JP2019195134A - 画像読取装置の出力画像生成方法および画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蛍光色を含む原稿の読取に時間をかけることなく、蛍光色を含む原稿の再現性を向上させる。【解決手段】本発明の画像読取装置の制御部60は、原稿を読み取ったスキャン画像を取得し、スキャン画像中の、白基準値よりも大きい画素値の画素である特定画素を含む蛍光色領域を特定する。また、画像処理部40は、取得されたスキャン画像に対し、蛍光色領域を特定する画像を合成する合成処理を行うことにより出力画像を生成する。【選択図】図2
Description
本発明は、白基準値よりも大きい画素値の画素を含むスキャン画像を取得する画像読取装置の出力画像生成方法および画像読取装置に関する。
この種の技術として、特許文献1が知られている。特許文献1には、蛍光色を含む原稿の読取を良好に行うため、原稿の読取を行って蛍光色が検出された場合、画素当たりの受光量を減少させて、再度、読取を行う画像読取装置が開示されている。
しかしながら、従来の技術では、蛍光色を含む原稿の読取に時間がかかるなど、改良の余地があった。
本発明の画像読取装置の出力画像生成方法は、原稿を読み取り、スキャン画像を取得する取得工程と、スキャン画像中の、白基準値よりも大きい画素値の画素である特定画素を含む第1領域を特定する特定工程と、スキャン画像に対し、第1領域を特定する画像を合成する合成処理を行うことにより出力画像を生成する生成工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の画像読取装置は、原稿を読み取り、スキャン画像を取得する取得部と、スキャン画像中の、白基準値よりも大きい画素値の画素である特定画素を含む第1領域を特定する特定部と、スキャン画像に対し、第1領域を特定する画像を合成する合成処理を行うことにより出力画像を生成する生成部と、を備えたことを特徴とする。
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態に係る画像読取装置の出力画像生成方法および画像読取装置について、添付図面に基づいて説明する。本実施形態では、画像読取装置として、原稿を搬送しながら読み取るシートフィードスキャナーを例示する。
以下、本発明の一実施形態に係る画像読取装置の出力画像生成方法および画像読取装置について、添付図面に基づいて説明する。本実施形態では、画像読取装置として、原稿を搬送しながら読み取るシートフィードスキャナーを例示する。
図1は、画像読取装置1の搬送経路周りの構成を示す図である。同図の画像読取装置1は、長尺紙である原稿Sが、ガイド6に沿って導入口7から装置内に導入され、装置内に形成された搬送経路5を搬送された後、排出口8から装置外に排出される構成となっている。なお、原稿Sは、長尺紙ではなく単票紙でもよい。
搬送経路5には、給紙ローラー11と、一対の上流側搬送ローラー12と、一対の下流側搬送ローラー13と、紙検出部20と、画像読取部30と、が配置されている。また、搬送経路5には、画像読取部30に対向して、原稿押さえ板71が配置されている。
給紙ローラー11は、導入口7の近傍に配置されている。給紙ローラー11は、導入口7から導入された原稿Sを、搬送経路5へ給紙する。上流側搬送ローラー12は、画像読取部30よりも原稿Sの搬送方向における上流側、すなわち画像読取部30より−Y側に配置されている。また、下流側搬送ローラー13は、画像読取部30よりも原稿Sの搬送方向における下流側、すなわち画像読取部30より+Y側に配置されている。これら上流側搬送ローラー12および下流側搬送ローラー13は、原稿Sを搬送経路5に沿って+Y方向に搬送する。
紙検出部20は、原稿センサー21と、紙送りセンサー22と、を含む。紙送りセンサー22は、原稿センサー21よりも原稿Sの搬送方向における下流側、すなわち+Y側に配置されている。同図の例では、原稿センサー21が、上流側搬送ローラー12の上流側に配置されているが、上流側搬送ローラー12の下流側に配置されていてもよい。また、紙送りセンサー22が、上流側搬送ローラー12の下流側に配置されているが、上流側搬送ローラー12の上流側に配置されていてもよい。なお、原稿センサー21は、原稿Sが搬送経路5に給紙されたことを検出するためのセンサーである。また、紙送りセンサー22は、原稿Sが頭出し位置まで搬送されたことを検出するためのセンサーである。つまり、紙送りセンサー22の検出位置が頭出し位置となる。
画像読取部30は、白色光源31と、レンズアレイ32と、カラーセンサー33と、カバーガラス35と、を含む。画像読取部30としては、これらと、後述するA/D変換部34と、が一体となったカラーセンサーモジュールが用いられる。なお、カラーセンサー33は、「画像読取センサー」の一例である。
白色光源31から出射された光は、光透過性を有するカバーガラス35を透過して、原稿押さえ板71または原稿Sに照射される。原稿押さえ板71は、原稿Sの紙浮きを抑え、照射むらの発生を防止する。また、原稿押さえ板71は、白基準値を設定するための白基準板としても機能する。原稿押さえ板71または原稿Sから反射された光は、レンズアレイ32を介してカラーセンサー33に入射される。カラーセンサー33は、赤色、緑色および青色(以下、「RGB」と表記する)の3色のセンサー列で構成される。各センサー列は、原稿Sの搬送方向と交差する方向、すなわちX方向に並んだ複数のセンサーチップから成る。
図2は、画像読取装置1の制御系を示すブロック図である。画像読取装置1は、搬送部10と、紙検出部20と、画像読取部30と、画像処理部40と、出力部50と、制御部60と、を含む。なお、制御部60は、本発明の「取得部」および「特定部」の一例である。また、画像処理部40および制御部60は、「生成部」の一例である。
搬送部10は、給紙モーター14と、上流側搬送モーター15と、下流側搬送モーター16と、を含む。給紙モーター14は、給紙ローラー11を駆動する。また、上流側搬送モーター15および下流側搬送モーター16は、それぞれ上流側搬送ローラー12および下流側搬送ローラー13の駆動ローラーを駆動する。なお、上流側搬送ローラー12および下流側搬送ローラー13を、共通の搬送モーターで駆動してもよい。
