JP2019176829A - 遺伝子検査キット - Google Patents

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Abstract

【課題】試薬の混合作業および混合した試薬を用いた核酸増幅作業を、少ない手順で簡便、安全且つ確実に行うことができる、遺伝子検査キットの提供。【解決手段】一方向に延びる筒状の側壁(21)と、側壁(21)の一方の端部に設けられた底部(22)とを有し、側壁(21)の他方の端部に開口部(23)が形成された容器(20)と、開口部(23)に着脱可能な蓋体(60)と、蓋体(60)から開口部(23)を通じて底部(22)に向かって延び、その先端に検体を捕集する捕集部(56)を有する棒状部材(50)と、容器(20)及び棒状部材(50)の少なくとも一方に設けられたシール部(70)と、を備え、シール部(70)は、容器(20)の内部を複数の空間(25、27)に区画するように棒状部材(50)の外面と容器(20)の側壁(21)の内面との間に全周にわたって介在する、遺伝子検査キット(10)。【選択図】図2

Description

本発明は、検体中における感染症起炎菌由来の標的核酸の存否を判定する遺伝子検査を簡易的に行うための遺伝子検査キットに関する。
近年、臨床診断の分野において遺伝子検査が急速に普及している。遺伝子検査とは、核酸や染色体等を分析して、遺伝性疾患に関連する変異や核型等の有無を臨床目的で検査することである。遺伝子検査の一例として、生体から採取した検体中に、結核等の感染症の原因菌としての感染症起炎菌に由来する核酸(以下、「標的核酸」という)が存在するかどうかを判定する検査がある。その検査工程は、主に前処理、核酸増幅、および検出の3工程からなる。
前処理工程には様々な方法がある。一例として、前処理工程は、均質化工程と集菌工程と菌破砕工程とを含む。均質化工程では、検体の粘度を低下させる処理液を検体に加えて検体を均質化する均質化処理が行われる。集菌工程では、均質化された検体に、検体中の感染症起炎菌を吸着(集菌)可能な吸着剤が分散された処理液を加えて集菌する集菌処理が行われる。菌破砕工程では、感染症起炎菌が集菌された吸着剤に、当該感染症起炎菌を脱離させて均質化処理が行われた検体に破砕処理液を加えて検体中の菌体を破砕(ホモジナイズ)する菌破砕処理が行われる。この菌破砕処理後の上清を検査用中間体とする。
核酸増幅工程では、前処理工程において調製された検査用中間体に、標的核酸に結合可能なプライマーと、標的核酸を増幅させる増幅試薬とを含む混合試薬を加え、核酸増幅反応によって標的核酸を増幅させて増幅産物を得る。増幅試薬には、標的核酸に結合する蛍光物質が含まれている。検出工程では、標的核酸に結合した蛍光物質の蛍光測定により、検体中における感染症起炎菌由来の標的核酸の存否を判定する。
ここで、核酸増幅工程で用いられる混合試薬は、効力を十分に得るためプライマーと増幅試薬は所定の割合で混合しなければならない。しかし、試薬によっては混合すると急速に効力が失われることもある。そのため一般に、核酸増幅工程の直前にこれらの試薬を所定の割合で混合したいという要請があった。
このような要請に応え得る遺伝子検査装置としては、例えば特許文献1に開示されている標的核酸の増幅および標識化を行うためのキットがある。特許文献1に記載のキットは、プライマーと増幅試薬とを隔離して収容する隔壁を備える試薬容器と、容器を封止するための蓋体とを備えている。このキットでは、所定の割合で分配されたプライマーと増幅試薬とが隔離された状態で試薬容器に収容されている。隔壁の破壊または試薬容器の転倒、回転等により、標的核酸の増幅の直前等、必要に応じてプライマーと増幅試薬とを混合することができる。
また、特許文献1には、このキットと併せて使用する器具として、標的核酸を抽出するDNA精製カラムが設けられたカラム付きチューブと、カラム付きチューブが開口部から挿入される試料容器が記載されている。試料容器にカラム付きチューブが挿入された状態で、標的核酸を含む試料がDNA精製カラムの上方からカラム付きチューブに注入され、DNA精製カラムを通過した試料がDNA精製カラムの下方の試料容器に収容される。DNA精製カラムを通過した試料は、試料容器から試薬容器に移し替えて標的核酸の増幅および標識化に供される。
特開2014−30392号公報
特許文献1に記載のキットを用いて標的核酸の増幅および標識化を行う場合、上述のように、試薬容器に設けられた隔壁の破壊等によりプライマーと増幅試薬とを混合し、その上で、さらにDNA生成カラムを通過した試料を抽出用容器から試薬容器に移し替えるという手順を踏まなければならないという問題がある。
標的核酸の検出のために行われる作業が複雑であると、例えば夜間の病院のように専門の作業者が不在の場合には検出を行えず、患者に適切な治療を施すことができない場合がある。また、専門の作業者であっても検出を迅速に行えないだけでなく、ミスが生じる可能性も高まる。
さらに、検体を移し替える作業が多いと、いわゆるコンタミの発生による検出精度の低下や作業ミスの増加、また、作業者の感染リスクの増加といった問題がある。ここでいうコンタミとは、例えば検体を移し替える際に空気中に標的核酸が飛散し、別の検体を汚染することをいう。
本発明は、これらの問題に鑑みてなされたものであり、試薬の混合作業および混合した試薬を用いた核酸増幅作業を、少ない手順で簡便、安全かつ確実に行うことができる、遺伝子検査キットを提供することを目的とする。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の発明により達成されることを見出した。
