JP2019176652A - 電力変換装置、蓄電装置、及び、電力変換装置の制御方法 - Google Patents

電力変換装置、蓄電装置、及び、電力変換装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】負荷遮断時における電力変換装置の出力電圧を、回路部品の追加をすることなく、迅速に低下させる。【解決手段】直流電源と交流電路との間に設けられる電力変換装置であって、直流/交流の双方向変換を行うインバータと、インバータの動作を制御する制御部と、を備え、制御部は、インバータに直流から交流への変換を行わせているとき、交流側で負荷遮断の状態になった場合、インバータに対してゲートブロックをする前に、インバータの動作を交流から直流への変換に逆転させる、電力変換装置である。【選択図】図2

Description

本発明は、電力変換装置、蓄電装置、及び、電力変換装置の制御方法に関する。
電力変換装置の典型例である、系統連系するインバータ装置(パワーコンディショナ)は、一般財団法人電気安全環境研究所(JET)の認証を取得することが事実上必要である(例えば、特許文献1参照。)。認証試験の1つに、交流側の負荷遮断試験がある。
図4は、負荷遮断試験のための回路構成を示す図である。図において、蓄電装置100は、直流電源2と、電力変換装置1と、連系リレー101と、平滑用のコンデンサ102と、過電流保護のためのヒューズ103と、単相3線(U線.O(N)線,W線)での出力のためのバリスタ104,105,106と、を備えている。電力変換装置1は、直流から交流又はその逆の変換を行うことができ、直流電源2を放電させて交流電力を蓄電装置100から出力することができる。また、外部から交流電力の供給を受けて直流電源を充電することができる。連系リレー101は、電力変換装置1及び直流電源2を、交流系統に連系したり、解列したりするために設けられている。
蓄電装置100の外部には、認証試験のための外部回路として、遮断用ブレーカ107及び停電用ブレーカ108を介して、系統模擬電源109が接続される。電力を消費する負荷装置110は、遮断用ブレーカ107と、停電用ブレーカ108との間の例えばU線−W線間に接続されている。
停電用ブレーカ108を開路すれば、商用電力系統の停電の状態を模擬的に作り出すことができる。遮断用ブレーカ107を開路すれば、負荷遮断の状態を模擬的に作り出すことができる。負荷遮断試験の合格基準は、以下の条件(a)、(b)及び(c)を全て満たすことである。
(a)負荷遮断により、電力変換装置1内で、スイッチング素子をゲートブロックし、連系リレー101が開路すること。
(b)上記(a)に要する時間は0.5秒以内であること。
(c)突然無負荷となった電力変換装置1は出力電圧が急上昇するが、その過電圧は定格電圧の150%以下であり、かつ、100%を超える時間が0.5秒以内であること。
なお、(c)における電圧は、連系リレー101による解列前は実効値で判断され、解列後はピーク値で判断されるものと解される。
特開2015−122885号公報
上記合格基準のうち、(a)、(b)は比較的容易にクリアできるが、負荷遮断時は、電力変換装置内に残っているエネルギーが抜けにくく、(c)の条件をクリアすることが難しい場合があることがわかってきた。しかし、(c)の条件をクリアするために回路部品を追加することは好ましくない。
かかる課題に鑑み、本発明は、負荷遮断時における電力変換装置の出力電圧を、回路部品の追加をすることなく、迅速に低下させることを目的とする。
本開示は、以下の発明を含む。但し、本発明は、特許請求の範囲によって定められるものである。
本発明の一表現に係る電力変換装置は、直流電源と交流電路との間に設けられる電力変換装置であって、直流/交流の双方向変換を行うインバータと、前記インバータの動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記インバータに直流から交流への変換を行わせているとき、交流側で負荷遮断の状態になった場合、前記インバータに対してゲートブロックをする前に、前記インバータの動作を交流から直流への変換に逆転させる、電力変換装置である。
