JP2019193202A - 片方向通信装置、片方向通信方法および片方向通信プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】動作異常に起因して伝送できなかった伝送データの再送信に要する作業負担を低減し、より効率的にデータの再送信が可能な片方向通信技術を提供する。【解決手段】片方向通信装置10Aは、上流システム1と、上流システムに求められるセキュリティ度よりもセキュリティ度が低い下流システム2との間に設置され、上流システムから下流システムへの片方向にデータを伝送する装置であり、下流システム側へ伝送する伝送データの伝送管理情報を生成し、生成した伝送管理情報と伝送データとを記憶部23に保存する一方、通信可能に接続される上流システムから下流システム側へ伝送データを伝送管理情報とともに片方向通信路15を介して伝送する送信処理手段20Aと、送信処理手段から受信したデータのうち伝送データを通信可能に接続される下流システムへ伝送する受信処理手段50Aとを具備する。【選択図】 図2
Description
本発明は、片方向通信装置、片方向通信方法および片方向通信プログラムに関する。
複数の計算機がネットワークで接続されて構成される一般的なネットワークシステムでは、必要に応じて情報の授受が双方向に行われている。
一方、プラント監視制御システム等のように、より高いセキュリティ度が求められるネットワークシステムでは、セキュリティ対策を目的として、片方向通信装置を組み込んで通信網が構築されることがある。片方向通信装置とは、送信装置と、受信装置と、送信装置と受信装置とを送信装置側から受信装置側への一方向のみに通信方向を限定して通信する、すなわちデータ受信装置側からデータ送信装置側への逆方向へ通信が物理的および電気的に遮断されて通信不可な一方向通信路とを備える通信装置である。
より高いセキュリティ度が求められる上流システムと上流システムに対して求められるセキュリティ度が低い下流システムとをネットワークで接続して構成されるネットワークシステムでは、片方向通信装置を組み込むことによって、上流システムと下流システムとの間を物理的に遮断することができ、下流システム側から上流システムへのデータの流れを完全に遮断することができる。
このような片方向通信装置を適用したネットワークシステムは、公衆通信網側から上流システムに仕掛けられるウイルス攻撃やハッキングに対して、より強い防御力を発揮することができる。
片方向通信装置および片方向通信装置を適用したネットワークシステムでは、上流システムと下流システムとの間が物理的および電気的に遮断されているため、上流システムのウイルス攻撃やハッキングに対する防御力を高められる利点がある。
その一方で、下流システム側から上流システム側(逆方向)への通信ができないため、上流システムと下流システムとの間で双方向通信が可能なネットワークシステムとは異なり、下流側から上流側への通信を伴う処理ができないという弊害もある。
下流側から上流側への通信を伴う処理とは、例えば下流システムのデータ受信失敗を上流側が検出する処理や、下流側からの問い合わせに応じて上流側の状態を下流側へ送信する処理等がある。
上記課題に対する従来技術として、下流システム側での受信結果を示す情報をハードワイヤードを介して上流システム側にフィードバックすることで、下流システム側の動作異常を上流システム側で検出または判断が可能に構成したものがある。
しかしながら、下流システム側の動作異常を上流システム側で検出可能な片方向通信装置およびそのネットワークシステムであっても、上流システム側では、下流システム側の動作異常が検出された場合、伝送ログ等を調査して動作異常が検出された下流システム側の動作異常に起因して伝送できなかった伝送データを確認した後、上流システム側から再度伝送(再送信)することが必要となる。
つまり、従来の片方向通信装置およびそのネットワークシステムでは、下流システム側の動作異常に起因してデータの伝送が出来なかった事象が生じた場合、上流システム側において、データを再送信(以下、「再送」とする。)するために伝送ログ調査等の煩雑な作業が生じ、時間がかかる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、片方向通信が下流から上流への通信を伴う処理ができないことによるデメリットを、過大な作業負担等を伴うことなく解消できる片方向通信装置、片方向通信方法および片方向通信プログラムを提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る片方向通信装置は、上述した課題を解決するため、データ送信元となる上流システムと、前記上流システムに求められるセキュリティ度よりもセキュリティ度が低いデータ受信先となる下流システムとの間に設置され、前記上流システムから前記下流システムへ向かう順方向にデータ伝送する片方向通信路を介して前記順方向の片方向通信をする片方向通信装置であって、前記上流システムと通信可能に接続され、下流システム側へ伝送する前記片方向通信路の識別情報、データ伝送の識別情報および伝送する伝送データの識別情報を含む伝送管理情報を生成し、生成した伝送管理情報と、前記伝送データとを読み出し可能な記憶領域に保存する一方、前記上流システムから前記下流システムへ前記伝送データを前記伝送管理情報とともに前記片方向通信路を介して伝送する送信処理手段と、前記下流システムと通信可能に接続され、前記送信処理手段から受信したデータのうち前記伝送データを前記下流システムへ伝送する受信処理手段とを具備することを特徴とする。
本発明の実施形態に係る片方向通信方法は、上述した課題を解決するため、データ送信元となる上流システムが設置される上流側と通信可能に接続される一方、前記上流システムに求められるセキュリティ度よりもセキュリティ度が低いデータ受信先となる下流システムが設置される下流側とは前記上流側から前記下流側へ向かう順方向にデータ伝送する片方向通信路を介して接続される送信処理手段と、前記下流システムと通信可能に接続される一方、前記送信処理手段から受信したデータのうち前記伝送データを前記下流システムへ伝送する受信処理手段とを具備する片方向通信装置を用いた片方向通信方法であって、前記送信処理手段が下流システム側へ前記伝送データを伝送する前記片方向通信路の識別情報、データ伝送の識別情報および伝送する前記伝送データの識別情報を含む伝送管理情報を生成し、生成した伝送管理情報と、前記伝送データとを読み出し可能な記憶領域に保存する一方、前記上流システムから前記下流システムへ前記伝送データを前記伝送管理情報とともに前記片方向通信路を介して伝送するステップを含むことを特徴とする。
本発明の実施形態に係る片方向通信プログラムは、上述した課題を解決するため、コンピュータを、データ送信元となる上流システムが設置される上流側と通信可能に接続される一方、前記上流システムに求められるセキュリティ度よりもセキュリティ度が低いデータ受信先となる下流システムが設置される下流側とは前記上流側から前記下流側へ向かう順方向にデータ伝送する片方向通信路を介して接続される送信処理手段と、前記下流システムと通信可能に接続される一方、前記送信処理手段から受信したデータのうち前記伝送データを前記下流システムへ伝送する受信処理手段とを具備する片方向通信装置として機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、下流システム側へ前記伝送データを伝送する前記片方向通信路の識別情報、データ伝送の識別情報および伝送する前記伝送データの識別情報を含む伝送管理情報を生成し、生成した伝送管理情報と、前記伝送データとを読み出し可能な記憶領域に保存する一方、前記上流システムから前記下流システムへ前記伝送データを前記伝送管理情報とともに前記片方向通信路を介して伝送する機能を有する前記送信処理手段として機能させることを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、片方向通信が下流から上流への通信を伴う処理ができないことによるデメリットを、過大な作業負担等を伴うことなく解消できる。
以下、本発明の実施形態に係る片方向通信装置、片方向通信方法および片方向通信プログラムを添付図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態において、伝送とは、電気的な情報を他の要素に送り伝えることの意味であり、データの変換の有無は問わない。すなわち、本実施形態中では、データの変換を伴う狭義の意味ではなく、いわゆる転送の概念も含む広義の意味で伝送という用語を使用している。
また、実施形態に係る片方向通信プログラムとは、実施形態に係る片方向通信装置としてコンピュータを機能させるプログラム、すなわち実施形態に係る片方向通信装置が有する各機能をコンピュータに実現するプログラムまたは実施形態に係る片方向通信装置が実行する各処理手順をコンピュータに実行させるプログラムである。
実施形態に係る片方向通信プログラムは、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記憶回路を有する記憶媒体に書き込んでプロセッサを有する各種装置に適用したり、通信媒体により伝送して各種装置に適用することができる。
図1は、実施形態に係る片方向通信装置の一例である片方向通信装置10(10A〜10C)を具備するネットワークシステム(以下、「片方向通信システム」とする。)80(80A〜80C)の構成を示す概略図である。
片方向通信システム80は、例えば、セキュリティ度が高い上流システム1と上流システム1に対してセキュリティ度が低い下流システム2とが片方向通信装置10を介して接続されるコンピュータネットワークシステムである。
上流システム1は、例えば、複数であるn台の計算機(コンピュータ)3−1〜3−nがネットワーク4を介して接続されている。
下流システム2は、例えば、複数であるm台の計算機(コンピュータ)5−1〜5−mがネットワーク6を介して接続されている。
片方向通信装置10は、上流システム1と下流システム2との間に設けられ、上流システム1および下流システム2間の通信を、上流から下流(上流システム1側から下流システム2側)へ向かう方向(順方向)の一方向に限定する。
片方向通信装置10は、例えば、上流システム1とデータの送受信が可能に接続される送信サーバ11と、下流システム2とデータの送受信が可能に接続される受信サーバ12と、送信サーバ11から受信サーバ12へのデータ伝送を可能に接続する送信機13および受信機14とを備えて構成される。
送信機13と受信機14とは、物理的に隔てられて配設されており、例えば、光デバイスを採用した光通信による送信機13から受信機14への片方向通信が確立されている。換言すれば、片方向通信装置10において、送信機13と受信機14との間は、物理的および電気的には遮断されている一方で、光通信等の片方向通信を行う片方向通信路15を介して送信機13側から受信機14側へ向かう方向(以下、「順方向」とする。)へのデータ伝送は可能に構成される。
