JP2019197485A - 画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム Download PDF

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俊之 土橋
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Abstract

【課題】粒状性に優れ、かつインク消費量も削減する色変換処理を提供する。【解決手段】本発明は、入力画像信号値を、複数の実色材の出力値に変換する画像処理装置であって、複数の実色材のうち、濃色材の単位面積あたりに記録されるドット数を仮決定するドット数仮決定手段と、入力画像信号を実色材のドット数データに変換する色変換手段と、色変換手段により変換されたドット数データに基づいてディザ処理を実行するハーフトーン処理手段と、濃色材のドット数データに基づいてディザ処理を実行したときに出力されるドットパターンの分散性の特性を取得する特性取得手段とを備え、ドット数仮決定手段は、分散性特性に基づいて、濃色材のドット数を、所定の入力階調値の範囲において、分散性の高いドット数で一定となるように仮決定し、色変換手段は、仮決定された濃色材のドット数に基づいて、入力画像信号を変換する。【選択図】図1

Description

本発明は、画像信号を、出力デバイスが扱う複数の色材成分に対応する信号に変換する色変換技術に関する。
インクジェット方式や電子写真方式に代表されるプリンタは、画像信号(通常、RGBの色信号)を入力として受信し、その画像信号をプリンタで用いる色材(例えば、CMYKのインクやトナー)の量に変換することで印刷データを生成している。プリンタの色材量の設定次第で、階調性・色再現精度・粒状性等の画質が変化するため、画像信号から色材量への変換処理は重要である。
現在、主流になっているインクジェット方式のプリンタでは、上述の色材の量(即ち、インク量)を公知のディザ法等により2値のドットパターンに変換し、ドットのオン又はオフにより画像を表現している。但し、この公知のディザ法等を簡易に適用しただけでは、画像濃度の低い領域において印刷されるドット密度が低くなり、結果、ドットが疎らに形成され、延いては、ドットの目立つ粒状化が発生することになる。
そこで、この粒状化を改善し、印刷品位を向上するために、濃淡インクを用いた印刷方法(技術)が知られている(例えば、特許文献1)。この特許文献1の技術では、同一色において、濃度の高い濃インクと濃度の低い淡インクとを用意し、これらのインクの吐出を制御することで、粒状性に優れた印刷を実現している。但し、この特許文献1の技術では、画像の階調信号に対して、単純に淡インクから順に割り当てているにすぎず、インク消費量が多いという課題があった。
そして、このような課題に対応するために、インク消費量を抑えつつ、粒状性の悪化も抑制する技術が知られている(例えば、特許文献2)。特許文献2の技術では、淡インクによるドット密度が最大になる階調よりも低い階調から濃インクのドットを出現させるように濃淡インクの記録率テーブルを作成し、この記録率テーブルに基づいて濃淡分解を行うことで、インク消費量を削減している。
特開平2−215541号公報 特開2008−132796号公報
しかしながら、特許文献2の技術では、ドットパターンの分散性が考慮されていない。そのため、記録媒体上に形成される濃インクのドットパターンと淡インクのドットパターンとを合成した濃淡インクのドットパターンにおいては、分散性が悪くなる場合があり、結果、粒状性が悪化することがあった。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、記録される濃淡インクのドットパターンの分散性が高くなるように濃淡インクの記録率を決定することで、粒状性に優れ、かつ、インク消費量も削減する色変換処理を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、入力画像信号の信号値を、画像形成装置が具備する複数の実色材の出力値に変換する画像処理装置であって、前記複数の実色材のうち、色材濃度の高い濃色材の単位面積あたりに記録されるドット数を仮決定するドット数仮決定手段と、前記入力画像信号を前記実色材のドット数データに変換する色変換手段と、前記色変換手段により変換されたドット数データに基づいてディザ処理を実行するハーフトーン処理手段と、前記濃色材のドット数データに基づいてディザ処理を実行したときに出力されるドットパターンの分散性の特性を取得する特性取得手段とを備え、前記ドット数仮決定手段は、前記分散性の特性に基づいて、前記濃色材のドット数を、所定の入力階調値の範囲において、前記分散性のより高いドット数で一定となるように仮決定し、前記色変換手段は、前記仮決定された前記濃色材のドット数に基づいて、前記入力画像信号を変換することを特徴とする。
本発明により、粒状性に優れ、かつインク消費量も削減する色変換処理を提供することができる。
本実施形態における処理全体の構成を示すブロック図である。 画像処理装置及び画像形成装置における処理の手順を示すフローチャートである。 ディザマトリクスの分散性を説明するための図である。 色変換LUT作成装置における処理の手順を示すフローチャートである。 仮想色材量を導出する処理の手順を示すフローチャートである。 仮想色材量を一例として示した図である。 各インク色の1ドットあたりの仮想色材換算量を一例として示した図である。 色立体の模式図である。 仮想色材量を算出する処理を一例として示した図である。 色立体を分割した四面体の模式図である。 濃インクのドット数を仮決定する処理の手順を示すフローチャートである。 色変換LUTを一例として示した図である。 濃淡インクのドット数を決定する処理の手順を示すフローチャートである。 ハーフトーン処理の手順を示すフローチャートである。 ハーフトーン処理の結果を一例として示した図である。 情報処理装置の構成を示すブロック図である。 濃インクのドット数を仮決定する処理の手順を示すフローチャートである。 色変換LUTを一例として示した図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。
[実施形態1]
(全体構成)
図1は、本実施形態における処理全体の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、画像処理装置1は、画像形成装置2、色変換LUT作成装置3に接続され、また、図1において示していないが、画像形成装置2は、画像処理装置1及び色変換LUT作成装置3を内蔵している。以下、これらの構成について説明する。
先ず、画像処理装置1について説明する。画像処理装置1は、プリンタインタフェース又は所定の回路によって、画像形成装置2に接続される。画像処理装置1は、例えば、ASIC等の回路によって構成され、本実施形態では、上述のように、画像形成装置2に内蔵される。なお、画像処理装置1の他の構成例として、画像処理装置1を例えば、一般的なパーソナルコンピュータ等にインストールされたプリンタドライバによって構成してもよい。
画像データ入力端子101は、入力された印刷対象の画像を表す画像データを、カラーマッチング処理部102に送出する。ここでの画像データは、例えば8ビットRGBの画像信号を含むカラー画像データである。
カラーマッチング処理部102は、入力された画像データに対するカラーマッチング処理を実行し、RGB画像の色を補正する。カラーマッチング処理により、異なる色再現特性を有するプリンタや記録媒体を用いた場合にも、統一的な色再現を得ることができる。カラーマッチング処理に際しては、カラーマッチングLUT格納部103に格納された3次元のカラーマッチングLUTを参照する。
色変換処理部104は、カラーマッチング処理部102で補正された画像データを、画像形成装置2が備える7色のインクに対応した7プレーンの8ビットインク値(出力値)に変換する。色変換処理部104は、色変換処理に際して、色変換LUT格納部105に格納された3次元の色変換LUTを参照する。なお、本実施形態において、画像形成装置2が備える7色のインクは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、淡シアン(LC)、淡マゼンタ(LM)、グレイ(GY)である。また、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を混合すると、グレイ(GY)と略同一の色相となる。色変換LUT格納部105は、後述する色変換LUT作成装置3で予め作成した色変換LUTを格納している。
