JP2019183718A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化の抑制を図った燃料噴射弁を提供する。【解決手段】燃料噴射弁は、可動プレート60、第2スプリングSP2(弾性部材)、中間プレート30(第1部材)およびオリフィスプレート20(第2部材)を備える。可動プレート60は、制御室Mに配置されて分岐通路孔H4(分岐通路)を開閉する。中間プレート30には、可動プレート60に弾性力を付与する第2スプリングSP2を支持する支持面、第1供給通路孔H1および制御室Mが形成されている。オリフィスプレート20には、中間プレート30の端面に密着して配置され、第2供給通路孔H2および分岐通路孔H4の少なくとも一部が形成されている。さらに中間プレート30には、第1供給通路孔H1および第2供給通路孔H2に接続され、制御室Mの周りに環状に延びる形状の環状溝34が形成されている。【選択図】図3

Description

この明細書における開示は、燃料を噴射する燃料噴射弁に関する。
特許文献1には、燃料を噴射する噴孔へ燃料を供給する供給通路と、供給通路を開閉することで噴孔からの燃料噴射と噴射停止を切り替えるニードル弁と、を備える燃料噴射弁が記載されている。この燃料噴射弁は、供給通路から分岐して流入する燃料の圧力(背圧)をニードル弁の背面に付与させる制御室を備え、制御室への燃料の流出入を制御することで、上記背圧を制御して、ニードル弁の開閉作動を制御している。
さらに上記燃料噴射弁は、制御室に配置されて制御室への燃料流入口を開閉する可動プレートと、可動プレートを閉弁側へ付勢するコイルばね(弾性部材)と、を備える。このコイルばねは、ニードル弁と可動プレートの間に挟持されている。
特開2012−140930号公報
しかしながら、燃料噴射弁の大噴射量化が進むと、ニードル弁に要求される開閉ストローク量が大きくなる。そうすると、ニードル弁と可動プレートの間に挟持されているコイルばねは、開閉ストロークの方向に長大化せざるを得なくなるので、コイルばねの素線径やコイル径を大きくして強度確保せざるを得なくなる。つまり、コイルばねの大型化を招く。したがって、従来の燃料噴射弁では、開閉ストローク量の増大分だけ燃料噴射弁が大型化するに留まらず、コイルばねの大型化の分も燃料噴射弁は大型化してしまう。
開示される1つの目的は、大型化の抑制を図った燃料噴射弁を提供することである。
上記目的を達成するため、開示された1つの態様は、
燃料を噴射する噴孔(40a)と、
噴孔へ燃料を供給する供給通路(H1、H2、H3、34、36)と、
供給通路を開閉することで噴孔からの燃料噴射と噴射停止を切り替える弁体(41)と、
供給通路から分岐する分岐通路(H4)と、
分岐通路と接続され、分岐通路から流入する燃料の圧力を弁体に閉弁側へ付与させる制御室(M)と、
制御室に配置され、分岐通路を開閉する可動プレート(60)と、
弾性変形して生じる弾性力を可動プレートに閉弁側へ付与させる弾性部材(SP2)と、
弾性部材を支持する支持面(33d)、供給通路の一部である第1供給通路孔(H1)、および制御室が形成された第1部材(30)と、
第1部材の端面に密着して配置され、供給通路の一部である第2供給通路孔(H2)および分岐通路の少なくとも一部が形成された第2部材(20)と、
を備え、
第1部材および第2部材のいずれか一方には、第1供給通路孔の開口端および第2供給通路孔の開口端に接続されて供給通路の一部を形成し、制御室の周りに環状に延びる形状の環状溝(34)が形成されている燃料噴射弁とされる。
ここに開示された燃料噴射弁によると、可動プレートに弾性力を付与させる弾性部材を、弁体ではなく第1部材で支持させるので、弁体に要求される開閉ストローク量が大きくなることに伴って弾性部材が開閉ストローク方向に長大化することを、回避できる。したがって、弾性部材の大型化を抑制でき、ひいては燃料噴射弁の大型化を抑制できる。
さて、上述の如く弾性部材を弁体では支持させない構成にすると、その弾性部材を支持させる替わりの部材が必要になる。上記開示の構成に反して上記環状溝を廃止して、第1部材に形成される第1供給通路孔と、第2部材に形成される第2供給通路孔とを直接接続する構成にすると、次の課題が新たに生じる。すなわち、供給通路を流通する燃料の圧力が第1部材および第2部材に偏って付与されてしまうので、これらの部材が歪に変形し、その結果、両通路孔の接続部分のシール性が低下して燃料が漏出しやすくなる。
この課題に対し、本開示の燃料噴射弁では、第1部材および第2部材のいずれか一方に環状溝を形成し、その環状溝により両通路孔を接続する。そのため、供給通路を流通する燃料の圧力が第1部材および第2部材に付与されるにあたり、環状に分散されて付与されることを促進できる。よって、これらの部材が歪に変形することを抑制でき、両通路孔の接続部分のシール性が低下して燃料が漏出しやすくなることを抑制できる。
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
第1実施形態に係る燃料噴射弁の全体図。 図1の拡大図。 図2の拡大図。 図3に示す中間プレートの単体の状態を示す断面図。 図4のV矢視図。 図4のVI矢視図。 第2実施形態に係る中間プレートの上面図。 第2実施形態に係る中間プレートの上面図。 第3実施形態に係る燃料噴射弁の断面図。 第4実施形態に係る燃料噴射弁の断面図。 第5実施形態に係る燃料噴射弁の断面図。 第6実施形態に係る燃料噴射弁の断面図。
