JP2019184564A - 容器、容器本体、および蓋部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】容器の内圧が上昇しても蓋部材が容器本体から外れるのを防止することができ、かつ蓋部材の開閉が容易な容器、容器を構成する容器本体、および蓋部材を提供する。【解決手段】容器1は、容器本体10と、容器本体10を閉栓する蓋部材20とを備え、容器本体10はシール部である凸部11を有し、蓋部材20は通路形成部としてスリット22aを有し、蓋部材20は、第1の位置と第2の位置との間で容器本体10に対して移動可能であり、第1の位置において、シール部としての凸部11によって容器本体10と蓋部材20との間がシールされ、第2の位置において、通路形成部としてのスリット22aによって容器本体10と蓋部材20との間に容器本体10の内部から容器本体10の外部につながる通路が形成される。【選択図】図1
Description
本発明は、検体を収容する容器、並びに、このような容器を構成する容器本体および蓋部材に関する。
従来から、血液などの液状物からなる検体の保存や運搬には検体を収容する容器(スピッツ管などの検体容器)が用いられている。この検体容器は、一般に、検体を収容する容器本体と、容器本体の開口部を開閉するための蓋部材とを有している。
例えば、特許文献1には、このような検体容器として、蓋部材の開閉操作がし易く、高い気密性の生化学試験容器が開示されている。
ところで、血液などの検体を収容した検体容器は、全国各地の病院から航空機を利用して検査機関まで搬送される場合があり、このような場合、航空機では、飛行中の機内圧力が地上での大気圧より低下するため、検体容器の内圧の上昇により検体容器の蓋部材が容器本体から外れて、近傍の検体容器の間で検体が混ざってしまうという問題があった。
このように検体容器の蓋部材が外れるという問題に対しては、検体容器の容器本体とその蓋部材とをテープで外れないように固定することにより対処することはできるが、このようなテープは取り外しにくく、そのため、検体の検査時に検体容器の蓋部材を開ける作業に手間がかかるという別の課題が生じる。
本発明は、容器の内圧の上昇による蓋部材が容器本体から外れるのを防止することができ、かつ蓋の開閉が容易な容器、このような容器を構成する容器本体、および蓋部材を得ることを目的とする。
本発明に係る容器は、容器本体と、該容器本体を閉栓する蓋部材とを備え、該容器本体および該蓋部材の一方は、シール部を有し、該容器本体および該蓋部材の他方は、通路形成部を有し、該蓋部材は、第1の位置と第2の位置との間で該容器本体に対して移動可能であり、該第1の位置において、該シール部によって該容器本体と該蓋部材との間がシールされ、該第2の位置において、該通路形成部によって該容器本体と該蓋部材との間に該容器本体の内部から該容器本体の外部につながる通路が形成され、そのことにより上記目的が達成される。
本発明においては、前記シール部は、前記容器本体および前記蓋部材の一方の表面に形成された凸部であり、前記通路形成部は、該容器本体および該蓋部材の他方の表面に形成された凸部に形成されたスリットであってもよい。
本発明においては、前記蓋部材は、前記容器本体内の圧力上昇により前記第1の位置から前記第2の位置へ移動可能であり、かつ、該容器本体内の圧力の下降により該第2の位置から該第1の位置へ移動可能であってもよい。
本発明においては、前記シール部は、前記容器本体のうちの前記蓋部材の外周面に対向する内周面に形成されており、前記通路形成部は、該蓋部材の該外周面に形成されていてもよい。
本発明においては、前記シール部は、前記容器本体のうちの前記蓋部材の内周面に対向する外周面に形成されており、前記通路形成部は、前記蓋部材の内周面に形成されていてもよい。
本発明においては、前記シール部を構成する前記凸部は、前記容器本体のうちの前記蓋部材の外周面に対向する内周面に形成されており、前記通路形成部を構成する前記スリットは、前記蓋部材の前記外周面に形成された凸部に形成されていてもよい。
本発明においては、前記シール部を構成する前記凸部は、前記蓋部材のうちの前記容器本体の内周面に対向する外周面に形成されており、前記通路形成部を構成する前記スリットは、前記容器本体の前記内周面に形成された凸部に形成されていてもよい。
本発明においては、前記通路形成部は、気体は通過自在であり、かつ、液状物は通過が抑制される形状を有していてもよい。
本発明においては、前記通路形成部は、前記容器本体の底部に近づくに従って断面積が大きくなる形状を有していてもよい。
本発明においては、前記通路形成部は、前記容器本体の底部に近づくに従って、幅が大きくなる形状を有していてもよい。
本発明においては、前記通路形成部は、前記容器本体の底部に近づくに従って、深さが深くなる形状を有していてもよい。
本発明においては、前記容器は、検体を収納する容器であってもよい。
