JP2019166217A5 - - Google Patents

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使い捨て着用物品
本発明は、弾性フィルム等の弾性シートにより弾性伸縮する伸縮部材を備えた使い捨て着用物品に関する。
使い捨ておむつ等の使い捨て着用物品においては、身体表面へのフィット性を向上するために、脚周りや胴周り等の適所に伸縮性を付与することが一般的である。伸縮性を付与するための手法としては、従来、糸ゴム等の細長状弾性部材をその長手方向に伸長した状態で取り付ける手法が広く採用されているが、ある程度の幅で伸縮性を付与したい場合には、糸ゴムを幅に間隔を置いて並べて配置した状態で固定する態様が採用されている。また、さらに面としてのフィット性に優れるものとして、弾性シートを伸縮性の付与方向に伸長した状態で取り付ける手法も提案されている。(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
この弾性シートを含む伸縮部材は、第1シート層と第2シート層との間に弾性シートが積層されるとともに、弾性シートが伸縮方向に伸長された状態で、第1シート層及び第2シート層が、伸縮方向及びこれと直交する方向にそれぞれ間隔を空けて配列された多数の点状のシート接合部で、弾性シートに形成された接合孔を通じて溶着されてなるものである。そして、この伸縮部材は、自然長状態では、シート接合部間において弾性シートが収縮するのに伴い、シート接合部の間隔が狭くなり、第1シート層及び第2シート層におけるシート接合部間に伸縮方向と交差する方向に延びる襞が形成される。反対に伸長時には、シート接合部間において弾性シートが伸長するのに伴い、シート接合部の間隔及び第1シート層及び第2シート層における襞が広がり、第1シート層及び第2シート層の完全展開状態まで弾性伸長が可能となる。この弾性シートによる伸縮領域は、面的なフィット性に優れるのはもちろん、第1シート層及び第2シート層と弾性シートとの接合が無く、かつ第1シート層及び第2シート層の接合も極めて少ないため非常に柔軟であり、また、弾性シートの接合孔が通気性向上にも寄与するという利点がある。
他方、パンツタイプ使い捨ておむつ等の使い捨て着用物品において、上述の弾性シートを含む伸縮部材を採用する場合、構造の簡素化及び資材コストの抑制のためには、同一の弾性シートによりできるだけ広範囲に伸縮領域を形成することが望まれる。
また、一般に、使い捨て着用物品では、ウエスト部には強い締め付け力が要求されるのに対して、前後のウエスト部の間に位置するウエスト隣接部はウエスト部よりも締め付け力を弱くすることが望ましい。
しかし、同一の弾性シートを有する部分は、通常では伸縮方向と直交する方向に締め付け力を変化させることができない。したがって、ウエスト部にウエスト隣接部よりも強い締め付け力をもたせることは困難となっている。これを解決する手法の一つとして、特許文献3では、ウエスト部における弾性シートの折り返しにより、弾性シートの積層数を向上させることが提案されているが、ウエスト部の厚みが増加するという問題点がある。他の解決手法としては、ウエスト部にだけ細長状弾性部材を設けるといった、従来から広く用いられている構造を採用することも提案されているが、より簡素な構造として弾性シートのみによる解決策が望まれている。
特表2004−532758号公報 特開2016−189932号公報 特開2016−187387号公報
そこで、本発明の主たる課題は、単一の弾性シートによりウエスト部及びウエスト隣接部に伸縮性が付与されるものでありながら、ウエスト部の厚み増加なく、ウエスト部をより強く締め付けることができる使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した伸縮部材及びこの伸縮部材を有する使い捨て着用物品、並びに伸縮部材の製造方法は以下のとおりである。
<第1の態様>
ウエスト部と、ウエスト部に隣接するウエスト隣接部とを有する伸縮部材を備えた、使い捨て着用物品において、
前記伸縮部材における前記ウエスト部及び前記ウエスト隣接部は、第1シート層、第2シート層、及びこれらの間に介在された弾性シートを有しており、
前記弾性シートは、前記ウエスト部から前記ウエスト隣接部にわたり連続しており、
前記第1シート層及び第2シート層は、間隔を空けて配列されたシート接合部で、弾性シートを貫通する接合孔を通じて溶着されており、
前記伸縮部材における前記ウエスト部及び前記ウエスト隣接部は、前記弾性シートの収縮により幅方向に収縮しているとともに幅方向に伸長可能な伸縮領域を有しており、
前記ウエスト部の伸縮領域には、展開状態で、前記接合孔を有しない部分が幅方向に沿って連続する無孔帯と、前記シート接合部が幅方向に間隔を空けて配置された接合帯とが、幅方向と直交する直交方向に交互に繰り返し設けられており、
前記ウエスト隣接部の伸縮領域には、展開状態で、前記接合孔を有しない部分が幅方向に沿って連続する無孔帯が設けられるとともに、前記ウエスト部における複数本の前記無孔帯の前記直交方向の寸法が、前記ウエスト隣接部の無孔帯の前記直交方向の寸法よりも長いか、又は、前記無孔帯が設けられていない、
ことを特徴とする使い捨て着用物品。
(作用効果)
弾性シートを含む伸縮部材により発揮される締め付け力は弾性シートの伸長応力と接触面積によりほぼ決まり、弾性シートの伸長応力の強さは基本的に弾性シートの断面積(厚み一定であれば幅方向と直交する直交方向の寸法)で決まる。さらに、本伸縮構造では、シート接合部を有する部分では弾性シートの連続性がなくなる。そのため、本伸縮構造において伸長応力に寄与する弾性シートの断面積は基本的に無孔帯の直交方向の寸法により決まる。ここで、本伸縮構造では、ウエスト部におけるにおける複数本の無孔帯の直交方向の寸法がウエスト隣接部の無孔帯の直交方向の寸法よりも長いか、又はウエスト隣接部に無孔帯が設けられていない。したがって、本態様の使い捨て着用物品は、ウエスト部及びウエスト隣接部にわたる同一の弾性シートにより伸縮するものでありながら、ウエスト部の厚み増加なく、つまりウエスト部の弾性シートが単層(折り返しなどにより複数層になっていない)であっても、ウエスト部をより強く締め付けることができる。
<第2の態様>
前記弾性シートは、厚み20〜40μmの弾性フィルムであり、
前記ウエスト部における複数本の無孔帯の前記直交方向の寸法が2〜5mmであり、
前記ウエスト隣接部の無孔帯の前記直交方向の寸法は、前記ウエスト部における複数本の無孔帯の前記直交方向の寸法の0.25倍以下であるか、又は、前記ウエスト隣接部に前記無孔帯が設けられていない、
第1の態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
ウエスト部の無孔帯の直交方向の寸法は特に限定されてないが、弾性シートが本態様のような厚みの弾性フィルムである場合、ウエスト部における複数本の無孔帯の直交方向の寸法等は本態様の範囲内であることが好ましい。
<第3の態様>
前記ウエスト部の接合帯に位置する前記接合孔は、自然長状態の形状が、前記幅方向に細長く、かつ上縁及び下縁が直線状の形状である、
第1又は2の態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
接合孔の形状は特に限定されるものではないが、本伸縮構造では、同じ弾性シートの使用面積で比較した場合、接合孔の直交方向の寸法が短いほど、ウエスト部の締め付け力を強くすることができるため好ましい。また、この場合、第1シート層及び第2シート層を広範囲にわたり接合しつつ、シート接合部40の面積を小さくすることができ、柔軟性及び通気性に優れるようになる。
<第4の態様>
前記ウエスト部の無孔帯の前記直交方向の寸法が、ウエスト開口の縁に近づくにつれて長くなっている、
第1〜3のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
本態様では、ウエスト部の縁に近いほど肌との密着性が高くなるため、ウエスト部の密着性を重視する場合に好適である。
<第5の態様>
前記ウエスト部の無孔帯の前記直交方向の寸法が、ウエスト開口の縁に近づくにつれて短くなっている、
第1〜3のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
本態様では、ウエスト部の縁に近いほど締め付け力が弱くなるため、装着状態でウエスト部と肌との間に簡単に指を入れて使い捨て着用物品をつかむことができる。よって、例えばパンツタイプ使い捨て着用物品であれば、装着状態でウエスト部を容易につかむことができ、パンツタイプ使い捨ておむつの上げ下ろし作業が容易になる。
<第6の態様>