紙検出部20は、原稿センサー21と、紙送りセンサー22と、を含む。原稿センサー21および紙送りセンサー22は、例えば発光素子と受光素子から成る光学センサーであり、発光素子の光を搬送経路5に出射し、その反射光を受光素子で受光することより原稿Sの有無を検出する。また、制御部60は、紙検出部20の検出結果に基づいて、搬送経路5上における原稿Sの位置を判定する。例えば、制御部60は、原稿センサー21の検出結果が「原稿なし」から「原稿あり」に変化したとき、原稿Sが搬送経路5に導入されたと判定する。また、紙送りセンサー22の検出結果が「原稿なし」から「原稿あり」に変化したとき、制御部60は、原稿Sが頭出し位置まで搬送されたと判定する。
画像読取部30は、白色光源31と、レンズアレイ32と、カラーセンサー33と、A/D変換部34と、を含む。画像読取部30は、スキャン設定の一つであるカラー設定「カラー/モノクロ」にしたがって原稿Sを読み取り、カラーのスキャン画像またはグレースケールのスキャン画像を取得する。
白色光源31は、例えば、白色LEDであり、読み取り対象となる領域を−Y側および+Y側から照射する。レンズアレイ32は、例えば、セルフォックレンズアレイであり、原稿Sの搬送方向と交差する方向、すなわちX方向(図1参照)に配列された複数のレンズによる正立等倍像を重ね合わせて連続像を形成する。カラーセンサー33は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサーまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサーであり、RGBのセンサー列から成る。各センサー列には、入射する反射光の波長をRGBに制限するためのカラーフィルターが配置されている。また、各センサー列は、X方向に並んだ複数のセンサーチップから成り、各センサーチップは、光電変換素子を含む。光電変換素子の受光量は電荷として蓄積され、その電荷がアナログ信号として出力される。A/D変換部34は、カラーセンサー33から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
画像処理部40は、画像読取部30により読み取られたスキャン画像に対して各種画像処理を行い、出力画像を生成する。画像処理部40としては、例えば、画像処理専用のASIC(Application Specific Integrated Circuit)が用いられる。詳細については後述するが、画像処理部40は、スキャン画像に白基準値よりも大きい画素値の画素である特定画素が含まれるか否かに応じて異なる画像処理を行う。特定画素とは、白色よりも高い反射率を有する色、例えば蛍光色を示す画素である。本実施形態の画像処理部40は、この蛍光色の色調の再現性を向上させるため、特定画素を含む蛍光色領域E1(図6参照)と、蛍光色領域E1以外の領域である通常色領域と、で異なる正規化処理を行う。蛍光色領域E1は、本発明の「第1領域」の一例である。なお、画像処理部40は、シェーディング補正、ガンマ補正、ライン間補正およびスキュー補正など、一般的な画像読取装置で行われる画像処理も行う。
出力部50は、画像処理部40により画像処理が行われた出力画像を外部装置100に出力する。外部装置100としては、ストレージやプリンターが考えられる。ストレージとしては、例えばネットワークストレージが考えられる。また、プリンターとしては、ケーブルやネットワークで接続されたプリンターが考えられる。その他、外部装置100として、PC(Personal Computer)やディスプレーに、出力画像を出力して表示させてもよい。
なお、出力画像を外部装置100に出力するのではなく、画像読取装置1内に設けられた内蔵ストレージに出力画像を出力してもよい。また、画像読取装置1と、プリンター部と、が一体となっている場合、そのプリンター部に、出力画像を出力して印刷させてもよい。
制御部60は、上記の各部と接続され、各部を制御する。制御部60は、例えば、プロセッサー(例えば、CPU(Central Processing Unit)やASICやこれらの協働)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)により構成される。
上記の構成により、制御部60は、原稿Sを読み取ることによって取得したスキャン画像に、特定画素が含まれるか否かを判定し、特定画素が含まれると判定した場合、特定画素を含む蛍光色領域E1を特定する。画像処理部40は、蛍光色領域E1に対しては、白基準値よりも大きい値を最大値にする正規化処理である第1正規化処理を行い、蛍光色領域E1以外の通常色領域に対しては、白基準値を最大値にする正規化処理である第2正規化処理を行う。これにより、蛍光色領域E1内の蛍光色の色調の再現性向上が期待できる。
ここで、蛍光色領域E1に対し、白基準値を最大値にする正規化処理を行っていた従来の方法の問題点について説明する。図3は、従来例に係る、白基準値の設定方法を説明するためのグラフである。従来の方法では、白色を読み取ったときのカラーセンサー33のRGBの出力値が、カラーセンサー33の出力ビット数の最大値となるように白基準値を設定する。したがって、カラーセンサー33の出力最大値と白基準値とは一致する。なお、同図では、カラーセンサー33の出力ビット数は、8ビット、すなわち出力最大値が「255」となる場合を示している。もちろん出力ビットが9ビット以上であっても、画素値は異なるが同様である。
一方、蛍光ペン等に用いられる蛍光体は、入射した光の一部を違う色に変化させる特性がある。例えば、黄色の蛍光色は、青色の光が入射すると、その一部を吸収して黄色の光、すなわち緑色および赤色の光を反射する特性があるため、とても鮮やかに発色する。この黄色の蛍光色を、上記のカラーセンサー方式の画像読取部30で読み取ると、緑色や赤色の出力値が、白基準値より大きくなってしまい、カラーセンサー33のダイナミックレンジの上限値を超えてしまうと共に、上記のとおり青色の光の一部が吸収されているため、原稿Sと比べて異なる色相の読取結果となってしまう。以下、カラーセンサー33のダイナミックレンジの上限値を、「カラーセンサー33の出力最大値」と称する。
