JP2019190344A - エンジンシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】多段過給装置を備えたエンジンシステムにおいて、エンジンの高負荷状態においてもEGRを効率よく行うことができるエンジンシステムを提供する。【解決手段】エンジンシステムは、第1気筒群11に対応する第1排気通路21と、第2気筒群12に対応する第2排気通路24と、第1気筒群11の排気ガスの一部を還流するEGR装置50と、第1排気通路21の排気ガスが流入する小スクロール31aと、第2排気通路24の排気ガスが流入する大スクロール31bとを有する高圧段タービン31と、高圧段タービン31を迂回する第1および第2迂回通路45,46と、エンジン10が高負荷状態にあるときに第1および第2迂回通路45,46を開通させる排気開閉部56と、第1迂回通路45の排気ガスが流入する小スクロール41aと第2迂回通路46を通過した排気ガスが流入する大スクロール41bとを有する低圧段タービン41とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、多段過給装置とEGR装置とを備えたエンジンシステムに関する。
例えば特許文献1のように、エンジンシステムを構成する過給装置として、エンジンが低負荷状態にあるときに作動させる高圧段ターボチャージャーと、エンジンが高負荷状態にあるときに作動させる低圧段ターボチャージャーとを有する多段過給装置が知られている。こうした多段過給装置は、高圧段ターボチャージャーを迂回する迂回通路と迂回通路を開閉する開閉弁とを有している。開閉弁は、エンジンの運転状態が低負荷状態にあるときに閉状態に制御され、排気ガスを高圧段ターボチャージャーに流入させる。また開閉弁は、エンジンの運転状態が高負荷状態のときに開状態に制御され、迂回通路を通じて高圧段ターボチャージャーを迂回した排気ガスを低圧段ターボチャージャーへと流入させる。
また、特許文献1に記載のエンジンシステムは、エンジンの排気ガスに含まれるNOxを低減する排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)装置を備えている。EGRは、エンジンが吸入する作動ガスに排気ガスが含まれることでシリンダー燃焼温度を抑えることで排気ガスに含まれるNOxを低減する。
ところで、エンジンの低負荷状態だけでなく高負荷状態においてもEGRを行うことによりさらなるNOxの低減を図ることができる。そのため、上述した多段過給装置を備えたエンジンシステムについてエンジンの低負荷状態だけでなく高負荷状態においてもEGRを効率よく行うことが求められている。
本発明は、多段過給装置を備えたエンジンシステムにおいて、エンジンの高負荷状態においてもEGRを効率よく行うことができるエンジンシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するエンジンシステムは、第1気筒群と第2気筒群とを有するエンジンと、前記第1気筒群から排気ガスが排出される第1排気通路と、前記第2気筒群から排気ガスが排出される第2排気通路と、前記第1排気通路の排気ガスの一部を前記エンジンの吸気側へ還流するEGR装置と、前記第1排気通路の排気ガスが流入する小スクロールと前記第2排気通路の排気ガスが流入する大スクロールとを有する高圧段タービンを備える高圧段ターボチャージャーと、前記第1排気通路に接続されて前記高圧段タービンを迂回する第1迂回通路と、前記第2排気通路に接続されて前記高圧段タービンを迂回する第2迂回通路と、前記エンジンが高負荷状態にあるときに前記第1迂回通路および前記第2迂回通路を開通させる開閉部と、前記第1迂回通路の排気ガスが流入する小スクロールと前記第2迂回通路を通過した排気ガスが流入する大スクロールとを有する低圧段タービンを備える低圧段ターボチャージャーとを備える。
