装置としても機能する装置であると言える。
図2はMFP200の外観を示す図であり、特に、図2(a)はMFP200の斜視図、図2(b)はMFP200の上面図である。
原稿台201は、ガラス等からなる透明な台であり、原稿を載置してスキャナで読み取る時に使用する。原稿蓋202は、スキャナで読み取りを行う際に読取光が外部に漏れないようにするための蓋である。印刷用紙挿入口203は、記録媒体として様々なサイズの用紙をセットする挿入口である。印刷用紙挿入口203にセットされた用紙は一枚ずつ印刷部に搬送され、所望の印刷を行って印刷用紙排出口204から排出される。また、MFP200は、印刷用紙の別の供給部として、第1カセット209と第2カセット210を有している。例えば、A3の用紙を第1カセット209にセットし、A4の用紙を第2カセット210にセットしておくと、ユーザはMFP200の用紙を変更すること無く、印刷サイズがA3とA4の印刷ジョブを実行することができる。
原稿蓋202の上部には、操作表示部205及びNFC(Near Field Communication)ユニット206が配置されている。操作表示部205は、画像や操作メニュー等を表示する表示部、表示部上のカーソール移動等に用いる十字キー、ボタン、その他様々な機能を実行するための操作部を備える。また、操作表示部205は、タッチパネルで構成されていても良い。
NFCユニット206は、近接無線通信を行うためのユニットであり、実際に近接無線通信を行う端末を近接させる場所である。NFCユニット206は、NFC通信機能を有する端末を所定距離(約10cm)内に近接させることで通信を行うことができる。WLANアンテナ207は、WLANで通信するためのアンテナである。BTアンテナ208は、Bluetooth及びBLEで通信するためのアンテナである。
図3AはMFP200の制御構成を示すブロック図である。
MFP200は、装置のメインの制御を行うメインボード301と、WLAN通信を行うWLANユニット316と、NFC通信を行うNFCユニット317と、Bluetooth通信及びBLE通信を行うBLEユニット318を有する。
メインボード301において、CPU302は、システム制御部であり、MFP200の全体を制御する。ROM303は、CPU302が実行する制御プログラムや組込オペレーティングシステム(OS)プログラム等の各種プログラムを格納する。本実施形態では、ROM303に格納されている制御プログラムは、ROM303に格納されている組込OSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ等のソフトウエア制御を行う。RAM304は、SRAM(static RAM)等のメモリで構成され、プログラム制御変数、ユーザが登録した設定値、MFP200の管理データ等の各種データを格納するとともに、各種ワーク用バッファ領域が設けられている。
不揮発性メモリ305は、フラッシュメモリ(flash memory)等のメモリで構成され、電源がオフされた時でも格納されているデータを保持する。具体的には、これらのデータには、FAXの電話番号、通信履歴、ネットワーク情報等のユーザデータ、過去に接続した携帯端末リスト、印刷モード等のメニュー項目やインクジェット印刷ヘッドの補正情報等のMFP200の設定情報がある。画像メモリ306は、DRAM(dynamic RAM)等のメモリで構成され、各通信ユニットを介して受信した画像データや、符号復号化処理部312で処理した画像データ等の各種データを格納する。
尚、上述の各種のメモリからなるメモリ構成は、これに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、その数や特性、記憶容量等を適宜、構成することができる。
データ変換部307は、ページ記述言語(PDL)等のデータの解析や、画像データから印刷データへの変換等の処理を行う。読取制御部308は、CISイメージセンサ(密着型イメージセンサ)等で構成される読取部310によって原稿を光学的に読み取り、画像データを出力する。具体的には、読取部310によって原稿を光学的に読み取り、電気的な画像データに変換した画像信号を、画像処理制御部(不図示)を介して、2値化処理や中間調処理等の各種画像処理を施し、高精細な画像データを出力する。
操作部309と表示部311は、図2の操作表示部205に対応する。符号復号化処理部312は、MFP200で処理する画像データ(JPEG、PNG等)を符号復号化処理や、拡大縮小処理等の各種処理を行う。給紙部313は、印刷のための用紙を保持し、印刷部315に対して用紙を供給する。ここで、給紙部313は、図2の印刷用紙挿入口203、第1カセット209、及び第2カセット210等の複数の給紙部を総称したものである。印刷制御部314からの制御で、給紙部313から印刷部315へ給紙を行うことができる。また、印刷制御部314により、複数の給紙部のうちいずれの給紙部から給紙を行うかを制御することができる。
