JP2019195887A - ミシン目加工装置、及び、画像形成システム - Google Patents

ミシン目加工装置、及び、画像形成システム Download PDF

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Abstract

【課題】ミシン目の形状を任意に調整することが可能なミシン目加工装置を提供する。【解決手段】用紙にミシン目を形成するためのミシン刃を有するミシン刃付きローラーと、用紙をミシン刃付きローラーのミシン刃に押し当てるための下受け台と、下受け台の方向にミシン刃付きローラーを移動させるミシン刃距離変更部と、下受け台に対するミシン刃付きローラーの押圧距離を調整し、用紙に形成するミシン目の形状を制御する制御部とを備えるミシン目加工装置を構成する。【選択図】図4

Description

本発明は、用紙に連続して並ぶ貫通孔の列を形成するミシン目加工を行うためのミシン目加工装置、及び、ミシン目加工装置を備えた画像形成システムに係わる。
画像形成装置等において、印刷した用紙にミシン刃を用いて、連続して並ぶ貫通孔の列を形成する、ミシン目加工を行うためのミシン目加工装置、及び、このミシン目加工装置を備える画像形成装置や画像形成システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ミシン目加工装置では、ミシン刃付きローラーと、用紙にミシン刃付きローラーに押し当てるための下受け台(補助ローラー)とを有し、画像形成を行った用紙がミシン刃付きローラーと下受け台との間を通過することで、ミシン目加工が行われる。
特開2010−286667号公報
ミシン目加工を行う際、ユーザーはミシン目の形状を調整したい要望がある。ミシン目の形状を調整するためには、用紙の紙種、厚み等の影響を考慮してミシン刃の形状や押圧距離等を調整する必要がある。しかし、上述の特許文献1に記載された装置のように、装置内においてミシン刃の押圧距離が固定されていると、用紙の紙種や厚み等の影響を考慮したミシン目の形状の調整を行うことができない。
上述した問題の解決のため、本発明においては、ミシン目の形状を任意に調整することが可能なミシン目加工装置、及び、画像形成システムを提供する。
本発明のミシン目加工装置は、用紙に対してミシン刃を押圧しながら、用紙の紙面に沿って用紙とミシン刃とを相対移動させて用紙にミシン目加工を行う。このミシン目加工装置は、用紙にミシン目を形成するためのミシン刃を有するミシン刃付きローラーと、用紙をミシン刃付きローラーのミシン刃に押し当てるための下受け台と、下受け台の方向にミシン刃付きローラーを移動させるミシン刃距離変更部と、下受け台に対するミシン刃付きローラーの押圧距離を調整し、用紙に形成するミシン目の形状を制御する制御部とを備える。
また、本発明の画像形成システムは、上記ミシン目加工装置を備える。
本発明によれば、ミシン目の形状を任意に調整することが可能なミシン目加工装置、及び、画像形成システムを提供することができる。
画像形成システムの概略構成を示す図である。 画像形成システムにおける後処理装置の概略構成を示す図である。 ミシン刃付きローラーと下受け台とが用紙から離間した状態のミシン目加工装置の側面図である。 ミシン刃付きローラーと下受け台とが用紙から離間した状態のミシン目加工装置の正面図である。 ミシン刃付きローラーと下受け台とが近接する部分の正面図である。 ミシン刃付きローラーのミシン刃の形状を説明するための図である。 画像形成装置の機能ブロック図である。 後処理装置の機能ブロック図である。 ミシン目加工処理において、ユーザーが用紙の形成するミシン目の形状を指定する場合のフローチャートである。 ミシン目加工処理において、用紙の各条件が変化した場合におけるミシン目加工処理のフローチャートである。 ミシン目加工処理において、ミシン刃付きローラーを切り替えるミシン目加工処理のフローチャートである。 ミシン目加工処理において、ミシン刃付きローラーの交換をユーザーに指示するミシン目加工処理のフローチャートである。 ミシン目加工処理において、画像読み取り部で読み取ったミシン目加工後の画像情報に基づいて、押圧距離Dを調整する制御を行う、ミシン目加工処理のフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
〈画像形成システム〉
画像形成システムの具体的な実施の形態について説明する。画像形成システムは、画像形成装置と、ミシン目加工装置を含む後処理装置とを備える。
本形態の画像形成システムにおいて後処理装置は、ユーザーからミシン目加工を指示された場合に、画像形成を行った用紙に、ユーザーの指示に基づく任意のミシン目加工を施すミシン目加工装置を備える。ミシン目とは、直線状に連続して配置されたスリット状の貫通孔の列である。また、ミシン目加工を行うことは、用紙を局所的に破壊(孔を開ける)するような加工を用紙の一部において列状に行うことでもある。
[画像形成装置]
図1に、画像形成システムの概略構成を示す。図1に示す画像形成システム1は、画像形成装置2と後処理装置3とを備えて構成されている。
画像形成装置2は、画像形成装置2に設けられた操作表示部22からの操作指示、又はネットワークを介して送信される不図示のPC(Personal Computer)端末からの印刷指示に従って、印刷データの画像形成処理(印刷処理とも呼ぶ)を行う。また、画像形成装置2は、自動原稿給紙装置(ADF:Auto Document Feeder)21から給紙された用紙Sに印刷された文字、図形等を読取って画像データを出力することが可能である。画像形成装置2には、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの2以上の機能を組み合わせた複合機等を適用できる。
