JP2019166982A - 車両の制動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電源失陥時であっても、車両を確実に減速して停止させるとともに、停止状態に保つことが可能な車両の制動装置を提供する。【解決手段】車輪を制動して車両を減速、停止させる電動ブレーキ21と、車輪を固定し、車両を停止状態に保つ電動パーキングブレーキ22と、電動ブレーキ21と電動パーキングブレーキ22とに給電する主電源31と、主電源31により充電され、電動ブレーキ21と電動パーキングブレーキ22とに給電するバックアップ電源32と、電動ブレーキ21、電動パーキングブレーキ22、主電源31、およびバックアップ電源32をそれぞれ制御する制御部6とを備える。主電源31が失陥したとき、制御部6は、主電源31からバックアップ電源32に切り替え、車両の車速がゼロである場合、バックアップ電源32からの給電により電動パーキングブレーキ22の作動を制御する。【選択図】図1
Description
本発明は、車両の制動装置に関する。
車両において、電子制御により所望の制動力を生じさせる各種の制動装置が知られている(特許文献1参照)。例えば、電動ブレーキは、電子制御により車輪を制動し、車両を減速、停止させる。また、電動パーキングブレーキは、電子制御により車輪を固定し、車両を停止状態に保つ。
電動ブレーキおよび電動パーキングブレーキは、いずれも電源装置(例えば、12Vバッテリ)から電力供給されて作動する。したがって、電源装置の故障などによる電源失陥時であっても、車両を確実に減速させるとともに、停止状態に保つことが求められる。
本発明は、これを踏まえてなされたものであり、その目的は、電源失陥時であっても、車両を確実に減速して停止させるとともに、停止状態に保つことが可能な車両の制動装置を提供することにある。
本発明の車両の制動装置は、車輪を制動して車両を減速、停止させる電動ブレーキと、車輪を固定し、車両を停止状態に保つ電動パーキングブレーキと、電動ブレーキと電動パーキングブレーキとに給電する主電源と、主電源により充電され、電動ブレーキと電動パーキングブレーキとに給電するバックアップ電源と、電動ブレーキ、電動パーキングブレーキ、主電源、およびバックアップ電源をそれぞれ制御する制御部とを備える。主電源が失陥したとき、制御部は、主電源からバックアップ電源に切り替え、車両の車速がゼロである場合、バックアップ電源からの給電により電動パーキングブレーキの作動を制御する。
制御部は、車両の車速がゼロでない場合、バックアップ電源からの給電により電動ブレーキの作動を制御する。
制御部は、電動パーキングブレーキの作動に要する最低限の充電残量をバックアップ電源に残して、バックアップ電源から電動ブレーキに給電させる。
制御部は、最低限の充電残量を示す第1の閾値に応じてバックアップ電源から電動ブレーキに給電させ、道路勾配を含む所定条件に応じて第1の閾値を設定変更する。
制御部は、電動ブレーキの自動制御を開始するバックアップ電源の充電残量を示す第2の閾値に応じてバックアップ電源から電動ブレーキに給電させる。第2の閾値は、第1の閾値よりも大きな値に設定される。
制御部は、道路勾配を含む所定条件に応じて第2の閾値を設定変更する。
制御部によって制御され、車両の状態を通知する通知部を備える。通知部は、バックアップ電源の充電残量と第1の閾値とを少なくとも表示して通知する。
本発明の車両の制動装置によれば、電源失陥時であっても、車両を確実に減速して停止させることができるとともに、停止状態に保つことができる。
以下、本発明の実施形態に係る車両の制動装置(以下、単に制動装置という)について、図1から図5を参照して説明する。本実施形態の制動装置は、電子制御により作動して車両を減速、停止させる装置であり、電動ブレーキと電動パーキングブレーキを含んで構成されている。本実施形態の制動装置が搭載される車両は、自家用の乗用自動車、あるいはトラックやバスなどの事業用自動車のいずれであってもよく、用途や車種は特に問わない。車両の駆動源は、内燃機関(エンジン)であっても、電動モータであっても、これらの双方であってもよい。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る制動装置1のブロック図である。図1に示すように、制動装置1は、制動部2と、電源部3と、検出部4と、通知部5と、制御部6とを備えている。