また、本発明の一表現に係る電力変換装置の制御方法は、直流電源と交流電路との間に設けられ、直流/交流の双方向変換を行うインバータと、前記インバータの動作を制御する制御部と、を備える電力変換装置の制御方法であって、前記インバータに直流から交流への変換を行わせているとき、交流側で負荷遮断の状態になったことを検出し、前記負荷遮断の状態を検出した場合、前記インバータの動作を交流から直流への変換に逆転させ、その後、前記インバータに対してゲートブロックをする、電力変換装置の制御方法である。
本発明によれば、負荷遮断時における電力変換装置の出力電圧を、回路部品の追加をすることなく、迅速に低下させることができる。
図1は、電力変換装置の内部回路の一例を示す図である。 図2は、交流側の負荷が突然無負荷になる負荷遮断に対して、どのように制御部が反応するかの一例を示すフローチャートである。 図3は、負荷遮断時の動作を示す波形図の一例を示す図である。 図4は、負荷遮断試験のための回路構成を示す図である。
[実施形態の要旨]
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
(1)これは、直流電源と交流電路との間に設けられる電力変換装置であって、直流/交流の双方向変換を行うインバータと、前記インバータの動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記インバータに直流から交流への変換を行わせているとき、交流側で負荷遮断の状態になった場合、前記インバータに対してゲートブロックをする前に、前記インバータの動作を交流から直流への変換に逆転させる、電力変換装置である。
上記のように構成された電力変換装置では、交流側の負荷遮断時に、直ちにゲートブロックを行うのではなく、ゲートブロックの前に、インバータの変換動作方向を逆転して、交流から直流への変換を行う。これにより、エネルギーを直流側へ逃がし、電力変換装置内のDCバスの電圧を迅速に低下させることができる。その結果、交流電圧も、迅速に低下する。すなわち、負荷遮断時における電力変換装置の出力電圧を、回路部品の追加をすることなく、迅速に低下させることができる。こうして、電力変換装置についてJET認証試験の求める要件を容易にクリアすることができる。
(2)また、(1)の電力変換装置は、例えば、前記直流電源と並列に接続される直流側コンデンサと、前記直流側コンデンサの両端に接続され、ローサイドのスイッチング素子とハイサイドのスイッチング素子とを有するDC/DCコンバータと、前記DC/DCコンバータの高電圧側にあるDCバスと、前記DCバスの2線間に接続された中間コンデンサと、前記中間コンデンサの両端に接続され、スイッチング素子によって構成されたフルブリッジ回路を有する前記インバータと、前記インバータの交流側にある電路に介在するACリアクトルと、を備え、前記制御部は、前記負荷遮断の状態になった場合、前記インバータに交流から直流への高周波スイッチング動作を行わせ、前記ローサイドのスイッチング素子を開路し、前記ハイサイドのスイッチング素子を閉路するものである。
この場合、ACリアクトルに蓄えられたエネルギー及び中間コンデンサに蓄えられたエネルギーを、直流側へ逃がすことができる。その結果、交流電圧も、迅速に低下する。
(3)また、(1)の電力変換装置は、例えば、前記直流電源と並列に接続される直流側コンデンサと、前記直流側コンデンサの両端に接続され、スイッチング素子によって構成されたフルブリッジ回路を有する前記インバータと、前記インバータの交流側にある電路に介在するACリアクトルと、を備え、前記制御部は、前記負荷遮断の状態になった場合、前記インバータに交流から直流への高周波スイッチング動作を行わせる。
この場合、ACリアクトルに蓄えられたエネルギーを、直流側へ逃がすことができる。その結果、交流電圧も、迅速に低下する。
(4)また、(2)の電力変換装置において、前記直流電源は蓄電池であり、前記制御部は、前記負荷遮断の状態になった場合に、前記直流側コンデンサ及び前記蓄電池を充電するよう前記インバータの動作を制御してもよい。
この場合、負荷遮断時に交流側に貯まっているエネルギーが大きくても、無駄なく、かつ、迅速に、蓄電池及び直流側コンデンサにエネルギーを移し込むことができ、その結果、交流電圧も、迅速に低下する。
(5)また、(3)の電力変換装置において、前記直流電源は太陽光発電パネルであり、前記制御部は、前記負荷遮断の状態になった場合に、前記直流側コンデンサを充電するよう前記インバータの動作を制御してもよい。
