JP2019185536A - 貨幣処理装置および貨幣処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】操作者による判定パターンの選択を容易にする。【解決手段】記憶部(13)は、それぞれが貨幣の識別のために用意された複数の判定要素毎の閾値を含む複数の判定パターンを記憶する。制御部(14)は、複数の判定パターンの中から識別部(110)における貨幣の識別に用いられる判定パターンを選択する判定パターン設定処理において、予め準備された複数枚の確認貨幣の各々の識別結果が複数の判定パターン毎に取得されるように貨幣処理装置(10)の動作を制御し、複数の判定パターンと複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認貨幣の各々の識別結果とを示す確認結果情報を出力する。【選択図】図2

Description

ここに開示する技術は、貨幣処理装置および貨幣処理システムに関する。
従来、貨幣を処理する貨幣処理装置が知られている。例えば、特許文献1には、貨幣を受け入れる受入部と、複数の判定要素毎に設定された閾値を含む複数の設定ファイルを記憶する記憶部と、記憶部に記憶された複数の設定ファイルの中から1つを選択する選択部と、選択部によって選択された設定ファイルに含まれる複数の閾値に基づいて受入部によって受け入れられた貨幣の正損または真偽を判定する判定部とを備えた貨幣処理装置が開示されている。
国際公開第2009/122503号
しかしながら、特許文献1の貨幣処理装置では、単に、複数の設定ファイル(判定パターン)が記憶部に記憶されているだけであるので、操作者は、複数の設定ファイルの中からどの設定ファイルを選択すればよいのかを判断することが困難である。
そこで、ここに開示する技術は、操作者による判定パターンの選択を容易にすることが可能な貨幣処理技術を提供することを目的とする。
ここに開示する技術は、貨幣を処理する貨幣処理装置に関する。この貨幣処理装置は、前記貨幣を搬送する搬送部と、前記貨幣を識別する識別部と、それぞれが前記貨幣の識別のために用意された複数の判定要素毎の閾値を含む複数の判定パターンを記憶する記憶部と、前記貨幣処理装置の動作を制御する制御部とを備えている。前記制御部は、前記複数の判定パターンの中から前記識別部における貨幣の識別に用いられる判定パターンを選択する判定パターン設定処理において、予め準備された複数枚の確認貨幣の各々の識別結果が前記複数の判定パターン毎に取得されるように前記貨幣処理装置の動作を制御し、該複数の判定パターンと該複数の判定パターン毎に取得された該複数枚の確認貨幣の各々の識別結果とを示す確認結果情報を出力する。
前記の構成では、確認結果情報(複数の判定パターンと複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認貨幣の各々の識別結果とを示す情報)を出力することにより、複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認貨幣の各々の識別結果を操作者に確認させることができる。これにより、操作者による判定パターンの選択(複数の判定パターンの中から識別部における貨幣の識別に用いられる判定パターンを選択する操作)を支援することができるので、操作者による判定パターンの選択を容易にすることができる。
なお、前記制御部は、前記判定パターン設定処理において、前記複数の判定パターン毎に前記複数枚の確認貨幣が前記識別部に順次搬送されて該識別部により該複数枚の確認貨幣の各々が該判定パターンに基づいて識別される確認搬送動作が行われるように前記貨幣処理装置の動作を制御し、該識別部により該複数の判定パターン毎に取得された該複数枚の確認貨幣の各々の識別結果に基づいて前記確認結果情報を出力するように構成されていてもよい。
前記の構成では、複数の判定パターン毎に確認搬送動作を行うことにより、複数の判定パターン毎に複数枚の確認貨幣の各々の識別結果を取得することができる。
または、前記制御部は、前記判定パターン設定処理において、前記複数枚の確認貨幣が前記識別部に順次搬送されて該識別部により該複数枚の確認貨幣の各々の前記複数の判定要素毎のレベルが取得されるように前記貨幣処理装置の動作を制御し、前記複数の判定パターン毎に該判定パターンに含まれる複数の判定要素毎の閾値と該識別部により取得された該複数枚の確認貨幣の各々の該複数の判定要素毎のレベルとを比較することで該複数の判定パターン毎に該複数枚の確認貨幣の各々の識別結果を取得し、該比較により該複数の判定パターン毎に取得された該複数枚の確認貨幣の各々の識別結果に基づいて前記確認結果情報を出力するように構成されていてもよい。
前記の構成では、複数枚の確認貨幣の搬送(識別部への搬送)が少なくとも1回行われることで、複数枚の確認貨幣の各々の複数の判定要素毎のレベルを取得することができるので、判定パターン設定処理において複数枚の確認貨幣の搬送に要する時間を短縮することができる。また、複数枚の確認貨幣の搬送を繰り返し行わなくてもよいので、複数枚の確認貨幣の搬送に要する操作者の負担を軽減することができる。
また、前記制御部は、前記貨幣を識別して搬送する識別搬送処理において、該貨幣が前記識別部において識別されて該識別部による識別結果に応じた搬送先に搬送されるように前記貨幣処理装置の動作を制御するように構成されていてもよい。前記識別部は、前記識別搬送処理において、前記複数の判定パターンのうち前記判定パターン設定処理において選択された判定パターンに基づいて前記貨幣を識別するように構成されていてもよい。
前記の構成では、判定パターン設定処理において選択された判定パターンに基づく貨幣の識別を識別搬送処理において行うことができる。
また、前記貨幣処理装置は、表示部を備えていてもよい。そして、前記制御部は、前記判定パターン設定処理において、前記確認結果情報を前記表示部に出力して該確認結果情報を該表示部に表示させるように構成されていてもよい。
前記の構成では、確認結果情報を表示部に表示させることにより、複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認貨幣の各々の識別結果を操作者に目視で確認させることができる。これにより、操作者による判定パターンの選択を支援することができるので、操作者による判定パターンの選択を容易にすることができる。
また、前記制御部は、前記確認結果情報に示された前記複数の判定パターンと該複数の判定パターン毎に取得された前記複数枚の確認貨幣の各々の識別結果とが一覧表示されるように前記表示部を制御するように構成されていてもよい。
前記の構成では、複数の判定パターンと複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認貨幣の各々の識別結果とを一覧表示することにより、操作者は、複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認貨幣の各々の識別結果を判定パターン別に対比しながら確認することができる。これにより、複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認貨幣の各々の識別結果が一覧表示されない場合(例えば複数の判定パターン毎に切り換えられて表示される場合)よりも、操作者による判定パターンの選択を支援する効果を向上させることができるので、操作者による判定パターンの選択をさらに容易にすることができる。
また、前記複数枚の確認貨幣の各々には、該確認貨幣に望まれる識別結果が定められていてもよい。そして、前記制御部は、前記表示部における前記複数の判定パターンの各々の表示態様が該判定パターンに基づいて取得された前記複数枚の確認貨幣の各々の識別結果と該複数枚の確認貨幣の各々に望まれる識別結果との一致度に応じた表示態様となるように前記表示部を制御するように構成されていてもよい。
前記の構成では、表示部における複数の判定パターンの各々の表示態様を複数の判定パターンの各々の一致度に応じた表示態様にすることにより、操作者による一致度の比較(複数の判定パターンの各々の一致度の比較)を容易にすることができる。これにより、操作者による判定パターンの選択を支援する効果を向上させることができるので、操作者による判定パターンの選択をさらに容易にすることができる。
また、前記制御部は、前記複数の判定パターンのうち前記一致度の高い判定パターンが該一致度の低い判定パターンよりも優先的に表示されるように前記表示部を制御するように構成されていてもよい。
前記の構成では、一致度の高い判定パターンを一致度の低い判定パターンよりも優先的に表示させることにより、複数の判定パターンのうち一致度の高い判定パターンを操作者に優先的に確認させることができる。これにより、操作者による判定パターンの選択を支援する効果を向上させることができるので、操作者による判定パターンの選択をさらに容易にすることができる。
また、前記識別部は、前記貨幣の正損を識別するように構成されていてもよい。前記複数の判定パターンの各々に含まれる前記複数の判定要素毎の閾値には、前記貨幣の正損の識別のために用意された閾値が含まれていてもよい。
また、ここに開示する技術は、貨幣処理システムに関する。この貨幣処理システムは、貨幣を処理する貨幣処理装置と、出力装置とを備えている。前記貨幣処理装置は、前記貨幣を搬送する搬送部と、前記貨幣を識別する識別部と、それぞれが前記貨幣の識別のために用意された複数の判定要素毎の閾値を含む複数の判定パターンを記憶する記憶部と、前記貨幣処理装置の動作を制御する制御部とを有している。前記制御部は、前記複数の判定パターンの中から前記識別部における貨幣の識別に用いられる判定パターンを選択する判定パターン設定処理において、予め準備された複数枚の確認貨幣の各々の識別結果が前記複数の判定パターン毎に取得されるように前記貨幣処理装置の動作を制御し、該複数の判定パターンと該複数の判定パターン毎に取得された該複数枚の確認貨幣の各々の識別結果とを示す確認結果情報を前記出力装置に出力する。前記出力装置は、前記確認結果情報を出力する。
前記の構成では、確認結果情報(複数の判定パターンと複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認貨幣の各々の識別結果とを示す情報)を出力することにより、複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認貨幣の各々の識別結果を操作者に確認させることができる。これにより、操作者による判定パターンの選択(複数の判定パターンの中から識別部における貨幣の識別に用いられる判定パターンを選択する操作)を支援することができるので、操作者による判定パターンの選択を容易にすることができる。
以上のように、ここに開示する技術によれば、操作者による判定パターンの選択を容易にすることができる。
