JP2019170706A - 眼科装置、及び眼科情報処理プログラム - Google Patents

眼科装置、及び眼科情報処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】より高い信頼性で軸性近視の進行を予測するための新たな技術を提供する。【解決手段】眼科装置は、屈折力測定部と、眼内距離測定部と、記憶部と、解析部と、を含む。屈折力測定部は、被検眼の屈折力の測定値を取得する。眼内距離測定部は、被検眼における1以上の眼内距離の測定値を取得する。記憶部は、正常眼である被測定者の眼の屈折力及び1以上の眼内距離に被測定者の情報が関連付けられた標準データをあらかじめ記憶する。解析部は、屈折力測定部により取得された屈折力の測定値と、眼内距離測定部により取得された1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、標準データとに基づいて被検眼が軸性近視であるか否かを判定する。【選択図】図3

Description

この発明は、眼科装置、及び眼科情報処理プログラムに関する。
近年、近視と考えられる裸眼視力を有する人の数が増加し続けており、大きな社会問題となっている。近視の原因には、遺伝的な要因や環境的な要因などがあると考えられている。近視は、生活の質(Quality of Life:QOL)の低下を招くだけでなく失明のリスクファクターになり得るため、近視進行に対する対策は重要な課題の1つである。
近視進行に対する対策の1つに、近視の進行予測がある。近視の進行予測は、例えば、遺伝的な要因の近視に対して、例えば、注意喚起、近視抑制提案、定期健診の勧め等の対策の早期の実施を可能にする。また、近視の進行予測は、例えば、環境的な要因の近視に対して、生活習慣の見直し等の対策の早期の実施を可能にする。
例えば、特許文献1には、近視進行を診断するための近視進行診断装置が開示されている。この近視進行診断装置は、眼軸線に対して所定の角度を成す方向に光を照射して眼底の周辺視野の光学データを取得し、取得された光学データを解析することで測定光の焦点の前後の屈折度数から近視の進行の有無を予測する。
特許第5667730号公報
しかしながら、近年の近視進行に関する研究では、近視と眼底の周辺視野の形態との相関が認められないことが一般化しつつある。特に、軸性近視の進行について、眼底の周辺視野の光学データに基づいて予測することは、却って信頼性を低下させる可能性がある。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、より高い信頼性で軸性近視の進行を予測するための新たな技術を提供することにある。
いくつかの実施形態の第1態様は、被検眼の屈折力の測定値を取得する屈折力測定部と、前記被検眼における1以上の眼内距離の測定値を取得する眼内距離測定部と、正常眼である被測定者の眼の屈折力及び前記1以上の眼内距離に前記被測定者の情報が関連付けられた標準データをあらかじめ記憶する記憶部と、前記屈折力測定部により取得された前記屈折力の測定値と、前記眼内距離測定部により取得された前記1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、前記標準データとに基づいて前記被検眼が軸性近視であるか否かを判定する解析部と、を含む眼科装置である。
いくつかの実施形態の第2態様では、第1態様において、前記解析部は、前記屈折力の測定値、前記1以上の眼内距離の測定値及び前記被検者の情報と、前記標準データとを比較することにより前記被検眼が軸性近視であるか否かを判定する。
いくつかの実施形態の第3態様は、第1態様又は第2態様において、前記解析部により得られた前記被検眼が軸性近視であるか否かを示す判定結果に対応した情報を表示手段に表示させる制御部を含む。
いくつかの実施形態の第4態様では、第1態様〜第3態様のいずれかにおいて、前記解析部は、前記標準データに基づいて前記眼の屈折力、前記1以上の眼内距離、及び前記被測定者の情報の少なくとも1つを変数としてあらかじめ求められた第1解析情報を参照することにより、前記軸性近視の進行情報を生成する。
いくつかの実施形態の第5態様は、被検眼の屈折力の測定値を取得する屈折力測定部と、前記被検眼における1以上の眼内距離の測定値を取得する眼内距離測定部と、正常眼である被測定者の眼の屈折力及び前記1以上の眼内距離に前記被測定者の情報が関連付けられた標準データをあらかじめ記憶する記憶部と、前記屈折力測定部により取得された前記屈折力の測定値と、前記眼内距離測定部により取得された前記1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、前記標準データとに基づいて前記被検眼の軸性近視の進行情報を生成する解析部と、を含む眼科装置である。
いくつかの実施形態の第6態様では、第1態様〜第5態様のいずれかにおいて、前記解析部は、互いに異なる測定タイミングで前記屈折力測定部により取得された2以上の前記屈折力の測定値と、互いに異なる測定タイミングで前記眼内距離測定部により取得された2以上の前記1以上の眼内距離の測定値と、前記被検者の情報と、前記標準データとに基づいて前記被検眼の軸性近視の進行情報を生成する。
いくつかの実施形態の第7態様は、被検眼の屈折力の測定値を取得する屈折力測定部と、前記被検眼における1以上の眼内距離の測定値を取得する眼内距離測定部と、正常眼である被測定者の眼の屈折力及び前記1以上の眼内距離に前記被測定者の情報が関連付けられた標準データをあらかじめ記憶する記憶部と、互いに異なる測定タイミングで前記屈折力測定部により取得された2以上の前記屈折力の測定値と、互いに異なる測定タイミングで前記眼内距離測定部により取得された2以上の前記1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、前記標準データとに基づいて前記被検眼の軸性近視の進行情報を生成する解析部と、を含む眼科装置である。
いくつかの実施形態の第8態様では、第6態様又は第7態様において、前記解析部は、前記標準データに基づいて前記眼の屈折力と当該屈折力の変化、前記1以上の眼内距離と当該1以上の眼内距離の変化、及び前記被測定者の情報の少なくとも1つを変数としてあらかじめ求められた第2解析情報を参照することにより、前記軸性近視の進行情報を生成する。
いくつかの実施形態の第9態様では、第4態様〜第8態様のいずれかにおいて、前記進行情報は、前記屈折力及び前記1以上の眼内距離の少なくとも一方の測定タイミングより後の屈折力及び1以上の眼内距離の少なくとも一方の推定値を含む。
いくつかの実施形態の第10態様は、第4態様〜第9態様のいずれかにおいて、前記解析部により得られた前記進行情報を表示手段に表示させる制御部を含む。
いくつかの実施形態の第11態様では、第1態様〜第10態様のいずれかにおいて、前記被測定者の情報及び前記被検者の情報は、年令と性別を含む。
いくつかの実施形態の第12態様では、第1態様〜第11態様のいずれかにおいて、前記被検者の情報は、前記被検者の近親者の眼特性情報を含む。
いくつかの実施形態の第13態様では、第1態様〜第12態様のいずれかにおいて、前記1以上の眼内距離は、眼軸長と、脈絡膜厚とを含む。
いくつかの実施形態の第14態様では、第13態様において、前記脈絡膜厚は、中心窩における脈絡膜厚、中心窩付近の平均脈絡膜厚、中心窩付近を分割して得られた複数の象限それぞれにおける平均脈絡膜厚、及び黄斑部の周辺における脈絡膜厚の少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態の第15態様では、第1態様〜第14態様のいずれかにおいて、前記眼内距離測定部は、光源からの光を参照光と測定光とに分割し、前記測定光を前記被検眼に投射し、前記被検眼からの前記測定光の戻り光と前記参照光との干渉光を検出するOCT光学系と、前記OCT光学系により得られた前記干渉光の検出結果に基づいて前記1以上の眼内距離を求める眼内距離算出部と、を含む。
いくつかの実施形態の第16態様は、被検眼の屈折力の測定値、前記被検眼における1以上の眼内距離の測定値、及び被検者の情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された前記屈折力の測定値、前記1以上の眼内距離の測定値、及び前記被検者の情報と、正常眼である被測定者の眼の屈折力及び前記1以上の眼内距離に前記被測定者の情報が関連付けられた標準データとに基づいて前記被検眼が軸性近視であるか否かを判定する解析ステップと、をコンピュータに実行させるための眼科情報処理プログラムである。
いくつかの実施形態の第17態様では、第16態様において、前記解析ステップは、前記屈折力の測定値、前記1以上の眼内距離の測定値及び前記被検者の情報と前記標準データとを比較することにより前記被検眼が軸性近視であるか否かを判定する。
いくつかの実施形態の第18態様は、第16態様又は第17態様において、前記解析ステップにおいて得られた前記被検眼が軸性近視であるか否かを示す判定結果に対応した情報を表示手段に表示させる制御ステップを含む。
いくつかの実施形態の第19態様は、被検眼の屈折力の測定値、前記被検眼における1以上の眼内距離の測定値、及び被検者の情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された前記屈折力の測定値と、前記1以上の眼内距離の測定値と、前記被検者の情報と、正常眼である被測定者の眼の屈折力及び前記1以上の眼内距離に前記被測定者の情報が関連付けられた標準データとに基づいて前記被検眼の軸性近視の進行情報を生成する解析ステップと、をコンピュータに実行させるための眼科情報処理プログラムである。
いくつかの実施形態の第20態様では、第16態様〜第19態様のいずれかにおいて、前記解析ステップは、互いに異なる測定タイミングで前記取得ステップにおいて取得された2以上の前記屈折力の測定値、2以上の前記1以上の眼内距離の測定値と、前記被検者の情報と、前記標準データとに基づいて前記被検眼の軸性近視の進行情報を生成する。
いくつかの実施形態の第21態様は、被検眼の屈折力の測定値、前記被検眼における1以上の眼内距離の測定値、及び被検者の情報を取得する取得ステップと、互いに異なる測定タイミングで前記取得ステップにおいて取得された2以上の前記屈折力の測定値と、2以上の前記1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、正常眼である被測定者の眼の屈折力及び前記1以上の眼内距離に前記被測定者の情報が関連付けられた標準データとに基づいて前記被検眼の軸性近視の進行情報を生成する解析ステップと、をコンピュータに実行させるための眼科情報処理プログラムである。
いくつかの実施形態の第22態様では、第19態様〜第21態様のいずれかにおいて、前記進行情報は、前記屈折力及び前記1以上の眼内距離の少なくとも一方の測定タイミングより後の屈折力及び1以上の眼内距離の少なくとも一方の推定値を含む。
いくつかの実施形態の第23態様は、第19態様〜第22態様のいずれかにおいて、前記解析ステップにおいて得られた前記進行情報を表示手段に表示させる制御ステップを含む。
いくつかの実施形態の第24態様では、第16態様〜第23態様のいずれかにおいて、前記被測定者の情報及び前記被検者の情報は、年令と性別とを含む。
いくつかの実施形態の第25態様では、第16態様〜第24態様のいずれかにおいて、前記被検者の情報は、前記被検者の近親者の眼特性情報を含む。
いくつかの実施形態の第26態様では、第16態様〜第25態様のいずれかにおいて、前記1以上の眼内距離は、眼軸長と、脈絡膜厚とを含む。
いくつかの実施形態の第27態様では、第26態様において、前記脈絡膜厚は、中心窩における脈絡膜厚、中心窩付近の平均脈絡膜厚、中心窩付近を分割して得られた複数の象限それぞれにおける平均脈絡膜厚、及び黄斑部の周辺における脈絡膜厚の少なくとも1つを含む。
本発明によれば、より高い信頼性で軸性近視の進行を予測するための新たな技術を提供することが可能になる。
実施形態に係る眼科装置の光学系の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の光学系の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の処理系を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置の処理系を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例のフローを示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例のフローを示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作を説明するための概略図である。
この発明に係る眼科装置、及び眼科情報処理プログラムの実施形態の例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この明細書において引用された文献の記載内容や任意の公知技術を、以下の実施形態に援用することが可能である。
