JP2019168498A - 定着装置 - Google Patents

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Keisuke Yoshida
敬亮 吉田
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Abstract

【課題】端部を支持部材によって支持されている無端状のベルトに対して、摺擦回転体とバックアップ部材を設ける構成において、ベルトの中央部でのバックアップ部材との接触を抑制しつつ、ベルトの端部でのストレスを抑制する。【解決手段】ベルトと、定着ニップ部をベルトと協働して形成する回転体と、ベルトの外周面に当接しベルトを摺擦する摺擦回転体と、当接位置と、離間位置と、を取りうるように摺擦回転体を移動させる移動機構と、ベルトの内側に設けられ、当接位置に位置する摺擦回転体と共にベルトを挟むバックアップ部材と、を有する定着装置で、摺擦回転体が離間位置に位置する状態におけるバックアップ部材の形状は、摺擦回転体が当接位置に位置するときにベルトの内周面と接触する領域のうち、長手方向の一端側の端部よりも長手方向における中央部の方がベルトの内周面に対する距離が遠い形状である。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば電子写真方式を採用した複写機やプリンタ、あるいはファクシミリ等、記録材上に画像形成可能な画像形成装置に用いられる定着装置に関する。
定着装置において、定着処理を重ねるにつれて記録材により定着ローラの表面状態が通紙領域と非通紙領域で異なってくることが原因で、光沢ムラが発生することがある。具体的には、記録材の端部には、その製造過程で切断される際にバリ(紙コバ)が発生する。記録材が定着装置を通過する際にこのバリが定着ローラと接触すると、定着ローラの表面にわずかな傷(コバ傷)をつける。
同じサイズ(例えば小サイズ)の記録材の定着処理が繰り返されると、定着ローラの長手方向において、同じ位置にコバ傷が繰り返しつく。これによって定着ローラの表面状態が通紙領域と非通紙領域で異なってしまい、大サイズの記録材の定着処理を行った際に、このコバ傷による定着ローラの表面状態が画像に転写され、光沢ムラや光沢差によるスジとして視認される恐れがある。
近年、要求されている画像も高画質なものとなり、表面に砥粒を付着させた摺擦回転体を定着部材の表面に押し当てて摺擦させ、定着部材の表面粗さを長手方向でなるべく均一な状態にし、上述した不良画像の発生を抑止するものが知られている(特許文献1)。
従来、このような摺擦回転体は、高生産性及び高画質を求められる定着装置に用いられ、定着ローラや、複数のローラに張架されて支持される定着ベルトの表面を摺擦するように設けられてきた。
特開2008−040363号公報
ところで、定着装置の立ち上げ時間の短縮や省エネルギーを目的として、より熱容量の小さい定着フィルム(定着ベルト)を用いる定着装置が知られる。このような、定着装置では、定着部材としての定着フィルムは、複数のローラによって張架されるのではなく、定着フィルムの端部に設けられた支持部材で支持される。
本発明者らは、このような定着装置に対してもさらなる高画質化を目指すべく、定着部材としてベルトの端部の支持部材で支持されるような定着フィルム(定着ベルト)の表面を摺擦回転体で摺擦する構成について検討した。ベルトの端部の支持部材で支持されるような定着フィルム(定着ベルト)には、その内部に定着フィルムを張架するようなローラが無い。そのため、このような定着フィルムに摺擦回転体を当接させる場合には、定着フィルムを挟んで摺擦回転体と対向するようにバックアップ部材を設けることが考えられる。
しかしながら、定着フィルムが回転するとき、定着フィルムの長手方向の中央部は、フィルム支持部材によって支持されている定着フィルムの長手方向の両端部よりもフィルムのバタつき(周方向のフィルムの回転軌道の振れ)が大きくなる。これにより、摺擦回転体による摺擦処理が行われないときにおいて、長手方向の中央部にて定着フィルムの内周面がバックアップ部材に接触する恐れがある。
一方、長手方向の中央部における定着フィルムの内周面とバックアップ部材との摺擦を抑制するために、バックアップ部材を定着フィルム内周面から離しすぎると、次の課題が生じる。すなわち、定着フィルムの摺擦処理を行う場合、摺擦回転体がバックアップ部材と定着フィルムを挟むために定着フィルムに対して食い込むように接触させると、摺擦回転体によって定着フィルムの端部がバックアップ部材側に押し込まれる。これにより、端部の支持部材と摺擦回転体との間で定着フィルムにストレスがかかり、フィルムの劣化に繋がる恐れがある。
本発明の目的は、端部を支持部材によって支持されている無端状のベルトに対して、摺擦回転体とバックアップ部材を設ける構成において、ベルトの中央部でのバックアップ部材との接触を抑制しつつ、ベルトの端部でのストレスを抑制することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、無端状で回転可能なベルトと、前記ベルトの長手方向の一端側にて前記ベルトの内周面と対向する第1の対向部を有し、前記ベルトを回転可能に支持する第1の支持部材と、前記長手方向の他端側にて前記ベルトの内周面と対向する第2の対向部を有し、前記ベルトを回転可能に支持する第2の支持部材と、記録材上のトナー画像を定着する定着ニップ部を前記ベルトと協働して形成する回転体と、前記ベルトの外周面に当接する当接位置にて前記ベルトを摺擦する摺擦回転体と、前記当接位置と、前記摺擦回転体が前記ベルトの外周面から離間する離間位置と、を取りうるように前記摺擦回転体を移動させる移動機構と、前記ベルトの内側に設けられ、前記当接位置に位置する前記摺擦回転体と共に前記ベルトを挟むバックアップ部材と、を有し、前記摺擦回転体が前記離間位置に位置する状態における前記バックアップ部材の形状は、前記摺擦回転体が前記当接位置に位置するときに前記ベルトの内周面と接触する領域のうち、前記長手方向の前記一端側の端部よりも前記長手方向における中央部の方が前記ベルトの内周面に対する距離が遠い形状であることを特徴とする。
