JP2019165199A - 非線形的線量およびブラー(ボケ)に依存するエッジ配置の補正 - Google Patents

非線形的線量およびブラー(ボケ)に依存するエッジ配置の補正 Download PDF

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Abstract

【課題】パターン要素境界の特徴エッジ(dCD)の位置と、該境界の公称位置との間の非線形関係を補正可能なラスター化露光方法を提供する。【解決手段】非線形性を補正する方法において、エッジ位置の位置補正が採用される。位置補正は、前記エッジ位置を記述する位置値を決定すること、所定の非線形関数を用いて位置値に基づき補正された位置値を決定すること、及び、補正された位置値に応じてパターンを修正し、パターン要素境界を効果的にシフトすること、を含む。非線形関数は、パターンの露光中に入力値として使用される公称位置値dと、公称位置値を用いて露光されたとき生成されるパターン要素境界の、結果として得られる位置dCDとの間の関係の逆を記述する。【選択図】図16A

Description

本出願は2018年1月9日に出願された欧州特許出願第18150797.1号についてのパリ条約上の優先権の利益を主張するものであり、当該出願の全内容は引照を以って本書に繰り込みここに記載されているものとする。
本発明は、荷電粒子マルチビーム描画装置によってターゲット上に露光されるべきパターンを計算する方法に関し、前記装置は、ターゲット上の露光領域内の複数のピクセルを露光して、走査ストライプ露光によって前記パターンを生成し、該パターンは、露光領域上のラスターグリッドに従って規定された複数のピクセルからなるピクセルグラフィックとして実現され、前記ピクセルのそれぞれは、それぞれのピクセル位置に配置された幾何学的ピクセル形状によって表され、前記ピクセルのそれぞれには、前記それぞれのピクセルについて露光されるべき露光線量の値に対応する強度値が割り当てられ、前記方法は、以下のステップ:
(i) ベクトルパターンを複数のパターン要素として提供すること、各パターン要素は、境界および内部を含むそれぞれの幾何学的形状を有し、それぞれ割り当てられた線量に関連付けられ、前記割り当てられた線量は、それぞれの形状の内部内のピクセルについて露光されるべき露光線量の値を規定すること、
(ii) ベクトルパターンに基づいて、複数のピクセルそれぞれについて、それぞれの強度値を計算することによりベクトルパターンをパターンにラスター化すること、
を含む。
上述のタイプの方法を使用する荷電粒子マルチビーム処理装置は従来技術において既知である。とりわけ、本出願人は、荷電粒子光学系、パターン規定(PD)装置及び該装置で使用されるマルチビーム描画方法に関し本出願人名義の幾つかの特許に記載されているような荷電粒子マルチビーム装置を実現している。例えば、193nm液浸リソグラフィ用のフォトマスク、EUVリソグラフィ用のマスク及びインプリントリソグラフィ用のテンプレート(1×masks)の最先端の複合体を実現可能にする50keV電子マルチビーム描画機が実用化されており、これはeMET(electron Mask Exposure Tool)又はMBMW(multi-beam mask writer)と称され、6”(6インチ)のマスクブランク基板の露光のためのものである。更に、PML2(Projection Mask-Less Lithography)とも称されるマルチビームシステムは、シリコンウエハ基板に電子ビーム直接描画(EBDW)を適用するために実現されたものである。上記のタイプのマルチビーム処理装置は、以下においては、マルチビーム描画機、又は略してMBW、と称する。
MBWの場合、走査ストライプ露光は、複数のビームレットからなる構造化ビームがターゲットに指向され、露光領域上の経路に沿って移動されるタイプのものであり、後続の露光ステップ間において、構造化ビームは、ターゲット上における構造化ビームの幅よりも短い露光長さに対応する、継続的な(consecutive)距離だけターゲット上でシフトされる。
MBWの典型的な具体例として、本出願人は、基板における81.92μm×81.92μmの寸法のビームアレイフィールド内に512×512(=262,144)本のプログラマブルビームレットを含む20nmのトータルビームサイズを実現する50keV電子描画ツールを実現している。この描画ツールでは、典型的なタイプの基板は、電子ビーム感応性レジストで被覆された6″マスクブランク(これは6″×6″=152.4mm×152.4mmの面積と、例えば1″/4=6.35mmの厚みを有する)であり、更に、マルチビーム描画はレジスト被覆150mmシリコンウエハに対しても適用可能である。MBWタイプのこの描画ツールに関する更なる情報は、本出願人による米国特許第9,653,263号に見出すことができるが、その内容は引照を以って本書に繰り込みここに記載されているものとする。MBWは、本書において「走査ストライプ露光(scanning stripe exposure)」と称される描画方法を実行するように構成されている。走査ストライプ露光描画方法は、本発明の文脈において必要とされる限りにおいて、図1〜図7を参照して以下に説明されている。走査ストライプ露光に関する更なる詳細は、本出願人の米国特許第9,053,906号に見出すことができるが、その内容は引照を以って本書に繰り込みここに記載されているものとする。
ガラス基板上のマスクパターンのようなパターンの露光に使用されるもう1つの技術水準の描画技術は、所謂VSB(Variable Shaped Beam)技術である。VSB技術は、基板に対する「ショット(複数)」の連続(sequential)供給に基づくものであり、ショットはサイズが調節可能で、ショットあたりの線量は高速ブランカー(blanker)によって制御可能である。典型的には、先進VSB描画機の電流密度は非常に大きく(100−1000A/cm)、他方、MBWの電流密度は1−4A/cmのオーダーである。従って、VSB描画機の電流密度は、MBWと比較して、大きさが1000倍にまで及ぶことになる。MBWの改善された生産性は、典型的には25万本以上のオーダーの極めて多数のビーム(「ビームレット」)に起因する。従って、同じビームサイズが使用される場合、マルチビーム描画機は、電流密度がより小さいにも拘らず、VSB描画機よりも、理論的には250倍までより大きな電流を供給できる。ビーム中の粒子内のクーロン相互作用のような、全ての機器的及び物理的制限を考慮しても、マルチビーム描画機は、VSB描画機よりも、実用的には約10倍から25倍のより大きい電流を依然として供給することが可能であるが、これにより、生産性の改善が説明される。
米国特許第9,653,263号 米国特許第9,053,906号 米国特許出願公開第2012/329289A1号
MBWやVSB描画機などの荷電粒子描画機における露光用パターンの設計において、特定の露光線量レベルを特徴に割り当てるのが一般的である。本書において、この露光線量レベルを「割当て線量」と称する。割当て線量の標準値として、ドーズ・ツー・クリア(dose-to-clear)(本書において「ドーズ・ツー・クリア」は、正の露光、すなわちレジストの現像を達成するためにちょうど十分な線量を示すのに用いられ、DDtCと略される)の2倍を使用するのが一般的であるが、特徴サイズを補正するための手法など特定の場合には、割当て線量を異なる値に修正してもよい。通常、割当て線量は増加される(所謂「オーバードージング(過剰照射:overdosing)」又は関連する特徴に対する線量を減少させる「アンダードージング(過小照射:underdosing)」)。リソグラフィの観点から見れば、特徴のオーバードージング(又はアンダードージング)は露光処理のクオリティに対し殆ど又は全く影響を及ぼさないが、技術水準の当業者は、エッチング/エロージョンのような処理関連サイズ変更効果又はパターン密度関連負荷(loading)効果を補正するために大幅な線量調節を伴って動作することが一般的であるVSB系技術に慣れ親しんでいる。なお、オーバードージングの特定量は、特徴のサイズの所望の縮小(contraction)又は拡大(expansion)に対応する。これにより、複数の異なるパターン成分が大きく異なる露光線量レベルを有するパターンが生じることもあり、極端な場合には、そのような線量調節は、−40%のアンダードージングから+300%までの、又はそれ以上のオーバードージングの範囲に及び得る。
特徴の割当て線量Dは、しばしば、 割当て線量をドーズ・ツー・クリアの2倍に調節した(D/2DDTC)、いわゆる線量係数として表現される。これは、1の線量係数がドーズ・ツー・クリアの2倍である割当て線量を実現するという考えを反映しており、所謂「アイソフォーカル線量」を実現する。これは、焦点の変化(又は、同様にブラー(ないしボケ:blur)の変化)が、「アイソフォーカル線量」又はそれに近い線量で描画された特徴に与える影響は最小限なためである。
本発明は、発明者らによって観察された非線形性の問題に取り組む。具体的には、従来は、ある特徴の端部における最も外側のピクセルの線量を増加させると、対応する線量プロファイルの線形シフトが生じると想定されていた。(図15A〜Cに関する以下の説明を参照。)本発明者らは、エッジシフトは、「エッジピクセル」における線量値の殆ど線形(一次)関数に過ぎないことを観察した。この非線形性は小さく、多くの実用的なケースでは無視できるかも知れないが、非線形挙動が特徴のサイズに著しい逸脱を引き起こす可能性がある場合もある。特に、1から著しく逸脱した線量係数で特徴の位置を変更する場合、この非線形性は特徴サイズの大幅な変更を引き起こし得る。
例えば、米国特許第2012/329289A1号に記載されているようなマスク処理補正(Mask Processing Correction:MPC)又は近接効果補正(Proximity Effect Correction:PEC)などのパターンサイズと臨界寸法(critical dimension)の直線性に関する技術水準の概念と比較して、本発明は、パターンを露光するために使用されるラスターグリッドに対する上記パターン位置(より一般的には、ラスターグリッドとパターン位置の相互作用)が利用されるという洞察も含む。
エッジシフトの非線形挙動に関する上記の問題を考慮して、本発明の目的は、上述の非線形性の影響を低減し、特徴の境界の正確なエッジ配置を保証するための方法を提供することである。
この目的は請求項1に記載した方法によって達成される。
さらなる任意の有利な特徴は、従属請求項に記載されている。
さらに詳細には、本発明は、パターン要素境界のエッジ位置に対する位置補正を実現することを提案する。このエッジ位置に対する位置補正は、ベクトルパターンの提供期間中(ステップi)又はラスター化期間中(ステップii)に行われ、以下のサブステップ:
- 前記エッジ位置を記述する位置値を決定すること、
- 所定の非線形関数
を用いて位置値に基づき補正された位置値を決定すること、及び、
- 補正された位置値に応じてパターンを修正し、パターン要素境界を効果的にシフトすること、
を含み、
この所定の非線形関数
は、公称位置値と(当該公称位置値はパターンの露光中に入力値として使用される)、前記公称位置値を用いて露光されたとき生成されるパターン要素境界の(結果として得られる)位置との間の関係
の逆(inverse)を記述する。関数を逆にする(の逆を取る inverting)ことにより、公称位置値は、所望の補正位置値に変換される。非線形関数はさらに、パターン要素の他の特徴または使用される露光方法を記述する量に関する少なくとも1つのパラメータを有し、特に、その1つのパラメータは、関与するパターン要素に割り当てられた線量である。
この解決策は、非線形性による不所望の影響を低減する、または完全に除去するための効率的な方法であり、所望の臨界寸法(CD)に応じた、特徴の真のイメージングを復元する。
本発明による方法の1つの適切な実施態様においては、位置補正は、ラスター化のステップ(ii)中(例えば、ステップiiの終わり)に行われる。この場合、位置補正は、少なくともピクセル形状が1つのパターン要素の境界と交差するピクセルに(複数)ついて、1つのピクセルの強度値が、上述のサブステップを以下のサブステップ:
- 境界が前記ピクセル形状と交差するパターン要素にカバーされているピクセル形状の割合の領域として第1の領域を決定し、ピクセル形状の全領域に対する第1の領域の比率として位置値(d)を決定すること、
- 所定の非線形関数を用いて位置値から強度値を決定すること、及び、
- 強度値をそれぞれのピクセルに割り当てること、
として実現することにより計算され、行われる。
この場合、上記所定の非線形関数は、上記強度線量に同等の露光線量で、そのピクセルを露光することにより生成される1つのピクセルの強度値と、その強度値で生成される1つのパターン要素境界のピクセル形状領域の幾何学的領域部と間の関係の逆を記述しているとも説明できる。
あるいは、位置補正は、ベクトルパターンを提供するステップ(i)中に行われてもよい。この場合、位置補正は、少なくとも1つのパターン要素について、上述のサブステップを以下のサブステップ:
- ラスターグリッドに対する境界の境界セグメント(複数)の位置を決定すること、
- 所定の非線形関数に基づき、公称エッジ位置として、各境界セグメントについて補正された位置を決定すること、及び、
- 再形成されたパターン要素を形成すること、前記再形成されたパターン要素は、それぞれのセグメントに対して直角をなす方向に、前記補正された位置に応じた位置へオフセットされた境界セグメントを有すること、及び、再形成されたパターン要素によってパターン要素を置換すること、
として実現することにより、エッジ位置が補正され、行われる。
この場合、上記所定の非線形関数は、公称エッジ位置と、その公称エッジ位置を用いて描画された場合の、ラスターグリッドに対する位置との間の関係の逆を記述しているとも説明できる。
上述した通り、上記非線形関数は、少なくとも1つのパラメータに影響され、その内の1つは、しばしば線量係数(即ち、ドーズ・ツー・クリア(dose-to-clear)レベルに対する割り当てられた線量の比率)と称される、関与するパターン要素に割り当てられた線量である。他のパラメータは、露光されるそれぞれのパターン成分および/又は採用される露光方法の詳細に関し、例えば:
- ターゲット上に結像されたピクセルのビームレットブラー、
- 特に、ラスターグリッドの方向、または走査露光の走査方向に対する、それぞれのパターン要素の境界またはエッジの方向、
- 線量バックグラウンド、
- 既知の近接効果に関する近接効果係数、
- (連結(interlocking)構造(図8A、図8B、図8Cを参照)及びオーバーサンプリング係数oで記述されるオーバーサンプリングを通して指定される)ラスターグリッドに対するピクセルの密度、
を含む。
本発明のさらなる発展形態において、上記非線形関数および/又はその逆関数を効率的に表す1つの方法は、1つ以上の表を使用することである。従って、上記関数は、台の点(複数)の少なくとも1つのセットを通して指定され、台の各点は、非線形関数のパラメータの特定の値において、公称位置値(強度値/公称エッジ位置)の数値と、関連する位置値(幾何学的領域部/エッジ位置)の数値とを規定する。これらの数値は、例えば、コンピュータシミュレーション及び/又は実験的測定を通して事前に導き出される。台の点同士の間の非線形関数の値は、入力値の隣接する2点間の線形補間、又はさらに簡略に、隣接点の読取り(look-up)(0次への補間)などの、現状技術において既知の適切な補間方法により補間される。
本発明の方法は、特に、複数のビームレットからなる構造化ビームが、ターゲットに指向されて露光領域上の経路に沿って移動され、後続の露光ステップと露光ステップとの間において、構造化ビームが、ターゲット上における構造化ビームの幅よりも短い露光長さに対応する、継続的な(consecutive)距離(複数)だけターゲット上でシフトされるタイプの走査ストライプ露光に適している。
本発明の有利な実施形態において、上記のように生成されたパターンは、オーバーラッピング露光スポットを有する描画プロセスにおいて使用されてもよく、走査ストライプ露光の描画プロセスは、ターゲット上に互いに重なりあう(オーバーラップする)アパーチャ画像を生成する。換言すれば、アパーチャ画像は、ターゲット上に生成された隣接するアパーチャ画像のピクセル位置間の距離eの倍数(multiple)(即ち、1より大きい倍数o)である公称幅を有する。この場合、好ましくは、以下の追加のステップ:
(iii)アパーチャ画像を露光することを通して、前記描画プロセスにより、ステップ(ii)において得られたパターンから、パターンを露光するのに適した露光パターンを生成すること、
が提供される。
さらに、本発明は、荷電粒子マルチビーム描画装置によってターゲット上にパターンを露光する方法も含み、前記装置は、上述したタイプの装置であり、特に、ターゲット上の露光領域内の複数のピクセルを露光して、走査ストライプ露光によって前記パターンを生成するように構成され、上記方法は、以下:
- パターンを前記装置と関連する処理システムに提供すること、当該パターンは、露光領域上のラスターグリッドに従って規定された複数のピクセルからなるピクセルグラフィックとして実現されること、前記ピクセルのそれぞれは、それぞれのピクセル位置に配置された幾何学的ピクセル形状によって表され、前記ピクセルのそれぞれには、それぞれのピクセルについて露光されるべき露光線量の値に対応する強度値が割り当てられること、
- 前記処理システムにおいて、本書に説明された位置補正を前記パターンに適用することにより、補正されたパターンを計算すること、及び、
- 前記装置において、補正されたパターンに従って、露光処理を行うこと、
を含む。
以下に、本発明をさらに説明するために、図面に示されている例示的かつ非限定的な実施形態について説明する。
技術水準のリソグラフィシステムの一例の縦断面図。 技術水準のパターン規定(画定)システムの一例の縦断面図。 ストライプを用いたターゲットに対する基本的な描画方法。 ターゲット上に結像されるアパーチャの例示的な一配置。 露光されるべき1つの例示的パターンのピクセルマップの一例。 露光されるべき1つの例示的パターンのピクセルマップの一例。 M=2、N=2のアパーチャの配置の一例。 「ダブルグリッド(double grid)」配置におけるピクセルのオーバーサンプリングの一例。 1つのストライプの露光の一例。 グレーレベル(複数)の露光の一例。 グリッド配置の第1例としての「ダブルグリッド(Double Grid)」。 グリッド配置の第2例としての「クワッドグリッド(Quad Grid)」。 グリッド配置の第3例としての「ダブルセンターグリッド(Double-Centered Grid)」。 単一の露光スポットが最大線量で露光されるときに生成される強度プロファイル。 図1に示したタイプのMBWの強度プロファイルの一例と、30nmの線についての線量レベルプロファイルの一例。 図10の30nm線線量レベルプロファイルについての強度プロファイルの一例。 1つのパターンについてのデータ作成のための「データパス」を説明するフローチャート。 MBWによる30nm線の生成。 強度プロファイルが「0.5」強度レベルを横切る左側フランク(立ち上がり)部分における図13の詳細図(部分的拡大図)。 所定の幅の線の露光から生成された強度プロファイル。 露光スポットに対応する線量レベルの適切な修正を介した、図14Aの線の1つのエッジの位置の微調節。 露光スポットに対応する線量レベルの適切な修正を介した、図14Aの線の両方のエッジの位置の微調節。 5nmの1シグマビームブラー及び線量係数1の露光パラメータに関して、0〜100%のグレーレベルのスケールを通して右側エッジピクセルの線量を変更した結果としてのエッジシフトの第1例。 5nmのブラー及び線量係数2の露光パラメータに関して、0〜100%のグレーレベルのスケールを通して右側エッジピクセルの線量を変更した結果としてのエッジシフトの第2例。 10nmのブラー及び線量係数2の露光パラメータに関して、0〜100%のグレーレベルのスケールを通して右側エッジピクセルの線量を変更した結果としてのエッジシフトの第3例。 示されている様々なレベルの線量係数における、線エッジにおけるピクセルのピクセル線量dの関数としての線幅dCDの変化。 図16Aのデータについての線形化誤差εCD=dCD − 1。 線量係数Dの関数として、オングリッド(on-grid)の特徴と、そのエッジ(複数)が2つの物理的グリッドポイント間の中央にある特徴について、それぞれの臨界寸法の変化dCD。 図17Aの2本の線の間の差d(dCD)。 図17Aの2本の線にそれぞれ対応する2つの特徴の位置。 ピクセルグリッドドメインにおけるy軸に平行に配置された、ピクセル境界と一致する線特徴の一例。 ピクセルグリッドドメインにおけるy軸に平行に配置された、パターンピクセルの半分だけ右にシフトした線特徴の一例。 本発明の第1の実施形態による、ピクセルドメインで行われる非線形性の補正手順の一例。 第2の実施形態によるベクトルドメインで行われる非線形性の補正。 図20の特徴構造体に対するベクトルドメインにおける非線形性の補正。 非線形性関数の表形式の表示の一例。 構造体エッジに位置するピクセルについて構造体エッジ位置とパターンピクセル領域の影響を受ける部分との間の関係を示し、構造体エッジの幾何学的表現の一例。 構造体エッジに位置するピクセルについて構造体エッジ位置とパターンピクセル領域の影響を受ける部分との間の関係を示し、視覚化された交点領域の関数関係。 エッジ位置決めへのエッジ傾斜の非線形的影響を示し、示されている様々なエッジ方向の角度値においてピクセルグリッドに対するエッジ位置dxの関数としてのエッジ位置dCD(露光されたエッジのシフト平均)の変化。 エッジ位置決めへのエッジ傾斜の非線形的影響を示し、対応する平均線形化誤差εCD=dCD−dx。 エッジ位置決めへのエッジ傾斜の非線形的影響を示し、線に沿った変位の1シグマの変動(被露光エッジのシフトの標準偏差;変位は線方向に対して垂直に測定される)。 エッジ位置決めへのエッジ傾斜の非線形的影響を示し、対応する線形化誤差εCDの1シグマの変動。 傾斜したエッジについての位置決め誤差を補正するための例示的な手法の一例;エッジを例えば等間隔の複数のエッジセグメントに分割。 傾斜したエッジについての位置決め誤差を補正するための例示的な手法の一例;エッジを、位置決め誤差の変化が大きい箇所ほど幅が狭くなるような複数のエッジセグメントに分割。
以下に示す本発明の例示的実施形態(実施例)の詳細な説明において、本発明の基本的なコンセプト及びさらなる有利な展開が開示される。本書で説明する複数の実施形態のいくつかまたは全てを本発明の特定の応用に適すと認められるように自由に組み合わせることは当業者ならば明らかである。本書を通じて、「有利な(advantageous)」、「例示的(exemplary)」又は「好ましい(preferred)」などの用語は、本発明またはその実施形態に特に適している(が必須ではない)要素または寸法を示し、これらは、明示的に必要とされる場合を除いて、当業者によって適切とみなされる限りにおいて変更することができる。本発明は、本発明の説明の目的のために与えられかつ本発明の好適な具体化を示すにすぎない、以下に説明する例示的実施形態に限定されないことが理解されよう。
リソグラフィ装置
図1に、本発明の好ましい一実施形態を採用するのに適したリソグラフィ装置の一例の概要を示す。以下では、本発明の開示に必要とされる詳細のみを記載する;理解を容易にするために、各構成要素は図1において寸法通りには示されていない。リソグラフィ装置1の主要構成要素は、この例において図1の紙面上下方向下側に向かうリソグラフィビームlb、pbの方向の順に、照明システム3、パターン規定(画定)(PD:pattern definition)システム4、投影システム5及び基板16を有するターゲットステーション6である。装置1全体は、該装置の光軸cwに沿って荷電粒子のビームlb、pbが邪魔されない伝播を保証するために、高真空度に保持されている真空ハウジング2内に収容されている。荷電粒子光学システム3、5は、静電レンズ及び/又は磁気レンズを用いて実現されている。
照明システム3は、例えば、電子銃7と、抽出システム8と、集光レンズシステム9とを含む。尤も、電子の代わりに、一般的に他の帯電粒子も同様に使用できることに留意すべきである。これらは、例えば、電子の他に、水素イオン又はより重いイオン、荷電原子クラスタ、または荷電分子であり得る。