実施形態に係る眼科装置は、眼科情報処理装置の機能を有する。眼科情報処理装置の機能は、眼科情報処理プログラムに従って処理を実行するコンピュータにより実現される。眼科情報処理装置は、プロセッサと、眼科情報処理プログラムがあらかじめ記憶された記憶部とを備え、プロセッサが、記憶部から読み出された眼科情報処理プログラムに従って処理を実行することにより眼科情報処理装置の機能を実現する。
実施形態に係る眼科装置は、屈折力測定(レフ測定)と、光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:以下、OCT)を用いた計測や撮影とを実行可能である。
以下、実施形態では、OCTを用いた計測等においてスウェプトソースタイプのOCTの手法を用いる場合について特に詳しく説明するが、他のタイプ(例えば、スペクトラルドメインタイプ)のOCTを用いる眼科装置に対して、実施形態に係る構成を適用することも可能である。
いくつかの実施形態に係る眼科装置は、更に、自覚検査を行うための自覚検査光学系や、その他の他覚測定を行うための他覚測定系を含む。
自覚検査は、被検者からの応答を利用して情報を取得する測定手法である。自覚検査には、遠用検査、近用検査、コントラスト検査、グレア検査等の自覚屈折測定や、視野検査などがある。
他覚測定は、被検者からの応答を参照することなく、主に物理的な手法を用いて被検眼に関する情報を取得する測定手法である。他覚測定には、被検眼の特性を取得するための測定と、被検眼の画像を取得するための撮影とが含まれる。その他の他覚測定には、ケラト測定、眼圧測定、眼底撮影等がある。
以下、眼底共役位置は、アライメントが完了した状態での被検眼の眼底と光学的に略共役な位置であり、被検眼の眼底と光学的に共役な位置又はその近傍を意味するものとする。同様に、瞳孔共役位置は、アライメントが完了した状態での被検眼の瞳孔と光学的に略共役な位置であり、被検眼の瞳孔と光学的に共役な位置又はその近傍を意味するものとする。
実施形態に係る眼科装置は、屈折力測定により得られた測定値と、OCT計測の計測結果により得られた1以上の眼内距離と、被検者の情報とに基づいて、被検眼が軸性近視であるか否かを判定する。いくつかの実施形態に係る眼科装置は、標準データと比較することにより被検眼が軸性近視であるか否かを判定する。標準データは、多数の正常眼の測定データに基づいて統計的に導出されたデータである。いくつかの実施形態に係る眼科装置は、屈折力測定により得られた測定値と、OCT計測の計測結果により得られた1以上の眼内距離と、被検者の情報とに基づいて、軸性近視の進行情報を生成する。
いくつかの実施形態では、1以上の眼内距離は、眼軸長と、脈絡膜厚とを含む。脈絡膜厚は、中心窩における脈絡膜厚、中心窩付近の平均脈絡膜厚、中心窩付近を分割して得られた複数の象限それぞれにおける平均脈絡膜厚、及び黄斑部の周辺における脈絡膜厚の少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態では、被測定者の情報及び被検者の情報は、年令と性別とを含む。いくつかの実施形態では、被検者の情報は、被検者の近親者の眼特性情報を含む。近親者は、被検者の2親等内の親族である。近親者は、被検者の父又は母であることが望ましい。眼特性情報は、屈折力値を含む。
進行情報には、測定時点における軸性近視の進行度を表す情報や測定時点以降における将来の軸性近視の進行度を表す情報などがある。いくつかの実施形態では、将来の軸性近視の進行度を表す情報は、屈折力値や眼軸長等の所定の眼内パラメータの予測値を含む。
<光学系の構成>
図1に、実施形態に係る眼科装置の光学系の構成例を示す。実施形態に係る眼科装置1000は、被検眼Eを観察するための光学系と、被検眼Eを検査するための光学系と、これらの光学系の光路を波長分離するダイクロイックミラーとを含む。被検眼Eを観察するための光学系として、前眼部観察系5が設けられている。被検眼Eを検査するための光学系としてOCT光学系やレフ測定光学系(屈折力測定光学系)が設けられている。
眼科装置1000は、Zアライメント系1、XYアライメント系2、ケラト測定系3、固視投影系4、前眼部観察系5、レフ測定投射系6、レフ測定受光系7、及びOCT光学系8を含む。以下では、例えば、前眼部観察系5が940nm〜1000nmの光を用い、レフ測定光学系(レフ測定投射系6、レフ測定受光系7)が830nm〜880nmの光を用い、固視投影系4が400nm〜700nmの光を用い、OCT光学系8が1000nm〜1100nmの光を用いるものとする。
(前眼部観察系5)
前眼部観察系5は、被検眼Eの前眼部を動画撮影する。前眼部観察系5を経由する光学系において、撮像素子59の撮像面は瞳孔共役位置に配置されている。前眼部照明光源50は、被検眼Eの前眼部に照明光(例えば、赤外光)を照射する。被検眼Eの前眼部により反射された光は、対物レンズ51を通過し、ダイクロイックミラー52を透過し、絞り(テレセン絞り)53に形成された孔部を通過し、ハーフミラー23を透過し、リレーレンズ55及び56を通過し、ダイクロイックミラー76を透過する。ダイクロイックミラー52は、レフ測定光学系の光路と前眼部観察系5の光路とを合成(分離)する。ダイクロイックミラー52は、これらの光路を合成する光路合成面が対物レンズ51の光軸に対して傾斜して配置される。ダイクロイックミラー76を透過した光は、結像レンズ58により撮像素子59(エリアセンサー)の撮像面に結像される。撮像素子59は、所定のレートで撮像及び信号出力を行う。撮像素子59の出力(映像信号)は、後述の処理部9に入力される。処理部9は、この映像信号に基づく前眼部像E´を後述の表示部10の表示画面10aに表示させる。前眼部像E´は、例えば赤外動画像である。
(Zアライメント系1)
Zアライメント系1は、前眼部観察系5の光軸方向(前後方向、Z方向)におけるアライメントを行うための光(赤外光)を被検眼Eに投射する。Zアライメント光源11から出力された光は、被検眼Eの角膜Crに投射され、角膜Crにより反射され、結像レンズ12によりラインセンサー13のセンサー面に結像される。角膜頂点の位置が前眼部観察系5の光軸方向に変化すると、ラインセンサー13のセンサー面における光の投射位置が変化する。処理部9は、ラインセンサー13のセンサー面における光の投射位置に基づいて被検眼Eの角膜頂点の位置を求め、これに基づき光学系を移動させる機構を制御してZアライメントを実行する。
(XYアライメント系2)
XYアライメント系2は、前眼部観察系5の光軸に直交する方向(左右方向(X方向)、上下方向(Y方向))のアライメントを行うための光(赤外光)を被検眼Eに照射する。XYアライメント系2は、ハーフミラー23により前眼部観察系5の光路から分岐された光路に設けられたXYアライメント光源21とコリメータレンズ22とを含む。XYアライメント光源21から出力された光は、コリメータレンズ22を通過し、ハーフミラー23により反射され、前眼部観察系5を通じて被検眼Eに投射される。被検眼Eの角膜Crによる反射光は、前眼部観察系5を通じて撮像素子59に導かれる。
この反射光に基づく像(輝点像)Brは前眼部像E´に含まれる。処理部9は、輝点像Brを含む前眼部像E´とアライメントマークALとを表示部の表示画面に表示させる。手動でXYアライメントを行う場合、ユーザは、アライメントマークAL内に輝点像Brを誘導するように光学系の移動操作を行う。自動でアライメントを行う場合、処理部9は、アライメントマークALに対する輝点像Brの変位がキャンセルされるように、光学系を移動させる機構を制御する。
(ケラト測定系3)
ケラト測定系3は、被検眼Eの角膜Crの形状を測定するためのリング状光束(赤外光)を角膜Crに投射する。ケラト板31は、対物レンズ51と被検眼Eとの間に配置されている。ケラト板31の背面側(対物レンズ51側)にはケラトリング光源32が設けられている。ケラトリング光源32からの光でケラト板31を照明することにより、被検眼Eの角膜Crにリング状光束(円弧状又は円周状の測定パターン)が投射される。被検眼Eの角膜Crからの反射光(ケラトリング像)は撮像素子59により前眼部像E´とともに検出される。処理部9は、このケラトリング像を基に公知の演算を行うことで、角膜Crの形状を表す角膜形状パラメータを算出する。
(レフ測定投射系6、レフ測定受光系7)
レフ測定光学系は、屈折力測定に用いられるレフ測定投射系6及びレフ測定受光系7を含む。レフ測定投射系6は、屈折力測定用の光束(例えば、リング状光束)(赤外光)を眼底Efに投射する。レフ測定受光系7は、この光束の被検眼Eからの戻り光を受光する。レフ測定投射系6は、レフ測定受光系7の光路に設けられた孔開きプリズム65によって分岐された光路に設けられる。孔開きプリズム65に形成されている孔部は、瞳孔共役位置に配置される。レフ測定受光系7を経由する光学系において、撮像素子59の撮像面は眼底共役位置に配置される。
いくつかの実施形態では、レフ測定光源61は、高輝度光源であるSLD(Superluminescent Diode)光源である。レフ測定光源61は、光軸方向に移動可能である。レフ測定光源61は、眼底共役位置に配置される。レフ測定光源61から出力された光は、リレーレンズ62を通過し、円錐プリズム63の円錐面に入射する。円錐面に入射した光は偏向され、円錐プリズム63の底面から出射する。円錐プリズム63の底面から出射した光は、リング絞り64にリング状に形成された透光部を通過する。リング絞り64の透光部を通過した光(リング状光束)は、孔開きプリズム65の孔部の周囲に形成された反射面により反射され、ロータリープリズム66を通過し、ダイクロイックミラー67により反射される。ダイクロイックミラー67により反射された光は、ダイクロイックミラー52により反射され、対物レンズ51を通過し、被検眼Eに投射される。ロータリープリズム66は、眼底Efの血管や疾患部位に対するリング状光束の光量分布を平均化や光源に起因するスペックルノイズの低減のために用いられる。
眼底Efに投射されたリング状光束の戻り光は、対物レンズ51を通過し、ダイクロイックミラー52及びダイクロイックミラー67により反射される。ダイクロイックミラー67により反射された戻り光は、ロータリープリズム66を通過し、孔開きプリズム65の孔部を通過し、リレーレンズ71を通過し、反射ミラー72により反射され、リレーレンズ73及び合焦レンズ74を通過する。合焦レンズ74は、レフ測定受光系7の光軸に沿って移動可能である。合焦レンズ74を通過した光は、反射ミラー75により反射され、ダイクロイックミラー76により反射され、結像レンズ58により撮像素子59の撮像面に結像される。処理部9は撮像素子59からの出力を基に公知の演算を行うことで被検眼Eの屈折力値を算出する。例えば、屈折力値は、球面度数、乱視度数及び乱視軸角度、又は等価球面度数を含む。
(固視投影系4)
ダイクロイックミラー67によりレフ測定光学系の光路から波長分離された光路に、後述のOCT光学系8が設けられる。ダイクロイックミラー83によりOCT光学系8の光路から分岐された光路に固視投影系4が設けられる。
固視投影系4は、固視標を被検眼Eに呈示する。固視投影系4の光路には、固視ユニット40が配置されている。固視ユニット40は、後述の処理部9からの制御を受け、固視投影系4の光路に沿って移動可能である。固視ユニット40は、液晶パネル41を含む。
処理部9による制御を受けた液晶パネル41は、固視標を表すパターンを表示する。液晶パネル41の画面上におけるパターンの表示位置を変更することにより、被検眼Eの固視位置を変更できる。被検眼Eの固視位置としては、眼底Efの黄斑部を中心とする画像を取得するための位置や、視神経乳頭を中心とする画像を取得するための位置や、黄斑部と視神経乳頭との間の眼底中心を中心とする画像を取得するための位置などがある。固視標を表すパターンの表示位置を任意に変更することが可能である。
液晶パネル41からの光は、リレーレンズ42を通過し、ダイクロイックミラー83を透過し、リレーレンズ82を通過し、反射ミラー81により反射され、ダイクロイックミラー67を透過し、ダイクロイックミラー52により反射される。ダイクロイックミラー52により反射された光は、対物レンズ51を通過して眼底Efに投射される。いくつかの実施形態では、液晶パネル41及びリレーレンズ42のそれぞれは、独立に光軸方向に移動可能である。
(OCT光学系8)
OCT光学系8は、OCT計測を行うための光学系である。OCT計測よりも前に実施されたレフ測定結果に基づいて、光ファイバーf1の端面が撮影部位(眼底Ef又は前眼部)と光学系に共役となるように合焦レンズ87の位置が調整される。
OCT光学系8は、ダイクロイックミラー67によりレフ測定光学系の光路から波長分離された光路に設けられる。上記の固視投影系4の光路は、ダイクロイックミラー83によりOCT光学系8の光路に結合される。それにより、OCT光学系8及び固視投影系4のそれぞれの光軸を同軸で結合することができる。
OCT光学系8は、OCTユニット100を含む。図2に示すように、OCTユニット100において、OCT光源101は、一般的なスウェプトソースタイプのOCT装置と同様に、出射光の波長を掃引(走査)可能な波長掃引型(波長走査型)光源を含んで構成される。波長掃引型光源は、共振器を含むレーザー光源を含んで構成される。OCT光源101は、人眼では視認できない近赤外の波長帯において、出力波長を時間的に変化させる。