故に、片方向通信システム80において、上流システム1と下流システム2とは、物理的および電気的には遮断されつつも、送信機13側から受信機14側へ向かう一方向(順方向)のデータ伝送可能な片方向通信路15を有する片方向通信装置10を介して、上流システム1から下流システム2へ向かう一方向(順方向)のデータ伝送(片方向通信)可能に接続されている。
送信サーバ11および受信サーバ12にそれぞれ接続される保守コンソール16および17は、主にサーバの保守や点検のための指令をサーバに入力する機能と、指令に対するサーバ内での演算結果(処理結果)を出力する機能とを有し、サーバの保守や点検の際に操作される。
受信サーバ12に接続される警報出力部18は、例えば、受信サーバ12が送信サーバ11からデータを受信できなかった場合、または受信サーバ12内での伝送処理が正常に行われなかった場合等、受信サーバ12内で生じた異常が検出された場合に当該異常を報知するための警報を出力する。
なお、図1に示される片方向通信システム80は、図を簡略化する観点から上流システム1および下流システム2がそれぞれ一つずつの場合を例示しているが、上流システム1または下流システム2は複数でもよい。また、片方向通信路15は、必要に応じて複数設けられていてもよい。すなわち、回線が多重化されていてもよい。
上述した片方向通信装置10および片方向通信装置10を具備する片方向通信システム80は、コンピュータに実現する機能、すなわち実行させる処理手順に応じて幾つかの形態が考えられる。続いて、片方向通信装置10(10A〜10C)、片方向通信装置10を用いた片方向通信方法およびコンピュータを片方向通信装置10として機能させる片方向通信プログラムについて、具体例を幾つか説明する。
[第1の実施形態]
図2は、第1の実施形態に係る片方向通信装置の一例である片方向通信装置10Aの構成を示す概略図である。
図2は、第1の実施形態に係る片方向通信装置の一例である片方向通信装置10Aの構成を示す概略図である。
片方向通信装置10A(図2)は、例えば、受信サーバ11(図1)を送信処理手段20Aとして機能させるプログラム(図示せず)と、送信サーバ12(図1)を受信処理手段50Aとして機能させるプログラム(図示せず)とを受信サーバ11および送信サーバ12が実行することによって、受信サーバ11と、送信サーバ12と、送信サーバ11から受信サーバ12へ片方向通信する送信機13(図1)および受信機14(図1)とを、送信処理手段20Aおよび受信処理手段50Aを具備する片方向通信装置10として機能する。
片方向通信装置10Aにおいて、送信処理手段20Aは、例えば、送信部21と、発光部22と、記憶部23と、システム監視部24とを備える。なお、記憶部23の内部に示される上流システム監視結果情報41は、記憶部23に保持される情報である。
送信部21は、従前の送信処理手段における送信部と同様に、上流システム1から受け取った伝送データを発光部22へ伝送する機能と、伝送データの授受の結果を示すログを作成する機能とを有する。
発光部22は、光通信用の発光機能を有し、送信処理手段20Aから受信処理手段50Aへ光通信によるデータ伝送を行う。発光部22から伝送されるデータは、上流システム1から受け取った伝送データを含むデータである。
発光部22は、受信処理手段50Aの受光部52へ発光し、受信処理手段50Aと片方向通信路15を介した光通信を行う。当該片方向通信路15を介した光通信によって、発光部22が受け取ったデータは、受信処理手段50Aへ伝送される。
記憶部23は、情報の読み出し(リード)および書き込み(ライト)が可能な記憶領域を備え、当該記憶領域に情報を保持する機能を有する。システム監視部24を備える片方向通信装置10Aでは、システム監視部24が生成する上流システム監視結果情報41を、例えば、記憶部23に保持している。
システム監視部24は、上流システム1の動作状態(死活状態)を監視する機能と、監視結果を示す監視結果情報を発光部22へ伝送する機能とを有する。
システム監視部24は、例えば、上流システム1に配設されるn台の計算機3−1〜3−n(図1)の各々などのIPアドレスによって識別可能な単位で動作状態を監視し、当該単位毎に監視結果情報を生成して発光部22へ伝送する。監視結果情報は、必要に応じ、上流システム監視結果情報41として記憶部23に保存される。
ここで、図3を参照して、システム監視部24が生成する上流システム監視結果情報41について説明する。
図3は、システム監視部24が作成する上流システム1の監視結果情報としての上流システム監視結果情報41の内容を説明する説明図である。
上流システム監視結果情報41(図3)は、上流システム1(図1)を構成する計算機3−1〜3−n(図1)の監視結果情報を含む上流システム1の監視結果を示す情報である。片方向通信装置10A(図2)では、システム監視部24(図2)が、システム監視部24の監視結果情報として、上流システム監視結果情報41を生成している。
上流システム監視結果情報41(図3)は、例えば、監視時刻、上流システム1の識別情報としてのシステム番号、上流システム1(図1)を構成する計算機3−1〜3−n(図1)の識別情報としての計算機番号、並びに当該計算機のIPアドレスを示すIPアドレス情報および動作状態を示す動作状態情報を有し、相互に関連付けられている。
図3に示される例では、システム番号#1の上流システム1について、計算機番号「Com−n」に、通常通りにデータ伝送が行なわれていない状態、すなわち異常が生じていることを示している。また、システム番号#2の上流システム1について、計算機番号「Com−1」に異常が生じていることを示している。
なお、動作状態情報は、少なくとも正常の状態と正常以外の状態を示す異常の状態との二種類があればよいが、保守や点検によってデータ伝送が行なえない状態と、何らかの機器トラブルが生じてデータ伝送が行なえない状態とに分類する等、異常の状態をより細分化してもよい。
図2に戻り、片方向通信装置10Aの受信処理手段50Aについて説明する。
受信処理手段50Aは、例えば、受信部51と、受光部52と、記憶部53と、障害通報部54と、上流システム模擬部55とを備える。また、記憶部53には、上流システム状態情報71が保持される。
受信処理手段50Aは、例えば、受信部51と、受光部52と、記憶部53と、障害通報部54と、上流システム模擬部55とを備える。また、記憶部53には、上流システム状態情報71が保持される。
受信部51は、従前の受信処理手段における受信部と同様に、受光部52からデータを受け取る機能と、受け取ったデータに含まれる上流システム1からの伝送データを下流システム2側へ伝送する機能とを有する。
また、受信部51は、上記機能に加えて、受光部52から受け取った上流システム監視結果情報41を、上流システム1の動作状態を示す上流システム状態情報71として記憶領域に保存する機能を有する。
受光部52は、送信処理手段20Aの発光部22から受光し、送信処理手段20Aと片方向通信路15を介した光通信を行う。当該片方向通信路15を介した光通信によって、受光部52が受け取ったデータは、受信部51へ伝送される。
記憶部53は、記憶部23と同様の構成要素であり、情報の読み出し(リード)および書き込み(ライト)が可能な記憶領域を備え、当該記憶領域に情報を保持する機能を有する。
記憶部53には、例えば、上流システム1の動作状態を模擬するための情報として、上流システム1を構成する各計算機3−1〜3−nの監視結果情報を含む上流システム状態情報71が記憶部53に保持されている。
障害通報部54は、例えば、受信部51においてデータ受信の障害が生じていたか否かを検出する機能と、データ受信の障害が生じていたことを検出した場合に警報出力部18へ警報を出力(発報)する指令を出力する機能とを有し、データ受信の障害が生じた旨を検出した場合、警報出力部18へ警報を出力する指令を出力する。
上流システム模擬部55は、例えば、上流システム監視結果情報41を受け取り、上流システム1の各計算機3−1〜3−nの動作状態の最新状態を上流システム状態情報71として保存する機能と、上流システム状態情報71を参照し、上流システム状態情報71に含まれる上流システム1の各計算機3−1〜3−nの監視結果情報に基づく各計算機3−1〜3−nの動作状況を模擬して下流システム2へ提供する機能とを有する。
上流システム模擬部55は、上流システム監視結果情報41を受け取ると、上流システム状態情報71に含まれる上流システム1の各計算機3−1〜3−nの動作状況を更新し、上流システム1の各計算機3−1〜3−nの動作状態を最新の状態に維持する。また、上流システム模擬部55は、下流システム2に対して、上流システム状態情報71に含まれる上流システム1の各計算機3−1〜3−nの動作状況を提供する。
上流システム状態情報71(図2)は、送信処理手段20Aから受け取る上流システム監視結果情報41(図2)と実質的に同じであり、上流システム模擬部55が上流システム1の動作状況を下流システム2へ提供する際に参照される。
上流システム状態情報71(図2)は、上流システム監視結果情報41と同様に、例えば、監視時刻、上流システム1の識別情報としてのシステム番号、上流システム1(図1)を構成する計算機3−1〜3−n(図1)の識別情報としての計算機番号、並びに当該計算機のIPアドレスを示すIPアドレス情報および動作状態を示す動作状態情報を有し、相互に関連付けられている。
次に、第1の実施形態に係る片方向通信方法について、片方向通信装置10Aが行う第1の片方向通信処理手順を例に説明する。
図4は、第1の片方向通信処理手順(ステップS1〜ステップS6)の処理の流れを示す流れ図(フローチャート)である。
第1の片方向通信処理手順は、例えば、送信処理手段20Aが行う上流システム監視ステップ(ステップS1)および監視結果情報伝送ステップ(ステップS2)と、受信処理手段50Aが行う上流システム動作状況更新ステップ(ステップS3)および上流システム動作状況配信ステップ(ステップS5)とを備える。
第1の片方向通信処理手順では、まず、送信処理手段20Aにおけるシステム監視部24が、例えば、上流システム1の動作状態を監視する(ステップS1)。上流システム1の動作状態の監視は、例えば、上流システム1に配設される計算機3−1〜3−n(図1)の単位で行われる。なお、上流システム1が複数ある場合には、各上流システム1について、計算機3−1〜3−nの単位で動作状態の監視が行われる。監視結果情報は、必要に応じ、上流システム監視結果情報41(図2)として記憶部23(図2)等のアクセス可能な記憶領域に保存される。
続いて、発光部22(図2)が計算機3−1〜3−n毎(図1)の監視結果情報をシステム監視部24から受け取り、片方向通信回線15を介して下流システム2側の受信処理手段50Aへ伝送する(ステップS2)。