本発明の一局面に係る遺伝子検査キットは、一方向に延びる筒状の側壁と、前記側壁の一方の端部に設けられた底部とを有し、前記側壁の他方の端部に開口部が形成された容器と、前記容器の開口部に着脱可能な蓋体と、前記蓋体が前記容器に装着された状態で、前記蓋体から前記開口部を通じて前記底部に向かって延び、その先端に遺伝子を含む検体を捕集するための捕集部を有する棒状部材と、前記容器および前記棒状部材の少なくとも一方に設けられたシール部と、を備え、前記シール部は、前記蓋体が前記容器に装着された状態で、前記棒状部材における前記蓋体と前記捕集部との間の位置において、前記容器の内部を複数の空間に区画するように前記棒状部材の外面と前記容器の前記側壁の内面との間に全周にわたって介在する。
上記の遺伝子検査キットでは、容器に蓋体を装着した状態では容器内部は棒状部材と容器の側壁の内面との間にシール部が介在することによって複数の空間に区画される。また、蓋体を取り外し、棒状部材を容器から抜いた状態では、シール部によるシール状態が解除され、容器内部の各空間が連通する状態となる。
容器内部の各空間にあらかじめ試薬を配置しておけば、作業者は容器の開口部を上方とし、棒状部材を抜くだけで各空間に配置された試薬を容器の下部で混合することができる。
また、捕集部で検体を捕集した棒状部材を再び容器に挿入し、蓋体を装着すると、混合された試薬に検体を加えることができるとともに、容器を封止することができる。この状態で容器ごと加熱すれば、容器を封止した状態で検体中の菌を破砕し、核酸を増幅させることができる。このように、作業者は、棒状部材を容器から抜いて捕集部に検体を付着させ、再び容器に戻すだけの非常に簡便な作業で、試薬の混合および混合した試薬を用いた核酸の増幅を行うことができる。
上記の遺伝子検査キットにおいて、前記容器の前記側壁が、第1側壁と、前記第1側壁より前記底部から離れた側に設けられた第2側壁と、を備え、前記第2側壁は、前記第1側壁に前記底部から離れた側から挿入される挿入部を有し、前記シール部は、前記蓋体が前記容器に装着された状態で前記棒状部材の外面と前記第2側壁の前記挿入部の内面との間に全周にわたって介在するよう構成されていてもよい。
この態様では、棒状部材と第2側壁の挿入部との間に介在するシール部によって、容器内部の空間が、第1側壁側の空間と、第2側壁側の空間に区画されている。そのため、試薬を収容する場合に次のような方法を採用することができる。具体的には、第1側壁側の空間に試薬を配置し、第1側壁に第2側壁の挿入部を挿入した後、棒状部材を第2側壁の挿入部に挿入すれば、第1側壁側の空間は封止され、第2側壁側の空間に試薬を配置できる状態とすることができる。また、棒状部材を抜いた際には、第2側壁に設けられた挿入部によって、第2側壁側の空間に収容される試薬をスムーズに底部側、すなわち第1側壁側の空間に導くことができる。
上記の遺伝子検査キットにおいて、前記第1側壁が外ねじを備え、前記第2側壁が、前記挿入部を前記第1側壁に挿入した状態で前記第1側壁の外ねじと螺合する内ねじを備えるよう構成されていてもよい。
この態様では、第2側壁を第1側壁に結合した状態において、第2側壁の挿入部が第1側壁に挿入されるだけでなく、第2側壁の内ねじが第1側壁の外ねじと螺合するため、試薬を第2側壁側の空間から第1側壁側の空間にスムーズに導くことができるだけでなく、第1側壁と第2側壁とを確実に結合させることができる。
上記の遺伝子検査キットにおいて、前記第2側壁の前記底部から離れた側の端部の内径および外径が、前記第1側壁の前記底部から離れた側の端部の内径および外径と、それぞれ実質的に同一であるよう構成されていてもよい。
この態様では、第2側壁の開口部側にさらに第2側壁と同じ形状の側壁を結合することができる。この場合、第2側壁と同じ形状の追加の側壁を1つ以上用意すれば、容器内部の空間の数を3つ以上に増加させることができる。すなわち、第1側壁および第2側壁に加えて追加の側壁を結合して容器とし、その容器の長さに応じた棒状部材を準備し、追加後の側壁の数に応じたシール部が各挿入部と棒状部材との間に介在するように当該棒状部材を挿入することにより、容器内部の空間の数を3つ以上に増加させることができる。
上記の遺伝子検査キットにおいて、前記第2側壁は、前記挿入部よりも前記底部から離れた側の位置から前記挿入部に向けて、内径が連続して減少する部分を有するよう構成されていてもよい。
この態様では、第2側壁側の空間に収容される試薬を滞留させることなく、内径が連続して減少する部分に沿って、よりスムーズに第1側壁側の空間に導くことができる。
上記の遺伝子検査キットにおいて、前記棒状部材は係止部を有し、前記蓋体は、貫通孔と、前記貫通孔に前記棒状部材が挿入された状態で、前記棒状部材が前記蓋体に対して前記棒状部材が延びる方向に移動するのを規制するように前記係止部と係止する被係止部と、を有し、前記棒状部材の前記係止部と前記蓋体の前記被係止部は、前記棒状部材の先端部が前記容器の前記底部に接触し、且つ前記蓋体が前記容器に装着された状態で、互いに係止する位置に配置されるよう構成されていてもよい。
この態様では、先端部が底部に接触するように容器に棒状部材を挿入した後で蓋体を装着すると、棒状部材の係止部と蓋体の被係止部とが互いに係止し、棒状部材と蓋体とが結合されるとともに、容器内部が蓋体により封止される。そのため、容器に棒状部材を挿入し、容器内部の底部側の空間をシール部によって区画、封止した後で、容器に蓋体を装着して、容器内部のシール部に対して底部から離れた側の空間を封止することができる。この場合、蓋体を装着する前に、シール部に対して底部から離れた側の空間に開口部から試薬を配置することができる。また、各空間に試薬を配置した後、容器に蓋体を装着すれば試薬を収容した状態で容器を封止することができる。
