JP2019179845A - 熱電変換素子及び熱電変換素子の製造方法 - Google Patents

熱電変換素子及び熱電変換素子の製造方法 Download PDF

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Yoko Fukui
陽子 福井
洋平 直原
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洋平 直原
裕樹 佐野
Hiroki Sano
裕樹 佐野
朋和 長尾
Tomokazu Nagao
朋和 長尾
中山 鶴雄
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Abstract

【課題】 熱電変換素子の性能を発揮させる。【解決手段】 熱電変換素子(1)は、互いに離れて配置された第1の電極層(21)及び第2の電極層(22)と、第1の電極層(21)及び第2の電極層(22)に接触する熱電変換層(30)と、を有する。熱電変換層(30)は、ナノ導電性材料及び分散媒を含有する熱電変換材料からなり、25℃における、熱電変換材料の粘度は、0.0014〜100Pa・sである。【選択図】 図1

Description

本発明は、熱電変換素子と、熱電変換素子の製造方法に関する。
特許文献1では、エミッタ電極層及びコレクタ電極層の間に形成されたスペースに、金属ナノ粒子を溶媒に分散させた金属ナノ粒子分散液を充填している。ここで、金属ナノ粒子の仕事関数は、エミッタ電極層の仕事関数と、コレクタ電極層の仕事関数との中間にある。また、金属ナノ粒子の粒子径は、エミッタ電極層及びコレクタ電極層の間に配置された球状ナノビーズの粒子径よりも小さい。
特許文献2では、一対の電極と接触する熱電変換層を、ナノ導電性材料及び低分子共役化合物によって構成している。低分子共役化合物は、芳香族炭化水素環又は芳香族ヘテロ環の少なくとも3環が縮合した縮合多環構造を有する。
特許第6147901号 特許第5951539号
本願発明者等は、熱電変換層を形成する材料の粘度が熱電変換素子の性能に影響を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。ここで、特許文献1,2では、熱電変換層を形成する材料の粘度については、何ら着目していない。
本願第1の発明である熱電変換素子は、互いに離れて配置された第1の電極層及び第2の電極層と、第1の電極層及び第2の電極層に接触する熱電変換層と、を有する。熱電変換層は、ナノ導電性材料及び分散媒を含有する熱電変換材料からなり、25℃における、前記熱電変換材料の粘度が0.0014〜100Pa・sである。
前記第1の電極層及び前記第2の電極層のそれぞれが、仕事関数が4.0eV以上の材料で形成されている。ナノ導電性材料としては、金ナノ粒子及び銀ナノ粒子の少なくとも一方を用いることができる。
ナノ導電性材料は、1−ドデカンチオールで形成された被覆層によって被覆することができる。分散媒としては、トルエン及びテルピネオールの少なくとも一方を用いることができる。
熱電変換層を収容するスペースを形成する絶縁層を設けることができる。例えば、第1の電極層及び第2の電極層が対向して配置されている場合において、第1及び第2の電極層の間に絶縁層を設けることにより、第1及び第2の電極層と絶縁層とによって、熱電変換層を収容するスペースを形成することができる。絶縁層は、ポリイミドで形成することができる。
本願第2の発明は、一対の電極層と接触する熱電変換層を有する熱電変換素子の製造方法である。ここで、熱電変換層は、ナノ導電性材料及び分散媒を含有する熱電変換材料からなり、前記熱電変換材料の粘度が0.0014〜100Pa・sであり、前記熱電変換材料は、印刷によって一対の電極層の表面に塗布される。
本発明によれば、熱電変換材料の粘度を0.0014〜100Pa・sとすることにより、熱電変換素子の性能を発揮させることができる。
熱電変換素子の構造を示す概略図である。 図1のA−A断面図である。 熱電変換素子の他の構造を示す概略図である。 熱電変換素子において、電流値及び温度の関係を示す図である。
本実施形態の熱電変換素子の構造について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、熱電変換素子の構造を示す概略図であり、図2は、図1におけるA−A断面図である。