図2に例示するように、OCTユニット100には、スウェプトソースOCTを実行するための光学系が設けられている。この光学系は、干渉光学系を含む。この干渉光学系は、波長可変光源(波長掃引型光源)からの光を測定光と参照光とに分割する機能と、被検眼Eからの測定光の戻り光と参照光路を経由した参照光とを重ね合わせて干渉光を生成する機能と、この干渉光を検出する機能とを備える。干渉光学系により得られた干渉光の検出結果(検出信号)は、干渉光のスペクトルを示す信号であり、処理部9に送られる。
OCT光源101は、例えば、出射光の波長(1000nm〜1100nmの波長範囲)を高速で変化させる近赤外波長可変レーザーを含む。OCT光源101から出力された光L0は、光ファイバー102により偏波コントローラ103に導かれてその偏光状態が調整される。偏光状態が調整された光L0は、光ファイバー104によりファイバーカプラー105に導かれて測定光LSと参照光LRとに分割される。
参照光LRは、光ファイバー110によりコリメータ111に導かれて平行光束に変換され、光路長補正部材112及び分散補償部材113を経由し、コーナーキューブ114に導かれる。光路長補正部材112は、参照光LRの光路長と測定光LSの光路長とを合わせるよう作用する。分散補償部材113は、参照光LRと測定光LSとの間の分散特性を合わせるよう作用する。コーナーキューブ114は、参照光LRの入射方向に移動可能であり、それにより参照光LRの光路長が変更される。
コーナーキューブ114を経由した参照光LRは、分散補償部材113及び光路長補正部材112を経由し、コリメータ116によって平行光束から集束光束に変換され、光ファイバー117に入射する。光ファイバー117に入射した参照光LRは、偏波コントローラ118に導かれてその偏光状態が調整され、光ファイバー119によりアッテネータ120に導かれて光量が調整され、光ファイバー121によりファイバーカプラー122に導かれる。
一方、ファイバーカプラー105により生成された測定光LSは、光ファイバーf1により導かれてコリメータレンズユニット89により平行光束に変換され、光スキャナー88、合焦レンズ87、リレーレンズ85、及び反射ミラー84を経由し、ダイクロイックミラー83により反射される。
光スキャナー88は、測定光LSを1次元的又は2次元的に偏向する。光スキャナー88は、例えば、第1ガルバノミラーと、第2ガルバノミラーとを含む。第1ガルバノミラーは、OCT光学系8の光軸に直交する水平方向に撮影部位(眼底Ef又は前眼部)をスキャンするように測定光LSを偏向する。第2ガルバノミラーは、OCT光学系8の光軸に直交する垂直方向に撮影部位をスキャンするように、第1ガルバノミラーにより偏向された測定光LSを偏向する。このような光スキャナー88による測定光LSの走査態様としては、例えば、水平スキャン、垂直スキャン、十字スキャン、放射スキャン、円スキャン、同心円スキャン、螺旋スキャンなどがある。
ダイクロイックミラー83により反射された測定光LSは、リレーレンズ82を通過し、反射ミラー81により反射され、ダイクロイックミラー67を透過し、ダイクロイックミラー52により反射され、対物レンズ51により屈折されて被検眼Eに入射する。測定光LSは、被検眼Eの様々な深さ位置において散乱・反射される。被検眼Eからの測定光LSの戻り光は、往路と同じ経路を逆向きに進行してファイバーカプラー105に導かれ、光ファイバー128を経由してファイバーカプラー122に到達する。
ファイバーカプラー122は、光ファイバー128を介して入射された測定光LSと、光ファイバー121を介して入射された参照光LRとを合成して(干渉させて)干渉光を生成する。ファイバーカプラー122は、所定の分岐比(例えば1:1)で干渉光を分岐することにより、一対の干渉光LCを生成する。一対の干渉光LCは、それぞれ光ファイバー123及び124を通じて検出器125に導かれる。
検出器125は、例えばバランスドフォトダイオードである。バランスドフォトダイオードは、一対の干渉光LCをそれぞれ検出する一対のフォトディテクタを含み、これらフォトディテクタにより得られた一対の検出結果の差分を出力する。検出器125は、この出力(検出信号)をDAQ(Data Acquisition System)130に送る。
DAQ130には、OCT光源101からクロックKCが供給される。クロックKCは、OCT光源101において、波長可変光源により所定の波長範囲内で掃引される各波長の出力タイミングに同期して生成される。OCT光源101は、例えば、各出力波長の光L0を分岐することにより得られた2つの分岐光の一方を光学的に遅延させた後、これらの合成光を検出した結果に基づいてクロックKCを生成する。DAQ130は、検出器125から入力される検出信号をクロックKCに基づきサンプリングする。DAQ130は、検出器125からの検出信号のサンプリング結果を処理部9の演算処理部220に送られる。演算処理部220は、例えば一連の波長走査毎に(Aライン毎に)、サンプリングデータに基づくスペクトル分布にフーリエ変換等を施すことにより、各Aラインにおける反射強度プロファイルを形成する。更に、演算処理部220は、各Aラインの反射強度プロファイルを画像化することにより画像データを形成する。
本例では、参照光LRの光路(参照光路、参照アーム)の長さを変更するためのコーナーキューブ114が設けられているが、これら以外の光学部材を用いて、測定光路長と参照光路長との差を変更することも可能である。
処理部9は、レフ測定光学系を用いて得られた測定結果から屈折力値を算出し、算出された屈折力値に基づいて、眼底Efとレフ測定光源61と撮像素子59とが共役となる位置に、レフ測定光源61及び合焦レンズ74それぞれを光軸方向に移動させる。いくつかの実施形態では、処理部9は、合焦レンズ74の移動に連動してOCT光学系8の合焦レンズ87をその光軸方向に移動させる。いくつかの実施形態では、処理部9は、レフ測定光源61及び合焦レンズ74の移動に連動して液晶パネル41(固視ユニット40)をその光軸方向に移動させる。
<処理系の構成>
眼科装置1000の処理系の構成について説明する。眼科装置1000の処理系の機能的構成の例を図3及び図4に示す。図3は、眼科装置1000の処理系の機能ブロック図の一例を表す。図4は、データ処理部223の機能ブロック図の一例を表す。
処理部9は、眼科装置1000の各部を制御する。また、処理部9は、各種演算処理を実行可能である。処理部9は、プロセッサを含む。プロセッサの機能は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路により実現される。処理部9は、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。
処理部9は、実施形態に係る「眼科情報処理装置」の一例である。すなわち、処理部9の機能を実現するためのプログラムは、実施形態に係る「眼科情報処理プログラム」の一例である。
処理部9は、制御部210と、演算処理部220とを含む。また、眼科装置1000は、移動機構200と、表示部270と、操作部280と、通信部290とを含む。
移動機構200は、Zアライメント系1、XYアライメント系2、ケラト測定系3、固視投影系4、前眼部観察系5、レフ測定投射系6、レフ測定受光系7及びOCT光学系8等の光学系が収納されたヘッド部を前後左右方向に移動させるための機構である。例えば、移動機構200には、ヘッド部を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、例えばパルスモータにより構成される。伝達機構は、例えば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。制御部210(主制御部211)は、アクチュエータに対して制御信号を送ることにより移動機構200に対する制御を行う。
(制御部210)
制御部210は、プロセッサを含み、眼科装置の各部を制御する。制御部210は、主制御部211と、記憶部212とを含む。記憶部212には、眼科装置を制御するためのコンピュータプログラムがあらかじめ格納される。コンピュータプログラムには、光源制御用プログラム、検出器制御用プログラム、光スキャナー制御用プログラム、光学系制御用プログラム、演算処理用プログラム及びユーザインターフェイス用プログラムなどが含まれる。このようなコンピュータプログラムに従って主制御部211が動作することにより、制御部210は制御処理を実行する。
主制御部211は、測定制御部として眼科装置の各種制御を行う。Zアライメント系1に対する制御には、Zアライメント光源11の制御、ラインセンサー13の制御などがある。Zアライメント光源11の制御には、光源の点灯、消灯、光量調整、絞り調整などがある。ラインセンサー13の制御には、検出素子の露光調整やゲイン調整や検出レート調整などがある。それにより、Zアライメント光源11の点灯と非点灯とが切り替えられたり、光量が変更されたりする。主制御部211は、ラインセンサー13により検出された信号を取り込み、取り込まれた信号に基づいてラインセンサー13に対する光の投影位置を特定する。主制御部211は、特定された投影位置に基づいて被検眼Eの角膜頂点の位置を求め、これに基づき移動機構200を制御してヘッド部を前後方向に移動させる(Zアライメント)。
XYアライメント系2に対する制御には、XYアライメント光源21の制御などがある。XYアライメント光源21の制御には、光源の点灯、消灯、光量調整、絞り調整などがある。それにより、XYアライメント光源21の点灯と非点灯とが切り替えられたり、光量が変更されたりする。主制御部211は、撮像素子59により検出された信号を取り込み、取り込まれた信号に基づいてXYアライメント光源21からの光の戻り光に基づく輝点像の位置を特定する。主制御部211は、所定の目標位置(例えば、アライメントマークALの中心位置)に対する輝点像Brの位置との変位がキャンセルされるように移動機構200を制御してヘッド部を左右上下方向に移動させる(XYアライメント)。
ケラト測定系3に対する制御には、ケラトリング光源32の制御などがある。ケラトリング光源32の制御には、光源の点灯、消灯、光量調整、絞り調整などがある。それにより、ケラトリング光源32の点灯と非点灯とが切り替えられたり、光量が変更されたりする。主制御部211は、撮像素子59により検出されたケラトリング像に対する公知の演算を演算処理部220に実行させる。それにより、被検眼Eの角膜形状パラメータが求められる。
固視投影系4に対する制御には、液晶パネル41の制御や固視ユニット40の移動制御などがある。液晶パネル41の制御には、固視標の表示のオン・オフや、固視標の表示位置の切り替えなどがある。
例えば、固視投影系4には、液晶パネル41(又は固視ユニット40)を光軸方向に移動する移動機構が設けられる。この移動機構には、移動機構200と同様に、当該移動機構を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。主制御部211は、アクチュエータに対して制御信号を送ることにより移動機構に対する制御を行い、少なくとも液晶パネル41を光軸方向に移動させる。それにより、液晶パネル41と眼底Efとが光学的に共役となるように液晶パネル41の位置が調整される。
前眼部観察系5に対する制御には、前眼部照明光源50の制御、撮像素子59の制御などがある。前眼部照明光源50の制御には、光源の点灯、消灯、光量調整、絞り調整などがある。それにより、前眼部照明光源50の点灯と非点灯とが切り替えられたり、光量が変更されたりする。撮像素子59の制御には、撮像素子59の露光調整やゲイン調整や検出レート調整などがある。主制御部211は、撮像素子59により検出された信号を取り込み、取り込まれた信号に基づく画像の形成等の処理を演算処理部220に実行させる。
レフ測定投射系6に対する制御には、レフ測定光源61の制御、ロータリープリズム66の制御などがある。レフ測定光源61の制御には、光源の点灯、消灯、光量調整、絞り調整などがある。それにより、レフ測定光源61の点灯と非点灯とが切り替えられたり、光量が変更されたりする。例えば、レフ測定投射系6は、レフ測定光源61を光軸方向に移動する移動機構を含む。この移動機構には、移動機構200と同様に、当該移動機構を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。主制御部211は、アクチュエータに対して制御信号を送ることにより移動機構に対する制御を行い、レフ測定光源61を光軸方向に移動させる。ロータリープリズム66の制御には、ロータリープリズム66の回転制御などがある。例えば、ロータリープリズム66を回転させる回転機構が設けられており、主制御部211は、この回転機構を制御することによりロータリープリズム66を回転させる。
レフ測定受光系7に対する制御には、合焦レンズ74の制御などがある。合焦レンズ74の制御には、合焦レンズ74の光軸方向への移動制御などがある。例えば、レフ測定受光系7は、合焦レンズ74を光軸方向に移動する移動機構を含む。この移動機構には、移動機構200と同様に、当該移動機構を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。主制御部211は、アクチュエータに対して制御信号を送ることにより移動機構に対する制御を行い、合焦レンズ74を光軸方向に移動させる。主制御部211は、レフ測定光源61と眼底Efと撮像素子59とが光学的に共役となるように、例えば被検眼Eの屈折力に応じてレフ測定光源61及び合焦レンズ74をそれぞれ光軸方向に移動させることが可能である。
