JP2019194703A - 透明遮熱断熱部材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
上記中屈折率層では、波長550nmの光の屈折率が1.45〜1.55の範囲に設定され、上記屈折率は1.43〜1.53の範囲であることがより好ましい。また、上記中屈折率層の厚みは、80〜200nmの範囲に設定され、上記厚みは90〜180nmの範囲であることがより好ましい。上記中屈折率層の厚みが80nmを下回ると赤外線反射層との密着性の低下につながるおそれがあり、上記厚みが200nmを超えると赤外線領域の光の吸収が大きくなるおそれがあるため好ましくない。
上記高屈折率層では、波長550nmの光の屈折率が1.65〜1.95の範囲に設定され、上記屈折率は1.70〜1.90の範囲であることがより好ましい。また、上記高屈折率層の厚みは、100〜350nmの範囲に設定され、上記厚みは120〜300nmの範囲であることが好ましい。上記高屈折率層の厚みが100nmを下回るとフィルム表面の耐擦傷性といった物理特性が低下する懸念があり、上記厚みが350nmを超えると、上記高屈折率層が無機微粒子を大量に含有する場合に赤外線領域での光の吸収が大きくなり、熱貫流率の低下をもたらす可能性があるため好ましくない。
上記低屈折率層では、波長550nmの光の屈折率が1.30〜1.45の範囲に設定され、上記屈折率は1.35〜1.43の範囲であることがより好ましい。また、上記低屈折率層の厚みは、70〜150nmの範囲に設定され、上記厚みは80〜130nmの範囲であることが好ましい。上記低屈折率層の厚みが70〜150nmの範囲を外れると可視光線領域の反射スペクトルのリップルの大きさが大きくなり、虹彩模様が目立ちやすくなるだけでなく視野角によって反射色の変化が大きくなり、外観として問題となり得る可能性がある。
上記中屈折率層、上記高屈折率層及び上記低屈折率層からなる上記保護層のトータル厚みは250〜700nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは300〜600nmの範囲である。上記トータル厚みが250nmを下回ると耐擦傷性や腐食性といった物理特性が低下する懸念があり、上記トータル厚みが700nmを超えると赤外線の吸収が大きくなり、断熱性の低下につながる可能性があり好ましくない。また、上記トータル厚みが上記範囲内であれば、JIS R3106に基づく機能層側の垂直放射率が0.2以下となり、断熱性能を十分に発現できる。
上記赤外線反射層は、導電性積層膜から構成されていることが好ましく、更に上記導電性積層膜は、可視光線領域の透過率を向上させる目的で、少なくとも上記透明基材側から金属酸化物層と、銀、銅、金、アルミニウム等の金属により形成される金属層と、上記金属酸化物層とをこの順に備えていることが好ましい。
本発明の透明遮熱断熱部材を構成する透明基材としては、透光性を有する材料で形成されていれば特に限定されない。上記透明基材としては、例えば、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート等)、脂環式ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、セルロース系樹脂(例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等)、ノルボルネン系樹脂等の樹脂を、フィルム状又はシート状に加工したものを用いることができる。上記樹脂をフィルム状又はシート状に加工する方法としては、押し出し成形法、カレンダー成形法、圧縮成形法、射出成形法、上記樹脂を溶剤に溶解させてキャスティングする方法等が挙げられる。上記樹脂には、酸化防止剤、難燃剤、耐熱防止剤、紫外線吸収剤、易滑剤、帯電防止剤等の添加剤を添加してもよい。上記透明基材の厚みは、例えば、10〜500μmであり、加工性、コスト面を考慮すると25〜125μmが好ましい。
本発明の透明遮熱断熱部材は、その透明性を損なわなければ、上記赤外線反射層が形成されていない側の上記透明基材の上にコレステリック液晶ポリマー層を更に形成してもよい。これにより、本発明の透明遮熱断熱部材の遮熱機能をより向上させることができる。
上記コレステリック液晶ポリマー層の形成には、重合性官能基を有する液晶化合物を用いる。上記液晶化合物としては、例えば、「液晶の基礎と応用」(松本正一、角田市良 共著;工業調査会)第8章に記載されているような公知の化合物を用いることができる。
上記コレステリック液晶ポリマー層の形成に用いられる重合性官能基を有するキラル剤としては、上記液晶化合物との相溶性が良好で、且つ、溶剤に溶解可能なものであれば、特に構造についての制限はなく、従来の重合性官能基を有するキラル剤を用いることができる。
