以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1(A)および図1(B)は、閉鎖型植物工場システムに用いられる栽培ユニット100の構成例を示す側面図および正面図である。閉鎖型植物工場システムは、室内に配置され、植物の育成に必要な環境を人工的に制御し安定的に植物を栽培するシステムである。閉鎖型植物工場システムは、1つまたは複数の栽培ユニット100を含む。
栽培ユニット100は、土台110と、支柱120と、水耕栽培用トレー130と、照明140と、液肥タンク150と、ポンプ・制御装置160とを備えている。
土台110は、植物工場内に固定されている。支柱120は、土台110に固定されており、その内部において液肥を搬送できるように中空となっている。
複数の水耕栽培用トレー(以下、単に、トレーともいう)130は、支柱120に取り付けられた支持部材によって略水平に支持されている。複数のトレー130は、それぞれ栽培ユニット100において複数の段に配置され、液肥を貯留するために用いられる。トレー130は、液肥を貯留し、その上に配置された植物の根を液肥に浸すことができるように構成されている。よって、栽培ユニット100は、トレー130を複数の棚のように配置した多段式水耕栽培棚である。液肥は植物を水耕栽培するために必要な養分を水に溶かした液体である。
照明140は、各トレー130の上方に設けられている。照明140は、トレー130内で栽培されている植物に光を照射するために設けられている。
液肥タンク150は、液肥を格納する。ポンプ・制御装置160は、液肥タンク150内の液肥を、支柱120を介してトレー130へ供給するために設けられている。
このような構成を有する栽培ユニット100を1つまたは複数設置することによって、閉鎖型植物工場システムが構成される。
図2(A)および図2(B)は、水耕栽培用トレー130の構成例を示す平面図および側断面図である。図2(B)は、図2(A)のB−B線に沿った断面を示す。
トレー130は、略方形の底部131と、底部131の周囲の四方において底部131と滑らかに繋がっている側部132とを備えている。側部132は、底部131の周囲に対して略垂直方向に設けられ、その内側に液肥を貯留することができるようになっている。また、トレー130は、植物を整列配置させる植物保持板(図示せず)を収容し、植物を所定の高さに配置可能に構成されている。
底部131の一端には凹部133が設けられている。トレー130を水平に設置したときに、凹部133は、他の底部131よりも幾分低くなっている。凹部133には、排液口135が設けられている。排液口135には、図3を参照して説明する液肥抜き装置1が嵌め込まれ、図2(B)の矢印で示すように、トレー130内の液肥を下方へ流すことができるようになっている。
トレー130の下に流れた液肥は、その下段にあるトレーあるいは液肥タンク150に供給される。即ち、液肥は、図1の液肥タンク150から栽培ユニット100の最上段のトレー130に供給された後、最上段のトレー130から下段のトレー130へ流れ、最終的に液肥タンク150へ戻る。液肥タンク150の液肥は、定期的に交換すればよい。
図3は、本実施形態による液肥抜き装置1の構成例を示す斜視図である。図4は、本実施形態による液肥抜き装置1の構成例を示す透視側面図である。
本実施形態による液肥抜き装置1は、トレー130に設けられた排液口135に嵌め込んで用いられる。液肥抜き装置1は、排液口135からトレー130の下に、植物を育成するための液肥を流しつつ、トレー130内に貯留されている液肥の量を調節する。
液肥抜き装置1は、ドレン管10と、サイフォン管20とを備えている。ドレン管10およびサイフォン管20には、例えば、樹脂等の材料が用いられる。ドレン管10の下端Ebは、トレー130の排液口135に嵌め込み可能であり、中空の筒状に構成されている。ドレン管10の下端Ebをトレー130の排液口135に嵌め込んだ状態において、トレー130内の液肥がドレン管10の上端Etの高さを越えたときに、液肥は、ドレン管10中を通過してトレー130の下へ流れる。従って、液肥の貯留量は、ドレン管10の上端Etの高さで制限され、それ以上に増大しない。これにより、トレー130内の液肥の量の上限が設定される。
例えば、液肥抜き装置1をトレー130の排液口135に嵌め込んだときに、液肥抜き装置1がレベルL130の位置まで差し込まれ、トレー130は液肥抜き装置1のレベルL130の位置にあるものとする。この場合、液肥は、ドレン管10の上端Etを越えたときに、ドレン管10を介してトレー130の下へ流れる。従って、トレー130は、最大で凹部133の底面から高さh1の位置まで液肥を貯留することができる。勿論、ドレン管10の上端Etは、トレー130の側部132よりも低い。
液肥抜き装置1を排液口135に嵌め込むために、ドレン管10の下端Ebの開口の外径は、トレー130の排液口135の径よりも小さい。尚且つ、ドレン管10の上端Etの開口の外径は、トレー130の排液口135の径よりも大きい。これにより、ドレン管10の下端Ebは、排液口135にスムーズに挿入され、かつ、ドレン管10の上端Etは、排液口135から脱落しない。
