JP2019179088A - マスク接着剤、およびこれを備えたペリクル - Google Patents

マスク接着剤、およびこれを備えたペリクル Download PDF

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Abstract

【課題】パターンの位置ずれを抑制可能であり、ハンドリング性が良好であり、かつ繰返し露光に使用しても糊残りが生じ難いマスク接着剤を提供する。【解決手段】マスク接着剤は、周波数1Hzの条件で測定される損失正接が最大値を示す温度が−20〜30℃である熱可塑性エラストマー(A)100質量部と、粘着付与樹脂(B)20〜150質量部と、環分析法(n−d−M)法で測定される全炭素量に対するナフテン炭素の割合(%CN)が40%以上であるプロセスオイル(C)20〜300質量部と、を含む。前記熱可塑性エラストマー(A)は、スチレン系熱可塑性エラストマー、(メタ)アクリル酸エステル系熱可塑性エラストマー、およびオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも一種であり、周波数1Hzの条件で測定される損失正接が最大値を示す温度が−10〜30℃である。【選択図】なし

Description

本発明は、ペリクルをマスクに接着するためのマスク接着剤、およびこれを備えたペリクルに関する。
LSI、超LSI等の半導体デバイスや液晶表示板等の製造工程では、マスク(露光原板、レチクルともいう)を介して感光層等に光を照射することによってパターニングを行う。その際、マスクに異物が付着していると、光が異物に吸収されたり、異物表面で光が反射されて屈曲したりする。その結果、形成されるパターンが変形したり、エッジががさついたりして、パターニング後の寸法、品質、および外観等が損なわれてしまうといった問題が生じる。このような問題を解消すべく、マスクの表面に、光を透過するペリクル膜を備えるペリクルを装着し、異物の付着を抑制する方法が採用されている。
ペリクルは、通常、金属製のペリクルフレームと、当該ペリクルフレームの一端面に配置されたペリクル膜とを備えている。一方、ペリクルフレームの他端面には、ペリクルをマスクに固定するためのマスク接着剤層が形成されている。そして、ペリクルをマスクに装着する場合には、当該マスク接着剤層をマスクの所定の位置に圧着して固定する。
ここで、ペリクルをマスクに接着するために用いられるマスク接着剤として、スチレン/イソプレン/スチレン系トリブロック共重合体の水素添加体と、粘着付与剤と、を含有する接着剤が提案されている(特許文献1参照)。また、スチレン/エチレン・プロピレン/スチレン系トリブロック共重合体と、脂肪族系石油樹脂と、を含有するホットメルト接着剤も提案されている(特許文献2参照)。さらに、(メタ)アクリル酸アルキルエステル含有ブロック共重合体と、(水添)石油樹脂等の粘着付与樹脂と、を含有する粘着剤も提案されている(特許文献3参照)。また、スチレン系トリブロック共重合体と、粘着付与樹脂と、軟化剤と、を含む接着剤も提案されている(特許文献4参照)。
ところで、半導体素子を高集積化するためには、形成されるパターンを微細化することが必要となる。即ち、狭い面積に多くの半導体素子を集積させるため、半導体素子の大きさをできる限り小さくする必要がある。したがって、パターンの幅、および隣接するパターン同士の間隔(ピッチ)を小さくする必要がある。しかしながら、フォトリソグラフィによってパターン形成する方法には解像限界があるため、パターンの微細化には限界があった。
このようなフォトリソグラフィ工程における解像限界を克服する方法として、ダブルパターニング(Double Patterning)が知られている。ダブルパターニングは、1つの回路パターンを、2つの密集度の低いパターンに分割してそれぞれを露光して形成し、形成された2つのパターンを組み合わせることで、最終的に密集度の高い微細なパターンを得る技術である(特許文献5および6参照)。ダブルパターニングは、22nm世代(ハーフ・ピッチ:32nm)以降の次世代の半導体の製造に好ましく適用される。
ダブルパターニングでは、通常、2枚のマスクを用いて2回露光する。このため、形成される2つのパターン同士の相対的な位置精度を高くすることが重要である。即ち、1回目の露光により得られるパターンと2回目の露光により得られるパターンとの相対的な位置精度が低い場合には、所望のパターンを得ることができない。このため、形成される2つのパターンの相対的な位置のずれをナノメーター(nm)のレベルで小さくする必要がある。
特開2000−267261号公報 特開平4−237056号公報 特開平11−323072号公報 国際公開第2012/004951号 特開2008−103718号公報 特開2008−103719号公報
2つのパターンの相対的な位置のずれを生じさせる要因の一つとして、マスクの歪みが挙げられる。ペリクルをマスクに圧着する際に、ペリクルフレームの歪みがマスク接着剤層を介してマスクに伝わることで、マスクが歪むと考えられる。そこで、マスク接着剤層として、効果的に塑性変形する材料(マスク接着剤)を用いることでマスクの歪みを抑制できると考えられる。
マスク接着剤の塑性変形のし易さを示すパラメータとして、損失正接(以下、「tanδ」とも記す)がある。例えば、tanδが最大値を示す温度(以下、「tanδピーク温度」とも記す)が−10℃〜30℃の範囲にあるマスク接着剤は、ダブルパターニングの露光を行う温度(一般的には室温)において塑性変形し易い。そのため、このようなマスク接着剤層を有するペリクルは、マスクに歪みを生じさせ難い。
ただし、一般的な熱可塑性エラストマー(例えば、特許文献2等におけるスチレン/エチレン・ブチレン/スチレンブロック共重合体(SEBS)等)のtanδピーク温度は−70〜−50℃程度と非常に低い。粘着剤層のタック性や粘着力を調整する目的で添加されている粘着付与樹脂は、これに比べて高いtanδピーク温度を有していることが多い。しかしながら、熱可塑性エラストマーと粘着付与樹脂の含有比率を調整してマスク接着剤のtanδピーク温度を室温付近とするには、粘着付与樹脂を多量に添加する必要があり、マスク接着剤が過度に柔らかくなる場合があった。柔らか過ぎるマスク接着剤は瞬間的な接着性が高いため、ベタつきが生じやすく、ハンドリング性が低い。
このような課題に対し、上記特許文献4等では、ベースポリマーに、tanδピーク温度が比較的高いスチレン/水素添加イソプレン/スチレン系トリブロック共重合体を用いることが提案されている。当該特許文献に記載の技術によれば、露光が行われる温度域でマスク接着剤が塑性変形し易い。また、ペリクルのハンドリング性も良好になるとの利点がある。
ここで、ペリクルを貼付した状態で、マスクに繰返し露光光を照射すると、ペリクル膜のヘイズが上昇することがある。そしてこのような場合、ヘイズ上昇が生じたペリクルをマスクから剥がし、新しいペリクルを貼付することが一般的である。しかしながら、上述の特許文献4に記載のペリクルでは、マスクに繰返し露光光を照射した後、ペリクルをマスクから剥がすと、マスク側にマスク接着剤が残る(以下、当該現象を「糊残り」とも称する)、という問題が生じる場合があった。