続いて、受信処理手段50Aが計算機3−1〜3−n毎の監視結果情報を受け取ると、上流システム模擬部55が、受け取った監視結果情報に基づいて、上流システム1の動作状態を示す上流システム状態情報71を最新の状態に更新する(ステップS3)。
受信処理手段50Aは、下流システム2からの上流システム1の動作状態の問い合わせを待機している。ここで、下流システム2からの上流システム1の動作状態についての問い合わせがあった場合(ステップS4でYESの場合)、上流システム模擬部55は、上流システム状態情報71を参照し、上流システム状態情報71の内容に従って、下流システム2へ上流システム1の動作状態を示す情報を提供する(ステップS5)。
続いて、片方向通信装置10Aが終了要求を受け付けた場合(ステップS6でYESの場合)、第1の片方向通信処理手順は終了する(END)。
一方、片方向通信装置10Aが終了要求を受け付けていない場合(ステップS6でNOの場合)、第1の片方向通信処理手順の処理フローはステップS1に戻り、ステップS1以降の処理ステップが行われる。
片方向通信装置10A、片方向通信システム80Aおよび第1の片方向通信処理手順によれば、下流システム2側からの問い合わせを必要とすることなく上流システム1の動作状態を下流システム2から確認することができる。従って、下流システム2側からの問い合わせやデータの再送の要否を適切に判断することができ、無駄な伝送問い合わせや伝送時間を排除し、上流システム1から下流システム2へのデータ伝送をより効率的に行うことができる。
なお、上述した片方向通信装置10Aの機能や第1の片方向通信処理手順の処理ステップについては、コンピュータに実行させることのできる片方向通信プログラムとして提供することができる。片方向通信装置10の機能や片方向通信処理手順の処理ステップをコンピュータに実行させることのできる片方向通信プログラムとして提供可能な点は、後述する他の実施形態でも同様である。
[第2の実施形態]
図5は、第2の実施形態に係る片方向通信装置の一例である片方向通信装置10Bの構成を示す概略図である。
図5は、第2の実施形態に係る片方向通信装置の一例である片方向通信装置10Bの構成を示す概略図である。
片方向通信装置10Bは、例えば、片方向通信装置10A(図2)に対して、送信処理手段20A(図2)および受信処理手段50A(図2)の代わりに送信処理手段20Bおよび受信処理手段50Bを具備する点で相違するが、その他の点は実質的に相違しない。そこで、片方向通信装置10Aと実質的に相違しない構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
片方向通信装置10Bは、例えば、受信サーバ11(図1)を送信処理手段20Bとして機能させるプログラム(図示せず)と、送信サーバ12(図1)を受信処理手段50Bとして機能させるプログラム(図示せず)とを受信サーバ11および送信サーバ12が実行することによって、受信サーバ11と、送信サーバ12と、送信サーバ11から受信サーバ12へ片方向通信する送信機13(図1)および受信機14(図1)とを、送信処理手段20Bおよび受信処理手段50Bを具備する片方向通信装置10として機能する。
片方向通信装置10Bにおいて、送信処理手段20Bは、例えば、送信処理手段20Aが備える送信部21、発光部22、記憶部23およびシステム監視部24に加え、受信模擬部25と、送信側再送部26とを備える。また、記憶部23には、送信側伝送ログ42および送信データ43が保持されている。
受信模擬部25は、上流システム1から下流システム2へ伝送する、例えばデータX等の伝送データを受け取る機能と、受け取った伝送データ(データX)を送信部21へ伝送する機能と、送信側伝送ログ42の少なくとも一部を構成し、伝送データの授受の結果を示すログを作成する機能とを有する。また、受信模擬部25は、自己が関与した伝送データ(データX)の伝送について伝送管理情報を生成し、記憶領域に保存する機能を有する。
受信模擬部25は、上流システム1から下流システム2へ伝送する伝送データ(データX)を受け取ると、受け取った伝送データを送信部21へ伝送する一方、伝送データの授受を示すログを作成する。受信模擬部25が作成したログは、送信側伝送ログ42の少なくとも一部を構成する。
また、受信模擬部25は、例えば、自己が関与した伝送データ(データX)の伝送について伝送管理情報を生成し、生成した伝送管理情報を、送信部21へ伝送した伝送結果を示す受信模擬部伝送結果情報としての送信側伝送ログ42に含めて保存する。
なお、受信模擬部25は、送信処理手段20Bにおいて、データの授受が正しく行われているか否かを判定できるように、上流システム1から受信したデータおよび送信部21へ伝送したデータを、記憶部23に保存してもよい。
送信側再送部26は、例えば、送信側伝送ログ42を参照して、伝送処理のやり直しの要否を判定する機能と、伝送処理のやり直しが必要であると判定した場合に、伝送処理のやり直しが必要であると判定したデータ、すなわち伝送管理情報Yが付加されたデータX(後述する図7における伝送管理情報付加データ47に相当)を送信データ43から読み出して発光部22側へ伝送する機能とを有する。
送信側再送部26は、データの再送処理(伝送処理のやり直し)が必要な伝送データの確認および再送について処理実行要求(以下、「再送等実行要求」とする。)を受け付けると、まず、送信側伝送ログ42を参照し、伝送処理のやり直しの要否を判定する。
伝送処理のやり直しの要否は、送信側伝送ログ42に含まれる項目のうち、少なくとも再送等実行要求の有無を示す再送フラグの項目を確認することで判定される。より判定の精度を高めるため、伝送処理が正常に行われたか否(異常であったか)を示すステータスの項目が異常である旨をさらに確認してもよい。
ここで、送信側再送部26がデータの再送処理(伝送処理のやり直し)が必要であると判定した場合、送信側再送部26は、再送処理が必要なデータ(伝送管理情報が付加されたデータX)を送信データ43から読み出して発光部22側へ伝送する。
一方、送信側再送部26がデータの再送処理が不要と判定した場合、すなわち、データの伝送処理が正常に行われた場合には、次の再送等実行要求を受け付けるまで待機する。
なお、発光部22側へのデータ伝送は、再送するデータを直接発光部22へ伝送することによって行われてもよいし、送信部21を経由して発光部22へ伝送することによって行われてもよい。この場合、再送の成否については、送信側伝送ログ42の再送フラグを更新する機能を送信側再送部26に持たせ、送信側再送部26が再送フラグを更新するようにする。
また、前記送信側再送部26の機能は、送信部21が有していてもよい。すなわち、送信部21に送信側再送部26を組み込んで実質的に一つの処理部として送信処理手段20Bを構成してもよい。
一方、受信処理手段50Bは、例えば、受信処理手段50Aが備える受信部51、受光部52、記憶部53、障害通報部54および上流システム模擬部55に加え、受信側再送部56と、送信模擬部57とを備える。また、記憶部53には、受信側伝送ログ72および受信データ73が保持されている。
受信側再送部56は、受信側伝送ログ72を参照して、伝送処理のやり直しの要否を判定する機能と、伝送処理のやり直しが必要であると判定した場合に、伝送処理のやり直しが必要であると判定したデータを受信データ73から読み出して送信模擬部57へ渡す機能とを有する。
受信側再送部56は、再送等実行要求を受け付けると、まず、受信側伝送ログ72を参照し、データの再送処理(伝送処理のやり直し)の要否を判定する。伝送処理のやり直しの要否の判定は、送信処理手段20Aの送信側再送部26と同様である。
ここで、受信側再送部56がデータの再送処理が必要であると判定した場合、受信側再送部56は、再送処理が必要なデータ(伝送管理情報が付加されたデータX)を受信データ52から読み出して下流システム2側へ伝送する。
なお、受信側再送部56における下流システム2側へのデータ伝送は、再送するデータを送信模擬部57へ伝送することによって行われてもよいし、直接下流システム2へ伝送することによって行われてもよい。
受信側再送部56が下流システム2への伝送機能を有し、直接下流システム2へ伝送するように構成される場合、受信側再送部56は、下流システム2へ伝送する伝送データ(データX)を受信データ52から読み出して下流システム2へ伝送する。
また、受信側再送部56がデータの再送処理(伝送処理のやり直し)が不要と判定した場合、すなわち、データの伝送処理が正常に行われた場合には、次のデータの再送処理が必要な伝送データの確認および再送についての処理実行要求を受け付けるまで待機する。
送信模擬部57は、受信部51や受信側再送部56からデータを受け取り、上流システム1からの伝送データとしてのデータXを下流システム2へ伝送する機能と、受信側伝送ログ72の少なくとも一部を構成し、データの授受の結果を示すログを作成する機能とを有する。
また、送信模擬部57は、自己が関与した伝送データ(ここでは、データX)を、記憶領域に保存する機能を有する。
送信模擬部57は、受信部51や受信側再送部56からデータを受け取ると、上流システム1から受信した伝送データ(データX)を下流システム2へ伝送する一方、伝送データの授受の結果を示すログを作成する。送信模擬部57が作成したログは、送信模擬部伝送結果情報であり、受信側伝送ログ72の少なくとも一部を構成する。
次に、送信処理手段20Bで適用される送信側伝送ログ42および送信データ43と、受信処理手段50Bで適用される受信側伝送ログ72および受信データ73について説明する。
図6(図6(A)および図6(B))は、片方向通信装置10Bが作成し、参照する伝送結果情報としての伝送ログ42,72の内容を説明する説明図であって、図6(A)が送信処理手段20Bにおける伝送結果情報としての送信側伝送ログ42の内容を説明する説明図、図6(B)が受信処理手段50Bにおける伝送結果情報としての受信側伝送ログ72の内容を説明する説明図である。
この伝送ログ42,72を用いて伝送データの再送の要否の判定と、再送が必要と判定された伝送データを送信データ43特定および受信データ73からの特定が行われる。
送信側伝送ログ42(図6(A))は、送信処理手段20B内における伝送内容および伝送結果を示す情報(ログ)であり、従前の送信側伝送ログに対して、伝送管理情報が付加されている。伝送管理情報はデータ伝送を管理するための情報である。
送信側伝送ログ42について、より具体的に説明すれば、従前の送信側伝送ログに対して、少なくとも、データ伝送の識別情報としての伝送連番と、データ伝送によって伝送されるデータ(伝送データ)の識別情報としての伝送データキーと、再送要否情報としての再送フラグとが伝送管理情報として付加されている。
また、伝送連番などの付加されている項目は、構成要素を示す種別、使用する片方向通信回線15の識別情報としての回線ID、ログ名称、伝送処理が正常であったか否(異常が発生した)かを示すステータス等の他の送信側伝送ログ42に含まれる項目と関連付けられている。
