JP2019175550A - 負極シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化ケイ素の表面にカーボンコーティングを有する負極活物質を含み、カールの発生を十分に抑制でき、かつ、負極集電体と負極活物質との密着性が高い負極シートを製造できる負極シートの製造方法を提供することである。【解決手段】負極集電体に、酸化ケイ素粒子と高分子材料とを含む負極活物質用組成物を塗布する工程と、前記負極集電体に塗布された前記負極活物質用組成物を、400℃以上800℃以下の処理温度で加熱して負極活物質層を形成する工程と、を備え、前記処理温度における前記高分子材料の質量減少率Aは、20質量%以上50質量%以下であり、前記負極活物質用組成物中の前記高分子材料の質量をXとし、前記酸化ケイ素粒子の質量をYとすると、下記数式(1)で示す条件を満たす負極シートの製造方法。0.15<(100−A)×X/(100×Y)≦0.4 (1)【選択図】なし

Description

本発明は、負極シートの製造方法に関する。
酸化ケイ素には導電性が無いため、リチウムイオン二次電池の負極活物質として酸化ケイ素を用いる場合には、酸化ケイ素の表面を導電性物質で被覆する必要がある。酸化ケイ素の表面の導電性物質の被覆としては、例えば、カーボンコーティングが用いられている。
酸化ケイ素の表面へのカーボンコーティングと、酸化ケイ素のシート化を、同時に行い、リチウムイオン二次電池の負極活物質を含む負極シートを得る方法は、例えば、非特許文献1に記載されている。非特許文献1には、DMF溶媒にクラフトリグニンとSiOを1:1の質量比で混合したスラリーを銅箔上に塗布し、アルゴン雰囲気下、600℃で加熱する方法が記載されている。
T. Chen et al., Journal of Power Sources 362, 236-242 (2017)
しかしながら、不活性ガス雰囲気下で高分子材料を加熱することによって酸化ケイ素の表面へのカーボンコートの形成とシート化を同時に行う方法を用いた場合、負極シートがカールし、負極シートとしての取扱いが困難になることがある。非特許文献1において、負極シートとして用いたリチウムイオン二次電池の充放電の有用性については検討されているものの、負極シートのカールについては言及されていない。
本発明の目的は、酸化ケイ素の表面にカーボンコーティングを有する負極活物質を含み、カールの発生を十分に抑制でき、かつ、負極集電体と負極活物質との密着性が高い負極シートを製造できる負極シートの製造方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、負極集電体に、酸化ケイ素粒子と高分子材料とを含む負極活物質用組成物を塗布する工程と、前記負極集電体に塗布された前記負極活物質用組成物を、400℃以上800℃以下の処理温度で加熱して負極活物質層を形成する工程と、を備え、前記処理温度における前記高分子材料の質量減少率Aは、20質量%以上50質量%以下であり、前記負極活物質用組成物中の前記高分子材料の質量をXとし、前記酸化ケイ素粒子の質量をYとすると、下記数式(1)で示す条件を満たす負極シートの製造方法が提供される。
0.15<(100−A)×X/(100×Y)≦0.4 (1)
本発明の一態様に係る負極シートの製造方法において、前記処理温度での処理時間は、1時間以上3時間以下であることが好ましい。
本発明の一態様に係る負極シートの製造方法において、前記負極集電体に塗布された前記負極活物質用組成物を、前記処理温度で加熱して負極活物質層を形成する工程は、不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。
本発明の一態様に係る負極シートの製造方法において、前記質量減少率Aは、熱重量−示差熱測定装置を用いて測定されることが好ましい。
本発明の一態様に係る負極シートの製造方法において、前記質量減少率Aは、不活性ガス雰囲気下で測定されることが好ましい。
本発明の一態様に係る負極シートの製造方法において、前記負極活物質層の厚さは、10μm以上100μm以下であることが好ましい。
本発明の一態様に係る負極シートの製造方法において、前記高分子材料は、リグニン誘導体、フェノール樹脂およびポリカーボネート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の一態様に係る負極シートの製造方法において、前記負極活物質用組成物は、さらに、溶媒を含むことが好ましい。
本発明の一態様に係る負極シートの製造方法において、前記負極集電体は、銅箔であることが好ましい。