印刷制御部314は、印刷対象の画像データに対し、画像処理制御部(不図示)を介して、スムージング処理や記録濃度補正処理、色補正等の各種画像処理を施し、高精細な画像データに変換し、印刷部315に出力する。また、印刷制御部314は、印刷部315のステータス等の各種情報を定期的に読み出して、RAM304の情報を更新する。具体的には、例えば、インクタンクの残量や印刷ヘッドの状態等を更新する。
MFP200には、無線通信するための通信部として、WLANユニット316、NFCユニット317、BLEユニット318を有し、WLAN、NFC、BLEの3種類の通信規格によって無線通信することができる。即ち、WLANユニット316、NFCユニット317、BLEユニット318は、WLAN、NFC、BLEのそれぞれの規格に準拠した通信を実現するためのユニットである。BLEユニット318は、クラシックBluetoothとBLEの兼用のユニットである。WLANユニット316、NFCユニット317、BLEユニット318は、携帯端末等の他デバイスとのデータ通信を行う通信部である。これらの通信部は、データをパケットに変換し、他デバイスにパケット送信を行う。一方で、これらの通信部は、外部の他デバイスからのパケットを、データに変換してCPU302に対して送信する。
WLANユニット316、NFCユニット317、及びBLEユニット318は、それぞれバスケーブル319、320、及び321を介してシステムバス322に接続されている。
尚、上記各種構成要素303〜318は、CPU302が管理するシステムバス322を介して、相互に接続されている。
図3Bは携帯端末30の制御構成を示すブロック図である。
携帯端末30は、装置のメインの制御を行うメインボード701と、WLAN通信を行うWLANユニット716と、NFC通信を行うNFCユニット717と、クラシックBluetooth通信及びBLE通信を行うBLEユニット718を有する。
メインボード701において、CPU702は、システム制御部であり、携帯端末30の全体を制御する。ROM703は、CPU702が実行する制御プログラムや組込オペレーティングシステム(OS)プログラム等の各種プログラムを格納する。本実施形態では、ROM703に格納されている制御プログラムは、ROM703に格納されている組込OSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ等のソフトウエア制御を行う。RAM704は、SRAM(static RAM)等のメモリで構成され、プログラム制御変数、ユーザが登録した設定値、携帯端末30の管理データ等の各種データを格納するとともに、各種ワーク用バッファ領域が設けられている。
不揮発性メモリ705は、フラッシュメモリ(flash memory)等のメモリで構成され、電源がオフされた時でも格納されているデータを保持する。具体的には、これらのデータには、通信履歴、ネットワーク情報等のユーザデータ、過去に接続したMFPリスト、通信モード等のメニュー項目等の携帯端末30の設定情報がある。画像メモリ706は、DRAM(dynamic RAM)等のメモリで構成され、各通信ユニットを介して受信した画像データや、符号復号化処理部712で処理した画像データ等の各種データを格納する。
尚、上述の各種のメモリからなるメモリ構成は、これに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、その数や特性、記憶容量等を適宜、構成することができる。
データ変換部707は、データの解析や、画像データからジョブデータへの変換等の処理を行う。
操作部709は、携帯端末30に対する操作を行うためのタッチパネル、キー、ボタン等構成される。表示部711は、例えば、LCDで構成される。符号復号化処理部712は、携帯端末30で処理する画像データ(JPEG、PNG等)を符号復号化処理や、拡大縮小処理等の各種処理を行う。
携帯端末30には、無線通信するための通信部として、WLANユニット716、NFCユニット717、BLEユニット718を有し、WLAN、NFC、BLEの3種類の通信規格によって無線通信することができる。即ち、WLANユニット716、NFCユニット717、BLEユニット718は、WLAN、NFC、BLEのそれぞれの規格に準拠した通信を実現するためのユニットである。BLEユニット318は、クラシックBluetoothとBLEの兼用のユニットである。WLANユニット716、NFCユニット717、BLEユニット718は、MFP等の他デバイスとのデータ通信を行う通信部である。これらの通信部は、データをパケットに変換し、他デバイスにパケット送信を行う。一方で、これらの通信部は、外部の他デバイスからのパケットを、データに変換してCPU702に対して送信する。
WLANユニット716、NFCユニット717、及びBLEユニット718はそれぞれバスケーブル719、720、720を介してシステムバス722に接続されている。
尚、上記各種構成要素703〜718は、CPU702が管理するシステムバス722を介して、相互に接続されている。
図4はBLEユニット318/BLEユニット718の詳細構成を示すブロック図である。以下では、BLEユニット318を例に挙げて説明する。