また、本発明に係る別の定着装置は、無端状で回転可能なベルトと、前記ベルトの長手方向の両端部で前記ベルトを支持する支持部材と、前記ベルトに対向し、前記ベルトとの間でトナー画像を担持した記録材を挟持搬送する定着ニップ部を形成する対向部材と、前記ベルトの表面に当接して摺擦可能な摺擦部材と、前記摺擦部材を前記ベルトに対して当接・離間するための接離機構と、前記ベルトの長手方向から見て前記ベルトの内部に設けられ、前記摺擦部材が前記ベルトに対して当接するときに、前記ベルトの内面と当接するバックアップ部材であって、前記摺擦部材が前記ベルトに対して離間したときの前記ベルトの長手方向において、前記ベルトの内面に対し径方向で最も退避した中央部から前記ベルトの内面に最も近い両端部に向って前記径方向で前記支持部材における前記ベルトの支持面の位置に近づく形状を備えたバックアップ部材と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、端部を支持部材によって支持されている無端状のベルトに対して、摺擦回転体とバックアップ部材を設ける構成において、ベルトの中央部でのバックアップ部材との接触を抑制しつつ、ベルトの端部でのストレスを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る定着装置を搭載した画像形成装置全体の概略断面図 定着部のみを抜粋した断面図 第1の実施形態における粗しローラ当接時を表す断面図 第1の実施形態における粗しローラ離間時を表す断面図 第1の実施形態における粗しローラ構成部を示す斜視図 第1の実施形態における粗しローラとバックアップ部材を加圧方向に沿って切断した断面図 第1の実施形態における粗しローラの加圧部を示す断面図 第2の実施形態における粗しローラ部を示す断面図
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明を実施形態に記載されたものだけに限定するものではない。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図1は、画像形成装置としてタンデム型のデジタルカラー複写機(以下、単に複写機という)を示すものであり、記録材(記録紙)としてのシートPの搬送方向に沿った概略構成断面図である。シートPは、トナー像(トナー画像)が形成されるものである。シートPの具体例として、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製のシート状のもの、厚紙、オーバーヘッドプロジェクター用などがある。尚、本実施形態では、画像形成装置として、フルカラーの中間転写方式の画像形成部を有する装置を例に説明するが、これに限定されるものではない。
例えば、後述する中間転写フィルム2を介さずに、感光体ドラム1から記録材に直接転写する直接転写方式の装置であってもよいし、単色のトナー画像を形成する装置(例えば、モノクロ機)であってもよい。また、画像形成装置としては、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、および、これらの複数の機能を備える複合機などであってもよい。
以下、複写機の主構成について、図1に基づいて説明する。複写機のエンジン部600は、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色の画像形成部10を備え、作像ユニット1a〜1dを有する。感光ドラムa〜dは、帯電器によって予め帯電され、その後レーザスキャナ6によって、画像読取部からの原稿御読取画像データを潜像形成される。潜像は、現像器によってトナー像になる。感光ドラムa〜dのトナー像は、一次転写ローラ2a〜2dによって、像担持体である例えば、中間転写ベルト2に順次転写される。
一方、シートPは、給紙カセット4から1枚ずつ送り出されて、給紙後搬送路23を通り、レジストローラ対24に送り込まれる。レジストロzーラ対24は、シートPを一旦受け止めて、シートPが斜行している場合、真っ直ぐに直す。そして、レジストローラ対24は、中間転写ベルト2上のトナー像と同期を取って、シートPを中間転写ベルト2と二次転写ローラ3aとの間の二次転写部3に送り込む。
中間転写ベルト2上のカラーのトナー像は、転写体である例えば二次転写ローラ3aによってシートPに転写される。その後、記録材上のトナー像は、定着前搬送路を通り、シートPが定着装置40によって、加熱および加圧されることでシートPに定着される。
シートPの片面だけにトナー像を形成する場合、切り換えフラッパの切り換えにより、シートPは排紙ローラ11を介してシートPを排紙トレイ12に排出される。シートPの両面にトナー像を形成する場合、定着装置40によってトナー像を定着されたシートPは、排紙ローラ11に搬送される。そして、紙後端が反転ポイントに達したとき、排紙ローラ11の逆回転によってスイッチバック搬送されて、両面搬送路47を通過させた後に、片面画像形成と同様の過程を経て、他方の面にトナー像を形成して、排紙トレイ12に排出される。
尚、フラッパ、排紙ローラ11のスイッチバック動作で構成される部分は、反転手段の一例である。本実施形態においては排紙ローラ11で反転しているが、印刷の生産性を高める為に、反転部を設けたり、排紙部を複数設けたり、等をして、排紙ローラ11以外の場所で反転を行っても良い。
(定着装置)
次に、図2乃至図6を用いて、定着装置40の構成および機構について説明する。ここで、本願明細書において、長手方向とは、加圧ローラの回転軸線方向もしくはこれに平行な方向である。