実施形態1による貨幣処理システムの構成を例示する概略図である。 実施形態1における貨幣処理装置の構成を例示する概略図である。 記憶部に記憶される複数の判定パターンを例示する図である。 記憶部に記憶される確認紙幣管理情報を例示する図である。 記憶部に記憶される確認結果情報を例示する図である。 識別部により取得される貨幣の複数の判定要素毎のレベルを例示する図である。 判定パターン設定処理における貨幣処理装置の動作について説明するためのフローチャートである。 正損設定が含まれる操作画面を例示する図である。 正損設定(搬送設定)が含まれる操作画面を例示する図である。 確認紙幣に望まれる識別結果を設定するための操作画面を例示する図である。 判定パターンを確認するための操作画面を例示する図である。 確認紙幣の投入を指示するための操作画面を例示する図である。 表示部に表示される確認結果情報を例示する図である。 実施形態1の変形例1において表示部に表示される確認結果情報を例示する図である。 実施形態1の変形例2の判定パターン設定処理における貨幣処理装置の動作について説明するためのフローチャートである。 実施形態2による貨幣処理システムの構成を例示する概略図である。 実施形態2における貨幣処理装置の構成を例示するブロック図である。 紙幣処理部の構成を例示する概略図である。 繰入機構の構成を例示する概略断面図である。 繰入機構の構成を例示する概略平面図である。
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1による貨幣処理システム1の構成を例示している。貨幣処理システム1は、貨幣処理装置10と、管理コンピュータ20とを備えている。例えば、貨幣処理システム1は、銀行などの金融機関に設けられている。
〔貨幣処理装置〕
図1および図2に示すように、貨幣処理装置10は、筐体100と、投入部101と、リジェクト部102と、複数(この例では2つ)の外部集積部103と、上部投出部104と、下部投出部105と、複数(この例では5つ)の内部集積部106と、帯封部107と、印字部108と、搬送部109と、識別部110と、スイッチバック反転部111と、スパイラル反転部112と、操作表示部11と、通信部12と、記憶部13と、制御部14とを備えている。
〈筐体〉
筐体100は、直方体型の箱状に形成されている。そして、筐体100には、貨幣処理装置10の上述の構成部品が収納されている。
〈投入部〉
投入部101には、紙幣が投入される。この例では、投入部101は、筐体100の前面部の上部に設けられ、筐体100の前方に開口する投入口を有している。操作者は、投入部101の投入口を介して投入部101に紙幣を投入することができる。また、投入部101は、複数枚の紙幣を集積した状態で保持する。そして、投入部101には、投入部101に保持されている紙幣を1枚ずつ搬送部109に繰り出す繰出機構101aが設けられている。
〈リジェクト部〉
リジェクト部102は、後述する計数処理においてリジェクト対象に該当する紙幣(リジェクト券)を集積する。この例では、リジェクト部102は、筐体100の前面部において投入部101の下方に設けられ、複数枚のリジェクト券を保持する。リジェクト対象となる紙幣の種別は、予め指定されている。例えば、斜行や重送などの搬送異常となっている紙幣(搬送異常券)や、識別することができない紙幣(識別不能券)や、偽物の紙幣(偽券)などが、リジェクト対象に該当する。
〈外部集積部〉
複数の外部集積部103は、それぞれ紙幣を集積する。そして、複数の外部集積部103は、紙幣を取り出すための取出口をそれぞれ有し、それぞれの取出口が筐体100の外へ向けて開口している。この例では、複数の外部集積部103は、筐体100の上部に設けられている。操作者は、外部集積部103の取出口を介して外部集積部103に集積されている紙幣を取り出すことができる。
〈内部集積部〉
複数の内部集積部106は、筐体100の内部に設けられている。そして、複数の内部集積部106は、それぞれ紙幣を集積する。この例では、複数の内部集積部106は、上下方向に並んで設けられている。例えば、複数の内部集積部106は、それぞれに割り当てられた金種の紙幣を集積する。
〈上部投出部〉
上部投出部104は、筐体100の上部に設けられている。そして、上部投出部104は、紙幣を投出する。この例では、上部投出部104は、複数枚の紙幣を集積するように構成され、操作者が上部投出部104に集積された紙幣を取り出すことができるように構成されている。具体的には、上部投出部104は、トレイ104aを有している。トレイ104aは、上方に開口する直方体型の箱状に形成されて紙幣を集積する。そして、トレイ104aは、後側に設けられた受け取り位置(図2の実線で示された位置)と前側に設けられた取り出し位置(図2の一点鎖線で示された位置)との間を前後方向に移動するように構成されている。トレイ104aを受け取り位置に配置することにより、トレイ104aと搬送部109との間において紙幣の受け渡しを行うことができる。一方、トレイ104aを取り出し位置に配置することにより、操作者は、トレイ104aに集積されている紙幣を取り出すことができる。なお、上部投出部104には、前後方向に移動するトレイ104aの代わりに、搬送部109から受け取った紙幣を挟持して上部投出部104内に搬送する搬送機構(ベルト機構)が設けられていてもよい。
〈下部投出部〉
下部投出部105は、筐体100の下部に設けられている。そして、下部投出部105は、紙幣を投出する。この例では、下部投出部105は、筐体100の前方に開口する投出口を有し、投出口を介して紙幣を投出する。なお、下部投出部105から投出された紙幣は、下部投出部105の投出口の斜め前下に予め設置された回収容器(図示を省略)などに収納される。
〈帯封部〉
帯封部107は、所定枚数(例えば100枚)の紙幣を帯封して帯封紙幣を生成する。この例では、帯封部107は、筐体100の下部に設けられている。また、帯封部107は、下部投出部105の後方に配置されている。なお、帯封部107の構成の詳細な図示は省略するが、帯封部107は、公知の様々な構成を採用することができる。例えば、帯封部107は、所定枚数の紙幣の束に帯封紙を巻き付けることで紙幣の帯封を行うように構成されていてもよいし、帯封紙によって形成された輪の中に所定枚数の紙幣の束を挿入することで紙幣の帯封を行うように構成されていてもよい。
〈印字部〉
印字部108は、帯封紙に情報を印字する。印字部108による帯封紙の印字は、帯封部107において所定枚数の紙幣が帯封された後に行われてもよいし、帯封部107において所定枚数の紙幣が帯封される前に行われてもよい。
〈搬送部〉
搬送部109は、貨幣処理装置10内において紙幣を搬送する。この例では、搬送部109は、第1搬送部109aと、第2搬送部109bと、第3搬送部109cとを有している。
《第1搬送部》
第1搬送部109aは、投入部101とリジェクト部102と複数の外部集積部103と複数の内部集積部106との間において紙幣を搬送する。第1搬送部109aは、例えば、紙幣を搬送するための搬送ベルトによって構成された搬送路や、搬送ベルトを駆動するための駆動機構や、紙幣の搬送を案内するためのガイド機構や、紙幣の搬送方向を切り換えるための分岐爪などによって構成されている。
《第2搬送部》
第2搬送部109bは、上部投出部104と複数の内部集積部106と帯封部107との間において紙幣を搬送する。この例では、第2搬送部109bは、筐体100の上側から下側へ向けて順に配置された上部投出部104と複数の内部集積部106と帯封部107に沿うように上下方向に延びている。また、この例では、第2搬送部109bは、アーム部109dとガイド部109eとを有している。アーム部109dは、複数の内部集積部106および帯封部107の各々に集積されている紙幣を把持して搬送する。ガイド部109eは、上下方向に延び、アーム部109dを上下方向に往復移動させる。具体的には、ガイド部109eは、上部投出部104と複数の内部集積部106と帯封部107にそれぞれ対応する高さ位置にアーム部109dを移動させる。
アーム部109dを内部集積部106(または帯封部107)に対応する高さ位置に配置することにより、アーム部109dとその内部集積部106(または帯封部107)との間において紙幣の受け渡しを行うことができる。また、アーム部109dを上部投出部104に対応する高さ位置に配置することにより、アーム部109dと上部投出部104(この例では図2の実線で示された受け取り位置に配置されたトレイ104a)との間において紙幣の受け渡しを行うことができる。
《第3搬送部》
第3搬送部109cは、帯封部107と下部投出部105との間において帯封紙幣を搬送する。第3搬送部109cは、例えば、帯封紙幣を搬送するための搬送ベルトによって構成された搬送路や、搬送ベルトを駆動するための駆動機構や、紙幣の搬送を案内するためのガイド機構などによって構成されている。
〈識別部〉
識別部110は、第1搬送部109aに設けられ、投入部101の下流側であり且つリジェクト部102と複数の外部集積部103と複数の内部集積部106の上流側である位置に配置されている。そして、識別部110は、第1搬送部109aにより搬送される紙幣に対して識別動作と計数動作を行う。識別動作では、識別部110は、紙幣の金種、真偽、正損、新旧、方向(表裏と向き)、搬送状態、紙幣に付された記番号(識別番号)などを識別する。計数動作では、識別部110は、紙幣の枚数を金種毎に計数する。なお、識別部110の識別動作については、後で詳しく説明する。
〈スイッチバック反転部〉
スイッチバック反転部111は、第1搬送部109aに設けられ、識別部110の下流側であり且つとリジェクト部102と複数の外部集積部103と複数の内部集積部106の上流側である位置に配置されている。そして、スイッチバック反転部111は、第1搬送部109aにより搬送される紙幣の搬送幅方向(搬送方向と直交する方向)の向きが変わらないように紙幣の表裏を選択的に反転させる。
〈スパイラル反転部〉
スパイラル反転部112は、第1搬送部109aに設けられ、スイッチバック反転部111の下流側であり且つとリジェクト部102と複数の外部集積部103と複数の内部集積部106の上流側である位置に配置されている。そして、スパイラル反転部112は、第1搬送部109aにより搬送される紙幣の搬送幅方向(搬送方向と直交する方向)の向きが変わるように紙幣の表裏を選択的に反転させる。
〈操作表示部〉
操作表示部11は、操作部11aと表示部11bとを有している。例えば、操作表示部11は、タッチパネルによって構成されている。操作部11aは、操作者による操作が与えられ、その操作者による操作に応じて情報を入力する。これにより、操作者は、操作部11aを操作して貨幣処理装置10に各種処理を行わせることができる。すなわち、貨幣処理装置10は、操作者による操作に応答して動作する。表示部11bは、情報を表示する。また、外部集積部103の左右には、紙幣の繰出開始を指示するためのスタートボタンなどが配置されている。このスタートボタンが押下されることにより、投入部101における紙幣の繰出が開始される。
〈通信部〉
