JP2019168337A - 振動可視化センサ - Google Patents

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智博 森
岳志 森
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岳志 森
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茜 齋藤
仁志 竿本
Hitoshi Saomoto
仁志 竿本
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Shinichi Tokumoto
真一 徳本
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Abstract

【課題】 構成が簡易で、揺れの様子を視覚的に認識することができる振動可視化センサを提供する。【解決手段】 本発明の振動可視化センサは、アクセプター及びドナーを少なくとも含有するアップコンバージョン溶液と、前記アップコンバージョン溶液に光を照射する光源とを備える。前記アクセプターは、例えば、ナフタレン構造、アントラセン構造、ピレン構造、ペリレン構造、テトラセン構造又はBodipy構造を有する化合物である。また、前記ドナーは、例えば、ポルフィリン構造、フタロシアニン構造又はフラーレン構造を有する化合物である。【選択図】図2

Description

本発明は振動可視化センサに関し、詳しくは、特定の振動を検知し、かつ、当該振動の様子を可視化することのできる振動可視化センサに関する。
感震センサに関する技術として、従来、揺れを感知する感震センサを設け、この感震センサが所定の閾値以上の揺れを感知した時に、避難誘導表示部を点灯あるいは点滅する避難誘導照明灯装置が知られている(特許文献1参照。)。
しかし、この感震センサを利用した照明灯装置には、揺れの様子を視認する機能はないため、点灯あるいは点滅して初めて揺れを検知できる。
また、上記以外にも、感震センサは存在するが、複数の電子部品(加速度センサ、信号アンプ回路、論理回路、光源、それに伴う電源等)を組み合わせた複雑な構造である。また、上記特許文献1に記載の感震センサと同様、センサを目視しただけでは揺れの発生を視認できない。
特開2008−093575号公報
そこで、本発明は、構成が簡易で、揺れの様子を視覚的に認識することができる振動可視化センサを提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の構成を備える。
すなわち、本発明の振動可視化センサは、アクセプター及びドナーを少なくとも含有するアップコンバージョン溶液と、前記アップコンバージョン溶液に光を照射する光源とを備える。
本発明によれば、アップコンバージョン溶液を利用し、発光色の変化を利用して振動を検知・視認するものであるので、所定の閾値以上の揺れを視覚的に判断できる。また、従来の感震センサで必要とする点灯状態を制御する装置等を必要としないため、装置構成が簡易である。
図1は三重項−三重項消滅に基づくアップコンバージョンの機構の概念図を示す。 図2は、本発明にかかる振動可視化センサの装置構成の一例を示す。 図3は、実施例における実験装置の光学系を示す。 図4は、実施例における変位量(P−P)の説明図である。
〔アップコンバージョンの機構〕
本発明は三重項−三重項消滅に基づくアップコンバージョンの機構を利用している。
この機構について、図1に概念図を示す。
図1に示すように、まず、ドナーが入射光を吸収し、励起一重項状態からの系間交差により励起三重項状態を与える。
その後、ドナーからアクセプターへ三重項−三重項エネルギー移動が生じ、アクセプターの励起三重項状態が生成する。
次に、励起三重項状態のアクセプター同士が拡散・衝突することで、三重項−三重項消滅を起こし、より高いエネルギーレベルの励起一重項を生成し、アップコンバージョン発光をもたらす。
このような機構自体は公知であるが、本発明はかかる機構を振動可視化センサに応用したものである。
すなわち、アクセプターとドナーを含むアップコンバージョン溶液においては、上記機構におけるドナーからアクセプターへ三重項−三重項エネルギー移動およびアクセプター分子の励起三重項状態のエネルギー移動が、ある特定の揺れによる外的要因で妨げられると、三重項−三重項消滅によるアクセプター分子の励起一重項状態からのアップコンバージョン発光が起こらない。その結果として、アップコンバージョン溶液は、入射光と同じ発光色を示す。この現象は、三重項励起エネルギー移動の各過程に使われるアクセプターおよびドナー分子が、長い三重項寿命を有しているために顕著に現れる。