本発明に係る蓋部材は、シール部を有する容器本体に装着するための蓋部材であって、該蓋部材は、第1の位置と第2の位置との間で該容器本体に対して移動可能であり、該蓋部材は、通路形成部を有し、該第1の位置において、該シール部によって該容器本体と該蓋部材との間がシールされ、該第2の位置において、該通路形成部によって該容器本体と該蓋部材との間に該容器本体の内部から該容器本体の外部につながる通路が形成されるように構成されており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明に係る容器本体は、シール部を有する蓋部材が装着される容器本体であって、該容器本体は、通路形成部を有し、該容器本体は、該蓋部材が第1の位置と第2の位置との間で該容器本体に対して移動可能であり、該第1の位置において、該シール部によって該容器本体と該蓋部材との間がシールされ、該第2の位置において、該通路形成部によって該容器本体と該蓋部材との間に該容器本体の内部から該容器本体の外部につながる通路が形成されるように構成されており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明によれば、容器の内圧が上昇しても蓋部材が容器本体から外れるのを防止することができ、かつ蓋部材の開閉が容易な容器、このような容器を構成する容器本体、およびその蓋部材を得ることができる。
本発明は、容器本体と、容器本体を閉栓する蓋部材とを備えた容器を前提技術とし、蓋部材の開閉の容易さを確保しつつ、容器の内圧の上昇に起因する容器の蓋部材が容器本体から外れるという問題を解決するために、容器本体と蓋部との間のシールに加えて、容器内のガス抜きを行うための構成を備えたものである。
すなわち、本発明は、容器において、容器本体および蓋部材の一方がシール部を有するもの、容器本体および蓋部材の他方が通路形成部を有するものとし、蓋部材を、第1の位置と第2の位置との間で容器本体に対して移動可能に構成し、第1の位置を、容器本体と蓋部材との間がシール部によってシールされる位置とし、第2の位置を、容器本体と蓋部材との間に容器本体の内部から容器本体の外部につながる通路が通路形成部によって形成される位置としたものである。
なお、本発明の容器に収納される対象物は任意であり、液状物である場合も、固形物である場合もある。具体的な対象物として、薬品、食品、検体などが挙げられる。検体は、例えば、生物の排泄物、生物の体から採取したものなどであって、生体の検査に用いられるものであり、生物の排泄物は、具体的には尿や便である。生物の体から採取したものは、具体的には生体組織、骨髄液、血しょう、血清、体液、リンパ液、髄液などである。
このような本発明では、容器本体は、シール部あるいは通路形成部を有するものであれば、その具体的な形状は限定されるものではなく、任意の形状であり得る。例えば、円筒状体であってもよいし、四角筒状体であってもよいし、それ以外の多角筒状体であってもよい。
さらに、蓋部材は、通路形成部あるいはシール部を有し、容器本体と蓋部材との間がシールされる第1の位置と、容器本体と蓋部材との間にガス抜き通路が形成される第2の位置との間で容器本体に対して移動可能なものであれば、その具体的な形状は限定されるものではない。
容器本体の材質は任意の樹脂材料であり得る。一つの実施形態において、容器本体の材質はPET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)もしくはPP(ポリプロピレン)であるが、本発明はこれに限定されない。上述に示した以外の樹脂であってもよい。
ここで、蓋部材は、容器本体内の圧力上昇により第1の位置から第2の位置へ移動可能であり、容器本体内の圧力の下降により第2の位置から第1の位置へ移動可能であってもよい。この場合、蓋部材は、第2の位置では第1の位置へ戻るように付勢されるように構成してもよい。また、蓋部材の形状は、閉栓する容器本体の形状などに応じた任意の形状であり得る。
蓋部材の材質は任意の樹脂材料であり得る。一つの実施形態において、蓋部材の材質はPE(ポリエチレン)であるが、本発明はこれに限定されない。ただし、蓋部材の材質は容器本体の材質よりも硬度の低いものであることが好ましい。
シール部は、容器本体と蓋部材との間をシールするものであれば特に、材質、形状などは限定されるものではない。例えば、シール部は、容器本体および蓋部材の一方の表面に形成された凸部であり得る。また、シール部は設けられる容器本体または蓋部材と一体化されたものであってもよいし、別体であってもよい。さらに、シール部は、容器本体のうちの蓋部材の外周面に対向する内周面に形成されていてもよいし、あるいは、容器本体のうちの蓋部材の内周面に対向する外周面に形成されていてもよい。また、シール部は、蓋部材の外周面に形成されていてもよいし、あるいは、蓋部材の内周面に形成されていてもよい。
シール部を構成する凸部は、容器本体の内周面あるいは蓋部材の外周面に設けられていてもよいし、容器本体の外周面あるいは蓋部材の内周面に設けられていてもよい。好ましくは、容器に収納される液状体の漏出の防止効果を高めるため、シール部を構成する凸部は、容器本体の内周面側で容器本体と蓋部材とがシールされるように容器本体の内周面あるいは蓋部材の外周面に設けられる。
通路形成部は、容器本体と蓋部材との間に、容器本体の内部から容器本体の外部につながる通路を形成するためのものであれば特に限定されるものではない。例えば、通路形成部は、蓋部材の外周面に形成されていてもよいし、あるいは、容器本体の内周面に形成されていてもよい。また、通路形成部は、容器本体の外周面に形成されていてもよいし、あるいは、蓋部材の内周面に形成されていてもよい。さらに、通路形成部は、容器本体と蓋部材との他方の表面(つまり、シール部が設けられていない表面)に形成された凸部に形成されたスリットであり得る。シール部が設けられていない表面には、具体的には、蓋部材の外周面、容器本体の内周面、容器本体の外周面、あるいは、蓋部材の内周面がなり得る。通路形成部を凸部に設けることによって、通路形成部の凸部はシール部の凸部と係止する機能を奏し、容器本体に対して蓋部材が確実にシールされたことを確認することが可能となる。本発明において、「スリット」は、「溝、孔」などを含むものである。