熱電変換素子1は、第1の基材11及び第2の基材12を有する。第1の基材11の下面には第1の電極層21が形成されており、第2の基材12の上面には第2の電極層22が形成されている。第1の電極層21及び第2の電極層22の間には、熱電変換層30及び絶縁層40が配置されている。図2に示す平面内において、絶縁層40は、熱電変換層30を囲んでおり、第1の電極層21、第2の電極層22及び絶縁層40によって囲まれたスペースに熱電変換層30が収容されている。熱電変換層30は、第1の電極層21及び第2の電極層22に接触している。絶縁層40は、第1の電極層21及び第2の電極層22の短絡を防止するために配置されている。
なお、図1に示す構造では、図1の左右方向における第1の電極層21の長さ(以下、第1の電極層21の長さという)が、図1の左右方向における熱電変換層30の長さ(以下、熱電変換層30の長さという)よりも長いが、これに限るものではない。また、図1に示す構造では、図1の左右方向における第2の電極層22の長さ(以下、第2の電極層22の長さという)が、熱電変換層30の長さよりも長いが、これに限るものではない。
具体的には、第1の電極層21の長さを熱電変換層30の長さ以下としたり、第2の電極層22の長さを熱電変換層30の長さ以下としたりすることができる。この場合において、第1の基材11のうち、第1の電極層21が形成されていない領域には、絶縁層40を接触させればよい。また、第2の基材12のうち、第2の電極層22が形成されていない領域には、絶縁層40を接触させればよい。
一方、図3には、本実施形態の変形例である熱電変換素子の構造を示す。
本変形例において、第1の基材11の上面には、第1の電極層21及び第2の電極層22が形成されており、第1の電極層21及び第2の電極層22は、互いに離れた位置に配置されている。第1の基材11及び第2の基材12の間には、絶縁層40が配置されており、第1の基材11、第2の基材12及び絶縁層40によって囲まれたスペースに熱電変換層30が収容されている。絶縁層40は、上述した熱電変換層30の収容スペースを確保するためのスペーサとして用いられる。
本実施形態及び変形例では、絶縁層40を用いて、熱電変換層30の収容スペースを形成しているが、これに限るものではない。例えば、絶縁層40を省略し、第1の基材11及び第2の基材12の少なくとも一方において、熱電変換層30の収容スペースを形成するための突起(絶縁層40に相当する部分)を設けることができる。後述するように、熱電変換層30は分散媒を含むが、この分散媒が揮発(蒸発)して減少すると、熱電変換素子に流れる電流値が低下してしまうおそれがある。そこで、分散媒の揮発(蒸発)を防止するために、熱電変換層30の収容スペースを密閉状態とすることが好ましい。
第1の基材11や第2の基材12の材料としては、例えば、ガラス、透明セラミックス、金属、プラスチックフィルムを用いることができる。第1の基材11や第2の基材12の厚さは、適宜決めることができる。第1の基材11や第2の基材12に持たせる特性(屈曲性、耐熱性、耐久性、熱伝導性など)を考慮して、第1の基材11や第2の基材12の材料や厚さを選択することができる。
第1の電極層21や第2の電極層22を形成する材料(電極材料)としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnO等の透明電極、白金、銀、銅、金、アルミニウム等の金属、CNT(カーボンナノチューブ)、グラフェン等の炭素材料、PEDOT/PSS(ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン及びポリスチレンスルホン酸の複合物)等の有機材料、銀、カーボン等の導電性微粒子を分散した導電性ペースト、銀、銅、アルミニウム等の金属ナノワイヤを含有する導電性ペーストを用いることができる。ここで、第1の電極層21の電極材料と、第2の電極層22の電極材料とは、互いに異なっていればよい。例えば、第1の電極層21の電極材料としてアルミニウムを用い、第2の電極層22の電極材料として白金を用いることができる。
第1の電極層21や第2の電極層22の電極材料としては、仕事関数が4.0eV以上である材料を用いることが好ましい。また、第1の電極層21や第2の電極層22の電極材料としては、仕事関数の差(絶対値)が大きいものがよく、例えば、仕事関数の差(絶対値)は1.0eV以上であることが好ましく、1.5eV以上であることがより好ましい。仕事関数は、例えば、紫外光電子分光法(UPS;Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy)、X線光電子分光法(XPS;X-ray Photoelectron Spectroscopy)やオージェ電子分光法(AES;Auger Electron Spectroscopy)を用いて測定することができる。