上記構成によれば、エンジンが低負荷状態にあるとき、第1排気通路の排気ガスは、高圧段ターボチャージャーのスクロールのうちでより流路抵抗の大きい小スクロールへと流入する。また、エンジンが高負荷状態にあるとき、第1排気通路の排気ガスは、第1迂回通路を通じて低圧段ターボチャージャーのスクロールのうちでより流路抵抗の大きい小スクロールへと流入する。そのため、第1排気通路は、第2排気通路よりも圧力が高い状態に保持されやすくなる。また、第1気筒群から排出された排気ガスは、低圧段タービンの小スクロールに流入するまで第2気筒群から排出された排気ガスとの接触が回避される。そのため、第1気筒群から排出された排気ガスは、排出の際に発生する脈動が第2気筒群から排出された排気ガスの脈動によって打ち消されることがなく、その脈動が保持される。これらのことから、エンジンの低負荷状態のみならず高負荷状態においても第1排気通路の圧力が高い状態が保持やすくなる。その結果、エンジンの高負荷状態においてもEGRを効率よく行うことができる。
上記構成のエンジンシステムにおいて、前記第1排気通路は、前記第1気筒群からの排気ガスが排出される第1エキゾーストマニホールドと、前記第1エキゾーストマニホールドに接続された第1排気管とを有し、前記EGR装置は、前記エンジンの吸気側に還流される排気ガスが流れる通路として前記第1エキゾーストマニホールドに接続されたEGR通路を有していることが好ましい。
上記構成によれば、EGRガスとしてEGR通路に流入するまでの間に生じる排気ガスの圧力損失を低減することができる。その結果、エンジンの吸気側とエンジンの排気側との圧力差が高くなりやすいことから、エンジンの高負荷状態におけるEGRをより効率よく行うことができる。
上記エンジンシステムにおいて、前記第2排気通路は、前記第2気筒群からの排気ガスが排出される第2エキゾーストマニホールドと、前記第2エキゾーストマニホールドに接続された第2排気管とを有し、前記第1排気管は、前記第2排気管よりも流路断面積が小さくてもよい。こうした構成によれば、第1排気管の流路抵抗が第2排気管よりも大きくなることで第1エキゾーストマニホールドにおける排気ガスの圧力をより高い状態に保持することができる。
上記構成のエンジンシステムは、前記高圧段タービンから流出した排気ガスを前記低圧段タービンの大スクロールに流入させる中間排気通路を有することが好ましい。
上記構成によれば、例えば開閉部が閉状態にあるときに高圧段タービンに流入した排気ガス、すなわちEGRガスとして還流されなかった排気ガスの全てが中間排気通路を通じて低圧段タービンの大スクロールに流入する。これにより、低圧段タービンに流入する排気ガスの速度を高めることができる。その結果、高圧段ターボチャージャーと低圧段ターボチャージャーとによる2段過給状態における低圧段ターボチャージャーの過給効率を高めることができる。
上記構成によれば、例えば開閉部が閉状態にあるときに高圧段タービンに流入した排気ガス、すなわちEGRガスとして還流されなかった排気ガスの全てが中間排気通路を通じて低圧段タービンの大スクロールに流入する。これにより、低圧段タービンに流入する排気ガスの速度を高めることができる。その結果、高圧段ターボチャージャーと低圧段ターボチャージャーとによる2段過給状態における低圧段ターボチャージャーの過給効率を高めることができる。
上記構成のエンジンシステムにおいて、前記第2迂回通路が前記中間排気通路に接続されていることが好ましい。
上記構成によれば、低圧段タービンの大スクロールに対して第2迂回通路と中間排気通路とが別々に接続される構成に比べて、低圧段タービンの構造を簡素なものにすることができる。
上記構成によれば、低圧段タービンの大スクロールに対して第2迂回通路と中間排気通路とが別々に接続される構成に比べて、低圧段タービンの構造を簡素なものにすることができる。
図1〜図3を参照して、エンジンシステムの一実施形態について説明する。
エンジンシステムは、複数の気筒を有するレシプロ式のディーゼルエンジン10(以下、単にエンジン10という)を有している。本実施形態のエンジン10は、6つの気筒#1,#2,#3,#4,#5,#6を有しており、その点火順序は、#1→#4→#2→#6→#3→#5である。第1気筒群11は、気筒#1,#2,#3で構成されている。第2気筒群12は、#4,#5,#6で構成されている。
エンジンシステムは、複数の気筒を有するレシプロ式のディーゼルエンジン10(以下、単にエンジン10という)を有している。本実施形態のエンジン10は、6つの気筒#1,#2,#3,#4,#5,#6を有しており、その点火順序は、#1→#4→#2→#6→#3→#5である。第1気筒群11は、気筒#1,#2,#3で構成されている。第2気筒群12は、#4,#5,#6で構成されている。