図1は、第1の実施形態に係る制動装置1のブロック図である。図1に示すように、制動装置1は、制動部2と、電源部3と、検出部4と、通知部5と、制御部6とを備えている。
制動部2は、電動ブレーキ21と、電動パーキングブレーキ22と、油圧ユニット23とを含んで構成されている。電動ブレーキ21、電動パーキングブレーキ22、および油圧ユニット23は、制御部6によって動作がそれぞれ制御される。
電動ブレーキ21は、電子制御により車輪を制動し、車両を減速、停止させる。電動ブレーキ21は、ブレーキペダル、踏込量検出部、ブレーキ部(いずれも図示省略)などを含んで構成されている。運転者によってブレーキペダルが踏込操作されると、踏込量検出部は、ブレーキペダルの踏込量を検出する。ブレーキ部は、踏込量検出部によって検出されたブレーキペダルの踏込量に応じて車輪を制動する。ブレーキ部は、例えばブレーキパッドやブレーキシューなどの押圧部材(制動部材)、ディスクロータやドラムなどの回転部材(被制動部材)、キャリパ、ブレーキアクチュエータ(電動モータ)、ピストン、歯車機構(いずれも図示省略)などを含んで構成される。回転部材は、車輪とともに回転する。ブレーキアクチュエータは、ブレーキペダルの踏込によって作動する。ブレーキアクチュエータが作動すると、歯車機構を介してキャリパのピストンが進退し、それに伴って押圧部材が回転部材に向けて進退する。
電動パーキングブレーキ22は、電子制御により車輪(一例として後輪)を固定し、車両を停止状態に保つ。電動パーキングブレーキ22は、操作部、パーキングブレーキ部(いずれも図示省略)などを含んで構成されている。パーキングブレーキ部は、運転者による操作部(スイッチやボタンなど)の操作に応じて作動または停止し、車輪を固定または固定解除する。パーキングブレーキ部は、例えばブレーキパッドやブレーキシューなどの押圧部材(制動部材)、ディスクロータやドラムなどの回転部材(被制動部材)、パーキングブレーキアクチュエータ(電動モータ)、パーキングブレーキワイヤ(いずれも図示省略)などを含んで構成される。押圧部材および回転部材は、ブレーキ部と共通で構わない。パーキングブレーキアクチュエータは、操作部の操作に応じて作動する。パーキングブレーキアクチュエータが作動すると、パーキングブレーキワイヤが緊張または弛緩し、それに伴って押圧部材が回転部材に向けて進退する。
油圧ユニット(HU:Hydraulic Unit)23は、キャリパのホイールシリンダにおけるブレーキフルードの液圧(油圧)を調整してピストンを進退させる。油圧ユニット23は、例えばホイールシリンダにおけるブレーキフルードの液圧を増圧することで制動力の低下をカバーし、ブレーキフルードの液圧を減圧することで車輪のグリップ力を回復させる。油圧ユニット23は、油圧路、バルブ、ポンプ、油圧アクチュエータ(電動モータ)(いずれも図示省略)などを含んで構成されている。油圧路は、ブレーキフルードの流路であり、アクチュエーションユニットのマスタシリンダとキャリパとの間を繋いでいる。アクチュエーションユニットは、例えばマスタシリンダ、ブレーキブースタ、リザーバ(いずれも図示省略)などを含んで構成されている。
電源部3は、電気エネルギーの充放電が可能な蓄電装置であり、第1の電源部(以下、主電源という)31と、第2の電源部(以下、バックアップ電源という)32とを含んで構成されている。主電源31およびバックアップ電源32は、制御部6によって動作がそれぞれ制御される。
主電源31は、第1の給電路7に接続されている。第1の給電路7には、主電源31の他、電動ブレーキ21、電動パーキングブレーキ22、油圧ユニット23、およびバックアップ電源32がそれぞれ接続されている。主電源31が失陥していない場合(以下、通常時という)、主電源31は、第1の給電路7を通じて電動ブレーキ21、電動パーキングブレーキ22、および油圧ユニット23にそれぞれ電力供給(給電)し、これらを作動させる。また、通常時において、主電源31は、第1の給電路7を通じてバックアップ電源32を充電している。主電源31の態様は限定されない。本実施形態では、12Vバッテリを主電源31として適用している。