画像形成装置2は、静電気を用いて画像の形成を行う電子写真方式を採用でき、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー画像を重ね合わせるタンデム形式のカラー画像形成装置である。この画像形成装置2は、自動原稿給紙装置21と、操作表示部22と、給紙部23と、画像形成部24と、中間転写ベルト25(像担持体)と、2次転写部27と、定着部28とを有する。
自動原稿給紙装置21は、原稿の読み取りに際して、原稿を自動給送する。自動原稿給紙装置21の下側に設けられたスキャナー21aは、画像形成装置2のプラテンガラスに置かれた原稿や、自動原稿給紙装置21で自動搬送される原稿の画像を読み取ることができる。
操作表示部22は、例えば画像形成処理等のジョブの開始を指示する操作部としての機能を備えている。操作表示部22は、操作部と表示部を兼用している。操作表示部22はLCD(Liquid Crystal Display)等を含むタッチパネルで構成され、ユーザーによる操作、及び、情報の表示が可能になっている。なお、操作部をマウスやタブレット等で構成し、表示部とは別体で構成することも可能である。
給紙部23は、用紙サイズや用紙種類の異なる用紙Sを収納可能な複数の用紙収納部23aを備える。給紙部23では、画像形成装置2からの指示に基づいて該当する用紙収納部23aが選択されると、用紙収納部23aから用紙Sが取り出され、搬送路Cに用紙Sが送られる。
画像形成部24は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー画像を形成するために、4つの画像形成ユニット26Y,26M,26C,26Kを備えている。画像形成部24は、画像形成部24の画像形成ユニット26Y,26M,26C,26Kの動作を制御して、Y,M,C,Kのトナー画像を形成する。また、画像形成装置2は、搬送路Cに用紙Sを搬送するための複数のローラー(搬送ローラー)を備えている。
画像形成装置2は、画像形成モードにおいて、画像形成ユニット26Y,26M,26C,26Kが有する感光体を帯電させた後、露光により電荷を消去して感光体に静電潜像を形成する。そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの感光体の静電潜像に対し現像部でトナーを付着させ、各色のトナー画像を形成する。次に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの感光体に形成されたトナー画像を、矢印方向へ回転する中間転写ベルト25の表面に順次、1次転写する。
次に、2次転写部27(2次転写ローラー)により、中間転写ベルト25上に1次転写された各色のトナー画像を、給紙部23から供給されてローラーにより搬送される用紙Sに2次転写する。中間転写ベルト25上の各色のトナー画像が用紙Sに2次転写されることにより、カラー画像が形成される。画像形成装置2は、カラーのトナー画像が形成された用紙Sを、定着部28へ搬送する。
定着部28は、カラーのトナー画像が形成された用紙Sに定着処理を行う装置である。定着部28は、搬送された用紙Sを加圧及び加熱して、転写されたトナー画像を用紙Sに定着させる。定着部28は、例えば、定着部材である一対の定着ローラーで構成されている。この一対の定着ローラーは、互いに圧接した状態で配置されており、定着ローラー同士の圧接部として定着ニップ部が形成される。
一対の定着ローラーにおいて、一方の定着ローラーの内部には、不図示の加熱部が設けられている。この加熱部からの輻射熱により定着ローラーの外周部にあるローラー部が温められる。用紙Sは、2次転写部27によりトナー画像が転写された面(定着対象面)が定着ローラーと向き合うように定着ニップ部に搬送される。定着ニップ部を通過する用紙Sには、定着ローラー間での加圧と、ローラー部の熱による加熱が行われる。定着部28により定着処理が行われた用紙Sは、印刷用紙として後処理装置3に排紙される。後処理装置3には、用紙S等の排紙先となるカードトレイ34、パージトレイ35が設置される。また、後処理装置3には、切り屑の排紙先であり、切り屑及び不要紙が収容される屑箱36(切り屑収容部の一例)が設置される。
[後処理装置]
図2に、画像形成システム1における後処理装置3の概略構成を示す。
後処理装置3は、搬送路D1にて搬送される用紙Sに所定の後処理を行うための後処理モジュール31a〜31d、排紙搬送路切替部32、検知センサー33a、排紙センサー33b1〜33b4、カードトレイ34、パージトレイ35、屑箱36、画像読み取り部37、搬送路D1、排紙搬送路E1〜E4を備える。搬送路D1に設けられた長尺紙搬送路D2は、長尺紙を搬送する際にバッファとして機能する。後処理モジュール31a〜31dは、後処理装置3に対して着脱可能であり、配置順も適宜入替え可能である。また、後処理モジュール31a〜31dは、それぞれ後処理装置3から取り外すことが可能である。
後処理モジュール31a,31cは、用紙Sに搬送方向(副走査方向)に沿ったミシン目を形成するミシン目加工装置を備える。後処理モジュール31b,31dは、用紙Sに搬送方向と直交する方向(主走査方向)に沿ったミシン目を形成するミシン目加工装置を備える。以下の説明では、用紙Sに対してミシン目加工を行う後処理モジュール31a,31b,31c,31dをミシン目加工部31と総称する。
また、後処理装置3は、上記後処理モジュール31a〜31dの他に、後処理モジュールとして、用紙Sを搬送方向と平行又は直交する方向に断裁するFD(Feed Direction)断裁部やCD(Cross Direction)断裁部を備えていてもよい。
