JP2019176070A - ガス溶解水供給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】清浄度が高いガス溶解水を安定して供給可能なガス溶解水供給システムを提供する。【解決手段】被処理水にガスを溶解させたガス溶解水を供給するガス溶解水供給システム1が、被処理水中にガスを溶解させるガス溶解装置4と、ガス溶解装置4によりガスを溶解させた被処理水中の微粒子を除去する限外ろ過膜装置5と、ガス溶解装置4と限外ろ過膜装置5との間に位置してガス溶解装置によりガスを溶解させた被処理水中にバブルとして存在するガスを被処理水に溶け込ませる混合装置13と、を有することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、被処理水にガスを溶解させたガス溶解水を供給するガス溶解水供給システムに関する。
半導体や液晶の製造プロセスでは、不純物が高度に除去された純水または超純水を用いて、半導体ウエハやガラス基板の洗浄が行われる。特に、半導体ウエハの洗浄において静電気の発生を抑制するために、被処理水(純水または超純水)にガス(炭酸ガスやオゾンや水素など)を溶解させて比抵抗値を低く調整したガス溶解水(機能水)が洗浄水やリンス水として用いられている。一般に、ガス溶解水は、ろ過膜装置(フィルタ)で微粒子が除去された後にユースポイントに供給される。ろ過膜装置として精密ろ過膜装置や限外ろ過膜装置が使用されており、より微細な微粒子を除去するためには限外ろ過膜装置を用いることが好ましい。特許文献1には、炭酸ガス溶解膜モジュールと微粒子除去膜モジュールを備えている、炭酸ガス溶解水を用いた洗浄装置が開示されている(特許文献1の図1参照)。そして、特許文献1には、微粒子除去膜モジュールとして精密ろ過膜(MF膜)もしくは限外ろ過膜(UF膜)を用いることが好ましいと記載されている(特許文献1の段落[0038]参照)。このような洗浄装置によって、清浄度が高いガス溶解水をユースポイントに供給することができる。
特開2017−175075号公報
ガス溶解水に含まれている微粒子を除去するために限外ろ過膜装置を用いる場合に、限外ろ過膜装置を透過するガス溶解水の透過流束(フラックス)が徐々に低下するという問題が生じることがある。
そこで、本発明の目的は、清浄度が高いガス溶解水を安定して供給可能なガス溶解水供給システムを提供することにある。
上述した目的を達成するために、本発明の、被処理水にガスを溶解させたガス溶解水を供給するガス溶解水供給システムは、被処理水中にガスを溶解させるガス溶解装置と、ガス溶解装置によりガスを溶解させた被処理水中の微粒子を除去する限外ろ過膜装置と、ガス溶解装置と限外ろ過膜装置との間に位置してガス溶解装置によりガスを溶解させた被処理水中にバブルとして存在するガスを被処理水に溶け込ませる混合装置と、を有することを特徴とする。
本発明のガス溶解水供給システムによれば、清浄度が高いガス溶解水を安定して供給可能である。
本発明の第1の実施形態のガス溶解水供給システムを模式的に示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態のガス溶解水供給システムを模式的に示すブロック図である。 本発明の実施例と比較例のガス溶解水供給システムの初期差圧維持率を示すグラフである。 本発明の実施例と比較例のガス溶解水供給システムの初期フラックス維持率を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態のガス溶解水供給システムの構成について説明する。図1は、本実施形態のガス溶解水供給システムを模式的に示すブロック図である。本実施形態のガス溶解水供給システム1は、被処理水(純水または超純水)にガスを溶解させたガス溶解水(機能水)を、例えば半導体ウエハの洗浄を行うために供給するシステムである。