通信対象のデータは、バスケーブル321を介して、メインボード301とマイコン403の間で送受信される。バスケーブル321だけでなく独自のセンサを装着することで、メインボード301とは別の制御でデータを送受信することも可能である。BLEユニット318では、バスケーブル321には、ADC402及びマイコン403が接続される。
センサ401は、測定対象の物理量を電気信号へ変化するデバイスである。本実施形態では、センサ401として、例えば、MFP200の周辺に人物がいることを特定するための監視センサや人感センサ、MFP200の温度を監視するための温度センサを有する。
ADC402はアナログデジタル変換回路であり、センサ401から出力されるアナログ信号をマイコン403が処理可能なデジタル信号へ変換する。マイコン403は、無線通信の処理を行うマイクロプロセッサである。このマイコン403には、RAMとフラッシュメモリが搭載されている。無線通信回路404は、無線通信チップ、水晶振動子、インダクタンス、コンデンサ等のデバイスで構成され、無線通信によるデータの送受信を行う。操作スイッチ405は、BLEユニット318の電力をオン/オフするスイッチであり、オンを選択することでブロードキャスト信号を送出する。尚、BLEユニット318の電力は、通常はMFP200の電源と連動して動作する。MFP200の電源系統に問題が発生した場合は、ユーザ操作によって操作スイッチ405を意図的にオンにすることによって、MFP200の動作とは独立してブロードキャストすることができる。電池406は、ボタン電池等の蓄電池である。本体電源408は、メインボード301から供給される電源である。電源回路407は、電池406からの電力をより効率的に供給するための電圧調整等の処理を行う回路である。
このように、MFP200は、電池406と本体電源408の2系統の電源を有する。これにより、MFP200が何らかの理由で起動できなくなった場合や、MFP200本体の省電力機能によってメインボード301の電源が落とされている場合も、NFCユニット317からアドバタイズ信号をブロードキャスト(同報送信)することができる。また、BLEユニット318は、不揮発性メモリ410を搭載し、メインボード301のRAM304に記憶されている動作情報や設定情報等の情報を移動しておくことで、必要に応じて、その情報を利用して単体で通信を行うことができる。
図5はBLEユニット318が周辺にブロードキャストするアドバタイズ信号を示す図である。
図5(a)は、MFP200が通常のアドバタイズ信号を示している。Tx508は、アドバタイズ信号の送信区間を表しており、送信回路を動作させることにより、図6で説明する所定のパケット(アドバタイズパケット)を送信する。Rx509は、アドバタイズ信号に対する通信相手(例えば、携帯端末30)からの応答を待機する待機区間を表す。具体的には、Rx509では、受信回路の電源をONすることにより、通信相手からの応答を受付可能な状態に切り替える。そして、所定時間が経過した後、即ち、Rx509の待機区間以外では、受信回路の電源はOFFすることにより、応答が受付できない状態に切り替える。このTx508とRx509とで1つのチャネルA505が形成され、そのチャネルA505におけるTx508とRx509とでアドバタイズ時間501が規定される。チャネルA505に続いて、同様の構成である、チャネルB506、チャネルC507が構成されている。そして、決定されたチャネルの数でTxとRxを繰り返す。例えば、BLE規格では、37、38、及び39チャネルがアドバタイズパケットチャネルに割り当てられ、本実施形態では、チャネルA505、チャネルB506、及びチャネルC507がこれらのチャネルに対応する。
Active区間502は、TxとRxによる送受信を行っている区間である。省電力区間503は、TxとRxによる送受信を行っていない区間である。省電力区間503が長くなるほどBLEユニット318の消費電力を抑制することができる。このように、アドバタイズ信号をブロードキャストしてから、それに対する応答を所定時間(Active区間502)だけ待機した後、次のアドバタイズ信号をブロードキャストするまでの所定時間間隔をアドバタイズ間隔504という。図5(b)、図5(c)については、後述する。
図6は、アドバタイズパケットの詳細構成を示す図である。
BLEユニット318は、電源オン状態になると初期化処理を行い、その後、アドバタイズパケットを送受信するアドバタイジング状態となる。アドバタイジング状態になると、BLEユニット318は、設定可能なインターバル(所定時間間隔)で、図6(a)で示すアドバタイズパケットを周辺に発信する。アドバタイズパケットは、2バイトのヘッダー601とそのペイロード602から構成される。ヘッダー601は、パケットのタイプやペイロード602のサイズ情報等を格納する領域である。ペイロード602は、アドバタイズ信号を送信する装置の情報を格納することができる領域であり、所定のサイズが割り当てられている。ペイロード602には、デバイス名や搭載プロファイル情報の他、送信電力(Tx Power608)等のMFP200に関する情報を格納する。本実施形態では、画像処理装置によるジョブの実行が可能であるかを特定可能な特定情報を含むものとする。特定情報としては、後述するケイパビリティ情報605、設定情報606、エラー情報607が挙げられる。本実施形態では、ペイロード602には、MFP名603、MFPへの接続情報604、NEXT Flag627、Tx Power608を格納する。
