JP2019178694A - 過給機 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐腐食性を向上させる。【解決手段】過給機は、Cuと、Mn、Si、および、Alを含む第1添加元素と、Fe、Ni、Sn、Co、および、Mgのうち少なくとも1の元素を含む第2添加元素と、を含み、残部がZnおよび不可避不純物であり、{(第1添加元素の亜鉛当量×第1添加元素の含有量+第2添加元素の亜鉛当量×第2添加元素の含有量+Znの含有量)/(第1添加元素の亜鉛当量×第1添加元素の含有量+第2添加元素の亜鉛当量×第2添加元素の含有量+Znの含有量+Cuの含有量)}×100で示される総亜鉛当量が40%以上55%以下である金属材料で構成された軸受面34、35、スラスト軸受面41、42を少なくとも有する本体部31を有するすべり軸受(軸受30)を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、過給機に関する。
従来、シャフトが軸受に軸支された過給機が知られている。シャフトの一端には、タービンインペラが設けられる。シャフトの他端には、コンプレッサインペラが設けられる。過給機はエンジンに接続される。エンジンから排出される排気ガスによってタービンインペラが回転する。タービンインペラの回転によって、シャフトを介してコンプレッサインペラが回転する。過給機は、コンプレッサインペラの回転に伴い空気を圧縮して、エンジンに送出する。
過給機のすべり軸受の材料として、40.0wt%(質量%)のZn、4.0wt%のMn、1.3wt%のSi、3.4wt%のBiを含有し、残部がCuと不可避不純物とからなる銅合金が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2015−175059号公報
ところで、近年、エンジンから排出される排気ガスの高温化、および、過給機の高周速化(高回転化)により、軸受の温度が上昇している。このため、耐腐食性を向上させた軸受の開発が希求される。
本開示の目的は、耐腐食性を向上させることが可能なすべり軸受を備える過給機を提供することである。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る過給機は、Cuと、Mn、Si、および、Alを含む第1添加元素と、Fe、Ni、Sn、Co、および、Mgのうち少なくとも1の元素を含む第2添加元素と、を含み、残部がZnおよび不可避不純物であり、{(第1添加元素の亜鉛当量×第1添加元素の含有量+第2添加元素の亜鉛当量×第2添加元素の含有量+Znの含有量)/(第1添加元素の亜鉛当量×第1添加元素の含有量+第2添加元素の亜鉛当量×第2添加元素の含有量+Znの含有量+Cuの含有量)}×100で示される総亜鉛当量が40%以上55%以下である金属材料で構成された軸受面を少なくとも有する本体部を有するすべり軸受を備える。
本開示によれば、耐腐食性を向上させることが可能となる。
過給機の概略断面図である。 図1の一点鎖線部分を抽出した図である。 図3(a)は、実施例の腐食試験の実行前の写真を示す。図3(b)は、実施例の腐食試験の実行後の写真を示す。図3(c)は、比較例の腐食試験の実行前の写真を示す。図3(d)は、比較例の腐食試験の実行後の写真を示す。 実施例および比較例の摩耗試験の結果を示す図である。 総亜鉛当量と腐食性との関係を説明する図である。 焼き付き試験の結果を説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、過給機Cの概略断面図である。以下では、図1に示す矢印L方向を過給機Cの左側として説明する。図1に示す矢印R方向を過給機Cの右側として説明する。図1に示すように、過給機Cは、過給機本体1を備えて構成される。過給機本体1は、ベアリングハウジング20を備える。ベアリングハウジング20の左側には、締結機構2によってタービンハウジング3が連結される。ベアリングハウジング20の右側には、締結ボルト4によってコンプレッサハウジング5が連結される。ベアリングハウジング20、タービンハウジング3、コンプレッサハウジング5は一体化されている。