ハーフトーン処理部106は、色変換処理部104によって得られた各色のインク値画像を2値(又は、2値以上で入力階調数より少ない階調数の多値)に変換する量子化処理を実行する。なお、本実施形態では、ハーフトーン処理の方法として公知のディザ法を用いる。また、ハーフトーン処理に際しては、ディザマトリクス格納部107に格納されたディザマトリクスを用いる。ハーフトーン処理部106により生成された2値画像データは、出力端子108より画像形成装置2の入力端子201に出力される。
次に、画像形成装置2について説明する。画像形成装置2は、インクジェット記録方式により、記録ヘッド202を記録媒体203に対して相対的に縦横に移動させることで、画像処理装置1にて生成された2値画像データを記録媒体上に形成する。記録ヘッド202は、複数の記録素子(ノズル)を備え、本実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、淡シアン(LC)、淡マゼンタ(LM)、グレイ(GY)の7色のインクを搭載している。
移動部204は、ヘッド制御部205の制御下で、記録ヘッド202を移動させる。搬送部206は、ヘッド制御部205の制御下で、記録媒体を搬送する。なお、本実施形態では、記録媒体上で記録ヘッド202を複数回、走査して画像を形成させるマルチパス記録方式を用いる。
パス分解処理部207は、画像処理装置1により生成された各色の2値画像データ、及びパスマスク格納部208から取得したパスマスクに基づき、各色の走査データを生成する。インク色選択部209は、走査データに基づき、記録ヘッド202に搭載されるインク色の中から、該当するインク色を選択する。
次に、色変換LUT作成装置3について説明する。なお、色変換LUT作成装置3は、画像処理装置1に組み込むことができる。仮想色材量導出部301は、入力RGB値に対応する仮想色材量を導出する。なお、処理の詳細については、図5等を用いて後述する。
分散性特性取得部302は、ディザマトリクス格納部107のディザマトリクスを用いてハーフトーン処理を行った際のドットパターンの分散性とそのドットパターンにおいて単位面積あたりに記録されるドット数との関係をドットの分散性特性として取得する。なお、単位面積あたりに記録されるドット数とは、色分解LUTにおけるインク値のことである。また、分散性特性取得部302により取得した分散性特性は、分散性特性格納部303に格納される。
濃インクドット数仮決定部304は、仮想色材量導出部301によって導出された仮想色材量と、分散性特性格納部303より取得した分散性特性とに基づき、画像形成装置2に搭載される7色のインクのうち、濃インクについて、仮のドット数を決定する。なお、濃インク(濃色材)は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクのことである。
濃淡インクドット数決定部305は、仮想色材量導出部301によって導出された仮想色材量と、濃インクドット数仮決定部304によって仮決定された濃インクのドット数とに基づき、画像形成装置2が具備する濃淡インクに対応するドット数を決定する。なお、濃インクドット数仮決定部304によって仮決定された濃インクのドット数は、単位面積あたりの濃インクのドット数である。以上のように算出された濃淡インクに対応するドット数、即ち、色変換LUTのインク値が、色変換LUTとして、色変換LUT格納部105に格納される。
(画像処理及び画像形成の処理フロー)
次に、上述の画像処理装置1及び画像形成装置2における各工程について、図2のフローチャートを用いて説明する。なお、以下において、フローチャートの説明における記号「S」は、ステップを表すものとする。
S201において、画像処理装置1は、画像データ入力端子101からRGB画像データを取得する。S202において、カラーマッチング処理部102は、S201で取得したRGB画像データに対するカラーマッチング処理を実行する。なお、カラーマッチング処理に際して、カラーマッチング処理部102は、カラーマッチングLUT格納部103に格納された3次元のカラーマッチングLUTを参照する。
S203において、色変換処理部104は、色変換の対象とするインク色(出力色)を取得する。なお、初めのインク色として、シアンインクを設定する。S204において、色変換処理部104は、S202でカラーマッチング処理が施された画像データから、インク値画像を生成する。ここでは、シアンに対応したインク値画像が生成される。なお、色変換処理に際しては、色変換LUT格納部105に格納された色変換LUTを参照する。
S205において、画像処理装置1は、全てのインク色について、色変換処理までの処理が完了したか否かを判定する。そして、色変換処理までの処理が完了している場合には(S205 Yes)、画像処理装置1は、処理をS206に移行させる。また、色変換処理までの処理が完了していない場合には(S205 No)、次のインク色を対象として、処理をS203に返す。なお、本実施形態では、色変換の対象とするインク色の順番を、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、淡シアン、淡マゼンタ、グレイの順とするが、他の順番でもよい。
S206において、ハーフトーン処理部106は、S204の色変換処理で生成された画像データを2値データに変換するハーフトーン処理を実行する。ハーフトーン処理が施された2値画像データは、画像全体、或いは単位記録領域毎のバンド幅分といった任意のサイズで、出力端子108より出力される。
S207において、パス分解処理部207は、画像形成装置2(詳細には、画像形成装置2の入力端子201)に入力されたハーフトーン画像データを、走査データに変換するパス分解処理を実行する。
S208において、S207で変換された走査データに適合するインク色がインク色選択部209により選択され、画像形成が開始される。なお、画像形成は、上述のように、記録ヘッド202を記録媒体に対して移動(走査)させつつ、一定の駆動間隔で各ノズルを駆動し、さらに、走査毎に記録媒体を所定の搬送量だけ搬送することで実行され、これにより記録媒体上に画像全体が形成される。以上のように、図2のS201−S208までの処理を実行することで、一連の画像処理及び画像形成処理が完了する。
(色変換LUT作成の処理フロー)
次に、上述した色変換LUT作成装置3における各処理工程について、図4のフローチャートを用いて説明する。図4は、色変換LUTの作成方法の詳細を示すフローチャートである。ここでは、入力RGB信号をシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、淡シアン(LC)、淡マゼンタ(LM)、グレイ(GY)のインク色に対応する出力信号に色変換するための色変換LUTを作成する。また、このとき、仮想色材量を入力RGB信号から各インク色の実インク量に変換する際の中間信号として用いる。以下、説明する作成フローに従って、入力RGB信号に対するインク7色分の実インク量を算出する。
先ず、S401においては、階調の不連続性が少ない色変換LUTを作成するために、プリンタが具備する実インクではなく、仮想的な(オーバーラップのない)吸収波長帯を有する仮想的な色材(仮想色材)の入力RGB信号値に対する量を算出する。即ち、S401は、色変換LUTの各入力RGB信号値に対する仮想色材量を導出するステップである。本処理を適用することで、入力RGB信号値に対して色材濃度がリニアに変化する滑らかな階調性を実現することができる。
次に、S402においては、単位面積あたりに記録される濃インクのドット数を仮決定する。この仮決定される濃インクのドット数は、ディザ処理後のドットパターンが高分散となるドット数で一定となるように設定される。なお、ここでの高分散とは、ドットパターンの空間周波数特性のスペクトルの分布が、より高周波側に存在する、所謂ブルーノイズ特性を有するドットパターンの特性のことである。