以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。
(第1実施形態)
図1に示す燃料噴射弁INJは、車両に搭載された内燃機関の燃焼室へ燃料を噴射するものであり、内燃機関のシリンダヘッドに取り付けられている。この内燃機関は、軽油を燃料とした圧縮自着火式のディーゼルエンジンであり、かつ、燃焼室を複数備えた多気筒エンジンである。当該車両には、燃料を圧縮して吐出する高圧ポンプ(図示せず)と、高圧ポンプから吐出された高圧燃料を蓄圧して複数の燃料噴射弁INJへ分配するコモンレール(図示せず)とが搭載されている。高圧ポンプ、コモンレールおよび複数の燃料噴射弁INJにより燃料噴射システムが提供される。
燃料噴射弁INJは、金属製の本体ボデー10、オリフィスプレート20、中間プレート30、ノズルボデー40、リテーナ50、可動プレート60およびガイドリング70等を備える。概略、本体ボデー10、ノズルボデー40およびリテーナ50は円筒形状であり、オリフィスプレート20および中間プレート30は円柱形状である。オリフィスプレート20は、中心線C方向長さが半径よりも長い厚肉形状である。これに対し中間プレート30は、中心線C方向長さが半径よりも短い薄肉形状である。
図2に示すように、本体ボデー10、オリフィスプレート20、中間プレート30、ノズルボデー40、リテーナ50、可動プレート60およびガイドリング70は、各々の中心線Cが一致するように配置されている。コモンレールから供給される高圧燃料は、ノズルボデー40の先端に形成されている噴孔40aから燃焼室へ噴射される。以下の説明では、図1および図2中の矢印に示すように、燃料噴射弁INJのうち中心線C方向において噴孔40aに近い側を下側、噴孔40aから遠ざかる側を上側と記載する。
リテーナ50の円筒内部において、本体ボデー10、オリフィスプレート20、中間プレート30およびノズルボデー40が中心線C方向に並べて配置されている。詳細には、本体ボデー10とノズルボデー40との間に、オリフィスプレート20および中間プレート30が挟み付けられるように配置されている。
本体ボデー10の外周面に形成されている雄ネジ部10Nと、リテーナ50の内周面に形成されている雌ネジ部50Nとがネジ締結される。ノズルボデー40の係止面40Kがリテーナ50の係止面50Kに当接することで、ノズルボデー40が中心線C方向に移動することが規制されている。このようにリテーナ50の係止面50Kで規制された状態で上記ネジ締結が為されることにより、中心線C方向に互いの部材を押し付け合う軸力を生じさせている。リテーナ50は、中間プレート30およびオリフィスプレート20を円筒内部に収容する円筒形状である。リテーナ50は、その円筒中心線方向(中心線C方向)に中間プレート30およびオリフィスプレート20を互いに押し付け合わせる軸力を生じさせる軸力付与部材を提供する。
この軸力により、本体ボデー10の下側の面とオリフィスプレート20の上側の面とが互いに押し付けられ、オリフィスプレート20の下側の面と中間プレート30の上面31(図3参照)とが互いに押し付けられている。また、上記軸力により、中間プレート30の下面32(図3参照)とノズルボデー40の上側の面とが互いに押し付けられ、ノズルボデー40の係止面40Kがリテーナ50の係止面50Kとが互いに押し付けられている。
本体ボデー10、オリフィスプレート20、中間プレート30およびノズルボデー40には供給通路が形成され、本体ボデー10、オリフィスプレート20および中間プレート30には流出通路が形成されている。供給通路は、コモンレールから分配される高圧燃料を噴孔40aへ供給する通路として機能する。流出通路は、供給された高圧燃料のうち噴孔40aから噴射されずに燃料噴射弁INJから排出される低圧燃料の通路として機能する。
本体ボデー10は、供給通路の一部であるメイン供給通路孔H0と、流出通路の一部である低圧室L2とを有するとともに、図示しない電動アクチュエータを内部に収容する。メイン供給通路孔H0は、本体ボデー10を上下方向に貫通する形状であり、中心線Cに沿って上下方向に延びる形状である。メイン供給通路孔H0のうち燃料流れ方向に対して垂直な断面である通路断面は、円形形状である。メイン供給通路孔H0の上流端H0aには、コモンレールと燃料噴射弁INJとを連結する高圧配管が接続されている。
電動アクチュエータは、電磁コイル、固定コアおよび可動コアを有する。電磁コイルへ通電することに伴い生じる電磁力により、固定コアの吸引面に可動コアが吸引される。可動コアにはピストン11が連結されており、ピストン11の先端には、低圧室L2に配置された制御弁12が取り付けられている。制御弁12には、図示しない弾性部材による弾性力が閉弁側へ付与されている。そして、電磁コイルへ通電すると、制御弁12はピストン11とともに開弁作動し、電磁コイルへの通電を停止させると、制御弁12は弾性力により閉弁作動する。
オリフィスプレート20は、供給通路の一部である第2供給通路孔H2と、流出通路の一部である第1流出通路孔L1および第2流出通路孔(図示せず)と、第2供給通路孔H2から分岐する分岐通路孔H4と、を有する。分岐通路孔H4は、供給通路から分岐する分岐通路として機能する。第2供給通路孔H2、分岐通路孔H4および第1流出通路孔L1は、オリフィスプレート20を上下方向に貫通する形状であり、これらの通路断面形状は円形である。