第1の基材11の表面に第1の電極層21を形成したり、第2の基材12の表面に第2の電極層22を形成したりする方法は、特に限定されず、電極材料を第1の基材11及び第2の基材12に密着させることができればよい。電極材料を第1の基材11及び第2の基材12に密着させる方法としては、例えば、蒸着、スピンコート、エクストルージョンダイコート、ブレードコート、バーコート、スクリーン印刷、ステンシル印刷、ロールコート、カーテンコート、スプレーコート、ディップコートが挙げられる。
第1の電極層21や第2の電極層22の厚さは、適宜決めることができる。ここで、図3に示す構造では、第1の電極層21や第2の電極層22の厚さは、絶縁層40の厚さ以下とする必要がある。
絶縁層40は、絶縁性を有する材料(絶縁材料)で形成されており、この絶縁材料としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミドなどの樹脂を用いることができる。絶縁層40を形成する方法は、特に限定されず、絶縁材料を第1の基材11及び第2の基材12に密着させることができればよい。絶縁材料を第1の基材11及び第2の基材12に密着させる方法としては、例えば、スピンコート、エクストルージョンダイコート、ブレードコート、バーコート、スクリーン印刷、ステンシル印刷、オフセット印刷、活版印刷、グラビア印刷、無版印刷、ロールコート、カーテンコート、スプレーコート、ディップコートが挙げられる。
熱電変換層30は、ナノ導電性材料及び分散媒を含有する熱電変換材料によって形成されている。熱電変換材料の粘度は、25℃において、0.0014〜100Pa・sであり、好ましくは、0.0014〜10Pa・sであり、より好ましくは、0.0014〜1Pa・sである。熱電変換材料の粘度が0.0014Pa・sよりも低いと、第1の電極層21や第2の電極層22の表面に熱電変換層30を形成しにくくなり、熱電変換素子の性能を発揮させることができなくなる。また、熱電変換材料の粘度が100Pa・sよりも高いと、熱電変換層30を形成する際に熱電変換材料を取り扱いにくくなる。
ナノ導電性材料は、分散媒中において分散している。熱電変換層30中のナノ導電性材料の含有量は、0.1〜90質量%であることが好ましく、1〜50質量%であることがより好ましい。熱電変換層30内の分散媒が、例えば熱電変換素子の動作後に揮発(蒸発)して減少すると、熱電変換素子の電流値が下がってしまう恐れがあることを考慮して、分散媒の沸点を100℃以上、好ましくは、200℃以上とすることができる。分散媒の粘度は、0.001〜100Pa・s、好ましくは、0.001〜10Pa・s、より好ましくは、0.001〜1Pa・sとすることができる。熱電変換層30中の分散媒の含有量は、10〜99.9質量%であることが好ましく、50〜99質量%であることがより好ましい。ナノ導電性材料の含有量や分散媒の含有量は、上述した熱電変換材料の粘度(0.0014〜100Pa・s)を考慮して、上述した含有量の範囲内で適宜決めることができる。
分散媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、テルピネオール(主成分はα−テルピネオール)、フェノキシエタノール等のアルコール、クロロホルム等の脂肪族ハロゲン系溶媒、DMF(N,N-dimethylformamide)、NMP(N-methylpyrrolidone)、DMSO(Dimethyl sulfoxide)等の非プロトン性の極性溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、テトラメチルベンゼン、ピリジン等の芳香族系溶媒、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケントン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、THF(tetrahydrofuran)、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル系溶媒、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカンなどの炭化水素系溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒のうち、1種を単独で用いたり、2種以上を組み合わせて用いたりすることができる。なお、テルピネオールやトルエンについては、1種を単独で用いるのではなく、これらの混合物を用いることが好ましい。また、アルコールについては、水に不溶のアルコールを用いることが好ましい。
ナノ導電性材料は、1〜100ナノメートルのサイズを有し、導電性を有する材料である。ナノ導電性材料としては、例えば、炭素材料や金属材料がある。炭素材料又は金属材料を単独で使用してもよいし、炭素材料及び金属材料を併用してもよい。