また、分散性の高低を表す指標としては、ドットパターンをフーリエ変換して得られるパワーの重みづけ和Pを用いる。パワーの重みづけ係数としては、例えば、図3(a)−(c)に示す関数により、低周波ほど大きな重みを与えるようにする。或いは、人間の視覚の空間周波数特性(Visual Transfer Function:VTF)をパワーの重みづけ係数として用いてもよい。図3(d)における特性曲線401は、閾値マトリクスの入力値に対する分散性の一例を示している。図3(d)において、横軸は入力信号、縦軸は上述の重みづけ和を示しており、値が大きいほど低分散として、値が小さいほど高分散として示される。
最後に、S403において、予め定められた実インク(実色材)の変換優先度に従って、仮想色材量を略線形な変換式に基づいて仮想色材量から実インク量に変換することで、濃淡インク双方のドット数を決定する。即ち、色変換LUTの各入力RGB信号値に対応する仮想色材量から各インク色の実インク量を算出する。
また、このとき、S402で仮決定された濃インクのドット数が可能な限り多くの入力値の範囲において満たされるように変換する。このように変換することで、視覚的に目立つ濃インクのドットパターンをより多くの入力値の範囲において高分散とすることができるため、粒状性に優れた色変換LUTを作成することができる。以上の内容を踏まえ、S401からS403までの各工程について、より詳細に説明する。
(S401:仮想色材量の導出)
S401について、図5のフローチャートを用いて詳細に説明する。先ず、S501−S506において、各インク色の1ドットあたりの仮想色材量を導出する。S501において、各インク色の単色パッチを出力し、各単色パッチの分光反射率を測定する。
本実施形態では、打ち込み量25(%)の単色パッチを7色分、記録媒体203に出力し、その出力した単色パッチの分光反射率を分光測色器で測定する。なお、分光反射率は、380nmから730nmまで10nm毎に測定する。また、このときの打ち込み量25%の単色パッチとは、ハーフトーン処理部106が生成するインク1色分の2値画像データにおいて、ドットが打たれる(配置される)画素が単位面積あたり25%となる場合のパッチのことである。補足として、打ち込み量は必ずしも25%に限定されず、ドット数に対して分光反射率がリニアに変化しやすい明部から中間調の打ち込み量(例えば、5%から50%の範囲)とすればよい。
S502において、対象インク色iを取得する。ここで、iは、処理対象とするインク色を指定する番号である。本実施形態では、0から6に対して、各々シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、淡シアン(LC)、淡マゼンタ(LM)、グレイ(GY)のインク色が割り当てられる。また、初期値i=0のインク色は、シアンインクとする。
S503において、対象インク色の単色パッチから測定した分光反射率をブロック濃度に変換する。具体的には、S501で測定した分光反射率R(λ)を3つの波長ブロックに区切り、各ブロック内の分光反射率を平均化した値であるブロック反射率Ry、Rm、Rcを各々ブロック濃度Dy、Dm、Dcに変換する。
ここでの3つの波長ブロックは、イエロー(Y)インクが主に吸収する波長帯、マゼンタ(M)インクが主に吸収する波長帯、シアン(C)インクが主に吸収する波長帯に対応するように、波長範囲を3分割したものである。また、それらは減法混色の三原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)に対応するインクが主に吸収する波長帯に対応する。具体的には、イエロー(Y)インクが主に吸収する波長帯は380〜480nm、マゼンタ(M)インクが主に吸収する波長帯は480〜580nm、シアン(C)インクが主に吸収する波長帯は580〜730nmである。分光反射率Ry、Rm、Rcからブロック濃度Dy、Dm、Dcへの変換は、下式(1A)−(1C)により算出される。
Dy=−log10(Ry) ・・・ (1A)
Dm=−log10(Rm) ・・・ (1B)
Dc=−log10(Rc) ・・・ (1C)
S504において、ブロック濃度Dy、Dm、Dcから仮想色材量に変換する。3つの波長ブロックに対応する3つの仮想色材y、m、cの仮想色材量をVy、Vm、Vcで表すと、光散乱を無視できる範囲において光学濃度と色材の量(厚さ)が比例するLambert則に従い、仮想色材量は下式(2A)−(2C)により算出される。
Vy=Ky×Dy ・・・ (2A)
Vm=Km×Dm ・・・ (2B)
Vc=Kc×Dc ・・・ (2C)
なお、上式において、Ky、Km、Kcは各々イエロー濃度、マゼンタ濃度、シアン濃度に関する比例定数であり、本実施形態ではいずれも1に設定する。また、このときの仮想色材量Vy、Vm、Vcを、その一例として図6に示す。
S505において、S504で算出した仮想色材量Vy、Vm、Vcを1ドットあたりの仮想色材量Vy´、Vm´、Vc´に換算する。具体的には、仮想色材量Vy、Vm、Vcをドット数R(本実施形態では、上述のように打ち込み量を25(%)とした場合のドット数)で除算することで、1ドットあたりの仮想色材量Vy´、Vm´、Vc´を算出する。即ち、下式(3A)−(3C)のように算出する。
Vy´=(Vy/R) ・・・ (3A)
Vm´=(Vm/R) ・・・ (3B)
Vc´=(Vc/R) ・・・ (3C)
S506において、全てのインク色について、S502からS505までの処理が完了したか否かを判定する。処理が完了している場合には(S506 Yes)、処理をS507に移行し、処理が完了していない場合には(S506 No)、次のインク色を対象として、処理をS502に返す。なお、本実施形態では、インク色iの順番は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、淡シアン、淡マゼンタ、グレイの順とするが、その他の順番でもよい。
ここで、S501−S506の処理を実行することで算出される、各インク色の1ドットあたりに換算した仮想色材量を、その一例として図7に示す。図7(a)は、1ドットあたりのシアンインク(C)の仮想色材量を示す。図7(a)より、3つの仮想色材y、m、cにおける仮想色材量Vy、Vm、Vcのうち、シアン成分を示す仮想色材量Vcが、イエロー成分を示す仮想色材量Vy、マゼンタ成分を示す仮想色材量Vmの各々よりも多くの仮想色材量を有することがわかる。
同様に、図7(b)−図7(g)は、順に、マゼンタインク(M)、イエローインク(Y)、ブラックインク(K)、淡シアンインク(LC)、淡マゼンタインク(LM)、グレイインク(GY)の1ドットあたりの仮想色材量を示す。
図7(b)のマゼンタインク(M)、図7(f)の淡マゼンタインク(LM)はマゼンタ成分の仮想色材量Vm、図7(c)のイエローインク(Y)はイエロー成分の仮想色材量Vyを各々、多く含むことがわかる。また、無彩色系のブラックインク(図7(d))、グレイインクである(図7(g))は、いずれも、3つの仮想色材y、m、cにおける仮想色材量Vy、Vm、Vcをほぼ等量含むことがわかる。このように、本実施形態におけるインク色は、3つの仮想色材y、m、cにおける仮想色材量Vy、Vm、Vcで表すことができる。
次に、S507−S513において、色変換LUTのプライマリ点、具体的には、8つの頂点における全インク色の仮想色材量を算出する。ここで、8つの頂点における全インク色の仮想色材量とは、より詳細には、入力RGB信号の3つの入力成分をR軸、G軸、B軸で表した場合の色空間の色立体において、その色立体の8つの頂点に位置(対応)する入力RGB信号のことである。
なお、これは、プライマリーカラーと称されることがあり、具体的には、入力RGB信号のR値、G値、B値が0又は255の値となる計8つの入力信号値として示される。ここで、頂点の入力RGB信号値を入力RGB信号の色を表す符号(R値、G値、B値)で表記すると、各頂点の入力RGB信号値は、図8のように示される。即ち、各々、K(0、0、0)、B(0、0、255)、G(0、255、0)、C(0、255、255)、R(255、0、0)、M(255、0、255)、Y(255、255、0)、W(255、255、255)として示される。
また、全インク色の仮想色材量とは、同一の入力RGB信号における各インク色の仮想色材量を全て加算した仮想色材量のことである。補足として、全インク色の仮想色材量は、各インク色の仮想色材量と同様、3つの波長ブロック毎に算出される。