本発明は、このような発光性質の違いを利用することにより、所定の閾値以上の揺れを感知した時に、アップコンバージョン溶液の発光変化とその揺れの状況を同時に可視化することが可能となったものである。
〔アクセプター〕
アクセプターは、上記機構から明らかなように、ドナーから三重項−三重項エネルギーの移動を受け、励起三重項状態を生成するとともに、励起三重項状態のアクセプター同士が拡散・衝突することで、三重項−三重項消滅を起こし、より高いエネルギーレベルの励起一重項を生成するものである。
このようなアクセプターとしては、縮合芳香族環を有する種々の化合物が知られている。例えば、ナフタレン構造、アントラセン構造、ピレン構造、ペリレン構造、テトラセン構造、Bodipy構造(borondipyrromethene構造)を有する化合物が好ましく挙げられる。
中でも、アントラセン構造を有する化合物として、下式(1)で表される9,10−ジフェニルアントラセン及びその置換体が好ましく採用できる。
上式(1)において、R1〜R8はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8の分岐を有してもよいアルキル鎖を有するアミノ基、炭素数1〜12の分岐を有してもよいアルキル基、炭素数1〜12の分岐を有してもよいアルコキシ基、下式(2)もしくは下式(3)で表されるエチレンオキシド鎖、又は、下式(4)で表されるアンモニウムイオンを表す。
上式(2)において、R9は炭素数1〜3のアルキル基を表し、nは1〜4の整数を表す。
上式(3)において、R10,R11はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表し、m及びlはそれぞれ独立して1〜4の整数を表す。
上式(4)において、oは1〜8の整数を表し、R12〜R15はそれぞれ独立して、炭素数1〜6の分岐を有してもよいアルキル基を表す。
以下に、好適な化合物を具体的に例示する。
アルコキシ基、アルキレンオキシド鎖(エチレンオキシド鎖、プロピレンオキシド鎖など)、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アンモニウムイオンなどの親水性基を有するアクセプターは、水やアルコールなどの極性溶媒に溶解させることができる。
これらの官能基の数やアルキレンオキシド鎖の鎖長などを適宜選定することで、水溶性の程度を制御することも可能である。
〔ドナー〕
ドナーは、上記機構から明らかなように、入射光を吸収し、励起一重項状態からの系間交差により励起三重項状態となるとともに、かつ、アクセプターに三重項−三重項エネルギー移動を生じさせるものである。
このようなドナーとしては、例えば、ポルフィリン構造、フタロシアニン構造又はフラーレン構造を有するものが好ましい。構造内に、Pt、Pd、Zn、Ru、Re、Ir、Os、Cu、Ni、Co、Cd、Au、Ag、Sn、Sb、Pb、P、Asなどの金属原子を有するものであってもよい。
中でも、ポルフィリン構造を有する下記一般式(5)で表される化合物が好ましく採用できる。
上式(5)において、R16〜R23はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8の分岐を有してもよいアルキル鎖を有するアミノ基、炭素数1〜12の分岐を有してもよいアルキル基、炭素数1〜12の分岐を有してもよいアルコキシ基、又は、下式(6)で表されるエチレンオキシド鎖を表し、Mは水素原子、白金、パラジウム、亜鉛もしくは銅を表し、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立して水素原子、下式(7)、下式(8)もしくは下式(9)で表される置換基、又は、下式(10)で表されるアンモニウムイオンを表す。
上式(6)において、R24は炭素数1〜3のアルキル基を表し、pは1〜4の整数を表す。
上式(9)において、R25は炭素数1〜3のアルキル基を表し、qは1〜4の整数を表す。
上式(10)において、rは1〜8の整数を表し、R26〜R29はそれぞれ独立して炭素数1〜6の分岐を有してもよいアルキル基を表す。