図2は、定着装置40の構成において、定着動作を行う部分のみを抜粋した概略断面図である。本実施形態における定着装置40は、円筒状の薄肉金属の基層上に弾性層が形成された定着フィルム(無端状のベルト部材としてベルトともいう)100を用いたフィルム加熱方式、加圧ローラ駆動方式の定着装置である。
定着装置40は、薄肉中空で無端ベルト状の定着フィルム100と、加圧バネ113と加圧レバー112とで圧接されて定着フィルム100と協働して定着ニップ部Nを形成する回転体としての加圧ローラ101と、を有している。また、定着フィルム100の内周側に加圧ローラ101との間で定着フィルム100を挟持しつつ摺擦している圧接部材103と加熱部材102を有している。
定着フィルム100はステイ104とフィルム支持部材105を介して定着フレーム115(図5)に支持されており、同じく定着フレーム115に回動可能に支持された加圧レバー112と、加圧バネ113により加圧ローラ101に加圧される。尚、本実施形態では加圧力を一端側が125N、総加圧力が250Nとした。
また、定着フィルム100と圧接部材103の摺動面には摩擦力を低減する目的で予め潤滑剤(不図示)が塗布されている。そして、定着フィルム100と加熱部材102の摺動面には摩擦力を低減する目的で予め同様に潤滑剤が塗布されている。この潤滑剤は、本実施形態においてはオイルが塗布されている。オイルとしては、高温環境下において使用可能なシリコーンオイル等が好ましい。
圧接部材103と加圧ローラ101の間は、定着フィルム100を挟んで、所定の加圧力が作用している状態とされている。加圧ローラ101は、不図示の駆動源(定着モータ)および不図示の定着駆動部によって回転駆動され、これにともなって定着フィルム100がニップ部での加圧ローラ101との摩擦により従動回転する。
そして、 加熱部材102が、電力供給により発熱する発熱源としての発熱体(抵抗発熱体)を含み、発熱体の発熱により昇温する。定着フィルム100と加圧ローラ101の間にシートPを通すことで、シートPは、定着ニップ部Nで挟持搬送される過程で加熱部材102から定着フィルム100を介して熱エネルギーが付与される。そして、シートP上の未定着トナー像(不図示)は加熱、加圧定着され、シートPは定着ニップ部Nを通過した後、定着フィルム100から分離して排出される。なお、図2で、104はステイ、105はフィルム支持部材である。
(定着フィルム)
定着フィルム100は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、肉厚を総厚150μm以下としたポリイミドフィルム、PEEKフィルム等の耐熱樹脂やSUS、Niなどの金属からなる。熱伝導率が高くなるように導電材を付与した樹脂層に重ねて熱伝導率の高いゴム材料の弾性層を形成し、表面にフッ素樹脂の離型層を形成して内径φ25mmの無端状に形成されている。本実施形態では、基層は厚み30μmのポリイミドを用い、弾性層は厚み70μmで熱伝導率が1.0W/m・Kのシリコーンゴム、離型層は厚さ30μmのPFAチューブを用いた。
PFA層は、離型性の高いシート又はコート層であることが好ましく、例えばフッ素樹脂層を用いることができる。また、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドアミド等に代表される耐熱性の高いシート状部材を基層とし、その上に導電層、さらにその上に表面離型層を積層したものでもよい。
(加圧ローラ)
加圧ローラ101は、長手方向の両端に設けられた不図示の加圧ローラ軸受を介して、定着フレーム115(図5)に支持されている。加圧ローラ101は、鉄、アルミ等の金属製の円柱状芯金を芯材とし、該芯金の外周側にスポンジやシリコーンゴムなど柔軟なゴム材料の弾性層と、表層には離型層としてのPFA層を備えている。
本実施形態では、鉄、アルミ等の芯金の表面をブラスト等の表面粗し処理を行った後、洗浄を行い、次いで芯金を筒型に挿入し、液状のシリコーンゴムを型内に注入し加熱硬化させる。この時、加圧ローラ101表面層に離型層としてPFAチューブ等の樹脂チューブ層を形成するために、型内に予め内面にプライマーを塗布したチューブを挿入しておくことにより、ゴムの加熱硬化と同時にチューブとゴム層の接着を行う。このようにして成型された加圧ローラは脱型処理した後、2次加硫を行う。
本実施形態では、加圧ローラ101の芯金径はφ15mm、弾性層の肉厚は5mmでアスカー硬度64°のシリコーンゴム、離型層のPFAチューブ厚みは50μmとし、外径約φ25mmの加圧ローラとした。
(加熱部材)
加熱部材102は、セラミックヒータ(以下、ヒータと記す)である。この加熱部材102は、細長薄板状の熱伝導が良好なAlN基板上にAg・Pdペーストを厚膜印刷し焼成することで発熱体を形成する。そして、発熱体の上に摺動絶縁部材として50〜60μm程度の厚さのガラスコーティング層が一体となって設けられたセラミックヒータを構成する。本実施形態においては、厚み600μmのAlN基板上に発熱抵抗層を形成させている。
一方、AlN基板を挟んで発熱体が設けられている側と反対側の基板上には、チップ状のサーミスタが設けられている。サーミスタは、AlN基板の温度をモニターする。更に、発熱体の端部近傍の位置にもサーミスタが設けられている。サーミスタは、バネ等の加圧手段により基板に所定の圧力で固定されている。
(フィルム支持部材)
定着フィルム100の長手方向の両端部には、定着フィルム100を支持し、定着フィルムの長手方向の移動を規制する規制面(規制部)および周方向の形状を規制する面(ガイド部、対向部)を備えた部材としてフィルム支持部材105が設けられている。本実施形態では、フィルム支持部材105の周方向の形状を規制する面は、定着フィルム100の内側に挿入されて設けられており、定着フィルム100の内周面と対向し、定着フィルム100の内周面をガイドする。また、フィルム支持部材105は、長手方向の両端部のそれぞれに設けられている。
