第1の実施の形態.
<画像形成装置の構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置1の全体構成を示す図である。画像形成装置1は、現像剤像としてのトナー像を形成する画像形成部100と、媒体Pを供給する媒体供給部101と、画像形成部100で形成されたトナー像を媒体Pに転写する転写ベルトユニット20と、媒体Pにトナー像を定着させる定着装置105と、トナー像が定着した媒体Pを排出する排出ローラ106,107,108とを有する。
媒体供給部101は、媒体Pを収容した媒体収容部としての媒体カセット102と、媒体カセット102内の媒体Pを1枚ずつ給紙する給紙機構としてのフィードローラ103と、給紙された媒体Pを搬送する搬送機構としての搬送ローラ104とを有する。
媒体カセット102は、例えば印刷用紙等の複数枚の媒体Pを積層状態で収容し、画像形成装置1の本体に着脱可能に取り付けられている。フィードローラ103は、媒体カセット102内の媒体Pに当接するように配置され、媒体搬送モータ131(図14)によって回転して媒体Pを1枚ずつ給紙する。
搬送ローラ104は、媒体搬送モータ131(図14)によって回転し、媒体Pを転写ベルトユニット20の2次転写部25(後述)に向けて搬送する。搬送ローラ104は、ここでは、媒体Pの搬送路に沿って配置された3対のローラ対によって構成されているが、このような構成に限定されるものではない。
画像形成部100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックおよびホワイトのトナー像を形成するプロセスユニット10Y,10M,10C,10K,10Wと、露光装置としてのLEDヘッド11Y,11M,11C,11K,11Wとを有する。プロセスユニット10Y,10M,10C,10K,10Wは、転写ベルトユニット20の中間転写ベルト21(後述)の走行方向に沿って、図中左から右に一列に配列されている。
プロセスユニット10Y,10M,10C,10K,10Wは、トナーを除いて共通の構成を有するため、特に区別する必要がない場合には、「プロセスユニット10」として説明する。同様に、LEDヘッド11Y,11M,11C,11K,11Wは、特に区別する必要がない場合には、「LEDヘッド11」として説明する。
図2は、プロセスユニット10の構成例を示す模式図である。プロセスユニット10は、像担持体としての感光体ドラム12と、帯電部材としての帯電ローラ13と、現像剤担持体としての現像ローラ14と、供給部材としての供給ローラ15と、層規制部材としての層規制ブレード16と、現像剤収容体としてのトナーカートリッジ17とを備える。
感光体ドラム12は、円筒状の導電性支持体の表面に、感光層(電荷発生層および電荷輸送層)を形成したものである。感光体ドラム12は、駆動モータ134(図14)によって、図2に矢印で示す反時計回りに回転する。
帯電ローラ13は、感光体ドラム12の表面に当接するように配置され、感光体ドラム12の回転に追従して回転する。帯電ローラ13は、帯電電圧電源123(図14)により帯電電圧を印加され、感光体ドラム12の表面を一様に帯電させる。
LEDヘッド11は、複数のLED素子(発光素子)を配列したLEDアレイと、複数のレンズを配列したレンズアレイとを備える。LEDヘッド11は、ヘッド制御部119(図14)の制御により感光体ドラム12の表面に光を照射し、感光体ドラム12の感光層を露光して静電潜像を形成する。
現像ローラ14は、感光体ドラム12の表面に当接するように配置され、感光体ドラム12からのギアを介した回転伝達により、感光体ドラム12の回転方向とは反対方向(図中時計回り)に回転する。現像ローラ14は、現像電圧電源124(図14)により現像電圧を印加され、感光体ドラム12の表面の静電潜像をトナーにより現像する。
供給ローラ15は、現像ローラ14の表面に当接するように配置され、現像ローラ14の回転方向と同方向(図中時計回り)に回転する。供給ローラ15は、供給電圧電源125(図14)により供給電圧を印加され、現像ローラ14にトナーを供給する。
層規制ブレード16は、現像ローラ14の表面に当接するように配置された金属(例えばステンレス)製のブレードである。層規制ブレード16は、層規制電圧電源126(図14)により層規制電圧を印加され、現像ローラ14の表面に形成されるトナー層の厚さを一定の厚さに規制する。
トナーカートリッジ17は、プロセスユニット10の本体上部に着脱可能に取り付けられ、現像ローラ14および供給ローラ15にトナーを補給する。なお、プロセスユニット10のうち、静電潜像の現像に寄与する部分(すなわち現像ローラ14、供給ローラ15および層規制ブレード16を含む部分)を、現像部と称する。
図1に戻り、転写ベルトユニット20は、ベルト部材(または中間転写体)としての中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21を挟んでプロセスユニット10Y,10M,10C,10K,10Wの各感光体ドラム12に当接するように配置された4つの1次転写ローラ22と、中間転写ベルト21のトナー像を媒体Pに2次転写する2次転写部25とを有する。
中間転写ベルト21は、例えばポリイミド等の樹脂で形成されたフィルムである。中間転写ベルト21は、プロセスユニット10Y,10M,10C,10K,10Wの各感光体ドラム12と1次転写ローラ22との間(すなわち1次転写ニップ)を通過するように配置されている。
1次転写ローラ22には、1次転写電圧電源127(図14)により1次転写電圧が印加される。この1次転写電圧により、プロセスユニット10Y,10M,10C,10K,10Wの各感光体ドラム12のトナー像が中間転写ベルト21に1次転写される。
