JP2019192065A - 介護介入効果検証装置、介護介入効果検証方法、及び、プログラム - Google Patents

介護介入効果検証装置、介護介入効果検証方法、及び、プログラム Download PDF

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洸 石山
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Yutaka Sakane
裕 坂根
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Minoru Sasaki
佐々木  実
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Tasuke Tsuchiya
太助 土屋
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Abstract

【課題】介護介入の効果を適切に検証するための仕組みを提供する。
【解決手段】
対象者に対する介護介入効果を検証するための装置は、複数の対象者の介護に関係する過去のデータに基づいて、複数の対象者のうち類似する一部の対象者によって構成されるグループを生成する手段を備え、グループを構成する一部の対象者を、介護介入を行う第1のサブグループと、介護介入を行わない第2のサブグループとに分割する手段を備え、特定期間の経過後において、第1のサブグループ、及び、第2のサブグループそれぞれの所定の評価指標の値を含む検証用データを受け付ける手段を備え、第1のサブグループ及び第2のサブグループのそれぞれの所定の評価指標の値の比較結果に基づいて、介護介入の効果を判定する手段を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、介護介入効果検証装置、介護介入効果検証方法、及び、プログラムに関する。
従来、介護予防及び要介護認定を支援するためのシステムが提案されており(例えば、特許文献1を参照)、こうしたシステムは、関連業務の効率化を実現する。また、超少子高齢化社会における社会保障費の増大に対して、介護介入による要介護状態の悪化の抑制が求められている。
特開2003−323501号公報
しかしながら、従来は、介護介入と要介護状態の変化との相関関係(つまり、介護介入の効果)を適切に評価することができなかった。そこで、介護介入の効果を適切に検証するための仕組みの実現が望まれる。
本発明の目的は、介護介入の効果を適切に検証するための仕組みを提供することである。
本発明の第1態様は、
対象者に対する介護介入効果を検証するための装置であって、
複数の対象者の介護に関係する過去のデータに基づいて、前記複数の対象者のうち類似する一部の対象者によって構成されるグループを生成する手段を備え、
前記グループを構成する前記一部の対象者を、介護介入を行う第1のサブグループと、介護介入を行わない第2のサブグループとに分割する手段を備え、
特定期間の経過後において、前記第1のサブグループ、及び、前記第2のサブグループそれぞれの所定の評価指標の値を含む検証用データを受け付ける手段を備え、
前記第1のサブグループ及び第2のサブグループのそれぞれの前記所定の評価指標の値の比較結果に基づいて、介護介入の効果を判定する手段を備える、
介護介入効果検証装置である。
この構成によれば、介護に関係する過去のデータに基づいて類似する対象者としてグルーピングされた複数の対象者を、介護介入を行う第1のサブグループ、及び、介護介入を行わない第2のサブグループに分割して介護介入の効果を判定するから、バラツキが除外された複数の対象者に基づいて、介護介入の効果の有無を実験的に判定することが可能となる。
本発明の第2態様は、上記装置において、前記所定の評価指標は、要介護認定等基準時間、要介護認定区分、及び、介護保険の給付金額の少なくとも1つを含む、ように構成され得る。こうした構成は、要介護認定等基準時間(単に「基準時間」と言われることもある。)、要介護認定区分、及び/又は、介護保険の給付金額を基準とした介護介入の効果判定を可能とする。
本発明の第3態様は、
対象者に対する介護介入効果を検証するための装置であって、
複数の対象者に関する過去のデータに基づいて、前記複数の対象者のうち類似する一部の対象者によって構成されるグループを生成する手段を備え、
前記グループを構成する前記一部の対象者を、介護介入を行う第1のサブグループと、介護介入を行わない第2のサブグループとに分割する手段を備え、
前記第1のサブグループに属する第1対象者、及び、前記第2のサブグループに属する第2対象者のそれぞれの介入実績データに基づいて、評価指標の値を計算する手段を備え、
前記第1対象者の評価指標の値と、前記第2対象者の評価指標の値と、に基づいて、特定期間における介護介入の効果を判定する手段を備える、