排紙搬送路切替部32は、ミシン目加工部31を通過した用紙Sの搬送先により、排紙搬送路E1〜E4を切替える。排紙搬送路E1(用紙搬送部の一例)は、カードトレイ34まで用紙Sを搬送する。排紙搬送路E2(用紙搬送部の一例)は、パージトレイ35まで用紙Sを搬送する。排紙搬送路E3(切り屑搬送部の一例)は、屑箱36まで不要紙及び切り屑を搬送する。排紙搬送路E4は、後処理装置3の下流に接続された別の処理装置(不図示)まで用紙Sを搬送する。
検知センサー33aは、後処理モジュール31dと排紙搬送路切替部32の間に設けられ、後処理モジュール31dから出る用紙Sを検知する。ここで、所定時間を経過しても検知センサー33aが用紙Sを検知できない場合には、制御部によりジャムが発生したと判断される。
画像読み取り部37は、後処理モジュール31dから出る用紙Sに形成された、後述するミシン目の形状を読み取る動作をする。画像読み取り部37は、イメージセンサー、光源、光学部等を備えて構成される。光源からミシン目が形成された用紙Sに光を照射し、画像読取動作を反映する入射光が、光学部を介してイメージセンサーに読み込まれる。
カードトレイ34は、排紙搬送路E1の排紙先であり、用紙Sとほぼ同じサイズに形成される。パージトレイ35は、排紙搬送路E2の排紙先である。排紙搬送路E1には、排紙センサー33b1が設置され、排紙搬送路E2には、排紙センサー33b2が設置され、排紙搬送路E1,E2を搬送される用紙S及び不要紙がカードトレイ34、又は、パージトレイ35まで確実に排紙されたかを検知可能である。屑箱36は、排紙搬送路E3の排紙先である。排紙搬送路E3には、排紙センサー33b3が設置され、排紙搬送路E3を搬送される切り屑や不要紙が屑箱36まで確実に排紙されたかを検知可能である。排紙搬送路E4は、後処理装置3の下流側に別の処理装置(不図示)が接続される場合に、用紙Sを搬送するために設けられる。そして、排紙搬送路E4には、排紙センサー33b4が設置され、排紙搬送路E4を搬送される用紙Sが別の処理装置まで確実に排紙されたかを検知可能である。
[ミシン目加工部]
次に、後処理モジュール31a〜31dからなるミシン目加工部31における、ミシン目加工装置の構成例について説明する。
図3〜5に、ミシン目加工装置の概略構成を示す。なお、図3は、ミシン目加工装置40において、ミシン刃付きローラー50と下受け台60とが、用紙S(図示省略)から離間した状態の側面図(用紙搬送方向と直交する方向から見た図)である。図4は、ミシン目加工装置40において、ミシン刃付きローラー50と下受け台60とが、ミシン目加工を行う用紙S(図示省略)に当接した状態の側面図である。図5は、ミシン目加工装置40において、ミシン刃付きローラー50と下受け台60とが近接する部分の正面図(用紙搬送方向から見た図)である。
図3及び図4に示すように、ミシン目加工装置40は、用紙Sが通過する搬送路45の上側に配置されたミシン刃付きローラー50と、搬送路45の下側に配置された下受け台60とを備える。また、ミシン目加工装置40は、ミシン刃付きローラー50を下受け台60の方向に移動させるミシン刃距離変更部55を備える。ミシン目加工装置40は、用紙Sの紙面に沿って、用紙Sとミシン刃付きローラー50のミシン刃51とを相対移動させて、用紙Sにミシン目加工を行う。
ミシン刃付きローラー50は、用紙Sにミシン目の跡をつけるためのローラーであり、その円筒面の周方向に沿って連続的にミシン刃51が環状に形成されている。ミシン刃付きローラー50は、ベルト53を介して駆動部52と接続され、駆動部52が回転駆動することにより、ベルト53を介して回転可能に設けられている。図3及び図4においては、図面の右から左に搬送される用紙Sの搬送方向に合わせてミシン刃付きローラー50が時計回りに回転する。ミシン刃51は、ミシン刃付きローラー50の表面に沿って環状に形成されているため、刃先が用紙Sを貫通する位置でミシン刃付きローラー50が回転することにより、用紙Sにミシン目を連続的に形成することができる。
ミシン刃付きローラー50のミシン刃51は、例えば、図6の左側に示すミシン刃付きローラー50Aのミシン刃51aのように、ローラーの外周側に向かって、連続的に刃幅が小さくなる形状を有していてもよく、図6の右側に示すミシン刃付きローラー50Bのミシン刃51bのように刃幅が一定の形状を有していてもよい。ミシン刃付きローラー50のミシン刃51の刃幅、刃の厚さ、刃の間隔等の形状は、用紙Sに対してミシン目を形成できれば特に限定されない。
図6に示すミシン刃付きローラー50Aのミシン刃51aのように、連続的に刃幅が小さくなる形状を有している場合には、用紙Sに対してミシン刃51を差し込む深さを調整することにより、形成するミシン目の形状(ミシン目の1つの貫通孔の長さ、幅、貫通孔の間隔等)を調整することができる。このため、1枚のミシン刃付きローラー50Aにおいて、種々の形状のミシン目を形成することができる。一方、図6に示すミシン刃付きローラー50Bのミシン刃51bのように、刃幅が一定であれば、用紙Sに対してミシン刃51を差し込む深さにかかわらず、一定のミシン目を形成することができる。
ミシン目加工部31は、異なる形状(刃幅、刃の厚さ、刃の間隔等)のミシン刃51を備えるミシン刃付きローラー50を複数備えることが好ましい。この場合、1つの後処理モジュール内のミシン目加工装置40が、複数のミシン刃付きローラー50を備えていてもよい。また、1つの後処理モジュール内に1つのミシン刃付きローラー50を有するミシン目加工装置40を備え、ミシン目加工部31がミシン刃51の種類ごとに後処理モジュールを備える構成であってもよい。
ミシン目加工部31は、ミシン目加工装置40のミシン刃付きローラー50を、ユーザーが任意に交換可能なように設けられていてもよい。また、ミシン目加工部31は、後処理モジュールごとミシン目加工装置40とミシン刃付きローラー50とを交換可能に設けられていてもよい。任意の種類のミシン刃付きローラー50を交換可能とすることで、1つのミシン刃付きローラー50で対応できない種々の形状のミシン目を形成することができる。
