<実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。ここで、本実施形態では、説明の便宜上、ワイヤレスによる電力の伝送をワイヤレス電力伝送と称して説明する。また、本実施形態では、直流電力に応じた電気信号、又は交流電力に応じた電気信号を伝送する導体のことを、伝送路と称して説明する。伝送路は、例えば、基板上にプリントされた導体である。なお、伝送路は、当該導体に代えて、線状に形成された導体である導線等であってもよい。
<ワイヤレス電力伝送システムの概要>
まず、実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1の概要について説明する。図1は、実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム1の構成の一例を示す図である。
ワイヤレス電力伝送システム1は、ワイヤレス送電装置10と、ワイヤレス受電装置20を備える。
ワイヤレス電力伝送システム1では、ワイヤレス送電装置10からワイヤレス電力伝送によってワイヤレス受電装置20に交流電力が伝送される。
より具体的には、ワイヤレス電力伝送システム1では、ワイヤレス電力伝送によって電力が、ワイヤレス送電装置10が備える送電コイルL1(図1において不図示)からワイヤレス受電装置20が備える受電コイルL2(図1において不図示)に伝送される。ワイヤレス電力伝送システム1は、例えば、磁界共鳴方式を用いてワイヤレス電力伝送を行う。なお、ワイヤレス電力伝送システム1は、磁界共鳴方式に代えて、他の方式を用いてワイヤレス電力伝送を行う構成であってもよい。
以下では、一例として、ワイヤレス電力伝送システム1が、図1に示したように、電気自動車EVに搭載されたバッテリー(二次電池)に対してワイヤレス電力伝送による充電を行うシステムに適用された場合について説明する。電気自動車EVは、バッテリーに充電された電力によりモーターを駆動して走行する電動車両(移動体)である。図1に示した例では、ワイヤレス電力伝送システム1は、充電設備側の地面Gに設置されたワイヤレス送電装置10と、電気自動車EVに搭載されたワイヤレス受電装置20とを備える。なお、ワイヤレス電力伝送システム1は、当該システムに適用される構成に代えて、他の装置、他のシステム等に適用される構成であってもよい。
磁界共鳴方式によるワイヤレス電力伝送では、ワイヤレス電力伝送システム1は、ワイヤレス送電装置10が備える図示しない送電側共振回路(図1に示した例では、後述する送電コイルユニット13に備えられている)とワイヤレス受電装置20が備える図示しない受電側共振回路(図1に示した例では、後述する受電コイルユニット21)との間の共振周波数を近づけ(又は当該共振周波数を一致させ)、共振周波数付近の高周波電流及び電圧を送電コイルユニット13に印加し、電磁的に共振(共鳴)させた受電コイルユニット21に電力をワイヤレスで伝送(供給)する。
このため、本実施形態のワイヤレス電力伝送システム1は、充電ケーブルとの接続を行わずに、充電設備側から供給される電力をワイヤレスで電気自動車EVに伝送しながら、電気自動車EVに搭載されたバッテリーに対してワイヤレス電力伝送による充電を行うことができる。
ここで、ワイヤレス電力伝送システム1と異なるワイヤレス電力伝送システム1Xとワイヤレス電力伝送システム1とを比較し、ワイヤレス電力伝送システム1について説明する。ワイヤレス電力伝送システム1Xは、例えば、従来のワイヤレス電力伝送システムのことである。ワイヤレス電力伝送システム1Xは、ワイヤレス送電装置10Xと、ワイヤレス受電装置20Xを備える。ワイヤレス送電装置10Xは、例えば、従来のワイヤレス送電装置のことである。ワイヤレス受電装置20Xは、例えば、従来のワイヤレス受電装置20のことである。
ワイヤレス電力伝送システム1Xでは、ワイヤレス送電装置10Xが備える送電コイルとワイヤレス受電装置20Xが備える受電コイルとの間の距離、ワイヤレス受電装置20Xに接続された負荷の状態等に応じて、ワイヤレス送電装置10Xから見たワイヤレス受電装置20Xのインピーダンスが変動する場合がある。
また、ワイヤレス電力伝送システム1Xでは、ワイヤレス受電装置20Xは、何らかの理由によって過電圧状態となる場合がある。例えば、ワイヤレス受電装置20Xでは、ワイヤレス受電装置20Xが負荷に直流電力を供給している間にワイヤレス受電装置20Xから負荷が開放された場合、ワイヤレス受電装置20Xが備えるインダクタンス素子(インダクター)、キャパシタンス素子(キャパシター)等に蓄えられたエネルギーによって電圧のオーバーシュートが起こる。その結果、ワイヤレス受電装置20Xは、一時的に過電圧状態となる。ワイヤレス受電装置20Xが過電圧状態となった場合、ワイヤレス受電装置20Xでは、ワイヤレス受電装置20Xが備える回路素子の設計耐圧を超えた電圧が当該回路素子に印加され、当該回路素子に不具合を生じてしまうことがある。
このようなワイヤレス電力伝送システム1Xに対し、ワイヤレス電力伝送システム1では、ワイヤレス受電装置20は、送電コイルL1と磁気的に結合される受電コイルL2と、受電コイルL2から供給される交流電圧を整流して負荷に出力する整流平滑回路22と、受電コイルL2が有する2つの端子である第1端子及び第2端子の間を短絡する第1スイッチング素子と、第1端子に対して直列に接続される第1コンデンサーと、第1端子に対して第1コンデンサーと並列に接続される第2スイッチング素子と、受電コイルに生じた交流電圧に基づく電圧を検出する電圧検出回路と、電圧検出回路が検出した電圧が予め決められた閾値である電圧閾値を超えた場合、異常信号を出力するとともに、第2スイッチング素子の状態がオフである場合に第2スイッチング素子の状態をオンに切り替えてから第1スイッチング素子の状態をオンに切り替え、第2スイッチング素子の状態がオンである場合に第1スイッチング素子の状態をオンに切り替える制御回路と、を備える。これにより、ワイヤレス電力伝送システム1、及びワイヤレス受電装置20は、ワイヤレス受電装置20が備える回路素子に設計耐圧を超えた電圧が印加されてしまうことを抑制することができる。以下では、このようなワイヤレス電力伝送システム1、及びワイヤレス受電装置20の構成について詳しく説明する。
<ワイヤレス電力伝送システムの構成>
以下、図1を参照し、ワイヤレス電力伝送システム1の構成について説明する。
ワイヤレス送電装置10は、変換回路11と、送電回路12と、送電コイルユニット13を備える。一方、ワイヤレス受電装置20は、受電コイルユニット21と、第1調整回路22Aと、整流平滑回路23と、電圧検出回路VDと、制御回路24を備える。そして、ワイヤレス受電装置20は、負荷Vloadと接続可能である。図1に示した例では、ワイヤレス受電装置20は、負荷Vloadと接続されている。なお、ワイヤレス受電装置20は、負荷Vloadを備える構成であってもよい。
変換回路11は、例えば、外部の商用電源Pと接続され、商用電源Pから入力される交流電圧を所望の直流電圧に変換するAC(Alternating Current)/DC(Direct Current)コンバーターである。変換回路11は、送電回路12と接続されている。変換回路11は、当該交流電圧を変換した直流電圧を送電回路12に供給する。
なお、変換回路11は、送電回路12に対して直流電圧を出力するものであれば如何なるものであってもよい。例えば、変換回路11は、交流電圧を整流して直流電圧に変換する整流平滑回路と力率改善を行うPFC(Power Factor Correction)回路とを組み合わせた変換回路であってもよく、当該整流平滑回路とスイッチングコンバーター等のスイッチング回路とを組み合わせた変換回路であってもよく、送電回路12に対して直流電圧を出力する他の変換回路であってもよい。
送電回路12は、変換回路11から供給される直流電圧を交流電圧に変換するものである。例えば、送電回路12は、複数のスイッチング素子がブリッジ接続されたスイッチング回路等である。送電回路12は、送電コイルユニット13に接続されている。送電回路12は、送電コイルユニット13の共振周波数に基づいて駆動周波数が制御された交流電圧を送電コイルユニット13に供給する。