本発明によれば、酸化ケイ素の表面にカーボンコーティングを有する負極活物質を含み、カールの発生を十分に抑制でき、かつ、負極集電体と負極活物質との密着性が高い負極シートを製造できる負極シートの製造方法を提供できる。
以下、本発明について実施形態を例に挙げて説明する。本発明は実施形態の内容に限定されない。
[負極シートの製造方法]
本実施形態に係る負極シートの製造方法は、負極集電体に、酸化ケイ素粒子と高分子材料とを含む負極活物質用組成物を塗布する工程と、負極集電体に塗布された負極活物質用組成物を、400℃以上800℃以下の処理温度で加熱して負極活物質層を形成する工程と、を備え、処理温度における高分子材料の質量減少率Aは、20質量%以上50質量%以下であり、負極活物質用組成物中の高分子材料の質量をXとし、酸化ケイ素粒子の質量をYとすると、下記数式(1)で示す条件を満たすことを特徴とする。
0.15<(100−A)×X/(100×Y)≦0.4 (1)
本発明者らは、負極シートの製造方法において、400℃以上800℃以下の処理温度における高分子材料の質量減少率Aの範囲、かつ、前記数式(1)の条件を満たすことによって、カールの発生を十分に抑制でき、かつ、負極集電体と負極活物質の密着性が高い負極シートが得られることを見出した。
負極活物質用組成物における高分子材料の処理温度が400℃未満である場合、酸化ケイ素粒子の表面の被覆の炭素化が不十分であり、導電性が低くなる。一方、負極活物質用組成物における高分子材料の処理温度が800℃超である場合、高分子材料由来成分がほぼ炭素原子のみになるため、導電性は向上するものの、酸化ケイ素粒子の表面の被覆の柔軟性が低下し、負極集電体に対する密着性が低下し、負極活物質が脱落しやすい。また、酸化ケイ素粒子の膨張収縮に追従できず、充放電できない。
また、加熱形成後の負極活物質層において、酸化ケイ素粒子に対する高分子材料由来成分の割合が低すぎる場合(処理温度における高分子材料の質量減少率Aが50質量%超である場合)、負極集電体に対する負極活物質の密着性が低下し、負極集電体から負極活物質が脱落する。一方、加熱形成後の負極活物質層において、酸化ケイ素粒子に対する高分子材料由来成分の割合が高すぎる場合(処理温度における高分子材料の質量減少率Aが20質量%未満である場合)、負極シートのカールが発生し、取扱いが困難になる。また、炭化が不十分であり、十分な導電性が得られない。
処理温度における高分子材料の質量減少率Aは、熱重量−示差熱測定装置(TG−DTA)を用いて測定されることが好ましい。より具体的には、例えば、TG−DTAを用い、窒素雰囲気下で、昇温速度10℃/分にて40℃から処理温度まで昇温して、高分子材料の質量減少率Aを測定できる。質量減少率Aの測定は、酸化ケイ素粒子の酸化が引き起こされるため、正確なバインダー比を測定することができない可能性があるため、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素およびアルゴンなどが挙げられる。
前記数式(1)における(100−A)×X/(100×Y)の値は、負極活物質層における、酸化ケイ素粒子の質量に対する高分子材料由来成分の質量の割合である。以下、(100−A)×X/(100×Y)の値を「バインダー比」と呼ぶ。なお、得られた負極活物質層について、大気雰囲気下でTG−DTA測定を行うことによっても、バインダー比が得られると予想されるが、TG−DTA測定の測定条件では、酸化ケイ素粒子の酸化が引き起こされるため、正確なバインダー比を測定することができない。そのため、本実施形態において、負極活物質層におけるバインダー比は、処理温度における高分子材料の質量減少率A、負極活物質用組成物に含有される高分子材料の質量X、および負極活物質用組成物に含有される酸化ケイ素粒子の質量Yを用いて見積もられた値を示す。
負極活物質層におけるバインダー比が0.15以下である場合、負極集電体から負極活物質が脱落する。一方、負極活物質層におけるバインダー比が0.4超である場合、負極シートのカールが発生し、取扱いが困難になる。
次に、本実施形態に係る負極シートの製造方法に用いる負極集電体、負極活物質用組成物、酸化ケイ素粒子および負極活物質層について説明する。
(負極集電体)
本実施形態に係る負極集電体は、負極活物質層を保持するとともに、負極活物質との電子の受け渡しを担う。
負極集電体を構成する材料としては、特に限定されない。負極集電体を構成する材料としては、例えば、金属材料および導電性高分子などが挙げられる。金属材料としては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼およびチタンなどが挙げられる。負極集電体を構成する材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。負極集電体としては、充放電を行う際にリチウムとの合金を形成しないことから、銅箔を用いることが好ましい。
