JP2019177688A - 積層シート、放熱部品、発光デバイス、発光装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで本発明は、発光装置にも有用な、熱伝導性と可視光反射性の両特性に優れた積層シートを提供することを課題とする。
このように構成すると、熱伝導性と可視光反射性の両特性に優れた積層シートを得ることができる。
このように構成すると、熱膨張率を制御でき、さらに、熱伝導性と可視光反射性の両特性に優れた積層シートを得ることができる。
このように構成すると、熱膨張率を制御でき、さらに、熱伝導性と可視光反射性の両特性に優れた積層シートを得ることができる。
このように構成すると、重合性化合物を配向している状態(分子が一方向に揃った状態)にすることにより、熱を広げることができ、効率よく冷却する可視光反射層となる。したがって、可視光反射層は、熱伝導性と可視光反射性の両特性に優れる。
このように構成すると、重合性化合物が無機フィラーと結合している状態の可視光反射層となる。したがって、可視光反射層は、熱伝導性と可視光反射性の両特性に優れる。
このように構成すると、重合性化合物と無機フィラーとの結合部位が多い構造となる。
このように構成すると、重合性化合物と無機フィラーとの結合部位が多い構造となる。さらに、吸湿性を抑制することができる。
このように構成すると、2官能以上のヒドロキシを有する重合性化合物を用いることにより、可視光反射層の耐熱性を著しく向上させることができる。
Ra−R6−O−(Rx)n−O−R11−Ra (1)
[上記式(1)中、
Raは、それぞれ独立して、下記式(1−1)〜(1−2)、アミノ、ビニル、カルボン酸無水物残基、またはこれらの構造を含むいずれかの重合性基であり;
Rxは、下記式(1−3)〜(1−6)のいずれかであり;
nは、1〜3の整数であり;
R6およびR11は、それぞれ独立して、単結合、または炭素数1〜20のアルキレンである。]
このように構成すると、重合性化合物の構造は反応部位が少なく、熱による影響を受けにくいため、積層シートは高耐熱性を有することができる。
(R1−O)j−Si(R5)3−j−(R2)k−(R3)m−(R4)n−Ry
(6)
[上記式(6)中、
R1は、H−、またはCH3−(CH2)0〜4−であり;
R2は、−(CH2)0〜3−O−であり;
R3は、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、またはナフタレン−2,7−ジイルであり;
R4は、−(NH)0〜1−(CH2)0〜3−であり;
R5は、H−、またはCH3−(CH2)0〜7−であり;
Ryは、オキシラニル、オキセタニル、アミノ、ビニル、カルボン酸無水物残基、またはこれらの構造を含むいずれかの重合性基であり;
jは、0〜3の整数であり;
kは、0〜1の整数であり;
mは、0〜1の整数であり;
nは、0〜1の整数であり;
式(6)は、R3とR4の少なくとも1つを含む。]
このように構成すると、カップリング剤の構造は反応部位が少なく、熱による影響を受けにくいため、積層シートは高耐熱性を有することができる。
Ra−Z−(A−Z)m−Ra ・・・(2)
[前記式(2)中、
Raは、それぞれ独立して、オキシラニルまたはオキセタニルを含む構造を有する基であり;
Aは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、またはビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイルであり、
これらの環において、任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、
該アルキルにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく;
Zは、それぞれ独立して、単結合、または炭素数1〜20のアルキレンであり、
該アルキレンにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−N(O)=N−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
mは、1〜6の整数である。]
このように構成すると、重合性化合物は熱硬化性であり、フィラーの量に影響を受けずに硬化させることができ、さらに耐熱性に優れる。また分子構造は、対称性、直線性を有するため、フォノンの伝播に有利であると考えられる。
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、または炭素数1〜3のアルキルであり;
mは2〜4の整数であり、nは1〜3の整数であり、pは2〜4の整数であり、qは1〜3の整数であり、m+n=5であり、p+q=5であり;
Aは、単結合、炭素数1〜10のアルキレン、シクロヘキシレン、シクロヘキセニレン、フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、ビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイル、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェニレン、アダマンタンジイル、または、ビアダマンタンジイルであり、
炭素数1〜10のアルキレンにおいて、任意の水素は−CH3で置き換えられてもよく、
シクロヘキシレン、シクロヘキセニレン、フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、ビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイル、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェニレン、アダマンタンジイル、または、ビアダマンタンジイルにおいて、任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、
任意の水素と置き換えられたアルキルにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく;
Z1およびZ2は、それぞれ独立して、単結合、または炭素数1〜20のアルキレンであり、
該アルキレンにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。]
[上記式(4)中、
xは2以上の整数であり;
環Bは、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、9,9‐ジフェニルフルオレン、アダマンタン、またはビアダマンタンであり、
環Bにおいて、任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、または炭素数1〜3のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、
環Bの炭素数1〜3のアルキル、または炭素数1〜3のハロゲン化アルキルにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよい。]
このように構成すると、2官能以上のヒドロキシを有する重合性化合物のうち特に好ましい化合物を用いて積層シートを構成することができる。これらの化合物は熱硬化性であり、フィラーの量に影響を受けずに硬化させることができる。また分子構造は、対称性、直線性を有するため、フォノンの伝播に有利であると考えられる。
このように構成すると、熱源から積層シートに伝達された熱を効率よく金属部材へ伝達させることができる。
このように構成すると、発光デバイスは、可視光反射層により外部への光取り出し効率を向上させることができる。同時に、高熱伝導性を有する積層シートにより発光チップに生じた熱を効率よく放熱させることができる。
このように構成すると、発光デバイスの放熱効果により、発光装置への熱の影響を抑制することができる。