そこで、本実施形態の画像読取装置1は、原稿Sの読取前に、スキャン設定を、白基準値がカラーセンサー33の出力最大値である「255」より小さい値となる第1設定に設定しておく。図4は、本実施形態に係る、白基準値の設定方法を説明するためのグラフである。本実施形態では、白色を読み取ったときのカラーセンサー33のRGBの出力値が「160」となるように白基準値を設定する。これにより、蛍光色を読み取った場合に、カラーセンサー33の出力値が飽和しまうことを抑制できる。なお、「160」は、白基準値の設定の一例であり、カラーセンサー33の出力最大値より小さい値であればよい。
また、本実施形態の画像読取装置1は、スキャン画像中の蛍光色領域E1に対して、白基準値よりも大きい値を最大値にする第1正規化処理を行う。これにより、蛍光色が異なる色相の読取結果となることを抑制できる。一方、画像読取装置1は、通常色領域に対して、白基準値を最大値にする第2正規化処理を行う。これにより、通常色が暗くなりすぎることを抑制できる。以下、これら一連の処理について、詳細に説明する。
図5は、画像読取装置1の出力画像生成方法を示すフローチャートである。画像読取装置1は、ユーザー操作にしたがって原稿Sの読取処理を開始する。ユーザー操作は、画像読取装置1に設けられた不図示の操作パネルを用いて行われる。若しくは、外部装置100がPCの場合、PC側でユーザー操作が行われる。画像読取装置1は、ユーザー操作が行われると、まず初期処理を行う(S11)。初期処理には、紙送りセンサー22の検出結果から原稿Sが頭出し位置まで搬送されたか否かを判定する処理が含まれる。画像読取装置1は、原稿Sが頭出し位置まで搬送されていないと判定した場合、原稿センサー21の検出結果から原稿Sが搬送経路5に導入されたか否かを判定する。画像読取装置1は、原稿Sが搬送経路5に導入されていないと判定した場合、エラー通知を行い、原稿Sが搬送経路5に導入されていると判定した場合、原稿Sを頭出し位置まで搬送する。
なお、画像読取装置1は、初期処理の一部として、白基準値の設定を行う。画像読取装置1は、白基準板として機能する原稿押さえ板71を読み取り、その出力値が「160」となるように、カラーセンサー33の露光時間や白色光源31の発光量やゲイン値を設定する。画像読取装置1は、以上の初期処理を終了すると、原稿Sの搬送および読み取りを行い、スキャン画像を取得する(S12)。
画像読取装置1は、取得したスキャン画像に特定画素が含まれるか否かを判定する(S13)。本実施形態では、白基準値である「160」よりも大きい画素値の画素がX方向またはY方向に一定数以上連続し、且つ特定画素の集合体がある一定の面積以上となる場合、当該画素は特定画素である、と判定する。また、「特定画素が連続する」とは、特定画素が所定画素数以上間隔を空けることなく存在していることを指す。例えば、所定画素数が2画素である場合は、特定画素が1画素おきに存在していても、特定画素が連続しているものと看做す。これによって、たまたまノイズによって白基準値である「160」よりも大きい画素値となってしまった画素を特定画素としないようにしている。画像読取装置1は、スキャン画像に特定画素が含まれると判定した場合(S13:Yes)、特定画素を含む蛍光色領域E1を特定する(S14)。
ここで、蛍光色領域E1の特定方法について説明する。図6は、スキャン画像の一例を示す図である。同図のスキャン画像は、2行分の文章中の文字「CCC」に重畳するように蛍光ペンが引かれた原稿Sの読取結果を示している。画像読取装置1は、スキャン画像の中から、特定画素が連続して存在する範囲を、蛍光色領域E1として特定する。また、本実施形態では、特定画素が連続して存在する範囲の内側も蛍光色領域E1とする。例えば、同図の例では、文字「CCC」の画線部の画素は、特定画素ではないが、特定画素が連続して存在する範囲の内側の画素であるため、文字「CCC」の画線部も蛍光色領域E1の一部とする。つまり、蛍光色領域E1は、必ずしも全ての画素が特定画素でなくてもよく、特定画素以外の画素を含んでいてもよい。なお、特定画素が連続して存在する範囲の内側の画素の集合体がある一定の面積以上となる場合、それらの画素は通常色領域に相当する画素としてもよい。
画像読取装置1は、蛍光色領域E1を特定すると、特定した蛍光色領域E1に対して行う第1正規化処理の基準値である第1基準値を設定する(S15)。具体的には、特定した蛍光色領域E1内の画素の最大画素値を、第1基準値として設定する。なお、基準値とは、正規化処理後にカラーセンサー33の出力最大値となる値を指す。また、画像読取装置1は、スキャン画像中に複数の蛍光色領域E1が含まれる場合、蛍光色領域E1ごとに第1基準値を設定する。
画像読取装置1は、蛍光色領域E1に対し、第1正規化処理を含む画像処理を行う(S16)。また、画像読取装置1は、通常色領域に対し、初期処理で設定した白基準値を基準値とした第2正規化処理を含む画像処理を行う(S17)。画像読取装置1は、スキャン画像に対し、S16およびS17の画像処理を行って出力画像を生成し(S18)、生成した出力画像を外部装置100に出力する(S19)。一方、画像読取装置1は、スキャン画像に特定画素が含まれないと判定した場合(S13:No)、S14〜S16を省略する。
ここで、上記のS16,S17の工程について、具体例を挙げて説明する。ここでは、原稿Sをカラー設定「カラー」で読み取り、カラーの出力画像を生成する場合を例示する。図7は、蛍光色を示す画素の画素値の一例を示すグラフである。上記のとおり、画像読取装置1は、蛍光色領域E1に対して、第1基準値を最大値とした第1正規化処理を行う(図5のS16参照)。同図の例では、RGBの最大画素値が「200」であるから、第1基準値は「200」となる。図8は、図7に示す画素に対し、第1正規化処理を行った場合の画素値を示すグラフである。画像読取装置1は、第1正規化処理として、第1基準値「200」がカラーセンサー33の出力最大値である「255」となるように線形変換を行うことで各色の画素値を算出する。