分岐通路孔H4の下流部分にはオリフィスH4t(絞り部)が形成されている。このオリフィスH4tにより、分岐通路孔H4を流れる高圧燃料の流量は絞られて規定量に制限される。分岐通路孔H4の下流側開口端は、分岐環状溝21に接続されている。分岐環状溝21は、オリフィスプレート20の下面に形成されており、中心線Cの周りに環状に延びる形状である。
第2供給通路孔H2の上流側開口端および分岐通路孔H4の上流側開口端は、メイン供給通路孔H0の下流側開口端に接続されている。これらの開口端は、中心線Cから外れた位置にあるため、これらの開口端の、中心線C周りの周方向位置を一致させるべく、本体ボデー10に対してオリフィスプレート20が回転規制されている。例えば、本体ボデー10およびオリフィスプレート20の各々に係合穴(図示せず)を形成し、それらの係合穴に係合ピン(図示せず)を挿入することで相対回転を規制する。
第1流出通路孔L1の下流部分にはオリフィスL1t(絞り部)が形成されている。このオリフィスL1tにより、第1流出通路孔L1を流れる低圧燃料の流量は絞られて規定量に制限される。第1流出通路孔L1の下流側開口端は、制御弁12により開閉される。
中間プレート30は、供給通路の一部である第1供給通路孔H1と、第1制御室33とを有する。第1供給通路孔H1および第1制御室33は、中間プレート30を上下方向に貫通する形状であり、第1供給通路孔H1の通路断面形状は円形である。第1供給通路孔H1および第1制御室33は、中心線Cに対して平行に延びる形状であり、第1制御室33の中心線は、中間プレート30の中心線Cと一致する。
図4および図5に示すように、第1制御室33は、可動プレート収容室33a、スプリング収容室33bおよび連通孔33cを有する。可動プレート収容室33aは、中間プレート30の上面31に開口して分岐環状溝21と連通し、可動プレート60を内部に収容する。スプリング収容室33bは、可動プレート収容室33aと連通孔33cとを連通させるとともに、コイルスプリングである第2スプリングSP2(弾性部材)を内部に収容する。連通孔33cは、中間プレート30の下面32に開口して、後述する第2制御室Maに接続される。
可動プレート収容室33aの直径は、スプリング収容室33bの直径よりも大きい。したがって、可動プレート収容室33aの内壁面には、中心線Cに対して垂直に拡がる底壁面が形成される。この底壁面は、可動プレート60の下側への移動を規制するストッパ面33eとして機能する。
スプリング収容室33bの直径は、連通孔33cの直径よりも大きい。したがって、スプリング収容室33bの内壁面には、中心線Cに対して垂直に拡がる底壁面が形成される。この底壁面は、第2スプリングSP2の一端を支持する支持面33dとして機能する。第2スプリングSP2の他端は可動プレート60の下面62に当接する。つまり、第2スプリングSP2は、可動プレート60の下面62と支持面33dとの間に挟まれて、中心線C方向に弾性変形する。この弾性変形により生じる弾性力は可動プレート60に付与される。
可動プレート60は、中心線C方向に移動可能な状態で可動プレート収容室33aに配置されている。可動プレート60のシート面61は、分岐環状溝21を開閉するシート面61として機能する。第2スプリングSP2の弾性力により可動プレート60が上側に移動してオリフィスプレート20のシート面61がオリフィスプレート20の下面に密着すると、分岐環状溝21がシート面61により閉塞される。これにより、分岐通路孔H4と第1制御室33との連通が遮断される。可動プレート60が下側に移動してオリフィスプレート20から離れると、分岐環状溝21が開放され、分岐通路孔H4と第1制御室33とが連通した状態になる。
可動プレート60は、可動プレート60を上下方向に貫通する形状の貫通孔63を有する。貫通孔63は中心線Cと同軸に形成されている。貫通孔63にはオリフィス63t(絞り部)が形成されている。このオリフィス63tにより、貫通孔63を流れる燃料の流量は絞られて規定量に制限される。可動プレート60がオリフィスプレート20に当接して分岐環状溝21を閉塞した状態において、貫通孔63は第1流出通路孔L1と連通する。つまり、上記閉塞の状態では、第1制御室33と第1流出通路孔L1とが貫通孔63を介して連通されている。
中間プレート30の上面31には、環状溝34および低圧環状溝35が形成されている。環状溝34は、第2供給通路孔H2の開口端(第2開口端H2a)および第1供給通路孔H1の開口端(第1開口端H1a)に接続されて供給通路の一部を形成する。第2開口端H2aは、第2供給通路孔H2が中心線Cに対して傾いて延びる形状であることに起因して、楕円形状となっている。第1開口端H1aは、第1供給通路孔H1が中心線Cに対して平行に延びる形状であることに起因して、真円形状となっている(図5参照)。
環状溝34は、第1制御室33の周りに環状に延びる形状である。したがって、第2開口端H2aから環状溝34へ流入した高圧燃料は、環状溝34を時計回りと反時計周りの両方向に分岐して流れ、合流した後に第1開口端H1aから流出する。