介護介入効果検証装置である。
この構成によれば、介護に関係する過去のデータに基づいて、特定期間の介護介入効果を容易に検証することができる。
本発明の第4態様は、上記装置において、前記過去のデータは、前記複数の対象者の各々の要介護認定の履歴を含む個票データ、前記複数の対象者の各々に対して投与された薬歴を含む投薬データ、及び、前記複数の対象者の各々に対する介護介入の実績を含む介入実績データの少なくとも1つを含む、ように構成され得る。こうした構成は、こうした個票データ、投薬データ、及び/又は、介入実績データに基づいて、類似する対象者のグルーピングを行うことを可能とする。
本発明の第5態様は、上記装置において、前記分割する手段は、対象者の数が均等になるように、複数の対象者を前記第1のサブグループ及び前記第2のサブグループに分割し得る。こうした構成は、介護介入の効果の有無の判定の精度を向上させることができる。
本発明の第6態様は、上記装置において、前記分割する手段は、テストを実施する前の期間の評価指標の値及び傾向が同等の推移を示し、且つ、対象者の属性のバラツキが均等になるように、複数の対象者を前記第1のサブグループ及び前記第2のサブグループに分割し得る。こうした構成は、介護介入の効果の有無の判定の精度を向上させることができる。
本発明の第7態様は、コンピュータによって実行され、対象者に対する介護介入効果を検証するための介護介入効果検証方法であって、
複数の対象者の介護に関係する過去のデータに基づいて、前記複数の対象者のうち類似する一部の対象者によって構成されるグループを生成する工程を備え、
前記グループを構成する前記一部の対象者を、介護介入を行う第1のサブグループと、介護介入を行わない第2のサブグループとに分割する工程を備え、
特定期間の経過後において、前記第1のサブグループ、及び、前記第2のサブグループのそれぞれの所定の評価指標の値を含む検証用データを受け付ける工程を備え、
前記第1のサブグループ及び第2のサブグループのそれぞれの前記所定の評価指標の値の比較結果に少なくとも基づいて介護介入の効果を判定する工程を備える、
介護介入効果検証方法である。
この構成によれば、介護に関係する過去のデータに基づいて類似する対象者としてグルーピングされた複数の対象者を、介護介入を行う第1のサブグループ、及び、介護介入を行わない第2のサブグループに分割して介護介入の効果を判定するから、バラツキが除外された複数の対象者に基づいて、介護介入の効果の有無を実験的に判定することが可能となる。
本発明の第8態様は、
コンピュータによって実行され、対象者に対する介護介入効果を検証するための介護介入効果検証方法であって、
複数の対象者の介護に関係する過去のデータに基づいて、前記複数の対象者のうち類似する一部の対象者によって構成されるグループを生成する工程を備え、
前記グループを構成する前記一部の対象者を、介護介入を行う第1のサブグループと、介護介入を行わない第2のサブグループとに分割する工程を備え、
前記第1のサブグループに属する第1対象者、及び、前記第2のサブグループに属する第2対象者のそれぞれの介入実績データに基づいて、過去の特定期間における介護介入の効果を判定する工程を備える、
介護介入効果検証方法である。
この構成によれば、介護に関係する過去のデータに基づいて、特定期間の介護介入効果を容易に検証することができる。
本発明の第9態様は、コンピュータを、上記装置の各手段として機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、介護介入の効果を適切に検証するための仕組みを提供することができる。
第1実施形態の介護介入効果検証装置の構成を概略的に示す構成図である。 第1実施形態のディスプレイにおいて表示される初期画面を例示する図である。 第1実施形態のディスプレイにおいて表示される予測画面を例示する図である。 第1実施形態のディスプレイにおいて表示される介入効果検証メニュー画面を例示する図である。 第1実施形態の情報処理を例示するフローチャートである。 第1実施形態のディスプレイにおいて表示される検証対象者リスト作成画面を例示する図である。 第1実施形態のディスプレイにおいて表示される検証対象者リスト表示画面を例示する図である。 第1実施形態のディスプレイにおいて表示される効果検証画面を例示する図である。 第1実施形態の介護介入効果の検証結果としてのグラフを例示する図である。 第2実施形態の概要の説明図である。 第2実施形態の情報処理を例示するフローチャートである。 図11の情報処理によって得られる介護介入効果の説明図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
(1)第1実施形態
第1実施形態について説明する。
(1−1)介護介入効果検証装置の構成