通信部12は、制御部14が外部機器(例えばタブレット端末2やスマートフォン3や管理コンピュータ20など)との間で有線通信または無線通信を行うために設けられている。
〈記憶部〉
記憶部13は、情報を記憶する。記憶部13には、貨幣処理装置10における貨幣の処理状況に関する情報や、貨幣処理装置10における貨幣の在高に関する情報や、操作表示部11に表示される操作画面などの画像情報(画像データ)や、貨幣処理装置10の動作を制御するための制御情報などが記憶されている。例えば、記憶部13は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどの汎用ストレージデバイスによって構成されている。なお、記憶部13に記憶される情報については、後で詳しく説明する。
〈各種センサ〉
また、貨幣処理装置10の各部には、紙幣の通過を検知する通過センサなどの各種センサが設けられている。これらの各種センサによる検知結果(検知信号)は、制御部14に送信される。
〈制御部〉
制御部14は、貨幣処理装置10の各部(この例では投入部101とリジェクト部102と外部集積部103と上部投出部104と下部投出部105と内部集積部106と帯封部107と印字部108と搬送部109と識別部110とスイッチバック反転部111とスパイラル反転部112と操作表示部11と通信部12と記憶部13)と信号や情報を伝送可能に接続されている。また、制御部14は、通信部12を経由して外部機器と通信可能に構成されている。そして、制御部14は、操作表示部11に与えられた操作や貨幣処理装置10の各部(各部に設けられた各種センサを含む)および外部機器から受信した信号や情報などに基づいて、貨幣処理装置10の各部を制御して貨幣処理装置10の動作を制御する。例えば、制御部14は、CPUなどの演算処理部や、演算処理部を動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリなどの記憶部などによって構成されている。なお、制御部14の動作については、後で詳しく説明する。
〔管理コンピュータ〕
管理コンピュータ20は、貨幣処理システム1の各部(この例では貨幣処理装置10)を管理する。この例では、管理コンピュータ20は、操作部21と、表示部22と、通信部23と、記憶部24と、制御部25とを備えている。
〈操作部と表示部と通信部〉
操作部21は、操作者による操作が与えられ、その操作者による操作に応じて情報を入力する。この例では、操作者は、操作部21を操作して管理コンピュータ20に各種処理を行わせることができる。すなわち、管理コンピュータ20は、操作者による操作に応答して動作する。表示部22は、情報を表示する。通信部23は、制御部25が外部機器(例えばタブレット端末2やスマートフォン3や貨幣処理装置10など)との間で有線通信または無線通信を行うために設けられている。
〈記憶部〉
記憶部24は、情報を記憶する。記憶部24には、貨幣処理システム1における貨幣の処理状況に関する情報や、貨幣処理システム1における貨幣の在高に関する情報や、表示部22に表示される操作画面などの画像情報(画像データ)や、管理コンピュータ20の動作を制御するための制御情報などが記憶されている。例えば、記憶部24は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどの汎用ストレージデバイスによって構成されている。
〈制御部〉
制御部25は、管理コンピュータ20の各部(この例では操作部21と表示部22と通信部23と記憶部24)と信号や情報を伝送可能に接続されている。また、制御部25は、通信部23を経由して外部機器と通信可能に構成されている。そして、制御部25は、操作部21に与えられた操作や管理コンピュータ20の各部および外部機器から受信した信号や情報などに基づいて、管理コンピュータ20の各部を制御して管理コンピュータ20の動作を制御する。例えば、制御部25は、CPUなどの演算処理部や、演算処理部を動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリなどの記憶部などによって構成されている。
〔記憶部に記憶される情報〕
次に、貨幣処理装置10の記憶部13に記憶される情報について説明する。記憶部13には、複数の判定パターンと、確認紙幣管理情報と、確認結果情報とが記憶される。
〈判定パターン〉
複数の判定パターンは、識別部110における紙幣の識別に用いられる判定パターンの候補である。すなわち、複数の判定パターンの中から識別部110における紙幣の識別に用いられる判定パターンが選択される。複数の判定パターンは、それぞれが紙幣の識別のために用意された複数の判定要素毎の閾値を含んでいる。
図3に示すように、この例では、複数(図3の例では10個)の判定パターンの各々に含まれる複数の判定要素毎の閾値には、紙幣の正損の識別のために用意された閾値が含まれている。具体的には、複数の判定パターンの各々には、紙幣の汚損に関する閾値(汚損閾値)や、紙幣の欠損に関する閾値(欠損閾値)や、紙幣の厚損に関する閾値(厚損閾値)などが含まれている。
なお、汚損閾値は、紙幣が汚損券に該当するか否かを判定するための閾値であり、欠損閾値は、紙幣が欠損券に該当するか否かを判定するための閾値であり、厚損閾値は、紙幣が厚損券に該当するか否かを判定するための閾値である。また、汚損券と欠損券と厚損券は、市場に流通すべきではない紙幣(損券)の具体例であり、汚損券は、異物付着などによる汚れが原因で損券に該当する紙幣のことであり、欠損券は、破れなどによる欠けが原因で損券に該当する紙幣のことであり、厚損券は、異物付着などによる厚みの異常が原因で損券に該当する紙幣のことである。
また、記憶部13に記憶される判定パターンに含まれる複数項目毎の閾値は、固定値であってもよいし、可変値であってもよい。例えば、判定パターンに含まれる複数項目毎の閾値は、所定の権限を有する操作者により変更可能となっていてもよい。また、記憶部13に記憶される判定パターンは、管理コンピュータ20などの外部機器から送信されたものであってもよい。
〈確認紙幣管理情報〉
確認紙幣管理情報は、後述する判定パターン設定処理において準備される複数枚の確認紙幣(確認貨幣の一例)を管理するための情報である。複数枚の確認紙幣の各々には、その確認紙幣に望まれる識別結果が定められている。
図4に示すように、確認紙幣管理情報には、確認紙幣と確認紙幣に望まれる識別結果とが対応付けられて登録されている。この例では、確認紙幣に望まれる識別結果として「正券」または「損券」が登録されている。例えば、図4の例では、第1枚目の確認紙幣は、「正券」に該当すると識別されることが望まれており、第5枚目の確認紙幣は、「損券」に該当すると識別されることが望まれている。
また、図4に示すように、この例では、確認紙幣管理情報に、複数枚の確認紙幣の各々に付された記番号(紙幣を識別するための識別番号)が登録される。すなわち、複数枚の確認紙幣の各々には、その確認紙幣の記番号が対応付けられている。なお、この例では、後述する判定パターン設定処理における第1回目の識別搬送動作(複数枚の確認紙幣が識別部110に順次搬送される動作)において複数枚の確認紙幣の各々の記番号が読み取られ、それらの複数枚の確認紙幣の各々の記番号が確認紙幣管理情報に登録される。
〈確認結果情報〉
確認結果情報は、後述する判定パターン設定処理において操作者に提供される情報であり、操作者による判定パターンの選択(複数の判定パターンの中から識別部110における紙幣の識別に用いられる判定パターンを選択するための操作)を支援するための情報である。
図5に示すように、確認結果情報は、複数(図5の例では10個)の判定パターンと、後述する判定パターン設定処理において複数の判定パターン毎に取得される複数枚(図5の例では10枚)の確認紙幣の各々の識別結果とを示している。確認結果情報において、確認紙幣の識別結果には、その確認紙幣とその確認紙幣の識別に用いられた判定パターンとが対応付けられている。例えば、第1番目の判定パターンに基づく識別により取得された第1枚目の確認紙幣の識別結果には、第1枚目の確認紙幣と第1番目の判定パターンとが対応付けられている。なお、確認結果情報は、後述する判定パターン設定処理において生成される。
〔識別部の識別動作〕
次に、識別部110の識別動作について説明する。識別部110は、識別動作において紙幣の複数の判定要素毎のレベルを取得する。例えば、図6に示すように、複数枚(図6の例では10枚)の紙幣が識別部110に順次搬送される場合、識別部110は、複数枚の紙幣の各々について、その紙幣の複数の判定要素毎のレベルを取得する。この例では、識別部110は、紙幣の正損の識別を行うために、紙幣の汚損に関するレベル(汚損レベル)や紙幣の欠損に関するレベル(欠損レベル)や紙幣の厚損に関するレベル(厚損レベル)などを取得する。なお、この例では、紙幣の汚れが少なくなるに連れて紙幣の汚損レベルが高くなり、紙幣の欠けが少なくなるに連れて紙幣の欠損レベルが高くなり、紙幣の厚みが薄くなるに連れて紙幣の厚損レベルが高くなる。また、図6の例において、汚損レベルa1〜a10と欠損レベルb1〜b10と厚損レベルc1〜c10の各々は、1以上で9以下の整数を示す。
そして、識別部110は、その取得された紙幣の複数の判定要素毎のレベルと判定パターンに含まれる複数の判定要素毎の閾値とを比較し、その比較の結果に基づいて紙幣を識別する。この例では、識別部110は、紙幣の汚損レベルが判定パターンの汚損に関する閾値(汚損閾値)を上回るか同一である場合に紙幣が汚損券に該当しないと判定し、紙幣の汚損レベルが汚損閾値を下回る場合に紙幣が汚損券に該当すると判定する。これと同様に、識別部110は、紙幣の欠損レベルが判定パターンの欠損に関する閾値(欠損閾値)を上回るか同一である場合に紙幣が欠損券に該当しないと判定し、紙幣の欠損レベルが欠損閾値を下回る場合に紙幣が欠損券に該当すると判定する。また、識別部110は、紙幣の厚損レベルが判定パターンの厚損に関する閾値(厚損閾値)を上回るか同一である場合に紙幣が厚損券に該当しないと判定し、紙幣の厚損レベルが厚損閾値を下回る場合に紙幣が厚損券に該当すると判定する。そして、識別部110は、紙幣が汚損券と欠損券と厚損券のいずれにも該当しない場合に紙幣が正券であると判定する。
なお、識別部110における紙幣の識別に用いられる判定パターンは、後述する判定パターン設定処理において複数の判定パターンの中から選択される。
〔貨幣処理装置において行われる処理:計数処理〕
実施形態1における貨幣処理装置10では、計数処理などの各種処理が行われる。計数処理は、紙幣を識別して計数する処理である。なお、計数処理は、紙幣を識別して搬送する処理(識別搬送処理)の一例である。
計数処理では、制御部14は、投入部101に投入された紙幣が識別部110において識別されて識別部110による識別の結果に応じた搬送先(リジェクト部102と外部集積部103と上部投出部104と下部投出部105のいずれか)に搬送されるように、貨幣処理装置10の動作を制御する。