(負極活物質用組成物)
本実施形態に係る負極活物質用組成物は、酸化ケイ素粒子および高分子材料を含む。負極活物質用組成物は、さらに、溶媒を含むことが好ましい。溶媒としては、有機溶媒及び非有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、メタノール、トルエン、酢酸エチル、およびメチルエチルケトンなどが挙げられる。非有機溶媒としては、水が挙げられる。溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
負極活物質用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、導電助剤が挙げられる。
(酸化ケイ素粒子)
本実施形態に係る酸化ケイ素粒子は、例えば、一般式SiO(0<x<2)で表される酸化ケイ素の粒子である。
酸化ケイ素粒子の平均粒子径は、0.1μm以上100μm以下であることが好ましく、0.5μm以上50μm以下であることがさらに好ましく、0.1μm以上10μm以下であることが特に好ましい。なお、本明細書において、平均粒子径は、レーザ光回折法による粒度分布測定における重量平均粒子径で表すことができる。より具体的には、JIS K5600−9−3:2006に準拠し、溶媒として水を用いて測定できる。
(高分子材料)
本実施形態に係る高分子材料は、400℃以上800℃以下の処理温度における質量減少率Aが20質量%以上50質量%以下である。本実施形態に係る高分子材料の質量減少率Aは、TG−DTA測定(熱重量−示差熱測定)によって測定される。高分子材料の質量減少率Aは、カールの抑制、および、負極集電体と負極活物質との密着性の観点から、25質量%以上45質量%以下であることが好ましく、30質量%以上45質量%以下であることがより好ましい。
高分子材料は、リグニン誘導体、フェノール樹脂およびポリカーボネート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
高分子材料としてのリグニン誘導体としては、特に限定されない。リグニン誘導体としては、リグニンスルホン酸ナトリウム、およびリグニンスルホン酸カルシウムなどが挙げられる。リグニン誘導体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
高分子材料としてのフェノール樹脂としては、特に限定されない。フェノール樹脂としては、多官能系フェノール樹脂、ビフェノール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ザイロック型フェノール樹脂、およびアラルキルフェノール樹脂などが挙げられる。フェノール樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
高分子材料としてのポリカーボネート樹脂としては、特に限定されない。
高分子材料の重量平均分子量は、5,000以上5,000,000以下であることが好ましく、10,000以上1,000,000以下であることがより好ましい。重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)法により測定される標準ポリスチレン換算値である。
(負極活物質層)
本実施形態に係る負極活物質層は、負極集電体に塗布された負極活物質用組成物を、400℃以上800℃以下の処理温度で加熱して形成され、負極活物質用組成物中の高分子材料の質量をXとし、酸化ケイ素粒子の質量をYとすると、下記数式(1)で示す条件を満たす。
0.15<(100−A)×X/(100×Y)≦0.4 (1)
ここで、負極活物質層におけるバインダー比((100−A)×X/(100×Y)の値)は、負極集電体からの負極活物質の脱落の抑制、および、負極シートのカール抑制の観点から、0.2以上0.4以下であることが好ましく、0.25以上0.35以下であることがより好ましく、0.29以上0.33以下であることが特に好ましい。
本実施形態に係る負極活物質層は、酸化ケイ素粒子の表面に高分子材料由来のカーボンコーティングが設けられた負極活物質を含有する。
負極活物質層の厚さは、負極集電体からの負極活物質の脱落の抑制、および、負極シートのカール抑制の観点から、10μm以上100μm以下であることが好ましく、20μm以上50μm以下であることがより好ましい。
負極活物質層は、負極活物質に加えて添加剤を含有してもよい。