送電コイルユニット13は、送電側共振回路として、例えば、図1において図示しない送電コイルL1とともに、図1において図示しないコンデンサーを備えたLC共振回路を備える。この場合、送電コイルユニット13では、当該コンデンサーの静電容量を調整することにより、送電側共振回路の共振周波数を調整可能である。ワイヤレス送電装置10は、送電側共振回路の共振周波数を、受電コイルユニット21が備える受電側共振回路の共振周波数に近づけ(又は一致させ)、磁界共鳴方式のワイヤレス電力伝送を行う。当該コンデンサーは、例えば、送電コイルL1に対して直列に接続されたコンデンサーにより構成されてもよく、送電コイルL1に対して直列に接続されたコンデンサーと、送電コイルL1に対して並列に接続されたコンデンサーとにより構成されてもよく、他の態様により構成されてもよい。なお、送電コイルユニット13は、当該LC共振回路に代えて、送電コイルL1を備えた他の共振回路を送電側共振回路として備える構成であってもよい。また、送電コイルユニット13は、送電側共振回路に加えて、他の回路、他の回路素子等を備える構成であってもよい。また、送電コイルユニット13は、送電コイルL1と受電コイルL2との間の磁気的結合を高める磁性体、送電コイルL1が発生させる磁界の外部への漏洩を抑制する電磁気遮蔽体等を備える構成であってもよい。
送電コイルL1は、例えば、銅、アルミニウム等からなるリッツ線をスパイラル状に巻き回したワイヤレス電力伝送用コイルである。本実施形態の送電コイルL1は、電気自動車EVのフロアの下側と向かい合うように、地面Gの上に設置又は地面Gに埋設されている。以下では、一例として、送電コイルL1(すなわち、送電コイルユニット13)が送電回路12とともに地面Gの上に設置されている場合について説明する。
なお、ワイヤレス送電装置10は、図示しない制御回路を更に備える。当該制御回路は、ワイヤレス送電装置10を制御する。また、当該制御回路は、Wi−Fi(登録商標)等の規格に基づく無線通信によって各種の情報の送受信をワイヤレス受電装置20との間で行う。
受電コイルユニット21は、受電側共振回路として、例えば、図1において図示しない受電コイルL2とともに、図1において図示しないコンデンサーを備えたLC共振回路を備える。この場合、受電コイルユニット21では、当該コンデンサーの静電容量を調整することにより、受電側共振回路の共振周波数を調整可能である。ワイヤレス受電装置20は、受電側共振回路の共振周波数を送電側共振回路の共振周波数に近づける(一致させる場合も含む)ことにより、磁界共鳴方式のワイヤレス電力伝送を行う。当該コンデンサーは、例えば、受電コイルL2に直列に接続されたコンデンサーにより構成されてもよく、受電コイルL2に対して直列に接続されたコンデンサーと、受電コイルL2に対して並列に接続されたコンデンサーとにより構成されてもよく、他の態様により構成されてもよい。図1に示した例では、当該コンデンサーは、受電コイルL2に直列に接続されたコンデンサーによって構成されている。なお、受電コイルユニット21は、当該LC共振回路に代えて、受電コイルL2を備えた他の共振回路を受電側共振回路として備える構成であってもよい。また、受電コイルユニット21は、受電側共振回路に加えて、他の回路、他の回路素子等を備える構成であってもよい。また、受電コイルユニット21は、送電コイルL1と受電コイルL2との間の磁気的結合を高める磁性体、受電コイルL2が発生させる磁界の外部への漏洩を抑制する電磁気遮蔽体等を備える構成であってもよい。
第1調整回路22Aは、受電コイルL2が有する2つの端子のうちの一方である第1端子に対して直列に接続される第1コンデンサーと、第1端子に対して第1コンデンサーと並列に接続される第2スイッチング素子を備える。
ここで、第2スイッチング素子の状態がオンである場合、第2スイッチング素子が有する2つの端子間は、短絡される。これにより、当該場合、第1コンデンサーの両端の電位は、同じ電位になる。一方、第2スイッチング素子の状態がオフである場合、第2スイッチング素子が有する2つの端子間は、電気的に切断される。これにより、当該場合、第1コンデンサーの両端には、電位差が生じる。
第2スイッチング素子は、制御回路24からの駆動信号に応じて、第2スイッチング素子の状態をオンとオフとのいずれかに切り替える。これにより、制御回路24は、第2スイッチング素子の状態をオンとオフとの間で交互に切り替えて、ワイヤレス送電装置10から見たワイヤレス受電装置20のインピーダンスが一定値となるように調整する(変化させる)ことができる。その結果、ワイヤレス受電装置20は、当該インピーダンスの変動を抑制することができる。
整流平滑回路23は、受電コイルユニット21に接続され、受電コイルL2から供給される交流電圧を整流して直流電圧に変換する。整流平滑回路23は、負荷Vloadと接続可能である。図1に示した例では、整流平滑回路23は、負荷Vloadと接続されている。整流平滑回路23が負荷Vloadと接続されている場合、整流平滑回路23は、変換した直流電圧を負荷Vloadに供給する。なお、ワイヤレス受電装置20では、整流平滑回路23は、負荷Vloadと接続される場合において、充電回路を介して負荷Vloadと接続される構成であってもよい。
ここで、負荷Vloadは、整流平滑回路23と接続されている場合、整流平滑回路23から直流電圧が供給される。例えば、負荷Vloadは、前述した電気自動車EVに搭載されたバッテリー、電気自動車EVに搭載されたモーター等である。負荷Vloadは、電力の需要状態(貯蔵状態又は消費状態)によって、等価抵抗値が時間とともに変わる抵抗負荷である。なお、ワイヤレス受電装置20において、負荷Vloadは、当該バッテリー、当該モーター等に代えて、整流平滑回路23から供給される直流電圧が供給される他の負荷であってもよい。
また、整流平滑回路23は、この一例において、受電コイルL2が有する第1端子及び第2端子の間を短絡する第1スイッチング素子を備える。
ここで、第1スイッチング素子の状態がオンである場合、受電コイルL2が有する第1端子及び第2端子の間は、短絡される。一方、第1スイッチング素子の状態がオフである場合、第1端子及び第2端子の間は、短絡されない。
第1スイッチング素子は、制御回路24からの駆動信号に応じて、第1スイッチング素子の状態をオンとオフとのいずれかに切り替える。これにより、整流平滑回路23は、ワイヤレス受電装置20が過電圧状態になった場合であっても、ワイヤレス受電装置20が備える回路素子に設計耐圧を超えた電圧が印加されてしまうことを抑制することができる。
電圧検出回路VDは、受電コイルL2に生じた交流電圧に基づく電圧を検出する。以下では、一例として、ワイヤレス受電装置20において、電圧検出回路VDが、整流平滑回路23によって整流された後の電圧を検出する場合について説明する。このため、この一例では、電圧検出回路VDは、整流平滑回路23に対して負荷Vloadと並列に接続されている。なお、電圧検出回路VDは、受電コイルL2と整流平滑回路23とを接続する2つの伝送路のそれぞれに印加される交流電圧の差動電圧等の当該交流電力に基づく電圧であれば、他の如何なる電圧を検出する構成であってもよい。この場合、電圧検出回路VDは、ワイヤレス受電装置20において、検出する電圧に応じた位置に設けられる。
電圧検出回路VDは、伝送路によって制御回路24と接続されている。電圧検出回路VDは、検出した電圧を制御回路24に出力する。
制御回路24は、ワイヤレス受電装置20を制御する。また、制御回路24は、各種の情報の送受信をワイヤレス送電装置10との間で行う。制御回路24は、例えば、Wi−Fi(登録商標)等の規格に基づく無線通信によって各種の情報の送受信をワイヤレス送電装置10との間で行う。
また、制御回路24は、電圧検出回路VDが検出した電圧を電圧検出回路VDから取得する。制御回路24は、当該電圧が予め決められた閾値である電圧閾値を超えた場合、異常信号を図示しない信号送信回路に出力するとともに、第2スイッチング素子の状態がオフである場合に第2スイッチング素子の状態をオンに切り替えてから第1スイッチング素子の状態をオンに切り替え、第2スイッチング素子の状態がオンである場合に第1スイッチング素子の状態をオンに切り替える。