糊残りが生じると、新たなペリクルをマスクに貼り合わせ難くなったり、残存した成分が、マスクやペリクルの汚染原因となったりする。また、マスクに残ったマスク接着剤を、洗浄剤等によって洗浄することも考えられるが、洗浄時に微細かつ高価なマスクのパターンが破損したり、洗浄剤の一部(例えば硫酸イオン等)がマスクに残存してマスクやペリクルに影響を及ぼしたりすることがある。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。具体的には、パターンの位置ずれを抑制可能であり、ハンドリング性が良好であり、かつ糊残りが生じ難いマスク接着剤を提供する。
即ち、本発明によれば、以下に示すマスク接着剤、およびこれを用いたペリクルが提供される。
[1]周波数1Hzの条件で測定される損失正接が最大値を示す温度が−20〜30℃である熱可塑性エラストマー(A)100質量部と、粘着付与樹脂(B)20〜150質量部と、環分析法(n−d−M)法で測定される全炭素量に対するナフテン炭素の割合(%CN)が40%以上であるプロセスオイル(C)20〜300質量部と(%CN)が40%以上であるプロセスオイル(C)20〜300質量部と、を含み、前記熱可塑性エラストマー(A)は、スチレン系熱可塑性エラストマー、(メタ)アクリル酸エステル系熱可塑性エラストマー、およびオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも一種であり、周波数1Hzの条件で測定される損失正接が最大値を示す温度が−10〜30℃である、マスク接着剤。
[2]前記プロセスオイル(C)は、15℃の環境下で測定した密度が0.89g/cm〜0.94g/cmである、[1]に記載のマスク接着剤。
[3]前記プロセスオイル(C)は、100℃における動粘度が2mm/s〜20mm/sである、[1]または[2]に記載のマスク接着剤。
[4]前記熱可塑性エラストマー(A)が、スチレン系熱可塑性エラストマーである、[1]〜[3]のいずれかに記載のマスク接着剤。
[5]前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、第一のポリスチレンブロック、側鎖にイソプロペニル基を持ったポリイソプレンブロック及び第二のポリスチレンブロックを有するトリブロック共重合体、並びに/又はその水素添加物である、[4]に記載のマスク接着剤。
[6]前記粘着付与樹脂(B)の、JIS K−2207に定められた環球法に基づいて測定される軟化点が60〜150℃である、[1]〜[5]のいずれかに記載のマスク接着剤。
[7]前記粘着付与樹脂(B)の数平均分子量が300〜3000である、[1]〜[6]のいずれかに記載のマスク接着剤。
[8]前記粘着付与樹脂(B)が、ロジンおよびその誘導体、ポリテルペン樹脂およびその水素化物、テルペンフェノール樹脂およびその水素化物、芳香族変性テルペン樹脂およびその水素化物、クマロン・インデン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂およびその水素化物、芳香族系石油樹脂およびその水素化物、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、ならびにジシクロペンタジエン系石油樹脂およびその水素化物からなる群より選択される少なくとも一種である、[1]〜[7]のいずれかに記載のマスク接着剤。
[9]ペリクルフレームと、前記ペリクルフレームの一端面に配置されるペリクル膜と、前記ペリクルフレームの他端面に配置される、[1]〜[8]のいずれかに記載のマスク接着剤を含むマスク接着剤層と、を備えたペリクル。
本発明のマスク接着剤およびペリクルは、パターンの位置ずれを抑制可能であり、マスクから剥離させた際の糊残りが少なく、ハンドリング性も良好である。したがって、本発明のマスク接着剤は、ダブルパターニングをはじめとする高いパターニング精度が要求されるパターニング用に好適である。
マスク接着剤の剥離強度の測定方法を模式的に示す断面図である。 本発明のペリクルの一実施形態を示す模式図である。 図3A〜図3Cは、実施例における、糊残りの評価のためのサンプル作製工程の模式図である。 図4Aは、実施例1における、ArF光照射後の糊残り評価結果を示す写真であり、図4Bは、比較例1における、ArF光照射後の糊残り評価結果を示す写真である。
1.マスク接着剤
本発明のマスク接着剤には、特定の熱可塑性エラストマー(A)と、粘着付与樹脂(B)と、プロセスオイル(C)と、が所定の比率で含まれている。当該マスク接着剤には、必要に応じて軟化剤やワックス等、その他の成分がさらに含まれていてもよい。
ベースポリマーと、粘着付与樹脂と、軟化剤とを含む従来のペリクルのマスク接着剤は、繰返し露光光を照射した後にペリクルをマスクから剥離すると、糊残りが生じる場合があった。
本発明者らが鋭意検討したところ、マスク接着剤のマスクへの糊残りは、軟化剤として用いられてきた成分(例えば液状ポリブテン等)が酸化劣化することにより生じることが見出された。ペリクルを貼付した状態でマスクに露光光(例えばArF光等)を照射すると、露光光が直接、またはその散乱光がマスク接着剤に照射される。このような光の照射によって、マスク接着剤中の軟化剤が酸化されて劣化する。また、露光光の照射によって、大気中の酸素がオゾンとなる。そして、当該オゾンによっても軟化剤が酸化されて劣化する。そして露光が繰り返されると、次第にマスク接着剤の粘性が増加し、糊残りが生じやすくなると考えられる。
これに対し、本発明のマスク接着剤には、環分析法(n−d−M)法で測定される全炭素量に対するナフテン炭素の割合(%CN)が40%以上であるプロセスオイル(C)が含まれる。ナフテン骨格は光に対する耐性が高く、ArF光等の短波長の光が照射されても酸化劣化し難い。そのため、ナフテン炭素の割合の高いプロセスオイル(C)を用いることで、マスク接着剤が露光によっても変質し難く、糊残りが生じ難くなる。ここで、ナフテン炭素とは、ナフテン骨格(5員環または6員環の飽和炭化水素)を構成する炭素をいう。なお、上記環分析法は、ASTM D3238に準拠して行われる。
また、本発明のマスク接着剤には、上述のプロセスオイル(C)と共に、比較的高い損失正接(tanδ)ピークを有する熱可塑性樹脂(A)と、粘着付与樹脂(B)と、が含まれる。そして、マスク接着剤のtanδが最大値を示す温度が、−10〜30℃である。したがって、一般的な露光が行われる温度(例えば室温)でマスク接着剤が特に塑性変形し易く、ペリクルフレームの歪みをマスクに伝え難い。その一方で、粘着付与樹脂(B)の含有量が、所定の範囲に抑えられていることから、マスク接着剤がべたつき難く、ハンドリング性が良好である。したがって、本発明のマスク接着剤は、各種ペリクルのマスク接着剤として、非常に有用である。
以下、本発明のマスク接着剤に含まれる各成分について説明する。
1−1.熱可塑性エラストマー(A)
