JP2019173448A - 建材パネル - Google Patents

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高博 二村
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Abstract

【課題】取扱い性(剛性等)、断熱性及び耐火性に優れたサンドイッチ建材パネルを提供する。【解決手段】ハニカムコアを芯材とし、その両面に表面材を備える建材パネルであって、前記ハニカムコアと前記表面材の間に、石膏発泡体が充填されている、建材パネル。【選択図】なし

Description

本発明は、建材パネルに関する。
ハニカムコアを用いた建材パネル(ハニカムパネル)は、サンドイッチ建材パネル、金属サイディングパネル等が代表的であり、ハニカムコアを芯材とし、その片面又は両面に表面材を備える構造を有している。このハニカムパネルは軽量であり、強度(剛性)、断熱性、防音性等に優れているため、室内外の間仕切りやドア等の建具等や、各種家具、黒板、事務用機器のハウジングの他、冷凍倉庫、冷蔵倉庫等の冷却設備における出入口に用いる扉(防火扉等)等にも使用されている。
ハニカムパネルにおいて芯材として使用されるハニカムコアは、通常、シート状の形状を有し、面方向と略直交する方向に延びる多数の貫通孔又は非貫通孔が連ねられた形状を有している。この貫通孔又は非貫通孔の形状は、いわゆるハニカム状と称されている六角形の他、八角形等様々な形状とされている。
このハニカムパネルは、ハニカムコアと表面材とを、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の有機接着剤で接着させて製造する方法が一般に採用されている。しかしながら、このようなハニカムパネルは、その材料特性から、火熱にさらされた場合に有機接着剤が熱分解を起こして接着力を失い剥離することから、断熱性及び耐火性が不十分であり、取扱い性にも難があった。
本発明は、以上のような課題を解決しようとするものであり、取扱い性(剛性等)、断熱性及び耐火性に優れた建材パネルを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ハニカムコアと表面材の間に石膏発泡体を充填することにより、取扱い性(剛性等)、断熱性及び耐火性に優れた建材パネルを提供することが可能であることを見出した。本発明者らは、このような知見に基づきさらに研究を重ね本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の態様を包含する。
項1.ハニカムコアを芯材とし、その両面に表面材を備える建材パネルであって、
前記ハニカムコアと前記表面材の間に、石膏発泡体が充填されている、建材パネル。
項2.前記ハニカムコアが、金属、紙、セラミック材料、プラスチック及びガラスよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、項1に記載の建材パネル。
項3.前記石膏発泡体が、石膏、起泡成分及び強度保持成分を含む、項1又は2に記載の建材パネル。
項4.前記石膏発泡体が、石膏、起泡成分、強度保持成分及び水を含む混和剤組成物の硬化物である、項1〜3のいずれか1項に記載の建材パネル。
項5.前記石膏発泡体が、石膏100質量部に対して、起泡成分を0.15〜5質量部、強度保持成分を0.5〜50質量部含有する、項1〜4のいずれか1項に記載の建材パネル。
項6.前記石膏発泡体の比重が0.30未満である、項1〜5のいずれか1項に記載の建材パネル。
項7.前記起泡成分が界面活性剤である、項3〜6のいずれか1項に記載の建材パネル。
項8.前記強度保持成分が樹脂エマルジョンである、項3〜7のいずれか1項に記載の建材パネル。
項9.サンドイッチ建材パネル又は金属サイディングパネルである、項1〜8のいずれか1項に記載の建材パネル。
項10.項1〜9のいずれか1項に記載の建材パネルを用いた扉構造。
本発明によれば、取扱い性(剛性等)、断熱性及び耐火性に優れた建材パネルを提供することができる。
本明細書において、「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する概念である。また、本明細書において、数値範囲をA〜Bで表記する場合、A以上B以下を示す。
1.建材パネル
本発明の建材パネルは、ハニカムコアを芯材とし、その両面に表面材を備える建材パネルであって、前記ハニカムコアと前記表面材の間に、石膏発泡体が充填されている。
(1−1)ハニカムコア
ハニカムコアは、シート状の形状を有し、面方向と略直交する方向に延びる多数の貫通孔又は非貫通孔が連ねられた形状を有している。