また、作業者が検査を行う際には、棒状部材の係止部と係止した後の蓋体を容器から外せば、蓋体と結合された棒状部材が容器から取り出されるとともに容器内の試薬を混合することができる。さらに、棒状部材の捕集部に検体を付着させて容器に戻す際には蓋体も容器に装着することとなり、かつ検体を試薬に加えることもできるため、手順もより簡略化される。
上記の遺伝子検査キットにおいて、前記捕集部が磁石を含むものとして構成されていてもよい。
この態様では、検体として感染症起炎菌を吸着する磁性体を含むものを使用した場合において、容易に感染症起炎菌を捕集することができる。
上記の遺伝子検査キットにおいて、前記底部と前記側壁と前記棒状部材と前記シール部で区画される空間に面する前記底部および前記側壁の少なくとも一方の一部が、光透過性を有する部分を備えるよう構成されていてもよい。
この態様では、蓋体を外すことなく容器内部の様子をうかがい知ることができ、例えば容器中の蛍光物質が結合した標的核酸から発せられる蛍光を検知することができる。これにより、捕集部に検体を付着させた棒状部材を容器に戻した後は、再び蓋体を外すことなく標的核酸の存否を判定することができるため、コンタミの発生や作業者の感染リスクを大幅に低減することができる。
上記の遺伝子検査キットにおいて、前記区画された空間のそれぞれに試薬が配置されるよう構成されていてもよい。
この態様では、容器に挿入された棒状部材により区画された各空間にあらかじめ所定量の試薬を配置しておくことができる。これにより、棒状部材を抜くだけで各試薬が適切な割合で配合された混合試薬を得ることができ、迅速かつ高い精度で検査を行うことができる。また、得られた混合試薬は各試薬の混合後速やかに検査に使用されるため、混合後急速に効力が失われる混合試薬であっても、十分に効力を発揮することができる。
上記の遺伝子検査キットにおいて、前記複数の空間の1つに配置された試薬が、前記遺伝子を含む検体を破砕する破砕試薬と、前記遺伝子の核酸と結合可能なプライマーであり、前記複数の空間の別の1つに配置された試薬が、蛍光物質を含み、前記遺伝子を増幅させる増幅試薬とすることができる。
この態様では、プライマーと増幅試薬とを混合すると両方またはいずれか一方の試薬の効力が急速に失われる場合であっても、検査の直前に棒状部材を抜いて両試薬を混合させることにより、検査時に十分に効力を発揮することができる。そのため、遺伝子を含む検体を確実に破砕することができ、さらに破砕後試薬中に分散した核酸に蛍光物質が結合するとともに核酸の増幅も確実に行うことができるため、励起光照射により検出対象である遺伝子の存否を高い精度で判定することができる。
本発明によれば、試薬の混合作業および混合した試薬を用いた核酸増幅作業を、少ない手順で簡便、安全かつ確実に行うことができる、遺伝子検査キットを提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る遺伝子検査キットの斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る遺伝子検査キットの縦断面図である。 図3は、第1容器部材の斜視図である。 図4は、容器の斜視図である。 図5は、棒状部材の斜視図である。 図6は、容器に棒状部材を挿入する前の状態を示す斜視図である。 図7は、容器に棒状部材を挿入した状態を示す斜視図である。 図8は、容器に蓋体を装着する前の状態を示す斜視図である。 図9は、蓋体と結合した棒状部材を容器から取り出した状態を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態に係る遺伝子検査キットについて図面に基づいて説明する。
本実施形態に係る遺伝子検査キットは、遺伝子を含む検体の検査に用いられるキットである。例えば、生体から採取された検体中における、結核等の感染症の原因菌としての感染症起炎菌(特定成分)に由来する標的核酸の存否を判断する遺伝子検査に用いられる。生体から採取される検体としては、喀痰、胃液および気管支肺胞洗浄液等の気道検体が挙げられる。
本実施形態では、生体から採取された検体に均質化処理液を加えて調製された粘稠液を、検査用の検体とする。均質化処理液は、生体から採取された検体の粘度を低下させる機能を有する処理液であり、例えばNALC−NaOH混合液やNaOH水溶液等が挙げられる。NALC(N−acetyl−L−cysteine)には還元作用があり、検体中のS−S結合を還元して解離することにより、検体の粘度を低下させる。また、NaOH(水酸化ナトリウム)は、検体中に混在する感染症起炎菌(特定成分)以外を殺菌する。
(遺伝子検査キットの構成)
図1は本実施形態に係る遺伝子検査キットの斜視図であり、図2はその縦断面図である。遺伝子検査キット10は、試薬を収容する容器20と、容器20の開口部23に着脱可能な蓋体60と、蓋体60が容器20に装着された状態で、蓋体60から開口部23を通じて容器20の底部22に向かって延びる棒状部材50と、棒状部材50に設けられ、容器20の内部の空間を第1封止空間25と第2封止空間27に区画する区画Oリング70(シール部)と、を備える。
(容器)
