JP2019174428A - 車両に搭載可能な車両走行制御装置、および車両 - Google Patents

車両に搭載可能な車両走行制御装置、および車両 Download PDF

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Abstract

【課題】自動運転中にドライバーまたは同乗者に急病等の異常が生じた場合に、速やかに応急処置等を含む救助を受けられる退避目的地を的確に選択して退避走行する。【解決手段】車両走行制御装置100または車両1は、ドライバーもしくは同乗者に異常が生じたと判定された時刻と車両1の位置情報と地図情報とに基づいて、車両1の位置から所定範囲内に位置するドライバーもしくは同乗者が救助を受けられる複数の施設のうち、救助を受けられないリスクが最も低い施設を退避目的地として選択する退避目的地選択部を備える。【選択図】図4

Description

本開示は、自動運転が可能な自車両に搭載される車両走行制御装置、および自動運転を制御する車両走行制御装置を搭載する車両に関する。
近年、自動運転が可能な自車両に搭載される車両走行制御装置(以下、自動運転システムとも言う。)を有する車両の開発が加速している。NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)は2016年、自動運転システムのレベルに関して、SAE(Society of Automotive Engineers)の自動運転レベルの定義を採用し、自動運転レベルを、運転自動化なし(レベル0)、運転者支援(レベル1)、部分的運転自動化(レベル2)、条件付運転自動化(レベル3)、高度運転自動化(レベル4)、および完全自動運転化(レベル5)に分類した。
レベル0では、人間のドライバー(運転者)が全てを行う。レベル1では、車両の自動運転システムが、人間のドライバーを時々支援し、いくつかの運転タスクを実施することができる。レベル2では、車両の自動運転システムが、いくつかの運転タスクを事実上実施することができる一方、人間のドライバーは、運転環境を監視し、また、残りの部分の運転タスクを実施し続ける。レベル3では、自動運転システムは、いくつかの運転タスクを事実上実施するとともに、運転環境をある場合に監視する一方、人間のドライバーは、自動運転システムから要請があった場合に、制御を取り戻す準備をしておかなければならない。レベル4では、自動運転システムは、運転タスクを実施し、運転環境を監視することができる。人間は、制御を取り戻す必要はないが、自動運転システムは、ある環境・条件下のみ運航することができる。レベル5では、自動運転システムは、人間のドライバーが運転できる全ての条件下において、全ての運転タスクを実施することができる。
レベル4,5では人間のドライバーは運転に関与する必要がない。レベル4は専用空間または限定地域での自動運転であり、レベル5は地域を限定しない自動運転である。レベル1は2017年現在広く実用化されており、レベル2は一部実用化されている。レベル3では、自動運転システムが運転を主導しつつ、必要に応じて人間による運転が要請される。
このように定義される自動運転システムは、ドライバーが発作等で適切に運転操作ができなくなったり、または同乗者に急病等の異常が発生したりした際には、自車両を安全な退避目的地まで自動走行することも要求される場合も想定される。
退避目的地まで自動走行する車両走行制御装置に関する従来技術としては、リスク判定部を備え、このリスク判定部が、ドライバーが適切に運転操作を実施可能な状態にない場合に、自車両の進行先となり得る複数の地点それぞれについて、各地点で停車する場合のリスクと、各地点を通過する場合のリスクとを、地図情報、自車両情報および周辺環境情報に基づいて判定する技術が知られる(例えば、特許文献1参照)。
特許第6128059号
しかしながら、上記特許文献1では、退避目的地を設定する際に、退避走行していた車両が退避目的地に到着して停車した後に異常が生じたドライバーまたは同乗者に対する救助が可能かどうかの判定が考慮されていない。このため、例えば救助に適していない場所(例えば、入口から離れた高速道路上の路肩)に車両が停車した場合には、異常が生じたドライバーまたは同乗者が救助を受けられるまでに相当の時間を要してしまい、その結果、適切な処置が遅れる可能性があった。
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、自動運転中にドライバーまたは同乗者に急病等の異常が生じた場合に、速やかに応急処置等を含む救助を受けられる退避目的地を的確に選択して退避走行することができる車両に搭載可能な車両走行制御装置、および車両を提供することを目的とする。
本開示は、自動運転が可能な自車両に搭載される車両走行制御装置であって、前記自車両の位置情報を含む走行情報を取得する走行情報取得部と、自動運転中に前記自車両のドライバーもしくは同乗者における急病等の異常の有無を判定する異常判定部と、前記自車両の周辺の領域に関する地図情報を取得する地図情報取得部と、前記ドライバーもしくは同乗者に前記異常が生じたと判定された時刻と前記自車両の位置情報と前記地図情報とに基づいて、前記自車両の位置から所定範囲内に位置する前記ドライバーもしくは同乗者が救助を受けられる複数の施設のうち、前記救助を受けられないリスクが最も低い施設を退避目的地として選択する退避目的地選択部と、を備える、車両走行制御装置を提供する。
また、本開示は、自動運転を制御する車両走行制御装置を搭載する車両であって、前記車両走行制御装置は、前記自車両の位置情報を含む走行情報を取得する走行情報取得部と、自動運転中に前記自車両のドライバーもしくは同乗者における急病等の異常の有無を判定する異常判定部と、前記自車両の周辺の領域に関する地図情報を取得する地図情報取得部と、前記ドライバーもしくは同乗者に前記異常が生じたと判定された時刻と前記自車両の位置情報と前記地図情報とに基づいて、前記自車両の位置から所定範囲内に位置する前記ドライバーもしくは同乗者が救助を受けられる複数の施設のうち、前記救助を受けられないリスクが最も低い施設を退避目的地として選択する退避目的地選択部と、を備える、車両を提供する。
本開示によれば、異常発生時刻や施設等の種別を踏まえ、自動運動の自車両が退避目的地に到着して停車した後に異常が生じたドライバーまたは同乗者に対する救助が可能かどうかの判定をした上で、退避目的地を設定する。この退避目的地の設定により、車両走行中にドライバーまたは同乗者に急病等の異常が生じた場合でも、退避目的地で速やかに応急処置等を含む救助を受けられるようにして、当該ドライバーまたは同乗者に対する早期発見や早期処置などの救助機会の可能性を高めることができる。
実施の形態1に係る車両の側面図 実施の形態1に係る車両の上面図 画像表示部の後側プロジェクター装置の動作を説明する動作説明図 実施の形態1に係る車両のシステム構成を説明する機能ブロック図 退避目的地の種別ごとに設定される目的地別設定値と救助リスクとの対応を示すリスク対応表を示す図 救助リスクと退避目的地との関係を示す線形グラフを示す図 車両の第1走行状態を例示する走行状態図 車両の第2走行状態を例示する走行状態図 車両の第3走行状態を例示する走行状態図 車両の第4走行状態を例示する走行状態図 実施の形態1に係る車両走行制御装置の動作手順のうち前段を示すフローチャート 実施の形態1に係る車両走行制御装置の動作手順のうち後段を示すフローチャート 実施の形態1を用いた場合の実施例を例示する車両経路図 実施例において退避目的地選択部が作成する目的地候補テーブルを示す図
(実施の形態1の内容に至る経緯)
上記特許文献1では、退避目的地を設定する際に、退避走行していた車両が退避目的地に到着して停車した後に異常が生じたドライバーまたは同乗者に対する救助が可能かどうかの判定が考慮されていない。このため、例えば救助に適していない場所(例えば、入口から離れた高速道路上の路肩)に車両が停車した場合には、異常が生じたドライバーまたは同乗者が救助を受けられるまでに相当の時間を要してしまい、その結果、適切な処置が遅れる可能性があった。
そこで、上述した従来の事情に鑑みて、以下の実施の形態1では、自動運転中にドライバーまたは同乗者に急病等の異常が生じた場合に、速やかに応急処置等を含む救助を受けられる退避目的地を的確に選択して退避走行することができる車両に搭載可能な車両走行制御装置、および車両の例を説明する。
