JP2019190963A - タンクの液密度測定装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タンク内に貯留された液体の密度を精度良く簡便に測定し得るタンクの液密度測定装置および方法を提供する。【解決手段】貯留物3を貯留する貯留槽4に配置され、貯留物3に対して測定光を照射すると共に、貯留物3を通過した測定光を検出光として受光する分光測定端子16と、分光測定端子16に対して本体部15から測定光を送信すると共に、分光測定端子16から検出光を本体部15へ戻すケーブル14とを備えて構成される吸光式の分光分析装置13を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、タンク内に貯留された液体の密度を測定するための装置および方法に関する。
低温のLNG等を貯留するタンクにおいては、LNGの層状化に起因するロールオーバーの発生の防止に留意する必要がある。
LNGの組成は産地等によって異なり、LNGの密度は組成に応じて様々である。互いに密度の異なるLNGを同一のタンクに受け入れると、LNG同士はすぐには混ざり合わず、密度が高い方のLNGが密度の低い方のLNGに対して下方へ沈み込み、LNG同士が互いに分離して層をなす場合がある。こうした現象を層状化という。
低温で貯留されるLNGに対しては、常に外部からの入熱があり、各層を構成するLNGは、それぞれの層内で熱による対流を形成する。ここで、上層のLNGに対する入熱は、ボイルオフガス(BOG)の発生という形で放出される。すなわち、表面から軽質の成分が蒸発し、その際の気化潜熱の形で入熱が処理されるのである。これにより、上層のLNGは温度を沸点に保ちつつ、徐々に密度を増していく。一方、下層のLNGは上層のLNGによって表面を封じられているため、外部からの入熱をBOGとして放出することができず、徐々に温度を上昇させると共に密度を減少させていく。上層のLNGの高密度化と、下層のLNGの低密度化が進行すると、いずれ互いの密度が等しくなり、上層と下層が混合して一つの大きな対流を形成する。それまで下層にあった温度の高いLNGが、温度を沸点に保たれていた上層のLNGに混合することになり、下層に溜め込まれていた熱が気化潜熱となって多量のBOGが発生する。これがロールオーバーである。ロールオーバーは、LNGに限らず、気化し得る液体を低温で貯留するタンクにおいて、異なる密度の液体を受け入れる場合に広く生じ得る現象である。
ロールオーバーの発生を防止するためには、タンク内に貯留された液体の密度の分布を監視すると共に、液体を人為的に混合して密度差を解消したり、新規に液体を受け入れる際、貯留液の密度に合わせてタンク内への液体受入高さを変えるといった方策が取られる。
タンク内に貯留した低温の液体の密度を測定し得る技術を記載した先行技術文献としては、例えば、下記の特許文献1、2等がある。
特開平10−48115号公報 特開平5−203567号公報
特許文献1に記載のLNGタンク内液密度計測装置においては、タンクに備えた複数の導圧管の下端をLNG内の異なる高さに開口し、各導圧管同士の差圧を計測することで、下端同士の間の液密度を算出するようにしている。しかしながら、このようにして得られる液密度は、あくまで測定点間における液体の平均密度であって、特定の高さにおける液密度ではない。また、測定点を多数設けるためにはタンク内に重量物である導圧管を多数設置する必要があり、施工やメンテナンスが煩雑であった。
また、特許文献2に記載の技術では、流体屈折計を用いて液体の密度を求めるようにしているが、屈折角を求めるために流体屈折計のプローブに回転式の可動部を備えているため、耐用性の点で不安がある。
この他にタンク内の液密度を測定する技術としては、例えば液体の静電容量値から比誘電率を求め、比誘電率と液密度の相関関係に基づいて液密度を算出する電気式の測定法や、振動管内に液体を導入して振動させ、振動の周波数から密度を測定する振動式の測定法がある。しかしながら、電気式の測定法では、比誘電率により算出される密度はあくまで相対値であるため、あまり高い測定精度を長期にわたって保つことは期待できない。また、振動式の測定法では、タンク内でセンサを上下させるため、装置に可動部を備える必要があり、耐用性に弱点がある。