図3は容器の一部を構成する第1容器部材の斜視図であり、図4は、容器の斜視図である。容器20は、軸方向D1に延びる筒状の側壁21と、側壁21の一方の端部に設けられた底部22とを有し、側壁21の他方の端部に開口部23が形成される。以下の説明では、軸方向D1において、容器20の底部22から開口部23に向かう方向を第1方向D11という。また、容器20の開口部23から底部22に向かう方向を第2方向D12という。
容器20は、互いに軸が一致するように結合された第1容器部材30と第2容器部材40とを備える。第2容器部材40は、第1容器部材30の第1方向D11側に配置される。後述するように、側壁21は、第1容器部材30の第1側壁31と、第2容器部材40の第2側壁41とを備える。
(第1容器部材)
図2および図3に示すように、第1容器部材30は、容器20の側壁21の一部を構成する円筒状の第1側壁31と、第1側壁31の第2方向D12側の開口を閉じる底部22と、第1側壁31の外面に配置され、第1側壁31の第1方向D11側の端部と第2方向D12側の端部との間の位置において外面から軸方向D1に直交する方向に向かって膨出するフランジ33とを有する。
第1側壁31は、第1方向D11側の端部に形成された開口部32と、開口部32からフランジ33まで延びて略一定の外径および内径を有する定径部と、フランジ33の第2方向D12側の位置から底部22に向けて延びるとともに、外径および内径が次第に小さくなるテーパー部とを有する。テーパー部の第2方向D12側の端部は底部22によって閉じられている。フランジ33は、第1方向D11側の端部が軸方向D1に垂直な面を構成する。
第1側壁31のフランジ33よりも第1方向D11側の部分には、外面に外ねじ34が設けられている。外ねじ34は、後述する第2容器部材40の内ねじ48と螺合する。図面では外ねじ34および内ねじ48の具体的形状は省略している。
第1容器部材30を構成する素材は、特に限定されず、合成樹脂を使用することができる。合成樹脂としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シクロオレフィンポリマー(COP)等を使用することができる。また、第1容器部材30は、複数の素材からなるものであってもよく、第1側壁31および底部22の少なくとも一部に光透過性を有する部分を備えることが好ましい。
(第2容器部材)
図2および図4に示すように、第2容器部材40は、容器20の側壁21の一部を構成する円筒状の第2側壁41と、第2側壁41の外面に配置され、第2側壁41の第1方向D11側の端部と第2方向D12側の端部との間の位置において外面から軸方向D1に直交する方向に外側に向かって膨出するフランジ46とを有する。
第2側壁41は、第1方向D11側の端部に形成された第1開口部43と、第1開口部43からフランジ46まで延びて略一定の外径および内径を有する定径部と、フランジ46の第2方向D12側の位置から第2方向D12側に向けて延びるとともに、外径および内径が次第に小さくなるテーパー部と、テーパー部の第2方向D12側の端部から第2方向D12側の端部まで延びて略一定の外径および内径を有する定径部と、第2方向D12側の端部に形成された第2開口部44とを有する。フランジ46は、第1方向D11側の端部が軸方向D1に垂直な面を構成する。
第2側壁41のフランジ46よりも第1方向D11側の定径部には、外面に外ねじ47が設けられている。外ねじ47は、後述する蓋体60の内ねじ64と螺合する。図面では外ねじ47および内ねじ64の具体的形状は省略している。
第2側壁41の、第2方向D12側の定径部とこれに続くテーパー部の一部は、第1容器部材30の開口部32から挿入される挿入部45を構成する。挿入部45のうち、第2方向D12側の定径部の内面は、棒状部材50を容器20の底部22に突き当たるまで挿入した状態において区画Oリング70と接する。
第2容器部材40には、第2側壁41の挿入部45を囲繞するように円筒状の螺合部42が設けられている。螺合部42は、内面に第1容器部材30の外ねじ34と螺合する内ねじ48が設けられている。
第2容器部材40は、第1容器部材30と同様の素材からなるものとすることができる。第2容器部材40は光透過性を有しなくてもよいが、光透過性を有することが好ましい。
第1容器部材30の外ねじ34と第2容器部材40の内ねじ48とを螺合すると、第1容器部材30と第2容器部材40とが結合し、容器20が形成される。このとき、第2容器部材40の挿入部45は、第1側壁31の内側に配置される。また、第2容器部材40の第1開口部43は容器20の開口部23を構成する。
第2容器部材40の、螺合部42と挿入部45との間に形成される溝には第1Oリング24が配置される。第1容器部材30の外ねじ34と第2容器部材40の内ねじ48とを螺合すると、第1Oリング24は、第1容器部材30と第2容器部材40との間で押し潰され、第1容器部材30と第2容器部材40の結合部の気密性が確保される。また、第1容器部材30のフランジ33によって、第1容器部材30に第2容器部材40が過度にねじ込まれるのが防止される。第1Oリング24および後述する各Oリングには、例えばエラストマーを使用することができる。
(棒状部材)
図5は、棒状部材の斜視図である。棒状部材50は、本体51と、それぞれ本体51に設けられた、ストッパ51aおよびフランジ51b(係止部)と、第1凹部51cと、第2凹部51dとを備える。本体51は、蓋体60が容器20に装着された状態で、蓋体60から開口部23を通じて底部22に向かって延び、軸が容器20の軸に一致する。以下の説明では、棒状部材50の軸方向も軸方向D1とする。