OCT光学系8に対する制御には、OCT光源101の制御、光スキャナー88の制御、合焦レンズ87の制御、コーナーキューブ114の制御、検出器125の制御、DAQ130の制御などがある。OCT光源101の制御には、光源の点灯、消灯、光量調整、絞り調整などがある。光スキャナー88の制御には、第1ガルバノミラーによる走査位置や走査範囲や走査速度の制御、第2ガルバノミラーによる走査位置や走査範囲や走査速度の制御などがある。
合焦レンズ87の制御には、合焦レンズ87の光軸方向への移動制御、撮影部位に対応した合焦基準位置への合焦レンズ87の移動制御、撮影部位に対応した移動範囲(合焦範囲)内での移動制御などがある。例えば、OCT光学系8は、合焦レンズ87を光軸方向に移動する移動機構を含む。この移動機構には、移動機構200と同様に、当該移動機構を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。主制御部211は、アクチュエータに対して制御信号を送ることにより移動機構に対する制御を行い、合焦レンズ87を光軸方向に移動させる。いくつかの実施形態では、眼科装置には、合焦レンズ74及び87を保持する保持部材と、保持部材を駆動する駆動部が設けられる。主制御部211は、駆動部を制御することにより合焦レンズ74及び87の移動制御を行う。主制御部211は、例えば、合焦レンズ74の移動に連動して合焦レンズ87を移動させた後、干渉信号の強度に基づいて合焦レンズ87だけを移動させるようにしてもよい。
コーナーキューブ114の制御には、コーナーキューブ114の光路に沿った移動制御などがある。例えば、OCT光学系8は、コーナーキューブ114を光路に沿った方向に移動する移動機構を含む。この移動機構には、移動機構200と同様に、当該移動機構を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。主制御部211は、アクチュエータに対して制御信号を送ることにより移動機構に対する制御を行い、コーナーキューブ114を光路に沿った方向に移動させる。検出器125の制御には、検出素子の露光調整やゲイン調整や検出レート調整などがある。主制御部211は、検出器125により検出された信号をDAQ130によりサンプリングし、サンプリングされた信号に基づく画像の形成等の処理を演算処理部220(画像形成部222)に実行させる。
また、主制御部211は、表示制御部として、後述のデータ処理部223の処理結果に対応した情報を表示部270に表示させる。データ処理部223の処理結果として、眼内距離算出部231により算出された眼内距離、判定部232による判定結果、近視進行推定部233により得られた軸性近視の進行情報などがある。
更に、主制御部211は、記憶部212にデータを書き込む処理や、記憶部212からデータを読み出す処理を行う。
(記憶部212)
記憶部212は、各種のデータを記憶する。記憶部212に記憶されるデータとしては、例えば他覚測定の測定結果、OCT計測の計測結果、断層像の画像データ、眼底像の画像データ、被検眼情報、被検者情報、標準データなどがある。被検眼情報は、左眼/右眼の識別情報などの被検眼に関する情報を含む。被検者情報は、患者ID、氏名、被検者の年令、性別、身長、体重などの被検者に関する情報を含む。いくつかの実施形態では、被検者情報は、電子カルテから取得される情報である。いくつかの実施形態では、被検眼情報や被検者情報は、操作部280を用いて検者又は被検者により入力される情報である。標準データは、多数の正常眼の測定データと当該測定データの被測定者の情報から統計的に導出され、正常眼データ(ノーマティブデータ)などと呼ばれる。いくつかの実施形態では、標準データは、多数の正常眼の測定データを当該測定データの被測定者の情報に対応づけたデータ群である。被測定者の情報は、被測定者の年令と性別とを含む。いくつかの実施形態に係る被測定者の情報は、例えば、年令、性別、身長、体重を含む。いくつかの実施形態では、被測定者の情報は、被検者情報と同様の項目の情報を含む。また、記憶部212には、眼科装置を動作させるための各種プログラムやデータが記憶されている。
(演算処理部220)
演算処理部220は、眼屈折力算出部221と、画像形成部222と、データ処理部223とを含む。
(眼屈折力算出部221)
眼屈折力算出部221は、レフ測定投射系6により眼底Efに投影されたリング状光束(リング状の測定パターン)の戻り光を撮像素子59が受光することにより得られたリング像(パターン像)を解析する。例えば、眼屈折力算出部221は、得られたリング像が描出された画像における輝度分布からリング像の重心位置を求め、この重心位置から放射状に延びる複数の走査方向に沿った輝度分布を求め、この輝度分布からリング像を特定する。続いて、眼屈折力算出部221は、特定されたリング像の近似楕円を求め、この近似楕円の長径及び短径を公知の式に代入することによって球面度数、乱視度数及び乱視軸角度(屈折力値)を求める。或いは、眼屈折力算出部221は、基準パターンに対するリング像の変形及び変位に基づいて眼屈折力のパラメータを求めることができる。
また、眼屈折力算出部221は、前眼部観察系5により取得されたケラトリング像に基づいて、角膜屈折力、角膜乱視度及び角膜乱視軸角度を算出する。例えば、眼屈折力算出部221は、ケラトリング像を解析することにより角膜前面の強主経線や弱主経線の角膜曲率半径を算出し、角膜曲率半径に基づいて上記パラメータを算出する。
(画像形成部222)
画像形成部222は、検出器115により検出された信号に基づいて、眼底Efの断層像の画像データを形成する。すなわち、画像形成部222は、干渉光学系による干渉光LCの検出結果に基づいて被検眼Eの画像データを形成する。この処理には、従来のスペクトラルドメインタイプのOCTと同様に、フィルター処理、FFT(Fast Fourier Transform)などの処理が含まれている。このようにして取得される画像データは、複数のAライン(被検眼E内における各測定光LSの経路)における反射強度プロファイルを画像化することにより形成された一群の画像データを含むデータセットである。
画質を向上させるために、同じパターンでのスキャンを複数回繰り返して収集された複数のデータセットを重ね合わせる(加算平均する)ことができる。
(データ処理部223)
データ処理部223は、画像形成部222により形成された断層像に対して各種のデータ処理(画像処理)や解析処理を施す。例えば、データ処理部223は、画像の輝度補正や分散補正等の補正処理を実行する。また、データ処理部223は、前眼部観察系5を用い得られた画像(前眼部像等)に対して各種の画像処理や解析処理を施す。
データ処理部223は、断層像の間の画素を補間する補間処理などの公知の画像処理を実行することにより、被検眼Eのボリュームデータ(ボクセルデータ)を形成することができる。ボリュームデータに基づく画像を表示させる場合、データ処理部223は、このボリュームデータに対してレンダリング処理を施して、特定の視線方向から見たときの擬似的な3次元画像を形成する。
データ処理部223は、眼内距離算出部231と、判定部232と、近視進行推定部233とを含む。近視進行推定部233は、多変量解析部233Aと、進行情報生成部233Bとを含む。
(眼内距離算出部231)
眼内距離算出部231は、OCT光学系8により得られた干渉光LCの検出結果に基づいて被検眼Eにおける1以上の眼内距離を求める。例えば、眼内距離算出部231は、OCT光学系8により得られた干渉光LCの検出結果を解析することにより眼内の所定部位に相当する干渉光の検出結果(干渉信号)のピーク位置を特定し、特定されたピーク位置間の距離に基づいて上記の眼内距離を求める。眼内距離算出部231は、少なくとも眼軸長及び脈絡膜厚を求めることが可能である。いくつかの実施形態に係る眼内距離算出部231は、眼軸長、角膜厚、前房深度、水晶体厚、硝子体腔長、網膜厚、脈絡膜厚などを求める。
脈絡膜厚は、中心窩における脈絡膜厚、中心窩付近の平均脈絡膜厚、中心窩付近を分割して得られた複数の象限それぞれにおける平均脈絡膜厚、及び黄斑部の周辺における脈絡膜厚の少なくとも1つを含む。中心窩付近の平均脈絡膜厚は、例えば、中心窩を中心とするφ2程度の範囲内の2以上の位置における平均脈絡膜厚である。中心窩付近を分割して得られた複数の象限それぞれにおける平均脈絡膜厚は、例えば、中心窩付近を4象限に分割し、各象限における2以上の位置における平均脈絡膜厚である。黄斑部の周辺における脈絡膜厚は、例えば、赤道付近の脈絡膜厚である。
(判定部232)
判定部232は、眼屈折力算出部221により求められた屈折力値(屈折力の測定値)と、眼内距離算出部231により求められた1以上の眼内距離と、被検者の情報と、標準データとに基づいて被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定する。例えば、判定部232は、被検者の情報に基づいて統計的に妥当なデータを標準データの中から抽出し、抽出されたデータに対して、屈折力値と1以上の眼内距離とに基づいて被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定する。いくつかの実施形態に係る被検者の情報は、被検者の年令、性別、身長、体重、被検者の近親者の眼特性情報を含む。近親者は、被検者の2親等内の親族である。近親者は、被検者の父又は母であることが望ましい。眼特性情報は、屈折力値(球面度数、乱視度数及び乱視軸角度、又は等価球面度数)を含む。例えば、両親が近視である被検者と比較して、両親の一方だけが近視である被検者の近視抑制の効果が得られる可能性が高いことを判定結果に反映させることが可能である。いくつかの実施形態では、眼特性情報は、更に、眼軸長及び脈絡膜厚の少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、被検者の情報が、屈折力値や眼内距離と同様に後述の関数のパラメータとして用いられる。
いくつかの実施形態に係る被検者の情報は、更に、被検者の生活習慣に関する情報を含む。生活習慣に関する情報には、テレビの視聴状況(視聴時間帯、視聴時間)、パーソナルコンピュータや携帯機器の使用状況(使用時間帯、使用時間)、外出活動状況(活動時間帯、活動時間)などがある。以下、被検者の情報は、主として、年令と性別である場合について説明する。
いくつかの実施形態に係る判定部232は、屈折力値、1以上の眼内距離及び被検者の情報と、標準データとを比較することにより被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定する。この場合、判定部232は、得られた屈折力値と1以上の眼内距離と被検者の情報と、正常眼における屈折力値、1以上の眼内距離、及び被測定者の情報を含む標準データとを比較することにより、被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定することが可能である。
例えば、判定部232は、被検者の情報に対応して標準データから抽出された正常眼の屈折力値及び1以上の眼内距離と、測定により得られた屈折力値及び計測により得られた1以上の眼内距離とを比較し、得られた複数の差分に基づいて被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定する。判定部232は、得られた複数の差分のうち所定の1以上の差分と閾値との比較結果、複数の差分のうち所定の差分の絶対値、又は複数の差分のうち閾値以上若しくは閾値以下となる差分の個数に基づいて被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定することが可能である。
いくつかの実施形態に係る判定部232は、標準データを多変量解析することにより得られた1以上の相関関数f(x,x,・・・,x)(x〜xは、屈折力値、1以上の眼内距離、被検者の情報の少なくとも1つ)に基づいて被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定する。実施形態に係る相関関数には、重回帰分析により得られた式で表される関数や、判別解析により得られた式で表される関数などがある。
例えば、判定部232は、多変量解析することにより得られた眼軸長の推定値を表す相関関数F(x,x,・・・,x)(x〜xは、屈折力値、眼軸長以外の1以上の眼内距離、被検者の情報のうち少なくとも1つ)に対して、被検者の年令等を代入して得られた眼軸長の推定値に基づいて、被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定する。
例えば、判定部232は、相関関数Fと同様に脈絡膜厚の推定値を表す相関関数G(x,x,・・・,x)(x〜xは、屈折力値、脈絡膜厚以外の1以上の眼内距離、被検者の情報のうち少なくとも1つ)に対して被検者の年令等を代入して得られた脈絡膜厚の推定値と、相関関数Fを用いた眼軸長の推定値とに基づいて、被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定する。