以下に、好適な化合物を具体的に例示する。
アルコキシ基、アルキレンオキシド鎖(エチレンオキシド鎖、プロピレンオキシド鎖など)、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アンモニウムイオンなどの親水性基を有するドナーは、水やアルコールなどの極性溶媒に溶解させることができる。
これらの官能基の数やアルキレンオキシド鎖の鎖長などを適宜選定することで、水溶性の程度を制御することも可能である。
〔アップコンバージョン溶液〕
本発明におけるアップコンバージョン溶液は、上記アクセプターとドナーを少なくとも含み、これらが溶媒中に溶解し、あるいは分散媒中に分散している。
アクセプターとドナーを溶解する溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ベンゼンなどが挙げられる。
また、上述のように、アクセプターとドナーに親水性基を導入することで、水やアルコールなどの極性溶媒を用いることも可能である。
この場合、例えば、プラスチックのような耐溶剤性がない容器等を用いることも可能となる。このように、溶媒や容器の種類について選択の余地が広がることにより、材料コストの削減が可能となるほか、人体に安全な溶媒を使用することでセンサの安全性を高めることができるなどの利点を有する。
〔振動可視化センサの構成〕
本発明にかかる振動可視化センサは、上記アップコンバージョン溶液と、前記アップコンバージョン溶液に光を照射する光源とを備える。
当業者であれば、アップコンバージョン溶液に励起光を照射する所望の光学系を適宜設計し得るであろう。
一例として、図2に、本発明にかかる振動可視化センサの簡易な装置構成を示す。
図2に示す装置構成例では、半導体レーザー1、電池2、電流制御手段3、レンズ4、ミラー5、ハーフミラー6を備えるとともに、縦振動を検出するための縦振動アップコンバージョンセンサ7と、横振動を検出するための横振動アップコンバージョンセンサ8とを備える。
このように、本発明によれば、非常に簡易な構成で振動を可視化することができ、応用可能性も高い。
半導体レーザーについては、アップコンバージョン溶液におけるアクセプター、ドナーの種類に応じて適宜選定すれば良いが、例えば、532nmを中心波長とする安価なレーザーを用いることができる。また、アクセプターとドナーの組み合わせによっては、532nmに限定されることなく、その系に適した波長を選択すれば良い。
光源は、半導体レーザーやYAGレーザーのような固体レーザーに限られるものではなく、気体レーザー、液体レーザーでも良い。また、発光ダイオード(LED)を使った光源でも良い。アップコンバージョン発光が起こりえる強度が得られるのであれば、白色光をプリズムやフィルターによって分光して取り出した単一光源でも良い。
また、図2には、縦振動アップコンバージョンセンサと横振動アップコンバージョンセンサを備える例を挙げたが、いずれか一方でも構わないことは言うまでもない。
縦振動アップコンバージョンセンサや横振動アップコンバージョンセンサの固定方法については、例えば、アップコンバージョンセンサ(アップコンバージョン溶液が入った石英セルやアンプル管)をアクリルなどの汎用プラスチック製治具にネジ等で固定する。アップコンバージョン溶液が入った石英セルやアンプル管を割れないように固定できれば、その固定方法は限定されない。
以下、実施例を用いて、本発明にかかる振動可視化センサについて詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
<アップコンバージョン溶液の調製>
アクセプターとして、下記で表される9,10−ジフェニルアントラセン(DPA)(東京化成工業株式会社製)を用いた。
ドナーとして、下記で表されるオクタエチルポルフィリンのパラジウム錯体(PdOEP)(Sigma−Aldrich社製)を用いた。
溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を用い、上記アクセプター濃度が1×10-3M、上記ドナー濃度が1×10-5Mとなるようにこれらを不活性ガス雰囲気下で溶解させ、アップコンバージョン溶液を調製した。
このアップコンバージョン溶液は、532nm(緑)で励起し、445nm(青)で発光する。
〔実施例2〕
以下のようにして、親水性基を有するドナー及びアクセプターを極性溶媒に溶解させたアップコンバージョン溶液を作製した。