このようなハニカムコアの材質としては、特に限定されず、例えば、ハニカムコアを構成する材料としては、金属、紙、セラミック材料、プラスチック、ガラス等を使用することができる。なかでも、耐火性の観点から、金属製のハニカムコアが好ましい。金属としては、アルミニウム(アルミニウム箔、アルミニウムテープ、アルミニウム紙、アルミニウムライナー紙、アルミニウムラミネート等)、鉄、銅等の他、アルミニウム合金、ステンレス等の合金も使用することができる。紙としては、例えば、中芯原紙、強化中芯原紙、耐水中芯原紙、クラフト紙、Kライナー紙、段ボールシート等を使用することができる。また、セラミック材料としては、例えば、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム等を使用することができる。また、プラスチックとしては、塩化ビニル、ポリプロピレン等の他、強化プラスチック(FRP)として炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、クォーツ繊維強化プラスチック(QFRP)、アラミド繊維強化プラスチック(AFRP)等も使用することができる。ガラスとしては、ガラス繊維等を使用することができる。さらに、これらの材質に樹脂、防炎剤等を含浸した材料を使用することも可能である。これらの材質は、単独で使用することもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
ハニカムコアが有する貫通孔又は非貫通孔の断面の形状は、いわゆるハニカム形状と称されている六角形のもののみに限定されず、八角形、円状、波形、バイアス状、コルゲート形状等の様々な形状を採用することができる。また、単独の形状の貫通孔又は非貫通孔を有することもできるし、2種以上の形状の貫通孔又は非貫通孔を有することもできる。
ハニカムコアが有する貫通孔又は非貫通孔について、セルサイズは特に制限はなく、取扱い性(軽量性、剛性等)、断熱性及び耐火性の観点から、平均で3〜40mmが好ましく、5〜30mmがより好ましい。なお、セルサイズとは、JIS A 6931:1994で規定される、「積層心心間隔。ただし、円形状の場合は積層方向に直角な方向の心心間隔。」を意味する。なお、JIS A 6931:1994はパネル用ペーパーコアに関する規格であるが、本明細書では、紙製以外のハニカムコアのセルサイズについても同様に取り扱う。
このようなハニカムコアの厚みは限定されず、取扱い性(剛性等)、断熱性及び耐火性の観点から、3〜900mmが好ましく、4〜500mmがより好ましく、5〜150mmがさらに好ましい。なお、このような厚みを有する複数枚(例えば2〜10枚)のハニカムコアを重ねることによって総厚みを調整することも可能である。
このようなハニカムコアは、公知又は市販品を使用することができる。
(1−2)表面材
表面材としては、サンドイッチパネル(工場、倉庫等の通規模の産業建築物の外壁、屋根、間仕切りパネル等)に通常使用されるものを使用することができ、例えば、アルミニウム箔、アルミニウムテープ、アルミニウム紙、アルミニウムライナー紙、アルミニウムラミネート、55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標))等が挙げられる。なお、表面材はハニカムコアの両面に備えるため、2枚使用するが、同じものを使用してもよく、異なるものを使用してもよい。なお、表面材の2枚とも55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標))としたものは通常サンドイッチ建材パネルと呼ばれる。また、表面材の1枚を55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標))とし、1枚をアルミニウム箔、アルミニウムテープ、アルミニウム紙、アルミニウムライナー紙、アルミニウムラミネートとしたものは通常金属サイディングパネルと呼ばれる。これらの表面材の厚みは、特に制限はなく、取扱い性(剛性等)の観点から、平均で、0.25〜2.3mmが好ましく、0.3〜1.6mmがより好ましい。
(1−3)石膏発泡体
石膏発泡体は、断熱性及び耐火性に優れている。このため、本発明のサンドイッチ建材パネルは、火災等の場合に延焼を防ぐことができ、自身が燃焼する虞もない。さらに、本発明のサンドイッチ建材パネルは十分断熱することができる。
このような石膏発泡体は、特に制限されるわけではないが、石膏、起泡成分及び強度保持成分を含むことが好ましい。これにより、熱伝導率が低く断熱性能を向上させることができ、耐火性にも優れる。このような石膏発泡体は、石膏を含有する水硬性結合材であり、石膏、起泡成分、強度保持成分及び水を含む混和剤組成物の硬化体とすることが好ましい。このような石膏発泡体は、例えば、上記混和剤組成物から水分を除去して硬化させることで得ることができる。
石膏
石膏は硫酸カルシウムとして理解され、石膏としては、無水石膏、半水石膏、二水石膏等が挙げられる。これらの石膏は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。石膏を用いることで、石膏発泡体に優れた耐火性を付与することが可能である。本発明では、石膏や起泡成分等を配合することにより、発泡石膏体自体の組成中には半水石膏が存在しやすい。この場合、炎があっても半水石膏に存在する水が蒸発することで延焼を防ぎ耐火性を発現することが可能である。
起泡成分