以下、S507−S513の処理について詳細に説明する。S507において、色変換LUTの対象とする頂点pを取得する。pは8つの頂点を識別する番号であり、本実施形態では、8つの頂点に対して、順に0から7の番号が割り当てられる。即ち、K(0、0、0)、B(0、0、255)、G(0、255、0)、C(0、255、255)、R(255、0、0)、M(255、0、255)、Y(255、255、0)、W(255、255、255)に、0から7の番号が順に割り当てられる。なお、番号の割り当て方は、必ずしもこれに限定されず、その他の順番であってもよい。また、本実施形態において、初期の頂点は、p=0のときのK(0、0、0)とする。
S508において、対象インク色iを取得する。なお、iの定義はS502と同様であり、初期のインク色(即ち、i=0のときのインク色)はシアンインクである。また、インク色の順番をシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、淡シアン、淡マゼンタ、グレイの順とするが、他の順番でもよい。
S509において、頂点pにおけるインク色iのインク値を取得し、インクの打ち込み量に換算する。なお、ここでのインク値は、色再現範囲ができるだけ広くなるように、事前に設定された値が取得される。或いは、既存の色変換LUTを参照し、その頂点のインク値を流用してもよい。
ここで、頂点pにおけるインク色iのインク値をV(p,i)(0から255の範囲の整数)、インクの打ち込み量をQ(p,i)(%)と表記すると、インクの打ち込み量は下式で換算される。
Q(p,i)=(V(p,i)/255)*100 ・・・ (4)
S510において、頂点pにおけるインク色iの仮想色材量を算出する。ここで、頂点pにおけるインク色iの単位打ち込み量あたりの仮想色材量をVy´(p,i)、Vm´(p,i)、Vc´(p,i)とすると、頂点pにおけるインク色iの仮想色材量Vy(p,i)、Vm(p,i)、Vc(p,i)は下式で算出される。なお、下式(5A)−(5C)は、取得したインク値に対して単位打ち込み量あたりの仮想色材がどれだけの量含まれるかを、3つの仮想色材y、m、cに対して各々算出することを意味している。
Vy(p,i)=Vy´(p,i)*Q(p,i) ・・・ (5A)
Vm(p,i)=Vm´(p,i)*Q(p,i) ・・・ (5B)
Vc(p,i)=Vc´(p,i)*Q(p,i) ・・・ (5C)
S511において、S510で算出した頂点pにおけるインク色iの仮想色材量Vy(p,i)、Vm(p,i)、Vc(p,i)を頂点pにおける累積仮想色材量Vy_ALL(p)、Vm_ALL(p)、Vc_ALL(p)に各々加算する。これにより、頂点pにおける全インク色(計7色)分の仮想色材量が算出される。なお、累積仮想色材量Vy_ALL(p)、Vm_ALL(p)、Vc_ALL(p)は、最初に処理対象とするインク色の処理の実行前(S508−S511の処理ループを回す前)に、いずれの累積仮想色材量も「0」に初期化される。
S512において、全てのインク色について、S511までの処理が完了したか否かを判定する。そして、全てのインク色についてS511までの処理が完了している場合には(S512 Yes)、画像処理装置1は、処理をS513に移行させる。また、全てのインク色についてS511までの処理が完了していない場合には(S512 No)、次のインク色を対象として、処理をS508に返す。
S513において、全ての頂点について、S512までの処理が完了したか否かを判定する。そして、全ての頂点について処理が完了している場合には(S513 Yes)、画像処理装置1は、処理をS514に移行させる。また、全ての頂点について処理が完了していない場合には(S513 No)、次の頂点を対象として、処理をS507に返す。
続いて、S514−S517において、色変換LUTの全入力RGB信号に対応する仮想色材量を算出する。ここでの全入力RGB信号とは、入力R値、入力G値、入力B値を各々0から255の8ビット信号とした場合に、256×256×256点(約1678万色分)の入力信号の組合せのことである。
本実施形態では、RGBの各軸において仮想色材量を算出し、各軸の間を補間処理で求めることで、全入力RGB信号において滑らかな階調性を実現可能な仮想色材量を取得する。以下、詳細に説明する。
S514において、S513までに算出した各頂点pの仮想色材量を取得する。即ち、各頂点pの仮想色材量は、S511で導出した累積仮想色材量Vy_ALL(p)、Vm_ALL(p)、Vc_ALL(p)の値であり、S514では、これらの値を取得する。
S515において、頂点同士を結ぶライン上の仮想色材量を算出する。このとき、仮想色材量の変化が滑らかとなるように仮想色材量を決定する。例えば、所定の点における仮想色材量から所定の点を通過し、単調増加であって、かつ変曲点のない関数を定義し、ライン上の仮想色材量を決定する。或いは、線形補間等の公知の補間によって、単調増加であって、かつ変曲点が生じないように仮想色材量を決定してもよい。
一例として、頂点W(255、255、255)と頂点C(0、255、255)の間の仮想色材量を算出する場合、頂点Wと頂点Cを結ぶライン上に位置する点Pの仮想色材量Vy(P)、Vm(P)、Vc(P)は、下式(6A)−(6C)で算出できる。
Vy(P)=Vy(W)+(Vy(C)−Vy(W))×x/L ・・・ (6A)
Vm(P)=Vm(W)+(Vm(C)−Vm(W))×x/L ・・・ (6B)
Vc(P)=Vc(W)+(Vc(C)−Vc(W))×x/L ・・・ (6C)
なお、上式(線形補間式)において、頂点Wの仮想色材量は各々Vy(W)、Vm(W)、Vc(W)で、頂点Cの仮想色材量は各々Vy(C)、Vm(C)、Vc(C)で示している。また、Lは、頂点Wと頂点Cとの間のRGB空間上での距離である。加えて、xは、頂点Wから点PまでのRGB空間上での距離である。その他の頂点同士を結ぶライン上の点Pについても、上式と同様に線形補間により算出できる。
S516において、頂点同士を結ぶラインで囲まれる平面上の仮想色材量を算出する。例えば、頂点Wと頂点Kを結ぶW―Kラインと、他の頂点R、G、B、C、M、Yのうちの一点で構成される平面上の仮想色材量を、S515と同様の補間処理や関数を適用することで、滑らかに変化するように決定する。即ち、この場合、W−Kラインを含む6つの平面上の仮想色材量を本工程で決定する。
ここで、図9を用いて、W−K−C平面上の仮想色材量を算出する処理を、その一例として説明する。先ず、W−Kライン上の点Pxと、点PxからC−Wラインに下ろした垂線とC−Wラインとの交点Px´における仮想色材量を取得する。そして、取得された仮想色材量から、PxとPx´を結ぶライン上の仮想色材量を高次関数や線形補間等の公知の補間処理によって決定する。
例えば、P1とP1´を結ぶライン上の点P1´´の仮想色材yにおける仮想色材量Vy(P1´´)を線形補間により算出する場合、Vy(P1´´)=Vy(P1)+(Vy(P1´)−Vy(P1))×x/Lで算出できる。なお、この算出において、Vy(P1)は点P1における仮想色材yの量、Vy(P1´)は点P1´における仮想色材yの量である。また、Lは点P1と点P1´との間のRGB空間上での距離であり、xは点P1と点P1´´との間のRGB空間上での距離である。
S517において、色立体内部の仮想色材量を算出する。本実施形態では、図10に示す色立体を四面体に分割し、分割された四面体毎に内部の仮想色材量を算出する。より具体的には、色立体を図10(a)−(f)に示すK−Wラインを含む6つの四面体に分割し、四面体毎に独立に内部の仮想色材量を算出する。なお、各四面体を構成する4面のうちW−Kを含む2面上の仮想色材量は、S516において算出済みであることから、ここでの計算を省略することができる。