フィルム支持部材105は、定着フィルム100内部に配置されたステイ104と定着フィルム100を加圧ローラ101方向へ加圧付勢する圧接部材103を支持している。フィルム支持部材105は、PPS、液晶ポリマー、フェノール樹脂等の耐熱樹脂により形成されており、定着フィルム100の端部コバ面を支持しつつ加圧力を受けている。
定着フィルム100は、圧接部材103と加熱部材102の外側にルーズに被せられている。そして、定着フィルム100の長手方向の両端部を支持するフィルム支持部材105は、加圧方向に自在に移動可能なように定着フレーム115(図5)に支持されている。
(ステイ)
ステイ104は、加圧ローラ101からの反力を受ける部材であり、高い圧力を掛けられても撓みにくい材質であることが望ましく、本実施形態においてはSUS304を用いている。
(圧接部材)
圧接部材103は、加熱部材102を固定支持させたニップ形成部材である。圧接部材103は横断面略半円弧状樋型で、図面の断面垂直方向を長手方向とする耐熱性樹脂等の断熱性部材である。省エネルギーの観点からステイ104への熱伝導の少ない材料を用いるのが望ましく、例えば、耐熱ガラスや、ポリカーボネート、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂が用いられる。
(粗しローラ)
図3に示す摺擦部材(摺擦回転体)としての粗しローラ120は、その表面に凹凸を有し、表面を定着フィルム100の表面に摺擦可能で、定着フィルム100の表面粗さを変更する。このため、粗しローラ120は、例えばφ12mmのステンレス製の芯金の表面に接着層を介して砥粒を密に接着してある。砥粒は、画像の目標光沢度に合わせて、番手(粒度)が#1000〜#4000のものを用いるのが好ましい。砥粒の平均粒径は、番手(粒度)が#1000の場合は約16μm、#4000番手の場合は約3μmである。
砥粒は、アルミナ系(登録商標「アランダム」又は「モランダム」とも称される)である。アルミナ系は、工業的に最も幅広く用いられる砥粒で、定着フィルム100の表面に比べて各段に硬度が高く、粒子が鋭角形状のため研磨性に優れている。本実施形態では、番手(粒度)が#2000の砥粒(平均粒径が7μm)を用いており、その表面粗さ(算術平均粗さ、Ra)は2.0μm以上4.0μm以下(JIS規格に準拠)、凹凸の平均間隔(Sm)は約10〜20μm(JIS規格に準拠)である。
尚、本実施形態では、粗しローラ120としてステンレス製の芯金に接着層を介して砥粒を密に接着したものについて述べた。これに限らず、粗しローラ120はステンレス製の芯金表面をブラスト加工等により所望の表面性状に処理されたものであっても良い。
(粗し機構)
定着フィルム100の表面性回復(摺擦処理)を行うフィルム粗し機構について、定着フィルム100の表面(外周面)に対する当接または離間、および接離機構(移動機構)として回転させる動きを、図3乃至図6を用いて説明する。本実施形態では、摺擦部材としての粗しローラ120が回転可能な構成(摺擦回転体)を用いて説明を行うが、本発明はそれに限定されるものではなく、粗しローラが固定(回転しない)のものでもよい。
粗し機構を構成する摺擦回転体としての粗しローラ120は、定着フィルム100に近接した位置において、定着フィルム100の表面(外面)に当接又は離間可能に設けられている。図3は当接状態を示しており、図4が離間状態を示している。
図5は、粗しローラ120の当接離間構成及び駆動機構部を示した斜視図である。図5に示すように、偏心カムとしての粗しローラカム123と粗しローラカムギア124が、定着装置40のフレーム115に支持された粗しローラカム軸の軸方向の両端に設けられている。そして、不図示の粗しローラカム用モータを動作させることで、接続した駆動列によって、粗しローラカムギア124を介して粗しローラカム軸を回転させ、粗しローラ120の当接・離間のための粗しローラカム123の位相を変更させる。
粗しローラカム123の位相については、センサ125(図5)を用いて粗しローラカム123を所望の位置に停止させて制御し、粗しローラ120の当接、離間状態の切替を確実に行うことができる。
なお、図5で、126は粗しローラ軸受、127は粗しローラ120を加圧するための加圧アーム、128はフレーム115に固定された固定軸、129は支持アームである。
ここで、粗しローラ120を加圧する動作の詳細について、図6、図7を用いて説明を行う。図6は、粗しローラ120の加圧部を示した断面図(図4のA−A断面図)である。粗しローラ120は、固定軸128を支点位置として回転可能に支持された支持アーム129に、粗しローラ軸受126を介して回転可能に支持されている。また、固定軸128には加圧アーム127も回転可能に支持されていて、前述の支持アーム129と加圧アーム127の間には加圧バネ130が設けられている。
図7で、粗しローラ120を定着フィルム100の表面(外面)に対し加圧状態にするために粗しローラカム123を回転させると、加圧アーム127が粗しローラカム123に押し下げられ、矢印Aの方向に回転する。加圧アーム127が押し下げられると、加圧バネ130によって支持アーム129が押し下げられ、図中矢印A方向に回転しはじめる。支持アーム129は粗しローラ120を支持している為、粗しローラ120が所定の圧力で定着フィルム100に押し当てられた状態で停止する。このようにして、粗しローラ120は定着フィルム100に対して加圧された状態となる。
続いて、粗しローラ120を離間する際の動作について述べる。図6で、加圧アーム127には、一端が固定軸128に保持され、他端がフレーム115(図5)に保持された離間バネ131が設けられている。離間バネ131は、図6の矢印Aとは逆回転方向へ向かって加圧アーム127を与圧しているねじりコイルバネである。加圧アーム127を上記のように与圧することで、加圧アーム127は粗しローラカム124(図5)側へと付勢される。