このような送信側伝送ログ42を参照可能な片方向通信装置10では、再送フラグが入(ON)となっているログが含まれている場合、当該再送フラグと関連付けられている伝送連番および伝送データキーを特定することで、何れのデータを伝送する際に異常が生じたのかおよび再送が必要であるか否かを容易に特定することができる。
送信データ43(図5)は、少なくとも、送信部21が下流(下流システム2)側へ伝送するデータと同じ内容のデータが含まれる。送信データ43には、受信模擬部25が受信したデータや受信模擬部25が送信部21へ伝送したデータと同じ内容のデータが、何れのデータであるか識別可能な状態で含まれていてもよい。
一方、受信側伝送ログ72(図7(B))は、送信側伝送ログ42(図6(A))に対して、データを伝送する主体となる構成要素を示す種別の項目内の情報が、受信処理手段50Bに対応する構成要素となっている点を除き、送信側伝送ログ42と実質的には同様である。
受信データ73(図5)は、少なくとも、受信部51が受信したデータと同じ内容のデータが含まれる。受信データ73には、受信部51が送信模擬部57へ伝送したデータや送信模擬部57が下流システム2へ伝送したデータと同じ内容のデータが、何れのデータであるか識別可能な状態で含まれていてもよい。
続いて、片方向通信システム80B(図1)内のデータ伝送、すなわち上流システム1から片方向通信装置10Bを介して下流システム2へ伝送されるデータの内容および流れについて説明する。
図7は、片方向通信装置10Bを具備する片方向通信システム80Bにおけるデータの流れを説明する説明図である。
なお、図7において、図が煩雑となるのを防止する観点から、発光部22(図5)および受光部52(図5)等のデータ伝送に関わる一部構成要素について省略して示している。
片方向通信装置10Bを介して上流システム1から下流システム2への片方向にデータX45を伝送する場合、上流システム1から下流システム2へ向けて送られるデータX45は、送信サーバ11が受信する。
送信処理手段20B(図5)として機能する送信サーバ11では、まず、受信模擬部25がデータX45を受け取り、データX45を送信部21へ伝送する。一方、受信模擬部25は、伝送処理を行ったデータX45の伝送について伝送管理情報を生成し、生成した伝送管理情報を含む受信模擬部伝送結果情報を送信側伝送ログ42に含めて保存する。受信模擬部伝送結果情報は、受信模擬部25における伝送結果を示す伝送結果情報である。
続いて、データX45を受け取った送信部21は、データX45について伝送管理情報を生成し、送信部21における伝送結果を示す送信部伝送結果情報を送信側伝送ログ42に含めて保存する。
また、送信部21は、送信側伝送ログ42を参照し、下流システム2側へ伝送するデータX45の伝送管理情報Y46を送信側伝送ログ42から読み出し、受信模擬部25から受け取ったデータX45に付加した伝送管理情報付加データ47として伝送する一方、伝送した伝送管理情報付加データ47を送信データ43に含めて保存する。
送信サーバ11内では、送信側再送部26が、例えば、周期的または任意に生成される再送等実行要求を受け取る。送信側再送部26は、周期的に生成される再送等実行要求を受け取ると、送信側伝送ログ42を参照し、データの再送処理(伝送処理のやり直し)が必要であるか否かを判定する。
再送処理の要否の判定は、例えば、送信側伝送ログ42に含まれる発生ステータスの項目と再送フラグの項目を確認し、発生ステータスが「異常」かつ再送フラグが「入(ON)」となっているログが含まれているかを確認することで行う。または、再送フラグの項目のみを確認することによって再送対象を特定することでもよい。
送信側再送部26が再送処理の要否を判定した結果、再送処理が必要なデータがある場合、送信側再送部26は、送信データ43を参照し、該当するデータを下流システム2側へ伝送する。
例えば、データX45を再送処理が必要なデータとして判定した場合、送信側再送部26は、送信側伝送ログ42に含まれる伝送管理情報Y46をキーとして関連付けられているデータX45を特定し、データX45に伝送管理情報Y46が付加された伝送管理情報付加データ47を下流システム2側へ伝送する。
再度の伝送が正常に行われた場合、送信側伝送ログ42に含まれるデータX45についての再送フラグは入(ON)から切(OFF)に更新される。この再送フラグの更新によって、次回以降の処理実行要求受付時において、再送が無事に行われたデータについては再送対象からは除外される。
伝送管理情報付加データ47は、送信サーバ11から片方向通信路15を経由して受信処理手段50Bとして機能する受信サーバ12へ伝送される。
受信サーバ12では、まず、受信部51が伝送管理情報付加データ47を受け取り、伝送管理情報付加データ47を受信データ52に含めて保存する一方、送信模擬部57等の後段の処理部へ伝送する。また、受信部51は、データ伝送の結果を受信側伝送ログ72に含めて保存する。受信部51は、データX45を送信模擬部57へ伝送する。
なお、送信模擬部57への伝送処理は、データX45が含まれていれば良い。受信部51は、例えば、伝送管理情報付加データ47から抽出したデータX45を送信模擬部57へ伝送しても良いし、データX45を抽出することなく伝送管理情報付加データ47のまま送信模擬部57へ伝送しても良い。
続いて、送信模擬部57は、データX45を含むデータを受け取ると、伝送対象となるデータX45を下流システム2へ伝送する一方、伝送データの授受の結果を示す送信模擬部伝送結果情報を作成し、受信側伝送ログ72に含めて保存する。
受信側再送部56は、例えば、周期的に生成される再送等実行要求を受け取ると、受信側伝送ログ72を参照し、データの再送処理(伝送処理のやり直し)が必要であるか否かを判定する。再送処理の要否の判定は、送信側再送部26と同様にして行われる。
ここで、受信側伝送ログ72の内容が図6(B)に例示される内容である場合を用いて具体的に説明する。図6(B)の受信側伝送ログ72の3行目、伝送連番が「ID01−D002」(図6(B))のデータ伝送に対して、発生ステータスが「異常」(図6(B))かつ再送フラグが「入(ON)」(図6(B))となっているため、受信側再送部56は、伝送データキー「OT−ID01−D002」(図6(B))を用いて伝送データ02を受信データ73から読み出し、下流システム2側へ再度伝送する。
なお、図6の例示では、伝送連番は回線IDの後ろに伝送順に付与される番号が付加され、伝送データキーは伝送連番の前に種別に応じたコード(IN等)が付与されたものとしている。そして、同じ伝送連番の伝送データは、上流システム1から下流システム2への一連のデータ伝送において伝送された伝送データであることを示している。
当然ながら、各データの項目名や付与ルールはこれに限られず、再送が必要なデータの判定と、再送するデータの抽出を可能とするデータを有していればよい。
ここで、受信側再送部56は、受信側伝送ログ72に含まれる伝送管理情報Y46をキーとして伝送管理情報Y46と関連付けられているデータX45(図7)を再送するデータとして特定する。図6(B)の例では、伝送データキーOD−ID01−D002を用いて受信データ73から伝送データ02を特定する。
受信側再送部56が送信模擬部57を経由せずデータX45を下流システム2へ伝送する場合、受信側再送部56は特定したデータX45を受信データ52から読み出して下流システム2へ伝送するとともに、当該伝送の結果に応じた内容に受信側伝送ログ72を更新する。
一方、受信側再送部56が送信模擬部57を経由してデータX45を下流システム2へ伝送する場合、受信側再送部56は、受信部51と同様にデータX45を含むデータ(データX45または伝送管理情報付加データ47)を送信模擬部57へ伝送する。
以上、図6(B)の例を用いて受信処理手段50Bで行われるデータ再送処理wp具体的に説明した。送信処理手段20Bで行われる処理も実質的には同様であり、送信側再送部26が送信側伝送ログ42を参照して再送の要否を判定し、再送要と判定されたデータの伝送データキーを用いて送信データ43から再送する伝送データを特定し、この伝送データを送信部21または送信側再送部26が発光部22へ送信する。
次に、第2の実施形態に係る片方向通信方法について、片方向通信装置10Bが行う第2の片方向通信処理手順を例に説明する。
図8〜10は、第2の片方向通信処理手順の処理の流れを示す流れ図(フローチャート)である。
より具体的には、図8が第2の片方向通信処理手順(ステップS11〜S14)の主な処理の流れ(メインルーチン)を示す流れ図、図9が第2の片方向通信処理手順における片方向通信工程(以下、「第1片方向通信工程」とする。)(ステップS11:図8)の処理の流れ(サブルーチン)を示す流れ図、図10が第2の片方向通信処理手順における再送工程(以下、「第1再送工程」とする。)(ステップS13:図8)の処理の流れ(サブルーチン)を示す流れ図である。
第2の片方向通信処理手順(図8)は、例えば、上流システム1(図5)から下流システム2(図5)へ片方向通信を行う第1片方向通信工程(ステップS11)を具備する一方、再送等実行要求を受け取り、接続されるシステム1,2または片方向通信装置10Bにおける動作異常に起因して伝送できなかった伝送データを自動的に再送する第1再送工程(ステップS13)をさらに具備する。
第1再送工程は、例えば、送信処理手段20Bおよび受信処理手段50Bにおいて、それぞれ行われる処理工程である。実行されるタイミングは、周期的でも任意でもよい。例えば、オペレーターの操作の応じて任意に実行する、一定時間ごとに処理を自動実行する、一定時間以上が経過してかつ送信サーバ11の処理負荷が所定以下の場合に実行する、データ送信が行われた場合にすべての再送フラグがオフになるか再送処理の試行が一定回数に達するまで繰り返し実行する、等が考えられる。
なお、第1再送工程の処理内容は、送信処理手段20Bおよび受信処理手段50Bの何れの処理手段においても実質的に異ならない。そこで、後述の説明では、送信処理手段20Bの第1再送工程について説明し、送信処理手段20Bの第1再送工程の説明をもって受信処理手段50Bの第1再送工程の説明を省略する。
第2の片方向通信処理手順(図8)では、まず、第1片方向通信工程(ステップS11)が行われる。続いて、再送等実行要求を受け取った場合(ステップS12でYESの場合)、第1再送工程(ステップS13)が行われる。続いて、片方向通信装置10Bが終了要求を受け付けた場合(ステップS14でYESの場合)、第2の片方向通信処理手順は終了する(END)。
一方、再送等実行要求を受け取っていない場合(ステップS12でNOの場合)および片方向通信装置10Bが終了要求を受けていない場合(ステップS14でNOの場合)、第2の片方向通信処理手順の処理フローは、ステップS11に戻り、ステップS11以降の処理ステップが行われる。
