以下に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態である入浴見守り機能付き給湯システム1(以下「給湯システム1」と略記する)の概略構成図である。図2は、給湯リモコン3の一例を示す図である。図3は、風呂リモコン4の一例を示す図である。図4は、赤外線カメラ55が撮影した画像のイメージ図である。図5は、赤外線カメラ55が撮影した画像のイメージ図である。図6は、設定値テーブル72の一例を示す図である。図7は、ユーザテーブル73の一例を示す図である。図8は、入浴見守り設定画面180の一例を示す図である。図9は、正常時の洗い場表示画面120の一例を示す図である。図10は、正常時の浴槽表示画面130の一例を示す図である。図11は、転倒警報を発報する洗い場表示画面140の一例を示す図である。図12は、溺水警報を発報する浴槽表示画面160の一例を示す図である。図13は、溺水警報を発報する浴槽表示画面170の一例を示す図である。図14は、見守り処理の手順の一例を示すフローチャートである。図15は、転倒監視処理の手順の一例を示すフローチャートである。図16は、入浴監視処理の手順の一例を示すフローチャートである。
(給湯システム1の概略構成)
図1に示すように、給湯システム1は、給湯器2と、給湯リモコン3と、風呂リモコン4と、を有し、給湯リモコン3又は風呂リモコン4を用いて給湯器2を遠隔操作できるようになっている。給湯器2は、給湯設備の一例である。
給湯リモコン3は、ドアホンの子機6A、太陽光発電装置6B、蓄電器6C、HEMS6Dなどの外部機器6に通信可能に接続され、それらのリモコンとしても機能する多機能型リモコンである。また、給湯リモコン3は、クラウドサーバ5に記憶された入浴見守りアプリ71を所定の条件下で起動することにより、赤外線カメラ55が撮影した入浴者の画像を操作パネル32に表示させ、入浴者に異常が生じたことを検知した場合には、異常を報知する入浴見守り機能を実行する。入浴見守り機能については後述する。尚、給湯リモコン3は、第1のリモコンの一例であり、風呂リモコン4は、第2のリモコンの一例である。操作パネル32は、表示部の一例である。
給湯器2は、屋外に設置される。給湯器2は、設定温度に加熱した湯を熱負荷に供給する。熱負荷は、例えば、風呂や台所などに設けられた蛇口、床暖房などである。給湯器2は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、不揮発性メモリ24とを含むメインコントローラ11を有する。メインコントローラ11は、周知のマイクロコンピュータであるので、詳細な説明を省略する。給湯器2は、更に、熱交換機12と、ポンプ13と、通信IF(通信インターフェースの略)15を備え、これらがメインコントローラ11に接続されている。
熱交換機12は、熱源で発生した熱と水との間で熱交換を行わせるものである。熱交換機12は、例えば、水を加熱して温水用蛇口に供給したり、追い焚き時に風呂水を加熱したり、床暖房時に熱媒体を加熱したりする。熱源は、例えば、ガスを燃焼させる燃焼機や、燃料電池などの発電機である。ポンプ13は、熱交換機12と浴槽202(図4、図5参照)との間で湯203(図4、図5参照)を循環させるための圧力を発生するものである。通信IF15は、通信を制御するハードウェアを含む。通信方式は、どのような規格でもよいし、無線でも有線でも良い。尚、熱交換機12に給湯のみを行わせ、追い焚き用バーナと暖房バーナを別途設けても良い。
風呂リモコン4は、浴室200(図4、図5参照)の壁面に設置される。風呂リモコン4は、CPU61とROM62とRAM63と不揮発性メモリ64とを含む第2コントローラ51を有している。第2コントローラ51は、周知のマイクロコンピュータであるので、詳細な説明を省略する。風呂リモコン4は、更に、通信IF52と、液晶パネル53と、ボタン群54と、赤外線カメラ55と、シャッター56と、スピーカ57と、マイク58とを備え、それらが第2コントローラ51に接続されている。
図3に示すように、液晶パネル53は、情報を表示するものである。ボタン群54は、電源のON/OFFや通話や追い焚きなどの指示を入力するための押下式のボタンである。ボタン群54は、入浴見守りOFFボタン54Aや発報停止ボタン54Bを含む。入浴見守りOFFボタン54Aは、入浴見守り機能を中止する指示を入力するための操作ボタンである。入浴見守りOFFボタン54Aは、所定時間以上長押しされることにより、入力操作を受け付ける。長押しの手間をかけるのは、入浴者が浴槽202に出入りする際に誤って入浴見守りOFFボタン54Aを操作し、見守り機能が中止されることを回避するためである。発報停止ボタン54Bは、風呂リモコン4による発報を停止する指示を入力するための操作ボタンである。スピーカ57とマイク58は、風呂リモコン4に内蔵されている。スピーカ57は、音声出力を行うものである。マイク58は、音声を電気信号に変換して出力する装置である。
赤外線カメラ55は、物体から放射される赤外線を可視化するためのカメラであり、人の所在を検知する人感センサとしても機能する。赤外線カメラ55は、非接触で物体の温度を測定することもできる。赤外線カメラ55は、浴室200全体を撮影できるように風呂リモコン4に一体に取り付けられている。尚、赤外線カメラ55は、洗い場201又は浴槽202のように、浴室200を部分的に撮影できるように可動式にしても良い。
ここで、赤外線カメラ55を用いて浴室200にいる人を判別することが可能か、発明者らは試験を行った。試験では、商品名「FLIR C2」のサーモグラフィカメラを使用した。32℃で湯張りした状態の浴室200を撮影した画像のイメージ図を、図4に示す。また、40℃で湯張りした湯203に入浴者204が手を入れた状態で撮影した画像のイメージ図を、図5に示す。
図4に示すように、カメラが撮影した画像から洗い場201と浴槽202とを判別することができた。また、図4のX1に示すように、カメラが測定した温度の分布を見ると、湯203の温度が浴槽202の温度より高いため、その境界から水面位置を確認できた。
図5に示すように、40℃で湯張りしたことによって湯気が生じている浴室200内でも、カメラが撮影した画像から入浴者204の輪郭を判別することができた。そして、入浴者204の輪郭から、頭部や腕などの部位を判別できた。更に、図5の図中X2に示すように、入浴者204の腕のうち、湯203に浸かっていない部分では輪郭を確認でき、湯203に浸かっている部分では輪郭を確認できなかった。そのため、カメラが撮影した画像に含まれる入浴者204の輪郭から、入浴者204が湯203の水面から体のどの部分をどの程度出しているかを判別することができる。
よって、赤外線カメラ55が撮影した画像を利用すれば、入浴者204が洗い場201にいるか、浴槽202の中にいるか、を判別することができる。また、洗い場201に表示される入浴者204の輪郭から、入浴者204の姿勢、例えば、立っているか、座っているか、倒れているか、を判別することができる。また、浴槽202に表示される入浴者204の輪郭から、入浴の状態、すなわち、入浴者204の頭部が湯203の水面から出ているか否か、を判別でき、更に、入浴者204の頭部が湯203の水面から出ていない場合には、頭部が湯203に半分沈んでいるか、全部沈んでいるか、を判別することができる。
図1及び図3に示すシャッター56は、赤外線カメラ55のレンズ部を開閉するように設けられている。そのため、赤外線カメラ55は、シャッター56が閉じられることにより、物理的に浴室200内を撮影できなくなる。
図1に示す通信IF52は、外部装置と通信を行うためのハードウェアを含む。通信IF52の通信方式は、どのような規格の方式でもよいし、無線でも有線でもよい。通信IF52は、通信線9を介して、給湯器2の通信IF15に接続されている。そして、給湯器2の通信IF15は、通信線8を介して、給湯リモコン3の通信IF36に接続されている。よって、風呂リモコン4は、給湯器2を介して給湯リモコン3に、赤外線カメラ55が撮影した画像を送信することができる。