また、車両の退避走行中には緊急事態の発生中であることを自車両の周辺を走行中の他車両や自転車、さらには歩行者に通知する必要があると考えられる。
ところが、上記特許文献1では、退避目的地までの自動での退避走行の際に、ハザードランプやブレーキランプの点滅等の一定の通知方法で周辺に通知するため、退避走行中の状況によっては、緊急事態の発生中であることを必ずしも適切且つ明示的に通知できていない可能性があった。または、運転に不慣れなドライバーがその通知を認識しても具体的にどのような行動を採れば良いかが分かり難い可能性があり、改善の余地があった。
そこで、上述した従来の事情に鑑みて、以下の実施の形態1では、自動運転中にドライバーまたは同乗者に急病等の異常が生じた場合に、自車両に緊急事態が発生中であることを適切且つ明示的に自車両の周囲に位置する他車両等に報知して、当該他車両に注意喚起を強く促し適切な行動を取らせることができる車両に搭載可能な車両走行制御装置、および車両の例を説明する。
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る車両に搭載される車両走行制御装置、および車両を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
また、実施の形態1でいう「部」または「装置」とは単にハードウェアによって実現される物理的構成に限定されず、その構成が有する機能をプログラム等のソフトウェアにより実現されるものも含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成により実現されても、または2つ以上の構成の機能が例えば1つの物理的構成によって実現されていても構わない。
(実施の形態1)
図1〜図3を参照して、実施の形態1に係る車両1の構成について説明する。図1は、実施の形態1の車両1の側面図である。図2は、実施の形態1に係る車両1の上面図である。図3は、画像表示部30の後側プロジェクター装置34の動作を説明する動作説明図である。
図1および図2に示すように、実施の形態1に係る車両1は、道路運送車両法に基づく自動車において自動走行が可能な自動車を一例に挙げている。車両1は、実施の形態1の車両走行制御装置100(図4参照)が搭載されており、自律的な走行(すなわち自動運転)が可能である。また、実施の形態1に係る車両1は、自動運転のレベル1以上の車両であり、以下ではレベル3以上の車両として説明するが、これに限定されない。
車両1は、車両1を構成する車体2と車輪3とを有し、また、安全走行に必要であり、車両1の前方を照らしたり、車両1の周辺に車両1の行動を照明により報知したりする複数の照明装置10と、車両1の周辺に音声を出力する音声出力部20と、車両1の内外に所定の情報や画像を表示する画像表示部30と、を有する。
車両1は、車輪3を回転させることにより走行が可能であり、各車輪3はそれぞれ操舵に対して可動または固定が可能であり、前進、後退、右左折、回転等の走行が可能である。なお、実施の形態1の車両1は、一般的な4輪の乗用車を一例に挙げて説明するが、その大きさ、形状、車輪数等に実施の形態1に限定されず、適宜変更可能である。
照明装置10は、車体2の外前方に配置されたヘッドライト11と、車体2の外後方に配置されたテイルランプ12と、これらヘッドライト11およびテイルランプ12内に共通に設けられたハザードランプ13と、を含む。
音声出力部20は、入力された音声信号を増幅するアンプ(増幅回路の一例)21と、この増幅された音声信号を車両1の周辺に位置する、例えば他車両、歩行者、バイクまたは自転車等(以下、「他車両等」ともいう)に出力して、音声情報を報知する複数の車載スピーカ22と、を含む。複数の車載スピーカ22は、車両1の車両1の前方、後方、左右の少なくとも4箇所に配置される。
画像表示部30は、車体2内に配置され、車両1のドライバーまたは同乗者に対し画像情報を報知する1つ以上の車内向けディスプレイ装置(車載表示装置の一例)31と、同様に車体2内に配置され、他車両等に画像情報を報知する複数の車外向けディスプレイ装置(車載表示装置の一例)32と、車両1のルーフの前方および後方にそれぞれ配置される前後一対のプロジェクター装置(つまり、前側プロジェクター装置33および後側プロジェクター装置34、画像投影装置の一例)と、を含む。
また、車体2内の運転席に着座するドライバーの前方には、インストルメントパネル4が配置される。インストルメントパネル4には、不図示のメーターユニットが配置される。メーターユニットは、そのメーターパネル上に、速度計、エンジン回転計、方向指示表示部等の各種計器類や計測表示部を有する。この計測表示部の内部またはその近傍には、前述の車内向けディスプレイ装置31が配置される。なお、車内向けディスプレイ装置31がメーターユニットの計測表示部の近傍に配置される場合には、車内向けディスプレイ装置31を例えば透明ディスプレイを用いて構成し、インストルメントパネル9の上面に配置しても良い。
また、複数の車外向けディスプレイ装置32は、他車両等に向けて画像情報の報知が可能なように車体2の左右窓部またはその近傍にそれぞれ配置される。このときにも、車外向けディスプレイ装置32を例えば透明ディスプレイを用いて構成しても良い。
図3に示すように後側プロジェクター装置34は、例えば車体2のトランクルームのリッド表面上に画像情報をその曲面形状に合わせて歪補正して投影する。前側プロジェクター装置33も同様に、エンジンフード表面上にその曲面形状に合わせて歪補正して投影する(図示略)。なお、図3において、後述するように車両1外の他車両等に報知する画像情報の1つとして「急減速中。お先にどうぞ」が表面上に表示されるが、実施の形態1はこの表示に限定されず、種々の画像情報を表示可能である。
また、インストルメントパネル4の上面には、ユーザ入力部5が配置される。ユーザ入力部5は、実施の形態1に係る車両走行制御装置100に含まれ、車両走行制御装置100のドライバーまたは同乗者のマン・マシン・インターフェースとして機能する。また、ユーザ入力部5は、スイッチ装置(不図示)等により構成され、後述する車両走行制御装置100の退避走行制御部230(後述参照)に接続される。スイッチ装置は、押しボタンを有し、押しボタンが物理的に押された際にON信号が退避走行制御部230に送信される。
次に図4を参照して、実施の形態1の車両1のシステム構成について説明する。図4は、実施の形態1に係る車両1のシステム構成を説明する機能ブロック図である。
車両1には、照明装置10と、音声出力部20と、画像表示部30と、動力部40と、操舵部50と、制動部60と、通信部70と、実施の形態1に係る車両走行制御装置100と、が搭載される。なお、照明装置10、音声出力部20および画像表示部30は前述の通りである。
動力部40は、車両1を加速させるための部材の総称であり、エンジンおよび/または走行用モータ、トランスミッションおよび動力系ECU(Electronic Control Unit)41等を含んで構成される。
操舵部50は、車両1をカーブさせるための部材の総称であり、パワーステアリング装置や操舵系ECU51等を含んで構成される。
制動部60は、車両1を減速または停止させるための部材の総称であり、ブレーキ(油圧ブレーキ、回生ブレーキ、回生協調ブレーキ)、ABS(Antilock Brake System)および制動系ECU61等を含んで構成される。
通信部70は、無線通信の機能を有しており、外部のデータセンタ、路側機、他車両等と無線通信を行う。例えば、通信部70として、携帯電話網(セルラー網)、無線LAN、ETC(Electronic Toll Collection System)、DSRC(Dedicated Short Range Communications )、V2I(Vehicle-to- Infrastructure)、V2V(Vehicle-to-Vehicle)等を使用することが可能である。なお、後述する車両走行制御装置100の地図情報取得部170等は、通信部70を介して外部の地図や施設または設備等の各種の情報をクラウド上のデータセンタからダウンロードして自データベースを適宜、または所定の周期でアップデート可能である。