「液晶化合物」「液晶性化合物」は、ネマチック相やスメクチック相などの液晶相を発現する化合物である。
本願の第1の実施の形態に係る積層シートは、可視光反射層と高熱伝導層とを備える。例えば図1に示すように、積層シート30は、可視光反射層31が高熱伝導層32に接触するように積層されてもよい。または、積層シートが所望の熱伝導性を有する限り、熱伝導率の高い他層を介して、可視光反射層31が高熱伝導層32に積層されてもよい。
以下に、高熱伝導層32、可視光反射層31の順で各層について説明する。
まず、高熱伝導層(1)を形成するための高熱伝導層用組成物について説明する。
高熱伝導層用組成物は、無機フィラー同士をカップリング剤および2官能以上の重合性化合物を介して結合させることにより高熱伝導層を形成する組成物である。図2は無機フィラーとして窒化ホウ素を用いた場合の結合例である。窒化ホウ素(h−BN)をカップリング剤で処理すると、窒化ホウ素は粒子の平面に反応基がないため、その周囲のみに複数のカップリング剤が結合する。このように、無機フィラーに対し複数のカップリング剤との結合が形成される。さらにカップリング剤は重合性化合物とも結合できる。したがって、窒化ホウ素に結合したカップリング剤同士を重合性化合物でつなぐことにより、図2に示すように、窒化ホウ素間に複数の結合を形成することができる。
このように、無機フィラー同士をカップリング剤および重合性化合物を介して結合させることにより、直接的にフォノンを伝播することができるので、高熱伝導層用組成物から形成された高熱伝導層は極めて高い熱伝導性を有し、無機成分の熱膨張率を直接反映させた複合材料となる。
高熱伝導層用組成物の硬化により、第1のカップリング剤11の他端が重合性化合物22と結合すると、第1の無機フィラー1と第2の無機フィラー2との間の結合が形成される(図3)。
高熱伝導層用組成物の硬化により、第1のカップリング剤11の他端が第2のカップリング剤12と結合すると、第1の無機フィラー1と第2の無機フィラー2との間の結合が形成される(図4)。
<2官能以上の重合性非液晶化合物>
2官能以上の重合性化合物は、非液晶性化合物であってもよい。非液晶性の2官能以上の重合性化合物としては、下記式(1)で表される重合性化合物を挙げることができる。
Ra−R6−O−(Rx)n−O−R11−Ra (1)
上記式(1)中、
Raは、それぞれ独立して、下記式(1−1)〜(1−2)、アミノ、ビニル、カルボン酸無水物残基、またはこれらの構造を含むいずれかの重合性基であり;
Rxは、ナフタレン−2,6−ジイル、または、下記式(1−3)〜(1−6)で表されるナフタレン−2,7−ジイル、ビフェニル−2,2’、ビフェニル−2,4’、ビフェニル−3,3’のいずれかであり;
nは、1〜3の整数であり;
R6およびR11は、それぞれ独立して、単結合、または炭素数1〜20のアルキレンである。
式(1)で表される重合性化合物は、その構造中反応部位が少なく、熱による影響を受けにくい。一方で、その構造はフォノンの伝播に優れることがわかった。よって、高熱伝導層用組成物から形成される高熱伝導層は、高熱伝導性とともに高耐熱性を有することができる。
2官能以上の重合性化合物は、液晶性化合物であってもよい。液晶性を有する2官能以上の重合性化合物としては、下記式(2)で表される重合性液晶化合物を挙げることができる。
重合性液晶化合物は、液晶骨格と重合性基を有し、高い重合反応性、広い液晶相温度範囲、良好な混和性などを有する。この化合物(2)は他の液晶性の化合物や重合性の化合物などと混合するとき、均一になりやすい。
Ra−Z−(A−Z)m−Ra (2)
末端基Raは、上記式(1)で定義したRaと同義である。
上記化合物(2)の環構造Aにおける少なくとも1つの環が1,4−フェニレンの場合、配向秩序パラメーター(orientational order parameter)および磁化異方性が大きい。また、少なくとも2つの環が1,4−フェニレンの場合、液晶相の温度範囲が広く、さらに透明点が高い。1,4−フェニレン環上の少なくとも1つの水素がシアノ、ハロゲン、−CF3または−OCF3に置換された場合、誘電率異方性が高い。また、少なくとも2つの環が1,4−シクロヘキシレンである場合、透明点が高く、かつ粘度が小さい。
上記化合物(2)の結合基Zが、単結合、−(CH2)2−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−または−(CH2)4−である場合、特に、単結合、−(CH2)2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−または−(CH2)4−である場合、粘度が小さくなる。また、結合基Zが、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−または−CF=CF−である場合、液晶相の温度範囲が広い。また、結合基Zが、炭素数4〜10程度のアルキルの場合、融点が低下する。
以上のように、末端基Ra、環構造Aおよび結合基Zの種類、環の数を適宜選択することにより、目的の物性を有する化合物を得ることができる。
P−Y−(A−Z)m−Ra (2a)
P−Y−(A−Z)m−Y−P (2b)
上記式(2a)および(2b)中、A、Z、Raは上記式(2)で定義したA、Z、Raと同義であり、Pは下記式(2−1)〜(2−2)で表される重合性基、シクロヘキセンオキシド、無水フタル酸、または無水コハク酸を示し、Yは単結合または炭素数1〜20のアルキレン、好ましくは炭素数1〜10のアルキレンを示し、該アルキレンにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−または−CH=CH−で置き換えられてもよい。特に好ましいYとしては、炭素数1〜10のアルキレンの片末端もしくは両末端の−CH2−が−O−で置き換えられたアルキレンである。mは1〜6の整数、好ましくは2〜6の整数、さらに好ましくは2〜4の整数である。
Z1は、それぞれ独立して、単結合、−(CH2)2−、−(CF2)2−、−(CH2)4−、−CH2O−、−OCH2−、−(CH2)3O−、−O(CH2)3−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−(CH2)2COO−、−OCO(CH2)2−、−C≡C−、−C≡C−COO−、−OCO−C≡C−、−C≡C−CH=CH−、−CH=CH−C≡C−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−OCF2−または−CF2O−である。なお、複数のZ1は同一でも異なっていてもよい。
P−Y−(A−Z)m−Ra (2a)
P−Y−(A−Z)m−Y−P (2b)
上記式中、A、Y、Z、Raおよびmはすでに定義したとおりであり、Pは下記式(2−1)〜(2−2)で表される重合性基を示す。上記式(2b)の場合、2つのPは同一の重合性基(2−1)〜(2−2)を示し、2つのYは同一の基を示し、2つのYは対称となるように結合する。
2官能以上の重合性化合物は、ヒドロキシを有する非液晶性化合物であってもよい。非液晶性の2官能以上のヒドロキシを有する重合性化合物としては、下記式(3)または(4)で表される少なくとも1つの重合性化合物を挙げることができる。
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、または炭素数1〜3のアルキルであり;
mは2〜4の整数であり、nは1〜3の整数であり、pは2〜4の整数であり、qは1〜3の整数であり、m+n=5であり、p+q=5であり;
Aは、単結合、炭素数1〜10のアルキレン、シクロヘキシレン、シクロヘキセニレン、フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、ビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイル、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェニレン、アダマンタンジイル、またはビアダマンタンジイルであり、
