JP2019181538A - レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法 - Google Patents

レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接部の溶け込み深さを精度良く測定できるようにする。【解決手段】レーザ光Lと、レーザ光Lとは波長の異なる測定光Sとを同軸に重ね合わせて溶接部35に照射する。このとき、レーザ光L及び測定光Sの照射位置を、溶接方向に対して前後に往復移動するように変化させる。そして、測定光Sの前後方向の往復移動中に溶接部35の溶け込み深さを複数回測定し、複数の測定値に基づいて、溶け込み深さを判定する。【選択図】図4

Description

本発明は、レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法に関するものである。
従来より、溶接部の溶け込み深さを直接測定することで、溶接部の品質を評価するようにしたレーザ溶接装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、レーザ光と測定光とを同軸上に重ね合わせて溶接部のキーホール内部に照射して、キーホールの底部で反射した測定光を、ビームスプリッタを介して光干渉計に入射させるようにした構成が開示されている。ここで、光干渉計では、測定光の光路長を測定できるため、測定した光路長からキーホールの深さを、溶接部の溶け込み深さとして特定するようにしている。
特開2012−236196号公報
しかしながら、例えば、ビームスプリッタが熱によって歪んでしまい、レーザ光と測定光との光軸ずれが生じた場合には、キーホールの深さを正確に特定することができなくなるおそれがある。
具体的に、キーホールの底部の断面は、溶接方向の前方の部分で溶け込みが浅い湾曲形状となっている。ここで、レーザ光よりも溶接方向の前方に測定光が光軸ずれした場合には、キーホールの最深部ではなく、最深部よりも溶け込みの浅い湾曲部分に測定光が照射されることとなる。そのため、キーホールの実際の最深部よりも浅い深さが測定されてしまうおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、溶接部の溶け込み深さを精度良く測定することができるようにすることにある。
本発明は、レーザ光で溶接部を溶接するレーザ溶接装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記レーザ光と、該レーザ光とは波長の異なる測定光とを同軸に重ね合わせて前記溶接部に照射する照射部と、
前記測定光の照射位置を、溶接方向に対して前後に往復移動するように変化させる照射位置変化部と、
前記照射部から照射されて前記溶接部で反射した前記測定光に基づいて、該溶接部の溶け込み深さを測定する測定部と、
前記測定光の前後方向の往復移動中に前記測定部で測定された複数の測定値に基づいて、前記溶接部の溶け込み深さを判定する判定部とを備えたことを特徴とするものである。
第1の発明では、測定光の照射位置を、溶接方向に対して前後に往復移動するように変化させている。そして、測定光の前後方向の往復移動中に溶接部の溶け込み深さを複数回測定し、複数の測定値に基づいて、溶け込み深さを判定するようにしている。
これにより、レーザ光と測定光との光軸ずれが生じた場合でも、溶接部の溶け込み深さを精度良く測定することができる。
具体的に、レーザ光よりも溶接方向の前方に測定光が光軸ずれした場合には、溶接部のキーホールの最深部ではなく、最深部よりも溶け込みの浅い部分に測定光が照射されてしまい、キーホールの実際の最深部よりも浅い深さが測定されてしまう。
そこで、測定光の照射位置を、溶接方向に対して前後に往復移動させながら溶け込み深さの測定を行うことで、キーホールの最深部に測定光が照射されるように探索して、レーザ光と測定光との光軸ずれの影響を抑えることができる。そして、例えば、複数の測定値のうち最も大きな値、複数の測定値の平均値、複数の測定値のうち下位数%の平均値などを、最深部の溶け込み深さとして判定すればよい。
また、測定光とともにレーザ光を前後方向に往復移動させながら照射すれば、キーホールの底部を攪拌させて溶け込み深さを平均化させることができる。これにより、高品質に安定して、レーザ加工中の溶融池のキーホール深さを測定することができる。
第2の発明は、第1の発明において、