前記ウエスト部の無孔帯の前記直交方向の寸法が、前記ウエスト部の幅方向の中間ではウエスト開口の縁に近づくにつれて長くなり、これよりも幅方向の外側ではウエスト開口の縁に近づくにつれて短くなっている、
第1〜3のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
本態様では、ウエスト部の無孔帯の直交方向の寸法が、幅方向の位置により変化する。ここで、本態様における、無孔帯の直交方向の寸法が長い部分は弾性シートの面積が大きくなるものの、その幅方向の少なくとも一方は直交方向の寸法が短いため、締め付け力としては弱くなる。この結果、本態様では、腹部を締め付ける部分ではウエスト部の縁に近いほど締め付け力が弱くなり、腸骨に接する部分ではウエスト部の縁から遠ざかるほど締め付け力が弱くなるため、ウエスト部のフィット性がより一層良好となる。
<第7の態様>
ウエスト部と、ウエスト部に隣接するウエスト隣接部とを有する伸縮部材を備えた、使い捨て着用物品において、
前記伸縮部材における前記ウエスト部及び前記ウエスト隣接部は、第1シート層、第2シート層、及びこれらの間に介在された弾性シートを有しており、
前記第1シート層及び第2シート層は、間隔を空けて配列されたシート接合部で、弾性シートを貫通する接合孔を通じて溶着されており、
前記伸縮部材における前記ウエスト部及び前記ウエスト隣接部は、前記弾性シートの収縮により幅方向に収縮しているとともに幅方向に伸長可能な伸縮領域を有しており、
前記ウエスト部の伸縮領域には、展開状態で、前記シート接合部を有しない部分が幅方向に沿って連続する無接合帯と、前記シート接合部が幅方向に間隔を空けて配置された接合帯とが、幅方向と直交する直交方向に交互に繰り返し設けられ、
前記ウエスト部の伸縮領域における各無接合帯には、前記弾性シートが前記直交方向に分断された弾性帯が配置され、
前記ウエスト隣接部の伸縮領域には、展開状態で、前記接合孔を有しない部分が幅方向に沿って連続する無孔帯が設けられるとともに、前記ウエスト部におけるにおける複数本の前記弾性帯の前記直交方向の寸法が、前記ウエスト隣接部の無孔帯の前記直交方向の寸法よりも長いか、又は、前記無孔帯が設けられていない、
ことを特徴とする使い捨て着用物品。
(作用効果)
本第7の態様においては、ウエスト部の弾性帯は弾性シートの分断により形成されているとともに、ウエスト部における複数本の弾性帯の直交方向の寸法がウエスト隣接部の無孔帯の直交方向の寸法よりも長いか、又はウエスト隣接部に無孔帯が設けられていない。したがって、単一の弾性シートによりウエスト部及びウエスト隣接部に伸縮性が付与されるものでありながら、ウエスト部の厚み増加なく、つまり弾性シートが単層(折り返しなどにより複数層になっていない)であっても、ウエスト部をより強く締め付けることができる。さらに、弾性シートがウエスト部からウエスト隣接部にわたり連続せずに、ウエスト部の伸縮領域に弾性シートが分断された弾性帯が設けられるため、ウエスト部の外観がウエスト隣接部の外観と異なり、ウエスト部の外観を目立たせることが可能となる。
<第8の態様>
前記弾性シートは、厚み20〜40μmの弾性フィルムであり、
前記ウエスト部における複数本の弾性帯の前記直交方向の寸法が2〜5mmであり、
前記ウエスト隣接部の無孔帯の前記直交方向の寸法は、前記ウエスト部における複数本の弾性帯の前記直交方向の寸法の0.25倍以下であるか、又は、前記ウエスト隣接部に前記無孔帯が設けられていない、
第7の態様の使い捨て着用物品。
<第9の態様>
前身頃から後身頃にわたる一体的な外装体、又は前身頃及び後身頃に別々に設けられた外装体と、この外装体の幅方向中間部に取り付けられた、股間部の前後両側にわたる内装体と、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合されたサイドシール部と、ウエスト開口及び左右一対の脚開口とを備えた、パンツタイプの使い捨て着用物品であって、
前記外装体が前記伸縮部材である、
第1〜8のいずれか1つの態様の使い捨て着用物品。
(作用効果)
前述の伸縮部材は、本態様のように、パンツタイプの使い捨て着用物品の外装体に好適なものである。
本発明によれば、単一の弾性シートによりウエスト部及びウエスト隣接部に伸縮性が付与されるものでありながら、ウエスト部の厚み増加なく、ウエスト部をより強く締め付けることができる、等の利点がもたらされる。
展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの平面図(内面側)である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの平面図(外面側)である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの要部のみ示す平面図である。 (a)は図1のC−C断面図、(b)は図1のE−E断面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 (a)は伸縮領域の要部平面図、(b)は(a)のD−D断面図、(c)は装着状態における断面図、(d)は自然長状態における断面図である。 ある程度伸長した外装体の要部断面を概略的に示す断面図である。 (a)は伸縮領域の要部平面図、(b)は(a)のD−D断面図、(c)は装着状態における断面図、(d)は自然長状態における断面図である。 シート接合部の各種配列を示す平面図である。 展開状態の伸縮領域の平面図である。 展開状態の伸縮領域の要部を拡大して示す平面図である。 自然長状態の伸縮領域の要部を拡大して示す平面図である。 (a)は図12のD−D断面図、(b)は自然長状態における断面図である。 展開状態の伸縮領域の平面図である。 展開状態の伸縮領域の要部を拡大して示す平面図である。 自然長状態の伸縮領域の要部を拡大して示す平面図である。 超音波シール装置の概略図である。 展開状態の伸縮領域の要部を拡大して示す平面図である。 展開状態の伸縮領域の要部を拡大して示す平面図である。 展開状態の伸縮領域の要部を拡大して示す平面図である。 展開状態の伸縮領域の要部を拡大して示す平面図である。 展開状態の伸縮領域の要部を拡大して示す平面図である。 展開状態の伸縮領域の要部を拡大して示す平面図である。
以下、添付図面に示されたパンツタイプ使い捨ておむつの例に基づいて、弾性シートを含む伸縮部材を備えたい使い捨て着用物品について詳説する。なお、断面図中の点模様部分はホットメルト接着剤等の接合手段を示している。
図1〜図6は、パンツタイプ使い捨ておむつを示している。符号LD(縦方向)は前後方向を、WDは幅方向を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ(以下、単におむつともいう。)は、前身頃F及び後身頃Bをなす外装体20と、この外装体20の内面に固定され一体化された内装体10とを有しており、内装体10は液透過性のトップシート11と液不透過性シート12との間に吸収体13が介在されてなるものである。製造に際しては、外装体20の内面(上面)に対して内装体10の裏面がホットメルト接着剤などの接合手段によって接合された後に、内装体10及び外装体20が前身頃F及び後身頃Bの境界である前後方向LD(縦方向)の中央で折り畳まれ、その両側部が相互に熱溶着又はホットメルト接着剤などによって接合されてサイドシール部21が形成されることによって、ウエスト開口及び左右一対の脚開口が形成されたパンツタイプ使い捨ておむつとなる。
(内装体の構造例)
内装体10は、図4〜図6に示すように、トップシート11と、ポリエチレン等からなる液不透過性シート12との間に、吸収体13を介在させた構造を有しており、トップシート11を透過した排泄液を吸収保持するものである。内装体10の平面形状は特に限定されないが、図1に示されるようにほぼ長方形とすることが一般的である。
吸収体13の表側(肌側)を覆うトップシート11としては、有孔又は無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。ここで、トップシート11を含め、本物品に使用可能な不織布は以下のとおりである。すなわち、不織布の構成繊維としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン又はそのコポリマー(例えばポリエチレンや、エチレンを共重合成分として配合したコポリマー)等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維(単成分繊維の他、芯鞘等の複合繊維も含む)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等、特に限定なく選択することができ、これらを混合して用いることもできる。不織布の柔軟性を高めるために、構成繊維を捲縮繊維とするのは好ましい。また、不織布の構成繊維は、親水性繊維(親水化剤により親水性となったものを含む)であっても、疎水性繊維若しくは撥水性繊維(撥水剤により撥水性となった撥水性繊維を含む)であってもよい。また、不織布は一般に繊維の長さや、シート形成方法、繊維結合方法、積層構造により、短繊維不織布、長繊維不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布、サーマルボンド(エアスルー)不織布、ニードルパンチ不織布、ポイントボンド不織布、積層不織布(スパンボンド層間にメルトブローン層を挟んだSMS不織布、SMMS不織布等)等に分類されるが、これらのどの不織布も用いることができる。