給湯リモコン3は、台所やリビングなどの人が集まる場所の壁に設置される。給湯リモコン3は、CPU41とROM42とRAM43と不揮発性メモリ44とを含む第1コントローラ31を有している。給湯リモコン3は、更に、操作パネル32と電源ボタン33とスピーカ34とマイク35と通信IF36とを備え、それらが第1コントローラ31に接続されている。尚、操作パネル32は、操作ボタンと表示パネルとを別個に設けても良い。通信IF36は、通信部、接続部の一例である。
ROM42には、給湯リモコン3の動作を制御するプログラム等が記憶されている。RAM43は、各種処理が実行される際に作業領域として、あるいは、データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。不揮発性メモリ44は、例えば、HDD、フラッシュメモリであり、各種のプログラムやデータを記憶する。
CPU41は、ROM42や不揮発性メモリ44から読み出したプログラムに従って、また、ユーザの指示に基づいて、各種の処理を実行する。なお、図1中の第1コントローラ31は、給湯リモコン3の制御に利用されるハードウェアやソフトウェアを纏めた総称であって、実際に給湯リモコン3に存在する単一のハードウェアを表すとは限らない。CPU41は、制御部の一例である。尚、第1コントローラ31を制御部の一例にしても良い。
操作パネル32は、 例えば図2に示すように、タッチパネルであり、ユーザによる入力を受け付けるとともに情報の表示を行う。操作パネル32は、例えば、待機画面110を表示する。待機画面110は、ユーザが指示を入力する入力操作を待つ画面である。
待機画面110には、例えば、時刻111や、給湯器2が供給する湯の給湯温度112や、HEMS6Dが管理するエネルギーの情報113などが表示される。また、待機画面110には、おゆはりボタン114や、追い焚きボタン115や、設定ボタン116や、ドアホンボタン117や、入浴見守りボタン118などの操作ボタンが表示される。
おゆはりボタン114は、浴槽202(図4、図5参照)に湯を入れる指示を入力するための操作ボタンである。追い焚きボタン115は、浴槽202に入っている湯203(図4、図5参照)を加熱する指示を入力するための操作ボタンである。設定ボタン116は、給湯に関する設定を行うためのボタンである。つまり、待機画面110には、給湯システム1を遠隔操作するための操作ボタンが表示される。
ドアホンボタン117は、待機画面110を、ドアホン用の画面に切り換えるための操作ボタンである。入浴見守りボタン118は、待機画面110を、図8に示す入浴見守り設定画面180に切り換えるための操作ボタンである。
電源ボタン33は、給湯リモコン3のON状態とOFF状態を切り換えるボタンである。スピーカ34とマイク35は、給湯リモコン3に内蔵されている。スピーカ34は、音声出力を行うものである。マイク35は、音声を電気信号に変換して出力する装置である。
図1に示すように、通信IF36は、外部装置と通信を行うためのハードウェアを含む。通信IF36の通信方式は、どのような規格の方式でもよいし、無線でも有線でもよい。
通信IF36は、ドアホンの子機6A、太陽光発電装置6B、蓄電器6C、HEMS6Dなどの外部機器6に通信線7を介して接続されている。ドアホンの子機6Aは、玄関や門などに設置され、チャイムとカメラを有する。給湯リモコン3は、チャイムが鳴らされると、ドアホンボタン117を操作しなくても自動的に、ドアホンの子機6Aからカメラが撮影した画像を受信し、操作パネル32に表示させる。また例えば、ユーザがドアホンボタン117にタッチして画面を切り換え、切り換え後の画面に表示される操作ボタンを操作することにより、給湯リモコン3は、ドアホンの子機6Aが撮影した画像やその録画画像を操作パネル32に表示させる。そのため、操作パネル32は、セキュリティの観点から、ドアホンの子機6Aから受信した画像を、人を特定できる程度に表示する表示能力を有する。
また、太陽光発電装置6Bは、太陽光を電力に変換する装置である。蓄電池6Cは、電力を蓄える装置である。例えば、太陽光発電装置6Bや図示しないコージェネレーションシステムで発電された電力が蓄電池6Cに蓄電される。HEMS6Dは、家庭内のエネルギーを管理する装置である。給湯リモコン3は、通信IF36を介して、これらの外部機器6から受信した情報を操作パネル32に表示させたり、操作パネル32に入力された指示を受け付けて、通信IF36を介して、外部機器6に送信し、外部機器6を遠隔操作したりする。
尚、給湯リモコン3は、通信IF36が外部機器6と無線通信するようにして、タブレット型にしても良い。
クラウドサーバ5は、給湯リモコン3の通信IF36に接続できる。クラウドサーバ5は、プログラムやデータをオンライン上に保存する記憶装置である。クラウドサーバ5は、例えば、DropBox(登録商標)、Googleドライブ(登録商標)、OneDrive(登録商標)、iCloud(登録商標)などである。クラウドサーバ5は、給湯システム1が利用するプログラムやデータなどを記憶し、給湯リモコン3のROM42や不揮発性メモリ44などのメモリにかかる負荷を小さくしている。
クラウドサーバ5は、情報処理装置10に接続できる。情報処理装置10は、例えば、給湯システム1を提供するガス会社などに設置され、クラウドサーバ5を管理する管理者によって使用される。情報処理装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどである。
クラウドサーバ5は、入浴見守りアプリ(入浴見守りアプリケーションプログラムの略)71と、設定値テーブル72と、ユーザテーブル73と、テンプレート74と、を有する。設定値テーブル72は、設定値記憶部の一例である。入浴見守りアプリ71は、アプリケーションプログラムの一例である。ユーザテーブル73は、ユーザ記憶部の一例である。クラウドサーバ5は、権限認証を前提に、アクセスすることができる。
入浴見守りアプリ71は、給湯システム1に入浴見守り機能を実行させるためのプログラムである。入浴見守りアプリ71については、後述する。
設定値テーブル72は、入浴見守りアプリ71を実行する場合に利用する情報を記憶するものである。
例えば図6に示すように、設定値テーブル72は、年齢の記憶領域721と、性別の記憶領域722と、持病の有無の記憶領域723と、推奨入浴時間の記憶領域724を有する。年齢の記憶領域721には、年齢に関する情報が記憶される。性別の記憶領域722は、「男」又は「女」が記憶される。持病の有無の記憶領域723には、心臓疾患や呼吸器疾患や高血圧などの持病がある場合には「有」を記憶し、そのような持病がない場合には「無」が記憶される。推奨入浴時間の記憶領域724には、推奨する入浴時間が記憶される。
例えば、60歳以上の高齢者は、60歳未満の人と比べ、浴室200で転倒したり、心臓麻痺や脳梗塞などの病気を発症したりする確率が高い。また例えば、浴室200内の傷病事故は、男性よりも女性の方が発生率が高い傾向がある。また例えば、心疾患や呼吸器疾患や高血圧などの持病がある人は、持病がない人と比べ、浴室200内で傷病事故を発生しやすい。よって、入浴者204の特性に応じて入浴の推奨時間(推奨入浴時間)を設定し、それを入浴者204や入浴を見守る者に報知することで、浴室200内の傷病事故を未然に防ぐことが可能になると考えられる。そこで、設定値テーブル72は、個人の特性(年齢,性別、持病の有無等)に応じて推奨入浴時間を記憶している。
図1に示すユーザテーブル73は、給湯システム1を利用するユーザに関するユーザ情報を記憶するものである。例えば、ユーザテーブル73には、給湯システム1を設置した家の家族が登録される。給湯リモコン3は、入浴見守りアプリ71を利用して入力されたユーザ情報をクラウドサーバ5に送信し、ユーザテーブル73に記憶させる。