このガス溶解水供給システム1は、原料水である一次純水を貯留する貯槽2と、熱交換器6と、脱気装置7と、紫外線(UV)照射装置8と、イオン交換装置3と、ガス溶解装置4と、混合装置13と、限外ろ過膜装置5が、この順番に配置されて直列に接続されている。熱交換器6は、主に、ガス溶解水が所望の処理(例えば半導体ウエハの洗浄)に用いられる際に適した温度になるように、原料水の温度を予め調節する装置である。脱気装置7は、例えば酸化防止のために原料水中の気体(特に酸素)を除去する装置である。脱気装置7としては真空脱気装置や膜脱気装置などが採用されており、溶存酸素(DO)を例えば50ppb未満まで減少させる。紫外線照射装置8は、紫外線によって殺菌を行う装置である。
このようにして、原料水の温度調節と溶存酸素量の調節と殺菌とが行われ、イオン交換装置3によってイオン性不純物が除去される。イオン交換装置3は、原料水に含まれるイオン性不純物をイオン交換処理によって除去するものであり、イオン交換体が充填されたイオン交換塔を有している。イオン交換装置3は、高い処理性能を維持するために、非再生型イオン交換装置(カートリッジポリッシャー:CP)であることが好ましい。具体的には、陰イオン(アニオン)性不純物を除去するためのアニオン交換樹脂と、陽イオン(カチオン)性不純物を除去するためのカチオン交換樹脂とが充填されたイオン交換塔を有している。イオン交換塔におけるアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の充填形態は、イオン交換樹脂に由来する微量の不純物を効率的に除去し清浄度をより高くすることができる点で、混床形態であることが好ましい。すなわち、好適な実施形態のイオン交換装置3は、陽イオン(カチオン)交換樹脂と陰イオン(アニオン)交換樹脂の混合樹脂が充填された非再生型混床イオン交換装置である。
ガス溶解装置4は、イオン交換装置3から供給された純水または超純水にガスを溶解させる装置である。純水または超純水にガスを溶解させることによって、比抵抗値を所望の範囲に調節し、それによって静電気の発生を抑制している。ガス溶解装置4としては、例えば、中空糸製のガス透過膜を用いてガスを溶解させる装置、配管内に直接ガスをバブリングする装置、ガスを注入した後にスタティックミキサーなどの分散手段により溶解させる装置、ガス溶解槽に純水または超純水を供給するポンプの上流側にガスを供給し、ポンプ内の攪拌によって溶解させる装置などを用いることができる。特に、膜面積(気液接触面積)が大きく、ガスを効率的に溶解させることができる点で、中空糸製のガス透過膜を用いてガスを溶解させるガス溶解膜方式の装置が好ましい。ガスは、ガスライン(図示せず)を通じてガス溶解装置4に供給することができる。溶解させるガスとしては、炭酸ガス、窒素ガス、水素ガス、オゾンガスなどが挙げられる。
混合装置13は、ガス溶解装置4において混入されたガスのうち、液体(純水または超純水)に溶け込みきれずに依然としてバブルとして存在するガスを、液体中にさらに溶け込ませる装置である。混合装置の一例としては、液体が出入りする容器内に充填材(例えば樹脂)を詰めて液体と充填材との接触面積を大きくしたものが挙げられる。このような混合装置では、充填材が詰められていることにより容器内を液体が通過するのに要する時間が長くなり、その間にバブルが液体中に溶け込み易い。
限外ろ過膜装置5は、純水または超純水にガスが溶解しているガス溶解水(機能水)から微粒子を除去するものである。限外ろ過膜装置5は、0.001μm〜0.01μm程度の径を有する非常に小さな微粒子を除去可能であり、清浄度が高いガス溶解水のユースポイント12への供給を可能にしている。限外ろ過膜装置5で処理されたガス溶解水は、供給部10から複数のユースポイント12の全てまたは一部に選択的に供給される。各々のユースポイント12において、ガス溶解水は例えば半導体ウエハ(図示せず)の洗浄のための洗浄水やリンス水として利用される。また、ユースポイントで使用されないガス溶解水は、循環経路9により貯層2に戻される。