中間転写ベルト21の内周側には、駆動ローラ23、従動ローラ24および2次転写バックアップローラ26が配置されている。駆動ローラ23は、ベルト駆動モータ132(図14)により回転し、中間転写ベルト21を矢印Tで示す方向に走行させる。従動ローラ24は、中間転写ベルト21に張力を付与する。また、2次転写バックアップローラ26と従動ローラ24との間には、中間転写ベルト21の走行を案内するガイドローラ28が設けられている。
中間転写ベルト21の外周側には、2次転写バックアップローラ26との間で中間転写ベルト21を挟み込むように、2次転写ローラ27が配置されている。2次転写ローラ27と2次転写バックアップローラ26とにより、2次転写部25が構成される。2次転写ローラ27と2次転写バックアップローラ26との間のニップ部を、2次転写ニップと称する。
2次転写ローラ27には、2次転写電圧電源128(図14)により2次転写電圧が印加される。この2次転写電圧により、中間転写ベルト21のトナー像が、搬送ローラ104から2次転写部25に搬送された媒体Pに2次転写される。
定着装置105は、2次転写部25でトナー像が転写された媒体Pに熱および圧力を加え、トナー像を媒体Pに定着するものである。図1に示した定着装置105では、3本1組のローラが媒体Pの搬送路を挟み込むように2組配置され、それぞれにベルトが掛け渡されている。定着装置105の少なくとも1つのローラは、定着駆動モータ133(図14)によって回転する。なお、定着装置105は、図1に示した構成に限定されるものではなく、例えば1本の定着ローラと1本の加圧ローラとを有する構成であってもよい。
媒体Pの搬送方向において定着装置105の下流側には、排出部を構成する排出ローラ106,107,108が配置されている。排出ローラ106,107,108は、定着駆動モータ133(図14)からの回転伝達によって回転し、トナー像が定着した媒体Pを画像形成装置1の外部に排出する。画像形成装置1の上部には、排出された媒体Pを載置するスタッカ部109が設けられている。
<センサユニットの構成>
中間転写ベルト21の下側に対向するように、センサユニット5が配置されている。センサユニット5は、ここでは、駆動ローラ23と2次転写部25との間に配置されているが、他の位置に配置されていてもよい。センサユニット5は、中間転写ベルト21の表面(外周面)に対向するセンサ3(3A,3B)と、センサ3と中間転写ベルト21との間に配置されたシャッタ4とを有する。
図1において、センサユニット5に対向する位置での中間転写ベルト21の移動方向と平行な方向をY方向とし、中間転写ベルト21の幅方向をX方向とする。X方向とY方向の両方に平行な方向を、Z方向とする。
また、Y方向については、中間転写ベルト21の移動方向を+Y方向とし、その反対方向を−Y方向とする。Z方向については、センサユニット5から中間転写ベルト21に向かう方向を+Z方向とし、その反対方向を−Z方向とする。
図3は、センサ3を示す模式図である。センサユニット5(図1)は、中間転写ベルト21の幅方向(すなわちY方向)に2つのセンサ3、すなわち濃度センサ3Aおよび色ずれセンサ3Bを有する。
濃度センサ3Aは、中間転写ベルト21の表面に形成された濃度検出用のパターンに光を出射し、反射光を検出するものである。色ずれセンサ3Bは、中間転写ベルト21の表面に形成された色ずれ検出用のパターンに光を出射し、反射光を検出するものである。また、センサ3A,3Bは、キャリブレーション時には、シャッタ4の裏面または中間転写ベルト21の表面に光を出射し、反射光を検出する。
センサ3A,3Bは、いずれも、中間転写ベルト21の表面(すなわちXY面)に対して角度θだけ傾斜した受光面30を有する。センサ3A,3Bは、いずれも、LED(発光ダイオード)等の発光素子31と、フォトダイオード等の受光素子32,33とを有する。受光素子32,33は、X方向において発光素子31の両側に配置されている。センサ3A,3Bは、共通の構成を有するため、特に区別する必要がない場合には、「センサ3」として説明する。
図4(A)および(B)は、センサ3の発光素子31および受光素子32,33の役割を説明するための模式図である。図4(A)は、発光素子31から発せられた光が拡散反射される場合を示し、図4(B)は、発光素子31から発せられた光が正反射される場合を示す。
発光素子31は、中間転写ベルト21上に形成されたパターンに光を出射する。ブラック以外のカラーのパターンのように光が拡散反射される場合には、図4(A)で示すように、反射光L1は受光素子32に入射する。一方、ブラックのパターンのように光が正反射される場合には、図4(B)で示すように、反射光L2は受光素子33に入射する。
図5は、センサ3への光入力とセンサ3の出力との関係を示す図である。センサ3は、入力光の強度に比例した電圧を出力する。パターンの濃度が低いほど反射光が多いため、センサ3の出力が大きい。一方、パターンの濃度が高いほど反射光が少ないため、センサ3の出力が小さい。
なお、センサ3の出力特性には、図5にV1,V2で示すような個体差があるため、キャリブレーションが行われる。ブラックキャリブレーションはシャッタ4の裏面を利用して行われ、カラーキャリブレーションは中間転写ベルト21の表面を利用して行われるが、これらについては後述する。
図6は、センサ3A,3Bと、センサ3A,3Bを覆うシャッタ4と、シャッタ4に設けられた清掃フィルム9A,9Bとを示す図である。シャッタ4は、センサ3A,3Bの中間転写ベルト21側(図6における上側)に配置されている。
清掃部材としての清掃フィルム9A,9Bは、弾性体で形成されたフィルムである。例えば、清掃フィルム9A,9Bは、ポリエステル樹脂で形成されたマイラー(登録商標)フィルムであり、厚さは例えば0.2〜0.3mmである。
清掃フィルム9Aの上端部91は、シャッタ4に取り付けられている。清掃フィルム9Aの下端部92は、濃度センサ3Aの受光面30に、Z方向に所定のオーバーラップ量で当接する。清掃フィルム9Aの下端部92は、濃度センサ3Aの受光面30と同じ角度θで傾斜している。