本実施形態では、仮想色材量を算出済みの面同士をRGBいずれかの軸に平行なラインで結ぶ。そして、結ばれたライン毎に仮想色材量を高次関数や線形補間等の公知の補間処理によって算出することで、四面体内部の仮想色材量を算出する。ここで、例えば、図10(a)に示す、四面体W−C−K−B内部の仮想色材量の算出について説明する。四面体W−C−K−Bは、面W−C−K、面W−B−K、面W−C−B、面C−B−Kで囲まれており、上述のように、WとKを含む2面、面W−C−Kと面W−B−K上の仮想色材量はS516において算出済みである。また、この場合、四面体W−C−K−B内部の点Q1´´の仮想色材量V(Q1´´)を算出するには、先ず、点Q1´´を通りG軸に平行な線と、面W−C−Kとの交点Q1における仮想色材量V(Q1)を取得する。同様に、点Q1´´を通りG軸に平行な線と、面W−B−Kとの交点Q1´における仮想色材量V(Q1´)を取得する。そして、取得された仮想色材量V(Q1)及びV(Q1´)から、補間処理や高次関数を適用することで、点Q1´´の仮想色材量V(Q1´´)を算出する。
仮想色材量V(Q1´´)の算出において、例えば、線形補間にて算出する場合には、V(Q1´´)=V(Q1)+(V(Q1´)−V(Q1))×x/Lと算出すればよい。なお、この算出において、Lは点Q1と点Q1´との間のRGB空間上での距離であり、xは点Q1と点Q1´´との間のRGB空間上での距離である。また、いずれの仮想色材においても、上記と同様の手順で各々、計算することを前提に、四面体内部の仮想色材量を算出する上述の説明において、説明を簡略化するため、仮想色材量の3つの仮想色材に関する表記は省略した。
(S402:濃インクのドット数の仮決定(濃インクのドット数を高分散に設定))
次に、S402において、濃インクドット数仮決定部304は、濃インクのドット数(インク値)を仮決定する。ここでは、ディザ処理後のドットパターンが高分散となるドット数を可能な限り多くの階調で利用できるように設定する。以下、S402について、図11のフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、S402では、S401で説明した仮想色材量の算出と同様、ライン毎に処理を行う。
S1101において、処理対象のラインを選択する。処理対象とするのは、8つの頂点のうち2つの頂点同士を結ぶ各ラインである。以下では、W−Kラインが選択されたものとして説明する。S1102において、S401で算出した仮想色材量を取得する。ここでは、W−Kラインに対応する仮想色材量を取得する。
S1103において、実インクの変換優先順を取得する。ここでは、濃インクのみを対象とし、S505において取得した実インクの仮想色材換算量の大きいものほど優先順位が高くなるように設定する。例えば、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの順番に設定する。
S1104において、S1103で取得(設定)した実インクの変換優先順に従い、対象インク色(注目インク)を選択する。S1105において、S505で求めた注目インクの1ドットあたりの仮想色材換算量を取得する(即ち、濃インクドット数仮決定部304は、注目インクの1ドットあたりに換算した仮想色材量を取得する色材量取得手段としても機能する)。
S1106において、濃インクドット数仮決定部304は、S1104で選択された注目インクのドット数を決定(導出)する(即ち、濃インクドット数仮決定部304は、ドット数導出手段としても機能する)。具体的には、S1105で取得した注目インクの1ドットあたりの仮想色材換算量と、注目インクのドット数とから算出される仮想色材量Vc、Vm、Vyのうち、少なくとも1つはS1102で取得した変換元の仮想色材量と一致するように決定される。
S1107において、注目インクと同一色相の淡インク(淡色材)が存在するか否かを判定する。例えば、注目インクがブラックであれば、同一色相の淡インクはグレイとなる。同様に、注目インクがシアンであれば、同一色相の淡インクは淡シアンとなり、注目インクがマゼンタであれば、同一色相の淡インクは淡マゼンタとなる。
そして、注目インクと同一色相の淡インクが存在する場合には(S1107 Yes)、処理をステップS1108に移行させ、注目インクと同一色相の淡インクが存在しない場合には(S1107 No)、処理をステップS1114に移行させる。
S1108において、濃インクドット数仮決定部304は、S1106で決定した注目インクのドット数のうち、最小値を取得する(即ち、濃インクドット数仮決定部304は、最小値取得手段としても機能する)。例えば、入力画像信号値が(R,G,B)=(255,255,255)から(R,G,B)=(0,0,0)まで変化する場合に、ドット数が0から255に単調増加するラインの場合、最小値として0が取得される。
S1109において、濃インクドット数仮決定部304は、S1106で決定した注目インクのドット数のうち、最大値を取得する(即ち、濃インクドット数仮決定部304は、最大値取得手段としても機能する)。例えば、入力画像信号値が(R,G,B)=(255,255,255)から(R,G,B)=(0,0,0)まで変化する場合に、ドット数が0から255に単調増加するラインの場合、最大値として255が取得される。
S1110において、ディザ処理後のドットパターンが高分散となるドット数を取得する。高分散となるドット数の情報は、予め設定されたテーブルより取得する。このテーブルの設定方法を以下に説明する。
例えば、各階調のドットパターンを、画像処理装置1及び画像形成装置2を用いて出力した印刷結果から、ドット数とドットパターンの分散性との関係を予め測定しておき、特に高分散となるドット数をテーブルとして設定する。或いは、ディザマトリクスを既知のVoid−and−Cluster法等により生成した場合は、初期パターンに相当するドット数において分散性が高くなるので、測定を行わずに上記テーブルを設定してもよい。
ここで、図3(e)は、上述のテーブルの一例であり、分散性とドット数との関係を、例えば、50%、25%、75%のように、分散性が高い順に保持している。上述のテーブルを上から順に検索し、S1108で取得した最小値以上、S1109で取得した最大値以下の範囲から、最も高分散となるドット数を1つ取得する。
S1111において、S1106で決定した注目インクのドット数が、S1110で取得した高分散ドット数未満か否かを判定する。S1106で決定した注目インクのドット数が、S1110で取得した高分散ドット数未満である場合には(S1111 Yes)、処理をS1112に移行させ、注目インクのドット数を0に設定する。また、S1106で決定した注目インクのドット数が、S1110で取得した高分散ドット数未満でない場合には(S1111 No)、処理をS1113に移行させ、注目インクのドット数にS1110で取得した高分散ドット数を設定する。
S1114において、仮想色材量を更新する。具体的には、変換元の仮想色材量から、S1113までに決定された注目インクのドット数分の仮想色材量(注目インクのドット数と、注目インクの1ドットあたりの仮想色材量換算量とを掛け合わせたもの)を差し引くことで更新する。
S1115において、S1103で設定した実インクの変換優先順のうち、全インクが注目インクとして選択済であるか否かを判定する。全インクを注目インクとして選択済である場合には(S1115 Yes)処理をS1116に移行させ、他方、注目インクとして選択済でないインクが存在する場合には(S1115 No)処理をS1104に返す。
最後に、S1116において、全ラインの処理を完了したか否かを判定する。全ラインの処理が完了している場合には(S1116 Yes)図11に示す処理を終了し、全ラインの処理が完了していない場合には(S1116 No)処理をS1101に返し、次のラインに関する処理を実行する。
以上のS1101−S1116の処理を、頂点同士を結ぶラインで囲まれる平面上に対しても適用する。平面上のドット数の算出は、S516において頂点同士を結ぶラインで囲まれる平面上の仮想色材量を算出した場合と同様に、頂点同士を結ぶラインで囲まれる平面上を複数のラインで構成し、各ラインに対してドット数を算出する方法を各々適用する。これにより、平面上のドット数を算出する。
さらに、S1101−S1116の処理を、色立体内部に対しても適用する。色立体内部のドット数の算出は、色立体を四面体に分割し、分割された四面体毎に四面体内部を複数のラインで構成し、各ラインに対してライン上のドット数を算出する方法を各々適用することで、色立体内部のドット数を算出する。
