本発明の実施の形態を、添付図面を参照して、以下に具体的に説明する。
先ず、図1〜図6において、粉粒体運搬車Vの車体F上には、粉粒体(例えばセメント、飼料、肥料等)を収容可能なタンクTが架装される。
タンクTは、概ね円筒状に形成されて前後方向に延びる中空のタンク本体Tmと、タンク本体Tmの上部に前後に間隔をおいて固設される複数のマンホール形成筒Thと、タンク本体Tmの後端下部に設けた円形リング状の排出口形成体Toと、その排出口形成体Toの内周面で形成されてタンク本体Tm内に連通する排出口11(図6参照)を開閉可能な略円錐テーパ状のハッチHと、ハッチHの外面に一体的に結合(例えば溶接、ねじ止め等)されて後方に延びる排出管Dとを備える。その排出管D内と排出口11とは、ハッチHの内部空間を介して連通している。
マンホール形成筒Thは、これの内周面により、メンテナンスやタンクT内への粉粒体導入のためのマンホールを形成しており、このマンホールは、タンク本体Tmの上部に取付けられるマンホール蓋16により随時開閉できるようになっている。
タンク本体Tmの後端下部の側面には、タンクTから外側方に離れる方向に(より具体的には斜め後方に延出し途中屈曲して外側方に水平方向に)延びる横断面コ字状のテールランプ用ステーStの基端部が固定(例えば溶接)される。テールランプ用ステーStの先部にはテールランプ20が取付けられ、またテールランプ用ステーStの中間部とタンク本体Tmとには、その相互間を結合してテールランプ用ステーStの支持剛性を高めるための棒材よりなる補強部材21の上下両端部がそれぞれ結合(例えば溶接)される。
テールランプ用ステーStにはテールランプ20の他、種々のランプ類(例えばブレーキランプ、ウインカランプ、バックランプ等)も取付け可能である。
尚、補強部材21は、本実施形態の棒材に限定されず、必要な剛性強度を有する種々の横断面形状の強度部材(例えば角パイプ材、丸パイプ材、L字状又はコ字状のアングル材等)の使用が可能である。
排出管Dは、ハッチHと共に剛体で構成され、排出管D内には、図3に示すように開閉弁CV(例えばバタフライ弁)が、付属の操作レバー18で外部から任意に開閉操作できるようにして設けられる。開閉弁CVは、平時、例えば粉粒体運搬車Vの走行時には閉弁状態に置かれて排出管Dを閉塞しており、またタンクTからの粉粒体排出時には開弁される。その粉粒体排出時において、排出管Dの下流端部は、例えば排出ホース41(デリバリーホース)の上流端部に着脱可能に接続され、さらに排出ホース41の下流端部は、例えば粉粒体収容容器42(例えばサイロ等)に接続される。
タンク本体Tmの後端部は、ハッチHよりも前方且つ下方において車体Fの後部に枢軸10(図2,図5参照)を以て軸支されており、その軸支部即ち枢軸10回りに、後方に傾動、即ちダンプするように揺動可能(図1鎖線及び白抜き矢印を参照)である。
また、タンク本体Tmの前部と車体Fとの間には、アクチュエータとしてのテレスコピック式のリフトシリンダAが介装される。そして、このリフトシリンダAが伸長することでタンク本体Tmを後方へ傾動させることができる。尚、車体Fの適所には、リフトシリンダAに作動油圧を随時供給可能な油圧ポンプを含む油圧供給系(図示せず)が搭載される。
さらに車体Fの適所には、タンク本体Tm内および排出管D内へ供給すべき加圧空気の供給源であるコンプレッサCが搭載される。このコンプレッサCから延出して後方に延びるコンプレッサ配管Lcの少なくとも下流部分(実施形態では略全域)が車体Fに固定、支持される。
このコンプレッサ配管Lcの下流端部は、二股状、即ち第1,第2分岐管13,14に分岐しており、第1分岐管13は、後述するエゼクタ配管Leの上流端Leuに接続され、また第2分岐管14は、後述するエア配管Laの上流端Lauに接続される。エゼクタ配管Leには、コンプレッサ配管Lcからエゼクタ配管Leの下流側への空気の流動のみを許容する第1チェック弁51が設けられ、またエア配管Laには、コンプレッサ配管Lcからエア配管Laの下流側への空気の流動のみを許容する第2チェック弁52が設けられる。尚、第1,第2チェック弁51,52は、第1,第2分岐管13,14に設けてもよい。