前記照射位置変化部は、前記照射部を溶接方向に対して前後に往復移動させるように構成されていることを特徴とするものである。
第2の発明では、例えば、照射部が取り付けられたロボットの動作を制御して、照射部を前後方向に往復移動させることで、測定光の照射位置を変化させることができる。
第3の発明は、第1の発明において、
前記照射位置変化部は、所定の回転中心周りに前記測定光の照射位置を旋回移動させるように構成されていることを特徴とするものである。
第3の発明では、例えば、照射部に設けられた平行平板を回転させ、所定の回転中心周りに測定光の照射位置を旋回移動させることで、測定光の照射位置を変化させることができる。
第4の発明は、レーザ光で溶接部を溶接するレーザ溶接方法であって、
前記レーザ光と、該レーザ光とは波長の異なる測定光とを同軸に重ね合わせて前記溶接部に照射するステップと、
前記測定光の照射位置を、溶接方向に対して前後に往復移動するように変化させるステップと、
前記溶接部で反射した前記測定光に基づいて、該溶接部の溶け込み深さを測定するステップと、
前記測定光の前後方向の往復移動中に測定された複数の測定値に基づいて、前記溶接部の溶け込み深さを判定するステップとを備えたことを特徴とするものである。
第4の発明では、測定光の照射位置を、溶接方向に対して前後に往復移動するように変化させている。そして、測定光の前後方向の往復移動中に溶接部の溶け込み深さを複数回測定し、複数の測定値に基づいて、溶け込み深さを判定するようにしている。
これにより、レーザ光と測定光との光軸ずれが生じた場合でも、溶接部の溶け込み深さを精度良く測定することができる。
本発明によれば、溶接部の溶け込み深さを精度良く測定することができる。
本実施形態に係るレーザ溶接装置の模式図である。 レーザ照射ヘッドの構成を示す模式図である。 レーザ光、測定光、キーホールの位置関係を示す側面断面図である。 測定光の光軸ずれが生じたときのレーザ光、測定光、キーホールの位置関係を示す側面断面図である。 測定光の照射位置の軌跡を示す側面図である。 光軸ずれが生じているときに、測定光を前後に往復移動させた場合とさせなかった場合とで、溶け込み深さの測定結果を比較したグラフ図である。 光軸ずれが生じていない場合と、光軸ずれが生じており且つ測定光を前後に往復移動させた場合とで、溶け込み深さの測定結果を比較したグラフ図である。 溶接部の溶け込み深さの測定動作を示すフローチャート図である。 本変形例に係る測定光の照射位置の軌跡を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1に示すように、レーザ溶接装置10は、レーザ光Lを出力するレーザ発振器11と、測定光Sを出力する光干渉計12と、レーザ光L及び測定光Sを溶接対象物30に向けて照射するレーザ照射ヘッド20(照射部)と、レーザ照射ヘッド20が取り付けられてレーザ照射ヘッド20を移動させるロボット18と、レーザ照射ヘッド20やロボット18の動作を制御してレーザ溶接を行う制御装置16とを備えている。
レーザ発振器11は、制御装置16からの指令に基づいて、レーザ光Lを出力する。レーザ発振器11とレーザ照射ヘッド20とは、光ファイバ19で接続されている。レーザ光Lは、光ファイバ19を介して、レーザ発振器11からレーザ照射ヘッド20に伝送される。
光干渉計12は、レーザ光Lとは波長の異なる測定光Sを出力する測定光発振器13と、後述する溶接部35の溶け込み深さを測定する測定部14とを有する。測定光発振器13は、制御装置16からの指令に基づいて、測定光Sを出力する。光干渉計12とレーザ照射ヘッド20とは、光ファイバ19で接続されている。測定光Sは、光ファイバ19を介して、光干渉計12からレーザ照射ヘッド20に伝送される。
レーザ照射ヘッド20は、ロボット18のアーム先端部分に取り付けられており、制御装置16からの指令に基づいて、レーザ光L及び測定光Sを溶接対象物30で結像する。
ロボット18は、制御装置16からの指令に基づいて、レーザ照射ヘッド20を指定された位置まで移動させ、レーザ光L及び測定光Sを走査する。
制御装置16は、レーザ発振器11、光干渉計12、ロボット18と接続されており、レーザ照射ヘッド20の移動速度の他に、レーザ光Lの出力開始や停止、レーザ光Lの出力強度などを制御する機能も備えている。詳しくは後述するが、制御装置16は、測定部14で測定された複数の測定値に基づいて、溶接部35の溶け込み深さを判定する判定部17を有する。
