JP2019165346A - 音叉型水晶振動子 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐衝撃性と静電耐圧特性に優れる音叉型水晶振動子を提供する。【解決手段】音叉型水晶振動片10は、基部11、第1、第2の振動腕13a、13b、支持腕15、第1、第2の励振用電極19a、19bを具える。第1の励振用電極は、第1の接続パッド19axから、支持腕の主面の一部及び第1の振動腕側の側面の一部と、支持腕及び第1の振動腕間の第1の股部17aの内底面と、基部の第1の股部の周囲の部分と、から成る領域を経由し、第1の振動腕の側面に至るように引き回してある。第2の励振用電極は、第2の股部17b側において、第1の励振用電極同様に、引き回してある。第1の接続パッドと第2の接続パッドは、音叉型水晶片の重心Gを挟んで支持腕15の長手方向の両側に設けてある。音叉型水晶片は、第1及び第2の接続パッドの位置で容器21に導電性接着剤23により接続固定してある。【選択図】図3
Description
本発明は、耐衝撃性に優れた3本腕構造の音叉型水晶振動子に関する。さらには、耐衝撃性に優れかつ静電耐圧特性に優れた音叉型水晶振動子に関する。
電子機器の小型化に伴い、音叉型水晶振動子に対する小型化の要求が益々高まっている。音叉型水晶振動子の小型化に有利な構造の一つとして、いわゆる3本腕構造の音叉型水晶振動子がある。これは、基部と、この基部から互いに平行に延びている2本の振動腕と、これら振動腕の間に前記基部から延びている支持腕と、を具えた音叉型水晶片を、容器に実装し封止したものである。
3本腕構造の音叉型水晶振動子では、音叉型水晶片は、支持腕の2箇所の位置で、導電性接着剤によって、容器に固定されている。
また、音叉型水晶振動子の場合、所定の動作を実現するために、第1の励振用電極と第2の励振用電極とを、各振動腕の主面及び側面からなる合計8つの面に所定通りに引き回してある。この点は、3本腕構造の場合も同様である。ただし、3本脚構造の場合は、励振用電極から引出電極が支持腕まで引き回してある。
また、音叉型水晶振動子の場合、所定の動作を実現するために、第1の励振用電極と第2の励振用電極とを、各振動腕の主面及び側面からなる合計8つの面に所定通りに引き回してある。この点は、3本腕構造の場合も同様である。ただし、3本脚構造の場合は、励振用電極から引出電極が支持腕まで引き回してある。
このような3本腕構造の音叉型水晶振動子に対しても、良好な耐衝撃性が要求される。また、衝撃性に加えて、良好な静電耐圧特性が要求される。
これら要求のうちの耐衝撃性を向上させるため、例えば特許文献1では、3本腕構造の音叉型水晶片を、その重心が当該水晶片の支持腕中に位置するように設計し、かつ、支持腕を容器に固定する2箇所の固定部(マウント部)を、支持腕の前記重心より支持腕の先端側に配置している。
これら要求のうちの耐衝撃性を向上させるため、例えば特許文献1では、3本腕構造の音叉型水晶片を、その重心が当該水晶片の支持腕中に位置するように設計し、かつ、支持腕を容器に固定する2箇所の固定部(マウント部)を、支持腕の前記重心より支持腕の先端側に配置している。
一方、静電耐圧特特性は、励振用電極や引出電極の引回し具合によっても変わる。3本腕構造の音叉型水晶振動子の励振電極や引出電極の配置例は、例えば特許文献2の図5、特許文献3の図1等に記載されている。
この出願に係る発明者も3本腕構造の音叉型水晶振動子の耐衝撃性を高めるための検討を進めてきた。また、静電耐圧特性を向上させるための検討を進めてきた。その結果、好ましい構造を見出した。
この出願はこのような点に鑑みなされたものであり、従って、この出願の目的は、3本腕構造の音叉型水晶振動子の耐衝撃性向上に好ましい構造を提供することにある。さらに、3本腕構造の音叉型水晶振動子の耐衝撃性及び静電耐圧特性双方の向上に好ましい構造を提供することにある。