ペイロード602において、MFP名603には、MFPを識別するための名前が格納されている。この名前として、例えば、オフィスの中でMFPを一意に特定できるための文字列等の情報を設定する。MFPへの接続情報604は、アドバタイズパケットを受信した携帯端末30が、MFP200へ接続を行うための情報である。BLEの規格に従う場合は、BLE4.0規格に記載されているプロトコルデータPDU(Protocol Data Unit)がMFP200へ接続を行うための情報となる。プロトコルデータPDUを送受信することで、携帯端末30はMFP200と接続を確立して、その後のデータ通信を行うことができる。また、BLE以外で接続を確立することも可能であり、例えば、MFP200へ接続を行うための情報としてWLANユニット316への接続情報を設定しておくことで、携帯端末30はWLANでMFP200と接続をすることも可能である。
Tx Power608は、Txの信号強度を示す情報である。MFP200は、このTx Power608の情報と受信したパケットの受信信号強度から伝搬損失を特定することができ、この特定した伝搬損失からBLE無線デバイスとの距離の推定を行うことができる。MFP200の状態情報である、ケイパビリティ情報605、設定情報606、及びエラー情報607については、それぞれ図6(b)、図6(c)、及び図6(d)を用いて詳細に後述する。
次に、図6(b)を用いて、ケイパビリティ情報605の詳細構成を説明する。このケイパビリティ情報605は、MFP200が実行できるジョブについての能力の情報である。携帯端末30は、画像処理装置がブロードキャストしたアドバタイズパケットを受信すると、ケイパビリティ情報605を受信により、MFP200と接続を確立することなくMFP200がどのような機能を有するMFPであるのかを特定することができる。
本実施形態では、ケイパビリティ情報605として、メーカー情報(以下、メーカー609)、型番情報(以下、型番610)、カラー情報(以下、カラー611)、インク数情報(以下、インク数612)を有する。また、ケイパビリティ情報605として、サポート用紙のサイズ情報(以下、サポート用紙サイズ613)、サポート用紙種類の情報(以下、サポート用紙種類614)、両面印刷が可能かの情報(以下、両面対応615)を有する。
メーカー609には、メーカー毎に与えられたメーカーIDが格納されている。型番610には、MFP200の製品モデルが一意に特定できるIDが格納されている。カラー611には、カラープリンタかモノクロプリンタかを示すフラグが格納されている。インク数612には、記録剤であるインク色毎にビットが割り当てられており、装着できるインクを表すことができる。即ち、インク数を特定することができる。サポート用紙サイズ613には、用紙サイズ毎にビットが割り当てられており、セットできる用紙サイズを表すことができる。サポート用紙種類614には、用紙種類毎にビットが割り当てられており、セットできる用紙種類を表すことができる。両面対応615には、両面印刷が可能であるか否かを示すフラグが格納されている。このように、ケイパビリティ情報605によって、MFP200の機能を特定することができるため、携帯端末30は、実行予定のジョブが該当MFPで実行できるかを判断することができる。
次に、図6(c)を用いて、設定情報606の詳細構成を説明する。この設定情報606は、MFP200に現在設定されている情報である。携帯端末30は、設定情報606を受信することで、MFP200と接続を確立することなくMFP200の現在の設定状態を特定することができる。
本実施形態では、設定情報606として、第1カセットの用紙サイズの情報(以下、第1カセットの用紙サイズ616)、第2カセットの用紙サイズの情報(以下、第2カセットの用紙サイズ617)を有する。また、設定情報606として、第1カセットの用紙種類の情報(以下、第1カセットの用紙種類618)、第2カセットの用紙種類の情報(以下、第2カセットの用紙種類619)を有する。更に、設定情報606として、優先カセットの情報(以下、優先カセット620)、印刷モードの情報(以下、印刷モード621)、印刷速度の情報(以下、印刷速度622)を有する。
第1カセットの用紙サイズ616及び第2カセットの用紙サイズ617には、第1カセット及び第2カセットにセットされている用紙のサイズを示す設定値が格納されている。この設定値は、サポート用紙サイズ613で割り当てられているビットと同様である。第1カセットの用紙種類618及び第2カセットの用紙種類619には、第1カセット及び第2カセットにセットされている用紙の用紙種類を示す設定値が格納されている。この設定値は、サポート用紙種類614で割り当てられているビットと同様である。