溶接対象物30は、上下に重ね合わされた上側金属板31と下側金属板32とを有する。レーザ溶接装置10は、上側金属板31の上面にレーザ光Lを照射することで、上側金属板31と下側金属板32とを溶接する。
ここで、本実施形態に係るレーザ溶接装置10では、レーザ溶接と同時に溶接部35の溶け込み深さの測定を行うことができるようになっている。
具体的に、図2に示すように、レーザ照射ヘッド20は、レーザ光Lが通過する第1のコリメートレンズ21及び第1のフォーカスレンズ22と、測定光Sが通過する第2のコリメートレンズ23及び第2のフォーカスレンズ24と、レーザ光Lと測定光Sとを同軸の光束に結合するビームスプリッタ25と、第1の平行平板26と、第2の平行平板27とを有する。
ビームスプリッタ25は、ダイクロイックミラーであり、レーザ発振器11からのレーザ光Lを透過し、光干渉計12からの測定光Sを反射するように、透過・反射させる波長が設定されている。
このとき、ビームスプリッタ25で、レーザ光Lと測定光Sとを十分に分離するために、レーザ光Lと測定光Sとの波長差を100nm以上とすることが望ましい。
第1の平行平板26及び第2の平行平板27は、図示しないモータに接続され、制御装置16からの指令に従って回転する。
レーザ発振器11から出力されたレーザ光Lは、光ファイバ19を通ってレーザ照射ヘッド20に送られる。レーザ照射ヘッド20に入ったレーザ光Lは、第1のコリメートレンズ21によって平行化され、第1のフォーカスレンズ22によって集光される。第1のフォーカスレンズ22で集光されたレーザ光Lは、ビームスプリッタ25を透過する。
一方、光干渉計12から出力された測定光Sは、光ファイバ19を通ってレーザ照射ヘッド20に送られる。レーザ照射ヘッド20に入った測定光Sは、第2のコリメートレンズ23によって平行化され、第2のフォーカスレンズ24によって集光される。その後、測定光Sは、ビームスプリッタ25によって、レーザ光Lと同心・同軸上に重ね合わされる。
なお、第2のフォーカスレンズ24は、溶接部35から反射した測定光Sを、ビームスプリッタ25を介して、光干渉計12に再度、入射させる機能も有している。
そして、同軸に重ね合わされたレーザ光Lと測定光Sとは、制御装置16によって制御された第1の平行平板26及び第2の平行平板27を通ることによって、レーザ光L及び測定光Sの照射位置(焦点距離)が決定され、溶接対象物30の溶接部35にレーザ光L及び測定光が照射される。
このとき、レーザ照射ヘッド20は、第1の平行平板26及び第2の平行平板27を回転させることにより、レーザ光Lと測定光Sとが円軌道となるように回転させ、旋回移動させることができる。つまり、第1の平行平板26及び第2の平行平板27は、レーザ光L及び測定光Sの照射位置を変更可能な照射位置変化部を構成している。
また、ロボット18によって、レーザ照射ヘッド20を移動させることで、溶接対象物30における溶接領域において、レーザ光L及び測定光Sの照射位置を移動させることができる。つまり、ロボット18は、レーザ光L及び測定光Sの照射位置を変更可能な照射位置変化部を構成している。
図3に示すように、レーザ溶接装置10では、上側金属板31と下側金属板32とを有する溶接対象物30の溶接部35を溶接するにあたり、溶接対象物30の上方から上側金属板31の上面にレーザ光Lが照射される。
レーザ光Lの照射された溶接部35は、その上部から溶融し、溶接部35に溶融池36が形成される。溶接部35が溶融する際に、溶融池36から溶融金属が蒸発し、蒸発時に生じる蒸気の圧力によってキーホール37が形成される。ここでは、溶融池36とキーホール37とを合わせて溶接部35として扱う。溶融池36の溶接方向の後方には、溶融池36が凝固することで凝固部38が形成される。
このとき、光干渉計12から出射される測定光Sが、ビームスプリッタ25により、レーザ発振器11からのレーザ光Lと同心・同軸上に重ね合わされ、キーホール37の内部に照射される。照射された測定光Sは、キーホール37の底部37aで反射し、ビームスプリッタ25を介して、光干渉計12に入射する。
光干渉計12に入射した測定光Sの光路長は、測定部14で測定される。測定部14では、測定した光路長からキーホール37の深さを、溶接部35の溶け込み深さとして特定する。レーザ溶接装置10では、特定した溶け込み深さに基づいて、溶接部35の良否を判断するようにしている。
以上の構成により、レーザ溶接装置10は、溶け込み深さ測定機能と、レーザ溶接機能とを同時に行うことを可能とする。