具体的には、計数処理では、投入部101に投入された紙幣が第1搬送部109aに繰り出されて識別部110に搬送され、識別部110において識別される。識別部110により正常であると識別された紙幣(リジェクト対象に該当しないと識別された紙幣)のうち帯封されない紙幣は、スイッチバック反転部111とスパイラル反転部112とを経由して外部集積部103に搬送されて集積される。一方、識別部110により正常であると識別された紙幣のうち帯封される紙幣は、スイッチバック反転部111とスパイラル反転部112とを経由して内部集積部106に搬送されて集積される。内部集積部106に所定枚数の紙幣が集積されると、所定枚数の紙幣が第2搬送部109bに引き渡されて帯封部107に搬送され、帯封部107において帯封される。これにより、帯封紙幣が生成される。帯封部107により生成された帯封紙幣は、第3搬送部109cに引き渡されて下部投出部105に搬送されて投出される。そして、投入部101に投入された紙幣の搬送が完了すると、内部集積部106に残存している所定枚数未満の紙幣が第2搬送部109bに引き渡されて上部投出部104に搬送されて投出される。また、識別部110によりリジェクト対象であると判定された紙幣は、スイッチバック反転部111を経由してリジェクト部102に搬送されてリジェクトされる。
なお、計数処理では、識別部110は、複数の判定パターンのうち後述する判定パターン設定処理において選択された判定パターンに基づいて紙幣を識別する。このように、判定パターン設定処理において選択された判定パターンに基づく紙幣の識別を計数処理において行うことができる。
〔判定パターン設定処理〕
また、実施形態1における貨幣処理装置10では、計数処理などの各種処理に加えて、判定パターン設定処理が行われる。判定パターン設定処理は、複数の判定パターンの中から識別部110における紙幣の識別に用いられる判定パターンを選択する処理のことである。
判定パターン設定処理では、制御部14は、予め準備された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果が複数の判定パターン毎に取得されるように、貨幣処理装置10の動作を制御する。そして、制御部14は、確認結果情報(複数の判定パターンと複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果とを示す情報)を出力する。
この例では、制御部14は、判定パターン設定処理において、複数の判定パターン毎に確認搬送動作が行われるように、貨幣処理装置10の動作を制御する。複数の判定パターン毎に行われる確認搬送動作では、複数枚の確認紙幣が識別部110に順次搬送されて識別部110により複数枚の確認紙幣の各々がその判定パターンに基づいて識別される。そして、制御部14は、識別部110により複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果に基づいて確認結果情報を出力する。
また、この例では、制御部14は、判定パターン設定処理において、確認結果情報を操作表示部11(具体的には表示部11b)に出力して確認結果情報を操作表示部11に表示させる。また、制御部14は、確認結果情報に示された複数の判定パターンと複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果とが一覧表示されるように操作表示部11を制御する。
〔判定パターン設定処理における貨幣処理装置の動作〕
次に、図7を参照して、判定パターン設定処理における貨幣処理装置10の動作について説明する。貨幣処理装置10は、判定パターン設定処理を開始するための操作に応答して判定パターン設定処理を行う。例えば、「正損設定」が含まれる操作画面(図8参照)が操作表示部11に表示される。その操作画面において「正損設定」を選択するための操作が操作表示部11に与えられると、その操作に応答して「正損設定(搬送設定)」が含まれる操作画面(図9参照)が操作表示部11に表示される。そして、その操作画面において「正損設定(搬送設定)」を選択するための操作が操作表示部11に与えられると、貨幣処理装置10において以下の動作が行われる。
〈ステップS101〉
まず、複数枚の確認紙幣の各々に望まれる識別結果が登録される。例えば、複数枚の確認紙幣の各々に望まれる識別結果を設定するための操作画面(図10参照)が操作表示部11に表示され、複数枚の確認紙幣の各々に望まれる識別結果を設定するための操作(「正券」または「損券」を選択するための操作)が操作表示部11に与えられる。そして、その操作画面中にある確定アイコンを押下するための操作が操作表示部11に与えられると、その操作画面において設定された複数枚の確認紙幣の各々に望まれる識別結果(「正券」または「損券」)が確認紙幣管理情報に登録される。なお、図10の例では、10枚の確認紙幣のうち第1枚目から第4枚目までの確認紙幣に望まれる識別結果が「正券」に設定され、第5枚目から第10枚目までの確認紙幣に望まれる識別結果が「損券」に設定されている。
また、識別部110における紙幣の識別に用いられる判定パターンの候補となる複数の判定パターン(この例では記憶部13に記憶された複数の判定パターン)の確認が行われる。例えば、複数の判定パターン毎にその判定パターンを確認するための操作画面(図11参照)が操作表示部11に表示される。この操作画面には、判定パターンに含まれる複数の判定要素毎の閾値が掲載されている。図11の例では、第1番目の判定パターンに含まれる汚損閾値(紙幣の汚損レベルに関する閾値)と欠損閾値(紙幣の欠損レベルに関する閾値)と厚損閾値(紙幣の厚損閾値に関する閾値)とが掲載されている。
なお、図11の例では、汚損閾値が金種毎に準備されている。すなわち、判定パターンに含まれる複数の判定要素毎の閾値は、金種毎に用意されていてもよい。以下では、説明の簡略化のために、判定パターンに含まれる複数の判定要素毎の閾値が金種毎に用意されており全ての金種において共通となっている場合を例に挙げて説明する。
〈ステップS102〉
次に、制御部14は、ステップS101において登録された複数の判定パターン(具体的には複数の判定パターンのうち処理対象として未だ選択されていない判定パターン)の中から処理対象となる判定パターンを選択する。なお、この判定パターンの選択は、複数の判定パターンが1つずつ順番に選択されるように自動的に行われるものであってもよいし、操作者による選択操作(複数の判定パターンの中から1つの判定パターンを選択するための操作)に応答して行われるものであってもよい。
〈ステップS103〉
次に、操作者によって複数枚の確認紙幣が投入部101に投入される。複数枚の確認紙幣の投入が完了すると、ステップS104へ進む。例えば、図12に示すような操作画面(複数枚の確認紙幣の投入を指示するための操作画面)が操作表示部11に表示され、複数枚の確認紙幣が投入された後に、スタートボタンが押下される(または操作表示部11に表示された操作画面中にある完了アイコンを押下するための操作が操作表示部11に与えられる)と、次の動作が開始される。
〈ステップS104〉
次に、制御部14は、投入部101から1枚の確認紙幣が繰り出されるように、貨幣処理装置10の動作を制御する。この例では、制御部14は、投入部101から繰り出された確認紙幣が識別部110に搬送されて識別部110により識別された後にリジェクト部102に搬送されるように、貨幣処理装置10の動作を制御する。
〈ステップS105〉
次に、識別部110は、ステップS102において選択された判定パターンに基づいて投入部101から繰り出されて識別部110に搬送されてきた確認紙幣を識別する。識別部110により取得された確認紙幣の識別結果は、制御部14に送信される。制御部14は、識別部110から送信された確認紙幣の識別結果に確認紙幣と判定パターンとを対応付け、その確認紙幣の識別結果を記憶部13に記憶する。例えば、識別部110において第1番目の判定パターンに基づいて第1枚目の確認紙幣の識別が行われると、第1番目の判定パターンに基づいて取得された第1枚目の確認紙幣の識別結果に、第1枚目の確認紙幣と第1番目の判定パターンとが対応付けられる。このように、確認紙幣の識別結果に確認紙幣と判定パターンとを対応付けることにより、確認紙幣の識別結果を確認紙幣毎および判定パターン毎に管理することができる。
この例では、識別部110は、確認紙幣の識別とともに確認紙幣に付された記番号の読み取りを行う。そして、識別部110は、確認紙幣の識別結果に確認紙幣の記番号を対応付け、確認紙幣の記番号が対応付けられた確認紙幣の識別結果を制御部14に送信する。制御部14は、識別部110から送信された確認紙幣の識別結果(確認紙幣の記番号を対応付けられた確認紙幣の識別結果)に判定パターンを対応付け、その確認紙幣の識別結果を記憶部13に記憶する。このように、確認紙幣の識別結果に確認紙幣の記番号と判定パターンとを対応付けることにより、確認紙幣の識別結果を記番号毎および判定パターン毎に管理することができる。
また、この例では、制御部14は、識別部110から送信された確認紙幣の識別結果に対応付けられた確認紙幣の記番号が第1回目の確認搬送動作において読み取られた記番号である場合、その確認紙幣の記番号を記憶部13に記憶された確認紙幣管理情報に登録する。記憶部13では、図4に示すような確認紙幣管理情報が構築される。これにより、複数枚の確認紙幣の記番号を用いて複数枚の確認紙幣の各々を管理することができる。
〈ステップS106〉
次に、制御部14は、次に搬送すべき確認紙幣が投入部101に残存しているか否かを判定する。次に搬送すべき確認紙幣が残存している場合にはステップS104へ進み、そうでない場合にはステップS107へ進む。
このように、ステップS104〜S106が行われることにより、投入部101に投入された複数枚の確認紙幣は、識別部110に順次搬送され、識別部110において識別されてリジェクト部102に順次搬送される。そして、ステップS101において選択された判定パターンに基づいて複数枚の確認紙幣の各々の識別結果が取得される。
〈ステップS107〉
搬送すべき確認紙幣が投入部101に残存していない場合(すなわち投入部101に投入された複数枚の確認紙幣の搬送が完了している場合)、制御部14は、次に選択すべき判定パターンが残存しているか否かを判定する。次に選択すべき判定パターンが残存している場合にはステップS102へ進み、そうでない場合にはステップS108へ進む。
このように、ステップS102〜S107が行われることにより、複数の判定パターン毎に確認搬送動作(ステップS103〜S106)が行われ、識別部110により複数の判定パターン毎に複数枚の確認紙幣の各々の識別結果が取得される。そして、複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果は、確認紙幣と判定パターンとが対応付けられて記憶部13に記憶される。これにより、図5に示すような確認結果情報(複数の判定パターンと複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果とを示す確認結果情報)が記憶部13において生成される。