この場合、負荷遮断時に交流側に貯まっているエネルギーが大きくても、無駄なく、かつ、迅速に、直流側コンデンサにエネルギーを移し込むことができ、その結果、交流電圧も、迅速に低下する。
(6)また、(2)又は(4)の電力変換装置において、前記制御部は、前記DC/DCコンバータ及び前記インバータが交流半サイクル内で交互にスイッチングを休止する期間を有する制御を実行し、また、前記制御部は、前記負荷遮断の状態になったことを、前記DCバスの電圧が制御上の指令値より上昇したことに基づいて検出するようにしてもよい。
このような、いわゆる最小スイッチング変換方式の制御を行う場合、中間コンデンサのキャパシタンスがμFレベルの小容量であるため、負荷遮断時にはDCバスの急激な電圧上昇が起こりやすい。そこで、DCバスの電圧上昇に基づいて、負荷遮断の状態になったことを的確に検出することができる。
(7)また、(1)〜(6)のいずれかの電力変換装置において、前記制御部は、前記負荷遮断の状態になったことを、交流の瞬時過電圧の検出及び前記ACリアクトルに流れる電流の制御上の偏差が増加したことの検出、の少なくとも一方により検出するようにしてもよい。
負荷遮断時には、交流の瞬時過電圧が現れ、又は、ACリアクトルに流れる電流の制御上の偏差が増加するので、少なくともこれらの一方に基づいて、負荷遮断の状態になったことを的確に検出することができる。
(8)また、(2)、(4)及び(6)のいずれかの電力変換装置において、前記制御部は、前記負荷遮断の状態になった場合、前記DCバスの電圧を所定値以下に低下させた後で、前記インバータに対してゲートブロックをすることができる。
この場合、負荷遮断後にDCバスの電圧が迅速に低下するので、ゲートブロックのタイミングが遅れることを、抑制することができる。
(9)なお、蓄電装置としては、(1)の電力変換装置、及び、前記直流電源を搭載したものである。このような蓄電装置は、負荷遮断時における出力電圧を、回路部品の追加をすることなく、迅速に低下させることができる。こうして、蓄電装置についてJET認証試験の求める要件を容易にクリアすることができる。
(10)一方、方法の観点からは、直流電源と交流電路との間に設けられ、直流/交流の双方向変換を行うインバータと、前記インバータの動作を制御する制御部と、を備える電力変換装置の制御方法であって、前記インバータに直流から交流への変換を行わせているとき、交流側で負荷遮断の状態になったことを検出し、前記負荷遮断の状態を検出した場合、前記インバータの動作を交流から直流への変換に逆転させ、その後、前記インバータに対してゲートブロックをする、電力変換装置の制御方法である。
上記のような電力変換装置の制御方法では、交流側の負荷遮断時に、直ちにゲートブロックを行うのではなく、ゲートブロックの前に、インバータの変換動作方向を逆転して、交流から直流への変換を行う。これにより、エネルギーを直流側へ逃がし、電力変換装置内のDCバスの電圧を迅速に低下させることができる。その結果、交流電圧も、迅速に低下する。すなわち、負荷遮断時における電力変換装置の出力電圧を、回路部品の追加をすることなく、迅速に低下させることができる。こうして、電力変換装置についてJET認証試験の求める要件を容易にクリアすることができる。
[実施形態の詳細]
以下、本発明の一実施形態に係る電力変換装置1について、図面を参照して説明する。
《電力変換装置の回路構成例》
図1は、蓄電装置100(図4)に搭載される電力変換装置1の内部回路の一例を示す図である。
図において、電力変換装置1は、直流電源2と、交流電路3との間に設けられている。電力変換装置1は、主要な主回路構成部分として、DC/DCコンバータ4と、DCバス5と、インバータ6とを備えている。また、直流電源2と接続される直流入力端側には、直流側コンデンサ7が入力に対して並列に設けられている。入力された電圧はDC/DCコンバータ4により所望の電圧に変換され、DCバス5に出力される。
DC/DCコンバータ4は、DCリアクトル8と、ローサイドのスイッチング素子Qと、ハイサイドのスイッチング素子Qとを備えている。スイッチング素子Q及びQにはそれぞれ、逆並列にダイオードd,dが接続されている。スイッチング素子Q,Qの他、図1に示す他のスイッチング素子Q,Q,Q,Qは、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。但し、これらのスイッチング素子は、IGBTのみならず、MOS−FET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)であってもよい。DCバス5の2線間には、中間コンデンサ9が接続されている。なお、中間コンデンサ9のキャパシタンスCは小さく(μFレベル)、直流側コンデンサ7のキャパシタンスCとの、キャパシタンスの大小関係は、C>>Cである。