ここで、シール部として設けられる凸部および通路形成部を有する凸部の形状は任意であり得る。例えば、凸部の周回りに直交する断面(後述する図2(d)、図3(e))において、円弧状であってもよいし、楕円形状であってもよいし、三角形状であってもよいし、四角形状であってもよい。しかし、本発明はこれに限定されない。
また、容器本体に設けられる凸部と蓋部材に設けられる凸部との位置関係も限定されるものではないが、蓋部材が容器本体に嵌合装着された状態において、蓋部材の凸部は、容器本体の凸部よりも容器本体の底部に近い位置に配置されていることが望ましい。この場合、蓋部材の凸部と容器本体の凸部との当接により蓋部材が容器本体から外れないように蓋部材を容器本体に対して付勢することができ、蓋部材の凸部および容器本体の凸部に、蓋部材と容器本体とを嵌合させる働きを持たせることができるからである。
さらに、通路形成部として形成されるスリットの形状も任意であり得る。例えば、円弧状であってもよいし、V字状であってもよいし、U字状であってもよい。また、スリットは、容器本体内部の気体は通過自在であり、かつ、容器本体内部の液状物は通過が抑制される形状を有することが好ましい。この場合、容器内部のガス抜きがスリットを介して行われても、容器内部に収納される液状物が漏れ出すのを回避できるからである。容器本体内部の気体は通過自在であり、かつ、容器本体内部の液状物は通過が抑制される形状を有するスリットの一例として、例えば、容器本体の底部に近づくに従って断面積が大きくなる形状、例えば、幅が広くなる、深さが深くなる形状などがある。しかし、本発明では、スリットが、これ以外の形状をとることを排除されるものではない。
また、スリット部分の少なくとも一部の表面を粗面化することで液状物がスリットを通過するのを抑制するようにしてもよい。
スリットを設ける個数および位置は任意であり得る。一つの実施形態において、4〜12個のスリットを周回りに均等な位置に設けるが、本発明はこれに限定されない。例えば、スリットは1個や2個でもよいし、12個よりも多くてもよい。また、スリットを複数設ける場合に、不均等な位置に配置してもよい。
以下の実施形態の説明では、本発明の具体的な構成の例として2つの実施形態を挙げる。しかし、本発明はこれに限定されない。
実施形態1では、本発明の容器の一例として、血液などの検体を収容して輸送に用いられる検体容器であって、蓋部材の凸部が蓋部材の外周面に設けられ、容器本体の凸部がシール部として容器本体の内周面に設けられ、スリットが通路形成部として蓋部材の凸部に設けられている検体容器を挙げる。
実施形態2では、本発明の容器の一例として、血液などの検体を収容して輸送に用いられる検体容器であって、蓋部材の凸部がシール部として蓋部材の外周面に設けられ、容器本体の凸部が容器本体の内周面に設けられ、スリットが通路形成部として容器本体の凸部に設けられている検体容器を挙げる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による容器1を説明するための斜視図であり、図1(a)は、この容器1の外観を示し、図1(b)は、容器1の容器本体10から蓋部材20を取り外した状態を示す。
図1は、本発明の実施形態1による容器1を説明するための斜視図であり、図1(a)は、この容器1の外観を示し、図1(b)は、容器1の容器本体10から蓋部材20を取り外した状態を示す。
この容器1は、図1に示すように、血液などの検体を収容する円筒状体である容器本体10と、容器本体10を閉栓する円筒状体である蓋部材20とを有する検体容器である。ここで、容器本体10および蓋部材20は、概ね円筒状体形状をしており、蓋部材20は容器本体10に嵌合装着されるようになっている。この検体容器1は、病院や保健所などで採取された検体を外気から隔離した状態で保管したり、他の検査機関へ輸送したりするのに用いられる。
以下、蓋部材20および容器本体10を詳しく説明する。
〔蓋部材20〕
図2は、図1(b)に示す蓋部材20を詳しく説明するための図であり、図2(a)、図2(b)、図2(c)はそれぞれ、図1(b)に示す蓋部材20をA1方向、B1方向、C1方向から見た図、図2(d)は、図2(b)のIId−IId線断面図、図2(e)は、図2(a)のIIe−IIe線断面図、図2(f)は図2(a)のF2部分の拡大図である。
図2は、図1(b)に示す蓋部材20を詳しく説明するための図であり、図2(a)、図2(b)、図2(c)はそれぞれ、図1(b)に示す蓋部材20をA1方向、B1方向、C1方向から見た図、図2(d)は、図2(b)のIId−IId線断面図、図2(e)は、図2(a)のIIe−IIe線断面図、図2(f)は図2(a)のF2部分の拡大図である。
蓋部材20は、蓋基部20aと、蓋基部20aの一端側に蓋基部20aと一体に形成された操作部20bと、蓋基部20aの他端側に蓋基部20aと一体に形成された挿入部20cとを有する。ここで、蓋部材20は、蓋基部20a、操作部20bおよび挿入部20cは樹脂に射出成型により一体に成型されたものであるが、蓋部材20の構造およびその製造方法は、これに限定されるものではなく、別々に作製した蓋基部20a、操作部20bおよび挿入部20cを蓋部材20となるように組み立てたものでもよい。蓋部材20には、樹脂の中でも軟らかいポリエチレンが用いられている。ただし、蓋部材20は合成ゴムなどの弾性体で構成してもよい。