第1片方向通信工程(ステップS111〜S117:図9)では、送信処理手段20B(図5)が上流システム1(図5)から受信した下流システム2側へ伝送する伝送データについて、伝送管理情報を生成し、伝送する伝送データおよび当該伝送データの伝送管理情報および伝送結果を送信処理手段20Bが読み書き自在な記憶領域に保持する一方、伝送データに当該伝送データの伝送管理情報を付加して片方向通信路15を介して受信処理手段50Bへ伝送する送信側の処理ステップ(ステップS111〜S114)を含む工程と、受信処理手段50Bが送信処理手段20Bから受け取る伝送管理情報が付加された伝送データについて、送信処理手段20Bから受け取る伝送データおよび当該伝送データの伝送管理情報および伝送結果を受信処理手段50Bが読み書き自在な記憶領域に保持する一方、上流システム1から受信した伝送データを下流システム2へ伝送する受信側の処理ステップ(ステップS115〜S117)を含む工程とを具備する。
送信処理手段20B(図5)では、下流システム2側へ伝送する伝送データの受信を待機している(ステップS111でNOの場合)。受信待機状態にある送信処理手段20Bが伝送データを受信すると(ステップS111でYESの場合)、伝送データについて伝送管理情報を生成し、生成した伝送管理情報を含む伝送結果情報を送信側伝送ログ42(図5)に含めて保存する(ステップS112)。
より詳細には、下流システム2側へ伝送する伝送データの送信処理手段20B内の伝送に関与する受信模擬部25(図5)および送信部21(図5)がそれぞれ受信模擬部伝送結果情報および送信部伝送結果情報を生成し、送信側伝送ログ42に含めて保存する(ステップS112)。
また、送信処理手段20B(図5)は、送信側伝送ログ42を参照し、下流システム2側へ伝送する伝送データに伝送管理情報を付加した伝送管理情報付加データを生成し(ステップS113)、下流システム2側の受信処理手段50Bへ伝送する(ステップS114)。
より詳細には、送信部21が送信側伝送ログ42を参照し、下流システム2側へ伝送する伝送データに伝送管理情報を付加した伝送管理情報付加データを生成し(ステップS113)、伝送管理情報付加データを発光部22(図5)へ伝送する。発光部22は受信処理手段50Bの受光部52に向けて発光し、伝送管理情報付加データを下流側の受信処理手段50Bへ伝送する。発光部22の動作までが正常に完了した場合は、送信側伝送ログ42にはステータス”正常”として記録される(ステップS114)。一方、ここまでで何らかの障害により送信処理手段20Bにおいて伝送データ送信処理が異常となった場合は、送信側伝送ログ42に発生ステータス“異常”として記録される。
一方、受信処理手段50Bは、伝送管理情報付加データを受信すると、受信した伝送管理情報付加データを受信データ52に含めて保存し(ステップS115)、受信した伝送管理情報付加データに含まれる伝送データを下流側(下流システム2側)へ伝送する。
受信処理手段50Bは、伝送の過程で、伝送する伝送データの伝送管理情報を生成し、生成した伝送管理情報を含む伝送結果情報を受信側伝送ログ72(図5)に含めて保存している(ステップS116)。受信処理手段50Bは、最終的に伝送データを下流システム2へ伝送する。下流システム2への送信までが正常に完了した場合は、受信側伝送ログ72にはステータス”正常”として記録される(ステップS117)。一方、ここまでで何らかの障害により受信処理手段50Bにおいて伝送データ送信処理が異常となった場合は、受信側伝送ログ72に発生ステータス“異常”として記録される。
より詳細には、受信部51が伝送管理情報付加データを受信すると、受信部51は伝送管理情報付加データを受信データ52に含めて保存する一方(ステップS115)、送信模擬部57等の後段の処理部へ伝送する。
また、受信部51は、伝送管理情報付加データに含まれる伝送データの伝送管理情報を生成し、データ伝送の結果を受信部伝送結果情報として受信側伝送ログ72に含めて保存する(ステップS116)。
続いて、送信部51からデータを受け取った送信模擬部57は、伝送データを下流システム2へ伝送する(ステップS117)。
片方向通信装置10Bが上流システム1から伝送された伝送データを下流システム2へ伝送し終えると、第1片方向通信工程(ステップS111〜S117)は完了し、第2の片方向通信処理手順のメインルーチン(図8)へ戻る(RETURN)。
第2の片方向通信処理手順(図8)における第1再送工程(ステップS131〜S134:図10)では、再送等実行要求の受け取りを待機している(ステップS131)。送信処理手段20B(図5)が再送等実行要求を受け取ると(ステップS131でYESの場合)、送信処理手段20Bは、例えば、処理実行要求を受け付けた送信側再送部26(図5)が、送信側伝送ログ42(図5,6)を参照して、データの再送処理(伝送処理のやり直し)が必要な伝送データを確認する(ステップS132)。
データの再送処理が必要な伝送データの確認は、例えば、送信側伝送ログ42に含まれる発生ステータスの項目と再送フラグの項目を確認し、発生ステータスが「異常」かつ再送フラグが「入(ON)」となっているログが含まれているか等の再送条件を満たすか否かを判定することで行う。
ここで、発生ステータスが「異常」かつ再送フラグが「入(ON)」となっているログが検出され、再送条件を満たしている場合(ステップS133でYESの場合)、データの再送処理(伝送処理のやり直し)が必要と判定し、当該発生ステータスおよび再送フラグと関連付けられている伝送連番および伝送データキーを特定し、該当する伝送データを送信データ43から読み出して、下流システム2側へ伝送(再送)するとともに、再送処理の結果を送信側伝送ログ42に記録する(ステップS134)。
下流システム2側へ伝送し終えると、第1再送工程(ステップS131〜S134)は完了し、第2の片方向通信処理手順のメインルーチン(図8)へ戻る(RETURN)。
一方、再送条件を満たしていない場合(ステップS133でNOの場合)、第1再送工程の処理フローはステップS131に戻り、ステップS131以降の処理ステップが行われる。
また、受信処理手段50Bにおける第1再送工程の内容は、送信処理手段20Bの第1再送工程の説明における、送信側再送部26(図5)、送信側伝送ログ42(図5,6)および送信データ43を、それぞれ、受信側再送部56(図5)、受信側伝送ログ72(図5,6)および受信データ73に読み替えた内容であり、送信処理手段20Bにおける第1再送工程の内容と実質的に相違しない。
以上説明した本実施形態の片方向通信装置10B、片方向通信システム80Bおよび第2の片方向通信処理手順によれば、第1の実施形態の効果に加えて、送信処理手段20Bと受信処理手段50Bそれぞれにおける伝送処理結果を記録し、この記録に基づいて再送が必要なデータを特定して再送する処理を自動的に行うことができる。
従って、片方向通信装置10B等では、動作異常に起因して伝送できなかった伝送データの特定および再送を自動化することができ、動作異常に起因して伝送できなかった伝送データの再送に要するユーザの作業負担を低減し、より効率的に伝送データを再送することができる。
なお、図5に例示した片方向通信装置10Bは、システム監視部24、上流システム監視結果情報41、上流システム模擬部55、上流システム状態情報71等の、上流システム1の動作状態を下流システム2から確認可能とする構成を具備しない構成とすることもできる。システム監視部24を具備しない構成を採用した場合でも、送信側再送部26や受信側再送部56が動作異常に起因して下流システム2へ伝送できていない伝送データを自動的に下流システム2側へ伝送(再送)することができる。
[第2の実施形態の変形例]
第1再送工程(図10)において、ステップS134の後にステップS132に戻る処理としてもよい。この場合、データの再送が失敗していた場合はさらなる再送が実行されることとなる。すべてのデータ再送が成功した場合はステップS133でNOとなり、メインルーチンへ戻ることとなる。ただし、この場合は何らかの理由でデータの再送が成功しない場合にループするため、同一データに対する再送の試行回数が所定に達した場合もメインルーチンへ復帰することが好ましい。さらに、再送失敗が所定回数繰り返された場合は、モニタ表示、警報、警告灯等の出力によってユーザに提示されることがより好ましい。
第1再送工程(図10)において、ステップS134の後にステップS132に戻る処理としてもよい。この場合、データの再送が失敗していた場合はさらなる再送が実行されることとなる。すべてのデータ再送が成功した場合はステップS133でNOとなり、メインルーチンへ戻ることとなる。ただし、この場合は何らかの理由でデータの再送が成功しない場合にループするため、同一データに対する再送の試行回数が所定に達した場合もメインルーチンへ復帰することが好ましい。さらに、再送失敗が所定回数繰り返された場合は、モニタ表示、警報、警告灯等の出力によってユーザに提示されることがより好ましい。
また、データの再送が行われた場合に送信側伝送ログ42に含まれるデータX45についての再送フラグは入(ON)から切(OFF)に更新されるものとして説明した。これに代えて、再送処理毎に送信側伝送ログ42にデータX45についてのデータを追加することでもよい。この場合は、送信側伝送ログ42に同一の伝送データについて複数のログが含まれるが、送信側再送部26は判定対象の伝送データのうち最新のログを参照して再送処理の要否を判定する。受信側伝送ログ72についても同様である。それぞれ、伝送ログを更新する場合はデータ量が抑えられる一方で、伝送ログを追加する場合はデータ伝送異常の履歴を残すことができる。伝送ログの調査に求められる内容によって任意に設定されればよい。例えば、伝送異常がどれほどの頻度で発生するかを調査する要求がある場合等に後者の処理とする。
[第3の実施形態]
図11は、第3の実施形態に係る片方向通信装置の一例である片方向通信装置10Cの構成を示す概略図である。
図11は、第3の実施形態に係る片方向通信装置の一例である片方向通信装置10Cの構成を示す概略図である。
片方向通信装置10Cは、例えば、片方向通信装置10B(図5)に対して、送信処理手段20B(図5)および受信処理手段50B(図5)の代わりに送信処理手段20Cおよび受信処理手段50Cを具備する点で相違するが、その他の点は実質的に相違しない。片方向通信装置10Bと実質的に相違しない構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
送信処理手段20Cは、送信処理手段20Bに対して一括再送手段30をさらに備えている。この一括再送手段30は、送信側伝送ログ42に記録された再送フラグや発生ステータスの内容に関わらずに、すべてまたは送信側伝送ログ42の発生時刻が対象期間内の伝送データを送信データ43から読み出して受信処理手段50Cへ送信させる機能を有する。一括再送手段30のこのような処理は、例えば6時間毎、12時間毎、24時間毎に1回といった低周期で実行される。また、送信の対象となる期間は、例えば前回の一括再送以降に送信側伝送ログ42に記録された伝送データである。