炭素数1〜10のアルキレンにおいて、任意の水素は−CH3で置き換えられてもよく、
シクロヘキシレン、シクロヘキセニレン、フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、ビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイル、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェニレン、アダマンタンジイル、または、ビアダマンタンジイルにおいて、任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、
任意の水素と置き換えられたアルキルにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく;
Z1、Z2は、それぞれ独立して単結合、または炭素数1〜20のアルキレンであり、
該アルキレンにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。
xは2以上の整数であり;
環Bは、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、9,9‐ジフェニルフルオレン、アダマンタン、または、ビアダマンタンであり、
環Bにおいて、任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、または炭素数1〜3のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、
環Bの炭素数1〜3のアルキル、または炭素数1〜3のハロゲン化アルキルにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよい。
2官能以上の重合性化合物は、ヒドロキシを有する液晶性化合物であってもよい。液晶性を有する2官能以上のヒドロキシを有する重合性化合物としては、下記式(5)で表される少なくとも1つの重合性化合物を挙げることができる。化合物(5)は、液晶骨格と2官能以上のヒドロキシを有し、高い重合反応性、広い液晶相温度範囲、良好な混和性などを有する。この化合物(5)は他の液晶性の化合物や重合性の化合物などと混合するとき、均一になりやすい。
上記化合物(5)の環Cおよび結合基W、結合基Yを適宜選択することによって、液晶相発現領域などの物性を任意に調整することができる。環C、結合基Wおよび結合基Yの種類が、化合物(5)の物性に与える効果、ならびに、これらの好ましい例を以下に説明する。
上記式(5)において、結合基Yは、独立して、単結合または炭素数1〜20のアルキレン、好ましくは炭素数1〜10のアルキレンを示し、炭素数2〜20の該アルキレンにおいて、ヒドロキシと結合していない任意の−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。Yが直鎖状アルキレンである場合、液晶相の温度範囲が広く、かつ粘度が小さい。一方、Yが分岐状アルキレンである場合、他の液晶性の化合物との相溶性がよい。
上記化合物(5)の環Cにおける少なくとも1つの環が1,4−フェニレンの場合、配向秩序パラメーター(orientational order parameter)および磁化異方性が大きい。また、少なくとも2つの環が1,4−フェニレンの場合、液晶相の温度範囲が広く、さらに透明点が高い。1,4−フェニレン環上の少なくとも1つの水素がシアノ、ハロゲン、−CF3または−OCF3に置換された場合、誘電率異方性が高い。また、少なくとも2つの環が1,4−シクロヘキシレンである場合、透明点が高く、かつ粘度が小さい。
上記化合物(5)の結合基Wが、単結合、−(CH2)2−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−または−(CH2)4−である場合、特に、単結合、−(CH2)2−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−または−(CH2)4−である場合、粘度が小さくなる。また、結合基Wが、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−または−CF=CF−である場合、液晶相の温度範囲が広い。また、結合基Wが、炭素数4〜10程度のアルキレンの場合、融点が低下する。
以上のように、環C、結合基W、結合基Yの種類、環の数を適宜選択することにより、目的の物性を有する化合物を得ることができる。
上記化合物(1)(2)(3)(4)(5)は、有機合成化学における公知の手法を組合せることにより合成できる。出発物質に目的の末端基、環構造および結合基を導入する方法は、例えば、ホーベン−ワイル(Houben-Wyle, Methods of Organic Chemistry, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)、オーガニック・シンセシーズ(Organic Syntheses, John Wily & Sons, Inc.)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wily & Sons Inc.)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などの成書に記載されている。また、特開2006−265527号公報を参照してもよい。
上記重合性化合物は、有機合成化学における公知の手法を組合せることにより合成できる。
第1の無機フィラー、第2の無機フィラーとしては、窒化物、炭化物、または炭素材料等を挙げることができる。第1の無機フィラーおよび第2の無機フィラーは、同一であってもよく異なったものでもよい。
第1の無機フィラー、第2の無機フィラーには、高熱伝導性で熱膨張率が非常に小さいか負である無機フィラーとして、窒化ホウ素、ジルコニア、ダイヤモンド、炭化ホウ素、窒化ホウ素炭素、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ等を用いてもよい。または、第1または第2の無機フィラーのどちらか一方に、窒化アルミニウム、アルミナ、コーディエライト等の熱伝導率が高く熱膨張率が正である無機フィラーを用いてもよい。
好ましくは、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブである。特に六方晶系の窒化ホウ素(h−BN)や黒鉛が好ましい。窒化ホウ素、黒鉛は平面方向の熱伝導率が非常に高く、窒化ホウ素は誘電率も低く、絶縁性も高いため好ましい。例えば、板状結晶の窒化ホウ素を用いると、成型および硬化時に、原料のフローや圧力によって、板状構造が金型に沿って配向され易いため好ましい。
なお、本明細書において平均粒径とは、レーザー回折・散乱法による粒度分布測定に基づく。すなわち、フランホーファー回折理論およびミーの散乱理論による解析を利用して、湿式法により粉体をある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量(体積基準)となる径をメジアン径とした。
無機フィラーに結合させるカップリング剤は、重合性化合物が有する官能基と反応する基をもつものを選択する。例えば、重合性化合物がオキシラニルを有する場合は、アミン系の基等を持つものが好ましい。JNC(株)製では、サイラエース(商品名)S310、S320、S330、S360、信越化学工業(株)製では、KBM903、KBE903などが挙げられる。重合性化合物がアミン系の基またはヒドロキシを有する場合は、オキシラニル等を持つカップリング剤が好ましい。JNC(株)製では、サイラエース(商品名)S510、S530などが挙げられる。無機フィラーに対するカップリング剤の修飾量は、高熱伝導性、高耐熱性にバランスよく優れる放熱部材を容易に得ることができる等の点から、好ましくは0.2〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%である。