ベアリングハウジング20の外周面には、突起20aが設けられている。突起20aは、タービンハウジング3近傍に設けられる。突起20aは、ベアリングハウジング20の径方向に突出する。また、タービンハウジング3の外周面には、突起3aが設けられている。突起3aは、ベアリングハウジング20近傍に設けられる。突起3aは、タービンハウジング3の径方向に突出する。ベアリングハウジング20とタービンハウジング3は、突起20a、3aを締結機構2によってバンド締結して取り付けられる。締結機構2は、例えば、突起20a、3aを挟持するGカップリングで構成される。
ベアリングハウジング20は、軸受壁部21を有する。軸受壁部21には、軸受孔21aが形成されている。軸受孔21aは、過給機Cの左右方向に貫通する。軸受孔21aに軸受30(すべり軸受)が設けられる。図1では、軸受30の一例としてセミフローティング軸受を示す。ただし、軸受30は、フルフローティング軸受など、他のラジアル軸受であってもよい。軸受30によって、シャフト6が回転自在に軸支されている。シャフト6の左端部にはタービンインペラ7が組み付けられている。タービンインペラ7はタービンハウジング3に回転自在に収容されている。また、シャフト6の右端部にはコンプレッサインペラ8が組み付けられている。コンプレッサインペラ8はコンプレッサハウジング5に回転自在に収容されている。
コンプレッサハウジング5には、吸気口9が形成されている。吸気口9は、過給機Cの右側に開口する。吸気口9は、不図示のエアクリーナに接続される。また、締結ボルト4によってベアリングハウジング20とコンプレッサハウジング5が連結された状態では、ディフューザ流路10が形成される。ディフューザ流路10は、ベアリングハウジング20とコンプレッサハウジング5の対向面によって形成される。ディフューザ流路10は、空気を昇圧する。ディフューザ流路10は、シャフト6の径方向内側から外側に向けて環状に形成されている。ディフューザ流路10は、上記の径方向内側において、コンプレッサインペラ8を介して吸気口9に連通している。
また、コンプレッサハウジング5には、コンプレッサスクロール流路11が設けられている。コンプレッサスクロール流路11は環状である。コンプレッサスクロール流路11は、ディフューザ流路10よりもシャフト6の径方向外側に位置する。コンプレッサスクロール流路11は、不図示のエンジンの吸気口と連通する。コンプレッサスクロール流路11は、ディフューザ流路10にも連通している。したがって、コンプレッサインペラ8が回転すると、吸気口9からコンプレッサハウジング5内に空気が吸気される。吸気された空気は、コンプレッサインペラ8の翼間を流通する過程において、加圧加速される。加圧加速された空気は、ディフューザ流路10およびコンプレッサスクロール流路11で昇圧される。昇圧された空気は、エンジンの吸気口に導かれる。
タービンハウジング3には、吐出口12が形成されている。吐出口12は、過給機Cの左側に開口する。吐出口12は、不図示の排気ガス浄化装置に接続される。また、タービンハウジング3には、流路13と、タービンスクロール流路14とが設けられている。タービンスクロール流路14は環状である。タービンスクロール流路14は、例えば、流路13よりもタービンインペラ7の径方向外側に位置する。タービンスクロール流路14は、不図示のガス流入口と連通する。ガス流入口は、不図示のエンジンの排気マニホールドから排出される排気ガスが導かれる。タービンスクロール流路14は、上記の流路13を介してタービンインペラ7にも連通している。したがって、ガス流入口からタービンスクロール流路14に導かれた排気ガスは、流路13およびタービンインペラ7を介して吐出口12に導かれる。吐出口12に導かれる排気ガスは、その流通過程においてタービンインペラ7を回転させる。
そして、タービンインペラ7の回転力は、シャフト6を介してコンプレッサインペラ8に伝達される。上記の通りに、空気は、コンプレッサインペラ8の回転力によって昇圧されて、エンジンの吸気口に導かれる。
図2は、図1の一点鎖線部分を抽出した図である。図2に示すように、ベアリングハウジング20には、油路22が形成される。油路22は、ベアリングハウジング20の外部から軸受孔21aまで貫通する。油路22から軸受孔21aに潤滑油が流入する。軸受孔21aには軸受30が配されている。軸受30の本体部31には、挿通孔32が形成される。挿通孔32は、シャフト6の軸方向(以下、単に軸方向と称す)に貫通する。挿通孔32にシャフト6が挿通されている。挿通孔32の内周面33には、2つの軸受面34、35が形成されている。軸受面34、35は軸方向に離隔している。