抽出システム8は、粒子を典型的には数keV、例えば5keVの定められたエネルギーに加速する。ソース7から放射された粒子は、集光レンズシステム9によって、リソグラフィビームlbとして使用される実質的にテレセントリックな幅の広い粒子ビーム50に成形される。次に、リソグラフィビームlbは、複数の開口部(アパーチャとも呼ばれる)を有する複数のプレートを含むPDシステム4を照射する。PDシステム4は、リソグラフィビームlbの経路上の特定の位置に保持されるため、リソグラフィビームlbは、複数のアパーチャ及び/又は開口部を照射し、複数のビームレットに分割される。
これらのアパーチャ/開口部の一部は、自身を貫通して通過するビームの部分すなわちビームレット51をターゲットに到達させるという意味で入射ビームに対し透過性であるよう、「スイッチオン」されるないし「開状態(open)」にされる;他のアパーチャ/開口部は「スイッチオフ」されるないし「閉状態(closed)」にされる、即ち、対応するビームレット52はターゲットに到達できず、従って、実質的にこれらのアパーチャ/開口部はビームに対して非透過性(不透明)となる。かくして、リソグラフィビームlbは、PDシステム4から出射するパターン化ビームpbに構造化される。スイッチオンされたアパーチャのパターン−リソグラフィビームlbに対して透過性であるPDシステム4の唯一の部分−は、荷電粒子感応性レジスト17で被覆された基板16に露光されるべきパターンに応じて選択される。なお、アパーチャ/開口部の「スイッチオン/オフ」は、通常、PDシステム4のプレートの1つに設けられた適切なタイプの偏向手段によって実現される。即ち、「スイッチオフ」されたビームレット52は、(十分であるが非常に小さい角度で)その経路から偏向され、そのため、ターゲットに到達できないが、リソグラフィ装置の何れかの部分において、例えば吸収板11において専ら吸収される。
パターン化ビームpbによって表されるパターンは、その後、光電磁気式の(electro-magneto-optical)投影システム5によって基板16上に投影され、そこでビームは「スイッチオン」されたアパーチャ及び/又は開口部の画像を形成する。投影システム5は、2つのクロスオーバーc1とc2を介して、例えば200:1の縮小を実行する。基板16は、例えば、粒子感応性レジスト層17で被覆された6”(インチ)マスクブランクまたはシリコンウエハである。基板は、チャック15によって保持され、ターゲットステーション6の基板ステージ14によって位置決めされる。
露光されるべきパターンに関する情報は、電子パターン情報処理システム18によって実現されるデータパスによってPDシステム4に供給される。データパスの更なる詳細については、以下の「データパス」の項で説明する。
図1に示す実施形態において、投影システム5は、好ましくは静電レンズ及び/又は電磁レンズを含み、場合によっては更なる偏向手段も含む、複数の連続的に配置される光電磁気式の投射ステージ10a、10b、10cから構成される。これらのレンズおよび手段は、それらの使用は先行技術において周知であるため、象徴的形状でのみ示されている。投影システム5は、クロスオーバーc1、c2を介する縮小イメージングを用いる。双方のステージの縮小係数(倍率)は、全体として数百倍、例えば200:1の縮小が結果として得られるように選択される。このオーダーの縮小は、PDデバイスにおける小型化という問題を軽減する点において、リソグラフィ設備には特に適している。
投影システム5全体は、色収差および幾何収差に関してレンズ及び/又は偏向手段を大幅に補償するように構成されている。画像を全体として横方向に、すなわち光軸cwに対し直角な方向に沿ってシフトする手段として、偏向手段12a、12b及び12cが、集光レンズ[照明システム]3及び投影システム5に設けられている。偏向手段は、例えば、ソース抽出システム8の付近ないし図1に偏向手段12bで示されているような2つのクロスオーバーの内の1つの付近に、又は、図1にステージ偏向手段12cで示されているような相応のプロジェクタの最終レンズ10cの下流に位置付けられた多極(マルチポール)電極システムとして実現可能である。この装置では、多極電極配置は、ステージ運動に対する画像のシフト及び荷電粒子光学アライメントシステムと連動した結像システムの補正の両方のための偏向手段として使用される。これらの偏向手段10a、10b、10cは停止(stopping)プレート11と連動して使用されるPDシステム4の偏向アレイ手段と混同されるべきではない。というのは、後者はパターン化ビームpbの選択されたビームレットを「オン」または「オフ」にスイッチするために使用されるものであるのに対し、前者は、粒子ビームを全体として取り扱うに過ぎないからである。また、軸線方向の磁界をもたらすソレノイド13を用いてプログラマブルビームの束を回転させる可能性もある。
図2の断面詳細図は、PDシステム4の1つの好適な実施形態を示す。このPDシステム4は、連続配置構成で積み重ねられた3つのプレート、すなわち「アパーチャアレイプレート(Aperture Array Plate)」(AAP)20と、「偏向アレイプレート(Deflection Array Plate)」(DAP)30と、「フィールド境界アレイプレート(Field-boundary Array Plate)」(FAP)40とを含む。なお、ここで留意すべきことは、用語「プレート」はそれぞれの装置の全体的な形状を表すものであって、1つのプレートが単一のプレート部品として実現されることを、通常はこれが具体化の好ましい態様であるが、必ずしも示すものではない;それでもなお、特定の実施形態では、アパーチャアレイプレートのような1つの「プレート」は、複数のサブプレートから構成されることも可能である。プレートは、Z方向(図2の紙面上下方向の軸)に沿って、或る相互距離をなして互いに対し平行に配置されることが好ましい。
AAP20の平坦な上面は、荷電粒子集光器光学系/照明システム3に対する定められた電位界面を形成する。AAPは、例えば、肉薄の中央部分22を有する(およそ1mmの厚さの)シリコンウエハ21の方形または矩形片から作成することができる。プレートは導電性保護層23によって被覆されてよい。この導電性保護層23は(米国特許第6,858,118号に示すような)水素イオンまたはヘリウムイオンを使用する場合とりわけ有利であろう。電子または重イオン(例えばアルゴンまたはキセノン)を使用する場合、層23とバルク部分21、22との間に界面が存在しないようにするために、層23は、21および22のそれぞれの表面部分によってもたらされるシリコンから作成されてもよい。
AAP20は、肉薄部分22を横断する開口部によって形成される複数のアパーチャ24を備える。アパーチャ24は、肉薄部分22に設けられた(1つの)アパーチャ領域内に所定の配置で配置され、かくしてアパーチャアレイ26を形成する。アパーチャアレイ26におけるアパーチャの配置は、例えば、千鳥(ジグザグ)配置又は規則的な矩形もしくは方形アレイ(図4参照)であってよい。図示の実施形態では、アパーチャ24は、層23に形成された直線的プロファイルと、開口部の下方開口25がアパーチャ24の主要部分よりも幅が広くなるようなAAP20のバルク層における「下流側拡開(ないし末広がり:retrograde)」プロファイルとを有するように構成される。直線的プロファイルおよび下流側拡開プロファイルは両方とも、反応性イオンエッチングのような技術水準の構造化技法によって形成可能である。下流側拡開プロファイルは、開口部を通過するビームのミラー荷電効果(mirror charging effects)を大きく低減させる。
DAP30は、複数の開口部33を備えたプレートであり、開口部33の位置はAAP20におけるアパーチャ24の位置に対応し、更に、開口部33は当該開口部33を貫通通過する個別ビームレットを選択的にそれぞれの経路から偏向するよう構成された電極35、38が設けられている。DAP30は、例えば、ASIC回路を有するCMOSウエハの後処理を行うことによって形成可能である。DAP30は、例えば、方形または矩形の形状を有する1片のCMOSウエハで作成され、肉薄化されている(但し肉薄部分22の厚さと比較すると適切により厚くなっていてもよい)中央部分32を保持するフレームを形成する肉厚部分31を含む。中央部分32におけるアパーチャ開口部33は、24と比較して(例えば、各側部でおよそ2μmだけ)より幅が広い。CMOS電子回路34は、MEMS技法によって提供される電極35、38を制御するために設けられている。各開口部33に隣接して、「接地」電極35及び偏向電極38が設けられている。接地電極35は電気的に相互接続され、共通の接地電位に接続されると共に、荷電を防ぐための下流側拡開部分36と、CMOS回路に対する不所望なショートカット(ないし短絡)を防止するための絶縁部分37とを含む。接地電極35は、シリコンバルク部31および32と同じ電位のCMOS回路34の電極部分に接続されてもよい。
偏向電極38は静電位が選択的に印加されるように構成されている;そのような静電位が電極38に印加されると、これによって、対応するビームレットに対し偏向を引き起こし、以って、当該ビームレットを公称経路から偏向させる電界が生成される。電極38は、同様に、荷電を回避するために下流側拡開部分39を有していてもよい。電極38の各々は、その下側(根元側)部分において、CMOS回路34内で対応するコンタクト部位に接続される。
接地電極35の高さは、ビームレット間のクロストーク効果を抑制するために、偏向電極38の高さより大きい。
図2に示されるDAP30を有するPDシステム4の配置は、いくつかの可能性の内の1つに過ぎない。(不図示の)変形形態では、DAPの接地電極35及び偏向電極38は、下流側ではなく寧ろ上流側に(紙面上方を向く側に)配向されてもよい。さらに、例えば埋込型の接地電極および偏向電極を有するDAP構成は当業者によって案出可能である(米国特許第8,198,601B2号のような本出願人名義の他の特許を参照)。
FAPとして機能する第3のプレート40は、下流側で縮小を行う荷電粒子投影光学系5の第1のレンズ部分に面する(指向する)フラットな面を有し、従って、投影光学系の第1のレンズ10aに対する規定された電位界面を提供する。FAP40の肉厚部分41は、シリコンウエハの一部から作成される方形または矩形フレームであり、肉薄の中央部分42を有する。FAP40は、AAP20およびDAP30の開口部24、33に対応するが、それらと比べて幅がより大きい複数の開口部43を備える。
PDシステム4、特にその第1のプレートであるAAP20は、幅広の荷電粒子ビーム50(本書において、「幅広の(broad)」ビームとは、ビームがAAPに形成されたアパーチャアレイの全領域をカバーするために十分に幅が広いことを意味する)によって照射され、そのため、該ビーム50は、アパーチャ24を貫通通過すると、何千ものマイクロメートルサイズのビームレット51に分割される。ビームレット51は、DAP及びFAPを妨げられることなく(何の支障もなく)横断することになる。
記述のように、偏向電極38がCMOS電子回路によって電力供給されるときはいつでも、偏向電極と対応する接地電極との間に電界が生成されることになり、その結果、そこを通過する対応するビームレット52に対し小さいが十分な偏向がもたらされる(図2)。偏向されたビームレットは、開口部33および43それぞれが十分に幅広に作成されているため、DAP及びFAPを妨げられることなく横断することができる。尤も、偏向されたビームレット52は、サブカラムの停止プレート11においてフィルター除去される(図1)。したがって、DAPによる影響を受けないビームレットのみが基板に到達することになる。
縮小荷電粒子光学系5の縮小率は、PDデバイス4におけるビームレットの寸法及びそれらのビームレットの相互間の距離並びにターゲットにおける構造の所望の寸法を考慮して適切に選択される。これにより、PDシステムにおいてはマイクロメートルサイズのビームレットが考慮される一方で、基板にはナノメートルサイズのビームレットが投影される。