起泡成分は、石膏発泡体を軽量化しつつ、成形性及び断熱性を高めるために添加することが好ましい。また、起泡成分の含有量を調整することにより、得られる石膏発泡体を成形しやすくするとともに、断熱性及び耐火性を向上させることができる。
起泡成分としては、特に制限されないが、界面活性剤が好ましい。界面活性剤としては、例えば、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられる。イオン性界面活性剤としては、例えば、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。イオン性界面活性剤の中でも、後述の強度保持成分、特には樹脂エマルジョンと同じ電荷であり互いの作用を相殺しにくい点で、陰イオン性界面活性剤が好ましい。
陰イオン性界面活性剤の例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等が挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が、起泡性が特に高く、且つ特に安価である点で好ましい。これらの陰イオン性界面活性剤は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
陽イオン性界面活性剤の例としては、例えば、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの陽イオン性界面活性剤は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
両性界面活性剤の例としては、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。これらの両性界面活性剤は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
非イオン性界面活性剤の例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル等が挙げられる。これらの非イオン性界面活性剤は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
石膏発泡体中の起泡成分の含有量は特に限定されないが、石膏100質量部に対して0.15〜5質量部であることが好ましく、0.4〜2.4質量部であることがより好ましい。この範囲とすることにより、コストを過度に高くすることなく、より十分に起泡させて成形性、断熱性及び耐火性をより向上させるとともに、より軽量化させることができる。なお、上記の含有量は、石膏発泡体中の起泡成分の含有量であるが、その原料である混和剤組成物中の起泡成分の含有量も同様とすることが好ましい。
強度保持成分
強度保持成分は、石膏組成物の強度を保持しつつ流動性、成形性及び断熱性を高めるために添加する。
強度保持成分としては、好ましくは樹脂エマルジョンである。樹脂エマルジョンは、水又は水性溶媒中に樹脂を分散させたものであり、公知の方法、例えば乳化剤による乳化重合法又は超音波乳化法等で合成したものを用いることもでき、市販品を使用することもできる。このような樹脂エマルジョンとしては、消泡剤が包含されているものも存在するが、十分に発泡させて流動性及び断熱性をより高める観点からは、消泡剤が包含されていないものが好ましい。ただし、少量であれば、消泡剤が包含されている樹脂エマルジョンを使用することも可能である。
このような樹脂エマルジョンとしては、イオン性樹脂エマルジョン及び非イオン性樹脂エマルジョンのいずれも採用でき、イオン性樹脂エマルジョン及び非イオン性樹脂エマルジョンを組合せて使用することもできる。イオン性樹脂エマルジョンとしては、陰イオン性樹脂エマルジョン及び陽イオン性樹脂エマルジョンのいずれも採用でき、陰イオン性樹脂エマルジョン及び陽イオン性界面活性剤を組合せて使用することもできる。イオン性樹脂エマルジョンの中でも、起泡成分と同じ電荷であり互いの作用を相殺しにくい点で、陰イオン性樹脂エマルジョンが好ましい。
陰イオン性樹脂エマルジョンの例としては、例えば、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、酢酸ビニル−アクリル系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、塩化ビニル−アクリル系樹脂エマルジョン、ウレタン系樹脂エマルジョン等が挙げられる。なお、「〜系樹脂エマルジョン」とは、「〜系」の前の樹脂を含有するエマルジョンを意味する。アクリル系樹脂エマルジョンは、起泡を阻害しにくく断熱性が特に高い点で好ましい。これらの陰イオン性樹脂エマルジョンは、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
陽イオン性樹脂エマルジョンの例としては、例えば、アクリル系樹脂エマルジョン、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。これらの陽イオン性樹脂エマルジョンは、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