ところで、例えば、ビームスプリッタ25が熱によって歪んでしまい、レーザ光Lと測定光Sとの光軸ずれが生じることがある。そして、レーザ光Lと測定光Sとの光軸ずれが生じた場合には、光干渉計12が、キーホール37の深さを実際の深さよりも浅く測定してしまい、溶け込み深さを精度良く測定することができない場合がある。
具体的に、キーホール37は、溶接部35で溶融した金属が蒸発し、蒸発時の蒸気の圧力によって形成される。形成されるキーホール37の形状は、レーザ光Lの照射時間や溶融池36の状態によって変化する。
ここで、キーホール37の溶接方向の前方の内壁部は、レーザ照射ヘッド20の移動速度(溶接速度)が速くなるほど、キーホール37の後方に向かって湾曲した形状となる傾向を示す。そこで、キーホール37の底部37aの湾曲部分の曲率を低減するために、レーザ溶接速度を適切に設定するのが好ましい。
しかしながら、レーザ溶接速度を適切に設定したとしても、キーホール37の開口径と底部37aの孔径とを略等しくするのは困難であり、キーホール37の溶接方向の前方の内壁部では、溶け込みが浅い湾曲形状が生じてしまうこととなる。
そのため、図4の仮想線で示すように、測定光Sが、レーザ光Lに対して溶接方向の前方に位置ずれした場合には、キーホール37の底部37aの位置と、測定光Sのスポットの中心の位置とが一致しなくなり、測定光Sが底部37aに照射されない状態が生じ得る。
底部37aに測定光Sが照射されない状態、例えば、測定光Sが、レーザ光Lに対して溶接方向の前方に位置ずれして、キーホール37の前側の内壁部に測定光Sが照射された状態では、測定光Sの反射した位置を底部37aの位置として、光干渉計12は、キーホール37の深さを測定する。
つまり、底部37aに測定光Sが照射されなければ、光干渉計12は、キーホール37の深さを実際の深さよりも浅く測定してしまう。図4に示す例では、キーホール37の実際の深さDminよりも浅い深さDを測定することとなる。このように、実際の深さよりも浅く測定したキーホール37の深さからは、精度良く溶接部35の検査を行うことはできない。
ここで、光干渉計12が、キーホール37を実際の深さよりも浅く測定するのを抑えるためには、的確に測定光Sを底部37aに照射する必要がある。そこで、以下に、的確に測定光Sを底部37aに照射するための構成を説明する。
図5に示すように、レーザ溶接装置10は、溶接対象物30に対して、レーザ光L及び測定光Sを照射しながら溶接方向に相対的にビームスポットを移動させることで、溶接対象物30を溶接する。そして、レーザ溶接中に、レーザ照射ヘッド20を溶接方向に対して前後に往復移動させるように、ロボット18の動作を制御する。
具体的に、図5で左端側の第1の位置P1にレーザ照射ヘッド20が位置している状態から、第1の位置P1よりも溶接方向の前方の第2の位置P2に向かって、矢印(1)で示すようにレーザ照射ヘッド20を前進させながら、レーザ光L及び測定光Sを溶接対象物30に照射する。
そして、第2の位置P2にレーザ照射ヘッド20が位置している状態から、第1の位置P1に向かって、矢印(2)で示すようにレーザ照射ヘッド20を後進させながら、レーザ光L及び測定光Sを溶接対象物30に照射する。
次に、第1の位置P1にレーザ照射ヘッド20が位置している状態から、第2の位置P2よりも溶接方向の前方の第3の位置P3に向かって、矢印(3)で示すようにレーザ照射ヘッド20を前進させながら、レーザ光L及び測定光Sを溶接対象物30に照射する。
そして、第3の位置P3にレーザ照射ヘッド20が位置している状態から、第2の位置P2に向かって、矢印(4)で示すようにレーザ照射ヘッド20を後進させながら、レーザ光L及び測定光Sを溶接対象物30に照射する。
次に、第2の位置P2にレーザ照射ヘッド20が位置している状態から、第3の位置P3よりも溶接方向の前方の第4の位置P4に向かって、矢印(5)で示すようにレーザ照射ヘッド20を前進させながら、レーザ光L及び測定光Sを溶接対象物30に照射する。
そして、第4の位置P4にレーザ照射ヘッド20が位置している状態から、第3の位置P3に向かって、矢印(6)で示すようにレーザ照射ヘッド20を後進させながら、レーザ光L及び測定光Sを溶接対象物30に照射する。
最後に、第3の位置P3にレーザ照射ヘッド20が位置している状態から、第4の位置P4に向かって、矢印(7)で示すようにレーザ照射ヘッド20を前進させながら、レーザ光L及び測定光Sを溶接対象物30に照射する。