負極活物質層における添加剤としては、ポリフッ化ビニリデン、合成ゴム系バインダー、エポキシ樹脂バインダー、導電助剤、電解質塩、およびイオン伝導性ポリマーなどが挙げられる。
導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、および気相成長炭素繊維などが挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系ポリマー、ポリプロピレンオキシド(PPO)系ポリマー、ポリエチレンカーボネート(PEC)系ポリマー、およびポリプロピレンカーボネート(PPC)系ポリマーなどが挙げられる。
負極活物質層における添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
次に、本実施形態に係る負極シートの製造方法の各工程について、より具体的に説明する。
[負極活物質用組成物を負極集電体に塗布する工程]
本実施形態に係る負極活物質用組成物を負極集電体に塗布する工程は、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、およびグラビアコート法などが挙げられる。
[負極活物質層を形成する工程]
本実施形態に係る負極活物質層を形成する工程は、負極集電体に塗布された負極活物質用組成物を加熱することを含む。
負極活物質用組成物の処理温度は、400℃以上800℃以下である。負極活物質用組成物の処理温度は、作業性の観点から、450℃以上600℃以下であることが好ましい。処理温度が400℃以上800℃以下であれば、高分子材料の一部が炭化し、酸化ケイ素粒子のカーボンコーティングとして作用するとともに、負極集電体と負極活物質層との間のバインダーとして作用し、シート化を行うことができる。
負極活物質用組成物の処理時間は、1時間以上3時間以下であることが好ましい。負極活物質用組成物の処理時間は、作業性の観点から、1.5時間以上2時間以下であることがより好ましい。
負極活物質用組成物の加熱は、不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。不活性ガスとしては、窒素およびアルゴンなどが挙げられる。
次に、本実施形態で得られる負極シートを用いたリチウムイオン二次電池についてより具体的に説明する。
[リチウムイオン二次電池]
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、本実施形態に係る負極シートを含むことが好ましい。また、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池としては、正極、負極(負極シート)、セパレータ、および非水電解質を含むことができる。
[正極]
本実施形態に係る正極は、特に限定されない。
正極は、正極集電体と正極活物質層とを含むことができる。
正極集電体を構成する材料は、特に限定されない。正極集電体を構成する材料としては、金属材料、および導電性高分子などが挙げられる。金属材料としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、および銅などが挙げられる。正極集電体を構成する材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
正極活物質層は、正極集電体の表面に形成される層である。正極活物質層には正極活物質が含まれる。正極活物質としては、LiMn、LiCoO、LiNiO、Li(Ni−Mn−Co)O(例えば、LiNi1/3Mn1/3Co1/3)、およびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換された無機系活物質などが挙げられる。
正極活物質層は、正極活物質に加えて添加剤を含有してもよい。正極活物質が含有する添加剤としては、負極活物質層の説明において例示した添加剤と同様の添加剤が挙げられる。
[負極]
本実施形態に係る負極は、前述の負極シートの製造方法によって得られる負極シートである。
[セパレータ]
本実施形態に係るセパレータは、特に限定されない。セパレータは正極と負極とを電子的に絶縁してショートを防止し、イオンの移動のみを可能とする機能を有する。セパレータを構成する材料としては、絶縁性プラスチックで形成された多孔体、および無機微粒子、ガラス繊維ろ紙などが挙げられる。
絶縁性プラスチックとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポリイミドなどが挙げられる。
無機微粒子としては、例えば、シリカゲルなどが挙げられる。