〈ステップS108〉
次に、選択すべき判定パターンが残存していない場合(すなわち複数の判定パターンの全てについて複数枚の確認紙幣の各々の識別結果が取得されている場合)、制御部14は、記憶部13に記憶された確認結果情報を操作表示部11(具体的には表示部11b)に出力する。操作表示部11は、確認結果情報を表示する。例えば、確認結果情報が含まれる操作画面(図13参照)が操作表示部11に表示される。図13の例では、複数の判定パターンと複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果とが一覧表示されている。
〈ステップS109〉
次に、操作表示部11に表示された複数の判定パターンの中から識別部110における紙幣の識別に用いられる判定パターンが選択される。具体的には、操作表示部11に表示された操作画面(図13参照)に掲載された複数の判定パターンの中からいずれか1つの判定パターンを選択するための操作(選択操作)が操作表示部11に与えられると、制御部14は、複数の判定パターンの中から選択操作により選択された判定パターンを識別部110における紙幣の識別に用いられる判定パターンとして設定する。図13の例では、例えば、第7番目の判定パターンのアイコン(「パターン7」と記載されたアイコン)を押下するための操作が操作表示部11に与えられると、第7番目の判定パターンが選択された状態となり、その後、確定アイコン(「確定」と記載されたアイコン)を押下するための操作が操作表示部11に与えられると、第7番目の判定パターンが識別部110における紙幣の識別に用いられる判定パターンとして設定される。
〔実施形態1による効果〕
以上のように、確認結果情報(複数の判定パターンと複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果とを示す情報)を出力することにより、複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果を操作者に確認させることができる。この例では、確認結果情報を操作表示部11(表示部11b)に表示させることにより、複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果を操作者に目視で確認させることができる。これにより、操作者による判定パターンの選択(複数の判定パターンの中から識別部110における紙幣の識別に用いられる判定パターンを選択する操作)を支援することができるので、操作者による判定パターンの選択を容易にすることができる。
また、複数の判定パターンと複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果とを一覧表示することにより、操作者は、複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果を判定パターン別に対比しながら確認することができる。これにより、複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果が一覧表示されない場合(例えば複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果が複数の判定パターン毎に切り換えられて操作表示部11に表示される場合)よりも、操作者による判定パターンの選択を支援する効果を向上させることができるので、操作者による判定パターンの選択をさらに容易にすることができる。
また、複数枚の確認紙幣の各々の識別結果に確認紙幣に付された記番号(識別部110により読み取られた記番号)を対応付けることにより、複数枚の確認紙幣の各々の識別結果を記番号で管理することができる。これにより、2回目以降の確認搬送動作における複数枚の確認紙幣の繰出順番(投入部101から繰り出される順番)が1回目の確認搬送動作における複数枚の確認紙幣の繰出順番と異なる場合であっても、複数枚の確認紙幣の各々の識別結果を確認紙幣毎に管理することができる。そのため、操作者は、複数枚の確認紙幣の繰出順番を気にすることなく、複数枚の確認紙幣を投入部101に投入することができるので、操作者の負担を軽減することができる。
なお、制御部14は、図7に示したステップS105において確認紙幣の記番号が識別部110により読み取ることができない場合に、その確認紙幣がリジェクト部102とは異なる搬送先(例えば外部集積部103)に搬送されるように貨幣処理装置10の動作を制御し、確認紙幣の記番号が識別部110により読み取ることができないことを通知するように構成されていてもよい。
また、制御部14は、2回目以降の確認搬送動作において取得された確認紙幣の記番号が1回目の確認搬送動作において取得された確認紙幣の記番号と一致しない場合に、その確認紙幣がリジェクト部102とは異なる搬送先(例えば外部集積部103)に搬送されるように貨幣処理装置10の動作を制御し、2回目以降の確認搬送動作において取得された確認紙幣の記番号が1回目の確認搬送動作において取得された確認紙幣の記番号と一致しないことを通知するように構成されていてもよい。
(実施形態1の変形例1)
なお、実施形態1の貨幣処理装置10において、制御部14は、次のように構成されていてもよい。この実施形態1の変形例1では、制御部14は、操作表示部11(具体的には表示部11b)における複数の判定パターンの各々の表示態様がその判定パターンにおける一致度(その判定パターンに基づいて取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果と複数枚の確認紙幣の各々に望まれる識別結果との一致度)に応じた表示態様となるように、操作表示部11を制御する。例えば、図14に示すように、制御部14は、複数の判定パターンのうち一致度の高い判定パターンが一致度の低い判定パターンよりも優先的に表示されるように、操作表示部11を制御する。
図14の例では、複数の判定パターンの各々に一致順位(一致度の高い順を示す数字)が対応付けられている。また、図14の例では、一致度が最も高い第7番目の判定パターンが既に選択された状態となっている。このような表示態様により、一致度の高い判定パターンが一致度の低い判定パターンよりも優先的に表示されている。
〔実施形態1の変形例1による効果〕
以上のように、操作表示部11(表示部11b)における複数の判定パターンの各々の表示態様を複数の判定パターンの各々の一致度に応じた表示態様にすることにより、操作者による一致度の比較(複数の判定パターンの各々の一致度の比較)を容易にすることができる。これにより、操作者による判定パターンの選択を支援する効果を向上させることができるので、操作者による判定パターンの選択をさらに容易にすることができる。
特に、一致度の高い判定パターンを一致度の低い判定パターンよりも優先的に表示させることにより、複数の判定パターンのうち一致度の高い判定パターンを操作者に優先的に確認させることができる。これにより、操作者による判定パターンの選択を支援する効果を向上させることができるので、操作者による判定パターンの選択をさらに容易にすることができる。例えば、操作者による判定パターンの選択ミスの発生を低減することができる。
なお、制御部14は、複数の判定パターンのうち一致度が最も高い判定パターンのみが操作表示部11に表示されるように操作表示部11を制御してもよい。このような表示態様においても、一致度の高い判定パターンを一致度の低い判定パターンよりも優先的に表示させることができる。
(実施形態1の変形例2)
また、実施形態1の貨幣処理装置10において、制御部14は、次のように構成されていてもよい。この実施形態1の変形例2では、制御部14は、判定パターン設定処理において、複数枚の確認紙幣が識別部110に順次搬送されて識別部110により複数枚の確認紙幣の各々の複数の判定要素毎のレベルが取得されるように貨幣処理装置10の動作を制御する。また、制御部14は、複数の判定パターン毎に、その判定パターンに含まれる複数の判定要素毎の閾値と識別部110により取得された複数枚の確認紙幣の各々の複数の判定要素毎のレベルとを比較することで、複数の判定パターン毎に複数枚の確認紙幣の各々の識別結果を取得する。そして、制御部14は、その比較により複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果に基づいて確認結果情報を出力する。
〔判定パターン設定処理における貨幣処理装置の動作〕
次に、図15を参照して、実施形態1の変形例2における貨幣処理装置10の動作(判定パターン設定処理における動作)について説明する。実施形態1と同様に、貨幣処理装置10は、判定パターン設定処理を開始するための操作に応答して判定パターン設定処理を行う。
〈ステップS201〉
まず、ステップS101と同様に、複数枚の確認紙幣の各々に望まれる識別結果が登録される。また、識別部110における紙幣の識別に用いられる判定パターンの候補となる複数の判定パターン(この例では記憶部13に記憶された複数の判定パターン)の確認が行われる。
〈ステップS202〉
次に、ステップS103と同様に、投入部101に複数枚の確認紙幣が投入される。複数枚の確認紙幣の投入が完了すると、ステップS203へ進む。
〈ステップS203〉
次に、ステップS104と同様に、制御部14は、投入部101から1枚の確認紙幣が繰り出されるように、貨幣処理装置10の動作を制御する。この例では、制御部14は、投入部101から繰り出された確認紙幣が識別部110に搬送されて識別部110において確認紙幣の複数の判定要素毎のレベルが取得された後にリジェクト部102に搬送されるように、貨幣処理装置10の動作を制御する。
〈ステップS204〉
次に、識別部110は、投入部101から繰り出されて識別部110に搬送されてきた確認紙幣の複数の判定要素毎のレベルを取得する。この例では、識別部110は、確認紙幣の汚損レベルや欠損レベルや厚損レベルなどを取得する。識別部110により取得された確認紙幣の複数の判定要素毎のレベルは、制御部14に送信される。制御部14は、識別部110から送信された確認紙幣の複数の判定要素毎のレベルに確認紙幣を対応付け、その確認紙幣の複数の判定要素毎のレベルを記憶部13に記憶する。例えば、識別部110において第1枚目の確認紙幣の複数の判定要素毎のレベルが取得されると、第1枚目の確認紙幣の複数の判定要素毎のレベルに、第1枚目の確認紙幣が対応付けられる。このように、確認紙幣の複数の判定要素毎のレベルに確認紙幣を対応付けることにより、確認紙幣の複数の判定要素毎のレベルを確認紙幣毎に管理することができる。
〈ステップS205〉
次に、制御部14は、次に搬送すべき確認紙幣が投入部101に残存しているか否かを判定する。次に搬送すべき確認紙幣が残存している場合にはステップS203へ進み、そうでない場合にはステップS206へ進む。
このように、ステップS202〜S204が行われることにより、投入部101に投入された複数枚の確認紙幣は、識別部110に順次搬送され、識別部110において確認紙幣の複数の判定要素毎のレベルが取得されてリジェクト部102に順次搬送される。そして、複数枚の確認紙幣の各々の複数の判定要素毎のレベル(図6参照)が取得されて記憶部13に記憶される。