本体51は、両端部が丸みを帯びた形状に若干縮径している以外は全長にわたって一定の外径を有する。
本体51の第1方向D11側の端部近傍には、複数のストッパ51aと、ストッパ51aの第2方向D12側にフランジ51bとが配置されている。ストッパ51aおよびフランジ51bは、後述する蓋体60の天板62に設けられた貫通孔63に挿入された状態で、棒状部材50が蓋体60に対して棒状部材50が延びる方向すなわち軸方向D1に移動するのを規制するように、天板62の貫通孔63の周囲部分(被係止部)と係止する。
各ストッパ51aは、本体51の外面から軸方向D1に直交する方向に膨出し、第1方向D11から第2方向D12に向かって膨出量が大きくなる矢羽根状である。フランジ51bは、本体51の外面から軸方向D1に直交する方向に膨出し、第1方向D11側の端部が軸方向D1に垂直な面を構成する。ストッパ51aの第2方向D12側の端面から、フランジ51bの第1方向D11側の端面までの長さは、後述する蓋体60の天板62の厚さと実質的に同一またはそれ以上の長さである。
本体51は、第2方向D12側の端部に捕集部56を有する。捕集部56は、本体51の端部に形成された溝54と、本体51の溝54が形成された部分の内部に配置された磁石55とを備える。磁石55は、永久磁石であれば種類は問わず、例えばフェライト磁石やネオジム磁石を用いることができる。
本体51のフランジ51bと捕集部56との間には、周方向に第1凹部51cが設けられ、第1凹部51cには区画Oリング70が嵌め込まれる。本体51のストッパ51aとフランジ51bとの間には、周方向に第2凹部51dが設けられ、第2凹部51dには第2Oリング53が嵌め込まれる。
棒状部材50は、第2容器部材40と同様の素材からなるものとすることができる。
(蓋体)
図2に示すように、蓋体60は、円筒状の側壁61と、側壁61の一方の開口を塞ぐ天板62とを備える。蓋体60は、容器20に結合された状態では、側壁61の軸が容器20の軸に一致する。以下の説明では、蓋体60の側壁61の軸方向も軸方向D1とする。
天板62は、側壁61の第1方向D11側の開口を塞ぐように配置される。天板62の中央部には貫通孔63が設けられており、天板62の第2方向D12側の面の貫通孔63の周囲には、第2Oリング53が嵌る溝63aが設けられている。貫通孔63には、後述する図8に示すように棒状部材50が挿入される。
側壁61の内面には、内ねじ64が設けられている。内ねじ64は、容器20の開口部23近傍に設けられた外ねじ47と螺合する。図面では内ねじ64の具体的形状は省略している。
蓋体60は、第2容器部材40と同様の素材からなるものとすることができる。蓋体60も光透過性を有しなくてもよいが、第2容器部材40とともに光透過性を有することが好ましい。
貫通孔63の直径は、棒状部材50の本体51の外径よりも大きく、棒状部材50のストッパ51aの第2方向D12側の端部が形成する包絡線の直径よりも小さい。貫通孔63に、棒状部材50を第1方向D11側の端部から挿入すると、天板62の貫通孔63の周囲部分と棒状部材50のストッパ51aおよびフランジ51bとが第2Oリング53を介して互いに係止する。
すなわち、棒状部材50の移動に伴って、ストッパ51aが天板62の貫通孔63の縁に接触し、天板62がストッパ51aを乗り越えて、ストッパ51aとフランジ51bとの間に嵌まり込む。このとき、第2Oリング53がストッパ51aと天板62との間に挟まれることにより、第2Oリング53により天板62と棒状部材50との間の気密性が確保される。また、棒状部材50は、蓋体60に対して軸方向D1のいずれの方向にも移動が規制される。
蓋体60の内ねじ64は、容器20の外ねじ47と螺合することにより蓋体60と容器20とが結合する。蓋体60と容器20とが結合した状態において、容器20の第1方向D11側の端部と蓋体60の天板62との間で第3Oリング26が押し潰され、容器20と蓋体60との結合部の気密性が確保される。
本実施形態では、図2に示す、棒状部材50の第2方向D12側の先端から、フランジ51bの第1方向D11側の端面までの長さAは、容器20の底部22の内面から容器20の第1方向D11側の端面までの長さBよりも大きい。そのため、棒状部材50を容器20の底部22に突き当たるまで挿入した状態では、フランジ51bの第1方向D11側の端面が容器20の開口部23側の端部よりも外側に位置する。これにより、この状態で蓋体60を容器20に装着すれば、天板62の貫通孔63の周囲部分と棒状部材50のストッパ51aおよびフランジ51bとが第2Oリング53を介して互いに係合する。このとき、蓋体60の天板62と容器20の開口部23側の端部との間に、第3Oリング26が全周にわたって介在する。
図2に示すように、棒状部材50を容器20の底部22に突き当たるまで挿入し、さらに蓋体60を容器20に装着した状態では、区画Oリング70が、棒状部材50における蓋体60と捕集部56との間の位置(第1凹部51c)において、容器20の内部を第1封止空間25と第2封止空間27に区画するように棒状部材50の外面と容器20の側壁21の内面(挿入部45の第2方向D12側の定径部の内面)との間に全周にわたって介在する。また、容器20の区画Oリング70よりも第2方向D12側の空間、すなわち第2容器部材40によって囲まれた第2封止空間27が、棒状部材50、蓋体60、第2Oリング53および第3Oリング26によって封止される。
(遺伝子検査キットの変形例)