ドレン管10の外周には、ドレン管10の外周と排液口135との間を液密に密着させるパッキン11が設けられていてもよい。パッキン11は、例えば、ゴム、樹脂等でよい。
サイフォン管20も、ドレン管10と同様に、筒状の部材である。しかし、サイフォン管20は、ドレン管10のように直線状ではなく、逆U形状に屈曲した形状を有する。従って、サイフォン管20を3つの部分21〜23に分けて説明する。
サイフォン管20は、第1部分21と、第2部分22と、第3部分23とを有する。第1部分21は、略直線状の管であり、ドレン管10内に設けられている。第1部分21は、ドレン管10の上端Etの近傍から下端Ebへ向かってドレン管10内を貫通しており、下端Ebから突出している。第1部分21の開口部(流出部)OP1は、ドレン管10の下端Ebをトレー130の排液口135に嵌め込んだ状態において、下方へ向かって開口している。
第2部分22は、ドレン管10の上端Et側で折り返すように逆U形状に屈曲している。第2部分22は、第1部分21と第3部分23との間を連通するように接続されている。ドレン管10の上端Etには、下端Ebへ向かって設けられた切り欠き部12が設けられており、第2部分22は、この切り欠き部12に受容されている。これにより、サイフォン管20の第2部分22は、ドレン管10の上端Etとほぼ同じかそれよりも低い位置に配置される。
第3部分23は、略直線状の管であり、ドレン管10の外側に沿って下端Ebへ向かって延伸している。第3部分23の開口(流入部)OP2は、ドレン管10の下端Ebをトレー130の排液口135に嵌め込んだ状態において、ほぼ鉛直下方へ向かって開口している。
第3部分の開口部OP2は、第1部分21の開口部OP1よりも高い位置にあり、液肥抜き装置1をトレー130の排液口135に嵌め込んだ状態で、トレー130の凹部133の底面に接触する。あるいは、第3部分の開口部OP2は、トレー130の凹部133の底面の直上に位置する。
第1〜第3部分21〜23は、ドレン管10の上端Etとほぼ同じかそれよりも低い位置に設けられている。従って、液肥がドレン管10の上端Etを越えたときに、あるいは、越えるまでに、サイフォン管20内には、空気がほぼ無くなり、液肥はサイフォン管20内に満たされる。即ち、液肥がドレン管10を介してトレー130の排液口135から下方へ流れるまでに、液肥はサイフォン管20内に満たされる。これにより、サイフォン管20は、サイフォンの原理(サイフォン機能)が働き、トレー130内の液肥を開口部OP2から吸い上げ、開口部OP1からトレー130の下へ流す。このとき、電気ポンプや人手は不要であり、液肥がドレン管10の上端Etを越えれば、サイフォン管20において、サイフォンの原理(サイフォン機能)が自然に働く。
サイフォン管20がサイフォンとして機能するために、第1部分21の開口部OP1が、第3部分23の開口部OP2よりも低い位置にあることが好ましい。また、第1〜第3部分21〜23は、気密に連続して繋がっており、気体がサイフォン管20の途中から侵入しないことが好ましい。即ち、サイフォン管20は、開口部OP1から開口部OP2まで気密状態で連続して繋がっている。さらに、トレー130の底部131まで液肥を除くためには、第3部分23の開口部OP2が底部131よりも下に位置することが好ましい。開口部OP2が底部131よりも下に位置することによって、底部131が露出されるまで、サイフォン管20は、液肥をトレー130から排出することができる。これにより、植物の根の全体が空気に触れることができる。
第3部分23は、伸縮自在な蛇腹になっており、その長さを変更することができる。従って、液肥抜き装置1を排液口135に挿入したときに、第3部分23がトレー130の底部131に接触しても、蛇腹が伸縮することによって、液肥抜き装置1またはトレー130が傷ついたり、欠けたりすることを抑制できる。また、第3部分23の開口部OP2が弾性的にトレー130の底部131に接触するので、開口部OP2は、トレー130の底部131にほぼ常時接触している。これにより、液肥抜き装置1がトレー130の排液口135から多少ずれたとしても、トレー130内の液肥を底部131まで排液することができる。さらに、第3部分23の開口部OP2の高さを変更することによって、トレー130内の液肥の量(液面の高さ)を調節することができる。即ち、第3部分23の長さによって、トレー130内に残留させる液肥の量を制御することができる。
第3部分23の開口部OP2には、凹部24が設けられている。凹部24が設けられていることによって、トレー130の底部131に接触したときに、第3部分23の開口部OP2とトレー130の底部131との間に隙間ができる。この隙間によって、サイフォン管20は、所定量の液肥をスムーズに流すことができる。