環状溝34のうち中心線Cを含む平面で切った断面の形状、つまり環状溝34を流通する燃料の流れ方向に対して垂直な断面の形状は、図3および図4に示す如く四角形である。この四角形の通路断面積は、第1開口端H1aの開口面積の0.5倍以上であり、第2開口端H2aの開口面積の0.5倍以上でもある。なお、図3の例では、第2開口端H2aの開口面積は第1開口端H1aの開口面積よりも大きく設定されている。要するに、環状溝34に流入した燃料は2方向に分岐して流通するので、各々の流通路の通路断面積が、開口端H1a、H2aの開口面積以上に設定されていると言える。
図4に示すように、環状溝34は、底壁面34a、内側壁面34bおよび外側壁面34cにより形成され、環状溝34の開口はオリフィスプレート20により閉塞されている。底壁面34aは、中心線Cに対して垂直に拡がる形状である。外側壁面34cは、底壁面34aの外周縁に繋がる面であり、環状溝34の外周側の壁面を形成する。外側壁面34cは、中心線Cに対して平行に拡がる形状、つまり底壁面34aから垂直に立ち上がる形状である。内側壁面34bは、底壁面34aの内周縁に繋がる面であり、環状溝34の内周側の壁面を形成する。内側壁面34bは、底壁面34aの内周縁から環状溝34の開口縁部34kに近づくにつれ中心線Cに近づく向きに傾斜するテーパ形状である。
低圧環状溝35は、第1制御室33の周りに環状に延びる形状であり、図4の例では、環状溝34の外側に配置されている。低圧環状溝35には、オリフィスプレート20に形成された第2流出通路孔(図示せず)の一端が接続され、第2流出通路孔の他端は低圧室L2に接続されている。低圧環状溝35には、環状溝34から漏出した燃料が流入し、その低圧環状溝35に流入した漏出燃料は、第2流出通路孔および低圧室L2を通じて燃料噴射弁INJの外部(燃料タンク)へ流出する。
低圧環状溝35のうち中心線Cを含む平面で切った断面の形状、つまり低圧環状溝35を流通する燃料の流れ方向に対して垂直な断面の形状は、図3および図4に示す如く四角形である。低圧環状溝35の開口はオリフィスプレート20により閉塞されている。なお、環状溝34の断面形状が台形であるのに対し、低圧環状溝35の断面形状は長方形である。
図5に示すように、中間プレート30の上面31は、内側シール面31a、外側シール面31bおよび最外周シール面31cを有する。これらのシール面は、中心線C周りに環状に延びる形状であり、かつ、中心線Cに対して垂直に拡がる平坦形状である。これらのシール面は、オリフィスプレート20の下面に密着する。この密着に係る面圧は、先述したリテーナ50による軸力で発揮される。内側シール面31aは、第1制御室33と環状溝34の間に位置し、第1制御室33と環状溝34との連通を遮断する。外側シール面31bは、環状溝34と低圧環状溝35の間に位置し、環状溝34と低圧環状溝35との連通を遮断する。最外周シール面31cは、低圧環状溝35の外周側に位置し、低圧環状溝35と中間プレート30の外部との連通を遮断する。
中間プレート30の下面32には、下流環状溝36が形成されている。下流環状溝36は、第1供給通路孔H1の下流側開口端H1b、および後述するノズル室H3に接続されて供給通路の一部を形成する。ノズル室H3のうち下流環状溝36と接続される部分は、シリンダ42の周りに環状に延びる形状である。下流側開口端H1bは、第1供給通路孔H1が中心線Cに対して平行に延びる形状であることに起因して、真円形状となっている(図6参照)。
下流環状溝36は、第1制御室33の周りに環状に延びる形状であり、下流環状溝36の開口全体がノズル室H3に接続されている。したがって、下流側開口端H1bから下流環状溝36へ流入した高圧燃料は、下流環状溝36を時計回りと反時計周りの両方向に分岐して流れつつ、下流環状溝36の開口全体からノズル室H3へ流出する。
下流環状溝36のうち中心線Cを含む平面で切った断面の形状、つまり下流環状溝36を流通する燃料の流れ方向に対して垂直な断面の形状は、図3および図4に示す如く四角形(具体的には長方形)である。この四角形の通路断面積は、環状溝34の通路断面積と同様にして、第1開口端H1aの開口面積の0.5倍以上であり、第2開口端H2aの開口面積の0.5倍以上でもある。
図4に示すように、下流環状溝36は、底壁面36a、内側壁面36bおよび外側壁面36cにより形成され、下流環状溝36の開口全体がノズル室H3に接続されている。底壁面36aは、中心線Cに対して垂直に拡がる形状である。外側壁面36cは、底壁面36aの外周縁に繋がる面であり、下流環状溝36の外周側の壁面を形成する。内側壁面36bは、底壁面36aの内周縁に繋がる面であり、下流環状溝36の内周側の壁面を形成する。内側壁面36bおよび外側壁面36cは、中心線Cに対して平行に拡がる形状、つまり底壁面36aから垂直に立ち上がる形状である。
図6に示すように、中間プレート30の下面32は、内側シール面32aおよび外側シール面32bを有する。これらのシール面は、中心線C周りに環状に延びる形状であり、かつ、中心線Cに対して垂直に拡がる平坦形状である。これらのシール面は、ノズルボデー40の上面およびシリンダ42の上面に密着する。この密着に係る面圧は、リテーナ50の軸力で発揮される。内側シール面32aは、下流環状溝36およびノズル室H3と、後述する第2制御室Maとの連通を遮断する。外側シール面32bは、下流環状溝36およびノズル室H3の外周側に位置し、下流環状溝36と中間プレート30の外部との連通を遮断する。
