JP2019171135A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技状態の把握に係る処理負荷を軽減させることが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】パチンコ機の主制御基板101には、CPU102が搭載されている。CPU102は、当否判定結果に応じて複数種類の遊技状態のうちいずれかの遊技状態に移行させる。ここで、CPU102は、サポートモードを特定するための時短状態フラグと、当否抽選モードを特定するための確変状態フラグとを用いて遊技状態判定値を算出する。遊技状態判定値は当否抽選モード及びサポートモードがいずれであるかを識別可能な数値となっている。これにより、各モードの特定に係る処理負荷の軽減を図ることができる。【選択図】 図5
Description
本発明は遊技機に関するものである。
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部に遊技球が入球したことを契機として、所定数の遊技球の払出が実行される。また、始動入球部に遊技球が入球したことを契機として、遊技者に有利な有利状態に移行させるか否かの抽選が行われるとともに、遊技領域に設けられた表示装置にて絵柄の変動表示が開始される。そして、上記抽選に当選した場合には、例えば特定絵柄の組み合わせが最終停止表示され、遊技状態が有利状態に移行する。有利状態では、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される(例えば特許文献1参照)。
ここで、上記例示したパチンコ機等の遊技機においては、遊技の興趣向上を図るべく、例えば複数種の遊技状態を設定し、遊技状態の多様化を図るものがある。この場合、遊技状態の多様化に伴い、遊技状態の把握に係る処理負荷が大きくなる。
本発明は、上記例示した事情等を鑑みてなされたものであり、遊技状態の把握に係る処理負荷を軽減させることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
予め定められた抽選契機が発生した場合に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段と、
前記抽選手段の抽選結果が特典を付与することに対応した付与対応結果である場合には遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
を備えている遊技機において、
遊技状態として、特典の付与態様が異なるものであって同時に進行し得る第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とがあり、
前記各特定遊技状態はそれぞれ、遊技者の有利度合いを異ならせて複数種類設定されており、
前記複数種類の第1特定遊技状態のうちいずれであるかを特定するための第1特定情報と、前記複数種類の第2特定遊技状態のうちいずれであるかを特定するための第2特定情報と、を用いて予め定められた演算処理を行うことにより、前記各特定情報のデータ量を合わせたデータ量よりも少ないデータ量で構成された演算データを導出する演算手段と、
前記演算データを所定の記憶手段に記憶させる手段と、
を備え、
前記記憶手段に記憶されている前記演算データは、前記各特定遊技状態がいずれであるかを識別可能であることを特徴とする。
予め定められた抽選契機が発生した場合に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段と、
前記抽選手段の抽選結果が特典を付与することに対応した付与対応結果である場合には遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
を備えている遊技機において、
遊技状態として、特典の付与態様が異なるものであって同時に進行し得る第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とがあり、
前記各特定遊技状態はそれぞれ、遊技者の有利度合いを異ならせて複数種類設定されており、
前記複数種類の第1特定遊技状態のうちいずれであるかを特定するための第1特定情報と、前記複数種類の第2特定遊技状態のうちいずれであるかを特定するための第2特定情報と、を用いて予め定められた演算処理を行うことにより、前記各特定情報のデータ量を合わせたデータ量よりも少ないデータ量で構成された演算データを導出する演算手段と、
前記演算データを所定の記憶手段に記憶させる手段と、
を備え、
前記記憶手段に記憶されている前記演算データは、前記各特定遊技状態がいずれであるかを識別可能であることを特徴とする。
本発明によれば、遊技状態の把握に係る処理負荷を軽減させることができる。
<第1実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、図2及び図3に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、図1に示すように、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、図2に示すように、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
遊技領域の中央位置を含むようにして可変表示ユニット36が配置されており、さらに遊技領域の横方向の中央ライン上において可変表示ユニット36、上作動口33、下作動口34及び可変入賞装置32がこの順序で下方に向けて並ぶように配置されている。また、スルーゲート35は、可変表示ユニット36の左側に1個設けられているとともに、右側に1個設けられている。また、一般入賞口31は、上作動口33及び下作動口34の高さ位置において、これら上作動口33及び下作動口34の左方に2個設けられているとともに、右方に2個設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された入賞検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、上作動口33への入球が発生した場合及び下作動口34への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口33に係る賞球個数よりも下作動口34に係る賞球個数が多いといったように、両作動口33,34の賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置32に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口31に係る賞球個数よりも少ない構成としてもよく、一般入賞口31に係る賞球個数が最も多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した際にそのまま遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域を再度流下する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された図示しない電動役物駆動部に連結されており、電動役物駆動部により駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。詳細には、電動役物34aが閉鎖状態である場合には電動役物34aの先端部と上作動口33を形成する壁部との距離が遊技球の直径よりも小さく、電動役物34aが開放状態である場合には、電動役物34aの先端部と上作動口33を形成する壁部との距離が遊技球の直径よりも大きくなっている。
なお、これに限定されず、下作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が可能であって上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物34aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物34aを不具備とし、入賞が発生し易い状態と、それよりも入賞が発生しづらい状態との切換が、下作動口34自身の変位により行われる構成としてもよい。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞が困難な閉状態になっており、大当たり当選といった開閉実行モード(特別遊技状態)への移行当選となった際に、遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置32の開放態様として具体的には、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄(特図)の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄(普図)の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられているとともに、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示された場合には、開閉実行モードが発生することとなる。
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム42の右上部分には、役物用表示部44に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤24には、遊技状態を報知する報知手段としての状態報知LED47が設けられている。状態報知LED47は複数種類の色を発光可能に構成されている。状態報知LED47はメイン表示部43の隣に配置されており、メイン表示部43を視認しようとすると自ずと視界に入るようになっている。状態報知LED47は現状の遊技状態に対応した発光態様で発光する。これにより、状態報知LED47を確認することにより、遊技状態を把握することが可能となっている。
遊技盤24には、内レール部48と外レール部49とが取り付けられており、これら内レール部48と外レール部49とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構51から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。なお、内レール部48及び外レール部49は遊技領域を区画する機能も有している。
遊技球発射機構51は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、誘導レールに向けて延びる発射レール52と、後述する上皿61aに貯留されている遊技球を発射レール52上に供給する球送り装置53と、発射レール52上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド54と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置55が操作されることにより、球送り装置53が駆動制御されて1個の遊技球が発射レール52上の球待機位置に配置されるとともに、ソレノイド54が駆動制御されて、発射レール52上に配置された遊技球が発射される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部56が形成されている。窓部56は、略楕円形状をなし、窓パネル57が嵌め込まれている。窓パネル57は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル57を通じて遊技領域を視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部56の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部58aが窓部56の上方に設けられている。また、表示ランプ部58aの左右両側であって前扉枠14の上側の隅角部分には左右一対のエラーランプ部58bが設けられている。また、エラーランプ部58bに隣接させて、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部59が設けられている。
前扉枠14における窓部56の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部61と下側膨出部62とが上下に並設されている。上側膨出部61内側には上方に開口した上皿61aが設けられており、下側膨出部62内側には同じく上方に開口した下皿62aが設けられている。
上皿61aは、後述する払出装置77(図3参照)より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構51側へ導くための機能を有する。この場合、前扉枠14には上皿61aの出口から連続し、内枠13の球送り装置53へと延びる図示しない発射誘導用通路が形成されているが、当該発射誘導用通路の出口部分には、図2に示すように、シャッタ63が設けられている。当該シャッタ63は、前扉枠14を閉鎖状態とした場合には内枠13に形成された図示しない押圧部により押圧されて開放位置に配置され、球送り装置53への遊技球の流入を可能とする。一方、前扉枠14を開放状態とした場合には、上記押圧部による押圧が解除されるため、シャッタ63が閉鎖位置に配置され、上皿61aからの遊技球の流出が阻止される。下皿62aは、上皿61a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71と、音声やランプ表示及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声発光制御装置72と、が搭載されている。
なお、主制御装置71の基板ボックス71aに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置71や音声発光制御装置72を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、図3に示すように、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック73を備えており、当該裏パック73に対して、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75が取り付けられている。
払出機構部74は、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク76と、当該タンク76に貯留された遊技球を払い出すための払出装置77と、を備えている。払出装置77より払い出された遊技球は、当該払出装置77の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿61a又は下皿62aに排出される。なお、払出機構部74には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット75は、払出装置77を制御する機能を有する払出制御装置78と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置55の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置79と、を備えている。これら払出制御装置78と電源及び発射制御装置79とは、払出制御装置78がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
制御装置集合ユニット75において電源及び発射制御装置79が搭載されることとなる搭載部75aには、排出通路盤75bが形成されている。遊技盤24の背面に設けられた集合板の回収通路にて回収された遊技球は、当該排出通路盤75bに導出されて、当該排出通路盤75bに導かれることで最終的に遊技ホールの球送り機構に排出される。
<パチンコ機10の電気的構成>
パチンコ機10の電気的構成について図5を用いて説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
パチンコ機10の電気的構成について図5を用いて説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板101を具備している。主制御基板101には、CPU102、ROM103及びRAM104が搭載されている。
ROM103は、CPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。RAM104は、ROM103内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
主制御基板101には入出力ポート(図示略)が設けられており、入出力ポートを介して、CPU102と各種制御装置、各種センサ等とが接続されている。CPU102は、各種センサの検知結果を把握し、その検知結果に基づき各種制御装置を制御する。