優先カセット620は、第1カセット及び第2カセットの内、優先的に使用するカセットを示す値が格納されている。「1」が格納されている場合、第1カセットを優先的に使用し、「2」が格納されている場合、第2カセットを優先的に使用する。印刷モード621は、デフォルトの印刷モードを示す値が格納されている。この値には、「きれい」、「ふつう」、「はやい」等の各種印刷モードを示す値を設定できる。印刷速度622には、現在の印刷設定における印刷速度が格納されている。例えば、A4用紙サイズで、普通紙で、きれいモードで印刷した場合に1分間に印刷できる推定枚数を格納する。尚、印刷速度そのものを格納してもよい。
このように、携帯端末30は、MFP200の現在の設定情報を特定してユーザに通知することができるため、ユーザが所望のMFPを見つけるための手がかりとすることができる。また、携帯端末30は、MFPが所望の機能は有しているが、現在の設定が違う場合、予め特定して通知することができる。このため、ユーザが事前にMFPの操作部709において設定を変えるべきであることを認識することができ、また、設定間違いのまま印刷することを防ぐことができる可能性が高くなる。
次に、図6(d)を用いて、エラー情報607の詳細構成を説明する。このエラー情報607は、MFP200に発生しているエラー情報である。携帯端末30は、エラー情報607を受信することで、MFP200と接続を確立することなくMFPにエラーが発生していることを特定してユーザに通知することができる。
エラー情報607として、ジョブ状況の情報(以下、ジョブ状況623)、ジョブエラーの情報(以下、ジョブエラー624)、リカバブルエラーの情報(以下、リカバブルエラー625)、フェイタルエラーの情報(以下、フェイタルエラー626)を有する。
ジョブ状況623には、MFP200が受けているジョブの状況等の情報が格納されている。例えば、受信済ジョブ数、受信済ページ数、MFP200の近傍に存在するユーザ数が格納されている。受信済ジョブ数、受信済ページ数を特定することで、携帯端末30は、ジョブを送信した場合、どの程度の待ち時間になるかを推測(特定)することができる。また、MFP200の近傍に存在するユーザ数は、アドバタイズパケットをブロードキャストして、それに対する応答の数をカウントすることで、MFP200の近傍にいる携帯端末の数を類推(特定)することができる。尚、ユーザ数は、単純に、応答が返ってきた携帯端末数としても良いし、所定の距離内にいる携帯端末数としても良い。
ジョブエラー624には、ジョブを受信して実行する際に発生したエラーの内容を示す値が格納されている。本実施形態では、ジョブエラーとして、用紙サイズミスマッチ、用紙種ミスマッチ、画像デコードエラー、パケットエラー、色ミスマッチ、面付けエラー、サポート無し処理、その他(上記以外のエラー)を特定することができる。エラーは、例えば、ジョブが間違っていたり、送信したジョブの設定情報とMFP200の設定情報が一致しなかったりする場合に発生することが多い。即ち、携帯端末30から適切なジョブを送信し直すことで、あるいは、MFP200の設定を変更することで解消できるものが多い。本実施形態では、ジョブエラー毎にビットが割り当てられており、複数のエラーが発生した場合も通知できる。携帯端末30は、ジョブエラー624に基づいてMFP200のジョブエラーを特定してユーザに通知することができるため、エラーを解除してからそのMFPを使用するか、もしくは別のMFPを使うかをユーザが判断できる。
リカバブルエラー625には、MFP200で発生しているエラーの中でユーザによるMFP200のメンテナンスが必要なエラーを示す値が格納されている。リカバブルエラー625には、ジョブエラー624と同様にビット毎にエラーを示す値が割り当てられている。本実施形態では、リカバブルエラーとして、搬送部紙ジャム、給紙部紙ジャム、用紙トレーフル、排出口クローズ、カバーオープン、インク無し、インク残量少、その他のユーザによるメンテナンスが必要なエラーを特定することができる。リカバブルエラー625によって、ジョブを送信したユーザの携帯端末30だけでなく、周囲のユーザの携帯端末30においてもエラーを特定することができるため、MFP200のメンテナンス性を高めることができる。
フェイタルエラー626には、MFP200で発生したエラーの内、ユーザによるメンテナンスが難しいエラーを示す値が格納されている。メンテナンスが難しいエラーとは、例えば、サービスセンターに連絡する必要があり、通常のユーザでは復帰させることができないエラーである。本実施形態では、フェイタルエラーとしては、廃インクタンクフル、印刷部高温エラー、電源エラー、その他のメンテナンスが難しいエラーを特定することができる。携帯端末30は、フェイタルエラーに基づいて、MFP200にフェイタルエラーが発生したことを特定して通知することができる。例えば、ジョブを実行する携帯端末30には、このMFPは使用対象外と通知することができる。
