JP2019167161A - 包装容器 - Google Patents

包装容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2019167161A
JP2019167161A JP2019030982A JP2019030982A JP2019167161A JP 2019167161 A JP2019167161 A JP 2019167161A JP 2019030982 A JP2019030982 A JP 2019030982A JP 2019030982 A JP2019030982 A JP 2019030982A JP 2019167161 A JP2019167161 A JP 2019167161A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pump chamber
side valve
frame
region
pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019030982A
Other languages
English (en)
Inventor
上原 一之
Kazuyuki Uehara
一之 上原
山田 孝
Takashi Yamada
孝 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to CN201980019906.9A priority Critical patent/CN111867943B/zh
Priority to PCT/JP2019/009444 priority patent/WO2019181575A1/ja
Priority to TW108108255A priority patent/TW201940391A/zh
Publication of JP2019167161A publication Critical patent/JP2019167161A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Containers And Packaging Bodies Having A Special Means To Remove Contents (AREA)

Abstract

【課題】包装容器からのより円滑な流体の吐出を実現する。【解決手段】流体を収容する容器本体10、および前記容器本体に収容された前記流体を吐出口から吐出する流体吐出器20を有する包装容器1であって、前記流体吐出器20は、前記流体の収容空間を有する可撓性の収容部40と、前記容器本体10から前記収容部40への前記流体の流入を制御する流入側バルブ部30と、前記収容空間から前記吐出口への前記流体の流出を制御する流出側バルブ部50と、を備え、前記収容部40は、前記流体の収容空間を形成するフレーム42、および前記フレームから延出し、前記収容部への押圧により減容された前記収容空間を広げる弾性体44、を有する、包装容器。【選択図】図2