ハッチHは、排出口形成体Toの上部に枢軸9を介して軸支され、その枢軸9回りに後上方に開放揺動(図3鎖線及び白抜き矢印を参照)できるようになっている。またハッチHの外周部と排出口形成体Toの外周部との間には、ハッチHを排出口形成体Toにクランプして排出口11の閉塞位置に保持する複数のクランプ手段31が周方向に間隔をおいて設けられる。クランプ手段31としては、例えば、粉粒体運搬車のハッチのクランプに使用される従来周知のワンタッチ式のクランプ手段が用いられる。
尚、ハッチHは、それの軸支部即ち枢軸9を排出口形成体Toの左右又は下部に配設することで、左右又は後下方に開放揺動できるようにしてもよい。またハッチHは、これを実施形態のようにタンク本体Tm(排出口形成体To)に軸支する代わりに、複数のボルトで締結して、ハッチHの開放時にタンク本体Tm(排出口形成体To)から完全に取外しできるようにしてもよい。
エゼクタ配管Leは、これから排出管D内に加圧空気を下流側に向けて噴射することで、排出管Dからの粉粒体の排出を助勢、促進するためのものであり、その下流端Ledが排出管Dの周壁に斜め下流側に傾斜して開口する。
また本実施形態のエゼクタ配管Leは、これの上流端Leuから下流側に所定長さ延びる第1配管部分Le1と、エゼクタ配管Leの下流端Ledから上流側に所定長さ延びる第2配管部分Le2と、第1,第2配管部分Le1,Le2の相互間を接続する中間配管部分Le3とを備える。
第1,第2配管部分Le1,Le2は、剛性の高い剛管部で各々構成され、一方、中間配管部分Le3は、可撓性を有するホース部で構成される。そして、ホース部よりなる中間配管部分Le3の上流端は、剛管部よりなる第1配管部分Le1の下流端に接続され、また中間配管部分Le3の下流端と、剛管部よりなる第2配管部分Le2の上流端との相互間は、ジョイントJeを介して随時に着脱可能に接続される。尚、このジョイントJeとしては、例えば、ワンタッチ操作でロック及びロック解除が可能な従来周知のカップリングが使用可能である。
図2,図5等から明らかなように、第1配管部分Le1は、前後方向に略直線状に延び、また中間配管部分Le3は、水平面内を途中でタンクT側に湾曲するように延び、更に第2配管部分Le2は、く字状に屈曲してタンクTの中心軸線に近づくように延びていて下流端Ledが排出管Dの途中に接続される。
ハッチHの外面には、排出管Dに概ね沿うように延びるエゼクタ配管用ステーSeの基端部が固定(例えば溶接)される。このエゼクタ配管用ステーSeの先端部には、エゼクタ配管Leの所定中間部分Lex(本実施形態では剛管部である第2配管部分Le2の排出管D寄りの中間部)が固定される。その固定手段として、本実施形態では、エゼクタ配管Leの所定中間部分Lexを抱持する中間彎曲部を有してU字状に形成されるU字ボルト33と、そのU字ボルト33の平行な一対のねじ軸部33a,33aに各々螺締されて各ねじ軸部33aをエゼクタ配管用ステーSeに固定する複数のナット34とが用いられる。
ここで、所定中間部分Lexとは、エゼクタ配管Leの上流端Leu・下流端Led(即ち、コンプレッサ配管Lc・排出管Dとの各接続部)以外の部分であれば、何処でもよい。
またエゼクタ配管用ステーSeに固定される所定中間部分Lexは、エゼクタ配管Leの長さ方向中央部よりも、またホース部よりなる中間配管部分Le3よりも排出管D側に偏位している。これにより、エゼクタ配管Leの所定中間部分Lexよりも上流側配管部分が比較的長くなって撓み易くなっている。
エゼクタ配管用ステーSeは、図3でも明らかなように、排出管Dの軸線Dcと垂直な方向で見て(換言すれば、排出管Dの軸線Dcと平行な所定方向(本実施形態では鉛直方向)の投影面で見て)、例えば車両側面視(図3)で、軸線Dcに関してエゼクタ配管Leと同側(実施形態では下側)にオフセット配置される。
ここでエゼクタ配管用ステーSeが軸線Dcに関して「同側にオフセット配置」とは、エゼクタ配管用ステーSeの少なくとも半分以上の部分が、軸線Dcを基準としてエゼクタ配管Leと同じ側に在ることをいう。また、この「同側にオフセット配置」しているか否かは、車両側面視以外で見てもよく、例えば平面視では、エゼクタ配管用ステーSeが軸線Dcに関してエゼクタ配管Leと同じ側、即ち図5で車両の左側にオフセット配置されている。即ち、排出管Dの軸線Dcと垂直な何れかの方向から見たときに、エゼクタ配管用ステーSeの半分以上が、軸線Dcに関してエゼクタ配管Leと同じ側に位置するということである。