この出願はこのような点に鑑みなされたものであり、従って、この出願の目的は、3本腕構造の音叉型水晶振動子の耐衝撃性向上に好ましい構造を提供することにある。さらに、3本腕構造の音叉型水晶振動子の耐衝撃性及び静電耐圧特性双方の向上に好ましい構造を提供することにある。
この目的の達成を図るため、この発明によれば、基部と、この基部から互いに平行に延びている第1及び第2の振動腕と、これら振動腕の間に前述の基部から延びている支持腕と、を具える音叉型水晶片を、容器に実装した音叉型水晶振動子において、
音叉型水晶片の重心が支持腕中にあり、
音叉型水晶片を容器に固定する固定点を支持腕内に2箇所有し、
前記2箇所の固定点の一方は、前記支持腕の前記重心より先端側の領域に在り、他方は前記重心より前記基部側に在ることを特徴とする。
音叉型水晶片の重心が支持腕中にあり、
音叉型水晶片を容器に固定する固定点を支持腕内に2箇所有し、
前記2箇所の固定点の一方は、前記支持腕の前記重心より先端側の領域に在り、他方は前記重心より前記基部側に在ることを特徴とする。
また、この発明を実施するに当たり、上記の音叉型水晶振動片は、前記振動腕に第1の励振用電極及び第2の励振用電極を具え、かつ、前記支持腕に前記第1の励振用電極及び第2の励振用電極から引き出されていて当該音叉型水晶片を容器に電気的及び機械的に接続固定する固定点である第1の接続パッド及び第2の接続パッドを具える。
そして、第1の励振用電極は、第1の接続パッドから、支持腕の主面の一部及び第1の振動腕側の側面の一部と、前記支持腕及び前記第1の振動腕の間に在る第1の股部の内底面と、前記基部の前記第1の股部の周囲の部分と、から成る領域を経由して、前記第1の振動腕の前記支持部側の側面に至るよう引き回してあるのが良く、かつ、
第2の励振用電極は、第2の接続パッドから、支持腕の主面の一部及び第2の振動腕側の側面の一部と、前記支持腕及び前記第2の振動腕の間に在る第2の股部の内底面と、前記基部の前記第2の股部の周囲の部分と、から成る領域を経由して、前記第2の振動腕の前記支持部側の側面に至るよう引き回してあるのが良い。
そして、第1の励振用電極は、第1の接続パッドから、支持腕の主面の一部及び第1の振動腕側の側面の一部と、前記支持腕及び前記第1の振動腕の間に在る第1の股部の内底面と、前記基部の前記第1の股部の周囲の部分と、から成る領域を経由して、前記第1の振動腕の前記支持部側の側面に至るよう引き回してあるのが良く、かつ、
第2の励振用電極は、第2の接続パッドから、支持腕の主面の一部及び第2の振動腕側の側面の一部と、前記支持腕及び前記第2の振動腕の間に在る第2の股部の内底面と、前記基部の前記第2の股部の周囲の部分と、から成る領域を経由して、前記第2の振動腕の前記支持部側の側面に至るよう引き回してあるのが良い。
この発明の3本腕構造の音叉型水晶振動子の場合、音叉型水晶片の重心を挟んで支持腕の長手方向の両側に、この水晶片を容器に固定する固定点を設けてあるので、バランスの良い固定が行える。従って、そうしない場合に比べ、耐衝撃性の向上が期待できる。
また、この発明の好適例の場合、固定点から励振用電極側を見た際に、励振用電極および引出電極における静電気により破壊されやすい領域(弱点領域)に、励振用電極幅を広く引き回した構造が得られる。従って、耐衝撃性および静電耐圧性に優れる音叉型水晶振動子の実現が期待できる。
また、この発明の好適例の場合、固定点から励振用電極側を見た際に、励振用電極および引出電極における静電気により破壊されやすい領域(弱点領域)に、励振用電極幅を広く引き回した構造が得られる。従って、耐衝撃性および静電耐圧性に優れる音叉型水晶振動子の実現が期待できる。
以下、図面を参照してこの発明の音叉型水晶振動子の実施形態について説明する。なお、説明に用いる各図はこの発明を理解できる程度に概略的に示してあるにすぎない。また、説明に用いる各図において、同様な構成成分については同一の番号を付して示し、その説明を省略する場合もある。また、以下の説明中で述べる形状、寸法、材質等はこの発明の範囲内の好適例に過ぎない。従って、本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。