第1実施形態の介護介入効果検証装置の構成について説明する。図1は、第1実施形態の介護介入効果検証装置10の構成を概略的に示す構成図である。介護介入効果検証装置10は、対象者に対する介護介入効果を検証するための機能を有し、一般的なコンピュータとしての構成を有する。具体的には、介護介入効果検証装置10は、図示するように、CPU及びGPU等のコンピュータプロセッサ11と、DRAM等によって構成されデータやプログラムを一時的に記憶するメインメモリ12と、ユーザとの間で情報のやり取りを行うユーザインタフェース13と、有線又は無線の通信を制御する通信インタフェース14と、磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成されデータやプログラムを記憶するストレージ15とを備える。コンピュータプロセッサ11は、ストレージ15に記憶されているプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる命令を実行する。
ユーザインタフェース13は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネル等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置、ディスプレイ等の画像出力装置、及びスピーカ等の音声出力装置を含む。通信インタフェース14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。
ストレージ15は、様々な情報を記憶し、例えば、図1に示すように、個票データ管理テーブル151と、投薬データ管理テーブル152と、介入実績データ管理テーブル153と、属性データ管理テーブル154と、評価ログデータ管理テーブル155と、を有する。
個票データ管理テーブル151は、個別の要介護認定における個票データを管理する。個票データは、例えば、個別の対象者(被保険者)を識別する被保険者ID、要介護認定の申請日、申請区分(新規/更新)、管理番号、対象者の生年月日、年齢、寝たきり状態区分、認知状態区分、要介護認定区分(1次判定・2次判定)、要介護認定基準時間(1次判定・2次判定)、認定の有効期間(認定期間)等の情報を含む。個票データ管理テーブル151は、個別の対象者について、複数回(新規、及び、その後の1又は複数回の更新)の要介護認定に対応する複数の個票データを管理する。言い換えると、個票データ管理テーブル151は、個別の対象者毎に、要介護認定の結果(区分及び基準時間)の履歴を管理する。
投薬データ管理テーブル152は、個別の対象者に対して投与された薬歴を含む投薬データを管理する。投薬データは、例えば、個別の対象者(被保険者)を識別する被保険者ID、投与日時、薬情報等の情報を含む。
介入実績データ管理テーブル153は、個別の対象者に対する介護介入の実績を含む介入実績データを管理する。介入実績データは、例えば、個別の対象者(被保険者)を識別する被保険者ID、介護介入日時、介護介入内容等の情報を含む。
属性データ管理テーブル154は、個別の対象者の属性に関する属性情報を含む属性データを管理する。属性データは、介護認定の申請日、申請日からの経過日数、対象者の状態(例えば、寝たきり度)、対象者の住所、及び、対象者の家族構成に関する情報を含む。
評価ログデータ管理テーブル155は、個別の対象者の評価指標の値の履歴に関する評価ログデータを管理する。評価ログデータ管理テーブル155は、被保険者IDに関連付けられる。各被保険者IDに関連付けられた評価ログデータは、評価指標の判断日、及び、評価指標の値を含む。
介護介入効果検証装置10は、ストレージ15等に記憶されているプログラムに含まれる命令をコンピュータプロセッサ11が実行することによって、図1に示すように、検証用グループ管理部111、及び、効果検証部112として機能する。検証用グループ管理部111は、介護介入効果の検証用グループの管理に関する様々な処理を実行する。検証用グループは、介護介入の効果を検証するために抽出された一部の対象者によって構成される。また、効果検証部112は、介護介入の効果の検証に関する様々な処理を実行する。介護介入の効果の検証は、検証用グループを構成する複数の対象者の所定の評価指標の値の比較に基づいて行われる。
(1−2)介護介入効果検証装置の動作
本実施形態の介護介入効果検証装置10の動作について説明する。図2は、第1実施形態のディスプレイにおいて表示される初期画面を例示する図である。図3は、第1実施形態のディスプレイにおいて表示される予測画面を例示する図である。図4は、第1実施形態のディスプレイにおいて表示される介入効果検証メニュー画面を例示する図である。図5は、第1実施形態の情報処理を例示するフローチャートである。図6は、第1実施形態のディスプレイにおいて表示される検証対象者リスト作成画面を例示する図である。図7は、第1実施形態のディスプレイにおいて表示される検証対象者リスト表示画面を例示する図である。図8は、第1実施形態のディスプレイにおいて表示される効果検証画面を例示する図である。図9は、第1実施形態の介護介入効果の検証結果としてのグラフを例示する図である。