<合成例1:アクセプターAの合成>
下記の合成スキームによりアクセプターAを合成した。
具体的には以下のとおりである。
(化合物1の合成)
窒素雰囲気下でp−ブロモアニソール(1g,5.35mmol)を脱水THF(20ml)に入れ撹拌した。
反応溶液を−78℃に冷却しながら2.6Mのn−ブチルリチウム(2.3ml,5.89mmol)を滴下し、冷却しながら1時間反応させた。
2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1.19ml,5.89mmol)を加え、室温で一晩反応させた。
反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。
減圧乾燥後、透明の液体1.03gを得た(収率82%)。
1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:7.75(d,J=8.7Hz,2H),6.89(d,J=8.7Hz,2H),3.82(s,3H),1.31(s,12H)
(化合物2の合成)
窒素雰囲気下で化合物1(1.03g,4.4mmol)及び9,10−ジブロモアントラセン(0.652g,1.94mmol)を脱水トルエン(20ml)に入れ撹拌した。
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.11g,0.095mmol)及び2Mの炭酸カリウム水溶液(7ml)を反応溶液に滴下し、一晩反応させた。
エタノール(5ml)を反応溶液に加え、さらに一晩反応させた。反応溶液に水を加え、酢酸エチル及びクロロホルムで抽出した。
クロロホルム/メタノールで再結晶し、薄黄色の結晶0.736gを得た(収率97%)。
1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:7.74(m,4H),7.39(d,J=8.7Hz,4H),7.33(m,4H),7.14(d,J=8.7Hz,4H),3.96(s,6H)
(化合物3の合成)
窒素雰囲気下で化合物2(0.65g,1.66mmol)を脱水ジクロロメタン(150ml)に入れ撹拌した。
−78℃に冷却しながら1Mの三臭化ホウ素(8.5ml,8.5mmol)を滴下し、滴下終了後しばらく撹拌した後、室温で一晩反応させた。
氷水に溶液を加え、クロロホルム及び酢酸エチルで抽出した。
減圧乾燥し、薄黄色の固体0.533g(収率88%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO) δ:9.74(s,1H),7.65(m,2H),7.39(m,2H),7.23(d,J=8.5Hz,2H),7.03(d,J=8.5Hz,2H)
(化合物4の合成)
化合物3(0.150g、0.414mmol)と炭酸カリウム(0.171g,0.124mmol)とをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(5ml)に入れ、80℃で撹拌した。
反応溶液に、ブロモ吉草酸エチル(0.259g,1.24mmol)を滴下し、一晩反応させた。
反応終了後、室温に戻し、反応液を水に入れ、析出した固体を濾過した。
得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンで再結晶した。
薄黄色の結晶0.190gを得た(収率74%)。
1H NMR(400MHz,CDCl3) δ:7.77−7.70(m,4H),7.37(d,J=8.7Hz,4H),7.36−7.30(m,4H),7.12(d,J=8.7Hz,4H),4.21−4.09(m,9H),2.46(br t,J=7.0Hz,4H),2.01−1.84(m,8H),1.57(s,6H),1.29(t,J=7.2Hz,6H)
(化合物5の合成)
化合物4(0.150g、0.242mmol)をメタノール(10ml)中で撹拌した。
次いで、1M水酸化カリウム水溶液(5ml)を滴下して80℃で一晩反応させた。
反応終了後、室温に戻し、反応液を水に入れ希塩酸で酸性にした。析出した固体をろ過した。
減圧乾燥後、薄黄色の結晶0.11gを得た(収率81%)。
1H NMR(400MHz,DMSO) δ:12.40−11.81(m,2H),7.67−7.61(m,4H),7.43−7.39(m,4H),7.35(d,J=8.6Hz,4H),7.20(d,J=8.7Hz,4H),4.13(t,J=6.2Hz,4H),2.36(t,J=7.3Hz,4H),1.95−1.62(m,8H)