図9は、通常色を示す画素の画素値の一例を示すグラフである。上記のとおり、画像読取装置1は、通常色領域に対して、白基準値を最大値とした第2正規化処理を行う(図5のS17参照)。図4に示したとおり、本実施形態では白基準値が「160」であるから、第2正規化処理の基準値は「160」となる。図10は、図9に示す画素に対し、第2正規化処理を行った場合の画素値を示すグラフである。画像読取装置1は、第2正規化処理として、白基準値「160」がカラーセンサー33の出力最大値である「255」となるように線形変換を行うことで各色の画素値を算出する。
図11は、第1正規化処理による画素値の補正変化を示す図である。同図の符号81で示す画素群は、蛍光色領域E1内に含まれるものとする。この場合、画像読取装置1は、蛍光色領域E1内の最大画素値「240」を第1基準値「240」として第1正規化処理を行う。符号82で示す画素群は、符号81で示す画素群の第1正規化処理後且つカラー変換後の画素値を示している。このように、画像読取装置1は、カラーの出力画像を生成する場合、RGBの各画素について同様の線形変換を行う。
図12は、原稿Sを、カラー設定「モノクロ」で読み取り、グレースケールの出力画像を生成する場合の画素値の補正変化を示す図である。画像読取装置1は、カラー設定「モノクロ」の場合も、カラー設定「カラー」の場合と同様に、蛍光色領域E1内の最大画素値「240」を第1基準値「240」として第1正規化処理を行う。符号82´で示す画素群は、符号81で示す画素群の第1正規化処理後且つモノクロ変換後の画素値を示している。ここでは、RGBのうち、Gの画素値のみに基づいてモノクロ変換後の画素値を算出しているため、Gの画素についてのみ線形変換が行われる。なお、RGBいずれか1つの画素値を用いるのではなく、RGBの画素値に一定の重み付けをして平均をとる加重平均法など既知の技術を用いて、モノクロ変換後の画素値を算出してもよい。
一方、図13は、第2正規化処理による画素値の補正変化を示す図である。ここでは、原稿Sをカラー設定「カラー」で読み取り、カラーの出力画像を生成する場合を示す。また、同図の符号83で示す画素群は、通常色領域内に含まれるものとする。この場合、画像読取装置1は、白基準値「160」をカラーセンサー33の出力最大値である「255」とする第2正規化処理を行う。符号84で示す画素群は、符号83で示す画素群の第2正規化処理後且つカラー変換後の画素値を示している。
ここで、図11と図13を比較すると、正規化処理前の画素群81内の画素81a,81bと、画素群83内の画素83a,83bと、は同じ画素値となっている。一方、画素83a,83bに対する第2正規化処理後の画素84a,84bの画素値は、画素81a,81bに対する第1正規化処理後の画素82a,82bの画素値より大きい値となっている。このように、第2正規化処理を行った場合は、第1正規化処理を行った場合より、スキャン画像中の画素の画素値が大きい画素値となるように補正される。
以上説明したとおり、本実施形態の画像読取装置1は、スキャン画像中の特定画素を含む蛍光色領域E1と、蛍光色領域E1以外の通常色領域とで、異なる正規化処理を行う。具体的には、蛍光色領域E1に対し、白基準値より大きい値を最大値とする第1正規化処理を行い、通常色領域に対し、白基準値を最大値とする第2正規化処理を行う。これにより、通常色領域に対しては、蛍光色領域E1よりもスキャン画像中の画素の画素値が大きくなるように画素値が補正される。また、本実施形態の画像読取装置1は、スキャン設定を、白基準値がカラーセンサー33の出力最大値より小さい値となる第1設定として原稿Sを読み取る。
この構成によれば、カラーセンサー33の出力最大値より小さくなるように白基準値を設定するため、カラーセンサー33の出力値の飽和を防ぐことができる。また、この場合、白基準値を小さくしたことで、原稿Sに比べて通常色の読取結果が暗くなってしまうが、通常色領域に対しては、第2正規化処理により、蛍光色領域E1よりもスキャン画像中の画素の画素値が大きくなるように画素値が補正されるため、通常色を暗くなりすぎず、自然な明るさで再現することができる。一方、蛍光色領域E1に対しては、蛍光色領域E1内の最大画素値を基準値とした第1正規化処理により画素値を補正するため、蛍光色領域E1内の蛍光色の明るさのバランスを、より正確に再現することができる。
また、本実施形態の画像読取装置1は、特定画素の有無を検出するためのプレスキャンを必要としないため、蛍光色を含む原稿Sであっても、蛍光色を含まない原稿Sと同等の時間で読み取ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、蛍光色領域E1と通常色領域とで異なる処理を行ったが、本実施形態では、スキャン画像に基づく出力画像に蛍光色領域E1を特定する情報を付加して出力することで、外部装置100側で蛍光色を含む原稿Sを良好に再現可能としたものである。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、蛍光色領域E1と通常色領域とで異なる処理を行ったが、本実施形態では、スキャン画像に基づく出力画像に蛍光色領域E1を特定する情報を付加して出力することで、外部装置100側で蛍光色を含む原稿Sを良好に再現可能としたものである。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
図14は、画像読取装置1の出力情報生成方法を示すフローチャートである。画像読取装置1は、原稿Sの読取処理を開始すると、まず初期処理を行い(S21)、その後、スキャン画像を取得する(S22)。画像読取装置1は、取得したスキャン画像に特定画素が含まれるか否かを判定し(S23)、特定画素が含まれないと判定した場合(S23:No)、シェーディング補正、ガンマ補正、ライン間補正およびスキュー補正などの通常画像処理を行う(S24)。画像読取装置1は、取得したスキャン画像に対し、この通常画像処理を行うことで出力画像を生成し(S25)、生成した出力画像を外部装置100に出力する(S26)。
一方、画像読取装置1は、取得したスキャン画像に特定画素が含まれると判定した場合(S23:Yes)、特定画素を含む蛍光色領域E1を特定する(S27)。なお、このとき、蛍光色領域E1の形状が矩形領域となるように、領域形状を補正する形状補正処理を行ってもよい。画像読取装置1は、特定した蛍光色領域E1に対し、色変換処理を含む画像処理を行う(S28)。ここで、色変換処理について説明する。画像読取装置1は、蛍光色領域E1内の特定画素の色を、蛍光色領域E1の外側における周辺画素に基づく色に変換する。この色変換処理により、例えば、特定画素が蛍光色を示すものであった場合、その蛍光色を消去することができる。色変換処理を含む画像処理とは、色変換処理のほかに、シェーディング補正、ガンマ補正、ライン間補正およびスキュー補正などの通常画像処理を含む。