Description

本発明は、流体を収容する包装容器および流体吐出器に関する。
近年、シャンプーおよびリンスなどの詰め替え用パウチが広く普及している。詰め替え用パウチには内容液の取出口が設けられており、当該取出口を介して内容液がポンプ付きの容器等に詰め替えられる。
詰め替え用パウチに関連して、特許文献1には、ポンピング室、入口バルブ、出口バルブおよびポンピングボタンを有するスタンディングパウチが開示されている。当該スタンディングパウチにおいては、入口バルブを介してポンピング室に内容液が取り込まれ、ポンピングボタンの押圧により、ポンピング室の内容液が出口バルブを介して吐出される。
米国特許出願公開第2006/0255068号明細書 特開2012−192975号公報
しかし、特許文献1に記載のスタンディングパウチでは、押圧により減容されたポンピング室を広げるための復元力が十分でない。このため、スタンディングパウチに収容される内容液の粘度によっては、ポンピング室への内容液の取り込み、および内容液の吐出が困難となる。
本発明は、より円滑な流体の吐出を実現するための包装容器および流体吐出器に関する。
上記課題を解決するために、本発明のある観点は、流体を収容する容器本体、および前記容器本体に収容された前記流体を吐出口から吐出する流体吐出器を有する包装容器であって、前記流体吐出器は、前記流体の収容空間を有する可撓性の収容部と、前記容器本体から前記収容部への前記流体の流入を制御する流入側バルブ部と、前記収容空間から前記吐出口への前記流体の流出を制御する流出側バルブ部と、を備え、前記収容部は、前記流体の収容空間を形成するフレーム、および前記フレームから延出し、前記収容部への押圧により減容された前記収容空間を広げる弾性体、を有する、包装容器に関する。また、本発明の他の観点は、包装容器に収容された流体を吐出口から吐出する流体吐出器であって、前記流体の収容空間を有する可撓性の収容部と、前記包装容器から前記収容部への前記流体の流入を制御する流入側バルブ部と、前記収容空間から前記吐出口への前記流体の流出を制御する流出側バルブ部と、を備え、前記収容部は、前記流体の収容空間を形成するフレーム、および前記フレームから延出し、前記収容部への押圧により減容された前記収容空間を広げる弾性体、を有する、流体吐出器に関する。
以上説明した本発明の包装容器および流体吐出器によれば、より円滑な流体の吐出を実現することが可能である。
本発明の第1の実施形態による包装容器の外観を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態によるポンプの外観を示すポンプの斜視図である。 本発明の第1の実施形態によるポンプの断面図である。 本発明の第1の実施形態によるポンプの側面図である。 本発明の第1の実施形態によるポンプの正面図である。 押圧によるポンプ室フレームの歪みを示す正面図である。 図5に示したI−I線断面におけるポンプ室フレームの歪みを示す説明図である。 本発明の第1の実施形態によるポンプの側面図である。 第1の変形例によるポンプの正面図である。 図9のII−II線断面を示す説明図である。 第2の変形例によるポンプの斜視図である。 第2の変形例によるポンプの正面図である。 図12のIII−III線断面を示す説明図である。 変形例による屈曲誘導部の構成を示す説明図である。 他の変形例による屈曲誘導部の構成を示す説明図である。 他の変形例による屈曲誘導部の構成を示す説明図である。 他の変形例による屈曲誘導部の構成を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態によるポンプおよび包装容器の外観を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態によるポンプの外観を示すポンプの斜視図である。 本発明の第2の実施形態によるポンプの断面図である。 本発明の第2の実施形態によるポンプの側面図である。 本発明の第2の実施形態によるポンプの正面図である。 押圧によるポンプ室フレームの歪みを示す正面図である。 図22に示したI−I線断面におけるポンプ室フレームの歪みを示す説明図である。 本発明の第2の実施形態によるポンプの側面図である。 第1の変形例によるポンプの正面図である。 図26のII−II線断面を示す説明図である。 第2の変形例によるポンプの斜視図である。 第2の変形例によるポンプの正面図である。 図29のIII−III線断面を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<第1の実施形態>
<包装容器の概略構成>
本発明の第1の実施形態は、ポンプを有する包装容器に関する。まず、図1を参照し、本発明の第1の実施形態による包装容器の概略構成を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による包装容器1の外観を示す説明図である。図1に示したように、本発明の第1の実施形態による包装容器1は、内容液を収容する容器本体10と、容器本体10に収容された内容液を吐出するポンプ20と、を有する。
容器本体10は、可撓性を有する複数のフィルムで構成される。複数のフィルムは、例えば、対向する1対のフィルム12、および底面フィルムを含み、1対のフィルム12および底面フィルムの外縁同士が熱圧着により接合(ヒートシール)されることで、内容液の収容空間が形成される。各フィルムは、フィルム同士の熱圧着による接合のしやすさ、容器本体10に収容される内容液の品質保持等の観点から、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂のフィルム又はこれら合成樹脂の組み合わせからなる単層又は多層のフィルムであることが好ましい。また、各フィルムは、上述した合成樹脂のフィルム又は合成樹脂の組み合わせからなる単層又は多層のフィルムに、アルミニウム、酸化ケイ素等の金属蒸着層、無機蒸着層が付加された積層フィルムであることも好ましい。また、後述のスパウト70に使用される材質との熱圧着による接合のしやすさの観点から、スパウト70と接合する側のフィルム12の材質はスパウト70と同質の材料であることが好ましい。本実施形態では、フィルム12としては、スパウト70との接合のしやすさ等の観点からポリプロピレンが使用される。なお、本発明の第1の実施形態においては、容器本体10が流体の一例として液体を収容する例を説明するが、容器本体10は気体を収容してもよい。また、1対のフィルム12および底面フィルムに加えて、天面フィルムまたは側面フィルムが設けられてもよい。
ポンプ20は、吐出口70aを有するスパウト70を備える。容器本体10の縁からポンプ20のスパウト70が突出し、ポンプ20の他の部分は容器本体10の内側に位置する。スパウト70には図示しないキャップが設けられる。ポンプ20は、容器本体10のフィルム12と接合されることにより、容器本体10に固定されている。詳細については後述するように、ポンプ20は、使用者の手指による押圧および押圧の解放に応じて、容器本体10からの内容液の取り込み、および吐出口70aからの内容液の吐出を行う流体吐出器である。
なお、本発明の第1の実施形態による包装容器1の用途は特に限定されず、例えば、包装容器1は流体(内容液)の詰め替え元の容器として用いられてもよいし、包装容器1のスパウト70から吐出される内容液がそのまま使用者により使用されてもよい。また、内容液の種類は特に限定されず、内容液は、ボディソープ、ハンドソープ、シャンプー、リンス、トリートメント、染色剤(例えば染毛剤)、香水、飲料液または食品(例えば、醤油、味噌、酢、ホイップクリーム等)であってもよい。
<ポンプの概略構成>
続いて、図2および図3を参照して、本発明の第1の実施形態によるポンプ20の概略構成を説明する。図2は、本発明の第1の実施形態によるポンプ20の外観を示すポンプ20の斜視図である。図3は、本発明の第1の実施形態によるポンプ20の断面図である。
図2および図3に示したように、ポンプ20は、流入側バルブ部30、ポンプ室形成部40、流出側バルブ部50、シール部60およびスパウト70を有する。なお、図2においては、容器本体10のフィルム12とポンプ20とが接合される箇所をハッチングで示している。フィルム12とポンプ20との接合前にはハッチングで示された箇所に凸部が形成されており、当該凸部が熱圧着により溶融することでフィルム12とポンプ20とが接合される。
流入側バルブ部30は、流入口34を有する流入側バルブフレーム32、および流入側バルブ36を有する。流入側バルブ36は、容器本体10からポンプ20への流入口34を介する内容液の流入を制御する。すなわち、流入側バルブ36は、容器本体10からポンプ20への内容液の流入を可能とし、ポンプ20から容器本体10への内容液の逆流を防止する。このような流入側バルブ36には、例えば特開2012−192975号公報に開示された弁構成を適用可能である。
ポンプ室形成部40は、ポンプ室フレーム42、2つの板バネ44Aおよび2つの板バネ44Bを有する。ポンプ室フレーム42は環状のフレームである。本明細書において、環状は、ある領域を取り囲う形状であり、当該形状は円形であってもよいし、角形であってもよく、また、全体に亘って連続していてもよいし、断続的であってもよい。ポンプ室フレーム42の両面(ポンプ室フレーム42が位置する平面に直交する方向上で離隔する2つの面)にフィルム12が接合されることで、ポンプ室フレーム42およびフィルム12により内容液の収容空間であるポンプ室Sが形成される。
ここで、本明細書においては、上述したポンプ室フレーム42が位置する平面に直交する方向を厚み方向(図2に示したY方向)と称する。また、スパウト70および流入口34を通る中心軸Lの軸方向、すなわち、流入側バルブ部30と流出側バルブ部50との離隔方向を上下方向(図2に示したZ方向)と称し、ポンプ室形成部40に対して流入側バルブ部30が位置する側を下側と称し、下側の反対側を上側と称する。また、厚み方向および上下方向に直交する方向を幅方向(図2に示したX方向)と称する。
板バネ44Aおよび板バネ44Bは、ポンプ室フレーム42と一体的に形成され、ポンプ室フレーム42からポンプ室フレーム42の内側に向けて延出する弾性体の一例である。板バネ44Aは、厚み方向の一側に向けてポンプ室フレーム42から延出する第1の弾性体の一例であり、板バネ44Bは、厚み方向の他側に向けてポンプ室フレーム42から延出する第2の弾性体の一例である。以下、2つの板バネ44Aおよび2つの板バネ44Bを特に区別する必要が無い場合、板バネ44Aおよび板バネ44Bを単に板バネ44と総称する。板バネ44は、幅方向で中心軸Lを超える位置まで延出し、中心軸L上で厚み方向の外側に向けて最も広がる屈曲形状を有する。当該板バネ44は、ポンプ20の平面視において、ポンプ室フレーム42の外縁に当該板バネ44の外側面が沿うように形成される(図7参照)。
流出側バルブ部50は、流出口54を有する流出側バルブフレーム52、および流出側バルブ56を有する。流出側バルブ56は、ポンプ室Sからの流出口54を介する内容液の流出を制御する。すなわち、流出側バルブ56は、ポンプ室Sからスパウト70への内容液の流出を可能とし、スパウト70からポンプ室Sへの内容液の逆流を防止する。このような流出側バルブ56には、流入側バルブ36と同様に、例えば特開2012−192975号公報に開示された弁構成を適用可能である。
シール部60は、底面および上面が菱形である角柱形状を有する。具体的には、シール部60は幅方向における中心軸Lの位置において最大の厚みを有し、幅方向の両端に向かうにつれてシール部60の厚みが減少する。当該シール部60の側面がフィルム12と接合されることで、容器本体10の上側の縁が外部からシールされる。なお、シール部60は、シール性を向上し、かつ、樹脂量を削減するために、幅方向に沿う複数の溝62を有する。また、シール部60は、図3に示したように、流出側バルブ部50とスパウト70を連通する中空部64を有する。
スパウト70は、シール部60および容器本体10から上側に突出する筒状部である。図2においてはスパウト70が円柱形である例を示しているが、筒状が意味する形状は、円柱形に限定されず、角柱形であってもよいし、円錐台であってもよいし、角錐台であってもよい。スパウト70の上端には吐出口70aが位置し、当該吐出口70aから内容液が吐出される。
本発明の第1の実施形態によるポンプ20においては、上述した流入側バルブフレーム32、ポンプ室形成部40、流出側バルブフレーム52、シール部60およびスパウト70は一体的に形成されている。このため、各構成が分離して構成されている場合と比較して、容器本体10におけるポンプ20の位置決めを容易に行うことが可能である。なお、流入側バルブフレーム32、ポンプ室形成部40、流出側バルブフレーム52、シール部60およびスパウト70の材料としては、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル等が挙げられる。流入側バルブフレーム32、ポンプ室形成部40、流出側バルブフレーム52、シール部60およびスパウト70の材料は、ポンプ室形成部40の板バネ44で得られる弾性力の観点からポリプロピレンであることが好ましい。
<ポンプの動作>
以上、本発明の第1の実施形態によるポンプ20の構成を説明した。続いて、図4を参照し、本発明の第1の実施形態によるポンプ20の動作を説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態によるポンプ20の側面図である。具体的には、図4の左図は待機時のポンプ20の側面図であり、図4の中央図はポンプ室Sが押圧された時のポンプ20の側面図であり、図4の右図はポンプ室Sへの押圧が解放された時のポンプ20の側面図を示している。
図4の中央図に示したように、ポンプ室Sが使用者の手指により厚み方向の両側から押圧(スクイズ)されると、板バネ44およびフィルム12が中心軸Lに近づくように変形する。これにより、ポンプ室Sが減容し、ポンプ室Sの内圧が増加する。ポンプ室Sの内圧が増加すると、流出側バルブ部50が開き、ポンプ室Sに収容されている内容液が流出口54を介して流出し、流出口54を介して流出した内容液がスパウト70の吐出口70aから吐出される。この時、フィルム12は、ポンプ室フレーム42の上側の縁部および下側の縁部を引っ張りながら変形する。その結果、ポンプ室フレーム42には歪みが生じ、ポンプ室フレーム42は上下方向で縮み、幅方向に広がる。
その後、ポンプ室Sの押圧が解放(スクイズバック)されると、図4の右図に示したように、板バネ44の弾性力により板バネ44が中心軸Lから離れる方向に復元する。また、ポンプ室フレーム42の弾性力により、ポンプ室フレーム42の歪みが解消され、ポンプ室フレーム42が上下方向に伸びる。上記の板バネ44およびポンプ室フレーム42の形状の復元により、フィルム12の形状も復元する。これにより、押圧により減容されていたポンプ室Sが広がり、ポンプ室Sの内圧が低下する。ポンプ室Sの内圧が低下すると、流入側バルブ部30が開き、容器本体10に収容されている内容液が流入口34を介してポンプ室Sに流入する。結果、ポンプ室Sに新たな内容液が収容され、ポンプ20の状態は図4の左図に示した待機時の状態となる。
上述したように、本発明の第1の実施形態によるポンプ20は、ポンプ室Sの両側からの押圧を受け付け、押圧の解放時に、板バネ44Aおよび44Bによりポンプ室Sを厚み方向の両側に広げる。このため、一回の押圧での内容液の吐出量、および一回の押圧の解放でのポンプ室Sへの内容液の取込量を十分に確保することが可能である。また、ポンプ室フレーム42に一体的に形成された板バネ44が弾性力を発揮することにより、粘度が高い内容液であっても、円滑にポンプ室Sに取込み、円滑に吐出口70aから吐出することが可能である。本発明の第1の実施形態によるポンプ20は、その他にも、使用者の操作性を向上するための幾つかの構成を有する。以下、本発明の第1の実施形態によるポンプ20の構成をより詳細に説明する。
<板バネの構成>
図5は、本発明の第1の実施形態によるポンプ20の正面図である。図5においては、厚み方向上の一側に延出する2つの板バネ44Aを、符号44A1および符号44A2を用いることで区別している。同様に、厚み方向上の他側に延出する2つの板バネ44Bを、符号44B1および符号44B2を用いることで区別している。
板バネ44A1および板バネ44A2は、ポンプ室フレーム42における上下方向で異なる位置から延出する。図5に示した例では、板バネ44A1が、板バネ44A2よりもポンプ室フレーム42における上側の位置から延出している。同様に、板バネ44B1および板バネ44B2は、ポンプ室フレーム42における上下方向で異なる位置から延出する。図5に示した例では、板バネ44B1が、板バネ44B2よりもポンプ室フレーム42における上側の位置から延出している。
また、ポンプ室フレーム42の幅方向の同一側から延出する2つの板バネ44は、厚み方向上の一側に延出する板バネ44Aと、厚み方向上の他側に延出する板バネ44Bである。例えば、図5に示したポンプ室フレーム42の左側からは、板バネ44B1と板バネ44A2が延出している。
かかる構成においては、板バネ44B1の押圧によりポンプ室フレーム42に生じるモーメントと、板バネ44A2の押圧によりポンプ室フレーム42に生じるモーメントとは、逆方向のモーメントとなる。結果、双方のモーメントを相互に減殺することができる。かかる構成によれば、ポンプ室フレーム42が捻られたり、押し難くなったり、フィルム12をポンプ室フレーム42から剥がし取る方向の力が作用してしまったりすることを防止できる。上記ではポンプ室フレーム42の図5における左側から延出する板バネ44B1と板バネ44A2に着目して説明したが、ポンプ室フレーム42の図5における右側から延出する板バネ44A1と板バネ44B2についても同様である。
また、複数の板バネ44が正面視において上下方向で異なる位置から延出することにより、ポンプ室Sを押圧する使用者の手指が、ポンプ室Sの各面において複数の板バネ44に跨るように位置し得る。従って、使用者は、ポンプ室Sを押圧する際に安定感を得ることが可能である。
上述したように使用者の手指がポンプ室Sの各面において複数の板バネ44に跨るためには、同一面側に延出する2つの板バネ44の上下方向における間隔が手指の幅より狭いことが望ましい。本発明の第1の実施形態によるポンプ20は、以下に説明するように、そのような板バネ44の間隔を実現しつつ、板バネ44を含むポンプ20の製造の容易化を実現するものである。