補足として、図11のS1101−S1116の処理をW−Kライン上の入力信号に対して実行した結果を図12(a)、(b)に示す。図12(a)は、S1106で決定されたKインクのドット数と、その最小値及び最大値を示している。また、図12(b)は、S1114までに決定されたKインクのドット数を示している。図12(b)では、高分散ドット数とS1106で決定されたKインクのドット数が一致する入力階調値からシャドウ領域に向かって、Kインクのドット数が高分散なドット数となるように仮決定されている。このようにドット数を決定することで、目立つ濃インクを、可能な限り多くの階調で高分散なドットパターンとなるように設定することができる。
(S403:濃淡インクのドット数の決定(仮想色材量から実インク量への変換))
次に、S403において、濃淡インクドット数決定部305は、S402で更新された仮想色材量と、仮決定された濃インクのドット数とに基づき、色変換LUTの全入力RGB信号に対応する全インク色の実インク量を決定する。以下、S403について、図13のフローチャートを用いて詳細に説明する。
S1301において、S402までに更新された仮想色材量を取得する。S1302において、S505で換算した各実インクの1ドットあたりの仮想色材換算量を取得する。S1303において、実インクの変換優先順を取得する。変換優先順は、ここでは、淡インクのみを対象とし、明度の低いインクほど優先順位が高くなるように設定する。例えば、変換優先順は、優先順位の高い方からグレイ、淡シアン、淡マゼンタとなる。そして、上述のように変換優先順を設定した場合、明度の低いインクへ優先的に変換されるため、粒状性に優れた色変換を実現することができる。
S1304において、濃淡インクドット数決定部305は、打ち込み量制限の値を取得する(即ち、濃淡インクドット数決定部305は、制限値取得手段としても機能する)。この打ち込み量制限の値は、設計者によって設定される。例えば、ドット数の異なる複数のパッチを画像形成装置2により出力し、記録媒体が十分に吸収可能なドット数を設計者が見極めて、打ち込み量制限の値を設定する。或いは、記録媒体毎にインク削減量、印刷スピード、印刷パス数に関する情報を記述したテーブルや算出式を定め、当該テーブルや算出式に基づいて、打ち込み量制限の値を設定してもよい。
S1305において、S1303で取得した実インクの変換優先順に従い、対象インク色を選択する。初めの対象インクとしてグレイ(GY)が選択される。S1306において、S1305で選択された注目インクのドット数を決定する。具体的には、S1302で取得した注目インクの1ドットあたりの仮想色材換算量と、注目インクのドット数とから算出される仮想色材量Vc、Vm、Vyのうち、少なくとも1つはS1301で取得した変換元の仮想色材量と一致するように決定される。
S1307において、対象処理点における全インク色の合計ドット数(累計ドット数)が、S1304で取得した打ち込み量制限を満たすか否か(打ち込み量制限以下であるか否か)を判定する。そして、合計ドット数が打ち込み量制限以下である場合には(S1307 Yes)処理をS1308に移行させ、合計ドット数が打ち込み量制限以下ではない場合には(S1307 No)処理をS1309に移行させる。
S1309において、S1304で取得した打ち込み量制限を合計ドット数が満たすように(合計ドット数が打ち込み量制限以下になるように)インク置換処理を行う。具体的には、合計ドット数が打ち込み量制限以下になるように、注目インクを、略同一色相である濃インクに変換する。例えば、注目インクがグレイ(GY)インクの場合、略同一な色相を呈す濃インクはブラック(K)インクであり、置換前後で仮想色材量が略一致するように置換する。
S1308において、S1303で取得した実インクの変換優先順のうち、全インクが注目インクとして選択済であるか否かを判定する。全インクを注目インクとして選択済である場合には(S1308 Yes)処理をS1311に移行させる。また、注目インクとして選択済でないインクがある場合には(S1308 No)、処理をS1310に移行させる。
S1310において、変換元となる仮想色材量を更新する。具体的には、変換元の仮想色材量から、S1308までに決定された注目インクのドット数分の仮想色材量(注目インクのドット数と、注目インクの1ドットあたりの仮想色材換算量とを掛け合わせたもの)を差し引くことで更新する。
S1311において、S1310までに算出されたドット数データに対して、既知のガウシアンフィルタ等のローパスフィルタを畳み込み演算することで、スムージング処理を実行する。なお、このS1311における処理は必須の処理ではないが、スムージング処理を実行することで、各インクのドット数の急激な変化を抑制することができる。そして、最後に、S1312において、S1311までに作成済みの色変換LUTを出力し、図13に示す処理を完了する。
補足として、図13に示す処理を適用した場合の色変換LUTを図12(c)、(d)に示す。図12(c)、(d)は、W−Kラインに対して図13に示す処理を適用した場合の色変換LUTであり、各々スムージング処理を実行していない場合と、スムージング処理を実行した場合との結果を示している。
図12(c)において、Kインクに注目すると、特に中間領域において、高分散なドット数となるように設定されている。また、GYインクは、Kインクで足りない分の仮想色材量を吸収するように設定されている。シャドウ領域において、GYインクは減少に転じている。これは、KインクとGYインクとの合計ドット数が打ち込み量制限を超えないように調整しているためである。このような場合には、Kインクのドット数が再設定され、Kインクは増加に転じる。
図12(d)では、図12(c)に対してスムージング処理を実行することで、KインクとGYインクとの急激なドット数の変化が抑制されている。ドット数が急激に変化すると、階調性が損なわれる恐れがあるため、階調性を重視したい場合は、図12(d)のようにスムージング処理を実行することが好ましい。
以上のように色分解LUTを設定することで、目立つ濃インクのドットパターンをより多くの入力値の範囲において高分散とすることができるため、粒状性に優れた画像形成を行うことができる。
(ハーフトーン処理)
次に、S206のハーフトーン処理について、図14のフローチャートを用いて説明を補足する。なお、以下に説明する処理は、画素毎に実行されるものとする。S1401において、ハーフトーン処理を施すインク色の優先順を取得する。本実施形態では、視覚的に目立つインク色の優先順位を高く設定する。例えば、S1103と同様に、インク毎の1ドットあたりの仮想色材換算量を降順にソートして決定する。或いは、インク毎のVisual Densityを求め、降順にソートしてもよい。本実施形態では、前者を用いるものとし、優先順位の高いものから、ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー、ライトマゼンタ、ライトシアン、グレイとなる。
S1402において、S1401で設定した実インクの変換優先順に従って、処理対象のインク色(注目インク)を選択する。S1403において、S1402で選択された注目インクの、処理対象画素の正規化ドット数データを、色変換処理部104より取得する。ここで、正規化ドット数は、打ち込み量100%が255になるように8ビット(0−255)に正規化されているものとする。
S1404において、S1403で取得した正規化ドット数に対して、バイアスを足し合わせることで値を更新する。なお、バイアスの初期値は0である。S1405において、処理対象の画素位置に対応するディザマトリクス上の位置の閾値を、ディザマトリクス格納部107より取得する。
S1406において、正規化ドット数≧閾値、かつ閾値≧バイアス値であるか否かを判定する。正規化ドット数≧閾値、かつ閾値≧バイアス値を満たすと判定された場合には(S1406 Yes)、処理をS1407に移行させ、該当位置のドットをONにする。また、満たさないと判定された場合には(S1406 No)、処理をS1408に移行させる。
S1408において、正規化ドット数が255を超えているか否かを判定する。正規化ドット数が255を超えていると判定された場合には(S1408 Yes)、処理をS1409に移行させ、正規化ドット数から255を減算する。また、超えていないと判定された場合には(S1408 No)、処理をS1412に移行させる。
S1410では、正規化ドット数≧閾値であるか否かを判定する。正規化ドット数≧閾値を満たすと判定された場合には(S1410 Yes)、処理をS1411に移行させ、該当位置のドットをONにする。また、満たさないと判定された場合には(S1410 No)、処理をS1412に移行させる。