このような構成によると、清浄度が高く所望の水質のガス溶解水を循環経路9に沿って循環させることができ、必要なときに必要な量のガス溶解水をユースポイント12に供給することができる。すなわち、清浄度が高く所望の水質のガス溶解水のユースポイント12への安定供給が可能である。また、本実施形態によれば、ユースポイント12におけるガス溶解水の使用状況にかかわらず、ガス溶解水供給システム1の連続運転が可能である。ガス溶解水供給システム1が連続運転されることにより、ガス溶解水供給システム1の起動直後に生成される可能性がある清浄度および水質が不十分なガス溶解水が少量しか発生せず、ガス溶解水の無駄な消費を抑えることができる。特に、本実施形態によれば、ガス溶解水を循環処理することで、不純物をより一層低減することができ、より清浄度の高いガス溶解水を得ることができる。ユースポイント12でのガス溶解水の使用量が多く、循環するガス溶解水の量が減少した場合には、図示しない補給ラインから貯槽2に原料水を補給すればよい。なお、貯槽2には、窒素ガスや清浄空気を導入するためのガス導入ライン(図示せず)と、貯槽2から外部に窒素ガスや清浄空気を排出するためのガス排出ライン(図示せず)とが接続される。
また、図示しないが、ユースポイント12において例えば洗浄水やリンス水として用いられたガス溶解水を回収して、貯層2へ向かう復帰路に合流させて再利用することもできる。ただしその場合には、回収したガス溶解水を、水質を調整するために図示しない水質調整手段(例えばフィルタ)を通過させてから貯層2へ流入させてもよい。また、ユースポイント12で使用したガス溶解水(図1参照)を回収して、一次純水レベルまで精製してから貯槽2に戻してもよい。このようにガス溶解水の再利用を行うと、原料水とそれに溶解させるガス(例えば炭酸ガス)を補給する量が少なくて済み、原料水およびガスの使用量をさらに低減することができる。このように、1つのガス溶解水供給システムから複数のユースポイント12に対してガス溶解水を供給する集中供給方式であって、ガス溶解水を循環させながらユースポイント12に供給する循環方式(いわゆる超純水サブシステム)において、限外ろ過膜装置5の経時的な透過流束の減少を抑制する本発明は特に有効である。
本実施形態の混合装置13の技術的意義について以下に説明する。前述したように、ガス溶解水を限外ろ過膜装置5に通水することで、清浄度が高いガス溶解水を得ることができ、半導体ウエハの洗浄等に効果的である。しかし、限外ろ過膜装置における透過流束(フラックス)が低下するという問題が生じることがあった。これに対し、本実施形態では、ガス溶解装置4と限外ろ過膜装置5との間に混合装置13を介在させることにより、限外ろ過膜装置5における透過流束(フラックス)の低下を抑えることができることを見出した。
通常、ガス溶解装置4において混入されたガス(例えば炭酸ガス)は、液体に完全には溶け込まず、一部がバブルとして残ることは避けられない。そして、このバブルが、限外ろ過膜装置5を透過する水量の低減および差圧の上昇を招く可能性がある。すなわち、混合装置13が設けられていない構成では、ガス溶解装置4において混入されて被処理水に完全には溶け込まずに依然として存在するバブルが、限外ろ過膜装置5の限外ろ過膜の孔に入り込んで捕捉される可能性がある。このようにして捕捉されたバブルは実質的に孔を塞ぐため、液体が透過できなくなる。この限外ろ過膜装置5を使用し続けると、バブルによって塞がれた孔が次第に増加していき、限外ろ過膜装置5を通過して流出する液体の量が減少していく。すなわち、限外ろ過膜装置における透過流束(フラックス)が低下する。液体中のバブルは、特に図1に示すような循環経路9において生じ易い。