同様に、清掃フィルム9Bの上端部91は、シャッタ4に取り付けられている。清掃フィルム9Bの下端部92は、色ずれセンサ3Bの受光面30に、Z方向に所定のオーバーラップ量で当接する。清掃フィルム9Bの下端部92は、色ずれセンサ3Bの受光面30と同じ角度θで傾斜している。清掃フィルム9A,9Bは、同じ構成を有するため、特に区別する必要がない場合には、「清掃フィルム9」として説明する。
図7は、センサユニット5を示す模式図である。センサユニット5は、センサ3と、シャッタ4と、清掃フィルム9とを有する。シャッタ4は、センサ3の受光面30を覆う閉位置と、センサ3の受光面30を開放する開位置との間で、Y方向に移動可能である。
センサユニット5は、また、シャッタ4を閉位置から開位置に(すなわち+Y方向に)移動させる駆動部としてのカム70と、シャッタ4を開位置から閉位置に向けて付勢する付勢部としてのスプリング75とを有する。
図8は、センサユニット5を示す斜視図である。図8に示すように、センサユニット5は、全体がX方向(すなわち中間転写ベルト21の幅方向)に長い形状を有する。センサユニット5は、基体となるベース6を有する。ベース6は、例えば板金で形成されている。
図9は、シャッタ4を示す斜視図である。図9に示すように、シャッタ4は、X方向に長い長方形の平板部40と、平板部40のX方向両端に形成された一対の側板部45と、平板部40の−Y方向の端部に形成された背面部46とを有する。
平板部40において、センサ3A,3B(図10)に対応する2箇所には、開口部43が形成されている。シャッタ4の2つの開口部43がセンサ3A,3BとZ方向に重なり合っているときには、中間転写ベルト21からの光がセンサ3A,3Bの各受光面30に入射可能である。
一方、シャッタ4の2つの開口部43がセンサ3A,3BとZ方向に重なり合っていないときには、シャッタ4の平板部40がセンサ3A,3Bを覆っており、中間転写ベルト21からの光はセンサ3A,3Bの各受光面30に入射しない。
また、シャッタ4の2つの開口部43の端縁には、センサ3A,3Bの表面を清掃する清掃フィルム9A,9Bが取り付けられている。清掃フィルム9A,9Bは、開口部43の+Y方向の端縁に固定されている。
平板部40のX方向の中央部において、カム70(図8)に対応する箇所には、開口部47が形成されている。開口部47の+Y方向の端面は、カム70に当接する当接面49を構成している。平板部40のX方向の両端近傍の2箇所には、ベース6にスプリング75を装着するための開口部48が形成されている。
シャッタ4の各側板部45には、後述するガイド溝80に係合する係合部としてのガイド突起41,42がX方向に突出形成されている。ガイド突起41,42は、Y方向に並んで配置され、Z方向において同じ高さにある。ガイド突起41,42のうち、ガイド突起41(第1の係合部)は−Y方向に位置し、ガイド突起42(第2の係合部)は+Y方向に位置する。ガイド突起41,42は、Y方向の長辺とZ方向の短辺とを有する矩形状である。
図10は、センサユニット5からシャッタ4を取り外して示す斜視図である。図10に示すように、板金で形成されたベース6の内側には、センサ3A,3B、ガイド部材8、カム70およびスプリング75が取り付けられている。
図11は、センサユニット5のベース6を示す斜視図である。ベース6は、X方向に長い略長方形の底板部60と、底板部60の−Y方向の端部に沿って延在する後方壁59と、底板部60の+Y方向の端部に沿って延在する前方壁61と、底板部60のX方向の両端に沿って延在する一対の側壁62とを有する。
底板部60のX方向の中央部には、YZ面と平行な板面を有するカム保持部65が、切り起しにより形成されている。カム保持部65には、カムシャフト73が貫通する貫通穴65aが形成されている。
図10に示すように、カムシャフト73はX方向に延在し、一方の側壁62に形成された貫通穴62a(図11)を貫通してベース6の外部に突出している。カムシャフト73の突出側の端部には、モータ74(図14)の回転伝達を受ける伝達ギア72が取り付けられている。
また、カムシャフト73の反対側の端部には、カム70が固定されている。カム70は、X方向の中心軸を中心とする略円筒形状を有し、その周方向の一部に扇形の切欠き部71が形成されている。切欠き部71は、シャッタ4の開口部47の当接面49(図9)に当接する。
底板部60のX方向の両端部近傍の2箇所には、XZ面と平行な板面を有するスプリング保持部64が、切り起しにより形成されている。スプリング保持部64の−Y側の面には、環状の突起部64a(図11)が形成されている。この環状の突起部64a(図11)は、スプリング75の内周側に係合する部分である。
スプリング75は、Y方向を軸方向とする圧縮コイルスプリングである。ここでは、X方向に間隔を開けて2つのスプリング75が設けられている。スプリング75の+Y方向の端部は、ベース6のスプリング保持部64に保持されている。スプリング75の−Y方向の端部には、シャッタ4の平板部40から−Z方向に突出する突出部44(図7)が当接している。すなわち、スプリング75は、ベース6のスプリング保持部64とシャッタ4の突出部44との間で、Y方向に挟まれて保持されている。
図11に示すように、ベース6の前方壁61のX方向両端には、固定板66,67が形成され、前方壁61のX方向中央には、固定板68が形成されている。これらの固定板66,67,68は、センサ3A,3Bを保持するセンサホルダ51,52(図10)を固定する部分である。
固定板66は、後述する係合ピン55a(図10)に係合する係合穴66aと、ネジS3(図10)を貫通させるネジ用穴66bとを有する。固定板68は、センサホルダ51(図10)を係止する係止部68aと、ネジS4(図10)を貫通させるネジ用穴68bとを有する。固定板67は、センサホルダ52(図10)を係止する係止部67aと、後述する係合ピン55b(図10)に係合する係合穴67bとを有する。
図10に戻り、センサホルダ51は、センサ3AをXY面に対して傾斜した状態で保持している。センサホルダ51の+X方向の端部には、上述した固定板68の係止部68aに係止される被係止部51aが形成され、−X方向の端部には、ネジ用穴51bが形成されている。