(R1−O)j−Si(R5)3−j−(R2)k−(R3)m−(R4)n−Ry
(6)
上記式(6)中、
R1は、H−、またはCH3−(CH2)0〜4−であり;
R2は、−(CH2)0〜3−O−であり;
R3は、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、またはナフタレン−2,7−ジイルであり;
R4は、−(NH)0〜1−(CH2)0〜3−であり;
R5は、H−、またはCH3−(CH2)0〜7−であり;
Ryは、オキシラニル、オキセタニル、アミノ、ビニル、カルボン酸無水物残基、またはこれらの構造を含むいずれかの重合性基であり;
jは、0〜3の整数であり;
kは、0〜1の整数であり;
mは、0〜1の整数であり;
nは、0〜1の整数であり;
式(6)は、R3とR4の少なくとも1つを含む。
高熱伝導層用組成物は、第3の無機フィラーとしてさらに無機フィラーを追加し、複数種類の無機フィラーを含有させてもよい。例えば、第1の無機フィラー、第2の無機フィラーと異なる熱膨張率を持つ無機フィラーを追加してもよい。または、第1の無機フィラーと第2の無機フィラーが2次元の板状または1次元の線状である場合、それらだけを複合化させると、複合化した高熱伝導層用組成物の物性に大きな異方性が生じる。追加フィラーを加えることにより、第1、第2の無機フィラーの配向性が緩和し、異方性が少なくなる利点がある。さらに、第1、第2の無機フィラーの熱膨張率が非常に小さいか負であるとき、熱膨張率が正の追加フィラーを加えることにより、その混合比率によって熱膨張率を負から正により精密に制御することが可能になる。追加フィラーに使用する無機フィラーに制約は無いが、熱伝導率が高い物であることが望ましい。
高熱伝導層用組成物は、さらに第1の無機フィラー、第2の無機フィラーに結合していない、すなわち結合に寄与していない有機化合物(例えば重合性化合物または高分子化合物)を含んでいてもよく、重合開始剤や溶媒等を含んでいてもよい。
高熱伝導層用組成物は、無機フィラーに結合していない重合性化合物(この場合、必ずしも2官能以上でなくてもよい)を構成要素としてもよい。このような重合性化合物としては、膜形成性および機械的強度を低下させない化合物が好ましい。この重合性化合物は、液晶性を有しない化合物と液晶性を有する化合物とに分類される。液晶性を有しない重合性化合物としては、ビニル誘導体、スチレン誘導体、(メタ)アクリル酸誘導体、ソルビン酸誘導体、フマル酸誘導体、イタコン酸誘導体、などが挙げられる。含有量は、まず結合していない重合性化合物を含まない高熱伝導層用組成物を作製し、その空隙率を測定して、その空隙を埋められる量の重合性化合物を添加することが望ましい。
高熱伝導層用組成物は、無機フィラーに結合していない高分子化合物を構成要素としてもよい。このような高分子化合物としては、膜形成性および機械的強度を低下させない化合物が好ましい。この高分子化合物は、第1、第2の無機フィラーおよび重合性化合物と反応しない高分子化合物であればよく、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイタコン酸系樹脂などが挙げられる。含有量は、まず結合していない高分子化合物を含まない高熱伝導層用組成物を作成し、その空隙率を測定して、その空隙を埋められる量の高分子化合物を添加することが望ましい。
高熱伝導層用組成物は、重合性基を有しない液晶性化合物を構成要素としてもよい。このような非重合性の液晶性化合物の例は、液晶性化合物のデータベースであるリクリスト(LiqCryst, LCI Publisher GmbH, Hamburg, Germany)などに記載されている。非重合性の液晶性化合物を含有する高熱伝導層用組成物を重合させることによって、例えば、化合物(2)の重合体と液晶性化合物との複合材料(composite materials)を得ることができる。このような複合材料では、高分子分散型液晶のように高分子網目中に非重合性の液晶性化合物が存在している。好ましくは、使用する温度領域で流動性がないような特性を持つ液晶性化合物である。第1、第2のフィラーを硬化させた後で、等方相を示す温度領域でその空隙に注入するような手法で複合化させてもよく、第1、第2のフィラーに予め空隙を埋めるように計算した分量の液晶性化合物を混合しておき、フィラーを重合させても良い。
高熱伝導層用組成物は重合開始剤を構成要素としてもよい。重合開始剤は、組成物の構成要素および重合方法に応じて、例えば光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤などを用いればよい。
熱ラジカル重合用の好ましい開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−t−ブチルパーオキシド(DTBPO)、t−ブチルパーオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル(MAIB)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル(ACN)などが挙げられる。
高熱伝導層用組成物は溶媒を含有してもよい。重合させる必要がある構成要素を組成物中に含む場合、重合は溶媒中で行っても無溶媒で行ってもよい。溶媒を含有する組成物を基板上に、例えばスピンコート法などにより塗布した後、溶媒を除去してから光重合させてもよい。また、光硬化後適当な温度に加温して熱硬化により後処理を行ってもよい。
好ましい溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、PGMEAなどが挙げられる。上記溶媒は1種単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
なお、重合時の溶媒の使用割合を限定することにあまり意味はなく、重合効率、溶媒コスト、エネルギーコストなどを考慮して、個々のケースごとに決定すればよい。
高熱伝導層用組成物には取扱いを容易にするために、安定剤を添加してもよい。このような安定剤としては、公知のものを制限なく使用でき、例えば、ハイドロキノン、4−エトキシフェノールおよび3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)などが挙げられる。
さらに、高熱伝導層用組成物の粘度や色を調整するために添加剤として無機化合物(酸化物等)を添加してもよい。例えば、白色にするための酸化チタン、黒色にするためのカーボンブラック、粘度を調整するためのシリカの微粉末を挙げることができる。また、機械的強度をさらに増すために添加剤を添加してもよい。例えば、ガラス、カーボンファイバーなどの無機繊維やクロス、または高分子添加剤として、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミドなどの繊維または長分子を挙げることができる。
以下、高熱伝導層用組成物を製造する方法、および高熱伝導層用組成物から高熱伝導層を製造する方法について具体的に説明する。以下では、無機フィラー間の結合に2官能以上の重合性化合物を含む場合を説明しているが、2官能以上の重合性化合物を含まない場合(カップリング剤同士を直接結合させる)も同様の方法で製造することができる。
第1、第2の無機フィラー、カップリング剤、2官能以上の重合性化合物の割合は、使用する無機フィラーと結合させるカップリング剤の量に依存する。第1、第2の無機フィラーとして窒化ホウ素を用いた場合、窒化ホウ素は表面に反応基がなく側面にのみ反応基が存在する。その少ない反応基にカップリング剤を結合させ、その反応基の数と同数か少し多い重合性化合物を結合させることが好ましい。
第1の無機フィラーを第1のカップリング剤で処理し、第1の無機フィラーと第1のカップリング剤の一端とを結合させたものを修飾フィラーAとする。カップリング処理は、公知の方法を用いることができる。