〈ステップS206〉
次に、制御部14は、ステップS101において登録された複数の判定パターン(具体的には複数の判定パターンのうち処理対象として未だ選択されていない判定パターン)の中から処理対象となる判定パターンを選択する。
〈ステップS207〉
次に、制御部14は、ステップS206において選択された判定パターンに含まれる複数の判定要素毎の閾値と記憶部13に記憶された複数枚の確認紙幣の各々の複数の判定要素毎のレベルとを比較する。これにより、ステップS206において選択された判定パターンに基づいて複数枚の確認紙幣の各々の識別結果が取得される。なお、制御部14において行われる比較(判定パターンに含まれる複数の判定要素毎の閾値と確認紙幣の複数の判定要素毎のレベルとの比較)は、識別部110の識別動作において行われる比較と同様となっている。そして、制御部14は、複数枚の確認紙幣の各々の識別結果に確認紙幣と判定パターンとを対応付け、その複数枚の確認紙幣の各々の識別結果を記憶部13に記憶する。
〈ステップS208〉
次に、制御部14は、次に選択すべき判定パターンが残存しているか否かを判定する。次に選択すべき判定パターンが残存している場合にはステップS206へ進み、そうでない場合にはステップS209へ進む。
このように、ステップS206〜S208が行われることにより、複数の判定パターン毎に複数枚の確認紙幣の各々の識別結果が取得される。そして、複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果は、確認紙幣と判定パターンとが対応付けられて記憶部13に記憶される。これにより、図5に示すような確認結果情報(複数の判定パターンと複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果とを示す確認結果情報)が記憶部13において生成される。
〈ステップS209,S210〉
次に、ステップS108と同様に、制御部14は、記憶部13に記憶された確認結果情報を操作表示部11(具体的には表示部11b)に出力する。操作表示部11は、確認結果情報を表示する。そして、ステップS109と同様に、操作表示部11に表示された複数の判定パターンの中から識別部110における紙幣の識別に用いられる判定パターンが選択される。
〔実施形態1の変形例2による効果〕
以上のように、複数枚の確認紙幣の搬送(識別部110への搬送)が少なくとも1回行われることで、複数枚の確認紙幣の各々の複数の判定要素毎のレベルを取得することができるので、判定パターン設定処理において複数枚の確認紙幣の搬送に要する時間を短縮することができる。また、複数枚の確認紙幣の搬送を繰り返し行わなくてもよいので、複数枚の確認紙幣の搬送に要する操作者の負担(例えば投入部101に複数枚の確認紙幣の再投入する作業に要する負担)を軽減することができる。また、操作者は、複数枚の確認紙幣の繰出順番を気にすることなく、複数枚の確認紙幣を投入部101に投入することができるので、操作者の負担を軽減することができる。また、繰出動作や搬送動作による確認紙幣の状態変化(劣化)を軽減することができる。
なお、制御部14は、図15に示したステップS202〜S205の処理により取得された複数枚の確認紙幣の各々の複数の判定要素毎のレベルを管理コンピュータ20に送信するように構成されていてもよい。そして、管理コンピュータ20は、貨幣処理装置10の制御部14から送信された複数枚の確認紙幣の各々の複数の判定要素毎のレベルを、他の貨幣処理装置(図示を省略)を送信するように構成されていてもよい。すなわち、複数枚の確認紙幣の各々の複数の判定要素毎のレベルは、貨幣処理装置10とは異なる他の貨幣処理装置における判定パターン設定処理に利用されてもよい。
(実施形態2)
図16は、実施形態2による貨幣処理システム1の構成を例示している。実施形態2による貨幣処理システム1は、図1および図2に示した貨幣処理装置10に代えて、図16および図17に示す貨幣処理装置10aを備えている。なお、実施形態2による貨幣処理システム1のその他の構成は、実施形態1による貨幣処理システム1の構成と同様となっている。
〔貨幣処理部〕
貨幣処理装置10aは、紙幣処理部30と、硬貨処理部40と、操作表示部11と、通信部12と、記憶部13と、制御部14と、プリンタ15とを備えている。
紙幣処理部30は、紙幣の入出金処理,帯封紙幣の生成処理,帯封紙幣の出金処理などの各種処理を行う。なお、帯封紙幣は、所定枚数(例えば100枚)の紙幣によって構成され、これらの所定枚数の紙幣は、帯封紙で帯封されている。
図18に示すように、紙幣処理部30は、筐体300と、紙幣投入部301と、紙幣投出部302と、出金リジェクト部303と、紙幣一時保留部304と、紙幣一括収納部305と、複数(この例では3つ)の紙幣収納部306と、紙幣集積部307と、紙幣搬送部308と、紙幣識別部309と、表裏反転部310と、帯封部311と、アーム機構312と、帯封紙幣投出部313と、複数(この例では4つ)の帯封紙幣収納部314と、帯封紙幣搬送部315と、帯封紙幣識別部316とを備えている。
〈筐体〉
筐体300は、直方体型の箱状に形成されている。そして、筐体300には、紙幣処理部30の上述の構成部品が収納されている。
〈紙幣投入部〉
紙幣投入部301には、紙幣が投入される。この例では、紙幣投入部301は、紙幣処理部30の前方(図18では左方)に開口する投入口を有し、この投入口を介して紙幣が投入される。また、紙幣投入部301は、複数枚の紙幣を受け入れ可能に構成されている。この例では、紙幣投入部301には、紙幣投入部301に投入された複数枚の紙幣を1枚ずつ紙幣搬送部308に繰り出す繰出部が設けられている。
〈紙幣投出部〉
紙幣投出部302は、紙幣を投出する。この例では、紙幣投出部302は、複数枚の紙幣を保持可能に構成されている。また、紙幣投出部302は、紙幣処理部30の前方(図18では左方)に開口する投出口を有し、この投出口を介して紙幣が投出される。この例では、紙幣投出部302の投出口には、シャッタが設けられている。なお、紙幣投出部302は、後述する紙幣入金処理においてリジェクト対象に該当する紙幣(入金リジェクト券)を返却する入金リジェクト部として利用され、後述する紙幣出金処理において出金すべき紙幣が搬送される出金部として利用される。
〈出金リジェクト部〉
出金リジェクト部303は、後述の紙幣出金処理においてリジェクト対象に該当する紙幣(出金リジェクト券)を集積する。この例では、出金リジェクト部303は、複数枚のリジェクト紙幣を保持可能に構成されている。また、出金リジェクト部303は、所定の権限を有する操作者の操作により開放される前扉を有している。
〈紙幣一時保留部〉
紙幣一時保留部304は、紙幣(例えば紙幣入金処理において入金された紙幣)を一時的に保留(収納)する。また、紙幣一時保留部304は、紙幣搬送部308との間において紙幣の受け渡しを行う。
〈紙幣一括収納部〉
紙幣一括収納部305は、紙幣を収納する。また、紙幣一括収納部305は、紙幣搬送部308との間において紙幣の受け渡しを行う。この例では、紙幣一括収納部305は、異なる金種の紙幣を混合した状態で収納する。
〈紙幣収納部〉
複数の紙幣収納部306は、それぞれ紙幣を収納する。また、複数の紙幣収納部306は、それぞれ紙幣搬送部308との間において紙幣の受け渡しを行う。この例では、複数の紙幣収納部306は、それぞれに割り当てられた金種の紙幣を収納する。
〈紙幣集積部〉
複数の紙幣集積部307は、それぞれ所定枚数の紙幣を集積する。
〈紙幣搬送部〉
紙幣搬送部308は、紙幣投入部301と紙幣投出部302と出金リジェクト部303と紙幣一時保留部304と紙幣一括収納部305と紙幣収納部306と紙幣集積部307との間において紙幣を搬送する。例えば、紙幣搬送部308は、紙幣を搬送するための搬送ベルトや、搬送ベルトを駆動するための駆動機構や、紙幣の搬送を案内するためのガイド機構や、紙幣の搬送方向を切り換えるための分岐機構などによって構成されている。
〈紙幣識別部〉
紙幣識別部309は、紙幣搬送部308によって搬送される紙幣に対して識別処理と計数処理を行う。識別処理では、紙幣識別部309は、紙幣の金種,真偽,正損,新旧,搬送状態,表裏などを識別する。計数処理では、紙幣識別部309は、紙幣の枚数を種別毎に計数する。例えば、紙幣識別部309は、ラインセンサ,磁気センサ,画像センサなどの各種センサ,CPUなどの演算処理部,演算処理部を動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリなどの記憶部などによって構成されている。なお、紙幣識別部309による識別処理の結果および計数処理の結果は、制御部14に送信される。
〈表裏反転部〉
表裏反転部310は、紙幣搬送部308によって搬送される紙幣の表裏を選択的に反転させる。具体的には、表裏反転部310は、紙幣搬送部308によって搬送される紙幣の表裏に関する情報(例えば紙幣識別部309による紙幣の表裏の識別結果)に基づいて、紙幣の表裏の向きが予め定められた向きと一致している場合に、その紙幣を反転させずに通過させ、紙幣の表裏の向きが予め定められた向きと一致していない場合に、その紙幣を反転させて通過させる。
〈帯封部〉
帯封部311は、所定枚数の紙幣の集合体に帯封紙を巻き付けて帯封紙幣を生成する。
〈アーム機構〉
アーム機構312は、上下一対のアーム部を有し、紙幣集積部307に集積された所定枚数の紙幣の集合体をアーム部により保持して帯封部311に移動させる。また、アーム機構312は、帯封部311によって生成された帯封紙幣をアーム部により保持して帯封紙幣搬送部315に移動させる。
〈帯封紙幣投出部〉
帯封紙幣投出部313は、帯封紙幣を投出する。この例では、帯封紙幣投出部313は、紙幣処理部30の前方(図18では左方)に開口する帯封紙幣投出口を有し、この帯封紙幣投出口を介して帯封紙幣が投出される。また、この例では、帯封紙幣投出部313の帯封紙幣投出口には、シャッタが設けられている。
〈帯封紙幣収納部〉
複数の帯封紙幣収納部314は、それぞれ帯封紙幣を収納する。また、複数の帯封紙幣収納部314は、それぞれ帯封紙幣搬送部315との間において帯封紙幣の受け渡しを行う。この例では、複数の帯封紙幣収納部314は、それぞれに割り当てられた金種の帯封紙幣を収納する。
〈帯封紙幣搬送部〉
帯封紙幣搬送部315は、帯封部311と帯封紙幣投出部313と帯封紙幣収納部314との間において帯封紙幣を搬送する。この例では、帯封紙幣搬送部315は、昇降通路315aと、昇降ステージ315bと、搬送ベルト315cとを有している。昇降通路315aは、帯封紙幣を上下方向に搬送するために設けられている。昇降ステージ315bは、昇降通路315aに設けられている。そして、昇降ステージ315bは、帯封紙幣が載置されて上下に昇降する。搬送ベルト315cは、帯封紙幣を水平方向に搬送する。具体的には、搬送ベルト315cには、帯封紙幣に搬送ベルト315cの搬送力を伝達するための突起315dが設けられており、搬送ベルト315cが駆動すると搬送ベルト315cの突起315dが帯封紙幣に当接して搬送ベルト315cとともに帯封紙幣が移動する。