また、蓋基部20aは外形円柱形状を有し、蓋部材20の構造上の芯材となっている。そして、操作部20bは、作業者が検体容器1の蓋部材20を開けたり絞めたりする際に掴む部分である。円盤状の操作部20bの外周面には滑り止め加工が施されていてもよい。
ここで、蓋基部20aは、蓋部材20の挿入部20cが検体容器1の開口部30に挿入されたときに、蓋部材20の操作部20bと検体容器1の開口部30との間のスペースを確保する部分である。このスペースの高さは任意であり得る。1つの実施形態では、この蓋基部20aの高さを人の親指の腹が操作部20bと検体容器1の開口部30との間に収まる程度の高さ以上とすることで、操作者は手のひらで容器本体10の収容部10aを握りながら親指で蓋部材20の操作部20bをてこの原理を利用して簡単に蓋部材20を開けることが可能となる。
さらに、蓋部材20は、成形を容易にし、さらに材料削減を図るために、図2(b)および図2(d)に示すように、蓋基部20aの内部は、樹脂で詰まった構造ではなく、中空構造としている。また、この中空構造は、補強のための竪壁20a1が組み込まれる構成としてもよい。
さらに、挿入部20cは挿入片21を有する。筒状挿入片21は中実であってもよいし、内部が中空であってもよい。挿入片21の内部を中空にすることにより、挿入片21を容器本体10の開口孔10b1に挿入および抜去するときに変形しやすく、蓋部材20を容器本体10に嵌合装着および脱着がしやすくなる。
さらに、挿入部20cの外周面には、図2(a)、図2(d)、図2(f)に示すように周回りに凸部22が形成され、凸部22には図2(c)、図2(e)、図2(f)に示すように、凸部22を分断する複数のスリット22aが等間隔で形成されている。このスリット22aは、容器本体10と蓋部材20との間のシール部(図3(d)、図3(e)の環状の凸部11)にガス抜きのためのガス抜き通路(図6(c)、(e)に示されるガス抜き通路Ap1)を形成するものである。
このスリット22aの流体の流れ方向と垂直な断面形状は、特に限定されるものではないが、表面張力と毛管現象との関係から、スリットがガス抜き通路の機能を果たす際には気体は通過するが、液状物はガス抜き通路を通過できない形状であることが好ましい。
具体的には、スリット22aの流体の流れ方向と垂直な断面形状は、スリット(ガス抜き通路)内への液状物の侵入が液状物の表面張力により阻止される程度に狭く、かつ、毛管現象によるスリット(ガス抜き通路)内への液状物の吸い上げが生じないに程度に広いものであることが望ましい。
さらに、ガス抜き通路を形成する通路形成部(スリット)の幅および深さの少なくとも一方は、ガス抜き通路の上流側ほど、つまり、検体容器1の底部に近づくに従って大きくなっていてもよいし、あるいは、逆に小さくなっていてもよい。
図2Aは、図1(b)に示す蓋部材20に形成される通路形成部(スリット)の種類を説明するための図であり、図2A(a)、図2A(b)、図2A(c)、図2A(d)はそれぞれ、図2(f)のX部分の構造(スリット22a、22a1、22a2、22a3の平面パターン)の違いを示し、図2A(e)、図2A(f)、図2A(g)、図2A(h)はそれぞれ、図2(f)のY部分の構造(スリット22a、22a1、22a4、22a5の深さ)の違いを示している。
例えば、本実施形態1の容器本体10を構成する蓋部材20の凸部22に形成されているスリット22aは、図2A(a)に示すようにその幅が一定であり、かつ、図2A(e)に示すようにその深さも一定である。すなわち、ガス抜きの際の流体の流れ方向Dfにおけるガス入口での幅Wsは、ガス出口での幅Weと等しく、ガス入口での深さDsは、ガス出口での深さDeと等しい。さらに、スリット22aの底の位置は、凸部22が形成されている挿入片21の外周面から一定高さHdだけ嵩上げした位置となっている。これにより、凸部22におけるスリット22aが占める領域(空間)を小さくして、蓋部材20の凸部22と容器本体11の凸部11との圧接による反作用を大きくしている。その結果、蓋部材20は、容器本体10との間にガス抜き通路が形成される第2の位置から、容器本体30との間がシールされる第1の位置に自動的に戻り易くなる。なお、スリットの深さは、凸部22の頂点Pでの高さを基準としている。
ただし、スリット22aは、図2A(b)および図2A(f)に示すように、スリット22aの底の位置を、凸部22が形成されている挿入片21の外周面と一致させたスリット22a1でもよい。この場合、スリット22a1の幅は一定であり、ガス入口での幅W0sはガス出口での幅W0eと等しく、スリット22a1の深さは、スリット22aの深さより深く一定であり、ガス入口での深さD0sはガス出口での深さD0eと等しい。
さらに、スリット22aは、図2A(c)に示すようにその幅が蓋部材20の外側に向かって狭まったスリット22a2(言い換えると、容器の底部に近づくにつれて広がったもの)でもよい。この場合、スリット22a2の幅は、ガス入口での幅(最大幅)W1sからガス出口での幅(最小幅)W1eまで変化している。
あるいは、スリット22aは、図2A(d)に示すように、流体の流れ方向Dfに沿ってその幅が蓋部材20の外側に向かって広がったスリット22a3(言い換えると、容器の底部に近づくにつれて狭まったもの)でもよい。この場合、スリット22a3の幅は、ガス入口での幅(最小幅)W2sからガス出口での幅(最大幅)W2eまで変化している。