そこで、本開示においては、タンク内に貯留された液体の密度を精度良く簡便に測定し得るタンクの液密度測定装置および方法を説明する。
本開示は、貯留物を貯留する貯留槽に配置され、貯留物に対して測定光を照射すると共に、貯留物を通過した測定光を検出光として受光する分光測定端子と、前記分光測定端子に対して本体部から測定光を送信すると共に、前記分光測定端子から検出光を前記本体部へ戻すケーブルとを備えて構成される吸光式の分光分析装置を備えたタンクの液密度測定装置にかかるものである。
上述のタンクの液密度測定装置においては、前記貯留槽における前記分光測定端子と同じ高さに、温度センサの温度測定端子を備えても良い。
上述のタンクの液密度測定装置においては、前記貯留槽内に、前記ケーブルまたは前記分光測定端子の少なくとも一方を固定するガイド材を備えても良い。
上述のタンクの液密度測定装置においては、測定光として近赤外光を用いることができる。
また、本開示は、貯留槽に貯留された貯留物に対して測定光を照射すると共に、貯留物を通過した検出光として受光し、検出光の吸収スペクトルから貯留物の組成を求め、貯留物の組成に基づき貯留物の密度を算出する、タンクの液密度測定方法にかかるものである。
上述のタンクの液密度測定方法においては、検出光の吸収スペクトルから求めた貯留物の組成に基づき貯留物の密度を算出するにあたり、同じ高さにおける貯留物の温度を加味しても良い。
上述のタンクの液密度測定方法においては、測定光として近赤外光を用いても良い。
本発明のタンクの液密度測定装置および方法によれば、タンク内に貯留された液体の密度を精度良く簡便に測定し得るという優れた効果を奏し得る。
本開示の実施例によるタンクの液密度測定装置の形態を示す概略図である。 本開示の実施例によるタンクの液密度測定装置の要部の形態を示す概略図である。 本開示の実施例によるタンクの液密度測定方法を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本開示の実施例によるタンクの液密度測定装置の全体像を示している。タンク1は、外殻をなす外槽2と、貯留物3を貯留する貯留槽4とを備えて構成される。外槽2と貯留槽4は各々円形状の平断面を有する円筒状の形状をなしており、外槽2は金属やPC(プレストレスト・コンクリート)等により、貯留槽4は金属等により、それぞれ形成される。そして、外槽2の内側に貯留槽4が収容されるよう、コンクリート等により形成された基礎5の上に外槽2と貯留槽4とが平面視で同心円状に配置される。貯留槽4の上部は、ドーム状をなす外槽2の屋根2aから吊り下げられた蓋体としてのデッキ4aにより覆われている。貯留物3は、例えばLNGやLPG、液化エチレン等の低温の液体である。
円形をなす貯留槽4の底面4cと、基礎5との間には円盤状の底部断熱層6が設置されている。底部断熱層6は、断熱材として、泡ガラスや発泡樹脂、断熱コンクリート等の多孔質の素材を備えている。尚、底部断熱層6として、前記断熱材の他に、例えば貯留槽4を基礎5の上に支持するための支持構造等、各種の構造を備えても良いが、ここでは図示を省略している。
貯留槽4の側壁4bと、外槽2の側壁2bとの間には、側部断熱層7が配置される。側部断熱層7は、貯留槽4の側方と外槽2の間に形成されるアニュラスペースに、例えばパーライト等の粒状の断熱材を充填することで構成される。
また、貯留槽4の側壁4bには、該側壁4bを径方向外側から覆うようにブランケット8が設置されている。ブランケット8は、貯留槽4を外部から断熱する機能のほかに柔軟性を有するグラスウール等の素材により形成され、アニュラスペースにおいて貯留槽4の熱変形を吸収するようになっている。
また、タンク1内には、各所の部材や空間の温度を測定するために温度センサ9が備えられている。温度センサ9は、例えば図1に示す如く、光ファイバを備えたケーブル10に沿って複数の温度測定端子11を配置した構成である。本実施例の場合、タンク1における外槽2の上部に成端箱12が備えられ、該成端箱12から、貯留槽4のデッキ4aに設けた開口4dを通して貯留槽4の内部へケーブル10が延びている。該ケーブル10は、貯留槽4の側壁4bに垂直方向に沿って配置され、各温度測定端子11の高さにおける温度を測定するようになっている。