動力系ECU41、操舵系ECU51および制動系ECU61は、不図示の車載ネットワークのメインネットワークにそれぞれ接続される。車両1の操作情報は、アクセルペダル等に対するドライバーによる操作を電気的な制御信号に変換し、車載ネットワークを介して動力系ECU41、操舵系ECU51または制動系ECU61に送信する。動力系ECU41、操舵系ECU51または制動系ECU61は、受信した制御信号に基づき該当するアクチュエータを制御する。
実施の形態1の車両走行制御装置100は、複数のセンサ部(センサの一例)110と、車内撮像部120と、車内人員状態識別部(異常判定部の一例)130と、車外状況検知認識部(周辺状況認識部の一例)140と、走行情報取得部150と、燃料/電池残量情報取得部160と、地図情報取得部170と、音声制御部180と、車体表示制御部190と、中央制御部200、ユーザ入力部5と、を含む。
複数のセンサ部110は、車両1の状態および車両1周辺環境(気候等)を把握するための種々のセンサ(車内撮像部120を除く)の総称である。具体的には複数のセンサ部110は、車外照度センサ(センサの一例)111、車外撮像部(センサの一例)112、LiDAR(センサの一例)113、ミリ波レーダ(センサの一例)114およびGNSSセンサ(センサの一例)115等を含んで構成される。
車外照度センサ111は、例えばフォトダイオードと電流増幅回路とを含んで構成され、車両1の周囲の明るさに対応した電気信号を車外状況検知認識部140に送信する。また、車外照度センサ111は、ドライバーの比視感度に近い波長特性を有しており、ドライバーの感性に近い信号を出力可能である。
車外撮像部112は、例えば可視光カメラを含んで構成され、車両1の前方、後方、左右の4箇所に配置される。車外撮像部112は、4つの可視光カメラで車両1の前方、後方、左右の映像を撮影する。これにより、車外撮像部112は、光電変換して生成した画像信号を車外状況検知認識部140に送信する。なお、車外撮像部112は、カメラとして可視光のみならず赤外光感知カメラでも良く、この場合には夜間走行をより安全に行うことが可能である。
LiDAR113は、車両1の周囲に光線(例えば、赤外線レーザ)を放射して、その反射信号を受信し、受信した反射信号をもとに周囲に存在する対象物との距離、対象物の大きさ、および対象物の組成を測定する。LiDAR113は、この測定結果を車外状況検知認識部140に送信する。
ミリ波レーダ114は、車両1の周囲に電波(例えばミリ波)を放射して、その反射信号を受信し、受信した反射信号をもとに周囲に存在する対象物までの距離を測定する。ミリ波レーダ114は、この測定結果を車外状況検知認識部140に送信する。なお、ミリ波レーダ114は、LiDAR113で検出困難な、より遠方の対象物も検出可能である。
GNSSセンサ115は、車両1の位置情報を検出する。具体的には、複数のGPS衛星からそれぞれ発信時刻を受信し、受信した複数の発信時刻をもとに受信地点の緯度経度を算出して、この算出結果を車両1の位置情報として車外状況検知認識部140および地図情報取得部170に送信する。
車内撮像部120は、例えば可視光カメラを含んで構成され、ドライバーやその同乗者の挙動や運転操作等の状況を検知するためにドライバーやその同乗者を撮影する。車内撮像部120は、光電変換して生成した画像信号を車内人員状態識別部130に送信する。
車内人員状態識別部130は、車内撮像部の撮影結果に基づき、ドライバーまたは同乗者の顔面の向き、視線、姿勢の変化を検知し、ドライバーまたは同乗者に急病等の異常が発生した否かの有無を判定する。
具体的には、車内人員状態識別部130は、ドライバーまたは同乗者の顔面部分の画像を抽出し、ドライバーまたは同乗者の顔面または視線が車両1の正面を向いているか、シートにもたれていないか、目を閉じていないか、どのような表情をしているのか等の人間の顔面画像を検知してドライバーまたは同乗者の異常を判定する。
また、車内人員状態識別部130には人間の通常の挙動を示すパターンデータが記憶保持されている。車内人員状態識別部130は、車内撮像部120の撮像結果からドライバーまたは同乗者の身体部を含んだ挙動がパターンデータと比較して相違しているか否か(例えば急な全身的動き、完全な静止等)、この相違が所定時間以上継続しているか否か等を判定して、ドライバーまたは同乗者の異常を判定する。
車外状況検知認識部140は、複数のセンサ部110のそれぞれより検知された各種検知情報に基づき車両1外の状況を認識する。車外状況検知認識部140は、例えば、車両1の状態、車両1外の天候、他車両等の位置や走行状況等を検知し、車両1の周辺の状況を認識する。車外状況検知認識部140は、この認識結果を中央制御部200の退避走行制御部230(後述参照)に送信する。
走行情報取得部150は、車載ネットワークを介して送受信される各種制御信号、例えば車両1の位置情報、車両1の走行速度、操舵部50の操舵角度、ギヤのレンジ情報等の走行情報や時刻情報等を取得し、中央制御部200に送信する。
燃料/電池残量情報取得部160は、車両1のガソリン等の燃料の残量、または/および車両1が電気自走車やハイブリッド車等であればバッテリー等の電池の電流容量等を検知するセンサと、この検知情報を送信する通信機と、を含んで構成される。燃料/電池残量情報取得部は、検知した燃料または/および電池のエネルギ残量の検知情報(以下、エネルギ残量情報ともいう)を中央制御部200の退避目的地選択部210(後述参照)に送信する。
地図情報取得部170は、ADAS(先進運転支援システム、Advanced driver-assistance systems)に関する高精度な地図情報を、例えば通信部70を介してダウンロードしデータベースとして内部に記憶保持する。地図情報取得部170は、GNSSセンサ115の車両1の位置情報およびこのデータベースに基づき車両1の周辺の領域に関する地図情報を常時または周期的に取得する。地図情報取得部170は、中央制御部200の要求に応じ、この車両1の位置情報および地図情報を中央制御部200に送信する。
中央制御部200は、退避目的地選択部210と、退避経路算出部220と、退避走行制御部230と、を含む。中央制御部200は、車両走行制御装置100のコントローラとして機能し、車両1の内外の状況、走行状況、燃料/電池残量および位置等の情報に基づいて退避目的地に向けて自動退避走行(つまり、退避行動のための自動運転)を実行する。なお、以下、中央制御部200等の構成について退避目的地に向けた自動退避走行に関する特別の構成に関し中心的に説明するが、中央制御部200は一般的な自動運転システムの中心的な制御機能を含んで構成されており、所定の自動運転アルゴリズムに基づき車両1を制御する。
また、実施の形態1に係る自動運転アルゴリズムは、例えばディープラーニングに基づく人工知能(AI:Artificial Intelligence)により生成される。自動運転アルゴリズムの各種パラメータは、事前にハイスペックなコンピュータにより学習された値に初期設定されるとともに、クラウド上のデータセンタからアップデートされた値が適宜、ダウンロードされる。
退避目的地選択部210は、車内人員状態識別部130の異常検知をトリガーにしてドライバーまたは同乗者の救助の受け入れ可能な退避目的地を選択する。このとき、退避目的地選択部210は、走行情報取得部150の時刻情報に基づき、現在時刻を取得しドライバーまたは同乗者に異常が生じた時刻を異常発生時刻として特定して設定する。
また、退避目的地選択部210は、その内部に航続可能距離取得部211を有する。航続可能距離取得部211は、燃料/電池残量情報取得部160のエネルギ残量情報に基づき、車両1の現時点での航続可能距離を算出する。
退避目的地選択部210は、地図情報取得部170の地図情報およびGNSSセンサの車両1の現在の位置情報を取得する。退避目的地選択部210は、この取得情報に基づき、リスク対応テーブル(後述参照)に示される退避目的地種別に該当し且つ救助を受けられる可能性がある施設または設備を、車両1の周辺領域で1箇所以上抽出する。また、退避目的地選択部210は、この抽出された施設または設備が車両1の位置を中心として所定範囲内、より具体的には航続可能距離内に位置するか否かを判定する。
さらに、退避目的地選択部210は、リスク対応テーブルを参照して、この抽出且つ判定された複数の施設または設備のうち救助を受けられないリスクが最も低い(すなわち救助難易度が最小となる)施設または設備を退避目的地として選択し設定する。退避目的地選択部210は、設定した退避目的地を退避経路算出部220に送信する。
