ところで、内外気2層流モードを実現するための送風用ファンは、モーターの回転軸に固定される被固定部から周囲の羽根まで延びるように形成されたコーン部と呼ばれる部分から上側へ延びる上側羽根と、下側へ延びる下側羽根とを備えており、上側羽根によって上層空気通路の空気が送られ、下側羽根によって下層空気通路の空気が送られるようになる。
ここで、送風用ファンのコーン部が下方へ窪むような形状とされる場合がある。すなわち、モーターの回転軸が長くなると回転時の安定性を確保しにくくなるので、回転軸を短くしたいという要求があり、回転軸を短くするためには、送風用ファンの被固定部を下に持ってくる必要がある。一方、上側羽根の位置はスクロールケーシングの位置によって決定されるので、モーターの回転軸を短くするためには、コーン部の中心部が外周部に比べて下に位置するように形成し、このことで被固定部を下に位置付ける必要がある。
ところが、被固定部が下に位置すると、送風時に力のかかる部分である被固定部及び上側羽根の間隔が拡大することになり、その結果、送風用ファンの剛性低下を招き、上側羽根の変形や破断の発生原因となり得る。
また、内外気2層流モードを実現するための送風用ファンの場合は、上層空気通路の空気と下層空気通路の空気とが混ざらないように、上側羽根の下端部と下側羽根の上端部とを上下方向に離して両者の間に隙間を形成しておく必要がある。しかしながら、このようにすると上側羽根と下側羽根とが上下に連続した構造にならないので、送風用ファンの剛性低下を招き、上側羽根の変形や破断の発生原因となり得る。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内外気2層流モードを実現するための送風用ファンの回転時の安定性を高め、しかも、送風用ファンの剛性を確保できるようにして羽根の変形や破断を未然に防止することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、車室内の空気を導入する内気導入口と、車室外の空気を導入する外気導入口とが形成され、上記内気導入口及び上記外気導入口の両方に連通する第1空気通路及び第2空気通路が内部に形成されるとともに、上記内気導入口及び上記外気導入口を開閉する内外気切替ダンパが収容されたケーシングと、上記ケーシングの内部に配設され、上下方向に長い第1羽根及び第2羽根を有する遠心式送風用ファンと、上下方向に延びるとともに上記送風用ファンを回転駆動する回転軸を有するモーターとを備え、上記送風用ファンの上記第1羽根によって上記第1空気通路内の空気を空調用空気として送風し、上記送風用ファンの上記第2羽根によって上記第2空気通路内の空気を空調用空気として送風するように構成された車両空調用送風装置において、上記モーターの上側に上記送風用ファンが配置され、上記送風用ファンは、上記回転軸に固定される被固定部と、該被固定部から該回転軸の径方向に延び、該被固定部側が下に位置するように、下方へ窪むように形成されたコーン部とを備え、上記コーン部の外周部は、上記回転軸の径方向に延びる延出部を有し、上記延出部には、上下方向の一方に突出する縦板部と、該縦板部の突出方向の端部から上記回転軸の径方向に延びる横板部とが設けられ、上記第1羽根及び上記第2羽根の一方の羽根の長手方向の端部が上記横板部に結合され、他方の羽根の長手方向の端部が、上記延出部における上記縦板部の突出方向とは反対側の面に結合されていることを特徴とする。
この構成によれば、内外気切替ダンパの動作によって内気導入口を開き、かつ、外気導入口を閉じると、内気導入口から内気が導入される内気循環モードになる。内気循環モードでは、送風用ファンが回転することで、内気導入口から導入された内気が第1羽根及び第2羽根によって第1空気通路及び第2空気通路を流れて空調用空気として送風される。また、内外気切替ダンパの動作によって内気導入口を閉じ、かつ、外気導入口を開くと、外気導入口から外気が導入される外気導入モードになる。外気導入モードでは、送風用ファンが回転することで、外気導入口から導入された外気が第1空気通路及び第2空気通路を流れて空調用空気として送風される。さらに、内外気切替ダンパの動作によって内気導入口及び外気導入口を開くと、内外気2層流モードになり、送風用ファンが回転することで、外気導入口から導入された外気が第1空気通路及び第2空気通路の一方を流れ、内気導入口から導入された内気が他方を流れ、空調用空気として送風される。つまり、外気導入モードと、内気循環モードと、内外気2層流モードとのうち、任意のモードに切り替えて送風することができる。
この発明では、送風用ファンのコーン部が、その被固定部側が下に位置するように、下方へ窪む形状とされているので、モーターの回転軸が短くなり、送風用ファンの回転時の安定性が高まる。
そして、コーン部の延出部には上下方向に突出する縦板部と、縦板部の端部から径方向に延びる横板部とが設けられているので、コーン部が縦板部と横板部とによって補強されることになる。この補強された部分に、第1羽根及び第2羽根の端部が結合されることになるので、送風用ファンの剛性低下が抑制される。
また、第1羽根及び第2羽根の一方の羽根を横板部に結合させ、他方の羽根を延出部に結合させるようにしたので、第1羽根と第2羽根とが上下方向に離れることになり、第1羽根と第2羽根との間に隙間が形成される。これにより、第1空気通路の空気と第2空気通路の空気とが混ざりにくくなる。