判定部232は、眼軸長以外の眼内距離(例えば、角膜厚、前房深度、水晶体厚、硝子体腔長、網膜厚など)についても、眼軸長と同様の1以上の相関関数から得られた1以上の推定値に基づいて被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定することが可能である。
いくつかの実施形態に係る判定部232は、標準データを多変量解析することにより得られた評価関数H(x,x,・・・,x)(x〜xは、屈折力値、1以上の眼内距離、被検者の情報のうち少なくとも1つ)に基づいて被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定する。例えば、判定部232は、評価関数Hに対して被検者の年令等を代入して得られた評価値に基づいて、被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定する。
いくつかの実施形態に係る判定部232は、上記の標準データと、過去に軸性近視であると診断された眼の測定データと被測定者の情報とを用いた機械学習により生成された学習済みモデルに対して被検者の年令等を代入して得られた出力値に基づいて、被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定する。
いくつかの実施形態に係る判定部232は、上記の標準データと、過去に軸性近視であると診断された眼の測定データと被測定者の情報とを用いたクラスタ解析結果に基づいて、今回の測定により得られた屈折力値、1以上の眼内距離、被検者の情報のうち少なくとも1つがいずれかのデータ群に属するかを判別することで、被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定する。
実施形態に係る判定部232による判定結果は、被検眼Eが軸性近視であるか否かを示す情報を含む。いくつかの実施形態に係る判定部232は、被検眼Eが軸性近視であるか否かを示す情報だけではなく、軸性近視であると判定するための判定基準に対してどの程度近いかを示す情報を出力する。この場合、判定部232は、得られた推定値や出力値と判定基準に対応した基準値との差分を求め、当該差分に応じて判定基準に対してどの程度近いかを示す情報を生成することが可能である。
(近視進行推定部233)
近視進行推定部233は、眼屈折力算出部221により求められた屈折力値(屈折力の測定値)と、眼内距離算出部231により求められた1以上の眼内距離と、被検者の情報と、標準データとに基づいて被検眼Eの軸性近視の進行情報を生成する。いくつかの実施形態に係る進行情報は、測定時点において軸性近視がどの程度まで進行しているかを表す情報である。いくつかの実施形態に係る進行情報は、測定時点以降の所定の時点においてどの程度まで軸性近視が進行するかを表す情報である。いくつかの実施形態に係る進行情報は、測定時点以降の所定の時点における屈折力値や眼軸長等の眼内パラメータの推定値を含む。すなわち、いくつかの実施形態に係る軸性近視の進行情報は、屈折力値及び1以上の眼内距離の少なくとも一方の測定タイミングより後の屈折力値及び1以上の眼内距離の少なくとも一方の推定値を含む。
(多変量解析部233A)
多変量解析部233Aは、標準データを多変量解析することにより眼軸長の推定値を表す相関関数J(x,x,・・・,x)を取得する。式(1)に示す相関関数Jにおいて、x〜xは屈折力値、眼軸長以外の1以上の眼内距離、被検者の情報のうち少なくとも1つであり、aは定数であり、a〜aは係数である。
J(x,x,・・・,x)=a+a+a+・・・+a
・・・(1)
例えば、多変量解析部233Aは、式(1)に示す相関関数Jに対して、被検眼Eの屈折力値、眼軸長以外の1以上の眼内距離、及び被検者の情報(被検者の所望の年令を含む)を入力することにより将来の被検眼Eの眼軸長の推定値を取得する。多変量解析部233Aは、取得された眼軸長の推定値に基づいて、被検眼Eの将来の軸性近視の進行度を推定することが可能である。
また、多変量解析部233Aは、標準データを多変量解析することにより屈折力値の推定値を表す相関関数K(x,x,・・・,x)を取得する。式(2)に示す相関関数Kにおいて、x〜xは、1以上の眼内距離、被検者の情報のうち少なくとも1つであり、bは定数であり、b〜bは係数である。
K(x,x,・・・,x)=b+b+b+・・・+b
・・・(2)
例えば、多変量解析部233Aは、式(2)に示す相関関数Kに対して、被検眼Eにおける1以上の眼内距離、被検者の情報(被検者の所望の年令を含む)を入力することにより将来の被検眼Eの屈折力値の推定値を取得する。多変量解析部233Aは、取得された屈折力値の推定値に基づいて、被検眼Eの将来の軸性近視の進行度を推定することが可能である。
いくつかの実施形態に係る多変量解析部233Aは、標準データを多変量解析することにより眼軸長の推定値を表す相関関数J1(x,x,・・・,x)を取得する。式(3)に示す相関関数J1において、x〜xは互いに異なる測定タイミングで得られた2以上の屈折力値と、互いに異なる測定タイミングで得られた眼軸長以外の2以上の上記1以上の眼内距離と、被検者の情報のうち少なくとも1つであり、cは定数であり、c〜cは係数である。
J1(x,x,・・・,x)=c+c+c+・・・+c
・・・(3)
例えば、多変量解析部233Aは、式(3)に示す相関関数J1から将来の被検眼Eの眼軸長の推定値を取得する。それにより、屈折力値の変化と、眼軸長の変化と、被検者の情報とに基づいて、所望の年令における被検眼Eの眼軸長の推定値を取得することができる。この場合、式(1)に示す相関関数Jを用いる場合より、信頼性の高い眼軸長の推定値を取得することが可能である。
いくつかの実施形態に係る多変量解析部233Aは、標準データを多変量解析することにより屈折力値の推定値を表す相関関数K1(x,x,・・・,x)を取得する。式(4)に示す相関関数K1において、x〜xは互いに異なる測定タイミングで得られた2以上の屈折力値、互いに異なる測定タイミングで得られた2以上の上記1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報のうち少なくとも1つであり、dは定数であり、d〜dは係数である。
K1(x,x,・・・,x)=d+d+d+・・・+d
・・・(4)
例えば、多変量解析部233Aは、相関関数K1から将来の被検眼Eの屈折力値の推定値を取得する。それにより、屈折力値の変化と、眼軸長の変化と、被検者の情報とに基づいて、所望の年令における被検眼Eの屈折力値の推定値を取得することができる。この場合、式(2)に示す相関関数Kを用いる場合より、信頼性の高い屈折力値の推定値を取得することが可能である。
なお、相関関数J、K、J1、K1は、式(1)〜式(4)に示す形式に限定されるものではなく、任意の関数であってよい。
(進行情報生成部233B)
進行情報生成部233Bは、多変量解析部233Aによる多変量解析結果から被検者の情報等に対応した解析情報を抽出し、抽出された解析情報に基づいて進行情報を生成する。進行情報生成部233Bは、例えば、年令を横軸とし、軸性近視の進行を表すパラメータを縦軸とする進行情報を生成する。
例えば、進行情報生成部233Bは、上記の相関関数J又は相関関数J1を用いて得られた関数値に基づいて被検者の所望の年令における眼軸長の推定値を含む進行情報を生成する。例えば、進行情報生成部233Bは、上記の相関関数K又は相関関数K1を用いて得られた関数値に基づいて被検者の所望の年令における屈折力値の推定値を含む進行情報を生成する。いくつかの実施形態に係る進行情報生成部233Bは、所望の年令以降について複数の眼軸長の推定値又は複数の屈折力値の推定値を含む進行情報を生成する。
(表示部270、操作部280)
表示部270は、ユーザインターフェイス部として、制御部210による制御を受けて情報を表示する。表示部270は、図1などに示す表示部10を含む。
操作部280は、ユーザインターフェイス部として、眼科装置を操作するために使用される。操作部280は、眼科装置に設けられた各種のハードウェアキー(ジョイスティック、ボタン、スイッチなど)を含む。また、操作部280は、タッチパネル式の表示画面10aに表示される各種のソフトウェアキー(ボタン、アイコン、メニューなど)を含んでもよい。
表示部270及び操作部280の少なくとも一部が一体的に構成されていてもよい。その典型例として、タッチパネル式の表示画面10aがある。
(通信部290)
通信部290は、図示しない外部装置と通信するための機能を有する。通信部290は、外部装置との接続形態に応じた通信インターフェイスを備える。外部装置の例として、レンズの光学特性を測定するための眼鏡レンズ測定装置がある。眼鏡レンズ測定装置は、被検者が装用する眼鏡レンズの度数などを測定し、この測定データを眼科装置1000に入力する。また、外部装置は、任意の眼科装置、記録媒体から情報を読み取る装置(リーダ)や、記録媒体に情報を書き込む装置(ライタ)などでもよい。更に、外部装置は、病院情報システム(HIS)サーバ、DICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)サーバ、医師端末、モバイル端末、個人端末、クラウドサーバなどでもよい。通信部290は、例えば処理部9に設けられていてもよい。
レフ測定光学系(レフ測定投射系6及びレフ測定受光系7)及び眼屈折力算出部221は、実施形態に係る「屈折力測定部」の一例である。OCT光学系8及び眼内距離算出部231は、実施形態に係る「眼内距離測定部」の一例である。データ処理部223は、実施形態に係る「解析部」の一例である。相関関数J、Kは、標準データに基づいて眼の屈折力、1以上の眼内距離、及び被測定者の情報の少なくとも1つを変数としてあらかじめ求められた「第1解析情報」の一例である。相関関数J1、K1は、標準データに基づいて眼の屈折力と当該屈折力の変化、1以上の眼内距離と当該1以上の眼内距離の変化、及び被測定者の情報の少なくとも1つを変数としてあらかじめ求められた「第2解析情報」の一例である。
<動作例>
実施形態に係る眼科装置1000の動作について説明する。
図5に、眼科装置1000の動作の一例を示す。図5は、眼科装置1000の動作例のフロー図を表す。記憶部212には、図5に示す処理を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されている。主制御部211は、このコンピュータプログラムに従って動作することにより、図5に示す処理を実行する。ここでは、被検者の情報が記憶部212にあらかじめ保存されているものとする。
(S1:アライメント)
図示しない顔受け部に被検者の顔が固定された状態で、検者が操作部280に対して所定の操作を行うことで、眼科装置1000は、アライメントを実行する。
具体的には、主制御部211は、Zアライメント光源11やXYアライメント光源21を点灯させる。また、主制御部211は、前眼部照明光源50を点灯させる。処理部9は、撮像素子59の撮像面上の前眼部像の撮像信号を取得し、表示部270に前眼部像を表示させる。その後、図1に示す光学系が被検眼Eの検査位置に移動される。検査位置とは、被検眼Eの検査を十分な精度内で行うことが可能な位置である。前述のアライメント(Zアライメント系1及びXYアライメント系2と前眼部観察系5とによるアライメント)を介して被検眼Eが検査位置に配置される。光学系の移動は、ユーザによる操作若しくは指示又は制御部210による指示にしたがって、制御部210によって実行される。すなわち、被検眼Eの検査位置への光学系の移動と、他覚測定を行うための準備とが行われる。
また、主制御部211は、レフ測定光源61と、合焦レンズ74と、固視ユニット40(液晶パネル41)をそれぞれの光軸に沿って原点の位置(例えば、0Dに相当する位置)に移動させる。
なお、ステップS1におけるアライメントが完了した後に、ケラト測定が実行されてもよい。この場合、主制御部211は、所望の固視位置に対応した表示位置に固視標を示すパターンを液晶パネル41に表示させる。それにより、所望の固視位置に被検眼Eを注視させる。その後、主制御部211は、ケラトリング光源32を点灯させる。ケラトリング光源32から光が出力されると、被検眼Eの角膜Crに角膜形状測定用のリング状光束が投射される。眼屈折力算出部221は、撮像素子59によって取得された像に対して演算処理を施すことにより、角膜曲率半径を算出し、算出された角膜曲率半径から角膜屈折力、角膜乱視度及び角膜乱視軸角度を算出する。制御部210では、算出された角膜屈折力などが記憶部212に記憶される。
主制御部211からの指示、又は操作部280に対するユーザの操作若しくは指示により、眼科装置1000の動作はステップS2に移行する。
(S2:屈折力測定)
屈折力測定では、主制御部211は、前述のように屈折力測定のためのリング状の測定パターン光束を被検眼Eに投射させる。被検眼Eからの測定パターン光束の戻り光に基づくリング像が撮像素子59の撮像面に結像される。主制御部211は、撮像素子59により検出された眼底Efからの戻り光に基づくリング像を取得できたか否かを判定する。例えば、主制御部211は、撮像素子59により検出された戻り光に基づく像のエッジの位置(画素)を検出し、像の幅(外径と内径との差)が所定値以上であるか否かを判定する。或いは、主制御部211は、所定の高さ(リング径)以上の点(像)に基づいてリングを形成できるか否かを判定することにより、リング像を取得できたか否かを判定してもよい。