非イオン性樹脂エマルジョンの例としては、例えば、酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、エポキシ系樹脂エマルジョン、塩化ビニル系樹脂エマルジョン等が挙げられる。これらの非イオン性樹脂エマルジョンは、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
強度保持成分の含有量は特に限定されないが、石膏100質量部に対して0.5〜50質量部であることが好ましく、5〜25質量部であることがより好ましい。より十分に起泡させて成形性、断熱性及び耐火性をより向上させるとともに、より軽量化させることができる。なお、上記の含有量は、石膏発泡体中の起泡成分の含有量であるが、その原料である混和剤組成物中の起泡成分の含有量も同様とすることが好ましい。

混和剤組成物中の水の含有量は特に限定されないが、石膏100質量部に対して25〜250質量部であることが好ましく、50〜150質量部であることがより好ましい。この範囲とすることにより、石膏と混和しやすくダマになりにくく、石膏が沈殿しにくく、得られる石膏発泡体の強度がより向上し水硬性を発現しやすいとともに成形性もより向上させることができる。
混和剤組成物
上記した石膏発泡体の原料である混和剤組成物は、好ましい一実施形態では、石膏100質量部に対して、起泡成分0.15〜5質量部、強度保持成分0.5〜50質量部、水25〜250質量部を含有することが好ましい。さらに好ましい一実施形態では、混和剤組成物は、石膏100質量部に対して、起泡成分0.4〜2.4質量部、強度保持成分5〜25質量部、水50〜150質量部を含有することが好ましい。
以上のような構成の混和剤組成物を用いて発泡石膏体を製造した場合には、より軽量で特に高い断熱性と特に高い強度と特に高い耐火性とを兼ね備えた石膏発泡体を得ることができる。
混和剤組成物には、上記以外の成分をさらに含んでいてもよく、そのような成分として、セメント、骨材、繊維等が挙げられる。骨材としては砂、砕砂、砂利、砕石等が挙げられる。セメント及び骨材を添加することにより、石膏発泡体の強度をより高めることができる。
また、そのような成分として無機充填剤、分散剤、水溶性高分子、AE剤、遅延剤、早強剤、促進剤、発泡剤、消泡剤、防水剤、防錆剤、着色剤、防黴剤、ひびわれ低減剤、膨張剤、繊維類、染料、顔料等の添加剤が挙げられる。これらは単独で使用することもでき、2種以上を組合せて使用することもできる。
石膏発泡体及び建材パネル
上記した混和剤組成物を形成する場合、各成分の添加順序は特に制限されず、同時に添加することもでき、逐次的に添加することもできる。なかでも、各原料を添加中に反応が進行しにくくする(石膏は水等と触れた瞬間から反応が進行する)ため、水、起泡成分、強度保持成分及び石膏の順に添加することが好ましい。また、石膏の自重を考慮しても石膏を沈殿しにくくするため、途中段階では混合せず、全ての成分を添加した後に、ミキサー等の公知の混合装置により混合することが好ましい。混合は、石膏粉を飛散しにくくするため、低い強度で予備混合した後に、高い強度で本撹拌することが好ましい。添加及び混合の好ましい圧力は大気圧であり、好ましい温度は15〜60℃である。また、混合時間は、混和剤組成物の質量によって適宜設定することが好ましい。
このようにして得た混合物(混和剤組成物)から水分を除去して硬化させることにより、石膏発泡体を得ることができる。このようにして得られる石膏発泡体は、軽量で、且つ、優れた断熱性、強度、不燃性及び耐火性を有する。また、このようにして得られた石膏発泡体の比重は0.30未満、好ましくは0.25以下、より好ましくは0.20以下、さらに好ましくは0.10以下とすることができる。この範囲とすることにより、断熱性、不燃性及び耐火性をさらに向上させることができる。なお、石膏発泡体の比重の下限値は特に制限はないが、通常0.01程度である。また、石膏発泡体の熱伝導率は特に限定されないが、好ましくは0.070未満、より好ましくは0.040未満である。
本発明の建材パネルを製造する場合、まず、ハニカムコアが有する貫通孔又は非貫通孔に上記した混和剤組成物を充填し、硬化させた後に2枚の表面材で挟み込んで密封することが好ましい。なお、ハニカムコアが有する孔が貫通孔である場合は、1枚の表面材の上にハニカムコアを配置し(好ましくは密着又は接着させ)、そこに上記した混和剤組成物を充填し硬化させた後に、ハニカムコアの前記表面材と反対側にもう1枚の表面材を配置し(好ましくは密着又は接着させ)、密封することができる。また、ハニカムコアが有する孔が非貫通孔である場合は、ハニカムコアの非貫通孔に上記した混和剤組成物を充填し硬化させた後に、その上に表面材を配置し(好ましくは密着又は接着させ)、密封することができる。必要に応じて、この操作を複数回繰り返すことにより、ハニカムコアの全ての非貫通孔に上記した混和剤組成物を充填して硬化させ、本発明の建材パネルを得ることが可能である。この際、上記した混和剤組成物は流動性に優れるため、ハニカムコアの貫通孔又は非貫通孔が複雑な形状をしていた場合であっても、隅々まで行き渡らせることが可能である。