具体的に、例えば、ユーザが図2に示す待機画面110の入浴見守りボタン118をタッチすると、給湯リモコン3は、図8に示す入浴見守り設定画面180を操作パネル32に表示させる。ユーザは、ユーザ登録ボタン181にタッチして、図示しないユーザ登録画面を表示させ、ユーザ情報を入力する。給湯リモコン3は、操作パネル32に入力されたユーザ情報の入力を受け付けると、入力されたユーザ情報をクラウドサーバ5に送信し、ユーザテーブル73に記憶させる。
ユーザテーブル73は、例えば図7に示すように、ユーザIDの記憶領域731と、ユーザ名の記憶領域732と、人物情報の記憶領域733と、持病の有無の記憶領域734と、仮想画像の記憶領域735を有する。ユーザIDの記憶領域731には、ユーザを識別するための情報が記憶される。ユーザ名の記憶領域732には、ユーザの名前が登録される。人物情報の記憶領域733には、ユーザの特徴に関する人物情報が記憶される。人物情報には、例えば、性別、年齢、身長、体重などが含まれる。持病の有無の記憶領域734には、心疾患や呼吸器疾患や高血圧などの持病がある場合には「有」、そのような持病がない場合には「無」が記憶される。
仮想画像の記憶領域735には、仮想画像に関する仮想画像情報が記憶される。仮想画像情報は、例えば、キャラクターを特定する情報や、赤外線カメラ55が撮影した入浴者204の画像をぼかすことを指示する情報である。入浴見守りアプリ71は、赤外線カメラ55によって撮影した入浴者204の画像を加工せずに給湯リモコン3に表示させると、個人のプライバシーが損なわれる可能性がある。一方、給湯リモコン3を見た人は、表示される画像から誰が入浴しているかや、入浴者204がどのように入浴しているかなどを、認識できると、便利である。例えば、お爺さんの入浴途中に帰宅したお父さんでも、給湯リモコン3の画像を見て、お爺さんが入浴していることが分かると良い。入浴者204に注意を払う人が増える程、浴室200内で発生する傷病事故の重症化を防ぐことが可能になるからである。そこで、ユーザテーブル73は、ユーザ別に仮想画像を記憶している。
テンプレート74は、給湯リモコン3に表示可能な仮想画像を記憶するものである。給湯リモコン3は、例えば、テンプレート74が記憶する仮想画像を操作パネル32に表示させて、仮想画像の選択をユーザに促し、ユーザが操作パネル32を操作して選択した仮想画像を、仮想画像の記憶領域735に記憶させても良い。また、給湯リモコン3は、ユーザテーブル73に記憶された人物情報から、自動的にテンプレート74から仮想画像を選択し、仮想画像の記憶領域735に記憶させても良い。例えば、給湯リモコン3は、図7のP1に示す人物情報の性別や年齢等から、ユーザが「お爺さん」であると判断し、お爺さんのキャラクター画像をテンプレート74から選択して、仮想画像の記憶領域735に記憶させても良い。
尚、図1に示すクラウドサーバ5は、入浴見守りアプリ71の他、太陽光発電装置6Bや蓄電器6CやHEMS6Dなど、給湯器2が設置される家庭で使用される外部機器6の制御プログラムを記憶しても良い。これによれば、外部機器6の制御プログラムをクラウドサーバ5に記憶させ、外部機器6を給湯リモコン3に接続するだけで、給湯リモコン3が、外部機器6に関する情報を操作パネル32に表示させたり、外部機器6を遠隔操作したりすることが可能になる。つまり、既存の給湯システム1のハード構成を殆ど変更させずに、プログラムの追加のみで、給湯リモコン3に外部機器6のリモコン機能を集約させることができる。
(入浴見守り動作の概要)
続いて、給湯リモコン3により実行される入浴見守り動作の概要を図面を参照しながら説明する。ここでは、お母さんが台所で夕食の準備をしているときに、お爺さんが入浴する事例を挙げて、説明する。
例えば、図8に示す入浴見守り設定画面180にて、入浴見守り実行指示欄182に「入浴見守りをする」と設定され、且つ、入浴見守り開始設定欄184に「手動」が設定されている場合、入浴見守り開始ボタン186が有効化されている。お爺さんがお風呂に入る前に、お爺さんやお母さんが、入浴見守り開始ボタン186をタッチすると、給湯リモコン3が、赤外線カメラ55が撮影した画像を受信して、浴室200への入室を監視し始める。お爺さんが浴室200に入ると、給湯リモコン3が、赤外線カメラ55が撮影した画像から入室を検知する。すると、給湯リモコン3は、赤外線カメラ55によって撮影したお爺さんの画像を仮想画像A5に置換して、操作パネル32に表示させる。
お爺さんが、洗い場201で体を洗ったり、シャワーを浴びたりして、異常を生じていない場合、給湯リモコン3は、例えば図9に示すように、入浴者204の画像121(仮想画像A5)を浴槽202の画像122の横に表示した洗い場表示画面120を、操作パネル32に表示させる。また、お爺さんが浴槽202に入り、湯203から頭を出して入浴する場合、給湯リモコン3は、例えば図10に示すように、入浴者204(仮想画像A5)の頭が浴槽202から出ている画像131を含む浴槽表示画面130を、操作パネル32に表示させる。
これに対して、お爺さんが洗い場201で倒れた場合、給湯リモコン3は、例えば図11に示すように、入浴者204(仮想画像A5)が横たわった画像141を浴槽202の画像122の横に表示した洗い場表示画面140を、操作パネル32に表示させる。
また、お爺さんの頭が浴槽202の湯203に半分沈んでいる場合、給湯リモコン3は、例えば図12に示すように、入浴者204(仮想画像A5)の頭が浴槽202に半分隠れている画像161を含む浴槽表示画面160を、操作パネル32に表示させる。
更に、お爺さんの頭が浴槽202の湯203に全部沈んでいる場合、給湯リモコン3は、例えば図13に示すように、入浴者204(仮想画像A5)の頭が浴槽202に殆ど全部隠れている画像171を含む浴槽表示画面170を、操作パネル32に表示させる。
このように、給湯システム1は、人を特定できる程度の表示能力を有する給湯リモコン3の操作パネル32に、赤外線カメラ55によって撮影したお爺さんの画像を表示させるので、お母さんが、台所で夕食の準備をしながらお爺さんの入浴の状態を見守ることができる。そして、お爺さんが洗い場201で転倒した場合には、図11に示すように、お爺さんが倒れていることを示す画像141を操作パネル32に表示させ、また、お爺さんが浴槽202で溺れている場合には、図12、図13に示すように、頭が浴槽202に隠れた画像161,171を操作パネル32に表示させることによって、お爺さんの異常を給湯リモコン3に報知させるので、お母さんは、給湯リモコン3の操作パネル32の表示内容からお爺さんの異常状態を速やかに把握し、対応することができる。よって、給湯システム1によれば、お母さんが、浴室200に居なくても、お爺さんの入浴を適切に見守ることができる。
続いて、給湯システム1が行う入浴見守り処理の手順を、図14〜図16を参照しながら説明する。給湯システム1は、入浴見守り開始設定欄184に「自動」が設定される場合には、浴室200に入浴者204がいることを検知したことを契機として、また、入浴見守り開始設定欄184に「手動」が設定される場合には、入浴見守り開始ボタン186がタッチされて「ON」されたことを契機として、給湯リモコン3のCPU41が、通信IF36を制御して、クラウドサーバ5に接続する。そして、CPU41は、クラウドサーバ5からRAM43に入浴見守りアプリ71をダウンロードして起動させ、図14に示す処理を実行する。
先ず、CPU41は、入浴見守り開始設定が「自動」か、それとも、入浴見守り開始ボタン186が「ON」されたか、を判断する(S100)。例えば、図8に示す入浴見守り開始設定欄184に「手動」が設定された状態で、入浴見守り開始ボタン186がタッチされない場合には、CPU41は、入浴見守り開始設定が「自動」でなく、且つ、入浴見守り開始ボタン186が「ON」されていない、と判断し(S100:NO)、図14に示す処理を終了する。