また、図3及び図4に示すように、下受け台60は、用紙Sをミシン刃付きローラー50に押し当てるためのローラーであり、図示しない駆動部からの駆動力を受けて回転するローラーである。図3及び図4においては、図の右から左に搬送される用紙Sの搬送方向に合わせて下受け台60が反時計回りに回転する。図5に示すように、下受け台60の円筒面には、搬送されてきた用紙Sと当接する外周面62と、この外周面62の中央に配置された溝部61とが設けられている。溝部61は用紙Sを貫通したミシン刃51が下受け台60の円筒面と直に接しないように、外周面62の中心部分に連続的に形成されている。
図3及び図4に示すように、ミシン刃付きローラー50は、搬送路45及び下受け台60側の方向、すなわち図3及び図4の上下方向に、移動可能に構成されている。具体的には、ミシン刃付きローラー50を上下方向に移動させるミシン刃距離変更部55を駆動することにより、ミシン刃付きローラー50を上下方向に移動させて、ミシン刃付きローラー50と下受け台60との距離を調整することができる。
ミシン刃距離変更部55は、回転軸となるシャフト56と、シャフト56の外周面に取付けられた平板カム57とから構成される。平板カム57は、外周面がミシン刃付きローラー50に当接するように配置されている。また、平板カム57の外周面は、シャフト56の回転軸の中心からの距離が連続的に変化するように形成され、シャフト56の回転によってミシン刃付きローラー50と当接する外周面の位置が移動する。そして、シャフト56の回転によって、ミシン刃付きローラー50に当接する平板カム57の外周面のシャフト56に対する位置が変化することにより、ミシン刃付きローラー50が上下方向に往復直線運動を行う。
このように、ミシン刃距離変更部55によってミシン刃付きローラー50が上下方向に移動することにより、ミシン刃付きローラー50が、用紙Sに刃51が接触しない位置(図3)や、用紙Sにミシン刃51が接触する位置(図4)に移動する。また、ミシン刃距離変更部55の回転位置を調整することにより、ミシン刃付きローラー50の上下方向の位置を任意に調整することができるため、ミシン刃付きローラー50と下受け台60との距離を、任意に調整することができる。
ミシン刃付きローラー50と下受け台60との近接部分の正面図を、図5に示す。図5に示すように、ミシン刃付きローラー50のミシン刃51と、下受け台60の溝部61とが対向するように配置されている。さらに、ミシン刃付きローラー50と下受け台60とは、ミシン刃51が用紙Sを貫通する場合にも、ミシン刃付きローラー50の刃先と下受け台60の溝部61との間に間隙が設けられるように配置されている。
図5に示すように、ミシン目加工装置40では、ミシン目加工装置40まで搬送され、下受け台60の外周面62上に存在する用紙Sに対し、ミシン刃51が貫通する位置までミシン刃付きローラー50を溝部61の方向(下受け台60の回転中心方向)に移動させることにより、用紙Sにミシン目加工を行うことができる。ここで、ミシン目加工装置40において、下受け台60の外周面62から、ミシン刃51の先端部分までの距離を、押圧距離Dとする。押圧距離Dは、溝部61に進入したときの距離をプラスの数値で表記し、ミシン刃付きローラー50が溝部61に進入していないときの距離をマイナスの数値で表記する。
図5に示すように、押圧距離Dが0を越える(即ち、プラスの数値をとる)ことにより、ミシン刃付きローラー50の先端のミシン刃51が、下受け台60の外周面62上に搬送された用紙Sに当接する。そして、押圧距離Dが大きくなり、ミシン刃51が用紙Sを貫通する位置までミシン刃付きローラー50が移動すると、用紙Sにミシン目加工が行われる。一方、図3に示すように、押圧距離Dが0以下(0及びマイナスの数値)では、外周面62上に搬送された用紙Sにミシン刃51と当接しないため、用紙Sへのミシン目加工が行われない。
押圧距離Dは、上述のようにミシン刃距離変更部55によってミシン刃付きローラー50を移動させることにより、ミシン刃付きローラー50が移動可能な上端部から下端部までの間で、任意の値に調整することができる。このため、上述の図6に示すミシン刃付きローラー50Aのようなミシン刃51aを用いる場合には、ユーザーの要求に応じて、この押圧距離Dを調整することにより、用紙Sに形成するミシン目の形状を任意に調整することができる。また、押圧距離Dを一定とした場合でも、用紙Sの紙種(普通紙、コート紙等)、厚み、坪量、及び、用紙面の種類(縦目、横目等)等の影響により、ミシン刃51の通りやすさが変わるため、用紙Sに形成されるミシン目の形状に差がでる場合がある。この場合にも、用紙Sの各条件に応じて、押圧距離Dを調整することにより、ミシン目が所望の形状となるように調整することができる。
例えば、図6に示すミシン刃51aの場合には、薄い用紙と厚い用紙とでは、ミシン刃51の先端と外周面62との距離が同じでも用紙の上面側が接する位置のミシン刃51aの大きさが異なるため、厚い用紙の方がミシン目の貫通孔の長さが大きく、貫通孔の間隔が小さくなる。このように、用紙の厚さが変化すると、同じ押圧距離Dでは、ミシン目の形状が変化し、所定の形状のミシン目を形成することができない。このため、用紙の厚さが変化した場合にも、この用紙の条件に合わせて押圧距離Dを調整することにより、所定の形状のミシン目を形成することが可能となる。
[機能ブロック図:画像形成装置]
図7に、画像形成装置2の機能ブロック図を示す。
画像形成装置2は、上述した自動原稿給紙装置21、操作表示部22、画像形成部24と共に、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、通信I/F(Interface)15を備える。画像形成装置2内の各部は、バスを介して接続されている。