エンジンシステムは、エンジン10が吸入するガスが流れる吸気通路15と、エンジン10が排出した排気ガスが流れる排気通路20とを有している。
吸気通路15は、エンジン10が吸入するガスを各気筒#1〜#6に分配するインテークマニホールド16と、インテークマニホールド16に接続された吸気管17とを有している。また、吸気通路15は、後述する高圧段コンプレッサー32を迂回する吸気迂回通路として吸気管17における高圧段コンプレッサー32の上流と下流とに接続される吸気バイパス管18を有している。また、吸気管17には、高圧段コンプレッサー32で圧縮された空気を冷却するインタークーラー19が配設されている。
吸気通路15は、エンジン10が吸入するガスを各気筒#1〜#6に分配するインテークマニホールド16と、インテークマニホールド16に接続された吸気管17とを有している。また、吸気通路15は、後述する高圧段コンプレッサー32を迂回する吸気迂回通路として吸気管17における高圧段コンプレッサー32の上流と下流とに接続される吸気バイパス管18を有している。また、吸気管17には、高圧段コンプレッサー32で圧縮された空気を冷却するインタークーラー19が配設されている。
排気通路20は、第1気筒群11を構成する気筒#1,#2,#3からの排気ガスが流入する第1排気通路21と、第2気筒群12を構成する気筒#4,#5,#6からの排気ガスが流入する第2排気通路24とを有している。第1排気通路21は、気筒#1,#2,#3が排気ガスを排出する第1エキゾーストマニホールド22と、第1エキゾーストマニホールド22に接続された第1排気管23とで構成されている。第2排気通路24は、気筒#4,#5,#6が排気ガスを排出する第2エキゾーストマニホールド25と、第2エキゾーストマニホールド25に接続された第2排気管26とで構成されている。これら第1排気通路21と第2排気通路24は、互いに独立した通路であり排気ガスの流通が遮断されている。
エンジンシステムは、多段過給装置を構成するターボチャージャーとして、高圧段ターボチャージャー30と低圧段ターボチャージャー40とを有している。
高圧段ターボチャージャー30は、排気通路20に配設された高圧段タービン31と、吸気通路15に配設された高圧段コンプレッサー32と、これら高圧段タービン31と高圧段コンプレッサー32とを連結する連結シャフト33とで構成されている。高圧段タービン31は、いわゆるアシンメトリー型のタービンであって、タービンホイールに到達するまでの流路断面積が小さく流路抵抗の大きい小スクロール31aと、タービンホイールに到達するまでの流路断面積が小スクロール31aよりも大きく流路抵抗の小さい大スクロール31bとを有している。高圧段タービン31の小スクロール31aには、第1排気管23の下流端が接続されている。高圧段タービン31の大スクロール31bには、第2排気管26の下流端が接続されている。小スクロール31aおよび大スクロール31bに流入した排気ガスは、タービンホイールを回転させることで高圧段コンプレッサー32を駆動する。高圧段タービン31の出口には排気通路20を構成する中間排気通路35の上流端が接続されている。小スクロール31aおよび大スクロール31bに流入した排気ガスは、タービンホイールを駆動したのち中間排気通路35に流入する。
高圧段ターボチャージャー30は、排気通路20に配設された高圧段タービン31と、吸気通路15に配設された高圧段コンプレッサー32と、これら高圧段タービン31と高圧段コンプレッサー32とを連結する連結シャフト33とで構成されている。高圧段タービン31は、いわゆるアシンメトリー型のタービンであって、タービンホイールに到達するまでの流路断面積が小さく流路抵抗の大きい小スクロール31aと、タービンホイールに到達するまでの流路断面積が小スクロール31aよりも大きく流路抵抗の小さい大スクロール31bとを有している。高圧段タービン31の小スクロール31aには、第1排気管23の下流端が接続されている。高圧段タービン31の大スクロール31bには、第2排気管26の下流端が接続されている。小スクロール31aおよび大スクロール31bに流入した排気ガスは、タービンホイールを回転させることで高圧段コンプレッサー32を駆動する。高圧段タービン31の出口には排気通路20を構成する中間排気通路35の上流端が接続されている。小スクロール31aおよび大スクロール31bに流入した排気ガスは、タービンホイールを駆動したのち中間排気通路35に流入する。