第2の発明は、第1の発明において、上記縦板部は、上記延出部から下方へ突出し、上記横板部は、上記縦板部の下端部から上記回転軸の径方向に延び、上記第1羽根は、下端部が上記延出部の上面に結合されて上方へ延びるように形成され、上記第2羽根は、上端部が上記横板部の下面に結合されて下方へ延びるように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、横板部が延出部の下方に離れて位置し、延出部に第1羽根を結合し、横板部に第2羽根を結合するようにしたので、第1羽根と第2羽根との間に隙間を形成することができる。
第3の発明は、第1の発明において、上記縦板部は、上記延出部から上方へ突出し、上記横板部は、上記縦板部の上端部から上記回転軸の径方向に延び、上記第1羽根は、下端部が上記横板部の上面に結合されて上方へ延びるように形成され、上記第2羽根は、上端部が上記延出部の下面に結合されて下方へ延びるように形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、横板部が延出部の上方に離れて位置し、横板部に第1羽根を結合し、延出部に第2羽根を結合するようにしたので、第1羽根と第2羽根との間に隙間を形成することができる。
第4の発明は、第2の発明において、上記縦板部は、上記延出部における上記第1羽根の径方向内端部が結合された部位から突出していることを特徴とする。
この構成によれば、延出部における第1羽根の径方向内端部が結合された部位近傍は、第1羽根の結合によって剛性が高まっており、この剛性の高い部分から縦板部を突出させることで、剛性が更に向上する。
第5の発明は、第2の発明において、上記縦板部は、上記延出部における上記第1羽根の径方向中間部が結合された部位から突出していることを特徴とする。
この構成によれば、延出部における第1羽根の径方向中間部が結合された部位近傍は、第1羽根の結合によって剛性が高まっており、この剛性の高い部分から縦板部を突出させることで、剛性が更に向上する。
第6の発明は、第1から5のいずれか1つの発明において、上記送風用ファンは樹脂材によって一体成形されており、上記横板部、上記延出部及び上記縦板部によって上記回転軸の径方向外方に開放する空間が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、横板部、延出部及び縦板部によって形成される空間が径方向外方に開放されるので、送風用ファンの成形時の型構造の複雑化が回避される。
第7の発明は、第1から6のいずれか1つの発明において、上記ケーシングの内部には、該ケーシングの内部を上記第1空気通路と上記第2空気通路とに仕切るための仕切板が配設され、該仕切板には、上記送風用ファンを上記第1空気通路と上記第2空気通路の一方から他方へ向けて挿入する貫通孔が形成され、上記貫通孔の周縁部の高さは、上記延出部及び上記横板部の上下方向中間部の高さと一致していることを特徴とする。
この構成によれば、仕切板の貫通孔の周縁部の高さと、送風用ファンの延出部及び横板部の上下方向中間部の高さとが一致するので、第1空気通路の空気と第2空気通路の空気とがより一層混ざりにくくなる。
第8の発明は、第1から7のいずれか1つの発明において、上記横板部は、上記回転軸の径方向外方へ延び、上記横板部における上記回転軸の径方向外端部は、上記延出部における上記回転軸の径方向外端部よりも外方まで延びていることを特徴とする。
この構成によれば、横板部の外端部が延出部の外端部よりも外方に位置することになるので、この横板部に結合する羽根と、延出部に結合する羽根との径方向の位置を変えることが可能になる。
第9の発明は、第1から8のいずれか1つの発明において、上記被固定部は、上記コーン部の内側へ突出するように設けられ、上記コーン部の内側には、上記被固定部の外周面に接続され、径方向に延びるリブが設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、リブによってコーン部の径方向内側が補強されることになる。
第1の発明によれば、下方へ窪むように形成されたコーン部とすることで、モーターの回転軸を短くして送風用ファンの回転時の安定性を高めることができる。またコーン部の外周部の延出部に縦板部と横板部とを設け、第1羽根及び第2羽根の一方の羽根の端部を横板部に結合し、他方の羽根の長手方向の端部を、延出部における縦板部の突出方向とは反対側の面に結合したので、送風用ファンの剛性を確保することができ、羽根の変形や破断を未然に防止することができる。
第2の発明によれば、横板部が延出部の下方に離れて位置し、延出部に第1羽根を結合し、横板部に第2羽根を結合するようにしたので、第1羽根と第2羽根との間に隙間を形成することができる。
第3の発明によれば、横板部が延出部の上方に離れて位置し、横板部に第1羽根を結合し、延出部に第2羽根を結合するようにしたので、第1羽根と第2羽根との間に隙間を形成することができる。
第4の発明によれば、延出部における第1羽根の径方向内端部が結合された部位近傍は、第1羽根の結合によって剛性が高まっており、この剛性の高い部分から縦板部を突出させることで、剛性を更に向上させて羽根の変形や破断を未然に防止することができる。