まず、製造の容易化に関し、図5に示したように、ポンプ20を正面視した場合に各板バネ44は他の板バネ44と重ならない。このような板バネ44の配置は、ポンプ20を成形する金型を厚み方向の両側に抜くことで実現可能であるので、ポンプ20の製造の容易化に寄与する。
次に、板バネ44の間隔に関し、各板バネ44は、ポンプ室フレーム42に結合する結合端、および自由端を有する。図5に示したように、各板バネ44の自由端の幅w1は結合端の幅w2よりも小さい。また、各板バネ44の自由端は互い違いに設けられるのに対し、各板バネ44の結合端は他の板バネ44の結合端と上下方向において重なる位置に設けられる。例えば、板バネ44A1の自由端と板バネ44B1の自由端は上下方向において互い違いに設けられる一方で、板バネ44A1の結合端と板バネ44B1の結合端は、上下方向において重なる位置に設けられる。
かかる構成によれば、各板バネの結合端が上下方向において完全にズレた位置に設けられる場合と比較して、同一面側に延出する2つの板バネ44(例えば、板バネ44A1と板バネ44A2)の自由端の間隔を狭めることが可能である。さらに、結合端の幅が自由端の幅よりも大きいことにより、板バネ44の弾性力を向上し、押圧の解放時により強い力で容器本体10から内容液をポンプ室Sに取込むことが可能である。なお、各板バネ44の自由端の幅w1は同一であってもよいし、異なってもよい。同様に、各板バネ44の結合端の幅w2は同一であってもよいし、異なってもよい。
また、複数の板バネ44が正面視において上下方向で異なる位置から延出することには、更なる利点がある。図4の中央図に示したように、ポンプ室Sの押圧時にはフィルム12が側面視において略V字にたわむ。複数の板バネ44が正面視において上下方向で異なる位置から延出することにより、フィルム12が形成する略V字に沿うように各板バネ44が変形する。すなわち、各板バネ44の変形量は、上下方向での各板バネ44の位置に応じて異なり、特に押圧された部分(中央付近)に近い板バネ44ほど変形量が大きくなる。このように、複数の板バネ44が正面視において上下方向で異なる位置から延出することにより、各板バネ44は、上下方向における位置に応じた適切な量だけ変形することが可能となる。また、弾性体の機能が複数の板バネ44に分割されているので、押圧時のポンプ室フレーム42の変形阻害を低減できる。
<ポンプ室フレームの構成>
「ポンプの動作」において説明したように、ポンプ室Sの押圧時、フィルム12は、ポンプ室フレーム42の上側の縁部および下側の縁部を引っ張り、ポンプ室フレーム42を歪ませながら変形する。すなわち、使用者には、板バネ44を変形させる力に加えて、フィルム12を介してポンプ室フレーム42を歪ませる力を含む押圧力での押圧が求められる。使用者の操作性の観点からは押圧力がより小さいことが望ましいところ、本発明の第1の実施形態によるポンプ20は、ポンプ室フレーム42を歪ませる力を低減するための構成として、幅狭部および肉厚部を有する。以下、ポンプ室フレーム42の全体構成を説明した後に、幅狭部および肉厚部について順次説明する。
図5に示したように、ポンプ室フレーム42は、流入側バルブ部30に隣接する第1の領域421、流出側バルブ部50に隣接する第2の領域422、および第1の領域と第2の領域の間に位置して互いに対向する一対の第3の領域423を有する。幅方向における中心軸L上での第1の領域421および第2の領域422の厚みは等しい(図8参照)。また、幅方向における中心軸L上での第1の領域421および第2の領域422の厚みは、ポンプ室フレーム42の厚みの中で最大であり、第1の領域421および第2の領域422の厚みは、第3の領域の厚みより大きい。
このため、ポンプ室フレーム42に接合されたフィルム12は、待機時において、幅方向では中心軸L上で厚み方向の外側に向けて最も広がる屈曲形状を有し、上下方向では略直線形状を有する。押圧時において、フィルム12は幅方向では屈曲形状から直線形状に近づき、フィルム12に幅方向上の弛みが生じるので、ポンプ室フレーム42の幅方向の両側の縁部(一対の第3の領域423)を互いに引っ張る力は生じない。一方、押圧時において、フィルム12は上下方向では厚み方向の内側に向けて凹む形状となるので、上述したように、ポンプ室フレーム42の上側の縁部(第2の領域422)および下側の縁部(第1の領域421)がフィルム12を介して互いに引っ張られる。
(幅狭部)
ここで、本発明の第1の実施形態によるポンプ室フレーム42は、図5に示したように幅狭部423aを有する。具体的には、幅狭部423aは、第3の領域423であって、上下方向におけるポンプ室フレーム42の中央に設けられる。幅狭部423aの幅W3は、例えば、第3の領域423内での最大幅W4の0.75倍以下であることが、好ましく、0.5倍以下であることがより好ましい。一方、フィルム12とポンプ室フレーム42との接合性の観点から、幅狭部423aの幅W3は第3の領域423内での最大幅W4の0.2倍以上であることが好ましい。幅狭部423aは、第3の領域423の他の部分よりも幅が狭いので、幅狭部423aの剛性は第3の領域423の他の部分の剛性よりも低い。すなわち、幅狭部423aの屈曲に対する柔軟性に基づき、ポンプ室フレーム42がより小さい力で歪むようになる。なお、幅狭部423aは、ポンプ室フレーム42と板バネ44とが接合されている部分と異なる部分に設けられることにより、変形性を十分に発揮することが可能である。また、図5においては幅狭部423aが上下方向におけるポンプ室フレーム42の中央に設けられる例を説明したが、幅狭部423aは、板バネ44B1の上側、板バネ44A1の上側、板バネ44A2の下側、および板バネ44B2の下側などの他の部分に設けられてもよいし、幅狭部423aの数も2つに限られず、幅狭部423aの数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
図6は、押圧によるポンプ室フレーム42の歪みを示す正面図である。図7は、図5に示したI−I線断面におけるポンプ室フレーム42の歪みを示す説明図である。ポンプ室Sの押圧により第1の領域421および第2の領域422が互いに引っ張られると、図6に示したように、幅狭部423aが他の部分よりも大きく屈曲する。結果、ポンプ室フレーム42には歪みが生じ、ポンプ室フレーム42は上下方向で縮み、幅方向に広がる。
このように、幅狭部423aの形成によりポンプ室フレーム42がより小さい力で歪むようになる。従って、ポンプ20に内容液を吐出させるために使用者に求められる押圧力を小さくすることができ、使用者の操作性が向上する。また、図5を参照して説明したように、押圧時においてはフィルム12に幅方向上の弛みが生じるので、ポンプ室フレーム42は、ポンプ室フレーム42の幅方向の両側の縁部を引っ張る力をフィルム12から受けることなく、容易に幅方向に広がることが可能である。
(肉厚部)
ポンプ室フレーム42は、使用者に求められる押圧力を小さくするための構成として、第3の領域423に肉厚部を有する。以下、図8を参照し、肉厚部について具体的に説明する。
図8は、ポンプ20の側面図である。ポンプ室フレーム42の第3の領域423の厚みは、上下方向に沿って繰り返し増減する。図8に示した例では、第3の領域423の厚みは、第1の領域421側から上側に向かうにつれて減少した後に増加し、その後に一定となる。さらに、第3の領域423の厚みは、厚みが一定の部分から上側に向かうにつれて減少した後に増加する。これにより、第3の領域423には、隣接する部分よりも厚みが大きい肉厚部423bが形成される。
このように第3の領域に肉厚部423bが形成されることにより、フィルム12の第3の領域423に沿う部分の長さが、第3の領域423が一定の厚みに形成される場合と比較して長くなる。このため、ポンプ室Sを形成するフィルム12に上下方向において弛みを持たせることが可能である。
さらに、各板バネ44は、第1の領域421と第2の領域422を繋ぐ上下方向の線上において、第1の領域421と第2の領域422よりもポンプ室Sの外側方向に突出する面を有する。例えば、板バネ44B1および板バネ44A2は、ポンプ室フレーム42との結合端から自由端に至るまで、第1の領域421と第2の領域422よりもポンプ室Sの外側方向に突出する面を有する。板バネ44A1および板バネ44B2も、幅w2を有する幅広部において、第1の領域421と第2の領域422よりもポンプ室Sの外側方向に突出する面を有する。このため、図8に示したように、フィルム12は湾曲した状態でポンプ室フレーム42に溶着され、当該湾曲がフィルム12の全域に亘って存在する上下方向上の弛みとなる。
ポンプ室Sを形成するフィルム12が上下方向において弛みを有すると、ポンプ室Sの押圧の際に、フィルム12がポンプ室フレーム42の第1の領域421および第2の領域422を引っ張らずに変形できる量が増える。従って、ポンプ室フレーム42の歪みのために消費される力が抑制される。結果、ポンプ20に内容液を吐出させるために使用者に求められる押圧力を小さくすることができ、使用者の操作性が向上する。
<変形例>
以上、本発明の第1の実施形態を説明した。以下では、本発明の第1の実施形態の幾つかの変形例を説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で本発明の第1の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本発明の第1の実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、本発明の第1の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の第1の実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
(第1の変形例)
上記では、ポンプ室フレーム42に一端が結合し、他端が自由端である板バネ44を説明した。第1の変形例によるポンプ21は、両端がポンプ室フレーム42に結合する板バネ45を有する。以下、図9を参照して、第1の変形例によるポンプ21を説明する。
図9は、第1の変形例によるポンプ21の正面図である。図9に示したように、第1の変形例によるポンプ21は、流入側バルブ部30、ポンプ室形成部41、流出側バルブ部50、シール部60およびスパウト70を有する。流入側バルブ部30、流出側バルブ部50、シール部60およびスパウト70の構成は上述した通りであるので、ここでの詳細な説明を省略する。なお、図9においては、容器本体10のフィルム12とポンプ21とが接合される箇所をハッチングで示している。
ポンプ室形成部41は、ポンプ室フレーム42、2つの板バネ45Aおよび2つの板バネ45Bを有する。
板バネ45Aおよび2つの板バネ45Bは、ポンプ室フレーム42と一体的に形成され、ポンプ室フレーム42から延出する弾性体の一例である。板バネ45Aおよび2つの板バネ45Bの両端は、図9に示したようにポンプ室フレーム42に結合される。板バネ45Aは、厚み方向の一側に向けてポンプ室フレーム42から延出する第1の弾性体の一例であり、板バネ45Bは、厚み方向の他側に向けてポンプ室フレーム42から延出する第2の弾性体の一例である。以下、板バネ45Aおよび2つの板バネ45Bを特に区別する必要が無い場合、板バネ45Aおよび板バネ45Bを単に板バネ45と総称する。
図10は、図9のII−II線断面を示す説明図である。図10に示したように、板バネ45は、幅方向における中心軸L上で厚み方向の外側に向けて最も広がる屈曲形状を有する。また、板バネ45は、図10に示した断面視において、ポンプ室フレーム42の第2の領域422の外縁に板バネ45の外側面が沿うように形成される。
このような第1の変形例においては、板バネ45の両端がポンプ室フレーム42に結合されているので、板バネ45の幅を上述した実施形態の板バネ44の結合端の幅よりも狭く形成しても、上述した実施形態と同等の弾性力を得ることが可能である。また、板バネ45の押圧により板バネ45が伸張することで、板バネ45がポンプ室フレーム42を幅方向で広げ、ポンプ室フレーム42の上下方向が縮まる。このため、上述した実施形態と比較して、フィルム12がポンプ室フレーム42の上側の縁部および下側の縁部を引っ張る力が抑制される。従って、フィルム12の破れ、およびポンプ室フレーム42からのフィルム12の剥がれが発生し難くなる。
(第2の変形例)
上記では、板バネ44の弾性力によりポンプ室Sに内容液を取り込む例を説明した。第2の変形例によるポンプ22は、減容されたポンプ室Sを広げる力を向上する構成を有し、より粘度が高い内容液をポンプ室Sに確実かつ迅速に取り込むことが可能である。以下、図11〜図13を参照して、第2の変形例によるポンプ22を説明する。
図11は、第2の変形例によるポンプ22の斜視図である。図12は、第2の変形例によるポンプ22の正面図である。図11および図12に示したように、第2の変形例によるポンプ22は、流入側バルブ部31、ポンプ室形成部43、流出側バルブ部51、シール部61およびスパウト70を有する。スパウト70の構成は上述した通りであるので、ここでの詳細な説明を省略する。
流入側バルブ部31、流出側バルブ部51およびシール部61の機能は、上述した流入側バルブ部30、流出側バルブ部50およびシール部60の機能に概ね対応する。しかし、流入側バルブ部31、流出側バルブ部51およびシール部61の形状は、後述する円錐バネ48がポンプ室形成部43に設けられる関係で、上述した流入側バルブ部30、流出側バルブ部50およびシール部60の形状と相違する。具体的には、流入側バルブ部31、流出側バルブ部51およびシール部61の厚み方向上での頂部(図11において一点鎖線で囲われた部分)の曲率半径は、流入側バルブ部30、流出側バルブ部50およびシール部60の厚み方向上での頂部の曲率半径よりも大きい。これは、ポンプ室形成部43の厚み方向上での頂部の曲率半径を円錐バネ48の収納のために大きくし、かつ、ポンプ22の平面視において、ポンプ室形成部43の外縁に流入側バルブ部31、流出側バルブ部51およびシール部61の外縁が沿うように流入側バルブ部31、流出側バルブ部51およびシール部61を形成した結果である。
図11に示したように、ポンプ室形成部43は、2つの板バネ46A、2つの板バネ45B、ポンプ室フレーム47および円錐バネ48を有する。なお、図12においては、説明の便宜上、円錐バネ48を省略している。
板バネ46Aおよび板バネ46Bは、ポンプ室フレーム47と一体的に形成され、ポンプ室フレーム47からポンプ室フレーム47の内側に向けて延出する弾性体の一例である。板バネ46Aは、厚み方向の一側に向けてポンプ室フレーム47から延出し、板バネ46Bは、厚み方向の他側に向けてポンプ室フレーム47から延出する。板バネ46は、幅方向で中心軸Lを超える位置まで延出し、中心軸L上で厚み方向の外側に向けて最も広がる屈曲形状を有する。当該板バネ46は、ポンプ22の平面視において、ポンプ室フレーム47の外縁に当該板バネ46の外側面が沿うように形成される(図13参照)。
図12に示したように、2つの板バネ46Bは、中心軸Lを跨り、ポンプ室Sの内側に向けて突出する円弧状の壁部462Bを有する。2つの壁部462Bは、同一の円の一部の円弧を形成する。同様に、板バネ46Aは、図12において破線で示したように、中心軸Lを跨り、ポンプ室Sの内側に向けて突出する円弧状の壁部462Aを有する。2つの壁部462Aは、同一の円の一部の円弧を形成する。壁部462Bの曲率半径は、壁部462Aの曲率半径よりも大きい。
これらの壁部462Aおよび壁部462Bに係合するように、円錐バネ48が設けられる。具体的には、円錐バネ48の一方の端面である最大径部分には2つの壁部462Bが係合し、円錐バネ48の他方の端面である最小径部分には2つの壁部462Aが係合する。かかる構成により、2つの壁部462Aおよび2つの壁部462Bの間で円錐バネ48が支持される。
なお、円錐バネ48は、ポンプ22の厚み方向上で伸縮する第3の弾性体の一例であり、第3の弾性体は円錐バネ48に限定されない。例えば、円柱形状を有するコイルバネおよび角錐バネも当該変形例に適用可能である。ただし、円錐バネ48および角錐バネのように、厚みを有するバネであって、非圧縮時にはバネの厚み方向上の異なる位置に存在するバネ要素部分が、圧縮時にはバネの厚み方向上で重なる位置に存在するバネがより好ましい。その他、V字、Z字、またはW字などの屈曲形状に形成された金属製または樹脂製の薄板バネ、高分子の多孔質体(例えば、スポンジ)、球形であり中空部に気体が入っている薄膜ゴム(すなわち、風船)なども上記の第3の弾性体として当該変形例に適用可能であり、いずれにおいても、圧縮時の厚みを非圧縮時の厚みに対して十分に小さくすることが可能である。
以上、第2の変形例によるポンプ22の構成を説明した。続いて、図13を参照して、第2の変形例によるポンプ22の動作を説明する。
図13は、図12に示したIII−III線断面におけるポンプ室フレーム47を示す説明図である。図13の上段に示したように、ポンプ室Sの押圧の待機時には、円錐バネ48が円錐形状を有し、ポンプ室Sが円錐バネ48の高さに対応する広さの空間を有する。その後、ポンプ室Sが使用者の手指により厚み方向の両側から押圧(スクイズ)されると、図13の下段に示したように、板バネ46およびフィルム12が中心軸Lに近づくように変形し、円錐バネ48が圧縮される。これにより、ポンプ室Sが減容し、ポンプ室Sの内圧が増加する。ポンプ室Sの内圧が増加すると、流出側バルブ部51が開き、ポンプ室Sに収容されている内容液が流出し、流出した内容液がスパウト70の吐出口70aから吐出される。
その後、ポンプ室Sの押圧が解放されると、図13の上段に示したように、板バネ46が中心軸Lから離れる方向に復元する。この時、板バネ46は、板バネ46自身の弾性力に加えて、円錐バネ48の弾性力に基づき、中心軸Lから離れる方向に復元する。これにより、押圧により減容されていたポンプ室Sが広がり、ポンプ室Sの内圧が低下する。ポンプ室Sの内圧が低下すると、流入側バルブ部31が開き、容器本体10に収容されている内容液が流入側バルブ部31を介してポンプ室Sに流入する。
上述した第2の変形例によれば、押圧の解放時に、板バネ46自身の弾性力に加えて、円錐バネ48の弾性力に基づき、減容されていたポンプ室Sが広がる。かかる構成により、より粘度が高い内容液をポンプ室Sに確実かつ迅速に取り込むことが可能である。さらに、当該変形例では、第3の弾性体として円錐バネ48が用いられるので、ポンプ室Sの押圧時に図13の下段に示したようにポンプ室Sを十分に減容することが可能である。従って、ポンプ室S内の内容液をより多く吐出することが可能となる。