熱可塑性エラストマー(A)のtanδピーク温度は−20〜30℃であり、−20〜25℃であることが好ましく、−20〜20℃であることがより好ましく、−20℃〜0℃であることがさらに好ましい。tanδピーク温度が上記の範囲内である熱可塑性エラストマー(A)をベースポリマーとして用いると、粘着付与樹脂(B)の配合量を少なくしても、得られるマスク接着剤のtanδピーク温度を−10〜30℃の範囲内とすることができる。このため、露光温度域において塑性変形し易く、かつベタつきが抑制されたマスク接着剤とすることができる。
熱可塑性エラストマー(A)のtanδは、貯蔵弾性率(G’)に対する損失弾性率(G”)の比(G”/G’)で表される値である。tanδの最大値が大きいほど、塑性変形し易いことを表す。熱可塑性エラストマー(A)のtanδの最大値は0.5〜3の範囲にあることが好ましく、0.9〜2.0の範囲にあることがさらに好ましい。
tanδ(損失正接)は、動的粘弾性測定装置(商品名「ARES」、TA インスツルメンツ社製)を使用して特定することができる。具体的には、円盤状の試料片(直径:25mm×厚さ:2mm)を測定治具である2枚のパラレルプレート(直径:25mm)の間に挟みこみ、試験片の厚みを所定の初期ギャップに調整する。その後、貯蔵弾性率(G’)および損失弾性率(G”)を、窒素雰囲気下、ずりモード、周波数:1Hz、測定温度:−80〜200℃、昇温速度:3℃/分、および初期Gap:2mmの条件で測定する。そして、得られた貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)とからtanδ(=G”/G’)を算出する。
ここで、本発明のマスク接着剤に含まれる熱可塑性エラストマー(A)には、スチレン系熱可塑性エラストマー、(メタ)アクリル酸エステル系熱可塑性エラストマー、およびオレフィン系熱可塑性エラストマーのうち、少なくとも一種が含まれる。熱可塑性エラストマー(A)には、上記のうち一種のみが含まれていてもよく、二種以上が含まれていてもよい。上記の各種エラストマーの中でも、スチレン系熱可塑性エラストマーは分子骨格中にエステル結合部位を含まないことから耐加水分解性に優れる。また、スチレン系熱可塑性エラストマーは、同一分子骨格中にソフトセグメントとハードセグメントの両方を併せ持つため、柔軟性および機械的強度の両方に優れるという利点もある。
上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレンに由来する構成単位を含むエラストマーであればよく、スチレンと、スチレン以外のオレフィンとのブロック共重合体とすることができる。スチレン以外のオレフィンは、イソプレンや4−メチル−1−ペンテン等、重合体ブロック中に嵩高い分岐構造の側鎖を形成可能なモノマーであることが好ましく、なかでもイソプレンが特に好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマーに含まれる、スチレンに由来する構成単位の割合は35質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。スチレンに由来する構成単位の含有割合が多過ぎると、後述の粘着付与樹脂(B)やプロセスオイル(C)との相溶性が低下することがあり、スチレン系熱可塑性エラストマーとこれらが分離してしまうことがある。
スチレン系熱可塑性エラストマーは特に、第一のポリスチレンブロック、側鎖にイソプロペニル基(1−メチルエテニル基(−C(=CH)CH)を持ったポリイソプレンブロック、および第二のポリスチレンブロックを有するトリブロック共重合体(以下、「SIS」とも記す)、または当該トリブロック共重合体の水素添加物(以下、「H−SIS」とも記す)であることが好ましい。イソプロペニル基のような嵩高い分岐構造を側鎖に有するトリブロック共重合体のtanδピーク温度は、通常−20〜30℃程度と高い。なお、「トリブロック共重合体の水素添加物」とは、SISに含まれる3つの重合体ブロックのうちの「ポリイソプレンブロック」中の不飽和結合が水素添加されていることを意味し、水素添加量は90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがさらに好ましい。
上記SISの具体例(市販品)には、商品名「ハイブラー5127」(クラレ社製、tanδピーク温度:20℃)、商品名「ハイブラー5215」(クラレ社製、tanδピーク温度:−3℃)等が含まれる。また、上記H−SISの具体例(市販品)には、商品名「ハイブラー7125」(クラレ社製、tanδピーク温度:−5℃)、商品名「ハイブラー7311」(クラレ社製、tanδピーク温度:−17℃)等が含まれる。
一方、(メタ)アクリル酸エステル系熱可塑性エラストマーは、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を含むエラストマーであればよい。(メタ)アクリル酸エステル系熱可塑性エラストマーは例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチルと、ポリ(メタ)アクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステルとのジブロック共重合体またはトリブロック共重合体等とすることができる。ポリ(メタ)アクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステルの例には、ポリ(メタ)アクリル酸n−ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、ポリ(メタ)アクリル酸イソノニル等が含まれ、重合体ブロック中に嵩高い分岐構造の側鎖を形成可能な重合体であることが好ましい。これらの中でも、ポリ(メタ)アクリル酸n−ブチルが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系熱可塑性エラストマーの具体例(市販品)には、商品名「LAポリマー」シリーズ(クラレ社製)等が含まれる。
また、オレフィン系熱可塑性エラストマーは、一種または二種以上のα−オレフィン類の共重合体を含むエラストマーとすることができ、中でも非晶性または低結晶性のものが好ましい。オレフィン系熱可塑性エラストマーを構成するα−オレフィンの例には、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、4−メチルペンテン−1等が含まれる。
オレフィン系熱可塑性エラストマーの具体例(市販品)には、商品名「タフマー」(三井化学社製)、商品名「ノティオ」(三井化学社製)等が含まれる。
なお、熱可塑性エラストマー(A)は、マスク接着剤の全量に対して29〜71質量%含まれることが好ましく、30〜60質量%含まれることがより好ましく、33〜55質量%含まれることがさらに好ましい。熱可塑性エラストマー(A)の量が当該範囲であると、マスク接着剤の強度を十分に高めることができる。
1−2.粘着付与樹脂(B)
粘着付与樹脂(B)の軟化点は60〜150℃であることが好ましく、90〜120℃であることがさらに好ましく、より好ましくは90〜110℃である。
