JP2019166494A - 排ガス処理装置及び排ガス処理装置の製造方法 - Google Patents
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本実施形態の排ガス処理装置は、複数のミスト除去装置を有するミストキャッチャーを備えている。排ガス処理装置は、火力発電プラントの石炭焚きボイラから排出される排ガスの処理に用いられる装置である。
図1に示すように、火力発電プラント50は、燃料を燃焼させるボイラ52(燃焼プラント)と、ボイラ52から排出される排ガスEGを処理する排ガス処理装置51と、を有している。
排ガス処理装置51は、排ガスEGの上流側より順に、電気集塵機53と、熱回収器54と、冷却塔55と、第一ミストキャッチャー1A(1)と、吸収塔56と、第二ミストキャッチャー1B(1)と、再加熱器57と、煙突58と、を備えている。
熱回収器54で回収された熱は、再加熱器57において排ガスEGの昇温に利用される。冷却塔55は、高温の排ガスEGを冷却する設備である。第一ミストキャッチャー1Aは、冷却塔55から排出される排ガスEGに含まれるミストを除去する。吸収塔56は、排ガスEGに含まれる化学物質を吸収剤を用いて除去する設備である。第二ミストキャッチャー1Bは、吸収塔56から排出される排ガスEGに含まれるミストを除去する。再加熱器57で再加熱された排ガスEGは、煙突58から大気放出される。
本実施形態のミストキャッチャー1は、複数のミスト除去装置2(図6参照)から構成されている。
なお、排ガス処理装置51の構成は、上記した構成に限ることはない。
図2に示すように、ミストキャッチャー1は、排ガスEGが流れるダクト60(流路)に配置されている。ミストキャッチャー1は、排ガスEGの流れ方向Fに沿って互いに平行に配置されている複数の波板部材3を有している。ダクト60の幅方向Wに隣り合う波板部材3の間には、ダクト60と連通して屈曲するミスト除去通路4が形成されている。即ち、波板部材3は、ミスト除去通路4を屈曲させるように波状に折り曲げられている。
本実施形態のミストキャッチャー1は、二段で構成されており、上流側のミストキャッチャー1Uの波板部材3Uの形状と、下流側にミストキャッチャー1Dの波板部材3Dの形状は異なる。具体的には、上流側のミストキャッチャー1Uの波板部材3Uは、一つの山部5を有しており、下流側のミストキャッチャー1Dの波板部材3Dは、二つの山部5を有している。
上記構成によれば、上流側のミストキャッチャー1Uでミストの粗取りと行い、下流側のミストキャッチャー1Dで、上流側のミストキャッチャー1Uで取り切れなかったミストを除去することができる。また、上流側のミストキャッチャー1Uにおける圧力損失を低減することができる。
図3は、ダクト60に取り付けられたミストキャッチャー1の側面図であり、図4は、ダクト60に取り付けられたミストキャッチャー1(複数のミスト除去装置2)の正面図であり、図5は、ダクト60におけるミストキャッチャー1を収容する構造を説明する斜視図である。
ミストキャッチャー1は、例えば、8つのミスト除去装置2から構成されている。ミスト除去装置2の数は、コストやダクト60の幅に応じて適宜変更することができる。
ダクト60には、一対の側壁62間にわたって幅方向Wに延在し、ミスト除去装置2の着脱の際にミスト除去装置2をガイドする中間ガイド機構78が設けられている。
本実施形態のダクト60の高さは、約8mであり、ミスト除去装置2の上下方向の長さは、これに対応して約8mである。
図6、図7及び図8に示すように、ミスト除去装置2Dは、複数の波板部材3Dと一対の側板部材6とを有するユニット7と、天井蓋20と、を有している。波板部材3Dと側板部材6とは、金属によって形成されている。波板部材3Dと側板部材6を形成する金属としては、例えば、SUS316などのステンレス鋼材が好ましい。複数の波板部材3Dは、締結機構15を用いてユニット化されている。
天井蓋20は、マンホール64(図3参照)に取り付けられてマンホール64を封止する。
ユニット7は、ミスト除去装置2の吊り下げに使用される複数のフック用孔14を有している。フック用孔14には、ホイスト90のフック93を引っ掛けることができる。