ガイドリング70は、中心線Cと同軸に配置された円筒形状であり、中間プレート30、オリフィスプレート20およびノズルボデー40の外周面と、リテーナ50の内周面との間に配置されている。ガイドリング70の内周面は、中間プレート30の外周面全体、オリフィスプレート20の外周面の一部、およびノズルボデー40の外周面の一部に接触している。これらの接触により、中間プレート30、オリフィスプレート20およびノズルボデー40が互いに径方向へ相対移動することは規制される。
シリンダ42は、中心線Cと同軸に配置された円筒形状であり、ノズル室H3に配置されている。ノズル室H3のうち、シリンダ42の外周面とノズルボデー40の内周面との間の領域は、円筒形状の供給通路を提供する。シリンダ42の円筒内部には、ニードル41(弁体)が摺動可能な状態で配置されている。ニードル41の上端面と、シリンダ42の内周面と、中間プレート30の下面とで囲まれた領域は、第1制御室33と連通する第2制御室Maを提供する。
ニードル41は、ノズル室H3により提供される供給通路を開閉することで、噴孔40aからの燃料噴射と噴射停止を切り替える。第2制御室Maに充填される燃料の圧力はニードル41の上端面に背圧として付与される。この背圧によりニードル41が閉弁側へ押される力は、背圧閉弁力としてニードル41に付与される。第1制御室33から第1流出通路孔L1への流出および分岐通路孔H4から第1制御室33への流入が生じていない定常状態であれば、第1制御室33の燃料圧力と第2制御室Maの燃料圧力とは同一である。第1制御室33および第2制御室Maにより制御室Mが提供される。
第1スプリングSP1は、ノズル室H3に配置されたコイルスプリングである。第1スプリングSP1の下端はニードル41の係止部41a(図2参照)に支持され、第1スプリングSP1の上端はシリンダ42の円筒下端面に支持されている。第1スプリングSP1は、シリンダ42と係止部41aとの間に挟み込まれて中心線C方向に弾性変形し、
弾性力(弾性閉弁力)をニードル41に閉弁側へ付与する。
ニードル41は、ノズル室H3に充填されている高圧燃料の圧力を開弁側に受ける。この圧力による開弁力を燃圧開弁力と呼ぶ。したがって、ニードル41には、ノズル室H3の高圧燃料による燃圧開弁力、制御室Mの背圧による背圧閉弁力、および第1スプリングSP1による弾性閉弁力が付与される。
先述した電動アクチュエータに通電して制御弁12を開弁作動させると、第1制御室33の燃料は、貫通孔63および第1流出通路孔L1を通じて低圧室L2へ流出する。これにより、背圧が低下して背圧閉弁力が低下し、ニードル41が開弁作動する。可動プレート60は、可動プレート60の上面側の燃料と下面側の燃料との圧力差による開弁力(差圧開弁力)と、第2スプリングSP2による弾性力(弾性閉弁力)とのバランスにより、開閉作動する。背圧閉弁力が低下している状況下では、差圧開弁力が小さくなるので、可動プレート60はオリフィスプレート20に密着して分岐環状溝21を閉塞する。
一方、電動アクチュエータへの通電を停止させて制御弁12を閉弁作動させると、差圧開弁力が大きくなることに起因して、可動プレート60はオリフィスプレート20から離れて分岐環状溝21を開放する。そのため、分岐通路孔H4および分岐環状溝21を通じて高圧燃料が第1制御室33へ流入する。詳細には、可動プレート収容室33aのうち中間プレート30の上面31側へ、分岐環状溝21から高圧燃料が流入する。その後、可動プレート60の貫通孔63と後述する隙間を通じて、上面31側の高圧燃料は下面32側へ流れ、スプリング収容室33bおよび連通孔33cを通じて第2制御室Maへ流入する。これにより、背圧が上昇して背圧閉弁力が上昇し、ニードル41が閉弁作動する。上記隙間は、可動プレート収容室33aの内周面と可動プレート60の外周面との径方向における隙間である。
なお、ニードル41が開弁してから閉弁するまでの時間を、電動アクチュエータへの通電時間により制御して、1回の開弁により噴射される燃料の噴射量が制御される。ニードル41の開弁リフト量には制限がなく、想定される通電時間の最大時間であっても、ニードル41がシリンダ42や中間プレート30に当接しないように設定されている。要するに、本実施形態に係る燃料噴射弁INJは、通電時間が長いほどニードル41のリフトアップ量(開弁ストローク量)が長くなるフライングニードル式である。
以下、上述した構成を備えることによる作用効果について説明する。
本実施形態に係る燃料噴射弁INJは、可動プレート60に弾性力を付与させる第2スプリングSP2を中間プレート30の支持面33dで支持させる。この構造に反し、第2スプリングSP2をニードル41で支持させる構造の場合には以下の課題が生じる。すなわち、上述したフライングニードル式であることに起因して、大噴射量化を図ろうとするとニードル41の開閉ストローク量が大きくなる。そうすると、第2スプリングSP2が中心線C方向に長大化することになる。その場合には、第2スプリングSP2の素線の直径やコイル径を大きくして、第2スプリングSP2の強度を確保せざるを得なくなる。つまり、スプリングSP2をニードル41で支持させる構造の場合には、大噴射量化に伴い第2スプリングSP2の大型化を招く。
この課題に対し、本実施形態では、中間プレート30の支持面33dで第2スプリングSP2を支持させるので、ニードル41に要求される開閉ストローク量が大きくなることに伴って第2スプリングSP2が中心線C方向に長大化することを、回避できる。したがって、第2スプリングSP2の大型化を抑制でき、ひいては燃料噴射弁INJの大型化を抑制できる。