これにより、ワイヤレス受電装置20は、受電コイルL2の第1端子及び第2端子の間を短絡させることによって第1調整回路22Aの両端に印加される電圧が、第1調整回路22Aが備える回路素子の設計耐圧を超える電圧となる前のタイミングにおいて第2スイッチング素子の状態をオンに切り替えることができる。第2スイッチング素子の状態がオンである場合、前述した通り、第1コンデンサーの両端の電位は、互いに同じ電位である。当該場合、ワイヤレス受電装置20では、受電コイルL2の第1端子及び第2端子の間を短絡させた場合であっても、第1調整回路22Aが備える回路素子には、設計耐圧を超える電圧が印加されない。その結果、ワイヤレス受電装置20は、ワイヤレス送電装置10から見たワイヤレス受電装置20のインピーダンスの変動を抑制しつつ、ワイヤレス受電装置20が備える回路素子、すなわち、整流平滑回路23の前段及び後段のそれぞれに設けられた回路素子に設計耐圧を超えた電圧が印加されてしまうことを抑制することができる。
ここで、前述の異常信号は、ワイヤレス受電装置20が過電圧状態であることを示す信号である。ここで、前述の信号送信回路は、例えば、制御回路24に備えられている。信号送信回路は、異常信号を取得した場合、送電コイルL1によるワイヤレス受電装置20へのワイヤレス電力伝送を停止させる停止信号を、前述の無線通信によってワイヤレス送電装置10に送信する。ワイヤレス送電装置10は、停止信号を受信した場合、送電コイルL1によるワイヤレス受電装置20へのワイヤレス電力伝送を停止する。これにより、ワイヤレス受電装置20は、過電圧状態となった場合、ワイヤレス受電装置20に不具合を発生させることなくワイヤレス電力伝送システム1を停止させることができる。なお、信号送信回路は、当該場合、送電コイルL1によるワイヤレス受電装置20へのワイヤレス電力伝送の送電電力量を予め決められた電力量未満に下げさせる低出力化信号を、無線通信によってワイヤレス送電装置10に送信する構成であってもよい。ワイヤレス送電装置10は、低出力化信号を受信した場合、送電コイルL1によるワイヤレス受電装置20へのワイヤレス電力伝送の送電電力量を予め決められた電力量未満に下げる。
また、制御回路24は、第1スイッチング素子の状態をオンに切り替える場合、整流平滑回路23が備える第1スイッチング素子に第1駆動信号を出力する。また、制御回路24は、第2スイッチング素子の状態をオンに切り替える場合、第1調整回路22Aが備える第2スイッチング素子に第2駆動信号を出力する。なお、第1駆動信号は、制御回路24が出力する駆動信号のうち、第1スイッチング素子の状態をオンに切り替える駆動信号のことである。すなわち、第1スイッチング素子は、制御回路24から第1駆動信号が出力された場合、第1スイッチング素子の状態をオンに切り替える。また、第2駆動信号は、制御回路24が出力する駆動信号のうち、第2スイッチング素子の状態をオンに切り替える駆動信号のことである。すなわち、第2スイッチング素子は、制御回路24から第2駆動信号が出力された場合、第2スイッチング素子の状態をオンに切り替える。
また、ワイヤレス受電装置20は、受電コイルL2が受電した交流電力に基づく電流を検出する電流検出回路を更に備える構成であってもよい。例えば、当該電流検出回路は、整流平滑回路23によって整流された後の直流電力に応じた電流を検出する。ワイヤレス受電装置20が当該電流検出回路を備える場合、制御回路24は、当該電流検出回路が検出した電流を当該電流検出回路から取得するとともに、電圧検出回路VDが検出した電圧を電圧検出回路VDから取得する。そして、制御回路24は、例えば、当該電圧が電圧閾値を超えた場合、又は、当該電流が予め決められた閾値である電流閾値を超えた場合、Wi−Fi(登録商標)等の規格に基づく無線通信によってワイヤレス送電装置10に対して異常信号を前述の信号送信回路に出力するとともに、第2スイッチング素子の状態がオフである場合に第2スイッチング素子の状態をオンに切り替えてから第1スイッチング素子の状態をオンに切り替え、第2スイッチング素子の状態がオンである場合に第1スイッチング素子の状態をオンに切り替える。あるいは、制御回路24は、例えば、当該電圧が電圧閾値を超えた場合、且つ、当該電流が電流閾値を超えた場合、異常信号を信号送信回路に出力するとともに、第2スイッチング素子の状態がオフである場合に第2スイッチング素子の状態をオンに切り替えてから第1スイッチング素子の状態をオンに切り替え、第2スイッチング素子の状態がオンである場合に第1スイッチング素子の状態をオンに切り替える。
このように、ワイヤレス受電装置20は、ワイヤレス送電装置10から見たワイヤレス受電装置20のインピーダンスの変動を抑制しつつ、ワイヤレス受電装置20が備える回路素子に設計耐圧を超えた電圧が印加されてしまうことを抑制することができる。
なお、以下では、説明の便宜上、第1スイッチング素子の状態をオフに切り替える駆動信号のことを、第1非駆動信号と称して説明する。また、以下では、第2スイッチング素子の状態をオフに切り替える駆動信号のことを、第2非駆動信号と称して説明する。
<ワイヤレス受電装置の構成>
以下、図2を参照し、ワイヤレス受電装置20の構成について説明する。図2は、ワイヤレス受電装置20の構成の一例を示す図である。なお、以下では、一例として、ワイヤレス受電装置20に負荷Vloadが接続されている場合について説明する。
ワイヤレス受電装置20は、前述した通り、受電コイルユニット21と、第1調整回路22Aと、整流平滑回路23と、電圧検出回路VDと、制御回路24を備える。
第1調整回路22Aは、例えば、コンデンサーC1と、スイッチング素子S2を備える。なお、第1調整回路22Aは、コンデンサーC1と、スイッチング素子S2とに加えて、他の回路素子を備える構成であってもよい。
コンデンサーC1は、前述の第1コンデンサーの一例である。コンデンサーC1は、端子C1Aと端子C1Bとの2つの端子を有する。コンデンサーC1は、スイッチング素子S2の状態がオンとオフとに交互に切り替わることによって、ワイヤレス送電装置10から見たワイヤレス受電装置20のインピーダンスを調整可能な静電容量を有するコンデンサーであれば、如何なるコンデンサーであってもよい。
スイッチング素子S2は、前述の第2スイッチング素子の一例である。また、スイッチング素子S2は、端子S2Aと端子S2Bとの2つの端子を有する。スイッチング素子S2は、制御回路24から出力された第2駆動信号に応じてスイッチング素子S2の状態をオンに切り替えることが可能であり、制御回路24から出力された第2非駆動信号に応じてスイッチング素子S2の状態をオフに切り替えることが可能であれば、如何なるスイッチング素子であってもよい。
整流平滑回路23は、前述の整流平滑回路の一例である。整流平滑回路23は、例えば、4つのダイオードであるダイオードD1〜ダイオードD4がブリッジ接続された全波整流回路と、コンデンサーCSを備える。当該全波整流回路は、受電コイルL2から供給される交流電圧を整流して脈流電圧に変換する。また、コンデンサーCSは、当該全波整流回路によって整流された脈流電圧を直流電圧に平滑化する平滑コンデンサーである。すなわち、整流平滑回路23は、当該全波整流回路とコンデンサーCSとによって、当該交流電圧を整流して直流電圧に変換する。また、整流平滑回路23は、当該4つのダイオードに加えて、トランジスタS11とトランジスタS12との2つのトランジスタを備える。また、当該全波整流回路は、入力端子P1と、入力端子P2と、プラス側の出力端子P3と、マイナス側の出力端子P4との4つの端子を有する。ここで、整流平滑回路23は、当該4つのダイオードと、当該2つのトランジスタとに加えて、負荷に供給する電力のリプルを平滑化するための平滑コンデンサー等の他の回路素子を備える。しかし、図2では、図が煩雑になるのを防ぐため、当該他の回路素子を省略している。なお、整流平滑回路23は、当該他の回路素子を備えない構成であってもよい。なお、整流平滑回路23は、当該全波整流回路に代えて、他の全波整流回路であってもよく、半波整流回路であってもよい。
ダイオードD1〜ダイオードD4のそれぞれは、受電コイルL2が受電した交流電力を直流電力に整流するために用いることが可能なダイオードであれば如何なるダイオードであってもよい。なお、ダイオードD1〜ダイオードD4のうちの一部又は全部は、互いに異なる構成であってもよく、互いに同じ構成であってもよい。ただし、整流平滑回路23では、ダイオードD1〜ダイオードD4の全部が互いに同じ構成であることが望ましい。