AAPによって形成される(影響を受けていない)ビームレット51の束は、投影荷電粒子光学系の所定の縮小率Rによって基板に投影される。それゆえ、基板において、幅BX=AX/R及びBY=AY/Rをそれぞれ有する「ビームアレイフィールド」(BAF)が投影される。ここでAX及びAYはそれぞれX方向およびY方向に沿ったアパーチャアレイフィールドのサイズを示す。基板におけるビームレット(すなわちアパーチャ画像)の公称幅は、それぞれbX=aX/R及びbY=aY/Rで与えられる。ここでaX及びaYは、夫々、DAP30のレベル(高さ)においてX方向およびY方向に沿って測定されるビームレット51のサイズを示す。従って、ターゲット上に形成される単一のアパーチャ画像のサイズは、bX×bYである。
なお、図2に描写された個々のビームレット51、52は、2次元のX-Yアレイに配置された、一層より多くの数の、典型的には何千ものビームレットを表すことに留意すべきである。本出願人は、例えば、イオンについてR=200の縮小率を有するマルチビーム荷電粒子光学系並びに何千本もの(例えば、262,144本の)プログラマブルビームレットを有する電子マルチビームカラムを既に実現している。本出願人は、基板においておよそ82μm×82μmのBAFを有するそのようなカラムも既に実現している。これらの例は、例示の目的で述べられたものであり、限定的な例として解釈されるべきではない。
パターンの描画
図3を参照すると、PDシステム4によって規定されるパターン画像pmはターゲット16上に生成される。荷電粒子感応性レジスト層17によって被覆されたターゲット表面は、露光されるべき1つ以上の領域r1を含むことになる。一般的に、ターゲット上で露光されたパターン画像pmはパターン化されるべき領域r1の幅より通常は十分により小さい有限サイズy0を有する。従って、走査ストライプ露光法が使用されるが、この場合、ターゲットは、ターゲット上でビームの位置が不断に変更されるよう、入射ビーム下で移動される:ビームはターゲット表面上で効果的にスキャンされる。本発明の目的のためには、ターゲット上におけるパターン画像pmの相対運動のみが重要であることを強調しておく。この相対移動によって、パターン画像pmは、幅y0の一連のストライプs1、s2、s3、・・・sn(露光ストライプ)を形成するよう、領域r1上で移動される。完全なセットのストライプは基板表面の全領域をカバーする。走査方向sdは、一定であってもよく、或いは、ストライプごとに交互に変化されても(隣り合うストライプ間で方向が逆であっても)よい。
図5Aは、10×18=180ピクセルのサイズの結像パターンpsの簡単な一例を示す。ここで、露光領域の幾つかのピクセルp100は100%のグレーレベル401に露光され、他の幾つかピクセルp50は完全なグレーレベルの50%のみに露光される(402参照)。残りのピクセルは0%線量403に露光される(全く露光されない)。図5Bは、50%レベルを実現する仕方を示す:各ピクセルは数回露光され、0%から100%の間のグレーレベルを有するピクセルについては、グレーレベルは、活性化されるピクセルに対応する露光回数を相応に選択することによって実現される;グレーレベルは、活性化された露光を分子、露光総数を分母とする分数である。この例では、50%レベルは、4回のうち2回を選択することにより実現される。当然ながら、本発明の現実的な応用においては、標準画像のピクセル数は一層より多くなるであろう。しかしながら、図5A及び図5Bでは、理解の容易化のため、ピクセルの数は180個のみである。なお、一般的に、さらに多くの段階のグレーレベルが0%から100%のスケール内において使用されるであろう。
このようにして、パターン画像pm(図3)は、露光されるべき所望のパターンに応じた線量値で露光される複数のパターンピクセルpxから構成される。なお、PDシステムのアパーチャフィールドには有限の数のアパーチャしか存在しないため、同時に露光することができるのは1つのサブセットのピクセルpxのみである。スイッチオンされるアパーチャのパターンは、基板に露光されるべきパターンに応じて選択される。かくして、実際のパターンでは、すべてのピクセルが完全な線量で露光されるのではなく、ピクセルの一部は実際のパターンに応じて「スイッチオフ」されることになる;各ピクセルごとに(又は、換言すれば、該ピクセルをカバーする各ビームレットごとに)、露光線量は、ターゲット上に露光または構造化されるべきパターンに応じて、該ピクセルが「スイッチオン」されるか「スイッチオフ」されるかにより、ピクセル露光サイクル毎に変化されることができる。
基板16が連続的に動かされる間に、ターゲット上のパターンピクセルpxに対応する同じ画像要素は、一連のアパーチャの画像によって何度もカバーされてもよい。同時に、PDシステムにおけるパターンは、PDシステムのアパーチャを介して、段階的にシフトされる。したがって、ターゲット上のある場所の1つのピクセルについて考えると、すべてのアパーチャがそのピクセルをカバーする場合にそれらのアパーチャがスイッチオンされるとすれば、その結果、最大露光線量レベル即ち100%に相当する「ホワイト」シェード(shade)が生じることになる。「ホワイト」シェードに加えて、最小露光線量レベル(「ブラック」)と最大露光線量レベル(「ホワイト」)との間に補間(内挿)されるであろうより低い線量レベル(「グレーシェード」とも称される)に従ってターゲットにおけるピクセルを露光することも可能である。グレーシェードは、例えば、1つのピクセルの描画に関与し得るアパーチャのサブセットのみをスイッチオンすることによって実現可能である; 例えば、16個のアパーチャのうちの4個は25%のグレーレベルを与えることになるであろう。もう1つのアプローチは、関与するアパーチャについてブランキングされない(unblanked)露光の持続時間を低減させることである。従って、1つのアパーチャ画像の露光持続時間は、グレースケールコード、例えば、整数によって制御される。露光されるアパーチャ画像は、ゼロと、最大露光持続時間及び線量レベルに対応する所与の数のグレーシェードのうちの1つの現れである。グレースケールは、通常、1セットのグレー値、例えば、nをグレー値の数、iを整数(「グレーインデックス」、0≦i≦n)として、0,1/(n−1)...i/(n−1),..,1を定義する。尤も、一般的には、グレー値(複数)は等間隔である必要はなく、0と1の間の非減少(non-decreasing)数列を形成する。
図4は、基本的レイアウトによるPDデバイスのアパーチャフィールドにおけるアパーチャの配置を示し、更に、以下で用いるいくつかの量及び略語を示す。濃い(黒い)シェードで示された、ターゲット上に投影されるアパーチャ画像b1の配置が示されている。主軸XおよびYは、それぞれ、ターゲット運動の進行方向(走査方向sd)及び垂直方向に対応する。各アパーチャ画像は、方向X及びYにそれぞれ沿った幅bX及びbYを有する。アパーチャはそれぞれMX個およびMY個のアパーチャを有する行および列に沿って配置され、1つの行および1つの列において隣り合うアパーチャ間のオフセットはそれぞれNX・bX及びNY・bYである。その結果、各アパーチャ画像には、NX・bX・NY・bYの面積を有する概念上のセルC1が属し、アパーチャ配置は、矩形状に配置されたMX・MY個のセルを含有する。以下では、これらのセルC1を「露光セル」と称する。ターゲット上に投影される完全なアパーチャ配置は、BX(=MX・NX・bX)×BY(=MY・NY・bY)の寸法を有する。以下の説明において、矩形グリッドの特殊なケースとして正方形グリッドを想定し、b=bX=bY、M=MX=MY、N=NX=NYと設定し、Mは整数とするが、以下のさらなる説明はすべて何ら一般化を制限するものではない。かくして、1つの「露光セル」はターゲット基板上でN・b×N・bのサイズを有する。
隣り合う2つの露光位置間のピッチは以下においてeで表す。一般的に、距離eは、1つのアパーチャ画像の公称幅bと異なり得る。最も単純な場合では、b=eであり、これは、2×2露光セルC3の配置の例について図6Aに示されており、1つのアパーチャ画像bi0は1ピクセル(の公称位置)をカバーする。図6Bに(及び米国特許第8,222,621号及び米国特許第7,276,714号の教示に沿って)示されている他の興味深い例では、eはアパーチャ画像の幅bの分数b/oとすることができるが、ここで、o>1は整数であるのが好ましく(但し必須ではない)、オーバーサンプリング率とも称される。この場合、アパーチャ画像は、様々な露光の過程において、空間的に重なり合い、それにより、生成されるべきパターンのより高解像度の位置付け(placement)が可能になる。その後、(1つの)アパーチャの各画像は、一度に、複数のピクセル即ちo個のピクセルをカバーすることになる。ターゲットに結像されるアパーチャフィールドの全領域は(NMo)個のピクセルを含むことになる。アパーチャ画像の位置付けの観点からすれば、このオーバーサンプリングは、ターゲット領域を単にカバーするのに必要になるものとは異なる(間隔がより細かいため)いわゆる位置付けグリッド(placement grid)に対応する。
図6Bは、「ダブルグリッド」と称される位置付けグリッドと組み合わせたo=2のオーバーサンプリングの一例を示す。即ち、o=2、N=2のパラメータを持つ露光セルC4を有するアパーチャアレイの画像である。従って、各公称位置(図6Bにおける小さな方形フィールド)上に、4つのアパーチャ画像bi1(破線)がプリントされているが、これらは、規則的(regular)グリッド上でX方向及びY方向の両方においてピッチeだけオフセットされている。アパーチャ画像のサイズは依然として同じ値bであるのに対し、位置付けグリッドのピッチeは、この場合、b/o=b/2である。従前の公称位置に対するオフセット(位置付けグリッドのオフセット)もb/2のサイズである。同時に、各ピクセルの線量及び/又はグレーシェードは、対応するピクセルをカバーするアパーチャ画像に適切なグレー値を選択することによって、適合化(低減)可能である。その結果、サイズb×bの領域がプリントされるが、より精細な位置付けグリッドのために、位置付け精度が向上される。図6Bと図6Aを直接比較することにより、アパーチャ画像の位置は、位置付けグリッド上で従前よりも2倍(一般的にはo倍)の精細度で配置される一方、アパーチャ画像自体は重なり合っていることが分かる。ここで、露光セルC4は、描画プロセス中に取り扱われるべき(No)の位置(即ち「ピクセル」)を、従って、oの倍数だけ、従前よりもより多くのピクセルを含む。これに応じて、アパーチャ画像のサイズb×bを有する領域bi1は、図6Bにおいてo=2であるオーバーサンプリング(「ダブルグリッド」とも称される)の場合、o=4ピクセルに関連付けられる。勿論、oはまた他の任意の整数値、特に4(「クワッドグリッド」、不図示)又は8を取り得る。また、パラメータoは、米国特許第9,653,263号に示されている「ダブルセンターグリッド(Double-Centered Grid)」の場合に対応して、21/2=1.414又は23/2=2.828のような1より大きい非整数値であってもよい。
なお、連結(interlocking)グリッド(o>1)の場合、「ディザリング(dithering)」によってグレーシェードの数を増加することが可能である一方で、線量分布は均一に維持される。その理由は、グレーシェード(複数)はいずれの公称グリッドに対しても等しいからである。これは、ダブル連結グリッドでは、実現可能な有効線量レベルの数は非連結グリッドの場合より4倍より多いことを意味する。一般的にいえば、オーバーサンプリングされる露光グリッド(即ちo>1)は、何れも、X及びY方向にb/oの距離だけシフトされるo個までの公称グリッドからなる。従って、ある線量レベルから次の線量レベルへのステップはo段階のサブステップに分割することができるが、この場合、これらのo個のグリッドの1つのみの線量レベルが増大される;これは、全てのサブグリッドが公称レベルを露光するまで、他のグリッドに対し繰り返すことができる。当業者であれば分かる通り、基板におけるビーム形状は、アパーチャプレートの機械ブラー(blur)と縮小されたアパーチャ形状の畳み込みである。幅bを露光グリッド定数eの自然数倍に設定することにより、換言すればo=b/eを整数にすることにより、基板上における均一な線量分布を得ることができる。そうでない場合、線量分布は、エイリアシング(aliasing)効果のために、露光グリッドの周期性による最小値と最大値を有するであろう。多数のグレーシェードは、より優れた特徴位置付けを可能にする。従って、グレーレベルの増加は、ピクセル位置ごとのグレーシェードが特定の数に限られている場合、重要な意味を持つ。