上記コレステリック液晶ポリマー層の形成に用いられる上記多官能アクリレート化合物としては、上記液晶化合物及び上記キラル剤との相溶性が良好で、コレステリック液晶ポリマー層の配向性を乱さないものであれば、適宜使用可能である。
本発明の透明遮熱断熱部材は、上記保護層の反対側に粘着剤層を配置することが好ましい。これにより、本発明の透明遮熱断熱部材をガラス基板等に容易に貼り付けることができる。上記粘着剤層の材料としては、例えば、アクリル系、ポリエステル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系等の樹脂を使用できる。また、上記粘着剤層の厚さは、10〜100μmとすればよいが、より好ましくは15〜50μmである。
本発明の透明遮熱断熱部材は、JIS A5759に準拠する1000時間の耐候性試験を行っても、上記保護層が、JIS D0202−1998に準拠する碁盤目密着性試験において剥離が認められない。
以下の実施例・比較例にて記載した中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の屈折率については、下記に示す方法にて測定した。
以下の実施例・比較例にて記載した中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の膜厚については、透明基材の赤外線反射層及び保護層が形成されていない面側に黒色テープを貼り、瞬間マルチ測光システム“MCPD−3000”(大塚電子社製)により、各層ごとに反射スペクトルを測定し、得られた反射スペクトルから、上記屈折率の測定により求めた屈折率を用いて、最適化法によるフィッティングを行い各層の膜厚を求めた。
<赤外線反射層付き透明基材の作製>
先ず、透明基材として前述のPETフィルム“A4100”を用い、上記PETフィルムの易接着処理面側に、厚さ30nmのITO(酸化インジウムスズ)層、厚さ12nmの銀層、厚さ30nmのITO層からなる三層構造の導電性積層膜(赤外線反射層)をスパッタリングにより形成し、赤外線反射層付き透明基材を作製した。上記赤外線反射層付き透明基材の赤外線反射層側の反射スペクトルを参考例として図3に示す。図3から、参考例の反射スペクトルには、山と谷の大きなうねり(リップル)は認められないことが分かる。
東洋紡社製の変性ポリオレフィン樹脂溶液“ハードレンNS−2002”(商品名、酸変性タイプ、固形分濃度20質量%、屈折率1.51)10部と、希釈溶剤としてメチルシクロヘキサン80部及びメチルイソブチルケトン20部とをディスパーにて混合し、中屈折率塗料Aを作製した。次に、上記中屈折率塗料Aを、マイクログラビアコータ(廉井精機社製)を用いて上記赤外線反射層の上に乾燥後の厚さが130nmになるよう塗工し、乾燥することにより、上記赤外線反射層の上に厚さ130nmの中屈折率層を形成した。
石原産業社製の酸化チタン超微粒子“TTO−55(A)”(商品名)30部と、共栄社化学社製のジメチルアミノエチルメタクリレート“ライトエステルDM”(商品名)1部と、日本化薬社製のリン酸基含有メタクリレート“KAYAMER PM−21”(商品名)4部と、シクロヘキサノン65部とを混合して混合液を調製した。この混合液に直径0.3mmのジルコニアビーズを加えて、ペイントコンディショナー(東洋精機社製)を用いて分散処理し、酸化チタン超微粒子分散体を調製した。この酸化チタン超微粒子分散体に、日本化薬社製のウレタン変性アクリレート系樹脂“DPHA−40H”(商品名)15部と、BASF社製の光重合開始剤“イルガキュア184”(商品名)1部と、メチルイソブチルケトン600部とを添加して高屈折率塗料Aを作製した。作製した高屈折率塗料Aの屈折率を前述の方法で測定したところ1.80であった。
日揮触媒化成社製の中空シリカ含有低屈折率塗料“ELCOM P−5062”(商品名、固形分濃度3質量%、屈折率1.38)を低屈折率塗料Aとして用い、上記低屈折率塗料Aを、上記マイクログラビアコータを用いて上記高屈折率層の上に乾燥後の厚さが100nmになるよう塗工し、乾燥させた後、高圧水銀灯にて300mJ/cm2の光量の紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ100nmの低屈折率層を形成した。
先ず、片面がシリコーン処理された中本パックス社製のPETフィルム“NS−38+A”(商品名、厚さ:38μm)を用意した。また、綜研化学社製のアクリル系粘着剤“SKダイン2094”(商品名、固形分:25質量%)100部に対して、和光純薬社製の紫外線吸収剤(ベンゾフェノン)1.25部及び綜研化学社製の架橋剤“E−AX”(商品名、固形分:5%)0.27部を添加し、ディスパーにて混合して粘着剤塗料を調製した。
先ず、ガラス基板として、厚さ3mmのフロートガラス(日本板硝子社製)を用意した。次に、上記粘着剤層付き赤外線反射フィルムからPETフィルムを剥離して、上記粘着剤層付き赤外線反射フィルムの粘着剤層側を上記フロートガラスに貼り合せた。