ダイオードD1は、アノード側の端子D1Iとカソード側の端子D1Oとの2つの端子を有する。ダイオードD2は、アノード側の端子D2Iとカソード側の端子D2Oとの2つの端子を有する。ダイオードD3は、アノード側の端子D3Iとカソード側の端子D3Oとの2つの端子を有する。ダイオードD4は、アノード側の端子D4Iとカソード側の端子D4Oとの2つの端子を有する。
トランジスタS11とトランジスタS12との2つのトランジスタは、前述の第1スイッチング素子の一例である。なお、第1スイッチング素子は、当該2つのトランジスタに代えて、受電コイルL2が有する第1端子及び第2端子の間を短絡可能なスイッチング素子であれば如何なるスイッチング素子であってもよい。また、第1スイッチング素子は、当該2つのトランジスタのように整流平滑回路23に備えられている構成に代えて、受電コイルL2が有する第1端子及び第2端子の間を短絡させることが可能であればワイヤレス受電装置20における他の回路に備えられる構成であってもよい。
図2に示した例では、トランジスタS11及びトランジスタS12のそれぞれは、N型の絶縁ゲートバイポーラトランジスタである。なお、トランジスタS11及びトランジスタS12の少なくとも一方は、N型の絶縁ゲートバイポーラトランジスタに代えて、他のスイッチング素子であってもよい。すなわち、トランジスタS11及びトランジスタS12のそれぞれは、互いに異なるトランジスタであってもよい。
トランジスタS11は、ゲート端子S11Gと、コレクタ端子S11Cと、エミッタ端子S11Eとの3つの端子を有する。トランジスタS12は、ゲート端子S12Gと、コレクタ端子S12Cと、エミッタ端子S12Eとの3つの端子を有する。
ここで、トランジスタS11の状態がオン(すなわち、コレクタ端子S11Cとエミッタ端子S11Eとの間が導通している状態)であり、且つ、トランジスタS12の状態がオン(すなわち、コレクタ端子S12Cとエミッタ端子S12Eとの間が導通している状態)であることは、すなわち、第1スイッチング素子の状態がオンであることの一例である。そこで、以下では、説明の便宜上、トランジスタS11の状態がオンであり、且つ、トランジスタS12の状態がオンであることを、第1スイッチング素子の状態がオンであると称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、トランジスタS11の状態がオフ(すなわち、コレクタ端子S11Cとエミッタ端子S11Eとの間が導通していない状態)であり、且つ、トランジスタS12の状態がオフ(すなわち、コレクタ端子S12Cとエミッタ端子S12Eとの間が導通していない状態)であることを、第1スイッチング素子の状態がオフであると称して説明する。
電圧検出回路VDは、前述の電圧検出回路の一例である。電圧検出回路VDは、受電コイルL2が受電した交流電力に基づく電圧を検出する。電圧検出回路VDは、プラス側の端子VDPと、マイナス側の端子VDNと、信号出力用の信号出力端子VDOとの3つの端子を有する。
また、図2に示した例では、受電コイルL2は、前述の第1端子の一例である端子L2Aと、第2端子の一例である端子L2Bとの2つの端子を有する。また、当該例では、負荷Vloadは、プラス側の電源端子VPと、マイナス側の電源端子VNとの2つの端子を有する。
ここで、ワイヤレス受電装置20が備える各回路素子の接続態様について説明する。
ワイヤレス受電装置20では、受電コイルL2の端子L2Aと整流平滑回路23が備える全波整流回路の入力端子P1とが伝送路LN1によって接続されている。そして、伝送路LN1上において、端子L2Aと入力端子P1との間には、コンデンサーC1とスイッチング素子S2とが並列に接続されている。具体的には、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN1上において、端子L2AとコンデンサーC1の端子C1Aとが接続されているとともに、端子L2Aとスイッチング素子S2の端子S2Aとが接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN1上において、コンデンサーC1の端子C1Bと入力端子P1とが接続されているとともに、スイッチング素子S2の端子S2Bと入力端子P1とが接続されている。
また、ワイヤレス受電装置20では、受電コイルL2の端子L2Bと整流平滑回路23が備える全波整流回路の入力端子P2とが伝送路LN2によって接続されている。
また、ワイヤレス受電装置20では、整流平滑回路23が備える全波整流回路の入力端子P1と入力端子P2との間には、伝送路LN11と伝送路LN12との2つの伝送路が並列に接続されている。そして、伝送路LN11上には、入力端子P1と入力端子P2との間に、当該全波整流回路の出力端子P3が設けられている。また、伝送路LN12上には、入力端子P1と入力端子P2との間に、当該全波整流回路の出力端子P4が設けられている。
ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN11上において、整流平滑回路23が備える全波整流回路の入力端子P1と当該全波整流回路の出力端子P3との間には、ダイオードD1が接続されている。具体的には、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN11上において、入力端子P1とダイオードD1の端子D1Iとが接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN11上において、ダイオードD1の端子D1Oと当該全波整流回路の出力端子P3とが接続されている。
また、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN11上において、整流平滑回路23が備える全波整流回路の出力端子P3と当該全波整流回路の入力端子P2との間には、ダイオードD2が接続されている。具体的には、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN11上において、出力端子P3とダイオードD2の端子D2Oとが接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN11上において、ダイオードD2の端子D2Iと当該全波整流回路の入力端子P2とが接続されている。
また、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN12上において、整流平滑回路23が備える全波整流回路の入力端子P2と当該全波整流回路の出力端子P4との間には、ダイオードD3が接続されている。具体的には、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN12上において、入力端子P2とダイオードD3の端子D3Oとが接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN12上において、ダイオードD3の端子D3Iと当該全波整流回路の出力端子P4とが接続されている。
ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN12上において、整流平滑回路23が備える全波整流回路の出力端子P4と当該全波整流回路の入力端子P1との間には、ダイオードD4が接続されている。具体的には、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN12上において、出力端子P4とダイオードD4の端子D4Iとが接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN12上において、ダイオードD4の端子D4Oと当該全波整流回路の入力端子P1とが接続されている。