1.3本腕構造の音叉型水晶振動子の構造
先ず、実施形態の3本腕構造の音叉型水晶振動子の構造について説明する。図1(A)は実施形態の音叉型水晶振動子に具わる音叉型水晶片10の平面図、図1(B)は図1(A)中のP−P線に沿った断面を音叉型水晶片10の頭部側から見た図である。
先ず、実施形態の3本腕構造の音叉型水晶振動子の構造について説明する。図1(A)は実施形態の音叉型水晶振動子に具わる音叉型水晶片10の平面図、図1(B)は図1(A)中のP−P線に沿った断面を音叉型水晶片10の頭部側から見た図である。
この音叉型水晶振動片10は、基部11と、第1の振動腕13a及び第2の振動腕13bと、支持腕15と、溝13cと、励振用電極(図2参照)と、を具えている。
第1の振動腕13a及び第2の振動腕13bは、基部11から互いに平行に延びている。また、この場合の第1の振動腕13a及び第2の振動腕13b各々は、その先端部の幅が他の部分より広くなっている。また、溝13cは、第1の振動腕13a、第2の振動腕13b各々の表裏両面に所定の深さで設けてある。なお、溝13cは音叉型水晶振動子に駆動信号の電界を効率的に印加するためのものである。以下の図2、図3では溝の図示を省略する。
第1の振動腕13a及び第2の振動腕13bは、基部11から互いに平行に延びている。また、この場合の第1の振動腕13a及び第2の振動腕13b各々は、その先端部の幅が他の部分より広くなっている。また、溝13cは、第1の振動腕13a、第2の振動腕13b各々の表裏両面に所定の深さで設けてある。なお、溝13cは音叉型水晶振動子に駆動信号の電界を効率的に印加するためのものである。以下の図2、図3では溝の図示を省略する。
また、支持腕15は、第1の振動腕13aと、第2の振動腕13bとの間に、基部11から、これら振動腕13a,13bに平行な状態で延びている。従って、支持部15と第1の振動腕13aとの間に第1の股部17aが形成され、支持部11と第2の振動腕13bとの間に第2の股部17bが形成される。なお、支持腕15の基部11側での幅は、支持腕の他の部分の幅より細くしてある。すなわち、支持腕15の根元にクビレ部を設けた構造にしてある。こうしておくと、振動腕の振動が支持腕側に漏れること、および、容器(図3で21で示すもの)側からの衝撃等が振動腕に及ぶことを、それぞれ軽減できるので、好ましい。
また、この場合の音叉型水晶片10は、その重心Gが支持腕15内に位置するよう、より好ましくは、重心Gが支持腕の長手方向の中央を含む領域に位置するように、設計してある。ここで、支持腕15の長手方向の中央を含む領域とは、例えば、支持腕15の、基部11との接続位置から支持腕15の先端までの中心点を含む領域であり、例えば重心Gが上記中心点に対し支持腕15の長さの±15%の範囲の領域、より好ましくは±10%の範囲の領域である。もちろん、重心Gが支持腕15の長手方向の中心点に一致しても良い。
また、この音叉型水晶振動片10では、図1(B)に示すように、第1の振動腕13a及び第2の振動腕13b各々の主面及び側面の合計8面に対し、所定の交番電界を印加することにより屈曲振動が起こる。すなわち、ある時刻において、図1(B)の例のように+、−で示した極性で電界を振動腕に加え、次の時刻に図1(B)の場合とは反対極性で電界を振動腕に加えることで、屈曲振動が起こる。
このような屈曲振動を生じさせるため、第1の振動腕13a及び第2の振動腕13bに対して、励振用電極を配置している。これについて、図2を参照して説明する。図2は、音叉型水晶振動片10を展開した図に当たる。すなわち、図2の展開図を紙面の横方向に折りたたみ、Qと示した2箇所をつなぎ合わせると、音叉の形になる趣旨の展開図である。この図2において、19aを付した実線は第1の励振用電極であり、19bを付した破線は第2の励振用電極である。これら励振用電極19a、19b各々は、実際は、所定の幅を持っているが、図2では実践や破線で示してある。また、これら励振用電極は、振動腕13a、13bの側面にも配置されるが、振動腕の側面に設ける部分については、図示の都合上、振動腕13a、13bの脇に実線や破線を沿わせた体裁で示してある。