さらに、貯留槽4の内部には、分光分析装置13のケーブル14が延びている。分光分析装置13は、貯留槽4内の各所における貯留物3の組成を吸光式の分光分析により求めるための装置であり、タンク1の外部に備えた本体部15から延びる複数のケーブル14と、該ケーブル14の先端に設けられた分光測定端子16を備えている。ケーブル14はそれぞれ光ファイバ14a,14b(図2参照)を内蔵しており、本体部15から測定光L1を分光測定端子16まで送信し、また分光測定端子16から検出光L2を本体部15まで戻すようになっている。測定光L1としては、測定対象の種類によって種々の波長の光を利用することができるが、測定対象である貯留物3としてLNGを想定している本実施例の場合は、700nm以上2,500nm以下の範囲の波長の近赤外光が特に好適である。
分光測定端子16は、図2に示す如く、スリット17を挟んで照射部18と受光部19が向かい合った構成である。スリット17は、分光測定端子16の一部に備えられた凹部であり、測定対象である流体(ここでは、貯留物3)により満たされるようになっている。
照射部18には、ケーブル14に内蔵されている光ファイバ14a,14bのうち送り側の光ファイバ14aが接続されており、本体部15(図1参照)から光ファイバ14aを通って送られてくる測定光L1をスリット17に対して照射するようになっている。
受光部19は、光ファイバ14a,14bのうち戻し側の光ファイバ14bが接続されており、照射部18から測定光L1として照射された光をスリット17の反対側で受光し、検出光L2として光ファイバ14bから本体部15(図1参照)へ戻すようになっている。
上述の分光分析装置13のケーブル14および分光測定端子16をタンク1に対して配置するための構造として、図1に示す如きガイド材20が貯留槽4内に設置されている。ガイド材20は、貯留槽4の底面4cから上方へ延びる支柱であり、例えばコンクリート等により形成される。ガイド材20の上方には、貯留槽4のデッキ4aに設けた開口4dの一つが位置している。そして、タンク1の外部に備えた本体部15から、外槽2の屋根2aに設けた開口2c、およびデッキ4aの開口4dを通して貯留槽4の内部へ各ケーブル14が延び、ガイド材20に沿って設置される。各ケーブル14の先端に設けられた分光測定端子16は、ガイド材20に沿って貯留槽4内の互いに異なる所定の高さに配置される。そして、後述するように各分光測定端子16において得られた検出光L2の吸収スペクトルから、各高さにおける貯留物3の組成を分光法により分析できるようになっている。
各ケーブル14は結束材21によってガイド材20に係留されており、ケーブル14が貯留物3に生じる流れにより貯留槽4内を漂い、分光測定端子16が所定の位置から移動することが抑えられるようになっている。尚、ここではケーブル14を結束材21によりガイド材20に固定する場合を例示したが、分光測定端子16を何らかの固定具によりガイド材20に固定しても良いし、また、ケーブル14と分光測定端子16の両方をガイド材20に固定しても良い。
ここで、温度センサ9のケーブル10には上述の如く、各高さに温度測定端子11が配置されるが、温度測定端子11は、少なくとも各分光測定端子16の設置された高さにそれぞれ備えられることが好ましい。後述する貯留物3の液密度の測定において、各分光測定端子16の高さにおける貯留物3の組成に基づき貯留物の密度を算出するにあたり、同じ高さにおける温度を加味するためである。勿論、各分光測定端子16と同じ高さにそれぞれ温度測定端子11を備え、さらに別の高さにも温度測定端子11を備えるようにしても良い。
図1では説明の便宜上、ガイド材20に沿って3組のケーブル14および分光測定端子16を図示すると共に、各分光測定端子16と同じ高さに計3個の温度測定端子11を図示している。実際には、タンク1の寸法、用途等の条件に応じ、ケーブル14および分光測定端子16の配置数、また、温度測定端子11の配置数を適宜増減し得ることは勿論である。
分光分析装置13の本体部15には、コンピュータ等の情報処理装置である演算装置22が接続されている。上述の如く、本体部15からは各ケーブル14を通して分光測定端子16に測定光L1が送られ、各分光測定端子16から検出光L2が本体部15へ戻される。本体部15において受信された検出光L2のスペクトルは、検出光データ15aとして演算装置22に送信される。演算装置22においては、検出光データ15aに基づき、各分光測定端子16の設置位置における貯留物3の組成を分析するようになっている。