主電源31の失陥(以下、電源失陥ともいう)とは、原因や理由の如何を問わず、第1の給電路7を通じた主電源31からの給電が遮断されている状態を指す。具体的には、主電源31の故障、第1の給電路7の切断(例えば主電源31と制動部2とを接続するワイヤハーネスの断線)、コネクタの外れや緩みなどが該当する。
バックアップ電源32は、第1の給電路7に加えて、第2の給電路8に接続されている。第2の給電路8には、バックアップ電源32の他、電動ブレーキ21、電動パーキングブレーキ22、および油圧ユニット23がそれぞれ接続されている。通常時において、バックアップ電源32は、第1の給電路7を通じて主電源31によって充電され、フル充電状態となっている。そして、電源失陥時において、バックアップ電源32は、第2の給電路8を通じて電動ブレーキ21、電動パーキングブレーキ22、および油圧ユニット23にそれぞれ給電し、これらを作動させる。これにより、電源失陥時であっても、車両を確実に減速することができるとともに、停止状態に保つことができる。バックアップ電源32としては、例えば主電源31と同様に12Vバッテリを適用してもよいし、緊急時のレスポンスを考慮してキャパシタなどを適用してもよい。
検出部4は、制御部6によって動作が制御されて車両自体の状態を検出し、制御部6に対して検出結果を与える。検出部4は、例えば第1の給電路7の通電を検出する通電センサ、バックアップ電源32の充電残量を検出する残量センサ、車両のシフトレバーの位置を検出するシフトポジションセンサやギアポジションセンサ、自車両の車速を検出する車速センサ、アクセルペダルの開度(操作態様)を検出するアクセル開度センサ、ブレーキペダルの踏み込みを検出するブレーキセンサ、車両の傾き(道路勾配)を検出するピッチ角センサ、車両に設けられたボタンやスイッチなどの操作(ON/OFF、切換)センサなどの各種のセンサである。これにより、検出部4は、第1の給電路7の通電有無(電源失陥の発生有無)、バックアップ電源32の充電残量、シフトレバーの位置、ブレーキ操作の有無、車速、傾き、ボタン等の操作有無などの各種の車両情報の検出(データ取得)が可能な構成とされている。
通知部5は、制御部6によって動作が制御され、車両自体の状態を運転者に通知する。すなわち、通知部5は、制御部6の出力装置として機能する。具体的には、通知メッセージの表示、通知灯の点灯(点滅)を行うカーナビのモニタ(ディスプレイ)やインパネ、通知音等を発するスピーカなど、各種の出力装置が通知部5に該当する。
本実施形態において、通知部5は、制御部6による車両の制動状態の通知を行う。具体的には、電源失陥時における主電源31からバックアップ電源32への切替開始、バックアップ電源32の充電残量、該充電残量に占める電動ブレーキ21および電動パーキングブレーキ22に対して給電可能な充電残量の閾値の通知などを行う。バックアップ電源32の充電残量は、給電可能な電気エネルギーの残量(給電残量)である。これにより、車両の運転者は、通知部5によるこれらの通知内容を確認しながら電動ブレーキ21を作動させるとともに、電動パーキングブレーキ22を作動させることができる。したがって、電源失陥時により確実に車両を減速し、停止状態に保つことが可能となる。なお、通知部5は、主電源31およびバックアップ電源32のいずれからも給電可能であることが望ましい。例えば、電源失陥時にはバックアップ電源32からの給電に切り替え、通知部5による通知を継続可能とすればよい。
バックアップ電源32の充電残量の閾値として、本実施形態では2つの閾値を設定している。バックアップ電源32の充電残量のうち、第1の閾値は、電動パーキングブレーキ22を作動させるための充電残量を示す値であり、第2の閾値は、電動ブレーキ21を作動させるための充電残量を示す値である。
第1の閾値は、後述する自動制動時に電動パーキングブレーキ22を作動させる必要最低限の充電残量値として設定されている。これに対し、第2の閾値は、自動制動への切り替えが必要で、かつ自動制動時の電動ブレーキ21の作動により車両を停止可能な充電残量値として設定されている。第2の閾値は、第1の閾値よりも大きな値、例えば電動パーキングブレーキ22に加えて、電動ブレーキ21を数回作動させることが可能な程度の充電残量値に設定される。