これに対して、例えば、図8の入浴見守り開始設定欄184に「自動」が設定される場合には、CPU41は、入浴見守り開始設定が「自動」であると判断する(S100:YES)。また、入浴見守り開始設定欄184に「手動」が設定された状態で、入浴見守り開始ボタン186がタッチされた場合には、CPU41は、入浴見守り開始ボタン186が「ON」されたと判断する(S100:YES)。これらの場合、CPU41は、通信IF36を制御して、給湯器2を介して風呂リモコン4にシャッター56を開くコマンドを送信し、シャッター56を開かせる。そして、CPU41は、給湯器2を介して風呂リモコン4から、赤外線カメラ55が撮影した画像の受信を開始する(S101)。
そして、CPU41は、浴室入室を検知したか否かを判断する(S102)。すなわち、CPU41は、S101にて受信し始めた赤外線カメラ55の画像に基づいて、入浴者204を検知できるか否かを判断する。CPU41は、画像に基づいて入浴者204を検知できない場合には、浴室入室を検知しないと判断し(S102:NO)、図2に示すように、待機画面110を操作パネル32に表示させた後(S113)、S100に戻る。
これに対して、CPU41は、画像に基づいて入浴者204を検知できた場合には、浴室入室を検知したと判断し(S102:YES)、図3に示す入浴見守りOFFボタン54Aが長押しされたか否かを判断する(S103)。つまり、入浴者204が見守りを拒否したか否かを判断する。
CPU41は、入浴見守りOFFボタン54Aが長押しされたことを検知すると(S103:YES)、S110に進み、通信IF36を制御して、給湯器2を介して風呂リモコン4にシャッター56を閉じるコマンドを送信し、シャッター56を閉じさせる。そして、CPU41は、給湯器2を介して風呂リモコン4から、赤外線カメラ55が撮影した画像の受信を停止する。これにより、給湯リモコン3は、物理的、且つ、制御的に、赤外線カメラ55が撮影した画像を取得ができなくなり、入浴者204の画像を表示しなくなる。そのため、例えば、浴室入室を検知すると、自動で入浴の見守りを行う場合でも、入浴者204は、入浴見守りOFFボタン54Aを長押しすることにより、自分の入浴の様子が給湯リモコン3に表示されることを防ぎ、プライバシーを守ることができる。その後、CPU41は、待機画面110を操作パネル32に表示させたり、操作パネル32をスリープ状態にしたりして、待機状態に戻り(S111)、処理を終了する。
一方、CPU41は、入浴見守りOFFボタン54Aの長押しを検知しない場合には(S103:NO)、入浴者204に対応する仮想画像を取得する(S104)。仮想画像は、ユーザで共通のものを使用しても良い。また、仮想画像は、ユーザが入浴前に給湯リモコン3を操作して設定するようにしても良い。更に、仮想画像は、例えば、CPU41が、S102にて取得した入浴者204の画像から身体的特徴(身長、体重など)を分析し、その分析結果をクラウドサーバ5に送信して仮想画像の返信を要求するようにしても良い。この場合、例えば、クラウドサーバ5は、給湯リモコン3から受信した身体的特徴をユーザテーブル73に記憶される人物情報に照合してユーザを特定し、特定したユーザに関連付けて記憶された仮想画像を、給湯リモコン3に返信するようにしても良い。尚、CPU41は、クラウドサーバ5からユーザテーブル73をダウンロードし、ユーザ特定や仮想画像の抽出を給湯リモコン3側で行うようにしても良い。
それから、CPU41は、例えば図9に示す洗い場表示画面120を操作パネル32に表示させる(S105)。そして、CPU41は、入浴を検知したか否かを判断する(S106)。具体的には、CPU41は、風呂リモコン4から給湯器2を介して受信している赤外線カメラ55の画像に基づいて、入浴者204が洗い場201にいるか、入浴者204が浴槽202にいるか、を検知する。
CPU41は、赤外線カメラ55の画像に基づいて、入浴者204が浴槽202にいることを検知すると、入浴を検知したと判断する(S106:YES)。この場合、CPU41は、浴槽202にいる入浴者204の状態を見守る入浴監視処理を実行した後(S107)、S108に進む。入浴監視処理については後述する。
S107の入浴監視処理が完了すると、CPU41は、退室を検知したか否かを判断する(S108)。CPU41は、赤外線カメラ55が撮影した画像に基づいて、入浴者204を検知する場合には、退室を検知しないと判断し(S108:NO)、S105に戻る。S105以降の処理は、上述したので説明を省略する。
一方、CPU41は、赤外線カメラ55が撮影した画像に基づいて、入浴者204を検知しなくなった場合には、退室を検知したと判断し(S108:YES)、ヒートショックを防ぐためのお知らせを、風呂リモコン4に報知させる(S109)。ヒートショックのお知らせには、例えば、風呂上がりに水を飲むことや、浴室200との温度差を小さくすることなどが含まれる。
その後、CPU41は、S110に進む。S110以降の処理は、上述したので、説明を割愛する。
上記に対して、CPU41は、赤外線カメラ55の画像に基づいて、入浴者204が洗い場201にいることを検知すると、入浴を検知しないと判断する(S106:NO)。この場合、CPU41は、洗い場201にいる入浴者204の画像を給湯リモコン3に表示させることによって、洗い場201にいる入浴者204の状態を見守る転倒監視処理を実行する(S112)。転倒監視処理については、後述する。
S112の転倒監視処理が完了すると、CPU41は、S110に進む。S110以降の処理は、上述したので説明を省略する。
続いて、転倒監視処理の手順について、図15を参照して説明する。
CPU41は、転倒姿勢を検知したか否かを判断する(S201)。具体的には、CPU41は、赤外線カメラ55の画像から入浴者204の輪郭を抽出し、輪郭の姿勢が倒れた姿勢であるか否かを判断する。
CPU41は、画像から抽出した入浴者204の輪郭の姿勢が倒れた姿勢でないと判断した場合には、転倒姿勢を検知しないと判断する(S201:NO)。この場合、CPU41は、入浴を検知したか否かを判断する(S202)。S202の処理は、図14のS106の処理と同様なので説明を省略する。
CPU41は、入浴を検知しない場合には(S202:NO)、退室を検知したか否かを判断する(S203)。S203の処理は、図14のS108の処理と同様なので、説明を割愛する。CPU41は、退室を検知しない場合には(S203:NO)、S201に戻る。つまり、例えば、入浴者204が浴室200に入室した後、洗い場201で体を洗ったり、洗髪したりする場合、CPU41は、転倒姿勢を検知せず、何も発報せずに、図9に示す洗い場表示画面120を操作パネル32に表示させる。これにより、入浴者204以外の人は、操作パネル32の表示を見て、入浴者204が正常な状態で洗い場201にいることを確認できる。
これに対して、CPU41は、入浴を検知する場合には(S202:YES)、図14のS107に進み、入浴監視処理を実行する。つまり、例えば、入浴者204が洗い場201で体を洗ったり、洗髪した後、浴槽202に入ると、CPU41は、図9に示す洗い場表示画面120を図10に示す浴槽表示画面130に切り換えて操作パネル32に表示させる。S107の入浴監視処理については、後述する。
尚、CPU41は、洗い場201にいる入浴者204が退室したことを検知すると(S203:YES)、ヒートショックのお知らせをした後(S204)、図14のS110に進む。つまり、例えば、入浴者204がシャワーだけを済ませて退室した場合や、浴槽202の湯203に浸かってから洗い場201に出て、退室した場合には、S204以降の処理を行う。S204の処理は、図14のS109の処理と同様であり、S110以降の処理は上述したので、説明を省略する。
上記に対して、CPU41は、画像から抽出した入浴者204の輪郭の姿勢が倒れた姿勢である場合には、転倒姿勢を検知したと判断する(S201:YES)。この場合、CPU41は、転倒時間の計測を開始する(S205)。そして、CPU41は、転倒時間が20秒以上であるか否かを判断する(S206)。
