JP2019190179A - 高周波振動掘削装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、上記構造では、回転軸の1回転でオーガーが1往復する運動であるため、往復の回数が少なく、地盤への打撃力が小さいものとなっている。このため地盤を掘削する掘削速度に限界がある。
前記インナーロッドを回転させる回転動力部材と、
前記インナーロッドの回転に伴ってインナーロッドの軸方向に沿った往復振動を発生する振動機構と、
前記振動機構の先端側に直接又は間接的に連結され、振動機構の往復振動が伝達されて往復振動するビットと、を備え、
前記振動機構は、円周上に一定間隔で並べられた複数のローラを有し前記インナーロッドの軸方向に沿って取り付けられたローラ保持器と、ローラ保持器が同期回転するように連結する同期連結機構と、前記ロータが転動する山部と谷部とが交互に形成され前記それぞれのローラ保持器を挟む一対のうねり付きレースからなるレース部材と、前記レース部材における一対のうねり付きレースの内、一方が回転側、他方が非回転側となるように連携させる連携機構とを備えていることを特徴とする。
又、前記第1連携機構は、山部と谷部とが円周上の同じ位置を保って同期回転するように2つの内側うねり付きレースを連結し、前記第2連携機構は、山部と谷部とが円周上の同じ位置で対向するように2つの外側うねり付きレースを連結する。
又、前記振動機構に対し前記回転動力部材側に配置されて前記ビットの往復振動による反力を受ける反力受け機構をさらに備え、前記反力受け機構は、円周上に一定間隔で並べられた複数の反力ローラを有し前記インナーロッドに取り付けられた反力ローラ保持器と、前記反力ローラを挟む一対となって配置された反力レースとを備えている
又、前記ビットは、前記アウターロッドと連結されてアウターロッドの回転と共に回転する。
又、前記ビットの別例は、前記アウターロッドと回転方向に規制されることなく、前記インナーロッドから回転力が伝達される。
又、潤滑油が充填された膨縮可能な複数の油チューブと、前記油チューブから前記振動機構及び反力受け機構にかけて形成され前記潤滑油を循環させる潤滑油路とからなる潤滑機構がさらに設けられている。
図1〜図6は、本発明の第1実施形態を示し、図1は各部材の配置を示す装置全体の概念図、図2は全体の断面図、図3は要部の断面図、図4はローラ保持部材を示す斜視図、図5はレース部材に用いるうねり付きレースの斜視図及び部分拡大斜視図、図6は作用を示す正面図である。
ビット10は上部がアジャストカップリング4に挿入されることによりアジャストカップリング4に取り付けられている。アジャストカップリング4の外周にはスプライン4aが形成されることによりアウターロッド3に連結されている。アジャストカップリング4は振動伝達機構9を構成する。このような構造では、アウターロッド3が回転することによりビット10が回転し、この回転によってビット10が地盤を掘削する。
振動機構8は複数(2つ)のローラ保持器12、13と、それぞれのローラ保持器12、13に対応した複数(2つ)のレース部材14、15とを備えている。
図2及び図3において、第1ローラ保持器12側のローラ17の径が大きく、第2ローラ保持器13側のローラ17の径が小さくなっているが、掘削時の荷重の大きさ及びコンパクト化に対応させるものであり、図6に示すように同一の径のローラであっても良い。
図5は、うねり付きレース23、24、25、26の外観を示し、インナーロッド2が貫通するリング状に形成されている。リング状のうねり付きレース23、24、25、26におけるローラ保持器側の面はローラ保持器12、13のローラ17が転動する面となっている。この面には、山部21及び谷部22が円周上に沿って交互に形成され、ローラ保持器12、13のローラ17はこれらの山部21及び谷部22を回転しながら走行する。
以上における山部21と谷部22は、ローラ17が正弦波振動できるように、うねり付きレースの表面がトロコイド状の形状となる加工が施された波形状の山と谷によって形成されている。そして、一対のうねり付きレースにおいては、一方を回転させることでレースの回転数にローラ17の数(うねり数)の半分を乗じた周波数で軸方向振動を発生させることができる。このような構造の一対のうねり付きレースにおいては、山部と谷部の数を一致させる必要があり、うねり付きレースの回転時には、ローラ17がそれぞれ山部21と谷部22に接触する。