また、支持腕15は、第1の接続パッド19ax及び第2の接続パッド19bxを具えている。具体的には、支持腕15には、第1の励振用電極19a及び第2の励振用電極19bから引き出されていて当該音叉型水晶片10を容器に電気的及び機械的に接続固定する固定点である第1の接続パッド19ax及び第2の接続パッド19bxを設けてある。然も、第2の接続パッド19bxは、音叉型水晶片の重心Gに対し、支持腕15の先端側の領域になるように、また、第2の接続パッド19bxは、音叉型水晶片の重心Gに対し、基部11側になるように、支持腕15に設けてある。
然も、図2に示したように、第1の励振用電極19aは、支持腕11の第1の主面15a上の第1の接続パッド19axから、第1の振動腕13aの第1の側面及びこれと対向する第2の側面、並びに、第2の振動腕13bの第1の主面及びこれと対向する第2の主面に引き回してある。また、第2の励振用電極19bは、支持腕11の第1の主面15aから、支持腕15の側面を経由して支持腕15の第2の主面15bに至った後、第2の振動腕13bの第1の側面及びこれと対向する第2の側面、並びに、第1の振動腕13aの第1の主面及びこれと対向する第2の主面に引き回してある。
上述した音叉型水晶片10を容器21に実装することで、実施形態の音叉型水晶振動子100を構成できる。図3は、その説明図である。特に、図3(A)は音叉型水晶振動子100の平面図、図3(B)は、(A)図のP−P線に沿った断面図、(C)図は底面図である。
先ず、容器21は、凹部21aと、接続パッド21bと、外部接続端子21cとを具える。この容器21は、典型的には、セラミックパッケージで構成できる。以下、容器21の各部について説明する。
凹部21aは、音叉型水晶片10を収容できる深さ及び平面形状を持っている。接続パッド21bは、凹部21aの底面上であって、上記した励振用電極側の接続パッド19ax、19bxに対応する位置に設けてある。また、外部接続端子21cは、容器21の外側の底面に設けてある。これら接続パッド21bと外部接続端子21cとは、図示しないビア配線によって電気的に接続してある。
凹部21aは、音叉型水晶片10を収容できる深さ及び平面形状を持っている。接続パッド21bは、凹部21aの底面上であって、上記した励振用電極側の接続パッド19ax、19bxに対応する位置に設けてある。また、外部接続端子21cは、容器21の外側の底面に設けてある。これら接続パッド21bと外部接続端子21cとは、図示しないビア配線によって電気的に接続してある。
このような容器21に、音叉型水晶片10は、第1の接続パッド19ax、第2の接続パッド19bx及び容器側の接続パッド21bの位置で、導電性接着剤23によって、接続固定してある。
そして、パッケージ21の凹部21aの周囲の土手部の天面に、蓋部材25を接合して、音叉型水晶片10はパッケージ21に封止される。封止方法は音叉型水晶振動子の設計に応じた任意の方法を用いることができる。例えばシーム溶接かつ真空封止方法や、金錫溶接かつ真空封止法を用いることができる。
そして、パッケージ21の凹部21aの周囲の土手部の天面に、蓋部材25を接合して、音叉型水晶片10はパッケージ21に封止される。封止方法は音叉型水晶振動子の設計に応じた任意の方法を用いることができる。例えばシーム溶接かつ真空封止方法や、金錫溶接かつ真空封止法を用いることができる。
このような3本腕構造の音叉型水晶振動子の構造は、水晶振動子のパッケージサイズで言って、例えば1.6mm×1.0mmのサイズ以下のもの、いわゆる1610サイズ以下の音叉型水晶振動子に適用して好適である。以下の実施例や比較例の試料も1610サイズで検討している。もちろん、このサイズは一例である。