リング像を取得できたと判定されたとき、眼屈折力算出部221は、被検眼Eに投射された測定パターン光束の戻り光に基づくリング像を公知の手法で解析し、仮の球面度数S及び仮の乱視度数Cを求める。主制御部211は、求められた仮の球面度数S及び乱視度数Cに基づき、レフ測定光源61、合焦レンズ74、及び固視ユニット40(液晶パネル41)を等価球面度数(S+C/2)の位置(仮の遠点に相当する位置)へ移動させる。主制御部211は、その位置から固視ユニット40(液晶パネル41)を更に雲霧位置に移動させた後、本測定としてレフ測定投射系6及びレフ測定受光系7を制御することによりリング像を再び取得させる。主制御部211は、前述と同様に得られたリング像の解析結果と合焦レンズ74の移動量から球面度数、乱視度数及び乱視軸角度を眼屈折力算出部221に算出させる。
また、眼屈折力算出部221は、求められた球面度数及び乱視度数から被検眼Eの遠点に相当する位置(本測定により得られた遠点に相当する位置)を求める。主制御部211は、求められた遠点に相当する位置に液晶パネル41を移動させる。制御部210では、合焦レンズ74の位置や算出された球面度数などが記憶部212に記憶される。主制御部211からの指示、又は操作部280に対するユーザの操作若しくは指示により、眼科装置1000の動作はステップS3に移行する。
リング像を取得できないと判定されたとき、主制御部211は、強度屈折異常眼である可能性を考慮して、レフ測定光源61及び合焦レンズ74をあらかじめ設定したステップでマイナス度数側(例えば−10D)、プラス度数側(例えば+10D)へ移動させる。主制御部211は、レフ測定受光系7を制御することにより各位置でリング像を検出させる。それでもリング像を取得できないと判定されたとき、主制御部211は、所定の測定エラー処理を実行する。このとき、眼科装置1000の動作はステップS3に移行してもよい。制御部210では、レフ測定結果が得られなかったことを示す情報が記憶部212に記憶される。
(S3:OCT計測)
まず、主制御部211は、固視ユニット40(液晶パネル41)を雲霧位置から合焦位置に移動させる。いくつかの実施形態では、合焦位置は、ステップS4で特定された等価球面度数(S+C/2)の位置、又は等価球面度数(S+C/2)の位置から干渉信号の強度等が最大になるように調整された位置である。
続いて、主制御部211は、OCT光源101を点灯させ、光スキャナー88を制御することにより眼底Efの所定の部位(黄斑部を含む部位)を測定光LSでスキャンさせる。測定光LSのスキャンにより得られた検出信号は画像形成部222に送られる。画像形成部222は、得られた検出信号から眼底Efの断層像を形成する。
(S4:眼内距離を算出)
主制御部211は、ステップS3において得られた干渉光の検出結果又は眼底Efの断層像から1以上の眼内距離を眼内距離算出部231に算出させる。眼内距離算出部231は、眼軸長、角膜厚、前房深度、水晶体厚、硝子体腔長、網膜厚、脈絡膜厚などを算出する。
(S5:軸性近視判定)
次に、主制御部211は、ステップS2において得られた屈折力値と、ステップS4において求められた1以上の眼内距離と、記憶部212に記憶された被検者の情報と標準データとに基づいて被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定部232に判定させる。判定部232は、上記のように被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定する。
(S6:進行情報を生成)
更に、主制御部211は、ステップS2において得られた屈折力値と、ステップS4において求められた1以上の眼内距離と、記憶部212に記憶された被検者の情報と標準データとに基づいて被検眼Eの軸性近視の進行情報を近視進行推定部233に生成させる。近視進行推定部233は、上記のように被検眼Eの軸性近視の進行情報を生成する。
(S7:表示)
続いて、主制御部211は、ステップS5において得られた判定部232の判定結果に対応した情報と、ステップS6において得られた軸性近視の進行情報とを表示部270に表示させる。
図6に、実施形態に係る表示部270の表示例を模式的に示す。
例えば、主制御部211は、ステップS2において取得された屈折力値RES1と、ステップS4において求められた1以上の眼内距離RES2と、ステップS5において得られた判定部232の判定結果に対応した情報DTと、ステップS6において得られた軸性近視の進行情報GP1と、屈折力値や眼軸長の将来の推定値PIとを表示させる。推定値PIは、進行情報GP1から生成することが可能である。図6では、被検眼Eが軸性近視ではないとの判定結果に対応した情報DTが表示されている。進行情報GP1として、所望の年令以降の眼軸長や屈折力値の推定値や、眼軸長や屈折力値の推定値の時間変化を表すグラフなどがある。
以上で、眼科装置1000動作は、終了となる(エンド)。
図5は、1回の屈折力測定及びOCT計測により得られた測定値及び計測値に基づいて軸性近視の判定及び軸性近視の進行情報を生成する場合の動作例を表す。しかしながら、実施形態に係る眼科装置1000の動作は図5に示すフローに限定されるものではない。
図7に、眼科装置1000の動作の他の例を示す。図7は、図5と同様に、眼科装置1000の動作例のフロー図を表す。記憶部212には、図7に示す処理を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されている。主制御部211は、このコンピュータプログラムに従って動作することにより、図7に示す処理を実行する。ここでは、被検者の情報と、図5に示すフローで得られた屈折力測定の測定値及びOCT計測の計測値が記憶部212にあらかじめ保存されているものとする。なお、図7において、図5と同様の部分については詳細な説明を省略する。
(S11:アライメント)
主制御部211は、ステップS1と同様にアライメントを実行する。いくつかの実施形態では、前回の屈折力値等の測定時に得られたアライメント情報を用いてアライメントが実行される。
(S12:屈折力測定)
主制御部211は、ステップS2と同様に屈折力測定を実行する。いくつかの実施形態では、前回の屈折力測定時に得られた光学系の位置情報に基づいて、屈折力測定を行うための光学系の位置関係が変更される。
(S13:OCT計測)
主制御部211は、ステップS3と同様にOCT計測を実行する。いくつかの実施形態では、前回のOCT計測時に得られた光学系の位置情報に基づいて、OCT計測を行うための光学系の位置関係が変更される。
(S14:眼内距離を算出)
主制御部211は、ステップS4と同様に、ステップS13において得られた干渉光の検出結果又は眼底Efの断層像から1以上の眼内距離を眼内距離算出部231に算出させる。眼内距離算出部231は、少なくとも前回の眼内距離算出時と同じ眼内距離を算出する。ここでは、眼内距離算出部231は、眼軸長、角膜厚、前房深度、水晶体厚、硝子体腔長、網膜厚、脈絡膜厚を算出する。更に、眼内距離算出部231は、これらの経時変化を算出する。
(S15:軸性近視判定)
主制御部211は、ステップS5と同様に、ステップS12において得られた屈折力値と、ステップS14において求められた1以上の眼内距離と、記憶部212に記憶された被検者の情報と標準データとに基づいて被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定部232に判定させる。
(S16:経過解析)
主制御部211は、例えば、上記の相関関数J1に、記憶部212に保存された前回の測定により得られた屈折力値や1以上の眼内距離と、今回の測定により得られた屈折力値や1以上の眼内距離とを代入して、将来の被検眼Eの眼軸長の推定値を取得する。主制御部211は、例えば、上記の相関関数K1に、記憶部212に保存された前回の測定により得られた屈折力値や1以上の眼内距離と、今回の測定により得られた屈折力値や1以上の眼内距離とを代入して、将来の被検眼Eの屈折力値の推定値を取得する。
(S17:進行情報を生成)
主制御部211は、ステップS12において得られた屈折力値とその変化、ステップS14において求められた1以上の眼内距離とその変化、記憶部212に記憶された被検者の情報と標準データとに基づいて被検眼Eの軸性近視の進行情報を近視進行推定部233に出力させる。
(S18:表示)
主制御部211は、ステップS15において得られた判定部232の判定結果に対応した情報と、ステップS17において得られた軸性近視の進行情報とを表示部270に表示させる。
図8及び図9に、実施形態に係る表示部270に表示される進行情報GP1を模式的に示す。図8は、ステップS6において生成された進行情報の一例を表す。図9は、ステップS17において生成された進行情報の一例を表す。
例えば、主制御部211は、図8に示すように、標準データに基づく将来の眼軸長の変化特性Q1及び将来の屈折力値の変化特性Q2と共に、現在の被検者の年齢を基準として将来の眼軸長の推定値の変化特性Q10及び将来の屈折力値(球面度数)の推定値の変化特性Q11を表示部270に表示させる。変化特性Q1、Q2を実線で表し、変化特性Q10、Q11を破線で表すことで、測定時点を基準に将来の眼軸長や屈折力値の変化を認識し易くすることができる。
例えば、主制御部211は、図9に示すように、標準データに基づく将来の眼軸長の変化特性Q1及び将来の屈折力値の変化特性Q2と共に、2以上の眼軸長の測定値に基づく将来の眼軸長の推定値の変化特性Q10´及び2以上の屈折力値(球面度数)の測定値に基づく将来の屈折力値の推定値の変化特性Q11´を表示部270に表示させる。変化特性Q1、Q2を実線で表し、変化特性Q10´、Q11´を破線で表すことで、将来の眼軸長や屈折力値の変化を認識し易くすることができる。
なお、図8及び図9では、将来の眼軸長及び屈折力値の推定値について説明したが、主制御部211は、将来の角膜厚、前房深度、水晶体厚、硝子体腔長、網膜厚、脈絡膜厚の推定値についても同様に表示部270に表示させることが可能である。
以上説明したように、実施形態によれば、標準データに基づいて屈折力測定及びOCT計測により得られた情報から被検眼Eが軸性近視であるか否かを判定するようにしたので、近視進行の予測の信頼性を向上させることが可能になる。また、実施形態によれば、標準データに基づいて屈折力測定及びOCT計測により得られた情報から被検眼Eの軸性近視の進行情報を生成するようにしたので、近視進行の予測の信頼性を向上させることが可能になる。
いくつかの実施形態において、屈折力値、1以上の眼内距離の他に、ケラト測定により得られた角膜形状情報、調節微動の測定値、筋電計の測定、血流情報等に基づいて軸性近視であるか否かを判定したり、軸性近視の進行情報を生成したりする。
いくつかの実施形態では、屈折力値と1以上の眼内距離と被検者の情報とから、被検眼Eが軸性近視であるか屈折性近視であるかを判定する。いくつかの実施形態では、近視と判断された年令、近視と判断されてからの年数、角膜形状(厚さ)や水晶体厚の変化から屈折性近視か否かを判定する。
[作用・効果]
実施形態に係る眼科装置の作用及び効果について説明する。
いくつかの実施形態に係る眼科装置(1000)は、屈折力測定部(レフ測定投射系6、レフ測定受光系7、及び眼屈折力算出部221)と、眼内距離測定部(OCT光学系8、眼内距離算出部231)と、記憶部(212)と、解析部(データ処理部223)とを含む。屈折力測定部は、被検眼(E)の屈折力の測定値を取得する。眼内距離測定部は、被検眼における1以上の眼内距離の測定値を取得する。記憶部は、正常眼である被測定者の眼の屈折力及び1以上の眼内距離に被測定者の情報が関連付けられた標準データ(ノーマティブデータ)をあらかじめ記憶する。解析部は、屈折力測定部により取得された屈折力の測定値と、眼内距離測定部により取得された1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、標準データとに基づいて被検眼が軸性近視であるか否かを判定する。
このような構成によれば、被検眼の屈折力の測定値及び1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、標準データとに基づいて被検眼が軸性近視であるか否かを判定するようにしたので、軸性近視であるか否かの判定の信頼性を向上させることができる。その結果、より高い信頼性で軸性近視の進行を予測することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、解析部は、屈折力の測定値、1以上の眼内距離の測定値及び被検者の情報と、標準データとを比較することにより被検眼が軸性近視であるか否かを判定する。