(第3の変形例)
上記では、複数の弾性体(板バネ44、45)がポンプ20の正面視において重ならない例を説明したが、複数の弾性体は、ポンプ20の正面視において重なってもよい。例えば、ポンプ室フレーム42の一対の第3の領域423を繋ぐ2枚の板部が設けられ、当該2枚の板部はポンプ20の正面視において重なってもよい。さらに、当該2枚の板部の間に、第2の変形例において説明したように、2枚の弾性体の間隔が狭められた場合に当該間隔を広げる力を発揮するバネが設けられてもよい。かかる構成によれば、2枚の板部およびバネが有する弾性により、押圧の解放時に容器本体10からポンプ室Sに内容液を取込むことが可能である。
(第4の変形例)
上記では、第3の領域423に、第3の領域423の他の部分の剛性よりも低い幅狭部423aが設けられる例を説明した。当該幅狭部423aは、第3の領域423における他の部分に比べて局所的に屈曲し易い屈曲誘導部の一例であり、第3の領域423は屈曲誘導部として他の構成を有してもよい。以下、第3の領域423の幾つかの変形例を説明する。
図14は、変形例による第3の領域423−1の構成を示す説明図である。図14に示したように、第3の領域423−1は、孔hを含む屈曲誘導部423a−1を有する。屈曲誘導部423a−1は、孔hの存在により、第3の領域423−1の他の部分に比べて局所的に屈曲し易い。
図15は、他の変形例による第3の領域423−2の構成を示す説明図である。図15に示したように、第3の領域423−2は、屈曲誘導部423a−2を有する。屈曲誘導部423a−2は、第3の領域423−2の他の部分よりも剛性が低い材質で構成される。例えば、屈曲誘導部423a−2は、エラストマーで構成されてもよい。
図16は、他の変形例による第3の領域423−3の構成を示す説明図である。図16に示したように、第3の領域423−3は、屈曲誘導部423a−3を有する。屈曲誘導部423a−3は、第3の領域423−3において局所的に厚みが小さくなる部分である。このため、屈曲誘導部423a−3は、第3の領域423−3において局所的に屈曲し易い。
図17は、他の変形例による第3の領域423−4の構成を示す説明図である。図17に示したように、第3の領域423−4は、屈曲誘導部423a−4として屈曲点を有する。屈曲誘導部423a−4には、ポンプ室Sの押圧により第1の領域421および第2の領域422が互いに引っ張る力が集中することにより、屈曲誘導部423a−4は第3の領域423−4の他の部分に比べて局所的に屈曲し易い。
このように、屈曲誘導部423a−1〜屈曲誘導部423a−4が屈曲し易いことにより、ポンプ20に内容液を吐出させるために使用者に求められる押圧力を小さくすることができ、使用者の操作性が向上する。
なお、屈曲誘導部は、対となる2つの第3の領域423の双方に設けられてもよいし、一方の第3の領域423にのみ設けられてもよい。また、1つの第3の領域423に設けられる屈曲誘導部の数は1つに限られず、1つの第3の領域423に2以上の屈曲誘導部が設けられてもよい。
(第5の変形例)
上記実施形態では、2つの板バネ44Aが厚み方向の一側に向けてポンプ室フレーム42から延出し、2つの板バネ44Bが厚み方向の他側に向けてポンプ室フレーム42から延出する例を説明した。しかし、1つまたは3つ以上の板バネ44Aが厚み方向の一側に向けてポンプ室フレーム42から延出し、1つまたは3つ以上の板バネ44Bが厚み方向の他側に向けてポンプ室フレーム42から延出してもよい。また、厚み方向の一側に向けて延出する板バネ44Aの数と、厚み方向の他側に向けて延出する板バネ44Bの数は同数でなくてもよい。また、ポンプ室フレーム42からは板バネ44Aが厚み方向の一側に向けて延出するものの、厚み方向の他側に向けて延出する板バネ44Bは設けられなくてもよい。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の包装容器を開示する。
<1A>
流体を収容する容器本体、および前記容器本体に収容された前記流体を吐出口から吐出する流体吐出器を有する包装容器であって、
前記流体吐出器は、
前記流体の収容空間を有する可撓性の収容部と、
前記容器本体から前記収容部への前記流体の流入を制御する流入側バルブ部と、
前記収容空間から前記吐出口への前記流体の流出を制御する流出側バルブ部と、
を備え、
前記収容部は、前記流体の収容空間を形成するフレーム、および前記フレームから延出し、前記収容部への押圧により減容された前記収容空間を広げる弾性体、を有する、包装容器。
<2A>
前記フレームは、好ましくは環状であり、
前記収容部は、好ましくは前記押圧により減容された前記収容空間を、前記フレームが位置する平面に直交する厚み方向上の一側に広げる第1の弾性体、および前記厚み方向上の他側に広げる第2の弾性体を有する、前記<1A>に記載の包装容器。
<3A>
好ましくは前記フレームの前記一側の面および前記他側の面の各々に前記容器本体を構成するフィルムが接合されることで前記収容空間が形成される、前記<2A>に記載の包装容器。
<4A>
前記フレームは、好ましくは前記流入側バルブ部に隣接する第1の領域、前記流出側バルブ部に隣接する第2の領域、および前記第1の領域と前記第2の領域の間に位置して互いに対向する一対の第3の領域を有し、
前記第1の領域および前記第2の領域の厚みは、好ましくは前記第3の領域の厚みよりも大きい、前記<2A>または<3A>に記載の包装容器。
<5A>
前記第3の領域の厚みは、好ましくは前記流入側バルブ部と前記流出側バルブ部との離隔方向に沿って繰り返し増減する、前記<4A>に記載の包装容器。
<6A>
前記1対の第3の領域の離隔方向である幅方向における中心軸上での前記第1の領域および前記第2の領域の厚みは、好ましくは前記フレームの厚みの中で最大である、前記<4A>に記載の包装容器。
<7A>
前記第1の弾性体および前記第2の弾性体は、好ましくは前記幅方向において前記中心軸を超える位置まで延出し、前記中心軸上で前記厚み方向の外側に向けて最も広がる屈曲形状を有する、前記<6A>に記載の包装容器。
<8A>
前記第1の弾性体および前記第2の弾性体は、好ましくは前記第1の弾性体および前記第2の弾性体の外側面の少なくとも一部が平面視において前記第1の領域および前記第2の領域の沿うように形成される、前記<7A>に記載の包装容器。
<9A>
前記フレームは、好ましくはポリエチレン、ポリオレフィンまたはポリエステルで形成される、前記<1A>〜<8A>のいずれか1に記載の包装容器。
<10A>
前記第3の領域は、前記第3の領域における他の部分に比べて局所的に屈曲し易い屈曲誘導部を有する、前記<4A>または<5A>に記載の包装容器。
<11A>
前記屈曲誘導部は、前記第3の領域において前記フレームの幅が極小となる幅狭部である、前記<10A>に記載の包装容器。
<12A>
前記幅狭部の幅は、好ましくは前記第3の領域内での最大幅の0.75倍以下0.2倍以上であり、0.5倍以下がより好ましい、前記<11A>に記載の包装容器。
<13A>
前記幅狭部は、好ましくは前記フレームにおける前記第1の弾性体および前記第2の弾性体の接合部分と異なる部分に設けられる、前記<11A>または<12A>に記載の包装容器。
<14A>
前記幅狭部は、好ましくは前記フレームの、前記流入側バルブ部と前記流出側バルブとの離隔方向上における中央に設けられる、前記<11A>〜<13A>のいずれか1に記載の包装容器。
<15A>
前記収容部は、好ましくは複数の前記第1の弾性体および複数の第2の弾性体を有し、
前記複数の第1の弾性体は、好ましくは前記流入側バルブ部と前記流出側バルブ部との離隔方向上の異なる位置から延出し、
前記複数の第2の弾性体は、好ましくは前記流入側バルブ部と前記流出側バルブ部との離隔方向上の異なる位置から延出する、前記<2A>〜<14A>のいずれか1に記載の包装容器。
<16A>
前記包装容器を正面視した場合に前記複数の前記第1の弾性体および複数の第2の弾性体は好ましくは各々重ならずに位置する、前記<15A>に記載の包装容器。
<17A>
少なくとも1の第1の弾性体および少なくとも1の複数の第2の弾性体は、平面視において、好ましくは前記第1の領域および前記第2の領域の外縁よりも前記収容空間の外側方向に突出する面を有する、前記<16A>に記載の包装容器。
<18A>
前記複数の第1の弾性体のうちの1つおよび他の1つは、好ましくは前記対向する第3の領域の異なる側から延出する、前記<15A>〜<17A>のいずれか1に記載の包装容器。
<19A>
前記複数の第1の弾性体および前記複数の第2の弾性体は、好ましくは前記フレームと結合する結合端、および前記結合端よりも幅が小さい自由端を有し、
少なくとも1つの前記第1の弾性体の結合端、および前記少なくとも1つの前記第1の弾性体に対向する前記第2の弾性体の結合端は、好ましくは前記流入側バルブ部と前記流出側バルブ部との離隔方向上で重なる位置に設けられる、前記<15A>に記載の包装容器。
<20A>
前記第1の弾性体および前記第2の弾性体の両端が前記フレームに結合する、前記<2A>〜<18A>のいずれか1に記載の包装容器。
<21A>
前記流入側バルブ部は、好ましくは前記容器本体から前記収容空間に前記流体が流入する流入口を有する流入側バルブフレームおよび流入側バルブを有し、
前記流出側バルブ部は、好ましくは前記収容空間から前記吐出口へ前記流体が流出する流出口を有する流出側バルブフレームおよび流出側バルブを有し、
前記収容部、前記流入側バルブフレーム、および前記流出側バルブフレーム、は好ましくは一体的に形成される、前記<2A>〜<20A>のいずれか1に記載の包装容器。
<22A>
前記第1の弾性体および前記第2の弾性体の間には好ましくは前記厚み方向上で伸縮する第3の弾性体が設けられる、前記<2A>〜<21A>のいずれか1に記載の包装容器。
<23A>
前記第3の弾性体は、好ましくは円錐バネまたは角錐バネである、前記<22A>に記載の包装容器。
<24A>
前記第1の弾性体および前記第2の弾性体は、好ましくはポンプ室Sの内側に向けて突出する壁部を有し、前記第1の弾性体の前記壁部および前記第2の弾性体の前記壁部に前記第3の弾性体が係合する、前記<22A>または<23A>に記載の包装容器。
<25A>
前記第3の弾性体は、好ましくは屈曲形状に形成された金属製または樹脂製の薄板バネ、高分子の多孔質体、または球形であり中空部に気体が入っている薄膜ゴムである、前記<22A>に記載の包装容器。
<26A>
前記フィルムは、好ましくはポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドまたはポリプロピレンからなる合成樹脂、あるいはこれら合成樹脂の組合わせを含む、前記<3A>に記載の包装容器。
<27A>
前記フィルムは、好ましくは前記合成樹脂または前記合成樹脂の組合わせと、金属蒸着層および無機蒸着層からなる、前記<26A>に記載の包装容器。
<第2の実施形態>
<ポンプおよび包装容器の概略構成>
本発明の第2の実施形態は、包装容器に収容された流体を取り込み、取り込んだ流体を吐出するポンプに関する。まず、図18を参照し、本発明の第2の実施形態によるポンプおよび包装容器の概略構成を説明する。
図18は、包装容器1001およびポンプ1020の外観を示す説明図である。図18に示したように、包装容器1001は、容器本体1010、ノズル部1012および固着部1019を有する。
容器本体1010は、図18に示すように、天面シート部1013、正面シート部1014、背面シート部1015及び底面シート部1016を有し、天面シート部1013により天面部、正面シート部1014により正面部、背面シート部1015により背面部、及び底面シート部1016により底部が形成されている。容器本体1010においては、正面シート部1014の両側の側縁部1014sと背面シート部1015の両側の側縁部1015sとが接合(ヒートシール)されており、正面シート部1014と背面シート部1015とからなる筒状体の一端部に、底面シート部1016の周縁部が接合されている。また、正面シート部1014の天面シート部1013側の縁1014tと天面シート部1013の一側の縁部1013sとが接合され、背面シート部1015の天面シート部1013側の縁1015tと天面シート部1013の他側の縁部1013s’とが接合されている。容器本体1010は、このように、天面シート部1013、正面シート部1014、背面シート部1015及び底面シート部1016の各部が接合されることによって袋状に形成されており、内部に液体を収容可能な収容空間が形成されている。包装容器1001は、容器本体1010が可撓性のシート材からなるパウチ容器である。なお、本発明の第2の実施形態においては、容器本体1010が流体の一例として液体を収容する例を説明するが、容器本体1010は気体を収容してもよい。
ノズル部1012は、容器本体1010の内外を連通する。固着部1019は、ノズル部1012の容器本体1010側の端部から水平方向に張り出すようにノズル部1012に連設されている。ノズル部1012の外周には、ポンプ1020との連結のための螺合面が形成されている。
ポンプ1020は、吐出口1070aを有するスパウト1070、および包装容器1001のノズル部1012に連結される連結部1080を備える。また、ポンプ1020はポンプ1020の内部に閉空間を形成するフィルム1024を有する。当該フィルム1024の材料は、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の合成樹脂のフィルム又はこれら合成樹脂の組み合わせからなる単層又は多層のフィルムであることが好ましい。本実施形態では、フィルム1024としては、ポンプ1020との接合のしやすさ等の観点からポリプロピレンが使用される。詳細については後述するように、ポンプ1020は、使用者の手指による押圧および押圧の解放に応じて、容器本体1010からの内容液の取り込み、および吐出口1070aからの内容液の吐出を行う流体吐出装置である。なお、本発明の第2の実施形態による包装容器1001の用途は特に限定されず、例えば、包装容器1001は流体(内容液)の詰め替え元の容器として用いられてもよいし、包装容器1001からポンプ1020を介して吐出される内容液がそのまま使用者により使用されてもよい。また、内容液の種類は特に限定されず、内容液は、ボディソープ、ハンドソープ、シャンプー、リンス、トリートメント、染色剤(例えば染毛剤)、香水、飲料液または食品(例えば、醤油、味噌、酢、ホイップクリーム等)であってもよい。
<ポンプの概略構成>
続いて、図19および図20を参照して、本発明の第2の実施形態によるポンプ1020の概略構成を説明する。図19は、本発明の第2の実施形態によるポンプ1020の外観を示すポンプ1020の斜視図である。図20は、本発明の第2の実施形態によるポンプ1020の断面図である。
図19および図20に示したように、ポンプ1020は、流入側バルブ部1030、ポンプ室形成部1040、流出側バルブ部1050、スパウト1070および連結部1080を有する。なお、図19においては、フィルム1024の接合箇所をハッチングで示している。フィルム1024とポンプ1020との接合前にはハッチングで示された箇所に凸部が形成されており、当該凸部が熱圧着により溶融することでフィルム1024とポンプ1020とが接合される。
流入側バルブ部1030は、流入口1034を有する流入側バルブフレーム1032、および流入側バルブ1036を有する。流入側バルブ1036は、容器本体1010からポンプ1020への流入口1034を介する内容液の流入を制御する。すなわち、流入側バルブ1036は、容器本体1010からポンプ1020への内容液の流入を可能とし、ポンプ1020から容器本体1010への内容液の逆流を防止する。このような流入側バルブ1036には、例えば特開2012−192975号公報に開示された弁構成を適用可能である。
ポンプ室形成部1040は、ポンプ室フレーム1042、2つの板バネ1044Aおよび2つの板バネ1044Bを有する。ポンプ室フレーム1042は環状のフレームである。本明細書において、環状は、ある領域を取り囲う形状であり、当該形状は円形であってもよいし、角形であってもよく、また、全体に亘って連続していてもよいし、断続的であってもよい。ポンプ室フレーム1042の両面(ポンプ室フレーム1042が位置する平面に直交する方向上で離隔する2つの面)にフィルム1024が接合されることで、ポンプ室フレーム1042およびフィルム1024により内容液の収容空間であるポンプ室Sが形成される。
ここで、本明細書においては、上述したポンプ室フレーム1042が位置する平面に直交する方向を厚み方向(図19に示したY方向)と称する。また、スパウト1070および流入口1034を通る中心軸Lの軸方向、すなわち、流入側バルブ部1030と流出側バルブ部1050との離隔方向を上下方向(図19に示したZ方向)と称し、ポンプ室形成部1040に対して流入側バルブ部1030が位置する側を下側と称し、下側の反対側を上側と称する。また、厚み方向および上下方向に直交する方向を幅方向(図19に示したX方向)と称する。
板バネ1044Aおよび板バネ1044Bは、ポンプ室フレーム1042と一体的に形成され、ポンプ室フレーム1042からポンプ室フレーム1042の内側に向けて延出する弾性体の一例である。板バネ1044Aは、厚み方向の一側に向けてポンプ室フレーム1042から延出する第1の弾性体の一例であり、板バネ1044Bは、厚み方向の他側に向けてポンプ室フレーム1042から延出する第2の弾性体の一例である。以下、2つの板バネ1044Aおよび2つの板バネ1044Bを特に区別する必要が無い場合、板バネ1044Aおよび板バネ1044Bを単に板バネ1044と総称する。板バネ1044は、幅方向で中心軸Lを超える位置まで延出し、中心軸L上で厚み方向の外側に向けて最も広がる屈曲形状を有する。当該板バネ1044は、ポンプ1020の平面視において、ポンプ室フレーム1042の外縁に当該板バネ1044の外側面が沿うように形成される(図24参照)。
流出側バルブ部1050は、流出口1054を有する流出側バルブフレーム1052、および流出側バルブ1056を有する。流出側バルブ1056は、ポンプ室Sからの流出口1054を介する内容液の流出を制御する。すなわち、流出側バルブ1056は、ポンプ室Sからスパウト1070への内容液の流出を可能とし、スパウト1070からポンプ室Sへの内容液の逆流を防止する。このような流出側バルブ1056には、流入側バルブ1036と同様に、例えば特開2012−192975号公報に開示された弁構成を適用可能である。