また、温度センサ9の各温度測定端子11において得られた温度検出値は、成端箱12から温度信号11aとして演算装置22に入力されるようになっている。
尚、ここでは貯留槽4の上部開口をデッキ4aで覆ったサスペンデッドデッキタイプのタンク1を例示しているが、タンク1の構成はこれに限定されず、例えば金属二重殻タイプのタンクに対し適用しても良い。その他、本発明は低温の液体を貯留するタンク一般に広く適用し得る。
また、ここでは温度センサ9のケーブル10を貯留槽4の側壁4bに沿って、分光分析装置13のケーブル14を貯留槽4内のガイド材20に沿ってそれぞれ配置した場合を例示したが、ケーブル類の配置はこれに限定されず、例えば温度センサ9のケーブル10と分光分析装置13のケーブル14を同じガイド材20に沿って配置しても良い。その他、貯留槽4内の各高さにおける貯留物3の吸収スペクトルと温度を得ることができる限りにおいて、ケーブル類の配置は適宜変更し得る。
また、タンク1の各所には、ここに図示した他に圧力センサや温度センサ、空間同士を連通する配管や開口等が適宜設置されるが、本発明の要旨とは直接関係しない構成については適宜図示を省略している。
次に、上記した本実施例の作動を、図3のフローチャートを参照しながら説明する。
温度センサ9においては、各温度測定端子11にて温度が時々刻々測定され(図1参照、ステップS1)、温度検出値は温度信号11aとして成端箱12から演算装置22へ出力される(ステップS2)。
一方、分光分析装置13においては、本体部15から各分光測定端子16に対し、ケーブル14を通じて測定光L1が送信される(図1、図2参照、ステップS3)。各分光測定端子16においては、スリット17内の貯留物3に対し、送り側の光ファイバ14aを通して送られてきた測定光L1が照射部18から照射される(ステップS4)。測定光L1は、スリット17内の貯留物3を透過し、検出光L2として受光部19にて受光され、戻し側の光ファイバ14bからケーブル14を通して本体部15に戻される(ステップS5)。本体部15からは、各分光測定端子16において得られた検出光L2のスペクトルが検出光データ15aとして演算装置22へ出力される(ステップS6)。
演算装置22においては、温度センサ9から温度信号11aが入力され(図1参照、ステップS7)、これにより、各温度測定端子11の位置における温度が把握される。また、分光分析装置13から検出光データ15aが入力される(ステップS8)。各分光測定端子16から得られた検出光L2の吸収スペクトルから、各分光測定端子16の位置における貯留物3の組成が求められる(ステップS9)。
すなわち、分光測定端子16において、スリット17内の貯留物3に対し照射部18から照射された測定光L1は、スリット17を通過する間、貯留物3の構成成分に応じた波長の光を吸収され、吸収されずに残った光が検出光L2として受光部19にて受光される(図2参照)。スリット17において、貯留物3の構成成分により吸収される光の波長と吸収の度合(吸光度)は、スリット17における光路長(すなわちスリット17の幅D)と、各成分の種類と存在量によって決まるので、ステップS8で得た検出光L2のスペクトルから、各高さにおける貯留物3の組成を求めることができる。
続いて、貯留槽4内の各高さにおける貯留物3の密度を算出する(ステップS10)。先のステップS9において、貯留物3の組成、すなわち各構成成分の種類と割合が得られているので、これに基づいて貯留物3の密度を算出する。
貯留物3の密度は、温度によっても左右される。そこで、本ステップS10において貯留物3の組成から密度を求めるにあたり、ステップS7で得た同じ高さにおける貯留物3の温度のデータを加味することで、各高さにおける貯留物3の密度を一層精度良く求めることができる。
また、貯留物3の密度は、温度のほかに圧力の影響も受ける。したがって、貯留物3の密度をより正確に把握するために、貯留槽4内の各所における圧力を別途測定して計算に加味しても良い。ただし、本実施例において想定しているように、LNG等である貯留物3の密度を把握するという用途にとっては、各点における貯留物3の組成と温度を測定すれば十分である。
こうして、貯留槽4内の各高さに設置した分光測定端子16および温度測定端子11から得たデータから、貯留物3の密度を算出することができる。