第5の発明によれば、延出部における第1羽根の径方向中間部が結合された部位近傍は、第1羽根の結合によって剛性が高まっており、この剛性の高い部分から縦板部を突出させることで、剛性を更に向上させて羽根の変形や破断を未然に防止することができる。
第6の発明によれば、横板部、延出部及び縦板部によって形成される空間が径方向外方に開放されるので、送風用ファンの成形時の型構造の複雑化を回避することができ、コストを低減できる。
第7の発明によれば、仕切板の貫通孔の周縁部の高さと、送風用ファンの延出部及び横板部の上下方向中間部の高さとが一致するので、第1空気通路の空気と第2空気通路の空気とがより一層混ざりにくくなり、送風量を十分に確保することができる。
第8の発明によれば、横板部に結合する羽根と、延出部に結合する羽根との径方向の位置を容易に変えることができる。
第9の発明によれば、被固定部の外周面に接続されて径方向に延びるリブを設けたことで、コーン部の径方向内側も補強することができ、送風用ファンの剛性を全体的に高めることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は本発明の実施形態に係る車両空調用送風装置1を車両後側から見た図であり、また図2は車両空調用送風装置1を左側から見た図であり、また図3は車両空調用送風装置1を下方から見た図である。この車両空調用送風装置1は、例えば自動車の車室内に配設されて空調用空気を送風するためのものであり、図示しない空調ユニット及び冷凍サイクル装置と共に車両用空調装置を構成している。
空調ユニットは、例えば冷凍サイクルの蒸発器からなる冷却用熱交換器と、ヒータコアからなる加熱用熱交換器と、エアミックスダンパと、吹出方向切替ダンパと、これらを収容する空調ケーシングとを備えている。車両空調用送風装置1から送風された空調用空気は、空調ケーシングの内部に導入されて冷却用熱交換器及び加熱用熱交換器を通過して所望温度の空調風とされた後、吹出方向切替ダンパによって設定された吹出モードに応じて車室の各部に供給される。空調風の温度調整は、エアミックスダンパによって設定される加熱用熱交換器の空気通過量よって行われる。
尚、この実施形態では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車両左側を単に「左」といい、車両右側を単に「右」というものとするが、これは説明の便宜を図るために定義するだけであり、実際の使用状態や設置状態、組付状態を限定するものではない。
車両空調用送風装置1は、図示しないが車室内の前端部に設けられているインストルメントパネルの内部に空調ユニットと共に収容されている。空調ユニットは、インストルメントパネルの内部において左右方向の略中央部に配置される一方、車両空調用送風装置1は、インストルメントパネルの内部において空調ユニットの助手席側(右ハンドル車の場合は左側、左ハンドル車の場合は右側)に配置される。この実施形態では、車両空調用送風装置1が車両の右側に配置される場合について説明するが、車両の左側に配置される場合には、この実施形態の構造と左右対称にすればよいので、詳細な説明は省略する。
(車両の構成)
この車両空調用送風装置1が配設される車両は、図示しないが、エンジンルームと、車室とを区画するためのダッシュパネル(区画部材)を備えている。エンジンルームは車両の前部に設けられていて、エンジンや変速機等が配設されるようになっている。ダッシュパネルは略上下方向に延びている。ダッシュパネルの上部には、左右方向に延びるカウルが配設されている。カウルには、車室外に連通する連通口が形成されている。カウルは車室外に配設されているものなので、カウルには、雨水や洗車時の水、雪等が入ることがある。
(車両空調用送風装置の構成)
図4にも示すように、車両空調用送風装置1は、送風ケーシング2と、送風用ファン3と、送風用ファン3を回転駆動するためのモーター5と、第1内外気切替ダンパ6と、第2内外気切替ダンパ7と、エアフィルタ8と、内外気切替用アクチュエータ9(図1及び図2に示す)とを備えている。送風用ファン3と、第1内外気切替ダンパ6及び第2内外気切替ダンパ7と、エアフィルタ8とは、送風ケーシング2に収容されている。
送風ケーシング2の上側には、図2等に示す前部内気導入口2a及び後部内気導入口2bと、図4に示す外気導入口2cとが形成されている。図2に示すように、前部内気導入口2aは、送風ケーシング2の上側における前後方向中央部よりも前寄りの部位に形成されており、車室内に開口している。また、後部内気導入口2bは、送風ケーシング2の上側における前後方向中央部よりも後寄りの部位に形成されており、車室内に開口している。前部内気導入口2a及び後部内気導入口2から車室内の空気(内気)を送風ケーシング2の内部に導入することが可能になっている。
図4に示すように、送風ケーシング2の上側には、外気導入ダクト部2dが前部内気導入口2a及び後部内気導入口2bの間の部分から上方へ膨出するように該送風ケーシング2に一体成形されている。外気導入ダクト部2dの上側は前に向けて延びている。この外気導入ダクト部2dの前端部に外気導入口2cが開口している。外気導入ダクト部2dは上記カウルと接続されており、外気導入口2cはカウルを介して車室外と連通している。外気導入口2cから車室外の空気(外気)を送風ケーシング2の内部に導入することが可能になっている。