炭素材料としては、例えば、フラーレン(金属内包フラーレン及び玉葱状フラーレンを含む。)、カーボンナノチューブ(ピーポッドを含む)、カーボンナノチューブの片側が閉じた形をしたカーボンナノホーン、カーボンナノファイバー、カーボンナノウォール、カーボンナノフィラメント、カーボンナノコイル、気相成長カーボン(VGCF)、グラファイト、グラフェン、カーボンナノ粒子、カーボンナノチューブの頭部に穴があいたコップ型のナノカーボン、カーボンブラックが挙げられる。これらの炭素材料は、1種を単独で用いたり、2種以上を組み合わせて用いたりすることができる。
金属材料としては、繊維状の金属材料(以下、金属繊維という)又は粒子状の金属材料(以下、金属粒子という)を用いることができる。金属材料の金属としては、例えば、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、又はこれらの合金等が挙げられる。これらの金属のなかでも、金や銀を用いることが好ましい。金属は、1種を単独で用いたり、2種以上を組み合わせて用いたりすることができる。
金属繊維は、中実構造を有する金属ナノワイヤであってもよいし、中空構造を有する金属ナノチューブであってもよい。金属繊維の断面形状は、特に限定されず、円形や多角形などの形状を適宜選択することができる。金属ナノチューブの構造は、単層構造又は多層構造とすることができる。金属粒子の平均粒径は、1〜100nmであることが好ましく、1〜5nmであることがより好ましい。金属粒子の粒径は、例えば、X線小角散乱法を用いて測定することができる。
ナノ導電性材料は、被覆層によって被覆されていてもよい。ここで、被覆層は、ナノ導電性材料の一部だけを被覆していてもよいし、ナノ導電性材料の全面を被覆していてもよい。
被覆層の材料としては、例えば、脂肪酸類又は脂肪族アミン類、脂肪族チオール類もしくは脂肪族アルコール類が挙げられる。これらの材料は、1種を単独で用いたり、2種以上を組み合わせて用いたりすることができる。ここで、脂肪族炭化水素としては、例えば、炭素数10〜20の直鎖状又は分枝状のアルキル鎖が挙げられる。このアルキル鎖は、置換基を有していてもよい。
脂肪酸類は、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。脂肪酸類としては、例えば、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデセン酸、オレイン酸、エライジン酸が挙げられる。これらの酸は、1種を単独で用いたり、2種以上を組み合わせて用いたりすることができる。
脂肪族アミン類としては、例えば、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、デセニルアミン、ウンデセニルアミン、ドデセニルアミン、トリデセニルアミン、テトラデセニルアミン、ペンタデセニルアミン、ヘキサデセニルアミン、ヘプタデセニルアミン、オクタデセニルアミン、ノナデセニルアミン、オレイルアミン、イコセニルアミン、ノナコセニルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ドデシルジメチルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、ナフタレンジアミン、オクタメチレンジアミン、及びノナンジアミンが挙げられる。これらのアミンは、1種を単独で用いたり、2種以上を組み合わせて用いたりすることができる。
脂肪族チオール類としては、例えば、デカンチオール、ウンデカンチオール、1−ドデカンチオール、トリデカンチオール、テトラデカンチオール、ペンタデカンチオール、ヘキサデカンチオール、ヘプタデカンチオール、オクタデカンチオール、ノナデカンチオール、イコサンチオール、デセンチオール、ウンデセンチオール、ドデセンチオール、トリデセンチオール、テトラデセンチオール、ペンタデセンチオール、ヘキサデセンチオール、ヘプタデセンチオール、オクタデセンチオール、ノナデセンチオール、イコセンチオール、ノナコセンチオールが挙げられる。これらのチオールは、1種を単独で用いたり、2種以上を組み合わせて用いたりすることができる。
脂肪族アルコール類としては、例えば、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、イコサノールが挙げられる。これらのアルコールは、1種を単独で用いたり、2種以上を組み合わせて用いたりすることができる。