図15は、図6のスキャン画像に対し、色変換処理を行った処理結果の一例を示す図である。同図に示すように、色変換処理により、蛍光色領域E1内の特定画素の色が、蛍光色領域E1の周辺画素に基づく色に変換される。つまり、蛍光色領域E1の周辺が白地である場合、蛍光色領域E1内の特定画素の色が白色に変換される。なお、「蛍光色領域E1の周辺画素に基づく色に変換する」とは、蛍光色領域E1の周辺における複数の画素の色情報を利用し、その平均化や中間値の色に変換するなど、既知の技術を利用可能である。
図14の説明に戻る。画像読取装置1は、上記の色変換処理の他、各種画像処理を行うことで出力画像を生成する(S29)。また、画像読取装置1は、出力画像中の蛍光色領域E1に相当する画素に、蛍光色領域E1内の画素であることを示す領域情報を付加して出力情報を生成する(S30)。ここで、「出力画像中の蛍光色領域E1に相当する画素」とは、「スキャン画像中の蛍光色領域E1に対応する、出力画像中の領域に含まれる画素」を指す。以下、「スキャン画像中の蛍光色領域E1に対応する、出力画像中の領域」を、「出力画像の蛍光色対応領域」と称する。
図16は、画素のチャンネル情報を説明するための図である。チャンネル情報は、色情報チャンネルと、αチャンネルと、を含む。色情報チャンネルは、RGBの色情報を示すチャンネルである。色情報は、各色8ビットの画素値で表される。また、αチャンネルは、領域情報を示すチャンネルである。領域情報とは、出力画像の蛍光色対応領域内の画素であるか否か、すなわちスキャン画像中の蛍光色領域E1に相当する画素であるか否か、を示す1ビットの情報である。領域情報は、例えば、出力画像の蛍光色対応領域内の画素である場合「1」を示し、出力画像の蛍光色対応領域外の画素である場合「0」を示す。つまり、出力画像の蛍光色対応領域内の全ての画素には、蛍光色対応領域内の画素であることを示す領域情報「1」が付加される。
図14の説明に戻る。画像読取装置1は、S30で生成した出力情報、すなわち、S29で生成した出力画像の蛍光色対応領域内の画素に、蛍光色領域内の画素であることを示す領域情報を付加した出力情報を1の画像ファイルとして、外部装置100に出力する(S31)。
なお、蛍光色領域E1を特定する情報は、上記の領域情報のように必ずしも画素に付加する必要はなく、例えば、蛍光色領域E1の範囲を示す座標データ等をヘッダーや別ファイルとして付加してもよい。別ファイルとして付加した場合、出力画像の画像ファイルと蛍光色領域E1の範囲を示すファイルとのセットが出力情報にあたる。さらに、蛍光色領域E1を特定する情報を、3つ以上の座標データで示し、各座標データに基づく各座標を結ぶ領域を蛍光色領域E2として特定可能としてもよい。また、原稿Sが文書である場合、蛍光色領域E1を特定する情報として、ページ数、行数、列数、何文字目から何文字目、などの情報を付加してもよい。また、蛍光色領域E1を特定する情報は、蛍光色の位置だけでなく、何色の蛍光色であるかを示す情報を含んでいてもよい。例えば、上述のαチャンネルとして蛍光色でない画素は「0」を示し、蛍光色であればその色を特定する数値を示すようにすることができる。
また、色情報としては、RGBの画素値を例示したが、画像処理部40において印刷用の色変換を行う場合、CMYKの色情報を生成してもよい。その他、YCbCrやLab等の表色系に基づく色情報を生成してもよい。
以上説明したとおり、第2実施形態の画像読取装置1は、スキャン画像に基づく出力画像の蛍光色対応領域内の画素に対し、蛍光色領域E1内の画素であることを示す領域情報を付加して、外部装置100に出力する出力情報を生成する。この構成によれば、外部装置100において、領域情報に基づき、出力画像の蛍光色対応領域に対して適切な処理を行うことができる。
一般的に、蛍光色は、ユーザーが強調したい箇所に用いられることが多いため、出力情報を外部装置100に出力することで、外部装置100側で、蛍光色対応領域に対して任意の変換・強調処理を行い、蛍光色対応領域を強調することができる。また、外部装置100がプリンターである場合、または画像読取装置1とプリンター部と、が一体となっている場合、プリンターまたはプリンター部で、任意の変換・強調処理を行った印刷画像を出力することができる。また、プリンターまたはプリンター部で蛍光塗料を用いた印刷が可能である場合、原稿Sの再現性が高い印刷物を作成することができる。
また、原稿Sをカラー設定「モノクロ」で読み取った場合、蛍光色対応領域がグレーまたは黒色で塗りつぶされたような出力画像となるが、本実施形態によれば、プリンターまたはプリンター部で、蛍光色領域を強調可能であるため、カラー設定にかかわらず、蛍光色領域E1を強調することができる。
また、画像読取装置1は、蛍光色対応領域内の画素に領域情報を付加するため、出力情報を取得した外部装置100は、画素単位で蛍光色対応領域であるか否かを判断することができる。また、蛍光色領域E1を特定する情報として、座標データ等を付加する必要がないため、蛍光色対応領域の形状が複雑であるために出力情報のデータ量が多くなってしまうなどの不具合がない。また、αチャンネルに領域情報を付加することで、出力情報を取得した外部装置100は、蛍光色対応領域内の画素であるか否かを容易に判断することができる。