この実施形態の音叉型水晶振動子100の場合、第1の接続パッド19ax及び第1の接続パッド19bxを、音叉型水晶片10の重心Gを挟んで支持腕15の上下領域に設けてあるので、音叉型水晶振動片10の容器21に対する座りが良好になるから、外部からの衝撃等に対する耐性に優れると期待できる。
この実施形態の音叉型水晶振動子100の場合、第1の接続パッド19ax及び第1の接続パッド19bxを、音叉型水晶片10の重心Gを挟んで支持腕15の上下領域に設けてあるので、音叉型水晶振動片10の容器21に対する座りが良好になるから、外部からの衝撃等に対する耐性に優れると期待できる。
2.励振用電極の引回し構造と静電耐圧特性について
次に、励振用電極の引回し構造が音叉型水晶振動子の静電耐圧特性に影響することについて、図4〜図6を参照して説明する。
2−1.実施例及び比較例の電極引き回し構造
図4(A)は実施例の音叉型水晶振動片10を説明する平面図、図4(B)は比較例の音叉型水晶振動片30を説明する平面図である。いずれの図も、励振用電極の特徴部分に着目した図であって、図2中のRを付した部分に相当する部分を示した平面図である。
次に、励振用電極の引回し構造が音叉型水晶振動子の静電耐圧特性に影響することについて、図4〜図6を参照して説明する。
2−1.実施例及び比較例の電極引き回し構造
図4(A)は実施例の音叉型水晶振動片10を説明する平面図、図4(B)は比較例の音叉型水晶振動片30を説明する平面図である。いずれの図も、励振用電極の特徴部分に着目した図であって、図2中のRを付した部分に相当する部分を示した平面図である。
図4(A)に示したように、実施例の音叉型水晶振動片10では、第1の励振用電極19aは、第1の接続パッド19axから、支持腕15の主面の一部及び第1の振動腕側の側面の一部と、支持腕15及び第1の振動腕13aの間に在る第1の股部17aの内底面と、基部11の第1の股部17aの周囲の部分と、から成る領域を経由して、第1の振動腕13aの支持腕15側の側面に至るよう引き回してある。すなわち、実例例の場合では、第1の股部17aの輪郭線M(図中に破線で示す)を越えて、支持腕15の側面の一部と第1の股部17aの内底面に及んで、第1の励振用電極19aを設けてある。
なお、実施例の音叉型水晶振動片10では、第1の励振用電極19aの、支持腕15の主面上に設けた部分の幅W1は、30μmとした。また、第1の励振用電極19aの、基部11の第1の股部17aの周囲の部分の幅W2は、50μmとした。また、第1の励振用電極19aの、支持腕15の側面や第1の股部17aの内底面に設ける部分は、この音叉型水晶振動子の厚さ方向(図4(A)の紙面に垂直な方向)においてほぼ全部が励振用電極となるようにした。
なお、上記の電極幅等であるが、実験では上記の値としたが、発明者の検討によれば、幅W1については、少なくとも30μmが良い。また、幅W2であるが、支持腕の側面や股部の内底面にも電極を設ける本発明の効果を考慮すれば、50μmもいらず、製造上の都合を考慮して20μm以上あれば良い。また、第1の励振用電極19aの、支持腕の側面や第1の股部17aの底面に設ける部分は、この音叉型水晶振動子の厚さ方向(図4(A)の紙面に垂直な方向)においてほぼ全部でなくとも、厚さ方向の少なくとも半分であれば良い。また、支持腕15の側面に励振用電極を引き回す際に、支持腕の側面のどこまでの部分を利用するかは、第1の股部の内底面に設ける励振用電極との接続が確実に行えるような寸法とすれば良い。これに限られないが股部の底からの距離L1(図4(A)参照)を少なくとも50μm、好ましくは少なくとも100μm程度とするのが良い。
また、第2の励振用電極19bについても、音叉の反対側の面において、第2の股部17aの輪郭線を越えて、支持腕15の側面の一部と第2の股部17bの内底面に及んで、設けてある。電極幅、支持腕側面や第2の股部17bの内底面の電極の形成領域の詳細は第1の励振用電極と同様にするのが良い。