図4に示すように、送風ケーシング2の内部における前部内気導入口2a及び後部内気導入口2bと外気導入口2cよりも下側には、上記フィルタ8が収容されている。フィルタ8は、板状に形成されており、水平方向に延びるように配置されている。フィルタ8の周縁部が送風ケーシング2の内部に設けられたフィルタ支持部2eによって支持されている。送風ケーシング2の後壁部には、上記フィルタ8を該送風ケーシング2に挿入するためのフィルタ挿入孔2fが形成されている。フィルタ挿入孔2fは、フィルタ8の後端部に設けられた蓋部8aによって閉塞されるようになっている。尚、フィルタ8は、例えば一般的な不織布等で構成することができる。
送風ケーシング2の内部におけるフィルタ8よりも上側には、区画壁部2gが設けられている。区画壁部2gは、上下方向に延びており、下端部に近づけば近づくほど後に位置するように若干傾斜している。送風ケーシング2の内部の上側には、区画壁部2gよりも前側に第1空気通路R1が形成され、区画壁部2gよりも後側に第2空気通路R2が形成されている。第1空気通路R1の前後方向の幅は、第2空気通路R2の前後方向の幅よりも広く設定されており、第1空気通路R1の断面積が第2空気通路R2の断面積よりも広くなっている。
第1空気通路R1の上流端部(上端部)は、前部内気導入口2aと外気導入口2cとに連通している。また、第2空気通路R2の上流端部(上端部)は、後部内気導入口2bと外気導入口2cとに連通している。第1空気通路R1及び第2空気通路R2は、共通の外気導入口2cに連通しているが、内気導入口については互いに別の内気導入口2a、2bに連通している。これにより、第1空気通路R1及び第2空気通路R2の両方に、内気と外気との導入が可能な構造になる。
第1内外気切替ダンパ6は、送風ケーシング2の内部において区画壁部2gよりも前側に配設されており、閉塞板部6aと軸部6bと端板部6cとを備えている。閉塞板部6aは、左右方向に延びている。軸部6bも左右方向に延びており、送風ケーシング2の左右両側壁部に対して回動可能に支持されている。端板部6cは、軸部6bの左右方向の両端近傍に設けられている。端板部6cは、軸部6bから径方向に延び、閉塞板部6aの左右両端部に連なっている。閉塞板部6aと軸部6bと端板部6cは一体成形されている。第1内外気切替ダンパ6は、軸部6bの中心線周りに回動することにより、図4に示す前に向けて回動した状態と、図示しないが後に向けて回動した状態とに切り替えられる。第1内外気切替ダンパ6が前に向けて回動した状態になると、前部内気導入口2aを閉塞して外気導入口2cを開放するので、内気の流入が遮断されて外気が第1空気通路R1の上流部に導入される。一方、第1内外気切替ダンパ6が後に向けて回動した状態になると、前部内気導入口2aを開放して外気導入口2cを閉塞するので、外気の流入が遮断されて内気が第1空気通路R1の上流部に導入される。
第2内外気切替ダンパ7は、送風ケーシング2の内部において区画壁部2gよりも後側に配設されており、第1内外気切替ダンパ6と同様に、閉塞板部7aと軸部7bと端板部7cとを備えている。第2内外気切替ダンパ7は、軸部7bの中心線周りに回動することにより、図4に示す後に向けて回動した状態と、図示しないが前に向けて回動した状態とに切り替えられる。第2内外気切替ダンパ7が後に向けて回動した状態になると、後部内気導入口2bを閉塞して外気導入口2cを開放するので、内気の流入が遮断されて外気が第2空気通路R2の上流部に導入される。一方、第2内外気切替ダンパ7が前に向けて回動した状態になると、後部内気導入口2bを開放して外気導入口2cを閉塞するので、外気の流入が遮断されて内気が第2空気通路R2の上流部に導入される。
第1内外気切替ダンパ6及び第2内外気切替ダンパ7は、図1及び図2等に示す内外気切替用アクチュエータ9によって駆動される。内外気切替用アクチュエータ9は、図示しないが、空調制御装置によって制御される。第1内外気切替ダンパ6の軸部6b及び第2内外気切替ダンパ7の軸部7bには、リンク部材9aが係合しており、このリンク部材9aを内外気切替用アクチュエータ9によって回動させることにより、第1内外気切替ダンパ6及び第2内外気切替ダンパ7を連動させることができるようになっている。リンク部材9aを用いた第1内外気切替ダンパ6及び第2内外気切替ダンパ7の連動構造については従来から周知の手法を利用することができるので、詳細な説明は省略する。また、リンク部材9aを用いることなく、第1内外気切替ダンパ6及び第2内外気切替ダンパ7を別々に駆動するようにしてもよい。
この実施形態では、第1内外気切替ダンパ6及び第2内外気切替ダンパ7を以下のように駆動する。すなわち、図4に示すように、第1内外気切替ダンパ6を前に向けて回動させるとともに第2内外気切替ダンパ7を後に向けて回動させる外気導入モードと、第1内外気切替ダンパ6を後に向けて回動させるとともに第2内外気切替ダンパ7を前に向けて回動させる内気循環モードと、第1内外気切替ダンパ6を前に向けて回動させるとともに第2内外気切替ダンパ7を前に向けて回動させる内外気2層流モードとの3つのモードのうち、任意のモードに切り替えることができるようになっている。