ここで、MFP200にエラーが発生している場合は、アドバタイズ信号をブロードキャストする際に、Txを送信するが、受信回路の電源をOFFのままにして、アドバタイズ信号に対する通信相手からの応答を待機しない。具体的には、図5(c)に示すように、各チャネル(チャネルA〜チャネルC)においてRx509を省略して、Tx512、Tx513及びTx514のみを実行する。これにより、MFP200が印刷を実行できない状態を携帯端末30が特定できるようにしつつ、MFP200の消費電力を抑えて、省電力を実現することができる。即ち、受信回路の電源をONする電力を削減することができる。本実施形態では、エラー情報607の内、フェイタルエラー626の場合に、Rxを実行しないものとする。MFP200の管理の面から考えてもフェイタルエラーが発生した場合は、携帯端末30からの応答は受信しても意味が無いものになるためである。尚、フェイタルエラー626だけではなく、ジョブエラー624やリカバブルエラー625の場合も、エラーが解除されるまでジョブを実行できないため、Rxを実行しないようにしてもよい。
このように、携帯端末30は、MFP200のケイパビリティ情報605、設定情報606、エラー情報607等の情報が格納されたアドバタイズパケットを受信することで、MFP200の現在の状況を特定することができる。
尚、図5に示す構成は、一例であり、図5に示す内容以外に、任意のデータをアドバタイズパケットに格納してブロードキャストすることもできる。例えば、図6(a)に示すNEXT Flag627を設けることもできる。このNEXT Flag627は、今回のアドバタイズパケットに格納しきれない情報を、次のアドバタイズパケットでブロードキャストすることを表している。また、所定のフォーマットだけでなく、任意の文字列等を送信するモードを表すビット等の情報を取り決めてもよい。
図7は、アドバタイズからジョブ受信、ジョブ完了までの携帯端末30とMFP200の間での処理シーケンスを示す図である。
図7において、携帯端末30は、周辺にあるアドバタイザからのアドバタイズパケットを待ち受けるイニシエータである。ここでは、MFP200は、アドバタイズ間隔504でアドバタイズパケットを送信するアドバタイジングイベントを実行するアドバタイザである。ここで、図5に示すTx508とRx509のセットが、アドバタイズ(S701〜S703)に相当する。携帯端末30がMFP200からのアドバタイズパケット(図6)を受信することで、携帯端末30は、MFP200のケイパビリティやエラー状態を特定することができる。
ジョブを実行するのに適したMFP200が存在したら、携帯端末30は、ネットワーク接続をする接続イベントに遷移するための要求であるCONNECT_REQを送信する(S704)。MFP200は、CONNECT_REQを受信したら、接続イベントに遷移する準備をする。BLEユニット318及びBLEユニット718は、それぞれメインボード301及びメインボード701にLE Connection Completeを通知することで、携帯端末30及びMFP200はそれぞれマスタとスレーブに変化する(S705及びS706)。
接続イベントに遷移してからは、マスタである携帯端末30とスレーブのMFP200は、コネクションを確立する。尚、BLE規格では、マスタは、スレーブと「1:多」のスター型のトポロジーを形成することができる。
MFP200は、スレーブに変化後は、携帯端末30にアドバタイズパケットをブロードキャストしない。そのため、MFP200とコネクションを確立した携帯端末30以外の周囲の他の携帯端末は、MFP200に関する情報をアドバタイズ経由で特定ことはできない。これに対し、本実施形態では、アドバタイズパケットを受信することにより、携帯端末30は、MFP200とコネクションを確立する前に、MFP200のケイパビリティやエラー状態を特定することができる。従って、携帯端末30がジョブを実行することができないMFP200とコネクションを確立するのを抑制することができ、他の端末装置もMFP200に関する情報をアドバタイズ経由で特定することができる。
携帯端末30において、メインボード701は、BLEユニット718に対して、印刷ジョブのジョブデータを送信する(S707)。ここでのジョブデータは、画像データが埋め込められた印刷ジョブ本体を送信してもよいし、または印刷ジョブへのポインタ情報だけを通知しておいてもよい。携帯端末30のBLEユニット718は、BLEユニット318へ印刷ジョブのジョブデータを送信する(S708)。尚、本実施形態では、ポインタ情報(ジョブ情報)を送信する場合、その後にBLEユニット318へ印刷ジョブのジョブデータを送信するものとするが、これに限定されるものではない。印刷ジョブ本体はBLE以外の通信手段により送信するようにしてもよく、例えば、BLEよりもより広範囲に通信可能なWLANユニット316を用いて送信するようにしてもよい。本実施形態では、ジョブに関する情報として、印刷ジョブ本体又はポインタ情報を送信する。
MFP200において、BLEユニット318は、メインボード301に受信したジョブデータをメインボード301へ送信する(S709)。メインボード301は、ジョブデータを受信したら、ジョブ完了をBLEユニット318に通知する(S710)。ジョブ完了を通知するタイミングは、ジョブの動作が完了してからでも良いし、またはジョブデータの受信が終了したタイミングでも良いし、またはジョブへのポインタを通知したタイミングでも良い。尚、ジョブへのポインタを通知する場合は、例えば、WLANユニット316を用いてジョブの実データを取得してもよい。