吸収体13の裏側(非肌当接側)を覆う液不透過性シート12としては、ポリエチレン又はポリプロピレンなどの液不透過性プラスチックシートを用いることができ、特にムレ防止の点から透湿性を有するもの、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを好適に用いることができる。
吸収体13としては、公知のもの、例えばパルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合又は固着等してなるものを用いることができる。この吸収体13は、形状及びポリマー保持等のため、必要に応じてクレープ紙等の、液透過性及び液保持性を有する包装シート14によって包装することができる。
吸収体13の形状は、股間部に前後両側よりも幅の狭い括れ部分13Nを有するほぼ砂時計状に形成されている。括れ部分13Nの寸法は適宜定めることができるが、括れ部分13Nの前後方向長さはおむつ全長の20〜50%程度とすることができ、その最も狭い部分の幅は吸収体13の全幅の40〜60%程度とすることができる。このような括れ部分13Nを有する場合において、内装体10の平面形状がほぼ長方形とされていると、内装体10における吸収体13の括れ部分13Nと対応する部分に、吸収体13を有しない無吸収体側部17が形成される。
液不透過性シート12は、トップシート11とともに吸収体13の幅方向両側で裏側に折り返されている。この液不透過性シート12としては、排便や尿などの褐色が出ないように不透明のものを用いるのが望ましい。不透明化としては、プラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を内添してフィルム化したものが好適に使用される。
内装体10の両側部には脚周りにフィットする立体ギャザー90が形成されている。この立体ギャザー90は、図5及び図6に示されるように、内装体10の裏面の側部に固定された固定部91と、この固定部91から内装体10の側方を経て内装体10の表面の側部上まで延在する本体部92と、本体部92の前後端部が倒伏状態で内装体10の表面(図示例ではトップシート11)の側部にホットメルト接着剤95b等により固定されて形成された倒伏部分93と、この倒伏部分93間が非固定とされて形成された自由部分94とを有している。これらの各部は、不織布などのシートを折り返して二重シートとしたギャザーシート95により形成されている。ギャザーシート95は、内装体10の前後方向全体にわたり取り付けられており、倒伏部分93は無吸収体側部17よりも前側及び後側に設けられ、自由部分94は無吸収体側部17の前後両側に延在されている。また、二重のギャザーシート95間には、自由部分の先端部等にギャザー弾性部材96が配設されている。ギャザー弾性部材96は、製品状態において図5に示すように、弾性収縮力により自由部分94を立ち上げるためのものである。
ギャザー弾性部材96及びギャザーシート95の固定構造は特に限定されず、例えば図5及び図6に示す例のように、倒伏部分93以外ではギャザー弾性部材96の位置のホットメルト接着剤を介して、ギャザー弾性部材96がギャザーシート95に接着固定されるとともに、ギャザーシート95の対向面が接合されているものの、倒伏部分93では、ギャザー弾性部材96の位置にホットメルト接着剤が無く、したがってギャザー弾性部材96とギャザーシート95とが接着されておらず、ギャザー弾性部材96を有する位置でギャザーシート95の対向面が接合されていない構造を採用することができる。
ギャザー弾性部材96としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコーン、ポリエステル等の素材を用いることができる。また、外側から見え難くするため、太さは925dtex以下、テンションは150〜350%、間隔は7.0mm以下として配設するのがよい。なお、ギャザー弾性部材96としては、図示例のような細長状の他、ある程度の幅を有するテープ状のものを用いることもできる。
ギャザーシート95は、尿などの透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコーン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロライド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。
図3〜図6に示すように、内装体10はその裏面が、内外固定領域10B(斜線領域)において、外装体20の内面に対してホットメルト接着剤等により接合される。この内外固定領域10Bは、適宜定めることができ、内装体10の幅方向WDのほぼ全体とすることもできるが、幅方向両端部は外装体20に固定しないことが好ましい。
(外装体の構造例)
外装体20は少なくとも前身頃Fの胴周り部T及び後身頃Bの胴周り部Tを有するものであり、図示例では前身頃Fの胴周り部T及び後身頃Bの胴周り部Tの間の前後方向範囲である中間部Lをさらに有するものとなっている。胴周り部Tは、サイドシール部21を有する前後方向範囲である。胴周り部Tは、ウエスト開口の縁部を形成するウエスト部23を有する。前身頃Fのウエスト部23及び後身頃Bのウエスト部23の少なくとも一方に隣接する部分がウエスト隣接部22である。通常、胴周り部T内に幅方向WDの伸長応力(伸長時の収縮力)が変化する境界を有する場合は、最もウエスト開口側の境界よりもウエスト開口側がウエスト部23となり、このような境界が無い場合は吸収体13又は内装体10よりもウエスト開口側がウエスト部23となる。これらの直交方向XDの寸法さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト部23の直交方向XDの寸法は20〜40mmとすることができる。また、中間部Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うようにコ字状又は曲線状に括れており、ここが装着者の脚周りに沿う部分となる。外装体20は図示例のように股間部において外装体20の側縁が内装体10の側縁より幅方向中央側に位置していても、また幅方向外側に位置していても良い。
そして、図示例の外装体20は、その中間部Lの前後方向LDの中間を除いて、図2及び図4〜図6に示されるように、第1シート層20Aと、第2シート層20Bと、これらの間に介在された弾性シート30とを有している。つまり、外装体20は伸縮部材となっている。また、図7及び図9等に示されるように、第1シート層20A及び第2シート層20Bが、間隔を空けて配列された多数のシート接合部40で弾性シート30を貫通する接合孔31を通じて接合されている。以下、この第1シート層20A、第2シート層20B、及び弾性シート30が積層された構造を弾性シート伸縮構造20Xともいう。
外装体20の平面形状は、中間部Lの幅方向両側縁29がそれぞれ脚開口を形成するように中間部Lが括れている(中間部Lの幅が胴周り部Tの幅よりも狭くなっている)。外装体20は、前身頃F及び後身頃Bで個別に形成し、両者が股間部でおむつの前後方向LDに離間するように配置しても良い。
弾性シート伸縮構造20Xは、前後のウエスト部23及びこれらの間に位置する部分のうち、ウエスト部23からウエスト隣接部22にかけて続く限り、ウエスト隣接部22の一部には設けなくてもよい。例えば、図示例の外装体20のように、中間部Lの前後方向LDの中間のみ弾性シート30を設けない構造としたり、中間部Lの全体にわたり弾性シート30を設けない構造としたり、胴周り部Tの股間側の一部に弾性シート30を設けない構造としたりすることができる。もちろん、中間部Lを含めて外装体20の全体にわたり弾性シート伸縮構造20Xが続いていてもよい。
(シート接合部の接合構造)