このため、本発明によれば、ハニカムコアの貫通孔又は非貫通孔の隅々まで石膏発泡体を充填することが可能であり、断熱性及び耐火性を特に向上させることが可能である。このようにして本発明の建材パネルが得られる。なお、表面材の2枚とも55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標))としたものは通常サンドイッチ建材パネルと呼ばれる。また、表面材の1枚を55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標))とし、1枚をアルミニウム箔、アルミニウムテープ、アルミニウム紙、アルミニウムライナー紙、アルミニウムラミネートとしたものは通常金属サイディングパネルと呼ばれる。
なお、硬化条件は特に制限されず、例えば、15〜100℃、特に20〜80℃で1〜48時間、特に2〜36時間とすることができる。
なお、ハニカムコアと表面材との密着性の観点から、ハニカムコアと表面材との間に両面テープや接着剤等の他層を介在させることも可能である。その他、必要に応じて、建材パネルに通常使用される層を形成することも可能であり、例えば、反応系接着剤やホットメルト系接着剤、各種粘着材等を常法で形成することも可能である。また、例えば、ハニカムコアと表面材との間に工程紙(石膏ボード等)を介在させることも可能である。また、本発明の建材パネルを金属サイディングパネルとする場合は、ポリエステル樹脂塗装鋼板、インクジェット加飾印刷層、防汚クリアー塗装層等を形成することも可能である。さらに、本発明の建材パネルは、上記方法のみに限定されず、様々な方法で得ることができる。
このような本発明の建材パネルは、軽量であり、強度(剛性)、断熱性、防音性等に優れているため、室内外の間仕切りやドア等の建具等や、各種家具、黒板、事務用機器のハウジングの他、冷凍倉庫、冷蔵倉庫等の冷却設備における出入口に用いる扉(防火扉等)等にも使用することができる。
このような本発明の建材パネルを防火扉等の扉構造に適用する場合、外扉表鉄板と内扉壁との間に本発明の建材パネルを備えることが好ましい。なお、このような本発明の扉構造は、本発明の建材パネルを用いること以外の構成は、従来から公知の構成とすることができる。このような本発明の扉構造は、冷凍倉庫、冷蔵倉庫、保冷コンテナ、貯蔵タンク、一般住宅用等の防火扉等に適用することができる。例えば、冷凍倉庫、冷蔵倉庫等が防火区画となる場合は、出入口に用いる扉(防火扉)は断熱性及び耐火性に優れたものが要求されている。また、一般住宅でも寒冷地では結露防止のため防火扉が用いられており、室内外の温度差が大きいため、その開口部(特に玄関)が延焼の恐れがある部分に該当すると防火戸とする必要があり、やはり使用する防火扉としては断熱性及び耐火性に優れたものが要求されている。本発明の扉構造を適用することで、断熱性及び耐火性を向上させることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
合成例1:混和剤組成物の製造
大気圧下、室温で、純水100質量部、起泡成分としての界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム;花王(株)製のエマールD−3−D)0.8質量部、強度保持成分としての樹脂エマルジョン(酢酸ビニル 樹脂エマルジョン;製品名:木工用ボンド、コニシ(株))10質量部、及び石膏(吉野石膏(株)製のサクラ印焼石膏A級)100質量部をこの順に添加し、ミキサー(ラッセルホブス社製の18960JP)を用いて、回転数500rpmの条件で180秒間本撹拌し、混和剤組成物を得た。
実施例1
裏面の表面材(55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標));JFE鋼板(株)製のJFEガルバリウム鋼板(登録商標);厚み500μm)の上に、接着剤(積水化学工業(株)製のエスダイン#3100)を使って、ハニカムコア(アルミニウム製ハニカムコア;新日本フェザーコア(株)製のハニコームAL−60;貫通孔の断面の形状 六角形、貫通孔の断面のセルサイズ12.5mm、厚み50mm)を接着させた。そのうえで、ハニカムコアの貫通孔の中に、合成例1で得た混和剤組成物を厚み50mmとなるように流し込み、大気圧、60℃×16時間にて硬化させ、混和剤組成物が入ったハニカムコアの上に表面の表面材(55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標));JFE鋼板(株)製のJFEガルバリウム鋼板(登録商標);厚み500μm)を、接着剤(積水化学工業(株)製のエスダイン#3100)を使って接着させた。総厚み52mmのサンドイッチ建材パネルを得た。
実施例2
裏面の表面材として55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標))の代わりにアルミニウムテープ(ニチバン(株)製のアルミテープ961;厚み120μm)を使用した(表面の表面材は実施例1と同じ55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標))を使用した)こと以外は実施例1と同様に、金属サイディングパネルを得た。
