JP2019173105A - リン青銅条又は板 - Google Patents
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Abstract
Description
(発明1)
Snを3.5〜11質量%、Pを0.03〜0.35質量%含有し、残部が銅及び不可避的不純物から構成されるリン青銅条又は板であって、
JISH3130(2012)に規定される曲がりを1m毎に長手方向で連続して5点を測定したとき、5点の曲がりの最大値が1.00mm以下であり、
5点の曲がりの標準偏差(A)と、5点の曲がりの平均値(B)との比(A/B)が1.00以下である、リン青銅条又は板。
(発明2)
発明1のリン青銅条又は板であって、少なくとも下記のいずれか1つの元素を、下記の量だけ、更に含有する、リン青銅条又は板。
Pb:0.02質量%以下
Fe:0.01質量%以下
Zn:0.2質量%以下
(発明3)
更にAuメッキ層を備える発明1又は2のリン青銅条又は板。
(発明4)
発明1〜3のいずれか1項に記載のリン青銅条又は板を利用したプレス加工品。
(発明5)
発明4のプレス加工品を備える電子部品。
(発明6)
発明5の電子部品を備える電子機器。
(発明7)
発明1又は2のリン青銅条又は板の製造方法であって、
前記方法は、
最終再結晶焼鈍工程と
前記最終再結晶焼鈍工程の後に、最終冷間圧延工程と、
を含み、
前記最終再結晶焼鈍は、平均結晶粒径を5.0μm以下に調整することを含み、
前記最終冷間圧延工程は、長手方向の最大直径と最小直径の差で表示されるロールクラウンを+1.0μm以上+3.0μm以下に調整したワークロールを用いることを含む、
該方法。
(発明8)
発明3のリン青銅条又は板の製造方法であって、発明7に記載の工程と、Auメッキを行う工程とを含む、該方法。
一実施形態において、本発明の銅合金材料は、リン青銅である。好ましくは、JISH3110、及びJISH3130等に規定されるリン青銅であってもよい。
一実施形態において、リン青銅とは銅を主成分としてSn及びこれよりも少ない質量のPを含有する銅合金のことをいう。一例として、りん青銅はSnを3.5〜11質量%、Pを0.03〜0.35質量%(好ましくは、0.03〜0.20質量%)含有し、残部が銅及び不可避的不純物から構成される組成を有する。
Pb:0.02質量%以下(好ましくは、0.01質量%以下)
Fe:0.01質量%以下(好ましくは、0.05質量%以下)
Zn:0.2質量%以下(好ましくは、0.1質量%以上0.2質量%以下)
本発明の銅合金材料は、条又は板である。
「条」(strip、ribbon)とは、「0.1mm以上の均一な肉厚で、長方形断面をもち、スリットされたコイル形状で供給される圧延製品」をさす。
「板」(sheet、plate)とは、「0.1mm以上の均一な肉厚で、長方形断面をもち、シャー又はのこ(鋸)切断された平板で供給される圧延製品」をさす。
一実施形態において、本発明のりん青銅条又は板は、直線性に優れている。より具体的には、5点の曲がりの最大値が1.00mm以下である(好ましくは0.6mm以下)。5点の曲がりの最大値が1.00mmを超えると、後述する曲がりの標準偏差が大きくなり、曲がりが長手方向で変動しプレス工程で精度よく穴あけをすることができなくなる。下限値は特に限定されないが、典型的には0.00mm以上である。
標準偏差=[{(d1−da)2+(d2−da)2+(d3−da)2+(d4−da)2+(d5−da)2}/(n−1)]1/2
ここで、
d1〜d5:5個の各数値
da:5個の数値の平均値
n:5
一実施形態において、本発明はリン青銅条又は板の製造方法に関する。前記製造方法は、最終再結晶焼鈍工程、及び、前記最終再結晶焼鈍工程後に、最終冷間圧延工程を含むことができる。
溶解鋳造→インゴット冷間圧延→素条冷間圧延→[中間再結晶焼鈍→中間冷間圧延]→最終再結晶焼鈍→最終冷間圧延→[歪取焼鈍]
一実施形態において、最終再結晶焼鈍では、平均結晶粒径を5.0μm以下に調整することが好ましい(さらに好ましくは0.3μm以下)。5.0μmを超えると、最終再結晶焼鈍後の最終冷間圧延で適切な条件を採用しても、最終冷間圧延後にスリットして得られる条の曲がりの標準偏差が大きくなってしまう。そのため、プレス工程で精度よく穴あけをすることができなくなる。下限値は特に限定されないが、1.0μm以上であることが好ましい。1.0μmを下回ると、最終再結晶焼鈍において平均結晶粒径がばらつき、最終冷間圧延において板厚の制御が難しくなる。
一般に、金属の冷間圧延においては、垂直方向の上下に配置されたワークロールの間に入って出る被圧延材料には、入側における圧延張力及び出側における圧延張力(前方張力及び後方張力)をそれぞれ付与し、これを調整し仕上げる板厚の制御に反映させる。被圧延材料の板厚が薄い場合、張力の付与の仕方によっては、エッジから破断する場合がある。このため、被圧延材料の板厚が薄い場合、幅方向中央部が伸びた形状(以下、「中伸び形状」という。)ではなく、幅方向の端部が伸びた形状(以下、「端伸び形状」という。)とする。ここで、板厚が薄い場合、厳密に完全なフラット形状というものはなく、被圧延材料は、中伸び形状と端伸び形状の両方を同時に有する形状である。