センサホルダ52は、センサ3BをXY面に対して傾斜した状態で保持している。センサホルダ52の+X方向の端部には、上述した固定板67の係止部67aに係止される被係止部52aが形成され、−X方向の端部には、ネジ用穴52bが形成されている。
固定板66,67,68の前方(+Y方向)には、前方フレーム55が取り付けられる。前方フレーム55は、固定板66の係合穴66aに係合する係合ピン55aと、固定板67の係合穴67bに係合する係合ピン55bとを有する。また、前方フレーム55は、上述したネジS3,S4が螺合する雌ネジ部(図示せず)を有する。
センサホルダ51のネジ用穴51bには、ネジS3が貫通し、このネジS3は前方フレーム55の雌ネジ部に螺合する。また、センサホルダ51の被係止部51aは、係止部68aに係止される。これにより、センサホルダ51がベース6に取り付けられる。
センサホルダ52のネジ用穴52bには、ネジS4が貫通し、このネジS4は前方フレーム55の雌ネジ部に螺合する。また、センサホルダ52の被係止部52aは、係止部67aに係止される。これにより、センサホルダ52がベース6に取り付けられる。
ベース6の一対の側壁62の上端には、XY面と平行な板面を有するガイド保持部63が、折り曲げにより形成されている。各ガイド保持部63には、シャッタ4を案内するガイド部材8が取り付けられ、ネジS5により固定されている。
一対のガイド部材8は、それぞれ対向する側(すなわちX方向の内側)にガイド溝80を有し、反対側に基部88を有する。ガイド部材8の基部88には、ネジS5を貫通させるネジ用穴が形成されている。基部88のネジ用穴を貫通させたネジS5を、ガイド保持部63のネジ穴63a(図11)に螺合させることにより、ガイド部材8がガイド保持部63に固定される。
以上のように各部品が取り付けられたベース6は、X方向の両端において、ネジS1,S2(図8)により、画像形成装置1の本体に固定されている。
図12は、ガイド部材8を示す斜視図である。なお、図12には一対のガイド部材8の一方のみを示すが、当該一対のガイド部材8は、センサユニット5のX方向中心に対して互いに対称な形状を有する。
ガイド部材8は、Y方向に長いガイド溝80(ガイド部)を有する。ガイド溝80は、上述したシャッタ4のガイド突起41,42(図7)に摺動可能に係合し、シャッタ4をY方向に案内する部分である。
ガイド溝80は、−Y方向の端部に位置する第1溝部81と、+Y方向の端部に位置する第2溝部82と、これらの間に位置する中間溝部83(第3溝部分)とを有する。
第1溝部81と第2溝部82の溝幅(Z方向の寸法)は、シャッタ4のガイド突起41,42(図7)のZ方向の寸法と略等しいか、僅かに広い。すなわち、第1溝部81と第2溝部82は、シャッタ4のガイド突起41,42のZ方向の位置を規制する。
これに対し、中間溝部83の溝幅は、第1溝部81および第2溝部82の溝幅よりも広い。言い換えると、中間溝部83の溝幅は、シャッタ4のガイド突起41,42のZ方向の寸法よりも広い。すなわち、中間溝部83は、シャッタ4のガイド突起41,42のZ方向の変位を許容する(すなわち自由度を有する)。
また、第1溝部81は、+Z方向の端面である溝上面81aと、−Z方向の端面である溝下面81bとを有する。同様に、第2溝部82は、溝上面82aと溝下面82bとを有し、中間溝部83は、溝上面83aと溝下面83bとを有する。
中間溝部83の溝上面83aは、第1溝部81の溝上面81aおよび第2溝部82の溝上面82aよりも上方(すなわち+Z方向)に位置している。そのため、中間溝部83は、シャッタ4のガイド突起41,42の上方への変位を許容する。
なお、中間溝部83の溝下面83bは、第1溝部81の溝下面81bおよび第2溝部82の溝下面82bよりも僅かに下方(すなわち−Z方向)に位置している。但し、このような構成に限らず、これらの溝下面81b,82b,83bが同一高さにあっても良い。
中間溝部83は、第1溝部81との間に、溝幅が徐々に変化する傾斜部84を有する。また、中間溝部83は、第2溝部82との間に、溝幅が徐々に変化する傾斜部85を有する。
図13(A)〜(C)は、シャッタ4の移動に伴う、ガイド溝80とガイド突起41,42との係合状態の変化を示す模式図である。図13(A)に示すように、シャッタ4が移動範囲の−Y方向の端部に位置しているときには、ガイド突起41がガイド溝80の第1溝部81に位置し、ガイド突起42が中間溝部83に位置している。
ガイド突起41が第1溝部81に係合しているため、シャッタ4はZ方向に位置規制される。すなわち、シャッタ4はZ方向に殆ど変位しない状態となる。この状態では、シャッタ4の平板部40(図8)がセンサ3A,3Bを覆っている。そのため、図13(A)に示すシャッタ4の位置を、閉位置と称する。
図13(B)に示すように、シャッタ4が閉位置から+Y方向に移動すると、ガイド突起41,42がガイド溝80内を移動し、ガイド突起41が第1溝部81から中間溝部83に移動する。一方、ガイド突起42は、まだ中間溝部83に位置している。
第1溝部81よりも中間溝部83の溝幅が広いため、ガイド突起41,42はZ方向に変位可能となる。この状態は、シャッタ4の清掃フィルム9(図8)がセンサ3A,3Bの縁部に接触した状態である。
なお、図13(B)に示した例では、ガイド突起42が中間溝部83の終端部(傾斜部85)に到達した時点で、ガイド突起41の一部が第1溝部81に残っている。そのため、シャッタ4は、ガイド突起41の第1溝部81に残っている部分を中心(支点)として、矢印Uで示すように上方に揺動する。
図13(C)に示すように、シャッタ4がさらに+Y方向に移動すると、ガイド突起42が中間溝部83から第2溝部82に移動する。ガイド突起42が第2溝部82に係合するため、シャッタ4はZ方向に位置規制される。すなわち、シャッタ4はZ方向に殆ど変位しない状態となる。この状態では、シャッタ4の開口部43(図8)がセンサ3A,3Bの上部に位置し、センサ3A,3Bの受光面30が開放される。そのため、図13(C)に示すシャッタ4の位置を、開位置と称する。
