JP2019185780A - 工作機械の制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ただし、この揺動19は、加工が進むにつれて、ワーク14のより深い位置に移動していく。すなわち、ワークの径方向であって、より低い位置に移動していく。この様子も図9に示されている。図9に示すように、切削加工の1回目(1パス目と呼ぶ)の揺動19は、位置P1と位置P2との間の揺動である。次に、切削加工の2回目(2パス目と呼ぶ)の揺動19はそれより深い位置に移動していくことが図9から理解される。この時、2パス目の揺動19は、その切り込み加工(2パス目)の時に切削加工される部分に、他の切り込み加工(1パス目)によって切削済みの部分が部分的に含まれるように揺動19の位相が設定されている。この部分が図9ではJで示されている。
これにより、揺動指令は径方向の切り込み毎に同位相とすることで効率的な切り屑細断が可能になる。また、揺動を伴わない加工だけではなく、揺動を伴う加工でも切り屑を細断できる。
図1は、本実施形態に係る工作機械の制御装置100の構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、制御装置100は、揺動指令ON/OFF判定部102と、揺動指令生成部104と、加算器106と、制御部108と、移動指令生成部(不図示)と、を備えている。制御装置100は、ワークの回転に同期して工具を回転軸方向に移動させる動作を、径方向に切り込みながら複数回繰り返すことで、ワークをねじ切り加工する工作機械の制御装置である。この制御装置100は、いわゆるサーボ制御装置であってよい。制御装置100のこれら各構成は、その動作を記述するプログラムと、当該プログラムを実行するCPUと、から構成してよい。また、制御装置100をコンピュータで構成し、そのコンピュータのCPUが、制御装置100の各構成の機能を記述したプログラムを実行することによって、各構成を実現してもよい。
加工プログラムは、種々のインターフェースで揺動指令ON/OFF判定部102に供給してよい。図1では、制御装置100の外部から供給を受けるように記載しているが、制御装置100の内部に加工プログラムが格納されていてもよい。
より詳しくは、本実施形態の制御部108は、加算器を含んで構成され、揺動指令ON/OFF判定部102の判定結果に従って、揺動指令を加算した総移動指令と、揺動指令を加算しない総移動指令とが、それぞれ任意の回数組み合わされた加工パターンを1種又は複数種含んで構成される重畳指令を出力する。
さらに、本実施形態においては、仕上げとしての最終的な4パス目には、揺動が加えられていないので、精度の高い加工面を得ることができる。従来の技術では揺動が常に加えられているので、最後には仕上げのために精密な切削加工が必要となる。これに対して、本実施形態においてはそのような別途仕上げの処理は必要ないので、より迅速な切削加工を実現することができる。
図4は、第2実施形態に係るねじ切り加工の動作例を示す説明図である。本実施形態は、上述の第1実施形態と比べて、揺動を伴う切り込みと揺動を伴わない切り込みの組み合わせのみが相違する。本実施形態では、ワークの径方向のワークと工具との相対的な揺動を伴う1回の切り込み動作と、揺動を伴わない1回の切り込み動作と、を交互に行うものである。より具体的には、図4に示すように、1パス目320、3パス目324及び5パス目328の奇数パスでは、揺動を伴う切り込みを行い、2パス目322、4パス目326及び6パス目330の偶数パス目では、揺動を伴わない切り込みを行うものである。そのため、本実施形態の揺動指令ON/OFF判定部は、揺動を伴う1回の切り込みと、揺動を伴わない1回の切り込みと、をこの順に交互に繰り返すねじ切り加工となるように、揺動指令を移動指令に重畳するか否かを判定し、重畳指令を出力する。
図5は、第3実施形態に係るねじ切り加工の動作例を示す説明図である。本実施形態は、上述の第1、第2実施形態と比べて、揺動を伴う切り込みと揺動を伴わない切り込みの組み合わせのみが相違する。本実施形態では、ワークの径方向のワークと工具との相対的な揺動を伴う2回の切り込み動作と、揺動を伴わない2回の切り込み動作と、を行った後、揺動を伴う1回の切り込み動作と、揺動を伴わない1回の切り込み動作を行うものである。そのため、本実施形態の揺動指令ON/OFF判定部は、このような動作のねじ切り加工となるように、揺動指令を移動指令に重畳するか否かを判定し、重畳指令を出力する。
((揺動動作)×m1+(非揺動動作)×n1)+((揺動動作)×m2+(非揺動動作)×n2)+・・・・・+((揺動動作)×mL+(非揺動動作)×nL)