すなわち、循環経路9における貯層2への水流や、ガスの巻き込みや、図示しないポンプの吸引時のキャビテーションや、様々な圧力変化や変動などによってバブルが発生しやすい。このようにして発生するバブルは、目に見える大きな気泡だけではなく、目に見えないマイクロバブルやナノバブルを含む。そして、マイクロバブルやナノバブルは液体中で安定して存在すると言われている。液体中で安定して存在するマイクロバブルやナノバブルが、限外ろ過膜装置の表面の孔やその内部に入り込んで捕捉されると、限外ろ過膜装置が局部的に乾燥し(気体によって部分的に閉塞され)、経時的に通水差圧が上昇する。
そこで、本実施形態では、ガス溶解装置4と限外ろ過膜装置5との間、すなわちガス溶解装置4の下流側かつ限外ろ過膜装置5の上流側に、混合装置13が設けられている。この混合装置13は、液体中に溶け込んでいないバブルを液体に溶け込ませる作用を有する。従って、この混合装置13の作用により、液体中に溶け込まないまま限外ろ過膜装置5まで運ばれるバブルの量が少なくなる。その結果、限外ろ過膜装置5の限外ろ過膜の孔に入り込んで捕捉されるバブルが少なくなり、バブルによって塞がれる孔が減るため、限外ろ過膜装置5における透過流束の低下を抑制することができ、差圧の上昇が抑えられる。
以上説明したように、限外ろ過膜装置5の表面の孔がバブルで塞がれる可能性を低減することが、本発明によって限外ろ過膜装置5の透過流束の低下を抑えられる要因の1つであると考えられる。ただし、これ以外の要因に基づいて、本発明によって限外ろ過膜装置5の透過流束の低下を抑制するという効果が実現している可能性もある。
バブルを液体内に溶け込ませる混合装置13としては、以下に示す構成のものが考えられる。第1に、流入してきた液体に加圧する装置が考えられる。このような混合装置13では、流入してきた液体に加圧することによって溶解速度を上昇させ、バブルを液体に溶け込ませることができる。ただし、この場合、混合装置から流出した液体の圧力が低下しても再び液体中にバブルが発生しないようにしなければならない。
流入してきた液体を流れさせる長い配管を有する装置を混合装置13として用いることもできる。このような混合装置13では、液体が通過するまでに比較的長い時間がかかり、その間に徐々にバブルが液体に溶け込んでいくことが期待できる。すなわち、特別な作用を及ぼさなくても、時間経過とともにバブルが液体に溶け込んでいくことが期待できるため、液体が通過する長い配管を設けることが効果的である。ただし、長い配管を設けるためには装置全体を大型化させるか、または細長い配管が蛇行した構成にする必要がある。
流体同士を混合させることを目的として製造された、いわゆるミキサーを混合装置として用いることもできる。ミキサーとしては、例えば、株式会社IBSの樹脂製エジェクターや、株式会社ノリタケカンパニーリミテドのスタティックミキサーや、株式会社ニクニの渦流ターボミキサーなどが使用可能である。これらのミキサーは気体と液体とを混合するために設計されたものであるため、バブルを液体に溶け込ませる効果が大きい。しかし、構成が複雑で高コストになる可能性がある。また、複雑な機構を通過する際に液体が汚染されないようにして、半導体ウエハやガラス基板等の洗浄のための洗浄水やリンス水に適した清浄度を維持できるようにする必要がある。