<制御系>
次に、画像形成装置1の制御系について説明する。図14は、画像形成装置1の制御系を示すブロック図である。画像形成装置1は、印刷制御部110、インタフェース制御部111、受信メモリ112、画像データ編集メモリ113、操作部114、センサ群115、位置センサ116、濃度センサ3Aおよび色ずれセンサ3Bを有する。印刷制御部110は、また、高圧電源制御部117、シャッタ制御部118、ヘッド制御部119、定着制御部120、モータ制御部121および駆動制御部122を有する。
印刷制御部110は、例えばマイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等を備える。印刷制御部110は、インタフェース制御部111を介して印刷データおよび制御コマンドを受信して、画像形成装置1の全体の動作を制御する。
インタフェース制御部111は、上位装置(外部のコンピュータ等)から印刷データおよび制御コマンドを受信する。受信メモリ112は、インタフェース制御部111で受信した印刷データを一時的に記憶する。画像データ編集メモリ113は、受信メモリ112に記憶された印刷データを編集処理して画像データ(イメージデータ)を生成し、記憶する。
操作部114は、画像形成装置1の状態を表示するための表示部(例えばLED)、および操作者の入力を受け付ける操作入力部(スイッチおよび表示パネル等)を有する。センサ群115は、画像形成装置1の状態を監視する各種センサ、例えば、媒体Pの位置を検出する媒体位置センサ、周囲の温度および湿度を検出する温湿度センサ、トナー残量を検出するトナー残量センサなどを有する。
濃度センサ3Aは、プロセスユニット10Y,10M,10C,10K,10Wにより中間転写ベルト21に転写された濃度検出用のパターンを光学的に検出する。色ずれセンサ3Bは、プロセスユニット10Y,10M,10C,10K,10Wにより中間転写ベルト21に転写された色ずれ検出用のパターンを光学的に検出する。
高圧電源制御部117は、帯電ローラ13に帯電電圧を印加する帯電電圧電源123、現像ローラ14に現像電圧を印加する現像電圧電源124、層規制ブレード16に層規制電圧を印加する層規制電圧電源126、供給ローラ15に供給電圧を印加する供給電圧電源125、1次転写ローラ22に1次転写電圧を印加する1次転写電圧電源127、および2次転写ローラ27に2次転写電圧を印加する2次転写電圧電源128を制御する。
シャッタ制御部118は、印刷制御部110からの制御信号に基づき、シャッタ4を移動させるモータ74を駆動する。ヘッド制御部119は、画像データ編集メモリ113から印刷制御部110に出力されたイメージデータに基づき、LEDヘッド11の発光を制御する。
定着制御部120は、印刷制御部110からの制御信号と、定着装置105に設けられた温度センサ(例えばサーミスタ)の検知温度とに基づき、定着装置105の発熱体(例えばハロゲンランプ)に供給する電流を制御する。
モータ制御部121は、印刷制御部110からの制御信号に基づき、媒体搬送モータ131、ベルト駆動モータ132および定着駆動モータ133を制御する。駆動制御部122は、印刷制御部110からの制御信号に基づき、駆動モータ134を制御する。
<画像形成装置の基本動作>
次に、この実施の形態における画像形成装置1の基本動作について、図1および図14を参照して説明する。画像形成装置1の印刷制御部110は、上位装置からの印刷コマンドおよび印刷データを受信すると、画像形成動作(印刷動作)を開始する。
まず、フィードローラ103が回転し、媒体カセット102に収容された媒体Pを1枚給紙する。また、搬送ローラ104が回転し、フィードローラ103によって給紙された媒体Pを、2次転写部25に向けて搬送する。
画像形成部100の各プロセスユニット10(図2)では、感光体ドラム12が回転し、感光体ドラム12に追従して帯電ローラ13が回転する。また、感光体ドラム12からの回転伝達により、現像ローラ14および供給ローラ15が回転する。また、駆動ローラ23が回転して中間転写ベルト21を走行させる。
各プロセスユニット10では、帯電ローラ13が帯電電圧を印加され、感光体ドラム12の表面を一様に帯電する。また、各色のイメージデータに基づいてLEDヘッド11が感光体ドラム12の表面を露光し、静電潜像を形成する。
また、供給ローラ15は供給電圧を印加され、現像ローラ14にトナーを供給する。層規制ブレード16は、現像ローラ14の表面に保持されたトナーを薄層化する。現像ローラ14は現像電圧を印加され、感光体ドラム12上の静電潜像をトナーにより現像し、トナー像(現像剤像)を形成する。
各感光体ドラム12上に形成されたトナー像が1次転写ローラ22の近傍に達するときに、1次転写ローラ22に1次転写電圧が印加される。これにより、各感光体ドラム12から中間転写ベルト21にトナー像が1次転写される。中間転写ベルト21上のトナー像は、中間転写ベルト21の走行により、2次転写部25に向かって移動する。
中間転写ベルト21上のトナー像と、搬送ローラ104により搬送される媒体Pとは、同時に2次転写部25に到達する。2次転写ローラ27には2次転写電圧が印加され、これにより中間転写ベルト21のトナー像が、媒体Pに2次転写される。
2次転写部25でトナー像が転写された媒体Pは、定着装置105に搬送される。定着装置105では、媒体Pに転写されたトナー像が加熱および加圧され、媒体Pに定着する。トナー像が定着した媒体Pは、排出ローラ106,107,108によって搬出され、スタッカ部109に載置される。これにより、画像形成動作が終了する。
<色ずれ補正処理および濃度補正処理>