また、スリット22aは、図2A(g)に示すようにその深さが蓋部材20の外側に向かって徐々に浅くなったスリット22a4(言い換えると、容器の底部に近づくにつれて深くなったもの)でもよい。この場合、スリット22a4の深さは、ガス入口での最大深さD1sからガス出口での最小深さD1eまで変化している。
あるいは、スリット22aは、図2A(h)に示すように、その深さが蓋部材20の外側に向かって徐々に深くなったスリット22a5(言い換えると、容器の底部に近づくにつれて浅くなったもの)でもよい。この場合、スリット22a5の深さは、ガス入口での深さ(最小深さ)D2sからガス出口での深さ(最大深さ)D2eまで変化している。
さらに、通路形成部(スリット)の幅および深さの少なくとも一方を、検体容器1の底部に近づくに従って大きくするかあるいは小さくするかは、蓋部材20を樹脂の射出成型により形成する場合には型枠から蓋部材20を外す際の作業性のよい方を選択してもよい。また、検体と蓋部材20の構成部材との濡れ性を考慮し、すなわち、毛管現象によるガス抜き通路への検体の侵入と、表面張力によるガス抜き通路への検体の侵入阻止とのうちのどちらの現象が起こりやすいかを考慮して選択してもよい。
〔容器本体10〕
図3は、図1(b)に示す容器本体10を詳しく説明するための図であり、図3(a)、図3(b)、図3(c)はそれぞれ、図1(b)に示す容器本体をA1方向、B1方向、C1方向から見た図、図3(d)は、図3(b)のIIId−IIId線断面図、図3(e)は、図3(d)のE3部分の拡大図である。
図3は、図1(b)に示す容器本体10を詳しく説明するための図であり、図3(a)、図3(b)、図3(c)はそれぞれ、図1(b)に示す容器本体をA1方向、B1方向、C1方向から見た図、図3(d)は、図3(b)のIIId−IIId線断面図、図3(e)は、図3(d)のE3部分の拡大図である。
容器本体10は、収容部10aと、開口部10bとを含む。収容部10aは、検体を収容するスペースを確保するための部分である。ここでは、収容部10aの外周面には、分注や計量などのための目盛りが形成されている。ただし、このような目盛りは、収容部10aの内周面に形成されていてもよい。さらに、開口部10bは、蓋部材20の挿入部20cが挿入される開口孔10b1が形成されており、開口孔10b1の内周面には周回りにシール部として環状の凸部11が形成されている。この凸部11は、蓋部材20の挿入部20cが開口部10bの開口孔10b1に挿入されたとき、挿入部20cに設けられている凸部22と当接し、蓋部材20の凸部22が容器本体10の凸部11を乗り越えることにより、蓋部材20が容器本体10から簡単に外れないように蓋部材20が容器本体10に付勢されるようになっている。
なお、一つの実施形態において、容器本体の構成材料にはPET、PEもしくはPPなどの樹脂、蓋部材の構成材料にはポリエチレンが用いられる。
次に、実施形態1の検体容器1の取り扱い方法について説明する。
図4は、容器本体10に蓋部材20を取り付ける作業を説明するための図であり、図4(a)は、容器本体10の開口部10bに蓋部材20の挿入部20cが挿入された状態を示す断面図であり、図4(b)および図4(c)はそれぞれ、図4(a)のIVb−IVb線断面図およびIVc−IVc線断面図であり、図4(d)および図4(e)はそれぞれ、図4(b)のD4部分の拡大図および図4(c)のE4部分の拡大図である。図5は、容器本体10に蓋部材20が装着された状態を説明する図であり、図5(a)は、蓋部材20が容器本体10をシールする位置(第1の位置)で容器本体10に付勢された状態を示す断面図であり、図5(b)および図5(c)はそれぞれ、図5(a)のVb−Vb線断面図およびVc−Vc線断面図であり、図5(d)および図5(e)はそれぞれ、図5(b)のD5部分の拡大図および図5(c)のE5部分の拡大図である。
例えば、病院での医師、検査技師や看護師などの作業者が患者の採血を行う場合、図1(b)に示すように、容器本体10の開口孔10b1から蓋部材20を取り外した状態で、患者から採取した検体である血液を容器本体10に入れ、その後、図4(a)に示すように、容器本体10の開口孔10b1に蓋部材20を装着する。
このとき、図4(b)〜図4(e)に示すように、蓋部材20の凸部22が容器本体10の開口孔10b1の内周面に接触した状態でスライドすることで、蓋部材20の挿入部20cの外周面の周回りに形成されている凸部22が、容器本体10の開口孔10b1の内周面の周回りに形成されている凸部11に当接するまでは、手応えなく蓋部材20が容器本体10に挿入される。
蓋部材20の凸部22が容器本体10の凸部11に当接する位置まで蓋部材20が容器本体10に押し込まれると、手応えが感じられるので、この状態で、蓋部材20を強く容器本体10に押し込むことで、図5(a)に示すように、蓋部材20の凸部22が容器本体10の凸部11を乗り越えることとなる。
これにより、図5(b)〜図5(e)に示すように、容器本体10の凸部11が蓋部材20の凸部22よりも容器本体10の開口端に近い位置で、容器本体10の内周面の全周に渡って密着することとなり、容器本体10と蓋部材20との間がシール部としての凸部11によりシールされた状態となる。このとき、蓋部材20は容器本体10に対して第1の位置にある。