図7Aに、好ましくは本発明によって使用される走査ストライプ露光に適切なピクセルの露光スキームを示す。図示されているのは一連のフレームであり、時間は(紙面)頂部(より早い)から(紙面)底部(より遅い)に進行する。本図におけるパラメータ値はo=1,N=2であり、MX=8及びMY=6の矩形ビームアレイが想定されている。ターゲットは常に(紙面)左側に動くのに対し、ビーム偏向は、図の紙面左側に示されているような鋸葉(シーソー)関数で制御される。長さT1の各時間間隔中は、ビーム画像は(「位置付けグリッド」の位置に対応する)ターゲット上のある位置に固定されたままである。従って、ビーム画像pmは、位置付けグリッドシーケンスp11、p21、p31を通過するように示されている。位置付けグリッドの1サイクルは、ターゲット運動vによって、時間間隔L/v=NMb/v以内に露光される。各位置付けグリッドにおける露光の時間T1は、L=vT1=L/p=NMb/pで与えられる「露光長さ」と称される長さに対応し、ここで、pは1つのセル内の露光位置の数を表す(通常の(regular)オーバーサンプリングされたグリッドではp=No)。
ビームレットは、ターゲットと共に1セットの画像要素の露光中に、Lの距離にわたって移動される。換言すれば、すべてのビームレットは、時間間隔T1の間、基板の表面に対して固定された位置を維持する。距離Lに沿ってターゲットと共にビームレットを移動させた後、ビームレットは即座に(極めて短時間内に)再配置されて、次の位置付けグリッドの画像要素の露光を開始する。位置付けグリッドサイクルの位置p11・・・p31を介する1つの完全なサイクルの後、シーケンスは、X方向(走査方向)に平行な縦方向オフセットL=bNMを付加して、新たに開始される。ストライプの始まりと終わりにおいては、この露光方法は連続的なカバーをもたらさないこともあり得るため、完全には充填されない長さLのマージンがあってもよい。
なお、図7Aでは、実際のパターンに応じて個々のアパーチャを開閉するために必要な時間は無視されている。実際には、DAPの偏向装置及び偏向多極システムは、再配置及び過渡的振動のフェードアウト(減衰)後にアパーチャの状態を安定化するために、所定の安定化期間Tを必要とする。 安定化期間Tは、ピクセル露光サイクルT1の(極めて)小さい一部分である。従って、完全なピクセル露光サイクルT1よりも寧ろ、専ら利用可能時間Tu=T1−Tがピクセルの露光のために使用される。時間間隔Tuは、その時間以内に適切な線量がそれぞれのピクセルに供給されることを保証するピクセル露光期間である。但し、以下においては、TはT1と比べて無視できる程小さいと仮定し、TuとT1は以下では区別しない。
利用可能露光時間Tuは、処理可能なグレーシェードの数に対応するg個の時間枠に分割される。gの値の一例はg=16(4ビット)である。ピクセル露光は、Tu以内に使用される時間枠の合計である、所望のグレーシェードに応じて活性化される。時間Tu以内に1つのピクセルに適用される線量がg段階のグレーレベルにデジタル化されれば、一般的(general)ブランキングセルを時間Tuの間にg回リロードすることが可能である。ブランキングアレイにおける各ブランキングセルは、露光時間T1(より正確には利用可能時間Tu)の間にその個別のグレーシェードを受け取る。
図7Bは、g=5として単純化した一例における、異なるグレーシェードを有する2つのピクセルの露光を示す。安定化期間Tの相対的サイズは著しく誇張して示されている。g=5に応じて、利用可能時間Tuの各々に5つの時間枠がある。第1ピクセルp72は、100%のグレーシェード(即ち「ブラック」)で露光され、第2ピクセルp71は40%のグレーシェードで露光される。ピクセルp71では、対応するブランキング電極の2つの時間枠はグレーにシェードされた1つのピクセルを生成するが、それは、この例では40%は5つのうちの2つを有するグレーシェードに対応するためであり、かくして、それらのうちの2つが、任意の順序で、スイッチオンに設定される。一方、ピクセルp72では、それぞれのブランキング電極は、5つの全ての時間枠の間、活性化され、その結果、Tuの間に適用され得る最大線量を有する黒色のピクセルが生成される。
ダブルグリッド及びクワッドグリッドにおける特徴の露光
図8A〜図8Cを参照すると、アパーチャ画像bi0、bi1(図6A、図6B)に対応する各露光スポット60は、以下においてより詳細に説明するように、離散的な線量レベルで露光される。図8A〜図8Cは、特別に重要ないくつかのオーバーラップ構成を示す。
図8Aは、図6Bついて上述したような「ダブルグリッド」マルチビーム露光を示すが、露光スポット間のオーバーラップはX方向及びY方向においてビームスポットサイズの半分である。この場合、物理的グリッドサイズ61は、スポット(spots)の線形サイズ60の半分である。
図8Bは、「クワッドグリッド」マルチビーム露光を示すが、スポット間のオーバーラップはX方向及びY方向においてビームスポットサイズの1/4である。この場合、物理的グリッドサイズ62は、スポットサイズ幅の4分の1である。
図8Cは、別のグリッドレイアウトを示すが、この場合、ダブルグリッドオーバーラッピングビーム露光に加えて、ビーム露光は中間にある中心点(複数)において行われる。従って、物理的グリッドサイズ63は、線形スポットサイズの1/23/2(即ち√2/4)である。このマルチビーム露光モードは「ダブルセンターグリッド」と称される。
図9は、最大線量レベルで露光される1つの露光スポット(その幅は60で示されている)の強度プロファイルの象徴的描写(「ブリック(brick)層」)を示す。4ビットコーディングの例示的ケースでは、16の線量レベル(0、1、2、・・・15)がある。即ち、最大線量レベルは、15の線量レベル増分の合計64である。
図10は、ゼロブラーの理想的な場合における、幅30nmの線についての理想強度プロファイル71を示す。「クワッドグリッド」マルチビーム露光を使用する場合、オーバーラップはビームサイズの4分の1である。従って、ビームサイズが20nmの場合、物理的グリッドサイズは5nmである。選択した例では5nm×5nmである物理的グリッドの各領域には、離散的(discrete)線量レベルを割り当てることができる;図10における線72は、30nm線を生成するためにピクセル位置に割り当てられた離散的線量レベルを有するオーバーラッピング露光スポット(複数)によって構成されるような強度の重ね合わせ(又は総線量)を示すが、見やすくするために、ブラーはゼロに設定されている(そのため、単一の露光スポットの線量分布は矩形になる)。ブラーが図13に示すような現実的な値を有する場合、矩形のエッジにおけるステップ(階段)関数は、ガウス関数で畳み込まれ、最終的にガウス形状に変換される。その意味で、線72は、ブラーゼロでのガウス関数の重ね合わせとみなすことができる。一般的な場合、線量レベルのヒストグラムは、左右のエッジを所定の位置に位置付けるために、対称にはならないであろう。
図11は、0.0nmに位置付けられるべき左側エッジと、30.0nmに位置付けられるべき右側エッジとを有する30.0nm幅の線についてのシミュレーションの一例を示す。このシミュレーションでは、20nmのビームスポットが、5.1nmの1シグマ(sigma)ブラー(即ち12.0nmのFWHM(full width at half maximum:半値全幅)ブラー)で露光されるものとした。強度プロファイル76は、露光スポット73、74及び75のプロファイルの重ね合わせにより形成される。最も左側の露光スポット74の線量レベルは、30nmの線が所望の開始位置77、即ち0nmで開始するように調節される。最も右側の露光スポット75の線量レベルは、被露光線が30.0nmの位置78で終了するように調節される。図11から分かる通り、「クワッドグリッド」露光によれば、露光スポット73、74、75のオーバーラップは、ビームサイズの4分の1、即ち5nmである。
所謂「アイソフォーカル線量」、即ち、レジストの「ドーズ・ツー・クリア(dose-to-clear)」の2倍を使用するとき、特徴サイズ(例えば線幅)は、50%線量閾値で見るとブラーには事実上依存しないことを示す。これは図13に示されており、ゼロブラーについての強度プロファイル71、線量レベルヒストグラム72、及び、それぞれ3.5nm、5.0nm及び7.5nmの1シグマブラーで算出された結果として生じる強度プロファイル81、82、83が示されている。生成された構造のエッジ位置xE1及びxE2は、ゼロブラー強度プロファイル71が「0.5」強度レベル(「ドーズ・ツー・クリア(dose-to-clear)」)と交差する所にある。図13Aの拡大詳細図は、(紙面)左側傾斜(立ち上がり)部分における位置XE1の周囲の領域を示す。線量レベル割当て72は、5nmの1シグマブラーを有する20nmビームサイズと、5nmの物理的グリッドサイズを与えるクワッドグリッドマルチビーム露光を使用するためのものである。
図14A、図14B及び図14Cは、本書で説明するマルチビーム露光方法が、グリッドサイズより小さい解像度で、構造特徴の精細位置決めを達成できる仕方を示す強度プロファイル図を示す。図14A〜Cに示すような強度プロファイル図において、離散的な線量レベルは、「煉瓦(brick)層」の配置で積み重ねられる、均一の高さの矩形64として視覚化されている。当然ながら、この「煉瓦層」の描写は象徴的なものにすぎず、図面の説明を容易にすることが意図されているに過ぎない。
図14Aは、20nm幅のビームスポットサイズのクワッドグリッドにおいて4ビット(即ちスポット当たり15の線量レベル)露光によって露光された30nm幅の線の例についての、線量レベルヒストグラムを示す。グリッドサイズ62は、「煉瓦層」配置で積み重ねられた矩形として象徴的に示されている露光スポットの線形サイズの1/4であり、その結果として得られる線量レベル分布65は太線で輪郭が描かれている。
線幅は、グリッドサイズ、この例ではクワッドグリッドサイズ62より小さい、極めて細かい刻みでより狭く又はより広くされることができる。線幅の縮小(reducing)は、最も外側の露光スポットの線量レベルを低下すること及び/又は幾つかの露光スポットを無視すること(縮小が露光スポットサイズの少なくとも凡そ半分である場合は後者)によって達成できる。線幅の増大(increasing)は、最も外側の露光スポットの線量レベルを増大すること、及び/又は、特に最大線量レベルに既に到達している場合は、追加の、好ましくはオーバーラップする露光スポットを付加することによって達成可能である。後者の観点は、図14Bに示されている。即ち、所定の線量レベルを有する露光スポット66が付加され、その結果、65と比べてより広い幅を有する線についての線量レベルヒストグラム67が得られる。(紙面左右)両側における縮小および増加のこれらの効果を組み合わせることによって、非常に精細なステップ(刻み)で線位置をシフトすることもできる。図14Cは、幅の変化を伴わない線のシフトを示し、これは、幾つかの線量レベルをスポット68から除去しかつ幾つかの線量レベルをスポット69から[スポット69に]付加することによって達成されるが、その結果、図14Aの線と比較して紙面右側にシフトされた線に対応する線量レベルヒストグラム70が得られる。
図14A〜図14Cの強度プロファイルは、ターゲット面のX方向に沿って示されている。本書で説明するマルチビーム露光方法は、他の方向に沿った線に対しても利用可能であることは明らかであり、また、ターゲット面上において任意の角度をなす線について精細位置決めを達成することができる。
図15A〜図15Cは、エッジシフト、より正確には、最も外側のピクセルの線量の変化が、それに対応する線量プロファイルの変化をもたらすことを示す。3つの図全てにおいて、16のグレーレベルを有する「ダブルグリッド」露光モードに基づく、座標xの関数としての線量Dのプロファイルについてシミュレーションの結果が示されている。図15Aは、5nmの1シグマビームブラーで、1の線量係数 (即ち、「ドーズ・ツー・クリア」の2倍、2DDtCに対する割当て線量)で露光された線に関し、図15Bは、5nmのブラーで2の線量係数、図15Cは、10nmのブラーで2の線量係数である。図15A〜図15Cに示す曲線のセットそれぞれについて、最も右側の露光位置(ピクセル)のグレーレベルは、1グレーレベル(最大線量の1/15)づつゼロ線量(線量プロファイル70)から完全な線量(線量プロファイル71)まで徐々に増加する。結果として得られる被露光線幅は、線量プロファイルとドーズ・ツー・クリアレベル72との各交点間の距離によって与えられる。これらの図は、グレー値の設定をゼロ(70)と最大限(71)との間で変化させる時、エッジシフトが「エッジピクセル」において、凡そではあるが、グレー値のほぼ線形(一次)関数であることを示している。また、これらの図は、線量係数(即ち、「ドーズ・ツー・クリア」の2倍に対する最大線量)及び1シグマビームブラーが、絶対被露光線幅だけでなく、「エッジピクセル」におけるグレー値の変化に対して線幅がどのように変化するかの非線形挙動にも影響することを示している。