入浴者204が転倒してから20秒が経過していない場合、CPU41は、転倒時間が20秒以上でないと判断し(S206:NO)、転倒が解消したか否かを判断する(S208)。CPU41は、入浴者204の輪郭が倒れた姿勢から変化しない場合には、転倒が解消しないと判断する(S208:NO)。この場合、CPU41は、転倒時間が5秒以上であるか否かを判断する(S211)。
転倒時間が5秒以上でない場合には(S211:NO)、CPU41は、S206に戻る。つまり、CPU41は転倒状態の監視を続ける。例えば、足を滑らせて転倒したが、直ぐに立ち上がったため、転倒時間が5秒未満である場合、CPU41は、転倒注意報を発報していない状態で転倒解消を検知する(S208:YES、S209:NO)。この場合、CPU41は、S201に戻り、転倒姿勢であるか否か、つまり、再び転倒したか否かを判断する。
これに対して、CPU41は、転倒時間が5秒以上である場合には(S211:YES)、「転倒注意報」を発報する(S212)。例えば、CPU41は、給湯器2を介して風呂リモコン4に、「転倒注意報」を報知するコマンドを送信する。このコマンドを受信した風呂リモコン4は、「転倒注意報」に関するメッセージを液晶パネル53に表示させたり、スピーカ57から音声出力したりする。また、風呂リモコン4は、スピーカ57からブザー音を出力させる。これにより、転倒した入浴者204は、自分が転倒していることに早く気付き、風呂リモコン4のマイク58を通じて、給湯リモコン3の近くにいる人に助けを求めることができる。
尚、本形態では、給湯リモコン3は、不要な鳴動を避けるために、「転倒注意報」をスピーカ34から音声出力しないが、スピーカ34から「転倒注意報」を音声出力するようにしても良い。「転倒注意報」を給湯リモコン3のスピーカ34から音声出力するか否かは、ユーザが適宜選択できるようにしても良い。
一方、図15に示すように、転倒時間が5秒以上経過した後、20秒以上経過する前に(S211:YES、S206:NO)、赤外線カメラ55が撮影した画像から抽出した入浴者204の輪郭が、倒れた姿勢から変化した場合、CPU41は、転倒が解消されたと判断する(S208:YES)。この場合、CPU41は、「転倒注意報」が発報中であるため(S209:YES)、「転倒注意報」を自動的に停止させる(S210)。例えば、入浴者が、転倒してから5秒以上経過し、20秒経過する前に、立ち上がった場合、CPU41は、既に発報されている転倒注意報を停止させてから、S201に戻り、再び転倒の検知を行う。S201以降の処理は、上述したので説明を省略する。これにより、CPU41は、転倒者が立ち上がった後に「転倒注意報」が発報され続けることがなく、入浴者204に不快感を与えることを回避できる。尚、「転倒注意報」の停止は、自動でなく、発報停止ボタン54Bを押下することにより、手動で行うようにしても良い。
上記に対して、CPU41は、転倒時間が20秒以上経過した場合には(S206:YES)、「転倒警報」を発報する(S207)。例えば、CPU41は、図11に示す洗い場表示画面140を操作パネル32に表示させたり、「転倒警報」をスピーカ34から音声出力する。入浴者204以外の者は、洗い場表示画面140に表示される倒れた人の画像141やメッセージ142を見たり、スピーカ34から発せられる音声出力により、入浴者204が洗い場201に倒れていることに早く気付き、対応することができる。これにより、心臓発作や脳梗塞などにより洗い場201で倒れた入浴者204が、長時間放置され、傷病を重症化させることを防止できる。また、CPU41は、クラウドサーバ5に接続する情報処理装置10に異常を通知してもよい。この場合、情報処理装置10の管理者は、入浴者204の関係者や消防署などに異常を電話連絡することによって、入浴者204の傷病が重症化するのを防止できる。
その後、CPU41は、図14のS110に進み、待機状態に戻る。CPU41は、待機状態に戻る際に、「転倒警報」を自動停止させる。CPU41は、図11に示す警報停止ボタン145がタッチされることにより、「転倒警報」を手動停止させるようにしても良い。そして、CPU41は、処理を終了する。
続いて、入浴監視処理の手順について、図16を参照して説明する。
CPU41は、図14にて入浴を検知すると(S106:YES)、図16に示すように、推奨入浴時間を取得する(S301)。例えば、CPU41は、図14のS104を実行する際に分析した身体的特徴をクラウドサーバ5に送信し、推奨入浴時間の送信を要求する。クラウドサーバ5は、給湯リモコン3から受信した身体的特徴をユーザテーブル73に照合してユーザを特定しても良い。そして、クラウドサーバ5は、特定したユーザの人物情報を設定値テーブル72に照合して推奨入浴時間を抽出し、給湯リモコン3に送信する。給湯リモコン3は、通信IF36を制御して、クラウドサーバ5から受信した推奨入浴時間をRAM43に記憶する。尚、CPU41は、入浴見守りアプリ71と一緒に設定値テーブル72とユーザテーブル73をクラウドサーバ5から取得し、給湯リモコン3側で推奨入浴時間を設定するようにしても良い。
例えば、CPU41は、赤外線カメラ55が撮影したお爺さんの画像から、お爺さんの身長や体重などの身体的情報を取得し、クラウドサーバ5に送信する。クラウドサーバ5は、給湯リモコン3から受信した身体的特徴に基づいて、入浴者204がお爺さんであることを特定する。この場合、クラウドサーバ5は、図7のP1に示すお爺さんのテーブルから、性別が「男性」であること、年齢が「80歳」であること、持病が「有る」ことなどを抽出する。そして、図6のP2に示すように、抽出した情報を設定値テーブル72に当てはめることにより、「80歳以上」で「持病、有り」の男性の推奨入浴時間「10分」を抽出する。クラウドサーバ5は、抽出した推奨入浴時間を給湯リモコン3に返信する。給湯リモコン3は、受信した推奨入浴時間をRAM43に記憶する。
推奨入浴時間を取得すると、CPU41は、入浴時間の計測を開始する(S302)。そして、CPU41は、浴槽表示画面を操作パネル32に表示させる(S303)。CPU41は、例えば図10に示す浴槽表示画面130を操作パネル32に表示させる。浴槽表示画面130には、浴槽から頭を出した画像131と、入浴に関する情報132が表示されている。入浴に関する情報132には、例えば、S301で取得した推奨入浴時間(例えば10分)や、入浴者204に負荷がかからない湯203の温度(推奨湯温、例えば39℃)や、S302にて計測する入浴時間(例えば5分)や、赤外線カメラ55が測定した入浴者204の体温(例えば37℃)や、浴槽202内の湯の温度(40℃)などが含まれる。よって、入浴者204以外の者は、この情報132から、入浴者204が体に無理のない入浴をしているか確認できる。
それから、CPU41は、赤外線カメラ55の画像から入浴者204の頭部の輪郭と水面位置を抽出し、頭部が半分より多く水面に出ているか否かを判断する(S304)。頭部の半分を基準にするのは、頭部が半分より多く水面に出ている場合、口や鼻孔が水面に出て、溺れている可能性が低いと考えられるからである。CPU41は、頭部が半分より多く水面に出ていると判断した場合(S304:YES)、S318〜S322に示すのぼせ対策処理を実行する。
すなわち、CPU41は、S302にて計測を開始した入浴時間が、S301にて取得した推奨入浴時間以上であるか否かを判断する(S318)。入浴時間が推奨入浴時間未満である場合には(S318:NO)、のぼせる可能性が低いので、CPU41は、S304に戻り、入浴の状態を監視し続ける。
これに対して、入浴時間が推奨入浴時間以上である場合には(S318:YES)、のぼせる可能性がある。のぼせてしまうと、浴槽202から出たときに洗い場201で転倒したり、浴槽202内で気を失って溺れたりする恐れがある。そのため、このような場合には、のぼせに対する注意を入浴者204に喚起することが望ましい。