退避経路算出部220は、退避目的地選択部210が設定した退避目的地、ならびに地図情報取得部170の車両1の位置情報および地図情報に基づき、車両1の現在位置から退避目的地までの詳細な退避経路を算出する。退避経路算出部220は、この算出結果を退避経路情報として退避走行制御部230に送信する。
退避走行制御部230は、退避経路算出部220の退避経路情報を取得するとまず、画像表示部30の車内向けディスプレイ装置31に退避経路と自動退避走行の要否の確認メッセージとを表示させる。退避走行制御部230は、この表示後にユーザ入力部5からON信号が送信された否か、または所定時間以内にON信号がないか否かを判定する。
退避走行制御部230は、この判定の結果に基づき、音声制御部180、照明装置10および車体表示制御部190に車両1の周辺に位置する他車両等の通知対象者に向けて要求行動を促す情報を退避目的地までの退避走行の間、報知するようにそれぞれ指示する。
その一方、退避走行制御部230は、車外状況検知認識部140の認識結果、走行情報取得部150の走行情報および地図情報取得部170の地図情報等に基づき、車両1の状態、車両1周辺環境の状況および車両1の位置を示す各種検知情報を自動運転アルゴリズムに適用する。この適用の結果、退避走行制御部230は、退避経路情報に従った車両1の自動退避行動を決定する。
退避走行制御部230は、決定した自動退避行動に基づき制御コマンドを生成し、当該制御コマンドを動力系ECU、操舵系ECU141または制動系ECU151に送信する。動力系ECU131、操舵系ECU141または制動系ECU151は、受信した制御コマンドに基づき、該当するアクチュエータを制御し、選択された退避目的地まで自動走行する。すなわち、退避走行制御部230は、退避経路算出部220の退避経路情報に従って、車両1を退避目的地へと自動退避走行させる。
音声制御部180は、要求行動を促す情報の報知として、要求行動を促す音声を生成し、音声信号として音声出力部20に出力する。すなわち、退避走行制御部230は、音声制御部180を介して要求行動を促す音声を車載スピーカ22から音声出力する。また、この音声信号は、後述するように例えば「急減速中。お先にどうぞ。」等とされる。また、音声制御部180は、退避走行制御部230の指示に従い、車両1に配置された複数の車載スピーカ22のうち他車両等の通知対象物に近い側の音声出力部20の車載スピーカ22から音声出力する。
照明装置10のハザードランプ13は、退避走行制御部230の指示に従い、要求行動を促す情報の報知として点滅する。換言すれば、退避走行制御部230は、車両1が退避走行中であることをハザードランプ13の点滅により他車両等の通知対象者に報知する。
車体表示制御部190は、要求行動を促す情報の報知として、要求行動を促す画像を各種生成し、画像信号として画像表示部30に出力する。画像表示部30の車外向けディスプレイ装置32、前側プロジェクター装置33および後側プロジェクター装置34は、車体表示制御部190の画像信号を当該表示部または投影部それぞれに表示して他車両等の通知対象者に要求行動を促す情報を報知する。すなわち、退避走行制御部230は、車外向けディスプレイ装置32、前側プロジェクター装置33および後側プロジェクター装置34を介して要求行動を促す画像を表示または投影する。また、この表示画像は、後述するように音声出力に対応して「急減速中。お先にどうぞ。」等を示す文字や図形とされる。
また、退避走行制御部230は、車外状況検知認識部140の認識結果および走行情報取得部150の走行情報に基づき、車両1と他車両との相対位置および相対速度等を算出する。この算出結果に応じて、退避走行制御部230は、他車両等の通知対象者への要求行動を促す情報を適宜変更して画像表示部30を介して表示する。
なお、実施の形態1では、車内向けディスプレイ装置31は、前述したように、退避走行制御部230に直接指示を受けるが、これに限定されない。車内向けディスプレイ装置31は、他の画像表示部30と同様に車体表示制御部190を介して指示を受けるように構成しても良い。
また、中央制御部200、動力系ECU41、操舵系ECU51、制動系ECU61および不図示の車載ネットワークはISO26262規格のASILに準拠して設けられる。また、前述したインストルメントパネル4のメーターユニットもISO26262規格のASILに準拠して設けられる。
自動運転走行に関連する情報には、退避走行制御部230により決定された車両1の自動退避行動が含まれる。退避走行制御部230は基本的に、車両1の現在の行動(例えば、加速、減速、右カーブ、左カーブ)をメーターユニットに表示させても良い。また、退避走行制御部230は、自動運転アルゴリズムに基づき決定した車両1の次の行動を、当該行動を実行する予定時刻の所定時間前から表示させても良い。
次に、図5および図6を参照して、実施の形態1の退避目的地選択部210の退避目的地の選択の方法についてさらに説明する。図5は、退避目的地の種別ごとに設定される目的地別設定値と救助リスクとの対応を示すリスク対応表を示す図である。図6は、救助リスクと退避目的地との関係を示す線形グラフを示す図である。
退避目的地選択部210には、退避目的地ごとに設定される目的地別設定値と救助リスクとの対応関係を示すリスク対応テーブルが事前に設定されており、退避目的地選択部210はこのリスク対応テーブルを所定の記憶部(図示略)に記憶保持する。
図5に示すように、リスク対応テーブルは、退避目的地の種別ごとの、目的地別設定値、救助リスクおよびその退避目的地の利用可能時間のデータを関連付けて示している。
退避目的地種別は、地図情報取得部170の地図情報に含まれる各施設情報や各設備情報に対応付けられる種類を示す。
目的地別設定値は、退避目的地の種別ごとに設定される設定値であり、退避目的地、すなわちその施設または設備それぞれでの人の多寡および救助設備の多寡を示す値である。目的地別設定値が高ければ、人や救助設備が少ないことを意味する(図6参照)。
また、救助リスクは、退避目的地それぞれにおける救助を受けられないリスクを数値として示す値である。つまり、救助リスクが高ければ、救助を受けられない可能性が高いことを意味する(図6参照)。
また、利用可能時間は、退避目的地の種別ごとの施設または設備の利用可能時間を示す。なお、退避目的地選択部210は、走行情報取得部150の走行情報や時刻情報に基づき、施設または設備への到着(予定)時刻が当該退避目的地の利用可能時間内か否かを含めて判定する。
図6に示すように、目的地別設定値および救助リスクを退避目的地種別ごとにプロットすると、線形関係にあることが示される。救助リスクが高いほど目的地別設定値が高く、すなわち人通り(または救済設備)が少なくなる傾向があることが示される。退避目的地選択部210は、目的地別設定値および救助リスクを踏まえて退避目的地を選択する。
ここで、退避目的地選択部210の退避目的地の選択方法についてさらに具体的に説明する。
退避目的地の選択の際には、退避目的地選択部210は、車両1の現在の位置情報および地図情報に基づき、車両1の位置を中心として航続可能距離の範囲内において、所定の施設または設備を目的地候補として複数箇所抽出する。このとき、当該施設または設備は、リスク対応テーブルで退避目的地種別に対応付けられる種別のものとされる。さらに、退避目的地選択部210は、リスク対応テーブルを参照して、この抽出された目的地候補ごとの救助リスクを取得する。
その一方、退避目的地選択部210は、車両1の現在位置から目的地候補までの道なり距離をそれぞれ算出する。退避目的地選択部210は、この道なり距離を航続可能距離で除算した値(=道なり距離/航続可能距離)を距離係数としてそれぞれ算出する。
この算出の結果、退避目的地選択部210は、この距離係数と前述の救助リスクとを乗算して(=距離係数*救助リスク)、救助難易度をそれぞれ算出する。すなわち、退避目的地選択部210は、複数の施設または設備のそれぞれの種別の救助リスク、および複数の施設または設備のそれぞれまでの道なり距離と航続可能距離との割合に基づいて、退避目的地を選択可能とする。
最終的に、退避目的地選択部210は、複数の目的地候補のうち救助難易度が最小となる施設または設備を退避目的地として選択し、当該目的地候補を設定する。すなわち、退避目的地選択部210は、車両1の退避目的地の到着時刻における人の多寡および/または救助設備の多寡等に応じて、救助難易度が最小である退避目的地を選択して設定することになる。なお、救助難易度は、救助を受けられないリスクの程度を意味し、高い値になるほど救助可能性が低下することを示す。