・・・・・数式(1)
[上記数式(1)において、m1〜mL及びn1〜nLはそれぞれ繰り返し回数を意味し、いずれも1〜Lまでの整数である。]
また、ワークの径方向のワークと工具との相対的な揺動を伴う少なくとも1回の切り込みと、揺動を伴わない少なくとも1回の切り込みと、をこの順に交互に繰り返すねじ切り加工となるような組み合わせも可能である。
また、上述した例では、揺動を加える切削加工においては、X軸方向のスタート地点をシフトさせ(つまり、オフセットを大きくさせて)、1パス目220、2パス目222、3パス目224と進むにつれて徐々に深く切削が進むように構成している。オフセットを1パス毎に大きくするとは、ワーク214の表面からの深さがより深くなるようにスタート地点が、よりワーク214の中心部に近くなることをいう。
このように主軸の周波数(回転数)の定数倍の揺動周波数とすることは、揺動条件(図1参照)で操作者が任意の値を設定し、揺動指令生成部104に対して指示すればよい。
なおこのように、ワーク214を回転させる主軸の回転速度に対して、その所定の定数倍の揺動周波数に設定する場合を、「主軸に対して揺動周波数を同期させる」と呼ぶ。
12 ねじ
14、214 ワーク
16、216 切削工具
18 主軸
100 制御装置
102 揺動指令ON/OFF判定部
104 揺動指令生成部
106、112 加算器
108 制御部
120 モータ
220 1パス目
222 2パス目
224 3パス目
20、226 1パス目の切削加工による切り込みの深さ
22、228 2パス目の切削加工による切り込みの深さ
230 3パス目の切削加工による切り込みの深さ
232 最終的な加工面
A 部分
B (完成時の)ねじ溝
C C軸
D 矢印
X X軸
Z Z軸
Claims (7)
- ワークの回転に同期して工具を回転軸方向に移動させる動作を、径方向に切り込みながら複数回繰り返すことで、前記ワークをねじ切り加工する工作機械の制御装置であって、
揺動を行う条件に基づき、前記ワークと前記工具とを相対的に前記ワークの径方向に揺動させる揺動指令を生成する揺動指令生成部と、
前記ワークのねじ切り加工を行うために前記ワークと前記工具とを相対的に移動させる移動指令を生成する移動指令生成部と、
前記揺動指令と前記移動指令とを加算する加算器と、
前記揺動指令を前記移動指令に加算するか否かを予め判定する判定部と、を備え、
前記加算器は、前記判定部の判定結果に従って、前記揺動指令を加算した総移動指令と、前記揺動指令を加算しない総移動指令とが、それぞれ任意の回数組み合わされた加工パターンを1種又は複数種含んで構成される重畳指令を出力する、工作機械の制御装置。 - 前記判定部は、前記ワークの前記ねじ切り加工を行う加工プログラムを検査し、前記揺動指令を前記移動指令に加算するか否かを判定する、請求項1に記載の工作機械の制御装置。
- 前記判定部は、前記ワークの径方向の前記ワークと前記工具との相対的な揺動による切り込みが、前記ねじ切り加工の対象であるねじ溝の底に到達するまでは、前記揺動指令を加算する前記総移動指令から構成されるよう指令を出力し、前記ワークの径方向の前記ワークと前記工具との相対的な揺動による切り込みが、前記ねじ切り加工の対象であるねじ溝の底に到達した後は、前記揺動指令を加算しない前記総移動指令から構成されるよう指令を出力する、請求項1又は2に記載の工作機械の制御装置。
- 前記揺動指令生成部は、前記ワークと工具とを相対的に前記ワークの径方向に揺動させる揺動による各切り込み加工において、他の切り込み加工における切削済みの部分が含まれないように前記揺動指令を生成する請求項1から3のいずれか1項に記載の工作機械の制御装置。
- 前記揺動指令生成部は、前記ワークを回転させる主軸の回転速度の所定の定数倍の揺動周波数で揺動を行うように指令する前記揺動指令を生成する請求項1から4のいずれか1項に記載の工作機械の制御装置。
- 前記揺動指令生成部は、前記ワークに対する前記ねじ切り加工が進行するに伴い、1パス毎に、前記ワークと前記工具との相対的な揺動の前記ワークの径方向の振幅が大きくなっていくように前記揺動指令を生成する請求項1から5のいずれか1項に記載の工作機械の制御装置。
- 前記揺動指令生成部は、前記ワークに対する前記ねじ切り加工が進行するに伴い、1パス毎に、前記ワークと前記工具との相対的な揺動の前記ワークの径方向のスタート位置のオフセットが大きくなっていくように前記揺動指令を生成する請求項1から6のいずれか1項に記載の工作機械の制御装置。
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