低圧段ターボチャージャー40は、排気通路20における高圧段タービン31の下流側に配設される低圧段タービン41と、吸気通路15における高圧段コンプレッサー32の上流側に配設される低圧段コンプレッサー42と、これら低圧段タービン41と低圧段コンプレッサー42とを連結する連結シャフト43とで構成されている。低圧段タービン41は、いわゆるアシンメトリー型のタービンであって、タービンホイールに到達するまでの流路断面積が小さく流路抵抗の大きい小スクロール41aと、タービンホイールに到達するまでの流路断面積が小スクロール41aよりも大きく流路抵抗の小さい大スクロール41bとを有している。低圧段タービン41の小スクロール41aには、第1迂回通路45の下流端が接続されている。第1迂回通路45は、第1排気管23を流れる排気ガスが高圧段タービン31に流入しないように当該排気ガスを迂回させる通路であり、その上流端が第1排気管23に接続されている。低圧段タービン41の大スクロール41bには、中間排気通路35の下流端が接続されている。中間排気通路35における高圧段タービン31と低圧段タービン41との間には、第2迂回通路46の下流端が接続されている。第2迂回通路46は、第2排気管26を流れる排気ガスが高圧段タービン31に流入しないように当該排気ガスを迂回させる通路であり、その上流端が第2排気管26に接続されている。すなわち、低圧段タービン41の大スクロール41bには、中間排気通路35または第2迂回通路46を通過した排気ガスが流入する。低圧段タービン41の小スクロール41aおよび大スクロール41bに流入した排気ガスは、タービンホイールを駆動することにより連結シャフト43を介して低圧段コンプレッサー42を駆動する。低圧段タービン41に流入した排気ガスはタービンホイールを駆動したのち排気通路20を構成する下流排気通路48へと流入する。
エンジンシステムは、EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置50を備えている。EGR装置50は、第1エキゾーストマニホールド22と吸気通路15におけるインタークーラー19の下流側とを接続するEGR通路51と、EGR通路51の途中に配設されたEGRクーラー52と、EGR通路51におけるEGRクーラー52の下流に配設されたEGR弁53とを有している。EGR装置50は、EGR弁53が開状態にあるとき、第1エキゾーストマニホールド22内の排気ガスの一部をEGRクーラー52にて冷却したうえで吸気通路15へと還流する。こうしたEGRは、第1エキゾーストマニホールド22の圧力が吸気通路15におけるEGR通路51との接続部分の圧力よりも高いときに実行可能である。
エンジンシステムは、吸気バイパス管18を開閉する吸気開閉部55と、第1迂回通路45および第2迂回通路46を開閉する排気開閉部56を有している。排気開閉部56は、例えば第1迂回通路45および第2迂回通路46を同時期に開閉可能なダブルバタフライ方式のバルブである。吸気開閉部55および排気開閉部56による開閉は、エンジンシステムを統括制御する制御装置60によって制御される。なお、制御装置60は、エンジン10の運転状態に基づきEGR弁53の開度も制御する。
制御装置60は、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、或いは、それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリ61を含み、メモリ61は、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリ61すなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