ここで、粗しローラ120を離間するために、粗しローラカム123を回転させると、離間バネ131からの付勢力により加圧アーム127が矢印Aとは逆回転方向に回転を始める。そして、図6の矢印B部において加圧アーム127が支持アーム129を押すため、支持アーム129も加圧アーム127に連動して同一方向へ回転し、これにより粗しローラ120が定着フィルム100から退避し、離間状態となる。
上述のようにして、粗しローラ120は粗しローラカム123の回転に従って昇降することが可能となり、粗しローラ120を粗しニップRを形成する図3に示す加圧位置と、図4に示す離間位置との間で変位可能とすることができるようになっている。本実施形態においては、加圧位置においては粗しローラ120は片側30Nずつ、総加圧60Nで加圧されるものとして設定した。
なお、本実施形態の場合、粗しローラカム123、加圧アーム127、加圧バネ130、支持アーム129、離間バネ131により、粗しローラ120を定着フィルム100に当接又は離間させる接離機構を構成する。
次に、粗しローラ120の回転機構について、図3、図5を用いて説明を行う。図5で、粗しローラ120の同軸上には粗しローラギア132が接続されており、加圧ローラ101の同軸上には加圧ローラギア106が接続されている。
粗しローラ120が定着フィルム100に当接すると、粗しローラギア132も粗しローラ120と共に移動して、加圧ローラギア106と連結したギア133と連結する。これにより、不図示の定着装置用モータからの駆動が加圧ローラギア106を介して粗しローラギア132まで伝わり、加圧ローラ101に従動する定着フィルム100に対して相対速度を持って粗しローラ120を回転させられる。
一方、粗しローラカム123を回転させて、粗しローラ120を定着フィルム100から離間させると、粗しローラギア132と加圧ローラギア106との連結が解除される。これにより、定着装置用モータからの駆動が伝達されなくなり、粗しローラ120の回転が停止する。
(バックアップ部材)
定着フィルム100の表面性を回復させるため、粗し動作で定着フィルム100に粗しローラ120を当接させる構成の場合、十分な粗し効果を得るためには、粗しローラ120を定着フィルム100に所定の圧力で加圧することが必要である。そのため、定着フィルム100内部に配置され、所定の圧力で加圧された粗しローラ120の加圧力を受ける対向部材としてバックアップ部材121が必要となる。
バックアップ部材121は、液晶ポリマーなどの耐熱樹脂、もしくは、スポンジやシリコーンゴムなど柔軟なゴム材料(ゴム層)を備え、定着フィルム100内部においてステイ104に設置されている(図3、図4)。なお、バックアップ部材121は、表層として摺動抵抗の低い摺動層を有してもよい。これにより、摺擦処理の際に定着フィルム100の内周面との摩擦を抑制することができる。
尚、バックアップ部材121の固定方法はこれに限らないが、本実施形態では、一例として、金属のステイ104の側面に固定する場合を例に示す。
粗しローラ120を定着フィルム100に当接させると、定着フィルム100を介して粗しローラ120がバックアップ部材121と対向するまで定着フィルム100を押し込む。すなわち、粗しローラ120とバックアップ部材121とで定着フィルム100を挟持することで、粗しニップ部Rが形成される。ここで、粗しローラ120が当接位置に位置するときに定着フィルム100の内周面と接触するバックアップ部材121の領域を当接面(当接領域)と称する。
ここで、本実施形態では、バックアップ部材121の当接面は、定着フィルム100の長手方向における端部から中央部に向かうに従い、定着フィルムの内面から退避するように湾曲した形状となっている。すなわち、粗しローラ120が離間位置に位置する状態におけるバックアップ部材121の形状は、当接面のうち長手方向の一端側の端部よりも長手方向における中央部の方が定着フィルム100の内周面に対する距離が遠い形状である。
ここで、中央部とは、バックアップ部材121の当接面の長手方向の中央である。より具体的には、バックアップ部材121は、定着フィルムの内面に最も近い両端部において、径方向でフィルム支持部材における定着フィルムの支持面の位置に近づく形状を備える。
上述の当接面の湾曲形状に関しては、図6に粗しローラ120とバックアップ部材121のみを抜き出し、粗しローラ120の加圧方向に沿って切断した断面図を示し、説明を行う。
(退避量の定義について)
ここで、バックアップ部材121において摺擦処理時に定着フィルム101の内周面と接触する側の面である当接面(即ち、摺擦処理時に定着フィルム101の内周面と接触しうるバックアップ部材121の領域)は、定着フィルム101の長手方向に関してその中心に対して、長手方向の端部が突出していている。すなわち、バックアップ部材121の当該領域の端部が、摺擦処理時に接触する定着フィルム101の内周面の対応する位置に向かう方向に突出している。その突出量をL1(図6(a))とする。
尚、本実施形態では、摺擦処理時にバックアップ部材121の当接面は全面が定着フィルム101に当接するが、定着フィルム101の通紙領域全体を十分に摺擦処理できる構成であれば、その一部が当接しない構成であってもよい。例えば、バックアップ部材121の当接面に摺擦処理に影響しない程度のわずかな凹凸があり、その凹部では定着フィルム101と当接しなくてもよい。この場合も摺擦処理時のバックアップ部材121の当接面は、実質的に全面が定着フィルム101に当接するものとする。また、例えば、バックアップ部材121の長手方向の中心に、摺擦処理に影響しない局所的な凹部が設けられている場合も実質的に当接面の全面が定着フィルム101に当接するものとする。尚、当接面の中心が(全体的なわずかな凹凸ではなく)局所的な凹部に一致する場合には、退避量の値の検証においては当該中心近傍の当接面を成す部分の定着フィルム101からの距離を中心における定着フィルム101からの距離とみなすものとする。
以下では、L1について更に詳しく説明する。