上記実施形態では、棒状部材50の本体51と区画Oリング70とは別部材としたが、一体に成形してもよい。また、区画Oリング70は棒状部材50の本体51に設けるのではなく、第2容器部材40に設けてもよい。この場合、棒状部材50の本体51には、第1凹部51cは設けず、他の部分と同様の一定の直径とする。第2容器部材40の第2開口部44の近傍の、外径および内径が一定である部分の内周面には、区画Oリング70を嵌める凹部を設ける。また、第2容器部材40と区画Oリング70は一体に成形してもよい。
容器20を構成する第1容器部材30および第2容器部材40は、一体に成形してもよい。このとき、第1Oリング24、第1容器部材30のフランジ33および第2容器部材40の螺合部42は不要である。
上記実施形態では、棒状部材50と蓋体60はストッパ51aおよびフランジ51bと天板62の貫通孔63の周囲部分とが係止することにより、互いに結合しているが、ストッパ51aおよびフランジ51bに代えて接着剤によって棒状部材50と蓋体60とを結合してもよい。この場合、棒状部材50として、ストッパ51aおよびフランジ51bがなく、本体51の直径が一定であるものを用いてもよい。そして棒状部材50を容器20に挿入した状態で、さらに蓋体60の貫通孔63に棒状部材50を挿入し、蓋体60と容器20とを結合する。その上で、蓋体60の貫通孔63の周囲において、天板62および棒状部材50に接着剤を塗布して容器20と蓋体60との結合部の気密性を確保する。
図2に示す第1容器部材30の開口部32側の内径d11および外径d12は、それぞれ第2容器部材40の第1開口部43側の内径d21および外径d22と実質的に同一としてもよい。この場合、第2容器部材40には、第1開口部43から別の第2容器部材40の挿入部45を挿入し、接続することができる。そのため、容器20は、第1容器部材30および第2容器部材40だけでなく、さらに第2容器部材40と同じ形状の容器部材(追加容器部材)を1個以上備えるものとすることができる。この場合、追加容器部材を接続した容器20の長さに応じた長さの棒状部材50を用意し、追加容器部材の数に応じて区画Oリング70を追加することにより、区画される空間を増加させることができ、各空間に配置される薬剤を増加させることができる。この場合、追加の区画Oリング70は、棒状部材50を容器20の底部22に突き当たるまで挿入した状態において、棒状部材50の外面と追加容器部材の第2方向D12側の定径部の内面のと間に全周にわたって介在する位置に配置する。また、棒状部材50として本体51の直径が一定であるものを用いると、第1容器部材30に第2容器部材40を結合し、棒状部材50を挿入した後で、順次追加容器部材を結合することができる。
棒状部材50の第2方向D12側に設ける捕集部56は、溝54および磁石55に代えて、スポンジ等の多孔質体からなるものとしてもよい。この場合、強磁性体からなる吸着剤を検体に使用しない場合にも集菌することができる。
(試薬の配置方法)
本実施形態に係る遺伝子検査キット10の第1封止空間25および第2封止空間27への試薬の配置方法について説明する。
まず、図3に示す第1容器部材30に、所定量の第1試薬を注入する。第1試薬としては、例えば核酸増幅反応を生じさせる試薬である増幅試薬を用いることができる。増幅試薬は、標的核酸を増幅させる酵素および標的核酸に結合する蛍光物質を含有する。
次に、第1容器部材30の開口部32から、第2容器部材40の第2開口部44側の挿入部45を挿入し、第1容器部材30の外ねじ34と第2容器部材40の内ねじ48とを螺合させる。これにより、図4に示すように、第1容器部材30と第2容器部材40とが結合する。
本実施形態では、第2容器部材40の挿入部45はテーパー部を有し、第2開口部44側の定径部は第1容器部材30の開口部32に比べて外径が小さいため、挿入部45は第1容器部材30に挿入しやすい。
第2容器部材40の挿入部45と螺合部42との間に形成される溝には、第1容器部材30と結合する前に第1Oリング24を配置しておく。第2容器部材40は、螺合部42を備えるため、第1容器部材30と第2容器部材40とを確実に結合させることができる。
続いて、図6に示すように、棒状部材50を捕集部56側から、容器20の開口部23すなわち第2容器部材40の第1開口部43に挿入する。棒状部材50は、区画Oリング70が第2側壁41の第2方向D12側の定径部の内面と接するよう、先端が底部22に突き当たるまで挿入し、図7に示す状態とする。
本実施形態では、第2容器部材40の第1開口部43およびこれに続く第2側壁41の定径部は比較的内径が大きく、また、テーパー部によって棒状部材50の先端がスムーズに第2方向D12側へ導かれるため、棒状部材50の挿入が容易である。
以上の工程により、第1封止空間25に第1試薬が配置され、第1封止空間25が封止されるとともに、第2封止空間27に第2試薬を配置できる状態となる。
次に、棒状部材50を容器20に挿入した状態で、容器20の開口部23から所定量の第2試薬を注入する。本実施形態では、蓋体60を容器20に装着する前に、第2封止空間27に開口部23から試薬を注入することができる。第2試薬としては、例えばプライマーを用いることができる。プライマーは、感染症起炎菌由来の標的核酸に対する核酸増幅反応の反応剤である。
第2試薬を注入した後、図2に示すように、容器20の第2容器部材40の第1方向D11側の端部に第3Oリング26を配置し、蓋体60を容器20に装着する。このとき、棒状部材50のストッパ51aおよびフランジ51bと、蓋体60の天板62の貫通孔63の周囲部分とが互いに係止し、棒状部材50と蓋体60とが結合されるとともに、容器20の内部が蓋体60により封止される。