粘着付与樹脂(B)の軟化点が60℃未満であると、マスク接着剤から粘着付与樹脂(B)がブリードアウトする場合がある。またこの場合、ベースポリマーとなる熱可塑性エラストマー(A)のtanδピーク温度を高温側にシフトさせる効果が乏しいことがある。一方、粘着付与樹脂(B)の軟化点が150℃超であると、ベースポリマーとなる熱可塑性エラストマー(A)に粘着性を付与する機能が失われる場合がある。なお、粘着付与樹脂(B)の軟化点は、JIS K−2207に定められた環球法に基づいて測定される。
また、粘着付与樹脂(B)の数平均分子量(Mn)は300〜3000であることが好ましく、500〜1000であることがさらに好ましい。粘着付与樹脂(B)の数平均分子量(Mn)が300未満であると、軟化点が低くなり過ぎる傾向にある。一方、粘着付与樹脂(B)の数平均分子量(Mn)が3000超であると、軟化点が高くなり過ぎる傾向にある。なお、粘着付与樹脂(B)の数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によりポリスチレンを標準として測定される。
粘着付与樹脂(B)は、熱可塑性エラストマー(A)と相溶性を有することが好ましい。これにより、熱可塑性エラストマー(A)のtanδピーク温度を高温側に効果的にシフトさせることができる。熱可塑性エラストマー(A)との相溶性の観点から、粘着付与樹脂(B)は、ロジンおよびその誘導体、ポリテルペン樹脂およびその水素化物、テルペンフェノール樹脂およびその水素化物、芳香族変性テルペン樹脂およびその水素化物、クマロン・インデン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂およびその水素化物、芳香族系石油樹脂およびその水素化物、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂およびその水素化物等であることが好ましい。これらは、SISやH−SISのポリイソプレンブロックと高い相溶性を有する。
上記の中でも、ロジンおよびその誘導体、ポリテルペン樹脂およびその水素化物、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂およびその水素化物が好ましく、ロジンおよびその誘導体、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂およびその水素化物が特に好ましい。熱可塑性エラストマー(A)が、上述のスチレン系熱可塑性エラストマーである場合、粘着付与樹脂(B)が、脂環族系石油樹脂の水素化物であることが好ましい。
ロジンおよびその誘導体の具体例(市販品)には、以下商品名で「パインクリスタル」、「スーパーエステル」、「タマノル」(以上、荒川化学社製)等が含まれる。ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、およびそれらの水素化物の具体例(市販品)には、以下商品名で「YSレジン」、「YSポリスター」、「クリアロン」(以上、ヤスハラケミカル社製)等が含まれる。脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂およびその水素化物、芳香族系石油樹脂およびその水素化物、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂およびその水素化物の具体例(市販品)には、以下商品名で「アルコン」(荒川化学社製)、「ハイレッツ」(三井化学社製)、「アイマーブ」(出光興産社製)、「クイントン」(日本ゼオン社製)、「エスコレッツ」(トーネックス社製)等が含まれる。マスク接着剤には、粘着付与樹脂(B)が、一種のみ含まれていてもよく、二種以上含まれていてもよい。
マスク接着剤に含まれる粘着付与樹脂(B)の量は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して20〜150質量部である。粘着付与樹脂(B)の量は、50〜130質量部であることが好ましく、80〜120質量部であることがより好ましい。
上述のように、熱可塑性エラストマー(A)としてtanδピーク温度が低い樹脂(例えばSEBS)を用いる場合、得られるマスク接着剤のtanδピーク温度を−10〜30℃の範囲にするには、SEBS100質量部に対して200〜300質量部の粘着付与樹脂(B)を添加する必要があった。これに対して、本発明においては、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対する粘着付与樹脂(B)の量を150質量部以下としても、得られるマスク接着剤のtanδを−10〜30℃の範囲とすることができる。このため、本発明のマスク接着剤はベタつきが少なく、ハンドリング性に優れる。
なお、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対する粘着付与樹脂(B)の量が20質量部未満であると、得られるマスク接着剤のtanδピーク温度を−10℃以上とすることが困難となる。一方、粘着付与樹脂(B)の量が150質量部超であると、得られるマスク接着剤がベタつき、ハンドリング性が低下することがある。
1−3.プロセスオイル(C)
プロセスオイル(C)は、高沸点の石油留分であり、一般的にパラフィン系、ナフテン系、および芳香族系に分類される。本発明のマスク接着剤には、プロセスオイル(C)として、上述のように、環分析法(n−d−M)法で測定される全炭素量に対するナフテン炭素の割合(%CN)が40%以上であるものが使用される。
全炭素量に対するナフテン炭素の割合を40%以上とするためには、ナフテン炭素の割合が高い、ナフテン系プロセスオイルを選択すればよい。ただし、ナフテン炭素量が40%以上となる限り、複数種のプロセスオイルを含んでいてもよく、例えばナフテン系プロセスオイルと、他のプロセスオイルとを混合したもの等であってもよい。複数種のプロセスオイルを含む場合、複数のプロセスオイルを混合した状態での%CNの割合により、プロセスオイル(C)の%CNを判断できる。
ナフテン炭素の割合が高いナフテン系プロセスオイルの市販品の例には、商品名、「SUNPURE N100」(日本サン石油社製)、商品名「SUNTHENE 450」(日本サン石油社製)等が含まれる。
また、プロセスオイル(C)の100℃における動粘度は、2〜20mm/sであることが好ましく、5〜15mm/sであることがより好ましい。100℃における動粘度が当該範囲であると、マスク接着剤をペリクルフレームに塗布しやすくなる。動粘度は、JIS K2283(2000)に準拠して測定される値である。
また、プロセスオイル(C)の15℃の環境下で測定される密度は、0.89g/cm〜0.94g/cmであることが好ましく、密度が0.90g/cm〜0.92g/cmであることがより好ましい。15℃における、密度が当該範囲であると、糊残りがより抑制される傾向がある。プロセスオイル(C)の密度は、スタビンガー粘度計を用いてASTM D7042に準拠して測定された値である。