サイフォン管20の第1部分21の内径φ20は、ドレン管10の内径φ10よりも小さく、サイフォン管20の第1部分21の外面とドレン管10の内面との間には間隙がある。これにより、ドレン管10内にサイフォン管20が設けられているものの、ドレン管10の上端Etを越えた液肥は、サイフォン管20とドレン管10との間の間隙を通ってトレー130の下へ流れることができる。サイフォン管20が詰まったとしても、ドレン管10から液肥が流れるので、液肥がトレー130から溢れることを抑制できる。
このように、本実施形態による液肥抜き装置1は、非常にシンプルな構成を有し、かつ、電源が不要である。また、トレー130内の液肥を自動で抜くことができるので、手間がかからない。さらに、ポンプ・制御装置160は、栽培ユニット100に1つ設ければ足りる。従って、栽培ユニット100を小型化かつ省電力化することができる。つまり、本実施形態によれが、栽培ユニット100や閉鎖型植物工場システムを、低コストかつシンプルな構成で実現することができる。
(動作について)
本実施形態による液肥抜き装置1をトレー130に適用することによって、以下のような水耕栽培が可能になる。
図5は、本実施形態による液肥抜き装置1を用いた栽培ユニット100の動作例を示すフロー図である。
まず、ポンプ・制御装置160が液肥を最上段のトレー130に供給する(S10)。トレー130には、液肥抜き装置1が排液口135に取り付けられている。従って、液肥がドレン管10の上端Etを越えると、ドレン管10を介して液肥がトレー130の下へ流れる。それとともに、サイフォン管20においてサイフォン機能が働き、液肥がサイフォン管20を介してトレー130の下へ流れる(S20)。ポンプ・制御装置160は、液肥がドレン管10の上端Etまで供給された時点で停止する(S30)。
液肥がドレン管10の上端Etを下回ると、ドレン管10からの液肥の流れは停止する。一方、サイフォン管20におけるサイフォン機能は、液肥の液面が第3部分の開口部OP2を下回るまで継続する(S40)。従って、液肥がドレン管10の上端Etを下回っても、サイフォン管20は、液肥をトレー130の下へ流し続ける。
液肥の液面が第3部分の開口部OP2を下回ると、サイフォン管20におけるサイフォン機能は停止し、液肥の流れは止まる(S50)。このとき、液肥は、トレー130の底部131まで排液されているので、植物の根は露出され、充分に空気に触れることができる。
ポンプ・制御装置160は、液肥の供給を停止してから所定時間経過後に再度、液肥の供給を開始する(S60)。液肥の供給を停止してから次の液肥の供給を開始するまでの時間は、液肥抜き装置1がトレー130の液肥を排液する時間と、植物の根を露出する時間との和に設定すればよい。
液肥抜き装置1がトレー130の液肥を排液する時間は、サイフォン管20から流れる液肥の流量によって決まる。サイフォン管20から流れる液肥の流量は、サイフォン管20の内径φ20あるいは凹部24の大きさ(深さおよび幅)によって決まる。サイフォン管20から流れる液肥の流量を調節することによって、植物の根がトレー130内において液肥に浸漬している時間を調節することができる。
排液口135から下へ流れた液肥は、下段のトレー130に供給される。液肥抜き装置1は、下段のトレー130にも取り付けられており、同様に機能する。
最下段のトレー130は、液肥を液肥タンク150に戻す。液肥タンク150の液肥は、再利用される(S70のNO)。一方、液肥タンク150の液肥は、繰り返し利用すると養分が減少し、あるいは、劣化する。従って、液肥タンク150の液肥は、定期的に交換される(S70のYES)。
このように、栽培ユニット100は、植物の根を液肥に浸漬することと、空気へ接触させることとを繰り返すことができる。換言すると、植物の根は、液肥に浸漬しつつ、間欠的に空気に触れることができる。これにより、水耕栽培であっても、土耕栽培と同様に、植物の根を充分に成長させ、植物を充分に大きく成長させることができる。
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態による液肥抜き装置2の構成例を示す斜視図である。液肥抜き装置2は、第1実施形態による液肥抜き装置1と同様に、トレー130に設けられた排液口135に嵌め込んで用いられる。液肥抜き装置2は、排液口135からトレー130の下に、植物を育成するための液肥を流しつつ、トレー130内に貯留されている液肥の量を調節する。
液肥抜き装置2は、第1配管部201と、第2配管部202とを備えている。第1配管部201は、その下端がトレー130の排液口135に嵌め込み可能な円筒形状を有する。第1配管部201は、上端開口部OP10および下端開口部OP20を有するほぼ中空の円筒形である。これにより、第1配管部201内には、第2配管部202が挿入可能となっている。また、第1配管部201は、その側部にスリットSTを有する。スリットSTは、第1配管部201の上端開口部OP10から下端開口部OP20へ向かうD1方向(縦方向)へ延伸しており、細長い方形あるいは楕円形を有する。尚、D1方向は、液肥抜き装置2を排液口135に嵌め込んだときに、液肥の流れる方向(略鉛直方向)である。