図2は、第1実施形態のディスプレイにおいて表示される初期画面を例示する。当該画面30には、図示するように、「要介護認定の予測」というテキストを有する第1メニューオブジェクト31と、「介護介入効果の検証」というテキストを有する第2メニューオブジェクト32とが配置されている。
第1メニューオブジェクト31は、要介護認定に関する予測を行うためのメニューである。当該オブジェクト31が選択されると、ディスプレイ131において、図3に例示する予測画面40が表示される。当該画面40は、図示するように、予測する項目を選択するための予測項目選択領域41と、予測に用いる入力データを指定するための第1入力データ指定領域及び第2入力データ指定領域44と、予測結果を出力する出力データ(出力先)を指定するための出力データ指定領域45と、予測期間を指定するための年指定領域46及び月指定領域47と、実行指示オブジェクト48とが配置されている。
予測項目選択領域41は、要介護認定区分、介護給付金額、及び、基準時間の何れか1つを選択できるように構成されている。第1入力データ指定領域及び第2入力データ指定領域44は、通常は、最新の個票データ及び投薬データが指定され、図3の例では、平成28年度における個票データ及び投薬データが指定されている。なお、これらの個票データ及び投薬データの少なくとも一方に代えて、又は、こられに加えて、介護介入実績データが指定されても良い。
実行指示オブジェクト48が選択されると、第1入力データ指定領域及び第2入力データ指定領域44において指定されている入力データに基づいて、予測項目選択領域41において選択されている項目の予測が行われる。当該予測は、入力データに含まれるデータの最新の年月から、年指定領域46及び月指定領域47を介して指定された予測期間の範囲で行われる。例えば、入力データに含まれるデータの最新の年月が「2016年6月」であって、予測期間が「5年6か月」である場合、2016年7月から2021年12月までの予測が行われる。
要介護認定区分、介護給付金額、又は、基準時間の予測は、様々な統計的手法を用いて行うことができ、例えば、機械学習及び深層学習の手法を適用して行われる。
図2に戻り、初期画面30の第2メニューオブジェクト32が選択されると、ディスプレイ131において、図4に例示する介入効果検証メニュー画面50が表示される。当該画面50は、図示するように、「検証対象者リストの作成」というテキストを有する第1メニューオブジェクト51と、「検証対象者の評価指標の入力」というテキストを有する第2メニューオブジェクト52とが配置されている。
第1メニューオブジェクト51は、介護介入効果を実験的に検証する際の対象者のリストを作成するためのメニューである。図5は、第1メニューオブジェクト51が選択されたときに、介護介入効果検証装置10が実行する処理を例示するフローチャートである。介護介入効果検証装置10は、まず、図示するように、検証対象者リストの作成に用いるデータの入力を受け付ける(ST100)。
図6は、第1メニューオブジェクト51の選択に応じて、ディスプレイ131において表示される検証対象者リスト作成画面60を例示する。当該画面60は、図示するように、検証対象者リストの作成に用いる入力データを指定するための第1入力データ指定領域63及び第2入力データ指定領域64と、実行指示オブジェクト65とが配置されている。第1入力データ指定領域63及び第2入力データ指定領域64は、通常は、最新の個票データ及び投薬データが指定され、図6の例では、平成28年度における個票データ及び投薬データが指定されている。なお、これらの個票データ及び投薬データの少なくとも一方に代えて、又は、こられに加えて、介護介入実績データが指定されても良い。このように、介護介入効果検証装置10は、検証対象者リスト作成画面60の第1入力データ指定領域63及び第2入力データ指定領域64を介して、検証対象者リストの作成に用いるデータの入力を受け付ける。
図5に示すように、ステップST100の後、介護介入効果検証装置10は、入力データに含まれる複数の対象者のうち類似する対象者のグループを作成する(ST110)。具体的には、介護介入効果検証装置10は、検証対象者リスト作成画面60の実行指示オブジェクト65が選択されると、第1入力データ指定領域63及び第2入力データ指定領域64を介して指定されている入力データを分析し、当該入力データに含まれる複数の対象者を、その類似度(例えば、個票データ、投薬データ、介入実績データ、属性データ、及び、評価ログデータの少なくとも1つの類似度)に基づいてグルーピングする。こうした類似度に基づく対象者のグルーピングは、例えば、クラスター分析の手法を用いて行われる。