シート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの接合は、弾性シート30に形成された接合孔31を通じて接合される場合、少なくともシート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20B間以外では、第1シート層20A及び第2シート層20Bは弾性シート30と接合されていないことが望ましい。
シート接合部40において第1シート層20A及び第2シート層20Bが弾性シート30の接合孔31を通じて溶着される場合、シート接合部40において第1シート層20A及び第2シート層20Bの両方が溶融固化していても、シート接合部40において第1シート層20A及び第2シート層20Bのいずれか一方のみが溶融固化していてもよい。さらに、シート接合部40内に、弾性シート30の溶融固化物が挟まれていてもよい。
第1シート層20A及び第2シート層20Bは、図8(a)に示す例のようにシート接合部40における厚み方向及び平面方向の全体にわたり均一に溶融固化していても、図8(b)(c)に点模様のグラデーションで示すように不均一に溶融固化していてもよい。例えば、第1シート層20A及び第2シート層20Bは、図8(b)に示す例のようにシート接合部40の厚み方向外側ほど溶融の程度が低くてもよい。この状態には、シート接合部40の表面で第1シート層20A及び第2シート層20Bのほぼすべての繊維が溶融していない状態、シート接合部40の表面に第1シート層20A及び第2シート層20Bの溶融固化物と溶融していない繊維とが混在する状態、並びにシート接合部40の厚み方向全体にわたり第1シート層20A及び第2シート層20Bの繊維が溶融しているものの溶融の程度が変化する状態が含まれる。
上記シート接合部40における厚み方向の溶融の程度の変化を伴い又は伴わずに、第1シート層20A及び第2シート層20Bは、図8(c)に示す例のようにシート接合部40の周縁側ほど溶融の程度が低くてもよい。この状態には、シート接合部40の周縁部で第1シート層20A及び第2シート層20Bのほぼすべての繊維が溶融していない状態(ただし、後述の弾性シート30の溶融固化物が接着剤として介在する場合に限る)、シート接合部40の周縁部に第1シート層20A及び第2シート層20Bの溶融固化物と溶融していない繊維とが混在する状態、並びにシート接合部40の平面方向の全体にわたり第1シート層20A及び第2シート層20Bの繊維が溶融しているものの溶融の程度が変化する状態が含まれる。
なお、これらの状態において、第1シート層20A及び第2シート層20Bの繊維が溶融することには、繊維全体が溶融することの他、繊維の芯(複合繊維における芯だけでなく単成分繊維の中心部分を含む)は残るがその周囲部分(複合繊維における鞘だけでなく単成分繊維の表層側の部分を含む)は溶融することが含まれる。
また、シート接合部40内に弾性シート30の溶融固化物が残存する状態には、第1シート層20A又はその溶融固化層と、第2シート層20B又はその溶融固化層との間に、それらとほとんど混じらずに層状に残存する状態、第1シート層20A及び第2シート層20Bのうち溶融固化するものと混じった状態、並びに第1シート層20A及び第2シート層20Bの溶融固化しない方の繊維間に、又は第1シート層20A及び第2シート層20Bのうち溶融固化する方における残存繊維(芯含む)間にある程度浸透した状態が含まれる。
シート接合部40内に弾性シート30の溶融固化物が残存する状態は、第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方の融点が弾性シート30の融点よりも高い条件下で、第1シート層20A及び第2シート層20B間に弾性シート30を挟み、シート接合部40となる部位を加圧・加熱し、第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方と弾性シート30とを溶融することにより製造することができる。
この場合、弾性シート30の融点は80〜145℃程度のものが好ましく、第1シート層20A及び第2シート層20Bの融点は85〜190℃程度、特に150〜190℃程度のものが好ましく、第1シート層20A及び第2シート層20Bの融点と弾性シート30の融点との差は60〜90℃程度であるのが好ましい。また、加熱温度は100〜150℃程度とするのが好ましい。
図18は、好適な超音波シール装置の例を示している。この超音波シール装置では、シート接合部40の形成に際して、外面にシート接合部40のパターンで形成した突起部60aを有するアンビルロール60と超音波ホーン61との間に、第1シート層20A、弾性シート30及び第2シート層20Bを送り込む。この際、例えば上流側の弾性シート30の送り込み駆動ロール63及びニップロール62による送り込み移送速度を、アンビルロール60及び超音波ホーン61以降の移送速度よりも遅くすることにより、送り込み駆動ロール63及びニップロール62によるニップ位置からアンビルロール60及び超音波ホーン61によるシール位置までの経路で、弾性シート30をMD方向(マシン方向、流れ方向)に所定の伸長率まで伸長する。この弾性シート30の伸長率は、アンビルロール60及び送り込み駆動ロール63の速度差を選択することにより設定することができ、例えば300%〜500%程度とすることができる。62はニップロールである。
アンビルロール60と超音波ホーン61との間に送り込まれた、第1シート層20A、弾性シート30及び第2シート層20Bは、この順に積層した状態で、突起部60aと超音波ホーン61との間で加圧しつつ、超音波ホーン61の超音波振動エネルギーにより加熱し、弾性シート30のみを溶融するか、又は第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方と弾性シート30とを溶融することによって、弾性シート30に接合孔31を形成するのと同時に、その接合孔31を通じて第1シート層20A及び第2シート層20Bを接合する。したがって、この場合にはアンビルロール60の突起部60aの大きさ、形状、離間間隔、ロール長方向及びロール周方向の配置パターンなどを選定することにより、シート接合部40の面積率を選択することができる。
接合孔31が形成される理由は必ずしも明確ではないが、弾性シート30におけるアンビルロール60の突起部60aと対応する部分が溶融して周囲から離脱することにより開孔するものと考えられる。この際、弾性シート30における、伸縮方向EDに並ぶ隣接する接合孔31の間の部分は、図7(a)(b)、図9(a)(b)、図12及び図13に示すように、接合孔31により伸縮方向両側の部分から切断され、収縮方向両側の支えを失うことになるため、収縮方向と直交する方向の連続性を保ちうる範囲で、伸縮方向EDと直交する方向LDの中央側ほど伸縮方向中央側に釣り合うまで収縮し、接合孔31が伸縮方向EDに拡大する。
第1シート層20A及び第2シート層20Bの構成材は、繊維の少なくとも一部が溶着可能な(つまり熱可塑性樹脂成分を含む)不織布であれば特に限定無く使用できる。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維などや、これらの二種以上が使用された混合繊維、又はこれらの二成分以上を含む複合繊維(例えば鞘成分が溶融しやすい芯鞘型のもの)などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。
第1シート層20A及び第2シート層20Bに用いる不織布の目付けは10〜25g/m2程度とするのが好ましい。また、第1シート層20A及び第2シート層20Bの一部又は全部は、一枚の資材を折り返して対向させた一対の層であっても良い。例えば、図示形態のように、ウエスト部23では、外側に位置する構成材を第2シート層20Bとし、かつそのウエスト開口縁で内面側に折り返してなる折り返し部分20Cを第1シート層20Aとして、その間に弾性シート30を介在させるとともに、それ以外の部分では内側に位置する構成材を第1シート層20Aとし、外側に位置する構成材を第2シート層20Bとして、その間に弾性シート30を介在させることができる。もちろん、前後方向LDの全体にわたり第1シート層20Aの構成材及び第2シート層20Bの構成材を個別に設け、構成材を折り返しすることなく、第1シート層20Aの構成材及び第2シート層20Bの構成材間に弾性シート30を介在させることもできる。
弾性シート30は特に限定されるものではなく、それ自体弾性を有する熱可塑性樹脂製のシートであれば、弾性(エラスティック)フィルムの他、伸縮不織布であってもよい。また、弾性シート30としては、無孔のものの他、通気のために多数の孔やスリットが形成されたものも用いることができる。特に、幅方向WD(伸縮方向ED、MD方向)における引張強度が8〜25N/35mm、前後方向LD(伸縮方向と直交する方向XD、CD方向)における引張強度が5〜20N/35mm、幅方向WDにおける引張伸度が450〜1050%、及び前後方向LDにおける引張伸度が450〜1400%の弾性シート30であると好ましい。弾性シート30の厚みは特に限定されないが、20〜40μm程度であるのが好ましい。