次に、受信処理手段50Cが一括再送手段30による伝送データの再送(以下、一括再送データとする)を受信した際の動作を説明する。一括再送データを受信した受信部51は受信側伝送ログ72を読み出し、一括再送データに含まれる伝送データの伝送管理情報と比較する。
具体的には、一括再送データに含まれる伝送データのうち、受信側伝送ログ72で発生ステータスが正常となっているものは、送信模擬部57や受信データ73への送信を行わずに、受信部51が破棄する。一方で、受信側伝送ログ72で発生ステータスが異常となっている、または受信側伝送ログ72に対応する伝送データキーのログが存在しない伝送データは、受信部51から送信模擬部57を介した下流システム2への送信、受信側伝送ログ72への記録、受信データ73への追加が行われる。
以上説明した本実施形態の片方向通信装置10C、片方向通信システム80Cによれば、第2の実施形態の効果に加えて、一括再送手段30による一括再送が行われる。第2の実施形態の構成では、送信処理手段20Bでは発生ステータス“正常”となったものの受光部52の障害等で受信処理手段50Bが正常に受信できなかった伝送データは、送信処理手段20Cが受信処理手段50Bにおける異常を検出できないので、下流システム2に伝送されない。このような伝送データが一括再送手段30によって一括再送されることで、下流システム2へ伝送することができる。
ここで、送信処理手段20Cおよび受信処理手段50Cそれぞれの内部の障害による伝送異常は、第2の実施形態で説明した構成により再送が行われるため、一括再送手段30による一括再送は低周期でよく、データ送受信を効率的に行うことができる。また、受信処理手段50Cは、受信側伝送ログ72を用いて送信が必要な伝送データのみを特定して下流システム2に送信することにより、データ処理を効率化することができる。
なお、一括再送手段30による一括再送は一定時間ごとに実行されるものとして説明したが、実質的に送信側再送部26や受信側再送部56による再送処理よりも低周期であればよい。また、所定の時間毎でなくとも、送信処理手段20Cの処理負荷が所定より低い場合に実行する等であってもよい。
[第4の実施形態]
図12は、第4の実施形態に係る片方向通信装置の一例である片方向通信装置10Dの構成を示す概略図である。
図12は、第4の実施形態に係る片方向通信装置の一例である片方向通信装置10Dの構成を示す概略図である。
片方向通信装置10Dは、例えば、片方向通信装置10A(図2)に対して、送信処理手段20A(図2)および受信処理手段50A(図2)の代わりに送信処理手段20Dおよび受信処理手段50Dを具備する点で相違するが、その他の点は実質的に相違しない。そこで、片方向通信装置10Aと実質的に相違しない構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
片方向通信装置10Dは、例えば、受信サーバ11(図1)を送信処理手段20Dとして機能させるプログラム(図示せず)と、送信サーバ12(図1)を受信処理手段50Cとして機能させるプログラム(図示せず)とを受信サーバ11および送信サーバ12が実行することによって、受信サーバ11と、送信サーバ12と、送信サーバ11から受信サーバ12へ片方向通信する送信機13(図1)および受信機14(図1)とを、送信処理手段20Dおよび受信処理手段50Dを具備する片方向通信装置10として機能する。
片方向通信装置10Dにおいて、送信処理手段20Dは、例えば、送信部21、発光部22および記憶部23に加え、リスト化データ再送部27と、リスト読出部28と、伝送ログ送信部29とを備える。また、記憶部23には、送信側伝送ログ42および送信データ43が保持されている。
リスト化データ再送部27は、例えば、与えられた伝送データの識別情報に基づいて送信データ43から伝送データの伝送管理情報が付加された伝送データ(後述する図17における伝送管理情報付加データ47に相当)を読み出す機能と、読み出したデータを発光部22側へ伝送する機能とを有する。
リスト化データ再送部27は、例えば、リスト読出部28から再送リスト8に挙げられている伝送データの識別情報を受け取ると、当該伝送データの識別情報に基づいて送信データ43から伝送データの伝送管理情報が付加された伝送データを読み出し、発光部22側へ伝送する。
リスト読出部28は、例えば、片方向通信装置10Dに脱着自在に装着される記憶媒体に保存される情報としての再送リスト8を読み出す機能と、読み出した情報を伝送する機能および出力する機能とを有する。リスト読出部28は、再送リスト8を読み出すと、例えば、読み出した再送リスト8に挙げられている伝送データキー等の伝送データの識別情報をリスト化データ再送部27や送信部21等の伝送データを下流側の受信処理手段50Dへ伝送する機能を有する処理部へ渡す。
伝送ログ送信部29は、送信側伝送ログ42に含まれる伝送データの伝送結果情報を下流側の受信処理手段50Dへ伝送する機能を有する。伝送ログ送信部29は、送信処理手段20D内のデータ伝送処理が完了すると、送信側伝送ログ42と実質的に同じ情報が記録される送信側伝送ログ42のレプリカ、すなわち送信側の伝送データの伝送結果情報が含まれる送信側伝送ログレプリカ48(図17)を作成し、下流側の受信処理手段50Cへ片方向通信路15を介して伝送する。
なお、送信処理手段20Dにおいて、上述したリスト化データ再送部27の機能とリスト読出部28の機能とを集約し、リスト化データ再送部27とリスト読出部28とを単一の処理部として構成してもよい。また、上述したリスト化データ再送部27の機能は、送信部21が有していてもよい。すなわち、送信部21にリスト化データ再送部27やリスト化データ再送部27およびリスト読出部28を組み込んで実質的に一つの処理部として送信処理手段20Dを構成してもよい。
一方、受信処理手段50Dは、例えば、受信処理手段50Aが備える受信部51、受光部52、記憶部53および障害通報部54と、受信側再送部56および送信模擬部57とに加え、受信状況把握部58および伝送ログ受信部59とを備える。また、記憶部53には、受信側伝送ログ72、受信データ73および送信側伝送ログ42のレプリカ(以下、単に「ログレプリカ」とする。)74が保持されている。
受信状況把握部58は、例えば、送信処理手段20D内の伝送結果情報を含むログレプリカ74と受信処理手段50D内の伝送結果情報を含む受信側伝送ログ72とに基づいて、伝送データの片方向通信装置10Cの外部との伝送状況および片方向通信装置10C内の伝送状況を把握する機能と、把握結果に基づいて再送が必要な伝送データをリスト化した情報を含む再送リスト8を出力する機能とを有する。
受信状況把握部58は、ログレプリカ74と受信側伝送ログ72とを読み出し、内容を確認して伝送データの片方向通信装置10Dの外部との伝送状況および片方向通信装置10D内の伝送状況を把握し、把握結果に基づき伝送データの再送の要否を判定する(受信状況把握処理ステップ)。受信状況把握部58は、伝送状況を把握し、把握結果に基づき伝送データの再送の要否を判定する受信状況把握処理ステップを行った後、当該判定結果に基づいて再送リスト8を作成し、出力する。
伝送ログ受信部59は、片方向通信路15(図17)を介して伝送される伝送結果情報の受信機能と、受信した伝送結果情報を保存する機能、すなわちログレプリカ74の作成機能とを有する。
伝送ログ受信部59は、例えば、伝送データの伝送結果情報としての送信側伝送ログレプリカ48(図17)を受信すると、ログレプリカ74として記憶部53に保存する。
続いて、片方向通信装置10Dにおける伝送データの再送要否を判定する手法について説明する。
図13から図16は、片方向通信装置10Dにおける受信状況把握部58が行う受信状況把握処理ステップを説明する説明図であり、それぞれ、第1の事例(事例#1:図13)から第4の事例(事例#4:図16)を説明する説明図である。
送信側の伝送記録であるログレプリカ74(図中左側)と受信側の伝送記録である受信側伝送ログ72(図中右側)には、例えば、回線ID(ID−01)毎に、伝送連番、発生時刻、伝送データキーおよび発生ステータスの情報を含んでいる。
受信状況把握部58は、回線ID毎に、同じ伝送連番についての送信側伝送ログ42と実質的に同じ内容のログレプリカ74と受信側伝送ログ72とを比べることによって、送信処理手段20C(送信サーバ11)における伝送結果と受信処理手段50C(受信サーバ12)における伝送データの伝送結果を比べて再送の要否を判定する。
例えば、第1の事例(事例#1:図13)では、図中左側に記載される送信側の伝送記録であるログレプリカ74と図中右側に記載される受信側の伝送記録である受信側伝送ログ72とを確認すると、発生時刻「T001」、「T001+1」、「T001+2」および「T001+3」の各時刻において、発生ステータスは何れも「正常」である。従って、第1の事例では、片方向通信装置10C(図12)におけるデータ伝送が正常に完了していることがわかる。
第2の事例(事例#2:図14)では、74と受信側伝送ログ72とを確認すると、発生時刻「T002」および「T002+1」の各時刻において、ログレプリカ74では発生ステータスは何れも「正常」である一方、これを受け取る受信処理手段50C(図12)側が何もアクション(受信)していないことがわかる。
従って、第2の事例(事例#2:図14)では、送信処理手段20C(図12)から再送する必要があることがわかる。送信処理手段20Cからの再送が必要な伝送データについては、再送リスト8に含められる。
また、第2の事例と類似事例として、受信処理手段50C側で受信のログがあるものの、種別:受信部51で発生ステータス:異常となった場合も、上述の第2の事例と同様に再送リスト8に含められる。何れの場合も送信処理手段20Cでは正常に送信処理できたものの受信処理手段50C側で何らかの障害が起こった事例であり、受信側にログが一切ないか、異常として記録されるかは障害の内容によって異なる。
第3の事例(事例#3:図15)では、ログレプリカ74と受信側伝送ログ72とを確認すると、ログレプリカ74の発生時刻「T003+1」では、発生ステータスが「異常」になっており、送信処理手段20C(図12)内で異常が検出されている。従って、第3の事例では、送信処理手段20Cからの再送が必要であることがわかる。第3の事例に係る伝送データは、送信処理手段20Cからの再送が必要であるため、再送リスト8に含められる。ただし、送信処理手段20C側で、第2の実施形態で説明した第2の片方向通信処理手段が実行される場合は、送信処理手段20C側で再送処理が実行されるため再送リスト8に含める必要はない。
第4の事例(事例#4:図16)では、ログレプリカ74の発生ステータスは何れも「正常」である一方、受信側伝送ログ72の発生時刻「T004+3」では発生ステータスが「異常」となっている。従って、第4の事例では、ログレプリカ74および受信側伝送ログ72から受信処理手段50D(図12)内での伝送異常であることが確認でき、受信処理手段50Dからの再送が必要であることがわかる。