外気導入モードでは、第1内外気切替ダンパ6が前に向けて回動するとともに第2内外気切替ダンパ7が後に向けて回動するので、第1空気通路R1及び第2空気通路R2には外気のみが導入される。内気循環モードでは、第1内外気切替ダンパ6が後に向けて回動するとともに第2内外気切替ダンパ7が前に向けて回動するので、第1空気通路R1及び第2空気通路R2には内気のみが導入される。内外気2層流モードでは、第1内外気切替ダンパ6が前に向けて回動するとともに第2内外気切替ダンパ7が前に向けて回動するので、第1空気通路R1には外気が導入され、第2空気通路R2には内気が導入される。内外気2層流モードは、暖房時に使用されるモードである。
内気循環モード、外気導入モード及び内外気2層流モードの切替は、従来から周知のオートエアコン制御によって行われる。内外気2層流モードにすることで、冬季には比較的乾燥した外気をデフロスト吹出口に供給してフロントウインドガラスの曇りを良好に晴らしながら、比較的暖かい内気をヒート吹出口に供給して暖房効率を向上させることができる。
送風ケーシング2の内気導入口2a、2b及び外気導入口2cよりも下側には、送風用ファン3が収容されるスクロールケーシング20が設けられている。図1及び図2に示すように、スクロールケーシング20は、送風用ファン3における上側羽根(第1羽根)30が設けられた部分が収容される上側スクロールケーシング21と、送風用ファン3における下側羽根(第2羽根)31が設けられた部分が収容される下側スクロールケーシング22とに分割されている。上側スクロールケーシング21の下部と下側スクロールケーシング22の上部とが嵌合することによって上側スクロールケーシング21と下側スクロールケーシング22とが一体化するようになっている。上側羽根30及び下側羽根31はブレードと呼ぶこともできる。
また、スクロールケーシング20の下部には、底壁部材23が設けられている。底壁部材23は、スクロールケーシング20を構成する部材である。上側スクロールケーシング21、下側スクロールケーシング22及び底壁部材23によってスクロールケーシング20が構成されている。さらに、スクロールケーシング20の内部には、該スクロールケーシング20の内部を上下方向に仕切る仕切板24が配設されており、この仕切板24もスクロールケーシング20を構成する部材である。
上側スクロールケーシング21の上壁部には、送風ケーシング2の内部で開口するように、略円形の第1ベルマウス開口部21aが形成されている。第1ベルマウス開口部21aは、フィルタ8の下面と対向するように配置されており、第1空気通路R1と連通している。さらに、上側スクロールケーシング21の上壁部には、上方へ突出する突出壁部21bが設けられている。この突出壁部21bは、第1ベルマウス開口部21aの開口縁部よりも後に位置付けられており、左右方向に延びている。突出壁部21bの上端部は、区画壁部2gの下端部近傍に達している。突出壁部21b及び区画壁部2gにより、送風ケーシング2の内部における上側スクロールケーシング21よりも上側が、前後方向に仕切られて、突出壁部21b及び区画壁部2gよりも前側に第1空気通路R1が形成され、突出壁部21b及び区画壁部2gよりも後側に第2空気通路R2が形成されることになる。
第1空気通路R1は、第1ベルマウス開口部21aを介して上側スクロールケーシング21の内部と連通しており、この上側スクロールケーシング21の内部は第1空気通路R1の一部となっている。仕切板24よりも上方が第1空気通路R1とされている。送風用ファン3における上側羽根30が設けられた部分は、上側スクロールケーシング21の内部において第1空気通路R1に配置されている。第1送風用ファン3が上側スクロールケーシング21の内部で回転すると、送風用ファン3における上側羽根30が設けられた部分によって第1空気通路R1内の空気が空調用空気として送風される。つまり、送風用ファン3における上側羽根30が設けられた部分は、上層において空気の流れを形成する部分である。
図4に示すように、仕切板24には、送風用ファン3を第2空気通路R2から第1空気通路R1へ向けて挿入する貫通孔24aが形成されている。図6にも示すように、貫通孔24aの周縁部の高さは、後述する送風用ファン3の延出部34f及び横板部38の上下方向中間部の高さと一致している。
図2に示すように、上側スクロールケーシング21の左側壁部の前側には、上記空調ユニットに接続される上側空気吹出口21cが形成されている。上側空気吹出口21cには、第1空気通路R1の下流端が連通しており、第1空気通路R1内の空気は上側空気吹出口21cから上側スクロールケーシング21の外部に吹き出すようになっている。
図4に示すように、第2空気通路R2は、上側スクロールケーシング21の内部の後側を下方へ向けて延びており、第2空気通路R2の下端部は底壁部材23に達している。下側スクロールケーシング22の下壁部は底壁部材23から上方に離れており、下側スクロールケーシング22の下壁部と底壁部材23との間に、第2空気通路R2の下端部が位置している。下側スクロールケーシング22の下壁部には、略円形の第2ベルマウス開口部22aが形成されたベルマウス構成部材22bが設けられている。第2ベルマウス開口部22aは底壁部材23と対向するように配置されており、第2空気通路R2の下端部と連通している。第2ベルマウス開口部22aと第1ベルマウス開口部21aとは同心上に位置している。ベルマウス構成部材22bは、下側スクロールケーシング22の下壁部に形成された開口部22cの周縁部に嵌合するようになっている。