詳細には、CPU102は、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35への入賞をそれぞれ検知する各種入賞検知センサ105a〜105dと電気的に接続されている。CPU102では、各種入賞検知センサ105a〜105dから信号を受信し、その受信結果に基づいて各入賞部への入賞判定(入球判定)を行う。この場合、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33又は下作動口34への入賞を特定した場合には、各入賞対象に対応した遊技球の払い出しが実行されるようにするための処理を実行する。また、上作動口33又は下作動口34への入賞を特定した場合には、各種カウンタの数値情報を取得して保留情報として記憶するとともに、保留情報が記憶されている場合には、可変入賞装置32が複数回に亘って開閉される開閉実行モードに移行させるか否かの当否判定(当否抽選)や当該開閉実行モード後の遊技状態を決定するための振分判定を行う。そして、それら当否判定や振分判定の結果に基づいて、遊技を進行させる。なお、数値情報とは10進数のものを指す。以降の説明においても同様である。
CPU102には、可変入賞装置32を開閉動作させる可変入賞駆動部32aと、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bとが電気的に接続されている。また、CPU102には、メイン表示部43と、役物用表示部44とが電気的に接続されている。CPU102は各種駆動部32a,34bの駆動制御を実行するとともに各種表示部43,44の表示制御を実行する。
詳細には、開閉実行モードにおいては可変入賞装置32が開閉されるように、CPU102において可変入賞駆動部32aの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるようにCPU102において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、CPU102においてメイン表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、CPU102において役物用表示部44の表示制御が実行される。
CPU102には、状態報知LED47が接続されている。CPU102は遊技状態を把握し、その把握結果に対応した制御信号を状態報知LED47に出力する。状態報知LED47は、制御信号に応じた発光態様で発光する。これにより、状態報知LED47の発光態様を確認することにより、遊技状態を把握することができる。
CPU102には、主制御装置71に設けられた電源を監視する停電監視基板(電断監視基板)108が接続されている。停電監視基板108は、動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置79とCPU102とを中継する。CPU102を含む主制御基板101の各種電子部品の動作電力は、停電監視基板108を介して供給される。そして、停電監視基板108は、電源及び発射制御装置79から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
CPU102には、音声発光制御装置72及び払出制御装置78が接続されている。CPU102は、払出制御装置78に、例えば入賞判定結果に基づいて賞球コマンドを出力する。払出制御装置78は、賞球コマンドを受信した場合に、賞球コマンドにて設定された遊技球数だけ払出が行われるように払出装置77を駆動制御する。
CPU102は、音声発光制御装置72に、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドを出力する。音声発光制御装置72は、上記各種コマンドを受信した場合に、受信したコマンドに対応する処理を実行する。
電源及び発射制御装置79は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板101や払出制御装置78等に各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。また、電源及び発射制御装置79は遊技球発射機構51の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構51は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置72には、図示しないサブ側CPU、サブ側ROM、サブ側RAMが設けられている。音声発光制御装置72のサブ側CPUは、主制御装置71のCPU102から受信したコマンドに基づき、表示ランプ部58a、エラーランプ部58b及びスピーカ部59を駆動制御するとともに、表示制御装置110にコマンドを送信する。表示制御装置110は、音声発光制御装置72から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行って、図柄表示装置41における画像の表示を制御する。
<CPU102にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、CPU102にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図6を用いて説明する。
次に、CPU102にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図6を用いて説明する。
CPU102は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行う。具体的には、図6に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いる。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電役乱数カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RAM104の抽選カウンタ用バッファ104aに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア104bに格納される。
保留球格納エリア104bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ104aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部43の絵柄の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留球格納エリア104bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM103における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア103aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留球格納エリア104bに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されており、大当たり種別カウンタC2はこれら複数の大当たり結果のいずれかに振り分けるのに用いられる。
複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、区別される。
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が、相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。
ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、大当たり結果が契機となった開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンド(15R)に設定されている。
また、本パチンコ機10では、可変入賞装置32の1回の開放態様が、可変入賞装置32が開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間(開放継続期間)を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様(長期間態様)と、開放継続時間が上記長時間よりも短い短時間である0.06secに設定された短時間態様(短期間態様)と、が設定されている。
本パチンコ機10では、発射操作装置55が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構51が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、可変入賞装置32に対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待される。一方、短時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、可変入賞装置32への入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による可変入賞装置32の開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による可変入賞装置32の開放が1回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける可変入賞装置32の開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)と低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電役乱数カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっている。一方、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として、短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM103における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア103bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、最有利大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)と、高入賞低確大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、低入賞低確大当たり結果(明示低確率対応遊技結果)と、低入賞高確大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)と、が設定されている。
これら複数の大当たり結果と各種遊技状態との関係や、それらを特定するためのデータ構成について図7を用いて説明する。図7(a)は大当たり結果と各種遊技状態との対応関係を示す説明図であり、図7(b)は各種遊技状態を特定するためのデータ構成を説明するための説明図である。なお、図7(a)では、各モードに対応するフラグを括弧書きで示す。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
高入賞低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が第1終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
低入賞低確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が第1終了基準回数とは異なる第2終了基準回数(具体的には、50回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
低入賞高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなる大当たり結果である。高確率モードは、当否抽選における抽選結果が大当たり当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が高入賞低確大当たり結果に対応しており、「10〜11」が低入賞低確大当たり結果に対応しており、「12〜14」が低入賞高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
なお、高確大当たり結果の一種として、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持されることとなる非明示の低入賞高確大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)が含まれていてもよい。この場合、大当たり結果のさらなる多様化が図られる。
さらにまた、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示の低入賞高確大当たり結果と特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通している。一方、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示の低入賞高確大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
ここで、当選した大当たり結果及び現状の遊技状態(当否抽選モード、サポートモード)をCPU102側にて特定するために、図7(b)に示すように、ROM103の各種フラグ格納エリア104dには、大当たりフラグ格納エリア121、確変状態フラグ格納エリア122及び時短状態フラグ格納エリア123が設けられている。各格納エリア121〜123は、1バイト(8ビット)のデータ領域を有しており、初期値として「00H」が設定されている。
各フラグについて詳細に説明すると、大当たりフラグ格納エリア121はデータ領域D0〜D7からなる1バイトの記憶領域を備えており、そこに格納される大当たりフラグは1バイトで構成されている。大当たりフラグは、上述した複数の大当たり結果に対応させて複数種類(4種類)設定されている。具体的には、図7(a)に示すように、最有利大当たり結果に対応する大当たりフラグとして「F1H」が設定されており、高入賞低確大当たり結果に対応する大当たりフラグとして「01H」が設定されており、低入賞低確大当たり結果に対応する大当たりフラグとして「02H」が設定されており、低入賞高確大当たり結果に対応する大当たりフラグとして「F2H」が設定されている。これにより、大当たりフラグ格納エリア121のデータを把握することにより、大当たり結果の種類を特定することが可能となっている。
ここで、大当たりフラグ格納エリア121は、上位4ビットのデータ領域D4〜D7から構成される上位データ領域121aと、下位4ビットのデータ領域D0〜D3から構成される下位データ領域121bとに区分される。この場合、上位データ領域121aに格納される大当たりフラグのデータは、当否抽選モードに応じて異なっている。すなわち、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードである場合の大当たり結果に対応する大当たりフラグにおいては、上位データ領域121aに格納されるデータが「F」となっている(各データ領域D4〜D7に「1」が設定されている)。一方、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードである場合の大当たり結果に対応する大当たりフラグにおいては、上位データ領域121aに格納されるデータが「0」となっている(各データ領域D4〜D7に「0」が設定されている)。
かかる構成によれば、大当たりフラグ格納エリア121の上位データ領域121aを確認することにより、開閉実行モード終了後の当否抽選モードを把握することができる。
また、下位データ領域121bに格納される大当たりフラグのデータは、可変入賞装置32の開閉制御態様に応じて異なっている。すなわち、高頻度入賞モードとなる大当たり結果に対応する大当たりフラグにおいては、下位データ領域121bに格納されるデータが「1」となっている(データ領域D0に「1」が設定され、その他のデータ領域D1〜D3には「0」が設定される)。一方、低頻度入賞モードとなる大当たり結果に対応する大当たりフラグにおいては、下位データ領域121bに格納されるデータが「0」となっている(各データ領域D0〜D3に「0」が設定されている)。これにより、大当たりフラグ格納エリア121の下位データ領域121bを確認することにより、可変入賞装置32の開閉制御態様を把握することができる。
確変状態フラグ格納エリア122は、データ領域D10〜D17からなる1バイトの記憶領域を有しており、そこに格納される確変状態フラグは1バイトで構成されている。確変状態フラグは、複数種類(2種類)の当否抽選モードに対応させて複数種類(2種類)設定されている。具体的には、図7(a)に示すように、高確率モードに対応する確変状態フラグとして「F0H」が設定されており、低確率モードに対応する確変状態フラグとして「00H」が設定されている。これにより、確変状態フラグを確認することにより、当否抽選モードを把握することができる。