また、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN12上において、ダイオードD3とトランジスタS11とが並列に接続されている。具体的には、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN12上において、ダイオードD3の端子D3OとトランジスタS11のコレクタ端子S11Cとが接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN12上において、ダイオードD3の端子D3IとトランジスタS11のエミッタ端子S11Eとが接続されている。
また、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN12上において、ダイオードD4とトランジスタS12とが並列に接続されている。具体的には、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN12上において、ダイオードD4の端子D4OとトランジスタS12のコレクタ端子S12Cとが接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN12上において、ダイオードD4の端子D4IとトランジスタS12のエミッタ端子S12Eとが接続されている。
そして、ワイヤレス受電装置20では、トランジスタS11のゲート端子S11Gと、トランジスタS12のゲート端子S12Gとが伝送路によって接続されている。そして、ワイヤレス受電装置20では、当該伝送路上において、トランジスタS11のゲート端子S11GとトランジスタS12のゲート端子S12Gとの接続点P5が設けられている。ワイヤレス受電装置20では、接続点P5は、伝送路によって制御回路24の図示しない信号出力端子に接続されている。制御回路24は、当該伝送路によって第1駆動信号又は第1非駆動信号を、トランジスタS11のゲート端子S11GとトランジスタS12のゲート端子S12Gとのそれぞれに出力することができる。
また、ワイヤレス受電装置20では、整流平滑回路23が備える全波整流回路の出力端子P3と当該全波整流回路の出力端子P4との間には、当該全波整流回路の後段においてコンデンサーCSが設けられている。
このように、整流平滑回路23は、ダイオードD1〜ダイオードD4がブリッジ接続された全波整流回路と、平滑コンデンサーであるコンデンサーCSを備える。そして、整流平滑回路23が備えるトランジスタS11及びトランジスタS12は、制御回路24からの第1駆動信号の出力に応じて、受電コイルL2の端子L2A及び端子L2Bの間を短絡させることができる。
また、ワイヤレス受電装置20では、整流平滑回路23が備える全波整流回路の出力端子P3と当該全波整流回路の出力端子P4との間には、前述のコンデンサーCSと電圧検出回路VDと負荷Vloadとが伝送路によって並列に接続されている。具体的には、ワイヤレス受電装置20では、出力端子P3と、コンデンサーCSの一方の端子と、電圧検出回路VDの端子VDPと、負荷Vloadの電源端子VPとが伝送路によって接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、当該全波整流回路の出力端子P4と、コンデンサーCSの他方の端子と、電圧検出回路VDの端子VDNと、負荷Vloadの電源端子VNとが伝送路によって接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、電圧検出回路VDの信号出力端子VDOと制御回路24の図示しない信号入力端子とが伝送路によって接続されている。
このように、ワイヤレス受電装置20が備える各回路素子は、接続されている。なお、当該各回路素子は、図2に示した接続態様に代えて、本実施形態において説明されるワイヤレス受電装置20の機能を失わない他の接続態様によって接続される構成であってもよい。
次に、ワイヤレス受電装置20が備える各回路素子の動作について説明する。
制御回路24は、前述した通り、電圧検出回路VDが検出した電圧を電圧検出回路VDから取得する。制御回路24は、取得した電圧が電圧閾値以下である場合、例えば、PWM制御によって第1調整回路22Aが備えるスイッチング素子S2の状態をオンとオフとの間で繰り返し変化させ、ワイヤレス送電装置10から見たワイヤレス受電装置20のインピーダンスが一定値になるように調整する。ここで、制御回路24は、PWM制御において、当該インピーダンスが一定値となるような周期で第2駆動信号と第2非駆動信号とを交互に第1調整回路22Aへ出力する。このようなPWM制御については、よく知られている制御であるため、これ以上の詳細な説明を省略する。
また、制御回路24は、電圧検出回路VDから取得した電圧が前述の電圧閾値以下である場合、トランジスタS11のゲート端子S11GとトランジスタS12のゲート端子S12Gとそれぞれに第1非駆動信号を出力し続け(すなわち、第1スイッチング素子の状態をオフに保ったまま)、整流平滑回路23に交流電力の直流電力への整流を行わせる。
また、制御回路24は、電圧検出回路VDから取得した電圧が電圧閾値を超えた場合、前述の信号送信回路に異常信号を出力する。また、制御回路24は、当該場合、トランジスタS11のゲート端子S11GとトランジスタS12のゲート端子S12Gとのそれぞれに第1駆動信号を出力する。また、制御回路24は、当該場合、スイッチング素子S2に第2駆動信号を出力する。ここで、制御回路24は、第1駆動信号と第2駆動信号とのそれぞれを出力する際、第1駆動信号を出力するタイミング以前のタイミングにおいて第2駆動信号を出力する。すなわち、前述した通り、当該場合、制御回路24は、第2スイッチング素子の一例であるスイッチング素子S2の状態がオフである場合にスイッチング素子S2の状態をオンに切り替えてから第1スイッチング素子の状態をオンに切り替え、スイッチング素子S2の状態がオンである場合に第1スイッチング素子の状態をオンに切り替える。なお、電圧検出回路VDから取得した電圧が電圧閾値を超えた場合に制御回路24が第1駆動信号を出力するタイミング以前のタイミングには、第1駆動信号を出力するよりも前のタイミング、及び第1駆動信号を出力するタイミングと同じタイミングの両方のタイミングが含まれている。
ここで、スイッチング素子S2は、制御回路24から第2駆動信号が出力された場合、スイッチング素子S2の状態をオンに切り替える。スイッチング素子S2の状態がオンである場合、コンデンサーC1の両端の電位は、前述した通り、互いに同じ電位である。このため、当該場合、ワイヤレス受電装置20では、受電コイルL2の端子L2A及び端子L2Bの間を短絡させた場合であっても、ワイヤレス受電装置20が備える回路素子には、設計耐圧を超える電圧が印加されない。
また、トランジスタS11は、トランジスタS11のゲート端子S11Gに制御回路24から第1駆動信号が出力された場合、トランジスタS11の状態をオンにする。また、トランジスタS12は、トランジスタS12のゲート端子S12Gに制御回路24から第1駆動信号が出力された場合、トランジスタS12の状態をオンにする。これにより、制御回路24は、第1スイッチング素子の状態をオンにして受電コイルL2の端子L2Aと端子L2Bとの間を短絡させることができる。
制御回路24から第1駆動信号が出力されるタイミング以前のタイミングにおいて制御回路24から第2駆動信号が出力されるため、整流平滑回路23が受電コイルL2の端子L2Aと端子L2Bとの間を短絡させた場合であっても、ワイヤレス受電装置20が備える回路素子には、設計耐圧を超えた電圧が印加されることがない。すなわち、ワイヤレス受電装置20は、ワイヤレス送電装置から見たワイヤレス受電装置のインピーダンスの変動を第1調整回路22Aによって抑制しつつ、ワイヤレス受電装置20に設計耐圧を超えた電圧が印加されてしまうことをトランジスタS11及びトランジスタS12によって抑制することができる。
また、制御回路24は、電圧検出回路VDから取得した電圧が電圧閾値を超えた場合において第1駆動信号を出力したタイミングから予め決められた条件が満たされるまでの間、第1駆動信号の出力によって第1スイッチング素子の状態をオンに保ち続ける。当該条件については、後述する。例えば、制御回路24は、当該場合において当該タイミングから当該条件が満たされるまでの間、第1駆動信号を出力し続け、第1スイッチング素子の状態をオンに保ち続ける。