次に図7〜図10を参照して、退避走行制御部230が退避走行中に行う報知動作について4つのケースを例にして説明する。図7は、車両1の第1走行状態(第1ケース)を例示する走行状態図である。図8は、車両1の第2走行状態(第2ケース)を例示する走行状態図である。図9は、車両1の第3走行状態(第3ケース)を例示する走行状態図である。図10は、車両の第4走行状態(第4ケース)を例示する走行状態図である。なお、図7〜図10は退避走行制御部230の報知動作の一例をそれぞれ説明するものであり、図示の動作やその内容に限定されることは意図されない。
第1ケースでは、図7に示すように、3車線の道路において車両1Aが中央車線を走行するとともに、左車線の他車両1Bが先行走行している。この走行中にドライバーまたは同乗者に異常が発生した場合、車両走行制御装置100は自動退避走行を行う。この異常発生の際、退避走行制御部230は先ず車外状況検知認識部140の認識結果および走行情報取得部150の走行情報に基づき、他車両1Bが車両1Aに対し前方左側を先行走行していると認識する。
この認識の結果、本ケースでは退避走行制御部230は、退避走行の中で左車線に車線変更(進路変更の一例)する。但し、このときには退避走行制御部230は、音声出力部20の複数の車載スピーカ22のうち車両前方左側の車載スピーカ22を介して「減速中。そのまま進んで下さい。」との音声を出力する。また、退避走行制御部230は、画像表示部30の左窓部の車外向けディスプレイ装置32および前側プロジェクター装置33を介して「減速中。そのまま進んで下さい。」との画像を表示または投影する。なお、このとき退避走行制御部230は、照明装置10のハザードランプ13も点滅させる。また、以下の第2〜第4ケースのいずれも共通に、退避走行制御部230は照明装置のハザードランプを点滅させる。
第2ケースでは、図8に示すように、左車線の他車両1Bが併走している。同様に異常発生の際に、退避走行制御部230はまず他車両1Bが車両1Aに対し左側側方で併走していると認識する。
この認識の結果、本ケースでは退避走行制御部230は、強く減速し他車両1Bが遠ざかった後に左車線に車線変更する。但し、このとき退避走行制御部230は、音声出力部20の複数の車載スピーカ22のうち車両左側方の車載スピーカ22を介して「急減速中。お先にどうぞ。」との音声を出力する。また、退避走行制御部230は、画像表示部30の左窓部の車外向けディスプレイ装置32および前側プロジェクター装置33を介して「急減速中。お先にどうぞ。」との画像を表示または投影する。
第3ケースでは、図9に示すように、左車線の他車両1Bが後方走行している。同様に異常発生の際に、退避走行制御部は230まず他車両1Bが車両1Aに対し左側後方で後方走行していると認識する。
この認識の結果、本ケースでは退避走行制御部230は、強く減速し他車両1Bが遠ざかった後に左車線に車線変更する。但し、このときには退避走行制御部230は、音声出力部20の複数の車載スピーカ22のうち車両左側方および車両後方の車載スピーカ22を介して「急減速中。お先にどうぞ。」との音声を出力する。また、退避走行制御部230は、画像表示部30の左窓部の車外向けディスプレイ装置32および後側プロジェクター装置34を介して「急減速中。お先にどうぞ。」との画像を表示または投影する(図3参照)。
第4ケースでは、図10に示すように、交差点において車両1Aは右折待機をするとともに他車両1Bが対向車線を対向走行している。同様に異常発生の際に、退避走行制御部230はまず他車両1Bが車両1Aに対し交差点で対向走行していると認識する。
この認識の結果、本ケースでは退避走行制御部230は、停止線手前で停車し、他車両1Bが遠ざかった後、右折する。但し、このときには退避走行制御部230は、音声出力部20の複数の車載スピーカ22のうち車両前方右側および車両右側側方の車載スピーカ22を介して「停止中。お先にどうぞ。」との音声を出力する。また、退避走行制御部230は、画像表示部30の右窓部の車外向けディスプレイ装置32および前側プロジェクター装置33を介して「停止中。お先にどうぞ。」との画像を表示または投影する。
次に図11および図12を参照して、実施の形態1に車両走行制御装置の動作手順を説明する。図11は、実施の形態1に係る車両走行制御装置の動作手順のうち前段を示すフローチャートである。図12は、実施の形態1に係る車両走行制御装置の動作手順のうち後段を示すフローチャートである。
図11に示すように、車内人員状態識別部130は、車内撮像部120の撮影結果に基づき、ドライバーまたは同乗者の状態を検知する(S1)。車内人員状態識別部130は、ドライバーまたは同乗者に急病等の異常が発生した否かの有無を判定する(S2)。判定の結果、車内人員状態識別部130がドライバーまたは同乗者に異常が発生したと判定すれば、車内人員状態識別部130の処理はステップS3に進む。その一方、車内人員状態識別部130が異常は発生していないと判定すれば、車内人員状態識別部130の処理はステップS1に戻る。すなわち、車内人員状態識別部130がドライバーまたは同乗者に異常が発生したと判定しない限り、ステップS3以降の処理は実行されない。
燃料/電池残量情報取得部160は、車両1の燃料または/および電池の残量を検知して、その検知したエネルギ残量情報を退避目的地選択部210に送信する(S3)。退避目的地選択部210は、このエネルギ残量情報に基づき、車両1の航続可能距離を算出する(S4)。退避目的地選択部210は、リスク対応テーブル(図5参照)に示される退避目的地種別に該当し且つ救助を受けられる可能性がある施設または設備を車両1の周辺領域で1箇所以上抽出する(S5)。このとき、抽出範囲は所定の設定距離(例えば半径4kmの範囲)ごとに拡大されて設定される。
また、退避目的地選択部210は、抽出された施設または設備が車両1の位置を中心として航続可能距離内に位置するか否かを判定する(S6)。判定の結果、退避目的地選択部210が航続可能距離内に位置すると判定すれば当該施設または設備を目的地候補として設定し、退避目的地選択部210の処理はステップS7に進む。その一方、退避目的地選択部210が航続可能距離内に位置しないと判定すれば、退避目的地選択部210の処理はステップS8に進む。
退避目的地選択部210は、走行情報取得部150から現在時刻を取得しドライバーまたは同乗者に異常が生じた時刻を異常発生時刻として設定する(S7)。
その一方、退避目的地選択部210は、例えば高速道路を走行中であれば直近の停車可能な路肩を退避目的地に選択し設定して(S8)、退避目的地選択部210の処理はステップS15(図12のS15)に進む。
退避目的地選択部210は、リスク対応テーブル(図5参照)を参照して、目的地候補ごとの救助リスクを取得する(S9)。退避目的地選択部210は、車両1の現在位置から目的地候補までの道なり距離をそれぞれ算出する(S10)。退避目的地選択部210は、この道なり距離を航続可能距離で除算した値(=道なり距離/航続可能距離)を距離係数として目的地候補ごとにそれぞれ設定する(S11)。
退避目的地選択部210は、この距離係数とリスク対応テーブルの救助リスクとを乗算した値(=距離係数*救助リスク)を救助難易度として目的地候補ごとにそれぞれ算出する(S12)。退避目的地選択部210は、複数の目的地候補のうち救助難易度が最小となる施設または設備を退避目的地として設定する(S13)。
退避目的地選択部210は、地図情報取得部170の地図情報に基づき取得した目的地候補の抽出結果が最後であるか否かを判定する(S14)。退避目的地選択部210が最後であると判定すれば、退避目的地選択部210の処理はステップS15に進む。その一方、退避目的地選択部210が最後ではないと判定すれば、退避目的地選択部210の処理はステップS9に戻る。
図12に示すように、退避経路算出部220は、退避目的地選択部210が設定した退避目的地に基づき、車両1の現在位置から退避目的地までの詳細な退避経路を算出する(S15)。退避経路算出部220は、この算出結果を退避経路情報として退避走行制御部230に送信する(S16)。