このような構成によれば、屈折力や1以上の眼内距離の測定値及び被検者の情報と標準データとの比較結果を用いて被検眼が軸性近視であるか否かを判定するようにしたので、簡素な処理で、信頼性の高い軸性近視の判定が可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置は、解析部により得られた被検眼が軸性近視であるか否かを示す判定結果に対応した情報を表示手段(表示部10、270)に表示させる制御部(210、主制御部211)を含む。
このような構成によれば、注意喚起、近視抑制提案、定期健診の勧め、生活習慣の見直し等の対策を容易に行うことができるようになる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、解析部は、標準データに基づいて眼の屈折力、1以上の眼内距離、及び被測定者の情報の少なくとも1つを変数としてあらかじめ求められた第1解析情報を参照することにより、軸性近視の進行情報を生成する。
このような構成によれば、任意の屈折力や1以上の眼内距離の測定値及び被検者の情報に対して、比較的簡素な処理で軸性近視の進行度や将来の進行具合を被検者等に提示することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置(1000)は、屈折力測定部(レフ測定投射系6、レフ測定受光系7、及び眼屈折力算出部221)と、眼内距離測定部(OCT光学系8、眼内距離算出部231)と、記憶部(212)と、解析部(データ処理部223)とを含む。屈折力測定部は、被検眼(E)の屈折力の測定値を取得する。眼内距離測定部は、被検眼における1以上の眼内距離の測定値を取得する。記憶部は、正常眼である被測定者の眼の屈折力及び1以上の眼内距離に被測定者の情報が関連付けられた標準データをあらかじめ記憶する。解析部は、屈折力測定部により取得された屈折力の測定値と、眼内距離測定部により取得された1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、標準データとに基づいて被検眼の軸性近視の進行情報を生成する。
このような構成によれば、被検眼の屈折力の測定値及び1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、標準データとに基づいて被検眼の軸性近視の進行情報を生成するようにしたので、軸性近視の予測の信頼性を向上させることができる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、解析部は、互いに異なる測定タイミングで屈折力測定部により取得された2以上の屈折力の測定値と、互いに異なる測定タイミングで眼内距離測定部により取得された2以上の上記の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、標準データとに基づいて被検眼の軸性近視の進行情報を生成する。
このような構成によれば、屈折力の測定値の変化や1以上の眼内距離の測定値の変化を加味して軸性近視の進行度や将来の進行具合を示す情報を生成するようにしたので、軸性近視の予測の信頼性をより一層向上させることができる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置(1000)は、屈折力測定部(レフ測定投射系6、レフ測定受光系7、及び眼屈折力算出部221)と、眼内距離測定部(OCT光学系8、眼内距離算出部231)と、記憶部(212)と、解析部(データ処理部223)とを含む。屈折力測定部は、被検眼(E)の屈折力の測定値を取得する。眼内距離測定部は、被検眼における1以上の眼内距離の測定値を取得する。記憶部は、正常眼である被測定者の眼の屈折力及び1以上の眼内距離に被測定者の情報が関連付けられた標準データをあらかじめ記憶する。解析部は、互いに異なる測定タイミングで屈折力測定部により取得された2以上の屈折力の測定値と、互いに異なる測定タイミングで眼内距離測定部により取得された2以上の上記の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、標準データとに基づいて被検眼の軸性近視の進行情報を生成する。
このような構成によれば、被検眼の屈折力の測定値及び1以上の眼内距離の測定値と、これらの変化と、被検者の情報と、標準データとに基づいて被検眼の軸性近視の進行度や将来の進行具合を示す情報を生成するようにしたので、軸性近視の予測の信頼性を向上させることができる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、解析部は、標準データに基づいて眼の屈折力と当該屈折力の変化、1以上の眼内距離と当該1以上の眼内距離の変化、及び被測定者の情報の少なくとも1つを変数としてあらかじめ求められた第2解析情報を参照することにより、軸性近視の進行情報を生成する。
このような構成によれば、任意の屈折力や1以上の眼内距離の測定値やこれらの変化及び被検者の情報に対して、比較的簡素な処理で軸性近視の進行度や将来の進行具合を被検者等に提示することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、進行情報は、屈折力及び1以上の眼内距離の少なくとも一方の測定タイミングより後の屈折力及び1以上の眼内距離の少なくとも一方の推定値を含む。
このような構成によれば、被検眼の軸性近視の進行度や将来の進行具合の時間変化をわかりやすく検者や被検者に提示することができるようになる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置は、解析部により得られた進行情報を表示手段(表示部10、270)に表示させる制御部(210、主制御部211)を含む。
このような構成によれば、注意喚起、近視抑制提案、定期健診の勧め、生活習慣の見直し等の対策を容易に行うことができるようになる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、被測定者の情報及び被検者の情報は、年令と性別とを含む。
このような構成によれば、被検者の年令と性別とを考慮して、軸性近視であるか否かの判定精度を高めたり、軸性近視の進行情報の精度を向上させたりすることが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、被検者の情報は、被検者の近親者の眼特性情報を含む。
このような構成によれば、被検者の遺伝情報を考慮して、軸性近視であるか否かの判定精度を高めたり、軸性近視の進行情報の精度を向上させたりすることが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、1以上の眼内距離は、眼軸長と、脈絡膜厚とを含む。
このような構成によれば、軸性近視との相関が高いと考えられている眼軸長と脈絡膜厚とを考慮して、軸性近視であるか否かの判定精度を高めたり、軸性近視の進行情報の精度を向上させたりすることが可能になる。
いくつかの実施形態では、脈絡膜厚は、中心窩における脈絡膜厚、中心窩付近の平均脈絡膜厚、中心窩付近を分割して得られた複数の象限それぞれにおける平均脈絡膜厚、及び黄斑部の周辺における脈絡膜厚の少なくとも1つを含む。
このような構成によれば、軸性近視との相関が高いと考えられている脈絡膜厚を考慮して、軸性近視であるか否かの判定精度を高めたり、軸性近視の進行情報の精度を向上させたりすることが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科装置では、眼内距離測定部は、光源(OCT光源101)からの光(L0)を参照光(LR)と測定光(LS)とに分割し、測定光を被検眼に投射し、被検眼からの測定光の戻り光と参照光との干渉光(LC)を検出するOCT光学系(8)と、OCT光学系により得られた干渉光の検出結果に基づいて1以上の眼内距離を求める眼内距離算出部(231)と、を含む。
このような構成によれば、OCT光学系を用いたOCT計測により得られた計測結果に基づいて1以上の眼内距離を求めるようにしたので、測定値の精度を向上させることにより軸性近視であるか否かの判定精度を高めたり、軸性近視の進行情報の精度を向上させたりすることが可能になる。
いくつかの実施形態は、取得ステップと、解析ステップとをコンピュータに実行させるための眼科情報処理プログラムである。取得ステップは、被検眼(E)の屈折力の測定値、被検眼における1以上の眼内距離の測定値、及び被検者の情報を取得する。解析ステップは、取得ステップにおいて取得された屈折力の測定値、1以上の眼内距離の測定値、及び被検者の情報と、正常眼である被測定者の眼の屈折力及び1以上の眼内距離に被測定者の情報が関連付けられた標準データとに基づいて被検眼が軸性近視であるか否かを判定する。
ここで、「測定値の取得」は、屈折力測定による測定値の取得、又は記憶手段等から過去の屈折力測定により得られた測定値の取得を意味する。このようなプログラムによれば、被検眼の屈折力の測定値及び1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、標準データとに基づいて被検眼が軸性近視であるか否かを判定するようにしたので、軸性近視であるか否かの判定の信頼性を向上させることができる。その結果、より高い信頼性で軸性近視の進行を予測することが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科情報処理プログラムでは、解析ステップは、屈折力の測定値、1以上の眼内距離の測定値及び被検者の情報と標準データとを比較することにより被検眼が軸性近視であるか否かを判定する。
このようなプログラムによれば、屈折力や1以上の眼内距離の測定値及び被検者の情報と標準データとの比較結果を用いて被検眼が軸性近視であるか否かを判定するようにしたので、簡素な処理で、信頼性の高い軸性近視の判定が可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科情報処理プログラムは、解析ステップにおいて得られた被検眼が軸性近視であるか否かを示す判定結果に対応した情報を表示手段(表示部10、270)に表示させる制御ステップを含む。
このようなプログラムによれば、注意喚起、近視抑制提案、定期健診の勧め、生活習慣の見直し等の対策を容易に行うことができるようになる。
いくつかの実施形態は、取得ステップと、解析ステップとをコンピュータに実行させるための眼科情報処理プログラムである。取得ステップは、被検眼(E)の屈折力の測定値、被検眼における1以上の眼内距離の測定値、及び被検者の情報を取得する。解析ステップは、取得ステップにおいて取得された屈折力の測定値と、1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、正常眼である被測定者の眼の屈折力及び1以上の眼内距離に被測定者の情報が関連付けられた標準データとに基づいて被検眼の軸性近視の進行情報を生成する。
ここで、「測定値の取得」は、屈折力測定による測定値の取得、又は記憶手段等から過去の屈折力測定により得られた測定値の取得を意味する。このようなプログラムによれば、被検眼の屈折力の測定値及び1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、標準データとに基づいて被検眼の軸性近視の進行情報を生成するようにしたので、軸性近視の予測の信頼性を向上させることができる。
いくつかの実施形態に係る眼科情報処理プログラムでは、解析ステップは、互いに異なる測定タイミングで取得ステップにおいて取得された2以上の屈折力の測定値、2以上の上記の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、標準データとに基づいて被検眼の軸性近視の進行情報を生成する。
このようなプログラムによれば、屈折力の測定値の変化や1以上の眼内距離の測定値の変化を加味して軸性近視の進行度や将来の進行具合を示す情報を生成するようにしたので、軸性近視の予測の信頼性をより一層向上させることができる。
いくつかの実施形態は、取得ステップと、解析ステップとをコンピュータに実行させるための眼科情報処理プログラムである。取得ステップは、被検眼(E)の屈折力の測定値、被検眼における1以上の眼内距離の測定値、及び被検者の情報を取得する。解析ステップは、互いに異なる測定タイミングで取得ステップにおいて取得された2以上の屈折力の測定値と、2以上の上記の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、正常眼である被測定者の眼の屈折力及び1以上の眼内距離に被測定者の情報が関連付けられた標準データとに基づいて被検眼の軸性近視の進行情報を生成する。
ここで、「測定値の取得」は、屈折力測定による測定値の取得、又は記憶手段等から過去の屈折力測定により得られた測定値の取得を意味する。このようなプログラムによれば、被検眼の屈折力の測定値及び1以上の眼内距離の測定値と、これらの変化と、被検者の情報と、標準データとに基づいて被検眼の軸性近視の進行度や将来の進行具合を示す情報を生成するようにしたので、軸性近視の予測の信頼性を向上させることができる。
いくつかの実施形態に係る眼科情報処理プログラムでは、進行情報は、屈折力及び1以上の眼内距離の少なくとも一方の測定タイミングより後の屈折力及び1以上の眼内距離の少なくとも一方の推定値を含む。
このようなプログラムによれば、被検眼の軸性近視の進行度や将来の進行具合の時間変化をわかりやすく検者や被検者に提示することができるようになる。