(アクセプターAの合成)
化合物5(0.100g、0.178mmol)を水(20ml)に入れ、撹拌した。
次いで、反応溶液に水酸化テトラブチルアンモニウム10%水溶液(0.83ml)を滴下した。
室温で2時間反応させた後、ろ過した。
ろ液を減圧乾燥し、薄黄色の固体0.22gを得た(収率100%)。
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ:7.70−7.64(m,4H),7.34−7.23(m,8H),7.15(d,J=8.6Hz,4H),4.14(t,J=6.1Hz,4H),3.24−3.16(m,16H),2.30(t,J=7.2Hz,4H),1.96−1.82(m,8H),1.69−1.57(m,17H),1.39(sxt,J=7.4Hz,17H),1.00(t,J=7.3Hz,24H)
<合成例2:ドナーAの合成>
下記の合成スキームによりドナーAを合成した。
具体的には以下のとおりである。
(化合物6の合成)
エチル−5−(4−ホルミルフェノキシ)ペンタノエート(4.00g、16.0mmol)とピロール(1.18ml,17.0mmol)とをプロピオン酸(160ml)に入れ、2時間還流させた。
反応終了後、室温に戻し、反応液を水に入れ、析出した固体を濾過した。
紫色の固体0.4gを得た(収率8%)。
1H NMR(400MHz,CD2Cl2) δ:8.92(s,8H),8.15(d,J=8.7Hz,8H),7.33(d,J=8.7Hz,8H),4.32(s,8H),4.21(d,J=7.2Hz,8H),2.54(t,J=7.2Hz,8H),2.13−1.95(m,16H),1.34(t,J=7.2Hz,12H)
(化合物7の合成)
化合物6(0.0352g、0.0295mmol)をベンゾニトリル(40ml)に入れ、溶解させた。
次いで、塩化パラジウム(0.0105g,0.0590mmol)を加え、5時間還流させた。
反応終了後、室温に戻し、溶媒を減圧除去した。
得られた固体を酢酸エチルで再結晶し、赤色の結晶0.03gを得た。得られた化合物はそのまま次の反応に使用した。
(ドナーAの合成)
化合物7(0.0200g,0.0154mmol)をメタノール/テトラヒドロフラン(3ml/3ml)に入れ、1M水酸化カリウム水溶液(3ml)を加え、2日間還流させた。
次いで、1M塩酸で中和し、赤色の固体を得た。
得られた固体を乾燥後、水に入れ、水酸化テトラメチルアンモニウム10質量%水溶液(0.485ml)を加え、室温で1時間撹拌した。
反応後、溶媒を減圧除去し、得られた固体をジクロロメタンで洗浄した。
赤色の固体0.017gを得た(収率74%)。
1H NMR(400MHz,CD3OD) δ:8.80(s,7H),7.99(d,J=8.6Hz,8H),7.28(d,J=8.7Hz,8H),4.81(s,192H),4.34−4.15(m,8H),2.37−2.28(m,8H),2.02−1.84(m,16H)
<アップコンバージョン溶液の調製>
アクセプターとして合成例1で得たアクセプターA、ドナーとして合成例2で得たドナーA、溶媒としてメタノールを用い、アクセプター濃度が1×10-3M、上記ドナー濃度が1×10-5Mとなるようにこれらを不活性ガス雰囲気下で溶解させ、アップコンバージョン溶液を調製した。
このアップコンバージョン溶液は、532nm(緑)で励起し、443nm(青)で発光するものであった。
〔実験方法〕
上記アップコンバージョン溶液を不活性ガス雰囲気下の石英セルに入れてサンプルとし、エミック株式会社製全自動振動試験装置F−16000BDH/LA16AWに設置して、図3に示す光学系を構成した。
半導体レーザーは有限会社レーザークリエイト社製グリーンレーザーモジュール3010143(532nm、CW)を用いた。レーザーの出力は、三和電気計器株式会社製レーザーパワーメータLP−1で測定した。
サンプルのみに横振動又は縦振動を加え、サンプルの発光色の変化を観察した。
実験に当たり、下記を制御因子とした。
レーザー強度:1.1〜19.1W/cm2の範囲
サンプルの縦又は横方向の変位量(P−P)(図4参照):1〜5mm
サンプル周波数:3〜10Hz
〔実験結果〕
<実施例1についての実験結果>
上記実施例1のアップコンバージョン溶液を用いた実験の結果を以下に示す。