DCバス5の電圧すなわち中間コンデンサ9の両端電圧は、フルブリッジ回路を成すスイッチング素子Q,Q,Q,Qによって構成されるインバータ6に与えられる。スイッチング素子Q,Q,Q,Qにはそれぞれ、逆並列に、ダイオードd,d,d,dが接続されている。インバータ6は、DCバス5の直流電圧を、単相3線の交流電圧に変換する。ACリアクトル10及び交流側コンデンサ11は、インバータ6の発生する高周波ノイズが交流電路3に出ることを防止するフィルタ回路として機能している。
計測・制御用の回路要素としては、例えば、電圧センサ13、電流センサ14、電圧センサ15、電流センサ16、及び、電圧センサ17が設けられている。電圧センサ13は、直流電源2の電圧を検出して、検出出力を制御部12に送る。電流センサ14は、DC/DCコンバータ4に流れる電流を検出して、検出出力を制御部12に送る。電圧センサ15は、DCバス5の2線間の電圧を検出して、検出出力を制御部12に送る。電流センサ16は、ACリアクトル10に流れる電流を検出して、検出出力を制御部12に送る。電圧センサ17は、交流電路3の2線間の電圧を検出して、検出出力を制御部12に送る。制御部12は、各センサから送られてくる検出出力に基づいてスイッチング素子Q,Q及びQ〜Qのオン・オフを制御する。
制御部12は例えば、コンピュータを含み、ソフトウェア(コンピュータプログラム)をコンピュータが実行することで、必要な制御機能を実現する。ソフトウェアは、制御部12の記憶装置(図示せず。)に格納される。
《電力変換装置の他の例》
なお、上記の直流電源2は例えば蓄電池であるが、これに限定される訳ではなく、太陽光発電パネルである場合もある。
また、直流電源2からDCバス5までの直流系統が複数あって、DCバス5に対して並列であり、DCバス5を共有する、という場合もある。
さらに、直流電源2の電圧が交流電圧のピーク値より高い場合にはDC/DCコンバータを設けずに、直流電源2をそのままDCバス5に繋ぐ場合もある。
《電力変換装置の基本動作》
図1の電力変換装置1は、例えば、本出願人が既に提案している(例えば特開2014−241714号、国際公開WO2014/199796、他多数の文献あり。)最小スイッチング変換方式で動作する。当該方式では、前提として、直流電源2からDC/DCコンバータ4に入力する直流電圧が、出力しようとする交流電圧のピーク値より低い。制御部12は、DC/DCコンバータ4が高周波でのスイッチング動作を休止する期間と、インバータ6が高周波でのスイッチングを休止して極性反転のみを行う期間とが、交互に現れるよう制御する。すなわち、交流波形の半サイクルに着目すると、DC/DCコンバータ4が交流波形を作っている時期と、インバータ6が交流波形を作っている時期とがある。
また、上記の電力変換装置1におけるDC/DCコンバータ4及びインバータ6は、直流電源2が蓄電池である場合には双方向の変換動作が可能である。すなわち、蓄電池の放電により直流電力から交流電力への変換を行うことができる。また、商用電力系統と接続された交流電路3から電力供給を受けて、交流電力から直流電力への変換を行い、蓄電池を充電することができる。この場合、インバータ6が、高周波でスイッチング動作し、ACリアクトル10と協働して必要な電圧まで昇圧を行う期間と、インバータ6は整流のみを行いDC/DCコンバータ4が充電に適した電圧まで降圧を行う期間とがある。一方、直流電源2が太陽光発電パネルである場合には、充電を行うことはできない。但し、ごく短時間であれば、電力変換装置1が充電方向への変換動作を行うこと自体は可能である。
《負荷遮断の検出について》
負荷遮断は、例えば、以下のような事象に基づいて検出することができる。
例えば、DC/DCコンバータ4及びインバータ6が交流半サイクル内で交互にスイッチングを休止する期間を有する最小スイッチング変換方式の場合、中間コンデンサ9のキャパシタンスがμFレベルの小容量であるため、負荷遮断時にはDCバス5の急激な電圧上昇が起こりやすい。そこで、制御部12は、DCバス5の電圧が制御上の指令値より上昇したことに基づいて、負荷遮断の状態になったことを的確に検出することができる。