バックアップ電源32の充電残量が第2の閾値を超えている場合、制御部6は、バックアップ電源32から電動ブレーキ21に給電させ、運転者のブレーキペダルの踏込操作に応じて電動ブレーキ21を作動させる。次いで、充電残量が第2の閾値以下になった場合、制御部6は、自動制動に切り替え、充電残量が第1の閾値を超えている限り、バックアップ電源32から電動ブレーキ21への給電を継続させる。そして、充電残量が第1の閾値以下になった場合、制御部6は、バックアップ電源32から電動ブレーキ21への給電を止め、電動パーキングブレーキ22を作動させるための充電残量を確保する。この場合には、電動パーキングブレーキ22のみが作動可能となる。
第1の閾値および第2の閾値は、例えば、制御部6のメモリにそれぞれ格納され、後述するバックアップ電源32の充電残量を判定する際、プログラムの引数(パラメータ)として読み出される。本実施形態において、第1の閾値および第2の閾値は、固定値とするが、変動値であってもよい。変動値とする場合については、第2の実施形態として後述する。
制御部6は、電源部3および制動部2の動作をそれぞれ制御し、電源部3から制動部2に給電させて車両を制動する。また、制御部6は、検出部4および通知部5の動作をそれぞれ制御し、検出部4の検出結果に基づいて電源部3および制動部2の動作をそれぞれ制御するとともに、該制御状態を通知部5に通知させる。制御部6の制御内容については、後述する制動装置1における制動時の制御(図2に示す制御フロー)の説明の中で詳述する。
制御部6は、CPU、メモリ(記憶装置)、入出力回路、タイマなどを備えたマイクロコンピュータとして構成されている。制御部6は、各種データを入出力回路により読み込み、メモリから読み出したプログラムを用いてCPUで演算処理し、処理結果に基づいて車両の制動を行う。例えば、制御部6を車両ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)として構成し、車両ECUが実行する制御の一つとして、制動を行わせればよい。また例えば、電源部3(主電源31、バックアップ電源32)および制動部2(電動ブレーキ21、電動パーキングブレーキ22、油圧ユニット23)に個別の制御部をそれぞれ設け、各制御部によって電源部3および制動部2の動作を制御してもよい。
このような構成をなす制動装置1は、次のように車両の制動を行う。図2には、本実施形態において制動装置1によって行われる制動時の制御フローを示す。以下、図2に示すフローに従って、制動装置1による制御とその作用について説明する。なお、通常時において、第2の給電路8は遮断され、第1の給電路7は通電しており、第1の給電路7を通じて主電源31から制動部2に給電されている。
制動装置1が車両を制動するにあたって、制御部6は、主電源31の失陥が発生しているか否かを判定する(S101)。本実施形態において、制御部6は、検出部4による第1の給電路7の通電有無の検出結果に基づいて、主電源31の失陥有無を判定する。制御部6は、第1の給電路7が通電していることが検出されている場合、主電源31が失陥していないと判定し、第1の給電路7が通電していないことが検出されている場合、主電源31が失陥していると判定する。
S101において主電源31が失陥していないと判定した場合、制御部6は、引き続き主電源31から制動部2(電動ブレーキ21、電動パーキングブレーキ22、油圧ユニット23)にそれぞれ給電させ、制動部2の動作を制御する(S102)。この場合、制御部6は、第2の給電路8に切り替えることなく、第1の給電路7を通じて主電源31から制動部2への給電を継続させる。制動部2は、主電源31から給電され、運転者の操作によって車両を適宜減速、停止させる。
S101において主電源31が失陥していると判定した場合、制御部6は、主電源31からバックアップ電源32に切り替え、バックアップ電源32から制動部2に給電させ、制動部2の動作を継続可能とする(S103)。この場合、制御部6は、第1の給電路7から第2の給電路8に切り替え、第2の給電路8を通じてバックアップ電源32から制動部2への給電を開始させる。このように給電路を切り替える際には、例えばスイッチ制御などによって第1の給電路7を遮断するとともに、第2の給電路8を通電させる。