横振動の実験結果を下表1〜4に示す。各表中において、発光部分すべてが青から緑に変化した場合、「×」と表記した。他方、3〜10Hzの周波数範囲において、青発光を維持した場合、「○」と表記した。発光部分のすべてが変化した具体的な周波数を表の下に明記した。
縦振動の実験結果を下表5〜8に示す。各表中の「〇」「×」の意味は、上記表1〜4と同様である。
<実施例2についての実験結果>
上記実施例2のアップコンバージョン溶液を用いた実験(横振動)の結果を下表9に示す。表中の「〇」「×」の意味は、上記表1〜4と同様である。
〔上記結果についての考察〕
上記結果より、ある特定の揺れ(振動や変位)を検知した時に、アップコンバージョン溶液の発光色が変わることが確認できた。また、横振動、縦振動ともに発光色の変化を確認できた。
周波数と変位量からなる閾値は、レーザー強度を可変することでも制御可能であることが分かった。いずれの条件においても、発光の変化と同時に、揺れの様子を可視化できた。
また、実施例2の実験結果から分かるとおり、アクセプター及びドナーに親水性基を導入し、極性溶媒を用いた場合においても、振動可視化センサとしての機能を損なうことはなかった。
本発明にかかる振動可視化センサは、例えば、地震等による避難誘導照明灯、橋梁・高架橋等の振動計測、工場内での揺れ検査、自動車・航空機・建設用機器の運転室内の振動点検、理化学実験等での振動モニタリング等に好適に利用できる。

Claims (5)

  1. アクセプター及びドナーを少なくとも含有するアップコンバージョン溶液と、前記アップコンバージョン溶液に光を照射する光源とを備える、振動可視化センサ。
  2. 前記アクセプターが、ナフタレン構造、アントラセン構造、ピレン構造、ペリレン構造、テトラセン構造又はBodipy構造を有する化合物である、請求項1に記載の振動可視化センサ。
  3. 前記アクセプターが下式(1)で表される化合物である、請求項2に記載の振動可視化センサ。
    上式(1)において、R1〜R8はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8の分岐を有してもよいアルキル鎖を有するアミノ基、炭素数1〜12の分岐を有してもよいアルキル基、炭素数1〜12の分岐を有してもよいアルコキシ基、下式(2)もしくは下式(3)で表されるエチレンオキシド鎖、又は、下式(4)で表されるアンモニウムイオンを表す。
    上式(2)において、R9は炭素数1〜3のアルキル基を表し、nは1〜4の整数を表す。
    上式(3)において、R10,R11はそれぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基を表し、m及びlはそれぞれ独立して1〜4の整数を表す。
    上式(4)において、oは1〜8の整数を表し、R12〜R15はそれぞれ独立して、炭素数1〜6の分岐を有してもよいアルキル基を表す。
  4. 前記ドナーが、ポルフィリン構造、フタロシアニン構造又はフラーレン構造を有する化合物である、請求項1から3までのいずれかに記載の振動可視化センサ。
  5. 前記ドナーが下式(5)で表される化合物である、請求項4に記載の振動可視化センサ。
    上式(5)において、R16〜R23はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8の分岐を有してもよいアルキル鎖を有するアミノ基、炭素数1〜12の分岐を有してもよいアルキル基、炭素数1〜12の分岐を有してもよいアルコキシ基、又は、下式(6)で表されるエチレンオキシド鎖を表し、Mは水素原子、白金、パラジウム、亜鉛もしくは銅を表し、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立して水素原子、下式(7)、下式(8)もしくは下式(9)で表される置換基、又は、下式(10)で表されるアンモニウムイオンを表す。
    上式(6)において、R24は炭素数1〜3のアルキル基を表し、pは1〜4の整数を表す。
    上式(9)において、R25は炭素数1〜3のアルキル基を表し、qは1〜4の整数を表す。
    上式(10)において、rは1〜8の整数を表し、R26〜R29はそれぞれ独立して炭素数1〜6の分岐を有してもよいアルキル基を表す。
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