軸受孔21aに供給された潤滑油の一部は、油孔36を通って、本体部31の内周面33に流入する。油孔36は、本体部31を内周面33から外周面37まで貫通する。流入した潤滑油は、油孔36から図2中、左右に拡がる。拡がった潤滑油は、シャフト6と軸受面34、35との間隙に供給される。そして、シャフト6と軸受面34、35との間隙に供給された潤滑油の油膜圧力によってシャフト6が軸支される。
また、本体部31には、貫通孔38が設けられる。貫通孔38は、内周面33から外周面37まで貫通する。軸受壁部21には、ピン孔21bが形成されている。ピン孔21bは、貫通孔38に対向する部位に形成されている。ピン孔21bは、軸受孔21aを形成する壁部を貫通する。ピン孔21bに、図2中、下側から位置決めピン50が嵌合される。位置決めピン50の先端は、軸受30の貫通孔38に挿入される。位置決めピン50によって、軸受30の回転、および、軸方向の移動が規制される。
また、シャフト6には、油切り部材60が取り付けられている。油切り部材60は、本体部31に対して、図2中、右側(コンプレッサインペラ8側)に配される。油切り部材60は、環状部材である。油切り部材60は、シャフト6を伝ってコンプレッサインペラ8側に流れる潤滑油を径方向外側に飛散させる。つまり、油切り部材60により、コンプレッサインペラ8側への潤滑油の漏出が抑制される。
油切り部材60の対向面61は、本体部31に軸方向に対向している。また、シャフト6には、大径部6aが設けられている。大径部6aは、本体部31に対して、図2中、左側(タービンインペラ7側)に位置する。大径部6aは、本体部31に軸方向に対向している。
このように、本体部31は、位置決めピン50によって軸方向の移動が規制される。本体部31は、油切り部材60および大径部6aによって軸方向に挟まれている。本体部31と油切り部材60との間隙、および、本体部31と大径部6aとの間隙には、それぞれ、潤滑油が供給されている。シャフト6が軸方向に移動すると、油切り部材60または大径部6aが本体部31との間の油膜圧力によって支持される。すなわち、軸受30のうち、本体部31の軸方向の両端面は、スラスト軸受面41、42となっている。スラスト軸受面41、42は、スラスト荷重を受ける。
また、本体部31の外周面のうち、軸方向の両端側それぞれには、ダンパ部39、40が形成されている。ダンパ部39、40は、軸受孔21aの内周面との間隙に供給された潤滑油の油膜圧力によって、シャフト6の振動を抑制する。
ところで、近年、エンジンから排出される排気ガスの高温化、および、過給機Cの高周速化(高回転化)により、エンジン運転時において軸受30の温度が上昇している。そこで、本実施形態では、軸受30の本体部31を下記の金属材料で構成する。
具体的に説明すると、本実施形態の本体部31は、Cu(銅)と、Mn(マンガン)、Si(ケイ素)、および、Al(アルミニウム)を含む第1添加元素と、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Sn(スズ)、Co(コバルト)、および、Mg(マグネシウム)のうち少なくとも1の元素を含む第2添加元素と、を含み、残部がZn(亜鉛)および不可避不純物であり、下記式(1)で示される総亜鉛当量が40%以上55%以下である金属材料で構成される。
総亜鉛当量(%) = {(第1添加元素の亜鉛当量×第1添加元素の含有量+第2添加元素の亜鉛当量×第2添加元素の含有量+Znの含有量)/(第1添加元素の亜鉛当量×第1添加元素の含有量+第2添加元素の亜鉛当量×第2添加元素の含有量+Znの含有量+Cuの含有量)}×100 …式(1)
ここで、Mnの亜鉛当量は0.5である。Siの亜鉛当量は10.0である。Alの亜鉛当量は6.0である。Feの亜鉛当量は0.9である。Niの亜鉛当量は−1.3である。Snの亜鉛当量は2.0である。Coの亜鉛当量は−0.1以上−1.5以下である。Mgの亜鉛当量は2.0である。なお、Znの亜鉛当量は1.0である。また、不可避不純物は、精錬もしくはスクラップにおいて混入される不純物である。不可避不純物の含有量は、全体で1.0wt%以下である。