その際、制御部6は、主電源31からバックアップ電源32に切り替わり、バックアップ電源32からの給電が開始された旨を通知部5に通知させる(S104)。このような通知は、主電源31が失陥していることも意味する。図3に示すように、本実施形態では一例として、バックアップ電源32の充電残量(C)とともに、第1の閾値(実線T1)および第2の閾値(破線T2)を1つのインジケータ9中に表示する。充電残量(C)は、給電開始時のフル充電状態(F)から放電状態(E)まで徐々に減少する。これにより、充電残量(C)、第1の閾値(実線T1)および第2の閾値(破線T2)を目視により簡潔、明瞭に車両の運転者に認識させることができる。したがって、電源失陥への迅速な対処を運転者に促すことができ、車両が走行中であれば、運転者は、直ちに車両を減速させ、路肩などへ安全に停止させることが可能となる。
なお、インジケータ9は、常時表示させておいてもよい。この場合、バックアップ電源32に切り替わった際、インジケータ9の表示の輝度を変更したり、警報音を発したりするなどにより、インジケータ9に注目させるような通知を改めて行えばよい。また、第1の閾値(実線T1)および第2の閾値(破線T2)の表示は、省略してもよい。例えば、第2の閾値(破線T2)の表示を省略し、第1の閾値(実線T1)のみを表示させてもよい。これにより、電動パーキングブレーキ22を作動させる必要最低限の充電残量値に達するまでの現状のバックアップ電源の充電残量を一目で運転者に認識させることができる。
通知後、制御部6は、車速がゼロであるか否か、つまり車両が走行中であるか否かを判定する(S105)。本実施形態において、制御部6は、検出部4による車速の検出結果に基づいて判定を行う。
S105において車速がゼロではない(つまり車両が走行中である)と判定した場合、制御部6は、自動制動の要否を判定する(S106)。本実施形態において、制御部6は、検出部4によるバックアップ電源32の充電残量の検出値を第2の閾値と比較する。比較の結果、制御部6は、充電残量が第2の閾値を超えていれば、自動制動は不要と判定し、充電残量が第2の閾値以下であれば、自動制動が必要と判定する。
S106において自動制動は不要と判定した場合、制御部6は、運転者のブレーキペダルの踏込操作に応じて電動ブレーキ21を作動させ、車両を減速させる(S107)。その際、制御部6は、第2の給電路8を通じてバックアップ電源32から電動ブレーキ21に給電させる。
そして、制御部6は、減速した車両の車速がゼロであるか否かを再び判定する(S105)。換言すれば、制御部6は、電動ブレーキ21の作動によって車両が減速され、停止したか否かを判定する。判定の結果、車速がゼロでなければ、制御部6は、S106以降の制御を繰り返す。
S105において車速がゼロである、つまり車両が停止したと判定した場合、制御部6は、運転者の操作部(スイッチやボタンなど)の操作に応じて電動パーキングブレーキ22を作動させ、車両を停止状態に保つ(S108)。その際、制御部6は、第2の給電路8を通じてバックアップ電源32から電動パーキングブレーキ22に給電させる。
一方、S106において自動制動が必要と判定した場合、制御部6は、車両の自動制動を行う。この場合の自動制動は、バックアップ電源32の充電残量が第2の閾値以下まで低下している状態における緊急措置である。すなわち、バックアップ電源32の充電残量が少なくなっているため、制御部6は、電動ブレーキ21により確実に車両を減速、停止させて、電動パーキングブレーキ22を作動させるための充電残量を確保するように、バックアップ電源32からの給電を制御する。
自動制動を行うにあたって、制御部6は、通知部5にその旨を通知させる(S109)。例えば、ほどなくして車両が減速され、停止する旨などをメッセージ表示や音声などで通知させればよい。あるいは、警告灯を点灯(点滅)させたり、警報音を発したりしてもよい。要は、自動制動がなされる旨を簡潔、明瞭に車両の運転者に認識させる通知方法であれば何でもよい。
通知後、制御部6は、車両のアクセル操作を禁止する(S110)。アクセル操作を禁止するのは、車両が再加速されるのを禁止し、迅速に減速して停止させるためである。したがって、制御部6は、自動制動の制御を終了するまでアクセル操作を禁止する。その際、制御部6は、車両の駆動装置(図示省略)などの動作を制御する。ただし、駐車車両等の障害物を回避する場合などは、アクセル操作の禁止を解除可能である。