また、プロセスオイル(C)の分子量は、150〜500であることが好ましく、300〜500であることがより好ましい。プロセスオイル(C)の分子量が当該範囲であると、プロセスオイル(C)の粘度が適度な範囲となり、マスク接着剤のハンドリング性が良好になりやすい。プロセスオイル(C)の分子量は、Alfred E.Hirschlerが発表した計算式に基づいて算出された値である。
マスク接着剤に含まれるプロセスオイル(C)の量は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して20〜300質量部である。プロセスオイル(C)の量は、50〜200質量部であることが好ましく、75〜150質量部であることが好ましい。プロセスオイル(C)の量が過度に少ないと、マスク接着剤の25℃における貯蔵弾性率が過度に高くなり、ハンドリング性が低下する傾向にある。一方、プロセスオイル(C)の量が多すぎると、マスク接着剤からプロセスオイル(C)がブリードアウトしやすくなり、ペリクルがマスクから剥がれてしまうことがある。これに対し、プロセスオイル(C)の量が上記範囲であると、プロセスオイル(C)によって、マスク接着剤の貯蔵弾性率を所望の範囲に調整することが可能であり、さらにはペリクルのマスクからの剥離等も生じ難い。
1−4.その他の成分
マスク接着剤には、本発明の目的および効果を損なわない範囲で、熱可塑性エラストマー(A)、粘着付与樹脂(B)、およびプロセスオイル(C)以外の成分がさらに含まれていてもよい。その他の成分の例には、軟化剤、流動性調整剤等が含まれる。
軟化剤は、プロセスオイル(C)以外の成分であって熱可塑性エラストマー(A)に柔軟性を付与可能な材料であれば特に限定されない。軟化剤の具体例には、ポリブテン、水添ポリブテン、不飽和ポリブテン、脂肪族炭化水素、アクリル系ポリマー等が含まれる。ただし、ポリブテン等の軟化剤量が多くなると、マスク接着剤の使用時に生じるアウトガスの量が多くなる傾向にある。そこで、軟化剤の量は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましい。
一方、流動性調整剤は、得られるマスク接着剤の流動性を調整するための成分である。流動性調整剤としては、各種樹脂のワックスが挙げられる。ワックスの具体例には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の高弾性材料が含まれる。流動性調整剤の量は、熱可塑性エラストマー(A)100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましい。
1−5.マスク接着剤の物性
本発明のマスク接着剤のtanδピーク温度は−10〜30℃であるが、−5〜30℃であることがより好ましく、−1〜20℃であることがさらに好ましい。ペリクルのマスクへの装着作業や、マスクを用いた露光等は通常、常温で行われる。そのため、マスク接着剤のtanδピーク温度が上記範囲内にあると、常温条件下で塑性変形しやすく、ペリクルフレームの歪みエネルギーを効果的に緩和することが可能となる。さらに、本発明のマスク接着剤はべたつき難く、作業者の手に触れても、手から離れ易い。つまり、ハンドリング性にも優れる。
また、マスク接着剤のtanδの最大値は1.3〜5であることが好ましく、1.3〜3であることがさらに好ましい。tanδの最大値が高いほどマスク接着剤が塑性変形し易いといえる。したがって、マスク接着剤のtanδが1.3以上であると、ペリクルをマスクに貼り合わせる際、ペリクルフレームの歪みエネルギーがマスク接着剤によって緩和されやすくなる。但し、tanδの最大値が高過ぎるとマスク接着剤が過度に変形し易くなり、ペリクル内で、マスク接着剤層の形状を保持することが困難になる傾向にある。
一方、マスク接着剤の25℃における貯蔵弾性率(G’)は1×10〜1×10Paであることが好ましく、1×10〜1×10Paであることがさらに好ましい。貯蔵弾性率(G’)が上記範囲にあるマスク接着剤は、ペリクルに用いたときのハンドリング性が良好となる。なお、マスク接着剤の貯蔵弾性率(G’)は、熱可塑性エラストマー(A)の含有割合が高くなると高まりやすくなる。また、マスク接着剤の25℃における損失弾性率(G”)は、tanδを上述の範囲とする観点から、1×10〜1×10Paであることが好ましく、1×10〜1×10Paであることがさらに好ましい。マスク接着剤のtanδ、貯蔵弾性率(G’)および損失弾性率(G”)は、前述と同様の方法で測定することができる。
また、マスク接着剤のアウトガス量は、20.0μg/g以下であることが好ましく、10μg/g以下であることがより好ましい。アウトガス量が少ないほど、ペリクル膜のヘイズの原因となる物質が少なくなるため、ペリクル膜のヘイズの発生をより抑制できる傾向にある。アウトガス量は、マスク接着剤を100℃30分加熱した際に発生したアウトガスの物質量を、発生ガス量(ウンデカン換算)として測定した値である。
また、本発明のマスク接着剤は、23℃における石英ガラス基板からの剥離強度が50〜300gf(0.49〜2.94N)であることが好ましく、100〜250gfであることがより好ましい。23℃における石英ガラス基板からの剥離強度が上記の数値範囲内であると、マスク接着剤が作業者の手に触れても、手から離れ易く、ハンドリング性にも優れる。なお、剥離強度が50gf未満であると、使用中にペリクルが脱落したり、貼付位置ずれが生じたりする等、接着信頼性が低下することがある。一方、剥離強度が300gf超であると、ハンドリング性が低下することがある。
マスク接着剤の剥離強度は以下に示す方法に従って測定することができる。まず、清浄にした石英ガラス基板(型式「#6025基板」、HOYA社製、サイズ:152mm×152mm×6.35mm)を準備する。そして、マスク接着剤を石英ガラス基板上に、ペリクルの形状に合わせて載置し、当該マスク接着剤上にアルミニウム製のペリクルフレーム(外寸:149mm×122mm、枠高さH:5.8mm、枠幅W:2mm)を載置する。なお、マスク接着剤のサイズは、外寸:149mm×122mm、枠幅W:1.6mmとする。そして、ペリクルフレーム上に30kgの分銅を載置して3分間保持した後、分銅を取り除き、石英ガラス基板、マスク接着剤、およびペリクルフレームからなる積層体を得る。その後、得られた積層体をガラス基板立てに収納し、23℃で10日間保管して密着力を安定化させて測定用サンプルとする。
図1は、マスク接着剤の剥離強度の測定方法を模式的に示す断面図である。図1に示すように、石英ガラス基板20、マスク接着剤22(マスク接着剤層)、およびペリクルフレーム24からなる積層体を、例えば、標準型万能試験機(インテスコ社製)の剥離治具28に、剥離治具28の突起をペリクルフレーム24の治具穴(図示せず)に嵌め込むようにしてセットする。なお、石英ガラス基板20上には、重り26を載置する。そして、標準型万能試験機の荷重計測用ロードセルを20mm/分の速度に設定し、23℃の条件下、剥離治具28のアーム32の端部を治具30で押し下げる。このとき、マスク接着剤22が石英ガラス基板20から剥離するのに要した荷重を「剥離強度(gf)」とする。