時短状態フラグ格納エリア123は、データ領域D20〜D27からなる1バイトの記憶領域を有しており、そこに格納される時短状態フラグは1バイトで構成されている。時短状態フラグは、サポートモードが複数種類(4種類)設定されていることに対応させて複数種類(4種類)設定されている。具体的には、図7(a)に示すように、リミット無しの高頻度サポートモードに対応する時短状態フラグとして「01H」が設定されており、100回の高頻度サポートモードに対応する時短状態フラグとして「02H」が設定されており、50回の高頻度サポートモードに対応する時短状態フラグとして「03H」が設定されており、サポート無し、すなわち低頻度サポートモードに対応する時短状態フラグとして「00H」が設定されている。これにより、時短状態フラグを確認することにより、サポートモードを把握することができる。
ここで、既に説明した通り、開閉実行モード終了後に移行する特定遊技状態として、当否抽選モードとサポートモードとが設定されており、両者は同時に進行し得る。この場合、各モードの終了条件も異なっているため、一方のモードが終了したにも関わらず、他方のモードは継続している事態が発生し得る。このため、各モードは個別に特定する必要がある。
これに対して、本実施形態によれば、当否抽選モードを特定するための確変状態フラグと、サポートモードを特定するための時短状態フラグとを別々設けたため、各モードを個別に把握することができる。これにより、遊技状況の変化に好適に対応することができる。
CPU102は、振分テーブルを参照することにより、大当たり種別カウンタC2に対応した大当たり結果を特定し、その特定された大当たり結果に対応した大当たりフラグを大当たりフラグ格納エリア121にセットする。そして、開閉実行モードが終了したことに基づいて、大当たりフラグに対応する確変状態フラグ及び時短状態フラグをセットする。これにより、遊技状態を把握することができる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留球格納エリア104bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM103のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、後述するメイン処理及びタイマ割込み処理のそれぞれにて更新され、メイン表示部43における絵柄の変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSの値が取得される。
なお、変動パターンには、メイン表示部43における絵柄の変動表示時間(表示継続期間)と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間(表示継続期間)とが含まれる。すなわち、変動種別カウンタCSは、上記各変動表示時間を決定するのに用いられるカウンタであるとも言える。
電役乱数カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電役乱数カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM104に設けられた電役保留エリア104cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電役乱数カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<CPU102にて実行される各種処理について>
次に、CPU102にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかるCPU102の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に起動されるタイマ割込み処理とがある。
次に、CPU102にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかるCPU102の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
先ず、図8のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。当該メイン処理は、タイマ割込み処理が禁止された状況下で開始される。
先ず、図8のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。当該メイン処理は、タイマ割込み処理が禁止された状況下で開始される。
先ずステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102ではRAM104のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてCPU102の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源及び発射制御装置79に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RAM104の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RAM104の初期化として当該RAM104をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。これについては、後述する。
続くステップS110では、タイマ割込み処理の発生を許可するための割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS111〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、CPU102はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS111〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、ステップS111〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、先ずステップS111にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。その後、ステップS112にて、変動種別カウンタCS及び乱数初期値カウンタCINIの更新処理を実行する。
当該更新処理では、RAM104の変動種別カウンタバッファから現状の変動種別カウンタCSの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際「0」にクリアする。
同様に、RAM104の変動種別カウンタバッファから現状の乱数初期値カウンタCINIの数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際「0」にクリアする。
その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS111に戻り、ステップS111〜ステップS113の処理を繰り返す。
<電源投入設定処理>
次に、電源投入設定処理について図9のフローチャートを用いて説明する。
次に、電源投入設定処理について図9のフローチャートを用いて説明する。
電源投入設定処理では、現状の遊技状態をサブ制御装置である音声発光制御装置72に認識させるために、現状の遊技状態を特定するのに用いられる遊技状態コマンドを、音声発光制御装置72に送信するための処理を実行する。
先ず、ステップS201にて、時短状態フラグ及び確変状態フラグを把握する。詳細には、時短状態フラグ格納エリア123及び確変状態フラグ格納エリア122に格納されているデータを把握する。
ここで、時短状態フラグ及び確変状態フラグは、電源遮断時において保持されるように構成されている。これにより、ステップS108のクリア処理を実行することなく電源投入設定処理を実行する場合、すなわち電源遮断時からの復帰であって記憶保持されたデータの有効性が確認された場合には、各状態フラグは電源遮断時の状態を維持する。一方、ステップS108のクリア処理を実行した場合には、各状態フラグは初期値、すなわち「00H」となっている。
その後、ステップS202では、遊技状態を特定するのに用いられる遊技状態判定値を算出する処理を実行する。具体的には、ステップS201にて把握した時短状態フラグの数値情報及び確変状態フラグの数値情報を用いて、1の演算データを導出する。その後、ステップS203にて、算出された遊技状態判定値をRAM104に設けられた遊技状態判定値記憶エリア124に記憶させる。
遊技状態判定値の算出について図10を用いて詳細に説明する。図10は遊技状態判定値の算出を説明するための説明図である。詳細には、図10(a)は確変状態フラグのデータ構成を説明するための説明図、図10(b)は時短状態フラグのデータ構成を説明するための説明図、図10(c)は遊技状態判定値を説明するための説明図である。なお、各ビットパターンが示す10進数の数値情報を括弧書きで示す。
遊技状態判定値の算出態様を説明する前に、遊技状態判定値について説明する。遊技状態判定値記憶エリア124はデータ領域D30〜D37からなる1バイトの記憶領域を有している。遊技状態判定値は、遊技状態判定値記憶エリア124に格納されるものであって、1バイトからなる数値情報である。
ステップS202では、確変状態フラグの数値情報と時短状態フラグの数値情報とを加算して遊技状態判定値を算出する。この場合、既に説明した通り、確変状態フラグは、図10(a)に示すように、2種類の当否抽選モードに対応させて「00H」又は「F0H」のデータ構成となり得る。この場合、10進数の数値情報に換算すると「0」又は「240」を取ることとなる。また、時短状態フラグは、図10(b)に示すように、4種類のサポートモードに対応させて、「00H」、「01H」、「02H」及び「03H」のいずれかのデータ構成となる。この場合、10進数の数値情報に換算すると、「0」、「1」、「2」、「3」のいずれかを取る。このため、遊技状態判定値は、図10(c)に示すように、時短状態フラグの数値情報及び確変状態フラグの数値情報の組み合わせ数である8種類の数値情報を取り得る。
ここで、確変状態フラグの数値情報と時短状態フラグの数値情報との組み合わせに応じて異なる遊技状態判定値が算出されるように、確変状態フラグ及び時短状態フラグは構成されている。
具体的には、確変状態フラグの上位データ、すなわち確変状態フラグ格納エリア122のうちデータ領域D14〜D17からなる上位データ領域122aに格納されるデータは、当否抽選モードに応じて異なるように構成されている。一方、確変状態フラグの下位データ、すなわち確変状態フラグ格納エリア122のうちデータ領域D10〜D13からなる下位データ領域122bに格納されるデータは、当否抽選モードに関わらず同一(「0」)となっている。
そして、時短状態フラグの上位データ、すなわち時短状態フラグ格納エリア123のうちデータ領域D24〜D27からなる上位データ領域123aに格納されるデータは、サポートモードに関わらず同一(「0」)となっている。一方、時短状態フラグの下位データ、すなわち時短状態フラグ格納エリア123のうちデータ領域D20〜D23からなる下位データ領域123bに格納されるデータは、サポートモードに応じて異なる。さらに、下位データ領域123bに格納されるデータの最大数値情報(「3」)と、確変状態フラグの下位データの数値情報(「0」)とを加算した場合に、上位データへの桁上がりが発生しないように設定されている。
かかる構成によれば、確変状態フラグの数値情報及び時短状態フラグの数値情報を加算した場合、遊技状態判定値記憶エリア124の上位データ領域124aには当否抽選モードに対応したデータが設定され、下位データ領域124bにはサポートモードに対応したデータが設定される。この場合、上位データ領域124aと下位データ領域124bとが互いに干渉することがない。これにより、確変状態フラグ及び時短状態フラグの組み合わせに応じて、一義的に遊技状態判定値が導出されることとなる。よって、遊技状態判定値に基づいて、一義的に当否抽選モード及びサポートモードを特定することが可能となっている。
電源投入設定処理(図9)の説明に戻り、ステップS203の処理を実行した後は、ステップS204にて、状態報知LED47の発光制御処理を実行する。具体的には、ROM103には、遊技状態判定値毎に異なる発光態様が設定された発光制御テーブルを記憶している発光制御テーブル記憶エリア103cが設けられている(図5参照)。ステップS204では、遊技状態判定値を把握し、上記発光制御テーブルを参照することにより、遊技状態判定値に対応した発光態様を把握する。そして、把握された発光態様で状態報知LED47を発光させる処理を実行する。これにより、管理者等が、状態報知LED47の発光態様に基づいて遊技状態を把握することができる。
この場合、遊技状態判定値に基づいて状態報知LED47の発光態様を決定する構成となっているため、時短状態フラグ及び確変状態フラグ双方を把握する必要がない。これにより、遊技状態の把握に係る処理負荷の軽減を図ることができる。さらに、時短状態フラグ及び確変状態フラグ双方に対応させて発光制御テーブルを設定する必要がないため、発光制御テーブルの簡素化を図ることができ、発光制御テーブル記憶エリア103cのデータ量の削減を図ることができる。
続くステップS205では、現状の遊技状態を認識させるための遊技状態コマンドを設定する。具体的には、出力対象のコマンドとして遊技状態コマンドを設定する。そして、遊技状態判定値を把握し、その把握された遊技状態判定値を遊技状態コマンドの所定のデータ領域にセットして、遊技状態コマンドを音声発光制御装置72に送信する。
より詳細には、遊技状態コマンドは2バイトで構成されたコマンドであり、上位バイトには、音声発光制御装置72が遊技状態コマンドであることを認識するための識別情報がセットされている。ステップS205では、遊技状態コマンドをセットし、その遊技状態コマンドの下位バイトに、把握された遊技状態判定値をセットする。これにより、音声発光制御装置72にて、遊技状態コマンドを受信したこと及び現状の遊技状態を把握することができる。
この場合、遊技状態コマンドとして遊技状態判定値を送信する構成とすることにより、時短状態フラグ及び確変状態フラグ双方を送信する構成と比較して、遊技状態コマンドのコマンドデータを1バイト削減することができる。これにより、遊技状態コマンドの送信に係る処理負荷の軽減を図ることができる。
ステップS205にて遊技状態コマンドを設定した後は、ステップS206にてその他の処理を実行して、本電源投入設定処理を終了する。その他の処理には、停電フラグの初期化といったRAM104の所定のエリアを初期値に設定するとともに、払出制御装置78の各種データ領域の初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出制御装置78に送信する処理が含まれる。
<タイマ割込み処理>
次に、図11のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
次に、図11のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
先ずステップS301にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板108から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS302では、抽選用乱数(各カウンタC1〜C4)の更新処理を実行する。具体的には、各カウンタC1〜C4に対応するカウンタバッファから現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、上書きする処理を実行する。この場合、各カウンタC2〜C4については、数値情報が最大値に達した場合に数値情報を最小値である「0」にクリアする。大当たり乱数カウンタC1については、数値情報が最大値に達した場合に数値情報を、その時点における乱数初期値カウンタCINIの数値情報に設定する。
ステップS303では、上記ステップS112と同様に、変動種別カウンタCS及び乱数初期値カウンタCINIの更新処理を実行する。
続くステップS304では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32a,34bに行うための処理を実行する。例えば、可変入賞装置32を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部32aへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、下作動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS305では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS306では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ105a〜105dから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35への入賞の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS307では、RAM104に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS308では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射操作装置55に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS309では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理の内容は後に説明する。