また、画像読取装置1は、蛍光色領域E1内の特定画素の色を、蛍光色領域E1の周辺画素に基づく色に変換する色変換処理を行うため、出力情報を取得したプリンター等において、多様な処理が可能となる。つまり、画像読取装置1において色変換処理を行わない場合、蛍光色対応領域に蛍光色が残ったまま出力されることとなり、外部装置100において蛍光色にさらに強調処理が行われ、画像の見栄えを損ねるおそれがある。このため、色変換処理を行わない場合、外部装置100で実施可能な処理が限定されてしまうが、本実施形態の画像読取装置1は、色変換処理を行うため、そのような不具合がない。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第2実施形態では、出力画像と、蛍光色領域E1を特定する情報と、を含む出力情報を生成したが、本実施形態では、スキャン画像に、蛍光色領域E1を特定する画像を合成して出力画像を生成する。以下、第2実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、本実施形態において、第1,第2実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第1,第2実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第2実施形態では、出力画像と、蛍光色領域E1を特定する情報と、を含む出力情報を生成したが、本実施形態では、スキャン画像に、蛍光色領域E1を特定する画像を合成して出力画像を生成する。以下、第2実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、本実施形態において、第1,第2実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第1,第2実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
図17は、画像読取装置1の出力画像生成方法を示すフローチャートである。画像読取装置1は、原稿Sの読取処理を開始すると、まず初期処理を行い(S41)、その後、スキャン画像を取得する(S42)。S42は、本発明の「取得工程」の一例である。画像読取装置1は、取得したスキャン画像に特定画素が含まれるか否かを判定し(S43)、特定画素が含まれないと判定した場合(S43:No)、シェーディング補正、ガンマ補正、ライン間補正およびスキュー補正などの通常画像処理を行う(S44)。
一方、画像読取装置1は、取得したスキャン画像に特定画素が含まれると判定した場合(S43:Yes)、特定画素を含む蛍光色領域E1を特定する(S45)。S45は、本発明の「特定工程」の一例である。また、画像読取装置1は、この蛍光色領域E1を特定する領域特定画像I(図18参照)を生成する(S46)。画像読取装置1は、スキャン画像の蛍光色領域E1に対し、色変換処理および領域特定画像Iの合成処理を含む画像処理を行う(S47)。色変換処理については、第2実施形態と同様である。ここで、領域特定画像Iの生成およびその合成処理について説明する。
図18は、図6のスキャン画像に対し、色変換処理および領域特定画像Iの合成処理を行った処理結果の一例を示す図である。同図の例では、領域特定画像Iとして、蛍光色領域E1の外枠を囲む囲み線を示している。また、同図の例では、囲み線として、太い実線を用いている。囲み線は、図示したような実線に限らず、点線、破線、二重線等でもよい。
図17の説明に戻る。画像読取装置1は、取得したスキャン画像に対し、S44またはS47の画像処理を行うことで出力画像を生成し(S48)、生成した出力画像を外部装置100に出力する(S49)。S46〜S48は、本発明の「生成工程」の一例である。
なお、領域特定画像Iについては、図18に示したような蛍光色領域E1を囲む囲み線に限らず、蛍光色領域E1に重畳される重畳画像や、蛍光色領域E1以外の領域に重畳されるマスク画像などであってもよい。スキャン画像にこのマスク画像が合成されると、蛍光色領域E1以外の領域がマスクされ、結果的に蛍光色領域E1を強調することができる。また、重畳画像やマスク画像は、透過性を有する画像でもよいし、スキャン画像と別レイヤーで生成される画像でもよい。
また、画像読取装置1は、蛍光色領域E1に含まれる特定画素の色情報やカラー設定に応じて、領域特定画像Iの種類および色を変化させてもよい。また、画像読取装置1は、種類や色が異なる複数の領域特定画像Iを、領域特定画像Iの候補としてユーザーに提示し、ユーザーが選択した領域特定画像Iを合成してもよい。
以上説明したとおり、第3実施形態の画像読取装置1は、スキャン画像に対し、蛍光色領域E1を特定する領域特定画像Iを合成する合成処理を行うことにより出力画像を生成する。この構成によれば、蛍光色領域E1を強調することができる。また、外部装置100がプリンターである場合、または画像読取装置1とプリンター部と、が一体となっている場合など、プリンターまたはプリンター部の仕様によって、蛍光色を良好に再現できない場合も考えられるが、本実施形態によれば、そのような場合であっても、確実に蛍光色領域E1を強調することができる。特に、原稿Sをカラー設定「モノクロ」で読み取った場合、蛍光色領域E1がグレーまたは黒色で塗りつぶされたような出力画像が生成されるが、本実施形態によれば、カラー設定にかかわらず、蛍光色領域E1を強調することができる。
以上、3つの実施形態を示したが、これらの実施形態によらず、以下の変形例を適宜組み合わせて採用可能である。
[変形例1]
上記の各実施形態において制御部60は、カラーセンサー33の出力最大値が「255」で、且つ、白色を読み取ったときのカラーセンサー33の出力値が「160」となるように白基準値を設定したが(図4参照)、図19に示すように、白色を読み取ったときのカラーセンサー33の出力値が、従来の白基準設定方法(図3参照)と同様に「255」で、カラーセンサー33の出力最大値が「1023=10ビット」となるように設定してもよい。なお、「1023」は、カラーセンサー33の出力最大値の一例であり、9ビットや12ビットなど、他の値としてもよい。この構成によれば、第2正規化処理については、線形変換を必要とせず、ビットマスク演算により下位8ビットを取り出す簡単な処理とすることができる。
[変形例1]
上記の各実施形態において制御部60は、カラーセンサー33の出力最大値が「255」で、且つ、白色を読み取ったときのカラーセンサー33の出力値が「160」となるように白基準値を設定したが(図4参照)、図19に示すように、白色を読み取ったときのカラーセンサー33の出力値が、従来の白基準設定方法(図3参照)と同様に「255」で、カラーセンサー33の出力最大値が「1023=10ビット」となるように設定してもよい。なお、「1023」は、カラーセンサー33の出力最大値の一例であり、9ビットや12ビットなど、他の値としてもよい。この構成によれば、第2正規化処理については、線形変換を必要とせず、ビットマスク演算により下位8ビットを取り出す簡単な処理とすることができる。