一方、マスク接着剤の下記式(1)で規定される応力残留率R(900)は0≦R(900)≦20%であることが好ましく、0≦R(900)≦15%であることがさらに好ましい。応力残留率R(900)が当該範囲であると、マスク接着剤が、ペリクルフレームの歪み(応力)を緩和しやすくなる。
応力残留率R(900)={F(900)/F(0)}×100 ・・・(1)
前記式(1)中、F(0)は応力緩和測定により測定される最大応力を示し、F(900)は、応力緩和測定により測定される、試験時間が900秒経過した後の応力を示す。
マスク接着剤の応力緩和の程度(応力が緩和する速さ)はマスク接着剤を構成する材料によって異なるが、上記の応力残留率R(t)により定量化することができる。この応力残留率R(t)は、最大応力F(0)に対する、試験経過時間t秒後の応力F(t)の比(%)として表される。
一般的な半導体の製造工程においては、ペリクルをマスクに圧着後、ペリクルフレームの残留応力がマスク接着剤層によって緩和されてから(マスクの歪みが解消されてから)、次工程へと移る。ここで、製造効率向上の観点からは、残留応力を低減するための時間は短いことが好ましく、本明細書では、現行の一般的なマスク取扱工程に要する時間を考慮し、t=900秒における応力残留率R(900s)を指標として用いている。また、一般的な半導体製造工程は室温(約23℃)で実施されるため、23℃において測定される応力残留率を指標として用いている。
上記F(0)およびF(900)は、23℃の条件下でレオメータを用いて特定される値である。レオメータは、例えば動的粘弾性測定装置(商品名「ARES」、TA インスツルメンツ社製)を使用することができる。また、F(0)およびF(900)は、円盤状の試料片(直径:25mm×厚さ:2mm)を測定治具である2枚のパラレルプレート(直径:25mm)の間に挟みこみ、試料片の厚みを所定の初期ギャップに調整した後、窒素雰囲気下、ずりモード、歪:1%、測定温度:23℃、および初期Gap:2mmの条件で、特定される。
2.ペリクル
本発明のペリクルは、ペリクルフレームと、ペリクルフレームの一端面に配置されるペリクル膜と、ペリクルフレームの他端面に配置される、マスク接着剤を含むマスク接着剤層と、を備える。図2は、本発明のペリクルの一実施形態を示す模式図である。本実施形態のペリクル10は、ペリクル膜12と、ペリクル膜12の外周を支持するペリクルフレーム14とを有する。ペリクル膜12は、ペリクルフレーム14の一方の端面にある膜接着剤層13を介して張設されている。一方、ペリクルフレーム14をマスク(図示せず)に接着させるために、ペリクルフレーム14のもう一方の端面には、マスク接着剤層15が設けられている。マスク接着剤層15は、前述のマスク接着剤により形成される。
ペリクル膜12は、ペリクルフレーム14によって保持されており、マスクの露光エリアを覆う。したがって、ペリクル膜12は露光によるエネルギーを遮断しないような透光性を有する。ペリクル膜12の材質の例には、石英ガラスや、フッ素系樹脂や酢酸セルロース等の透明性を有する材質が含まれる。
ペリクルフレーム14は、アルマイト処理されたアルミニウムフレーム等である。ペリクルフレーム14は、黒色であることが好ましい。露光光の反射を防ぐとともに、付着した異物等の有無を検査し易くするためである。
膜接着剤層13は、ペリクルフレーム14とペリクル膜12とを接着する層である。膜接着剤層13の例には、アクリル樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、シリコン樹脂接着剤、含フッ素シリコン接着剤等のフッ素ポリマー等が含まれる。
マスク接着剤層15は、上述のマスク接着剤を塗布および乾燥して形成することができる。マスク接着剤の塗布方法は、公知の方法であってよい。例えば、へら状の塗布ノズルをペリクルフレームの端面に押し当て、塗布ノズルからマスク接着剤を吐出させる方法等でマスク接着剤を所望の箇所に塗布することができる。マスク接着剤層15の厚みは、0.3〜1.0mm程度である。
マスク接着剤層15の表面には、マスク接着剤層15を保護するための離型シート(セパレータ)が配置されてもよい。離型シートの例には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム等が含まれる。離型シートは、ペリクルをマスクに装着する際に剥離される。
ペリクル10は、上記離型シートを剥離した後、マスク接着剤層15を介してマスク上に装着される。マスクに付着した異物は、ウエハへの解像不良を引き起こす。このため、ペリクル10はマスクの露光エリアを覆うように装着される。これにより、マスクに異物が付着することが防止される。
マスクに対してペリクル10を装着するには、ペリクルマウンター(例えば、松下精機社製等)が用いられる。ペリクルとマスクをペリクルマウンターに設置し、ペリクルをマスクに圧着させる。圧着条件は、マスクの種類等にもよるが、例えば室温で20kgf/cm程度の圧力で、3分間程度圧着すればよい。
マスクは、例えばパターン化された遮光膜が配置された合成石英、石英ガラス等のガラス基板とすることができる。遮光膜は、CrやMoSi等の金属の単層構造または複数層構造の膜とすることができる。また、マスクの厚みは、例えば6mm程度とすることができる。
半導体素子に描画される回路パターンの形成工程等のリソグラフィに用いられる露光光は、水銀ランプのi線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)等の短波長の露光光が用いられる。
前述の通り、本発明のマスク接着剤には、ナフテン炭素量の多いプロセスオイル(C)が含まれており、短波長光によっても成分が変質し難い。したがって、ペリクルを貼り合わせたマスクを、繰返し使用したとしても、マスクからペリクルを剥離した際に糊残りが生じ難い。
また、上記マスク接着剤は、露光温度域で適度に可塑変形する。そのため、ペリクルをマスクに装着した際、マスク接着剤層がペリクルフレームの歪みエネルギーを吸収および緩和し、マスクが歪み難い。つまり、マスクの歪みに起因するパターニング精度の低下を抑制することができる。また、上述のマスク接着剤は、べたつき難く、ハンドリング性にも優れるという利点がある。
また、ダブルパターニングでは、2つのパターンの相対的位置のずれをnmレベルでできるだけ小さくする必要があり、高いパターニング精度が求められる。本発明のペリクルは、ペリクルフレームの歪みをマスクに伝わらないようにするので、特にダブルパターニングに好適である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.材料の準備
マスク接着剤の原料として、以下に示す各種成分を使用した。
(熱可塑性エラストマー(A))
H−SIS:スチレン−水素添加イソプレン−スチレンブロック共重合体(商品名「ハイブラー7125」(クラレ社製)、tanδピーク温度−5℃、スチレン含有割合20質量%)