続くステップS310にて普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理の内容は後に説明する。
続くステップS311では、直前のステップS309及びステップS310の処理結果に基づいて、メイン表示部43に係る保留情報の増減個数を第1保留ランプ部45に反映させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44に係る保留情報の増減個数を第2保留ランプ部46に反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS311では、直前のステップS309及びステップS310の処理結果に基づいて、メイン表示部43の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS312では、遊技回及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況において図柄表示装置41の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行するとともに、ステップS313では、払出制御装置78から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS314では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
続くステップS315では、状態報知LED47の発光制御を行う状態報知LED制御処理を実行する。当該処理は、電源投入設定処理(図9)のステップS204の処理と同一であるため、説明を省略する。
そして、ステップS316にて、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。
ステップS317では、割込み終了宣言の設定を実行する。CPU102では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップS317では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。また、ステップS318では、割込み許可の設定を行う。CPU102では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップS318では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
<普図普電制御処理>
説明の都合上、先ずステップS310にて実行される普図普電制御処理について図12のフローチャートを用いて説明する。
説明の都合上、先ずステップS310にて実行される普図普電制御処理について図12のフローチャートを用いて説明する。
普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行する。そして、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報についてサポート発生判定を行い、そのサポート発生判定を契機として、普図用の演出を行うための処理を実行する。また、サポート発生判定の結果に基づいて、下作動口34の電動役物34aを開閉させる処理を実行する。
具体的には、先ずステップS401にて、普図側の保留情報の取得処理を実行する。当該取得処理では、RAM104の各種フラグ格納エリア104dに設けられたスルーフラグ格納エリアにスルーフラグがセットされていることを条件として、電役乱数カウンタC4の数値情報(すなわち、普図側の保留情報)を電役保留エリア104cに格納する処理を実行する。但し、普図側の保留情報の取得は保留の上限値の範囲内で行われる。ちなみに、スルーフラグはタイマ割込み処理(図11)のステップS406の入賞検知処理にてスルーゲート35への入賞が特定された場合にセットされ、それに対して普図側の保留情報の取得が行われた場合にクリアされる。
続くステップS402では、RAM104の各種カウンタエリア104eに設けられた普図普電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS403では、ROM103の普図普電アドレステーブル記憶エリア103dから普図普電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS404にて、普図普電アドレステーブルから普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS402〜ステップS404の処理内容について説明する。
既に説明したとおり、普図普電制御処理には、普図用の演出に係る処理、及び電動役物34aの開閉に係る処理が含まれている。この場合に、普図用の演出に係る処理として、普図変動開始処理と、普図変動中処理と、普図確定中処理と、が設定されている。また、電動役物34aの開閉に係る処理として、普電開放中処理と、普電閉鎖中処理と、が設定されている。
このような処理構成において、普図普電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをCPU102にて把握するためのカウンタである。普図普電アドレステーブルには、普図普電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
普図普電カウンタは「0」〜「4」の数値情報を設定可能となっており、普図普電アドレステーブルには普図普電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「NSA0」〜「NSA4」)が設定されている。この場合、開始アドレスNSA0は、普図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA1は、普図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA2は、普図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA3は、普電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA4は、普電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
普図普電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合であってその数値情報を更新すべき条件が成立している場合に、その次の処理回における普図普電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリアされる。したがって、各処理回における普図普電制御処理では、普図普電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、普図普電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくてもCPU102にて把握することが可能となる。よって、処理の簡素化が図られる。
ステップS404の処理を実行した後は、ステップS405に進む。ステップS405では、ステップS404にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがNSA0である場合にはステップS406の普図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA1である場合にはステップS407の普図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA2である場合にはステップS408の普図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA3である場合にはステップS409の普電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA4である場合にはステップS410の普電閉鎖中処理にジャンプする。そして、ステップS406〜ステップS410のいずれかの処理を実行した後に、本普図普電制御処理を終了する。以下、ステップS406〜ステップS410の処理について個別に説明する。
先ず、ステップS406の普図変動開始処理について説明する。普図変動開始処理では、電役保留エリア104cに普図側の保留情報が保留記憶されているか否かを判定し、普図側の保留情報が記憶されている場合には、サポート抽選を実行する。詳細には、電役保留エリア104cに記憶されている電役乱数カウンタC4がサポート当選に対応した値であるか否かを判定する。そして、サポート抽選の抽選結果に基づいて、役物用表示部44における普通図柄の変動表示時間である普図変動時間を決定する。具体的には、時短状態フラグを確認して、現時点におけるサポートモードを把握する。そして、把握されたサポートモードに対応した普図変動時間を把握する。この場合、高頻度サポートモードの方が、低頻度サポートモードと比較して、普図変動時間が短く設定されている。
そして、役物用表示部44にて普図の変動表示を開始させ、普図普電カウンタを「0」から「1」に更新して、本普図変動開始処理を終了する。
ステップS407の普図変動中処理では、役物用表示部44における表示を更新させるための処理を実行する。この場合に、普図変動時間の経過を確認したことを条件として、普図普電カウンタを「1」から「2」に更新する。
ステップS408の普図確定中処理では、サポート抽選の抽選結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選ではない場合には、普図普電カウンタの数値情報を「0」クリアした後に、本普図確定中処理を終了する。一方、サポート当選である場合には、電動役物34aを予め定められた態様で開閉動作させる。これにより、下作動口34への遊技球の入賞が可能となる。当該開閉動作は、下作動口34への遊技球の入賞個数が予め定められた上限個数となること、又は開放時間が予め定められた上限時間となる、のいずれかが成立するまで継続させる。
この場合、時短状態フラグを把握することにより、サポートモードを把握し、把握されたサポートモードに対応した開放時間を設定する。詳細には、低頻度サポートモードでは、電動役物34aにおいて相対的に開放時間が短い短時間開放が1回実行されるのに対して、高頻度サポートモードでは、電動役物34aにおいて相対的に開放時間が長い長時間開放が複数回(3回)実行される。
そして、普図普電カウンタを「2」から「3」に更新して、本普図確定処理を終了する。
ステップS409の普電開放中処理では、閉鎖タイミング又はサポート終了条件が成立するまで電動役物34aの開放状態を維持する。電動役物34aの開放中に入賞個数が上限個数となりサポート終了条件が成立した場合、又は閉鎖タイミング(高頻度サポートモードにあっては3回目の開放に係る閉鎖タイミング)となった場合には、普図普電カウンタを「0」に初期化して、本普電開放中処理を終了する。
一方、高頻度サポートモードにおける1回目又は2回目の開放に係る閉鎖タイミングとなった場合には、普図普電カウンタを「3」から「4」に更新して、本普電開放中処理を終了する。
ステップS410の普電閉鎖中処理では、電動役物34aの閉鎖状態を維持するとともに、閉鎖時間が経過した場合には電動役物34aを再度開放状態とするための処理を実行する。具体的には、普図普電カウンタを「4」から「3」に更新する。
<特図特電制御処理>
次に、タイマ割込み処理(図11)のステップS309にて実行される特図特電制御処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
次に、タイマ割込み処理(図11)のステップS309にて実行される特図特電制御処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
特図特電制御処理では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
具体的には、先ずステップS501にて、特図側の保留情報の取得処理を実行する。保留情報の取得処理では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生しているか否かを判定し、入賞が発生している場合には保留球格納エリア104bにおける保留数記憶エリアNAに格納された保留数Nを読み出し、その保留数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。保留数Nが上限値未満である場合には、保留数Nを1加算するとともに、前回のステップS302にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリアに格納する。
なお、上作動口33及び下作動口34への入賞が同時に発生している場合には、保留情報の取得処理を1回実行する範囲内において、上記保留情報を取得するための処理を複数回実行する。
ステップS501にて保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS502に進む。ステップS502では、RAM104の各種カウンタエリア104eに設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行する。続くステップS503では、ROM103に設けられた特図特電アドレステーブル記憶エリア103eに記憶されている特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS504にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS502〜ステップS504の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理と、開閉実行モードに係る処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS506)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS507)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS508)と、が設定されている。
また、開閉実行モードに係る処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS509)と、可変入賞装置32の開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS510)と、可変入賞装置32の閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS511)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS512)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかをCPU102にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS506)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS507)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS508)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS509)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS510)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS511)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS512)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。なお、特図特電カウンタは、初期値として「0」が設定されている。
上記構成によれば、特図特電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくてもCPU102にて把握することが可能となる。例えば、遊技回用の演出は、他の遊技回用の演出が実行されておらず且つ開閉実行モードではない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判断しようとすると、遊技回用の演出に係る処理にて、遊技回用の演出を開始させる前に、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。また、遊技回用の演出の実行中には、遊技回用の演出の実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認と、確定表示中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じる。