この配置によれば、エゼクタ配管用ステーSeは、これのハッチHとの固定部位と、エゼクタ配管Leとの固定部位との距離、即ちエゼクタ配管用ステーSeの長さを比較的短く設定可能となるため、エゼクタ配管用ステーSeのエゼクタ配管Leに対する支持剛性が高められ、エゼクタ配管Leの振動をより効果的に抑制可能となる。
尚、本実施形態では、エゼクタ配管Leの、所定中間部分Lexと下流端Ledとに亘る下流側配管部分を含む第2配管部分Le2全体を剛管部で構成したが、第2配管部分Le2の少なくとも一部を可撓性を有するホース部で構成してもよい。また実施形態では、第1配管部分Le1全体を剛管部で構成したが、第1配管部分Le1の少なくとも一部を可撓性のホース部で構成してもよい。また実施形態では、第2配管部分Le2全体を剛管部で構成したが、第2配管部分Le2の少なくとも一部を可撓性のホース部で構成してもよい。或いはまた、エゼクタ配管Leの配管全体Le1,Le3,Le2を可撓性のホース部で構成してもよい。
一方、エア配管Laは、図2〜図6に示されるように、下流端Ladがタンク本体Tmの後端下部に開口するように、タンク本体Tmに固定(例えば溶接)される。
タンク本体Tmの内側壁下部には、エア配管Laから流入した加圧空気をタンク本体Tm内の前部に導くための、前後方向に長く延びる扁平な第1空気通路25が画成される。またタンク本体Tmの底部には、第1空気通路25の側壁26に隣接して通気性のキャンバス27が張設されており、このキャンバス27とタンク本体Tmの底面との間には、前後方向に長く延びる扁平な第2空気通路28が画成される。そして、第1,第2空気通路25,28は、上記側壁26の前部に設けた複数の連通孔26hを介して相互間が連通している。
而して、コンプレッサCからコンプレッサ配管Lc及びエア配管Laを経てタンクT内の第1空気通路25の後部に流入した加圧空気は、第1空気通路25を前側に流動し、連通孔26hから第2空気通路28の前部に流入し、そこからキャンバス26の略全面を通してタンク本体Tm内に上方に噴出する。従って、タンクT内の貯留粉粒体を排出管D側へ排出する際には、キャンバス26を通して吹き上げる噴出空気が、タンクT内を加圧すると共にキャンバス26上での粉粒体の、後方へのスライド流動を助勢、促進し、これにより、粉粒体を排出管D側へ効率よく排出できるようになっている。
また本実施形態のエア配管Laは、これの上流端Lauから下流側に所定長さ延びる第1配管部分La1と、エア配管Laの下流端Ladから上流側に所定長さ延びる第2配管部分La2と、第1,第2配管部分La1,La2の相互間を接続する中間配管部分La3とを備える。
エア配管Laの第1,第2配管部分La1,La2は、剛性の高い剛管部で各々構成され、一方、中間配管部分La3は、可撓性を有するホース部で構成される。そして、ホース部よりなる中間配管部分La3の上流端は、剛管部よりなる第1配管部分La1の下流端に接続され、また中間配管部分La3の下流端と、剛管部よりなる第2配管部分La2の上流端との相互間は、ジョイントJaを介して着脱可能に接続される。尚、このジョイントJaについても、例えば、エゼクタ配管Le側のジョイントJeと同様、ワンタッチ操作でロック及びロック解除が可能な従来周知のカップリングが使用可能である。
図2,図5等から明らかなように、エア配管Laの第1配管部分La1は、前後方向に略直線状に延び、また中間配管部分La3は、略水平面内を途中でタンクT側に湾曲するように延び、更に第2配管部分La2は、途中がく字状に屈曲してタンクTに近づくように斜め上向きに延びていて、タンク本体Tmの後端下部に結合され且つタンク本体Tm内(より具体的には第1空気通路25)に開口している。
エア配管Laの所定中間部分Lax(本実施形態では剛管部である第2配管部分La2の途中部分)の略真上位置において、前述のテールランプ用ステーStの中間部分には、略鉛直方向(下方)に延びるタンク側配管用ステーSaの上端部が固定(例えば溶接)、支持される。タンク側配管用ステーSaの下端部には、エア配管Laの所定中間部分Laxが固定、支持される。その固定手段として、本実施形態ではエゼクタ配管用ステーSeにエゼクタ配管Leの所定中間部分Lexを固定するのに用いたのと同様のU字ボルト33及びナット34が用いられる。