堺化学社製の酸化ジルコニウム分散液“SZR−K”(商品名、固形分濃度:30質量%)100部と、日本化薬社製のウレタン変性アクリレート系樹脂“DPHA−40H”(商品名)7.5部と、BASF社製の光重合開始剤“イルガキュア184”(商品名)0.3部とを、ディスパーにて混合して高屈折率塗料Bを作製した。作製した高屈折率塗料Bの屈折率を前述の方法で測定したところ1.74であった。次に、上記高屈折率塗料Bを用いた以外は、実施例1と同様にして保護層付赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。
実施例1の高屈折率塗料Aにおいて、ウレタン変性アクリレート系樹脂“DPHA−40H”の添加量を7.5部に変更した以外は実施例1と同様にして、高屈折率塗料Cを作製した。作製した高屈折率塗料Cの屈折率を前述の方法で測定したところ1.90であった。次に、上記高屈折率塗料Cを用いた以外は、実施例1と同様にして保護層付赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。
表面がアクリル基で修飾されたシーアイ化成社製のフッ化マグネシウムスラリー“MFDNB15WT%−G37”(商品名)40部と、共栄社化学社製のペンタエリスリトールトリアクリレート“PE−3A”(商品名)10部と、ダイキン工業社製の光硬化性フッ素樹脂“AR−100”(商品名)50部と、BASF社製の光重合開始剤“イルガキュア907”(商品名)5部と、メチルイソブチルケトン1330部とをディスパーにて混合して低屈折率塗料Bを作製した。作製した低屈折率塗料Bの屈折率を前述の方法で測定したところ1.40であった。次に、上記低屈折率塗料Bを使用した以外は、実施例1と同様にして保護層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。
共栄社化学社製のペンタエリスリトールトリアクリレート“PE−3A”(商品名)9.5部と、日本化薬社製のリン酸基含有メタクリレート“KAYAMER PM−21”(商品名)0.5部と、BASF社製の光重合開始剤“イルガキュア184”(商品名)0.3部と、メチルイソブチルケトン490部とをディスパーにて混合して、中屈折率塗料Bを作製した。作製した中屈折率塗料Bの屈折率を前述の方法で測定したところ1.50であった。
中屈折率層の厚みを80nmとし、高屈折率層の厚みを100nmとした以外は、実施例1と同様にして保護層付赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。
高屈折率層の厚みを210nmとし、低屈折率層の厚みを150nmとした以外は、実施例1と同様にして保護層付赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。
中屈折率層の厚みを80nmとし、低屈折率層の厚みを120nmとした以外は、実施例1と同様にして保護層付赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。
実施例1の保護層形成後に透明基材の保護層とは反対面側(PETフィルムの易接着未処理面側)に下記のとおりコレステリック液晶ポリマー層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして保護層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。
下記材料を攪拌して混合し、コレステリック液晶ポリマー塗料を調製した。
(1)重合性官能基を有する液晶化合物I(ADEKA社製、高融点液晶化合物、商品名“PLC−7700”、融点:90℃):86.4部
(2)重合性官能基を有する液晶化合物II(ADEKA社製、低融点液晶化合物、商品名“PLC−8100”、融点:65℃):9.6部
(3)キラル剤(ADEKA社製、右旋光性キラル剤、商品名“CNL−715”):4.0部
(4)多官能アクリレート化合物(共栄社化学製、商品名“ライトアクリレートPE−3A”):1.5部
(5)光重合開始剤(BASF社製、商品名“イルガキュア819”):3.0部
(6)溶剤(シクロヘキサノン):464部
透明基材として前述のPETフィルム“A4100”を用い、上記PETフィルムの易接着処理面側に、厚さ30nmのZnO(酸化亜鉛)層、厚さ12nmの銀層、厚さ30nmのZnO層からなる三層構造の導電性積層膜(赤外線反射層)をスパッタリングにより形成し、赤外線反射層付き透明基材を作製した以外は、実施例1と同様にして保護層付赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。