[非水電解質]
本実施形態に係る非水電解質は、特に限定されない。非水電解質としては、例えば、支持塩としてのリチウム塩と、有機溶媒とを含んだ非水電解質が挙げられる。
非水電解質におけるリチウム塩としては、例えば、従来からリチウムイオン二次電池の非水電解質の支持塩として用いられている公知のリチウム塩を適宜選択して使用することができる。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、Li(CFSON、およびLiCFSOなどが挙げられる。リチウム塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらリチウム塩の中でも、LiPFが特に好ましい。
非水電解質における支持塩の濃度は、例えば、0.7mol/L以上1.6mol/L以下の範囲内であることが好ましい。
非水電解質における有機溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池に用いられる有機溶媒を適宜選択して使用することができる。有機溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、およびプロピレンカーボネート(PC)などのカーボネート類が挙げられる。有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、これらの実施例に何ら限定されない。
[高分子材料のTG−DTA測定]
高分子材料の加熱による質量減少率は、TG−DTA測定装置(島津製作所社製、TG/DTA分析器DTG−60)によって測定した。高分子材料について、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分にて40℃から900℃まで昇温して得られた結果のうち、特定の温度での質量減少率を処理温度における質量減少率とした。
高分子材料P1、P2およびP3についての温度が450℃、600℃および800℃における質量減少率の測定結果を下記表1に示す。なお、高分子材料P1、P2およびP3の組成は以下の通りである。
高分子材料P1:高純度部分脱スルホンリグニンスルホン酸ナトリウム(日本製紙社製、バニレックスHW)
高分子材料P2:フェノール樹脂溶液(DIC社製、フェノライトIF−3300、不揮発分59質量%)
高分子材料P3:架橋型ポリアクリル酸(和光純薬工業社製、20 CLPAH)
Figure 2019175550
[負極シートの作製]
(実施例1)
平均粒子径1.2μmの酸化ケイ素粉末(大阪チタニウムテクノロジーズ社製、SiO NC)を5g、高分子材料P1を2.5g、N−メチルピロリドンを9.5g混合し、スラリーを調製した。このスラリーを、膜厚が40μmとなるように、厚さ15μmの銅箔に塗布し、100℃で1時間乾燥後、窒素雰囲気下で5℃/分で600℃まで昇温し、2時間保持して、実施例1の負極シートを作製した。
(実施例2)
450℃まで昇温した以外は、実施例1と同様の手順で実施例2の負極シートを作製した。
(実施例3)
高分子材料P1の代わりに高分子材料P2を4.23gとし、N−メチルピロリドンの代わりにメタノールを7gとした以外は、実施例1と同様の手順で実施例3の負極シートを作製した。
(比較例1)
高分子材料P1の質量を5gとした以外は、実施例1と同様の手順を行ったところ、カールが発生し、負極シートは得られなかった。
(比較例2)
450℃まで昇温した以外は、実施例3と同様の手順で比較例2の負極シートを作製した。
(比較例3)
高分子材料P1の代わりに高分子材料P3を5gとし、N−メチルピロリドンの代わりに水を9.5gとした以外は、実施例1と同様の手順を行ったところ、負極活物質が銅箔から脱落したため、負極シートは得られなかった。
(比較例4)
高分子材料P1の質量を0.9gとし、N−メチルピロリドンの質量を5gとした以外は実施例1と同様の手順を行ったところ、負極活物質が銅箔から脱落したため、負極シートは得られなかった。
[負極シートのバインダー比と負極シートを用いたリチウムイオン半電池の評価]
実施例および比較例の負極シートについて、前述の数式(1)の値(バインダー比)を計算した結果を、それぞれ下記表2に示す。また、実施例および比較例における高分子材料の種類、処理温度および質量減少率をそれぞれ表2に示す。さらに、実施例および比較例の負極シートを用いたリチウムイオン半電池の評価を行うため、以下のようなリチウムイオン半電池を作製し、以下の測定条件で充放電試験を行った。充放電試験の結果を、それぞれ下記表2に示す。
(負極シートを用いた評価用コイン型リチウムイオン半電池の作製)