一例として、まず無機フィラーとカップリング剤を溶媒に加える。スターラー等を用いて撹拌した後乾燥する。溶媒乾燥後に、真空乾燥機等を用いて真空条件下で加熱処理をする。この無機フィラーに溶媒を加えて、超音波処理により粉砕する。遠心分離機を用いてこの溶液を分離精製する。上澄みを捨てた後、溶媒を加えて同様の操作を数回行う。オーブンを用いて精製後のカップリング処理を施した無機フィラー(修飾フィラーA)を乾燥させる。
第2のカップリング剤で処理した第2の無機フィラー(上記修飾フィラーAと同じであってもよく、異なってもよい)の、第2のカップリング剤の他端に2官能以上の重合性化合物を結合させる。このように重合性化合物で修飾したフィラーを修飾フィラーBとする。
一例として、カップリング処理された無機フィラーと重合性化合物を、メノウ乳鉢等を用いて混合した後、2軸ロール等を用いて混練する。その後、超音波処理および遠心分離によって分離精製する。
修飾フィラーA、修飾フィラーBを、例えば第1の無機フィラーと第2の無機フィラー(修飾なし)の重量比が1:1になるように量り取り、メノウ乳鉢等で混合する。その後2軸ロール等を用いて混合し、高熱伝導層用組成物を得る。
第1の無機フィラーと第2の無機フィラーのみの混合割合(重量比)は、修飾フィラーAと修飾フィラーBの結合を形成する結合基がそれぞれアミン:エポキシの場合、例えば、1:1〜1:30であることが好ましく、より好ましくは1:3〜1:20である。混合割合は、修飾フィラーAと修飾フィラーBの結合を形成する末端の結合基の数により決定し、例えば2級アミンであれば2個のオキシラニルと反応できるため、オキシラニル側に比べて少量でよい。また、オキシラニル側は開環してしまっている可能性もあるためエポキシ当量から計算される量より多めに使用することが好ましい。
一例として、高熱伝導層用組成物を用いて、高熱伝導層としてのフィルムを製造する方法を説明する。高熱伝導層用組成物を、圧縮成形機を用いて加熱板中にはさみ、圧縮成形により硬化成形する。さらに、オーブン等を用いて後硬化を行い、本発明の高熱伝導層を得る。なお、圧縮成形時の圧力は、50〜200kgf/cm2が好ましく、より好ましくは70〜180kgf/cm2である。硬化時の圧力は基本的には高い方が好ましい。しかし、金型の流動性や、目的とする物性(どちら向きの熱伝導率を重視するかなど)によって適宜変更し、適切な圧力を加えることが好ましい。
まず、基板上に高熱伝導層用組成物を塗布し、溶媒を乾燥除去して膜厚の均一な塗膜層を形成する。塗布方法としては、例えば、スピンコート、ロールコート、カテンコート、フローコート、プリント、マイクログラビアコート、グラビアコート、ワイヤーバーコート、ディップコート、スプレーコート、メニスカスコート法などが挙げられる。
溶媒の乾燥除去は、例えば、室温での風乾、ホットプレートでの乾燥、乾燥炉での乾燥、温風や熱風の吹き付けなどにより行うことができる。溶媒除去の条件は特に限定されず、溶媒がおおむね除去され、塗膜層の流動性がなくなるまで乾燥すればよい。
カップリング剤と2官能以上の重合性化合物との結合、または、カップリング剤同士の結合は、互いに結合可能な基の組合せであればよく特に限定されない。結合が形成できる限り、異なるものの組合せでもよく、同一のものの組合せでもよい。例えば、一方がアミノを有し他方がエポキシを有する組合せであってもよい。
このように、互いに結合可能な基の組合せとしては、オキシラニルとアミノ、ビニル同士、メタクリロキシ同士、カルボキシまたはカルボン酸無水物基とアミノ、イミダゾールとオキシラニル、ヒドロキシとオキシラニル等の組合せを挙げることができるが、これらに限られない。耐熱性の高い組合せがより好ましい。
高熱伝導層は、以下のように形成されてもよい。
まず、高熱伝導層(2)を形成するための高熱伝導層用組成物について説明する。
高熱伝導層用組成物は、例えばオキシラニルまたはオキセタニルを含む構造を両末端に有する重合性液晶化合物と;前記重合性液晶化合物を硬化させる硬化剤と;窒化物で形成された無機フィラーとを含む。重合性化合物として重合性液晶化合物を用いた場合、高熱伝導層用組成物の硬化温度は、前記重合性液晶化合物が液晶相を示す温度範囲以上が好ましい。重合性液晶化合物の液晶相を利用することにより、分子が秩序良くならんだ状態で重合(硬化)した樹脂相を形成させることが可能になる。熱は配向した分子および配向に沿って整列した無機フィラーを通じて流れ、高熱伝導な特性を得ることができる。
高熱伝導層(2)で用いる重合性化合物Bは、上記重合性化合物Aとして挙げた2官能以上の重合性化合物を用いることができる。
好ましい硬化剤の例を以下に示す。
アミン系硬化剤として、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、o−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、3,9−ジプロパンアミン−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、ポリシクロヘキシルポリアミン、N−アミノエチルピペラジンなどが挙げられる。
特にジアミンは、重合性液晶化合物の液晶性を阻害することなく重合性液晶化合物を硬化させることができるため好ましい。硬化剤の量は、エポキシ当量またはオキセタン当量等により適宜選択すればよい。
高熱伝導層(2)で用いる無機フィラーは、上記第1の無機フィラーまたは第2の無機フィラーとして挙げた無機フィラーを用いることができる。
無機フィラーは、硬化後の高熱伝導層が20〜95重量%の無機フィラーを含有するようにすることが好ましい。より好ましくは、50〜95重量%である。20重量%以上であると熱伝導率が高くなり好ましい。95重量%以下であると放熱部材が脆くならず好ましい。
無機フィラーは、そのまま未修飾のものを使用してもよい。または、その表面をカップリング剤で処理したものを用いてもよい。無機フィラーは、カップリング剤で処理した後さらに重合性化合物で表面修飾したものを用いてもよい。
高熱伝導層は、上記高熱伝導層用組成物を硬化させた硬化物を用途に応じて成形したものである。この硬化物は、高い熱伝導性を有するとともに、熱膨張率が負かまたは非常に小さい正であり、化学的安定性、耐熱性、硬度および機械的強度などに優れている。なお、前記機械的強度とは、ヤング率、引っ張り強度、引き裂き強度、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度などである。
まず、可視光反射層(1)を形成するための可視光反射層用組成物について説明する。可視光反射層用組成物は、高熱伝導層(1)を形成するための高熱伝導層用組成物と重複する点も多いため、異なる点について主に以下で説明する。なお、高熱伝導層用組成物が、第1の無機フィラーと第2の無機フィラーを含有するのに対し、可視光反射層用組成物は第4の無機フィラーと第5の無機フィラーを含有する。高熱伝導層用組成物が第3の無機フィラーとして追加のフィラーを含有するのに対し、可視光反射層用組成物は第6の無機フィラーとして可視光反射性の酸化チタンを含有する。
可視光反射層(1)で用いる重合性化合物Dは、上記重合性化合物Aとして挙げた2官能以上の重合性化合物を用いることができる。
第4の無機フィラー、第5の無機フィラーとして、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、または、アルミナを必須成分とする。なお、追加のフィラーとしてジルコニア、ダイヤモンド、コーディエライト等をさらに追加してもよい。無機フィラーの外観は、色の薄いものや半透明、透明であるものが好ましい。
第6の無機フィラーとして、酸化チタンを必須成分とする。白色かそれに近い外観を有するものであって、有機成分の酸化が促進されないような無機フィラーを追加のフィラーとしてさらに追加しても。好ましくは、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛等である。