なお、この実施形態1の検体容器1では、蓋部材20の基準位置P2を蓋基部20aと挿入部20cとの境界とし、容器本体10の基準位置P1を開口部10bの開口端とし、蓋部材20が第1の位置にあるときは、蓋部材20が容器本体10に対して移動可能な方向において、蓋部材20の基準位置P2が容器本体10の基準位置P1と一致するものとする。
この状態では、検体容器1に収容された検体は、検体容器1の外部とは隔離された状態となり、検体を検体容器内に密封した状態で、検体容器1の持ち運びが可能となる。
このように検体を密封した検体容器1が、例えば、航空機に搭載されて運搬されることで、飛行中に機内の圧力低下により検体容器1の内圧が上昇しても、本発明の検体容器1では、蓋部材20の凸部22にスリット22aが設けられているため、検体容器1の蓋部材20が外れることはない。
なぜなら、本発明の検体容器1では、検体容器1の内圧が上昇しても、スリット22aが検体容器1の内部の気体を検体容器1から排出させるガス抜き通路の機能を有するからである。
以下、具体的に通路形成部(スリット)によるガス抜きのメカニズムを説明する。
図6は、検体容器1内のガス抜きが行われる様子を説明するための図であり、図6(a)は、スリットによりガス抜き通路が形成される位置(第2の位置)まで蓋部材20が容器本体10に対して移動した状態を示す断面図であり、図6(b)および図6(c)はそれぞれ、図6(a)のVIb−VIb線断面図およびVIc−VIc線断面図であり、図6(d)および図6(e)はそれぞれ、図6(b)のD6部分の拡大図および図6(c)のE6部分の拡大図である。
図5に示すように、容器本体10に対して蓋部材20が装着されることにより、検体容器1の内部が密閉された状態で、検体容器1の内部の圧力がその外部の気圧より高まると、内部の圧力により蓋部材20は容器本体10から外れる方向に押されて、凸部(シール部)11によって容器本体10と蓋部材20との間がシールされる第1の位置からスリット(通路形成部)22aによって容器本体10と蓋部材20との間にガス抜き経路Ap1が形成される第2の位置に移動する。ただし、この内部の圧力が小さいときは、内部の圧力が蓋部材20の凸部22と容器本体10の凸部11との圧接による反作用と釣り合うことで、蓋部材20が移動することはない。
しかしながら、内部の圧力と外部の圧力との圧力差が一定以上に達することで、蓋部材20と容器本体10とのうちの軟らかい方の部材が変形すると、蓋部材20の凸部22と容器本体10の凸部11との圧接による反作用が内部圧力に負けて、蓋部材20が容器本体10から外れる方向へ移動する。
これにより、図6(a)に示すように、蓋部材20の凸部22が容器本体10の凸部11上に乗り上げることとなる。このとき、蓋部材20は容器本体10に対して第2の位置にあり、図6(a)に示すように、蓋部材20の基準位置P2は容器本体10の基準位置P1より容器本体10の外側にずれている。その結果、図6(b)〜図6(e)に示すように、蓋部材20の凸部22に形成されているスリット22aが容器本体10の内部と容器本体10の外部とを連通させる隙間となる。そして、この隙間がガス抜き通路Ap1の機能を果たし、検体容器1の内部の気体はこの隙間を通ってその外部に排出される。
その結果、検体容器1の内部の気圧が低下し、蓋部材20の凸部22と容器本体10の凸部11との圧接による反作用が内部圧力に打ち勝つこととなる。
これにより、蓋部材20が容器本体10から外れる方向と逆方向に自動的に移動して、図5(a)に示すように、容器本体10と蓋部材20との間がシールされた状態(第1の位置)に再び戻る。
このように、本実施形態1では、検体容器1の蓋部材20の外周面に周回りに形成した凸部22にガス抜き通路の機能を有するスリット22aを設け、蓋部材20が容器本体10から外れる方向に対して移動したとき、蓋部材20が容器本体10から外れる前に、スリット22aにより検体容器の内部からその外部に通じるガス抜き通路Ap1が形成されるようにしたので、検体容器1の内部の圧力がその外部の圧力よりも高くなったときには、スリット22aを通して検体容器1の内部のガス抜きが行われることとなり、蓋部材20が本体容器10から外れないようにすることが可能となる。
さらに、本実施形態1の検体容器1では、蓋部材20の外周面および容器本体10の内周面に周回りに設けられた凸部11および凸部22を設け、蓋部材20の凸部22にスリット22aを設けているので、蓋部材20の凸部22と容器本体10の凸部11とが当接した状態(第2の位置)で容器本体10からのガス抜きが行われることとなり、容器本体10からのガス抜き後は、蓋部材20の凸部22と容器本体10の凸部11との当接による反作用が内部圧力より高くなるため、蓋部材20が自動的に容器本体10に対してこれらの間がシールされる位置(第1の位置)に戻るという効果を奏する。
さらに、スリットの形状を、気体は通過自在であり、かつ、液状物は通過が抑制される形状とすることにより、容器内部のガス抜きがスリットを介して行われても、容器内部に収納された液状物がスリットから漏れ出すのを回避することが可能となる。
なお、本発明の容器は、図1に示す容器本体10を有するものに限定されず、図1に示す容器本体10とは形状の異なる容器本体を有するものであってもよい。
図7は、本発明の実施形態1の変形例による容器1aを説明するための斜視図であり、図7(a)は、この容器1aの外観を示し、図7(b)は、容器1aの容器本体12から蓋部材20を取り外した状態を示す。