ここで、所定中間部分Laxとは、エア配管Laの上流端Lau・下流端Lad(即ち、コンプレッサ配管Lc・タンク本体Tmとの各接続部)以外の部分であれば、何処でもよい。
またタンク側配管用ステーSaに固定される所定中間部分Laxは、エア配管Laの長さ方向中央部よりも、またホース部よりなる中間配管部分La3よりもタンクT側に偏位している。これにより、エア配管Laの所定中間部分Laxよりも上流側配管部分が比較的長くなって撓み易くなっている。
尚、前記実施形態では、エア配管Laの、所定中間部分Laxと下流端Ladとに亘る下流側配管部分を含む第2配管部分La2全体を剛管部で構成したが、第2配管部分La2の少なくとも一部を可撓性を有するホース部で構成してもよい。また実施形態では、第1配管部分La1全体を剛管部で構成したが、第1配管部分La1の少なくとも一部を可撓性のホース部で構成してもよい。また実施形態では、第2配管部分La2全体を剛管部で構成したが、第2配管部分La2の少なくとも一部を可撓性のホース部で構成してもよい。或いはまた、エア配管Laの配管全体La1,La3,La2を可撓性のホース部で構成してもよい。
また、エゼクタ配管Le及びエア配管Laの各中間配管部分Le3,La3を構成するホース部は、これを可撓性材料のみで構成してもよいし、或いは可撓性材料に補強材を埋設したもので構成してもよい。而して、ホース部に硬めの可撓性材料を用いた場合や上記補強材を埋設した場合には、可撓性のホース部に適度な剛性が付与される。
しかも本実施形態の各中間配管部分Le3,La3は、タンクTの傾動支点である枢軸10と車両側面視で重なるように配置されている。これにより、タンクTの後方傾動時における車体Fに対する相対変位に応じて、可撓性のホース部よりなる中間配管部分Le3,La3が無理なく撓み変形できるようになっている。
またエゼクタ配管Le及びエア配管Laの、各々剛管部よりなる第1配管部分Le1,La1は、車体Fに基端を各々固定されて外側方に延びる前後一対のステーSb,Scの先部に前後二箇所で固定される。尚、その固定手段としては、例えば、エゼクタ配管用ステーSe及びタンク側配管ステーSaにエゼクタ配管Le及びエア配管Laの所定中間部分Lex,Laxを固定するのに使用したのと同様のU字ボルト33及びナット34が用いられる。
次に前記実施形態の作用を説明する。タンクT内に粉粒体を収容した粉粒体運搬車Vが目的地に到着すると、排出管Dの下流端部が排出ホース41を介して粉粒体収容容器42(例えばサイロ等)に接続される。そして、開閉弁CVを開弁すると共にコンプレッサCを作動させる。
これにより、コンプレッサ配管Lcからエア配管Laを経てタンクT内の第1空気通路25の後部に流入した加圧空気は、第1空気通路25を前方に流れ、前部の連通孔26hを経て第2空気通路27に流入し、更にキャンバス26を通してタンク本体Tm内に上方に噴出するため、その噴出空気がタンクT内を加圧すると共にキャンバス26上での粉粒体の流動化を促進する。その結果、タンクT内において粉粒体の後方へのスライド流動が助勢、促進され、粉粒体を排出管D側へ効率よく排出することができる。
また、コンプレッサ配管Lcからエゼクタ配管Leを経て排出管D内に噴出した加圧空気は、排出管Dからの粉粒体の排出を更に助勢、促進することができる。
そして、必要に応じてタンクTをリフトシリンダAで後方傾動させることにより、タンクT内での粉粒体の後方流動や排出管Dからの粉粒体排出が更に促進される。
また、タンクT内のメンテナンス作業時には、マンホール蓋16を開き、更にハッチHを開くことで、マンホール及び排出口11が開放状態となるため、その開放空間を通してタンク本体Tm内のメンテナンス作業を支障なく行うことができる。
特にハッチHを開く前には、エゼクタ配管Leのホース部よりなる中間配管部分Le3を、剛管部よりなる第2配管部分Le2よりジョイントJeにおいて分離(図3鎖線参照)すると共に、排出管Dと排出ホース41との間も分離しておく。これにより、ハッチHの開閉操作の際に、エゼクタ配管Leのホース部よりなる中間配管部分Le3や排出ホース41が作業の邪魔になる心配が無くなる。