CPU11(制御部の一例)は、画像形成装置2内の各部の動作を制御するコンピューターの一例として用いられる。例えば、CPU11は、操作表示部22を通じて行われるユーザーの印刷指示に基づいた画像形成部24の画像形成処理(印刷動作)の制御や、画像データのオブジェクト化処理を行う。また、CPU11は、操作表示部22からユーザーのミシン目加工の指示、条件の指定等を受け取る。
ROM12は、不揮発性メモリの一例として用いられ、CPU11が動作するために必要なプログラムやデータ等を記憶している。
RAM13は、揮発性メモリの一例として用いられ、CPU11が行う各処理に必要な情報(データ)を一時的に記憶する。
ストレージ14は、例えばHDD(Hard Disk Drive)で構成され、CPU11が各部を制御するためのプログラム、OS(Operating System)、コントローラー等のプログラム、データを記憶する。ストレージ14に記憶されるプログラム、データの一部は、ROM12にも記憶されている。ストレージ14は、CPU11によって実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。なお、画像形成装置2によって実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性の記録媒体としては、HDDに限定されず、例えば、SSD(Solid State Drive)、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体であってもよい。
通信I/F15は、NIC(Network Interface Card)やモデム等で構成され、後処理装置3及び不図示のPC端末との接続を確立し、各種データの送受信を実行する。
[機能ブロック図:後処理装置]
図8に、後処理装置3の機能ブロック図を示す。
後処理装置3は、上述したミシン目加工部31、画像読み取り部37等と共に、CPU41、ROM42、RAM43、ストレージ44、通信I/F45を備える。後処理装置3内の各部は、バスを介して接続されている。
CPU41(制御部の一例)は、後処理装置3内の各部の動作を制御するコンピューターの一例として用いられる。例えば、CPU41は、ミシン目加工部31によるミシン目加工処理、画像読み取り部37で読み取った加工後のミシン目の画像処理、ミシン刃付きローラー50の選択等の制御を実行するための機能を有する。
制御部は、ミシン目加工処理において、下受け台60方向にミシン刃付きローラー50を移動させ、下受け台60に対するミシン刃付きローラー50の押圧距離Dを調整し、用紙に形成するミシン目の形状を制御する。また、制御部は、ユーザーが指定したミシン目の形状となるように、ミシン刃付きローラー50の種類の選択を行う。さらに、制御部は、用紙の紙種、厚み、坪量、及び、用紙面の種類等の用紙情報を取得する。そして、取得した用紙情報の用紙において指定されたミシン目の形状となるように、ミシン刃付きローラー50の種類の選択や、下受け台60に対するミシン刃付きローラー50の押圧距離Dの調整を行う。
また、制御部によるミシン目加工処理の制御において、制御部は、ミシン目加工部31において現在設定されている(取付けられている)ミシン刃付きローラー50の種類と、取得した用紙情報とから、設定可能なミシン目の形状の範囲を画像形成装置2の操作表示部22(図7参照)に表示してもよい。
また、制御部によるミシン目加工処理の制御において、ミシン目加工部31が複数種類のミシン刃付きローラー50を有し、この複数種類のミシン刃付きローラー50のいずれかで指定された形状のミシン目を実現できる場合には、制御部は、ミシン目加工処理に使用するミシン刃付きローラー50を選択する。また、ミシン目加工部31において現在設定されている(取付けられている)ミシン刃付きローラー50の種類では、指定された形状のミシン目を実現できない場合には、制御部は、画像形成装置2の操作表示部22(図7参照)に、適切なミシン刃付きローラー50の種類と、このミシン刃付きローラー50への交換指示を表示してもよい。
また、制御部は、画像読み取り部37で読み取った加工後のミシン目の画像情報から、形成されたミシン目の形状が、指定されたミシン目の形状と一致するか否かを判断する。そして、形成されたミシン目の形状が指定された形状と異なる場合には、ミシン刃付きローラー50の種類や、下受け台60に対するミシン刃付きローラー50の押圧距離Dを変更し、形成するミシン目形状を補正する制御を行う。
ROM42は、不揮発性メモリの一例として用いられ、CPU41が動作するために必要なプログラムやデータ等を記憶している。
RAM43は、揮発性メモリの一例として用いられ、CPU41が行う各処理に必要な情報(データ)を一時的に記憶する。
ストレージ44は、例えばHDDで構成され、CPU41が各部を制御するためのプログラム、OS、コントローラー等のプログラム、データを記憶する。ストレージ44に記憶されるプログラム、データの一部は、ROM42にも記憶されている。ストレージ44は、CPU41によって実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。なお、後処理装置3によって実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性の記録媒体としては、HDDに限定されず、例えば、SSD、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体であってもよい。
通信I/F45は、NICやモデム等で構成され、画像形成装置2との接続を確立し、各種データの送受信を実行する。なお、後処理装置3が単独で用いられる場合、通信I/F45は、不図示のPC端末と接続が確立され、各種データの送受信が実行される。