データパス
描画されるべきパターンを、描画プロセスにおいて使用可能な、(上述したような)ビームレット線量割当てに変換する描画ツール(図1)の処理システム18の部分は、「データパス」システムと称される。図12は、本発明の意義におけるデータパス170のフローチャートの一例を示す。データパスはリアルタイムで実行されるのが好ましく、一変形形態では、データパスの計算の一部または全てが、例えば適切なコンピュータにおいて、予め実行されてもよい。
完全なパターン画像は膨大な量の画像データを含むが、これが、それらのデータの効率的な計算(computation)のために、露光されるべきピクセルデータを、好ましくはリアルタイムで、生成する高速データパスが適している理由である。露光されるべきパターンは、典型的には、例えば、矩形、台形または一般的な多角形のような幾何学的形状の集合として、ベクトルフォーマットで記述されるが、これにより、典型的には、より良好なデータ圧縮が提供され、したがって、データ記憶に関する要件が低減される。従って、データパスは以下の3つの主要部分から構成される:
‐ベクトル型物理的補正処理(ステップ160)
‐ベクトルをピクセルデータに変換する(translate)ためのラスター化処理(ステップ161乃至164)、及び
‐描画プロセスのための一時的記憶のためのピクセルデータのバッファリング(ステップ165及び166)。
データパスは、ステップ160で露光されるべきパターンPDATAの供給から開始する。ステップ160では、一般的に、露光されるべきパターンPDATAは、場合によって幾何学形状のオーバーラップを伴って、多数の小さなデータのチャンク(chunks)に分割される。ベクトルドメインにおいて適用可能な補正(例えば、近接効果の補正)は、すべてのチャンクに対して独立に、場合によっては並列的に、実行されてもよく、結果として得られるデータは、後続のステップにおける計算速度を向上させる方法でソートされ(sorted)かつ符号化される。出力はチャンクの集合であり、これらのチャンクは全て幾何学的形状の集合を含有する。
ステップ161:ラスター化RAST。(全ての)チャンク毎の幾何学的形状をラスター化されたピクセル画像に変換する。このステップでは、各ピクセルには、ラスターグリッドセルの対応する表面と露光されるべきパターン即ち関連する全てのチャンクの実体(entity)との幾何学的なオーバーラップ(重ね合わせ)に依存して、浮動小数点グレースケール強度が割り当てられる。技術水準のソリューションでは、この浮動小数点強度は、それぞれのピクセル位置でターゲット上に供給されるべき理想的な物理的な露光線量を表す。より詳細には、完全に幾何学形状内にある(全ての)ピクセル(毎)に最大強度が割り当てられ、それに対し、幾何学形状のエッジと交差するピクセルの強度を、該幾何学形状によってカバーされているピクセルの領域の割合(fraction)によって重み付けする。この方法は、幾何学形状の領域とラスター化後の総線量との間の直線関係を意味している。
ステップ162:ピクセル・ツー・ビームレット(Pixel-to-beamlet)割当てASSIGN。このステップでは、特定の描画シーケンスが与えられ、どのピクセルがどのビームレットによって描画されるかが決定される。
ステップ163: ピクセルベースの補正CORR1。このステップでは、ピクセルドメインで適用可能なすべての補正が実行される。これらの補正は、(上記および本出願人の米国特許第9,495,499号に記載されているような)アパーチャフィールド上におけるビーム50の均一な電流密度からの偏差の補償及び/又は(米国特許出願公開第2015/0248933A1号に記載されているような)DAP30における個々の欠陥のあるビーム偏向器の補正を含む。ピクセルベースの補正は、各個別ピクセルの浮動小数点強度を修正することによって実現される。これは、ステップ162のピクセル・ツー・ビームレット割当てに関して実行され、これにより、各ピクセルについて、該ピクセルがどのビームレット(単数)によって描画されるか及び/又は隣接するピクセル(複数)がどのビームレット(複数)によって描画されるかに依存して、補償線量係数q(または、等価的な線量シフトs)を定義および適用することが可能になる。
ステップ164:量子化QUANT。量子化処理は、各ピクセルの、場合によっては補正された、浮動小数点強度を、所定のグレー値スケールを与えられた、量子化された(または等価的に「離散的な」)グレーレベルに変換する。
ステップ165:グレーレベルのピクセルデータドメインにおけるさらなる任意のピクセルベースの補正CORR2が適用されてもよい(但し、本発明の一部ではない)。
ステップ166:ピクセルパッケージング、PPACK。ステップ164から得られたピクセル画像は、位置決めグリッドシーケンスに従ってソートされ、描画ツールの処理システム18(図1)に設けられたピクセルバッファPBUFに送信される。ピクセルデータは、ストライプの露光を引き起こす十分な量のデータ、典型的には少なくとも当該ストライプの長さ、が存在するまで、バッファされる(図7を参照)。データは描画プロセス中にバッファから取り出される。ストライプが描画された後、上述の処理は、次のストライプのような、露光領域の次の部分のパターンデータに対して、新たに開始する。
グリッド位置決めの非線形性
本出願人の技術水準のソリューションでは、上述のように、最も外側のピクセルの線量と達成される特徴サイズとの間の線形関係が線量割当てに関して想定されている。線量係数が1に近い場合(即ち、ある1つの特徴において使用される最大線量が2DDTCに近い場合)、対応する線形化誤差は非常に小さく、多くの場合無視できるが、線量係数が1から大きく外れた場合、その誤差が重要になる場合もある。
これは、図16が示す線特徴のシミュレーション結果に示されている。図16Aの破線および点線は、5nmの1シグマブラーで「ダブルグリッド」描画方法かつ様々な線量係数において、線幅の変化dCD(ピクセルサイズの単位で与えられる)を線エッジのピクセル(最も外側のピクセル)に対するピクセル線量d(最大線量の単位)の関数として示す。ドーズ・ツー・クリアの2倍(線量係数1;破線)を使用する場合、この関係はほぼ線形であり、結果として生じる誤差はピクセル幅の2%未満である。最も外側のピクセル線量と線幅の増加との間の理想的な線形関係が、参考のために実線で示されている。しかしながら、線量係数2及び3(一点鎖線と点線)では、最大誤差が完全なピクセルサイズの9%と13%にそれぞれ増加し、直線性からの偏差が大きくなる。図16Aのデータについての線形化誤差εCD=dCD-1は、図16Bに示されている。特に線量係数が大きい場合、線形化誤差は数nmの範囲の臨界値に達する可能性がある。
特に、この非線形の線形化誤差は、パターンピクセルグリッドに対する特徴の位置に依っては有効な特徴サイズに変化をもたらす可能性がある。例えば、エッジがパターンピクセルグリッド(図19Aに示されるように、パターンピクセルサイズ10nm及び線幅40nmを有する)と揃っている線が、パターンピクセルの半分だけ右にシフトしている場合、図19Bに示されるように、線の両側の最も外側のピクセルは、ラスタライザによって最大線量の半分が割り当てられる。最も外側のピクセルの線量と結果として得られるエッジ配置との関係が実際に線形または線形に近い場合(即ち、使用される線量が2DDTCに近い場合)、図19Aの左側エッジの右へのシフトは、図19Aの右側エッジの右へのシフトを丁度その分又はほぼ補う(使用される線量係数とは無関係に、両方のエッジがピクセルサイズの半分だけシフトする)。従って、臨界寸法は当該シフトによって影響されない。一方、2DDTCから大きく逸脱した線量が使用される場合、これはもはや当てはまらない。例えば、図16Bのケースにおいて2の線量係数を使用する場合、線形挙動を想定すると、両方のエッジは予想よりも約0.9nm分さらに外側に配置されることになり、パターンピクセルグリッドに対する線エッジのシフトによる臨界寸法の変化は合計1.8nmになる。
この作用は、(多くの場合プロセスパラメータと見なされ、必要に応じて調整される)線量係数の変化の結果として生じる臨界(critical)寸法の絶対変化よりもしばしば重要な測定基準となる臨界寸法の均一性(臨界寸法の変化)に強く影響を与える可能性がある。なお、最大の誤差は、一般的に、(例えば図19Bの場合のように)ある線エッジが2つの物理的グリッドポイントの中央にある場合の線形の線量割当てである、最も外側のピクセルの線量の半分近くで生じる。図17Aには、そのエッジ(複数)が物理的グリッドと一致する(「オングリッド(on-grid)」)ある特徴の臨界寸法920の変化およびそのエッジ(複数)が2つの物理的グリッドポイントの中間に位置する(「オフグリッド(off-grid)」)ある特徴の臨界寸法930の変化dCDを(ピクセルサイズ×10の単位に対応するnmで示される)該特徴で使用される線量係数Dの関数として示す。なお、何れの場合も、「ダブルグリッド」マルチビーム露光モード及び5nmの1シグマブラーの場合についてのものである。理解の容易化のため、対応する特徴921及び931を図18に示した(両者の特徴は同サイズ)。なお、ダブルグリッドモードの物理的グリッド944も示されている(図6Aおよび図8Aも参照)。特徴921のエッジ(複数)は、図17Aの線920に応じて線量変化の下で変化する(scales)物理的グリッドと一致する。他方、特徴931のエッジ(複数)は、ピッチ950の半分だけグリッドからオフセットされている(なお、ピッチ950は、例えば、20nm及びo=2のビームレットサイズについては10nmであり、従って、物理的グリッドに対する931のオフセットは、10nm/2=5nmである)。単純化のため、この例では両方向X及びYにおけるオフセットが同じであるものとした。図17Bには、図17Aの2つの線の間の差、即ち、両方の特徴の線量を(同時に)変化させることによる臨界寸法の変化dCDの間の差d(dCD)が示されており、グリッドに対する位置の変化から生じる特徴サイズの差d(dCD)は、線量係数1(即ち、D1=2DDtC)に対応する線量については丁度ゼロである。図17A及び図17Bにおいて、線量係数1は絶対線量値100%に対応する。従って、アンダードージング又はオーバードージングは、オーバーラッピングピクセル描画モードと組み合わされると、CD均一性の低下を引き起こし得る。なぜなら、特徴(複数)は、物理的グリッドに対し相対的なそれらの位置に依存して異なるように変化(scale)し得るからである。図から分かる通り、このCDエラーは、2DDtCからのずれの量に応じて単調に変化する。
非線形性の補正
本発明は、上述のような線量/CD非線形効果による臨界寸法の誤差を補正するデータパスの修正を想定している。具体的に、その補正は、特徴サイズの著しい変化を回避しつつ、露光されるべき特徴921、931(まとめて記号
によって示される)の位置のパターンピクセルグリッドからのシフトを可能にする。特徴サイズの変化は、軸方向の特徴、即ち、全ての線分が座標軸の方向と揃っている多角形について最も顕著である。なぜなら、そのような構造においては、ピクセルグリッドに対する特徴のエッジ(複数)の位置は一定であるためである。従って、軸方向の特徴に焦点を当てた補正手順が提示される。しかしながら、この補正手順は、軸方向のエッジを用いた近似値により、ピクセルグリッドに対して小さな角度で斜めのエッジ(その誤差もまた大きくなり得る)に対しても利用できることに留意されたい。
本実施形態で実施される補正手順は、例えば図16Aに示すように、機器を線形動作に戻すため、CD変化関数の逆関数を使用する。以下において、この関数は
として象徴的に示される。