この突出量L1は、バックアップ部材121の当該領域の端部を基準にするとき、端部と比べて当該領域の中央部が定着フィルム100の内周面から退避している量ともいえる。即ち、退避量L1ともいえる。以下では、退避量L1との表現を用いて説明する。
尚、ここではバックアップ部材121の片端側の点Nについて示したが、他端側の端部の点Oについても同様の退避量L1とすることが好ましい。
退避量L1は、定着フィルム100の長手方向における端部と中央部との回転軌跡の振幅量の差を吸収できるものに設定している。すなわち、上述した退避量L1は、定着フィルム100の長手方向における端部(フィルム支持部材105で支持される)と中央部との回転軌跡の振幅量の差を吸収できるものに設定している。より具体的には、定着フィルム100の長手方向における端部と中央部との回転軌跡の振幅量の差を吸収するために、0.3mm≦L1≦2.0mm(0.3mm以上2mm以下 )とすることが好ましい。
また、公差等を鑑みて、より確実にバックアップ部材121と定着フィルム100の内周面の摺擦を抑制するために、0.5≦L1≦1.0mm(0.5mm以上1mm以下)とするとより好ましい。本実施形態では、最大で0.5mm中央部が大きいものとなっていたため、退避量L1は一例として、L1=0.8mmとして設定した。なお、定着フィルム100の振幅量の端部/中央部の差は、定着フィルム100の速度および外径等によって左右されるものである。
(ステイの側面に固定されている場合の退避量について)
本実施形態では、バックアップ部材121の固定方法の一例として、ステイ104の側面にバックアップ部材121を固定して設けている。この場合、上述の退避量L1は、ステイ側面からの距離を基準に考えることができる。図6(図4のA−A断面)において、粗しローラ120の回転軸方向の端部位置に対応したバックアップ部材121の端部における、基準平面(ステイ104の側面)からの高さをBとする。
そして、粗しローラ120の回転軸方向の中央部位置に対応したバックアップ部材121の中央部位置における、基準平面(ステイ104の側面)からの高さを(B−L1)とする。L1は退避量であって、バックアップ部材121の中央部位置がバックアップ部材121の端部位置に比べ基準平面(ステイ104の側面)からの高さが低くなっている(凹んでいる)量を示している。
図6では、バックアップ部材121の長手方向端部で定着フィルム100の半径方向の基準平面(ステイ104の側面)からの高さBと、長手方向の中央部で基準平面(ステイ104の側面)からの高さの差(図中L1と記載)が退避量に相当する。
(バックアップ部材の形状による効果)
上述のように退避量L1を設定することで、摺擦処理時以外における、バックアップ部材121の中央部での定着フィルム100の内面への接触を抑制することができる。すなわち、摺擦処理時のみ定着フィルム100の内面に接触することが可能となる。これにより、バックアップ部材121による定着フィルム100の内面の潤滑剤のかきとりに起因する定着装置の短寿命化を抑制することができる。
また、状態Aにおいて、バックアップ部材121の端部は、バックアップ部材121が定着フィルム100を外側へ向けて突き出さない位置に設けられていればよい。具体的には、状態Aにおいて、バックアップ部材121の端部の点Nにおいて、定着フィルム100の内周面との間に0mm以上0.3mm以下の間隔を設けるような位置にバックアップ部材121を配置するとより好ましい。
また、定着フィルムの長手方向端部で、バックアップ部材121がフィルム支持部材105と最近接する箇所では、バックアップ部材121の当接面121aが、フィルム支持部材105の支持面105aよりもフィルム内面から退避していることが望ましい。そして、この場合のフィルム支持部材105の支持面105aの高さ位置からの退避量は、定着フィルムを変形させる力が少ないように小さな値に設定することが好ましい。
上述のように当接面121aの形状を設定することで、粗しローラ120が離間した状態、かつ、定着フィルムが回転する状況(主には作像動作時)において、フィルム長手方向の全域で、バックアップ部材121と定着フィルム100が触れるのを防止できる。
なお、定着フィルムを変形させる力を最小とするように、バックアップ部材121がフィルム支持部材105と最近接する箇所で、バックアップ部材121の当接面121aが、フィルム支持部材105の支持面105aと同じ高さとする場合が考えられる。この場合、フィルム長手方向の両端部を除く全域で、バックアップ部材121と定着フィルム100が触れるのを防止できる。
なお、本実施形態では、定着フィルム100の長手方向に関し、バックアップ部材121の長さは、フィルム支持部材105に備わる定着フィルムの長手方向の移動を規制する両端側の規制面の間隔より短く、かつ、粗しローラ120の長さより長い(図6)。尚、バックアップ部材121の長さは、粗しローラ120の長さと同じであってもよい。
以上、本実施形態では、粗しローラ120が当接した状態において、適正な粗しニップRを形成することができる。かつ、フィルム支持部材105の支持面105aとバックアップ部材121の当接面121aの最近接部での高さの差が小さくなっている為、定着フィルム100を変形させる力を小さくすることができる。
《第2の実施形態》
上述した実施形態では、バックアップ部材121の固定方法の一例として、ステイ104の側面に固定されている場合を例に説明した。そして上述の実施形態では、L1がステイからのバックアップ部材121の高さの中央-端部間の差に相当する場合を例示した。
ステイ104に固定する場合において、ステイ104に対する固定場所は第1の実施形態(長手方向から見て定着ニップ部の中心位置に対し所定角度変位した側方位置)の例に限らない。本実施形態では、図8のように定着フィルム100の加圧方向と粗しローラ120の加圧方向が略同一方向になるように配置する。