(伸縮領域)
外装体20における弾性シート伸縮構造20Xを有する領域は、ウエスト部23及びウエスト隣接部22が、弾性シート30の収縮により幅方向に収縮しているとともに幅方向に伸長可能である(つまり伸縮方向EDがおむつの幅方向WDとなる)伸縮領域80を有している。伸縮領域80では、弾性シート30の収縮力により幅方向WDに収縮しているとともに、幅方向WDに伸長可能となっている。より具体的には、弾性シート30を幅方向WDに伸長した状態で、幅方向WD及びこれと直交する直交方向XDにそれぞれ間隔を空けて、弾性シート30の接合孔31を介して第1シート層20A及び第2シート層20Bを接合し、多数のシート接合部40を形成することにより、弾性シート伸縮構造20Xを形成するとともに、伸縮領域80では弾性シート30が幅方向WDに途切れずに残り、かつこの弾性シート30の収縮力により第1シート層20A及び第2シート層20Bが収縮して収縮襞25が形成されるようにシート接合部40を配置することによって、このような伸縮性を付与することができる。
ウエスト隣接部22における伸縮領域80では、図7及び図9に示す例のように弾性シート30が(つまり接合孔31を有しない部分が)幅方向WDに沿って直線的に連続する無孔帯32を有していても、図11に示す例及び図15に示す例のように有していなくてもよい。
伸縮領域80は、自然長状態では、図7(d)、図9(d)及び図14(b)に示すように、シート接合部40間の第1シート層20A及び第2シート層20Bが互いに離間する方向に膨らんで、直交方向XDに延びる収縮襞25が形成され、幅方向WDにある程度伸長した装着状態でも、収縮襞25は伸ばされるものの、残るようになっている。また、図示形態のように、第1シート層20A及び第2シート層20Bは、少なくともシート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20B間以外では弾性シート30と接合されていないと、装着状態を想定した図7(c)、図9(c)、及び、第1シート層20A及び第2シート層20Bの展開状態を想定した図7(a)(b)、図9(a)(b)からも分かるように、これらの状態では、弾性シート30における接合孔31と、シート接合部40との間に隙間が形成され、弾性シート30の素材が無孔のフィルムやシートであっても、この隙間により通気性が付加される。特に、弾性シート30が幅方向WDに沿って直線的に連続する無孔帯32を有している場合には、自然長状態では、弾性シート30のさらなる収縮により接合孔31がすぼまり、接合孔31とシート接合部40との間に隙間がほとんど形成されない形態となり、弾性シート30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分を有していない場合には、接合孔31とシート接合部40との間に隙間が残る。
伸縮領域80の幅方向WDの最大伸びは190%以上(好ましくは200〜220%)とすることが望ましい。伸縮領域80の最大伸びは、製造時の弾性シート30の伸長率によってほぼ決まるがこれを基本として、幅方向WDの収縮を阻害する要因により低下する。このような阻害要因の主なものは、幅方向WDにおいて単位長さ当たりに占めるシート接合部40の長さLの割合であり、この割合が大きくなるほど最大伸びが低下する。通常の場合、シート接合部40の長さLはシート接合部40の面積率と相関があるため、伸縮領域80の最大伸びはシート接合部40の面積率により調整できる。
伸縮領域80の伸長応力は、図7及び図9に示す例のように、弾性シート30が幅方向WDに沿って直線的に連続する無孔帯32を有している場合には、主に弾性シート30が幅方向WDに沿って直線的に連続する無孔帯32(図7(a)及び図9(a)参照)の直交方向寸法32wの総和(接合孔の間隔31dに等しい)により調整することができる。一方、図11に示す例及び図15に示す例のように、弾性シート30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分を有していない場合には、無接合帯51,52の連続方向と伸縮方向EDとがなす交差角度により調整でき、通常の場合、展開状態で無接合帯51,52の連続方向と伸縮方向EDとがなす鋭角側交差角θ1,θ2がそれぞれ0度より大きく45度以下、特に10〜30度の範囲とすることが好ましい。
伸縮領域80におけるシート接合部40の面積率及び個々のシート接合部40の面積は適宜定めることができるが、通常の場合、次の範囲内とするのが好ましい。
シート接合部40の面積:0.14〜3.5mm2(特に0.14〜1.0mm2
シート接合部40の面積率:1.8〜19.1%(特に1.8〜10.6%)
このように、伸縮領域80の最大伸び及び伸長応力はシート接合部40の面積により調整できるため、図1及び図2に示すように、伸縮領域80内にシート接合部40の面積率が異なる複数の領域を設け、部位に応じてフィット性を変化させることができる。図1及び図2に示す形態では、脚開口の縁部領域82は、それ以外の領域と比べてシート接合部40の面積率が高く、したがって伸長応力が弱く、柔軟に伸縮する領域となっている。
個々のシート接合部40及び接合孔31の自然長状態での形状は、適宜定めることができるが、真円形、楕円形、三角形、長方形、ひし形等の多角形、あるいは凸レンズ形、凹レンズ形、星形、雲形等、任意の形状とすることができる。個々のシート接合部の寸法は特に限定されないが、最大長さ40y(接合孔31の直交方向の寸法31yにほぼ等しい)は0.5〜3.0mm、特に0.7〜1.1mmとするのが好ましく、最大幅40xは0.1〜3.0mm、特に伸縮方向と直交する方向XDに長い形状の場合には0.1〜1.1mmとするのが好ましい。
個々のシート接合部40の大きさは、適宜定めれば良いが、大きすぎるとシート接合部40の硬さが感触に及ぼす影響が大きくなり、小さすぎると接合面積が少なく資材同士が十分に接着できなくなるため、通常の場合、個々のシート接合部40の面積は0.14〜3.5mm2程度とすることが好ましい。個々の接合孔31の開口の面積は、接合孔31を介してシート接合部が形成されるためシート接合部以上であれば良いが、シート接合部の面積の1〜1.5倍程度とすることが好ましい。なお、接合孔31の開口の面積は、弾性フィルム30単独の状態ではなく第1シート層20A及び第2シート層20Bと一体化した状態で、かつ自然長の状態における値を意味し、接合孔31の開口の面積が、弾性フィルム30の表と裏で異なる等、厚み方向に均一でない場合には最小値を意味する。
ウエスト隣接部22におけるシート接合部40及び接合孔31の平面配列は適宜定めることができるが、規則的に繰り返される平面配列が好ましく、図10(a)に示すような斜方格子状や、図10(b)に示すような六角格子状(これらは千鳥状ともいわれる)、図10(c)に示すような正方格子状、図10(d)に示すような矩形格子状、図10(e)に示すような平行体格子(図示のように、多数の平行な斜め方向の列の群が互いに交差するように2群設けられる形態)状等(これらが伸縮方向に対して90度未満の角度で傾斜したものを含む)のように規則的に繰り返されるものの他、シート接合部40の群(群単位の配列は規則的でも不規則でも良く、模様や文字状等でも良い)が規則的に繰り返されるものとすることもできる。
ウエスト隣接部22におけるシート接合部40の配列パターンは、図9に示す例、図11に示す例及び図15に示す例のようなものであると好ましい。すなわち、これらの例では、伸縮領域80には、展開状態で、シート接合部40を有しない部分が連続する無接合帯51,52として、伸縮方向EDに対して鋭角(鋭角側交差角θ1)に交わる第1方向51dに沿って直線的に連続する第1無接合帯51が、第1方向51dと直交する方向に間隔を空けて繰り返し存在する。また、伸縮領域80における隣り合う第1無接合帯51の間には、シート接合部40及び接合孔31が間隔を空けて多数設けられる。そして特徴的には、第1方向51dと直交する方向の幅として定まる第1幅51wが異なる複数本の第1無接合帯51を含む単位構造が、伸縮領域80における第1方向51dと直交する方向に繰り返し存在する。