制御装置60には、アクセル開度センサー62、エンジン回転数センサー63などの各種センサーが電気的に接続されている。アクセル開度センサー62は、ドライバーが操作するアクセルペダルの開度であるアクセル開度ACCを検出し、その検出したアクセル開度ACCを示す信号を制御装置60に出力する。制御装置60は、アクセル開度センサー62からの信号に基づいてアクセル開度ACCを取得する。エンジン回転数センサー63は、エンジン10のクランクシャフトの回転数であるエンジン回転数Neを検出し、その検出したエンジン回転数Neを示す信号を制御装置60に出力する。制御装置60は、エンジン回転数センサー63からの信号に基づいてエンジン回転数Neを取得する。
制御装置60は、アクセル開度ACCとエンジン回転数Neとに基づくエンジン10の運転状態に応じて各開閉部55,56の開閉状態を規定した開閉マップをメモリ61の所定領域に保持している。制御装置60は、取得したアクセル開度ACCとエンジン回転数Neとを開閉マップに適用することにより各開閉部55,56の開閉状態を選択し、その選択した開閉状態へと各開閉部55,56を制御する。
開閉マップには、アクセル開度ACCとエンジン回転数Neとに基づくエンジン10の運転状態が高負荷状態と判断される領域に、各開閉部55,56の開閉状態として開状態が規定されている。また、開閉マップには、アクセル開度ACCとエンジン回転数Neとに基づくエンジン10の運転状態が低負荷状態と判断される領域に各開閉部55,56の開閉状態として閉状態が規定されている。
図2および図3を参照して、上述した構成のエンジンシステムの作用について説明する。なお、以下では、EGR弁53は、その時々のエンジン10の運転状態に応じた最適な開度の開状態に制御されているものとする。
図2に示すように、エンジン10の運転状態が低負荷状態にあるとき、エンジンシステムは、各開閉部55,56が閉状態に制御されて高圧段ターボチャージャー30および低圧段ターボチャージャー40で過給が行われる2段過給状態となる。このとき、第1気筒群11から第1エキゾーストマニホールド22に排出された排気ガスは、その一部が第1排気管23へと流入し、残りがEGR通路51へと流入する。第1排気管23に流入した排気ガスは、第1迂回通路45に流入することなく高圧段タービン31の小スクロール31aへと流入する。また、第2気筒群12から第2エキゾーストマニホールド25に排出された排気ガスは、第2迂回通路46に流入することなく高圧段タービン31の大スクロール31bへと流入する。この際、高圧段タービン31の小スクロール31aが大スクロール31bよりも流路断面積が小さく流路抵抗が大きいことから、第1エキゾーストマニホールド22の圧力は、第2エキゾーストマニホールド25よりも高くなる。また、各気筒#1〜#6から排気ガスが排出される際、排気ガスには、その排出にともなう圧力変動である脈動が生じる。また、気筒#1,#2,#3が排出する排気ガスと気筒#4,#5,#6が排出する排気ガスとの接触がこれらの排気ガスが高圧段タービン31のタービンホイールに到達するまで回避される。そのため、気筒#1〜#3から排出された排気ガスの脈動が、気筒#4〜#6から排出された排気ガスの脈動によって打ち消されることがない。これらのことから、第1エキゾーストマニホールド22の圧力をより高い状態に保持することができる。その結果、エンジン10の低負荷状態におけるEGRを効率よく行うことができる。
また、図3に示すように、エンジン10が高負荷状態にあるとき、エンジンシステムは、各開閉部55,56が開状態に制御されることで低圧段ターボチャージャー40のみで過給が行われる単段過給状態となる。このとき、第1気筒群11から第1エキゾーストマニホールド22に排出された排気ガスは、その一部が第1排気管23へと流入し、残りがEGR通路51へと流入する。第1排気管23に流入した排気ガスは、高圧段タービン31の小スクロール31aに流入することなく第1迂回通路45に流入する。また、第2気筒群12から第2エキゾーストマニホールド25に排出された排気ガスは、第2排気管26に流入したのち高圧段タービン31の大スクロール31bに流入することなく第2迂回通路46に流入する。この際、低圧段タービン41の小スクロール41aが大スクロール41bよりも流路断面積が小さく流路抵抗が大きいことから、第1エキゾーストマニホールド22の圧力は、第2エキゾーストマニホールド25よりも高くなる。また、気筒#1〜#3が排出する排気ガスと気筒#4〜#6が排出する排気ガスとの接触がこれらの排気ガスが低圧段タービン41のタービンホイールに到達するまで回避される。そのため、気筒#1〜#3から排出された排気ガスの脈動が、気筒#4〜#6から排出された排気ガスの脈動によって打ち消されることがない。これらのことから、エンジン10の高負荷状態にも第1エキゾーストマニホールド22の圧力をより高い状態に保持することができる。その結果、エンジン10の高負荷状態においてもEGRを効率よく行うことができる。