また、制御回路24は、電圧検出回路VDから取得した電圧が電圧閾値を超えた場合において第1スイッチング素子の状態をオンに保ち続けている間、第2駆動信号の出力によってスイッチング素子S2の状態をオンに保ち続ける。例えば、制御回路24は、第2駆動信号を出力し続け、スイッチング素子S2の状態をオンに保ち続ける。
そして、制御回路24は、電圧検出回路VDから取得した電圧が電圧閾値を超えた場合において第1スイッチング素子の状態をオンに保ち続けている間に前述の予め決められた条件が満たされると、スイッチング素子S2の状態をオンに保ち続ける制御を解除する。
例えば、制御回路24は、図3に示したラッチ回路によって、第1スイッチング素子の状態とスイッチング素子S2の状態とのそれぞれをオンに保ち続けるとともに、予め決められた条件が満たされた場合にスイッチング素子S2の状態をオンに保ち続ける制御を解除する。
図3は、制御回路24が備えるラッチ回路の一例を示す図である。図3に示した回路24Lは、当該ラッチ回路の一例である。なお、制御回路24は、回路24Lに加えて、他の回路を備える。しかし、図3に示した例では、図が煩雑になるのを防ぐため、当該他の回路を省略している。
回路24Lは、例えば、低電流リセット回路24Aと、信号発生回路24Bと、遅延回路24Cと、フリップフロップ回路24Dと、OR回路24Eを備える。
ここで、低電流リセット回路24Aは、入力端子24AIと、出力端子24AOとの2つの端子を有する。信号発生回路24Bは、信号出力端子24BOを有する。遅延回路24Cは、信号入力端子24CIと、信号出力端子24COとの2つの端子を有する。OR回路24Eは、信号入力端子24EI1と、信号入力端子24EI2と、信号出力端子24EOとの3つの端子を有する。
ワイヤレス受電装置20では、低電流リセット回路24Aの入力端子24AIと、電圧検出回路VDの端子VDPと負荷Vloadの電源端子VPとの接続点P6の電流を検出する図示しない第1電流検出回路の信号出力端子とが伝送路によって接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、低電流リセット回路24Aの出力端子24AOとフリップフロップ回路24DのD端子とが伝送路によって接続されている。なお、第1電流検出回路は、受電コイルL2が受電した交流電力に応じた交流電流を検出する回路等、受電コイルL2が受電した交流電力に基づく電流を検出する回路であれば如何なる回路であってもよい。
低電流リセット回路24Aは、第1電流検出回路が検出した電流を示す検出信号をフリップフロップ回路24Dのクリア端子に出力する。低電流リセット回路24Aは、第1電流検出回路が検出した電流が第1電流閾値以上である場合、当該検出信号をハイレベルにして出力する。低電流リセット回路24Aは、第1電流検出回路が検出した電流が第1電流閾値未満である場合、当該検出信号をローレベルにして出力する。
また、ワイヤレス受電装置20では、電圧検出回路VDの信号出力端子VDOとフリップフロップ回路24DのD端子とが伝送路を介して接続されている。また、当該伝送路上には、バッファが接続されている。すなわち、電圧検出回路VDが検出した電圧は、当該バッファを介して当該D端子に入力される。ここで、当該電圧が前述の電圧閾値以上である場合、当該バッファは、出力信号をハイレベルにしてフリップフロップ回路24Dの当該D端子に出力する。一方、当該電圧が電圧閾値未満である場合、当該バッファは、出力信号をローレベルにしてフリップフロップ回路24DのD端子に出力する。
また、ワイヤレス受電装置20では、信号発生回路24Bの信号出力端子24BOとOR回路24Eの信号入力端子24EI2と伝送路によって接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、信号出力端子24BOと遅延回路24Cの信号入力端子24CIとが伝送路によって接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、遅延回路24Cの信号出力端子24COとフリップフロップ回路24DのCLK端子(クロック端子)とが伝送路によって接続されている。
また、ワイヤレス受電装置20では、フリップフロップ回路24Dのプリセット端子とフリップフロップ回路24DのQバー端子とが伝送路によって接続されている。ここで、Qバー端子は、図3において「Q」の真上に「 ̄」が配置された文字によって示された端子のことである。そして、ワイヤレス受電装置20では、フリップフロップ回路24DのQ端子とOR回路24Eの信号入力端子24EI1とが接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、当該Q端子と、トランジスタS11のゲート端子S11G及びトランジスタS12のゲート端子S12Gのそれぞれとが伝送路によって接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、OR回路24Eの信号出力端子24EOと、制御回路24が備える回路のうち駆動信号に応じてスイッチング素子S2の状態を切り替える図示しない回路が有する信号入力端子とが伝送路によって接続されている。
このような回路24Lでは、信号発生回路24Bは、ハイレベルのパルス信号であるH信号とローレベルのパルス信号であるL信号とを交互に発生させ、発生させたこれらの信号をOR回路24Eに出力するとともに当該信号を遅延回路24Cに出力する。
遅延回路24Cは、あるタイミングにおいてOR回路24Eと遅延回路24Cとのそれぞれに信号発生回路24Bから出力された信号SDのうち、遅延回路24Cに出力された信号SDを、OR回路24Eに出力された信号SDに対して予め決められた時間遅延させる。遅延回路24Cは、遅延させた信号をフリップフロップ回路24DのCLK端子に出力する。
フリップフロップ回路24Dは、ワイヤレス受電装置20が過電圧状態になっていない状態の場合、フリップフロップ回路24DのQ端子からローレベルの出力信号をOR回路24Eの信号入力端子24EI1に出力し続けるとともに、当該出力信号を第1非駆動信号としてトランジスタS11のゲート端子S11G及びトランジスタS12のゲート端子G12Gのそれぞれに出力し続ける。すなわち、当該場合、第1スイッチング素子の状態は、オフのまま保たれる。そして、当該場合、OR回路24Eは、信号発生回路24BからOR回路24Eの信号入力端子24EI2にH信号が入力されると、H信号を第2駆動信号としてスイッチング素子S2に出力し、信号発生回路24BからOR回路24Eの信号入力端子24EI2にL信号が入力されると、L信号を第2駆動信号としてスイッチング素子S2に出力する。これにより、制御回路24は、PWM制御によって、ワイヤレス送電装置10から見たワイヤレス受電装置20のインピーダンスが変動してしまうことを抑制することができる。
また、フリップフロップ回路24Dは、ワイヤレス受電装置20が過電圧状態になった場合、前述の予め決められた条件が満たされるまでの間、フリップフロップ回路24DのQ端子からハイレベルの出力信号をOR回路24Eの信号入力端子24EI1に出力し続けるとともに、当該出力信号を第1駆動信号としてトランジスタS11のゲート端子S11G及びトランジスタS12のゲート端子G12Gのそれぞれに出力し続ける。すなわち、当該場合、当該条件が満たされるまでの間、第1スイッチング素子の状態は、オンのまま保たれる。また、当該場合、OR回路24Eは、当該条件が満たされるまでの間、信号発生回路24BからOR回路24Eの信号入力端子24EI2にH信号が入力されると、H信号を第2駆動信号としてスイッチング素子S2に出力し、信号発生回路24BからOR回路24Eの信号入力端子24EI2にL信号が入力されると、H信号を第2駆動信号としてスイッチング素子S2に出力する。これにより、制御回路24は、当該場合、当該条件が満たされるまでの間において、第1スイッチング素子の状態をオンに保ち続けている間、スイッチング素子S2の状態をオンに保ち続けることができる。