以上のような構造では、ローラ17の数を変更することにより、他の掘削装置に比べて振動数(すなわち打撃数)を増やすことができる。これにより掘削速度及び掘削深度を大きく向上させることができる。
この実施形態では、インナーロッド2に対し2つの反力ローラ保持器41が設けられており、それぞれの反力ローラ保持器41に対して一対の反力レース42が配置されている。この反力受け機構7はアウターロッド3と連結されることにより、掘削時にアウターロッド3を地盤に押し付けたり保持する。このことにより高周波振動するビット10の先端部が地盤を打撃して破壊する。又、反力受け機構7は、振動機構8の振動がインナーロッド2に伝搬することを遮断するように機能する。これにより後続の回転動力部材5への振動の影響を抑制することができる。
油チューブ45は膨縮可能なチューブであり、内部に潤滑油が充填されている。潤滑油路46は潤滑油を反力受け機構7、振動機構8、振動伝達機構9の構成部品であるアジャストカップリング4のスプライン4aに循環供給するものであり、これらの機構7、8、9と油チューブ45とを連通する通路となっている。このような循環機構6を設けることにより軸方向への小刻みの高速振動によって掘削装置1の内部空間の容積が急激に変化しても潤滑油が循環するため、高速振動時の圧力変動を抑制することができる。
図7は本発明の第2実施形態の高周波振動掘削装置1Aの要部を示す。
この高周波振動掘削装置1Aにおいては、上方に延びるシャフト部48がビット10に一体的に形成され、このシャフト部48がインナーロッド2に連結された構造となっている。すなわちシャフト部48の上端部には、矩形等の非円形の係合凹部49が形成される一方、インナーロッド2の下端部には、係合凹部49に入り込んで係合する非円形の係合凸部50が形成されている。係合凸部50が係合凹部49に係合することにより、ビット10とインナーロッド2とが連結され、インナーロッド2の回転がビット10に伝達されてビット10が回転する。
この実施形態では、ビット10が挿入されるアジャストカップリング4はアウターロッド3とスプライン4aによって連結されており、軸方向へ振動を伝達すると共にアウターロッド3から回転力を得る。一方、ビット10のシャフト部48とアジャストカップリング4とは連結されておらず、シャフト部48(ビット10)はアウターロッド3と回転方向への規制はない。シャフト部48とアジャストカップリング4との間にはドライブシュー61が介在しており、アジャストカップリング4まで伝達された振動をドライブシュー61がビット10に伝達する。ドライブシュー61はアジャストカップリング4とねじ結合されており、アウターロッド3の回転に合わせて回転する。ドライブシュー61とビット10とは回転方向の規制がないため、係合凹部49及び係合凸部50から伝達された回転がビット10に伝達される。
なお、ビット10の軸方向の連結からの抜け止めを行うため、スプリットリング62及びブッシング63が設けられている。
このような構造では、係合凹部49及び係合凸部50がインナーロッド2の回転をビット10に伝達する一方、ドライブシュー61が軸方向の振動をビット10に伝達する。
図8は本発明の第3実施形態の高周波振動掘削装置1Bを示す。
この高周波振動掘削装置1Bでは、インナーロッド2の先端にコアチューブ52が連結されている。コアチューブ52は外チューブ53と内チューブ54との二重チューブとなっており、外チューブ53がインナーロッド2に連結されて回転する一方、内チューブ54は非回転となっている。
外チューブ53の先端には、本発明のビットとしてのコアビット59がねじ等によって固定されている。コアビット59が外チューブ53に取り付けられることによりコアビット59は振動機構8に間接的に連結された構造となっている。
図9は本発明の第4実施形態の高周波振動掘削装置1Cを示す。
この高周波振動掘削装置1Cでは、コアのサンプリングを行うコアチューブ55が振動機構8に取り付けられ、コアチューブ55の先端にコアビット59が取り付けられている。これによりコアビット59はコアチューブ55を介して振動機構8に間接的に連結されている。
回転動力部材5によってインナーロッド2が回転すると、振動機構8が小刻みに往復振動してコアチューブ55が微細振動を行いながら掘削するため、コアチューブ55内にコアを採取することができる。アウターロッド3の先端には、同ロッド3の回転によって地盤を掘削するアウタービット56が取り付けられている。