第2配管部202は、上端開口部OP10から第1配管部201内へ挿入可能であり、あるいは、上端開口部OP10から抜去することができる。また、第2配管部202は、第1配管部201に対して相対的にD1方向に移動可能となっている。
図7(A)は、液肥抜き装置2の下端開口部OP20側から見た斜視図である。図7(B)は、液肥抜き装置2の上端開口部OP10側から見た斜視図である。図7(A)および図7(B)は、第2配管部202が第1配管部201に対して、D1方向の下方へ幾分移動した状態を示している。
第1配管部201は、スリットSTと、ガイドGD2と、開口部OP30とを備えている。スリットSTは、上述の通り、第1配管部201の側部に設けられており、D1方向に細長の形状を有する。第1配管部201の下端を排液口135に嵌め込んだ状態において、スリットSTは、液肥を第1配管部201の外部から内部へ流入させることができる。
ガイドGD2は、スリットSTよりも下方に設けられ、第1配管部201の内面から第2配管部202の側面へ向かってD1方向に対して略垂直方向へ突出している。ガイドGD2は、第2配管部202の第2間隙G2にほぼ隙間無く嵌まっており、かつ、その第2間隙G2に沿って摺動可能なように設けられている。これにより、第2配管部202が第1配管部201に対してD1方向に移動しても、ガイドGD2は、スリットSTから流入した液肥がそのままトレー130の下へ流れ落ちないようにせき止めることができる。即ち、スリットSTから第1配管部201へ流入した液肥は、第2配管部202の第2間隙G2を伝ってトレー130の下へ落ちないようになっている。
流入部としての開口部OP30は、スリットSTよりも下方の第1配管部201の側部に設けられ、スリットSTとは別にトレー130内の液肥を第1配管部201内へ流入させる。開口部OP30は、後述するサイフォン部と連通しており、サイフォン機能でトレー130内の液肥を吸い上げる。第2実施形態のサイフォン部の構成については後で説明する。
一方、第2配管部202は、第1配管部201内に挿入され、第1配管部201に対してD1方向に相対的に移動可能となっている。第2配管部202は、ドレン管210と、仕切り板220と、サイフォン管230とを備えている。
ドレン管210は、第2配管部202の中心部に設けられた中空の管である。スリットSTから流入する液肥がドレン管210の上端Etの高さを越えたとき、ドレン管210は、図7(B)の矢印A1で示すように、液肥を下方へ流す。ドレン管210は、図7(A)に示すように、第2配管部202の下端Ebへ貫通しているので、ドレン管210に流入した液肥は、トレー130の下へ流れる。このように、液肥の貯留量は、ドレン管210の上端Etの高さで制限され、それ以上に増大しない。これにより、トレー130内の液肥の量の上限が設定される。
仕切り板220は、ドレン管210の周囲に設けられ、ドレン管210の側壁から放射状に突出するフィン形状を有する。また、仕切り板220は、D1方向にドレン管210の上端Etから下端Ebまでドレン管210のほぼ全長に亘って延伸している。仕切り板220は、第1配管部201の内壁とドレン管210の外壁との間の間隙を第1間隙G1と第2間隙G2とに分ける。従って、第1および第2間隙G1、G2の数は、仕切り板220の数によって変わる。仕切り板220の数が2つである場合、第1および第2間隙G1、G2は、1つずつとなり、計2つとなる。仕切り板220の数が4つである場合、第1および第2間隙G1、G2は、2つずつとなり、計4つとなる。仕切り板220の数が6つである場合、第1および第2間隙G1、G2は、3つずつとなり、計6つとなる。第1および第2間隙G1、G2の総数は、仕切り板220の数と等しくなる。仕切り板220の数は、特に限定しないが、少なくとも2つ以上である。
第1間隙G1は、開口部OP30およびサイフォン管230に連通している間隙(溝)である。第1間隙G1には、サイフォン管230が設けられている。第2間隙G2は、スリットSTおよびガイドGD2に対応しており、スリットSTに面しかつガイドGD2を受容する間隙(溝)である。サイフォン管230は、サイフォン機能を用いて、開口部OP30から第1間隙G1を通って第1間隙G1で吸い上げられた液肥をトレー130の下へ流す。サイフォン管230は、ドレン管210とは連通しておらず、ドレン管210とは別に液肥を流す。サイフォン管230のより詳細な構成は、図9(A)および図9(B)を参照して後で説明する。
第2実施形態において、第1および第2間隙G1、G2は、ドレン管210の周囲に3つずつ設けられており、円周方向に交互に設けられている。従って、第1間隙G1の両側には、第2間隙G2が設けられており、第2間隙G2の両側には、第1間隙G1が設けられている。
図8(A)〜図8(C)は、第1配管部201の構成例を示す斜視図である。図8(A)および図8(C)は、上端開口部OP10側から見た斜視図である。図8(B)は、下端開口部OP20側から見た斜視図である。