ところで本実施形態の排出管D付きハッチHには、エゼクタ配管用ステーSeの基端部が固定されると共に、同ステーSeの先端部にエゼクタ配管Leの所定中間部分Lexが固定されている。そのため、エゼクタ配管用ステーSeによりエゼクタ配管Leの振動抑制を図ることができる。またハッチHを開ける際に、エゼクタ配管用ステーSeがハッチH(排出管D)と一体的に変位するが、その変位に、エゼクタ配管Leの下流側配管部分(即ち下流端Ledとエゼクタ配管用ステーSeとに亘る配管部分)も同調変位する。
これにより、たとえエゼクタ配管Leの所定中間部分Lexをエゼクタ配管用ステーSeに固定したままでも、或いはエゼクタ配管Leの前記下流側配管部分を剛性大としたり短くしたような場合でも、ハッチHのスムーズな開閉操作がエゼクタ配管Leの前記下流側配管部分で阻害される虞れはなくなり、ハッチHの操作性が良好となる。しかもエゼクタ配管Leの前記下流側配管部分については、可撓性の有無に関係なく材料選定が可能となる上、ハッチHの開閉性に配慮して配管長さを長めに設定する必要もないことから、それだけ設計自由度が高められる。
また、ハッチHの開閉時やタンクTの後方傾動時に、エゼクタ配管用ステーSeとコンプレッサ配管Lcとが相対変位しても、その両者間に跨がるエゼクタ配管Leの上流側配管部分(即ち上流端Leuと所定中間部分Lexとに亘る配管部分)のうちの少なくとも一部の配管部分(実施形態では中間配管部分Le3)は、可撓性のホース部で構成されて撓み易いから、相対変位を無理なく吸収可能である。
更にエゼクタ配管Leは、これの下流端Ledと少なくとも所定中間部分Lexとに亘る下流側配管部分を少なくとも含む特定配管部分(本実施形態では第2配管部分Le2)が剛管部で構成されていて、その剛管部で排出管Dと接続され且つエゼクタ配管用ステーSeに固定される。しかも可撓性のホース部で構成される前記一部の配管部分(実施形態では中間配管部分Le3)と、剛管部で構成される前記特定配管部分(本実施形態では第2配管部分Le2)とは、ジョイントJeを介して着脱可能に接続されていて、随時に切り離しできるようになっている。
従って、ハッチHを開く際に、例えばエゼクタ配管Leの中間配管部分Le3(ホース部)を第2配管部分Le2(剛管部)から予め切り離しておけば、エゼクタ配管用ステーSe、ハッチH及び第2配管部分Le2(剛管部)を、中間配管部分Le3(ホース部)に一切干渉されずに無理なく一体的に変位させることができ、エゼクタ配管用ステーSeから第2配管部分Le2(剛管部)を取り外す必要もなくなる。
また本実施形態では、タンクTの後端下部に、タンクTから離れる方向に延びるテールランプ用ステーStの基端部が片持ち状に固定、支持されているが、そのテールランプ用ステーStの先端寄りの中間部とタンクTとの間は補強部材21を介して一体的に結合されているため、テールランプ用ステーStに対する支持剛性が補強部材21により効果的に高められる。
そして、このテールランプ用ステーStの途中部分にはタンク側配管用ステーSaの基端部が固定、支持され、そのタンク側配管用ステーSaの先端部にエア配管Laの所定中間部分Laxが固定、支持される。このようにタンクTから離れる方向に延びるテールランプ用ステーStを介してタンク側配管用ステーSaがタンクTに固定されるため、それだけタンク側配管用ステーSa自体の短縮化が図られて、タンク側配管用ステーSa(従って同ステーSaに支持されるエア配管La)の振動を効果的に抑制可能となる。
しかもテールランプ用ステーStに対する補強部材21が、タンク側配管用ステーSaに対する補強手段にも兼用されることになるから、それだけ構造簡素化、延いてはコスト節減が図られる。
また、粉粒体排出等のためにタンクTを後方傾動させる際に、タンクTと同調変位するタンク側配管用ステーSaと車体側のコンプレッサ配管Lcとが相対変位しても、その両者間に跨がるエア配管Laの上流側配管部分(即ち上流端Lauと所定中間部分Laxとに亘る配管部分)のうち、少なくとも一部の配管部分(具体的には中間配管部分La3)が可撓性のホース部で構成されていて撓み易いから、その相対変位を無理なく吸収可能である。