そこで、CPU41は、「のぼせ注意報」を発報済みであるか否かを判断する(S319)。例えば、お爺さんが浴槽202の湯203に浸かってから、S301で取得した推奨入浴時間「10分」が経過したとき、「のぼせ注意報」が発報されていない。この場合(S319:NO)、CPU41は、「のぼせ注意報」を発報させる。すなわち、CPU41は、給湯器2を介して風呂リモコン4に、「のぼせ注意報」を発報させるコマンドを送信する。のぼせ注意報は、例えば、風呂リモコン4のスピーカ57からメッセージやブザーなどを音声出力させることにより行う。また、CPU41は、図10に示すように、入浴に関する情報132に、推奨入浴時間と入浴時間とを表示させてもよい。更に、CPU41は、図10に示すメッセージボタン133がタッチされることにより、情報132より詳細な「のぼせ注意報」を操作パネル32に表示させるようにしても良い。給湯リモコン3自体が、「のぼせ注意報」を発報することにより、長湯に対する注意を入浴者204以外の者に喚起するので、入浴者204以外の者の操作パネル32に対する関心を高めることができる。
そして、CPU41は、「のぼせ注意報」の発報を停止させる指示を受け付けたか否かを判断する(S322)。CPU41は、例えば図3に示す発報停止ボタン54Bが押下されるまでは、発報を停止させる指示の入力を受け付けないので(S322:NO)、「のぼせ注意報」を発報し続ける。一方、例えば図3に示す発報停止ボタン54Bが押下されると、CPU41は、発報を停止させる指示の入力を受け付け(S322:YES)、「のぼせ注意報」の発報を停止させる(S311)。
それから、CPU41は、入浴者204が浴槽202から出たか否かを判断する(S312)。CPU41は、赤外線カメラ55の画像から入浴者204が洗い場201にいることを検知すると、入浴者204が浴槽202から出たと判断する(S312:YES)。すると、CPU41は、例えば、図10に示す浴槽表示画面130を図9に示す洗い場表示画面120に切り換えて、操作パネル32に表示させる(S313)。その後、CPU41は、図14に示すS112に進み、転倒監視処理を行う。
一方、CPU41は、赤外線カメラ55の画像から入浴者204が浴槽202にいることを検知すると、入浴者204が浴槽202から出ていないと判断する(S312:NO)。この場合、CPU41は、S304に戻り、引き続き、入浴の状態を監視する。
その後も、入浴者204が水面から頭部を出して入浴し続けた場合、CPU41は、入浴時間が推奨入浴時間以上であると判断する(S318:YES)。この場合、CPU41は、「のぼせ注意報」を発報済みであるので(S319:YES)、前回の「のぼせ注意報」を発報後、所定時間が経過したか否かを判断する(S320)。CPU41は、前回の「のぼせ注意報」を発報後、所定時間が経過していない場合には(S320:NO)、S304に戻り、「のぼせ注意報」を再発報することなく、入浴の監視を継続する。これに対して、CPU41は、前回の「のぼせ注意報」を発報後、所定時間が経過した場合には(S320:YES)、S321に進み、「のぼせ注意報」を再発報する。S321以降の処理は、上述したので説明を省略する。よって、給湯リモコン3は、入浴時間が推奨入浴時間を過ぎると、所定時間間隔(例えば5分間隔)で「のぼせ注意報」を発報し、のぼせに対する注意を入浴者204に喚起し続けることができる。
上記に対して、CPU41は、頭部が半分より多く水面に出ていない場合には(S304:NO)、S305〜S311、S314〜S316の処理を実行し、溺水を監視する。頭部の半分を基準にするのは、頭部の半分が沈むと、多くの人は口の鼻孔が水没して、溺れる可能性が高くなるからである。
具体的に説明すると、CPU41は、頭部が半分より多く出ていないと判断すると(S304:NO)、水没時間の計測を開始する(S305)。そして、頭部が湯203に半分沈んでいるか、それとも、頭部が湯203に全部沈んでいるかを判断する(S306)。全部と半分とで処理を分ける理由は、頭部が全部沈む場合の方が、頭部が半分沈む場合より、溺死する可能性が高く、早期対応が必要になるからである。
頭部が湯203に全部沈んでいる場合には(S306:全部)、CPU41は、直ぐに「溺水注意報」を発報する。例えば、CPU41は、通信IF36を制御して、給湯器2を介して風呂リモコン4に、「溺水注意報」を発報するコマンドを送信する。風呂リモコン4は、例えば、「溺水注意報」に関するメッセージや警報音をスピーカ57から出力する。これにより、例えば、居眠りにより頭部が湯203に沈んだ場合でも、入浴者204が音声に気付いて頭部を湯203から出すことが可能になる。つまり、溺死を未然に防止できる。
その後、CPU41は、水没時間が3秒以上経過したか否かを判断する(S315)。水没時間が3秒未満である場合には(S315:NO)、CPU41は、頭部が水面に出たか否かを判断する(S316)。
CPU41は、頭部が水面に出たと判断した場合には(S316:YES)、S314にて発報した「溺水注意報」を停止させる(S311)。つまり、CPU41は、発報を停止させるコマンドを給湯器2を介して風呂リモコン4に送信する。入浴者204が発報に気付いて水面に頭部を出すことにより注意報が自動停止されるので、不快な注意報が継続されない。その後、CPU41は、S312に進む。S312以降の処理は、上述したので、説明を省略する。
一方、CPU41は、水没時間が3秒以上経過したと判断した場合には(S315:YES)、「溺水警報」を発報する。例えば、CPU41は、図13に示す浴槽表示画面170を操作パネル32に表示させる。操作パネル32を見た者は、頭部が浴槽202に全部沈んでいることを示す画像171や、「入浴者が溺れています。至急浴室へ行って下さい。」などの溺水の危険や対応策を通知するメッセージ172を見て、入浴者204が溺れていることをリアルタイムに把握し、素早く対応することができる。
溺水警報を発報したCPU41は、図14に戻り、退室を検知したか確認する(S108)。S108以降の処理は上述したので、説明を割愛する。尚、「溺水警報」は、待機状態に戻る際に自動停止させても良いし、図13に示す警報停止ボタン175をタッチすることにより、停止させても良い。
上記に対して、CPU41は、頭部が湯203に半分沈んでいると判断した場合には(S306:半分)、S305にて計測を開始した水没時間が30秒以上であるか否かを判断する。CPU41は、水没時間が30秒以上でないと判断した場合には(S307:NO)、水没時間が10秒以上であるか否かを判断する(S308)。CPU41は、水没時間が10秒以上でないと判断した場合には(S308:NO)、頭部が水面に出たか否かを判断する(S318)。頭部が水面に出た場合には、(S318:YES)、「溺水注意報」を発報することなく、S312に進む。S312以降の処理は説明したので、説明を省略する。一方、CPU41は、水没時間が10秒以上経過しておらず(S308:NO)、かつ、頭部が水面から出ない場合には(S318:NO)、S307に戻り、水没状態の監視を続ける。
CPU41は、水没時間が30秒未満で(S307:NO)、かつ、10秒以上である場合には(S308:YES)、「溺水注意報」を発報する(S309)。例えば、CPU41は、警報音や警報メッセージなどを音声出力するコマンドを、給湯器2を介して風呂リモコン4に送信し、スピーカ57から出力させる。風呂リモコン4のみから「溺水注意報」を発報することで、不要な鳴動が給湯リモコン3から発せられることを防止できる。尚、「溺水注意報」を操作パネル32に表示したり、スピーカ34から音声出力するなどして、給湯リモコン3から発生するようにしても良い。
それから、CPU41は、頭部が水面に出たか否かを判断する(S310)。例えば、居眠りした入浴者204が頭部の半分を湯203に沈ませたが、「溺水注意報」に気が付いて目を醒まし、頭部を水面から出した場合には(S310:YES)、CPU41は、発報を停止させる(S311)。S311以降の処理は、上述したので、説明を割愛する。