このように、本実施例においては、タンク1内に貯留した貯留物3の液密度を測定するにあたり、吸収スペクトルによる分光分析の原理を用いて貯留物3の組成を求め、組成に基づいて密度を算出するようにしている。測定に必要な構成要素としてタンク1内に設置されるのは、光ファイバ14a,14bを内蔵したケーブル14、スリット17を備えた分光測定端子16といった軽量の器具と、ケーブル14を支持するガイド材20程度の簡単な機器類である(貯留物の温度を監視する温度センサは、もとよりタンクに設置されることが多い)。よって、例えば上記特許文献1に記載の如き導圧管を用いた測定法と異なり、重量物をタンク1内に多数設置するような必要がない。ケーブル14や分光測定端子16は軽量であり、またガイド材20も貯留槽4の底面4cから立設すれば済むので、分光分析装置13の設置によるタンク1の強度設計に対する影響は僅かであり、タンク1の建造にかかる費用が大幅に高騰するようなことはない。また、測定点の追加、変更等の必要が生じた際には、ケーブル14および分光測定端子16を増設すれば済むので、新たな施工等の手間やコストが最低限に抑えられるという点でも優れている。
また、測定にあたって可動部も不要である。例えば、上記特許文献2に記載の技術では、流体屈折計のプローブに回転式の可動部を備える必要があった。また、振動管を用いる測定法においても、センサを上下に動かすための可動部が必要であった。本実施例のように分光分析による測定の場合、分光測定端子16における測定光L1、検出光L2の光路は一定であり、可動部を必要としない。よって、耐用性を高く保つことができ、修理交換等のメンテナンスにかかる費用を抑えることができる。
また、本実施例の如き測定方式では、各測定点(すなわち、各分光測定端子16の設置高さ)における液密度をピンポイントで即時的に測定することができる。例えば上記特許文献1に記載の測定方式とは異なり、測定点間における液体の平均密度として液密度を測定するわけではない。したがって、貯留物3における高さ方向の液密度の分布を把握するにあたり、精度の高い測定が可能である。さらに、各測定点における液密度を貯留物3の組成に応じた絶対値として算出するので、液密度をその都度精度良く算出することが可能である。例えば比誘電率による電気式の測定法とは異なり、測定値の信頼性を高く保つことができる。
尚、貯留物に対し測定光を送信して液密度を求める技術としては、本実施例の如き吸光式の分光分析を用いた測定法や、上記特許文献2に記載の如き屈折率を用いた測定法のほかに、ラマン分光法を利用する測定法が考えられる。分子に光が衝突して散乱する場合、散乱光の波長が入射光よりも長くなることがあり(ラマン散乱)、この入射光と散乱光の波長の差(ラマンシフト)が分子の種類によって異なることを利用し、測定対象の組成を分析するのである。ただし、ラマン分光法において測定光として用いられる光は100,000nm程度までの長波長であり、近赤外分光分析(700nm以上2,500nm以下程度)、中赤外分光分析(2,500nm以上25,000nm以下程度)で用いられる光の波長と比較して長い。波長の長い光は、測定対象に照射した際、光路長あたりの吸収の度合が高いので、測定にあたってあまり光路長を長く取ることができない。分光分析により貯留物3の組成を測定する本実施例の場合、測定光L1としてラマン分光法に用いる光より短い波長の光を使用するので、吸収の度合が低く、光路長にあたるスリット17の幅D(図2参照)を広く取ることが可能である。スリット17の幅Dが広ければ、スリット17内における貯留物3の滞留や、異物の詰まりといった事態が生じにくいので、分光分析装置13のメンテナンス性や、測定精度の信頼性を一層向上させることができる。とりわけ、測定光L1として700nm以上2,500nm以下の波長の近赤外光を採用する場合には、スリット17の幅Dを特に広く取ることができ、好適である。
以上のように、上記本実施例のタンクの液密度測定装置は、貯留物3を貯留する貯留槽4に配置され、貯留物3に対して測定光L1を照射すると共に、貯留物3を通過した測定光L1を検出光L2として受光する分光測定端子16と、前記分光測定端子16に対して本体部15から測定光L1を送信すると共に、前記分光測定端子16から検出光L2を前記本体部15へ戻すケーブル14とを備えて構成される吸光式の分光分析装置13を備えている。