また、開閉実行モードは、遊技回用の演出が終了し且つ他の開閉実行モードが実行されていない場合に開始されるが、各状態をフラグの有無により判断しようとすると、開閉実行モードに係る処理にて、開閉実行モードを開始させる前に、遊技回用の演出が終了したことを示すフラグがセットされているか否かの確認と、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認とを行う必要が生じ、さらにオープニング中である場合には、オープニング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。また、オープニング以降では、開閉実行モードの実行中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行うとともに、可変入賞装置32が開放中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。さらにまた、エンディング中である場合には、エンディング中であることを示すフラグがセットされているか否かの確認を行う必要が生じる。
これに対して、特図特電カウンタを利用すれば、様々なフラグを用意しておく必要はなく、さらには各処理の実行タイミングを確認する際の情報も集約される。よって、処理の簡素化が図られる。
ステップS504の処理を実行した後は、ステップS505にて、ステップS504にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS506の特図変動開始処理にジャンプする。
特図変動開始処理について図14のフローチャートを用いて説明する。
ステップS601では、保留数Nが1以上であるか否かを判定する。保留数Nが「0」である場合にはそのまま本特図変動開始処理を終了する。保留数Nが1以上である場合には、ステップS602にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では、先ず保留数Nを1減算するとともに、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータ(すなわち、保留情報)を実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアする。そして、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。この際、保留エリアのデータのシフトが行われたことを音声発光制御装置72に認識させるためのシフト時コマンドを出力対象として設定して送信する構成としてもよい。
続くステップS603では、遊技状態判定値に基づいて当否抽選モードを特定する。具体的には、遊技状態判定値が「240」以上であるか否かを判定する。この場合、遊技状態判定値が「240」以上である場合には、高確率モード用の当否テーブルを選択する。一方、遊技状態判定値が「240」未満である場合には、低確率モード用の当否テーブルを選択する。
その後、ステップS604にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、ステップS603にて選択した当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が、予め定められた大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS605では、ステップS604における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS606にて振分判定処理を実行する。振分判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち振分判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を把握する。そして、振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS607では、大当たり結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM103に予め記憶されている大当たり結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM104に記憶する。この大当たり結果用の停止結果テーブルには、メイン表示部43に停止表示される絵柄の態様の情報が、大当たり結果の種類(大当たりフラグの種類)毎に相違させて設定されている。
続くステップS608では、振分判定結果に対応したフラグセット処理を実行する。具体的には、大当たりフラグ格納エリア121に、今回当選となった大当たり結果に対応する大当たりフラグをセットする。
一方、ステップS605にて、大当たり当選結果ではないと判定した場合には、ステップS609にて、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。具体的には、今回の変動開始に係る遊技回においてメイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM103に予め記憶されている外れ結果用の停止結果テーブルから特定し、その特定した情報をRAM104に記憶する。この場合に選択される絵柄の態様の情報は、大当たり結果の場合に選択される絵柄の態様の情報とは異なっている。
ステップS608又はステップS609の処理を実行した後は、ステップS610にて、今回の遊技回における図柄表示装置41の変動パターンを決定するのに用いられる変動パターンコマンドを決定する処理を実行する。本処理では、当否判定結果、遊技状態判定値、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSを把握し、これらに対応した変動パターンコマンドを選択する。
詳細には、ROM103の所定の記憶エリアには、変動パターンコマンドテーブルが記憶されている。変動パターンコマンドテーブルには、図柄表示装置41にて行われる変動パターン(演出内容及び演出時間)が相違する複数種類の変動パターンコマンドが設定されている。そして、変動パターンコマンドテーブルには、各変動パターンコマンドに対して、当否判定結果、遊技状態判定値、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSが対応付けられて設定されている。ステップS610では、変動パターンコマンドテーブルを参照することにより、当否判定結果、遊技状態判定値、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの組み合わせに対応した変動パターンコマンドを特定する。
遊技状態判定値と変動パターンコマンドとの関係について説明すると、遊技状態判定値が高頻度サポートモードに対応したものである場合には、低頻度サポートモードよりも比較的短い演出時間の変動パターンコマンドが選択され易くなっている。また、遊技状態判定値が高確率モードに対応したものである場合には、大当たり当選結果となる期待度が高い演出に対応した変動パターンコマンドが選択され易くなるようになっている。これにより、遊技状態に応じた演出を行うことが可能となっている。
ここで、遊技状態に応じた演出を行うためには、時短状態フラグ及び確変状態フラグを用いて変動パターンコマンドを決定する構成も考えられる。しかしながら、上記構成とすると、変動パターンコマンドを決定するための把握対象が増加する。そして、把握対象が増加することに伴って、変動パターンコマンドテーブルのデータ量の増大化及び変動パターンコマンドの決定に係る処理の処理負荷の増大化が懸念される。
これに対して、本実施形態によれば、サポートモード及び当否抽選モードを特定するための情報が設定された遊技状態判定値を用いて、変動パターンコマンドを決定する構成としたことにより、変動パターンコマンドを決定するために用いられる把握対象を少なくすることを達成した。これにより、処理負荷の軽減を図りつつ、遊技状態に応じた演出を行うことができる。
ステップS610にて、変動パターンコマンドを決定した後は、ステップS611にて変動パターンコマンドを出力対象のコマンドとして設定する。
その後、ステップS612では、メイン表示部43の絵柄の変動表示を開始する。当該変動表示は、設定された変動パターンコマンドに対応する演出時間と同一時間に亘って実行される。換言すれば、変動パターンコマンドを決定する処理は、メイン表示部43の絵柄の変動表示時間(表示継続時間)を決定する処理であるとも言える。
続くステップS613では、特図特電カウンタを1加算する処理を実行する。これにより、その特図特電カウンタの数値情報が特図変動開始処理に対応したものから特図変動中処理に対応したものに更新される。
特図特電制御処理(図13)の説明に戻り、取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS507の特図変動中処理にジャンプする。特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって確定表示前のタイミング、すなわち変動表示時間の経過タイミングよりも前のタイミングであるか否かを判定する処理を実行し、確定表示前であればメイン表示部43における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。
ちなみに、確定表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、確定表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、確定表示させるタイミング(変動表示時間の経過タイミング)となるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。
また、確定表示させるタイミングとなった場合には、メイン表示部43にてその遊技回の停止結果を表示させる。そして、最終停止コマンドを出力対象のコマンドとして設定する。音声発光制御装置72は、最終停止コマンドを表示制御装置110に伝送し、表示制御装置110は今回の遊技回の遊技結果に対応した所定の絵柄組合せが有効ライン上に停止するように表示制御する。
さらに、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、特図特電カウンタの数値情報を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS508の特図確定中処理にジャンプする。特図確定中処理について図15のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS701にて、確定表示の終了タイミングであるか否かを判定する。詳細には、メイン表示部43における絵柄の変動表示と図柄表示装置41における図柄の変動表示が終了する場合には、その遊技回の停止結果が表示された状態で(図柄表示装置41では有効ライン上に所定の図柄の組合せが待機された状態)で確定時間(最終停止時間)に亘って確定表示(最終停止表示)される。ステップS701では、各変動表示の終了タイミングから確定時間が経過したか否かを判定する。
確定表示の終了タイミングでない場合には、そのまま本特図確定中処理を終了する。一方、確定表示の終了タイミングである場合にはステップS702進み、大当たりフラグ格納エリア121に大当たりフラグが格納されているか否か(「0」であるか否か)を判定する。
大当たりフラグが格納されている場合には、ステップS703に進み、可変入賞装置32の開閉制御態様を設定する開閉制御態様設定処理を実行する。詳細には、大当たりフラグを把握し、その大当たりフラグに対応する入賞モードを把握する。そして、把握された入賞モードに対応する開閉制御態様が実行されるように可変入賞装置32の開放時間等の設定に係る処理を実行する。
続くステップS704では、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、特図特電カウンタの数値情報を特図確定中処理に対応したものから特電開始処理に対応したものに更新する。
一方大当たりフラグがセットされていない場合、ステップS702を否定判定し、ステップS705に進む。ステップS705では、特図特電カウンタをリセット(「0」クリア)する。
その後、ステップS706にて、時短状態フラグ格納エリア123に格納されている時短状態フラグを確認する。そして、ステップS707にて、現状のサポートモードが、リミット付の高頻度サポートモードであるか否かを判定する。詳細には、時短状態フラグの数値情報が「2」以上であるか否かを判定する。
時短状態フラグの数値情報が「2」以上でない場合、すなわち時短状態フラグの数値情報が「0」や「1」である場合には、そのまま特図確定中処理を終了する。一方、時短状態フラグの数値情報が「2」以上である場合(リミット付の高頻度サポートモードである場合)には、ステップS708に進み、RAM104の各種カウンタエリア104eに設けられた高頻度遊技回数カウンタの数値情報が「0」であるか否かを判定する。高頻度遊技回数カウンタは、高頻度サポートモードである状況において実行された遊技回をカウントするためのカウンタである。高頻度遊技回数カウンタは、リミット付の高頻度サポートモードが開始される場合に、初期値としてリミット回数(50又は100)が設定される。
高頻度遊技回数カウンタが「0」でない場合には、ステップS709に進み、高頻度遊技回数カウンタを1減算して、本特図確定中処理を終了する。すなわち、高頻度遊技回数カウンタは、高頻度サポートモードである状況において遊技回が行われる度に1減算される。これにより、高頻度遊技回数カウンタを把握することにより、高頻度サポートモードで行われる残りの遊技回数を把握することができる。
高頻度遊技回数カウンタが「0」である場合には、高頻度サポートモードである状況においてリミット回数分だけ遊技回が消化されたことを意味する。この場合、高頻度サポートモードの終了に係る処理を実行する。具体的には、先ずステップS710にて、時短状態フラグのクリア処理を実行する。詳細には、時短状態フラグ格納エリア123に「00H」をセットする。
そして、ステップS711にて遊技状態判定値を更新する。詳細には、現時点における確変状態フラグを把握する。そして、把握された確変状態フラグの数値情報と時短状態フラグの数値情報とを加算する処理を実行し、その加算結果を遊技状態判定値記憶エリア124に上書きする。これにより、現時点の当否抽選モードと、低頻度サポートモードとに対応した遊技状態判定値となる。
続くステップS712では、ステップS711にて更新した遊技状態判定値を下位バイトに設定した遊技状態コマンドを出力対象のコマンドとして設定して、本特図確定中処理を終了する。遊技状態コマンドが音声発光制御装置72に送信されることにより、音声発光制御装置72側にて遊技状態が変化したことを把握することができる。
ちなみに、詳細については後述するが、音声発光制御装置72は、遊技状態コマンドを受信した場合には、その遊技状態コマンドの下位バイトに設定されている遊技状態判定値を所定の記憶エリアに記憶させる。そして、遊技状態判定値に基づいて図柄表示装置41にて表示される画像の背景色等を選択する。これにより、図柄表示装置41にて表示される画像に基づいて現状の遊技状態を把握することができる。
特図特電制御処理(図13)の説明に戻り、取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS509の特電開始処理にジャンプする。特電開始処理では、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音声発光制御装置72に送信する。また、特電開始処理では、開閉実行モードのオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には特電開始処理にて待機するのではなく本特電開始処理を終了する。したがって、開閉実行モードのオープニング演出が開始された後は、オープニング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電開始処理が起動される。また、オープニング期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、特図特電カウンタの数値情報を特電開始処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS510の特電開放中処理にジャンプする。特電開放中処理では、1のラウンド遊技を開始させる。詳細には、可変入賞装置32を終了条件が成立するまで開放させる。この場合、可変入賞装置32の上限開放時間は、ステップS409にて設定されている。
また、ステップS510では、ラウンド遊技の終了条件が成立したか否かを判定する。終了条件が成立していない場合には特電開放中処理にて待機するのではなく、上記終了条件の成立を監視するための処理を実行した後に、本特電開放中処理を終了する。上記終了条件が成立している場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、特図特電カウンタの数値情報を特電開放中処理に対応したものから特電閉鎖中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS511の特電閉鎖中処理にジャンプする。特電閉鎖中処理では、1のラウンド遊技を終了させる処理を実行する。また、ラウンド遊技間のインターバル期間においては、インターバル期間が経過したか否かを判定する。インターバル期間が経過していない場合には特電閉鎖中処理にて待機するのではなく本特電閉鎖中処理を終了する。したがって、インターバル期間が開始された場合にはそのインターバル期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電閉鎖中処理が起動される。また、インターバル期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1減算することで、特図特電カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