熱電変換層30を形成する方法は、特に限定されず、熱電変換層30の熱電変換材料(ナノ導電性材料及び分散媒)を、上述した収容スペースに収容させることができればよい。熱電変換層30を形成する方法としては、例えば、スピンコート、エクストルージョンダイコート、ブレードコート、バーコート、スクリーン印刷、ステンシル印刷、オフセット印刷、活版印刷、グラビア印刷、無版印刷、ロールコート、カーテンコート、スプレーコート、ディップコートが挙げられる。熱電変換材料の粘度(25℃)が0.0014Pa・s以上であれば、印刷によって熱電変換層30を形成することができる。
例えば、図1に示す構造では、第1の電極層21の表面及び第2の電極層22の表面のうち、少なくとも一方の表面に、熱電変換材料を塗布することができる。熱電変換材料を塗布した後、第1の電極層21が形成された第1の基材11と、第2の電極層22が形成された第2の基材12とを、図1に示すように積層すればよい。一方、図3に示す構造では、第1の電極層21及び第2の電極層22が形成された第1の基材11の表面に、熱電変換材料を塗布することができる。熱電変換材料を塗布した後、第1の基材11及び第2の基材12を図3に示すように積層すればよい。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例では、ナノ導電性材料として金ナノ粒子を用いるとともに、金ナノ粒子の表面を被覆層で覆った。被覆層の材料としては、1−ドデカンチオールを用いた。被覆層で覆われた金ナノ粒子の製造方法について、以下に説明する。
トルエン80mLにテトラオクチルアンモニウムブロミド1.4g(2.5mmol)を加え撹拌した溶液に、テトラクロロ金(III)酸(HAuCl)水溶液25mL(1mmol)を加え攪拌した。黄色のHAuCl水溶液は急速に透明になり、トルエン相中にAuCl が移動するにつれてトルエン相が橙褐色になった。トルエン相を単離し、1−ドデカンチオール0.7mL(3mmol)を添加し、得られた溶液を室温で10分間撹拌した後、氷水中で冷却した。還元工程のために、25mLの水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)(0.38g、10mmol)を添加し、氷水中で30分間、さらに、室温で3時間撹拌した。トルエン相を回収し、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。得られた黒色生成物を30mLのエタノールに懸濁し、短時間超音波処理して、フィルターろ過した。その後、約80mLのエタノールおよび150mLのアセトンで洗浄し、風乾した。
これにより、200mgの金ナノ粒子を得た。TEM(Transmission Electron Microscope)を用いて金ナノ粒子の平均粒径を測定したところ、平均粒径は1.9nmであった。1−ドデカンチオールで被覆した金ナノ粒子の被覆層の比抵抗値は、1.1×10Ω・mであった。
トルエン及びテルピネオールを混合して分散媒を用意した。この分散媒に上記金ナノ粒子を加えて撹拌することにより、熱電変換材料を作成した。B形粘度計の一種である、TVB−10形粘度計を用い、25℃、100rpmで測定した熱電変換材料の粘度は、1.45mPa・sであった。熱電変換材料の組成は、下記表1に示す通りである。
ガラス製の基板にアルミニウム(仕事関数;4.13eV)の電極層が蒸着された電極体と、ガラス製の基板に白金(仕事関数;5.65eV)の電極層が蒸着された電極体を用意した。ガラス製の基板に白金の電極層が蒸着された電極体に、ポリイミド(NPR−3400(日本ポリテック株式会社))の絶縁層の印刷を行い、120℃で1時間乾燥した。各電極体において、電極層の表面に上述した熱電変換材料をスクリーン版によって塗工(スクリーン印刷)することにより、厚さが3.0μmである熱電変換層を形成した。2つの電極体を重ね合わせることにより、本実施例の熱電変換素子(図1,2に示す構造)を製造した。
環境温度を40、50、60、70、80、90、100℃にそれぞれ設定し、各環境温度で熱電変換素子を放置し、放置してから3分が経過したときの電流値を測定した。この測定結果を図4に示す。図4から分かるように、環境温度が40〜60℃までの間では、環境温度の上昇に応じて電流値が上昇した、環境温度が60℃以上では、電流値が一定(0.3μA)となった。
(実施例2)
本実施例では、ナノ導電性材料として銀ナノ粒子を用いた。また、1−ドデカンチオールの被覆層によって銀ナノ粒子を被覆した。被覆層で覆われた銀ナノ粒子の製造方法について、以下に説明する。
まず、0.0887mLの1−ドデカンチオールを5gのトルエンに加えて撹拌した。このトルエン溶液に、1.48mLの硝酸銀水溶液(0.25mol/L)を加えて40分の間、撹拌した。撹拌後の二相混合物からトルエン相を取り出した。取り出したトルエン相に、還元剤である水素化ホウ素ナトリウム(0.44mol/L)を含むメタノール溶液1mLを加えて20分の間、撹拌することにより、硝酸銀の還元を行った。