これに対して、頭部が水面に出ない場合には(S310:NO)、CPU41は、S307に戻る。頭部の半分が湯203に沈んでから30秒以上が経過すると、CPU41は、「溺水警報」を発報する(S317)。例えば、CPU41は、図12に示す浴槽表示画面160を操作パネル32に表示させる。操作パネル32を見た者は、頭部が浴槽に半分沈んでいることを示す画像161や、「入浴者が溺れかけています。入浴者の状態を確認して下さい。」などの溺水の危険や対応策を通知するメッセージ162を見て、入浴者204が溺れかけていることをリアルタイムに把握し、迅速に対応することができる。
「溺水警報」を発報したCPU41は、図14に戻り、退室を検知したか確認する(S108)。S108以降の処理は上述したので、説明を割愛する。尚、「溺水警報」は、待機状態に戻る際に自動停止しても良いし、図12に示す警報停止ボタン163をタッチすることにより行っても良い。
尚、図14のS104、S105、図16のS303、S313は、第1の表示手段の一例である。図15のS201、S205、S206、S208、S211、図16のS304〜S308、S315は、異常検出手段の一例である。図15のS207、S212、図16のS309、S314、S317は、異常報知手段の一例である。図14のS106は、判定手段の一例である。図14のS102は受付手段の一例である。図14のS113は、第2の表示手段の一例である。図14のS102は切換手段の一例である。図16のS301の処理は、ユーザ選択手段、抽出手段の一例であり、S321の処理は、のぼせ報知手段の一例である。
以上説明したように、本形態の給湯システム1は、(1)湯を供給する給湯器2と、給湯器2を遠隔操作する給湯リモコン3とを備える給湯システム1であって、CPU41と、浴室200を撮影する赤外線カメラ55と、を有すること、給湯リモコン3は、操作パネル32を有すること、CPU41は、赤外線カメラ55が撮影した入浴者204の画像を操作パネル32に表示させること(図4のS105、図15のS303,S313)、入浴者204に異常が発生したことを検出すること(図15のS206、S208,S211、図16のS304〜S309、S315)と、異常検出手段が異常を検出した場合に、給湯リモコン3に異常を報知させること(図15のS207、S212、図16のS309、S314、S317)、を特徴とする。
上記のような給湯器2と給湯リモコン3を備える給湯システム1では、給湯リモコン3の操作パネル32に、赤外線カメラ55によって撮影した入浴者204の画像を表示させるので、入浴者204以外の者が、浴室200と別の場所で入浴者204の状態を見守ることができる。すなわち、例えば、給湯リモコン3が台所の壁に設置される場合には、入浴者204の異常の有無に関わらず、家族が夕食の準備をしながら入浴者204の状態を見守ることができる。そして、入浴者204が異常を発生した場合には、給湯リモコン3が異常を報知するので、入浴者204以外の者は、入浴者204の異常を速やかに把握し、対応することができる。よって、上記給湯システム1によれば、入浴者204以外の者が、小さい負担で、入浴者204の入浴を適切に見守ることができる。
(2)(1)に記載する給湯システム1において、給湯リモコン3は、ドアホンの子機6Aに接続しており、子機6Aが撮影した訪問者の画像を操作パネル32に表示すること、を特徴とする。
上記構成では、給湯リモコン3の操作パネル32が、人物を特定できる程度の表示能力を有するので、入浴者204の状態をより分かりやすく操作パネル32に表示させることができる。
(3)(1)又は(2)に記載する給湯システム1において、CPU41は、赤外線カメラ55が撮影した画像に基づいて、入浴者204が洗い場201にいるか浴槽202にいるかを判定し(図14のS106)、入浴者204が洗い場201にいると判定した場合には、洗い場201を中心とする洗い場表示画面120を操作パネル32に表示させ、入浴者204が浴槽202にいると判定した場合には、浴槽202を中心とする浴槽表示画面130を操作パネル32に表示させること、を特徴とする。
このような給湯システム1は、浴室200全体の中で入浴者204を表示させる場合と比べ、給湯リモコン3の操作パネル32に入浴者204を大きく表示できるので、入浴者204の状態を確認しやすい。例えば、入浴者204以外の者は、家事などと並行して見守りを行う場合でも、操作パネル32を一見すれば、入浴者204の状態を簡単に把握できる。
(4)(1)乃至(3)の何れか1つに記載する給湯システム1において、CPU41は、入浴の見守りを開始する開始指示を受け付けること(図14のS102)、給湯に関する情報と給湯設備以外の設備に関する情報の少なくとも1つを表示する待機画面110を操作パネル32に表示させること(図14のS113)、開始指示を受け付けた場合に、待機画面110を、洗い場表示画面120に切り替えること(図14のS113)、を特徴とする。
このような給湯システム1は、実際に入浴する場合に、赤外線カメラ55によって撮影した画像を給湯リモコン3の操作パネル32に表示させるので、入浴者204がいない浴室200を無駄に操作パネル32に表示させてエネルギーを消費することを回避できる。
(5)(1)乃至(4)の何れか1つに記載する給湯システム1において、赤外線カメラ55が撮影した画像の中から入浴者204を検出し、入浴者204の画像を仮想画像に置換して、操作パネル32に表示させること、を特徴とする(図14のS104、S105、図16のS303、S313)。
上記給湯システム1は、入浴者204を仮想画像に置換して給湯リモコン3の操作パネル32に表示させるので、入浴者204のプライバシーが保護される。
(6)(1)乃至(5)の何れか1つに記載する給湯システム1において、入浴の見守りを拒否する入浴見守りOFFボタン54Aを有すること、を特徴とする。
このような給湯システム1では、入浴の見守りが不必要な者は、入浴見守りOFFボタン54Aを用いて入浴の見守りを拒否することによって、自分のプライバシーを守ることができる。
(7)(6)に記載する給湯システム1において、入浴の見守りを開始する開始指示を手動で入力する入浴見守り開始ボタン186を有し、入浴見守り開始ボタン186に開始指示が入力された場合には、入浴見守りOFFボタン54Aを無効化すること、を特徴とする。
上記構成によれば、例えば、持病持ちの高齢者など、入浴の見守りが必要な人が入浴する場合に、入浴見守り開始ボタン186を介して開始指示を手動入力すると、入浴見守りOFFボタン54Aが無効化されるので、入浴の見守りが必要な人の入浴の状態が給湯リモコン3に確実に表示され、浴室200内で発生した傷病事故の重症化を抑制することができる。
(8)(1)乃至(7)の何れか1つに記載する給湯システム1において、浴室を利用するユーザに関する情報を記憶するユーザテーブル73と、入浴者204の特性に応じて推奨する入浴時間を記憶する設定値テーブル72と、を有すること、CPU41は、ユーザテーブル73に記憶されたユーザの中からユーザを選択し、その選択ユーザに関する情報を設定値テーブル72に照合することによって選択ユーザに推奨する入浴時間を抽出し(図16のS301)、入浴時間を計測し、計測した入浴時間が、抽出された入浴時間(推奨入浴時間)より長い場合に、入浴者204にのぼせに関する情報を報知すること(図16のS321)、を特徴とする。
このような給湯システム1によれば、入浴者204がのぼせることを防ぎ、浴室内事故を未然に防止することができる。
(9)(1)乃至(8)の何れか1つに記載する給湯システム1において、浴室200に設置され、給湯器2に接続される風呂リモコン4を有すること、赤外線カメラ55は、風呂リモコン4に一体に設けられていること、を特徴とする。
このような給湯システム1は、赤外線カメラ55が撮影した画像を風呂リモコン4から給湯器2を介して給湯リモコン3に送信できるので、既存の給湯システム1のハード構成を大幅に変更することなく、入浴見守り機能を給湯システム1に追加することができる。つまり、入浴見守りアプリ71を給湯リモコン3にダウンロードし、赤外線カメラ55を備える風呂リモコン4を浴室200に設置すれば、入浴見守り機能を給湯システム1に付加できる。