一方、比較例の音叉型水晶振動片30では、図4(B)に示したように、第1の励振用電極19aは、第1の接続パッド19axから、支持腕15の主面の一部と、基部11の一部とを経由して、第1の振動腕13aの支持腕15側の側面に至るよう引き回してある。すなわち、比較例の場合では、第1の励振用電極19aは、支持腕15の主面の一部と、基部11の主面であって第1の股部17aから距離Sだけ離れた領域と、第1の股部17aの第1の振動腕13a側の隅部(図中W3で示した部分)とを経由して、第1の振動腕13aの支持腕15側の側面に至るよう引き回してある。従って、比較例の音叉型水晶振動片30では、第1及び第2の励振用電極19a、19bを、支持腕15の側面や第1及び第2の股部17a、17bの内底面を利用することなく引き回した構造となっている。
なお、比較例の音叉型水晶振動辺30では、第1の励振用電極19aの、支持腕15の主面上に設けた部分の幅W1は、30μmとした。また、第1の励振用電極19aの、基部11の第1の股部17aの周囲の部分の幅W4は、20μmとした。また、上述した幅W3は20μmとした。
なお、比較例の音叉型水晶振動辺30では、第1の励振用電極19aの、支持腕15の主面上に設けた部分の幅W1は、30μmとした。また、第1の励振用電極19aの、基部11の第1の股部17aの周囲の部分の幅W4は、20μmとした。また、上述した幅W3は20μmとした。
また、第2の励振用電極19bについても、音叉の反対側の面において、支持腕15の主面の一部と、基部11の主面であって第2の股部17bから距離Sだけ離れた領域と、第2の股部17bの第2の振動腕13b側の隅部とを経由して、第2の振動腕13bの支持腕15側の側面に至るよう引き回してある。
2−2.静電耐圧試験結果
実施例及び比較例の音叉型水晶振動片を容器21としてのセラミックパッケージにそれぞれ実装し、さらに真空封止して実施例及び比較例の音叉型水晶振動子を試作し、それぞれに対し、静電耐圧試験(ESD試験)を実施して、本発明の効果を確認した。なお、実施例、比較例いずれも試験に用いたサンプル数は10個である。
静電耐圧試験として、JEDECにより規格化されているJESD22−A114のHBM(人体モデル)試験を実施した。この試験は、上記真空封止した音叉型水晶振動子の外部端子に規格化された条件で電圧を印加し、かつ、印加電圧を順次に上げ、その際の試料での周波数変化量(Δf/f)とクリスタルインピダンス(CI)変化量(ΔCI)とにより、耐圧評価するものである。印加電圧は100V、200V、300V、400V、500Vの5条件とした。各電圧毎で電圧を5回印加した、その都度、周波数変化、CI変化を測定し、規格を割ったものを不良とした。印加電圧の上限を500Vとした理由は、要求仕様の関係からである。
実施例及び比較例の音叉型水晶振動片を容器21としてのセラミックパッケージにそれぞれ実装し、さらに真空封止して実施例及び比較例の音叉型水晶振動子を試作し、それぞれに対し、静電耐圧試験(ESD試験)を実施して、本発明の効果を確認した。なお、実施例、比較例いずれも試験に用いたサンプル数は10個である。
静電耐圧試験として、JEDECにより規格化されているJESD22−A114のHBM(人体モデル)試験を実施した。この試験は、上記真空封止した音叉型水晶振動子の外部端子に規格化された条件で電圧を印加し、かつ、印加電圧を順次に上げ、その際の試料での周波数変化量(Δf/f)とクリスタルインピダンス(CI)変化量(ΔCI)とにより、耐圧評価するものである。印加電圧は100V、200V、300V、400V、500Vの5条件とした。各電圧毎で電圧を5回印加した、その都度、周波数変化、CI変化を測定し、規格を割ったものを不良とした。印加電圧の上限を500Vとした理由は、要求仕様の関係からである。
図5(A)は、実施例の音叉型水晶振動子の静電耐圧試験結果を示した図であり、図5(B)は、比較例の音叉型水晶振動子の静電耐圧試験結果を示した図である。両図を比較して明らかなように、実施例では不良発生はゼロであるのに対し、比較例では印加電圧が200Vの水準から不良が発生しており、実施例は比較例より各段に優れることが理解できる。