SEBS G1657:スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(商品名「クレイトンG1657」(KRATON社製)、tanδピーク温度−48℃、スチレン含有割合13質量%)
(粘着付与樹脂(B))
P−100:C9系水素添加石油樹脂(商品名「アルコンP−100」(荒川化学工業社製)、軟化点100±5℃、数平均分子量(Mn)610)
(プロセスオイル)
N−100:ナフテン系プロセスオイル(商品名「SUNPURE N100」、日本サン石油社製、ナフテン炭素の割合(%CN)45%、密度(15℃)0.906g/cm、動粘度(100℃)9.0mm/s、分子量360)
450:ナフテン系プロセスオイル(商品名「SUNTHENE 450」、日本サン石油社製、ナフテン炭素の割合(%CN)41%、密度(15℃)0.916g/cm、動粘度(100℃)8.6mm/s、分子量365
MR−200:パラフィン系プロセスオイル(商品名「ネオバックMR−200」(MORESCO社製)、ナフテン炭素の割合(%CN)30%、密度(15℃)0.875g/cm、動粘度(100℃)10mm/s、分子量500)
[実施例1]
・マスク接着剤の調製
熱可塑性エラストマー(A)としてH−SISを100質量部、粘着付与樹脂(B)としてP−100を100質量部、プロセスオイル(C)としてN−100を60質量部、混合した。当該混合物48gをラボプラストミル(東洋精機製作所社製、内容量:60mL)に投入して密閉した。そして、当該ラボプラストミルにて、200℃、100rpmで20分間混練して、塊状のマスク接着剤を得た。約10gのマスク接着剤を加熱タンク(タンク内温度:200℃)に投入して溶融させた。
・ペリクルの作製
一方、図2に示すような、陽極酸化処理したアルミニウム製のペリクルフレーム14(外寸:149mm×122mm、枠高さH:5.8mm、枠幅W:2mm)を用意した。そして、当該ペリクルフレーム14の一方の端面に、加熱タンクに連通する針先から押し出した溶融状態のマスク接着剤を塗布し、マスク接着剤層15を形成した。マスク接着剤層15の厚さは0.6mmとした。そして、マスク接着剤層15の表面にセパレータを配置した。ペリクルフレーム14の他方の端面(マスク接着剤層15が形成されていない側の端面)上に、膜接着剤層13を介してペリクル膜12を貼付してペリクル10を得た。
[実施例2、および比較例1、2]
下記表1に示すように、マスク接着剤の組成を変更した以外は、実施例1と同様にマスク接着剤を調製し、ペリクルを作製した。
3.評価
実施例および比較例で調製したマスク接着剤の物性、および実施例および比較例で作製したペリクルの評価を以下の手順で行った。
(1)マスク接着剤のtanδピーク温度、tanδの最大値、貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)
動的粘弾性測定装置(商品名「ARES」、TA インスツルメンツ社製)を使用し、円盤状のマスク接着剤からなる層(直径:25mm×厚さ:2mm)を測定治具である2枚のパラレルプレート(直径:25mm)の間に挟みこんだ。そして、試験片の厚みを所定の初期ギャップに調整した後、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)とを、窒素雰囲気下、ずりモード、周波数:1Hz、測定温度:−80〜200℃、昇温速度:3℃/分、および初期Gap:2mmの条件で測定した。
得られた貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)からtanδ(=G”/G’)を求めた。そして、tanδが最大値を示す温度(tanδピーク温度)、およびその最大値を特定した。また、25℃における貯蔵弾性率(G’)および損失弾性率(G”)も特定した。
(2)マスク接着剤の応力残留率R(900)
動的粘弾性測定装置(商品名「ARES」、TA インスツルメンツ社製)を使用し、円盤状のマスク接着剤からなる層(直径:25mm×厚さ:2mm)を測定治具である2枚のパラレルプレート(直径:25mm)の間に挟みこみ、試料片の厚みを所定の初期ギャップに調整した後、窒素雰囲気下、ずりモード、歪:1%、測定温度:23℃、および初期Gap:2mmの条件で、測定時間tにおける応力F(t)を測定した。得られた「最大応力F(0)」と、試験時間が900秒経過した後の応力「F(900)」とから、応力残留率R(900)を算出した。
(3)マスク接着剤の石英ガラス基板からの剥離強度
清浄にした石英ガラス基板(型式「#6025基板」、HOYA社製、サイズ:152mm×152mm×6.35mm)を準備した。当該石英ガラス基板上に、枠状にマスク接着剤層(外寸:149mm×122mm、枠幅W:1.6mm)を塗布した。そして、当該マスク接着剤層上に、ペリクルフレーム(外寸:149mm×122mm、枠高さH:5.8mm、枠幅W:2mm)を載置した。そして、ペリクルフレーム上に30kgの分銅を載置して3分間保持した後、分銅を取り除き、石英ガラス基板とマスク接着剤層とペリクルフレームとからなる積層体を得た。得られた積層体をガラス基板立てに収納し、23℃で10日間保管して密着力を安定化させて測定用サンプルとした。
図1に示すように、石英ガラス基板20、マスク接着剤層22、およびペリクルフレーム24からなる積層体を、標準型万能試験機(インテスコ社製)の剥離治具28に、剥離治具28の突起をペリクルフレーム24の治具穴(図示せず)に嵌め込むようにしてセットした。なお、石英ガラス基板20上には、重り26を載置した。標準型万能試験機の荷重計測用ロードセルを20mm/分の速度に設定し、23℃の条件下、剥離治具28のアーム32の端部を治具30で押し下げた。マスク接着剤22が石英ガラス基板20から剥離するのに要した荷重を「剥離強度(gf)」として特定した。
(4)マスクの歪み量
ペリクルマウンター(松下精機社製)に、実施例または比較例で作製したペリクルと、石英ガラス製のマスク(厚み:6.35mm)と、を設置し、これらを温度:常温(25℃)、圧力:20kgf/cm、圧着時間:3分間の条件で圧着させた。そして、ペリクルが装着されたマスクの歪み量を、平面度測定解析装置(商品名「UltraFlat200Mask」、Corning Tropel社製)を使用して測定した。なお、測定面積は146mmとした。
ペリクルが装着されたマスクは、通常、ペリクルフレーム(アルミ枠)の歪みを反映して弓なりに歪む。平面度測定解析装置を使用してマスク全体を測定すると、マスクの歪み状態が等高線の図として示され、歪み量の最大値と最小値との差が示される。ペリクル装着前のマスク全体の歪み量(1)と、ペリクル装着後のマスク全体の歪み量(2)との差((1)−(2))を、ペリクルの装着によって生じた「マスクの歪み量(nm)」として特定した。なお、マスクの歪み量は小さいほど好ましく、「0」であること(即ち歪みがない)が最も好ましい。
(5)露光パターンの位置ずれ量