さらに、前述したように充填材が詰められた容器を混合装置13として用いることもできる。この構成によると、充填材と液体の接触面積が大きく接触時間が長いため、液体が通過するまでに比較的長い時間がかかり、その間に徐々にバブルが液体に溶け込んでいく。この構成においては、充填材が液体を汚染しないようにする必要がある。その点では、充填材として用いるのは活性炭やゼオライトよりも、樹脂(例えばイオン交換樹脂)であることが好ましい。イオン交換樹脂を充填材として用いる場合には、液体を汚染しないだけでなく不純物をさらに取り除く効果も期待できる。すなわち、混合装置13は、ガス溶解後のバブルの状態を変化させるものであれば特に限定されないが、非再生型イオン交換樹脂が充填されたろ過装置(CP:カートリッジポリシャー)であると、不純物を極力含まない高純度のガス溶解水を製造して供給できるため好ましい。イオン交換樹脂は、非再生型のH形陽イオン交換樹脂とOH形陰イオン樹脂の混床樹脂、非再生型のH形陽イオン交換樹脂と炭酸又は炭酸水素形(HCO/CO形)陰イオン樹脂の混床樹脂、H形陽イオン交換樹脂の単床樹脂、あるいは、炭酸又は炭酸水素形陰イオン交換樹脂の単床樹脂などであってよい。
一般的な超純水製造用CP樹脂である、H形陽イオン交換樹脂とOH形陰イオン樹脂の混床樹脂を用いる場合、炭酸ガス溶解水を処理すると、陰イオン交換樹脂はOH形から炭酸又は炭酸水素形に変化する。通水開始から、陰イオン交換樹脂が前述したようにOH形から炭酸又は炭酸水素形に変化するまでの間は、混合装置13の出口の炭酸濃度が低いため、所望の炭酸濃度を含む炭酸ガス溶解水を供給することが困難である。その状態で適切な濃度の炭酸ガス溶解水をユースポイントに供給するためには、ガス溶解装置4で溶解させる炭酸ガスの量を多くする必要がある。その場合、陰イオン交換樹脂がOH形から炭酸又は炭酸水素形に変化した後は、炭酸ガス濃度が高くなりすぎるおそれがある。
一方、H形陽イオン交換樹脂と炭酸又は炭酸水素形陰イオン樹脂の混床樹脂、H形陽イオン交換樹脂の単床樹脂、あるいは、炭酸又は炭酸水素形陰イオン交換樹脂の単床樹脂を用いる場合、通水開始当初から所望の炭酸濃度を含む炭酸ガス溶解水を供給することができる点で好ましい。非再生型のクリーンなH形陽イオン交換樹脂は容易に入手することができ、しかも、炭酸ガス溶解水と接触しても、炭酸ガス溶解水の主成分であるHCO 、CO −2とは反応せず炭酸ガス濃度は変化しない。また、NaやCaなどの問題となるメタル不純物を除去することが出来る点で好ましい。炭酸ガス溶解水は酸性であるため、H形陽イオン交換樹脂は強イオン交換樹脂であることが好ましい。
本発明の混合装置13はこれらの構成のうちのどれを採用してもよいが、前述した実施形態では、容器内に充填材が詰められた構成の混合装置13を用いている。そして、この充填材の好適な一例はイオン交換樹脂であり、イオン交換装置3のイオン交換樹脂と同様なものであってもよい。
(第2の実施形態)
図2には、ガスが溶解されていない被処理水(純水または超純水)を用いる処理と、ガス溶解水を用いる処理とを並行して行うことができる、本発明の第2の実施形態のガス溶解水供給システム14が示されている。第1の実施形態の溶解水供給システム1と同様な部分については、同一の符号を付与する。本実施形態のガス溶解水供給システム14では、原料水である一次純水を貯留する貯槽2から、熱交換器6、脱気装置7、紫外線照射装置8、イオン交換装置3、限外ろ過膜装置5が、この順番に配置されて直列に接続されている。この経路には、ガス溶解装置および混合装置は含まれていない。すなわち、ガスが溶解されていない被処理水を供給する供給経路17が、第1の限外ろ過膜装置5に接続されており、第1の限外ろ過膜装置5は、供給経路17から供給されたガスが溶解されていない被処理水中の微粒子を除去する。そして、第1の限外ろ過膜装置5で処理された被処理水(純水または超純水)の一部は、供給部10からユースポイント15(ガスを含まない純水または超純水を用いる処理を行う部位)に供給される。第1の限外ろ過膜装置5で処理された被処理水(純水または超純水)の残りの部分は、圧力調整弁11を介して貯層2に戻される。