退避走行制御部230は、画像表示部30の車内向けディスプレイ装置31に、退避経路と自動退避走行の要否の確認メッセージ(例えば「自動退避走行を開始しますか。」)とを表示させる(S17)。退避走行制御部230は、ユーザ入力部5からON信号が入力された否か、または所定時間(例えば1分以内)以内にON信号の入力がないか否かを判定する(S18)。退避走行制御部230が、入力があるまたは所定時間の入力がないと判定すれば、退避走行制御部230の処理はステップS19に進む。その一方、退避走行制御部230が、所定時間内の入力があったと判定すれば、一連の車両走行制御装置100の動作手順は終了する。
退避走行制御部230は、車両1の位置や車両1周辺の障害物の位置等の各種検知情報に基づき、車両1を退避目的地に退避走行する自動走行制御を開始または実行する(S19)。また、退避走行制御部230は、音声制御部180、照明装置10および車体表示制御部190に車両1の周辺に位置する他車両等の通知対象者に向けて要求行動を促す情報を退避目的地までの退避走行の間、それぞれ報知するように指示する(S20)。
具体的には、退避走行制御部230は、音声制御部180を介して要求行動を促す音声を車載スピーカ22から音声出力する。このとき、退避走行制御部230は、他車両等の走行状態を認識し、複数の車載スピーカ22のうち他車両等に最も近い車載スピーカ22を適応的に選択して音声出力する(図7〜図10参照)。また同様に、退避走行制御部230は、要求行動を促す情報を他車両等に視認可能なように、画像表示部30の車外向けディスプレイ装置32、前側プロジェクター装置33および後側プロジェクター装置34のうち1つ以上を適応的に選択して画像表示する(図3、図7〜図10参照)。さらに、退避走行制御部230は、照明装置10のハザードランプ13を点滅させ他車両等の通知対象者に車両1の異常発生を報知する。
退避走行制御部230は、車両1が退避目的地選択部210により設定された退避目的地へ到着したか否かを判定する(S21)。判定の結果、退避走行制御部230が到着したと判定すれば、退避走行制御部230の処理はステップS22に進む。その一方、退避走行制御部230が未到着と判定すれば、退避走行制御部230の処理はステップS19に戻る。すなわち、退避走行制御部230は、退避目的地に到着するまで、一連のステップS19,S20の処理を繰り返し実行する。
退避走行制御部230は、車両1が退避目的地に到着すると、通信部70を介して例えば車両緊急通知サービス等の救助関連機関へ車両1の位置(経度、緯度)、退避目的地の施設名やその位置、さらには異常が生じた人の状態を送信する。この送信により、車両走行制御装置100は救助を要請して、車両走行制御装置100の処理は全て終了する。
(実施例)
ここで、図13および図14を参照して、以上説明したように構成された実施の形態1に係る車両走行制御装置100を用いて試験的シミュレーションとして行った退避走行の実施例について説明する。図13は、実施の形態1を用いた場合の実施例を例示する車両経路図である。図14は、実施例において退避目的地選択部210が作成する目的地候補テーブルを示す図である。なお、図13および図14は具体的事例の1つとして例示するものであり、図示の動作や明細書の記載内容に限定されることは意図されない。すなわち、実施の形態1はこの例示内容に限定されず、様々な状況に適応可能である。
図13に示すように、車両1が例えばAA市内の高速道路を走行中に、車内人員状態識別部130は午前10:00にドライバーに異常が発生したと認識した。この時点で、中央制御部200の退避目的地選択部210は、燃料/電池残量情報取得部160のエネルギ残量情報に基づき、車両1の航続可能距離が20kmであることを算出したとする。
退避目的地選択部210は、地図情報取得部170の地図情報に基づき、退避目的地種別(図5参照)に該当し且つ救助を受けられる可能性がある施設または設備を目的地候補として車両1の周辺領域で1箇所以上探索する。探索範囲は、例えば初期値として半径4kmの範囲にまず設定される。また、半径4kmの範囲内で目的地候補が探索できない場合には、航続可能距離を限界値として4kmごとに探索範囲を拡大しながら再探索する。なお、探索範囲の初期範囲は4kmに限定されず、車両1の現在位置に応じて動的に変更されてもよい。例えば、退避目的地選択部210は、図13に示すように高速道路を走行中である場合には、広域な4kmを探索範囲の半径として設定し、一般道路を走行中である場合には、2kmを探索範囲の半径として設定してもよい。
次に退避目的地選択部210は、図14に示すように、探索された目的地候補を基に、退避経路情報の一部として目的地候補テーブルを作成する。さらに、退避目的地選択部210は、異常発生時刻を午前10:00に設定するとともに、リスク対応テーブル(図5参照)を参照して、探索した目的地候補の種別ごとに救助リスクを取得する。
具体的には図13に示すように、本実施例では、直近の目的地候補(つまり、退避場所候補1)はIパーキングエリア下りであり、また異常発生時刻は午前10:00である。このため、図14に示すように、Iパーキングエリア下りの救助リスクXは15となる。また、現在の車両1からの道なりの距離Vは200[m]であり航続可能距離Wは20[km](=20000[m])であるため、退避目的地選択部210は距離係数Y(=V/W)として0.01の値を算出する。本目的地候補について、退避目的地選択部210は、救助リスクX(=15)とこの距離係数Y(=0.01)とを乗算して救助難易度Zとして0.15の値を得る。退避目的地選択部210は、これら算出結果を目的地候補テーブルに記録する。Iパーキングエリア下りは最初の目的地候補であるため、退避目的地選択部210は、暫定的に当該設備を退避目的地に設定する。なお、図14に示す目的地候補テーブルを画像表示部30の車内向けディスプレイ装置31に表示させるように構成しても良い。他の目的地候補についても同様である。
図13に示すように、次に近い目的地候補(つまり、退避場所候補2)はコンビニエンスストア1である。そのため、図14に示すように、退避目的地選択部210は、リスク対応テーブルを参照して、コンビニエンスストア1の救助リスクXを10の値に設定する。また、道なりの距離Vは2.6[km](=2600[m])であり航続可能距離Wは20[km](=20000[m])であるため、退避目的地選択部210は距離係数Y(=V/W)として0.13の値を算出する。本目的地候補について、退避目的地選択部210は、救助リスクX(=10)とこの距離係数Y(=0.13)とを乗算して救助難易度Zとして1.3の値を得る。この値を退避目的地選択部210は、目的地候補テーブルに記録する。
図13に示すように、さらに次に近い目的地候補(つまり、退避場所候補3)は医学部付属病院である。そのため、図14に示すように、退避目的地選択部210は、リスク対応テーブルを参照して、医学部付属病院の救助リスクXを1の値に設定する。また、道なりの距離Vは2.8[km](=2800[m])であり航続可能距離Wは20[km](=20000[m])であるため、退避目的地選択部210は距離係数Y(=V/W)として0.14の値を算出する。本目的地候補について、退避目的地選択部210は、救助リスクX(=1)とこの距離係数Y(=0.14)とを乗算して救助難易度Zとして0.14の値を得る。この値を退避目的地選択部210は、目的地候補テーブルに記録する。ここで、医学部付属病院の救助難易度Z(=0.14)が最小であるので、退避目的地選択部210は、退避目的地を医学部付属病院に更新して設定する。
図13に示すように、さらに次に近い目的地候補(つまり、退避場所候補4)はコンビニエンスストア2である。そのため、図14に示すように、退避目的地選択部210は、リスク対応テーブルを参照して、コンビニエンスストア2の救助リスクXを10の値に設定する。また、道なりの距離Vは3.2[km](=3200[m])であり航続可能距離Wは20[km](=20000[m])であるため、退避目的地選択部210は距離係数Y(=V/W)として0.16の値を算出する。本目的地候補について、退避目的地選択部210は、救助リスクX(=10)とこの距離係数Y(=0.16)とを乗算して救助難易度Zとして1.6の値を得る。この値を退避目的地選択部210は目的地候補テーブルに記録する。