スパウト1070は、流出側バルブ部1050から上側に突出する筒状部である。図19においてはスパウト1070が円柱形である例を示しているが、筒状が意味する形状は、円柱形に限定されず、角柱形であってもよいし、円錐台であってもよいし、角錐台であってもよい。スパウト1070の上端には吐出口1070aが位置し、当該吐出口1070aから内容液が吐出される。
連結部1080は、包装容器1001のノズル部1012とポンプ1020を連結するための部分である。図20に示したように、連結部1080は、内周に螺合面1082を有し、当該螺合面1082がノズル部1012と螺合することにより、ノズル部1012とポンプ1020が連結される。連結部1080は、中心軸L上に開口1084を有し、容器本体1010に収容されている内容液が、当該開口1084を介して、流入側バルブ部1030に到達する。
本発明の第2の実施形態によるポンプ1020においては、上述した流入側バルブフレーム1032、ポンプ室形成部1040および流出側バルブフレーム1052は一体的に形成されている。このため、各構成が分離して構成されている場合と比較して、フィルム1024を流入側バルブフレーム1032、ポンプ室形成部1040および流出側バルブフレーム1052に容易に接合することが可能である。なお、流入側バルブフレーム1032、ポンプ室形成部1040および流出側バルブフレーム1052の材料としては、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル等が挙げられる。流入側バルブフレーム1032、ポンプ室形成部1040および流出側バルブフレーム1052の材質は、ポンプ室形成部1040の板バネ1044で得られる弾性力の観点からポリプロピレンであることが好ましい。さらに、スパウト1070または連結部1080も、流入側バルブフレーム1032、ポンプ室形成部1040および流出側バルブフレーム1052と一体的に形成されてもよい。
<ポンプの動作>
以上、本発明の第2の実施形態によるポンプ1020の構成を説明した。続いて、図21を参照し、本発明の第2の実施形態によるポンプ1020の動作を説明する。
図21は、本発明の第2の実施形態によるポンプ1020の側面図である。具体的には、図21の左図は待機時のポンプ1020の側面図であり、図21の中央図はポンプ室Sが押圧された時のポンプ1020の側面図であり、図21の右図はポンプ室Sへの押圧が解放された時のポンプ1020の側面図を示している。
図21の中央図に示したように、ポンプ室Sが使用者の手指により厚み方向の両側から押圧(スクイズ)されると、板バネ1044およびフィルム1024が中心軸Lに近づくように変形する。これにより、ポンプ室Sが減容し、ポンプ室Sの内圧が増加する。ポンプ室Sの内圧が増加すると、流出側バルブ部1050が開き、ポンプ室Sに収容されている内容液が流出口1054を介して流出し、流出口1054を介して流出した内容液がスパウト1070の吐出口1070aから吐出される。この時、フィルム1024は、ポンプ室フレーム1042の上側の縁部および下側の縁部を引っ張りながら変形する。その結果、ポンプ室フレーム1042には歪みが生じ、ポンプ室フレーム1042は上下方向で縮み、幅方向に広がる。
その後、ポンプ室Sの押圧が解放(スクイズバック)されると、図21の右図に示したように、板バネ1044の弾性力により板バネ1044が中心軸Lから離れる方向に復元する。また、ポンプ室フレーム1042の弾性力により、ポンプ室フレーム1042の歪みが解消され、ポンプ室フレーム1042が上下方向に伸びる。上記の板バネ1044およびポンプ室フレーム1042の形状の復元により、フィルム1024の形状も復元する。これにより、押圧により減容されていたポンプ室Sが広がり、ポンプ室Sの内圧が低下する。ポンプ室Sの内圧が低下すると、流入側バルブ部1030が開き、容器本体1010に収容されている内容液が流入口1034を介してポンプ室Sに流入する。結果、ポンプ室Sに新たな内容液が収容され、ポンプ1020の状態は図21の左図に示した待機時の状態となる。
上述したように、本発明の第2の実施形態によるポンプ1020は、ポンプ室Sの両側からの押圧を受け付け、押圧の解放時に、板バネ1044Aおよび1044Bによりポンプ室Sを厚み方向の両側に広げる。このため、一回の押圧での内容液の吐出量、および一回の押圧の解放でのポンプ室Sへの内容液の取込量を十分に確保することが可能である。また、ポンプ室フレーム1042に一体的に形成された板バネ1044が弾性力を発揮することにより、粘度が高い内容液であっても、円滑にポンプ室Sに取込み、円滑に吐出口1070aから吐出することが可能である。本発明の第2の実施形態によるポンプ1020は、その他にも、使用者の操作性を向上するための幾つかの構成を有する。以下、本発明の第2の実施形態によるポンプ1020の構成をより詳細に説明する。
<板バネの構成>
図22は、本発明の第2の実施形態によるポンプ1020の正面図である。図22においては、厚み方向上の一側に延出する2つの板バネ1044Aを、符号1044A1および符号1044A2を用いることで区別している。同様に、厚み方向上の他側に延出する2つの板バネ1044Bを、符号1044B1および符号1044B2を用いることで区別している。
板バネ1044A1および板バネ1044A2は、ポンプ室フレーム1042における上下方向で異なる位置から延出する。図22に示した例では、板バネ1044A1が、板バネ1044A2よりもポンプ室フレーム1042における上側の位置から延出している。同様に、板バネ1044B1および板バネ1044B2は、ポンプ室フレーム1042における上下方向で異なる位置から延出する。図22に示した例では、板バネ1044B1が、板バネ1044B2よりもポンプ室フレーム1042における上側の位置から延出している。
また、ポンプ室フレーム1042の幅方向の同一側から延出する2つの板バネ1044は、厚み方向上の一側に延出する板バネ1044Aと、厚み方向上の他側に延出する板バネ1044Bである。例えば、図22に示したポンプ室フレーム1042の左側からは、板バネ1044B1と板バネ1044A2が延出している。
かかる構成においては、板バネ1044B1の押圧によりポンプ室フレーム1042に生じるモーメントと、板バネ1044A2の押圧によりポンプ室フレーム1042に生じるモーメントとは、逆方向のモーメントとなる。結果、双方のモーメントを相互に減殺することができる。かかる構成によれば、ポンプ室フレーム1042が捻られたり、押し難くなったり、フィルム1024をポンプ室フレーム1042から剥がし取る方向の力が作用してしまったりすることを防止できる。また、複数の板バネ1044が正面視において上下方向で異なる位置から延出することにより、ポンプ室Sを押圧する使用者の手指が、ポンプ室Sの各面において複数の板バネ1044に跨るように位置し得る。従って、使用者は、ポンプ室Sを押圧する際に安定感を得ることが可能である。
上述したように使用者の手指がポンプ室Sの各面において複数の板バネ1044に跨るためには、同一面側に延出する2つの板バネ1044の上下方向における間隔が手指の幅より狭いことが望ましい。本発明の第2の実施形態によるポンプ1020は、以下に説明するように、そのような板バネ1044の間隔を実現しつつ、板バネ1044を含むポンプ1020の製造の容易化を実現するものである。
まず、製造の容易化に関し、図22に示したように、ポンプ1020を正面視した場合に各板バネ1044は他の板バネ1044と重ならない。このような板バネ1044の配置は、ポンプ1020を成形する金型を厚み方向の両側に抜くことで実現可能であるので、ポンプ1020の製造の容易化に寄与する。
次に、板バネ1044の間隔に関し、各板バネ1044は、ポンプ室フレーム1042に結合する結合端、および自由端を有する。図22に示したように、各板バネ1044の自由端の幅w1は結合端の幅w2よりも小さい。また、各板バネ1044の自由端は互い違いに設けられるのに対し、各板バネ1044の結合端は他の板バネ1044の結合端と上下方向において重なる位置に設けられる。例えば、板バネ1044A1の自由端と板バネ1044B1の自由端は上下方向において互い違いに設けられる一方で、板バネ1044A1の結合端と板バネ1044B1の結合端は、上下方向において重なる位置に設けられる。
かかる構成によれば、各板バネの結合端が上下方向において完全にズレた位置に設けられる場合と比較して、同一面側に延出する2つの板バネ1044(例えば、板バネ1044A1と板バネ1044A2)の自由端の間隔を狭めることが可能である。さらに、結合端の幅が自由端の幅よりも大きいことにより、板バネ1044の弾性力を向上し、押圧の解放時により強い力で容器本体1010から内容液をポンプ室Sに取込むことが可能である。なお、各板バネ1044の自由端の幅w1は同一であってもよいし、異なってもよい。同様に、各板バネ1044の結合端の幅w2は同一であってもよいし、異なってもよい。
また、複数の板バネ1044が正面視において上下方向で異なる位置から延出することには、更なる利点がある。図21の中央図に示したように、ポンプ室Sの押圧時にはフィルム1024が側面視において略V字にたわむ。複数の板バネ1044が正面視において上下方向で異なる位置から延出することにより、フィルム1024が形成する略V字に沿うように各板バネ1044が変形する。すなわち、各板バネ1044の変形量は、上下方向での各板バネ1044の位置に応じて異なり、特に押圧された部分(中央付近)に近い板バネ1044ほど変形量が大きくなる。このように、複数の板バネ1044が正面視において上下方向で異なる位置から延出することにより、各板バネ1044は、上下方向における位置に応じた適切な量だけ変形することが可能となる。また、弾性体の機能が複数の板バネ1044に分割されているので、押圧時のポンプ室フレーム1042の変形阻害を低減できる。
<ポンプ室フレームの構成>
「ポンプの動作」において説明したように、ポンプ室Sの押圧時、フィルム1024は、ポンプ室フレーム1042の上側の縁部および下側の縁部を引っ張り、ポンプ室フレーム1042を歪ませながら変形する。すなわち、使用者には、板バネ1044を変形させる力に加えて、フィルム1024を介してポンプ室フレーム1042を歪ませる力を含む押圧力での押圧が求められる。使用者の操作性の観点からは押圧力がより小さいことが望ましいところ、本発明の第2の実施形態によるポンプ1020は、ポンプ室フレーム1042を歪ませる力を低減するための構成として、幅狭部および肉厚部を有する。以下、ポンプ室フレーム1042の全体構成を説明した後に、幅狭部および肉厚部について順次説明する。
図22に示したように、ポンプ室フレーム1042は、流入側バルブ部1030に隣接する第1の領域1421、流出側バルブ部1050に隣接する第2の領域1422、および第1の領域と第2の領域の間に位置して互いに対向する一対の第3の領域1423を有する。幅方向における中心軸L上での第1の領域1421および第2の領域1422の厚みは等しい(図25参照)。また、幅方向における中心軸L上での第1の領域1421および第2の領域1422の厚みは、ポンプ室フレーム1042の厚みの中で最大であり、第1の領域1421および第2の領域1422の厚みは、第3の領域の厚みより大きい。
このため、ポンプ室フレーム1042に接合されたフィルム1024は、待機時において、幅方向では中心軸L上で厚み方向の外側に向けて最も広がる屈曲形状を有し、上下方向では略直線形状を有する。押圧時において、フィルム1024は幅方向では屈曲形状から直線形状に近づき、フィルム1024に幅方向上の弛みが生じるので、ポンプ室フレーム1042の幅方向の両側の縁部(一対の第3の領域1423)を互いに引っ張る力は生じない。一方、押圧時において、フィルム1024は上下方向では厚み方向の内側に向けて凹む形状となるので、上述したように、ポンプ室フレーム1042の上側の縁部(第2の領域1422)および下側の縁部(第1の領域1421)がフィルム1024を介して互いに引っ張られる。
(幅狭部)
ここで、本発明の第2の実施形態によるポンプ室フレーム1042は、図22に示したように幅狭部1423aを有する。具体的には、幅狭部1423aは、第3の領域1423であって、上下方向におけるポンプ室フレーム1042の中央に設けられる。幅狭部1423aの幅W3は、例えば、第3の領域1423内での最大幅W4の第3の領域1423内での最大幅の0.75倍以下であることが、好ましく、0.5倍以下であることがより好ましい。一方、フィルム1024とポンプ室フレーム1042との接合性の観点から、幅狭部1423aの幅W3は第3の領域1423内での最大幅W4の0.2倍以上であることが好ましい。幅狭部1423aは、第3の領域1423の他の部分よりも幅が狭いので、幅狭部1423aの剛性は第3の領域1423の他の部分の剛性よりも低い。すなわち、幅狭部1423aの屈曲に対する柔軟性に基づき、ポンプ室フレーム1042がより小さい力で歪むようになる。なお、幅狭部1423aは、ポンプ室フレーム1042と板バネ1044とが接合されている部分と異なる部分に設けられることにより、変形性を十分に発揮することが可能である。また、図22においては幅狭部1423aが上下方向におけるポンプ室フレーム1042の中央に設けられる例を説明したが、幅狭部1423aは、板バネ1044B1の上側、板バネ1044A1の上側、板バネ1044A2の下側、および板バネ1044B2の下側などの他の部分に設けられてもよいし、幅狭部1423aの数も2つに限られず、幅狭部1423aの数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
図23は、押圧によるポンプ室フレーム1042の歪みを示す正面図である。図24は、図22に示したI−I線断面におけるポンプ室フレーム1042の歪みを示す説明図である。ポンプ室Sの押圧により第1の領域1421および第2の領域1422が互いに引っ張られると、図23に示したように、幅狭部1423aが他の部分よりも大きく屈曲する。結果、ポンプ室フレーム1042には歪みが生じ、ポンプ室フレーム1042は上下方向で縮み、幅方向に広がる。
このように、幅狭部1423aの形成によりポンプ室フレーム1042がより小さい力で歪むようになる。従って、ポンプ1020に内容液を吐出させるために使用者に求められる押圧力を小さくすることができ、使用者の操作性が向上する。また、図22を参照して説明したように、押圧時においてはフィルム1024に幅方向上の弛みが生じるので、ポンプ室フレーム1042は、ポンプ室フレーム1042の幅方向の両側の縁部を引っ張る力をフィルム1024から受けることなく、容易に幅方向に広がることが可能である。
(肉厚部)
ポンプ室フレーム1042は、使用者に求められる押圧力を小さくするための構成として、第3の領域1423に肉厚部を有する。以下、図25を参照し、肉厚部について具体的に説明する。
図25は、ポンプ1020の側面図である。ポンプ室フレーム1042の第3の領域1423の厚みは、上下方向に沿って繰り返し増減する。図25に示した例では、第3の領域1423の厚みは、第1の領域1421側から上側に向かうにつれて減少した後に増加し、その後に一定となる。さらに、第3の領域1423の厚みは、厚みが一定の部分から上側に向かうにつれて減少した後に増加する。これにより、第3の領域1423には、隣接する部分よりも厚みが大きい肉厚部1423bが形成される。
このように第3の領域に肉厚部1423bが形成されることにより、フィルム1024の第3の領域1423に沿う部分の長さが、第3の領域1423が一定の厚みに形成される場合と比較して長くなる。このため、ポンプ室Sを形成するフィルム1024に上下方向において弛みを持たせることが可能である。
さらに、各板バネ1044は、第1の領域1421と第2の領域1422を繋ぐ上下方向の線上において、第1の領域1421と第2の領域1422よりもポンプ室Sの外側方向に突出する面を有する。例えば、板バネ1044B1および板バネ1044A2は、ポンプ室フレーム1042との結合端から自由端に至るまで、第1の領域1421と第2の領域1422よりもポンプ室Sの外側方向に突出する面を有する。板バネ1044A1および板バネ1044B2も、幅w2を有する幅広部において、第1の領域1421と第2の領域1422よりもポンプ室Sの外側方向に突出する面を有する。このため、図25に示したように、フィルム1024は湾曲した状態でポンプ室フレーム1042に溶着され、当該湾曲がフィルム1024の全域に亘って存在する上下方向上の弛みとなる。
ポンプ室Sを形成するフィルム1024が上下方向において弛みを有すると、ポンプ室Sの押圧の際に、フィルム1024がポンプ室フレーム1042の第1の領域1421および第2の領域1422を引っ張らずに変形できる量が増える。従って、ポンプ室フレーム1042の歪みのために消費される力が抑制される。結果、ポンプ1020に内容液を吐出させるために使用者に求められる押圧力を小さくすることができ、使用者の操作性が向上する。
<変形例>
以上、本発明の第2の実施形態を説明した。以下では、本発明の第2の実施形態の幾つかの変形例を説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で本発明の第2の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本発明の第2の実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、本発明の第2の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の第2の実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
(第1の変形例)
上記では、ポンプ室フレーム1042に一端が結合し、他端が自由端である板バネ1044を説明した。第1の変形例によるポンプ1021は、両端がポンプ室フレーム1042に結合する板バネ1045を有する。以下、図26を参照して、第1の変形例によるポンプ1021を説明する。
図26は、第1の変形例によるポンプ1021の正面図である。図26に示したように、第1の変形例によるポンプ1021は、流入側バルブ部1030、ポンプ室形成部1041、流出側バルブ部1050、およびスパウト1070を有する。流入側バルブ部1030、流出側バルブ部1050、およびスパウト1070の構成は上述した通りであるので、ここでの詳細な説明を省略する。なお、図26においては、フィルム1024の接合箇所をハッチングで示している。