第1配管部201は、上端開口部OP10および下端開口部OP20を有するほぼ中空の円筒である。第1配管部201をトレー130の排液口135に嵌め込むと、開口部OP3は、トレー130の底面よりも上に配置されるように設けられている。開口部OP3は、サイフォン機能を用いて、できるだけトレー130の底面近傍まで液肥を排出するために、トレー130の底面の直上に配置されることが好ましい。第2実施形態では、3つの開口部OP3が、第1配管部201の周囲のほぼ同一の高さ位置において、第1配管部201の円周方向に略均等配置されている。
スリットSTは、開口部OP3よりも上方に設けられており、第2配管部202の上端Etの移動範囲に亘ってD1方向に細長く形成されている。第2実施形態では、3つのスリットSTが、第1配管部201の周囲のほぼ同一の高さ位置において、第1配管部201の円周方向に略均等配置されている。ただし、開口部OP3は、第2配管部202の第1間隙G1に対応しており、スリットSTは、第2配管部202の第2間隙G2に対応して設けられている。従って、スリットSTおよび開口部OP3は、第1配管部201の円周方向に互い違いにずれて配置されている。
図8(B)および図8(C)に示すように、3つのガイドGD2は、各スリットSTの直下において、第1配管部201の内壁からその中心へ向かって突出している。ガイドGD2は、第2配管部202の第2間隙G2に嵌まり、第2配管部202が第1配管部201に対してD1方向へ移動することを可能にしている。また、ガイドGD2は、第2配管部202が第1配管部201の内部で回転することを抑制している。さらに、ガイドGD2は、スリットSTから流入する液肥がそのままトレー130の下へ流出することを抑制する機能も兼ね備えている。
図8(B)および図8(C)に示すように、ガイドGD2とは別に、3つのガイドGD1が、各開口部OP3の直下において、第1配管部201の内壁からその中心へ向かって突出している。ガイドGD1は、第2配管部202の第1間隙G1に嵌まり、第2配管部202がD1方向へ移動することを可能にしている。また、ガイドGD1は、第2配管部202が第1配管部201の内部で回転することを抑制している。さらに、ガイドGD1は、開口部OP3から流入する液肥がそのままトレー130の下へ流出することを抑制する機能も兼ね備えている。尚、第1間隙G1にはサイフォン管230が設けられるため、ガイドGD1は、第1配管部201の内壁からその中心方向(D1に対して垂直方向)への幅(高さ)において、ガイドGD2よりも小さい。
ガイドGD1、GD2は、第2配管部202の第1および第2間隙G1、G2のそれぞれに対応して配置されている。従って、ガイドGD1、GD2は、第1配管部201の円周方向に互い違いにずれて配置されている。第1配管部201を上方または下方から見たときに、ガイドGD1とガイドGD2は、仕切り板220がD1方向に通過可能なように離間している。
図9(A)および図9(B)は、第2配管部202の構成例を示す斜視図である。図9(A)は、上端Et側から見た斜視図である。図9(B)は、下端Eb側から見た斜視図である。
第2配管部202は、中心に上端Etから下端Ebまで延伸するドレン管210を有し、かつ、ドレン管210の周囲にフィン形状を有する仕切り板220を有する。仕切り板220は、ドレン管210の側壁に対して略垂直方向に放射状に突出しており、かつ、上端Etから下端Ebに亘ってD1方向に設けられている。また、第2実施形態においては、6つの仕切り板220が、ドレン管210の円周方向に略均等配置されている。
図9(B)に示す第2配管部202の底面を参照すると、仕切り板220がドレン管210の周囲に略均等配置されていることが分かる。仕切り板220は、ドレン管210の周囲に第1および第2間隙G1、G2を形成する。また、仕切り板220は、側壁235とともにサイフォン管230を構成する。側壁235は、第1間隙G1において隣接する仕切り板220間に円周方向に設けられ、第1間隙G1とサイフォン管230との間に設けられている。
第2配管部202が第1配管部201の上端の開口部OP1から挿入されると、仕切り板220は、図8(B)および図8(C)に示すガイドGD1とGD2との間に差し込まれる。このとき、ガイドGD1は、第1間隙G1に沿って進入し、ガイドGD2は、第2間隙G2に沿ってD1方向に進入する。図8(C)に示すように、ガイドGD1は、第1配管部201の内壁からその中心方向への幅(高さ)において、ガイドGD2よりも小さい。また、図9(B)に示すように、第1間隙G1は、第2間隙G2よりもサイフォン管230の分だけ(側壁235の位置まで)浅くなっている。これにより、ガイドGD1、GD2は、それぞれ第1および第2間隙G1、G2に正しく進入し、第2配管部202を第1配管部201に対して正しい位置で案内することができる。第2配管部202を第1配管部201に挿入したときに、仕切り板220の外端部は、第1配管部201の内壁に接するか若干離間するように構成されている。