そして、本実施例のタンクの液密度測定方法においては、貯留槽4に貯留された貯留物3に対して測定光L1を照射すると共に、貯留物3を通過した検出光L2として受光し、検出光L2の吸収スペクトルから貯留物3の組成を求め、貯留物3の組成に基づき貯留物3の密度を算出するようにしている。このようにすれば、簡単な構成の機器により貯留物3の密度を精度良く測定することができる。
また、本実施例のタンクの液密度測定装置においては、前記貯留槽4における前記分光測定端子16と同じ高さに、温度センサ9の温度測定端子11を備えている。
そして、本実施例のタンクの液密度測定方法においては、検出光L2の吸収スペクトルから求めた貯留物3の組成に基づき貯留物3の密度を算出するにあたり、同じ高さにおける貯留物3の温度を加味するようにしている。こうすることにより、貯留物3の密度を一層精度良く求めることができる。
また、本実施例のタンクの液密度測定装置においては、前記貯留槽4内に、前記ケーブル14または前記分光測定端子16の少なくとも一方を固定するガイド材20を備えている。こうすることにより、分光測定端子16をガイド材20に沿って所定の高さに配置することができる。
また、本実施例のタンクの液密度測定装置および方法においては、測定光L1として近赤外光を用いている。このようにすれば、測定光L1として吸収の度合の低い波長の光を使用することで、測定光L1による測定を行う際の光路長にあたるスリット17の幅Dを広く取ることができる。よって、スリット17内における貯留物3の滞留や、異物の詰まりといった事態を生じにくくし、分光分析装置13のメンテナンス性や、測定精度の信頼性を一層向上させることができる。
したがって、上記本実施例によれば、タンク内に貯留された液体の密度を精度良く簡便に測定し得る。
尚、本発明のタンクの液密度測定装置および方法は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 タンク
2 外槽
2a 屋根
2b 側壁
2c 開口
3 貯留物
4 貯留槽
4a 蓋体(デッキ)
4b 側壁
4c 底面
4d 開口
5 基礎
6 底部断熱層
7 側部断熱層
8 ブランケット
9 温度センサ
10 ケーブル
11 温度測定端子
11a 温度信号
12 成端箱
13 分光分析装置
14 ケーブル
14a 光ファイバ(送り側の光ファイバ)
14b 光ファイバ(戻し側の光ファイバ)
15 本体部
15a 検出光データ
16 分光測定端子
17 スリット
18 照射部
19 受光部
20 ガイド材
21 結束材
22 演算装置
D 光路長(幅)
L1 測定光
L2 検出光

Claims (7)

  1. 貯留物を貯留する貯留槽に配置され、貯留物に対して測定光を照射すると共に、貯留物を通過した測定光を検出光として受光する分光測定端子と、
    前記分光測定端子に対して本体部から測定光を送信すると共に、前記分光測定端子から検出光を前記本体部へ戻すケーブルと
    を備えて構成される吸光式の分光分析装置を備えたタンクの液密度測定装置。
  2. 前記貯留槽における前記分光測定端子と同じ高さに、温度センサの温度測定端子を備えた、請求項1に記載のタンクの液密度測定装置。
  3. 前記貯留槽内に、前記ケーブルまたは前記分光測定端子の少なくとも一方を固定するガイド材を備えた、請求項1または2に記載のタンクの液密度測定装置。
  4. 測定光として近赤外光を用いる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタンクの液密度測定装置。
  5. 貯留槽に貯留された貯留物に対して測定光を照射すると共に、貯留物を通過した検出光として受光し、
    検出光の吸収スペクトルから貯留物の組成を求め、
    貯留物の組成に基づき貯留物の密度を算出する、タンクの液密度測定方法。
  6. 検出光の吸収スペクトルから求めた貯留物の組成に基づき貯留物の密度を算出するにあたり、同じ高さにおける貯留物の温度を加味する、請求項5に記載のタンクの液密度測定方法。
  7. 測定光として近赤外光を用いる、請求項5または6に記載のタンクの液密度測定方法。
JP2018083182A 2018-04-24 2018-04-24 タンクの液密度測定装置および方法 Active JP7072433B2 (ja)

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