S1412において、バイアス値に正規化ドット数を代入することで、バイアス値を更新する。そして、最後に、S1413において、全インクを注目インクとして選択したか否か(即ち、全インクの処理が実行されたか否か)を判定する。全インクの処理が実行されたと判定された場合には(S1413 Yes)、図14に示す処理を終了する。また、全インクの処理が実行されたと判定されなかった場合には(S1413 No)、処理をS1402に返し、次のインク色の処理を実行する。
補足として、図14に示すハーフトーン処理を適用した場合のドットパターンを図15に示す。図15は、図12(d)で示したW−Kラインの階調パッチに対して、ハーフトーン処理を適用した例である。ハイライト領域からシャドウ領域に向かって、図15(a)−(f)の順でドットパターンが形成される。
先ず、ハイライト領域においては、図15(a)に示されるように、初めはGYインクのドットのみでドットパターンが形成され、その後、図15(b)、(c)に示されるように、Kインクのドットが徐々に増加する。
次に、中間領域においては、図15(d)、(e)に示されるように、Kインクのドットが高分散なドットパターンに至ると、そのドットパターンが維持され、GYインクのドットのみが変化する。
最後に、シャドウ領域においては、図15(f)に示されるように、KインクとGYインクとの合計ドット数が打込み量制限を超えないように、GYインクのドットがKインクのドットで置き換えられる。このように処理することで、視覚的に目立ちやすいKインクが、多くの入力値の範囲において高分散なドットパターンとなり、粒状性に優れた画像形成を行うことができる。
[実施形態1の変形例]
なお、上述の実施形態では、濃インクについて高分散なドット数とする方法を説明したが、濃淡インクに限らず、大小ドットにおいても適用することができる。この場合、例えば、同一色材において、大ドットを濃インク、小ドットを淡インクとして、上述の実施形態を適用すればよい。加えて、大小ドットのようにインクの吐出量が異なる場合、打ち込み量制限はドット数で規定できないが、記録媒体上でインクが溢れるのは大ドットが主に使用される高濃度(シャドウ部)領域であるので、大ドット(最大吐出量)のドット数で規定すればよい。もしくは、打ち込み量制限を(最もインク吐出量が少ない)小ドットに換算したドット数で規定してもよい。
また、上述の実施形態では、搭載されている全てのインクに対して処理を施しているが、必ずしも全てのインクに対して処理を施す必要はなく、搭載されているインクの一部に対して処理を施してもよい。その場合、打ち込み量制限として他のインクの打ち込み量を減算したものを使用すればよい。或いは、他のインクの正規化ドット数を減算してハーフトーン処理を実行してもよい。
その他、上述の実施形態では、濃インクの変換優先順を仮想色材換算量の大きいものほど優先順位が高くなるように設定したが、必ずしもこれに限らず、明度の低いインクほど優先順位が高くなるように設定してもよい。
(ソフトウェアで実行する場合)
上述の実施形態1では、画像処理装置1及び色変換LUT作成装置3を、画像形成装置2に内蔵された画像処理回路として実現する例について説明した。しかしながら、画像処理装置1及び色変換LUT作成装置3は、画像形成装置2に内蔵された回路構成でなくても実現することができる。そのため、例えば、画像形成装置2とは物理的に独立した情報処理装置において、ソフトウェア(コンピュータプログラム)よって実現してもよい。
図16は、情報処理装置1601の構成を示すブロック図である。情報処理装置1601は例えば、汎用インターフェース1606を介して画像形成装置2と接続されたパーソナルコンピュータである。また、この場合、画像処理装置1及び色変換LUT作成装置3は、情報処理装置1601にインストールされた画像形成装置2専用のドライバとして実現される。
情報処理装置1601は、CPU1602、ROM1603、RAM1604、外部記憶装置1605、汎用インターフェース1606を有する。CPU1602は、入力されたデータ、また後述のROM1603やRAM1604に格納されているコンピュータプログラムを用いて、画像形成システム全体の動作を制御する。なお、ここではCPU1602が情報処理装置全体を制御する例について説明するが、複数のハードウェアが処理を分担することにより、装置全体を制御するようにしてもよい。
RAM1604は、外部記憶装置1605から読み取ったコンピュータプログラムやデータ、後述の汎用インターフェース1606を介して外部から受信したデータを一時的に記憶する記憶領域を有する。また、RAM1604は、CPU1602が各種、処理を実行するときに用いる記憶領域(例えば、画像処理を実行するときに用いる記憶領域)として使用される。このように、RAM1604は、各種の記憶領域を適宜提供することができる。
ROM1603は、情報処理装置1601における各部の設定を行う設定パタメータやブートプログラム等を格納する。外部記憶装置1605は、CPU1602が各種の処理を実行するために必要な各種データ等を記憶する記憶装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等である。汎用インターフェース1606は、外部装置(ここでは、画像形成装置2)と通信するためのインターフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェース等である。
このように、図1に示す画像処理装置1及び色変換LUT作成装置3は、CPU1602により実現されるソフトウェア処理によって実現される。また、この場合、CPU1602が、図2及び図4に示す処理の流れ(フローチャート)を実現可能なプログラムを読み出し実行することで、各構成(機能)が実現される。
[実施形態2]
上述の実施形態1では、濃インクのドット数を、1つの高分散ドット数に合わせる場合について説明したが、実施形態2では、複数の高分散ドット数に合わせる場合について述べる。なお、本実施形態では、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
以下、本実施形態における色変換LUT作成装置3が実行する処理を説明する。上述の実施形態1において、色変換LUT作成装置3の処理は図4に示され、本実施形態において、図4のS401及びS403の処理は実施形態1と同様であるが、図4のS402の処理は実施形態1と異なる。そこで、本実施形態におけるS402の処理を、図17のフローチャートを用いて説明する。
図17のS1701−S1709及びS1716−S1718の処理は、実施形態1の図11に示す処理と同様の処理であることから、ここでは、その説明を省略し、S1710−S1715の処理について説明する。
S1710において、ディザ処理後のドットパターンが高分散となるドット数を取得する。高分散となるドット数の情報は、予め設定されたテーブルより取得する。本実施形態では、実施形態1と異なり、S1708−S1709で取得したドット数の最小値以上、最大値以下の範囲から、2つのドット数を取得する。また、以降において、取得した2つのドット数のうち、小さい方をDh1、大きい方をDh2として説明する。
S1711において、S1706で決定した注目インクのドット数が、S1710で取得したDh1未満であるか否かを判定する。S1706で決定した注目インクのドット数が、S1710で取得したDh1未満である場合には(S1712 Yes)、処理をS1712に移行させ、注目インクのドット数を0に設定する。また、S1706で決定した注目インクのドット数が、S1710で取得したDh1未満でない場合には(S1712 No)、処理をS1713に移行させる。
S1713において、S1706で決定した注目インクのドット数が、S1710で取得したDh2未満であるか否かを判定する。S1706で決定した注目インクのドット数が、S1710で取得したDh2未満である場合には(S1713 Yes)、処理をS1714に移行させ、注目インクのドット数をDh1に設定する。また、S1706で決定した注目インクのドット数が、S1710で取得したDh2未満でない場合には(S1713 No)、処理をS1715に移行させ、注目インクのドット数をDh2に設定する。