複数の波板部材3Dは、互いに山部5が流れ方向Fで揃うように配置されている。波板部材3D同士の間に形成されるミスト除去通路4は、流れ方向Fに沿って屈曲を繰り返す形状をなしている。
ボルト16は、外周面に雄ネジ溝が形成された棒状の部材である。ボルト16の両端は、最外部波板部材3DAから突出しないように最外部波板部材3DAに溶接により固定されている。
スペーサ管17の内径は、ボルト16の外径より大きく、且つ、スペーサ管17の外径は、貫通孔13より大きい。スペーサ管17は、スペーサ管17の長さが隣り合う波板部材3Dの間隔に対応するように形成されている。
図9に示すように、締結機構15は、上下方向に間隔をあけて複数設けられている。
ユニット7の長さLと、ユニット7の厚さTに着目すると、L/T≧20である。即ち、ユニット7は上下方向に長い形状を有している。
天井蓋20は、天井蓋本体21と、スプレーパイプ22と、を有している。スプレーパイプ22は、図示しない洗浄水供給源と接続されるパイプ部23と、パイプ部23の下端に接続されたノズル部24と、を有している。パイプ部23は、天井蓋本体21を貫通するように取り付けられている。ノズル部24は、天井蓋20を取り付けた際に、一対の最外部波板部材3DA間に形成される空間Sに配置されて下方に洗浄水を噴出する。これにより、内側波板部材3DBに向かって洗浄水が噴射される。
内側波板部材3DBを構成する一の波板部材片8と他の波板部材片8の分割箇所Dの位置は、二つの隣り合う内側波板部材3DB間で上下方向V(着脱方向)にずらされている。本実施形態のミスト除去装置2は、一の分割箇所Dと、一の分割箇所Dと上下方向Vの位置が異なる他の分割箇所Dとが、幅方向Wで交互に配置されるように構成されている。
なお、上下方向Vに隣り合う波板部材片8間には、ミスト除去装置2の性能を落とさない程度に所定の隙間が形成されている。
既設の中間梁79は、マンホール64の下方であって、マンホール64から挿入されたミスト除去装置2に対して排ガスEGの流れ方向Fの上流側及び下流側に配置されている。既設の中間梁79は、断面矩形の鋼材であり、ダクト60の一方の側壁62と他方の側壁62とを接続するように延在している。下流側のミストキャッチャー1D用のミスト除去装置2Dの厚さは、一対の中間梁79同士の間隔よりもやや小さい。
一対の支持ガイド部材73は、上方から挿入されるミスト除去装置2を一対の下部梁69上に案内する部材である。一対の支持ガイド部材73材は、下方に向かうにしたがって互いの距離が近くなるように傾斜している傾斜面74(第二傾斜面)と、傾斜面74の下端に接続され、上下方向Vに沿う鉛直面75と、を有している。一対の傾斜面74は、一対の傾斜面74の下端同士の間隔がミスト除去装置2の厚さ(排ガスEGの流れ方向Fの厚さ)よりもやや大きくなるように配置されている。一対の鉛直面75同士の間隔は、ミスト除去装置2の厚さよりもやや大きい。
図12に示すように、上流側のミストキャッチャー1U用のミスト除去装置2Uの厚さは、一対の中間梁79同士の間隔よりも小さい。よって、上流側のミストキャッチャー1U用のミスト除去装置2Uに対応して、上流側の中間ガイド機構78Uの中間ガイド部材80Uは、下流側の中間ガイド部材80よりも中間梁79からの突出量が大きい。
同様に、上流側のミストキャッチャー1U用のミスト除去装置2Uに対応して、上流側の支持機構68Uの支持ガイド部材73Uは、下流側の支持ガイド部材73よりも下部梁69からの突出量が大きい。
また、図4に示すように、ミストキャッチャー1は複数のミスト除去装置2を有しているが、これら複数のミスト除去装置2のうち、1つのミスト除去装置2を取り外すことで、ミストキャッチャー1の性能に大きな影響を与えることなく、ミスト除去装置2のメンテナンスを行うことができる。
即ち、排ガス処理装置の製造方法として、幅方向Wの一方側W1に配置されているユニット7の最外部波板部材3DAをガイドとして、当該ユニット7の幅方向Wの他方側W2にユニット7を挿入する工程を実施することができる。
また、波板部材3が金属製であることによって、波板部材3を樹脂製とすることと比較して耐久性に優れたミスト除去装置2とすることができる。
また、各々のミスト除去装置2が有する空間Sに洗浄水を噴射するノズル部24が配置されることによって、ミスト除去装置2を個別に洗浄することができる。
2 ミスト除去装置
3 波板部材