このように、測定光Sの照射位置を、溶接方向に対して前後に繰り返し往復移動するように変化させることで、キーホール37の底部37aの探索を行うようにしている。そして、測定光Sの前後方向の往復移動中に溶接部35の溶け込み深さを複数回測定し、複数の測定値に基づいて、溶け込み深さを判定するようにしている。
このように、レーザ光L及び測定光Sの照射位置を、溶接方向に対して前後に往復移動させながら、キーホール37に測定光Sを照射すれば、略確実に、底部37aに測定光Sが照射されることとなる。このため、測定光Sのスポットの中心と底部37aとが一致しない場合でも、測定光Sを底部37aに照射することが可能となる。
なお、図5に示す例では、測定光Sの前後方向の往復移動を、矢印(1)〜(7)の順に行うようにしたが、測定光Sをキーホール37の底部37aに照射できるのであれば、往復移動の順番や回数を特に限定するものではない。
以下、測定光Sを前後方向に往復移動させた場合とさせなかった場合とで、溶接部35の溶け込み深さ、つまり、キーホール37の深さの測定値がどのように変化するのかについて説明する。
図4に示す例では、上側金属板31の板厚が1mm、下側金属板32の板厚が4.3mmであり、測定光Sの光軸が、レーザ光Lの光軸よりも溶接方向の前方に100μmずれているものとする。
図6は、溶接対象物30の表面又は基準となる仮想の面からの、溶接部35の溶け込み深さとして、キーホール37の深さを測定したときのグラフ図である。図6に示すように、測定光Sを前後方向に往復移動させなかった場合には、キーホール37の深さの測定値が3mm付近を推移している。これに対し、測定光Sを前後方向に往復移動させた場合には、キーホール37の深さの測定値が4mm付近を推移している。
このことから、測定光Sを前後方向に往復移動させた場合の方が、前後方向に往復移動させなかった場合に比べて、キーホール37の測定値が大きい、つまり、キーホール37の底部37aの深い位置まで探索できていることが分かる。なお、図6の測定値のグラフは、測定光Sの前後方向への往復移動中に複数回測定した測定値のうち、下位数%の測定値を抽出して、その移動平均値を示している。
なお、下位数%の測定値を抽出するとは、溶接部35の溶け込み深さを複数回測定し、溶け込み深さの測定値の最深部側を下位側として、最も深い側の数%の範囲の測定値を抽出し、その平均値としての移動平均値を算出することをいう。
図7では、光軸ずれが生じていない場合と、光軸ずれが生じており且つ測定光Sを前後方向に往復移動させた場合とで、溶接部35の溶け込み深さ、つまり、キーホール37の深さの測定値を比較している。
図7に示すように、光軸ずれが生じていない場合には、キーホール37の深さの測定値が4mm付近を推移している。一方、測定光Sを前後方向に往復移動させた場合にも、キーホール37の深さの測定値が4mm付近を推移している。つまり、測定光Sを前後方向に往復移動させた場合には、光軸ずれが生じていない場合のキーホール37の底部37aの深さと、略同じ深さまで探索できていることが分かる。
以下、溶接部35の溶け込み深さの測定動作について、図8のフローチャート図を用いて説明する。図8に示すように、まず、ステップS101では、レーザ照射ヘッド20においてレーザ光Lと測定光Sとを同軸に重ね合わせて溶接部35に照射し、ステップS102に進む。
ステップS102では、レーザ光L及び測定光Sの照射位置を、溶接方向に対して前後に往復移動させ、ステップS103に進む。
ステップS103では、測定部14が、溶接部35で反射した測定光Sに基づいて、溶接部35の溶け込み深さを測定し、ステップS104に進む。
ステップS104では、判定部17が、測定光Sの前後方向への往復移動中に測定された複数の測定値が所定の閾値の範囲外であるかを判定する。ステップS104での判定が「YES」の場合には、測定値が異常であると判断して、ステップS105に分岐する。ステップS104での判定が「NO」の場合には、ステップS106に分岐する。
ここで、所定の閾値は、例えば、レーザ光Lの出力や溶接速度に応じて予め決定される溶け込み深さを示す値であり、言い換えると、予め実験等により求めた、レーザ光Lの出力や溶接速度に応じた溶け込み深さとしてのキーホール37の深さの値であり、判定部17にテーブルとして記憶されている。
そして、測定値が閾値の範囲外、つまり、測定値が閾値から大きく乖離している場合には、溶け込み深さを正確に測定できていないと判断する。これにより、閾値から大きく乖離している異常値を、キーホール37の最深部の測定値であると誤って特定してしまうのを抑えることができる。