なお、上述した後処理装置3が画像形成装置2に対してインラインで設置される場合には、後処理装置3で実行される各種機能は、画像形成装置2のCPU11、ROM12、RAM13、ストレージ14を用いて実行されてもよい。このため、後処理装置3からCPU41、ROM42、RAM43、ストレージ44を除いた構成も可能である。一方、後処理装置3が画像形成装置2に対してオフラインで設置される場合には、後処理装置3自身で制御を行う必要があるため、CPU41、ROM42、RAM43、及び、ストレージ44が必要となる。
[ミシン目加工の処理例:ユーザーがミシン目の形状を設定]
図9に、ミシン目加工部31におけるミシン目加工処理を行うためのフローチャートを示す。図9は、ミシン目加工処理において、ユーザーが用紙の形成するミシン目の形状を指定する場合のフローチャートであり、ユーザーによるミシン目形状の設定から押圧距離Dの調整までの制御を表している。
まず、ユーザーが操作表示部22等を操作して用紙に形成するミシン目の形状を指定し、CPU11は指定された内容をRAM13に設定する(ステップS11)。指定可能なミシン目の形状としては、ミシン目の1つの貫通孔の長さ、幅、貫通孔の間隔等が挙げられるが、これらに限られない。
また、ユーザーが用紙に形成するミシン目の形状を設定する際、現在設定されている(取付けられている)ミシン刃付きローラー50の種類において設定可能なミシン目の形状の範囲を画像形成装置2の操作表示部22(図7参照)に表示し、表示された設定可能なミシン目の形状の範囲から、ユーザーが用紙に形成するミシン目の形状を選択できるようにしてもよい。
次に、制御部は、現在設定されているミシン刃付きローラー50で、指定されたミシン目の形状を実現するための下受け台60に対するミシン刃付きローラー50の押圧距離Dを算出する(ステップS12)。
次に、制御部は、算出された押圧距離Dに基づいて、ミシン刃距離変更部55を駆動してミシン刃付きローラー50を下受け台60方向に移動させる(ステップS13)。この後、ミシン目加工部に用紙が搬送され、ミシン刃付きローラー50と下受け台60との間を用紙が通過することにより、用紙にユーザーが設定した形状のミシン目が形成される。
[ミシン目加工の処理例:用紙条件]
図10に、ミシン目加工処理において、用紙の各条件が変化した場合におけるミシン目加工処理のフローチャートを示す。図10は、制御部による用紙の条件の取得から押圧距離Dの調整までの制御を表している。
まず、制御部は、ミシン目加工を行うジョブで指定された用紙の条件を取得する(ステップS21)。制御部は、用紙の条件として、用紙の紙種、厚み、坪量、及び、用紙面の種類から選ばれる少なくとも1種以上の用紙情報を取得することが好ましいが、取得する用紙の条件は特に限定されない。用紙の条件は、ユーザーが指定してもよく、ROM42やストレージ44に保持されている各種のデータから読み出してもよい。また、制御部が用紙情報を取得した後、制御部は、ミシン目加工部31において現在設定されている(取付けられている)ミシン刃付きローラー50の種類と、取得した用紙情報とから、形成可能なミシン目の形状の範囲を画像形成装置2の操作表示部22(図7参照)に表示し、ユーザーが形成するミシン目形状を選択できるようにしてもよい。
次に、制御部は、上記条件を有する用紙に応じて、予め設定されたミシン目の形状をROM42やストレージ44に保持されている各種のデータを読み出す(ステップS22)。なお、所定のミシン目の形状を読み出す替わりに、ユーザーがミシン目の形状を指定してもよい。
次に、制御部は、現在設定されているミシン刃付きローラー50で、上記用紙条件において所定のミシン目の形状を実現するための下受け台60に対するミシン刃付きローラー50の押圧距離Dを算出する(ステップS23)。
次に、制御部は、算出された押圧距離Dに基づいて、ミシン刃距離変更部55を駆動してミシン刃付きローラー50を下受け台60方向に移動させる(ステップS24)。この後、ミシン目加工部に用紙が搬送され、ミシン刃付きローラー50と下受け台60との間を、上記条件を有する用紙が通過することにより、用紙に所定の形状のミシン目が形成される。
[ミシン目加工の処理例:ミシン刃付きローラーの切り替え]
図11に、ミシン目加工処理において、ミシン刃付きローラーを切り替える(変更する)ミシン目加工処理のフローチャートを示す。図11は、ユーザーによるミシン目形状の設定から押圧距離Dの調整までの制御を表している。この処理は、ミシン目加工部31やミシン目加工装置40内において、複数種類のミシン刃付きローラー50を有し、この複数種類のミシン刃付きローラー50の中に、設定されたミシン目形状を実現できるミシン刃付きローラー50が存在する場合に適用される。
まず、ユーザーが用紙に形成するミシン目の形状を設定する(ステップS31)。
次に、制御部は、現在設定されているミシン刃付きローラー50で、ユーザーに指定されたミシン目の形状を実現できるかどうかを判定する(ステップS32)。現在設定されているミシン刃付きローラー50でミシン目の形状を実現できない場合(ステップS32のNO)には、制御部は、ミシン刃付きローラー50の種類を、指定されたミシン目の形状を実現できる他のミシン刃付きローラー50の種類に切り替える(ステップS33)。これは、1つのミシン目加工装置40(後処理モジュール31a〜31d)内で、複数のミシン刃付きローラー50の中から、適切なミシン刃付きローラー50の種類に変更してもよく、また、使用するミシン目加工装置40(後処理モジュール31a〜31d)を切り替えてもよい。
現在設定されているミシン刃付きローラー50でミシン目の形状を実現できる場合(ステップS32のYES)、及び、ステップS33でミシン刃付きローラー50の種類に切り替えた後、制御部は、指定されたミシン目の形状を実現するための下受け台60に対するミシン刃付きローラー50の押圧距離Dを算出する(ステップS34)。