なお、第4の事例(事例#4:図16)に係る伝送データは、送信側へ搬送する再送リスト8には含められない。第4の事例では、受信処理手段50Cからの再送は必要であるとしても、送信処理手段20Cからの再送は不要なためである。
続いて、片方向通信システム80C(図1)内のデータ伝送、すなわち上流システム1から片方向通信装置10Cを介して下流システム2へ伝送されるデータの内容および流れについて説明する。
なお、片方向通信システム80C(図1)内のデータ伝送は、上述した片方向通信システム80B(図1)内のデータ伝送に対して、再送時の処理内容は相違する一方、初回のデータ伝送については実質的に相違しないため、再送時の処理内容を中心に説明し、片方向通信システム80B内のデータ伝送の説明と重複する説明を省略する。
図17は、片方向通信装置10Dを具備する片方向通信システム80Dにおけるデータの流れを説明する説明図である。
なお、図17において、図が煩雑となるのを防止する観点から、発光部22(図12)および受光部52(図12)等のデータ伝送に関わる一部構成要素について省略して示している。
片方向通信装置10Cを介して上流システム1から下流システム2への片方向にデータX45を伝送する場合、送信処理手段20D(図12)として機能する送信サーバ11から片方向通信路15を経由して受信処理手段50D(図12)として機能する受信サーバ12へ伝送管理情報付加データ47を伝送する。送信サーバ11内には送信側伝送ログ42および送信データ43が保存される。
また、送信サーバ11の伝送ログ送信部29から片方向通信路15を経由して送信側伝送ログレプリカ48を受信サーバ12へ伝送する。送信側伝送ログレプリカ48は、受信サーバ12の伝送ログ受信部59が受信する。
受信サーバ12では、伝送管理情報付加データ47を受け取ると、順次伝送されて、最終的にデータX45が下流システム2へ伝送される。受信サーバ12内には受信側伝送ログ72および受信データ73が保存される。
また、送信側ログレプリカ48は、伝送ログ受信部59が受信すると、ログレプリカ74として記憶部53に保存される。
片方向通信装置10Dにおける伝送データ(データX45)の再送は、まず、受信状況把握部58が、ログレプリカ74と受信側伝送ログ72とを読み出し、内容を確認して伝送データの再送の要否を判定する。受信状況把握部58は、伝送データの再送の要否の判定結果に基づいて再送リスト8を出力する。受信サーバ12において作成された再送リスト8は、機械的または人的な手段によって、別途、送信サーバ11側に搬送される。
送信サーバ11では、再送リスト8を受け取ると、リスト読出部28が当該再送リスト8を読み出す。リスト読出部28は、再送リスト8を読み出すと、例えば、読み出した再送リスト8に挙げられている伝送データの識別情報を下流側の受信処理手段50Dへ伝送する機能を有するリスト化データ再送部27へ渡す。
リスト化データ再送部27は、受け取った伝送データの識別情報に基づいて、送信データ43から再送する伝送データを読み出し、受信処理手段50Dへ伝送する。受信処理手段50Dへの伝送が完了すると、伝送ログ送信部29は、初回伝送時と同様に、送信側伝送ログレプリカ48を作成し、下流側の受信処理手段50Dへ片方向通信路15を介して伝送する。
次に、第4の実施形態に係る片方向通信方法について、片方向通信装置10D(図11)が行う第3の片方向通信処理手順を例に説明する。
第3の片方向通信処理手順は、第2の片方向通信処理手順に対して、第1片方向通信工程および第1再送工程の代わりに、それぞれ、第2片方向通信工程および第2再送工程を具備する点で相違するが、その他の点は実質的に相違しない。そこで、第2片方向通信工程および第2再送工程を中心に説明する。
第3の片方向通信処理手順の主な処理の流れ(メインルーチン)は、第2の片方向通信処理手順において、第2の片方向通信処理手順、第1片方向通信工程および第1再送工程を、それぞれ、第3の片方向通信処理手順、第2片方向通信工程および第2再送工程に読み替えた内容になる。
第2片方向通信工程は、例えば、第1片方向通信工程に加えて、送信側伝送ログ42のレプリカである送信側伝送ログレプリカ48(図17)についても下流システム2側の受信処理手段50Dへ伝送する点および受信処理手段50Dが送信側伝送ログレプリカ48を参照可能な記憶領域に保存する点で相違するが、その他の点では実質的に相違しない。
図18は、第3の片方向通信処理手順における第2再送工程(ステップS161〜S163、S165およびS166)の処理の流れを示す流れ図(フローチャート)である。
第2再送工程は、受信状況把握部58(図12)が行う受信状況把握処理ステップおよび再送リスト出力ステップ(ステップS162)と、リスト読出部28(図12)が行う再送伝送データ特定ステップ(ステップS165)と、リスト化データ再送部27(図12)等の伝送データを下流側の受信処理手段50D(図12)へ伝送する機能を有する処理部が行う伝送データ再送ステップ(ステップS166)とを備える。
第2再送工程は、受信処理手段50D側から処理ステップが開始される(ENTER)。受信処理手段50Dにおいて、再送リスト作成要求の有無が判定され(ステップS161)、再送リスト作成要求があるまでの間(ステップS161でNOの場合)、ステップS161の処理ステップを繰り返し、再送リスト作成要求を待機している。
再送リスト作成要求があった場合(ステップS161でYESの場合)、当該再送リスト作成要求に基づき、受信状況把握部58が、受信処理手段50Dにおける受信状況を把握し、把握結果に基づき伝送データの再送の要否を判定する(受信状況把握処理ステップ:ステップS162)。受信状況把握部58は、再送が必要と判定した伝送データをリスト化して再送リスト8(図12)を作成し、出力する(再送リスト出力ステップ:ステップS162)。
続いて、受信状況把握部58が、再送リスト8の出力を完了すると(ステップS163でYESの場合)、受信処理手段50C側の処理フローは、ステップS161へ戻り、再送リスト作成要求の待機状態となる。一方、第2再送工程における処理ステップの実行主体は、再送リスト8が受信処理手段50Cから送信処理手段20D(図12)へ搬送されるのに伴い、受信処理手段50D側から送信処理手段20D側に移る。
送信処理手段20Dに再送リスト8が搬送され、再送リスト8の読み出しを開始すると、送信処理手段20D側の処理ステップが開始される。送信処理手段20Dでは、リスト読出部28(図12)が再送リスト8を読み出し、読み出した再送リスト8に挙げられている伝送データキー等の伝送データの識別情報を抽出することによって再送が必要な伝送データを特定する(ステップS165)。
続いて、リスト化データ再送部27(図12)等の伝送データを下流側の受信処理手段50Dへ伝送する機能を有する処理部が、リスト読出部28(図12)が読み出した伝送データの識別情報を受け取ると、受け取った伝送データの識別情報と関連付けられている伝送データを送信データ43から読み出して、下流システム2側へ伝送(再送)する(ステップS166)。
下流システム2側へ伝送し終えると、第2再送工程(ステップS161〜S163、S165およびS166)は完了し、第3の片方向通信処理手順のメインルーチンへ戻る(RETURN)。
なお、第2再送工程において、受信状況把握部58が、再送リスト8の出力が完了しておらず、作成中または出力中である場合、(ステップS163でNOの場合)、第2再送工程の処理フローはステップS162に戻り、S162以降の処理ステップが行われる。
片方向通信装置10D、片方向通信システム80Dおよび第3の片方向通信処理手順によれば、受信側の受信処理手段50Dが、送信側の送信処理手段20Cが関与する伝送データの伝送結果を受け取るため、受信側で動作異常に起因して伝送できなかった伝送データを特定することができ、送信処理手段20Dからの再送が必要な伝送データをリスト化し、再送リスト8として出力することができる。
また、再送リスト8を受信側から送信側へ搬送することによって、送信側では、受信側へ再送が必要な伝送データのみを特定することができ、必要最小限の伝送データを下流側へ再送することができる。
従って、片方向通信装置10D、片方向通信システム80Dおよび第3の片方向通信処理手順によれば、動作異常に起因して伝送できなかった伝送データの再送に要するユーザの作業負担を低減し、より効率的にデータを再送することができる。
以上、片方向通信装置10(10A〜10D)、片方向通信システム80(80A〜80D)、片方向通信装置10が行う片方向通信処理手順およびコンピュータに片方向通信処理手順を実行させる片方向通信プログラムによれば、動作異常に起因して伝送できなかった伝送データの再送に要する作業負担を低減し、より効率的に伝送データを再送することができる。
例えば、送信側伝送ログ42および受信側伝送ログ72の何れにも、下流システム2側へ伝送するデータの伝送管理情報が含まれているため、発生ステータスが「異常」となっている伝送データを容易に特定することができる。従って、送信サーバ11が送信側伝送ログ42を確認するとともに受信サーバ12が受信側伝送ログ72を確認することで、動作異常に起因して伝送できなかった伝送データの再送を、送信側再送部26および受信側再送部56による自動作業とすることができる。また、低周期で一括再送部30による一括再送を行うことで、送信処理手段20C側で検出できない伝送異常のあった伝送データも、自動で効率よく再送することができる(再送信の自動作業化)。
また、送信処理手段20(20A〜20C)がシステム監視部24を備え、上流システム1の動作状態を監視した結果が監視結果情報として受信サーバ12へ伝送されることで、上流システム1のある計算機3−nがメンテナンス等で停止している期間であって、システムの異常に因らないデータ伝送が行えない期間に、送信処理手段20や受信処理手段50(50A〜50C)において無用な再送要求を発生させる等の無用な処理の発生を抑えることができる。
従って、本来、動作異常に起因して伝送できなかった伝送データとして取り扱う必要のない伝送データについてまで、伝送ログ等を調査する等の無用な作業の増加を抑制することができる。また、送信側再送部26および受信側再送部56による無用な伝送データの再送実行を抑制することができる。
さらに、送信処理手段20から送信処理手段20における伝送結果情報を受け取る受信処理手段50を具備する片方向通信装置10等では、受信処理手段50が送信処理手段20における伝送結果を知ることができるため、伝送されなかった伝送データを受信側で特定することができ、送信処理手段20へ再送を依頼すべき伝送データを特定することができる。従って、伝送データの再送に要するユーザの作業負担を低減することができ、より効率的にデータを再送することができる。