未反応の還元剤(水素化ホウ素ナトリウム)を除去するために、還元後のトルエン相にイオン交換水5mLを加えて振り混ぜた。振り混ぜた後、約1分程度放置すれば、銀ナノ粒子を含むトルエン相と、還元剤を含む水相とが分離するため、分離後に水相を取り除いた。この還元剤の除去操作を3回繰り返した。
銀ナノ粒子を含むトルエン溶液をデシケーターに入れて真空乾燥を行うことにより、トルエンを揮発させた。トルエンの揮発後にエタノールを加え、超音波によって銀ナノ粒子を再分散させた後、銀ナノ粒子をろ過した。エタノール及びアセトンを用いて、ろ紙を数回洗浄した後にろ紙を乾燥させることにより、32mgの銀ナノ粒子を得た。X線小角散乱法を用いて銀ナノ粒子の平均粒径を測定したところ、平均粒径は3.0nmであった。
トルエン及びテルピネオールを混合して分散媒を用意した。この分散媒に上記銀ナノ粒子を加えて撹拌することにより、熱電変換材料を作成した。TVB−10形粘度計を用い、25℃、100rpmで測定した熱電変換材料の粘度は、1.54mPa・sであった。熱電変換材料の組成は、下記表2に示す通りである。
ガラス製の基板にアルミニウムの電極層が蒸着された電極体と、ガラス製の基板に白金の電極層が蒸着された電極体を用意した。各電極体において、電極層の表面に上述した熱電変換材料200μLをスクリーン印刷することにより、熱電変換層を形成した。2つの電極体を重ね合わせることにより、本実施例の熱電変換素子(図1,2に示す構造)を製造した。
室温の環境温度において熱電変換素子を放置し、放置してから3分が経過したときの電流値を測定したところ、電流値は0.9μAであった。
(比較例1)
トルエンを分散媒とし、1−ドデカンチオールで被覆した金ナノ粒子(実施例1と同じ金ナノ粒子)を加えて撹拌することにより、熱電変換材料を作成した。なお、分散媒(トルエン)の沸点は110.6℃であり、分散媒(トルエン)の粘度は0.00059Pa・sである。TVB−10形粘度計を用い、25℃、100rpmで測定した熱電変換材料の粘度は、1.01mPa・sであった。熱電変換材料の組成は、下記表3に示す通りである。
ガラス製の基板にアルミニウムの電極層が蒸着された電極体と、ガラス製の基板に白金の電極層が蒸着された電極体を用意した。電極層の表面に上述した熱電変換材料をスクリーン版によって塗工したが、滲んでしまい、上手く印刷できなかった。このため、熱電変換素子を製造することができなかった。
1:熱電変換素子、11:第1の基材、12:第2の基材、21:第1の電極層、
22:第2の電極層、30:熱電変換層、40:絶縁層

Claims (8)

  1. 互いに離れて配置された第1の電極層及び第2の電極層と、
    前記第1の電極層及び前記第2の電極層に接触する熱電変換層と、を有し、
    前記熱電変換層は、ナノ導電性材料及び分散媒を含有する熱電変換材料からなり、
    25℃における、前記熱電変換材料の粘度が0.0014〜100Pa・sであることを特徴とする熱電変換素子。
  2. 前記第1の電極層及び前記第2の電極層のそれぞれが、仕事関数が4.0eV以上の材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子。
  3. 前記ナノ導電性材料は、金ナノ粒子及び銀ナノ粒子の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱電変換素子。
  4. 前記ナノ導電性材料は、1−ドデカンチオールで形成された被覆層によって被覆されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の熱電変換素子。
  5. 前記分散媒は、有機溶媒であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の熱電変換素子。
  6. 前記熱電変換層を収容するスペースを形成する絶縁層を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の熱電変換素子。
  7. 前記絶縁層は、ポリイミドで形成されていることを特徴とする請求項6に記載の熱電変換素子。
  8. 一対の電極層と接触する熱電変換層を有する熱電変換素子の製造方法であって、
    前記熱電変換層は、ナノ導電性材料及び分散媒を含有する熱電変換材料からなり、前記熱電変換材料の粘度が0.0014〜100Pa・sであり、
    前記熱電変換材料を、印刷によって前記一対の電極層の表面に塗布することを特徴とする熱電変換素子の製造方法。
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