3DA 最外部波板部材
3DB 内側波板部材
4 ミスト除去通路
5 山部
6 側板部材
7 ユニット
8 波板部材片
9 第一斜面部
10 第二斜面部
11 第一平面部
12 第二平面部
13 貫通孔
14 フック用孔
15 締結機構
16 ボルト
17 スペーサ管
18 ナット
20 天井蓋
21 天井蓋本体
22 スプレーパイプ
23 パイプ部
24 ノズル部
50 火力発電プラント
51 排ガス処理装置
52 ボイラ(燃焼プラント)
53 電気集塵機
54 熱回収器
55 冷却塔
56 吸収塔
57 再加熱器
58 煙突
60 ダクト
61 上部壁
62 側壁
63 下部壁
64 マンホール
65 角筒部
66 フランジ部
68 支持機構
69 下部梁
70 アタッチメント
71 L字部材
72 連結部
73 支持ガイド部材
74 傾斜面(第二傾斜面)
75 鉛直面
76 位置決め突起
78 中間ガイド機構
79 中間梁
80 中間ガイド部材
81 クランプ部
82 第一クランプ
83 第二クランプ
84 ガイド部
90 ホイスト
91 ホイスト支持枠体
92 吊り下げチェーン
93 フック
94 ホッパー
EG 排ガス
F 流れ方向
S 空間
W 幅方向
Claims (7)
- 燃焼プラントから排出された排ガス中の硫黄分を除去する排ガス処理装置であって、
硫黄分が除去された排ガスを再加熱する再加熱器と、
前記再加熱器の上流側に配置され、前記排ガス中のミストを除去するミストキャッチャーと、を備え、
前記ミストキャッチャーは、
前記排ガスが流れるダクトに配置され、前記ダクトと連通するミスト除去通路を有する複数のミスト除去装置を有し、
前記ミスト除去装置は、前記排ガスの流れ方向に沿って互いに平行に配置され、前記ミスト除去通路を屈曲させるように波状に折り曲げられた山部を有する複数の金属製の波板部材を有し、
前記ダクトの全幅にわたって複数が隣接して配置されるように、且つ、前記ダクトの上方から着脱可能に構成されている排ガス処理装置。 - 前記ダクトの上部壁に設けられて前記ダクトの幅方向に延在し、前記ミスト除去装置が挿入される開口であるマンホールと、
前記マンホールの下方であって、前記マンホールから挿入された前記ミスト除去装置の上流側及び下流側に配置される一対の中間梁と、
前記中間梁に取り付けられて、下方に向かうに従って互いに近づくように傾斜し、且つ、下端同士の距離が前記ミスト除去装置の厚さよりもやや大きくなるように形成されている一対の傾斜面を有するガイド部と、を有する請求項1に記載の排ガス処理装置。 - 前記ダクトの下部壁に設けられ、前記ミスト除去装置を下方から支持する支持機構を有し、
前記支持機構は、下方に向かうに従って互いに近づくように傾斜し、且つ、下端同士の距離が前記ミスト除去装置の厚さよりもやや大きくなるように形成されている一対の第二傾斜面を有する請求項1又は請求項2に記載の排ガス処理装置。 - 前記支持機構は、前記ミスト除去装置の前記幅方向の位置を位置決めする位置決め突起を有する請求項3に記載の排ガス処理装置。
- 前記ミスト除去装置を構成する複数の波板部材のうち、最も外側に設けられた波板部材である最外部波板部材は、内側に設けられた波板部材である内側波板部材よりも板厚が大きい請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の排ガス処理装置。
- 一対の前記最外部波板部材は、複数の前記内側波板部材よりも上方に突出するように形成され、
一対の前記最外部波板部材間に形成される空間を閉じるように取り付けられる天井蓋を有し、
前記天井蓋は、前記天井蓋を貫通するパイプ部と、前記天井蓋を取り付けた際に前記空間内に配置されて、前記内側波板部材に向かって前記パイプ部を介して供給される洗浄水を噴射するノズル部とを有する請求項5に記載の排ガス処理装置。 - 請求項5又は請求項6に記載の排ガス処理装置の製造方法であって、
前記マンホールを介して、既に配置されている一のミスト除去装置に隣接する他のミスト除去装置を挿入する際に、
前記一のミスト除去装置の前記最外部波板部材の山部に前記他のミスト除去装置の前記最外部波板部材の山部を突き当てる排ガス処理装置の製造方法。
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