図13に示すように、最も遠い目的地候補(つまり、退避場所候補5)はコンビニエンスストア3である。そのため、図14に示すように、退避目的地選択部210は、リスク対応テーブルを参照して、コンビニエンスストア3の救助リスクXを10の値に設定する。また、道なりの距離Vは3.9[km](=3900[m])であり航続可能距離Wは20[km](=20000[m])であるため、退避目的地選択部210は距離係数Y(=V/W)として0.20(小数点3桁四捨五入)の値を算出する。本目的地候補について、退避目的地選択部210は、救助リスクX(=10)とこの距離係数Y(=0.20)とを乗算して救助難易度Zとして2.0値を得る。この値を退避目的地選択部210は、目的地候補テーブルに記録する。
このように目的地候補別に救助難易度Zを算出し、その結果、医学部付属病院の救助難易度Z(=0.14)が依然として最小であるため、退避目的地選択部210は最終的に退避目的地を医学部付属病院に設定する。退避目的地選択部210は、最終的に設定した退避目的地を退避経路算出部220に送信する。退避経路算出部220は退避経路を算出する。
その一方、退避走行制御部230は、退避経路とともに自動退避走行の要否の確認メッセージを車内向けディスプレイ装置31に表示させる。確認メッセージとして「自動退避走行を開始しますか。」が表示されるが、このときドライバーは異常な状態であり、1分以内にユーザ入力部5を押すことができない。このため、退避走行制御部230はそのまま自動退避走行を行う。
退避走行制御部230は、車外状況検知認識部140が認識した車両1周囲状況および退避経路を基に、動力部40、操舵部50および制動部60を自律制御する。また、この自動退避走行の際、高速道路上での進路変更、または一般道路であれば右左折等において、他車両等に対し、要求行動を促す情報を音声または画像を用いて報知する(図3、図7〜図10参照)。
音声出力としては、退避走行制御部230は、音声制御部180を介して要求行動を促す音声を車載スピーカ22から音声出力する。画像表示としては、退避走行制御部230は、要求行動を促す情報を他車両等に視認可能なように、画像表示部30の車外向けディスプレイ装置32、前側プロジェクター装置33および後側プロジェクター装置34から画像表示する。また、退避走行制御部230は、照明装置10のハザードランプ13を点滅させ他車両等の通知対象者に車両1の異常発生を報知する。
続いて、退避走行制御部230は、車両1が退避目的地選択部210により設定された退避目的地へ到着したか否かを判定する。退避走行制御部230が到着したと判定すれば、車両緊急通知サービス等へ車両1の位置(経度、緯度)、退避目的地の施設名やその位置、さらには異常が生じた人の状態を送信する。これにより、車両走行制御装置100は、車両緊急通知サービス等のオペレータ、または退避先が施設の場合はその関係者に対しドライバーの救助を要請する。
以上により、実施の形態1に係る車両走行制御装置100または車両1は、車両1の位置情報を含む走行情報を取得する走行情報取得部150を備える。車両走行制御装置100または車両1は、自動運転中に車両1のドライバーもしくは同乗者における急病等の異常の有無を判定する車内人員状態識別部(異常判定部の一例)130を備える。車両走行制御装置100または車両1は、車両1の周辺の領域に関する地図情報を取得する地図情報取得部170を備える。車両走行制御装置100または車両1は、ドライバーもしくは同乗者に異常が生じたと判定された時刻と車両1の位置情報と地図情報とに基づいて、車両1の位置から所定範囲内に位置するドライバーもしくは同乗者が救助を受けられる複数の施設のうち、救助を受けられないリスクが最も低い施設を退避目的地として選択する退避目的地選択部210を備える。
これにより、車両走行制御装置100または車両1は、異常発生時刻や施設等の種別を踏まえ、自動運動の車両1が退避目的地に到着して停車した後に異常が生じたドライバーまたは同乗者に対する救助が可能かどうかの判定をした上で、退避目的地を設定する。この退避目的地の設定により、車両走行制御装置100または車両1は、車両走行中にドライバーまたは同乗者に急病等の異常が生じた場合でも、退避目的地で速やかに応急処置等を含む救助を受けられるようにして、当該ドライバーまたは同乗者に対する早期発見や早期処置などの救助機会の可能性を高めることができる。
また、車両走行制御装置100または車両1は、車両1に搭載された1つ以上のセンサ部(センサの一例)110の検知情報に応じて、車両1の周辺の状況を認識する車外状況検知認識部(周辺状況認識部の一例)140をさらに備える。車両走行制御装置100または車両1は、車両1の周辺の状況の認識結果と退避目的地の位置情報とに基づいて、車両1を退避目的地へと退避走行させる退避走行制御部230をさらに備える。これにより、車両走行制御装置100または車両1は、退避目的地を選択した後に、他車両等の走行状況や天候等の周辺の状況に鑑みて退避目的地までの退避走行を制御するので、退避走行中に他車両等との衝突事故や悪天候に伴うスリップ事故等が発生するのを防止して退避目的地に無事に到着することができる。
また、車両走行制御装置100または車両1は、車両1の位置情報と退避目的地の位置情報とに基づいて、退避目的地までの退避経路を算出する退避経路算出部220をさらに備える。退避走行制御部230は、退避経路に従って、車両1を退避走行させる。これにより、車両走行制御装置100または車両1は、退避目的地までの退避経路を算出し、それに従って退避走行させるので、より確実に、より無駄なく迅速に退避目的地に到着することができる。
また、車両走行制御装置100または車両1は、車両1の燃料もしくは電池残量の情報に基づく車両1の航続可能距離を取得する航続可能距離取得部211をさらに備える。退避目的地選択部210は、車両1の航続可能距離に基づいて、所定範囲を設定する。これにより、車両走行制御装置100または車両1は、退避走行中に燃料および/または電池がその途中で切れてしまい到着が不可能になる事態を防止してより確実に退避目的地に到着することができる。
また、車両走行制御装置100または車両1は、車両1の退避目的地の到着時刻における人の多寡および救助設備の多寡のうち少なくとも1つに応じて、退避目的地を退避目的地選択部210において選択する。これにより、車両走行制御装置100または車両1は、人の往来の多い施設や救助設備が整備されている施設(例えば医療機関等)を優先的に退避目的地として設定されることになるので、退避した後でもより発見され易く、また異常発生からより短時間で適切な救助を受けさせることができる。
また、実施の形態1に係る車両走行制御装置100または車両1は、複数の施設のそれぞれの種別と、複数の施設のそれぞれまでの距離と航続可能距離との割合とに基づいて、退避目的地を退避目的地選択部210において選択する。これにより、車両走行制御装置100または車両1は、複数の施設のそれぞれの種別(例えば医療機関、カーディーラー、コンビニ等)と、各施設までの距離と航続可能距離との割合とによって選択するので、救助を受けやすく、また航続可能距離の範囲内且つ車両1から近距離な施設等を退避目的地として設定することになるので、救助リスクをより小さくして迅速に適切な救助を受けさせることができる。
また、実施の形態1に係る車両走行制御装置100または車両1は、自動運転中に車両1のドライバーもしくは同乗者における急病等の異常の有無を判定する車内人員状態識別部(異常判定部の一例)130を備える。車両走行制御装置100または車両1は、車両1に搭載された1つ以上のセンサ部(センサの一例)110の検知情報に応じて、車両1の周辺の状況を認識する車外状況検知認識部(周辺状況認識部の一例)140を備える。車両走行制御装置100または車両1は、ドライバーもしくは同乗者に異常が生じたと判定された場合に、車両1の周辺の状況の認識結果とドライバーもしくは同乗者が救助を受けられる退避目的地の位置情報とに基づいて、車両1を退避目的地へと退避走行させる退避走行制御部230を備える。車両走行制御装置100または車両1は、退避走行中に、車両1の周辺に位置する他車両等の通知対象物に、通知対象物への要求行動を促す情報を退避走行制御部230において報知する。
これにより、車両走行制御装置100または車両1は、自動運転中にドライバーまたは同乗者に急病等の異常が生じた場合に、応急処置等を含む救助を受けられる場所に車両1を退避させるとともに、車両1に緊急事態が発生中であることを適切且つ明示的に車両1の周囲に位置する他車両等に報知する。この報知により、当該他車両等に注意喚起を強く促し適切な行動を取らせることが可能となる。このため、車両同士の衝突などの二次的な事故の発生を防ぎ、車両1を安全に退避目的地まで走行させることができる。これにより、退避目的地で当該ドライバーまたは同乗者は、応急処置等を含む救助を受けられるようにして、早期発見や早期処置などの救助機会の可能性を高めることができる。