は、1つの線エッジと交差する1つのピクセルの(特徴の最大線量Dに対する)相対線量を示し、
はピクセル線量とCD変化との間の上記関係に影響を及ぼす一組のパラメータ、即ち、線量係数、ビームレットブラー、特徴エッジの方向、線量バックグラウンド、近接効果係数、連結方法(例えば、「ダブルグリッド」または「クワッドグリッド」)を示す。従って、
は、結果として生じる、線量レベル0に対するエッジシフトまたは臨界寸法(CD)の変化をピクセルサイズの単位で示す(図面ではピクセルサイズは記号psで示される)。
本発明の一実施形態では、補正はデータパスのラスター化(RAST)ステップで実施される。上述のように、本出願人の技術水準のソリューションでは、ある構造
の描画が、該構造によってカバーされるピクセルの領域の割合(fraction)を計算することにより決定される場合、ピクセルpの相対線量
が割り当てられ、以下の式で与えられる。
ここで、
は形状Sの面積を表し(Sは、
又は
のいずれか)、記号
は2つの集合または形状の交差(部分)を表す。この幾何学的関係の説明図を図24Aに示す。ここで、四角形はピクセル
の輪郭を表し、rは構造体
の構造体エッジ(太線)の位置を示す座標を表す。図24Aにおいて、 構造体
はエッジの左側(ピクセル領域のクロスハッチング部分を含むハッチングが付された領域)に位置することに留意されたい。図24Bは、座標rの関数として、交点の面積の関数関係
を示す。ここで、rは該面積が最大値
に達する座標を示し、これは相対線量値d=1に相当する。
しかしながら、本発明の実施形態では、上記の関係は、以下の式によって与えられる異なる線量割当て
が利用されるという点で改良されている。
つまり、線形の線量割当て
を使用する代わりに、(関数
によって予測される)追加された線量によるエッジ配置のシフトがベクトル構造内のエッジの相対位置と一致するように公称線量割当て
が選択される。例えば、構造体のベクトル表現においてエッジを2nm外側に移動すると、露光したエッジも2nm外側に移動し、線形挙動が回復される。
この手順の一例を図20に示す。ここでは、5nmのブラーを有する20nmのビームレット(複数)が、10nmのピクセルサイズを有するパターンピクセルグリッド229の上に「ダブルグリッド」描画方法で配置されている。線量係数3が割り当てられたベクトル構造(ハッチングが付され、実線220で示されるエッジによって区切られる)は、上述のように非線形性を補正しラスター化される。エッジ垂直部分221と交差するピクセル(複数)(ピクセルp21など)には、(パターンとピクセルの交点がピクセルサイズの75%であるため)最大線量3の内、
の線形の相対線量が割り当てられるが、角のピクセルp22には、
の相対線量が割り当てられる。図16Aの線量係数3についての曲線を使用すると、適切な補正されたピクセル線量は、エッジ垂直部分221に沿ったピクセル(複数)に対して
であり(これはエッジ垂直部分221をピクセルグリッドの左側、0.75ピクセルの意図した位置に効果的にシフトする)、角のピクセルp22については、
である(これは近似的な補正にすぎない)。同様に、エッジ水平部分223(ピクセルp23など)と交差するピクセル(複数)には、
の線形線量、それ故、
の補正された線量が割り当てられる(これは与えられた露光パラメータにおいて、この水平部分を下方にグリッドに対して0.4ピクセル分シフトする)。第3のエッジ部分224はピクセルグリッドと揃っているので、その近傍のピクセル(複数)に対して補正は行われない。オーバードージングのため、露光後に得られる補正された線225は(一点鎖線、露光された角は一般に丸みを帯びているため、角の位置の描写は理想化されている)、パターンピクセルグリッドに対する位置とは無関係に、パターンエッジから約dr = 8nmの均一なオフセットを有することが意図されている。
本発明の別の実施形態では、この補正は、ベクトルドメイン、つまりデータパスのPDATAステップで実行される(図12)。ラスタライザにおける線量割当てを変更するのではなく、ベクトル構造のエッジを、パターンピクセルグリッドに対するそれらの位置(および方向)に応じて変更し、それらに割り当てられた線形線量は、補正線量
(例えば上記式を用いて決定される)に対応する。具体例を図21に示す。パターンピクセルグリッド202に対する位置および露光パラメータ
に応じて、多角形200を構成する線セグメントをシフトして補正された多角形201を得る。本発明の1つの好適な実施形態では、この補正は上述の関数
を使用して行われる。あるベクトル構造
のエッジについて、まずピクセルグリッドに対する(該ベクトル構造の外側方向への)オフセット
が決定される。次に、(ピクセルグリッドに対して)エッジが補正されたパターンエッジ位置
に再配置され、この補正された位置は、(実際に)露光されるエッジが(関数
によって予測される)所望のエッジ位置
に配置されるように、構造体の描画中、公称エッジ位置として使用される。即ち、補正後のエッジ位置
は、以下の式で与えられる。
この関係式(2)は、位置値のピクセルサイズpsへの正規化を除いて、ラスター化ステップ中の補正に関して上記で使用された関係式(1)と同一の構造を有する。
1つの例を図22に示す。図20と同じ設定を使用しているが、このケースは、基礎となるベクトル構造220に関してであり、線量係数3が割り当てられている。ベクトル構造220のエッジ(各エッジ部分の外側向きの法線ベクトルは点線の矢印として示されている)は、上述したような手順に従って補正される。エッジ垂直部分221は、ピクセルグリッドに対して
nmの水平オフセットを有し(全てのオフセット値はそれぞれの外側方向に関して示される)、これは0.75ピクセルに対応し、図16Aの線量係数3の曲線に従って、相対位置
nmへシフトされており、結果として(補正された)エッジ部分226が得られる。同様に、エッジ水平部分223は、
nm(即ち0.4ピクセル)から
nmを有するエッジ部分227の補正された相対位置へ移動される。エッジ部分224は、ピクセルグリッド
と重なるので、変更されない。図22Aに示したピクセルベースの補正のように、露光後に得られた補正ライン228は、オーバードージングによる元のパターンエッジと比較して、パターンピクセルグリッドに対する位置とは無関係に、ベクトル構造220のエッジ部分(複数)から約dr=8nmの意図された均一なオフセットを有することになる。この場合(図22)、角c22は、ラスター化中の補正(図20)とは異なる方法で取り扱われることに注意すべきであり、そのため、補正された被露光線228の対応する角は、異なる形で湾曲することになる(不図示)。
本発明のさらなる一視点は、ラスターグリッドに対して傾斜しているパターンエッジに関し、特に、大きな傾斜を有するか又は十分な長さを有しながら小さい傾斜角を持つパターンエッジに関する。本発明者らは、この種類のパターン特徴では、ピクセルグリッドに対するエッジの位置がエッジの方向に沿って変化するため、非線形配置効果が別の種類の誤差をもたらす可能性があることに気付いた。具体的には、公称直線エッジに、わずかな曲線の歪みを引き起こし得る。図25A〜図25Dは、配置シフトに対するパターンエッジの傾斜角の影響を示す。より具体的には、図25Aは、(図16A、図16Bと同様)均一の線量係数3で、20nmのビームレット、「ダブルグリッド」描画方法および5nmのビームブラーの基本設定を使用するシナリオについて、グリッドに対するエッジの位置
の関数として、パターンピクセルグリッドに対する様々な傾斜についてのCD変化関数
を示す。角度の値は、ラスターの主方向、この場合はc座標(「水平」方向)に対するパターンエッジの傾斜角度を指す。図25Bは、対応する線形化誤差
を示す。より詳細には、図25Aは、パターンエッジを1パターンピクセルまで(即ち10nmまで)移動した場合、露光されたエッジがどのようにシフトされるかを示し、そのシフトは、傾斜の例示的な値(1mrad、10mrad、25mrad、及び785mrad = 45°)について、300nm線エッジに沿って複数の位置で測定された。図25Aに示されるdCDの値は、(エッジ方向の中心においてグリッドと揃っている)基準位置に対する、線に沿って平均化された露光されたエッジの変位を表す。図25Bは、上述したように、対応する平均化された線形化誤差、即ち露光されたエッジがパターンエッジと全く同じようにシフトされる理想的な状況からの偏差を示す。図25Cは、線に沿った変位の1シグマの変動を示し、変位はそれぞれの線の方向に対して垂直に測定される。図25Dは、対応する線形化誤差の1シグマの変動を示す。
図25A〜図25Dから、以下の観察が明らかになる。水平のグリッド線に対して1mradで傾斜したエッジの配置の非線形性(対応するデータは実線の曲線として示されている)は、線に沿った対応する1シグマの変動(図25Dの実線)は無視できるため、線全体をシフトすることによって容易に補正できる。これに関連して、図25A及び図25Bに示されている非線形性が多くの現実的なケースよりも大袈裟に見えることに留意されたい。なぜなら、図25A及び図25Bの横座標の長さは、実際のエッジの長さと比較して、角度のアークタンジェントによって与えられる係数によって「圧縮」されているからである(例えば、arctan(1mrad)≒0.001)。従って、この非線形性の影響は、かなりの長さのエッジに対するものだけになる。水平方向に対して10mradで傾斜した線エッジ(対応するデータは点線の曲線で示されている)は、線に沿った平均幅に大きな変化を有するが、さらに、線に沿って0.3nmで1シグマのオーダーの著しい変化(以下、「線エッジラフネス(line edge roughness)」、LERと称する)も示す。25mradで傾斜したエッジ(点線の曲線;グリッドに対してより大きい角度のエッジでも同様の結果が予想される)については、線形化誤差の大部分は、エッジをシフトした場合の線形挙動からの平均偏差が比較的小さいLERとして現れる。なお、水平方向に対して大きな角度を持つエッジ(
の角度の一点鎖線など)については、平均誤差と変化の両方が比較的低く、これは、本発明の好ましい実施形態においては、(角度が選択した閾値より小さい場合)全ての線のエッジについて、x座標線またはy座標線のいずれかに対するグリッド位置のみを補正すればよいことを意味する。
本発明の好ましい実施形態では、LERに対する上述の影響は、補正されるべきパターンエッジを複数のセグメントに「分割」し、そしてそれらのエッジセグメントをシフト/補正するように、エッジに人工のカットを導入することによって低減され得る。実施形態の一例では、パターンエッジは、例えば、数ピクセルの幅(例えば、約3から10ピクセルの幅)に対応する30〜100nmのオーダーの長さの等分のセグメントに分割され、次に、CD変化関数
の逆関数を使用して、セグメントにおけるパターンエッジの位置を個別に補正する。パラメータベクトル
は線角度とセグメント長を含むことができるが、特に、角度が小さく、又はセグメントが十分に短く近似の誤差が所定の閾値を下回る場合、代わりに軸線の等価関数
の逆関数で近似することも可能である。他の実施形態では、図26A、図26Bに示すようにパターンエッジの一般的な方向に沿って1セットの補助グリッドポイントを導入することが有利である。そして、パターンエッジをサブピクセルグリッドとの交点の位置で分割する。次に、生成されたセグメントを上述のようにシフトする。図26Aは、パターンエッジセグメントに沿って等しいサイズのセグメントに分割された、等間隔のサブピクセルグリッドの一例を示す図である。セグメントサイズの適切な選択は、ピクセルグリッドに対するパターンエッジの角度によって変わり得ることは明らかであろう。図26Bに示す別の例では、補助分割点は、シフトされた線セグメントの配置誤差および線エッジラフネスが(ほぼ)等しくなるように選択される。これは、例えば、位置決め誤差が急速に変化する箇所(パターンピクセルグリッドの位置の周り)において細分割サイズを小さくする、エラープロット
を用いて分割する(図16B、図25B参照)、又は、コンピュータシミュレーションを用いてサブピクセル分割位置を最適化することにより行われる。 図26A及び図26Bの両方において、公称パターンエッジは破線251として示され(パターンエッジの上方でパータンは露光される)、補助ポイント(グリッドポイント/分割点)の位置は十字(X)でマークされている。両方の例において、サブセグメントは、水平線についてのCD変化関数の逆関数