〈帯封紙幣識別部〉
帯封紙幣識別部316は、帯封紙幣搬送部315によって搬送される帯封紙幣に対して識別処理と計数処理とを行う。識別処理では、帯封紙幣識別部316は、帯封紙幣の金種や帯封状態などを識別する。計数処理では、帯封紙幣識別部316は、帯封紙幣の束数を種別毎に計数する。例えば、帯封紙幣識別部316は、搬送される帯封紙幣の厚み方向の端面(この例では下面)の画像を取得する画像センサ、CPUなどの演算処理部、演算処理部を動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリなどの記憶部などによって構成されている。この例では、帯封紙幣識別部316は、帯封紙幣収納部314と昇降通路315aとの間に設けられ、搬送ベルト315cによって搬送される帯封紙幣に対して識別処理と計数処理とを行う。なお、帯封紙幣識別部316による識別処理の結果および計数処理の結果は、制御部14に送信される。
〈硬貨処理部〉
硬貨処理部40は、硬貨および包装硬貨を処理する。具体的には、硬貨処理部40は、硬貨の入出金処理,包装硬貨の生成,包装硬貨の出金処理などの各種処理を行う。なお、包装硬貨は、所定枚数(例えば50枚)の硬貨によって構成され、これらの所定枚数の硬貨は、包装紙で包装されている。
〈各種センサ〉
実施形態1における貨幣処理装置10と同様に、実施形態2における貨幣処理装置10aの各部には、紙幣や硬貨の通過を検知する通過センサなどの各種センサが設けられている。これらの各種センサによる検知結果(検知信号)は、制御部14に送信される。
〈プリンタ〉
プリンタ15は、情報を印刷媒体(例えば印刷用紙)に印刷する。そして、プリンタ15は、情報が印刷された印刷媒体を発行する。
〈操作表示部と通信部と記憶部〉
実施形態2における操作表示部11と通信部12と記憶部13の構成は、実施形態2における操作表示部11と通信部12と記憶部13の構成と同様となっている。
〈制御部〉
実施形態2における制御部14の構成は、実施形態1における制御部14の構成と同様となっている。なお、実施形態2における制御部14の動作については、後で詳しく説明する。
〔貨幣処理装置において行われる処理:入金処理と出金処理〕
実施形態2における貨幣処理装置10aでは、紙幣入金処理や紙幣出金処理などの各種処理が行われる、紙幣入金処理は、紙幣を入金する処理である。紙幣出金処理は、紙幣を出金する処理である。なお、紙幣入金処理および紙幣出金処理は、紙幣を識別して搬送する処理(識別搬送処理)の一例である。
紙幣入金処理では、制御部14は、紙幣投入部301に投入された紙幣が紙幣識別部309において識別されて紙幣識別部309による識別の結果に応じた搬送先(紙幣投出部302と紙幣一時保留部304のいずれか)に搬送されるように、貨幣処理装置10aの動作を制御する。
具体的には、紙幣入金処理では、紙幣投入部301に投入された紙幣が紙幣搬送部308に繰り出されて紙幣識別部309に搬送され、紙幣識別部309において識別される。紙幣識別部309により正常であると識別された紙幣(リジェクト対象に該当しないと識別された紙幣)は、紙幣一時保留部304に搬送されて一時的に保留される。一方、紙幣識別部309によりリジェクト対象に該当すると識別された紙幣は、紙幣投出部302に搬送されてリジェクトされる。そして、紙幣投入部301に投入された紙幣の搬送が完了し、承認操作が操作表示部11に与えられると、紙幣一時保留部304に一時的に保留された紙幣が紙幣識別部309による識別の結果に応じて紙幣一括収納部305または紙幣収納部306に搬送されて収納される。
紙幣出金処理では、制御部14は、紙幣収納部306に収納された紙幣が紙幣識別部309において識別されて紙幣識別部309による識別の結果に応じた搬送先(紙幣投出部302と出金リジェクト部303のいずれか)に搬送されるように、貨幣処理装置10aの動作を制御する。
具体的には、紙幣出金処理では、紙幣収納部306に収納された紙幣が紙幣搬送部308に繰り出されて紙幣識別部309に搬送され、紙幣識別部309において識別される。紙幣識別部309により正常であると識別された紙幣(リジェクト対象に該当しないと識別された紙幣)は、紙幣投出部302に搬送されて投出される。一方、紙幣識別部309によりリジェクト対象に該当すると識別された紙幣は、出金リジェクト部303に搬送されてリジェクトされる。
なお、紙幣入金処理および紙幣出金処理では、紙幣識別部309は、複数の判定パターンのうち後述する判定パターン設定処理において選択された判定パターンに基づいて紙幣を識別する。このように、判定パターン設定処理において選択された判定パターンに基づく紙幣の識別を紙幣入金処理および紙幣出金処理において行うことができる。
〔判定パターン設定処理〕
実施形態1における貨幣処理装置10と同様に、実施形態2における貨幣処理装置10aでは、紙幣入金処理や紙幣出金処理などの各種処理に加えて、判定パターン設定処理が行われる。
実施形態2における判定パターン設定処理では、制御部14は、予め準備された複数枚の確認紙幣の各々に対して複数の判定パターン毎に識別(その判定パターンに基づく識別)を行うために、複数枚の確認紙幣が紙幣識別部309(識別部)に順次搬送されるように、貨幣処理装置10aの動作を制御する。そして、制御部14は、確認結果情報(複数の判定パターンと複数の判定パターン毎に行われた複数枚の確認紙幣の各々の識別の結果とを示す情報)を出力する。
この例では、制御部14は、判定パターン設定処理において、複数の判定パターン毎に、複数枚の確認紙幣が紙幣識別部309(識別部)に順次搬送されて紙幣識別部309により複数枚の確認紙幣の各々が判定パターンに基づいて識別されるように、貨幣処理装置10aの動作を制御する。そして、制御部14は、紙幣識別部309により複数の判定パターン毎に行われた複数枚の確認紙幣の各々の識別の結果に基づいて確認結果情報を出力する。
〔判定パターン設定処理における貨幣処理装置の動作〕
実施形態2の貨幣処理装置10aの動作(判定パターン設定処理における動作)は、実施形態1の貨幣処理装置10の動作と同様となっている。すなわち、実施形態2の貨幣処理装置10aでは、図7に示した動作が行われる。なお、実施形態2では、1回目の確認搬送動作(ステップS103〜S106)と2回目以降の確認搬送動作と紙幣の搬送手順が異なっている。
1回目の確認搬送動作では、制御部14は、投入部101に投入された複数枚の確認紙幣が紙幣識別部309に順次搬送されて紙幣識別部309において識別された後に紙幣一時保留部304に順次搬送されるように、貨幣処理装置10aの動作を制御する。
2回目以降の確認搬送動作では、制御部14は、紙幣一時保留部304に収納された複数枚の確認紙幣が紙幣搬送部308に繰り出されて紙幣一括収納部305に搬送される(または紙幣搬送部308の搬送路に保持される)ように、貨幣処理装置10aの動作を制御する。そして、紙幣一時保留部304に収納された複数枚の確認紙幣の全部が紙幣一時保留部304から繰り出されると、制御部14は、紙幣一括収納部305に収納された複数枚の確認紙幣(または紙幣搬送部308の搬送路に保持された複数枚の確認紙幣)が紙幣識別部309に順次搬送されて紙幣識別部309において識別された後に紙幣一時保留部304に順次搬送されるように、貨幣処理装置10aの動作を制御する。
そして、判定パターン設定処理が完了すると、制御部14は、紙幣一時保留部304に収納された複数枚の確認紙幣が紙幣搬送部308に繰り出されて紙幣投出部302に搬送されるように、貨幣処理装置10aの動作を制御する。
〔実施形態2による効果〕
実施形態2による貨幣処理システム1(貨幣処理装置10a)では、実施形態1による貨幣処理システム1(貨幣処理装置10)と同様の効果を得ることができる。例えば、確認結果情報を出力することにより、複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果を操作者に確認させることができる。これにより、操作者による判定パターンの選択(複数の判定パターンの中から紙幣識別部309における紙幣の識別に用いられる判定パターンを選択する操作)を支援することができるので、操作者による判定パターンの選択を容易にすることができる。
また、実施形態2の貨幣処理装置10aでは、確認紙幣が貨幣処理装置10a内で循環搬送されるため、2回目以降の確認搬送動作(ステップS103〜S106)において紙幣投入部301に複数枚の確認紙幣を投入し直す必要がないので、操作者の負担を軽減することができる。また、操作者は、複数枚の確認紙幣の繰出順番を気にすることなく、複数枚の確認紙幣を投入部101に投入することができる。
(実施形態2の変形例1)
実施形態1の変形例1と同様に、実施形態2において、制御部14は、操作表示部11(具体的には表示部11b)における複数の判定パターンの各々の表示態様がその判定パターンにおける一致度(その判定パターンに基づいて取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果と複数枚の確認紙幣の各々に望まれる識別結果との一致度)に応じた表示態様となるように、操作表示部11を制御するように構成されていてもよい。
(実施形態2の変形例2)
実施形態1の変形例2と同様に、実施形態2において、制御部14は、図15に示した動作を行うように構成されていてもよい。この実施形態2の変形例2において、制御部14は、判定パターン設定処理において、複数枚の確認紙幣が紙幣識別部309(識別部)に順次搬送されて紙幣識別部309により複数枚の確認紙幣の各々の複数の判定要素毎のレベルが取得されるように貨幣処理装置10aの動作を制御する。また、制御部14は、複数の判定パターン毎に、その判定パターンに含まれる複数の判定要素毎の閾値と紙幣識別部309(識別部)により取得された複数枚の確認紙幣の各々の複数の判定要素毎のレベルとを比較することで、複数の判定パターン毎に複数枚の確認紙幣の各々の識別結果を取得する。そして、制御部14は、その比較により複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果に基づいて確認結果情報を出力する。
(繰入機構)
図19および図20に示すように、内部集積部106には、繰入機構50が設けられていてもよい。繰入機構50は、回転軸500と第1繰入ローラ501と第2繰入ローラ502と札叩き車503とを有している。
回転軸500は、駆動機構504により回転駆動される。第1繰入ローラ501は、回転軸500に固定され、回転軸500とともに回転駆動する。第2繰入ローラ502は、第1繰入ローラ501との間に紙幣を挟み込んで回転するように構成されている。第1繰入ローラ501と第2繰入ローラ502とが紙幣を挟み込んで回転することにより、紙幣が内部集積部106に繰り入れられる。