図9(A)に示すように、第2配管部202の上端Etには、蓋部240が設けられている。蓋部240は、ドレン管210を塞ぐことなく第1および第2間隙G1、G2の上端を塞ぎ、かつ、第1配管部201の内壁に接するか若干離間するように構成されている。これにより、第2配管部202が第1配管部201に対してD1方向に移動するとき、蓋部240および仕切り板220の外縁が第1配管部201の内壁面を摺動する。また、このとき、ガイドGD1、GD2は、それぞれ第1および第2間隙G1、G2に挿入され、第2配管部202の内壁面に接するか若干離間する。よって、ガイドGD1、GD2の外縁は、第2配管部202の内壁面を摺動する。
さらに、図9(A)に示すように、サイフォン管230の上端は、蓋部240の直下において第1間隙G1に連通している。即ち、サイフォン管230と第1間隙G1は、側壁235によって分離されているが、上端Et近傍において開口部OP40を介して繋がっている。これにより、矢印Aで示すように、サイフォン機能によって第1間隙G1で吸い上げられた液肥は、開口部OP30からサイフォン管230へ入り、サイフォン管230を伝ってトレー130の下へ流れることができる。
第1間隙G1およびサイフォン管230がサイフォン機能を奏するためには、サイフォン管230の上端の開口部OP40は、ドレン管210の上端Etよりも低い位置にある必要がある。これにより、液肥がドレン管210の上端Etまで溜まったときに第1間隙G1およびサイフォン管230は液肥で満たされ得る。また、サイフォン管230の下端Ebの開口(流出部)は、開口部OP3よりも低い位置にある。これにより、第1間隙G1およびサイフォン管230が液肥で満たされると、サイフォン機能が働く。即ち、開口部OP3から流入した液肥は、第1間隙G1から開口部OP40まで吸い上げられ、図9(A)の矢印Aに示すように開口部OP40からドレン管210へ入り、ドレン管210を伝って下端Ebの開口からトレー130の下へ流れ出る。尚、第1間隙G1は、第2配管部202の内壁と協働して配管を構成し、サイフォン機能を発揮する。
ここで、第2配管部202に対する第1配管部201のD1方向の高さ位置は、トレー130内に貯留する液肥の上限を決定する。例えば、図10(A)および図10(B)は、第2実施形態による液肥抜き装置2の縦断面図である。図10(A)および図10(B)は、第1配管部201を第2配管部202に挿入した状態を示している。図10(A)は、第2配管部202の蓋部240が第1配管部201の上端の開口部OP1の近傍に位置している状態を示す。即ち、図10(A)は、図1の10−10線に沿った断面に相当する。図10(B)は、第2配管部202の蓋部240を第1配管部201の下端の開口部OP2へ向かって押し込んだ状態を示す。図10(A)および図10(B)の左側には、第1間隙G1、開口部OP3およびサイフォン管230が示されている。それらの右側には、第2間隙G2およびスリットSTが示されている。尚、トレー130や液肥の図示は省略している。
図10(A)に示すように、第2配管部202の蓋部240が第1配管部201の上端の開口部OP1の近傍に位置している場合、蓋部240の位置がスリットSTの上端よりも高い位置にある。この場合、トレー130内に溜める液肥の上限は、Lim1となる。液肥の液面が上限値Lim1を超えると、矢印A10に示すように、液肥は、ドレン管210を介してトレー130の下へ排出される。
また、液肥の液面が上限値Lim1に近付くと、第1間隙G1およびサイフォン管230内に液肥が満たされる。これにより、サイフォン機能が働き、矢印A11に示すように、液肥は開口部OP30から第1間隙G1内に吸い上げられ、サイフォン管230を伝ってトレー130の下へ排出される。サイフォン機能は、一旦作用し始めると、空気が開口部OP30から入るまで継続される。
尚、ガイドGD1と第1配管部201は、接触しているかあるいは僅かに離間している。蓋部240と第2配管部202も、接触しているかあるいは僅かに離間している。しかし、多少隙間があったとしても、液肥がガイドGD1と第1配管部201との間および蓋部240と第2配管部202との間に毛細管現象によって入り込む。このため、サイフォン機能が作用している期間、空気は、第1間隙G1あるいはサイフォン管230へ入り込まない。従って、サイフォン機能は、空気が開口部OP30から入るまで継続される。
図10(B)に示すように、第2配管部202が第1配管部201の下端の開口部OP2へ押し込まれると、蓋部240の位置がスリットSTの下端に近付く。この場合、トレー130内に溜める液肥の上限は、蓋部240の位置応じて決定され、Lim2となる。液肥の液面が上限値Lim2を超えると、矢印A12に示すように、液肥は、スリットSTおよびドレン管210を介してトレー130の下へ排出される。