第6の無機フィラーの平均粒径は、0.01〜50μmであることが好ましい。より好ましくは、0.05〜25μmである。0.01μm以上であると熱伝導率がよく、50μm以下であると充填率を上げることができる。第6の無機フィラーの形状としては、板状、球状、無定形、繊維状、棒状、筒状などが挙げられる。
第6の無機フィラー(カップリング剤等を含まない)の混合割合は、第4の無機フィラー、第5の無機フィラー、第6の無機フィラーの総量100質量%に対して、1〜50質量%含むことが好ましい。より好ましくは5〜40質量%である。1質量%以上であると、高い可視光の反射率を得ることができ、50質量%以下であると、高反射率と高熱伝導性を両立させた放熱部材を得ることができる。
可視光反射層は、以下のように形成されてもよい。
まず、可視光反射層(2)を形成するための可視光反射層用組成物について説明する。
可視光反射層用組成物は、高熱伝導層(2)を形成するための高熱伝導層用組成物において、無機フィラーとして可視光反射層(1)で記載した第4〜第6の無機フィラーを用いることが好ましい。このとき、必須成分として酸化チタンと、窒化ホウ素、窒化アルミニウムまたはアルミナを含むことが好ましい。その他の構成要素等については、高熱伝導層(2)の記載を参照できる。
可視光反射層(2)で用いる重合性化合物Cは、上記重合性化合物Aとして挙げた2官能以上の重合性化合物を用いることができる。
可視光反射層は、上記可視光反射層用組成物を硬化させた硬化物を用途に応じて成形したものである。この硬化物は、高い熱伝導性を有するとともに、熱膨張率が負かまたは非常に小さい正であり、化学的安定性、耐熱性、硬度および機械的強度などに優れている。さらに、可視光反射性に優れる。
本発明は、例えば、放熱基板、放熱板(面状ヒートシンク)、放熱シート、放熱フィルム、放熱塗膜、放熱接着材、放熱成形品などに適している。
本発明の第2の実施の形態に係る放熱部品は、本発明の第1の実施の形態に係る積層シートと、前記積層シートの高熱伝導層側に積層された金属部材とを備える。例えば、図5に示すように、積層シート30の下側に金属部材42を備えた放熱部品である。金属部材42としては、熱伝導性の高い金属で形成された部材であればよく、例えばアルミヒートシンクを挙げることができる。
本発明の第3の実施の形態に係る発光デバイスは、本発明の第1の実施の形態に係る積層シートと;前記積層シートの可視光反射層上に実装された発光チップと;を備える。例えば、図5に示すように、積層シート30上に実装された発光チップ41を備えた発光デバイスである。発光デバイス41としては、発光および発熱する素子であればよく、例えばLED素子を挙げることができる。
本発明の第4の実施の形態に係る発光装置は、上記発光デバイスを複数備える発光装置である。具体的には、照明装置の他、電子掲示板、大型映像装置、信号機、電子写真式プリンター内部の感光用光源、光通信用光源、センサ用光源等を挙げることができる。このように、発光および発熱する素子が搭載される装置であれば、本発明の積層シートを用いることにより、素子の光を有効に利用しながら素子の熱を効果的に放熱することができる。
<無機フィラー>
・窒化ホウ素:h−BN粒子、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン(合)製、(商品名)PolarTherm PTX−25
・酸化チタン:レジノカラー工業(株)製、(商品名)ホワイトDCF−T−17050
・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、JNC(株)製、(商品名)サイラエース(登録商標)S510
・重合性液晶オキシラニル化合物、JNC(株)製、下記式(2−A)
以下の実施例では、第1のカップリング剤と結合した状態の第1の無機フィラーを修飾フィラーA(窒化ホウ素にシランカップリング剤を修飾したもの)とする。第3のカップリング剤と結合した状態の第3の無機フィラーを修飾フィラーC(酸化チタンにシランカップリング剤を修飾したもの)とする。
第2のカップリング剤と結合した第2の無機フィラーであって、さらに2官能以上の反応基を有する重合性化合物の一の反応基が前記第2のカップリング剤の他端と結合した状態の第2の無機フィラーを修飾フィラーB(窒化ホウ素に、シランカップリング剤および重合性化合物を修飾したもの)とする。
硬化により、前記第1のカップリング剤の他端が、前記2官能以上の反応基を有する重合性化合物の他の反応基と結合した状態のものを放熱部材とする。
・修飾フィラーA作製工程
シランカップリング剤(サイラエースS320)「2.25g」と窒化ホウ素粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン)「15g」を、トルエン100mLに加え、スターラーを用いて500rpmで1時間攪拌し、得られた混合物を40℃で4時間乾燥した。さらに、溶媒乾燥後に120℃に設定した真空オーブンを用いて、真空条件下で5時間加熱処理をした。得られた粒子を修飾フィラーA1(BN−S320)とした。
シランカップリング剤(サイラエースS510)「1.5g」を純水150mLに加え、スターラーを用いて500rpmで15時間攪拌した。次いで、窒化ホウ素粒子(PolarTherm PTX−25)「15g」を溶液に投入し、スターラーを用いて500rpmで1時間攪拌し、得られた混合物を50℃で6時間乾燥した。さらに、溶媒乾燥後に80℃に設定したオーブンを用いて、真空条件下で5時間加熱処理をした。得られた粒子を修飾フィラーA2(BN−S510)とした。
さらに、シランカップリング剤(サイラエースS510)「0.3g」をメタノール「45g」に加え、スターラーを用いて500rpmで15時間攪拌した。次いで、酸化チタン(レジノカラー工業(株)製ホワイトDCF−T−17050)「7.5g」を純水45mLに投入した後、スターラーを用いて500rpmで攪拌しながら、メタノールとシランカップリング剤の混合溶液を水分散液に投入した。分散液を1時間攪拌し、得られた混合物を50℃で6時間乾燥した。さらに、溶媒乾燥後に80℃に設定した真空オーブンを用いて、真空条件下で5時間加熱処理をした。得られた粒子を修飾フィラーC(TiO2−S510)とした。
修飾フィラーA1(BN−S320)粒子「2g」と、重合性液晶化合物(JNC(株)製式(2−A))を「3.2g」測り取り、これらを2本ロール((株)井元製作所製IMC−AE00型)を用いて120℃で10分間混合した。この重量比は修飾フィラーA1粒子が有するアミノが十分に反応するエポキシ環の個数並びに2本ロール上で双方が十分に練り合わせられる量である。得られた混合物をテトラヒドロフラン45mLに加え、十分攪拌した後、遠心分離機(日立工機(株)製高速冷却遠心機CR22N形、4,000回転×10分×25℃)で不溶分を沈降させ、デカンテーションで未反応の重合性化合物が溶解した分を含む溶液を取り除いた。続いて、アセトン45mLを加え、前述と同様の操作を行った。さらに、テトラヒドロフラン、アセトンの順に同様の操作を繰り返した。不溶分を乾燥して得られた粒子を修飾フィラーB1とする。
修飾フィラーA2(BN−S510)粒子「2g」と、重合性化合物(ビスフェノールA)「3.96g」、硬化促進剤(キュアゾール2P4MZ)「40mg」を量り取り、これらを2本ロール((株)井元製作所製IMC−AE00型)を用いて160℃で10分間混合した。この重量比は修飾フィラーA2粒子が有するエポキシが十分に反応するフェノールの個数並びに2本ロール上で双方が十分に練り合わせられる量である。得られた混合物を、修飾フィラーB1作成時と同様の手順で溶媒洗浄と遠心分離を行った。不溶分を乾燥して得られた粒子を修飾フィラーB2とする。
修飾フィラーA1(BN−S320)「130mg」と、修飾フィラーB1「430mg」を量り取って混合した。得られた混合物を、混合物1とする。混合物1は、高熱伝導層を形成する高熱伝導層用組成物である。
修飾フィラーA2(BN−S510)「29mg」と、修飾フィラーB2「69mg」と、修飾フィラーC(TiO2−S510)「42mg」と、キュアゾール2P4MZ「10mg」をアセトン2mLに溶かした溶液「11μL」を量り取って混合した。得られた混合物を、混合物2とする。混合物2は、可視光反射層を形成する可視光反射層用組成物である。