第2空気通路R2の下端部は、第2ベルマウス開口部22aを介して下側スクロールケーシング22の内部と連通しており、この下側スクロールケーシング22の内部は第2空気通路R2の一部となっている。仕切板24よりも下方が第2空気通路R2とされている。送風用ファン3における下側羽根31が設けられた部分は、下側スクロールケーシング22の内部において第2空気通路R2に配置されている。送風用ファン3が回転すると、送風用ファン3における下側羽根31が設けられた部分によって第2空気通路R2内の空気が空調用空気として送風される。つまり、送風用ファン3における下側羽根31が設けられた部分は、下層において空気の流れを形成する部分である。
図2に示すように、下側スクロールケーシング22の左側壁部の前側には、上記空調ユニットに接続される下側空気吹出口22cが形成されている。下側空気吹出口22cは、上側空気吹出口21cの真下に位置している。下側空気吹出口22cには、第2空気通路R2の下流端が連通しており、第2空気通路R2内の空気は下側空気吹出口22cから下側スクロールケーシング22の外部に吹き出すようになっている。
底壁部材23は、下側スクロールケーシング22の下端部を覆うように形成され、該下端部を覆うカバー状の部材である。底壁部材23の周縁部は、下側スクロールケーシング22の下端部の周縁部に嵌合するように形成されており、底壁部材23の周縁部と、下側スクロールケーシング22の下端部の周縁部との間から空気が漏れないようになっている。
底壁部材23には、モーター5がモーター取付部材5aを介して取り付けられている。このモーター5の上側に送風用ファン3が配置されている。モーター取付部材5aは、底壁部材23に固定されている。このモーター取付部材5aにモーター5が取り付けられている。モーター5は、ローター等を内蔵した本体部5bと、上下方向に延びる回転軸5cと、本体部5bを上方から覆うカバー部5dとを備えている。回転軸5cは、本体部5bの上端部から上方へ突出し、カバー部5dを貫通し、更に該カバー部5dから上方へ突出するように設けられており、第1ベルマウス開口部21a及び第2ベルマウス開口部22aと同心上に配置されている。回転軸5cの上端部は、第2ベルマウス開口部22aよりも上方に位置している。
カバー部5dには、回転軸5cの周囲を囲む筒状部5eが設けられている。筒状部5eは円筒状に形成することができ、回転軸5cと同心状に配置される。筒状部5eの代わりに、複数の円弧状の壁部を設けてもよい。回転軸5cは、筒状部5eの上端部よりも上方へ突出している。
回転軸5cには、送風用ファン3が固定されており、送風用ファン3と回転軸5cとは一体に回転するようになっている。したがって、モーター5の本体部5bに電圧が印加されると、回転軸5cの回転力が送風用ファン3に伝達され、送風用ファン3における上側羽根30が設けられた部分が第1空気通路R1内で回転し、送風用ファン3における下側羽根31が設けられた部分が第2空気通路R2内で回転する。モーター5の本体部5bには、図示しない空調制御装置が接続されており、空調制御装置によって所望の回転数となるように電圧が印加される。
(送風用ファン3の構成)
図5及び図6に示すように、送風用ファン3は、モーター5の回転軸5cに固定される被固定部33と、該被固定部33から該回転軸5cの径方向に延びるコーン部34と、該コーン部34の径方向外側に固定された多数の上側羽根30及び下側羽根31とを備えている。上側羽根30及び下側羽根31は上下方向に長い形状とされている。被固定部33、コーン部34、上側羽根30及び下側羽根31は、樹脂材からなる一体成形品とすることができるが、別部材を組み合わせて構成することもできる。送風用ファン3は、遠心式ファンである。
被固定部33は、モーター5の回転軸5cが挿入される挿入孔33aを有する筒状に形成されている。被固定部33の上側部分は、コーン部34の内周部34bの上面から上方へ突出しており、従って被固定部33の上側部分がコーン部34の内側へ突出するように位置することになる。被固定部33の挿入孔33aは上下方向に延びており、該挿入孔33aの上端部及び下端部は共に開放されている。モーター5の回転軸5cは、挿入孔33aに挿入された状態で固定される。被固定部33をモーター5の回転軸5cに固定する手段は従来から周囲であるので詳細な説明は省略する。
コーン部34は、被固定部33側が外周側に比べて下に位置するように、下方へ窪むように形成されている。すなわち、コーン部34は、外周部34aと、内周部34bとを有しており、外周部34aと内周部34bとは一体成形されている。内周部34bは、被固定部33の外周面の上下方向中間部から径方向外方へ延びている。内周部34bは、径方向外端部へ近づけば近づくほど下に位置するように傾斜ないし湾曲形成することができる。外周部34aは、内周部34bの径方向外端部から上方へ延び、上端部へ近づけば近づくほど径方向外側に位置するように傾斜ないし湾曲形成されている。これら外周部34a及び内周部34bの形状は一例であり、外周部34aと内周部34bとが滑らかに連続した形状であってもよいし、外周部34aと内周部34bとの境界部分が明確に分かるように連続した形状であってもよい。
外周部34a及び内周部34bにより、コーン部34の形状が下方へ窪むような形状になり、例えば椀型、凹型とも呼ぶことが可能な形状になる。またコーン部34の外周部34aの上端部は、径方向外方へ向けて延出した延出部34fを有している。この延出部34fは、モーター5の回転軸5cと交差する方向に延びており、この実施形態では、回転軸5cの径方向外側へ行くほど上に位置するように湾曲ないし傾斜している。また、外周部34aの下端部は、コーン部34の最も低い部位となる。