アクセル操作を禁止した状態で、制御部6は、電動ブレーキ21を自動で作動させ、車両を減速させる(S111)。その際、制御部6は、電動ブレーキ21を自動作動させるととともに、車両を自動操舵させてもよい。これにより、車両を減速させながら、例えばステアリングを自動操作させて車両を路肩に寄せることなどが可能となる。そして、制御部6は、減速した車両の車速がゼロであるか否かを判定する(S112)。
S112において車速がゼロである、つまり車両が停止したと判定した場合、制御部6は、電動パーキングブレーキ22を自動で作動させ、車両を停止状態に保つ(S113)。
一方、S112において車速がゼロではない、つまり車両が停止していないと判定した場合、制御部6は、バックアップ電源32から電動ブレーキ21への給電の継続可否を判定する(S114)。本実施形態において、制御部6は、検出部4によるバックアップ電源32の充電残量の検出値を第1の閾値と比較する。比較の結果、制御部6は、充電残量が第1の閾値を超えていれば、バックアップ電源32から電動ブレーキ21への給電が継続できると判定し、充電残量が第1の閾値以下であれば、バックアップ電源32から電動ブレーキ21への給電が継続できないと判定する。
S114において給電が継続できると判定した場合、制御部6は、電動ブレーキ21を自動でさらに作動させ、車両を減速させる(S111)。
一方、S114において給電が継続できないと判定した場合、制御部6は、電動パーキングブレーキ22を自動で作動させ、車両を減速させて停止させるとともに、停止状態に保つ(S113)。ここでの電動パーキングブレーキ22の自動での作動は、バックアップ電源32の充電残量が極めて少なくなっているための緊急措置である。なお、バックアップ電源32の充電残量が第1の閾値以下となるまでは、電動ブレーキ21による減速がなされる(S111)ため、車両を十分に減速させることができる。したがって、電動パーキングブレーキ22を自動作動させた場合であっても、車両を安全に停止できるとともに、停止状態に保つことができる。
車両が停止状態に保たれると、制御部6は、自動制動を終了する旨を通知部5に通知させる(S115)。例えば、車両が安全に減速され、停止した旨などをメッセージ表示や音声などで通知させればよい。あるいは、通知灯を点灯(点滅)させたり、通知音を発したりしてもよい。要は、自動制動が終了した旨を簡潔、明瞭に車両の運転者に認識させる通知方法であれば何でもよい。
運転者による手動での制動(S107,S108)もしくは制御部6による自動での制動(S111,S113)によって車両が停止状態に保たれると、制御部6(端的には、制御装置)は、電源失陥時の制動制御を終了する。その際、制御部6は、電源失陥時の制動制御を終了する旨を通知部5に通知させてもよい。
このように本実施形態によれば、電源失陥時であっても、主電源31からバックアップ電源32に切り替えて制動部2を作動させ、車両を減速、停止させることができる。その際、制御部6は、バックアップ電源32の充電残量を第1の閾値および第2の閾値を用いて制御する。これにより、電源失陥時にバックアップ電源32からの給電が開始された場合であっても、運転者による手動制動によって車両を減速、停止させ、停止状態に保つことができる。手動制動によって車両が停止されない場合であっても、自動制動によって車両を確実に減速、停止させることができる。この場合、電動ブレーキ21を自動作動させた場合であっても、バックアップ電源32には電動パーキングブレーキ22を作動させるために必要な充電残量が確保されているので、車両を確実に停止状態に保つことができる。したがって、電源失陥時であっても、車両を安全に停止状態に保ち、電源失陥を解消するための適切な措置を迅速にとることが可能となる。
上述した本実施形態においては、第1の閾値および第2の閾値を固定値としている。電源失陥時、制御部6は、バックアップ電源32の充電残量をこれらの閾値を用いて制御するが、その際にこれらの閾値を所定条件下で変動させてもよい。以下、このように第1の閾値および第2の閾値を変動させる場合について、第2の実施形態として説明する。第2の実施形態の制動装置1は、図1に示す本実施形態の制動装置1と同様である。
(第2の実施形態)
図4および図5には、本実施形態において制動装置1によって行われる制動時の制御のフローを示す。なお、本実施形態の制御フローは、第1の実施形態の制御フロー(図2)に第2の実施形態に特有の制御を適宜付加するものである。したがって、上述した第1の実施形態と同一もしくは同様の制御については、同一のステップ番号を付して説明を省略し、第2の実施形態に特有の制御についてのみ説明する。