マスクの歪み量測定と同様に、マスクにペリクルを装着した。そして、半導体露光装置(商品名「ArF液浸スキャナー NSR−S610C」、ニコン社製)にて、当該マスクを介してウエハ(6025基板、厚さ:6.35mm、長さ:151.95mm)を2回露光し、ウエハにパターンを焼き付けた。より具体的には、1回目の露光を行った後、マスクをずらして2回目の露光を行った。そして、1回目の露光で形成されたパターンと、2回目の露光で形成されたパターンとのずれ量(距離)を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して測定した。そして、測定された距離(X)と、マスクをずらした量(Y)との差(X−Y)を「パターンの位置ずれ量(nm)」とした。なお、パターンの位置ずれ量は小さいほど好ましく、パターンの位置ずれ量が5nm以下であった場合を「良好」、5nm超であった場合を「不良」と評価した。
(6)ArF光照射後の糊残り
図3Aに示すように、石英ガラス板111(縦2.5cm、横2.5cm、厚み2mm)の一方の表面の中心部に、実施例および比較例で調製した塊状のマスク接着剤112を0.2g付与した。この上にポリエチレンテレフタラートフィルム113(縦3cm、横3cm、厚み75μm、PETフィルム)を置き、図3Bに示すように治具120で挟み込み、105℃の温度条件下で、マスク接着剤からなる層の厚みが3mmとなるよう圧着した。これにより、図3Cに示すように、石英ガラス111/マスク接着剤112/PETフィルム113が順に積層された糊残り評価用サンプルを得た。
次いで、糊残り評価用サンプルの石英ガラス板側111から、5mm角の波長193nmのArF光(エネルギー密度0.5mJ/cm、頻度10Hz)を13分間照射した。その後、PETフィルムの端部113を持ち、石英ガラス板111から剥離した。そして、ArF光を照射した領域の石英ガラス基板111側の糊残りを目視にて観察し、下記評価基準に沿って評価した。図4Aに実施例1のマスク接着剤の剥離結果を示し、図4Bに比較例1のマスク接着剤の剥離結果を示す。
A:糊残りが殆ど認められなかった
B:糊残りが認められたが、許容範囲であった
C:糊残りが多く許容できない
上記表1および図4Aに示されるように、マスク接着剤に含まれるパラフィンオイル中のナフテン炭素量が、40%以上であると、ArF光を照射後に剥離しても、糊残りが生じ難かった(実施例1および実施例2)。そして、これらのマスク接着剤では、露光温度において組成変形しやすく、パターンの位置ずれ等も生じ難く、さらにはハンドリング性も良好であった。マスク接着剤の貯蔵弾性率が所定の範囲であり、さらにはtanδの最大値が、−10〜30℃の範囲に収まったためであると考えられる。
一方、表1および図4Bに示されるように、マスク接着剤に含まれるパラフィンオイル中のナフテン炭素量が40%未満である場合、ArF光照射後に、糊残りが生じた(比較例1)。ArF光の照射によって、パラフィンオイルが酸化劣化したことで、糊残りが生じたと推察される。
一方、プロセスオイルを含まず、液状ポリブテンを含む場合にも、ArF光照射後に糊残りが生じた(比較例2)。また、当該マスク接着剤のtanδのピーク温度が−23℃であった。そのため、露光温度にてマスク接着剤が塑性変形し難く、マスクとペリクルとの積層体に反りが生じ、パターンの位置ずれ量の評価が低かった。
本発明のペリクルは、ダブルパターニングをはじめとする高いパターニング精度が要求されるパターニングに好適である。
10 ペリクル
12 ペリクル膜
13 膜接着剤層
14、24 ペリクルフレーム
15 マスク接着剤層
20、111 石英ガラス基板
22 マスク接着剤
26 重り
28 剥離治具
30 押し下げ治具
32 アーム
112 マスク接着剤
113 ポリエチレンテレフタラートフィルム
120 治具

Claims (9)

  1. 周波数1Hzの条件で測定される損失正接が最大値を示す温度が−20〜30℃である熱可塑性エラストマー(A)100質量部と、
    粘着付与樹脂(B)20〜150質量部と、
    環分析法(n−d−M)法で測定される全炭素量に対するナフテン炭素の割合(%CN)が40%以上であるプロセスオイル(C)20〜300質量部と、
    を含み、
    前記熱可塑性エラストマー(A)は、スチレン系熱可塑性エラストマー、(メタ)アクリル酸エステル系熱可塑性エラストマー、およびオレフィン系熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも一種であり、
    周波数1Hzの条件で測定される損失正接が最大値を示す温度が−10〜30℃である、
    マスク接着剤。
  2. 前記プロセスオイル(C)は、15℃の環境下で測定した密度が0.89g/cm〜0.94g/cmである、
    請求項1に記載のマスク接着剤。
  3. 前記プロセスオイル(C)は、100℃における動粘度が2mm/s〜20mm/sである、
    請求項1または請求項2に記載のマスク接着剤。
  4. 前記熱可塑性エラストマー(A)が、スチレン系熱可塑性エラストマーである、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のマスク接着剤。
  5. 前記スチレン系熱可塑性エラストマーが、第一のポリスチレンブロック、側鎖にイソプロペニル基を持ったポリイソプレンブロック、および第二のポリスチレンブロックを有するトリブロック共重合体、並びに/またはその水素添加物である、
    請求項4に記載のマスク接着剤。
  6. 前記粘着付与樹脂(B)の、JIS K−2207に定められた環球法に基づいて測定される軟化点が60〜150℃である、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のマスク接着剤。
  7. 前記粘着付与樹脂(B)の数平均分子量が300〜3000である、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のマスク接着剤。
  8. 前記粘着付与樹脂(B)が、ロジンおよびその誘導体、ポリテルペン樹脂およびその水素化物、テルペンフェノール樹脂およびその水素化物、芳香族変性テルペン樹脂およびその水素化物、クマロン・インデン樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂およびその水素化物、芳香族系石油樹脂およびその水素化物、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂、ならびにジシクロペンタジエン系石油樹脂およびその水素化物からなる群より選択される少なくとも一種である、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のマスク接着剤。
  9. ペリクルフレームと、前記ペリクルフレームの一端面に配置されるペリクル膜と、前記ペリクルフレームの他端面に配置される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のマスク接着剤を含むマスク接着剤層と、を備えたペリクル。
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