(10)(1)乃至(9)の何れか1つに記載する給湯システム1において、給湯リモコン3は、CPU41と、通信IF36と、を有すること、洗い場表示画面120や浴槽表示画面130などを表示する第1の表示手段と、入浴者204の異常を検出する異常検出手段と、入浴者204の異常を報知する異常報知手段をCPU41に実行させるための入浴見守りアプリ71を有すること、入浴見守りアプリ71と、入浴見守りアプリ71が利用するデータとが、クラウドサーバ5に記憶されていること、CPU41は、通信IF36を用いて入浴見守りアプリ71にアクセスし、入浴見守りアプリ71を実行すること、を特徴とする。
このような給湯システム1は、入浴見守り機能の実行に必要なプログラムやデータを給湯システム1の外部に設けられたクラウドサーバ5に記憶させるので、給湯システム1側のメモリ負荷を軽減することができる。
(11)(10)に記載する給湯システム1において、異常を検出した場合に、クラウドサーバ5に接続する情報処理装置に、異常を通知すること、を特徴とする。
このような給湯システム1は、入浴者204に異常が発生した場合に、例えば、給湯システム1が設置される家屋の外にいる人にも、クラウドサーバ5を介して、入浴者204の異常を知らせることができる。よって、例えば、家屋の中にいる人が入浴者204の異常に気付かない場合でも、外にいる人が、現場にかけつけたり、家や消防署に電話したりして、入浴者204の異常に対応することができる。これにより、入浴者204の異常に対応できる者が増え、異常を生じた入浴者204が落命したり、重症化したりするのを、防ぐことができる。
上記構成によれば、通信費用をかけずに、第1のリモコンに入浴見守り機能を実行させることができる。
(12)(1)乃至(11)の何れか1つに記載する給湯システム1において、給湯リモコン3は、CPU41と、操作パネル32と、給湯システム1が設置される住宅で使用される外部機器6に接続可能な通信IF36と、を有すること、CPU41は、通信IF36を介して、外部機器6から受信した情報を操作パネル32に表示させ、操作パネル32に入力された指示を受け付けて、通信IF36を介して、外部機器6を遠隔操作すること、を特徴とする。
このような給湯システム1は、外部機器6に関する情報の表示や外部機器6の操作を給湯リモコン3に行わせることができるので、リモコンを集約化して、部屋の内装の美観を向上させることができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、赤外線カメラ55を用いて入浴者204を検知したが、赤外線カメラ55と別に、人感センサを設け、入浴者204の検知を行っても良い。人感センサは、風呂リモコン4に一体に設けても良いし、浴室200の壁に1又は複数設置しても良い。
赤外線カメラ55は、浴室200の天井や壁など風呂リモコン4以外の場所に設置されても良い。赤外線カメラ55は、1台に限らず、複数台を浴室200に設置しても良い。
例えば、上記実施形態では、クラウドサーバ5に入浴見守りアプリ71、設定値テーブル72、ユーザテーブル73を記憶させたが、これらを、給湯リモコン3の不揮発性メモリ44に記憶させても良い。これによれば、通信費用をかけずに、給湯リモコン3に入浴見守り機能を実行させることができる。
例えば、上記実施形態では、CPU41が入浴見守りアプリ71を実行させたが、給湯リモコン3に外付けされるコントローラにより入浴見守りアプリ71を実行させ、給湯リモコン3は画像の表示や入力操作の受け付けのみを行うようにしても良い。
例えば、お爺さんと孫など、複数人が一緒に入浴する場合には、赤外線カメラ55が撮影した画像から個々の身体的特徴を分析し、お爺さんと孫とを区別できる仮想画像を取得して、洗い場表示画面120や浴槽表示画面130等に表示するようにしても良い。この場合、一方が浴槽202にいて、他方が洗い場201にいる場合には、浴室200全体を給湯リモコン3に表示させるようにしても良い。
図15のS206,S211に示す転倒時間の基準値、及び、図16のS307,S308,S315に示す水没時間の判断基準値は、一例であり、適宜変更可能である。
クラウドサーバ5に、ユーザが所持するスマートフォンのメールアドレスや電話番号などの緊急連絡先を登録しておいても良い。この場合、CPU41は、警報を発報する場合に、クラウドサーバ5に登録された緊急連絡先にも、警報を自動発報しても良い。CPU41は、通信IF36を制御して、クラウドサーバ5を介して警報を自動発報しても良いし、クラウドサーバ5を介さずに警報を自動発報するようにしてもよい。これによれば、例えば、外出中の家族でも、入浴者204の異常に気付くことができる。
例えば、上記実施形態では、入浴見守りアプリ71の開始設定を「自動」と「手動」の何れかにユーザが任意に設定するようにしたが、入浴見守りアプリ71の中で「手動」と「自動」の何れか一方に設定しても良い。
例えば、シャッター56を設けなくても良い。入浴見守りアプリ71は、入浴見守りOFFボタン54Aが長押しされた場合に、給湯リモコン3が赤外線カメラ55が撮影した画像を受信しても、操作パネル32に表示しないようにするなどして、制御的に入浴見守り機能を中止するようにしても良い。つまり、シャッター56を設けずに、入浴見守り機能を中止させても良い。
例えば、CPU41は、入浴見守りOFFボタン54Aの長押しでなく、入浴見守りOFFボタン54Aを所定回数連続して押下された場合に、入浴見守り機能を中止するようにしても良い。つまり、入浴見守り機能を中止する際の入浴見守りOFFボタン54Aの操作は、長押しに限らず、他の方法で行っても良い。
例えば、入浴見守り実行指示欄182に「入浴見守りをする」と設定され、入浴見守り開始設定欄184に「手動」が設定され、更に、入浴見守り開始ボタン186がONされた場合には、入浴見守りOFFボタン54Aを無効化しても良い。この場合、例えば、持病持ちのお爺さんが入浴する場合に、家族が、入浴見守り開始ボタン186をONし、開始指示を手動入力する。すると、CPU41は、拒否手段を無効化させる。これにより、例えば、お爺さんが入浴見守りOFFボタン54Aを操作したとしても、CPU41は、その操作を受け付けずに、お爺さんの入浴の状態を操作パネル32に表示させる。よって、家族は、お爺さんが浴室内で転倒したり溺れたりしたときに、そのことに早期に気付き、浴室200内で発生した傷病事故の重症化を抑制できる。
図14のS113の処理を省き、入浴見守り機能を開始する指示を受け付けた後、待機画面110を表示しないようにしても良い。つまり、浴室入室を検知する前後で、待機画面110と洗い場表示画面120とを切り換えないようにしても良い。つまり、洗い場表示画面120を表示し続けるようにして良い。
例えば、赤外線カメラ55が撮影した画像を加工せずに給湯リモコン3に表示させても良い。
例えば、入浴見守りOFFボタン54Aは、給湯リモコン3に設けても良い。また、入浴見守りOFFボタン54Aを省き、入浴見守りを拒否できないようにしても良い。
例えば、図16のS301,S302,S318〜S322の処理を省き、のぼせに関する情報を報知しないようにしてもよい。
例えば、給湯リモコン3は、警報の発報時に、情報処理装置10に異常を報知しなくても良い。
例えば、設定値テーブル72は、身長、体重、BMIなどの体格に応じて、推奨入浴時間を記憶しても良い。さらに、性別や年齢や持病の有無に体格の条件を加えて、推奨入浴時間を記憶しても良い。この場合、ユーザテーブル73に、性別、年齢、持病の有無に加え、さらに、身長や体重などの体格の条件を設定値テーブル72に照合することで、よりユーザに適した推奨入浴時間を設定し、浴室内の傷病事故を減らすことができる。
例えば、給湯リモコン3は、太陽光発電装置6Bや、蓄電器6Cや、HEMS6Dなどに接続されなくても良い。