実施例3
ハニカムコアとしてアルミニウム製ハニカムコアの代わりに紙製ハニカムコア(新日本フェザーコア(株)製のロールコアーSF−140;貫通孔の断面の形状 円状、貫通孔の断面のセルサイズ14mm、厚み50mm)を使用したこと以外は実施例1と同様に、サンドイッチ建材パネルを得た。
比較例1
合成例1で得られた混和剤組成物を、裏面の表面材(55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標));JFE鋼板(株)製のJFEガルバリウム鋼板(登録商標);厚み500μm)の上に、スペーサーを両端にセットした上で金尺によりコーター塗布し、大気圧、室温にて乾燥させ、生乾きの状態で、上記混和剤組成物の上に表面の表面材(55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標));JFE鋼板(株)製のJFEガルバリウム鋼板(登録商標);厚み500μm)を積層させ、大気圧、室温にて上記混和剤組成物を硬化させて芯材とし、総厚み52mmのサンドイッチ建材パネルを作製した。
取扱い性(剛性)の測定及び評価
実施例1〜3及び比較例1のサンドイッチ建材パネルの剛性を、官能評価により評価した。そのうえで、手で容易に曲げられないものを○、手で容易に曲げられるものを×と評価した。
断熱性の測定及び評価
実施例1〜3及び比較例1のサンドイッチ建材パネルの熱伝導率を、京都電子工業株式会社製迅速熱伝導率計QTM−500により測定した。熱伝導率が0.05W/mK未満である場合を○、熱伝導率が0.05W/mK以上である場合を×と評価した。
耐火性の測定及び評価
実施例1〜3及び比較例1のサンドイッチ建材パネルの熱伝導率を、初期温度25℃とし、表面の表面材側からJIS A1304に準拠して加熱し、裏面の表面材の表面温度を測定した。同様の測定を3回行い、その平均値(平均温度)を算出した。平均温度が165℃以下の場合を○、165℃より大きい場合を×と評価した。
また、総合判定として、取扱い性(剛性)、断熱性及び耐火性のいずれもが○である場合を○、その他の場合を×とした。その結果、比較例1では、剛性が劣っていたのに対し、実施例では全ての評価に優れていた。しかも、実施例では、重量が20mg/m以下であり、人が運搬できる範囲の重量であるとともに自重で曲がってしまうこともなかった。結果を表1に示す。
Figure 2019173448
以上、本発明の実施形態及び実施例について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態及び実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料、数値等はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料、数値等を用いることができる。
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料、数値等は、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。

Claims (9)

  1. ハニカムコアを芯材とし、その両面に表面材を備える建材パネルであって、
    前記ハニカムコアと前記表面材の間に、石膏発泡体が充填されている、建材パネル。
  2. 前記ハニカムコアが、金属、紙、セラミック材料、プラスチック及びガラスよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の建材パネル。
  3. 前記石膏発泡体が、石膏、起泡成分及び強度保持成分を含む、請求項1又は2に記載の建材パネル。
  4. 前記石膏発泡体が、石膏、起泡成分、強度保持成分及び水を含む混和剤組成物の硬化物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の建材パネル。
  5. 前記石膏発泡体が、石膏100質量部に対して、起泡成分を0.15〜5質量部、強度保持成分を0.5〜50質量部含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の建材パネル。
  6. 前記石膏発泡体の比重が0.30未満である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の建材パネル。
  7. 前記起泡成分が界面活性剤である、請求項3〜6のいずれか1項に記載の建材パネル。
  8. 前記強度保持成分が樹脂エマルジョンである、請求項3〜7のいずれか1項に記載の建材パネル。
  9. サンドイッチ建材パネル又は金属サイディングパネルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の建材パネル。
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