なお、上述した実施形態において記載した各手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記憶回路を有する記憶媒体に書き込んでプロセッサを有する各種装置に適用したり、通信媒体により伝送して各種装置に適用することもできる。
また、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することができる。例えば、送信処理手段20A,20B,20Cの構成要素を適宜組み合わせて送信処理手段20を構成したり、受信処理手段50A,50B,50Cの構成要素を適宜組み合わせて受信処理手段50を構成したりすることもできる。
本発明は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…上流システム、2…下流システム、3(3−1〜3−n),5(5−1〜5−m)…計算機(コンピュータ)、4,6…ネットワーク、8…再送リスト、10(10A〜10C)…片方向通信装置、11…送信サーバ、12…受信サーバ、13…送信機、14…受信機、15…片方向通信路、16,17…保守コンソール、18…警報出力部、20(20A〜20C)…送信処理手段、21…送信部、22…発光部、23…記憶部、24…システム監視部、25…受信模擬部、26…送信側再送部、27…リスト化データ再送部、28…リスト読出部、29…伝送ログ送信部、30…一括再送手段、41…上流システム監視結果情報、42…送信側伝送ログ、43…送信データ、45…データX、46…伝送管理情報Y、47…伝送管理情報付加データ、50(50A〜50C)…受信処理手段、51…受信部、52…受光部、53…記憶部、54…障害通報部、55…上流システム模擬部、56…受信側再送部、57…送信模擬部、58…受信状況把握部、59…伝送ログ受信部、71…上流システム状態情報、72…受信側伝送ログ、73…受信データ、74…ログレプリカ、80(80A〜80C)…片方向通信システム。
Claims (14)
- データ送信元となる上流システムとデータ受信先となる下流システムとの間に設置され、前記上流システムから前記下流システムへ向かう順方向にデータ伝送する片方向通信路を介して前記順方向の片方向通信をする片方向通信装置であって、
前記上流システムと通信可能に接続され、下流システム側へ伝送する前記片方向通信路の識別情報、データ伝送の識別情報および伝送する伝送データの識別情報を含む伝送管理情報を生成し、生成した伝送管理情報と、前記伝送データとを読み出し可能な記憶領域に保存する一方、前記上流システムから前記下流システムへ前記伝送データを前記伝送管理情報とともに前記片方向通信路を介して伝送する送信処理手段と、
前記下流システムと通信可能に接続され、前記送信処理手段から受信したデータのうち前記伝送データを前記下流システムへ伝送する受信処理手段とを具備することを特徴とする片方向通信装置。 - 前記送信処理手段は、前記上流システムから前記伝送データを受け取る受信模擬部と、
前記受信模擬部から前記伝送データを受け取り、前記伝送データを前記伝送管理情報とともに受信処理手段へ伝送する送信部とを備え、
前記受信模擬部は、自己が関与した前記伝送データの伝送について前記伝送管理情報を生成し、前記送信部へ伝送した伝送結果を示す受信模擬部伝送結果情報と前記伝送管理情報とを読み出し可能な記憶領域に保存するように構成され、
前記送信部は、自己が関与した前記伝送データの伝送について前記伝送管理情報を生成し、受信処理手段側へ伝送した伝送結果を示す送信部伝送結果情報と前記伝送管理情報とを読み出し可能な記憶領域に保存するように構成される請求項1記載の片方向通信装置。 - 前記送信処理手段は、前記伝送管理情報と前記受信模擬部伝送結果情報と前記送信部伝送結果情報とを照合し、データの伝送が正常に行われているか否かを判定し、否と判定した場合、否と判定した前記データを再送信するデータとして特定する送信側再送部を備える請求項2記載の片方向通信装置。
- 前記送信処理手段は、前記伝送データを周期的に再送信する送信側再送部を備え、
前記送信側再送部は、一周期のうちに伝送した全ての前記伝送データを前記伝送管理情報とともに前記受信処理手段側へ自動的に再送信するように構成される請求項2記載の片方向通信装置。 - 前記送信処理手段は、前記受信模擬部伝送結果情報と前記送信部伝送結果情報とを含む送信側伝送結果情報を前記片方向通信路を介して前記受信処理手段へ伝送する送信側伝送結果情報送信部を備える請求項2から4の何れか一項に記載の片方向通信装置。
- 前記送信処理手段は、受信処理手段側から搬送可能な記憶媒体に記憶される情報を読み出し可能な読出部を備え、
前記読出部は、前記受信処理手段へ再送が必要な再送リストを前記記憶媒体から読み出した場合、読み出した再送リストおよび当該再送リストに挙げられている伝送データのうち、少なくとも読み出した再送リストを前記送信部に出力し、
前記送信部は、前記再送リストに挙げられている伝送データを前記受信処理手段へ再送するように構成される請求項1から5の何れか一項に記載の片方向通信装置。 - 前記送信処理手段は、前記上流システムにおける計算機の動作状況を個別に監視し、監視した結果を示す監視結果情報を生成するシステム監視部を備え、
前記システム監視部は、前記片方向通信路を介して前記監視結果情報を前記受信処理手段へ伝送するように構成される請求項1から6の何れか一項に記載の片方向通信装置。 - 前記受信処理手段は、前記送信処理手段から前記監視結果を受信し、受信した前記監視結果に基づいて前記上流システムの動作状況を模擬して前記下流システムへ伝送する上流システム動作模擬部を備える請求項7記載の片方向通信装置。
- 前記受信処理手段は、前記送信処理手段からデータを受信する受信部と、
前記受信部が受信したデータのうち前記伝送データを前記下流システムへ伝送する送信模擬部とを備え、
前記受信部は、受信したデータの受信結果を示す受信結果情報を生成し、読み出し可能な記憶領域に保存する一方、受信したデータを前記送信模擬部へ伝送し、伝送結果を示す受信部伝送結果情報を読み出し可能な記憶領域に保存するように構成され、
前記送信模擬部は、前記受信部から伝送されたデータの受信結果を示す受信結果情報を生成し、読み出し可能な記憶領域に保存する一方、前記受信部が受信し、前記受信部から伝送されたデータに含まれる前記伝送データを前記下流システムへ伝送し、伝送結果を示す送信模擬部伝送結果情報を読み出し可能な記憶領域に保存するように構成される請求項1から8の何れか一項に記載の片方向通信装置。 - 前記受信処理手段は、前記受信部伝送結果情報と前記送信模擬部伝送結果情報とを照合し、データの伝送が正常に行われているか否かを判定し、否と判定した場合、否と判定した前記データを再送信するデータとして特定する受信側再送部を備える請求項9記載の片方向通信装置。
- 前記送信処理手段は、前記受信模擬部伝送結果情報と前記送信部伝送結果情報とを含む送信側伝送結果情報を前記片方向通信路を介して前記受信処理手段へ伝送するように構成される一方、
前記受信処理手段は、前記送信処理手段から伝送される前記送信側伝送結果情報を複製した複製送信側伝送結果情報を生成し、生成した複製送信側伝送結果情報と前記送信模擬部伝送結果情報とを照合し、データの伝送が正常に行われているか否かを判定し、否と判定した場合、否と判定した前記データを前記受信処理手段へ再送が必要なデータとして特定する受信状況把握手段を備える請求項9記載の片方向通信装置。 - 前記受信状況把握手段は、前記受信処理手段へ再送が必要なデータとして特定したデータを一覧化した再送リストを作成し、作成した再送リストを送信処理手段側へ搬送可能な記憶媒体に保存可能に構成される請求項11記載の片方向通信装置。
- データ送信元となる上流システムが設置される上流側と通信可能に接続される一方、前記上流システムに求められるセキュリティ度よりもセキュリティ度が低いデータ受信先となる下流システムが設置される下流側とは前記上流側から前記下流側へ向かう順方向にデータ伝送する片方向通信路を介して接続される送信処理手段と、前記下流システムと通信可能に接続される一方、前記送信処理手段から受信したデータのうち前記伝送データを前記下流システムへ伝送する受信処理手段とを具備する片方向通信装置を用いた片方向通信方法であって、
前記送信処理手段が下流システム側へ前記伝送データを伝送する前記片方向通信路の識別情報、データ伝送の識別情報および伝送する前記伝送データの識別情報を含む伝送管理情報を生成し、生成した伝送管理情報と、前記伝送データとを読み出し可能な記憶領域に保存する一方、前記上流システムから前記下流システムへ前記伝送データを前記伝送管理情報とともに前記片方向通信路を介して伝送するステップを含むことを特徴とする片方向通信方法。 - コンピュータを、データ送信元となる上流システムが設置される上流側と通信可能に接続される一方、前記上流システムに求められるセキュリティ度よりもセキュリティ度が低いデータ受信先となる下流システムが設置される下流側とは前記上流側から前記下流側へ向かう順方向にデータ伝送する片方向通信路を介して接続される送信処理手段と、前記下流システムと通信可能に接続される一方、前記送信処理手段から受信したデータのうち前記伝送データを前記下流システムへ伝送する受信処理手段とを具備する片方向通信装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、下流システム側へ前記伝送データを伝送する前記片方向通信路の識別情報、データ伝送の識別情報および伝送する前記伝送データの識別情報を含む伝送管理情報を生成し、生成した伝送管理情報と、前記伝送データとを読み出し可能な記憶領域に保存する一方、前記上流システムから前記下流システムへ前記伝送データを前記伝送管理情報とともに前記片方向通信路を介して伝送する機能を有する前記送信処理手段として機能させることを特徴とする片方向通信プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018086700A JP2019193202A (ja) | 2018-04-27 | 2018-04-27 | 片方向通信装置、片方向通信方法および片方向通信プログラム |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2019193202A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113381811A (zh) * | 2021-04-14 | 2021-09-10 | 西安理工大学 | 一种采用无线激光对信息进行安全传输的方法 |
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2018
- 2018-04-27 JP JP2018086700A patent/JP2019193202A/ja active Pending
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