このように、第1幅51wが異なる複数本の第1無接合帯51を含む単位構造が、伸縮領域80における第1方向51dと直交する方向に繰り返し存在すると、第1無接合帯51の内部の弾性シート30の連続部にも、同様の大小関係の幅変化が形成される。つまり、第1無接合帯51の幅51wが狭ければ、内部の弾性シート30の連続部の幅も狭くなり、第1無接合帯51の幅51wが広ければ、内部の弾性シート30の連続部の幅も広くなる。そして、第1無接合帯51内の弾性シート30の連続部に、第1幅51wの変化があると、幅の広い第1無接合帯51内の弾性シート30の連続部及び幅の狭い第1無接合帯51内の弾性シート30の連続部の双方が視覚的に強調される結果、伸縮領域80が自然長状態(図13及び図17参照)であっても、ある程度伸長した装着状態であっても、斜め縞模様の美しい外観を呈することとなる。また、ある程度収縮した状態では、第1無接合帯51における収縮襞25の大きさが、第1無接合帯51の第1幅51wに応じて変化するため、この収縮襞25の影響により斜め縞模様がよりはっきりと現出するようになる。
上述の単位構造は、第1幅51wが異なる複数本の第1無接合帯51を含む限り、その幅51wの大小の程度により限定されるものではないが、第1無接合帯51における第1幅51wは、最も近い幅51wの第1無接合帯51に対して、大きい場合には1.2〜60倍、小さい場合には0.01〜0.8倍であることが好ましい。
また、上述の単位構造は、第1幅51wが異なる複数本の第1無接合帯51を含む限り、すべての第1無接合帯51における第1幅51wが異なっていてもよいし、図示するように一部の複数本の第1無接合帯51における第1幅51wと、他の単数又は複数本の第1無接合帯51の第1幅51wとが異なっていてもよい。
伸縮領域80に、第1無接合帯51の収縮襞25及びその内部の弾性シート30の連続部による第1方向51dに沿う斜め縞模様が現出するとしても、同一の伸縮領域80に他の斜め方向に沿う斜め縞模様がより強く視認されると、第1無接合帯51の収縮襞25及びその内部の弾性シート30の連続部による斜め縞模様が目立たなくなるおそれがある。これに対して、第1無接合帯51における第1幅51wの最大値が、傾斜方向が異なる及び共通するすべての無接合帯51,52における連続方向と直交する方向の幅の最大値となっていると、伸縮領域80内では第1無接合帯51の収縮襞25及びその内部の弾性シート30の連続部による斜め縞模様が、より強く視認されるようになるため好ましい。この場合における、第1無接合帯51における第1幅51wの最大値は適宜定めることができるが、最も近い幅51wの第1無接合帯51に対して0.01〜9倍であることが好ましい。なお、第1無接合帯51を含むすべての無接合帯51,52は、連続方向と直交する方向の幅が限定されるものではないが、通常の場合0.3〜50mmの範囲内であることが好ましい。いうまでもないが、無接合帯51,52の連続方向と直交する方向の幅は、第1無接合帯51にあっては第1幅51wのことであり、直線的に連続する部分であるため等幅である。
隣り合う第1無接合帯51における第1方向51dと直交する方向の間隔として定まる第1間隔51sは適宜定めることができる。よって、この第1間隔51sは、隣り合う第1無接合帯51における第1幅51wと同じにしても、より広くしても、より狭くしてもよい。一つの好ましい例としては、単位構造における、第1無接合帯51における第1幅51wの最大値が第1間隔51sの最大値よりも小さい形態を挙げることができる。このように、単位構造に広い間隔部分を形成することにより、第1無接合帯51の収縮襞25及びその内部の弾性シート30の連続部による斜め縞模様が、より強く視認されるようになる。この場合における、第1無接合帯51における第1幅51wの最大値は適宜定めることができるが、第1間隔51sの最大値の0.01〜9倍であると好ましい。なお、第1無接合帯51を含むすべての無接合帯51,52における連続方向と直交する方向の間隔は特に限定されるものではないが、通常の場合0.3〜50mmの範囲内であることが好ましい。いうまでもないが、無接合帯51,52における連続方向と直交する方向の間隔は、第1無接合帯51にあっては第1間隔51sのことであり、連続方向に等しくなるものである。
無接合帯51,52としては、第1方向51d以外の、伸縮方向EDに対して鋭角(鋭角側交差角θ2)に交わる第2方向52dに沿って直線的に連続する第2無接合帯52が、第2方向52dと直交する方向に間隔を空けて繰り返し存在してもよいし、第2無接合帯52が存在しなくてもよい。第2無接合帯52を有する一つの好ましい形態は、伸縮領域80には、無接合帯51,52が斜め格子状に形成されており、第1無接合帯51は、斜め格子状の無接合帯51,52における一方の方向に連続する部分であり、第2無接合帯52は、斜め格子状の無接合帯51,52における他方の方向に連続する部分であるものである。この場合、第1方向51d及び第2方向52dは、伸縮方向EDに対する傾きの正負が互いに逆となる。なお、図11に示す例及び図15に示す例のように、幅方向WD(伸縮方向ED)に連続する無接合帯51,52を有しない形態であっても、伸縮領域80の展開状態で、第1方向51d及び第2方向52dの伸縮方向EDに対する鋭角側交差角θ1,θ2がそれぞれ5〜45度、特に10〜30であることにより、伸縮領域80における伸縮性を十分に確保することができる。
ただし、同一の伸縮領域80に第2無接合帯52の斜め方向に沿う斜め縞模様がより強く視認されると、第1無接合帯51の収縮襞25及びその内部の弾性シート30の連続部による斜め縞模様が目立たなくなるおそれがある。よって、図15に示す例のように第2無接合帯52を有する場合、第2無接合帯52における第2方向と直交する方向の幅として定まる第2幅52wがすべて同一であるか、又は、第2無接合帯52を有しないようにシート接合部40を配置することが望ましい。これにより、伸縮領域80内では第1無接合帯51の収縮襞25及びその内部の弾性シート30の連続部による斜め縞模様が、より強く視認されるようになる。
他方、隣り合う第1無接合帯51の間には、シート接合部40を第1方向51dに整列させることとなるが、この場合例えば図16に示すように、シート接合部40はすべて、伸縮方向EDと直交する方向に対する長手方向の鋭角側交差角θ3が10度以内、かつ伸縮方向EDの最大寸法40eが0.1〜0.4mmの細長状をなしていると、第1無接合帯51の伸縮方向EDの寸法をより大きく確保することができ、伸縮性の低下を抑制することができるため好ましい。
また、図11に示す例のように、単位構造に、第1幅51wが最大となる広幅第1無接合帯51、及びこれよりも第1幅51wが狭い狭幅第1無接合帯51を、それぞれ第1方向51dと直交する方向に隣接して複数本含む場合、隣り合う広幅第1無接合帯51の間には、第2方向52dに対する長手方向の鋭角側交差角が5度以内、かつその長手方向と直交する方向の最大寸法40fが0.1〜0.4mmの細長状をなすシート接合部40が、第1方向51dに間隔を空けて整列されていると好ましい。また、隣り合う狭幅第1無接合帯51の間には、第1方向51dに対する長手方向の鋭角側交差角θ3が45度以上、かつその長手方向と直交する方向の最大寸法40gが0.1〜0.4mmの細長状をなすシート接合部40が、第1方向51dに間隔を空けて整列されていると好ましい。このようなシート接合部40の形状及び配置により、より少ないシート接合部40の面積で、第1無接合帯51の収縮襞25及びその内部の弾性シート30の連続部が特に視覚的に強調されるようになる。
隣り合う無接合帯51,52の間に位置するシート接合部40の列(無接合帯51,52の連続方向の列)は、一列であっても複数列であってもよい。また、列の方向におけるシート接合部40の間隔は規則的であることが好ましいが、すべての間隔が一定である必要はなく、一部の間隔が異なっていてもよい。
(ウエスト部及びウエスト隣接部の伸縮領域の相違等について)
図19はウエスト部23をより強く締め付けることができる接合孔31及びシート接合部40の配列例を示している。この例では、ウエスト部23の伸縮領域80には、展開状態で、接合孔31を有しない部分が幅方向WDに沿って連続する無孔帯32と、シート接合部40が幅方向WDに間隔を空けて配置された接合帯53とが、幅方向WDと直交する直交方向XDに交互に繰り返し設けられている。また、ウエスト隣接部22の伸縮領域80には、展開状態で、接合孔31を有しない部分が幅方向WDに沿って連続する無孔帯32が少なくとも一本(図示例では無孔帯32と、シート接合部40が幅方向WDに間隔を空けて配置された接合帯53とが、直交方向XDに交互に繰り返し)設けられるとともに、ウエスト部23における複数本の無孔帯32の直交方向XDの寸法が、ウエスト隣接部22の無孔帯32の直交方向XDの寸法よりも長くなっている。ウエスト隣接部22の伸縮領域80の一部又は全部は、が無孔帯32を有しない前述の構造(図9に示す例、図11に示す例及び図15に示す例)となっていてもよい。