に従って、エッジセグメントの平均垂直位置で評価され、パターンエッジの方向に対し直角をなす内側方向にシフトされており、その結果、補正されたパターンエッジ252が得られる。
本発明の異なる実施形態では、パターンエッジ又はパターンエッジセグメントを、CD変化関数
の逆関数
を用いてシフトせずに、代わりに、一次近似で逆線形化誤差
によるパターンエッジのシフトを使用する。この近似は、パターンに適用された線形化補正が露光されたエッジへ線形に影響を与えるという仮定の下で行われる。
本発明のさらなる適切な視点において、関数
(及びその逆関数)は、図23に示されるように、表または複数の表によって表すことができる(表形式の表示)。図23は、非線形性関数の数値決定に使用することができる3つの表の一例を示し、線形の線量割当て
(又はピクセルサイズdx/psにおけるパターンエッジの相対位置)及び露光パラメータ
への、その依存性に関しての関数を提供している。このような表は、例えば、事前計算されたシミュレーション又は実験的測定から得ることができる。この表を使用して、ラスタライザにおける線量割当て
は、最近傍探索またはピクセル位置
及び割当てられた線形の線量における所与の露光パラメータについての表値の補間によって得ることができる。図23の例において、パラメータは
であり、表中の値は、様々な露光パラメータ
に対して
(又は、同等に
を表す。この表は、本発明の理解を容易にするために簡略化されており、実際には、はるかに細かい表の解像度と多数の露光パラメータ
が使用される可能性が高い。例えば、線形線量割当てd=0.53及び
の1つのピクセルに対して非線形性の補正が適用される場合、補正された線量
を得ることができ、表の検索(lookup)(線量係数2の表のブラー4の列における最も近い値は0.439と0.575)と線形補間の組み合わせにより、補正された線量は、
ここでt=(d−0.439)/(0.575−0.439)=0.67。
及びd = 0.2については、バイリニア補間で同様に行い、即ち、上述のように、補間値
(線量係数2の表、ブラー7の列)及び
(線量係数3の表、ブラー7の列)を最初に得て、これらは再び補間され、結果として補正された線量
となる。
本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態及び実施例の変更・調整が可能である。更に、本発明の全開示の枠内において、種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施例(実施形態)の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(「非選択」を含む)が可能である。すなわち、本発明は、特許請求の範囲及び図面を含む全開示、本発明の技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
さらに、特許請求の範囲に付した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものに過ぎず、本発明を実施形態及び図示の実施例に限定することは意図していない。
さらに、上記の各文献の全開示は引用をもって本書に繰り込み、本書に記載されているものとする。

Claims (10)

  1. 荷電粒子マルチビーム描画装置(1)によってターゲット上に露光されるべきパターンを計算する方法であって、前記装置は、前記ターゲット上の露光領域(r1)内の複数のピクセル(px)を露光して、走査ストライプ露光によって前記パターンを生成し、
    前記パターンは、前記露光領域(r1)上のラスターグリッドに従って規定された複数のピクセルからなるピクセルグラフィックとして実現され、前記ピクセルのそれぞれは、それぞれのピクセル位置に配置された幾何学的ピクセル形状によって表され、前記ピクセルのそれぞれには、前記それぞれのピクセルについて露光されるべき露光線量の値に対応する強度値が割り当てられ、前記方法は、以下のステップ:
    (i) ベクトルパターンを複数のパターン要素(921、931)として提供すること、各パターン要素は、境界および内部を含むそれぞれの幾何学的形状を有し、それぞれ割り当てられた線量(D)に関連付けられ、前記割り当てられた線量は、前記それぞれの形状の内部内のピクセルについて露光されるべき露光線量の値を規定すること、
    (ii) 前記ベクトルパターンに基づいて、前記複数のピクセルそれぞれについて、それぞれの強度値を計算することにより前記ベクトルパターンを前記パターンにラスター化すること、
    を含み、
    ステップ(i)及び(ii)の内の1つにおいて、1つのパターン要素境界の少なくとも1つのエッジ位置について位置補正が行われ、前記位置補正は、以下のステップ:
    - 前記エッジ位置を記述する位置値を決定すること、
    - 所定の非線形関数を用いて前記位置値に基づき補正された位置値を決定すること、
    前記所定の非線形関数
    は、公称位置値
    と(前記公称位置値は前記パターンの露光中に入力値として使用されること)、前記公称位置値を用いて露光されたとき生成される前記パターン要素境界の位置(d、dx)との間の関係の逆を記述し、少なくとも1つのパラメータを有すること、前記少なくとも1つのパラメータは関与する前記パターン要素の前記割り当てられた線量を含むこと、及び、
    - 前記補正された位置値に応じて前記パターンを修正し、前記パターン要素境界を効果的にシフトすること、を含む、
    方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    前記走査ストライプ露光は、互いに重なり合うアパーチャ画像を生成するように構成され、前記アパーチャ画像は、前記ターゲット上に生成された隣接するアパーチャ画像のピクセル位置間の距離(e)の倍数である公称幅(b)を有し、前記方法は、以下の追加のステップ:
    (iii)アパーチャ画像を露光することを通して、前記描画プロセスにより、ステップ(ii)において得られた前記パターンから、前記パターンを露光するのに適した露光パターンを生成すること、を含む、
    方法。
  3. 請求項1に記載のパターン計算方法において、
    前記位置補正は、ラスター化のステップ(ii)中に行われ、各ピクセル、少なくともピクセル形状が1つのパターン要素の境界と交差するピクセルについて、前記強度値が、
    - 境界が前記ピクセル形状と交差する前記パターン要素にカバーされている前記ピクセル形状の割合の領域として第1の領域を決定し、位置値をピクセル形状の全領域に対する前記第1の領域の比率として計算することにより、前記位置値(d)を決定すること、
    - 所定の非線形関数を用いて前記位置値から強度値を決定すること、
    前記所定の非線形関数
    は、前記強度値に同等の露光線量で、そのピクセルを露光することにより生成される1つのピクセルの強度値
    と、その強度値で生成される1つのパターン要素境界のピクセル形状領域の幾何学的領域部(d)と間の関係の逆を記述し、少なくとも1つのパラメータを有すること、前記少なくとも1つのパラメータは関与する前記パターン要素の前記割り当てられた線量を含むこと、
    - 前記強度値を前記それぞれのピクセルに割り当てること、
    により計算されることにより前記位置補正が行われる、
    方法。
  4. 請求項1に記載のパターン計算方法において、
    前記位置補正は、前記ベクトルパターンを提供するステップ(i)中に行われ、前記位置補正は、少なくとも1つのパターン要素についてエッジ位置が補正されることにより行われ、前記パターン要素のための前記エッジ位置補正は、以下のステップ:
    - 前記ラスターグリッドに対する前記境界の境界セグメント(複数)の前記位置(dx)決定すること、
    - 所定の非線形関数に基づき、公称エッジ位置として、各境界セグメントについて補正された位置
    を決定すること、
    前記所定の非線形関数
    は、公称エッジ位置
    と、その公称エッジ位置を用いて描画された場合の、前記ラスターグリッドに対する前記位置(dx)との間の関係の逆を記述し、少なくとも1つのパラメータを有すること、前記少なくとも1つのパラメータは関与する前記パターン要素の前記割り当てられた線量を含むこと、及び、
    - 再形成されたパターン要素を形成すること、前記再形成されたパターン要素は、それぞれのセグメントに対して直角をなす方向に、前記補正された位置に応じた位置へオフセットされた境界セグメントを有すること、及び、前記再形成されたパターン要素によって前記パターン要素を置換すること、を含む、
    方法。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載のパターン計算方法において、
    前記パラメータはさらに、ドーズ・ツー・クリア(dose-to-clear)レベルに対する前記割り当てられた線量の比率、前記ターゲット上に結像された前記ピクセルのビームレットブラー、前記それぞれのパターン要素の境界またはエッジの方向、線量バックグラウンド、近接効果係数、及び前記ラスターグリッドに対する前記ピクセルの密度のうち、少なくとも1つを含む、
    方法。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載のパターン計算方法において、
    前記非線形関数および/又はその逆関数は、少なくとも1つの台を通して指定され、台の各点は、前記非線形関数の前記パラメータの特定の値において、公称位置値の数値と、関連する位置値の数値とを特定し、前記数値は、コンピュータシミュレーション及び実験的測定のうちの少なくとも1つから事前に導き出され、台の点同士の間の前記非線形関数の値が補間される、
    方法。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載のパターン計算方法において、
    前記ラスターグリッドの主方向(X、Y)に対して0度と45度との間の角度で配向されたパターン要素境界のための位置補正を含み、
    前記位置補正は、さらに以下のステップ:
    各セグメントに対して個々に前記位置補正を行う前に、
    - 前記パターン要素境界を2つ以上のセグメントに分割すること、前記セグメントは補助ポイントにおいて分割されること、を含み、
    各セグメントに対する前記位置補正は、前記それぞれのセグメントにおける補正された位置値を得るための量の代表値または平均値を用いて実行される、
    方法。
  8. 請求項7に記載の方法において、
    1つのセグメントの前記補助ポイントは、前記パターン要素境界に沿って、均一の距離の間隔で配置されている、
    方法。
  9. 請求項7に記載の方法において、
    1つのセグメントの前記補助ポイントは、前記パターン要素境界に沿って、様々な距離の間隔で配置されており、前記距離は、前記非線形関数の増分する変化に対して減分するように選択される、
    方法。
  10. 荷電粒子マルチビーム描画装置(1)によってターゲット上にパターンを露光する方法であって、前記装置は、前記ターゲット上の露光領域(r1)内の複数のピクセル(px)を露光して、走査ストライプ露光によって前記パターンを生成し、前記方法は、以下:
    - 前記パターンを前記装置と関連する処理システム(18)に提供すること、前記パターンは、前記露光領域(r1)上のラスターグリッドに従って規定された複数のピクセルからなるピクセルグラフィックとして実現されること、前記ピクセルのそれぞれは、それぞれのピクセル位置に配置された幾何学的ピクセル形状によって表され、前記ピクセルのそれぞれには、前記それぞれのピクセルについて露光されるべき露光線量の値に対応する強度値が割り当てられること、
    - 前記処理システム(18)において、請求項1乃至9の何れかに記載の方法を前記パターンに適用することにより、補正されたパターンを計算すること、及び、
    - 前記装置(1)において、前記補正されたパターンに従って、露光処理を行うこと、を含む、
    方法。
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