次に、制御部は、算出された押圧距離Dに基づいて、ミシン刃距離変更部55を駆動してミシン刃付きローラー50を下受け台60方向に移動させる(ステップS35)。この後、ミシン目加工部に用紙が搬送され、ミシン刃付きローラー50と下受け台60との間を用紙が通過することにより、用紙にユーザーが設定した形状のミシン目が形成される。
[ミシン目加工の処理例:ミシン刃付きローラーの種類の指示]
図12に、ミシン目加工処理において、ミシン刃付きローラーの交換をユーザーに指示するミシン目加工処理のフローチャートを示す。図12は、ユーザーによるミシン目形状の設定から押圧距離Dの調整までの制御を表している。この処理は、ミシン目加工部31やミシン目加工装置40内においてミシン刃付きローラー50の取り外しが可能であり、指定されたミシン目形状を実現できるミシン刃付きローラー50が後処理装置やミシン目加工装置40内に存在しない場合に適用される。
まず、ユーザーが用紙に形成するミシン目の形状を設定する(ステップS41)。
次に、制御部は、現在設定されているミシン刃付きローラー50で指定されたミシン目の形状を実現できるかどうかを判定する(ステップS42)。現在設定されているミシン刃付きローラー50でミシン目の形状を実現できない場合(ステップS42のNO)には、制御部は、指定されたミシン目の形状を実現できる他のミシン刃付きローラー50の種類を、ROM42又はストレージ44(図7参照)に保持されている各種のデータから読み出し、ミシン刃付きローラー50の交換と、交換するミシン刃付きローラー50の種類とを、操作表示部22(図7参照)に表示する(ステップS43)。ユーザーは、操作表示部22(図7参照)に表示された指示に従い、ミシン目加工装置40のミシン刃付きローラー50を交換する。このミシン刃付きローラー50の交換では、ミシン目加工装置40のミシン刃付きローラー50のみを交換してもよく、ミシン目加工装置40(後処理モジュール31a〜31d)ごと交換してもよい。
現在設定されているミシン刃付きローラー50でミシン目の形状を実現できる場合(ステップS42のYES)、又は、ユーザーによってミシン刃付きローラー50が交換されたことを確認した後、制御部は、指定されたミシン目の形状を実現するための下受け台60に対するミシン刃付きローラー50の押圧距離Dを算出する(ステップS44)。
次に、制御部は、算出された押圧距離Dに基づいて、ミシン刃距離変更部55を駆動してミシン刃付きローラー50を下受け台60方向に移動させる(ステップS45)。この後、ミシン目加工部に用紙が搬送され、ミシン刃付きローラー50と下受け台60との間を用紙が通過することにより、用紙にユーザーが設定した形状のミシン目が形成される。
[ミシン目加工の処理例:画像読み取り部による補正]
図13に、ミシン目加工処理において、画像読み取り部37で読み取ったミシン目加工後の画像情報に基づいて、押圧距離Dを調整する制御を行う、ミシン目加工処理のフローチャートを示す。図13は、ユーザーによるミシン目形状の設定から、画像情報のミシン目形状がユーザーによって設定されたミシン目形状と一致するか否かの判定までの制御を表している。
図13では、上述の図11に示す処理と同様に、ミシン目加工部31やミシン目加工装置40内において、複数種類のミシン刃付きローラー50を有し、この複数種類のミシン刃付きローラー50の中に、指定されたミシン目形状を実現できるミシン刃付きローラー50が存在する場合を、画像情報に基づいて押圧距離Dを調整するミシン目加工処理の一例として表している。なお、この画像情報に基づいて押圧距離Dを調整するミシン目加工処理は、上述の図9、図10、及び、図12に示すフローチャートを示すミシン目加工処理にも同様に適用することができる。
まず、ユーザーが用紙に形成するミシン目の形状を設定する(ステップS51)。
次に、制御部は、現在設定されているミシン刃付きローラー50で指定されたミシン目の形状を実現できるかどうかを判定する(ステップS52)。現在設定されているミシン刃付きローラー50でミシン目の形状を実現できない場合(ステップS52のNO)には、制御部は、ミシン刃付きローラー50の種類を、指定されたミシン目の形状を実現できる他のミシン刃付きローラー50の種類に切り替える(ステップS53)。これは、1つのミシン目加工装置40(後処理モジュール31a〜31d)内で、複数のミシン刃付きローラー50の中から、適切なミシン刃付きローラー50の種類に変更してもよく、また、使用するミシン目加工装置40(後処理モジュール31a〜31d)を切り替えてもよい。
現在設定されているミシン刃付きローラー50でミシン目の形状を実現できる場合(ステップS52のYES)、及び、ステップS33でミシン刃付きローラー50の種類に切り替えた後、制御部は、指定されたミシン目の形状を実現するための下受け台60に対するミシン刃付きローラー50の押圧距離Dを算出する(ステップS54)。
次に、制御部は、算出された押圧距離D(以下、算出押圧距離D)に基づいて、ミシン刃距離変更部55を駆動してミシン刃付きローラー50を下受け台60方向に移動させる(ステップS55)。そして、ミシン目加工部に用紙を搬送し、ミシン刃付きローラー50と下受け台60との間に用紙を通過させて、算出押圧距離Dにおいて用紙にミシン目加工を実施する(ステップS56)。
次に、算出押圧距離Dにおいて用紙に形成したミシン目を、画像読み取り部37で読み取り、加工後の用紙のミシン目の画像情報を得る(ステップS57)。そして、用紙に形成されたミシン目の画像情報から得られるミシン目の形状と、ユーザーによって設定されたミシン目形状とが一致するか否かを判定する(ステップS58)。
画像情報から得られるミシン目の形状と、ユーザーによって設定されたミシン目形状とが一致する場合(ステップS58のYES)には、この条件でミシン目加工を継続する。