また、図3に示した例では、ワイヤレス受電装置20が過電圧状態になった場合において、フリップフロップ回路24DのQ端子から出力する出力信号のレベルがローレベルからハイレベルに更新されるタイミングは、遅延回路24Cによる遅延によって、OR回路24Eからハイレベルの出力信号が第2駆動信号としてスイッチング素子S2に出力されたタイミングの直後のタイミングとなる。このため、制御回路24は、第1駆動信号と第2駆動信号とのそれぞれを出力する際、第1駆動信号を出力するタイミング以前のタイミングにおいて第2駆動信号を出力することができる。すなわち、制御回路24は、第2スイッチング素子の一例であるスイッチング素子S2の状態がオフである場合にスイッチング素子S2の状態をオンに切り替えてから第1スイッチング素子の状態をオンに切り替え、スイッチング素子S2の状態がオンである場合に第1スイッチング素子の状態をオンに切り替えることができる。
また、フリップフロップ回路24Dは、ワイヤレス受電装置20が過電圧状態になっている場合において予め決められた条件が満たされた場合、Q端子から出力する出力信号のレベルをハイレベルからローレベルに更新する。ここで、当該条件は、第1電流検出回路が検出した電流が第1電流閾値未満であることである。すなわち、制御回路24は、第1電流検出回路が検出した電流が第1電流閾値未満である場合、スイッチング素子S2の状態をオンに保ち続ける制御を解除する。なお、フリップフロップ回路24Dは、ワイヤレス受電装置20が過電圧状態ではない場合であっても、当該条件が満たされた場合、Q端子から出力する出力信号のレベルをローレベルに更新する。これにより、制御回路24は、何らかのノイズによってQ端子から出力する出力信号のレベルがハイレベルになり、スイッチング素子S2の状態をオンに保ち続ける制御が開始されてしまった場合であっても、スイッチング素子S2の状態をオンに保ち続ける制御を解除することができる。
なお、上記において説明した第1調整回路22Aは、伝送路LN2上において、受電コイルL2と整流平滑回路23との間に接続される構成であってもよい。この場合、伝送路LN2上において、端子L2Bと入力端子P2との間には、コンデンサーC1とスイッチング素子S2とが並列に接続される。
また、上記において説明したワイヤレス受電装置20は、第1調整回路22Aを2つ備える構成であってもよい。この場合、例えば、2つの第1調整回路22Aの一方は、伝送路LN1上において、受電コイルL2と整流平滑回路23との間に接続される。また、当該2つの第1調整回路22Aの他方は、伝送路LN2上において、受電コイルL2と整流平滑回路23との間に接続される。
以上のように、実施形態に係るワイヤレス受電装置(この一例において、ワイヤレス受電装置20)は、ワイヤレス送電装置(この一例において、ワイヤレス送電装置10)が備える送電コイル(この一例において、送電コイルL1)から交流電力を受電するワイヤレス受電装置であって、送電コイルと磁気的に結合される受電コイル(この一例において、受電コイルL2)と、受電コイルから供給される交流電圧を整流して負荷に出力する整流平滑回路(この一例において、整流平滑回路23)と、受電コイルが有する2つの端子である第1端子(この一例において、端子L2A)及び第2端子(この一例において、端子L2B)の間を短絡する第1スイッチング素子(この一例において、トランジスタS11及びトランジスタS12)と、第1端子に対して直列に接続される第1コンデンサー(この一例において、コンデンサーC1)と、第1端子に対して第1コンデンサーと並列に接続される第2スイッチング素子(この一例において、スイッチング素子S2)と、受電コイルに生じた交流電圧に基づく電圧を検出する電圧検出回路(この一例において、電圧検出回路VD)と、電圧検出回路が検出した電圧が予め決められた閾値である電圧閾値を超えた場合、異常信号を出力するとともに、第2スイッチング素子の状態がオフである場合に第2スイッチング素子の状態をオンに切り替えてから第1スイッチング素子の状態をオンに切り替え、第2スイッチング素子の状態がオンである場合に第1スイッチング素子の状態をオンに切り替える制御回路(この一例において、制御回路24)と、を備える。これにより、ワイヤレス受電装置20は、ワイヤレス送電装置から見たワイヤレス受電装置のインピーダンスの変動を抑制しつつ、ワイヤレス受電装置が備える回路素子に設計耐圧を超えた電圧が印加されてしまうことを抑制することができる。
また、ワイヤレス受電装置では、制御回路は、前記第1スイッチング素子の状態をオンに切り替える場合、前記第1スイッチング素子の状態をオンに切り替える第1駆動信号を出力し、前記第2スイッチング素子の状態をオンに切り替える場合、前記第2スイッチング素子の状態をオンに切り替える第2駆動信号を出力する、構成が用いられてもよい。これにより、ワイヤレス受電装置は、電圧検出回路が検出した電圧が予め決められた閾値である電圧閾値を超えた場合、第1駆動信号と第2駆動信号とのそれぞれを出力するタイミングに基づいて、ワイヤレス受電装置が備える回路素子に設計耐圧を超えた電圧が印加されてしまうことを抑制することができる。
また、ワイヤレス受電装置では、制御回路は、第1スイッチング素子の状態をオンに切り替える第1駆動信号の出力によって第1スイッチング素子の状態をオンに保ち続けている間、第2スイッチング素子の状態をオンに切り替える第2駆動信号の出力によって第2スイッチング素子の状態をオンに保ち続ける、構成が用いられてもよい。これにより、ワイヤレス受電装置は、ワイヤレス受電装置が備える回路素子に設計耐圧を超えた電圧が印加されてしまうことを、より確実に抑制することができる。
また、ワイヤレス受電装置は、受電コイルが受電した交流電力に基づく電流を検出する第1電流検出回路を備える、構成が用いられてもよい。また、ワイヤレス受電装置では、制御回路は、第1電流検出回路が検出した電流が予め決められた閾値である第1電流閾値未満である場合、第2スイッチング素子の状態をオンに保ち続ける制御を解除する、構成が用いられてもよい。これにより、ワイヤレス受電装置は、第1電流検出回路が検出した電流に基づいて、ワイヤレス受電装置20の過電圧状態からの復旧作業を効率よく行わせることができる。
また、ワイヤレス受電装置では、制御回路は、異常信号の出力に応じて、送電コイルによる交流電力の送電をワイヤレス送電装置に停止させる停止信号をワイヤレス送電装置に送信する、構成が用いられてもよい。これにより、ワイヤレス受電装置は、異常信号の出力に基づいて、ワイヤレス受電装置20の過電圧状態からの復旧作業を効率よく行わせることができる。
<実施形態の変形例>
以下、図4を参照し、実施形態の変形例について説明する。図4は、ワイヤレス受電装置20の構成の他の例を示す図である。
実施形態の変形例に係るワイヤレス受電装置20は、第1調整回路22Aに代えて、第2調整回路22Bを備える。
第2調整回路22Bは、コンデンサーC1及びスイッチング素子S2に加えて、コンデンサーC2と、スイッチング素子S3を備える。なお、第2調整回路22Bは、コンデンサーC1と、スイッチング素子S2と、コンデンサーC2と、スイッチング素子S3に加えて、他の回路素子を備える構成であってもよい。
コンデンサーC2は、第2コンデンサーの一例である。コンデンサーC2は、端子C2Aと端子C2Bとの2つの端子を有する。コンデンサーC2は、如何なるコンデンサーであってもよい。
スイッチング素子S3は、第3スイッチング素子の一例である。また、スイッチング素子S3は、端子S3Aと端子S3Bとの2つの端子を有する。スイッチング素子S3は、制御回路24から出力された第3駆動信号に応じてスイッチング素子S2の状態をオンに切り替えることが可能であり、制御回路24から出力された第3非駆動信号に応じてスイッチング素子S2の状態をオフに切り替えることが可能であれば、如何なるスイッチング素子であってもよい。ここで、第3駆動信号は、制御回路24が出力する駆動信号のうち、スイッチング素子S3の状態をオンに切り替える駆動信号のことである。すなわち、スイッチング素子S3は、制御回路24から第3駆動信号が出力された場合、スイッチング素子S3の状態をオンに切り替える。また、第3非駆動信号は、制御回路24が出力する駆動信号のうち、スイッチング素子S3の状態をオフに切り替える駆動信号のことである。すなわち、スイッチング素子S3は、制御回路24から第3非駆動信号が出力された場合、スイッチング素子S3の状態をオフに切り替える。