ここで、色ずれ補正処理および濃度補正処理について説明する。画像形成装置1は、装置電源が投入されたのち、上述した画像形成動作を開始する前に、色ずれ補正処理を行う。すなわち、印刷制御部110は、シャッタ4を開位置に移動したのち、高圧電源制御部117およびヘッド制御部119を制御し、プロセスユニット10Y,10M,10C,10K,10Wで各色のパターン(色ずれ検出用のパターン)を形成し、中間転写ベルト21に転写する。そして、色ずれセンサ3Bにより、中間転写ベルト21上のパターンを検出する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックおよびホワイトのトナーで形成された各パターンは、光反射率がそれぞれ異なる。色ずれセンサ3Bは、中間転写ベルト21上の各パターンの色に応じた波形の電圧信号を出力する。印刷制御部110は、色ずれセンサ3Bから出力された電圧信号に基づいて、中間転写ベルト21上の各パターンのずれ量を検出し、検出されたずれ量に応じて、LEDヘッド11Y,11M,11C,11K,11Wの発光タイミングを調整する。色ずれ補正処理が完了すると、印刷制御部110は、シャッタ4を閉位置に移動させる。
また、トナー像の濃度は温度、湿度等の環境条件によって変動するため、定期的に濃度補正処理を行う。まず、濃度補正に必要なカラーキャリブレーションおよびブラックキャリブレーションを行う。
カラーキャリブレーションは、シャッタ4を閉鎖した状態、すなわち濃度センサ3Aにシャッタ4の裏面が対向している状態で行う。濃度センサ3Aの発光素子31から発せられた光は、シャッタ4(樹脂成形体)の裏面で拡散反射され、図4(A)で示したように受光素子32に入射する。印刷制御部110は、濃度センサ3Aの出力が設定範囲内となるように、発光素子31(LED)の発光電流を調整する。
また、ブラックキャリブレーションは、シャッタ4を開放した状態、すなわち濃度センサ3Aに中間転写ベルト21の表面が対向している状態で行う。濃度センサ3Aの発光素子31から発せられた光は、中間転写ベルト21の表面(平滑で光沢がある)で正反射され、図4(B)で示したように受光素子33に入射する。印刷制御部110は、濃度センサ3Aの出力が設定範囲内となるように、発光素子31(LED)の発光電流を調整する。
続いて、印刷制御部110は、高圧電源制御部117およびヘッド制御部119を制御し、プロセスユニット10Y,10M,10C,10K,10Wで各色のパターン(濃度検出用のパターン)を形成し、中間転写ベルト21に転写する。そして、濃度センサ3Aにより、中間転写ベルト21上のパターンを検出する。
濃度センサ3Aは、中間転写ベルト21上の各パターンの濃度に応じた電圧信号を出力する。印刷制御部110は、濃度センサ3Aから出力された電圧信号に基づき、プロセスユニット10Y,10M,10C,10K,10Wに、パラメータ等を調整する指示を送信する。
<シャッタ4の開閉動作>
次に、シャッタ4の開閉動作について説明する。図15(A)〜(C)は、シャッタ4の開動作(すなわち閉位置から開位置への移動)を示す模式図である。
図15(A)に示す状態では、シャッタ4は、移動範囲の−Y方向の端部(すなわち閉位置)にある。シャッタ4のガイド突起41は、ガイド溝80の第1溝部81に位置し、ガイド突起42は中間溝部83に位置している。
スプリング75は、シャッタ4の突出部44とベース6のスプリング保持部64との間で保持されているが、シャッタ4が閉位置にあるときには、スプリング75は最も伸びた状態にある。センサ3の受光面30は、シャッタ4の平板部40で覆われており、中間転写ベルト21からの光はセンサ3の受光面30には入射しない。
このようにシャッタ4が閉位置にある状態で、上述したカラーキャリブレーションが行われる。ガイド突起41と第1溝部81との係合により、シャッタ4のZ方向位置が規制されているため、カラーキャリブレーションを精度よく行うことができる。
シャッタ4の開動作を開始する際には、印刷制御部110は、モータ74(図14)を順方向に駆動する。モータ74の回転は、伝達ギア72およびカムシャフト73を介してカム70に伝達される。これにより、カム70が図中反時計回りに回転し、カム70の切欠き部71がシャッタ4を+Y方向に押圧する。シャッタ4は、スプリング75を圧縮させながら+Y方向に移動する。
図15(B)に示すように、シャッタ4が+Y方向に移動すると、清掃フィルム9がセンサ3に到達する。センサ3の受光面30を囲む縁部34,35は、受光面30よりも上方に突出しており、清掃フィルム9はまず縁部34に乗り上げる。
このとき、シャッタ4のガイド突起41,42は、ガイド溝80の中間溝部83に位置しており、従ってシャッタ4はZ方向に変位可能である。そのため、シャッタ4は、清掃フィルム9とセンサ3の縁部34との当接により、+Z方向(すなわちセンサ3の受光面30から離間する方向)に変位する。
より具体的には、ガイド突起42が中間溝部83の終端部(傾斜部85)に到達し、ガイド突起41の一部が第1溝部81に残っているため、シャッタ4は、ガイド突起41の第1溝部81に残っている部分を中心として、矢印Uで示すように上方に揺動する。
そして、シャッタ4がさらに+Y方向に移動すると、清掃フィルム9がセンサ3の受光面30を掃くように移動し、受光面30の異物を除去する。図15(C)に示すように、シャッタ4が移動範囲の+Y方向端部(すなわち開位置)に到達すると、清掃フィルム9はセンサ3の受光面30を通過し、縁部35に到達する。
このとき、シャッタ4の開口部43(図8)が、センサ3の受光面30とZ方向に重なり合い、中間転写ベルト21からの光がセンサ3の受光面30に入射する状態となる。また、シャッタ4のガイド突起42はガイド溝80の第2溝部82に到達する。ガイド突起42と第2溝部82との係合により、シャッタ4のZ方向が規制される。なお、スプリング75は、最も圧縮された状態にある。
このようにシャッタ4が開位置にある状態で、上述したブラックキャリブレーション、濃度補正処理および色ずれ補正処理が行われる。