ポンプ室形成部1041は、ポンプ室フレーム1042、2つの板バネ1045Aおよび2つの板バネ1045Bを有する。
板バネ1045Aおよび2つの板バネ1045Bは、ポンプ室フレーム1042と一体的に形成され、ポンプ室フレーム1042から延出する弾性体の一例である。板バネ1045Aおよび2つの板バネ1045Bの両端は、図26に示したようにポンプ室フレーム1042に結合される。板バネ1045Aは、厚み方向の一側に向けてポンプ室フレーム1042から延出する第1の弾性体の一例であり、板バネ1045Bは、厚み方向の他側に向けてポンプ室フレーム1042から延出する第2の弾性体の一例である。以下、板バネ1045Aおよび2つの板バネ1045Bを特に区別する必要が無い場合、板バネ1045Aおよび板バネ1045Bを単に板バネ1045と総称する。
図27は、図26のII−II線断面を示す説明図である。図27に示したように、板バネ1045は、幅方向における中心軸L上で厚み方向の外側に向けて最も広がる屈曲形状を有する。また、板バネ1045は、図27に示した断面視において、ポンプ室フレーム1042の第2の領域1422の外縁に板バネ1045の外側面が沿うように形成される。
このような第1の変形例においては、板バネ1045の両端がポンプ室フレーム1042に結合されているので、板バネ1045の幅を上述した実施形態の板バネ1044の結合端の幅よりも狭く形成しても、上述した実施形態と同等の弾性力を得ることが可能である。また、板バネ1045の押圧により板バネ1045が伸張することで、板バネ1045がポンプ室フレーム1042を幅方向で広げ、ポンプ室フレーム1042の上下方向が縮まる。このため、上述した実施形態と比較して、フィルム1024がポンプ室フレーム1042の上側の縁部および下側の縁部を引っ張る力が抑制される。従って、フィルム1024の破れ、およびポンプ室フレーム1042からのフィルム1024の剥がれが発生し難くなる。
(第2の変形例)
上記では、板バネ1044の弾性力によりポンプ室Sに内容液を取り込む例を説明した。第2の変形例によるポンプ1022は、減容されたポンプ室Sを広げる力を向上する構成を有し、より粘度が高い内容液をポンプ室Sに確実かつ迅速に取り込むことが可能である。以下、図28〜図30を参照して、第2の変形例によるポンプ1022を説明する。
図28は、第2の変形例によるポンプ1022の斜視図である。図29は、第2の変形例によるポンプ1022の正面図である。図28および図29に示したように、第2の変形例によるポンプ1022は、流入側バルブ部1031、ポンプ室形成部1043、流出側バルブ部1051およびスパウト1070を有する。スパウト1070の構成は上述した通りであるので、ここでの詳細な説明を省略する。
流入側バルブ部1031および流出側バルブ部1051の機能は、上述した流入側バルブ部1030および流出側バルブ部1050の機能に概ね対応する。しかし、流入側バルブ部1031および流出側バルブ部1051の形状は、後述する円錐バネ1048がポンプ室形成部1043に設けられる関係で、上述した流入側バルブ部1030および流出側バルブ部1050の形状と相違する。具体的には、流入側バルブ部1031および流出側バルブ部1051の厚み方向上での頂部(図28において一点鎖線で囲われた部分)の曲率半径は、流入側バルブ部1030および流出側バルブ部1050の厚み方向上での頂部の曲率半径よりも大きい。これは、ポンプ室形成部1043の厚み方向上での頂部の曲率半径を円錐バネ1048の収納のために大きくし、かつ、ポンプ1022の平面視において、ポンプ室形成部1043の外縁に流入側バルブ部1031および流出側バルブ部1051の外縁が沿うように流入側バルブ部1031および流出側バルブ部1051を形成した結果である。
図28に示したように、ポンプ室形成部1043は、2つの板バネ1046A、2つの板バネ1045B、ポンプ室フレーム1047および円錐バネ1048を有する。なお、図29においては、説明の便宜上、円錐バネ1048を省略している。
板バネ1046Aおよび板バネ1046Bは、ポンプ室フレーム1047と一体的に形成され、ポンプ室フレーム1047からポンプ室フレーム1047の内側に向けて延出する弾性体の一例である。板バネ1046Aは、厚み方向の一側に向けてポンプ室フレーム1047から延出し、板バネ1046Bは、厚み方向の他側に向けてポンプ室フレーム1047から延出する。板バネ1046は、幅方向で中心軸Lを超える位置まで延出し、中心軸L上で厚み方向の外側に向けて最も広がる屈曲形状を有する。当該板バネ1046は、ポンプ1022の平面視において、ポンプ室フレーム1047の外縁に当該板バネ1046の外側面が沿うように形成される(図30参照)。
図29に示したように、2つの板バネ1046Bは、中心軸Lを跨り、ポンプ室Sの内側に向けて突出する円弧状の壁部1462Bを有する。2つの壁部1462Bは、同一の円の一部の円弧を形成する。同様に、板バネ1046Aは、図29において破線で示したように、中心軸Lを跨り、ポンプ室Sの内側に向けて突出する円弧状の壁部1462Aを有する。2つの壁部1462Aは、同一の円の一部の円弧を形成する。壁部1462Bの曲率半径は、壁部1462Aの曲率半径よりも大きい。
これらの壁部1462Aおよび壁部1462Bに係合するように、円錐バネ1048が設けられる。具体的には、円錐バネ1048の一方の端面である最大径部分には2つの壁部1462Bが係合し、円錐バネ1048の他方の端面である最小径部分には2つの壁部1462Aが係合する。かかる構成により、2つの壁部1462Aおよび2つの壁部1462Bの間で円錐バネ1048が支持される。
なお、円錐バネ1048は、ポンプ1022の厚み方向上で伸縮する第3の弾性体の一例であり、第3の弾性体は円錐バネ1048に限定されない。例えば、円柱形状を有するコイルバネおよび角錐バネも当該変形例に適用可能である。ただし、円錐バネ1048および角錐バネのように、厚み(高さ)を有するバネであって、非圧縮時にはバネの厚み方向上の異なる位置に存在するバネ要素部分が、圧縮時にはバネの厚み方向上で重なる位置に存在するバネがより好ましい。その他、V字、Z字、またはW字などの屈曲形状に形成された金属製または樹脂製の薄板バネ、高分子の多孔質体(例えば、スポンジ)、球形であり中空部に気体が入っている薄膜ゴム(すなわち、風船)なども上記の第3の弾性体として当該変形例に適用可能であり、いずれにおいても、圧縮時の厚みを非圧縮時の厚みに対して十分に小さくすることが可能である。
以上、第2の変形例によるポンプ1022の構成を説明した。続いて、図30を参照して、第2の変形例によるポンプ1022の動作を説明する。
図30は、図29に示したIII−III線断面におけるポンプ室フレーム1047を示す説明図である。図30の上段に示したように、ポンプ室Sの押圧の待機時には、円錐バネ1048が円錐形状を有し、ポンプ室Sが円錐バネ1048の高さに対応する広さの空間を有する。その後、ポンプ室Sが使用者の手指により厚み方向の両側から押圧(スクイズ)されると、図30の下段に示したように、板バネ1046およびフィルム1024が中心軸Lに近づくように変形し、円錐バネ1048が圧縮される。これにより、ポンプ室Sが減容し、ポンプ室Sの内圧が増加する。ポンプ室Sの内圧が増加すると、流出側バルブ部1051が開き、ポンプ室Sに収容されている内容液が流出し、流出した内容液がスパウト1070の吐出口1070aから吐出される。
その後、ポンプ室Sの押圧が解放されると、図30の上段に示したように、板バネ1046が中心軸Lから離れる方向に復元する。この時、板バネ1046は、板バネ1046自身の弾性力に加えて、円錐バネ1048の弾性力に基づき、中心軸Lから離れる方向に復元する。これにより、押圧により減容されていたポンプ室Sが広がり、ポンプ室Sの内圧が低下する。ポンプ室Sの内圧が低下すると、流入側バルブ部1031が開き、容器本体1010に収容されている内容液が流入側バルブ部1031を介してポンプ室Sに流入する。
上述した第2の変形例によれば、押圧の解放時に、板バネ1046自身の弾性力に加えて、円錐バネ1048の弾性力に基づき、減容されていたポンプ室Sが広がる。かかる構成により、より粘度が高い内容液をポンプ室Sに確実かつ迅速に取り込むことが可能である。さらに、当該変形例では、第3の弾性体として円錐バネ1048が用いられるので、ポンプ室Sの押圧時に図30の下段に示したようにポンプ室Sを十分に減容することが可能である。従って、ポンプ室S内の内容液をより多く吐出することが可能となる。
(第3の変形例)
上記では、複数の弾性体(板バネ1044、1045)がポンプ1020の正面視において重ならない例を説明したが、複数の弾性体は、ポンプ1020の正面視において重なってもよい。例えば、ポンプ室フレーム1042の一対の第3の領域1423を繋ぐ2枚の板部が設けられ、当該2枚の板部はポンプ1020の正面視において重なってもよい。さらに、当該2枚の板部の間に、第2の変形例において説明したように、2枚の弾性体の間隔が狭められた場合に当該間隔を広げる力を発揮するバネが設けられてもよい。かかる構成によれば、2枚の板部およびバネが有する弾性により、押圧の解放時に容器本体1010からポンプ室Sに内容液を取込むことが可能である。
(第4の変形例)
第1の実施形態の第4の変形例において説明したように、第2の実施形態にも、図14〜図17を参照して説明した屈曲誘導部423a−1〜屈曲誘導部423a−4などの構成を幅狭部1423aに代えて適用可能である。
(第5の変形例)
上記実施形態では、2つの板バネ1044Aが厚み方向の一側に向けてポンプ室フレーム1042から延出し、2つの板バネ1044Bが厚み方向の他側に向けてポンプ室フレーム1042から延出する例を説明した。しかし、1つまたは3つ以上の板バネ1044Aが厚み方向の一側に向けてポンプ室フレーム1042から延出し、1つまたは3つ以上の板バネ1044Bが厚み方向の他側に向けてポンプ室フレーム1042から延出してもよい。また、厚み方向の一側に向けて延出する板バネ1044Aの数と、厚み方向の他側に向けて延出する板バネ1044Bの数は同数でなくてもよい。また、ポンプ室フレーム1042からは板バネ1044Aが厚み方向の一側に向けて延出するものの、厚み方向の他側に向けて延出する板バネ1044Bは設けられなくてもよい。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の包装容器を開示する。
<1B>
包装容器に収容された流体を吐出口から吐出する流体吐出器であって、
前記流体の収容空間を有する可撓性の収容部と、
前記包装容器から前記収容部への前記流体の流入を制御する流入側バルブ部と、
前記収容空間から前記吐出口への前記流体の流出を制御する流出側バルブ部と、
を備え、
前記収容部は、前記流体の収容空間を形成するフレーム、および前記フレームから延出し、前記収容部への押圧により減容された前記収容空間を広げる弾性体、を有する、流体吐出器。
<2B>
前記フレームは、好ましくは環状であり、
前記収容部は、好ましくは前記押圧により減容された前記収容空間を、前記フレームが位置する平面に直交する厚み方向上の一側に広げる第1の弾性体、および前記厚み方向上の他側に広げる第2の弾性体を有する、前記<1B>に記載の流体吐出器。
<3B>
好ましくは前記フレームの前記一側の面および前記他側の面の各々にフィルムが接合されることで前記収容空間が形成される、前記<2B>に記載の流体吐出器。
<4B>
前記フレームは、好ましくは前記流入側バルブ部に隣接する第1の領域、前記流出側バルブ部に隣接する第2の領域、および前記第1の領域と前記第2の領域の間に位置して互いに対向する一対の第3の領域を有し、
前記第1の領域および前記第2の領域の厚みは、好ましくは前記第3の領域の厚みよりも大きい、前記<2B>または<3B>に記載の流体吐出器。
<5B>
前記第3の領域の厚みは、好ましくは前記流入側バルブ部と前記流出側バルブ部との離隔方向に沿って繰り返し増減する、前記<4B>に記載の流体吐出器。
<6B>
前記1対の第3の領域の離隔方向である幅方向における中心軸上での前記第1の領域および前記第2の領域の厚みは、好ましくは前記フレームの厚みの中で最大である、前記<4B>に記載の流体吐出器。
<7B>
前記第1の弾性体および前記第2の弾性体は、好ましくは前記幅方向において前記中心軸を超える位置まで延出し、前記中心軸上で前記厚み方向の外側に向けて最も広がる屈曲形状を有する、前記<6B>に記載の流体吐出器。
<8B>
前記第1の弾性体および前記第2の弾性体は、好ましくは前記第1の弾性体および前記第2の弾性体の外側面の少なくとも一部が平面視において前記第1の領域および前記第2の領域の沿うように形成される、前記<7B>に記載の流体吐出器。
<9B>
前記フレームは、好ましくはポリエチレン、ポリオレフィンまたはポリエステルで形成される、前記<1B>〜<8B>のいずれか1に記載の流体吐出器。
<10B>
前記第3の領域は、前記第3の領域における他の部分に比べて局所的に屈曲し易い屈曲誘導部を有する、前記<4B>または<5B>に記載の流体吐出器。
<11B>
前記屈曲誘導部は、前記第3の領域において前記フレームの幅が極小となる幅狭部である、前記<10B>に記載の流体吐出器。
<12B>
前記幅狭部の幅は、好ましくは前記第3の領域内での最大幅の0.75倍以下0.2倍以上であり、0.5倍以下がより好ましい、前記<11B>に記載の流体吐出器。
<13B>
前記幅狭部は、好ましくは前記フレームにおける前記第1の弾性体および前記第2の弾性体の接合部分と異なる部分に設けられる、前記<11B>または<12B>に記載の流体吐出器。
<14B>
前記幅狭部は、好ましくは前記フレームの、前記流入側バルブ部と前記流出側バルブとの離隔方向上における中央に設けられる、前記<11B>〜<13B>のいずれか1に記載の流体吐出器。
<15B>
前記収容部は、好ましくは複数の前記第1の弾性体および複数の第2の弾性体を有し、
前記複数の第1の弾性体は、好ましくは前記流入側バルブ部と前記流出側バルブ部との離隔方向上の異なる位置から延出し、
前記複数の第2の弾性体は、好ましくは前記流入側バルブ部と前記流出側バルブ部との離隔方向上の異なる位置から延出する、前記<2B>〜<14B>のいずれか1に記載の流体吐出器。
<16B>
前記流体吐出器を正面視した場合に前記複数の前記第1の弾性体および複数の第2の弾性体は好ましくは各々重ならずに位置する、前記<15B>に記載の流体吐出器。
<17B>
少なくとも1の第1の弾性体および少なくとも1の複数の第2の弾性体は、平面視において、好ましくは前記第1の領域および前記第2の領域の外縁よりも前記収容空間の外側方向に突出する面を有する、前記<16B>に記載の流体吐出器。
<18B>
前記複数の第1の弾性体のうちの1つおよび他の1つは、好ましくは前記対向する第3の領域の異なる側から延出する、前記<15B>〜<17B>のいずれか1に記載の流体吐出器。
<19B>
前記複数の第1の弾性体および前記複数の第2の弾性体は、好ましくは前記フレームと結合する結合端、および前記結合端よりも幅が小さい自由端を有し、
少なくとも1つの前記第1の弾性体の結合端、および前記少なくとも1つの前記第1の弾性体に対向する前記第2の弾性体の結合端は、好ましくは前記流入側バルブ部と前記流出側バルブ部との離隔方向上で重なる位置に設けられる、前記<15B>に記載の流体吐出器。
<20B>
前記第1の弾性体および前記第2の弾性体の両端が前記フレームに結合する、前記<2B>〜<18B>のいずれか1に記載の流体吐出器。
<21B>
前記流入側バルブ部は、好ましくは前記容器本体から前記収容空間に前記流体が流入する流入口を有する流入側バルブフレームおよび流入側バルブを有し、
前記流出側バルブ部は、好ましくは前記収容空間から前記吐出口へ前記流体が流出する流出口を有する流出側バルブフレームおよび流出側バルブを有し、
前記収容部、前記流入側バルブフレーム、および前記流出側バルブフレーム、は好ましくは一体的に形成される、前記<2B>〜<20B>のいずれか1に記載の流体吐出器。
<22B>
前記第1の弾性体および前記第2の弾性体の間には好ましくは前記厚み方向上で伸縮する第3の弾性体が設けられる、前記<2B>〜<21B>のいずれか1に記載の流体吐出器。
<23B>
前記第3の弾性体は、好ましくは円錐バネまたは角錐バネである、前記<22B>に記載の流体吐出器。
<24B>
前記第1の弾性体および前記第2の弾性体は、好ましくはポンプ室Sの内側に向けて突出する壁部を有し、前記第1の弾性体の前記壁部および前記第2の弾性体の前記壁部に前記第3の弾性体が係合する、前記<22B>または<23B>に記載の流体吐出器。
<25B>
前記第3の弾性体は、好ましくは屈曲形状に形成された金属製または樹脂製の薄板バネ、高分子の多孔質体、または球形であり中空部に気体が入っている薄膜ゴムである、前記<22B>に記載の包装容器。
<むすび>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 包装容器
10 容器本体
12 フィルム
20、21 ポンプ
30,31 流入側バルブ部
32 流入側バルブフレーム
34 流入口
36 流入側バルブ
40、41、43 ポンプ室形成部
42,47 ポンプ室フレーム
421 第1の領域
422 第2の領域
423 第3の領域
423a 幅狭部
423b 肉厚部
44、45、46 板バネ
48 円錐バネ
50、51 流出側バルブ部
52 流出側バルブフレーム
54 流出口
56 流出側バルブ
60、61 シール部
62 溝
64 中空部
70 スパウト
70a 吐出口
1001 包装容器
1010 容器本体
1012 ノズル部
1019 固着部
1020、1021 ポンプ
1024 フィルム
1030、1031 流入側バルブ部
1032 流入側バルブフレーム
1034 流入口
1036 流入側バルブ
1040、1041,1043 ポンプ室形成部
1042,1047 ポンプ室フレーム
1421 第1の領域
1422 第2の領域
1423 第3の領域
1423a 幅狭部
1423b 肉厚部
1044、1045,1046 板バネ
1048 円錐バネ
1050、1051 流出側バルブ部
1052 流出側バルブフレーム
1054 流出口
1056 流出側バルブ
1070 スパウト
1070a 吐出口
1080 連結部