また、図6は、比較例の試料であって静電耐圧試験で不良となった試料を開封し、不良原因をSEM(走査型電子顕微鏡)により特定した写真である。なお、試料(実製品)は水晶の結晶軸のエッチング異方性から、股部の形状は略V字かつ複雑な形状になる。図1等では股部は簡略した形状で示しているが、SEMで観察される実製品の形状は、図1等で示した形状と異なる点を付記する。
また、図6は、比較例の試料であって静電耐圧試験で不良となった試料を開封し、不良原因をSEM(走査型電子顕微鏡)により特定した写真である。なお、試料(実製品)は水晶の結晶軸のエッチング異方性から、股部の形状は略V字かつ複雑な形状になる。図1等では股部は簡略した形状で示しているが、SEMで観察される実製品の形状は、図1等で示した形状と異なる点を付記する。
図6中の破線円で囲んだ部分31が、励振用電極19aの、静電気により破壊された部分である。この場合の励振用電極は、クロムと金の2層の薄膜で構成しているが、これら金属が静電気によって溶融飛散していることが分かる。不良となったいずれの試料でも、破壊箇所は図6の箇所と同じであることから、接着パッドから励振用電極19a側を見た際に、励振用電極が振動子主面から股部17a内に引き回される領域が、静電耐圧の弱点領域になることが理解できる。実施例の結果から、本発明の励振用電極の引回し構造によれば、この弱点領域を補うことができることが理解できる。
10:実施形態の音叉型水晶振動片、 11:基部、 13a:第1の振動腕、
13b:第2の振動腕、 15:支持腕、 17a:第1の股部、
17b:第2の股部、 19a:第1の励振用電極、
19b:第2の励振用電極、 19ax:第1の接続パッド(固定部)、
19bx:第2の接続パッド(固定部)、 21:容器、
21a:凹部、 21b:接続パッド、
21c:外部接続端子、 23:導電性接着剤、
25:蓋部材、 30:比較例の音叉型水晶片
G:音叉型水晶片の重心、 100:実施形態の音叉型水晶振動子
M:本発明の特徴部分
W1〜W4:励振用電極の各部の幅
S:励振用電極の縁と第1の股部との離間距離
31:励振用電極の静電気により破壊された箇所
13b:第2の振動腕、 15:支持腕、 17a:第1の股部、
17b:第2の股部、 19a:第1の励振用電極、
19b:第2の励振用電極、 19ax:第1の接続パッド(固定部)、
19bx:第2の接続パッド(固定部)、 21:容器、
21a:凹部、 21b:接続パッド、
21c:外部接続端子、 23:導電性接着剤、
25:蓋部材、 30:比較例の音叉型水晶片
G:音叉型水晶片の重心、 100:実施形態の音叉型水晶振動子
M:本発明の特徴部分
W1〜W4:励振用電極の各部の幅
S:励振用電極の縁と第1の股部との離間距離
31:励振用電極の静電気により破壊された箇所
Claims (5)
- 基部と、前記基部から互いに平行に延びている第1及び第2の振動腕と、これら振動腕の間に前記基部から延びている支持腕と、を具える音叉型水晶片を、容器に実装した音叉型水晶振動子において、
音叉型水晶片の重心が支持腕中にあり、
音叉型水晶片を容器に固定する固定点を支持腕内に2箇所有し、
前記2箇所の固定点の一方は、前記支持腕の前記重心より先端側の領域に在り、他方は前記重心より前記基部側に在ることを特徴とする音叉型水晶振動子。 - 前記第1の振動腕及び第2の振動腕に設けられた第1の励振用電極及び第2の励振用電極と、
これら第1の励振用電極及び第2の励振用電極を外部に接続するため前記第1及び第2の励振用電極から前記支持腕まで引き出されこの支持腕に設けられた第1の接続パッド及び第2の接続パッドとを具え、
前記第1の励振用電極は、前記第1の接続パッドから、前記支持腕の主面の一部及び前記第1の振動腕側の側面の一部と、前記支持腕及び前記第1の振動腕の間に在る第1の股部の内底面と、前記基部の前記第1の股部の周囲の部分と、から成る領域を経由して、前記第1の振動腕の前記支持腕側の側面に至るよう引き回してあり、