類似度は、一例として、以下の項目の少なくとも1つに関する類似度である。
・対象者の属性
・対象者に対する介入行為の種類
・対象者に対する介入行為の実施階数
ステップST110の後、介護介入効果検証装置10は、作成したグループを2つのサブグループに分割する(ST120)。具体的には、介護介入効果検証装置10は、評価ログデータ管理テーブル155を参照して、テスト(つまり、図5の処理)を実施する前の期間の評価指標の値及び傾向(例えば、正規化後の値)が同等の推移になるように、作成したグループに含まれる複数の対象者を、介護介入を行う介入群(第1のサブグループ)と、介護介入を行わない非介入群(第2のサブグループ)とに振り分ける。「同等の推移」とは、例えば、介入群の推移と非介入群の推移との差が所定範囲に含まれることを意味する。
ステップST120の後、介護介入効果検証装置10は、2つのサブグループに関する情報を出力する(ST130)。図7は、ディスプレイ131において表示される検証対象者リスト表示画面70を例示する。当該画面70には、図示するように、介入群に含まれる対象者(以下「介入対象者」という)を一覧表示する第1一覧表示領域71と、非介入群に含まれる対象者(以下「非介入対象者」という)を一覧表示する第2一覧表示領域72と、出力指示オブジェクト74とが配置されている。出力指示オブジェクト74が選択されると、介護介入効果検証装置10は、介入対象者のリスト、及び、非介入対象者のリストを、個別に又は一括して、所定の形式(例えば、表計算ソフトの形式等)のファイルとして出力する。このように、介護介入効果検証装置10は、検証対象者リスト表示画面70を介して、2つのサブグループに関する情報を出力(表示)し、また、所定の形式のファイルとして出力する。
ステップST130の後、介護介入効果検証装置10は、検証のための実験の途中及び終了後において、評価指標の値を計算する(ST140)。実験では、介入対象者に対しては介護介入が行われる一方、非介入対象者に対しては介護介入が行われない。評価指標は、例えば、要介護認定区分、介護給付金額、又は、基準時間である。
介護介入効果検証装置10は、計算した評価指標の値と、対象者の被保険者IDと、を関連付けて評価ログデータ管理テーブル155に記憶する。
検証のための実験が完了すると、介護介入効果検証装置10は、実験結果に基づく介護介入効果の検証を行う(ST150)。図8は、ディスプレイ131において表示される効果検証画面80を例示する。効果検証画面80には、図示するように、入力する実績リスト(実験結果のリスト)を検索するための実績リスト検索領域81と、検索された実績リストを選択可能に表示する実績リスト選択領域82と、実行指示オブジェクト83とが配置されている。例えば、介護介入効果検証装置10のストレージ15の所定のフォルダには、複数の実績リストが格納されている。介護介入効果検証装置10は、ストレージ15に記憶された複数の実績リストの中から、実績リスト検索領域81を介した文字列検索等によって抽出された実績リストが領域82に表示される。実績リストは、実験の単位毎に作成され、介入対象者の評価指標の値及び非介入対象者の評価指標の値(つまり、評価ログデータ管理テーブル155の情報)が含まれる。
実行指示オブジェクト83が選択されると、実績リスト選択領域82を介して選択されている実績リストに基づいて、介護介入効果の検証が行われる。具体的には、実績リストに含まれる、介入対象者の評価指標の値と、非介入対象者の評価指標の値とを比較することによって、介護介入効果の検証が行われる。
図9は、介護介入効果の検証結果としてのグラフを例示する。当該グラフは、例えば、実行指示オブジェクト83が選択されるとディスプレイ131において表示される。図9の例では、評価指標として基準時間が適用されている(実績リストに基準時間が含まれている)。また、介護介入が行われなかった非介入群の対象者の年齢別の基準時間(平均値)が実線で示されており、介護介入が行われた介入群の対象者の年齢別の基準時間(平均値)が破線で示されている。図9の例では、年齢が「83〜85歳」の範囲において、介入群における基準時間が、非介入群における基準時間よりも少なくなっているから、対応する実験に関して、介護介入の効果があったと判断される。
以上説明した第1実施形態の介護介入効果検証装置10は、介護に関係する過去のデータ(例えば、個票データ、投薬データ、介入実績データ、及び、属性データ)に基づいて類似する対象者としてグルーピングされた複数の対象者を、介護介入を行う第1のサブグループ(介入群)、及び、介護介入を行わない第2のサブグループ(非介入群)に分割して介護介入の効果を判定する。これにより、バラツキが除外された複数の対象者に基づいて、介護介入の効果の有無を実験的に判定することが可能となる。
(2)第2実施形態