以上に加えて、インナーロッド2とアウターロッド3とはラッチ57によって切り離し可能に接続されており、アウターロッド3の回転及び荷重をインナーロッド2に伝達するようになっている。又、インナーロッド2、振動機構8、回転動力部材5を含むインナーアッシーの端部には、スピア58が取り付けられており、スピア58を介してインナーアッシーの地上への引き上げが可能となっている。
この構造においても、コアチューブ55が微細振動を行うため、対象岩に大きな亀裂を与えることがなく、連続したコアを採取することができる。
Claims (7)
- アウターロッド内に回転可能に挿入されたインナーロッドと、
前記インナーロッドを回転させる回転動力部材と、
前記インナーロッドの回転に伴ってインナーロッドの軸方向に沿った往復振動を発生する振動機構と、
前記振動機構の先端側に直接又は間接的に連結され、振動機構の往復振動が伝達されて往復振動するビットと、を備え、
前記振動機構は、円周上に一定間隔で並べられた複数のローラを有し前記インナーロッドの軸方向に沿って取り付けられたローラ保持器と、ローラ保持器が同期回転するように連結する同期連結機構と、前記ロータが転動する山部と谷部とが交互に形成され前記それぞれのローラ保持器を挟む一対のうねり付きレースからなるレース部材と、前記レース部材における一対のうねり付きレースの内、一方が回転側、他方が非回転側となるように連携させる連携機構とを備えていることを特徴とする高周波振動掘削装置。 - 前記ローラ保持器は、前記ビット側に位置した第1ローラ保持器と、前記ビットとの間で前記第1ローラ保持器を挟むように位置した第2ローラ保持器とを備え、
前記レース部材は、前記第1ローラ保持器に対応した第1レース部材と、前記第2ローラ保持器に対応した第2レース部材とを備え、
前記連携機構は、前記第1ローラ保持器及び第2ローラ保持器の間に位置した2つの内側うねり付きレースが同期回転するように連結する第1連携機構と、前記第1ローラ保持器及び第2ローラ保持器の両外側に位置した2つの外側うねり付きレースが非回転となるように連結する第2連携機構とを備えていることを特徴する請求項1記載の高周波振動掘削装置。 - 前記第1連携機構は、山部と谷部とが円周上の同じ位置を保って同期回転するように2つの内側うねり付きレースを連結し、前記第2連携機構は、山部と谷部とが円周上の同じ位置で対向するように2つの外側うねり付きレースを連結することを特徴とする請求項2記載の高周波振動掘削装置。
- 前記振動機構に対し前記回転動力部材側に配置されて前記ビットの往復振動による反力を受ける反力受け機構をさらに備え、
前記反力受け機構は、円周上に一定間隔で並べられた複数の反力ローラを有し前記インナーロッドに取り付けられた反力ローラ保持器と、前記反力ローラを挟む一対となって配置された反力レースとを備えていることを特徴とする請求項1記載の高周波振動掘削装置。 - 前記ビットは、前記アウターロッドと連結されてアウターロッドの回転と共に回転することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の高周波振動掘削装置。
- 前記ビットは、前記アウターロッドと回転方向に規制されることなく、前記インナーロッドから回転力が伝達されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の高周波振動掘削装置。
- 潤滑油が充填された膨縮可能な複数の油チューブと、前記油チューブから前記振動機構及び反力受け機構にかけて形成され前記潤滑油を循環させる潤滑油路とからなる潤滑機構がさらに設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の高周波振動掘削装置。
Priority Applications (1)
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JP2018086176A Pending JP2019190179A (ja) | 2018-04-27 | 2018-04-27 | 高周波振動掘削装置 |
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2018
- 2018-04-27 JP JP2018086176A patent/JP2019190179A/ja active Pending
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