図16(A)〜(C)は、シャッタ4の閉動作(すなわち開位置から閉位置への移動)を示す模式図である。図16(A)に示す状態は、図15(C)に示した状態と同じであり、シャッタ4が開位置に位置している。また、ガイド突起42は第2溝部82に位置し、ガイド突起41は中間溝部83に位置している。
シャッタ4の閉動作を開始する際には、印刷制御部110は、モータ74(図14)を逆方向に駆動し、カム70を時計回りに回転させる。
シャッタ4が開位置にあるときには、カム70の円筒面がシャッタ4の当接面49に当接しているが、図16(B)に示すように、カム70が回転し、カム70の切欠き部71がシャッタ4の当接面49に対向すると、圧縮されていたスプリング75の復元力によりシャッタ4が−Y方向に移動する。
シャッタ4が−Y方向に移動すると、清掃フィルム9がセンサ3の受光面30に接触しながら移動し、センサ3の縁部34に乗り上げる。このとき、シャッタ4のガイド突起41,42は、いずれもガイド溝80の中間溝部83に位置しており、Z方向に変位可能である。そのため、シャッタ4は、清掃フィルム9とセンサ3の縁部34との当接により、+Z方向(すなわちセンサ3の受光面30から離間する方向)に変位する。
より具体的には、ガイド突起41が中間溝部83の終端部(傾斜部84)に到達した時点で、ガイド突起42の一部が第2溝部82に残っているため、シャッタ4は、ガイド突起42の第2溝部82に残っている部分を中心として、矢印Uで示すように上方に揺動する。
そして、シャッタ4がさらに−Y方向に移動すると、清掃フィルム9は縁部34を乗り越えてセンサ3を通過する。シャッタ4が移動範囲の−Y方向端部(すなわち閉位置)に到達すると、シャッタ4のガイド突起41がガイド溝80の第1溝部81に到達する。ガイド突起41と第1溝部81との係合により、シャッタ4のZ方向が規制される。
シャッタ4の開口部43(図8)は、センサ3の受光面30とは重なり合わない位置に移動し、これによりセンサ3の受光面30はシャッタ4の平板部40で覆われる。すなわち、中間転写ベルト21からの光が、センサ3の受光面30に入射しない状態となる。
このように、この実施の形態のセンサユニット5では、清掃フィルム9がセンサ3に接触する際(より具体的には縁部34を乗り超える際)に、シャッタ4のガイド突起41,42がガイド溝80の中間溝部83(すなわち溝幅の広い部分)に案内されている。そのため、シャッタ4が+Z方向に変位して、清掃フィルム9とセンサ3との接触負荷を軽減することができる。
特に、スプリング75の付勢力によってシャッタ4を移動させているとき(図16(B))には、清掃フィルム9とセンサ3との接触負荷が大きいと、シャッタ4の途中停止(すなわち動作不良)が発生しやすい。上記のように接触負荷を低減することで、シャッタ4の動作不良を防止することができる。
図17は、比較例のセンサユニットにおけるシャッタ4の開閉動作を説明するための模式図(A)〜(D)である。この比較例では、ガイド部材8のガイド溝80の幅が全域に亘って一定である。すなわち、シャッタ4は、ガイド溝80により、Z方向に変位しないように案内されている。なお、説明の便宜上、比較例の構成要素にも、本実施の形態の構成要素と同一の符号を付して説明する。
図17(A)は、シャッタ4が閉位置にある状態を示す。シャッタ4の開動作時には、上記の通り、カム70が反時計回りに回転し、シャッタ4は+Y方向に移動を開始する。シャッタ4のガイド突起41,42は、ガイド溝80内を+Y方向に移動し、スプリング75は徐々に圧縮される。
図17(B)に示すように、シャッタ4が+Y方向に移動すると、清掃フィルム9がシャッタ4の縁部34に乗り上げる。このとき、ガイド突起41,42とガイド溝80との係合により、シャッタ4はZ方向に変位しないため、清掃フィルム9とシャッタ4の縁部34との接触負荷が増大する。但し、モータ74の駆動力が接触負荷を上回るため、シャッタ4の停止は生じにくい。
図17(C)に示すように、シャッタ4がさらに+Y方向に移動すると、清掃フィルム9がセンサ3の受光面30を掃くように移動し、シャッタ4が開位置に到達すると、シャッタ4の開口部43(図8)がセンサ3の受光面30上に位置する。
シャッタ4の閉動作時には、カム70が時計回りに回転し、スプリング75の復元力により、シャッタ4は−Y方向に移動する。シャッタ4のガイド突起41,42はガイド溝80内を−Y方向に移動する。
図17(D)に示すように、シャッタ4が+Y方向に移動すると、清掃フィルム9がシャッタ4の縁部34に乗り上げる。ガイド突起41,42とガイド溝80との係合により、シャッタ4はZ方向に変位しないため、清掃フィルム9とシャッタ4の縁部34との接触負荷が増大する。
シャッタ4はスプリング75の復元力によって移動しているが、スプリング75の復元力には限界があるため、接触負荷の増大によってシャッタ4の移動が途中で停止する動作不良が生じる可能性がある。すなわち、センサ3の受光面30がシャッタ4で十分に覆されない(すなわち半開き状態になる)可能性がある。
これに対し、この実施の形態のセンサユニット5では、清掃フィルム9がセンサ3に接触する際に、シャッタ4が+Z方向に変位可能に案内されている。そのため、シャッタ4が+Z方向に変位し、清掃フィルム9とセンサ3との接触負荷を軽減することができる。すなわち、シャッタ4が接触負荷によって停止する動作不良を防止することができる。
図18は、センサ3と清掃フィルム9とのオーバーラップ量を説明するための模式図である。センサ3は、上記の通り、受光面30がXY面(すなわち中間転写ベルト21の表面と平行な面)に対して角度θだけ傾斜している。
清掃フィルム9は、上端部91がシャッタ4に固定され、下端部92がセンサ3に接触する形状を有する。ここでは、清掃フィルム9の下端部92は、センサ3の受光面30と平行に、すなわちXY面に対して角度θだけ傾斜している。
清掃フィルム9とセンサ3との間には、所定のオーバーラップ量が設定されている。オーバーラップ量とは、清掃フィルム9がZ方向に真っ直ぐに延びた状態での清掃フィルム9とセンサ3とのZ方向の重なり量(図18に符号Bで示す)を言う。オーバーラップ量は、例えば1.3mmである。