また、液肥の液面が上限値Lim2に近付くと、第1間隙G1およびサイフォン管230内に液肥が満たされる。これにより、サイフォン機能が働き、矢印A13に示すように、液肥は開口部OP30から第1間隙G1内に吸い上げられ、サイフォン管230を伝ってトレー130の下へ排出される。この場合も、サイフォン機能は、一旦作用し始めると、空気が開口部OP30から入るまで継続される。
このように、第2実施形態による液肥抜き装置2は、第2配管部202に対する第1配管部201の蓋部240の位置を設定することによって、トレー130内の液肥の上限値を設定することができる。また、液肥抜き装置2は、第2配管部202に対する第1配管部201の蓋部240がいずれの位置にあっても、サイフォン機能を作用させることができる。
第2配管部202を第1配管部201の下端の開口部OP2へさらに押し込むと、蓋部240は、ガイドGD1、GD2に当接する。これにより、第2配管部202は、第1配管部201に対して停止し、それ以上、第1配管部201の下端の開口部OP2側へ押し込むことはできなくなる。その結果、第2配管部202が第1配管部201の下端開口部OP2から脱落することを防止できる。
第1間隙G1およびサイフォン管230は、ドレン管210の上端よりも低い位置に設けられている。従って、液肥がドレン管210の上端を越えたときに、あるいは、越える直前に、第1間隙G1およびサイフォン管230内には、空気がほぼ無くなり、液肥は第1間隙G1およびサイフォン管230内に満たされる。即ち、液肥が上限値Lim1またはLim2を越えたときに、あるいは、越える直前に、液肥は第1間隙G1およびサイフォン管230内に満たされる。これにより、第1間隙G1およびサイフォン管230は、サイフォン機能により、トレー130内の液肥を開口部OP30から吸い上げ、サイフォン管230からトレー130の下へ流す。このとき、電気ポンプや人手は不要であり、液肥が第1間隙G1およびドレン管210の上端を越えれば、サイフォン機能が自然に働く。
第1間隙G1およびドレン管210がサイフォンとして機能するために、ドレン管210の下端が、開口部OP30よりも低い位置にあることが好ましい。また、第1間隙G1およびドレン管210は、気密に連続して繋がっており、気体が第1間隙G1およびドレン管210の途中から侵入しないことが好ましい。即ち、開口部OP30およびサイフォン管230は、開口部OP30からサイフォン管230の下端まで気密状態で連続して繋がっている。さらに、図2のトレー130の底部131まで液肥を除くためには、開口部OP30が凹部133よりも上にあり、かつ、底部131よりも下に位置することが好ましい。開口部OP30が底部131よりも下に位置することによって、底部131が露出されるまで、第1間隙G1およびドレン管210は、液肥をトレー130から排出することができる。これにより、植物の根の全体が空気に触れることができる。
第2実施形態によれば、第1配管部201の上端の開口部OP1または蓋部240(ドレン管210の上端)を越えた液肥は、ドレン管210を通ってトレー130の下へ流れることができる。よって、第1間隙G1またはサイフォン管230が詰まったとしても、ドレン管210から液肥が流れるので、液肥がトレー130から溢れることを抑制できる。
図11は、第2実施形態による液肥抜き装置2を用いた栽培ユニット100の動作例を示すフロー図である。
まず、ポンプ・制御装置160が液肥を最上段のトレー130に供給する(S11)。トレー130には、液肥抜き装置2が排液口135に取り付けられている。従って、液肥が上限値Lim1またはLim2を越えると、ドレン管210を介して液肥がトレー130の下へ流れる。それとともに、第1間隙G1およびサイフォン管230においてサイフォン機能が働き、液肥がサイフォン管230を介してトレー130の下へ流れる(S21)。ポンプ・制御装置160は、液肥が上限値Lim1またはLim2まで供給された時点で液肥の供給を停止する(S31)。
液肥が上限値Lim1またはLim2を下回ると、ドレン管210からの液肥の流れは停止する。一方、サイフォン管230におけるサイフォン機能は、液肥の液面が開口部OP30を下回るまで継続する(S41)。従って、液肥が上限値Lim1またはLim2を下回っても、サイフォン管230は、液肥をトレー130の下へ流し続ける。
液肥の液面が開口部OP30を下回ると、サイフォン管230におけるサイフォン機能は停止し、液肥の流れは止まる(S51)。このとき、液肥は、トレー130の底部131まで排液されているので、植物の根は露出され、充分に空気に触れることができる。
ポンプ・制御装置160は、液肥の供給を停止してから所定時間経過後に再度、液肥の供給を開始する(S61)。液肥の供給を停止してから次の液肥の供給を開始するまでの時間は、液肥抜き装置2がトレー130の液肥を排液する時間と、植物の根を露出する時間との和に設定すればよい。