[変形例2]
上記の各実施形態において制御部60は、特定画素が連続して存在する範囲の内側は蛍光色領域E1の一部とする、すなわち蛍光色領域E1内に文字が存在する場合、文字の画線部も蛍光色領域E1の一部としたが、蛍光色領域E1の決め方は様々である。例えば、文字の画線部を除いて蛍光色領域を特定してもよい。図20は、本変形例に係る、蛍光色領域E2の特定方法を説明するための図である。本変形例では、図6のスキャン画像の場合、同図に示す黒色の領域を蛍光色領域E2として特定する。つまり、本変形例では、蛍光色領域E1内の、特定画素が連続しない領域、すなわち文字の画線部に相当する画素を除いた蛍光色領域E2を特定する。この構成によれば、第2,第3実施形態で色変換処理を行う場合、蛍光色領域E2内の特定画素だけでなく、全ての画素を対象として色変換を行うことができる。また、第3実施形態の合成処理においては、蛍光色領域E1を特定する画像として、文字の画線部を太字にしたり色を変えたりした文字画像を合成することができる。
上記の各実施形態において制御部60は、特定画素が連続して存在する範囲の内側は蛍光色領域E1の一部とする、すなわち蛍光色領域E1内に文字が存在する場合、文字の画線部も蛍光色領域E1の一部としたが、蛍光色領域E1の決め方は様々である。例えば、文字の画線部を除いて蛍光色領域を特定してもよい。図20は、本変形例に係る、蛍光色領域E2の特定方法を説明するための図である。本変形例では、図6のスキャン画像の場合、同図に示す黒色の領域を蛍光色領域E2として特定する。つまり、本変形例では、蛍光色領域E1内の、特定画素が連続しない領域、すなわち文字の画線部に相当する画素を除いた蛍光色領域E2を特定する。この構成によれば、第2,第3実施形態で色変換処理を行う場合、蛍光色領域E2内の特定画素だけでなく、全ての画素を対象として色変換を行うことができる。また、第3実施形態の合成処理においては、蛍光色領域E1を特定する画像として、文字の画線部を太字にしたり色を変えたりした文字画像を合成することができる。
[変形例3]
上記の第1実施形態において画像処理部40は、スキャン画像中の蛍光色領域E1に対して第1正規化処理を行い、通常色領域に対して第2正規化処理を行ったが、スキャン画像中に特定画素が含まれる場合、スキャン画像全体に対して第1正規化処理を行い、スキャン画像中に特定画素が含まれない場合、スキャン画像全体に対して第2正規化処理を行ってもよい。つまり、スキャン画像中のどこかに特定画素が含まれる場合にスキャン画像全体を蛍光色領域E1としても良い。また、スキャン画像中に特定画素が含まれない場合、スキャン画像中に特定画素が含まれる場合より、スキャン画像中の全ての画素の画素値が大きくなるように、画素値を補正してもよい。また、スキャン画像中に特定画素が含まれない場合は、スキャン設定を第1設定とせず、白基準値を、カラーセンサー33の出力最大値に設定してもよい。
上記の第1実施形態において画像処理部40は、スキャン画像中の蛍光色領域E1に対して第1正規化処理を行い、通常色領域に対して第2正規化処理を行ったが、スキャン画像中に特定画素が含まれる場合、スキャン画像全体に対して第1正規化処理を行い、スキャン画像中に特定画素が含まれない場合、スキャン画像全体に対して第2正規化処理を行ってもよい。つまり、スキャン画像中のどこかに特定画素が含まれる場合にスキャン画像全体を蛍光色領域E1としても良い。また、スキャン画像中に特定画素が含まれない場合、スキャン画像中に特定画素が含まれる場合より、スキャン画像中の全ての画素の画素値が大きくなるように、画素値を補正してもよい。また、スキャン画像中に特定画素が含まれない場合は、スキャン設定を第1設定とせず、白基準値を、カラーセンサー33の出力最大値に設定してもよい。
また、さらなる変形例として、特定画素が含まれるか否かの判定を行わない構成としてもよい。この場合、白基準値を、カラーセンサー33の出力最大値の75%〜95%に設定し、カラーセンサー33の出力値を、正規化処理等を行うことなくそのまま使用して出力画像を生成してもよい。この構成によれば、通常色領域が若干暗い読取結果となってしまうが、特段の画像処理を行うことなく、蛍光色の再現性を改善することができる。
[変形例4]
上記の第1実施形態において制御部60は、第2正規化処理において、白基準値を基準値としたが、必ずしも白基準値でなくてもよく、白基準値に基づく値、例えば白基準値に所定値を加算、減算または乗算した値を基準値としてもよい。
上記の第1実施形態において制御部60は、第2正規化処理において、白基準値を基準値としたが、必ずしも白基準値でなくてもよく、白基準値に基づく値、例えば白基準値に所定値を加算、減算または乗算した値を基準値としてもよい。
また、第1正規化処理では、蛍光色領域E1内の最大画素値を第1基準値として設定したが、必ずしも最大画素値でなくてもよく、白基準値よりも大きい値であれば第1基準値として設定可能である。例えば、蛍光色領域E1内の最大画素値より大きい値を第1基準値として設定してもよい。
また、さらなる変形例として、第1正規化処理において、蛍光色領域E1内の最大画素値が「2n−1」となるように第1基準値を設定してもよい。この構成によれば、第1正規化処理を、ビットシフト演算により簡単な処理とすることができる。
[変形例5]
上記の第1実施形態において画像処理部40は、線形変換により正規化処理を行ったが、線形変換以外の方法で正規化処理を行ってもよい。つまり、第1基準値または白基準値を最大値として、画素値を一定の規則に基づいて補正することにより正規化処理をおこなってもよい。
上記の第1実施形態において画像処理部40は、線形変換により正規化処理を行ったが、線形変換以外の方法で正規化処理を行ってもよい。つまり、第1基準値または白基準値を最大値として、画素値を一定の規則に基づいて補正することにより正規化処理をおこなってもよい。
[変形例6]