すなわち、定着フィルムの長手方向から見て、粗しローラ120が定着フィルムの表面に当接する位置は、定着ニップ部Nの中心位置に対し180度変位した上方位置である。このような構成においてバックアップ部材121をステイ140の上面(加圧方向と直交する面)に固定する場合について、説明する。尚、上述の(退避量の定義について)の項目で説明した定義に変わりはない。
ただし、加圧力によってステイ140が撓みやすいので、状態Aでのバックアップ部材121の形状にも影響を受ける。したがって、第1の実施形態でも説明したのと同様に、退避量L1を検証する際には、バックアップ部材121が定着フィルム100の内周面を摺擦する際の影響が大きい、画像形成処理時(作像時)の加圧力での形状で退避量L1を確認するものとする。
以下では、撓む前後での形状の違いの程度について説明する。
本実施形態において、作像時の加圧力とフィルム粗し動作時の定着フィルム100の加圧力による、バックアップ部材121の取付部材であるステイ104の変形量の差分も加味する必要がある。ここで、ステイ104は、定着フィルムの長手方向において両端部が加圧される関係上、定着フィルムの長手方向において両端部に対し中央部が上昇する(凸型となる)ように変形する。
一例として、作像動作時は、前述のように定着ニップ部の加圧力は片側125N、総加圧力250Nとして設定していて、その時のステイ104のフィルム回転軸方向における中央部の変形量D1は、0.06mmであった。
一方、フィルム粗し動作時に定着ニップ部の加圧力を作像動作時より高い加圧力に設定する場合、例えば加圧力を片側180N、総加圧力360Nとして設定した場合、ステイ104のフィルム長手方向における中央部の変形量D2は0.08mmであった。
つまり、D1<D2となっているため、作像時の方がフィルム粗し動作時と比較して、バックアップ部材121が定着フィルムの長手方向の中央部において定着フィルム100側から退避していることになる。
ここで、第1の実施形態で述べた、バックアップ部材121の中央部位置がバックアップ部材121の端部位置に比べ高さが低くなっている退避量L1(0.3mm≦L1≦2.0mm)は、作像動作時に保障されるべきものである。
これに対し、フィルム粗し動作時に定着ニップ部の加圧力を作像動作時より低い加圧力に設定する場合(例えば加圧力を片側100N、総加圧力200Nとして設定)、ステイ104のフィルム長手方向における中央部の変形量D2は0.04mmであった。
つまり、D1>D2となっているため、フィルム粗し動作時の方が作像時と比較して、バックアップ部材121が定着フィルムの長手方向の中央部において定着フィルム100側から退避していることになる。尚、この場合においても、摺擦処理時には、粗しローラ120が定着フィルム100をバックアップ部材121に向かって押し込むように当接するので、問題なく摺擦処理ができる。
ここで、上述したように、バックアップ部材121の中央部位置がバックアップ部材121の端部位置に比べ高さが低くなっている退避量L1(0.8mm)は、作像動作時に保障されるべきものである。
(変形例)
上述した実施形態では、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の範囲内で種々の変形が可能である。
(変形例1)
上述した実施形態では、バックアップ部材121は、ステイ140に固定されている場合を例に説明したが、固定方法は上述の実施形態に限らない。例えば、バックアップ部材121の支持部材を長手方向に沿って定着フィルム100の両端外側まで設け、定着フィルム100の支持部材105と共に側板に固定するとしてもよい。
(変形例2)
上述した実施形態では、定着ニップ部を形成する第1の回転体および第2の回転体のうち、無端ベルトが第1の回転体に設けられたが、無端ベルトが第2の回転体に設けられても良い。また、無端ベルトが第1の回転体、第2の回転体の双方に設けられても良い。
(変形例3)
上述した実施形態では、トナー像が形成される記録材としてのシートPとして、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製のシート状のもの、厚紙、オーバーヘッドプロジェクター用などがあるとして説明した。より具体的には、例えば、定型或いは不定型の普通紙、厚紙、薄紙、封筒、葉書、シール、樹脂シート、OHPシート、光沢紙等が含まれる。なお、上述した実施形態では、便宜上、記録材(シート)Pの扱いを給紙、排紙などの用語を用いて説明したが、これによって本発明における記録材が紙に限定されるものではない。
(変形例4)
上述した実施形態では、未定着トナー像をシートに定着する装置を例に説明したが、本発明は、これに限られない。画像の光沢を向上させるべく、シートに仮定着されたトナー像を加熱加圧する装置(この場合も定着装置と呼ぶものとする)にも、同様に適用可能である。
100・・定着フィルム、101・・加圧ローラ、105・・フィルム支持部材、120・・粗しローラ、121・・バックアップ部材、123・・粗しローラカム、130・・加圧バネ

Claims (18)

  1. 無端状で回転可能なベルトと、
    前記ベルトの長手方向の一端側にて前記ベルトの内周面と対向する第1の対向部を有し、前記ベルトを回転可能に支持する第1の支持部材と、
    前記長手方向の他端側にて前記ベルトの内周面と対向する第2の対向部を有し、前記ベルトを回転可能に支持する第2の支持部材と、
    記録材上のトナー画像を定着する定着ニップ部を前記ベルトと協働して形成する回転体と、
    前記ベルトの外周面に当接する当接位置にて前記ベルトを摺擦する摺擦回転体と、
    前記当接位置と、前記摺擦回転体が前記ベルトの外周面から離間する離間位置と、を取りうるように前記摺擦回転体を移動させる移動機構と、
    前記ベルトの内側に設けられ、前記当接位置に位置する前記摺擦回転体と共に前記ベルトを挟むバックアップ部材と、
    を有し、