一方、最後のラウンド遊技に対する特電閉鎖中処理では1のラウンド遊技を終了させる処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、特図特電カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電終了処理に対応したものに更新する。そして、開閉実行モードが終了されることを示すエンディングコマンドを出力対象のコマンドとして設定して、本特図特電制御処理を終了する。音声発光制御装置72は、エンディングコマンドを受信することに基づいてエンディング演出を予め定められたエンディング時間に亘って実行する。
取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS512の特電終了処理にジャンプする。特電終了処理について図16のフローチャートを用いて説明する。
先ず、ステップS801にて、エンディング演出が開始されてから(エンディングコマンドが設定されてから)エンディング時間が経過したか否かを判定する。エンディング時間が経過していない場合には、そのまま本特電終了処理を終了する。一方、エンディング時間が経過した場合には、開閉実行モード後の遊技状態(抽選モード及びサポートモード)を設定するための処理を実行する。
詳細には、先ずステップS802にて時短状態フラグ及び確変状態フラグを更新する。具体的には、大当たりフラグ格納エリア121に格納されている大当たりフラグを確認する。そして、大当たりフラグに対応する時短状態フラグ及び確変状態フラグを把握し、その把握された各状態フラグを対応するフラグ格納エリア122,123に設定する。なお、大当たりフラグに対応する時短状態フラグ及び確変状態フラグの把握には、大当たりフラグに対応付けて、時短状態フラグ及び確変状態フラグが設定されたテーブルを設け、そのテーブルを参照することにより把握する構成としてもよく、大当たりフラグから演算により、各状態フラグを導出させる構成としてもよい。この場合、サポートモードの特定が可能となるように大当たりフラグを構成する必要がある。詳細には、大当たりフラグ格納エリア121の上位データ領域121aを、当否抽選モードに応じて異なるデータが格納される領域と、サポートモードに応じて異なるデータが格納される領域とに区分するとよい。
続くステップS803では、高頻度遊技回数カウンタを更新する処理を実行する。具体的には、時短状態フラグが「02H」である場合には、高頻度遊技回数カウンタに「100」をセットする。一方、時短状態フラグが「03H」である場合には、高頻度遊技回数カウンタに「50」をセットする。なお、時短状態フラグがその他の値である場合には、「0」クリアする。
その後、ステップS804では、遊技状態判定値を更新する処理を実行する。具体的には、ステップS802にて更新された時短状態フラグの数値情報及び確変状態フラグの数値情報を加算する処理を実行し、その加算結果を遊技状態判定値記憶エリア124に上書きする。
そして、ステップS805にて大当たりフラグ格納エリア121に格納されている大当たりフラグを消去し、ステップS806にて特図特電カウンタの数値情報を「0」にリセットする。そして、ステップS807にて、ステップS804にて更新された遊技状態判定値が設定された遊技状態コマンドを出力対象のコマンドとして設定し、本特電終了処理を終了する。
次に、音声発光制御装置72にて実行される遊技状態コマンド対応処理について図17のフローチャートを用いて説明する。
音声発光制御装置72では、所定の周期でタイマ割込み処理が実行されており、そのタイマ割込み処理にて、遊技状態コマンドを受信したか否かを判定する。そして、遊技状態コマンドを受信した場合に上記遊技状態コマンド対応処理を実行する。
先ず、ステップS901にて、遊技状態コマンドの下位バイトに格納されている遊技状態判定値を把握する。その後、ステップS902にて、音声発光制御装置72のサブ側RAMに設けられたサブ側の遊技状態判定値記憶エリアに、把握された遊技状態判定値をセットする。
続くステップS903では、遊技状態判定値に基づいて当否抽選モードを特定する。具体的には、遊技状態判定値が「240」以上であるか否かを判定する。
遊技状態判定値が「240」以上である場合には、ステップS904に進み、音声発光制御装置72のサブ側RAMに設けられたサブ側の確変状態フラグ格納エリアに高確率モードに対応した確変状態フラグである「F0H」をセットする。そして、ステップS905にて遊技状態判定値から「240」を減算し、減算結果を所定のバッファに格納しておく。当該減算結果は、時短状態フラグに対応したものであり、詳細には時短状態フラグを数値情報に換算したものである。
その後、ステップS906にて、音声発光制御装置72のサブ側RAMに設けられたサブ側の時短状態フラグ格納エリアに、数値情報に対応した時短状態フラグをセットする。この場合、数値情報をそのままサブ側の時短状態フラグ格納エリアにセットする。
一方、遊技状態判定値が「240」未満である場合には、ステップS907に進み、サブ側の確変状態フラグ格納エリアに低確率モードに対応した確変状態フラグである「00H」をセットする。そして、ステップS908にて、音声発光制御装置72におけるサブ側の時短状態フラグ格納エリアに、遊技状態判定値に対応した時短状態フラグをセットする。詳細には、遊技状態判定値の数値情報をそのままサブ側の時短状態フラグ格納エリアにセットする。この場合、ステップS905の減算処理による減算結果と、ステップS903を否定判定した場合の遊技状態判定値とは、同一のサポートモードを示すものとなっている。
そして、ステップS906又はステップS908の処理を実行した後は、ステップS909にてその他の処理を実行し、本遊技状態コマンド対応処理を終了する。
かかる処理によれば、遊技状態コマンドにより送信された遊技状態判定値に基づいて各状態フラグが導出(変換)され、その導出された各状態フラグが音声発光制御装置72側の各状態フラグ格納エリアにセットされる。これにより、遊技状態判定値又は各状態フラグを用いて、音声発光制御装置72側にて各遊技状態を把握することができる。
以上、詳述した本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
遊技状態として、複数種類の当否抽選モードと、複数種類のサポートモードとが設定されている構成において、当否抽選モードを特定するための確変状態フラグと、サポートモードを特定するための時短状態フラグとを、それぞれ数値情報とみなして加算し、その加算結果を遊技状態判定値としてRAM104の遊技状態判定値記憶エリア124に記憶させた。そして、遊技状態判定値を用いて、現時点における遊技状態を把握する構成とした。これにより、遊技状態を把握するために、確変状態フラグ及び時短状態フラグ双方を把握する必要がないため、遊技状態の把握に係る処理負荷を軽減することができる。
特に、遊技の進行上、当否抽選モードとサポートモードとは、それぞれ独立して存在するモードであり、その終了となる契機も異なっている。このため、各モードはそれぞれ個別に把握可能とするためには、確変状態フラグ及び時短状態フラグをそれぞれ設ける必要がある。しかしながら、遊技状態コマンドを出力する場合や、状態報知LED47の発光制御を行う場合等、当否抽選モード及びサポートモード双方を含む全体の遊技状態を把握したい場合がある。この場合、確変状態フラグ及び時短状態フラグを把握する構成とすると、処理負荷の増大化が懸念される。かといって、当否抽選モードとサポートモードとの組み合わせに応じて異なるデータが設定されたテーブルを記憶させておく構成とすると、ROM103の記憶容量の増大化が懸念される。
また、CPU102のプログラムの関係上、フラグを格納しておくためのデータ領域として1バイト確保する必要がある。このため、確変状態フラグ及び時短状態フラグのデータ量を、これ以上削減することは困難である。
これに対して、本実施形態によれば、確変状態フラグ及び時短状態フラグを用いた演算により、遊技状態判定値を導出し、それを用いて当否抽選モード及びサポートモード双方を含む全体の遊技状態を把握する構成とした。これにより、記憶容量の増大化を抑制しつつ、把握対象となるデータを少なくすることができ、処理負荷の軽減を図ることができる。
また、時短状態フラグの数値情報と確変状態フラグの数値情報との組み合わせに応じて異なる遊技状態判定値が導出されるように各状態フラグのデータ構成を設定した。具体的には、各状態フラグ格納エリア122,123を上位データ領域122a,123aと下位データ領域122b,123bとに区別し、一方のデータ領域に設定されるデータを各モードに関わらず固定データとし、他方のデータ領域に設定されるデータを各モードに応じて異なるように設定した。
さらに詳細には、時短状態フラグにおいては、下位データ領域123bに設定されるデータをサポートモードに応じて異ならせる一方、上位データ領域123aに設定されるデータを固定データとした。そして、確変状態フラグにおいては、上位データ領域122aに設定されるデータを当否抽選モードに応じて異ならせる一方、下位データ領域122bに設定されるデータを固定データとした。さらに、時短状態フラグの下位データの数値情報に関わらず、時短状態フラグの下位データの数値情報と確変状態フラグの下位データの数値情報とを加算した場合に桁上がりが発生しないように構成した。これにより、遊技状態判定値の上位データと下位データとが互いに干渉することがない。よって、上位データ及び下位データに基づいて、各遊技状態を個別に把握することができる。
さらに、時短状態フラグ、確変状態フラグ及び遊技状態判定値は、それぞれ1バイトで構成されている。すなわち、加算対象となるもの及び加算結果のデータ量(データ幅)が同一である。これにより、遊技状態判定値を導出する演算において、データ幅の調整等を行う必要がないため、演算に係る処理負荷の軽減を図ることができる。
遊技状態判定値に基づいて変動パターンコマンドを決定する構成とした。詳細には、変動パターンコマンドに遊技状態判定値が対応付けられた変動パターンコマンドテーブルを設け、その変動パターンコマンドテーブルを参照することにより、変動パターンコマンドを選択する構成とした。これにより、遊技状態に対応した変動パターンで遊技回を実行することができる。また、各状態フラグそれぞれに対応付けられた変動パターンコマンドテーブルを用意する構成と比較して、変動パターンコマンドテーブルのデータ量の削減を図ることができる。
遊技状態を特定するための遊技状態コマンドを音声発光制御装置72に出力する構成とした。これにより、音声発光制御装置72にて遊技状態を把握することができる。よって、音声発光制御装置72側にて、遊技状態に対応した演出又は表示を行うことができる。この場合、遊技状態コマンドに遊技状態判定値を設定する構成を採用することにより、時短状態フラグ及び確変状態フラグ双方を遊技状態コマンドに設定する構成と比較して、コマンドデータのデータ量の削減を図ることができる。
遊技状態に応じて異なる発光態様となる状態報知LED47を設けた。これにより、遊技状態を容易に把握することができる。この場合、遊技状態判定値に基づいて状態報知LED47の発光制御を行う構成とした。これにより、状態報知LED47の発光制御を行う上で、時短状態フラグ及び確変状態フラグ双方を把握する必要がない分だけ、把握に係る処理負荷の軽減を図ることができる。
遊技状態判定値記憶エリア124の上位データ領域124aのデータが示す遊技状態(当否抽選モード)については、遊技状態判定値を用いて把握する構成とした。この場合、上位データ領域124aの数値情報は、下位データ領域124bの数値情報と比較して大きくなるため、下位データ領域124bの数値情報の変動を考慮することなく数値比較による遊技状態の特定を行うことができる。これにより、比較的小さな処理負荷を遊技状態判定値による遊技状態の判定を行うことができる。
一方、上位データ領域124aの数値情報に応じて遊技状態判定値が大きく異なることとなるため、下位データ領域124bのデータが示す遊技状態(サポートモード)の特定に要する処理負荷が大きくなり易い。詳細には、仮に遊技状態判定値で高頻度サポートモードか低頻度サポートモード化を判定しようとすると、先ず遊技状態判定値が高確率モードであることを示す「240」以上であるか否かを判定する。そして、「240」以上である場合には、遊技状態判定値から「240」を減算する。その後、減算した結果が「1」未満であるか否かを判定するという複数の処理が必要となる。
これに対して、本実施形態によれば、遊技状態判定値記憶エリア124の下位データ領域124bのデータが示す遊技状態(サポートモード)については、遊技状態判定値ではなくフラグ(時短状態フラグ)を用いて把握する構成とした。これにより、遊技状態判定値と各状態フラグ双方を好適に用いながら、処理負荷の軽減を図ることができる。
<第2実施形態>
本実施形態では、時短状態フラグ及び確変状態フラグのデータ構成が上記第1実施形態と異なっている。その異なる点について図18を用いて説明する。図18は、各状態フラグのデータ構成を説明するための説明図である。
本実施形態では、時短状態フラグ及び確変状態フラグのデータ構成が上記第1実施形態と異なっている。その異なる点について図18を用いて説明する。図18は、各状態フラグのデータ構成を説明するための説明図である。
時短状態フラグは、第1実施形態で説明した通り、「00H」、「01H」、「02H」及び「03H」の4種類のデータ構成のいずれかを取る。この場合、各データ構成を10進数の数値情報に変換すると、「0」、「1」、「2」、「3」となる。
確変状態フラグは、「0」を初期値として時短状態フラグの種類数(「4」)の倍数の数値情報となるようなデータ構成となっている。すなわち、確変状態フラグは、低確率モードが「00H」、高確率モードが「04H」のデータ構成となっている。これにより、時短状態フラグの数値情報と、確変状態フラグの数値情報とを加算して得られる遊技状態判定値は、各状態フラグの組み合わせに応じて一義的に定まることとなる。
上記データ構成において、遊技状態判定値を用いて各遊技状態の特定を行う場合について説明する。
先ず、当否抽選モードを把握する場合には、遊技状態判定値が高確率モードに対応した確変状態フラグの数値情報である「4」以上であるか否かを判定する。「4」以上であれば高確率モードと判断し、「4」未満であれば低確率モードと判断する。
また、サポートモードを把握する場合には、「1」以上であるか否かを判定する。ここで、「1」は、遊技状態判定値が低確率モードにおける時短状態フラグの数値情報の「0」と、高頻度サポートモードに対応した時短状態フラグの最小数値情報の「1」とを加算して導出されたものである。「1」以上である場合には、遊技状態判定値が「4」でないことを条件として、高頻度サポートモード中であると判断する。一方、「1」未満である場合には、低頻度サポートモード中であると判断する。「4」は、高確率モードに対応した確変状態フラグの数値情報(「4」)と、低頻度サポートモードに対応した時短状態フラグの数値情報(「0」)とを加算したものである。
以上のとおり、本実施形態によれば、時短状態フラグの種類数の倍数の数値情報を確変状態フラグとして設定することにより、各状態フラグの組み合わせに応じて一義的に1の遊技状態判定値を導出することができる。この場合、遊技状態判定値は、連続した整数を取り得るため、上位データ領域124aと下位データ領域124bとを区分けする構成と比較して、遊技状態判定値の数値範囲を小さくすることができる。これにより、遊技状態判定値記憶エリア124の一部の領域に他の情報を設定したり、遊技状態判定値に他の情報を組み込んだりする等の拡張性の向上を図ることができる。なお、他の情報としては、例えば保留数Nを示す情報等が考えられる。
なお、本実施形態において、遊技状態判定値から各状態フラグを導出する場合には、例えば遊技状態判定値を4で割り、商を確変状態フラグとし、余りを時短状態フラグとするものがある。
また、図19に示すように、当否抽選モード及びサポートモードの組み合わせが設定された遊技状態把握テーブルTD1を設け、その遊技状態把握テーブルTD1を参照することにより、各遊技状態(各状態フラグ)を把握する構成としてもよい。この場合、遊技状態判定値と、当否抽選モード及びサポートモードの組み合わせが設定されるデータの順番と、を対応付けるとよい。詳細には、遊技状態判定値をn(n:0〜7)とすると、nに対応する当否抽選モード及びサポートモードの組み合わせを、遊技状態把握テーブルTD1のn番目の領域に設定する。そして、遊技状態を把握する場合には、遊技状態判定値を把握し、その遊技状態判定値と同一番号の領域に設定されている組み合わせを把握する。これにより、遊技状態判定値が遊技状態把握テーブルTD1の参照番号として機能し、遊技状態判定値を遊技状態把握テーブルTD1に記憶させておく必要がない分だけ、遊技状態把握テーブルTD1の記憶容量の削減を図ることができる。