前述のように、本伸縮構造20Xでは、締め付け力は弾性シート30の伸長応力と接触面積によりほぼ決まり、弾性シート30の伸長応力の強さは基本的に弾性シート30の断面積(厚み一定であれば幅方向WDと直交する直交方向XDの寸法)で決まる。さらに、本伸縮構造20Xでは、シート接合部40を有する部分では弾性シート30の連続性がなくなる。そのため、本伸縮構造20Xにおいて伸長応力に寄与する弾性シート30の断面積は基本的に無孔帯32の直交方向XDの寸法により決まる。ここで、本伸縮構造では、ウエスト部23における複数本の無孔帯32の直交方向XDの寸法がウエスト隣接部22の無孔帯32の直交方向XDの寸法よりも長いか、又はウエスト隣接部22に無孔帯32が設けられていない。したがって、本態様の使い捨て着用物品は、ウエスト部23及びウエスト隣接部22にわたる同一の弾性シート30により伸縮するものでありながら、ウエスト部23の厚み増加なく、つまり図示例のようにウエスト部23の弾性シート30が単層(折り返しなどにより複数層になっていない)であっても、ウエスト部23をより強く締め付けることができる。
ウエスト部23及びウエスト隣接部22における無孔帯32の直交方向XDの寸法は適宜定めればよい。一例として、弾性シート30が厚み20〜40μmの弾性フィルムである場合、ウエスト部23における複数本の無孔帯32の直交方向XDの寸法は2〜5mmであり、ウエスト隣接部22の無孔帯32の直交方向XDの寸法は、ウエスト部23における複数本の無孔帯32の直交方向XDの寸法の0.25倍以下であるか、又は、ウエスト隣接部22に無孔帯32が設けられていないと好ましい。
ウエスト部23の無孔帯32の数は、締め付け力に応じて定まる無孔帯32の直交方向XDの寸法と、ウエスト部23の直交方向XDの寸法とにより自ずと定まるものであるが、通常の場合3〜7本程度であることが好ましい。
ウエスト部23における複数本の無孔帯32の直交方向XDの寸法が、ウエスト隣接部22の無孔帯32の直交方向XDの寸法よりも長い限り、図20に示す例のように、ウエスト部23における一本(又は複数本でもよいが、過半数未満であることが好ましい。)の無孔帯32の直交方向XDの寸法は、ウエスト隣接部22の無孔帯32の直交方向XDの寸法より短くてもよい。この場合における、ウエスト隣接部22の無孔帯32の直交方向XDの寸法より短い、ウエスト部23の無孔帯32は、ウエスト部23におけるウエスト開口側の端部に位置するもののみであることが望ましいが、ウエスト部23の直交方向XDの中間に位置していてもよい。
ウエスト部23における接合孔31の形状は特に限定されるものではない。ウエスト部23における接合孔31は図19に示す例のようにすべて同じであっても、図22に示す例のように異なっていてもよい。ウエスト部23における接合孔31の自然長状態の形状が、図20〜図22に示す例のように、幅方向WDに細長い形状が好ましく、特に上縁及び下縁(直交方向の両側の縁)が直線状の形状であると、同じ弾性シート30の使用面積で比較した場合、接合孔31の直交方向XDの寸法が短いほど、ウエスト部23の締め付け力を強くすることができるためより好ましい。また、この場合、第1シート層20A及び第2シート層20Bを広範囲にわたり接合しつつ、シート接合部40の面積を小さくすることができ、柔軟性及び通気性に優れるようになる。なお、図20〜図22は展開状態を示しているが、自然長状態では、接合孔31の形状は長辺が幅方向WDに沿う長方形状となるものである。自然長状態における接合孔31の形状は、幅方向WD両端部が円弧状の長孔形状になっていたり、角が丸い長方形状となっていたりしてもよい。ウエスト部23の接合帯53における接合孔31の寸法は適宜定めることができるが、通常の場合、直交方向XDの寸法は0.1〜1.1mmであると好ましい。なお、接合帯53の直交方向XDの両側に無孔帯32が隣接していると、自然長状態で、シート接合部40の形状及び配置が接合孔31と同様となることは前述のとおりである。ウエスト部23における接合孔31とウエスト隣接部22における接合孔31の形状とは図19に示す例のように同じであっても、図22に示す例のように異なっていてもよい。
また、ウエスト部23の接合帯53における接合孔31が大き過ぎたり、伸縮方向EDに近過ぎたりすると、弾性シート30が部分的に破断するおそれがあるため、接合孔31の伸縮方向EDの寸法は3〜6mmであり、伸縮方向EDの間隔は3〜8mmであると好ましい。なお、ウエスト隣接部22の接合部や接合孔31の配置や寸法については前述の範囲内から適宜定めることができる。
ウエスト部23における複数の無孔帯32の一部又は全部に関して、直交方向XDの寸法は同じであっても異なっていてもよい。例えば、図21に示す例のように、ウエスト部23の無孔帯32の直交方向XDの寸法が、ウエスト開口の縁に近づくにつれて長くなっていると、ウエスト部23の縁に近いほど肌との密着性が高くなるため、ウエスト部23の密着性を重視する場合に好適である。一例として、無孔帯32の直交方向XDの寸法は、最長の寸法が最短の寸法の1.5〜2.5倍程度とすることができる。
また、図22に示す例のように、ウエスト部23の無孔帯32の直交方向XDの寸法が、ウエスト開口の縁に近づくにつれて短くなっていてもよい。この場合、ウエスト部23の縁に近いほど締め付け力が弱くなるため、装着状態でウエスト部23と肌との間に簡単に指を入れて使い捨て着用物品をつかむことができる。よって、例えばパンツタイプ使い捨て着用物品であれば、装着状態でウエスト部23を容易につかむことができ、パンツタイプ使い捨ておむつの上げ下ろし作業が容易になる。一例として、無孔帯32の直交方向XDの寸法は、最長の寸法が最短の寸法1.5〜2.5倍程度とすることができる。
図23に示すように、ウエスト部23の無孔帯32の直交方向XDの寸法が、ウエスト部23の幅方向WDの中間20M(例えばウエスト部23の全幅の1/4〜1/2程度の範囲)ではウエスト開口の縁に近づくにつれて長くなり、これよりも幅方向WDの外側20Sではウエスト開口の縁に近づくにつれて短くなっていてもよい。この場合、ウエスト部23の無孔帯32の直交方向XDの寸法が、幅方向WDの位置により変化する。ここで、本態様における、無孔帯32の直交方向XDの寸法が長い部分は弾性シート30の面積が大きくなるものの、その幅方向WDの少なくとも一方は直交方向XDの寸法が短いため、締め付け力としては弱くなる。この結果、本態様では、腹部を締め付ける部分ではウエスト部23の縁に近いほど締め付け力が弱くなり、腸骨に接する部分ではウエスト部23の縁から遠ざかるほど締め付け力が弱くなるため、ウエスト部23のフィット性がより一層良好となる。一例として、無孔帯32の直交方向XDの寸法は、最長の寸法が最短の寸法の1.5〜2.5倍程度とすることができる。
他方、図24に示す例では、ウエスト部23の伸縮領域80には、展開状態で、シート接合部40を有しない部分が幅方向WDに沿って連続する無接合帯54と、シート接合部40が幅方向WDに間隔を空けて配置された接合帯53とが、幅方向WDと直交する直交方向XDに交互に繰り返し設けられている。また、ウエスト部23の伸縮領域80における各無接合帯54には、弾性シート30が直交方向XDに分断された弾性帯33が配置されている。このような弾性帯33の分断は、弾性シート30における分断位置に沿ってシート接合部40を密に配置し、シート接合部40とともに形成される接合孔31の間の部分をすべて破断させることにより行うことができる。さらに、ウエスト隣接部22の伸縮領域80には、展開状態で、接合孔31を有しない部分が幅方向WDに沿って連続する無孔帯32が少なくとも一本(図示例では無孔帯32と、シート接合部40が幅方向WDに間隔を空けて配置された接合帯53とが、直交方向XDに交互に繰り返し)設けられるとともに、ウエスト部23における複数本の弾性帯の直交方向XDの寸法が、ウエスト隣接部22の無孔帯32の直交方向XDの寸法よりも広くなっている。ウエスト隣接部22の伸縮領域80の一部又は全部は、無孔帯32を有しない前述の構造(図9に示す例、図11に示す例及び図15に示す例)となっていてもよい。
この例では、ウエスト部23の弾性帯33は弾性シート30の分断により形成されているとともに、ウエスト部23における複数本の弾性帯33の直交方向XDの寸法がウエスト隣接部22の無孔帯32の直交方向XDの寸法よりも長いか、又はウエスト隣接部22に無孔帯32が設けられていない。したがって、単一の弾性シート30によりウエスト部23及びウエスト隣接部22に伸縮性が付与されるものでありながら、ウエスト部23の厚み増加なく、つまり弾性シート30が単層(折り返しなどにより複数層になっていない)であっても、ウエスト部23をより強く締め付けることができる。さらに、弾性シート30がウエスト部23からウエスト隣接部22にわたり連続せずに、ウエスト部23の伸縮領域80に弾性シート30が分断された弾性帯33が設けられるため、ウエスト部23の外観がウエスト隣接部22の外観と異なり、ウエスト部23の外観を目立たせることが可能となる。