また、制御部12は、負荷遮断の状態になったことを、交流の瞬時過電圧の検出及びACリアクトル10に流れる電流の制御上の偏差が増加したことの検出、の少なくとも一方により検出することができる。
すなわち、負荷遮断時には、交流の瞬時過電圧が現れ、又は、ACリアクトル10に流れる電流の制御上の偏差が増加するので、少なくともこれらの一方に基づいて、負荷遮断の状態になったことを的確に検出することができる。
《負荷遮断時の動作》
次に、JET認証を受けるために必要な負荷遮断時の動作について説明する。
図2は、交流側の負荷が突然無負荷になる負荷遮断に対して、どのように制御部12が反応するかの一例を示すフローチャートである。
図において、処理開始により、制御部12は、直流から交流への変換動作中か否かを判定する(ステップS1)。「No」の場合は、負荷遮断の状況ではないので処理終了となるが、「Yes」の場合には、制御部12は、負荷遮断の状態となったか否かを判定する(ステップS2)。負荷遮断の状態でない場合は、制御部12は、ステップS1,S2の判定を繰り返す。
そして、ステップS2において負荷遮断の状態になった場合、制御部12は、電力変換装置1の動作を、交流から直流への変換に逆転させる(ステップS3)。具体的には、例えば、図1において、負荷遮断により、交流電路3は開放端になり、交流電力の行き先が失われることにより、DCバス5の電圧、及び、交流電路3の電圧が上昇する。
そこで、制御部12は、インバータ6のスイッチング素子Q〜Qについて、Q,Qがオン/Q,Qがオフ、となる状態と、Q,Qがオン/Q,Qがオフになる状態とがデッドタイムを入れながら高速(例えば20kHz)に交互に入れ替わるよう制御する。また、このとき、制御部12は、DC/DCコンバータ4におけるハイサイドのスイッチング素子Qはオンに固定、ローサイドのスイッチング素子Qはオフに固定する。
このような方向性の逆転となる変換制御を行うことにより、ACリアクトル10及び交流側コンデンサ11に蓄えられていた電気エネルギーは、直流側の、DCリアクトル8及び直流側コンデンサ7さらに直流電源2が蓄電池の場合は当該蓄電池にも戻される。これにより、交流側コンデンサ11の両端電圧は迅速に低下する。また、中間コンデンサ9はキャパシタンスが小さいため、DCバス5の電圧も迅速に低下する。
そして、所定時間が経過するのを待ち(ステップS4)、所定時間が経過すると、制御部12はDC/DCコンバータ4のスイッチング素子Q,Q及びインバータ6のスイッチング素子Q〜Qを全てゲートブロックする(ステップS5)。このように、制御部12は、負荷遮断の状態になった場合、DCバス5の電圧を所定値以下に低下させた後で、ゲートブロックをする。すなわち、負荷遮断後にはDCバス5の電圧が迅速に低下するので、ゲートブロックのタイミングが遅れることを、抑制することができる。
《波形図の例》
図3は、負荷遮断時の動作を示す波形図の一例を示す図である。図の波形は、上から順に、(a)が、インバータ6のスイッチング素子Q,Qのゲートに与える制御信号、(b)が、インバータ6のスイッチング素子Q,Qのゲートに与える制御信号である。ハイレベルがオン、ローレベルがオフを意味する。また、縦の幅のある部分は、高周波(例えば20kHz)でのスイッチング動作を行っていることを示している。
また、(c)は、DC/DCコンバータ4のハイサイドのスイッチング素子Qの動作波形である。(d)は、DC/DCコンバータ4のローサイドのスイッチング素子Qの動作波形である。通常は、インバータ6とDC/DCコンバータ4とで、互いに、交流半サイクルに対応する期間内に、交代で休止期間を持つように制御されている(e)は、電流センサ16の検出する交流電流の波形である。(f)は、DCバス5の電圧波形である。DCバス5の電圧波形は図示のような交流波形の絶対値を含む脈流波形となる。(g)は、ゲートブロック信号を表しており、Hレベルはゲート駆動中、Lレベルはゲートブロックの状態を表している。(h)は、電圧センサ17が検出する交流電圧の波形である。