第2実施形態について説明する。
(2−1)第2実施形態の概要
本実施形態の概要について説明する。図10は、第2実施形態の概要の説明図である。
図10に示すように、介護介入効果検証装置10は、第1実施形態と同様に、複数の対象者を介入群又は非介入群に振り分ける。
介護介入効果検証装置10は、介入群から、少なくとも1人の介入対象者をランダムに抽出する。
介護介入効果検証装置10は、非介入群から、少なくとも1人の非介入対象者をランダムに抽出する。
介護介入効果検証装置10は、介入対象者及び非介入対象者のそれぞれについて、信頼区間を算出する。
介護介入効果検証装置10は、介入対象者及び非介入対象者の信頼区間における介護介入効果を判定する。
(2−2)介護介入効果検証装置の動作
本実施形態の介護介入効果検証装置10の動作について説明する。図11は、第2実施形態の情報処理を例示するフローチャートである。図12は、図11の情報処理によって得られる介護介入効果の説明図である。
図11に示すように、介護介入効果検証装置10は、ステップS100〜ST120(図5)の後、各サブグループから対象者をランダムに抽出する(ST200)。具体的には、介護介入効果検証装置10は、介入群に振り分けられた対象者の中から少なくとも1人の介入対象者をランダムに抽出する。
介護介入効果検証装置10は、非介入群に振り分けられた対象者の中から少なくとも1人の非介入対象者をランダムに抽出する。
ステップST200の後、介護介入効果検証装置10は、ステップST200で抽出された介入対象者の集合及び非介入対象者の集合のそれぞれについて、過去のデータに基づいて、信頼区間を算出する(ST210)。
具体的には、介護介入効果検証装置10は、信頼区間が一定の信頼性を示す水準(以下「信頼水準」という)の値を所定値(例えば、90%)に設定する。
介護介入効果検証装置10は、介入対象者の集合及び非介入対象者の集合のそれぞれの過去のデータの項目(例えば、個票データ管理テーブル151の要介護認定等基準時間)の統計値(例えば、平均及び分散の少なくとも1)に基づいて、当該項目の信頼区間を計算する。
介護介入効果検証装置10は、信頼区間の平均値、下限信頼区間、及び、上限信頼区間を比較することにより、各信頼区間が信頼水準を満たすか否かを判定する。
各信頼区間が信頼水準を満たす場合、ステップST220に進む。
各信頼区間が信頼水準を満たさない場合、ステップST200に戻る。
これにより介入効果の検証精度の信頼性を担保することができる。
ステップST210の後、介護介入効果検証装置10は、介護介入効果を判定する(ST220)。
具体的には、介護介入効果検証装置10は、介入対象者及び非介入対象者の介入実績データ管理テーブル153から、ステップST210で算出した信頼区間におけるデータを抽出する。
介護介入効果検証装置10は、信頼区間におけるデータに基づいて、介入対象者の評価指標の値と、非介入対象者の評価指標の値とを比較することによって、信頼区間の介護介入効果を算出する。
図12は、介護介入効果の一例である「推定介護度進行遅延効果」の算出結果を示している。
属性「非介入」である場合の評価指標の値(例えば、介護介入に要した平均時間)は、1200時間である。
一例として、属性「一人世帯」の評価指標の値は800時間である。属性「非一人世帯」の評価指標の値は1000時間である。属性「一人世帯」と属性「非一人世帯」とを比較すると、属性「一人世帯」に該当する介入対象者への介護介入効果は200(=1000−800)時間となる。
別の例として、属性「一人世帯」の評価指標の値は800時間である。属性「戸建て」の評価指標の値は1000時間である。属性「一人世帯」と属性「戸建て」とを比較すると、属性「一人世帯」に該当する介入対象者への介護介入効果は200(=1000−800)時間となる。
このように、第2実施形態では、介入対象者及び非介入対象者の過去のデータに基づいて、過去の特定期間についての介入効果を判定する。これにより、過去に実施された介護の介入効果を容易に検証することができる。
例えば、図12の例によれば、属性「一人世帯」に該当する介入対象者への介護介入が、属性「非一人世帯」又は属性「戸建て」に該当する介入対象者への介護介入より効果的であることが分かる。
(3)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
(3−1)変形例1
本実施形態の変形例1について説明する。変形例1は、テスト群の信頼区間とコントロール群の信頼区間との間の関係が、評価指標の値の算出に悪影響を及ぼす場合、対象者のサブグループへの振り分けをやり直す例である。
変形例1の介護介入効果検証装置10は、ステップST210(図11)において算出された信頼区間が所定条件を満たさない場合、後述の追加条件の少なくとも1つを更に満たすように、ST120を再実行する。