MFP200において、BLEユニット318は、受信したジョブ完了を、携帯端末30のBLEユニット718へ通知する(S711)。BLEユニット718は、受信したジョブ完了をメインボード701へ通知する(S712)。
その後、携帯端末30とMFP200はそれぞれイニシエータとアドバタイザに戻り、MFP200は、アドバタイズを再開する(S713)。
図7のシーケンスを用いて説明したように、接続イベントに遷移すると、アドバタイザはアドバタイズパケットをブロードキャストできなくなる。そのため、なるべく接続イベントにならない方が、アドバタイザとの接続イベントを確立する携帯端末30以外の周囲の他の携帯端末は、アドバタイザからのアドバタイズパケットを受信できる。従来のように、接続イベントに遷移してからMFP200に関する情報を受信する場合と比べ、接続イベント前にブロードキャストするアドバタイズパケットだけで、MFP200に関する情報を携帯端末へ通知することができる。従って、MFP200と携帯端末30はそれぞれ、印刷ジョブを実行できない場合に接続が確立することによる電力消費を抑制することができ、また、接続してから解除するという工程を削減することができる。また、MFP200の有効通信範囲に複数の携帯端末30が存在する場合、有効通信範囲の携帯端末30のいずれもMFP200との接続を確立することなく、MFP200の状態を特定することができる。
図8を用いて、携帯端末30からMFP200を検索してから、ジョブを送信する一例を説明する。図8(a)及び図8(b)は携帯端末30の表示部311に表示される表示画面の一例である。
携帯端末30は、消費電力削減のため、BLEのアドバタイズパケットを常に受信できる状態にはしていない。ユーザが印刷をしようとする場合、即ち、印刷ジョブを携帯端末30から送信しようとする場合、携帯端末30において所定のアプリケーションを起動する。所定のアプリケーションは、図8(a)に示すアプリケーション画面を表示部311に表示する。この所定のアプリケーションは、所望の条件を有するMFPを検索する機能を保持する。本実施形態では、アプリケーションが携帯端末30に表示するアプリケーション画面は、MFPを検索するための条件として、印刷モード(「カラー」)、用紙サイズ(「A4サイズ以上」)、印刷速度(「15PPM以上」(一分間に印刷できる枚数))のチェックボックスを有する。
例えば、印刷ジョブが、A4サイズで多枚数である場合、ユーザは、「A4サイズ以上」と印刷速度が「15PPM」のチェックボックスにチェックをした上で、検索を指示する。これにより、携帯端末30のBLEユニット718が起動し、周囲のアドバタイズパケットを受信できる状態とする。
そして、携帯端末30は、アドバタイズパケットを受信すると、ケイパビリティ情報605、設定情報606、エラー情報607に基づいて、周囲のMFP200の状態を特定する。そして、図8(b)に示すように、MFPが検索されたことを示す通知画面を表示部311に表示する。ここでは、検索されたMFP名と、それぞれのステータス、携帯端末30とのおおよその距離、MFP200と接続する場合に、その接続を指示するための接続ボタン801を表示する。このように、本実施形態では、携帯端末30は、アドバタイズパケットにより複数のMFP200の状況を確認することができる。
携帯端末30のCPU702は、上述したように、受信したアドバタイズパケットを解析することで、検索されたMFPの状態を特定することができる。携帯端末30は、特定した結果に基づいて、図8(b)に示すように表示を変化させるようにしてもよい。例えば、プリンタAは、紙詰まりエラー中なので接続しても印刷ジョブを実行できないために、接続ボタン801は表示しないようにしている。尚、接続ボタン801をグレーアウトして、選択できないように表示してもよい。
接続ボタン801を押下することで、図7のS704からのシーケンスに遷移して印刷ジョブを実行することができる。このように、印刷ジョブを実行する携帯端末30は、周囲のMFPの中から条件に合致するMFPをフィルタリングして印刷ジョブを送信することができる。周囲のMFPの中から条件に合致するMFPをフィルタリングする際には、接続イベントに遷移しないため、他の携帯端末のアドバタイズパケットの受信を邪魔することもない。
図9は、アドバタイズパケットの送信処理を示すフローチャートである。尚、このフローチャートで示される処理は、MFP200のCPU302が、ROM303に記憶されているプログラムを読み出し実行することで実現される。
S902で、CPU302は、アドバタイズパケットをブロードキャストする準備をする。ここでは、ペイロード602を作成するために必要なデータをメインボード301から取得する。アドバタイズパケットが作成できたら、S903で、CPU302は、BLEユニット318を介してアドバタイズパケットをブロードキャストする。