上記の第1実施形態において制御部60は、スキャン画像中に複数の蛍光色領域E1が含まれる場合、蛍光色領域E1ごとに第1基準値を設定したが、スキャン画像中に含まれる全ての蛍光色領域E1で共通の第1基準値を設定してもよい。また、原稿Sが単票紙の場合、単票紙1枚分のスキャン画像に含まれる蛍光色領域E1で共通の第1基準値を設定してもよい。
上記の第1実施形態において制御部60は、スキャン画像中に複数の蛍光色領域E1が含まれる場合、蛍光色領域E1ごとに第1基準値を設定したが、スキャン画像中に含まれる全ての蛍光色領域E1で共通の第1基準値を設定してもよい。また、原稿Sが単票紙の場合、単票紙1枚分のスキャン画像に含まれる蛍光色領域E1で共通の第1基準値を設定してもよい。
[変形例7]
また、上記の第2,第3実施形態において制御部60は、カラー設定に関わらず同様に処理したが、カラー設定「モノクロ」の場合に、蛍光色領域E1を特定する情報を出力画像に付加したり、蛍光色領域E1を特定する画像をスキャン画像に合成したりし、カラー設定の場合は、これらの処理を行わない構成でもよい。
また、上記の第2,第3実施形態において制御部60は、カラー設定に関わらず同様に処理したが、カラー設定「モノクロ」の場合に、蛍光色領域E1を特定する情報を出力画像に付加したり、蛍光色領域E1を特定する画像をスキャン画像に合成したりし、カラー設定の場合は、これらの処理を行わない構成でもよい。
[変形例8]
上記の各実施形態において画像読取部30は、カラーセンサー33上にカラーフィルターを配置して白色光源31で画像を読み取るカラーセンサー方式を用いたが、光源の色を切り替えながら画像を読み取る光源色切り替え方式など、他の読取方式を用いてもよい。
上記の各実施形態において画像読取部30は、カラーセンサー33上にカラーフィルターを配置して白色光源31で画像を読み取るカラーセンサー方式を用いたが、光源の色を切り替えながら画像を読み取る光源色切り替え方式など、他の読取方式を用いてもよい。
[変形例9]
上記の各実施形態では、画像を出力するスキャナー機能のみを備えた画像読取装置1を例示したが、印刷出力を行うプリント機能や、FAX出力を行うファクシミリ機能や、ファイルを外部メモリに出力する外部メモリ機能や、表示出力を行うディスプレーを備えた複合機に、本発明の画像読取装置を適用してもよい。また、スキャナーとしては、原稿Sを搬送しながらスキャニングするシートフィードスキャナーではなく、原稿台に載置された原稿Sを読み取るフラットベッドタイプのスキャナーを用いてもよい。また、スキャナー以外の撮像装置や、カメラ機能内蔵の携帯情報端末に、本発明の画像読取装置を適用してもよい。
上記の各実施形態では、画像を出力するスキャナー機能のみを備えた画像読取装置1を例示したが、印刷出力を行うプリント機能や、FAX出力を行うファクシミリ機能や、ファイルを外部メモリに出力する外部メモリ機能や、表示出力を行うディスプレーを備えた複合機に、本発明の画像読取装置を適用してもよい。また、スキャナーとしては、原稿Sを搬送しながらスキャニングするシートフィードスキャナーではなく、原稿台に載置された原稿Sを読み取るフラットベッドタイプのスキャナーを用いてもよい。また、スキャナー以外の撮像装置や、カメラ機能内蔵の携帯情報端末に、本発明の画像読取装置を適用してもよい。
[その他の変形例]
上記の各実施形態および各変形例に示した画像読取装置1の各処理を実行する方法、画像読取装置1の各処理を実行するためのプログラム、またそのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれる。その他、上記の各実施形態および各変形例を組み合わせた構成とするなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
上記の各実施形態および各変形例に示した画像読取装置1の各処理を実行する方法、画像読取装置1の各処理を実行するためのプログラム、またそのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれる。その他、上記の各実施形態および各変形例を組み合わせた構成とするなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
1…画像読取装置、10…搬送部、14…給紙モーター、15…上流側搬送モーター、16…下流側搬送モーター、20…紙検出部、21…原稿センサー、22…紙送りセンサー、30…画像読取部、31…白色光源、32…レンズアレイ、33…カラーセンサー、34…A/D変換部、40…画像処理部、50…出力部、60…制御部、100…外部装置
Claims (5)
- 原稿を読み取り、スキャン画像を取得する取得工程と、
前記スキャン画像中の、白基準値よりも大きい画素値の画素である特定画素を含む第1領域を特定する特定工程と、
前記スキャン画像に対し、前記第1領域を特定する画像を合成する合成処理を行うことにより出力画像を生成する生成工程と、を備えたことを特徴とする画像読取装置の出力画像生成方法。 - 前記生成工程において、前記スキャン画像中の前記第1領域に、前記第1領域を特定する画像を合成することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置の出力画像生成方法。
- 前記第1領域を特定する画像は、前記第1領域を囲む囲み線であることを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置の出力画像生成方法。
- 前記生成工程において、前記スキャン画像に対し、前記第1領域内の前記特定画素の色を、前記第1領域の周辺画素に基づく色に変換する色変換処理を行うことにより前記出力画像を生成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像読取装置の出力画像生成方法。
- 原稿を読み取り、スキャン画像を取得する取得部と、
前記スキャン画像中の、白基準値よりも大きい画素値の画素である特定画素を含む第1領域を特定する特定部と、
前記スキャン画像に対し、前記第1領域を特定する画像を合成する合成処理を行うことにより出力画像を生成する生成部と、を備えたことを特徴とする画像読取装置。
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