所定条件を満たさない場合とは、以下の少なくとも1つである。
・介入群の信頼区間と非介入群の信頼区間との重複範囲が、所定比率以下である場合
・介入群の信頼区間の範囲が所定範囲以上である場合
・非介入群の信頼区間の範囲が所定範囲以上である場合
追加条件の第1例は、介入対象者の属性及び非介入対象者の属性に関する条件である。
具体的には、介護介入効果検証装置10は、介入対象者の属性のバラツキと非介入対象者の属性のバラツキとの差が小さくなるように、複数の対象者を介入群又は非介入群に、ランダムに振り分ける。
追加条件の第2例は、介入対象者に対する介入内容及び非介入対象者に対する介入内容に関する条件である。
一例として、介護介入効果検証装置10は、介入対象者に対する介入行為の種類のバラツキと非介入対象者に対する介入行為の種類のバラツキとの差が小さくなるように、複数の対象者を介入群又は非介入群に、ランダムに振り分ける。
別の例として、介護介入効果検証装置10は、介入対象者に対する介入行為の実施回数の平均値と非介入対象者に対する介入行為の実施回数の平均値との差が小さくなるように、複数の対象者を介入群又は非介入群に、ランダムに振り分ける。
追加条件の第3例は、介入対象者の数及び非介入対象者の数に関する条件である。
具体的には、介護介入効果検証装置10は、介入対象者の数と非介入対象者の数との差が小さくなるように、複数の対象者を介入群又は非介入群に、ランダムに振り分ける。
変形例1によれば、ステップST220で得られる判定結果の精度を向上させることができる。
(3−2)変形例2
本実施形態の変形例2について説明する。変形例2は、テスト群の信頼区間とコントロール群の信頼区間との間の関係が、評価指標の値の算出に悪影響を及ぼさないように、対象者のサブグループへの振り分けを実行する例である。
変形例2の介護介入効果検証装置10は、ステップST120(図11)において、ステップ210で得られる信頼区間が所定条件を満たすように、グループを2つのサブグループに分割する。
所定条件とは、以下の少なくとも1つである。
・介入群の信頼区間と非介入群の信頼区間との重複範囲が、所定比率以上である
・介入群の信頼区間の範囲が所定範囲以下である
・非介入群の信頼区間の範囲が所定範囲以下である
より具体的には、介護介入効果検証装置10は、ステップST120において、以下の追加条件を満たすように、グループを2つのサブグループに分割する。
追加条件の第1例は、介入対象者の属性及び非介入対象者の属性に関する条件である。
具体的には、介護介入効果検証装置10は、介入対象者の属性のバラツキと非介入対象者の属性のバラツキとの差が小さくなるように、複数の対象者を介入群又は非介入群に、ランダムに振り分ける。
追加条件の第2例は、介入対象者に対する介入内容及び非介入対象者に対する介入内容に関する条件である。
一例として、介護介入効果検証装置10は、介入対象者に対する介入行為の種類のバラツキと非介入対象者に対する介入行為の種類のバラツキとの差が小さくなるように、複数の対象者を介入群又は非介入群に、ランダムに振り分ける。
別の例として、介護介入効果検証装置10は、介入対象者に対する介入行為の実施回数の平均値と非介入対象者に対する介入行為の実施回数の平均値との差が小さくなるように、複数の対象者を介入群又は非介入群に、ランダムに振り分ける。
変形例2によれば、ステップST220で得られる判定結果の精度を向上させることができる。
(3−3)変形例3
本実施形態の変形例3について説明する。変形例3は、テスト群の信頼区間とコントロール群の信頼区間との間の関係が、評価指標の値の算出に悪影響を及ぼさないように、対象者のグループの作成を実行する例である。
変形例3の介護介入効果検証装置10は、ステップST110(図11)において、ステップ210で得られる信頼区間が所定条件を満たすように、類似する対象者のグループを作成する。
所定条件とは、以下の少なくとも1つである。
・介入群の信頼区間と非介入群の信頼区間との重複範囲が、所定比率以上である
・介入群の信頼区間の範囲が所定範囲以下である
・非介入群の信頼区間の範囲が所定範囲以下である
より具体的には、介護介入効果検証装置10は、ステップST110において、以下の追加条件を満たすように、対象者のグループを作成する。
追加条件の第1例は、対象者の属性に関する条件である。
具体的には、介護介入効果検証装置10は、対象者の属性の類似度が所定値以上になるように、対象者のグループを作成する。
追加条件の第2例は、対象者に対する介入内容に関する条件である。
一例として、介護介入効果検証装置10は、対象者に対する介入行為の種類のバラツキが小さくなるように、対象者のグループを作成する。
別の例として、介護介入効果検証装置10は、対象者に対する介入行為の実施回数の平均値が所定値以下になるように、対象者のグループを作成する。
変形例3によれば、ステップST220で得られる判定結果の精度を向上させることができる。