札叩き車503は、回転軸500に固定され、回転軸500とともに回転駆動する。具体的には、札叩き車503は、回転軸500に固定される基部と、その基部から放射状に延出する複数の延出部とを有している。札叩き車503の延出部は、可撓性を有する材料(例えばゴム)によって構成されている。そして、札叩き車503は、回転軸500とともに回転駆動することで、第1繰入ローラ501と第2繰入ローラ502との間から内部集積部106に繰り入れられた紙幣の繰入方向における後縁部を下方に叩きつける。これにより、内部集積部106に繰り入れられた紙幣と内部集積部106に既に集積されている紙幣との接触が回避される。
ところで、搬送部109の駆動に連動して回転軸500が回転駆動するように構成されている場合、搬送部109が駆動している間、札叩き車503が回転し続け、札叩き車503が内部集積部106に集積されている紙幣や搬送中の紙幣を叩き続けることになる。そのため、札叩き車503による紙幣の叩きつけに起因する騒音を低減することが困難とである。
そこで、上記のような騒音を低減するために、駆動機構504は、繰入機構50による紙幣の繰入が行われる場合に回転軸500を回転駆動させて札叩き車503を駆動させ、繰入機構50による紙幣の繰入が行われない場合に回転軸500の回転駆動を停止して札叩き車503を停止させるように構成されていてもよい。例えば、駆動機構504は、搬送部109の駆動機構とは別に単独で回転軸500を回転駆動させるモータによって構成されていてもよいし、搬送部109の駆動機構と回転軸500との間に設けられた電磁クラッチによって構成されていてもよい。
また、駆動機構504は、駆動機構504は、繰入機構50による紙幣の繰入が行われる場合に回転軸500を第1回転速度で回転駆動させて札叩き車503を駆動させ、繰入機構50による紙幣の繰入が行われない場合に回転軸500の第1回転速度よりも低い第2回転速度で回転駆動させて札叩き車503を駆動させるように構成されていてもよい。例えば、駆動機構504は、搬送部109の駆動機構とは別に単独で回転軸500を回転駆動させるモータであり、繰入機構50による紙幣の繰入が行われない場合(例えば繰入機構50により前の紙幣が繰り入れられた時点から所定時間内に次の紙幣が繰入機構50に送り込まれてこない場合)に、駆動機構504に供給される電流を第1電流(通常電流)から第1電流よりも少ない第2電流に切り換えられ、繰入機構50による紙幣の繰入が行われる場合(例えば紙幣が繰入機構50へ向けて送り込まれてきた場合)に、モータに供給される電流が第2電流から第1電流に切り換えられるようになっていてもよい。
以上のような構成にすることにより、札叩き車503による紙幣の叩きつけに起因する騒音を低減することができる。
(その他の実施形態)
以上の説明において、貨幣処理装置10(または貨幣処理装置10a)の制御部14は、確認結果情報を管理コンピュータ20やタブレット端末2やスマートフォン3などの外部機器(出力装置)に出力するように構成されていてもよい。そして、外部機器は、制御部14により出力(送信)された確認結果情報を出力するように構成されていてもよい。例えば、管理コンピュータ20において、制御部25は、確認結果情報を表示部22に出力して確認結果情報を表示部22に表示させてもよい。このような構成にした場合も、確認結果情報を出力することにより、複数の判定パターン毎に取得された複数枚の確認紙幣の各々の識別結果を操作者に確認させることができるので、操作者による判定パターンの選択を支援することができ、操作者による判定パターンの選択を容易にすることができる。
以上の説明において、確認結果情報が操作表示部11(表示部11b)に表示される場合を例に挙げたが、これに限らず、確認結果情報は、他の態様で出力されてもよい。例えば、制御部14は、確認結果情報をプリンタ(例えば図16に示したプリンタ15)に出力して確認結果情報が印刷された印刷媒体をプリンタに発行させてもよい。
また、以上の説明では、判定パターン設定処理および識別搬送処理において紙幣が処理される場合を例に挙げたが、判定パターン設定処理および識別搬送処理において硬貨が処理されてもよい。例えば、判定パターン設定処理において、複数の判定パターン毎に複数枚の確認硬貨(確認貨幣の一例)の各々の識別結果が取得されてもよい。なお、硬貨の複数の判定要素毎のレベルの例としては、硬貨の色汚損に関するレベル(色汚損レベル)や硬貨の画像汚損に関するレベル(画像汚損レベル)などがある。
また、以上の実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、この発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、ここに開示する技術は、貨幣処理装置に有用である。
1 貨幣処理システム
10,10a 貨幣処理装置
11 操作表示部
11a 操作部
11b 表示部
12 通信部
13 記憶部
14 制御部
20 管理コンピュータ
21 操作部
22 表示部
23 通信部
24 記憶部
25 制御部
101 投入部
102 リジェクト部
103 外部集積部
104 上部投出部
105 下部投出部
106 内部集積部
107 帯封部
108 印字部
109 搬送部
110 識別部
301 紙幣投入部
302 紙幣投出部
303 出金リジェクト部
304 紙幣一時保留部
305 紙幣一括収納部
306 紙幣収納部
307 紙幣集積部
308 紙幣搬送部
309 紙幣識別部(識別部)

Claims (10)

  1. 貨幣を処理する貨幣処理装置であって、
    前記貨幣を搬送する搬送部と、
    前記貨幣を識別する識別部と、
    それぞれが前記貨幣の識別のために用意された複数の判定要素毎の閾値を含む複数の判定パターンを記憶する記憶部と、
    前記貨幣処理装置の動作を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記複数の判定パターンの中から前記識別部における貨幣の識別に用いられる判定パターンを選択する判定パターン設定処理において、予め準備された複数枚の確認貨幣の各々の識別結果が前記複数の判定パターン毎に取得されるように前記貨幣処理装置の動作を制御し、該複数の判定パターンと該複数の判定パターン毎に取得された該複数枚の確認貨幣の各々の識別結果とを示す確認結果情報を出力する
    ことを特徴とする貨幣処理装置。
  2. 請求項1において、
    前記制御部は、前記判定パターン設定処理において、前記複数の判定パターン毎に前記複数枚の確認貨幣が前記識別部に順次搬送されて該識別部により該複数枚の確認貨幣の各々が該判定パターンに基づいて識別される確認搬送動作が行われるように前記貨幣処理装置の動作を制御し、該識別部により該複数の判定パターン毎に取得された該複数枚の確認貨幣の各々の識別結果に基づいて前記確認結果情報を出力する
    ことを特徴とする貨幣処理装置。
  3. 請求項1において、
    前記制御部は、前記判定パターン設定処理において、前記複数枚の確認貨幣が前記識別部に順次搬送されて該識別部により該複数枚の確認貨幣の各々の前記複数の判定要素毎のレベルが取得されるように前記貨幣処理装置の動作を制御し、前記複数の判定パターン毎に該判定パターンに含まれる複数の判定要素毎の閾値と該識別部により取得された該複数枚の確認貨幣の各々の該複数の判定要素毎のレベルとを比較することで該複数の判定パターン毎に該複数枚の確認貨幣の各々の識別結果を取得し、該比較により該複数の判定パターン毎に取得された該複数枚の確認貨幣の各々の識別結果に基づいて前記確認結果情報を出力する
    ことを特徴とする貨幣処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記制御部は、前記貨幣を識別して搬送する識別搬送処理において、該貨幣が前記識別部において識別されて該識別部による識別結果に応じた搬送先に搬送されるように前記貨幣処理装置の動作を制御し、
    前記識別部は、前記識別搬送処理において、前記複数の判定パターンのうち前記判定パターン設定処理において選択された判定パターンに基づいて前記貨幣を識別する
    ことを特徴とする貨幣処理装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    表示部を備え、
    前記制御部は、前記判定パターン設定処理において、前記確認結果情報を前記表示部に出力して該確認結果情報を該表示部に表示させる
    ことを特徴とする貨幣処理装置。
  6. 請求項5において、
    前記制御部は、前記確認結果情報に示された前記複数の判定パターンと該複数の判定パターン毎に取得された前記複数枚の確認貨幣の各々の識別結果とが一覧表示されるように前記表示部を制御する
    ことを特徴とする貨幣処理装置。
  7. 請求項5または6において、
    前記複数枚の確認貨幣の各々には、該確認貨幣に望まれる識別結果が定められており、
    前記制御部は、前記表示部における前記複数の判定パターンの各々の表示態様が該判定パターンに基づいて取得された前記複数枚の確認貨幣の各々の識別結果と該複数枚の確認貨幣の各々に望まれる識別結果との一致度に応じた表示態様となるように前記表示部を制御する
    ことを特徴とする貨幣処理装置。
  8. 請求項7において、
    前記制御部は、前記複数の判定パターンのうち前記一致度の高い判定パターンが該一致度の低い判定パターンよりも優先的に表示されるように前記表示部を制御する
    ことを特徴とする貨幣処理装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項において、
    前記識別部は、前記貨幣の正損を識別し、
    前記複数の判定パターンの各々に含まれる前記複数の判定要素毎の閾値には、前記貨幣の正損の識別のために用意された閾値が含まれている
    ことを特徴とする貨幣処理装置。
  10. 貨幣を処理する貨幣処理装置と、
    出力装置とを備え、
    前記貨幣処理装置は、
    前記貨幣を搬送する搬送部と、
    前記貨幣を識別する識別部と、
    それぞれが前記貨幣の識別のために用意された複数の判定要素毎の閾値を含む複数の判定パターンを記憶する記憶部と、
    前記貨幣処理装置の動作を制御する制御部とを有し、
    前記制御部は、前記複数の判定パターンの中から前記識別部における貨幣の識別に用いられる判定パターンを選択する判定パターン設定処理において、予め準備された複数枚の確認貨幣の各々の識別結果が前記複数の判定パターン毎に取得されるように前記貨幣処理装置の動作を制御し、該複数の判定パターンと該複数の判定パターン毎に取得された該複数枚の確認貨幣の各々の識別結果とを示す確認結果情報を前記出力装置に出力し、
    前記出力装置は、前記確認結果情報を出力する
    ことを特徴とする貨幣処理システム。
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