JP2019189531A - カプシノイドの抽出方法 - Google Patents
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Description
[1]トウガラシから、カプシノイドを溶媒で抽出する工程を含むカプシノイド抽出物の製造方法において、前記トウガラシとして含水トウガラシを用い、前記抽出工程を酸性条件下で行なうことを特徴とするカプシノイド抽出物の製造方法。
[2]溶媒がヘキサン又は含水ヘキサンである[1]に記載の製造方法。
[3]抽出工程において、トウガラシの重量1kgに対して、有機酸又は無機酸を0.1〜50gとなるように添加して酸性条件とする[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]有機酸又は無機酸が、クエン酸、アスコルビン酸、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1種である[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]酸性条件が、pH0〜6である[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]抽出温度が、−196〜60℃である[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]トウガラシを粉砕する工程を含む[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]カプシノイドを濃縮する工程を含む[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9][1]〜[8]のいずれかに記載の製造方法で得られたカプシノイド抽出物。
[10]トウガラシから、カプシノイドを溶媒で抽出する方法であって、前記トウガラシとして含水トウガラシを用い、前記抽出工程を酸性条件下で行なうことを特徴とするカプシノイドを抽出する方法。
[11]溶媒がヘキサン又は含水ヘキサンである[10]に記載の方法。
[12]トウガラシの重量1kgに対して、有機酸又は無機酸を0.1〜50gとなるように添加して酸性条件とする[10]又は[11]に記載の方法。
[13]有機酸又は無機酸が、クエン酸、アスコルビン酸、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1種である[10]〜[12]のいずれかに記載の方法。
[14]酸性条件が、pH0〜6である[10]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[15]抽出温度が、−196〜60℃である[10]〜[14]のいずれかに記載の方法。
[16]トウガラシを粉砕する工程を含む[10]〜[15]のいずれかに記載の方法。
[17]カプシノイドを濃縮する工程を含む[10]〜[16]のいずれかに記載の方法。
トウガラシとしては、例えば、Capsicum annuum(CH-19甘、CH-19辛、ひもとうがらし、丸サラダ、やまと甘なんばん、鷹の爪、八房、本鷹、カイエン、ハラペーニョ、エクスプローシブエンバー、ペルビアン パープル、バーズアイ、スイート チョコレート チェリー、プリティーパープル、スウィート カイエン、サンダーマウンテンロングホーン、チャベ ラウィット、カレーチリ、セラーノ、ジンバブエ バード、札幌大長なんばん、チレ ペカン、ホット ポルトガル、マウイ・パープル、ロイヤルブラック、セドリノ、チリ デ アルボール、ジョーズ ロング、黄色とうがらし、八ツ房、など)、C. baccatum(アヒ・アマリージョ、カレイドスコープ、アジ・オムニカラー、アジ・フランコ、アジ・ノルテノ、アヒ・ファンタジー、ブラジリアン・スターフィッシュ、ビショップクラウン、アヒ・アマリーロ、レモンドロップ、ブリジッツ ロコトなど)、C. Chinense(インフィニテイ、ハバネロ、ブート・ジョロキア、ZavoryHot、Aji Dulce、Belize Sweet、トリニダード・スコーピオン、ドーセット ナガ、カロライナリーパー、ブラウンエッグトリニダード7ポットヨナー、スカーレット ランターン、ピメンタ デ ネイド、ザキングナガ、ジャマイカン イエロー、コンドルズビーク、チェイロ ホワイト、ベニ ハイランズ、ピメンタ デ ネイド、チェイロ ロクサ、ブラッディーリオットなど)、C. frutescens(キダチトウガラシ、タバスコ、プリッキーヌ スアンなど)、C. pubescens(ロコト、マンザーノレッドホットなど)、あるいはこれらの交配品種、自然もしくは人工の突然変異体、遺伝子組換え植物、何らかの特徴の選抜品種などが挙げられる。なかでも交配品種は消費者へ安心、安全イメージを与えるという観点から交配品種が好ましい。