Claims (13)

  1. 流体を収容する容器本体、および前記容器本体に収容された前記流体を吐出口から吐出する流体吐出器を有する包装容器であって、
    前記流体吐出器は、
    前記流体の収容空間を有する可撓性の収容部と、
    前記容器本体から前記収容部への前記流体の流入を制御する流入側バルブ部と、
    前記収容空間から前記吐出口への前記流体の流出を制御する流出側バルブ部と、
    を備え、
    前記収容部は、前記流体の収容空間を形成するフレーム、および前記フレームから延出し、前記収容部への押圧により減容された前記収容空間を広げる弾性体、を有する、包装容器。
  2. 前記フレームは環状であり、
    前記収容部は、前記押圧により減容された前記収容空間を、前記フレームが位置する平面に直交する厚み方向上の一側に広げる第1の弾性体、および前記厚み方向上の他側に広げる第2の弾性体を有する、請求項1に記載の包装容器。
  3. 前記フレームの前記一側の面および前記他側の面の各々に前記容器本体を構成するフィルムが接合されることで前記収容空間が形成される、請求項2に記載の包装容器。
  4. 前記フレームは、前記流入側バルブ部に隣接する第1の領域、前記流出側バルブ部に隣接する第2の領域、および前記第1の領域と前記第2の領域の間に位置して互いに対向する一対の第3の領域を有し、
    前記第1の領域および前記第2の領域の厚みは、前記第3の領域の厚みよりも大きい、請求項2または3に記載の包装容器。
  5. 前記第3の領域の厚みは、前記流入側バルブ部と前記流出側バルブ部との離隔方向に沿って繰り返し増減する、請求項4に記載の包装容器。
  6. 前記第3の領域は、前記第3の領域における他の部分に比べて局所的に屈曲し易い屈曲誘導部を有する、請求項4または5に記載の包装容器。
  7. 前記屈曲誘導部は、前記第3の領域において前記フレームの幅が極小となる幅狭部である、請求項6に記載の包装容器。
  8. 前記収容部は、複数の前記第1の弾性体および複数の第2の弾性体を有し、
    前記複数の第1の弾性体は、前記流入側バルブ部と前記流出側バルブ部との離隔方向上の異なる位置から延出し、
    前記複数の第2の弾性体は、前記流入側バルブ部と前記流出側バルブ部との離隔方向上の異なる位置から延出する、請求項2〜7のいずれか一項に記載の包装容器。
  9. 前記包装容器を正面視した場合に前記複数の前記第1の弾性体および複数の第2の弾性体は各々重ならずに位置する、請求項8に記載の包装容器。
  10. 前記第1の弾性体および前記第2の弾性体の両端が前記フレームに結合する、請求項2〜8のいずれか一項に記載の包装容器。
  11. 前記流入側バルブ部は、前記容器本体から前記収容空間に前記流体が流入する流入口を有する流入側バルブフレームおよび流入側バルブを有し、
    前記流出側バルブ部は、前記収容空間から前記吐出口へ前記流体が流出する流出口を有する流出側バルブフレームおよび流出側バルブを有し、
    前記収容部、前記流入側バルブフレーム、および前記流出側バルブフレーム、は一体的に形成される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の包装容器。
  12. 前記第1の弾性体および前記第2の弾性体の間には、前記厚み方向上で伸縮する第3の弾性体が設けられる、請求項2〜10のいずれか一項に記載の包装容器。
  13. 包装容器に収容された流体を吐出口から吐出する流体吐出器であって、
    前記流体の収容空間を有する可撓性の収容部と、
    前記包装容器から前記収容部への前記流体の流入を制御する流入側バルブ部と、
    前記収容空間から前記吐出口への前記流体の流出を制御する流出側バルブ部と、
    を備え、
    前記収容部は、前記流体の収容空間を形成するフレーム、および前記フレームから延出し、前記収容部への押圧により減容された前記収容空間を広げる弾性体、を有する、流体吐出器。