また、車両走行制御装置100または車両1は、退避走行中で車両1の進路を変更する時に、通知対象物への要求行動を促す情報を退避走行制御部230において報知する。これにより、車両走行制御装置100または車両1は、車両同士の衝突の事故が発生し易い進路変更時に報知するので、二次的な事故の発生をより効果的に防ぎ、車両1をより安全に退避目的地まで走行させることができる。
また、車両走行制御装置100または車両1は、車両1の位置情報を含む走行情報を取得する走行情報取得部150をさらに備える。車両走行制御装置100または車両1は、車両1の位置情報と退避目的地の位置情報とに基づいて、退避目的地までの退避経路を算出する退避経路算出部220をさらに備える。車両走行制御装置100または車両1は、退避経路に従って、自車両を退避走行制御部230において退避走行させる。これにより、車両走行制御装置100または車両1は、退避目的地までの退避経路を算出し、それに従って退避走行させるので、より確実に、より無駄なく迅速に退避目的地に到着することができる。
また、車両走行制御装置100または車両1は、要求行動を促す情報の報知として、要求行動を促す情報を示す画像を退避走行制御部230において、車両1に配置された前側プロジェクター装置33および後側プロジェクター装置34(画像投影装置の一例)を介して投影する。これにより、車両走行制御装置100または車両1は、視覚においても要求行動を促す情報を報知するので、他車両等に注意喚起をより強く促し適切な行動を迅速に取らせ、車両同士の衝突など二次的な事故の発生を効果的に防ぐことができる。また、画像表示部として画像投影装置を用いるので、車体2の任意の領域に所定の大きさで情報を表示することができる。
また、実施の形態1に係る車両走行制御装置100または車両1は、退避走行制御部230は、要求行動を促す情報の報知として、要求行動を促す情報を示す画像を、車両1に配置された車外向けディスプレイ装置(車載表示装置の一例)32に表示する。これにより、車両走行制御装置100または車両1は、画像投影装置と同様に視覚においても要求行動を促す情報を報知するので、他車両等に注意喚起をより強く促し適切な行動を迅速に取らせ、車両同士の衝突など二次的な事故の発生を効果的に防ぐことができる。
また、実施の形態1に係る車両走行制御装置100または車両1は、退避走行制御部230は、要求行動を促す情報の報知として、要求行動を促す音声を、車両1に配置された複数の車載スピーカ22のうち通知対象物に近い側の車載スピーカ22から音声出力する。これにより、車両走行制御装置100または車両1は、聴覚においても要求行動を促す情報を報知するので、他車両等に注意喚起をより強く促し適切な行動を迅速に取らせ、車両同士の衝突など二次的な事故の発生を効果的に防ぐことができる。また、他車両等の通知対象者に近い側の車載スピーカ22を用いて報知するので、より確実に適切な行動を取らせることができる。
また、実施の形態1に係る車両走行制御装置100または車両1は、退避走行制御部230は、車両1が退避走行中であることを、車両1に配置されたハザードランプ13の点滅により通知対象物に報知する。これにより、車両走行制御装置100または車両1は、通常の交通規定に従った、または慣れ親しんだ報知手段により報知されるので、他車両等は特に違和感なく異常事態が発生していることを認識することができる。すなわち、他車両等に注意喚起を容易に促すことができる。また、ハザードランプ13は通常の車両装備品であるので、部品等を新設する必要がなく製造コストを抑制することができる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本開示は、自動運転中にドライバーまたは同乗者に急病等の異常が生じた場合に、速やかに応急処置等を含む救助を受けられる退避目的地を的確に選択して、当該ドライバーまたは同乗者に対する早期発見や早期処置などの救助機会の可能性を高める車両に搭載可能な車両走行制御装置、および車両として有用である。
1 車両
2 車体
3 車輪
4 インストルメントパネル
5 ユーザ入力部
10 照明装置
11 ヘッドライト
12 テイルランプ
13 ハザードランプ
20 音声出力部
21 アンプ
22 車載スピーカ
30 画像表示部
31 車内向けディスプレイ装置
32 車外向けディスプレイ装置
33 前側プロジェクター装置
34 後側プロジェクター装置
40 動力部
41 動力系ECU
50 操舵部
51 操舵系ECU
60 制動部
61 制動系ECU
70 通信部
100 車両走行制御装置
110 センサ部
111 車外照度センサ
112 車外撮像部
113 LiDAR
114 ミリ波レーダ
115 GNSSセンサ
120 車内撮像部
130 車内人員状態識別部
140 車外状況検知認識部
150 走行情報取得部
160 燃料/電池残量情報取得部
170 地図情報取得部
180 音声制御部
190 車体表示制御部
200 中央制御部
210 退避目的地選択部
211 航続可能距離取得部
220 退避経路算出部
230 退避走行制御部

Claims (7)

  1. 自動運転が可能な車両に搭載される車両走行制御装置であって、
    前記車両の位置情報を含む走行情報を取得する走行情報取得部と、
    自動運転中に前記車両のドライバーもしくは同乗者における急病等の異常の有無を判定する異常判定部と、
    前記車両の周辺の領域に関する地図情報を取得する地図情報取得部と、
    前記ドライバーもしくは同乗者に前記異常が生じたと判定された時刻と前記車両の位置情報と前記地図情報とに基づいて、前記車両の位置から所定範囲内に位置する前記ドライバーもしくは同乗者が救助を受けられる複数の施設のうち、前記救助を受けられないリスクが最も低い施設を退避目的地として選択する退避目的地選択部と、を備える、
    車両走行制御装置。
  2. 前記車両に搭載された1つ以上のセンサの検知情報に応じて、前記車両の周辺の状況を認識する周辺状況認識部と、
    前記車両の周辺の状況の認識結果と前記退避目的地の位置情報とに基づいて、前記車両を前記退避目的地へと退避走行させる退避走行制御部と、をさらに備える、
    請求項1に記載の車両走行制御装置。
  3. 前記車両の位置情報と前記退避目的地の位置情報とに基づいて、前記退避目的地までの退避経路を算出する退避経路算出部、をさらに備え、
    前記退避走行制御部は、前記退避経路に従って、前記車両を前記退避走行させる、
    請求項2に記載の車両走行制御装置。
  4. 前記車両の燃料もしくは電池残量の情報に基づく前記車両の航続可能距離を取得する航続可能距離取得部、をさらに備え、
    前記退避目的地選択部は、前記車両の航続可能距離に基づいて、前記所定範囲を設定する、
    請求項1に記載の車両走行制御装置。
  5. 前記退避目的地選択部は、前記車両の前記退避目的地の到着時刻における人の多寡および救助設備の多寡のうち少なくとも1つに応じて、前記退避目的地を選択する、
    請求項1に記載の車両走行制御装置。
  6. 前記退避目的地選択部は、前記複数の施設のそれぞれの種別と、前記複数の施設のそれぞれまでの距離と前記航続可能距離との割合とに基づいて、前記退避目的地を選択する、
    請求項4に記載の車両走行制御装置。
  7. 自動運転を制御する車両走行制御装置を搭載する車両であって、
    前記車両走行制御装置は、
    前記車両の位置情報を含む走行情報を取得する走行情報取得部と、
    自動運転中に前記車両のドライバーもしくは同乗者における急病等の異常の有無を判定する異常判定部と、
    前記車両の周辺の領域に関する地図情報を取得する地図情報取得部と、
    前記ドライバーもしくは同乗者に前記異常が生じたと判定された時刻と前記車両の位置情報と前記地図情報とに基づいて、前記車両の位置から所定範囲内に位置する前記ドライバーもしくは同乗者が救助を受けられる複数の施設のうち、前記救助を受けられないリスクが最も低い施設を退避目的地として選択する退避目的地選択部と、を備える、
    車両。
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