S904で、CPU302は、MFP200内にエラーがあるか否かを判定する。このエラーは、例えば、図6におけるジョブエラー624、リカバブルエラー625、あるいはフェイタルエラー626である。判定の結果、エラーがある場合(S904でYES)、S905で、CPU302は、発生しているエラーは、ユーザに通知することで解消される可能性があるエラーであるか否かを判定する。ジョブエラー624やリカバブルエラー625が発生している場合には、その内容を通知をすることで、ユーザがリカバリ作業をしてくれる可能性がある。そこで、このようなエラーの場合には、ユーザに通知することで解消される可能性があるエラーであると判定する。一方、フェイタルエラー626が発生している場合は、ユーザは解決できないため、ユーザに通知することで解消される可能性があるエラーであると判定する。
判定の結果、ユーザに通知することで解消される可能性があるエラーである場合(S905でYES)、S906で、CPU302は、図5(a)のように、Rx509を実行する。一方、判定の結果、ユーザに通知することで解消される可能性があるエラーでない場合(S905でNO)、S907で、CPU302は、図5(c)のように、Rx509を実行しない。つまり、Rx509の実行を禁止する。このように制御することで、ユーザが解決できないエラーが発生している時には、Rxを省略することで消費電力を抑えることができる。また、ユーザに対して明示的にMFPが使用できない状態であることを通知することができる。
S908で、CPU302は、今回のアドバタイズパケットに収まらなかったデータがあるか否かを判定する。アドバタイズパケットに収まらなかったデータがある場合(S908でYES)、S902に戻り、CPU302は、NEXT Flag627を利用して次のアドバタイズパケットを送信する。具体的には、図5(b)で示すように、アドバタイズパケットとして、NEXT Flag627によって関連付けられている連続する2つのTx1(510)とTx2(511)に分割して送信する。このように構成することで、追加の情報がある場合でも複数回に分割してアドバタイズするため、接続イベントを行う場合に比べて周囲の携帯端末への影響が少なくて済む。
一方、アドバタイズパケットに収まらなかったデータがない場合(S908でNO)、S909で、CPU302は、アドバタイズの中断指示があるか否かを判定する。中断指示がない場合(S909でNO)、S903に戻る。一方、中断指示がある場合(S909でYES)、処理を終了する。
以上説明したように、実施形態1によれば、アドバタイズパケットを受信することにより、携帯端末30は、MFP200とコネクションを確立する前に、MFP200のケイパビリティやエラー状態を特定することができる。従って、携帯端末30がジョブを実行することができないMFP200とコネクションを確立するのを抑制することができ、他の端末装置もMFP200に関する情報をアドバタイズ経由で特定することができる。これにより、携帯端末が画像処理装置との不要なコネクションを確立することを抑制することができ、携帯端末が画像処理装置とコネクションを確立している時間を短くすることができる。そのため、複数の携帯端末ユーザが画像処理装置を使用する際に、画像処理装置の存在を認識しやすくなる。
[実施形態2]
実施形態2では、BLEユニット318を駆動する電源を切り替える例を説明する。MFP200にエラー等のイベントが発生すると、電源が投入できなくなる場合がある。このとき、BLEユニット318が本体電源408で動作している場合は、アドバタイズパケットをブロードキャストすることができない。本実施形態では、エラー等のイベントが発生して電源が投入できない場合は、アドバタイズパケットをブロードキャストすることができるように電池406に切り替える。BLEユニット318は、非常に低消費電力のため、ボタン電池で数カ月駆動できる実装もある。このように構成することで、MFP200に電源が入れられない場合でも、MFP200の状態を、携帯端末30に通知することが出来る。また、エラーの場合だけでなく、省電力のためにメインボード301の電源や本体電源408を不活性にして電池駆動させるようにしてもよい。
ここで、電池406に切り替えるための判断は、例えば、BLEユニット318のマイコン403が、MFP200の状態を監視しておき、所定のイベントが発生した場合に、電源を本体電源408から電池406へ切り替える。
[実施形態3]
上述した実施形態では、画像処理装置の情報として、アドバタイズパケットとして、ケイパビリティ情報、設定情報、エラー情報を含むものとしたが、これに限定されず、これらのうちいずれか1以上の情報を備えるものとすればよい。また、他の情報を備えていてもよい。例えば、ケイパビリティ情報のみを含むアドバタイズパケットの場合、携帯装置は印刷ジョブを実行する能力がない画像処理装置を特定することができる。
また、上述した実施形態では、処理対象のジョブとして印刷ジョブを例に挙げて説明しているが、これに限定されない。例えば、MFP200は、ネットワークスキャナや、インターネットファクシミリとして機能することもできる。そのため、これらの機能に関する情報(ケイパビリティ情報等)を含むアドバタイズパケットをブロードキャストして、スキャンジョブ等の各種ジョブを受信することもできる。
尚、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。