本実施形態では、ガスが溶解されていない被処理水の第1の限外ろ過膜装置5へ向かう流れ方向の上流側で供給経路17から分岐する分岐経路18が設けられている。この分岐経路18は、補給量調節弁16を介してガス溶解水供給用の経路の貯層2に接続されている。そのため、イオン交換装置3によってイオン性不純物を除去された被処理水は、第1の限外ろ過膜装置5に送られるのみならず、分岐経路18から補給量調節弁16を介してガス溶解水供給用の経路の貯層2にも送られる。この被処理水は、ガス溶解水供給用の経路の貯層2から、熱交換器6、紫外線照射装置8、イオン交換装置3を経て、ガス溶解装置4に送られる。すなわち、第1の限外ろ過膜装置5の上流側で供給経路17から分岐する分岐経路18は、貯層2、熱交換器6、紫外線照射装置8、イオン交換装置3を介して、ガス溶解装置4に接続されている。ガス溶解装置4は、分岐経路18から供給されたガスが溶解されていない被処理水にガスを溶解させる。そして、ガス溶解装置4によってガスが溶解されたガス溶解水(機能水)は、混合装置13を経由した後に、第2の限外ろ過膜装置5に送られる。第2の限外ろ過膜装置5によって微粒子が取り除かれたガス溶解水は、少なくとも一部が供給部10からユースポイント12に供給される。微粒子が除去されたガス溶解水の残りの部分は、圧力調整弁11を介して貯層2に戻されて循環する。このガス溶解水供給用の経路では、ガス溶解装置4によって被処理水に注入されたガスのバブルが、第2の限外ろ過膜装置5の表面の孔に入り込んで捕捉されるのを防ぐため、混合装置13が設けられている。例えば、前述したように混合装置13内に充填されている充填材(例えば樹脂)に接触しながら通過するために長時間を要し、その間にバブルが被処理水に溶け込んでいく。その結果、ガス溶解水の透過量の減少を抑え、差圧の増大を抑えることができる。なお、ガス溶解水供給用の経路には、脱気装置7は設けられておらず、熱交換器6と紫外線照射装置8とイオン交換装置3は設けられている。本実施形態においてガス溶解水供給用の経路にどの装置を配置してどの装置を省略するかは、それぞれの装置による処理を重複して行うことが望ましいか否かを適宜に判断して決定すればよい。図2に示されている例では、熱交換と紫外線照射とイオン交換(イオン性不純物の除去)に関しては、ガス溶解水供給用の経路への導入前と当該経路内とで二重に行っている。
この構成によると、用途に応じて、ガスを含まない純水または超純水と、ガス溶解水とを、それぞれのユースポイント12,15に供給することができ、しかも、第2の限外ろ過膜装置5における透過流束(フラックス)の低下を小さく抑えることができる。
(実施例)
図1に示したシステムで、容器内にイオン交換樹脂(オルガノ株式会社製EG−4A−HG:商品名)が充填された構成の混合装置13がガス溶解装置4と限外ろ過膜装置5の間に配置されている構成(実施例)と、混合装置が設けられていない構成(図示しない比較例)とにおける限外ろ過膜装置5の入口圧、透過圧、濃縮圧、透過流量を測定し、差圧および透過流束(フラックス)の経時的な変化を求めた。混合装置13の樹脂量は70Lであり、混合装置を通過する流量は4.9m/h、空間速度SVは70/hである。差圧とは、限外ろ過膜装置の一次側と二次側における液体の圧力の差であり、差圧=(入口圧+濃縮圧)/2−透過圧である。図3では初期差圧を100%として、経時的な差圧の変動を百分率で表している(初期差圧維持率)。透過流束(フラックス)とは、限外ろ過膜装置を透過する透過水量(ガス溶解水供給システムを1日(24時間)稼働した時の総透過水量)を限外ろ過膜装置の膜面積および差圧で割った値であり、フラックス=1日あたりの透過水量/(膜面積×差圧)である。図4では初期状態のフラックスを100%として、経時的なフラックスの変動を百分率で表している(初期フラックス維持率)。