前記第2の励振用電極は、前記第2の接続パッドから、前記支持腕の主面の一部及び第2の振動腕側の側面の一部と、前記支持腕及び前記第2の振動腕の間に在る第2の股部の内底面と、前記基部の前記第2の股部の周囲の部分と、から成る領域を経由して、前記第2の振動腕の前記支持腕側の側面に至るよう引き回してあることを特徴とする請求項1に記載の音叉型水晶振動子。 - 前記第1の股部の内底面と前記第2の股部の内底面では、実質的にその全面に励振用電極を引き回してあることを特徴とする請求項2に記載の音叉型水晶振動子。
- 前記第1の励振用電極は、前記引回し後、前記第1の振動腕の第1の側面及びこれと対向する第2の側面と、前記第2の振動腕の第1の主面及びこれと対向する第2の主面に引き回してあり、
前記第2の励振用電極は、前記引回し後、前記第2の振動腕の第1の側面及びこれと対向する第2の側面と、前記第1の振動腕の第1の主面及びこれと対向する第2の主面に引き回してあることを特徴とする請求項2に記載の音叉型水晶振動子。 - 前記第1の接続パッド及び第2の接続パッドは前記支持腕の第1の主面に設けてあり、前記第2の接続パッドは前記支持腕の側面を経由して前記支持腕の前記第1主面とは反対面である第2の主面の第2の励振用電極に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の音叉型水晶振動子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018051881A JP2019165346A (ja) | 2018-03-20 | 2018-03-20 | 音叉型水晶振動子 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018051881A JP2019165346A (ja) | 2018-03-20 | 2018-03-20 | 音叉型水晶振動子 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019165346A true JP2019165346A (ja) | 2019-09-26 |
Family
ID=68066340
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JP2018051881A Pending JP2019165346A (ja) | 2018-03-20 | 2018-03-20 | 音叉型水晶振動子 |
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JP (1) | JP2019165346A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003163568A (ja) * | 2001-10-09 | 2003-06-06 | Eta Sa Fab Ebauches | 圧電共振子およびケースに密封された圧電共振子を備えるアセンブリ |
JP2006345519A (ja) * | 2005-06-09 | 2006-12-21 | Eta Sa Manufacture Horlogere Suisse | 小型のピエゾ電子共振器 |
JP2015170965A (ja) * | 2014-03-06 | 2015-09-28 | エスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社 | 圧電振動片及び圧電振動子 |
-
2018
- 2018-03-20 JP JP2018051881A patent/JP2019165346A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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