10 :介護介入効果検証装置
11 :コンピュータプロセッサ
12 :メインメモリ
13 :ユーザインタフェース
14 :通信インタフェース
15 :ストレージ
111 :検証用グループ管理部
112 :効果検証部
131 :ディスプレイ

Claims (9)

  1. 対象者に対する介護介入効果を検証するための装置であって、
    複数の対象者に関する過去のデータに基づいて、前記複数の対象者のうち類似する一部の対象者によって構成されるグループを生成する手段を備え、
    前記グループを構成する前記一部の対象者を、介護介入を行う第1のサブグループと、介護介入を行わない第2のサブグループとに分割する手段を備え、
    特定期間の経過後において、前記第1のサブグループ、及び、前記第2のサブグループそれぞれの所定の評価指標の値を含む検証用データを受け付ける手段を備え、
    前記第1のサブグループ及び第2のサブグループのそれぞれの前記所定の評価指標の値の比較結果に基づいて、介護介入の効果を判定する手段を備える、
    介護介入効果検証装置。
  2. 前記所定の評価指標は、要介護認定等基準時間、要介護認定区分、及び、介護保険の給付金額の少なくとも1つを含む、
    請求項1の介護介入効果検証装置。
  3. 対象者に対する介護介入効果を検証するための装置であって、
    複数の対象者に関する過去のデータに基づいて、前記複数の対象者のうち類似する一部の対象者によって構成されるグループを生成する手段を備え、
    前記グループを構成する前記一部の対象者を、介護介入を行う第1のサブグループと、介護介入を行わない第2のサブグループとに分割する手段を備え、
    前記第1のサブグループに属する第1対象者、及び、前記第2のサブグループに属する第2対象者のそれぞれの介入実績データに基づいて、評価指標の値を計算する手段を備え、
    前記第1対象者の評価指標の値と、前記第2対象者の評価指標の値と、に基づいて、特定期間における介護介入の効果を判定する手段を備える、
    介護介入効果検証装置。
  4. 前記過去のデータは、前記複数の対象者の各々の要介護認定の履歴を含む個票データ、前記複数の対象者の各々に対して投与された薬歴を含む投薬データ、前記複数の対象者の各々に対する介護介入の実績を含む介入実績データ、及び、前記対象者の属性に関する属性データの少なくとも1つを含む、
    請求項1〜3の何れかの介護介入効果検証装置。
  5. 前記分割する手段は、対象者の数が均等になるように、複数の対象者を前記第1のサブグループ及び前記第2のサブグループに分割する、
    請求項1〜4の何れかに記載の介護介入効果検証装置。
  6. 前記分割する手段は、テストを実施する前の期間の評価指標の値及び傾向が同等の推移を示し、且つ、対象者の属性のバラツキが均等になるように、複数の対象者を前記第1のサブグループ及び前記第2のサブグループに分割する、
    請求項1〜4に記載の介護介入効果検証装置。
  7. コンピュータによって実行され、対象者に対する介護介入効果を検証するための介護介入効果検証方法であって、
    複数の対象者の介護に関係する過去のデータに基づいて、前記複数の対象者のうち類似する一部の対象者によって構成されるグループを生成する工程を備え、
    前記グループを構成する前記一部の対象者を、介護介入を行う第1のサブグループと、介護介入を行わない第2のサブグループとに分割する工程を備え、
    特定期間の経過後において、前記第1のサブグループ、及び、前記第2のサブグループのそれぞれの所定の評価指標の値を含む検証用データを受け付ける工程を備え、
    前記第1のサブグループ及び第2のサブグループのそれぞれの前記所定の評価指標の値の比較結果に少なくとも基づいて介護介入の効果を判定する工程を備える、
    介護介入効果検証方法。
  8. コンピュータによって実行され、対象者に対する介護介入効果を検証するための介護介入効果検証方法であって、
    複数の対象者の介護に関係する過去のデータに基づいて、前記複数の対象者のうち類似する一部の対象者によって構成されるグループを生成する工程を備え、
    前記グループを構成する前記一部の対象者を、介護介入を行う第1のサブグループと、介護介入を行わない第2のサブグループとに分割する工程を備え、
    前記第1のサブグループに属する第1対象者、及び、前記第2のサブグループに属する第2対象者のそれぞれの介入実績データに基づいて、過去の特定期間における介護介入の効果を判定する工程を備える、
    介護介入効果検証方法。
  9. コンピュータに、請求項1〜6の何れかに記載の各手段を実現させるためのプログラム。
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