ウエスト部23の弾性帯33及びウエスト隣接部22における無孔帯32の直交方向XDの寸法は適宜定めればよい。一例として、弾性シート30が厚み20〜40μmの弾性フィルムである場合、ウエスト部23における複数本の弾性帯33の直交方向XDの寸法は2〜5mmであり、ウエスト隣接部22の無孔帯32の直交方向XDの寸法は、ウエスト部23における複数本の弾性帯33の直交方向XDの寸法の0.25倍以下であるか、又は、ウエスト隣接部22に無孔帯32が設けられていないと好ましい。
ウエスト部23における複数本の弾性帯33の直交方向XDの寸法が、ウエスト隣接部22の弾性帯33の直交方向XDの寸法よりも長い限り、ウエスト部23における一本(又は複数本でもよいが、過半数未満であることが好ましい。)の弾性帯33の直交方向XDの寸法は、ウエスト隣接部22の弾性帯33の直交方向XDの寸法より短くてもよい。この場合における、ウエスト隣接部22の弾性帯33の直交方向XDの寸法より短い、ウエスト部23の弾性帯33は、ウエスト部23におけるウエスト開口側の端部に位置するもののみであることが望ましいが、ウエスト部23の直交方向XDの中間に位置していてもよい。
ウエスト部23の弾性帯33の数は、締め付け力に応じて定まる弾性帯33の直交方向XDの寸法と、ウエスト部23の直交方向XDの寸法とにより自ずと定まるものであるが、通常の場合3〜7本程度であることが好ましい。
シート接合部40の寸法及び配置は、弾性シート30が分断可能な限り適宜定めればよいが、通常の場合、シート接合部40の伸縮方向EDの寸法は0.5〜3.0mmであり、伸縮方向EDの間隔は2〜5mmであると好ましい。
図24に示す例における他の事項は、前述の図19等に示す例と同様である。
(非伸縮領域)
外装体20における弾性シート伸縮構造20Xを有する領域には、図2に示すように、伸縮領域80の少なくとも幅方向一方側に非伸縮領域70を設けることができる。非伸縮領域70は、伸縮方向の最大伸びが120%以下を意味する。非伸縮領域70の最大伸びは110%以下であると好ましく、100%であるとより好ましい。伸縮領域80及び非伸縮領域70の配置は適宜定めることができる。本例のようなパンツタイプ使い捨ておむつの外装体20の場合、吸収体13と重なる部分は伸縮が不要な領域であるため、図示形態のように、吸収体13と重なる部分の一部又は全部(内外固定領域10Bのほぼ全体を含むことが望ましい)を非伸縮領域70とするのは好ましい。つまり、ウエスト部23の伸縮領域80は、ウエスト部23の幅方向WD全体(サイドシール部21除く)にわたり連続しているが、ウエスト隣接部22の一部が非伸縮領域70となっている。もちろん、吸収体13と重なる領域からその幅方向WD又は前後方向LDに位置する吸収体13と重ならない領域にかけて非伸縮領域70を設けることもでき、吸収体13と重ならない領域にのみ非伸縮領域70を設けることもできる。
非伸縮領域70における個々のシート接合部40の形状は、特に限定されず、前述した形状から適宜選択することができる。
また、非伸縮領域70におけるシート接合部40の面積率及び個々のシート接合部40の面積は適宜定めることができるが、通常の場合、次の範囲内とすると、各シート接合部40の面積が小さくかつシート接合部40の面積率が低いことにより非伸縮領域70が硬くならいためが好ましい。
シート接合部40の面積:0.10〜0.75mm2(特に0.10〜0.35mm2
シート接合部40の面積率:4〜13%(特に5〜10%)
非伸縮領域70は、弾性シート30の収縮力により第1シート層及び第2シート層が収縮して襞が形成されないようにシート接合部40を密に配置すること等によって形成することができる。非伸縮領域70の形成手法の具体例としては、例えば特許第5980355号、特許第5918877号、特許第5980367号、特許第6049228号に示されるものを挙げることができる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前身頃」「後身頃」は、パンツタイプ使い捨ておむつの前後方向中央を境としてそれぞれ前側及び後側の部分を意味する。また、股間部は、パンツタイプ使い捨ておむつの前後方向中央を含む前後方向範囲を意味し、吸収体が括れ部を有する場合には当該括れ部を有する部分の前後方向範囲を意味する。
・「最大伸び」とは、伸縮方向EDの伸びの最大値(換言すれば第1シート層及び第2シート層が収縮や弛み無く平坦に展開した展開状態の伸び)を意味し、展開状態の長さを自然長を100%としたときの百分率で表すものである。
・「面積率」とは単位面積に占める対象部分の割合を意味し、対象領域(例えば伸縮領域80、非伸縮領域70)における対象部分(例えばシート接合部40、接合孔31の開口、通気孔)の総和面積を当該対象領域の面積で除して百分率で表すものであり、特に伸縮構造を有する領域における「面積率」とは、展開状態の面積率を意味するものである。対象部分が間隔を空けて多数設けられる形態では、対象部分が10個以上含まれるような大きさに対象領域を設定して、面積率を求めることが望ましい。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、10倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・吸収体の「厚み」は、株式会社尾崎製作所の厚み測定器(ピーコック、ダイヤルシックネスゲージ大型タイプ、型式J−B(測定範囲0〜35mm)又は型式K−4(測定範囲0〜50mm))を用い、試料と厚み測定器を水平にして、測定する。
・上記以外の「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・「引張強度」及び「引張伸度(破断伸び)」は、試験片を幅35mm×長さ80mmの長方形状とする以外は、JIS K7127:1999「プラスチック−引張特性の試験方法−」に準じて、初期チャック間隔(標線間距離)を50mmとし、引張速度を300mm/minとして測定される値を意味する。引張試験機としては、例えばSHIMADZU社製のAUTOGRAPH AGS−G100Nを用いることができる。
・「伸長応力」とは、JIS K7127:1999「プラスチック−引張特性の試験方法−」に準じて、初期チャック間隔(標線間距離)を50mmとし、引張速度を300mm/minとする引張試験により、弾性領域内で伸長するときに測定される引張応力(N/35mm)を意味し、伸長の程度は試験対象により適宜決定することができる。試験片は幅35mm、長さ80mm以上の長方形状とすることが好ましいが、幅35mmの試験片を切り出すことができない場合には、切り出し可能な幅で試験片を作成し、測定値を幅35mmに換算した値とする。また、対象領域が小さく、十分な試験片を採取できない場合であっても、伸長応力の大小を比較するのであれば、適宜小さい試験片でも同寸法の試験片を用いる限り少なくとも比較は可能である。引張試験機としては、例えばSHIMADZU社製のAUTOGRAPH AGS−G100Nを用いることができる。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
本発明は、弾性シートにより弾性伸縮する伸縮部材を備えたものである限り、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつの他、テープタイプ使い捨ておむつ、スイミングや水遊び用の使い捨て着用物品等、使い捨て着用物品全般に利用できるものである。
10…内装体、10B…内外固定領域、11…トップシート、12…液不透過性シート、13…吸収体、13N…括れ部分、14…包装シート、17…無吸収体側部、20…外装体、20A…第1シート層、20B…第2シート層、20C…折り返し部分、20X…弾性シート伸縮構造、21…サイドシール部、22…ウエスト隣接部、23…ウエスト部、25…収縮襞、30…弾性シート、31…接合孔、32…無孔帯、33…弾性帯、40…シート接合部、51,52…無接合帯、51…第1無接合帯、51d…第1方向、51s…第1間隔、51w…第1幅、52…第2無接合帯、52d…第2方向、53…接合帯、70…非伸縮領域、80…伸縮領域、90…立体ギャザー、93…倒伏部分、94…自由部分、95…ギャザーシート、96…ギャザー弾性部材、B…後身頃、ED…伸縮方向、F…前身頃、L…中間部、T…胴周り部、LD…前後方向、WD…幅方向、XD…直交方向。
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