混合物1を、ステンレス製板中に挟み、軽く手でプレスした後、混合物1の上に混合物2を載せた。その後、ステンレス製板を150℃に設定した圧縮成形機((株)井元製作所製IMC−19EC)を用いて30MPaまで加圧し、10分間加熱状態を続けることで、前硬化を行った。すなわちBN粒子は板状粒子であるため、ステンレス製板の間を混合物が広がる際に、粒子とステンレス製板の底面が平行になるように配向する。また、試料の厚みが約550μmになるように、試料の量を調整した。さらに、室温に冷却してステンレス製板から取り出した試料を、150℃に設定した真空オーブン(ヤマト科学(株)製DP300)を用いて、真空条件下で15時間の後硬化を行った。この操作で得られた試料を放熱部材とした。
・反射率測定
放熱部材の反射率は、(株)島津製作所製紫外可視分光光度計UV−2450型、および、絶対鏡面反射率測定装置ASR3105型を用いた鏡面反射+拡散反射スペクトル(SCI)測定を行い、波長450nmでの反射率を比較した。高熱伝導層と可視光反射層との積層構造を有する放熱部材は、可視光反射層に測定光が入射するように反射率を測定した。
・透過率測定
放熱部材の透過率は、(株)島津製作所製紫外可視分光光度計UV−2450型、および、絶対鏡面反射率測定装置ASR3105型を用いた透過率測定を行った。このとき、測定試料を厚さ0.5mmのガラス板2枚で挟みこんだ状態で測定を行った。
・熱伝導率評価
熱伝導率は、予め放熱部材の比熱((株)リガク製DSC型高感度示差走査熱量計Thermo Plus EVO2 DSC−8231で測定した)と比重(新光電子(株)製比電子はかり式比重計DME−220により測定した)を求めておき、その値を(株)アイフェイズ製ai−Phase Mobile 1u熱拡散率測定装置により求めた熱拡散率を掛け合わせることにより厚み方向の熱伝導率を求めた。
・熱膨張率評価
得られた試料から、幅4mmの試験片を切り出し、熱膨張率(SII(株)TMA−SS6100熱機械分析装置で測定した)を、50〜200℃の範囲で求めた。試験片の長さは、測定する試料の形状により適宜調整した。
比較例1の放熱部材作製工程では、修飾フィラーA2(BN−S510)「145mg」と、修飾フィラーB2「345mg」と、修飾フィラーC「210mg」、キュアゾール2P4MZ「10mg」をアセトン2mLに溶かした溶液「51μL」を量り取って混合した。その後の工程は、比較例1と同様の手順で放熱部材を作製した。
<比較例2>
比較例2の放熱部材作製工程では、修飾フィラーA1(BN−S320)「163mg」と、修飾フィラーB1「537mg」とを量り取って混合した。その後の工程は、比較例1と同様の手順で放熱部材を作製した。
可視光反射層の好ましい厚さを検証するための検証実験を実施した。
検証実験1では、PolarTherm PTX−25「612mg」、ホワイトDCF−T−17050「108mg」と、JNC(株)製式(2−A)「49mg」、ビスフェノールA「30mg」と、jER807「800mg」と、2P4MZ「10mg」をアセトン2mLに溶かした溶液「49μL」を量り取って混合した。jER807は、ガラス板との密着性を向上させるために添加した。
上記混合物を40mm×40mm×0.5mmサイズのガラス板に挟み込み、150℃、5MPaで10分間加熱保持した。このとき、試料の厚みが約70μmになるように試料の量を調整した。さらに、ガラス板に挟んだ試料を、150℃に設定した真空オーブン(ヤマト科学(株)製DP300)を用いて、真空条件下で15時間の後硬化を行い、放熱部材を作製した。
<検証実験2>
検証実験2では、試料の厚みが約210μmになるように試料の量を調整したほかは、検証実験1と同様の手順で放熱部材を作製した。
<検証実験3>
検証実験3では、試料の厚みが約390μmになるように試料の量を調整したほかは、検証実験1と同様の手順で放熱部材を作製した。
図7に検証実験1〜3の透過率を示す。
ここで積層シートを作製する際、可視光反射率の高い層の透過率が低いほど、可視光反射率の低い層での光吸収による反射率低減の効果を受けにくくなることから、可視光透過率の高い層の可視光領域での透過率は、10%以下となることが望ましい。図7をみると、検証実験で作製した試料の透過率は放熱部材の厚みが厚くなるほど減少していることがわかる。透過率と厚さとの比較から、波長450nm〜800nmでの透過率が10%以下となるのは、厚さが約130μm以上となる際であり、検証実験の組成の混合物を可視光反射層の作成に用いた際には、反射率向上のために厚さを130μm以上にすることが好ましいと考えられる。なお、好ましい厚さは材料組成によって異なり、材料中のフィラー量や材料の反射率に応じて、透過率が10%以下となるのに必要な厚さは変化する。例えば、検証実験1〜3では放熱部材100体積%に対する無機フィラーの量は約30体積%であり、実施例1の可視光反射層の放熱部材100体積%に対する無機フィラーの量は約80体積%であることから、検証実験の組成での厚さ130μmの放熱部材と、実施例1の可視光反射層50μmに含まれる単位面積当たりのフィラー量はほぼ同程度となる。本発明の放熱部材においては反射の大部分が無機フィラーによって生じることから、有機成分による光吸収の寄与が無視できるとすると、実施例1の可視光反射層の場合、反射率向上のために厚さを50μm以上とすることが好ましい。
これらの結果を鑑みると、本発明の可視光反射層を形成する可視光反射性放熱部材は高熱伝導率な可視光反射材料として使用できることがわかる。
2 第2の無機フィラー
11 第1のカップリング剤
12 第2のカップリング剤
22 2官能以上の重合性化合物
30 積層シート
31 可視光反射層
32 高熱伝導層
40 発光デバイス
41 発光チップ
42 金属部材
Claims (15)
- 高熱伝導層と;
前記高熱伝導層上に積層された可視光反射層と;を備え、
前記可視光反射層側の可視光反射率は、80%以上であり、
前記可視光反射層の厚みは、0.1〜500μmであり、
前記可視光反射層は、無機フィラーとして酸化チタンと、窒化ホウ素、窒化アルミニウムまたはアルミナを含む、
積層シート。 - 前記高熱伝導層は、
第1のカップリング剤と、
前記第1のカップリング剤の一端と結合した熱伝導性の第1の無機フィラーと、
第2のカップリング剤と、
前記第2のカップリング剤の一端と結合した熱伝導性の第2の無機フィラーと、
前記第1のカップリング剤の他端および前記第2のカップリング剤の他端とそれぞれ結合した2官能以上の重合性化合物Aとを含む、
請求項1に記載の積層シート。 - 前記高熱伝導層は、
2官能以上の重合性化合物Bと、
前記重合性化合物Bを硬化させる硬化剤と、
無機フィラーとを含む組成物の硬化物である、
請求項1に記載の積層シート。 - 前記可視光反射層は、
2官能以上の重合性化合物Cと、
前記重合性化合物Cを硬化させる硬化剤と、
前記酸化チタンと、前記窒化ホウ素、前記窒化アルミニウムまたは前記アルミナを含む組成物の硬化物である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層シート。 - 前記可視光反射層は、
第4のカップリング剤と、
前記第4のカップリング剤の一端と結合した熱伝導性の第4の無機フィラーと、
第5のカップリング剤と、
前記第5のカップリング剤の一端と結合した熱伝導性の第5の無機フィラーと、
第6のカップリング剤と、
前記第6のカップリング剤の一端と結合した熱伝導性の第6の無機フィラーと、
前記第6のカップリング剤の他端および前記第5のカップリング剤の他端とそれぞれ結合した2官能以上の重合性化合物Dとを含み、
前記第4の無機フィラーは、前記窒化ホウ素、前記窒化アルミニウムまたは前記アルミナであり、
前記第5の無機フィラーは、前記窒化ホウ素、前記窒化アルミニウムまたは前記アルミナであり、