このようにして、所定量の第1試薬および第2試薬が、それぞれ第1封止空間25および第2封止空間27に分離して配置され、封止される。この遺伝子検査キット10は運搬時等に振動しても第1試薬と第2試薬とが第1封止空間25および第2封止空間27に分離された状態で保持される。
上述の遺伝子検査キットの変形例として挙げた、容器20に追加容器部材を1個以上備えるものとする場合について説明する。この場合、第2容器部材40に第2試薬を注入した後、さらに追加容器部材を接続し、当該追加容器部材の開口部から所定量の試薬を注入する。追加容器部材ごとにこれを繰り返す。この場合、棒状部材50の第1方向D11側から追加容器部材を装着できるように、棒状部材50として本体51にストッパ51aおよびフランジ51bのないものを用い、最後の追加容器部材に試薬を注入した後は、蓋体60を接着剤で棒状部材50に固定する。
(遺伝子検査キットを用いた遺伝子検出方法)
第1封止空間25および第2封止空間27にそれぞれ所定量の第1試薬および第2試薬を配置し、封止した、本実施形態に係る遺伝子検査キットを用いた遺伝子検出方法について説明する。
まず、検査用の検体を用意する。検査用の検体は、生体から採取された喀痰を、上述のNALC−NaOH混合液を均質化処理液として調製した粘稠液とする(均質化工程)。
この粘稠液を集菌処理液入りのチューブ(集菌キットチューブ)に入れ、粘稠液と集菌処理液とを混合する。集菌処理液としては、感染症起炎菌を吸着可能な強磁性体を有する吸着剤を含む処理液を使用する。このような集菌処理液として、例えば吸着剤であるTB−Beads(登録商標)入りの溶液(日本ビーシージー製造株式会社製)等が挙げられる。
次に、本実施形態に係る遺伝子検査キット10を蓋体60が上部となるように保持して蓋体60を開け、蓋体60と結合された棒状部材50を容器20から取り出す。このとき容器20の内部では、第1封止空間25と第2封止空間27が連通されるとともに、第2試薬が第2容器部材40の挿入部45によって第2封止空間27から第1封止空間25側に導かれ、第1試薬と第2試薬とが所定の割合で混合された混合試薬が得られる。第2試薬は、第2側壁41のテーパー部の内面に沿って、滞留することなくスムーズに第1封止空間25側に導かれる。本実施形態では、棒状部材50と蓋体60とは結合されているため、蓋体60の取り外しと棒状部材50の取り出しとを一連の動作として行うとことができ、それとともに第1試薬と第2試薬を混合することができる。
第1試薬は増幅試薬とし、第2試薬はプライマーとする。増幅試薬は、蛍光物質としてHNBおよびGelGreenの混合溶液を含むものとする。
取り出した棒状部材50を捕集部56側から集菌キットチューブに入れ、粘稠液と集菌処理液の混合液を十分に攪拌する。この攪拌により、感染症起炎菌が吸着剤に吸着されるとともに、感染症起炎菌を吸着した吸着剤が、棒状部材50の捕集部56が有する磁石55の磁力によって溝54の内部に引き付けられる。すなわち、吸着剤が捕集部56に捕集される。本実施形態では、強磁性体を有する吸着剤を使用し、捕集部56が磁石55を備えるため、吸着剤を介して容易に感染症起炎菌を捕集することができる。棒状部材50を集菌キットチューブから引き上げると、捕集部56を構成する溝54には、吸着剤に加えて混合液の一部が表面張力により付着する(集菌工程)。
捕集部56に吸着剤および混合液が付着した棒状部材50は、再び容器20に挿入し、蓋体60を閉める。これにより、遺伝子検査キット10は、容器20の内部で混合試薬に吸着剤および混合液が浸漬された状態で封止される。棒状部材50と蓋体60とは結合されているため、容器20への棒状部材50の挿入と蓋体60の装着を一連の動作として行うことができ、それとともに混合試薬に吸着剤および混合液を浸漬させることができ、手順が簡略化される。
密閉された遺伝子検査キット10を十分に振動させ、混合試薬と吸着剤および混合液とを混合する。
続いて、遺伝子検査キット10を約68℃で30〜70分間加熱する。加熱は例えばヒートブロックを用いて行う。加熱により、感染症起炎菌は、細胞膜の分解等によって細胞成分がばらばらに破砕される(菌破砕工程)。破砕によって混合試薬中に分散した感染症起炎菌に由来する標的核酸は、核酸増幅反応により増幅される(核酸増幅工程)。本実施形態では、増幅試薬とプライマーとを混合した後、速やかに菌破砕工程および核酸増幅工程を行うことができるため、混合試薬の効力を十分に発揮させることができ、標的核酸の存否を高い精度で判定できる。
加熱後、遺伝子検査キット10内の試薬を励起光下で観察し、蛍光の有無を判断し、標的核酸の存否を判定し、検査を完了する。
励起光下で蛍光があったと判断されれば、当該検体は陽性、すなわち標的核酸が存在するものと判定し、蛍光がなかったと判断されれば陰性、すなわち標的核酸が存在しないものと判定する。
このように、本実施形態に係る遺伝子検査キット10では、あらかじめ第1封止空間25および第2封止空間27にそれぞれ所定量の第1試薬および第2試薬を配置しておくことにより、棒状部材50を容器20から抜いて検体を含む混合液を攪拌して再び容器20に戻すという非常に簡単な操作で精度のよい検査を行うことができる。
そのため、例えば夜間のように専門の作業者が不在のときにも検査を行うことができ、患者に適切な対応をとることができる。
遺伝子検査キット10を励起光下で観察する際の蛍光の有無の判断は、目視で行ってもよいし、蛍光検出器を用いて行ってもよい。本実施形態では、第1容器部材30が、底部22に近いほど内径が小さくなるテーパー形状であるため、底部22近傍において標的核酸の密度が高まって蛍光の発光が強まり、判定の精度が高まる。