このように、S1711及びS1713の条件判定において、色分解テーブルの対象ライン上の入力画像信号に対して、注目インクのドット数と、Dh1及びDh2との大小関係を比較する。これにより、Kインクのドット数が、0、Dh1、Dh2の3つの値のいずれかに設定される。
補足として、図17のS1701−S1718の処理をW−Kライン上の入力信号に対して実行した結果を図18に示す。図18(a)は、S1706で決定されたKインクのドット数と、その最小値及び最大値を示している。図18(b)はS1717までで決定されたKインクのドット数を示しており、図18(b)では、Kインクのドット数が高分散なドット数Dh1及びDh2となるように設定されている。
また、図18(c)、(d)は、最終的に算出される色変換LUTであり、各々スムージング処理を実行してしない場合と、スムージング処理を実行した場合との結果を示している。図18(c)について、Kインクに注目すると、特に中間領域からシャドウ領域にかけて、段階的に高分散なドット数Dh1及びDh2となるように設定されている。また、GYインクは、Kインクで足りない分の仮想色材量を補うように設定されている。
図18(d)では、図18(c)に対してスムージング処理を実行することで、KインクとGYインクとの急激なドット数の変化が抑制されている。ドット数が急激に変化すると、階調性が損なわれる恐れがあるため、階調性を重視したい場合は、図18(d)のようにスムージング処理を実行することが好ましい。
実施形態1の場合と比較すると、シャドウ領域におけるKインクのドット数が多く設定されているので、その分GYインクのドット数は少なくなっている。その結果、合計ドット数も少なくなり、インク消費量を削減することができる。
実施形態2の変形例
実施形態1の変形例と同様に、濃淡インクに限らず、大小ドットにおいても適用することができる。この場合、例えば、同一色材において、大ドットを濃インク、小ドットを淡インクとして、上述の実施形態を適用すればよい。加えて、大小ドットのようにインクの吐出量が異なる場合、打ち込み量制限はドット数で規定できないが、記録媒体上でインクが溢れるのは大ドットが主に使用される高濃度(シャドウ部)領域であるので、大ドット(最大吐出量)のドット数で規定すればよい。もしくは、打ち込み量制限を(最もインク吐出量が少ない)小ドットに換算したドット数で規定してもよい。
また、上述の実施形態では、搭載されている全てのインクに対して処理を施しているが、必ずしも全てのインクに対して処理を施す必要はなく、搭載されているインクの一部に対して処理を施してもよい。その場合、打ち込み量制限として他のインクの打ち込み量を減算したものを使用すればよい。或いは、他のインクの正規化ドット数を減算してハーフトーン処理を実行してもよい。
1 画像処理装置
2 画像形成装置
3 色変換LUT作成装置
104 色変換処理部
106 ハーフトーン処理部
302 分散性特性取得部
304 濃インクドット数仮決定部

Claims (10)

  1. 入力画像信号の信号値を、画像形成装置が具備する複数の実色材の出力値に変換する画像処理装置であって、
    前記複数の実色材のうち、色材濃度の高い濃色材の単位面積あたりに記録されるドット数を仮決定するドット数仮決定手段と、
    前記入力画像信号を前記実色材のドット数データに変換する色変換手段と、
    前記色変換手段により変換されたドット数データに基づいてディザ処理を実行するハーフトーン処理手段と、
    前記濃色材のドット数データに基づいてディザ処理を実行したときに出力されるドットパターンの分散性の特性を取得する特性取得手段と
    を備え、
    前記ドット数仮決定手段は、前記分散性の特性に基づいて、前記濃色材のドット数を、所定の入力階調値の範囲において、前記分散性のより高いドット数で一定となるように仮決定し、
    前記色変換手段は、前記仮決定された前記濃色材のドット数に基づいて、前記入力画像信号を変換することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記入力画像信号の信号値から、前記実色材の数よりも少ない複数の仮想色材の色材量を導出する色材量導出手段と、
    前記実色材の1ドットあたりに換算した仮想色材量を取得する色材量取得手段と、
    前記仮想色材の色材量及び前記実色材の1ドットあたりに換算した仮想色材量から、前記濃色材のドット数を導出するドット数導出手段と、
    前記濃色材のドット数のうち、最小値を取得する最小値取得手段と、
    前記濃色材のドット数のうち、最大値を取得する最大値取得手段と
    をさらに備え、
    前記複数の仮想色材は、前記実色材による出力にて再現される波長範囲を分割したときの各波長帯に対応する濃度で換算したものであり、
    前記色材量導出手段は、前記各波長帯に対応する濃度に基づいて、前記複数の仮想色材の色材量を導出し、
    前記ドット数仮決定手段は、前記分散性のより高いドット数を、前記最小値以上かつ前記最大値以下の範囲から取得することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記ドット数仮決定手段は、前記分散性のより高いドット数として複数、取得し、当該取得した複数の分散性のより高いドット数に基づき、入力階調に対して前記濃色材のドット数を段階的に仮決定することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記所定の入力階調値の範囲は、前記濃色材のドット数及び前記分散性のより高いドット数に基づいて、設定されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 記録媒体が吸収可能な単位面積あたりのドットの打ち込み量の制限値を取得する制限値取得手段と、
    前記実色材の単位面積あたりの累計ドット数が前記打ち込み量の制限値よりも大きくなる場合に、前記複数の実色材のうち、色材濃度の低い淡色材を略同一な色相の濃色材に置換する置換手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記濃色材のドット数は、入力階調値の増加に応じて、変曲点が滑らかになるように設定されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記複数の実色材は、略同一色相で濃度の異なる濃淡の色材、同一色材でドットのサイズの異なる大小ドットの色材、他の色材を混合することで略同一色相となる色材のいずれか1つ又は複数の組み合わせであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記ハーフトーン処理手段は、色材濃度のより高い濃色材、又は、ドットのサイズのより大きい色材を優先してドットを配置することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. コンピュータを請求項1から8のいずれか1項に記載の画像処理装置として機能させるためのプログラム。
  10. 入力画像信号の信号値を、画像形成装置が具備する複数の実色材の出力値に変換する画像処理装置における画像処理方法であって、
    前記複数の実色材のうち、色材濃度の高い濃色材のドット数データに基づいて、ディザ処理を実行する第1の実行ステップと、
    前記第1の実行ステップにおいて出力されるドットパターンの分散性の特性を取得する取得ステップと、
    前記濃色材の単位面積あたりに記録されるドット数を仮決定する仮決定ステップであって、前記取得ステップにおいて取得された前記分散性の特性に基づいて、前記濃色材のドット数を、所定の入力階調値の範囲において、前記分散性のより高いドット数で一定となるように仮決定する、仮決定ステップと、
    前記仮決定ステップにおいて仮決定された前記濃色材のドット数に基づいて、前記入力画像信号を前記実色材のドット数データに変換する色変換ステップと、
    前記色変換ステップにおいて変換されたドット数データに基づいて、ディザ処理を実行する第2の実行ステップと
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
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