急峻度 =h/l× 100 (%)
ここで、
l:圧延方向と平行方向の輪郭曲線における波の長さ(mm)
h:圧延方向と平行方向の輪郭曲線における波の高さ(mm)
輪郭曲線の測定方向:圧延方向と平行方向
被圧延材料から切り出した板につき、中伸び形状及び端伸び形状を、つぎのように表す。
端伸び形状:幅方向中央部の平均急峻度
中伸び形状:幅方向端部の平均急峻度
幅方向:圧延方向に対し直角方向
被圧延材料の幅方向における一端から他端までの幅方向の寸法:W
幅方向中央部:被圧延材料の端から幅方向に、1/4Wから3/4Wまでの領域
幅方向端部:被圧延材料の端から幅方向に、0/4Wから1/4Wまでの領域、及び、3/4Wから4/4Wまでの領域
急峻度の比率(λ(中央部)/λ(端部))を1.0以上2.5以下とするには、例えば、最終冷間圧延のワークロールの形状を調整することにより実現できる。より具体的には、銅及び銅合金の条等の冷間圧延において用いられるワークロールに対して、一般に行われるロール研削を施し、つぎのような特性を有するワークロールを準備することができる。
上記製造方法で得られた、リン青銅条又は板は、更に加工されてもよい。例えば、スリットして分割され、それぞれコイル状に巻き取ってもよい。あるいは、穴を開け、公知の手段によりAuメッキ(例、純Auメッキ、Au合金メッキ、好ましくは純Auメッキ)を施し、Auメッキ層を備えるリン青銅条又は板を製造してもよい。さらには、リン青銅条又は板を用いてプレス加工品を製造することもできる。また、当該プレス加工品を用いて電子部品を製造することもできる。そして、当該電子部品用いて電子機器を製造することもできる。
Sn:8質量%
P :0.13質量%
Fe:0.005質量%
Pb:0.001質量%
Zn:0.15質量%
残部:銅及び不可避的不純物
また、材料として以下の組成を有するばね用リン青銅も、一部に使用した(実施例6)。
Sn:8質量%
P :0.13質量%
残部:銅及び不可避的不純物
溶解鋳造→インゴット冷間圧延→素条冷間圧延→中間再結晶焼鈍→中間冷間圧延
まず、つぎの条件でプレス穴を連続プレス機にて作製した。
・穴の直径1mm
・穴のピッチ2mm
連続する1001個の穴を、「穴1」、「穴2」、・・・、「穴1001」とし、穴1と穴1001との間隔について、管理規格として、以下の値を設定した。
・1000±0.2mm
プレス穴を作製したリン青銅の条から、連続する1001個以上の穴を含む長さの、例えば長さが1100mmのサンプルを採取した。穴1と穴1001との間隔を測定し、上記の管理規格の下限を下回る場合、又は上限を超える場合は、管理する規格を満たさないと判断した。
Claims (8)
- Snを3.5〜11質量%、Pを0.03〜0.35質量%含有し、残部が銅及び不可避的不純物から構成されるリン青銅条又は板であって、
JISH3130(2012)に規定される曲がりを1m毎に長手方向で連続して5点を測定したとき、5点の曲がりの最大値が1.00mm以下であり、
5点の曲がりの標準偏差(A)と、5点の曲がりの平均値(B)との比(A/B)が1.00以下である、リン青銅条又は板。 - 請求項1のリン青銅条又は板であって、少なくとも下記のいずれか1つの元素を、下記の量だけ、更に含有する、リン青銅条又は板。
Pb:0.02質量%以下
Fe:0.01質量%以下
Zn:0.2質量%以下 - 更にAuメッキ層を備える請求項1又は2のリン青銅条又は板。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリン青銅条又は板を利用したプレス加工品。
- 請求項4のプレス加工品を備える電子部品。
- 請求項5の電子部品を備える電子機器。
- 請求項1又は2のリン青銅条又は板の製造方法であって、
前記方法は、
最終再結晶焼鈍工程と
前記最終再結晶焼鈍工程の後に、最終冷間圧延工程と、
を含み、
前記最終再結晶焼鈍は、平均結晶粒径を5.0μm以下に調整することを含み、
前記最終冷間圧延工程は、長手方向の最大直径と最小直径の差で表示されるロールクラウンを+1.0μm以上+3.0μm以下に調整したワークロールを用いることを含む、
該方法。 - 請求項3のリン青銅条又は板の製造方法であって、請求項7に記載の工程と、Auメッキを行う工程とを含む、該方法。
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KR102354635B1 (ko) * | 2020-12-24 | 2022-01-24 | 대한민국 | 동합금을 이용한 항균 필름 및 항균 필름이 구비된 항균 핸들 |
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