上側羽根30の下端部は、コーン部34の外周部34aの延出部34fの上面に結合されており、上側羽根30は、延出部34fの上面から上方へ延びるように設けられている。送風用ファン3が回転すると、上側羽根30の上方から空気が吸い込まれて、周方向に隣合う上側羽根30の間から径方向に吹き出す。
また外周部34aの延出部34fには、縦板部37及び横板部38が設けられている。縦板部37は、延出部34fの下面から下方へ突出するとともに、モーター5の回転軸5cと同心の円環状に形成されている。横板部38は、縦板部37の下端部から回転軸5cの径方向外方へ延びている。横板部38における回転軸5cの径方向外端部は、延出部34fにおける回転軸5cの径方向外端部よりも外方まで延びている。
横板部38の下面に、下側羽根31の上端部が結合されており、下側羽根31は下方へ延びるように形成されている。横板部38、延出部34f及び縦板部37によって回転軸5cの径方向外方に開放する空間が形成されている。送風用ファン3が回転すると、下側羽根31の下方から空気が吸い込まれて、周方向に隣合う下側羽根31の間から径方向に吹き出す。
図5に示すように、コーン部34の上面には、回動軸5cの径方向に延びる複数の第1リブ35及び第2リブ36が設けられている。第1リブ35及び第2リブ36は、被固定部33の外周面に接続されるとともに、コーン部34の外周部34aにも接続されている。つまり、第1リブ35及び第2リブ36は、被固定部33の外周面からコーン部34の外周部34aに達するまで径方向に延びる補強用リブであり、被固定部33と外周部34aとを連結する連結リブと呼ぶこともできる。第1リブ35は、第2リブ36よりも高くなっており、第1リブ35の径方向の寸法は、第2リブ36の径方向の寸法よりも長く設定されている。第1リブ35及び第2リブ36の肉厚は等しくすることができるが、互いに厚みを異ならせてもよい。第1リブ35と第2リブ36とは回動軸5cの周方向に交互に設けられている。第1リブ35及び第2リブ36の下端部は、コーン部34の内周部34bに接続されている。従って、第1リブ35及び第2リブ36により、被固定部33と、コーン部34の内周部34bと、コーン部34の外周部34aとが連結されて一体化することになる。尚、第1リブ35及び第2リブ36の一方または両方を省略してもよい。
第1リブ35及び第2リブ36の上端部は、上側羽根30の下端部よりも下に位置付けられている。これにより、第1リブ35及び第2リブ36が風の流れを阻害しにくくなるので、十分な風量を確保できる。
また複数の第1リブ35は回動軸5cの周方向に等間隔に配置されている。また複数の第2リブ36も回動軸5cの周方向に等間隔に配置されている。回動軸5cの周方向に隣合う第1リブ35と第2リブ36との間隔は、全て等しく設定されている。これにより、送風用ファン3の回転時のバランスが良好になる。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態に係る車両空調用送風装置1によれば、内外気切替ダンパ6、7の動作によって内気導入口2a、2bを開き、かつ、外気導入口2cを閉じると、内気導入口2a、2bから内気が導入される内気循環モードになる。内気循環モードでは、送風用ファン3が回転することで、内気導入口2a、2bから導入された内気が第1空気通路R1及び第2空気通路R2を流れて空調用空気として送風される。
また、内外気切替ダンパ6、7の動作によって内気導入口2a、2bを閉じ、かつ、外気導入口2cを開くと、外気導入口2cから外気が導入される外気導入モードになる。外気導入モードでは、送風用ファン3が回転することで、外気導入口2cから導入された外気が第1空気通路R1及び第2空気通路R2を流れて空調用空気として送風される。
さらに、内外気切替ダンパ6、7の動作によって内気導入口2a、2b及び外気導入口2cを開くと、内外気2層流モードになり、送風用ファン3が回転することで、外気導入口2cから導入された外気が第1空気通路R1を流れ、内気導入口2a、2bから導入された内気が第2空気通路R2を流れ、空調用空気として送風される。つまり、この実施形態に係る車両空調用送風装置1によれば、外気導入モードと、内気循環モードと、内外気2層流モードとのうち、任意のモードに切り替えて送風することができる。
また、この実施形態では、下方へ窪むように形成されたコーン部34とすることで、モーター5の回転軸5cを短くして送風用ファン3の回転時の安定性を高めることができる。またコーン部34の外周部34aの延出部34fに縦板部37と横板部38とを設けたので、コーン部34が縦板部37と横板部38とによって補強されることになる。この補強された部分に、上側羽根30及び下側羽根31の端部を結合することができるので、送風用ファン3の剛性低下を抑制できる。よって、上側羽根30及び下側羽根31の変形や破断を未然に防止することができる。
また、上側羽根30及び下側羽根31を上下方向に離すことができるので、上側羽根30と下側羽根31との間に隙間を形成することができる。これにより、第1空気通路R1の空気と第2空気通路R2の空気とが混ざりにくくなる。