なお、本実施形態では、確変状態フラグは、「0」を初期値として時短状態フラグの種類数(「4」)の倍数の数値情報となるようなデータ構成となっていたが、これに限られず、時短状態フラグの種類数よりも大きい数値の倍数であればよい。但し、上述した遊技状態判定値を遊技状態把握テーブルTD1の参照番号として機能させることを鑑みれば、確変状態フラグを、「0」を初期値として時短状態フラグの種類数(「4」)の倍数の数値情報となるようなデータ構成に設定するのが好ましい。
<第3実施形態>
本実施形態では、パチンコ機10にて実行される処理体系が上記第1実施形態と異なっている。
本実施形態では、パチンコ機10にて実行される処理体系が上記第1実施形態と異なっている。
本実施形態では、定期的に処理が実行される通常処理と、同じく定期的に処理が実行されるタイマ割込み処理とのそれぞれに、遊技を進行させるのに必要な処理が分散して設定されている。
具体的には、通常処理は、メイン処理(図8)におけるステップS110の処理が実行された後に、ステップS111〜ステップS113の処理に代えて実行される。
通常処理では、図20に示すように、ステップS1001〜ステップS1011の処理を実行する。これらの処理は、基本的に第1実施形態にて説明した、対応する各処理と同一である。但し、ステップS1004の特図特電制御処理においては、特図側の保留情報の取得処理が省略されており、ステップS1005の普図普電制御処理においては、普図側の保留情報の取得処理が省略されている。
ステップS1011の処理の実行後、ステップS1012にて、停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、タイマ割込み処理(図21)におけるステップS1102の停電情報記憶処理にて、停電の発生が特定された場合に、各種フラグ格納エリア104dに設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグがセットされる。
停電フラグがセットされていない場合には、ステップS1013にて次の通常処理の実行タイミングであるか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(具体的には4msec)が経過したか否かを判定する。そして、通常処理の開始タイミングに至るまで、ステップS1014〜ステップS1016の残余処理を繰り返し実行する。ステップS1014〜ステップS1016の処理内容は、上記ステップS111〜ステップS113と同様である。
一方、ステップS1012にて、停電フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS1017以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS1017では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS1018にてRAM判定値を算出、保存する。この場合、時短状態フラグ及び確変状態フラグが保存される。そして、ステップS1019にてRAM104のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
本実施形態におけるタイマ割込み処理について図21のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS1101にて、抽選用乱数を更新する抽選用乱数更新処理を実行する。
その後、ステップS1102〜ステップS1105の処理を実行する。これらの処理は、第1実施形態のタイマ割込み処理における対応する処理と同一であるため、説明を省略する。
そして、ステップS1106にて特図側の保留情報の取得処理を実行し、ステップS1107にて普図側の保留情報の取得処理を実行して、本処理を終了する。これらの処理は、第1実施形態におけるステップS401,S301の処理と同一であるため、説明を省略する。
上記詳述した本実施形態によれば、通常処理とタイマ割込み処理とのそれぞれに遊技の進行を制御するための処理が分散して設定されている構成において、各遊技状態の把握を好適に行うことができる。
<その他の実施形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施形態では、遊技状態判定値を導出するのに用いる情報として、時短状態フラグ及び確変状態フラグを採用したが、これらに加えて、例えば保留数Nを示す情報等を採用してもよい。この場合、保留数Nに応じた変動パターンの決定を容易に行うことができる。但し、保留数Nが変動する度に遊技状態判定値を更新する必要が生じることに起因する処理負荷の増大を鑑みれば、各状態フラグのみの方が好ましい。なお、上記構成の場合、各記憶エリア122,123,124を、当否抽選モードに対応した領域と、サポートモードに対応した領域と、保留数Nに対応した領域との3つに区分するとよい。
(2)さらに、複数の保留用エリアを設け、上作動口33への入賞に係る保留情報と下作動口34への入賞に係る保留情報とを区別して記憶する構成としてもよい。この場合、遊技状態判定値に、上作動口33への入賞に基づく保留数と、下作動口34への入賞に基づく保留数とを区別して設定しておく構成とするとよい。
なお、上記構成において、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、これとは逆に上作動口33への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。また、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報と下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報とで、非分岐対応結果に当選する確率が相違する構成としてもよい。
また、上記構成において、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口33に対応した第1作動口と、下作動口34に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射操作装置55の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。
また、上記構成において、メイン表示部43に、上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第1表示領域と、下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第2表示領域とを設けてもよい。
(3)上記各実施形態では、変動開始処理にて当否判定を行う構成としたが、これに限られず、例えば作動口33,34に遊技球が入球したことに基づいて、その入球に係る変動開始処理が行なわれるタイミングよりも前のタイミングにおいて当否判定を行う先特定処理を実行する構成としてもよい。この場合、先特定処理による特定結果に対応した数値を遊技状態判定値に加算等する構成としてもよい。そして、その遊技状態判定値に対応した変動パターンを選択する構成とするとよい。これにより、先特定処理の特定結果に対応した変動パターンの演出を行うことを容易に実現することができる。
(4)上記第1実施形態では、各記憶エリア122,123,124の上位データ領域122a,123a,124aと下位データ領域122b,123b,124bとは同一の記憶容量(4ビット)であったが、これに限られず、異ならせる構成としてもよい。この場合、当否抽選モードの種類数と、サポートモードの種類数とを比較して、種類数が多い方に多くの記憶容量を割り当てる構成とするとよい。要は、当否抽選モードの種類数よりも大きい数値範囲を取り得るデータ領域と、サポートモードの種類数よりも大きい数値範囲を取り得るデータ領域とを用意すればよい。
(5)上記各実施形態では、各状態フラグ及び遊技状態判定値は同一のデータ量(1バイト)に設定されていたが、これに限られず、異なるデータ量に設定してもよい。但し、加算処理を行う場合にビット数の調整処理を行うことに起因する処理負荷の増大化に着目すれば、同一のデータ量に設定されている構成の方がよい。
(6)上記各実施形態では、遊技状態判定値を導出するのに、加算処理を採用したが、これに限られず、他の四則演算処理を実行してもよい。但し、減算処理を行う場合には遊技状態判定値が負の値を取り得ること、乗算や除算は処理負荷が比較的高いことを鑑みると、加算処理が好ましい。
(7)第1実施形態では、時短状態フラグの全データに基づく数値情報と、確変状態フラグの全データに基づく数値情報を加算することにより遊技状態判定値を導出したが、これに限られず、例えば各状態フラグの一部のデータを用いて遊技状態判定値を算出する構成としてもよい。例えば、時短状態フラグの下位データを遊技状態判定値記憶エリア124の下位データ領域124bに設定し、確変状態フラグの下位データを遊技状態判定値記憶エリア124の上位データ領域124aに設定する構成としてもよい。要は、時短状態フラグと確変状態フラグとを用いて、四則演算及びビット演算を含む所定の演算を行うことにより、遊技状態判定値を導出させればよい。但し、この場合、マスク処理を実行する必要があるため、処理負荷の増大化が懸念される。この点に着目すれば、全データに基づく数値情報の加算の方がよい。
(8)所定の確認タイミングで、遊技状態判定値が正常であるか否かを確認する構成としてもよい。詳細には、所定の確認タイミングとなる度に、時短状態フラグ及び確変状態フラグを用いて遊技状態判定値を導出し、その導出された遊技状態判定値が遊技状態判定値記憶エリア124に記憶されている数値と一致しているか否かを判定する。一致していると判定する場合には、正常であるとして、そのまま各種処理を実行する一方、不一致である場合には、異常であるとして、遊技の進行を停止させる処理を実行する。これにより、異常な状態で遊技が行われることを抑制することができる。
なお、所定の確認タイミングとは、例えば予め定められた特定周期が経過したタイミングが考えられる。詳細には、タイマ割込み処理にて上記のような確認処理を実行するとよい。また、電源遮断時において遊技状態判定値を保持する構成においては、電源投入処理にて上記判定処理を実行してもよい。
また、遊技の進行を停止させるとは、例えばタイマ割込み処理による割り込みを停止する構成や、遊技球の払出に係る構成を停止させる構成が考えられる。
(9)上記実施形態では、時短状態フラグ及び確変状態フラグをRAM104の各状態フラグ格納エリア122,123に記憶させておく構成としたが、これに限られず、これらのフラグをRAM104に記憶させず、遊技状態判定値のみをRAM104に記憶させる構成としてもよい。これにより、各状態フラグ格納エリア122,123の分だけ、RAM104に記憶させておくデータ量の削減を図ることができる。この場合、電断時には、遊技状態判定値を記憶させ、電源投入設定処理においては遊技状態判定値を読み出す構成とする。
さらに、遊技状態判定値の更新処理では、更新契機となった事象に応じた数値を加算又は減算する処理を実行する。すなわち、例えば特電終了処理では、大当たりフラグに対応した数値情報を遊技状態判定値として遊技状態判定値記憶エリア124に記憶させる。そして、その遊技状態判定値に基づいて現状の遊技状態を把握する。
その後、遊技の進行に伴い、低確率モードから高確率モードになった場合には、遊技状態判定値を予め定められた特定数値(例えば「240」)加算し、高確率モードから低確率モードになった場合には上記特定数値を減算する。また、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する場合には、遊技状態判定値を「0」又は「240」に設定する。
(10)上記各実施形態における時短状態フラグ及び確変状態フラグの具体的なデータ構成については、組み合わせ毎に異なる遊技状態判定値を導出させることができればよい。例えば、確変状態フラグ格納エリア122の下位データ領域122bに、「0」に代えて「10」等の数値情報を設定してもよい。要は、上位データ領域124aと下位データ領域124bとの間で桁上がりが発生しないように設定されていればよい。
(11)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作される又は所定期間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。
この場合、スタートレバーが操作されることに基づいて、乱数カウンタを取得し、その乱数カウンタを用いて抽選を行う構成とするとよく、その乱数カウンタの取得及び抽選に本発明を適用するとよい。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴1.予め定められた抽選契機が発生した場合に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(CPU102の当否判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段の抽選結果が特典を付与することに対応した付与対応結果である場合には遊技者に特典を付与する特典付与手段(CPU102における開閉実行モード、高確率モード及び高頻度サポートモードに移行する機能)と、
を備えている遊技機において、
遊技状態として、特典の付与態様が異なるものであって同時に進行し得る第1特定遊技状態(当否抽選モード)と第2特定遊技状態(サポートモード)とがあり、
前記各特定遊技状態はそれぞれ、遊技者の有利度合いを異ならせて複数種類設定されており、
前記複数種類の第1特定遊技状態のうちいずれであるかを特定するための第1特定情報(確変状態フラグ)と、前記複数種類の第2特定遊技状態のうちいずれであるかを特定するための第2特定情報(時短状態フラグ)と、を用いて予め定められた演算処理を行うことにより、前記各特定情報のデータ量を合わせたデータ量よりも少ないデータ量で構成された演算データを導出する演算手段(CPU102の遊技状態判定値算出処理を実行する機能)と、
前記演算データを所定の記憶手段に記憶させる手段(CPU102の遊技状態判定値記憶処理を実行する機能)と、
を備え、
前記記憶手段に記憶されている前記演算データは、前記各特定遊技状態がいずれであるかを識別可能であることを特徴とする遊技機。
前記抽選手段の抽選結果が特典を付与することに対応した付与対応結果である場合には遊技者に特典を付与する特典付与手段(CPU102における開閉実行モード、高確率モード及び高頻度サポートモードに移行する機能)と、
を備えている遊技機において、
遊技状態として、特典の付与態様が異なるものであって同時に進行し得る第1特定遊技状態(当否抽選モード)と第2特定遊技状態(サポートモード)とがあり、
前記各特定遊技状態はそれぞれ、遊技者の有利度合いを異ならせて複数種類設定されており、
前記複数種類の第1特定遊技状態のうちいずれであるかを特定するための第1特定情報(確変状態フラグ)と、前記複数種類の第2特定遊技状態のうちいずれであるかを特定するための第2特定情報(時短状態フラグ)と、を用いて予め定められた演算処理を行うことにより、前記各特定情報のデータ量を合わせたデータ量よりも少ないデータ量で構成された演算データを導出する演算手段(CPU102の遊技状態判定値算出処理を実行する機能)と、
前記演算データを所定の記憶手段に記憶させる手段(CPU102の遊技状態判定値記憶処理を実行する機能)と、
を備え、
前記記憶手段に記憶されている前記演算データは、前記各特定遊技状態がいずれであるかを識別可能であることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、特典の付与態様が異なる第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とを設け、更に各特定遊技状態を複数種類設定することにより、遊技の多様化を図ることができる。これにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
ここで、各特定遊技状態は同時に進行し得るものであるため、各特定情報をそれぞれ把握する必要がある。このため、各特定遊技状態を同時に把握したい事態が発生した場合には、各特定情報をそれぞれ把握する処理を実行する必要があるため、上記把握する処理の処理負荷の増大化が懸念される。かといって、各特定遊技状態の組み合わせ毎に、所定情報を予め記憶させておき、その所定情報を把握することにより各特定遊技状態を把握する構成とすると、組み合わせ数と同一数のデータ量を予め記憶させておく必要が生じ、記憶容量の増大化が懸念される。
これに対して、本特徴によれば、各特定情報を用いて演算処理を行うことにより演算データを導出し、その演算データに基づいて各特定遊技状態を把握可能とした。これにより、各特定遊技状態を把握するためには演算データのみを把握すればよいため、各特定情報を把握する構成と比較して、把握対象となるデータ量を少なくすることができる。よって、各特定遊技状態を把握するための処理に係る処理負荷の軽減を図ることが可能となる。また、演算データをあらかじめ記憶保持しておく必要がないため、記憶容量の増大化を抑制することができる。
以上のことから、遊技状態の把握を好適に行うことができる。
特徴2.前記抽選手段が搭載されるとともに、遊技に関する所定信号を出力可能な出力手段を有する第1制御手段(主制御装置71)と、
前記出力手段から出力された前記所定信号に基づいて、遊技に用いられる遊技装置の制御を行う第2制御手段(音声発光制御装置72)と、