第1容器部材30が、第1側壁31および底部22の少なくとも一部に光透過性を有する部分を備える場合、容器20から蓋体60を外すことなく当該光透過性を有する部分を通じて蛍光の有無を判断することができる。そのため、棒状部材50を蓋体60とともに容器20に戻した後は、容器20を封止した状態で感染症起炎菌の破砕、核酸の増幅および検出まで行うことができるため、感染症起炎菌が空気中に飛散するおそれも少なく、コンタミの発生や作業者の感染リスクを大幅に低減することができる。
第2容器部材40および蓋体60も光透過性を有する場合、蓋体60側からでも蛍光の有無を判断することができ、さらに検査作業者の利便性が向上する。
また、加熱装置および蛍光検出器は、市販のものを使用できる。そのため、既にこれらの機器を所有していれば、新たに設備投資を行うことなく本実施形態の遺伝子検査キットを使用することができる。
10 遺伝子検査キット
20 容器
21 側壁
22 底部
23 開口部
25 第1封止空間(空間)
27 第2封止空間(空間)
31 第1側壁
34 外ねじ
41 第2側壁
42 螺合部
45 挿入部
48 内ねじ
50 棒状部材
51a ストッパ(係止部)
52b フランジ(係止部)
55 磁石
56 捕集部
60 蓋体
62 天板(被係止部)
63 貫通孔
70 区画Oリング(シール部)

Claims (10)

  1. 一方向に延びる筒状の側壁と、前記側壁の一方の端部に設けられた底部とを有し、前記側壁の他方の端部に開口部が形成された容器と、
    前記容器の開口部に着脱可能な蓋体と、
    前記蓋体が前記容器に装着された状態で、前記蓋体から前記開口部を通じて前記底部に向かって延び、その先端に遺伝子を含む検体を捕集するための捕集部を有する棒状部材と、
    前記容器および前記棒状部材の少なくとも一方に設けられたシール部と、を備え、
    前記シール部は、前記蓋体が前記容器に装着された状態で、前記棒状部材における前記蓋体と前記捕集部との間の位置において、前記容器の内部を複数の空間に区画するように前記棒状部材の外面と前記容器の前記側壁の内面との間に全周にわたって介在する、遺伝子検査キット。
  2. 前記容器の前記側壁が、第1側壁と、前記第1側壁より前記底部から離れた側に設けられた第2側壁と、を備え、
    前記第2側壁は、前記第1側壁に前記底部から離れた側から挿入される挿入部を有し、
    前記シール部は、前記蓋体が前記容器に装着された状態で前記棒状部材の外面と前記第2側壁の前記挿入部の内面との間に全周にわたって介在する、請求項1に記載の遺伝子検査キット。
  3. 前記第1側壁が外ねじを備え、
    前記第2側壁が、前記挿入部を前記第1側壁に挿入した状態で前記第1側壁の外ねじと螺合する内ねじを備える、請求項2に記載の遺伝子検査キット。
  4. 前記第2側壁の前記底部から離れた側の端部の内径および外径が、前記第1側壁の前記底部から離れた側の端部の内径および外径と、それぞれ実質的に同一である、請求項2または3に記載の遺伝子検査キット。
  5. 前記第2側壁は、前記挿入部よりも前記底部から離れた側の位置から前記挿入部に向けて、内径が連続して減少する部分を有する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の遺伝子検査キット。
  6. 前記棒状部材は係止部を有し、
    前記蓋体は、貫通孔と、前記貫通孔に前記棒状部材が挿入された状態で、前記棒状部材が前記蓋体に対して前記棒状部材が延びる方向に移動するのを規制するように前記係止部と係止する被係止部と、を有し、
    前記棒状部材の前記係止部と前記蓋体の前記被係止部は、前記棒状部材の先端部が前記容器の前記底部に接触し、且つ前記蓋体が前記容器に装着された状態で、互いに係止する位置に配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の遺伝子検査キット。
  7. 前記捕集部が磁石を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の遺伝子検査キット。
  8. 前記底部と前記側壁と前記棒状部材と前記シール部で区画される空間に面する前記底部および前記側壁の少なくとも一方の一部が、光透過性を有する部分を備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の遺伝子検査キット。
  9. 前記区画された空間のそれぞれに試薬が配置されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の遺伝子検査キット。
  10. 前記複数の空間の1つに配置された試薬が、前記遺伝子を含む検体を破砕する破砕試薬と、前記遺伝子の核酸と結合可能なプライマーであり、前記複数の空間の別の1つに配置された試薬が、蛍光物質を含み、前記遺伝子を増幅させる増幅試薬である、請求項9に記載の遺伝子検査キット。
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WO2022044973A1 (ja) * 2020-08-31 2022-03-03 株式会社北里コーポレーション 生体試料収納用チューブ用キャップおよびそれを備えた生体試料収納容器

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