一方、画像情報から得られるミシン目の形状と、ユーザーによって設定されたミシン目形状とが一致しない場合(ステップS58のNO)、ステップS52からステップS57を繰り返す。即ち、ステップS52の処理において実績に基づいてNOと判定され、ステップS53に進む。ステップS53でミシン刃付きローラー50を切り替え、ステップS54からステップS58の処理を行う。これにより、ミシン刃付きローラー50の種類の変更や、下受け台60に対するミシン刃付きローラー50の押圧距離Dの調整等の形成するミシン目形状を補正する制御を、画像情報から得られるミシン目の形状と、ユーザーによって設定されたミシン目形状とが一致するまで(ステップS58のYES)行う。
[効果]
以上のミシン目加工装置、及び、このミシン目加工装置を後処理装置に備える画像形成システムは、ミシン刃付きローラーを任意の位置に調整することができるため、ミシン刃付きローラーと下受け台との押圧距離Dを任意の値に調整することができる。このため、用紙に対してミシン刃が当接する位置を変更することができ、当接するミシン刃の位置の形状に応じてミシン目の形状を任意に変更することができる。この結果、ユーザーは、ミシン刃が対応する範囲内の形状で、ミシン目の形状を自由に変更して設定することができる。
また、押圧距離Dを任意の値に調整することができるため、用紙が変更された場合にも、この用紙の条件に応じてミシン刃が当接する位置を変更することができ、紙種や厚み等の条件の変化に合わせて、最適なミシン目加工が可能となる。さらに、ミシン刃付きローラーを、装置内で自動的に切り替える、又は、ユーザーが交換することにより、対応できるミシン目の形状の範囲が広がるため、ユーザーは、より自由にミシン目の形状を設定することができる。
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
1 画像形成システム、11,41 CPU、12,42 ROM、13,43 RAM、14,44 ストレージ、15 通信I/F、2 画像形成装置、21 自動原稿給紙装置、21a スキャナー、22 操作表示部、23 給紙部、23a 用紙収納部、24 画像形成部、25 中間転写ベルト、26 画像形成ユニット、27 2次転写部、28 定着部、3 後処理装置、31 ミシン目加工部、31a,31b,31c,31d 後処理モジュール、32 排紙搬送路切替部、33a 検知センサー、33b1,b2,b3,b4 排紙センサー、34 カードトレイ、35 パージトレイ、36 屑箱、37 画像読み取り部、40 ミシン目加工装置、45 搬送路、50,50A,50B ミシン刃付きローラー、51,51a,51b ミシン刃、52 駆動部、53 ベルト、55 ミシン刃距離変更部、56 シャフト、57 平板カム、60 下受け台、61 溝部、62 外周面、D1 搬送路、D2 長尺紙搬送路、E1,E2,E3,E4 排紙搬送路

Claims (8)

  1. 用紙に対してミシン刃を押圧しながら、前記用紙の紙面に沿って前記用紙と前記ミシン刃とを相対移動させて前記用紙にミシン目加工を行うミシン目加工装置であって、
    前記用紙にミシン目を形成するための前記ミシン刃を有するミシン刃付きローラーと、
    前記用紙を前記ミシン刃付きローラーの前記ミシン刃に押し当てるための下受け台と、
    前記下受け台の方向に前記ミシン刃付きローラーを移動させるミシン刃距離変更部と、
    前記下受け台に対する前記ミシン刃付きローラーの押圧距離を調整し、前記用紙に形成するミシン目の形状を制御する制御部と、を備える
    ミシン目加工装置。
  2. 前記制御部は、指定されたミシン目の形状に応じて、前記押圧距離を調整する請求項1に記載のミシン目加工装置。
  3. 前記制御部は、前記用紙の紙種、厚み、坪量、及び、用紙面の種類から選ばれる少なくとも1つの情報を基に前記押圧距離を調整する請求項1に記載のミシン目加工装置。
  4. 種類の異なる複数の前記ミシン刃付きローラーを備え、
    前記制御部は、指定されたミシン目の形状が、現在設定されている前記ミシン刃付きローラーでは加工できない場合に、現在設定されている前記ミシン刃付きローラーを、指定されたミシン目を形成可能な他の前記ミシン刃付きローラーに切り替える請求項1に記載のミシン目加工装置。
  5. 表示部を備え、
    前記制御部は、指定されたミシン目の形状が、接続しているミシン刃では加工できない場合に、指定されたミシン目を形成可能な他のミシン刃に交換する指示を前記表示部に表示する請求項1から3のいずれかに記載のミシン目加工装置。
  6. 表示部を備え、
    前記制御部は、現在設定されている前記ミシン刃付きローラーと用紙情報とから、設定可能なミシン目の形状の範囲を前記表示部に表示する請求項1から3のいずれかに記載のミシン目加工装置。
  7. 前記ミシン刃付きローラーの下流側に画像読み取り部を備え、
    前記制御部は、前記読み取り部で読み取ったミシン目加工後の前記用紙の画像情報に基づいて、前記押圧距離を調整する請求項1に記載のミシン目加工装置。
  8. 画像を用紙に形成する画像形成装置と、前記画像が形成された前記用紙にミシン目加工を行うミシン目加工装置と、を有する画像形成システムであって、
    前記ミシン目加工装置は、
    前記用紙にミシン目を形成するためのミシン刃を有するミシン刃付きローラーと、
    前記用紙を前記ミシン刃付きローラーの前記ミシン刃に押し当てるための下受け台と、
    前記下受け台の方向に前記ミシン刃付きローラーを移動させるミシン刃距離変更部と、
    前記下受け台に対する前記ミシン刃付きローラーの押圧距離を調整し、前記用紙に形成するミシン目の形状を制御する制御部と、を備え、
    画像形成システム。
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