さらに本実施形態では、中間プレート30に環状溝34が形成され、その環状溝34により第2供給通路孔H2と第1供給通路孔H1とが接続される。そのため、第2供給通路孔H2から第1供給通路孔H1へ流入する部分での燃料圧力が中間プレート30へ付与されるにあたり、その燃料圧力は環状に分散されて付与されるようになる。よって、上記燃料圧力によって中間プレート30が歪に変形することを抑制でき、図4中の矢印Yに示すように均等に変形することが促進される。そのため、オリフィスプレート20と中間プレート30とを軸力で密着させることによる両プレート間のシール性が、中間プレート30の歪な変形に起因して低下することを抑制できる。
さらに本実施形態では、第2供給通路孔H2と第1供給通路孔H1とが直接接続されるのではなく、環状溝34を介して接続される。本実施形態に反して両通路孔が直接接続される場合には、両通路孔の中心線C周りの周方向位置を一致させることが要求される。この周方向位置がずれると圧力損失が生じる。燃料噴射弁INJの個体間バラツキに起因して上記位置ずれの度合は異なるので、圧力損失の大きさに個体間バラツキが生じる。これに対し本実施形態では、環状溝34を介して接続されるので、第2供給通路孔H2と第1供給通路孔H1との接続ずれに起因した圧力損失の個体間バラツキを抑制できる。
さらに本実施形態では、第2供給通路孔H2と第1供給通路孔H1とが環状溝34を介して接続されることに起因して、両通路の周方向位置を一致させることが不要になるので、中間プレート30を中心線C周りに位置決めするように固定することを不要にできる。そのため、中間プレート30を位置決めする構造、例えばピンで係止させる構造を不要にできる。
ここで、第2開口端H2aから環状溝34へ流入した高圧燃料は、環状溝34を時計回りと反時計周りの両方向に分岐して流れる。そのため、環状溝34の通路断面積を第2供給通路孔H2の通路断面積と同等以上にするには、上記両方向のうちの一方における環状溝34の通路断面積は、第2供給通路孔H2の開口面積の0.5倍以上であることを要する。この点を鑑みた本実施形態では、環状溝34により形成される通路の通路断面積は、第2供給通路孔H2の開口面積の0.5倍以上である。よって、上記両方向を合わせた環状溝34の通路断面積を、第2供給通路孔H2の通路断面積と同等以上にすることができ、環状溝34で流量が絞られることを抑制できる。
さらに本実施形態では、環状溝34により形成される通路の通路断面積は、第1供給通路孔H1の開口面積の0.5倍以上であるため、環状溝34で流量が絞られることをより一層抑制できる。
さらに本実施形態では、環状溝34の内周側の壁面を形成する内側壁面34bは、環状溝の底壁面34aから開口縁部34kに近づくにつれ環状の中心に近づく向きに傾斜するテーパ形状である。これによれば、中間プレート30のうち可動プレート収容室33aと環状溝34との間の径方向寸法(肉厚)に関し、中心線C方向のうち底壁面34aの位置における肉厚L(図4参照)を大きくできる。そのため、肉厚Lが大きくなった分だけ、可動プレート収容室33aの内周面33fが軸力や燃料圧力の影響で変形することを抑制できる。よって、可動プレート収容室33aと可動プレート60との隙間を高精度で形成することができる。
さらに本実施形態では、リテーナ50およびガイドリング70を備える。リテーナ50は、中心線C方向にオリフィスプレート20および中間プレート30を互いに押し付け合わせる軸力を生じさせる。ガイドリング70は、中間プレート30の外周面およびオリフィスプレート20の外周面と、リテーナ50の内周面との間に配置される円筒形状である。ガイドリング70の内周面が、中間プレート30の外周面およびオリフィスプレート20の外周面に当接することで、中心線C方向に対して垂直な方向(つまり径方向)に、オリフィスプレート20および中間プレート30が互いに相対移動することを規制する。
ここで、リテーナ50は軸力を生じさせる機能を有するため、その軸力によりリテーナ50の変形は大きくなりやすい。そのため、本実施形態に反してガイドリング70を廃止し、リテーナ50でガイドリング70の機能を発揮させようとすると、上記規制を高精度で実現させることは困難である。よって、オリフィスプレート20および中間プレート30の径方向への位置ずれを十分に低減できない。これに対し本実施形態では、リテーナ50とは別部材であるガイドリング70でオリフィスプレート20および中間プレート30の径方向への位置ずれを十分に低減でき、その結果、第2供給通路孔H2と環状溝34との径方向への位置ずれを十分に低減できる。
さらに本実施形態では、ガイドリング70の内周面が、中間プレート30の外周面およびオリフィスプレート20の外周面に当接することに加え、ノズルボデー40の外周面にも当接する。そのため、ガイドリング70は、オリフィスプレート20および中間プレート30の相対移動規制に加え、中間プレート30およびノズルボデー40の相対移動をも規制する。よって、下流環状溝36とノズル室H3との径方向への位置ずれについても十分に低減できる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、中間プレート30に形成されている第1供給通路孔H1の数は1つである。これに対し本実施形態では、複数の第1供給通路孔H1が中間プレート30に形成されている。図7は、第1供給通路孔H1が4つ形成されている場合における本実施形態の一例を示し、図8は、第1供給通路孔H1が5つ形成されている場合における本実施形態の一例を示す。また、第1供給通路孔H1のうち環状溝34に接続される複数の開口端(第1開口端H1a)は、周方向において等間隔に配置されている。