液肥抜き装置1がトレー130の液肥を排液する時間は、サイフォン管230から流れる液肥の流量によって決まる。サイフォン管230から流れる液肥の流量は、第1間隙G1またはサイフォン管230の内径によって決まる。第1間隙G1またはサイフォン管230から流れる液肥の流量を調節することによって、植物の根がトレー130内において液肥に浸漬している時間を調節することができる。
排液口135から下へ流れた液肥は、下段のトレー130に供給される。液肥抜き装置2は、下段のトレー130にも取り付けられており、同様に機能する。
最下段のトレー130は、液肥を液肥タンク150に戻す。液肥タンク150の液肥は、再利用される(S71のNO)。一方、液肥タンク150の液肥は、繰り返し利用すると養分が減少し、あるいは、劣化する。従って、液肥タンク150の液肥は、定期的に交換される(S71のYES)。
このように、栽培ユニット100は、植物の根を液肥に浸漬することと、空気へ接触させることとを繰り返すことができる。換言すると、植物の根は、液肥に浸漬しつつ、間欠的に空気に触れることができる。これにより、水耕栽培であっても、土耕栽培と同様に、植物の根を充分に成長させ、植物を充分に大きく成長させることができる。
このように、第2実施形態による液肥抜き装置2は、非常にシンプルな構成を有し、かつ、電源が不要である。また、トレー130内の液肥を自動で抜くことができるので、手間がかからない。従って、第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
尚、ドレン管210は、複数に分割してもよい。また、第1および第2間隙G1、G2の数も、上述の通り特に限定しない。ガイドGD1、GD2は、第1および第2間隙G1、G2に対応させて構成すればよい。
(変形例1)
図12は、第1実施形態の変形例1による液肥抜き装置1の構成例を示す断面図である。変形例1では、サイフォン管20がドレン管10内において片側に偏在している点で第1実施形態と異なる。変形例1のように、サイフォン管20は、ドレン管10の中心に位置せず、片側に偏在していてもよい。変形例1のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。従って、変形例1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(変形例2)
図13は、第1実施形態の変形例2による液肥抜き装置1の構成例を示す断面図である。変形例2では、サイフォン管20のうち、第2部分22および第3部分23が複数に分割されている。複数の第2および第3部分22、23は、ドレン管10内において共通の第1部分21に接続されている。第1部分21は、第1実施形態のそれと比べて太く形成されている。また、第1部分21の断面積(液肥の流れ方向に対して垂直断面の面積)は、第2および第3部分22、23の断面積の和と等しいかそれより若干小さいことが好ましい。これにより、変形例2によるサイフォン管20は、比較的多くの液肥を短時間で排出することができる。変形例2のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。従って、変形例1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、図示しないが、ドレン管10内において第1部分21も複数の第2および第3部分22、23に対応させて複数に分割してもよい。このように、サイフォン管20全体を複数に分割しても、変形例2または第1実施形態の効果は失われない。尚、ドレン管10内に複数の第1部分21を設けた場合であっても、上端Etを超えた液肥を排出するために、ドレン管10内に隙間があることが必要である。
(変形例3)
図14は、第2実施形態の変形例3による液肥抜き装置2の構成例を示す断面図である。変形例3では、液肥抜き装置2の第1配管部201の下部の外壁面に螺旋状のネジ溝(またはネジ山)SCRが設けられている。図示しないが、トレー130の排液口135には、ネジ機構SCRに対応するネジ山(またはネジ溝)が設けられている。液肥抜き装置2のネジ溝(またはネジ山)SCRを、排液口135のネジ山(またはネジ溝)に螺合させることによって、液肥抜き装置2が排液口135にネジ止めされる。このようにして、液肥抜き装置2をトレー130に嵌め込んで固定してもよい。
尚、ネジ溝(またはネジ山)SCRは、液肥抜き装置2の第1配管部201の開口部OP30の直下の高さまで設けられていればよい。これにより、液肥抜き装置2が止まるまでトレー130に螺合させたときに、開口部OP30がトレー130の底部31の直上に配置される。
変形例3は、第1実施形態の液肥抜き装置1に適用してもよい。この場合、図示しないが、ネジ溝(またはネジ山)SCRは、液肥抜き装置1のドレン管10の外周において、下端Ebからサイフォン管の開口部OP2の高さまで設けられていればよい。これにより、液肥抜き装置1が止まるまでトレー130に螺合させたときに、開口部OP2がトレー130の底部31に当たるか、その直前に配置される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。