図3において、制御部12は、制御上の指令値との比較において、まず(e)に示す交流電流の変化があり、かつ、交流電圧が急激に低下することにより負荷遮断を検出する(時刻t1)。負荷遮断を検出した制御部12は、インバータ6のスイッチング素子Q〜Qについて、Q,Qがオン/Q,Qがオフ、となる状態と、Q,Qがオン/Q,Qがオフになる状態とがデッドタイムを入れながら高速(例えば20kHz)に交互に入れ替わるよう制御する(時刻t1〜t2)。また、このとき、制御部12は、DC/DCコンバータ4におけるハイサイドのスイッチング素子Qはオンに固定、ローサイドのスイッチング素子Qはオフに固定する。
これにより、(f)のDCバス5の電圧は時刻t1以降に微振動しながら迅速に低下して直流電源2の電圧になる。また、(h)の交流電圧も迅速に下がり、約0になる。その後、時刻t2になると、インバータ6のスイッチング動作(交流から直流への逆変換)は停止し、DC/DCコンバータ4のハイサイドのスイッチング素子Qはオフになる。時刻t1から0.5秒も経過していない時刻t3には、ゲートブロック信号がオフになり、ここで完全に、負荷遮断に基づくゲートブロックの状態となる。こうして、負荷遮断時に定格電圧の150%に達するような過電圧を生じさせることなく、100%を超える時間が0.5秒以内に確実にゲートブロックを行うことができる。
《まとめ》
以上のように、電力変換装置1の制御部12は、インバータ6に直流から交流への変換を行わせているとき、交流側で負荷遮断の状態になった場合、インバータ6に対してゲートブロックをする前に、インバータ6の動作を交流から直流への変換に逆転させる。
このような電力変換装置1では、交流側の負荷遮断時に、直ちにゲートブロックを行うのではなく、ゲートブロックの前に、インバータ6の変換動作方向を逆転して、交流から直流への変換を行うことにより、エネルギーを直流側へ逃がし、電力変換装置1内のDCバス5の電圧を迅速に低下させることができる。その結果、交流電圧も、迅速に低下する。こうして、電力変換装置1についてJET認証試験の求める要件を容易にクリアすることができる。
なお、インバータ6及びDC/DCコンバータ4を搭載する電力変換装置の場合、インバータ6の動作を交流から直流への変換に逆転させる際、例えば、制御部12は、インバータ6に交流から直流への高周波スイッチング動作を行わせ、DC/DCコンバータ4のローサイドのスイッチング素子Qを開路し、前記ハイサイドのスイッチング素子Qを閉路する。
インバータ6のみを搭載し、DC/DCコンバータ4は搭載しない電力変換装置の場合には、制御部12は、負荷遮断の状態になった場合、インバータ6に交流から直流への高周波スイッチング動作を行わせるのみで足りる。
直流電源2が蓄電池である場合には、制御部12は、負荷遮断の状態になった場合に、直流側コンデンサ7及び蓄電池を充電するように制御を行うことができる。
この場合、負荷遮断時にACリアクトル10や交流側コンデンサ11に貯まっているエネルギーが大きくても、無駄なく、かつ、迅速に、蓄電池及び直流側コンデンサ7にエネルギーを移し込むことができ、その結果、交流電圧も、迅速に低下する。
一方、直流電源2が太陽光発電パネルである場合には、制御部12は、負荷遮断の状態になった場合に、直流側コンデンサ7を充電するように制御を行うことができる。
この場合、負荷遮断時にACリアクトル10や交流側コンデンサ11に貯まっているエネルギーが大きくても、無駄なく、かつ、迅速に、直流側コンデンサにエネルギーを移し込むことができ、その結果、交流電圧も、迅速に低下する。
《その他》
なお、上記実施形態では、最小スイッチング変換方式を実行する電力変換装置1について説明したが、DC/DCコンバータ及びインバータを常時高周波でスイッチングさせるタイプの伝統的な電力変換装置であっても、同様の負荷遮断時の動作を適用することができる。
《補記》
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 電力変換装置
2 直流電源
3 交流電路
4 DC/DCコンバータ
5 DCバス
6 インバータ
7 直流側コンデンサ
8 DCリアクトル
9 中間コンデンサ
10 ACリアクトル
11 交流側コンデンサ
12 制御部
13 電圧センサ
14 電流センサ
15 電圧センサ
16 電流センサ
17 電圧センサ
100 蓄電装置
101 連系リレー
102 コンデンサ
103 ヒューズ
104,105,106 バリスタ
107 遮断用ブレーカ
108 停電用ブレーカ