その上、本実施形態のタンク側配管用ステーSaは、テールランプ用ステーStから鉛直方向に延びるように形成されている。これにより、車両の走行振動のうち、路面の凹凸で特に大きくなる上下方向振動が、タンク側配管用ステーSaに対しその長手方向(鉛直方向)に作用することとなり、その振動に因るタンク側配管用ステーSaの曲げ変形が有効に抑えられる。その結果、タンク側配管用ステーSaの自由端(上下一端)の振動を効果的に抑制できるため、エア配管Laの振動をより効果的に抑制可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、タンク側配管として、タンクTに直接接続されるエア配管Laを例示したが、タンク側配管はエア配管Laに限定されず、タンクTに直接又は間接的に接続される他の配管をタンク側配管としてもよい。例えば、タンクTに固定の排出管Dを介してタンクTに接続されるエゼクタ配管Leをタンク側配管としてもよいが、この場合は、エゼクタ配管Leの所定中間部分Lexを固定支持するエゼクタ配管用ステーSeがタンク側配管用ステーとして機能し、このステーSeの一端部を実施形態のようにハッチHに固定する代わりに、テールランプ用ステーStに固定する。
また前記実施形態では、テールランプ用ステーStを補強するための補強部材21が、テールランプ用ステーStの上面に固定されるものを示したが、その固定部位は実施形態に限定されず、例えば、テールランプ用ステーStの前面、後面又は下面に補強部材21を固定してもよい。
また前記実施形態では、タンク側配管の一例であるエア配管Laを、タンク側配管用ステーSaの下端部で固定、支持するものを示したが、テールランプ用ステーStの配置や形態によっては、テールランプ用ステーStより上方に延びるタンク側配管用ステーSaの上端部でエア配管Laを固定、支持してもよい。或いは、タンク側配管用ステーSaを水平方向外方に延ばして、その外端部でエア配管Laを固定、支持してもよい。
また前記実施形態では、各ステーSe,Sa,St,Sb,Scを横断面L字状又はコ字状のアングル材で構成したものを例示したが、各ステーSe,Sa,St,Sb,Scの形態は、前記実施形態に限定されず、必要な剛性強度を有する種々の横断面形状(例えば角パイプ状、丸パイプ状、棒状等)の部材の使用が可能である。
また前記実施形態では、エゼクタ配管用ステーSe及びタンク側配管用ステーSaにエゼクタ配管Le及びエア配管Laの所定中間部分Lex,Laxを固定する固定手段として、U字ボルト33及びナット34を用いたものを例示したが、固定手段は、実施形態に限定されず、他の様々の固定手段の使用が可能である。例えば、エゼクタ配管Le及びエア配管Laの所定中間部分Lex,Laxを保持する保持部材をエゼクタ配管用ステーSe及びタンク側配管用ステーSaにボルト止め又は溶接してもよい。
また、前記実施形態では、タンク側配管の一例であるエア配管Laの、タンク側配管用ステーSaによる固定対象部位である所定中間部分Laxが、エア配管Laの剛管部であるものを示したが、その所定中間部分Laxは、エア配管Laの可撓性のホース部であってもよい。
また前記実施形態では、エア配管Laは、分岐管14との接続部(即ち第1配管部分La1の上流端部)を上流端部Lauとしたが、ホース部よりなる中間配管部分La3の上流端部を、エア配管Laの上流端部Lauとしてもよい。この場合、実施形態の剛管部よりなる第1配管部分La1は、コンプレッサ配管Lcに兼用され、即ちコンプレッサ配管Lcの下流部分となって、車体FにステーSb,Scを介して固定される。
また前記実施形態では、コンプレッサ配管Lcに分岐管13,14を経てエゼクタ配管Le及びエア配管Laを接続したものを示したが、本発明では、エゼクタ配管Leを省略してもよく、そのときは分岐管13,14も不要となる。この場合、分岐管13,14を持たないコンプレッサ配管Lcは、エア配管Laのホース部(実施形態では中間配管部分La3)より上流側までとされ、即ち、そのホース部より上流側で車体Fに固定される剛管部(実施形態では第1配管部分La1)はコンプレッサ配管Lcの下流部分となる。