図7(a)に示す容器1aは、実施形態1の容器1における容器本体10に代わる容器本体12を備えたものであり、その他の構成は、実施形態1の容器1におけるものと同一である。
図7に示す容器本体12は、収容部12aと、開口部12bとを有する。ここで、開口部12bは、図1に示す容器本体10における開口部10bと同一の構成を有し、収容部12aは、図1に示す収容部10aとは、底部の形状が異なる。
(実施形態2)
図8は、本発明の実施形態2による容器2を説明するための斜視図であり、図8(a)は、この容器2の外観を示し、図8(b)は、容器2の容器本体30から蓋部材40を取り外した状態を示す。 この容器2は、図8に示すように、血液などの検体を収容する容器本体30と、容器本体30を閉栓する蓋部材40とを有する検体容器である。この検体容器2は、実施形態1の検体容器1と同様に、病院や保健所、研究所などで採取された検体を外気から隔離した状態で保管したり、他の検査機関へ輸送したりするのに用いられる。
図8は、本発明の実施形態2による容器2を説明するための斜視図であり、図8(a)は、この容器2の外観を示し、図8(b)は、容器2の容器本体30から蓋部材40を取り外した状態を示す。 この容器2は、図8に示すように、血液などの検体を収容する容器本体30と、容器本体30を閉栓する蓋部材40とを有する検体容器である。この検体容器2は、実施形態1の検体容器1と同様に、病院や保健所、研究所などで採取された検体を外気から隔離した状態で保管したり、他の検査機関へ輸送したりするのに用いられる。
この検体容器2では、容器本体30の内周面に周回りに環状の凸部31が形成され、蓋部材40の外周面に周回りに環状の凸部42が形成されている点は、実施形態1の検体容器1と同一であるが、スリット31aが、蓋部材40の凸部42ではなく、容器本体30の凸部31に形成されている点で、実施形態1の検体容器1とは異なる。従って、スリット31aは、実施形態1のスリット22aと同様、その底を、凸部31が形成される容器本体30の開口部30bの内周面より嵩上げしたものである。
〔容器本体30〕
実施形態2の検体容器2では、容器本体30は、実施形態1の容器本体10と同様、収容部30aおよび開口部30bを有する。
実施形態2の検体容器2では、容器本体30は、実施形態1の容器本体10と同様、収容部30aおよび開口部30bを有する。
図9は、図8(b)に示す容器本体30を詳しく説明するための図であり、図9(a)、図9(b)、図9(c)はそれぞれ、図8(b)に示す容器本体30をA2方向、B2方向、C2方向から見た図、図9(d)は、図9(b)のIXd−IXd線断面図、図9(e)は、図9(d)のE9部分の拡大図である。
ここで、収容部30aは、実施形態1の収容部10aと同一であるが、開口部30bは、実施形態1の開口部10bとは異なり、開口部30bの内周面の周回りに形成された凸部31にスリット31aが形成されている。また、容器本体30は、実施形態1の容器本体10とは異なり、分注のための目盛りが容器本体30の内面に形成されている。
〔蓋部材40〕
実施形態2の検体容器2では、蓋部材40は、実施形態1の蓋部材42と同様、蓋基部40a、操作部40bおよび挿入部40cを有する。
実施形態2の検体容器2では、蓋部材40は、実施形態1の蓋部材42と同様、蓋基部40a、操作部40bおよび挿入部40cを有する。
図10は、図8(b)に示す蓋部材40を詳しく説明するための図であり、図10(a)、図10(b)、図10(c)はそれぞれ、図8(b)に示す蓋部材40をA2方向、B2方向、C2方向から見た図、図10(d)は、図10(b)のXd−Xd線断面図、図10(e)は、図10(a)のXe−Xe線断面図、図10(f)は図10(a)のF10部分の拡大図である。
ここで、蓋基部40aおよび操作部40bは、実施形態1の蓋基部20aおよび操作部20bと同一であるが、挿入部40cは、実施形態1の挿入部20cとは異なり、挿入部20cの外周面の周回り設けられた環状凸部42にはスリットが形成されていない。
次に、実施形態2の検体容器2の取り扱い方法について説明する。
図11は、容器本体30に蓋部材40を取り付ける作業を説明するための図であり、図11(a)は、容器本体30の開口部30bに蓋部材40の挿入部40cが挿入された状態を示す断面図であり、図11(b)および図11(c)はそれぞれ、図11(a)のXIb−XIb線断面図およびXIc−XIc線断面図であり、図11(d)および図11(e)はそれぞれ、図11(b)のD11部分の拡大図および図11(c)のE11部分の拡大図である。図12は、容器本体40に蓋部材30が取り付けられた状態を説明するための図であり、図12(a)は、蓋部材30が外れないように容器本体40をシールする位置(第1の位置)で容器本体40に付勢された状態を示す断面図であり、図12(b)および図12(c)はそれぞれ、図12(a)のVb−Vb線断面図およびVc−Vc線断面図であり、図12(d)および図12(e)はそれぞれ、図12(b)のD12部分の拡大図および図12(c)のE12部分の拡大図である。
実施形態2の検体容器2の取り扱い方法は、実施形態1の検体容器1の取り扱い方法と全く同じである。