実施例1と同様にして中屈折率塗料Aを用いて厚み130nmの第1中屈折率層を形成した。次に、実施例2で用いたウレタン変性アクリレート樹脂“DPHA−40H”20部と、実施例2で用いた光重合開始剤“イルガキュア184”0.4部と、メチルイソブチルケトン80部とを、ディスパーにて混合して中屈折率塗料Cを作製した。作製した中屈折率塗料Cの屈折率を前述の方法で測定したところ1.52であった。その後、上記第1中屈折率層の上に上記中屈折率塗料Cを乾燥後の厚さが0.7μmになるよう塗工し、乾燥させた後、高圧水銀灯にて300mJ/cm2の光量の紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ0.7μmの第2中屈折率層を形成した。上記のように第1中屈折率層及び第2屈折率層を形成した以外は、実施例1と同様にして保護層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。
中屈折率層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして保護層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。
高屈折率層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして保護層付赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。
赤外線反射層の上に、実施例1と同様にして高屈折率塗料Aを用いて厚み300nmの高屈折率層を形成し、上記高屈折率層の上に、実施例1と同様にして中屈折率塗料Aを用いて厚み130nmの中屈折率層を形成し、上記中屈折率層の上に、実施例1と同様にして低屈折率塗料Aを用いて厚み100nmの低屈折率層を形成した以外は、実施例1と同様にして保護層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。
赤外線反射層の上に、実施例1と同様にして中屈折率塗料Aを用いて厚み130nmの中屈折率層を形成し、上記中屈折率層の上に、実施例1と同様にして低屈折率塗料Aを用いて厚み100nmの低屈折率層を形成し、上記低屈折率層の上に、実施例1と同様にして高屈折率塗料Aを用いて厚み300nmの高屈折率層を形成した以外は、実施例1と同様にして保護層付き赤外線反射フィルムを作製してガラス基板に貼り合わせた。
上記実施例1〜10及び上記比較例1〜5に関して、ガラス基板に貼り付けた状態での保護層付き赤外線反射フィルムの可視光線透過率、ヘーズ、垂直放射率、遮蔽係数、熱貫流率を以下のように測定し、また、保護層の初期密着性、耐候性試験後の密着性及び耐擦傷性を評価し、更に保護層付き赤外線反射フィルムの外観として虹彩性及び角度依存性を観察した。
ガラス基板側を入射光側として、380〜780nmの範囲において日本分光社製の紫外可視近赤外分光光度計“Ubest V−570型”(商品名)を用いて分光透過率を測定し、JIS A5759に基づき、ガラス基板に貼り付けた状態での可視光線透過率を算出した。
ガラス基板側を入射光側として、日本電色社製のヘーズメーター“NDH−2000”(商品名)を用いて、JIS K7136に基づきヘーズ値を測定した。
島津製作所製の赤外分光光度計“IR Prestige21”(商品名)に正反射測定用アタッチメントを取り付け、保護層付き赤外線反射フィルムの保護層側について分光反射率を5〜25.2μmの範囲において測定し、JIS R3106に基づき垂直放射率を求めた。
ガラス基板側を入射光側として、300〜2500nmの範囲において上記紫外可視近赤外分光光度計“Ubest V−570型”を用いて分光透過率及び分光反射率を測定し、これに基づきJIS A5759に準拠して日射透過率及び日射反射率を求め、JIS R3106に準拠して垂直放射率を求め、その日射透過率、日射反射率及び垂直放射率の値からガラス基板に貼り付けた状態での保護層付き赤外線反射フィルムの遮蔽係数を求めた。
上記赤外分光光度計“IR Prestige21”に正反射測定用アタッチメントを取り付け、保護層付き赤外線反射フィルムの保護層側及びガラス基板側の分光反射率を5〜25.2μmの範囲において測定し、これに基づきJIS R3106に準拠して保護層付き赤外線反射フィルムの保護層側及びガラス基板側の垂直放射率を求め、これに基づきJIS A5759に準拠して保護層付き赤外線反射フィルムの熱貫流率を求めた。
保護層付き赤外線反射フィルムの保護層側についてJIS D0202−1988に準拠して碁盤目テープ剥離試験を行った。具体的にはニチバン社製のセロハンテープ“CT24”(商品名)を用い、指の腹で上記保護層に密着させた後に剥離して密着性を評価した。その評価は100個のマスの内、剥離しないマス目の数で表し、保護層が全く剥離しない場合を100/100、保護層が完全に剥離する場合を0/100として表した。
保護層付き赤外線反射フィルムについて、JIS A5759に準拠して1000時間サンシャインカーボンアーク灯を照射する耐候性試験を行った後、上記初期密着性と同様にして密着性を評価した。
