JP2019167877A - 繊維強化樹脂製の保護部材 - Google Patents

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寛也 加藤
Hiroya Kato
寛也 加藤
土屋 富久
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富久 土屋
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Abstract

【課題】台座の底面の切削加工にあたって加工費の低減と加工時間の短縮とが可能な繊維強化樹脂製の保護部材を提供する。【解決手段】表面に燃料ポンプが取り付けられ、底面12bをエンジンのヘッドカバーにゴムガスケットを介して固定される台座12は、底面12bのガスケット接触範囲12eに一般面12dよりも最大0.1mm高い削り代ができるように成形される。インサート成形により台座12と一体化され、台座12をヘッドカバーに固定するためのボルトが通される金属カラー16は、金属カラー16の底面側の端部16aが一般面12dから最大0.1mmの削り代の分だけ突き出るように台座12と一体化される。【選択図】図2

Description

本発明は繊維強化樹脂製の保護部材に関し、特に、エンジンに取り付けられる燃料ポンプを保護する繊維強化樹脂製の保護部材に関する。
特許文献1には、エンジンに取り付けられる燃料ポンプを保護部材によって保護することが開示されている。
特開2014−101807号公報 特開2004−360581号公報 特開2011−122718号公報
保護部材の1つの形態として、保護板を支持する台座の表面に燃料ポンプが取り付けられ、台座の底面がシール部材を介してエンジンの被取付部材に固定されるものが知られている。この場合、台座の底面には、シール部材を有効に機能させてシール性を確保するための厳しい平面度が要求される。
保護部材は金属だけでなく繊維強化樹脂でも作製することができる。ただし、繊維強化樹脂はクリープ変形する性質を有している。このため、繊維強化樹脂製の保護部材では、金属カラーを台座に嵌め込み、台座を固定する締結具の軸力を金属カラーで受けるようにする必要がある。金属カラーを台座に嵌め込む方法としては、金属カラーと台座とを一体化して成形するインサート成形が用いられる。
金属カラーと台座とをインサート成形する場合、台座の底面に要求される平面度を成形型で出すことは難しい。要求される平面度を実現するためには、保護部材の成形後、台座の底面に対する切削加工が必須となる。しかし、繊維強化樹脂、特にカーボン繊維を含有する繊維強化樹脂を切削加工する場合、加工に用いる工具の摩耗が激しく加工費が嵩むとともに、加工時間もかかるという問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、台座の底面を切削加工するにあたって加工費の低減と加工時間の短縮とが可能な繊維強化樹脂製の保護部材を提供することを目的とする。
本発明に係る繊維強化樹脂製の保護部材は、エンジンに取り付けられる燃料ポンプを保護する繊維強化樹脂製の保護部材であって、表面に燃料ポンプが取り付けられ、底面をエンジンの被取付部材にシール部材を介して固定される台座と、インサート成形により台座と一体化され、台座を被取付部材に固定するための締結具が通される金属カラーとを備える。台座は、底面のシール部材に接触する部分に底面の一般面よりも最大0.1mm高い削り代ができるように成形される。金属カラーは、金属カラーの底面の側の端部が底面の一般面から最大0.1mmの削り代の分だけ突き出るように台座と一体化される。
本発明に係る繊維強化樹脂製の保護部材によれば、台座の底面の平面度を出すためには、底面のシール部材に接触する部分と金属カラーのみ切削すればよいので、台座の底面の切削加工のための加工費の低減と加工時間の短縮とが可能である。
本発明の実施の形態に係る保護部材を用いたオイルシール構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る保護部材の台座の底面の形状を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る保護部材10を用いたオイルシール構造を示す断面図である。本実施の形態に係る保護部材10は、エンジンの高圧燃料ポンプ2を保護する高圧燃料ポンププロテクタである。保護部材10は繊維強化樹脂製である。繊維強化樹脂を構成する繊維には特に限定はなく、カーボン繊維やガラス繊維等の種々の繊維を用いることができる。
保護部材10は、高圧燃料ポンプ2と他の部品とを隔てる保護板14と、保護板14を支持する台座12とを備える。台座12はエンジンのヘッドカバー4の上に設置される。エンジンのヘッドカバー4には、内部に設置されたブラケット6が露出する開口部4aが形成され、ヘッドカバー4上の開口部4aの周りには、シール部材としてのゴムガスケット20が取り付けられている。台座12は、その底面12bとヘッドカバー4との間でゴムガスケット20を挟み込むように設置される。
台座12の表面12aに、高圧燃料ポンプ2のフランジ部2aが設置される。台座12には、高圧燃料ポンプ2の軸部2bが入る孔12cが開けられ、孔12cを挟んで2つの金属カラー16が嵌め込まれている。高圧燃料ポンプ2を固定するボルト8は、フランジ部2aから金属カラー16を通してブラケット6まで挿入され、ブラケット6に締結される。これにより、台座12の底面12bは、被取付部材であるヘッドカバー4にゴムガスケット20を介して固定される。
図2は、台座12の底面12bの形状を示す斜視図である。底面12bには金属カラー16が露出している。金属カラー16はインサート成形によって台座12内と一体化されている。この場合、成形型で底面12bの平面度を出すことは難しいため、成形後に底面12bに対する切削加工が必須となる。しかし、繊維強化樹脂で形成されている台座12の底面12bの全体を切削加工する場合、加工刃具の摩耗により加工費が嵩むとともに加工時間もかかってしまう。
そこで、本実施の形態に係る保護部材10は、底面12bの全体を一様な高さに設計するのではなく、平面度が要求される部分のみに削り代ができるように設計が行われている。平面度が要求される部分とは、具体的には、台座12をヘッドカバー4上に設置した場合にゴムガスケット20が接触するガスケット接触範囲12e(図2において斜線を入れた範囲)と、金属カラー16の底面側の端部16aである。ガスケット接触範囲12eには、底面12bの一般面12dよりも最大0.1mm(好ましくは0.5mm以下)高い削り代が設けられる。また、金属カラー16は、底面側の端部16aが底面12bの一般面12dから最大0.1mm(好ましくは0.5mm以下)の削り代の分だけ突き出るように台座12と一体化される。
上記のように設計された保護部材10によれば、台座12の底面12bの平面度を出すためには、底面12bのガスケット接触範囲12eと金属カラー16の底面側の端部16aのみ切削すればよいので、加工面積が少なくて済む。このため、台座12の底面12bの平面加工のための加工費の低減と加工時間の短縮とが可能である。
2 高圧燃料ポンプ
4 ヘッドカバー(被取付部材)
6 ブラケット
8 ボルト(締結具)
10 保護部材
12 台座
12a 表面
12b 底面
12e ガスケット接触範囲
14 保護板
16 金属カラー
20 ゴムガスケット(シール部材)

Claims (1)

  1. エンジンに取り付けられる燃料ポンプを保護する繊維強化樹脂製の保護部材であって、
    表面に前記燃料ポンプが取り付けられ、底面を前記エンジンの被取付部材にシール部材を介して固定される台座と、
    インサート成形により前記台座と一体化され、前記台座を前記被取付部材に固定するための締結具が通される金属カラーと、を備え、
    前記台座は、前記底面の前記シール部材に接触する部分に前記底面の一般面よりも最大0.1mm高い削り代ができるように成形され、
    前記金属カラーは、前記金属カラーの前記底面の側の端部が前記一般面から最大0.1mmの削り代の分だけ突き出るように前記台座と一体化されている
    ことを特徴とする繊維強化樹脂製の保護部材。
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