図4および図5には、本実施形態において制動装置1によって行われる制動時の制御のフローを示す。なお、本実施形態の制御フローは、第1の実施形態の制御フロー(図2)に第2の実施形態に特有の制御を適宜付加するものである。したがって、上述した第1の実施形態と同一もしくは同様の制御については、同一のステップ番号を付して説明を省略し、第2の実施形態に特有の制御についてのみ説明する。
本実施形態では、S105において車速がゼロではない(車両が走行中である)と判定した場合、制御部6は、所定条件(以下、第2の閾値変更条件という)を満たすか否かを判定する(S201)。本実施形態では、車両の傾き(道路勾配)が所定の斜度(以下、第2の斜度閾値という)を超えているか否かを第1の閾値変更条件とし、制御部6が第2の閾値変更条件の判定を行う。
判定にあたって、制御部6は、検出部4による車両の傾きを第2の斜度閾値と比較する。比較の結果、車両の傾きが第2の斜度閾値を超えていれば、第2の閾値変更条件を満たすと判定し、車両の傾きが第2の斜度閾値以下であれば、第2の閾値変更条件を満たさないと判定する。
S201において第2の閾値変更条件を満たさないと判定した場合、制御部6は、第2の閾値を設定変更しない。そして、制御部6は、第1の実施形態と同様にS106以降の制御を適宜行う。
これに対し、S201において第2の閾値変更条件を満たすと判定した場合、制御部6は、第2の閾値を設定変更する(S202)。この場合、車両の傾きが第2の斜度閾値を超えている、つまり、車両が第2の斜度閾値を超える勾配の道路を走行していることを意味する。したがって、制御部6は、電動ブレーキ21を平坦路(斜度がゼロ)のときよりも強く作用させるべく、第2の閾値を下げる。これにより、バックアップ電源32の充電残量のうち、自動制動が開始されるまでに電動ブレーキ21に対して給電可能な充電残量の割合を増やすことができる。この結果、急勾配の坂道を走行している場合であっても、車両を確実に減速、停止させることができる。なお、第2の閾値を上げて、バックアップ電源32の充電残量のうち、自動制御開始後に電動ブレーキ21に対して給電可能な充電残量の割合を増やしてもよい。
また、本実施形態では、S112において車速がゼロではない(車両が停止していない)と判定した場合、制御部6は、所定条件(以下、第1の閾値変更条件という)を満たすか否かを判定する(S203)。本実施形態では、車両の傾き(道路勾配)が所定の斜度(以下、第1の斜度閾値という)を超えているか否かを第1の閾値変更条件とし、制御部6が第1の閾値変更条件の判定を行う。第1の斜度閾値は、第2の斜度閾値と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
判定にあたって、制御部6は、検出部4による車両の傾きを第1の斜度閾値と比較する。比較の結果、車両の傾きが第1の斜度閾値を超えていれば、第1の閾値変更条件を満たすと判定し、車両の傾きが第1の斜度閾値以下であれば、第1の閾値変更条件を満たさないと判定する。
S203において第1の閾値変更条件を満たさないと判定した場合、制御部6は、第1の閾値を設定変更しない。そして、制御部6は、第1の実施形態と同様にS114以降の制御を適宜行う。
これに対し、S203において第1の閾値変更条件を満たすと判定した場合、制御部6は、第1の閾値を設定変更する(S204)。この場合、車両が第1の斜度閾値を超える勾配の道路で停止しようとしていることを意味する。したがって、制御部6は、電動パーキングブレーキ22を平坦路(斜度がゼロ)のときよりも強く作用させるべく、第1の閾値を上げる。これにより、バックアップ電源32の充電残量に占める電動パーキングブレーキ22に対する給電可能量の割合を増やすことができる。この結果、急勾配の坂道に停止した場合であっても、車両を確実に停止状態に保つことができる。
なお、設定変更の有無に関わらず、第1の閾値および第2の閾値は、電源失陥時の制動制御を終了する前に初期値にリセットする。
このように、本実施形態によれば、電源失陥時においてよりきめ細やかに車両を減速させ、停止状態に保つことが可能となる。