上記実施形態のエンジンシステムによれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)第1気筒群11から排出された排気ガスは、エンジン10が低負荷状態にあり排気開閉部56が閉状態にあるときには高圧段タービン31の小スクロール31aに流入し、エンジン10が高負荷状態にあり排気開閉部56が開状態にあるときには低圧段タービン41の小スクロール41aに流入する。すなわち、第1気筒群11から排出される排気ガスは、各タービン31,41の小スクロール31a,41aに流入する。そのため、第1排気通路21を構成する第1エキゾーストマニホールド22は、第2排気通路24を構成する第2エキゾーストマニホールド25よりも圧力が高い状態に保持されやすい。また、第1気筒群11から排出された排気ガスは、低圧段タービン41のタービンホイールを駆動するまで、第2気筒群12から排出された排気ガスとの接触が回避される。そのため、第1気筒群11ら排出された排気ガスは、排出の際に発生する脈動が第2気筒群12から排出された排気ガスの脈動に打ち消されることがなく、その脈動を保持した状態のままで各タービン31,41に流入する。これらのことから、エンジン10の低負荷状態だけでなく高負荷状態においてもEGRを効率よく行うことができる。
(1)第1気筒群11から排出された排気ガスは、エンジン10が低負荷状態にあり排気開閉部56が閉状態にあるときには高圧段タービン31の小スクロール31aに流入し、エンジン10が高負荷状態にあり排気開閉部56が開状態にあるときには低圧段タービン41の小スクロール41aに流入する。すなわち、第1気筒群11から排出される排気ガスは、各タービン31,41の小スクロール31a,41aに流入する。そのため、第1排気通路21を構成する第1エキゾーストマニホールド22は、第2排気通路24を構成する第2エキゾーストマニホールド25よりも圧力が高い状態に保持されやすい。また、第1気筒群11から排出された排気ガスは、低圧段タービン41のタービンホイールを駆動するまで、第2気筒群12から排出された排気ガスとの接触が回避される。そのため、第1気筒群11ら排出された排気ガスは、排出の際に発生する脈動が第2気筒群12から排出された排気ガスの脈動に打ち消されることがなく、その脈動を保持した状態のままで各タービン31,41に流入する。これらのことから、エンジン10の低負荷状態だけでなく高負荷状態においてもEGRを効率よく行うことができる。
(2)ここで、タービンに流入する排気ガスの流路断面積を変更可能な可変ノズルを有する可変容量型ターボチャージャーを低圧段ターボチャージャーに採用し、第1エキゾーストマニホールド22の圧力を可変ノズルの開度で制御することも可能である。しかしながら、こうした構成は、低圧段ターボチャージャーの複雑化、すなわちその構造や制御の複雑化を招き、これにともないコストも増大してしまう。
この点、上述したエンジンシステムは、低圧段ターボチャージャーのタービンをアシンメトリー型のタービンで構成することにより、エンジン10の高負荷状態でのEGRを効率よく行ううえで低圧段タービンの構造の複雑化を回避することができる。これにより、低圧段タービンについてのメンテナンスの頻度も抑えられる。そのうえ、可変ノズルの開度の制御も必要ない。このように上述したエンジンシステムは、可変容量型ターボチャージャーを採用した多段過給装置よりも簡素化した構造および制御のもとでエンジン10の高負荷状態における効率よいEGRを行うことができる。
(3)第1排気通路21は、第1エキゾーストマニホールド22と第1排気管23とで構成されており、EGR通路51は、第1エキゾーストマニホールド22に接続されている。すなわち、第1エキゾーストマニホールド22に排出された直後の排気ガスがEGR通路51に流入しやすいように構成されている。そのため、EGR通路51に流入するまでの間に生じる排気ガスの圧力損失を低減することができる。その結果、EGR通路51の上流(エンジン10の排気側)とEGR通路51の下流(エンジン10の吸気側)との圧力差が高くなりやすいことから、エンジン10の高負荷状態におけるEGRをより効率よく行うことができる。