前記第6の無機フィラーは、前記酸化チタンである、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層シート。 - 前記重合性化合物Bおよび前記重合性化合物Cは、オキシラニルまたはオキセタニルを含む構造を両末端に有し、
前記硬化剤は、2官能以上のヒドロキシまたはアミンを有する重合性化合物である、
請求項4に記載の積層シート。 - 前記第4のカップリング剤、前記第5のカップリング剤、および前記第6のカップリング剤は、オキシラニルまたはオキセタニルを有するシランカップリング剤であり、
前記重合性化合物Dは、2官能以上のヒドロキシまたはアミンを有する重合性化合物である、
請求項5に記載の積層シート。 - 前記重合性化合物Dは、2官能以上のヒドロキシを有する重合性化合物である、
請求項7に記載の積層シート。 - 前記重合性化合物A、前記重合性化合物B、前記重合性化合物C、および前記重合性化合物Dは、それぞれ下記式(1)で表される2官能以上の重合性非液晶化合物の少なくとも1種である、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層シート。
Ra−R6−O−(Rx)n−O−R11−Ra (1)
[上記式(1)中、
Raは、それぞれ独立して、下記式(1−1)〜(1−2)、アミノ、ビニル、カルボン酸無水物残基、またはこれらの構造を含むいずれかの重合性基であり;
Rxは、下記式(1−3)〜(1−6)のいずれかであり;
nは、1〜3の整数であり;
R6およびR11は、それぞれ独立して、単結合、または炭素数1〜20のアルキレンである。]
- 前記第1のカップリング剤、前記第2のカップリング剤、前記第4のカップリング剤、前記第5のカップリング剤、および前記第6のカップリング剤は、それぞれ下記式(6)で表されるシランカップリング剤である、
請求項9に記載の積層シート。
(R1−O)j−Si(R5)3−j−(R2)k−(R3)m−(R4)n−Ry
(6)
[上記式(6)中、
R1は、H−、またはCH3−(CH2)0〜4−であり;
R2は、−(CH2)0〜3−O−であり;
R3は、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、またはナフタレン−2,7−ジイルであり;
R4は、−(NH)0〜1−(CH2)0〜3−であり;
R5は、H−、またはCH3−(CH2)0〜7−であり;
Ryは、オキシラニル、オキセタニル、アミノ、ビニル、カルボン酸無水物残基、またはこれらの構造を含むいずれかの重合性基であり;
jは、0〜3の整数であり;
kは、0〜1の整数であり;
mは、0〜1の整数であり;
nは、0〜1の整数であり;
式(6)は、R3とR4の少なくとも1つを含む。] - 前記重合性化合物A、前記重合性化合物B、前記重合性化合物C、および前記重合性化合物Dは、それぞれ下記式(2)で表される2官能以上の重合性液晶化合物の少なくとも1種である、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層シート。
Ra−Z−(A−Z)m−Ra ・・・(2)
[前記式(2)中、
Raは、それぞれ独立して、オキシラニルまたはオキセタニルを含む構造を有する基であり;
Aは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、またはビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイルであり、
これらの環において、任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、
該アルキルにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく;
Zは、それぞれ独立して、単結合、または炭素数1〜20のアルキレンであり、
該アルキレンにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−N(O)=N−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく;
mは、1〜6の整数である。] - 前記重合性化合物A、前記重合性化合物B、前記重合性化合物C、および前記重合性化合物Dは、それぞれ下記式(3)または(4)で表される2官能以上のヒドロキシを有する重合性非液晶化合物の少なくとも1種である、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層シート。
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、または炭素数1〜3のアルキルであり;
mは2〜4の整数であり、nは1〜3の整数であり、pは2〜4の整数であり、qは1〜3の整数であり、m+n=5であり、p+q=5であり;
Aは、単結合、炭素数1〜10のアルキレン、シクロヘキシレン、シクロヘキセニレン、フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、ビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイル、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェニレン、アダマンタンジイル、または、ビアダマンタンジイルであり、
炭素数1〜10のアルキレンにおいて、任意の水素は−CH3で置き換えられてもよく、
シクロヘキシレン、シクロヘキセニレン、フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、ビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイル、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジフェニレン、アダマンタンジイル、または、ビアダマンタンジイルにおいて、任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、
任意の水素と置き換えられたアルキルにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく;
Z1およびZ2は、それぞれ独立して、単結合、または炭素数1〜20のアルキレンであり、
該アルキレンにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。]
[上記式(4)中、
xは2以上の整数であり;
環Bは、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナレン、フェナントレン、フルオレン、9,9‐ジフェニルフルオレン、アダマンタン、またはビアダマンタンであり、
環Bにおいて、任意の−CH2−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜3のアルキル、または炭素数1〜3のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、
環Bの炭素数1〜3のアルキル、または炭素数1〜3のハロゲン化アルキルにおいて、任意の−CH2−は、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよい。] - 請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層シートと;
前記積層シートの前記熱伝導層側に積層された金属部材と;を備える、
放熱部品。 - 請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層シートと;
前記積層シートの前記可視光反射層上に実装された発光チップと;を備える、
発光デバイス。 - 請求項14に記載の発光デバイスを複数備える、
発光装置。
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