なお、本実施形態では、車両の傾きに基づいて第1の閾値変更条件および第2の閾値変更条件を判定しているが、降雨雪や強風等の天候状況、道路の舗装状況などを検出部4で検出し、その検出結果に基づいて判定してもよい。例えば、積雪中や未舗装道路の走行時には、晴天下や舗装道路の走行時よりも第1の閾値を下げ、第2の閾値を上げるように変更することが可能である。
1…制動装置、2…制動部、3…電源部、4…検出部、5…通知部、6…制御部、7…第1の給電路、8…第2の給電路、9…インジケータ、21…電動ブレーキ、22…電動パーキングブレーキ、23…油圧ユニット、31…第1の電源部(主電源)、32…第2の電源部(バックアップ電源)、T1…第1の閾値、T2…第2の閾値。
Claims (7)
- 車輪を制動して車両を減速、停止させる電動ブレーキと、
前記車輪を固定し、前記車両を停止状態に保つ電動パーキングブレーキと、
前記電動ブレーキと前記電動パーキングブレーキとに給電する主電源と、
前記主電源により充電され、前記電動ブレーキと前記電動パーキングブレーキとに給電するバックアップ電源と、
前記電動ブレーキ、前記電動パーキングブレーキ、前記主電源、および前記バックアップ電源をそれぞれ制御する制御部と、を備え、
前記主電源が失陥したとき、前記制御部は、前記主電源から前記バックアップ電源に切り替え、前記車両の車速がゼロである場合、前記バックアップ電源からの給電により前記電動パーキングブレーキの作動を制御する
ことを特徴とする車両の制動装置。 - 前記制御部は、前記車両の車速がゼロでない場合、前記バックアップ電源からの給電により前記電動ブレーキの作動を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制動装置。 - 前記制御部は、前記電動パーキングブレーキの作動に要する最低限の充電残量を前記バックアップ電源に残して、前記バックアップ電源から前記電動ブレーキに給電させる
ことを特徴とする請求項2に記載の車両の制動装置。 - 前記制御部は、前記最低限の充電残量を示す第1の閾値に応じて前記バックアップ電源から前記電動ブレーキに給電させ、道路勾配を含む所定条件に応じて前記第1の閾値を設定変更する
ことを特徴とする請求項3に記載の車両の制動装置。 - 前記制御部は、前記電動ブレーキの自動制御を開始する前記バックアップ電源の充電残量を示す第2の閾値に応じて前記バックアップ電源から前記電動ブレーキに給電させ、
前記第2の閾値は、前記第1の閾値よりも大きな値に設定される
ことを特徴とする請求項4に記載の車両の制動装置。 - 前記制御部は、道路勾配を含む所定条件に応じて前記第2の閾値を設定変更する
ことを特徴とする請求項5に記載の車両の制動装置。 - 前記制御部によって制御され、前記車両の状態を通知する通知部を備え、
前記通知部は、前記バックアップ電源の充電残量と前記第1の閾値とを少なくとも表示して通知する
ことを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の車両の制動装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2018056418A JP2019166982A (ja) | 2018-03-23 | 2018-03-23 | 車両の制動装置 |
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JP2018056418A JP2019166982A (ja) | 2018-03-23 | 2018-03-23 | 車両の制動装置 |
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JP2019166982A true JP2019166982A (ja) | 2019-10-03 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114103932A (zh) * | 2020-09-01 | 2022-03-01 | 丰田自动车株式会社 | 车辆控制装置 |
-
2018
- 2018-03-23 JP JP2018056418A patent/JP2019166982A/ja active Pending
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