(4)高圧段タービン31を通過した排気ガスが流入する中間排気通路35は、低圧段タービン41の大スクロール41bに接続されている。こうした構成によれば、例えば排気開閉部56が閉状態にあるときに高圧段タービン31に流入した排気ガス、すなわちEGRガスとして還流されなかった排気ガスの全てが中間排気通路35を介して低圧段タービン41の大スクロール41bに流入する。これにより、低圧段タービン41に流入する排気ガスの速度を高めることができる。その結果、高圧段ターボチャージャー30と低圧段ターボチャージャー40とによる2段過給状態における低圧段ターボチャージャー40の過給効率を高めることができる。
(5)第2迂回通路46の下流端が中間排気通路35に接続されていることから、低圧段タービン41の大スクロール41bに対して第2迂回通路46と中間排気通路35とが別々に接続される構成に比べて、低圧段タービン41の構造を簡素なものにすることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・第2迂回通路46と中間排気通路35とは低圧段タービン41の大スクロール41bに対して別々に接続されてもよい。
・第2迂回通路46と中間排気通路35とは低圧段タービン41の大スクロール41bに対して別々に接続されてもよい。
・エンジンシステムは、高圧段タービン31から流出した排気ガスが低圧段タービン41を迂回させる通路を有していてもよい。
・EGR通路51は、第1排気通路21と吸気通路15とを接続するものであればよく、第1エキゾーストマニホールド22ではなく第1排気管23に接続されていてもよい。
・EGR通路51は、第1排気通路21と吸気通路15とを接続するものであればよく、第1エキゾーストマニホールド22ではなく第1排気管23に接続されていてもよい。
・第1排気管23における流路抵抗は、第2排気管26における流路抵抗よりも大きいことが好ましい。こうした構成は、第1排気管23の流路断面積が第2排気管26の流路断面積よりも小さいことにより具現化される。これにより、第1エキゾーストマニホールド22における排気ガスの圧力をより高い状態に保持することができる。
・第1迂回通路45は、第1排気通路21に接続されていればよく、第1エキゾーストマニホールド22に接続されていてもよい。第2迂回通路46は、第2排気通路24に接続されていればよく、第2エキゾーストマニホールド25に接続されていてもよい。また、第1迂回通路45は、第2迂回通路46よりも流路断面積が大きいことが好ましい。こうした構成は、第1迂回通路45の流路断面積が第2迂回通路46の流路断面積よりも小さいことにより具現化される。これにより、第1エキゾーストマニホールド22における排気ガスの圧力をより高い状態に保持することができる。
・排気開閉部56は、第1迂回通路45および第2迂回通路46の各々に対して各別に配設されるバルブであってもよい。
・制御装置60は、エンジン10の運転状態に基づいて排気開閉部56の開閉を制御すればよく、アクセル開度ACCおよびエンジン回転数Neに基づいて運転状態を判別するものに限られない。
・制御装置60は、エンジン10の運転状態に基づいて排気開閉部56の開閉を制御すればよく、アクセル開度ACCおよびエンジン回転数Neに基づいて運転状態を判別するものに限られない。
・エンジン10は、多段過給装置とEGR装置とを備えたエンジンシステムに適用されるエンジンであればよく、ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンであってもよいし、ガスエンジンであってもよい。