ステップS105では、図示しない表示モニタに測定値の異常を警告するメッセージを表示する等、ユーザーに異常を報知して、処理を終了する。
ステップS106では、判定部17が、測定光Sの前後方向への移動中に測定された複数の測定値に基づいて、溶接部35の溶け込み深さを特定して、処理を終了する。例えば、複数の測定値のうち、キーホール37の深さが浅い測定値を除いて、キーホール37の深さが所定値よりも大きな下位数%の測定値を抽出して、その平均値を算出することで、溶け込み深さを判定する。これにより、複数の測定値のばらつきを抑えて、溶接部35の溶け込み深さを精度良く特定することができる。
なお、複数の測定値間でばらつきがそれほど生じていないのであれば、複数の測定値のうち最も大きい値や、複数の測定値の平均値を、溶接部35の溶け込み深さと判定するようにしてもよい。
《変形例》
本実施形態では、ロボット18の動作を制御して、レーザ照射ヘッド20を溶接方向に対して前後に往復移動させるようにしたが、この形態に限定するものではなく、例えば、第1の平行平板26及び第2の平行平板27の回転角度を調整することで、測定光Sの照射位置を変化させてもよい。
具体的に、図9に示す例では、レーザ光Lの光軸よりも溶接方向の右斜め前方に測定光Sの光軸がずれているものとする。そして、第1の平行平板26及び第2の平行平板27の回転角度を調整することで、測定光Sの照射位置を、レーザ光Sの光軸を回転中心RCとして、時計回りに180°旋回移動させる(図9の矢印(1)参照)。これにより、測定光Sの照射位置が、レーザ光Lの光軸よりも溶接方向の左斜め後方に移動する。
その後、測定光Sの照射位置を、レーザ光Lの光軸を回転中心RCとして、反時計回りに180°旋回移動させる(図9の矢印(2)参照)。これにより、測定光Sの照射位置が、レーザ光Lの光軸よりも溶接方向の右斜め前方に移動して元の位置に戻る。
このように、測定光Sの照射位置を、回転中心RC周りに繰り返し旋回移動させ、溶接方向に対して前後に往復移動させながら溶け込み深さの測定を行うことで、キーホール37の最深部に測定光Sが照射されるように探索して、レーザ光Lと測定光Sとの光軸ずれの影響を抑えることができる。
以上説明したように、本発明は、溶接部の溶け込み深さを精度良く測定することができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
10 レーザ溶接装置
14 測定部
17 判定部
18 ロボット(照射位置変化部)
20 レーザ照射ヘッド(照射部)
26 第1の平行平板(照射位置変化部)
27 第2の平行平板(照射位置変化部)
35 溶接部
L レーザ光
S 測定光

Claims (4)

  1. レーザ光で溶接部を溶接するレーザ溶接装置であって、
    前記レーザ光と、該レーザ光とは波長の異なる測定光とを同軸に重ね合わせて前記溶接部に照射する照射部と、
    前記測定光の照射位置を、溶接方向に対して前後に往復移動するように変化させる照射位置変化部と、
    前記照射部から照射されて前記溶接部で反射した前記測定光に基づいて、該溶接部の溶け込み深さを測定する測定部と、
    前記測定光の前後方向の往復移動中に前記測定部で測定された複数の測定値に基づいて、前記溶接部の溶け込み深さを判定する判定部とを備えたことを特徴とするレーザ溶接装置。
  2. 請求項1において、
    前記照射位置変化部は、前記照射部を溶接方向に対して前後に往復移動させるように構成されていることを特徴とするレーザ溶接装置。
  3. 請求項1において、
    前記照射位置変化部は、所定の回転中心周りに前記測定光の照射位置を旋回移動させるように構成されていることを特徴とするレーザ溶接装置。
  4. レーザ光で溶接部を溶接するレーザ溶接方法であって、
    前記レーザ光と、該レーザ光とは波長の異なる測定光とを同軸に重ね合わせて前記溶接部に照射するステップと、
    前記測定光の照射位置を、溶接方向に対して前後に往復移動するように変化させるステップと、
    前記溶接部で反射した前記測定光に基づいて、該溶接部の溶け込み深さを測定するステップと、
    前記測定光の前後方向の往復移動中に測定された複数の測定値に基づいて、前記溶接部の溶け込み深さを判定するステップとを備えたことを特徴とするレーザ溶接方法。
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