保護層付き赤外線反射フィルムの保護層上にボンスター社製のスチールウール(#0000)を配置し、250g/cm2の荷重をかけた状態で、スチールウールを10往復させた後、保護層の表面の状態を目視にて観察して、以下の3段階で評価した。
A:傷が全くつかなかった場合
B:傷が数本(5本以下)確認された場合
C:傷が多数確認された場合
保護層付き赤外線反射フィルムの外観について保護層側から3波長蛍光灯下で目視にて観察し、以下の3段階で評価した。
A:虹彩模様がほとんど確認されず、角度を変えて観察しても反射色の変化がほとんど見られない場合
B:虹彩模様がわずかに確認でき、角度を変えて観察するとわずかに反射色の変化が見える場合
C:虹彩模様が明らかに確認でき、角度を変えて観察すると明らかに反射色が変化して見える場合
保護層付赤外線反射フィルムの外観について保護層側から3波長蛍光灯下にて目視にて観察し、正面から確認した際と観察する角度を変えて確認した際の反射色の状態を以下の3段階で評価した。
A:正面から観察した際と角度を変えて観察した際の反射色の違いが色変化としてほとんど見られない場合
B:正面から観察した際と角度を変えて観察した際の反射色の違いが色変化としてわずかに感じられる場合
C:正面から観察した際と角度を変えて観察した際の反射色の違いが色変化として明らかに確認できる場合
11 透明基材
12 赤外線反射層
13 中屈折率層
14 高屈折率層
15 低屈折率層
16 粘着剤層
17 コレステリック液晶ポリマー層
18 保護層
19 機能層
Claims (9)
- 透明基材と、前記透明基材の上に形成された機能層とを含む透明遮熱断熱部材であって、
前記機能層は、前記透明基材側から赤外線反射層及び保護層をこの順に含み、
前記保護層は、前記赤外線反射層側から中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層をこの順で含み、
前記赤外線反射層は、金属酸化物層と金属層とを含み、
前記中屈折率層は、波長550nmの光の屈折率が1.45〜1.55であり、厚みが80〜200nmであり、
前記高屈折率層は、波長550nmの光の屈折率が1.65〜1.95であり、厚みが100〜350nmであり、
前記低屈折率層は、波長550nmの光の屈折率が1.30〜1.45であり、厚みが70〜150nmであり、
前記機能層側のJIS R3106に基づく垂直放射率が、0.2以下であることを特徴とする透明遮熱断熱部材。 - 前記高屈折率層が、樹脂と無機微粒子とからなる請求項1に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記低屈折率層が、樹脂と無機微粒子とからなり、前記無機微粒子が中空シリカを含む請求項1又は2に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記中屈折率層が、酸基を有する変性ポリオレフィン樹脂からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記赤外線反射層は、金属酸化物層と、金属層と、金属酸化物層とをこの順に含む導電性積層膜からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。
- JIS A5759に準拠する1000時間の耐候性試験の後において、前記保護層が、JIS D0202−1998に準拠する碁盤目密着性試験において剥離がない請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記赤外線反射層が形成されていない側の前記透明基材の上にコレステリック液晶ポリマー層が更に形成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材。
- 前記コレステリック液晶ポリマー層は、重合性官能基を有する液晶化合物と、重合性官能基を有するキラル剤と、多官能アクリレート化合物とを含む材料を光重合させて形成されたものである請求項7に記載の透明遮熱断熱部材。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の透明遮熱断熱部材の製造方法であって、
透明基材の上に赤外線反射層を形成する工程と、
前記赤外線反射層の上に、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層をこの順にウェットコーティング法にて形成する工程とを含むことを特徴とする透明遮熱断熱部材の製造方法。
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JP2007118227A (ja) | 減反射性近赤外線吸収材及びそれを用いた電子画像表示装置 |
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