いくつかの実施形態に係る眼科情報処理プログラムは、解析ステップにおいて得られた進行情報を表示手段(表示部10、270)に表示させる制御ステップを含む。
このようなプログラムによれば、注意喚起、近視抑制提案、定期健診の勧め、生活習慣の見直し等の対策を容易に行うことができるようになる。
いくつかの実施形態に係る眼科情報処理プログラムでは、被測定者の情報及び被検者の情報は、年令と性別とを含む。
このようなプログラムによれば、被検者の年令と性別とを考慮して、軸性近視であるか否かの判定精度を高めたり、軸性近視の進行情報の精度を向上させたりすることが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科情報処理プログラムでは、被検者の情報は、被検者の近親者の眼特性情報を含む。
このようなプログラムによれば、被検者の遺伝情報を考慮して、軸性近視であるか否かの判定精度を高めたり、軸性近視の進行情報の精度を向上させたりすることが可能になる。
いくつかの実施形態に係る眼科情報処理プログラムでは、1以上の眼内距離は、眼軸長と、脈絡膜厚とを含む。
このようなプログラムによれば、軸性近視との相関が高いと考えられている眼軸長と脈絡膜厚とを考慮して、軸性近視であるか否かの判定精度を高めたり、軸性近視の進行情報の精度を向上させたりすることが可能になる。
いくつかの実施形態では、脈絡膜厚は、中心窩における脈絡膜厚、中心窩付近の平均脈絡膜厚、中心窩付近を分割して得られた複数の象限それぞれにおける平均脈絡膜厚、及び黄斑部の周辺における脈絡膜厚の少なくとも1つを含む。
このようなプログラムによれば、軸性近視との相関が高いと考えられている脈絡膜厚を考慮して、軸性近視であるか否かの判定精度を高めたり、軸性近視の進行情報の精度を向上させたりすることが可能になる。
<その他>
以上に示された実施形態は、この発明を実施するための一例に過ぎない。この発明を実施しようとする者は、この発明の要旨の範囲内において任意の変形、省略、追加等を施すことが可能である。
上記の実施形態では、OCT計測により得られた計測結果を用いて眼内距離を求める場合について説明したが、実施形態に係る眼科装置の構成はこれに限定されるものではない。実施形態に係る眼科装置は、超音波方式で眼内距離を測定するものに適用することができる。
1 Zアライメント系
2 XYアライメント系
3 ケラト測定系
4 固視投影系
5 前眼部観察系
6 レフ測定投射系
7 レフ測定受光系
8 OCT光学系
9 処理部
210 制御部
211 主制御部
223 データ処理部
231 眼内距離算出部
232 判定部
233 近視進行推定部
233A 多変量解析部
233B 進行情報生成部
1000 眼科装置

Claims (27)

  1. 被検眼の屈折力の測定値を取得する屈折力測定部と、
    前記被検眼における1以上の眼内距離の測定値を取得する眼内距離測定部と、
    正常眼である被測定者の眼の屈折力及び前記1以上の眼内距離に前記被測定者の情報が関連付けられた標準データをあらかじめ記憶する記憶部と、
    前記屈折力測定部により取得された前記屈折力の測定値と、前記眼内距離測定部により取得された前記1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、前記標準データとに基づいて前記被検眼が軸性近視であるか否かを判定する解析部と、
    を含む眼科装置。
  2. 前記解析部は、前記屈折力の測定値、前記1以上の眼内距離の測定値及び前記被検者の情報と、前記標準データとを比較することにより前記被検眼が軸性近視であるか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記解析部により得られた前記被検眼が軸性近視であるか否かを示す判定結果に対応した情報を表示手段に表示させる制御部を含む
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼科装置。
  4. 前記解析部は、前記標準データに基づいて前記眼の屈折力、前記1以上の眼内距離、及び前記被測定者の情報の少なくとも1つを変数としてあらかじめ求められた第1解析情報を参照することにより、前記軸性近視の進行情報を生成する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の眼科装置。
  5. 被検眼の屈折力の測定値を取得する屈折力測定部と、
    前記被検眼における1以上の眼内距離の測定値を取得する眼内距離測定部と、
    正常眼である被測定者の眼の屈折力及び前記1以上の眼内距離に前記被測定者の情報が関連付けられた標準データをあらかじめ記憶する記憶部と、
    前記屈折力測定部により取得された前記屈折力の測定値と、前記眼内距離測定部により取得された前記1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、前記標準データとに基づいて前記被検眼の軸性近視の進行情報を生成する解析部と、
    を含む眼科装置。
  6. 前記解析部は、互いに異なる測定タイミングで前記屈折力測定部により取得された2以上の前記屈折力の測定値と、互いに異なる測定タイミングで前記眼内距離測定部により取得された2以上の前記1以上の眼内距離の測定値と、前記被検者の情報と、前記標準データとに基づいて前記被検眼の軸性近視の進行情報を生成する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の眼科装置。
  7. 被検眼の屈折力の測定値を取得する屈折力測定部と、
    前記被検眼における1以上の眼内距離の測定値を取得する眼内距離測定部と、
    正常眼である被測定者の眼の屈折力及び前記1以上の眼内距離に前記被測定者の情報が関連付けられた標準データをあらかじめ記憶する記憶部と、
    互いに異なる測定タイミングで前記屈折力測定部により取得された2以上の前記屈折力の測定値と、互いに異なる測定タイミングで前記眼内距離測定部により取得された2以上の前記1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、前記標準データとに基づいて前記被検眼の軸性近視の進行情報を生成する解析部と、
    を含む眼科装置。
  8. 前記解析部は、前記標準データに基づいて前記眼の屈折力と当該屈折力の変化、前記1以上の眼内距離と当該1以上の眼内距離の変化、及び前記被測定者の情報の少なくとも1つを変数としてあらかじめ求められた第2解析情報を参照することにより、前記軸性近視の進行情報を生成する
    ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の眼科装置。
  9. 前記進行情報は、前記屈折力及び前記1以上の眼内距離の少なくとも一方の測定タイミングより後の屈折力及び1以上の眼内距離の少なくとも一方の推定値を含む
    ことを特徴とする請求項4〜請求項8のいずれか一項に記載の眼科装置。
  10. 前記解析部により得られた前記進行情報を表示手段に表示させる制御部を含む
    ことを特徴とする請求項4〜請求項9のいずれか一項に記載の眼科装置。
  11. 前記被測定者の情報及び前記被検者の情報は、年令と性別とを含む
    ことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の眼科装置。
  12. 前記被検者の情報は、前記被検者の近親者の眼特性情報を含む
    ことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の眼科装置。
  13. 前記1以上の眼内距離は、眼軸長と、脈絡膜厚とを含む
    ことを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の眼科装置。
  14. 前記脈絡膜厚は、中心窩における脈絡膜厚、中心窩付近の平均脈絡膜厚、中心窩付近を分割して得られた複数の象限それぞれにおける平均脈絡膜厚、及び黄斑部の周辺における脈絡膜厚の少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする請求項13に記載の眼科装置。
  15. 前記眼内距離測定部は、
    光源からの光を参照光と測定光とに分割し、前記測定光を前記被検眼に投射し、前記被検眼からの前記測定光の戻り光と前記参照光との干渉光を検出するOCT光学系と、
    前記OCT光学系により得られた前記干渉光の検出結果に基づいて前記1以上の眼内距離を求める眼内距離算出部と、
    を含む
    ことを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載の眼科装置。
  16. 被検眼の屈折力の測定値、前記被検眼における1以上の眼内距離の測定値、及び被検者の情報を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップにおいて取得された前記屈折力の測定値、前記1以上の眼内距離の測定値、及び前記被検者の情報と、正常眼である被測定者の眼の屈折力及び前記1以上の眼内距離に前記被測定者の情報が関連付けられた標準データとに基づいて前記被検眼が軸性近視であるか否かを判定する解析ステップと、
    をコンピュータに実行させるための眼科情報処理プログラム。
  17. 前記解析ステップは、前記屈折力の測定値、前記1以上の眼内距離の測定値及び前記被検者の情報と前記標準データとを比較することにより前記被検眼が軸性近視であるか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項16に記載の眼科情報処理プログラム。
  18. 前記解析ステップにおいて得られた前記被検眼が軸性近視であるか否かを示す判定結果に対応した情報を表示手段に表示させる制御ステップを含む
    ことを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の眼科情報処理プログラム。
  19. 被検眼の屈折力の測定値、前記被検眼における1以上の眼内距離の測定値、及び被検者の情報を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップにおいて取得された前記屈折力の測定値と、前記1以上の眼内距離の測定値と、前記被検者の情報と、正常眼である被測定者の眼の屈折力及び前記1以上の眼内距離に前記被測定者の情報が関連付けられた標準データとに基づいて前記被検眼の軸性近視の進行情報を生成する解析ステップと、
    をコンピュータに実行させるための眼科情報処理プログラム。
  20. 前記解析ステップは、互いに異なる測定タイミングで前記取得ステップにおいて取得された2以上の前記屈折力の測定値、2以上の前記1以上の眼内距離の測定値と、前記被検者の情報と、前記標準データとに基づいて前記被検眼の軸性近視の進行情報を生成する
    ことを特徴とする請求項16〜請求項19のいずれか一項に記載の眼科情報処理プログラム。
  21. 被検眼の屈折力の測定値、前記被検眼における1以上の眼内距離の測定値、及び被検者の情報を取得する取得ステップと、
    互いに異なる測定タイミングで前記取得ステップにおいて取得された2以上の前記屈折力の測定値と、2以上の前記1以上の眼内距離の測定値と、被検者の情報と、正常眼である被測定者の眼の屈折力及び前記1以上の眼内距離に前記被測定者の情報が関連付けられた標準データとに基づいて前記被検眼の軸性近視の進行情報を生成する解析ステップと、
    をコンピュータに実行させるための眼科情報処理プログラム。
  22. 前記進行情報は、前記屈折力及び前記1以上の眼内距離の少なくとも一方の測定タイミングより後の屈折力及び1以上の眼内距離の少なくとも一方の推定値を含む
    ことを特徴とする請求項19〜請求項21のいずれか一項に記載の眼科情報処理プログラム。
  23. 前記解析ステップにおいて得られた前記進行情報を表示手段に表示させる制御ステップを含む
    ことを特徴とする請求項19〜請求項22のいずれか一項に記載の眼科情報処理プログラム。
  24. 前記被測定者の情報及び前記被検者の情報は、年令と性別とを含む
    ことを特徴とする請求項16〜請求項23のいずれか一項に記載の眼科情報処理プログラム。
  25. 前記被検者の情報は、前記被検者の近親者の眼特性情報を含む
    ことを特徴とする請求項16〜請求項24のいずれか一項に記載の眼科情報処理プログラム。
  26. 前記1以上の眼内距離は、眼軸長と、脈絡膜厚とを含む
    ことを特徴とする請求項16〜請求項25のいずれか一項に記載の眼科情報処理プログラム。
  27. 前記脈絡膜厚は、中心窩における脈絡膜厚、中心窩付近の平均脈絡膜厚、中心窩付近を分割して得られた複数の象限それぞれにおける平均脈絡膜厚、及び黄斑部の周辺における脈絡膜厚の少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする請求項26に記載の眼科情報処理プログラム。
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