    前記摺擦回転体が前記離間位置に位置する状態における前記バックアップ部材の形状は、前記摺擦回転体が前記当接位置に位置するときに前記ベルトの内周面と接触する領域のうち、前記長手方向の前記一端側の端部よりも前記長手方向における中央部の方が前記ベルトの内周面に対する距離が遠い形状であることを特徴とする定着装置。
  2. 前記長手方向に関し、前記当接位置に位置する前記摺擦回転体が前記ベルトと接触する領域の前記長手方向の長さは、前記摺擦回転体が前記当接位置に位置するときに前記ベルトの内周面に接触する前記バックアップ部材の前記長手方向の長さ以下であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記摺擦回転体が前記離間位置に位置するとき、前記第1の支持部材の前記第1の対向部は、前記バックアップ部材の前記端部よりも前記ベルトの内周面に近いことを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の定着装置。
  4. 前記回転体を回転駆動する駆動源と、を有し、
    前記ベルトは、前記ニップ部での前記回転体との摩擦によって前記回転体により従動回転されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 無端状で回転可能なベルトと、
    前記ベルトの長手方向の両端部で前記ベルトを支持する支持部材と、
    前記ベルトに対向し、前記ベルトとの間でトナー画像を担持した記録材を挟持搬送する定着ニップ部を形成する対向部材と、
    前記ベルトの表面に当接して摺擦可能な摺擦部材と、
    前記摺擦部材を前記ベルトに対して当接・離間するための接離機構と、
    前記ベルトの長手方向から見て前記ベルトの内部に設けられ、
    前記摺擦部材が前記ベルトに対して当接するときに、前記ベルトの内面と当接するバックアップ部材であって、
    前記摺擦部材が前記ベルトに対して離間したときの前記ベルトの長手方向において、前記ベルトの内面に対し径方向で最も退避した中央部から前記ベルトの内面に最も近い両端部に向って前記径方向で前記支持部材における前記ベルトの支持面の位置に近づく形状を備えたバックアップ部材と、
    を有することを特徴とする定着装置。
  6. 前記形状は、湾曲形状であることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記摺擦部材は、前記ベルトの長手方向における両端部から中央部に向かうに従い、外径が大きくなるように湾曲していることを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記バックアップ部材の前記両端部に対する前記中央部における退避量は、0.3mm以上2mm以下 の間に設定されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 前記退避量は、0.5mm以上1mm以下の間に設定されていることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記支持部材は、前記ベルトの前記長手方向の移動を規制する規制面を備え、
    前記ベルトの長手方向に関し、前記バックアップ部材の長さは、前記規制面の間隔より短く、かつ、前記摺擦部材の長さより長いことを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1項に記載の定着装置。
  11. 前記長手方向から見て、前記摺擦部材が前記ベルトの表面に当接する位置は、前記定着ニップ部の中心位置に対し所定角度変位した側方位置であることを特徴とする請求項5乃至10のいずれか1項に記載の定着装置。
  12. 前記長手方向から見て、前記摺擦部材が前記ベルトの表面に当接する位置は、前記定着ニップ部の中心位置に対し180度変位した上方位置であることを特徴とする請求項5乃至10のいずれか1項に記載の定着装置。
  13. 前記長手方向から見て、前記摺擦部材が前記ベルトの表面に当接する位置は、前記定着ニップ部の中心位置に対し180度変位した上方位置であり、
    前記摺擦部材が前記ベルトに対して離間したときの加圧力に対し、前記摺擦部材が前記ベルトに対して当接したときの加圧力が大きい場合、前記摺擦部材を支持するステイの変形量の差分だけ前記退避量を小さく設定することを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  14. 前記長手方向から見て、前記摺擦部材が前記ベルトの表面に当接する位置は、前記定着ニップ部の中心位置に対し180度変位した上方位置であり、
    前記摺擦部材が前記ベルトに対して離間したときの加圧力に対し、前記摺擦部材が前記ベルトに対して当接したときの加圧力が小さい場合、前記摺擦部材を支持するステイの変形量の差分だけ前記退避量を大きく設定することを特徴とする請求項8または9に記載の定着装置。
  15. 前記ベルトは、フィルムで形成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の定着装置。
  16. 前記接離機構は、前記摺擦部材を前記ベルトに対して当接する方向に付勢する加圧バネと、前記加圧バネの付勢力に抗して回転により前記摺擦部材を前記ベルトに対して離間した位置に変位可能とする偏心カムと、を有することを特徴とする請求項5乃至15のいずれか1項に記載の定着装置。
  17. 前記支持部材は、前記ベルトの長手方向の移動を規制すると共に、前記ベルトの周方向の形状を規制することを特徴とする請求項5乃至16のいずれか1項に記載の定着装置。
  18. 前記摺擦部材は、摺擦回転体であることを特徴とする請求項5乃至17のいずれか1項に記載の定着装置。
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