含水トウガラシとは、トウガラシが本来有する水分を保持するものであれば特に制限されないが、栽培、収穫された後の水分を含むトウガラシを意味する。カプシノイドの回収量を高めるという観点からは、トウガラシの水分含量が、通常20〜98重量%、好ましくは30〜95重量%、より好ましくは50〜90重量%であるトウガラシが挙げられる。
トウガラシの水分含量の測定方法としては、赤外線水分計や乾燥減量法による方法等が挙げられるが、特に制限はされない。
果実は、通常、未熟果、中間果、完熟果にわけられ、カプシノイドが高含量であればいずれの時期の果実でも特に制限されない(参照:タバスコ(Capsicum frutescens var.tabasco)の熟度、収穫時期による機能性成分の評価 神奈川県農業技術センター研究報告p.17-22,150号,2008年 曽我綾香ら)。また成熟果は、草本上で成熟期に至ったものであっても、成熟期に至る前、例えば未熟期で収穫し、任意の条件で追熟し成熟させた果実であっても良い。
粉砕する方法は特に制限されないが、例えばフードスライサー、ハイスピードミル、ハンマーミル等を用いて粉砕することが挙げられる。
粉砕したトウガラシの大きさは、抽出効率の観点から、長さは通常は0.1〜10cmであり、0.2〜5cmが好ましい。
また、トウガラシを−196〜0℃で凍結後フードスライサー、ハイスピードミル、ハンマーミル等により粉砕してもよい。
トウガラシの固形分を除去する方法は、特に限定されないが、例えばろ過、遠心分離、デカンテーション等の方法が挙げられる。
水層を除去する方法としては、慣用の方法を使用できるが、例えば分配ろ過や、無水硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、モレキュラーシーブズ等の脱水剤による処理等が挙げられる。
この方法における各種定義や好適範囲は記述に準じる。
カプシノイドのHPLC測定条件は以下の通りである。すべての実施例、比較例でこの方法を用いて定量した。
HPLC条件:カラム: YMC Triart Phenyl plus 3μm (直径4.6mm x 250mm)
溶離液:70%(v/v)メタノール水溶液
検出: 蛍光Ex280nm Em320nm カラムオーブン温度40℃
得られたピーク面積とカプシエイト標品(特許公報(B2) カプシノイドの製造方法及び安定化法、並びにカプシノイド組成物 出願番号:2005043121の条件で合成した)のピーク面積の比をもとに定量した。
以下の方法で含水トウガラシ(新鮮トウガラシ又は生トウガラシともいう)を処理し、抽出物を作製した。
(1)各チューブに生トウガラシ(Capsicum annuum系(12A−7))又はCapsicum chinense系(Inf:インフィニテイ系統カプシエイト生産トウガラシ)を凍結粉砕、凍結乾燥及び熱風乾燥したものを1gずつ分注した。
(2)トウガラシ1gに対してクエン酸(純正化学 26046-2001 )2mg(0.2%(w/w))を添加した。
(3)ヘキサン2g(2倍重量)をそれぞれ添加し、混合した。
(4)−10℃で1時間又は30℃で1時間振盪抽出後、2000g×5分間遠心して上清回収した。
(5)(3)、(4)の操作を繰り返し、再抽出。水層と固形分を除去した。
(6)ヘキサン層を遠心エバポレーター(SAVANT社 SPD2010)で減圧濃縮した。
(7)カプシノイドを分析した。
回収率=(各サンプル抽出物のカプシエイト+ジヒドロカプシエイト+ノルジヒドロカプシエイト量)÷(それぞれのトウガラシコントロール抽出物のカプシエイト+ジヒドロカプシエイト+ノルジヒドロカプシエイト量)×100として求めた。
一方、トウガラシインフィニテイでは、同様に凍結乾燥したインフィニテイから抽出した場合(30℃)と比較すると、クエン酸無添加ではカプシノイド回収率がやや低下するが、クエン酸添加では凍結乾燥と同等以上の回収率であった。
また熱風乾燥(60℃)のトウガラシはいずれの品種でも回収率が低かった。
純度(カプシノイド含量)は、(各サンプル抽出物のカプシノイド重量)÷(各サンプル抽出物の重量)×100として求めた。
(1)1Lビーカーに生トウガラシ(12A−7/Capsicum annuum)を凍結粉砕したもの200gを入れた。
(2)トウガラシ200gに対してクエン酸0.4g(0.2%(w/w))を添加。
(3)ヘキサン400g(トウガラシの2倍重量)を添加し、混合した。
(4)20〜30℃(室温)1時間振盪抽出した。
(5)アドバンテック東洋2番のろ紙でろ過した。
(6)ろ過時に、ヘキサン層と水層が分離するので水層は除去した。
(7)無水硫酸マグネシウム0.4g(ヘキサン層に対して0.1%(w/w))を添加、1分間撹拌した。
(8)ロータリーエバポレーターで減圧濃縮した。
(9)カプシノイドを分析した。
(1)1Lビーカーに生トウガラシ(インフィニテイ系カプシエイト生産トウガラシ/Capsicum chinense)を凍結粉砕したもの200gを入れた。