すなわち、図8(b)に示すように、容器本体30の開口孔30b1から蓋部材40を取り外した状態で、患者から採取した血液を容器本体30に入れ、容器本体30の開口孔30b1に蓋部材40を装着した後、図11(a)〜図11(e)に示すように、蓋部材40の凸部42が容器本体30の凸部31に当接することで手応えが感じられるまで、蓋部材40を容器本体30の開口部30bに押し込む。そして、この状態で、蓋部材40を強く容器本体30に押し込むことで、図12(a)〜図12(e)に示すように、蓋部材40の凸部42が容器本体30の凸部31を乗り越えることとなり、容器本体30と蓋部材40との間がシール部としての凸部42によりシールされた状態となる。このとき、蓋部材40は容器本体30に対して第1の位置にある。
なお、この実施形態2の検体容器2においても、蓋部材40の基準位置P4を蓋基部40aと挿入部40cとの境界とし、容器本体30の基準位置P3を開口部30bの開口端とし、蓋部材40が第1の位置にあるときは、蓋部材40が容器本体30に対して移動可能な方向において、蓋部材40の基準位置P4が容器本体30の基準位置P3と一致するものとする。
この状態では、検体容器2に収容された検体は、検体容器2の外部とは隔離された状態となり、検体を検体容器内に密封した状態で、検体容器2の持ち運びが可能となる。
また、実施形態2の検体容器2においては、検体容器2の内圧が上昇した場合、容器本体30に設けられているスリット31aが、検体容器2の内部の気体を検体容器2から排出するガス抜き通路となる。このため、検体容器2においても、検体容器2の内部圧力の上昇によって蓋部材40が容器本体30から外れることはない。
図13は、検体容器2内のガス抜きが行われる様子を説明するための図であり、図13(a)は、スリットによりガス抜き通路が形成される位置(第2の位置)まで蓋部材40が容器本体30に対して移動した状態を示す断面図であり、図13(b)および図13(c)はそれぞれ、図13(a)のXIIIb−XIIIb線断面図およびXIIIc−XIIIc線断面図であり、図13(d)および図13(e)はそれぞれ、図13(b)のD13部分の拡大図および図13(c)のE13部分の拡大図である。
図12に示すように、蓋部材40が第1の位置にあって検体容器2の内部が密閉された状態で、内部の圧力と外部の圧力との圧力差が一定以上に達することで、蓋部材40と容器本体30とのうちの軟らかい方の部材が変形すると、蓋部材40の環状凸部42と容器本体30の環状凸部31との圧接による反作用が内部圧力に負けて、蓋部材40が容器本体30から外れる方向へ移動する。
これにより、図13(a)に示すように、蓋部材40の環状凸部42が容器本体30の環状凸部31上に乗り上げることとなる。このとき、蓋部材40は容器本体30に対して第2の位置にあり、図13(a)に示すように、蓋部材40の基準位置P4は容器本体30の基準位置P3より容器本体30の外側にずれている。その結果、図13(b)〜図13(e)に示すように、容器本体30の環状凸部31に形成されているスリット31aが、容器本体の内部と容器本体40の外部とを連通させる隙間となる。そして、この隙間がガス抜き通路Ap2の機能を果たし、検体容器2の内部の気体はこの隙間を通ってその外部に排出される。
その結果、検体容器2の内部の気圧が低下し、蓋部材40の環状凸部42と容器本体30の環状凸部31との圧接による反作用が内部圧力に打ち勝つこととなり、これにより、図12(a)に示すように、蓋部材40が容器本体20から外れる方向と逆方向に移動して、容器本体20と蓋部材30との間がシールされた状態(第1の位置)に自動的に再び戻る。
このように、本実施形態2では、実施形態1の検体容器2と同様の効果が得られる。
なお、実施形態2では、容器本体30の凸部31に形成されているスリット31aの幅および深さは、スリット31aを流れるガス流の流れ方向において変化するものではなく一定であり、その底を、凸部31が形成される容器本体30の開口部30bの内周面より嵩上げしたものであるが、スリット31aは、その底を、凸部31が形成される容器本体30の開口部30bの内周面より嵩上げしたものではなく、実施形態1のスリット22a1のように、その底の高さが、凸部31が形成される容器本体30の開口部30bの内周面に一致したものでもよい。さらに、スリット31aは、その幅および深さの少なくとも一方が、実施形態1の蓋部材20の凸部22に形成されているスリット22a2〜22a5と同様に、ガス入口側からガス出口側にかけて増大するものでも減少するものでもよい。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、容器の分野において、容器の内部の圧力がその外部の圧力よりも高くなっても、容器の内外の圧力差に起因して蓋部材が容器本体から外れるのを防止することができる容器、このような容器を構成する容器本体、およびその蓋部材を得ることができるものとして有用である。
1、1a、2 検体容器
10、12、30 容器本体
11、42 凸部(シール部)
20、40 蓋部材
22、31 凸部
22a、22a1〜22a5、31a 通路形成部(スリット)
10、12、30 容器本体
11、42 凸部(シール部)
20、40 蓋部材
22、31 凸部
22a、22a1〜22a5、31a 通路形成部(スリット)
Claims (1)
- 本明細書に記載の発明。
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JP7435081B2 (ja) | 2020-03-16 | 2024-02-21 | 住友ベークライト株式会社 | 理化学用保存容器 |
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