JP2019030982A 2018-03-22 2019-02-22 包装容器 Pending JP2019167161A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201980019906.9A CN111867943B (zh) 2018-03-22 2019-03-08 包装容器和流体排出器
PCT/JP2019/009444 WO2019181575A1 (ja) 2018-03-22 2019-03-08 包装容器および流体吐出器
TW108108255A TW201940391A (zh) 2018-03-22 2019-03-12 包裝容器及流體噴出器

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018054272 2018-03-22
JP2018054271 2018-03-22
JP2018054272 2018-03-22
JP2018054271 2018-03-22

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019167161A true JP2019167161A (ja) 2019-10-03

Family

ID=68107081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019030982A Pending JP2019167161A (ja) 2018-03-22 2019-02-22 包装容器

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2019167161A (ja)
TW (1) TW201940391A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006502054A (ja) * 2002-10-07 2006-01-19 バルワー エス.アー.エス. 流体ディスペンサ
US20060255068A1 (en) * 2003-03-23 2006-11-16 Amir Genosar Flexible film package with integral dosing pump
JP6279806B1 (ja) * 2017-11-21 2018-02-14 東邦電子株式会社 携帯用薬剤容器およびその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006502054A (ja) * 2002-10-07 2006-01-19 バルワー エス.アー.エス. 流体ディスペンサ
US20060255068A1 (en) * 2003-03-23 2006-11-16 Amir Genosar Flexible film package with integral dosing pump
JP6279806B1 (ja) * 2017-11-21 2018-02-14 東邦電子株式会社 携帯用薬剤容器およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW201940391A (zh) 2019-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7111763B2 (en) Fluid-storing container
CN107531368B (zh) 容器和盖子
US20050184101A1 (en) Fluid-storing and -dispensing container
JP2004051201A (ja) 流体吐出ポンプ
CZ20012022A3 (cs) Nevytékavý uzávěr a dávkovací obal na tekutiny
JP6083706B2 (ja) 容器及びシールバー
JP2004083013A (ja) 弁機構
JP2008526636A (ja) 流れ制御要素、およびそれを組み込んだ分配構造体
JP5047161B2 (ja) 血液チューブシステム又は血液バックシステム用の管状体
JP2015009051A (ja) 容器
WO2015002104A1 (ja) 容器
WO2016186748A1 (en) Dispensing closure
JP5732700B2 (ja) フレキシブル包装袋
WO2015002105A1 (ja) 容器
WO2019181575A1 (ja) 包装容器および流体吐出器
JP2019167161A (ja) 包装容器
JP2006062700A (ja) 流動体貯留容器
KR20210077685A (ko) 튜브 용기 및 그 제조 방법
JP2015137107A (ja) 注出具、及びそのような注出具によって構成される割り栓
CN112955385A (zh) 折叠并密封柔性阀
JP2022535154A (ja) 流体分配デバイス
JP6887236B2 (ja) 吐出容器
JP2019163094A (ja) 積層剥離容器、積層剥離容器へのキャップの装着方法
JP6442793B1 (ja) チューブ容器及びその口頸体
WO2001076966A1 (en) An apparatus for spouting of pouch-type receptacle

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190315

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190319

AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20190326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190408

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190408

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230124

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230718