このようにオーバーラップ量を設定することにより、清掃フィルム9がセンサ3の受光面30に沿って移動する際に、清掃フィルム9が受光面30を掃くように移動し、異物を効率よく掻き取ることができる。そのため、清掃フィルム9による受光面30の清掃効果を高めることができる。
また、図15(B)および図16(B)に示したように、清掃フィルム9がセンサ3の縁部34を乗り越える際には、ガイド溝80の中間溝部83の作用により、シャッタ4が上方(+Z方向)に例えば0.9mm変位する。そのため、清掃フィルム9とセンサ3の縁部34とのオーバーラップ量は、0.4mm(=1.3mm−0.9mm)となる。これにより、シャッタ4がZ方向に変位しない場合と比較して、接触負荷が大幅に低減される。
<第1の実施の形態の効果>
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態では、センサ3と中間転写ベルト21との間に配置されたシャッタ4と、シャッタ4を開位置と閉位置との間で案内するガイド部材8と、シャッタ4に取り付けられた清掃フィルム9とを有する。また、ガイド部材8は、シャッタ4を、開位置と閉位置との間の所定の領域で、センサ3の受光面30から離間する方向に変位可能に案内する。そのため、清掃フィルム9がセンサ3に接触する際の接触負荷を低減し、シャッタ4の動作不良を抑制することができる。
また、シャッタ4を閉位置から開位置に移動させるカム70(すなわち駆動部)と、シャッタ4を開位置から閉位置に向けて付勢するスプリング75(すなわち付勢部)とを有するため、スプリング75の付勢力によるシャッタ4の移動時に、シャッタ4の動作不良の抑制効果が特に顕著に得られる。
また、清掃フィルム9は、シャッタ4の移動方向に直交する方向において、センサ3の受光面30とオーバーラップするように設けられているため、清掃フィルム9によりセンサ3の受光面30の異物を効果的に除去することができる。
また、センサ3は、中間転写ベルト21に向けて光を発する発光素子31と、中間転写ベルト21からの光を受光する受光素子32,33とを有するため、中間転写ベルト21の表面に形成されたパターン等を光学的に読み取ることができる。また、センサ3が中間転写ベルト21の表面に対して傾斜して配置されているため、拡散反射光と正反射光とを別々の受光素子32,33で受光する構成が可能になる。
また、ガイド溝80は、シャッタ4が開位置にあるときにガイド突起41に係合する第1溝部81と、シャッタ4が閉位置にあるときにガイド突起42に係合する第2溝部82と、第1溝部81と第2溝部82との間の中間溝部(第3溝部)83とを有し、中間溝部83の幅は、第1溝部81の幅および第2溝部82の幅よりも広い。そのため、中間溝部83ではシャッタ4を+Z方向に変位可能に案内し、第1溝部81および第2溝部82ではシャッタ4をZ方向に位置規制することができる。そのため、シャッタ4の動作不良を抑制しながら、シャッタ4の裏面を利用したキャリブレーションを正確に行うことができる。
また、ガイド溝80は、第1溝部81と中間溝部83との間、および、第2溝部82と中間溝部83との間に、それぞれ傾斜部84,85を有するため、ガイド突起41,42をガイド溝80においてスムースに移動させることができる。また、第1溝部81または第2溝部82を中心としてシャッタ4を揺動させることも可能になる。
また、ガイド突起41,42は矩形状であるため、ガイド突起41が第1溝部81に係合している状態、および、ガイド突起42が第2溝部82に係合している状態で、シャッタ4を安定した姿勢で保持することができる。
また、清掃フィルム9は、弾性体で形成されたフィルムであるため、センサ3の受光面30を掃くように移動し、効率よく清掃することができる。
また、シャッタ4は、当該シャッタ4が開位置にあるときに受光面30に対向する開口部43を有し、清掃フィルム9は、開口部43に隣接して配置されているため、センサ3の受光面30を開放する直前に清掃フィルム9で清掃することができる。
また、中間転写ベルト21の表面に形成された画像の濃度を検出する濃度センサ3A、および、中間転写ベルト21の表面に形成された複数色の画像の位置ずれを検出する色ずれセンサ3Bの少なくとも一方を有するため、濃度補正処理、色ずれ補正処理またはその両方を行うことができる。
なお、上述した実施の形態では、中間転写方式の画像形成装置について説明したが、本発明は直接転写方式の画像形成装置に適用してもよい。直接転写方式の画像形成装置は、中間転写ベルト21の代わりに、画像形成部100で形成された画像が転写される媒体Pを搬送する搬送ベルト(ベルト部材)を有する。
直接転写方式の画像形成装置の場合においても、画像形成部100で形成された濃度検出用のパターンおよび色ずれ検出用のパターン(すなわち現像剤像)は、搬送ベルトの表面に転写される。センサユニット5は、センサ3を搬送ベルトの表面に対向させるように、搬送ベルトの下側に配置する。
また、上述した実施の形態では、センサ3(センサ3A,3B)の受光面30を傾斜させて配置したが、センサ3の受光面をベルト表面と平行にしてもよい。また、センサ3としては、濃度センサ、色ずれセンサに限らず、他の種類を用いてもよい。
また、上述した実施の形態では、シャッタ4を駆動する駆動部としてカム70を用いたが、カム70に限らず、例えばソレノイド等を用いてもよい。
また、上述した各実施の形態では、画像形成装置の一例としてプリンタについて説明したが、プリンタに限らず、複写機、ファクシミリ装置、MFP(Multifunction Peripheral)等であってもよい。また、画像形成装置は、カラー画像を形成するものに限らず、単色画像を形成するものであってもよい。
以上、本発明の望ましい実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良または変形を行なうことができる。