また、コーン部34の内側の第1リブ35及び第2リブ36は径方向に延びるものであることから、下方へ窪む形状のコーン部34が第1リブ35及び第2リブ36によって補強されてコーン部34の剛性を十分に確保することができる。
また、送風用ファン3の横板部38、延出部34f及び縦板部37によって形成される空間が径方向外方に開放されるので、送風用ファン3の成形時の型構造の複雑化を回避することができ、コストを低減できる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
図7に示す実施形態の変形例1のように、送風用ファン3の延出部34fがモーター5の回転軸5cの軸方向と直交する方向に延びる形状であってもよい。また、この変形例1では、縦板部37が、延出部34fにおける上側羽根30の径方向内端部が結合された部位から下方へ突出している。すなわち、延出部34fにおける上側羽根30の径方向内端部が結合された部位近傍は、上側羽根30の結合によって剛性が高まっており、この剛性の高い部分から縦板部37を突出させることで、剛性が更に向上する。
図8に示す実施形態の変形例2のように、縦板部37は、延出部34fにおける上側羽根30の径方向中間部が結合された部位から下方へ突出していてもよい。すなわち、延出部34fにおける上側羽根30の径方向中間部が結合された部位近傍は、上側羽根30の結合によって剛性が高まっており、この剛性の高い部分から縦板部37を突出させることで、剛性が更に向上する。
図9に示す実施形態の変形例3のように、縦板部37が延出部34fから上方へ突出し、横板部38は、縦板部37の上端部から回転軸5cの径方向に延びていてもよい。この変形例3では、上側羽根30の下端部が横板部38の上面に結合されている。下側羽根31の上端部は延出部34fの下面に結合されている。
図10〜図12に示す実施形態の変形例4のように構成することもできる。すなわち、コーン部34には、該コーン部34の上面の水を該コーン部34の下方へ排水するための排水孔34cが複数設けられている。複数の排水孔34cは、コーン部34の外周部34aの下端部、即ちコーン部34の最も低い部位に設けられており、互いに回転軸5cの周方向に間隔をあけて配置されている。また、コーン部34の内周部34bは、径方向外端部へ近づけば近づくほど下に位置するように傾斜させることができ、これにより、排水孔34cの下縁部に向けて下降傾斜する形状になるので、内周部34bの上面の水が排水孔34cに向けて流れやすくなる。
これら排水孔34cの間隔は等間隔にすることができる。また排水孔34cは、カバー部5dの筒状部5eの上端部から上方へ離れ、かつ、該筒状部5eよりも径方向外方に位置付けられている。従って、平面視において、筒状部5eの外方に排水孔34cが位置することになる。第2リブ36は、排水孔34cを横切るように配置されている。平面視において、排水孔34cの開口幅の中央部を第2リブ36が通っており、これにより、1つの排水孔34cを1つの第2リブ36が跨ぐように配置されることになるので、排水孔34c開口幅の中央部において2分割されることになる。このように第2リブ36を配置することで、排水孔34cの開口を非閉塞とする位置に設けることができる。また第1リブ35は排水孔34cの開口から離れた位置に設けられているので、この第1リブ35も排水孔34cの開口を非閉塞とする位置に設けられるリブである。
コーン部34の下面には、排水孔34cにおける回転軸5cの径方向内端部から下方へ突出する突出部34dが形成されている。これにより、排水孔34cから下方へ流れる水が突出部34dを伝って流れ易くなる。この突出部34dが、排水孔34cにおける回転軸5cの径方向内端部から突出しているので、水が回転軸5cに接近する方向には流れにくくなり、このためモーター5への水浸入が抑制される。突出部34dは回転軸5cの周方向に延びていて、複数設けられている。また、突出部34dは回転軸5cの周方向に等間隔に設けることができる。突出部34dは、回転軸5cと同心の円弧状に延びるように形成することもできる。
突出部34dは、第1リブ35及び第2リブ36の直下方に位置している。突出部34dが周方向に延びているので、コーン部34における第1リブ35が形成された部位と、コーン部34における第2リブ36が形成された部位とに共通の突出部34dが位置することになる。また、突出部34dと、第1リブ35及び第2リブ36とがコーン部34の厚み方向(上下方向)に重なるように位置することになるので、コーン部34の剛性がより一層向上する。
図13Aに示すように、突出部34dの下端面34eの幅Wは、1.0mm以下にすることができる。これにより、突出部34dを伝って下端面34eまで流れた水が滴下しやすくなる。
図13Bに示す実施形態の変形例5のように、突出部34dの下端面34eを湾曲面とすることもできる。
図13Cに示す実施形態の変形例6のように、突出部34dの下部は、下方へ向かって尖るように形成することができる。変形例5、6の場合も、突出部34dを伝って流れた水が滴下しやすくなる。
図14に示す実施形態の変形例7のように、突出部34dの端部に、径方向外方へ突出する凸部34gを形成してもよい。これにより、水が周方向に隣合う突出部34dの間から径方向内方へ流れるのを抑制することができる。
図15に示す実施形態の変形例8のように、突出部34dを回転軸5cの周方向に連続する環状にすることもできる。