以上により、本実施形態によれば、第1供給通路孔H1は複数形成され、環状溝34に接続される複数の第1開口端H1aは、環状溝34が延びる方向(周方向)において等間隔に配置されている。そのため、第1開口端H1aにある高圧燃料から中間プレート30が圧力を受けるにあたり、等間隔の複数箇所で圧力を受けるようになる。よって、中間プレート30が燃料圧力を受けて変形する際に均等に変形することを促進できる。
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、ガイドリング70の内周面を、オリフィスプレート20、中間プレート30およびノズルボデー40の各々の外周面に接触させて、径方向へ互いに相対移動することを規制している。換言すれば、ガイドリング70は、オリフィスプレート20、中間プレート30およびノズルボデー40の各々の中心線Cを一致させている。
これに対し本実施形態では、図9に示すように、オリフィスプレート20の下端から中間プレート30の側へ延びる円筒形状のガイド部22が、オリフィスプレート20に設けられている。ガイド部22の円筒中心軸はオリフィスプレート20の中心線Cと一致する。ガイド部22の円筒内部(凹部22a)には中間プレート30が挿入され、中間プレート30の外周面の一部が凹部22aの内周面と接触している。これにより凹部22aは、中間プレート30が径方向へ移動することを規制する。
なお、本実施形態に係るガイドリング70は、中間プレート30およびノズルボデー40の各々について、径方向へ互いに相対移動することを規制しており、オリフィスプレート20の外周面とは接触していない。
要するに、本実施形態では、オリフィスプレート20と中間プレート30との径方向への相対移動規制については、オリフィスプレート20の凹部22aに中間プレート30を挿入することで実現させている。中間プレート30とノズルボデー40との径方向への相対移動規制については、ガイドリング70で実現させている。
(第4実施形態)
本実施形態では、上記第3実施形態に係るガイド部22をさらに下方へ延長させており、図10に示すように、中間プレート30の全体とノズルボデー40の一部が凹部22aに挿入されている。そのため、オリフィスプレート20、中間プレート30およびノズルボデー40の全てについて、径方向への相対移動が凹部22aにより規制されている。なお、本実施形態ではガイドリング70が廃止されている。
(第5実施形態)
本実施形態では、上記第3実施形態に係るガイド部22がオリフィスプレート20に設けられることに加え、図11に示すように、ノズルボデー40の上端から中間プレート30の側へ延びる円筒形状のガイド部43が、ノズルボデー40に設けられている。ガイド部43の円筒中心軸はノズルボデー40の中心線Cと一致する。ガイド部43の円筒内部(凹部43a)には中間プレート30が挿入され、中間プレート30の外周面の一部が凹部43aの内周面と接触している。これにより凹部43aは、中間プレート30が径方向へ移動することを規制する。なお、本実施形態ではガイドリング70が廃止されている。
要するに、本実施形態では、オリフィスプレート20と中間プレート30との径方向への相対移動規制については、上記第3実施形態と同様にして、オリフィスプレート20の凹部22aに中間プレート30を挿入することで実現させている。中間プレート30とノズルボデー40との径方向への相対移動規制については、ノズルボデー40の凹部43aに中間プレート30を挿入することで実現させている。
(第6実施形態)
本実施形態では、図12に示すように、中間プレート30の上端からオリフィスプレート20の側へ延びる円筒形状のガイド部37と、中間プレート30の下端からノズルボデー40の側へ延びる円筒形状のガイド部38が、中間プレート30に設けられている。これらのガイド部37、38の円筒中心軸は中間プレート30の中心線Cと一致する。ガイド部37、38の円筒内部である凹部37a、38aには、オリフィスプレート20およびノズルボデー40の各々が挿入されている。そのため、オリフィスプレート20、中間プレート30およびノズルボデー40の全てについて、径方向への相対移動が凹部37a、38aにより規制されている。なお、本実施形態ではガイドリング70が廃止されている。
(他の実施形態)
以上、本開示の複数の実施形態について説明したが、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
上記各実施形態では、第2供給通路孔H2および第1供給通路孔H1に接続される環状溝34が中間プレート30(第1部材)に形成されているが、当該環状溝はオリフィスプレート20(第2部材)に形成されていてもよい。
上記第1実施形態に係る第2開口端H2aは楕円形状であるが、真円形状であってもよい。また、上記第1実施形態に係る第1開口端H1aは真円形状であるが、楕円形状であってもよい。
図9の例では、オリフィスプレート20、中間プレート30およびノズルボデー40の3部品について径方向に位置規制するにあたり、オリフィスプレート20にガイド部22を設け、ガイド部22とガイドリング70とで位置規制を実現させている。これに対し、上記ガイド部22の替わりにノズルボデー40にガイド部43を設け、ガイド部43とガイドリング70とで位置規制を実現させてもよい。