負極シートを直径16mmの円状に打ち抜いて負極とした。対極はリチウム箔とした。非水電解質としては、EC(エチレンカーボネート)とDEC(ジエチルカーボネート)とを1:1の体積比とした混合液に、LiPF(六フッ化リンリチウム)を1mol/Lの割合となるように溶解させて調整した。セパレータとしては、厚さ270μmの結合剤フリーのガラス繊維ろ紙を用いて、評価用コイン型リチウムイオン半電池を作製した。
なお、比較例1、3および4の負極シートは作製できなかったため、それらの負極シートを用いた評価用コイン型リチウムイオン半電池の作製は行っていない。
(評価用コイン型リチウムイオン半電池の充放電試験)
充放電試験には、ポテンショスタット/ガルバノスタット(biologic社製、SP−150)を用いた。前述の作製方法で評価用コイン型リチウムイオン半電池を作製後、24時間経過後、充放電試験を行った。1サイクル目の充電は、リチウムイオン半電池の電圧が0.05Vに達するまでは0.1cの定電流で行い、電圧が0.05Vに達した時点で充電を終了した。同様に放電は、リチウムイオン半電池の両極間の電圧が1.5Vに達するまで0.1cの定電流で行った。2サイクル目以降は0.3cの定電流で充電および放電を行った。また、1cは負極の理論容量を1時間で充電する電流値である。評価用コイン型リチウムイオン半電池の充放電について、以下の基準で評価した。評価結果を下記表2に示す。
A:充放電を50サイクル行うことができた。
B:充放電を50サイクル行うことができなかった。
Figure 2019175550
実施例1〜3の負極シートを用いた評価用コイン型リチウムイオン半電池は、良好な充放電特性を示した。

Claims (9)

  1. 負極集電体に、酸化ケイ素粒子と高分子材料とを含む負極活物質用組成物を塗布する工程と、
    前記負極集電体に塗布された前記負極活物質用組成物を、400℃以上800℃以下の処理温度で加熱して負極活物質層を形成する工程と、を備え、
    前記処理温度における前記高分子材料の質量減少率Aは、20質量%以上50質量%以下であり、
    前記負極活物質用組成物中の前記高分子材料の質量をXとし、前記酸化ケイ素粒子の質量をYとすると、下記数式(1)で示す条件を満たす
    負極シートの製造方法。
    0.15<(100−A)×X/(100×Y)≦0.4 (1)
  2. 請求項1に記載の負極シートの製造方法において、
    前記処理温度での処理時間は、1時間以上3時間以下である
    ことを特徴とする負極シートの製造方法。
  3. 請求項2に記載の負極シートの製造方法において、
    前記負極集電体に塗布された前記負極活物質用組成物を、前記処理温度で加熱して負極活物質層を形成する工程は、不活性ガス雰囲気下で行われる
    ことを特徴とする負極シートの製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の負極シートの製造方法において、
    前記質量減少率Aは、熱重量−示差熱測定装置を用いて測定される
    ことを特徴とする負極シートの製造方法。
  5. 請求項4に記載の負極シートの製造方法において、
    前記質量減少率Aは、不活性ガス雰囲気下で測定される
    ことを特徴とする負極シートの製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の負極シートの製造方法において、
    前記負極活物質層の厚さは、10μm以上100μm以下である
    ことを特徴とする負極シートの製造方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の負極シートの製造方法において、
    前記高分子材料は、リグニン誘導体、フェノール樹脂およびポリカーボネート樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である
    ことを特徴とする負極シートの製造方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の負極シートの製造方法において、
    前記負極活物質用組成物は、さらに、溶媒を含む
    ことを特徴とする負極シートの製造方法。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の負極シートの製造方法において、
    前記負極集電体は、銅箔である
    ことを特徴とする負極シートの製造方法。
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