(2)トウガラシ200gに対してクエン酸0.4g(0.2%(w/w))を添加した。
(3)ヘキサン400g(トウガラシに対して2倍重量)を添加し、混合した。
(4)20〜30℃(室温)1時間 振盪抽出した。
(5)アドバンテック東洋2番のろ紙でろ過した。
(6)ろ過時に、ヘキサン層と水層が分離するので水層は除去した。
(7)無水硫酸マグネシウム0.4g(ヘキサン層に対して0.1%(w/w))を添加、1分間撹拌した。
(8)ロータリーエバポレーターで減圧濃縮した。
(9)カプシノイドを分析した。
(1)1Lビーカーに生トウガラシ(インフィニテイ系カプシエイト生産トウガラシ/Capsicum chinense)を凍結粉砕したもの200gを入れた。
(2)トウガラシ200gに対して酢酸0.4g(0.2%(w/w))を添加した。
(3)ヘキサン400g(トウガラシに対して2倍重量)を添加し、混合した。
(4)20〜30℃(室温)1時間振盪抽出した。
(5)アドバンテック東洋2番のろ紙でろ過した。
(6)ろ過時に、ヘキサン層と水層が分離するので水層は除去した。
(7)無水硫酸マグネシウム0.4g(ヘキサン層に対して0.1%(w/w))を添加、1分間撹拌した。
(8)ロータリーエバポレーターで減圧濃縮した。
(9)カプシノイドを分析した。
(1)1Lビーカーに生トウガラシ(インフィニテイ系カプシエイト生産トウガラシ/Capsicum chinense)を凍結粉砕したもの200gを入れた。
(2)トウガラシ200gに対して36%塩酸(純正化学 20010-0330)0.2g(0.1%(w/w))を添加した。
(3)ヘキサン400g(トウガラシの2倍重量)を添加し、混合した。
(4)20〜30℃(室温)1時間 振盪抽出した。
(5)アドバンテック東洋2番のろ紙でろ過した。
(6)ろ過時に、ヘキサン層と水層が分離するので水層は除去した。
(7)無水硫酸マグネシウム0.4g(ヘキサン層に対して0.1%(w/w))を添加、1分間撹拌した。
(8)ロータリーエバポレーターで減圧濃縮した。
(9)カプシノイドを分析した。
Claims (17)
- トウガラシから、カプシノイドを溶媒で抽出する工程を含むカプシノイド抽出物の製造方法において、前記トウガラシとして含水トウガラシを用い、前記抽出工程を酸性条件下で行なうことを特徴とするカプシノイド抽出物の製造方法。
- 溶媒がヘキサン又は含水ヘキサンである請求項1に記載の製造方法。
- 抽出工程において、トウガラシの重量1kgに対して、有機酸又は無機酸を0.1〜50gとなるように添加して酸性条件とする請求項1又は2に記載の製造方法。
- 有機酸又は無機酸が、クエン酸、アスコルビン酸、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 酸性条件が、pH0〜6である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 抽出温度が、−196〜60℃である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- トウガラシを粉砕する工程を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
- カプシノイドを濃縮する工程を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法で得られたカプシノイド抽出物。
- トウガラシから、カプシノイドを溶媒で抽出する方法であって、前記トウガラシとして含水トウガラシを用い、前記抽出工程を酸性条件下で行なうことを特徴とするカプシノイドを抽出する方法。
- 溶媒がヘキサン又は含水ヘキサンである請求項10に記載の方法。
- トウガラシの重量1kgに対して、有機酸又は無機酸を0.1〜50gとなるように添加して酸性条件とする請求項10又は11に記載の方法。
- 有機酸又は無機酸が、クエン酸、アスコルビン酸、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸からなる群から選択される少なくとも1種である請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 酸性条件が、pH0〜6である請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
- 抽出温度が、−196〜60℃である請求項10〜14のいずれか1項に記載の方法。
- トウガラシを粉砕する工程を含む請求項10〜15のいずれか1項に記載の方法。
- カプシノイドを濃縮する工程を含む請求項10〜16のいずれか1項に記載の方法。
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