また、本実施形態の金属材料は、Cuの含有率が56wt%以上59wt%以下であってもよい。本実施形態の金属材料は、Mnの含有率が2.0wt%以上3.0wt%以下であってもよい。本実施形態の金属材料は、Siの含有率が0.7wt%以上1.3wt%以下であってもよい。本実施形態の金属材料は、Alの含有率が1.0wt%以上2.0wt%以下であってもよい。本実施形態の金属材料は、Feの含有率が0.4wt%以上1.0wt%以下であってもよい。本実施形態の金属材料は、Niの含有率が0.4wt%以上1.0wt%以下であってもよい。本実施形態の金属材料は、Snの含有率が0wt%以上0.4wt%以下であってもよい。本実施形態の金属材料は、Coの含有率が0wt%以上1.0wt%以下であってもよい。本実施形態の金属材料は、Mgの含有率が0wt%以上1.0wt%以下であってもよい。
例えば、本実施形態の金属材料は、Cuが56wt%以上59wt%以下であり、Mnが2.0wt%以上3.0wt%以下であり、Siが0.7wt%以上1.3wt%以下であり、Alが1.0wt%以上2.0wt%以下であり、Feが0wt%以上1.0wt%以下であり、Niが0wt%以上1.0wt%以下であり、Snが0wt%以上0.4wt%以下であり、残部がZnおよび不可避不純物である。
このように、本実施形態の本体部31は、CuZn合金(黄銅系合金)で構成される。これにより、本体部31は、鉄系材料で構成されるシャフト6にダメージを与える事態を回避できる。また、過給機Cは、低負荷および高回転であるため、本体部31の摩耗の進行速度が低い。したがって、過給機Cの軸受30の本体部31は、本実施形態の金属材料(黄銅系合金)で構成することが可能となる。
また、本実施形態の本体部31は、Zn、SiおよびAlを含有する金属材料で構成される。これにより、本体部31は、高温環境下で生じ得る黒化腐食の発生を低減することができる。本体部31に黒化腐食が発生すると、本体部31の表面が脆くなり、本体部31(軸受面34、35、スラスト軸受面41、42)の摩耗が急激に進行する。本実施形態の本体部31は、黒化腐食の発生を低減できる金属材料で構成されるため、摩耗の進行を抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態の本体部31は、MnおよびSiを含有する金属材料で構成される。これにより、本体部31を構成する金属材料中にMn−Siの硬質粒子が析出される。したがって、本実施形態の本体部31は、耐摩耗性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態の本体部31は、AlおよびNiを含有する金属材料で構成される。これにより、本体部31は、靱性(機械的特性)を維持することができる。
さらに、本実施形態の本体部31を構成する金属材料は、Alの含有率が1.0wt%以上2.0wt%以下であり、好ましくは、1.0wt%以上1.3wt%未満である。Alの含有率が高くなると、本体部31に焼き付きが生じやすくなる。したがって、本実施形態の本体部31は、Alの含有率が1.0wt%以上1.3wt%未満の金属材料で構成されることにより、本体部31への黒化腐食の発生を低減し、かつ、本体部31(軸受30)の焼き付きを減少することができる。
さらに、本実施形態の本体部31は、総亜鉛当量が40%以上である金属材料で構成される。これにより、本体部31は、耐腐食性を向上させることができる。また、本実施形態の本体部31は、総亜鉛当量が55%以下である金属材料で構成される。これにより、本体部31は、靱性を維持することが可能となる。
(第1の実施例)
実施例および比較例を用いて、腐食試験および摩耗試験が実行された。実施例は、Cuが56wt%以上59wt%以下であり、Mnが2.0wt%以上3.0wt%以下であり、Siが0.7wt%以上1.3wt%以下であり、Alが1.0wt%以上2.0wt%以下であり、Feが0(ゼロ)wt%以上1.0wt%以下であり、Niが0wt%以上1.0wt%以下であり、Snが0wt%以上0.4wt%以下であり、Pbが0wt%以上0.1wt%以下であり、Biが0wt%以上0.1wt%以下であり、残部がZnおよび不可避不純物の金属材料である。実施例の総亜鉛当量は、40%以上55%以下である。比較例は、Cuが68wt%であり、Mnが3.3wt%であり、Siが1.5wt%であり、Biが6.5wt%であり、残部がZnおよび不可避不純物の金属材料である。比較例の総亜鉛当量は、35.5%である。