を備え、
前記出力手段は、前記所定信号として前記演算データを含む信号を出力するものであり、
前記第2制御手段は、前記演算データを含む信号を受信した場合に、当該信号に対応した態様で前記遊技装置の制御を行うものであることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
前記出力手段から出力された前記所定信号に基づいて、遊技に用いられる遊技装置の制御を行う第2制御手段(音声発光制御装置72)と、
を備え、
前記出力手段は、前記所定信号として前記演算データを含む信号を出力するものであり、
前記第2制御手段は、前記演算データを含む信号を受信した場合に、当該信号に対応した態様で前記遊技装置の制御を行うものであることを特徴とする特徴1に記載の遊技機。
特徴2によれば、所定信号として演算データに関する信号を出力する構成とすることにより、各特定情報を含む信号を出力する構成と比較して、信号のデータ量の削減を図ることができる。これにより、所定信号の出力に係る処理負荷の軽減を図ることができる。また、演算データを含む信号を出力する構成とすることにより、予め所定信号を記憶手段に記憶させておく必要がない。これにより、記憶手段の記憶容量を図ることができる。
特徴3.前記各特定情報及び前記演算データは、同一のビット数で構成されていることを特徴とする特徴1又は特徴2に記載の遊技機。
特徴3によれば、同一のデータ量となっているため、演算を行う場合に、ビット数の調整を行う必要がない。これにより、演算処理の処理負荷の軽減を図ることができる。この場合、1の演算データを用いることにより、2つの特定情報を用いる構成と比較して、半分のデータ量で各特定遊技状態を把握することができる。
また、遊技に関する制御を行う制御手段が取り扱うことが可能な最小のデータサイズとして、1バイトが設定されている場合には、前記各特定情報及び前記演算データのデータ量は1バイトであるとよい。
特徴4.前記第1特定情報は、複数のビットで構成され、各第1特定遊技状態の種類に応じて異なる第1ビットパターンデータであり、
前記第2特定情報は、前記複数のビットで構成され、各第2特定遊技状態の種類に応じて異なる第2ビットパターンデータであり、
前記演算手段は、前記各ビットパターンデータを数値情報として用いて演算を行うものであることを特徴とする特徴1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
前記第2特定情報は、前記複数のビットで構成され、各第2特定遊技状態の種類に応じて異なる第2ビットパターンデータであり、
前記演算手段は、前記各ビットパターンデータを数値情報として用いて演算を行うものであることを特徴とする特徴1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
特徴4によれば、各特定情報を数値情報として用いて演算を行う構成とすることにより、ビットマスク処理等を行うことなく、演算データを導くことができる。これにより、比較的簡素な演算で演算データを導出することができる。
特徴5.前記第1特定情報と前記第2特定情報との組み合わせに応じて、それぞれ異なる演算データが導出されるように、各特定情報のビットパターンデータが設定されていることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
特徴5によれば、各特定情報の組み合わせに応じて異なる演算データが導出されるため、演算データに基づいて各特定遊技状態を特定する場合に混同が生じる事態を回避することができ、演算データに基づいて一義的に各特定遊技状態を特定することができる。これにより、演算データに基づいて遊技状態を把握する場合に実際の遊技状態とは異なる遊技状態が把握されることを回避することができる。
特徴6.前記各特定情報及び前記演算データは、
前記第1特定遊技状態の種類数よりも大きい第1数値範囲を取り得る第1データ(上位データ領域122a,123a,124aに格納されるデータ)と、
前記第2特定遊技状態の種類数よりも大きい第2数値範囲を取り得る第2データ(下位データ領域122b,123b,124bに格納されるデータ)と、
に区分され、
前記第1特定情報の前記第1データは、前記各第1特定遊技状態に応じて異なる第1対応データであり、
前記第1特定情報の前記第2データは、前記各第1特定遊技状態に関わらず同一の第1規定データであり、
前記第2特定情報の前記第2データは、前記各第2特定遊技状態に応じて異なる第2対応データであり、
前記第2特定情報の前記第1データは、前記各第2特定遊技状態に関わらず同一の第2規定データであり、
前記演算手段は、前記第1特定情報に係る数値情報と前記第2特定情報に係る数値情報とを加算又は減算することにより、前記演算データを導出するものであり、
前記各対応データ及び前記各規定データは、前記演算手段による加算又は減算が行われた場合に、前記演算データにおける前記第1データ及び前記第2データ間で桁上がり又は桁下がりが発生しないように設定されていることを特徴とする特徴5に記載の遊技機。
前記第1特定遊技状態の種類数よりも大きい第1数値範囲を取り得る第1データ(上位データ領域122a,123a,124aに格納されるデータ)と、
前記第2特定遊技状態の種類数よりも大きい第2数値範囲を取り得る第2データ(下位データ領域122b,123b,124bに格納されるデータ)と、
に区分され、
前記第1特定情報の前記第1データは、前記各第1特定遊技状態に応じて異なる第1対応データであり、
前記第1特定情報の前記第2データは、前記各第1特定遊技状態に関わらず同一の第1規定データであり、
前記第2特定情報の前記第2データは、前記各第2特定遊技状態に応じて異なる第2対応データであり、
前記第2特定情報の前記第1データは、前記各第2特定遊技状態に関わらず同一の第2規定データであり、
前記演算手段は、前記第1特定情報に係る数値情報と前記第2特定情報に係る数値情報とを加算又は減算することにより、前記演算データを導出するものであり、
前記各対応データ及び前記各規定データは、前記演算手段による加算又は減算が行われた場合に、前記演算データにおける前記第1データ及び前記第2データ間で桁上がり又は桁下がりが発生しないように設定されていることを特徴とする特徴5に記載の遊技機。
特徴6によれば、第1特定情報に係る数値情報と、第2特定情報に係る数値情報とを加算又は減算すると、演算データの第1データは、第1対応データ及び第1規定データの演算結果となり、演算データの第2データは、第2規定データ及び第2対応データの演算結果となる。この場合、各規定データは固定データであるため、演算データの第1データは第1対応データに応じて異なり、演算データの第2データは第2対応データに応じて異なることとなる。そして、第1データ及び第2データ間では桁上がり等が発生しないようになっているため、両者は干渉することがない。これにより、各特定情報の組み合わせに応じて異なる演算データを導出させることができる。
なお、各規定データは「0」であるとよい。この場合、各対応データに関わらず、加算又は減算の際に桁上がり又は桁下がりが発生することはないため、各対応データの自由度を確保することができる。
特徴7.前記第2特定情報は、前記第2特定遊技状態の種類数以上である特定数の数値情報を取り得るものであり、
前記第1特定情報は、前記特定数の倍数の数値情報に設定されており、
前記演算手段は、前記第1特定情報に係る数値情報と前記第2特定情報に係る数値情報とを加算するものであることを特徴とする特徴5に記載の遊技機。
前記第1特定情報は、前記特定数の倍数の数値情報に設定されており、
前記演算手段は、前記第1特定情報に係る数値情報と前記第2特定情報に係る数値情報とを加算するものであることを特徴とする特徴5に記載の遊技機。
特徴7によれば、各特定遊技状態の組み合わせに応じて異なる演算データが導出される。この場合、演算データに係る数値情報を特定数で割った商が第1特定情報に係る数値情報であり、その余りが第2特定情報に係る数値情報となる。これにより、各特定情報が必要な場合には、演算データから各特定情報を容易に導出することができる。
特徴8.遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球し易い第1状態と遊技球が入球しにくい又は入球が不可な第2状態とに切換可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球した場合に、所定数の遊技球が払い出されるように払出手段を制御する手段(賞球コマンドに基づいて払出制御装置78が払出を行う機能)と、
を備え、
前記複数種類の第1特定遊技状態は、前記抽選手段による抽選において前記付与対応結果となる確率が相違しているものであり、
前記複数種類の第2特定遊技状態は、前記可変入球手段に遊技球が入球する期待度が相違しているものであることを特徴とする特徴1乃至7のいずれか1に記載の遊技機。
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球し易い第1状態と遊技球が入球しにくい又は入球が不可な第2状態とに切換可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球した場合に、所定数の遊技球が払い出されるように払出手段を制御する手段(賞球コマンドに基づいて払出制御装置78が払出を行う機能)と、
を備え、
前記複数種類の第1特定遊技状態は、前記抽選手段による抽選において前記付与対応結果となる確率が相違しているものであり、
前記複数種類の第2特定遊技状態は、前記可変入球手段に遊技球が入球する期待度が相違しているものであることを特徴とする特徴1乃至7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴8によれば、抽選手段による抽選の確率が相違する複数種類の第1特定遊技状態と、可変入球手段に遊技球が入球する期待度が相違する複数種類の第2特定遊技状態とを設けることにより、遊技状態の多様化を図ることができる。この場合、両者は、互いに独立して同時に進行し得る。
かかる構成において、上記特徴1の構成によれば、同時に進行し得る各特定遊技状態を好適に把握することができる。
特徴9.前記抽選手段による抽選が行われることに先立って又は前記抽選手段による抽選が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記抽選手段の抽選結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記抽選手段の抽選結果に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように所定の報知手段を制御する遊技回制御手段(CPU102の遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記遊技回制御手段は、前記演算手段の前記演算データに基づいて、前記遊技回用動作の動作態様を決定する動作態様決定手段(CPU102の変動パターンコマンド決定する処理を実行する機能)を備え、各遊技回が行われる場合、前記動作態様決定手段により決定された動作態様で前記遊技回用動作を行わせるものであることを特徴とする特徴1乃至8のいずれか1に記載の遊技機。
前記遊技回制御手段は、前記演算手段の前記演算データに基づいて、前記遊技回用動作の動作態様を決定する動作態様決定手段(CPU102の変動パターンコマンド決定する処理を実行する機能)を備え、各遊技回が行われる場合、前記動作態様決定手段により決定された動作態様で前記遊技回用動作を行わせるものであることを特徴とする特徴1乃至8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴9によれば、演算データに基づいて遊技回用動作の動作態様を決定することにより、その時点における遊技状態に応じた遊技回用動作を行うことができ、遊技状態と遊技回用動作とを密接に関連付けることができる。この場合、各特定情報を把握する構成と比較して、把握対象となるデータ量を少なくすることができる分、遊技回用動作の動作態様の決定に係る処理負荷の軽減を図ることができる。
特徴10.遊技に関する制御を行う制御手段は、自身に動作電力が供給されたことに基づいて所定の立ち上げ処理を実行する手段(CPU102のメイン処理を実行する機能)を備え、
前記演算手段は、前記立ち上げ処理にて、前記演算データを算出するものであることを特徴とする特徴1乃至9のいずれか1に記載の遊技機。
前記演算手段は、前記立ち上げ処理にて、前記演算データを算出するものであることを特徴とする特徴1乃至9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴10によれば、立ち上げ処理にて演算データを算出することにより、遊技が開始されるまでに、各遊技状態を把握することが可能となっている。これにより、各遊技状態が把握されていない状態で遊技が開始されることを回避することができる。
特徴11.前記各特定遊技状態に応じて報知態様を異ならせる状態報知手段(状態報知LED47)と、
前記演算データに基づいて前記状態報知手段の報知態様を制御する手段(CPU102の状態報知LED制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴1乃至10のいずれか1に記載の遊技機。
前記演算データに基づいて前記状態報知手段の報知態様を制御する手段(CPU102の状態報知LED制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴1乃至10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴11によれば、状態報知手段の報知態様を確認することにより、各特定遊技状態を把握することができる。これにより、遊技者及び管理者が容易に現状の遊技状態を把握することができる。
この場合、状態報知手段の報知態様は演算データに基づいて制御することにより、各特定情報に基づいて制御を行う構成と比較して、状態報知手段の報知態様の制御に係る処理負荷の軽減を図ることができる。
特徴12.前記各特定情報及び前記演算データを前記記憶手段に記憶させる手段と、
予め定められた特定契機が発生した場合に、前記記憶手段に記憶されている各特定情報を用いて前記演算処理を実行することにより、前記演算データを導出し、その導出された演算データと、前記記憶手段に記憶されている演算データとを比較する比較手段と、
を備えていることを特徴とする特徴1乃至11のいずれか1に記載の遊技機。
予め定められた特定契機が発生した場合に、前記記憶手段に記憶されている各特定情報を用いて前記演算処理を実行することにより、前記演算データを導出し、その導出された演算データと、前記記憶手段に記憶されている演算データとを比較する比較手段と、
を備えていることを特徴とする特徴1乃至11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴12によれば、比較手段による比較を行うことにより、記憶手段に記憶されている演算データ及び各特定情報が正常なものであるか否かを判断することができる。これにより、記憶手段に記憶されている各種情報を改変することにより不正に有利な状態とする行為を抑制することができる。
なお、特定契機としては、例えば停電時等が考えられる。この場合、停電時でも記憶手段が記憶されている情報を維持するように構成されているとよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得るパチンコ機以外の遊技機の基本構成を示す。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…パチンコ機、32…可変入賞装置、41…図柄表示装置、47…状態報知LED、71…主制御装置、72…音声発光制御装置、101…主制御基板、102…CPU、121…大当たりフラグ格納エリア、122…確変状態フラグ格納エリア、123…時短状態フラグ格納エリア、124…遊技状態判定値記憶エリア。
Claims (1)
- 予め定められた抽選契機が発生した場合に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段と、
前記抽選手段の抽選結果が特典を付与することに対応した付与対応結果である場合には遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
を備えている遊技機において、
遊技状態として、特典の付与態様が異なるものであって同時に進行し得る第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とがあり、
前記各特定遊技状態はそれぞれ、遊技者の有利度合いを異ならせて複数種類設定されており、
前記複数種類の第1特定遊技状態のうちいずれであるかを特定するための第1特定情報と、前記複数種類の第2特定遊技状態のうちいずれであるかを特定するための第2特定情報と、を用いて予め定められた演算処理を行うことにより、前記各特定情報のデータ量を合わせたデータ量よりも少ないデータ量で構成された演算データを導出する演算手段と、
前記演算データを所定の記憶手段に記憶させる手段と、
を備え、
前記記憶手段に記憶されている前記演算データは、前記各特定遊技状態がいずれであるかを識別可能であることを特徴とする遊技機。
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