109 系統模擬電源
110 負荷装置
,d,d,d,d,d ダイオード
,Q,Q,Q,Q,Q スイッチング素子

Claims (10)

  1. 直流電源と交流電路との間に設けられる電力変換装置であって、
    直流/交流の双方向変換を行うインバータと、
    前記インバータの動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記インバータに直流から交流への変換を行わせているとき、交流側で負荷遮断の状態になった場合、前記インバータに対してゲートブロックをする前に、前記インバータの動作を交流から直流への変換に逆転させる、電力変換装置。
  2. 請求項1に記載の電力変換装置であって、
    前記直流電源と並列に接続される直流側コンデンサと、
    前記直流側コンデンサの両端に接続され、ローサイドのスイッチング素子とハイサイドのスイッチング素子とを有するDC/DCコンバータと、
    前記DC/DCコンバータの高電圧側にあるDCバスと、
    前記DCバスの2線間に接続された中間コンデンサと、
    前記中間コンデンサの両端に接続され、スイッチング素子によって構成されたフルブリッジ回路を有する前記インバータと、
    前記インバータの交流側にある電路に介在するACリアクトルと、を備え、
    前記制御部は、前記負荷遮断の状態になった場合、前記インバータに交流から直流への高周波スイッチング動作を行わせ、前記ローサイドのスイッチング素子を開路し、前記ハイサイドのスイッチング素子を閉路する、電力変換装置。
  3. 請求項1に記載の電力変換装置であって、
    前記直流電源と並列に接続される直流側コンデンサと、
    前記直流側コンデンサの両端に接続され、スイッチング素子によって構成されたフルブリッジ回路を有する前記インバータと、
    前記インバータの交流側にある電路に介在するACリアクトルと、を備え、
    前記制御部は、前記負荷遮断の状態になった場合、前記インバータに交流から直流への高周波スイッチング動作を行わせる、電力変換装置。
  4. 前記直流電源は蓄電池であり、前記制御部は、前記負荷遮断の状態になった場合に、前記直流側コンデンサ及び前記蓄電池を充電するよう前記インバータの動作を制御する、請求項2に記載の電力変換装置。
  5. 前記直流電源は太陽光発電パネルであり、前記制御部は、前記負荷遮断の状態になった場合に、前記直流側コンデンサを充電するよう前記インバータの動作を制御する、請求項3に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御部は、前記DC/DCコンバータ及び前記インバータが交流半サイクル内で交互にスイッチングを休止する期間を有する制御を実行し、
    前記制御部は、前記負荷遮断の状態になったことを、前記DCバスの電圧が制御上の指令値より上昇したことに基づいて検出する、
    請求項2又は請求項4に記載の電力変換装置。
  7. 前記制御部は、前記負荷遮断の状態になったことを、交流の瞬時過電圧の検出及び前記ACリアクトルに流れる電流の制御上の偏差が増加したことの検出、の少なくとも一方により検出する、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 前記制御部は、前記負荷遮断の状態になった場合、前記DCバスの電圧を所定値以下に低下させた後で、前記インバータに対してゲートブロックをする、請求項2、請求項4及び請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  9. 請求項1の電力変換装置及び、前記直流電源を搭載した蓄電装置。
  10. 直流電源と交流電路との間に設けられ、直流/交流の双方向変換を行うインバータと、前記インバータの動作を制御する制御部と、を備える電力変換装置の制御方法であって、
    前記インバータに直流から交流への変換を行わせているとき、交流側で負荷遮断の状態になったことを検出し、
    前記負荷遮断の状態を検出した場合、前記インバータの動作を交流から直流への変換に逆転させ、
    その後、前記インバータに対してゲートブロックをする、
    電力変換装置の制御方法。
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