図3(a)は、実施例の腐食試験の実行前の写真である。図3(b)は、実施例の腐食試験の実行後の写真である。図3(c)は、比較例の腐食試験の実行前の写真である。図3(d)は、比較例の腐食試験の実行後の写真である。
図3(a)、図3(b)に示すように、実施例は、腐食試験を実行しても、試験体に黒化腐食がほとんど発生しないことが確認された。一方、図3(c)、図3(d)に示すように、比較例は、腐食試験を実行すると、試験体全面に黒化腐食が発生することが分った。
図4は、実施例および比較例の摩耗試験の結果を示す図である。摩耗試験を実行したところ、図4に示すように、実施例において摩耗が進行した深さは、比較例の0.42倍であった。つまり、実施例は、比較例より耐摩耗性が高いことが確認された。
(第2の実施例)
総亜鉛当量が異なる複数の試験体の腐食試験が実行された。図5は、総亜鉛当量と腐食性との関係を説明する図である。なお、図5中、縦軸は腐食性を示し、横軸は総亜鉛当量(%)を示す。また、図5中、腐食層を白四角で示し、堆積層を黒丸で示す。なお、腐食層は、所謂、脱亜鉛腐食によって生じる層である。つまり、腐食層は、試験体中のZnがエンジンオイルに溶け出すことによって生じる層である。堆積層は、所謂、硫化腐食によって生じる層である。つまり、堆積層は、試験体中のCuとエンジンオイルに含まれるS(硫黄)とによって生成される化合物の層である。
図5に示すように、総亜鉛当量が増加するに従って、腐食層および堆積層が低減することが分った。また、総亜鉛当量が40%以上になると、腐食層および堆積層がほとんど生じないことが確認された。
(第3の実施例)
Alの含有率が異なる複数の試験体の焼き付き試験が実行された。焼き付き試験は、試験体に印加する圧力(面圧)を変化させ、焼き付きが発生した圧力を測定する試験である。
図6は、焼き付き試験の結果を説明する図である。なお、図6中、縦軸は圧力を示し、横軸はAlの含有率(%)を示す。図6に示すように、試験体中のAlの含有率が大きくなるほど、低い圧力で焼き付きが発生することが確認された。
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、軸受30の本体部31全体が、上記金属材料で構成される場合を例に挙げて説明した。しかし、軸受30の本体部31のうち、軸受面34、軸受面35、スラスト軸受面41、および、スラスト軸受面42のうち、少なくともいずれか1の軸受面(すべり面)が、上記金属材料で構成されていればよい。また、軸受30の本体部31のうち、軸受面34、35、または、スラスト軸受面41、42のいずれか一方が、上記金属材料で構成されていればよい。また、軸受30の本体部31のうち、軸受面34、または、スラスト軸受面41のいずれか一方が、上記金属材料で構成されていてもよい。この場合、エンジン運転時の軸受温度が相対的に高いタービンインペラ7側に配置することで好適となり得る。
また、上記実施形態において、過給機Cは、ラジアル軸受およびスラスト軸受として機能する軸受30を備える場合を例に挙げて説明した。しかし、過給機Cは、ラジアル軸受とスラスト軸受とを別体で備えてもよい。過給機Cが、ラジアル軸受およびスラスト軸受を別体で備える場合、ラジアル軸受およびスラスト軸受のうち、すべり軸受である軸受の本体部の軸受面が少なくとも上記金属材料で構成されていればよい。
本開示は、過給機に利用することができる。
C 過給機
30 軸受(すべり軸受)
31 本体部
34 軸受面
35 軸受面
41 スラスト軸受面(軸受面)
42 スラスト軸受面(軸受面)

Claims (1)

  1. Cuと、
    Mn、Si、および、Alを含む第1添加元素と、
    Fe、Ni、Sn、Co、および、Mgのうち少なくとも1の元素を含む第2添加元素と、
    を含み、
    残部がZnおよび不可避不純物であり、
    {(前記第1添加元素の亜鉛当量×前記第1添加元素の含有量+前記第2添加元素の亜鉛当量×前記第2添加元素の含有量+前記Znの含有量)/(前記第1添加元素の亜鉛当量×前記第1添加元素の含有量+前記第2添加元素の亜鉛当量×前記第2添加元素の含有量+前記Znの含有量+前記Cuの含有量)}×100で示される総亜鉛当量が40%以上55%以下である金属材料で構成された軸受面を少なくとも有する本体部を有するすべり軸受を備える過給機。
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