上記第2実施形態では、第1供給通路孔H1が複数形成されている一方で第2供給通路孔H2は1つである。これに対し、第2供給通路孔H2についても、第1供給通路孔H1と同様にして複数形成されていてもよい。その場合には、複数の第2開口端H2aは、周方向において等間隔に配置されていることが望ましい。また、第2供給通路孔H2および第1供給通路孔H1の両方が複数形成されていてもよく、その場合には、両方の通路孔の数が同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上記第1実施形態では、環状溝34により形成される通路の通路断面積は、第2供給通路孔H2の開口面積の0.5倍以上であるが、0.5倍未満であってもよい。上記第1実施形態では、環状溝34の内側壁面34bはテーパ形状であるが、外側壁面34cと同様にしてストレート形状であってもよい。
図9および図10に示す実施形態では、オリフィスプレート20(第2部材)に凹部22aが形成されており、その凹部22aに中間プレート30(第1部材)が挿入されている。そして、凹部22aを形成するガイド部22により中間プレート30が径方向に規制されている。これに対し、中間プレート30(第1部材)に凹部が形成されており、その凹部にオリフィスプレート20(第2部材)が挿入されていてもよい。この場合、その凹部を形成するガイド部によりオリフィスプレート20が径方向に規制されることになる。
20 第2部材、 22a 凹部、 30 第1部材、 33d 支持面、 34 供給通路、 34 環状溝、 34a 底壁面、 34b 内側壁面、 34k 開口縁部、 36 供給通路、 40a 噴孔、 41 弁体、 50 軸力付与部材、 60 可動プレート、 70 ガイドリング、 H1 供給通路、 H1 第1供給通路孔、 H2 供給通路、 H2 第2供給通路孔、 H3 供給通路、 H4 分岐通路、 L1、L2 流出通路、 M 制御室、 SP2 弾性部材、 INJ 燃料噴射弁。

Claims (6)

  1. 燃料を噴射する噴孔(40a)と、
    前記噴孔へ燃料を供給する供給通路(H1、H2、H3、34、36)と、
    前記供給通路を開閉することで前記噴孔からの燃料噴射と噴射停止を切り替える弁体(41)と、
    前記供給通路から分岐する分岐通路(H4)と、
    前記分岐通路と接続され、前記分岐通路から流入する燃料の圧力を前記弁体に閉弁側へ付与させる制御室(M)と、
    前記制御室に配置され、前記分岐通路を開閉する可動プレート(60)と、
    弾性変形して生じる弾性力を前記可動プレートに閉弁側へ付与させる弾性部材(SP2)と、
    前記弾性部材を支持する支持面(33d)、前記供給通路の一部である第1供給通路孔(H1)、および前記制御室が形成された第1部材(30)と、
    前記第1部材の端面に密着して配置され、前記供給通路の一部である第2供給通路孔(H2)および前記分岐通路の少なくとも一部が形成された第2部材(20)と、
    を備え、
    前記第1部材および前記第2部材のいずれか一方には、前記第1供給通路孔の開口端および前記第2供給通路孔の開口端に接続されて前記供給通路の一部を形成し、前記制御室の周りに環状に延びる形状の環状溝(34)が形成されている燃料噴射弁。
  2. 前記環状溝により形成される通路の通路断面積は、前記第1供給通路孔の開口面積または前記第2供給通路孔の開口面積の0.5倍以上である請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記環状溝の内周側の壁面を形成する内側壁面(34b)は、前記環状溝の底壁面(34a)から開口縁部(34k)に近づくにつれ環状の中心に近づく向きに傾斜するテーパ形状である請求項1または2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記第2供給通路孔は複数形成され、
    前記第2供給通路孔のうち前記環状溝に接続される複数の開口端は、前記環状溝が延びる周方向において等間隔に配置されている請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
  5. 前記第1部材および前記第2部材を円筒内部に収容する円筒形状であり、円筒中心線方向に前記第1部材および前記第2部材を互いに押し付け合わせる軸力を生じさせる軸力付与部材(50)と、
    前記第1部材の外周面および前記第2部材の外周面と、前記軸力付与部材の内周面との間に配置される円筒形状であり、前記円筒中心線方向に対して垂直な方向に、前記第1部材および前記第2部材が互いに相対移動することを規制するガイドリング(70)と、
    を備える請求項1〜4のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
  6. 前記第2部材および前記第1部材の一方の部材は、他方の部材が挿入される凹部(22a)を有し、
    前記凹部は、前記第1部材が前記第2部材と密着する方向に対して垂直な方向へ、前記他方の部材が移動することを規制する請求項1〜4のいずれか1つに記載の燃料噴射弁。
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