図3,4を見ると、混合装置が設けられていない比較例では、経時的に差圧が上昇するとともに透過水量が低下することが判る。すなわち、一定の量の原料水を供給し続けても、このガス溶解水供給システムから得られるガス溶解水の量が減少していくため、処理(例えば半導体ウエハの洗浄)に必要な量のガス溶解水を得ることが困難になる。例えば、ガス溶解水供給システムを稼働開始してから約800時間経過した後には、初期段階の1/2程度の量のガス溶解水しか得られない。原料水の供給圧力、特に限外ろ過膜装置5への供給圧力(UF供給圧)を高くすることにより、必要量のガス溶解水を得ることができる。しかし、その場合には差圧がさらに上昇する。限外ろ過膜には供給圧や差圧に許容値が設けられているため、許容値に達した場合、限外ろ過膜の交換が必要になる。差圧の上昇やフラックスの低下の速度が大きければ限外ろ過膜の寿命は短くなるため、膜交換頻度が高くなり高コスト化を招く。これに対し、実施例では、800時間近く経過した時点でも初期段階とほぼ同等の差圧と初期段階の約90%のフラックスが維持できている。従って、実施例によると、UF供給圧を特に高くする必要無く処理(例えば半導体ウエハの洗浄)に必要な量のガス溶解水を容易に得ることができるため、差圧の上昇を緩やかに保ち限外ろ過膜の寿命を長くすることができる。その結果、限外ろ過膜の交換頻度が少なくなり、高コスト化を避けることができる。このように、ガス溶解装置4と限外ろ過膜装置5の間に混合装置13が設けられている構成(実施例)では、混合装置13が設けられていない構成(比較例)に比べて、経時的な差圧の増大および透過水量の減少を低く抑えることができることがわかる。
1 ガス溶解水供給システム
2 貯槽
3 イオン交換装置
4 ガス溶解装置
5 限外ろ過膜装置(第1および第2の限外ろ過膜装置)
6 熱交換器
7 脱気装置
8 紫外線照射装置
9 循環経路
10 供給部
11 圧力調整弁
12 ユースポイント
13 混合装置
14 ガス溶解水供給システム
15 ユースポイント
16 補給量調節弁
17 供給経路
18 分岐経路

Claims (7)

  1. 被処理水にガスを溶解させたガス溶解水を供給するガス溶解水供給システムであって、
    前記被処理水にガスを溶解させるガス溶解装置と、前記ガス溶解装置によりガスを溶解させた前記被処理水中の微粒子を除去する限外ろ過膜装置と、前記ガス溶解装置と前記限外ろ過膜装置との間に位置して前記ガス溶解装置によりガスを溶解させた前記被処理水中にバブルとして存在するガスを前記被処理水に溶け込ませる混合装置と、を有することを特徴とする、ガス溶解水供給システム。
  2. 前記混合装置は、容器内に充填された充填材を含むことを特徴とする、請求項1に記載のガス溶解水供給システム。
  3. 前記充填材はイオン交換樹脂であることを特徴とする、請求項2に記載のガス溶解水供給システム。
  4. 前記イオン交換樹脂は、H形陽イオン交換樹脂とOH形陰イオン樹脂の混床樹脂、非再生型のH形陽イオン交換樹脂と炭酸又は炭酸水素形(HCO/CO形)陰イオン樹脂の混床樹脂、H形陽イオン交換樹脂の単床樹脂、あるいは、炭酸又は炭酸水素形陰イオン交換樹脂の単床樹脂であることを特徴とする、請求項3に記載のガス溶解水供給システム。
  5. 前記ガス溶解装置の上流側にイオン交換装置をさらに有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のガス溶解水供給システム。
  6. 前記ガスは炭酸ガス、窒素ガス、水素ガス及びオゾンガスの少なくともいずれかである、請求項1から5のいずれかに記載のガス溶解水供給システム。
  7. 被処理水にガスを溶解させたガス溶解水を供給するガス溶解水供給方法であって、
    前記被処理水にガスを溶解させる工程と、前記ガスを溶解させる工程においてガスを溶解させた前記被処理水中にバブルとして存在するガスを前記被処理水に溶け込ませる工程と、ガスを溶解させ、バブルとして存在するガスを溶け込ませた前記被処理水中の微粒子を除去する工程とを含むことを特徴とする、ガス溶解水供給方法。
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