第2調整回路22Bは、スイッチング素子S2とスイッチング素子S3とのそれぞれの状態がオンとオフとに交互に切り替わることによって、ワイヤレス送電装置10から見たワイヤレス受電装置20のインピーダンスを調整することができる。なお、第2調整回路22Bは、受電コイルユニット21が備える構成であってもよい。この場合、第2調整回路22Bは、スイッチング素子S2とスイッチング素子S3とのそれぞれの状態がオンとオフとに交互に切り替わることによって、受電コイルユニット21が備える受電側共振回路の共振周波数を調整することができる。
この一例におけるワイヤレス受電装置20では、伝送路LN1上において、端子L2Aと入力端子P1との間には、コンデンサーC1とスイッチング素子S3との組み合わせと、コンデンサーC2とスイッチング素子S2との組み合わせとが並列に接続されている。具体的には、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN1上において、端子L2AとコンデンサーC1の端子C1Aとが接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN1上において、コンデンサーC1の端子C1Bとスイッチング素子S3の端子S3Aとが接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN1上において、スイッチング素子S3の端子S3Bと整流平滑回路23が備える全波整流回路の入力端子P1とが接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN1上において、端子L2AとコンデンサーC2の端子C2Aとが接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN1上において、コンデンサーC2の端子C2Bとスイッチング素子S2の端子S2Aとが接続されている。また、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN1上において、スイッチング素子S2の端子S2Bと当該全波整流回路の入力端子P1とが接続されている。
そして、この一例における制御回路24は、電圧検出回路VDが検出した電圧が電圧閾値を超えた場合、第1駆動信号を出力するタイミング以前のタイミングにおいて、第2駆動信号を出力するとともに、スイッチング素子S3の状態をオンに切り替える第3駆動信号を出力する。すなわち、制御回路24は、当該場合、スイッチング素子S2の状態とスイッチング素子S3の状態との少なくとも一方のスイッチング素子がオフである場合に当該少なくとも一方のスイッチング素子の状態をオンに切り替えてから第1スイッチング素子の状態をオンに切り替え、スイッチング素子S2の状態とスイッチング素子S3の状態との両方のスイッチング素子がオンである場合に第1スイッチング素子の状態をオンに切り替える。これにより、ワイヤレス受電装置20は、第2調整回路22Bを用いた場合であっても、ワイヤレス送電装置から見たワイヤレス受電装置のインピーダンスの変動を抑制しつつ、ワイヤレス受電装置が備える回路素子に設計耐圧を超えた電圧が印加されてしまうことを抑制することができる。
また、制御回路24は、第1駆動信号の出力によって第1スイッチング素子の状態をオンに保ち続けている間、第2駆動信号の出力によってスイッチング素子S2の状態をオンに保ち続けるとともに、第3駆動信号の出力によってスイッチング素子S3の状態をオンに保ち続ける。これにより、ワイヤレス受電装置20は、第2調整回路22Bを用いた場合であっても、ワイヤレス送電装置から見たワイヤレス受電装置のインピーダンスの変動を抑制しつつ、ワイヤレス受電装置が備える回路素子に設計耐圧を超えた電圧が印加されてしまうことを、より確実に抑制することができる。
ここで、制御回路24は、例えば、図3に示したラッチ回路と同様の回路を用いて、スイッチング素子S3の状態をオンに保ち続けることが可能である。このため、スイッチング素子S3の状態をオンに保ち続ける方法については、省略する。
また、制御回路24は、第2電流検出回路を備える構成であってもよい。第2電流検出回路は、低電流リセット回路24Aの入力端子24AIと、電圧検出回路VDの端子VDPと負荷Vloadの電源端子VPとの接続点P6の電流を検出する回路のことである。第2電流検出回路は、第1電流検出回路であってもよく、第1電流検出回路と別の電流検出回路であってもよい。そして、制御回路24は、第2電流検出回路が検出した電流が予め決められた閾値である第2電流閾値未満である場合、スイッチング素子S2の状態をオンに保ち続ける制御を解除するとともに、スイッチング素子S3の状態をオンに保ち続ける制御を解除する。これにより、ワイヤレス受電装置は、第2電流検出回路が検出した電流に基づいて、ワイヤレス受電装置20の過電圧状態からの復旧作業を効率よく行わせることができる。なお、当該場合において、スイッチング素子S3の状態をオンに保ち続ける制御を解除する方法は、スイッチング素子S2の状態をオンに保ち続ける制御を解除する方法と同様の方法であるため、説明を省略する。
なお、ワイヤレス受電装置20は、第1調整回路22Aと第2調整回路22Bとのいずれか一方を備える構成に代えて、第1調整回路22Aと第2調整回路22Bとの両方を備える構成であってもよい。この場合、ワイヤレス受電装置20では、伝送路LN1上において、第1調整回路22Aと第2調整回路22Bとが直列に接続される。
以上のように、実施形態に係るワイヤレス受電装置(この一例において、ワイヤレス受電装置20)は、第1コンデンサー(この一例において、コンデンサーC1)に対して直列に接続される第3スイッチング素子(この一例において、スイッチング素子S3)と、第2スイッチング素子に対して直列に接続される第2コンデンサー(この一例において、コンデンサーC2)と、を備える、構成が用いられてもよい。そして、制御回路(この一例において、制御回路24)は、電圧検出回路(この一例において、電圧検出回路VD)が検出した電圧が予め決められた電圧閾値を超えた場合、第2スイッチング素子(この一例において、スイッチング素子S2)の状態と第3スイッチング素子の状態との少なくとも一方のスイッチング素子がオフである場合に当該少なくとも一方のスイッチング素子の状態をオンに切り替えてから第1スイッチング素子(この一例において、トランジスタS11及びトランジスタS12)の状態をオンに切り替え、第2スイッチング素子の状態と第3スイッチング素子の状態との両方のスイッチング素子がオンである場合に第1スイッチング素子の状態をオンに切り替える、構成が用いられてもよい。これにより、ワイヤレス受電装置は、第2コンデンサー及び第3スイッチング素子を備えた場合であっても、ワイヤレス送電装置から見たワイヤレス受電装置のインピーダンスの変動を抑制しつつ、ワイヤレス受電装置が備える回路素子に設計耐圧を超えた電圧が印加されてしまうことを抑制することができる。
また、ワイヤレス受電装置は、制御回路は、第1スイッチング素子の状態をオンに切り替える第1駆動信号の出力によって第1スイッチング素子の状態をオンに保ち続けている間、前記第2スイッチング素子の状態をオンに切り替える第2駆動信号の出力によって第2スイッチング素子の状態をオンに保ち続けるとともに、第3スイッチング素子の状態をオンに切り替える第3駆動信号の出力によって第3スイッチング素子の状態をオンに保ち続ける、構成が用いられてもよい。これにより、ワイヤレス受電装置は、第2コンデンサー及び第3スイッチング素子を備えた場合であっても、ワイヤレス送電装置から見たワイヤレス受電装置のインピーダンスの変動を抑制しつつ、ワイヤレス受電装置が備える回路素子に設計耐圧を超えた電圧が印加されてしまうことを、より確実に抑制することができる。
また、ワイヤレス受電装置は、受電コイルが受電した交流電力に基づく電流を検出する第2電流検出回路を備える、構成が用いられてもよい。そして、制御回路は、第2電流検出回路が検出した電流が予め決められた閾値である第2電流閾値未満である場合、第2スイッチング素子の状態をオンに保ち続ける制御を解除するとともに、第3スイッチング素子の状態をオンに保ち続ける制御を解除する、構成が用いられてもよい。これにより、ワイヤレス受電装置は、第2電流検出回路が検出した電流に基づいて、ワイヤレス受電装置20の過電圧状態からの復旧作業を効率よく行わせることができる。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。