#1,#2,#3,#4,#5,#6…気筒、10…ディーゼルエンジン、11…第1気筒群、12…第2気筒群、15…吸気通路、16…インテークマニホールド、17…吸気管、18…吸気バイパス管、19…インタークーラー、20…排気通路、21…第1排気通路、22…第1エキゾーストマニホールド、23…第1排気管、24…第2排気通路、25…第2エキゾーストマニホールド、26…第2排気管、30…高圧段ターボチャージャー、31…高圧段タービン、31a…小スクロール、31b…大スクロール、32…高圧段コンプレッサー、33…連結シャフト、35…中間排気通路、40…低圧段ターボチャージャー、41…低圧段タービン、41a…小スクロール、41b…大スクロール、42…低圧段コンプレッサー、43…連結シャフト、45…第1迂回通路、46…第2迂回通路、48…下流側共通管、50…EGR装置、51…EGR通路、52…EGRクーラー、53…EGR弁、55…吸気開閉部、56…排気開閉部、60…制御装置、61…メモリ、62…アクセル開度センサー、63…エンジン回転数センサー。
Claims (5)
- 第1気筒群と第2気筒群とを有するエンジンと、
前記第1気筒群から排気ガスが排出される第1排気通路と、
前記第2気筒群から排気ガスが排出される第2排気通路と、
前記第1排気通路の排気ガスの一部を前記エンジンの吸気側へ還流するEGR装置と、
前記第1排気通路の排気ガスが流入する小スクロールと前記第2排気通路の排気ガスが流入する大スクロールとを有する高圧段タービンを備える高圧段ターボチャージャーと、
前記第1排気通路に接続されて前記高圧段タービンを迂回する第1迂回通路と、
前記第2排気通路に接続されて前記高圧段タービンを迂回する第2迂回通路と、
前記エンジンが高負荷状態にあるときに前記第1迂回通路および前記第2迂回通路を開通させる開閉部と、
前記第1迂回通路の排気ガスが流入する小スクロールと前記第2迂回通路を通過した排気ガスが流入する大スクロールとを有する低圧段タービンを備える低圧段ターボチャージャーとを備える
エンジンシステム。 - 前記第1排気通路は、
前記第1気筒群からの排気ガスが排出される第1エキゾーストマニホールドと、
前記第1エキゾーストマニホールドに接続された第1排気管とを有し、
前記EGR装置は、
前記エンジンの吸気側に還流される排気ガスが流れる通路として前記第1エキゾーストマニホールドに接続されたEGR通路を有している
請求項1に記載のエンジンシステム。 - 前記第2排気通路は、
前記第2気筒群からの排気ガスが排出される第2エキゾーストマニホールドと、
前記第2エキゾーストマニホールドに接続された第2排気管とを有し、
前記第1排気管は、
前記第2排気管よりも流路断面積が小さい
請求項2に記載のエンジンシステム。 - 前記高圧段タービンから流出した排気ガスを前記低圧段タービンの大スクロールに流入させる中間排気通路を有する
請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンジンシステム。 - 前記第2迂回通路が前記中間排気通路に接続されている
請求項4に記載のエンジンシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018082773A JP2019190344A (ja) | 2018-04-24 | 2018-04-24 | エンジンシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018082773A JP2019190344A (ja) | 2018-04-24 | 2018-04-24 | エンジンシステム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019190344A true JP2019190344A (ja) | 2019-10-31 |
Family
ID=68389388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018082773A Pending JP2019190344A (ja) | 2018-04-24 | 2018-04-24 | エンジンシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019190344A (ja) |
-
2018
- 2018-04-24 JP JP2018082773A patent/JP2019190344A/ja active Pending
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