JP2019163938A - 車載装置、音声案内システム - Google Patents

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Abstract

【課題】緊急時の運転者が進行方向などの回答を今すぐに得られる車載装置を提供すること。【解決手段】車両に乗車したユーザの音声による問い合わせに対し音声で回答を案内する車載装置10であって、前記ユーザの音声をトリガーレス方式で認識する音声認識手段32と、前記ユーザが今すぐに案内を必要とする緊急案内状況か否かを判断する状況判断手段36と、所定以下の長さの単語が登録された単語記憶手段44と、前記状況判断手段が前記緊急案内状況であると判断した場合、前記音声認識手段が認識した単語が、前記単語記憶手段に登録されているか否かを判断する登録判断手段37と、前記音声認識手段が認識した単語が前記単語記憶手段に登録されていると前記登録判断手段が判断した場合、前記音声認識手段が認識した前記単語に応じた案内を音声で行う案内手段41と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、車載装置、及び音声案内システムに関する。
ナビゲーション装置などの車載装置は、目的地までの経路にしたがって運転者に進行方向を音声などで案内するが、必ずしも運転者が必要とする時に音声を出力するとは限らない。例えば、運転者が今すぐ進行方向を把握したい場合であっても、予め決まった案内ポイントでなければ車載装置は進行方向を案内しない。
図1は、運転者が今すぐ進行方向を把握したい状況の一例を示す。図1に示すように車両は駐車場から出ようとしている。例えば、駐車場を出るまでの複雑な操舵などにより運転者が方向感覚を失っている場合、左右のどちらに進めばよいか判断できない。車載装置に目的地までの経路が設定されていれば車載装置の画面を見ればよいが、車両を停車させて見るほどの余裕がない。
また、建物の陰などでGPS衛星の電波を受信できない状況では、画面に正しい進行方向が表示されない場合もある。したがって、運転者はとっさに進行方向を把握できないおそれがあるが、車載装置が進行方向を案内してくれるとは限らない。
このような不都合に対して、運転者が進行方向を把握したい状況を検出して進行方向を案内する技術が考案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。特許文献1には、駐車場からの出口で進行方向を案内するナビゲーション装置が開示されている。また、特許文献2には、目的地までの経路に連続した2つの交差点がある場合、第1交差点から第2交差点までの間に最小限の言葉で進行方向を伝える交差点案内装置が開示されている。
特開2006−084208号公報 特開平10−111140号公報
しかしながら、従来の技術では、緊急時の運転者が進行方向などの回答を今すぐに得られるとは限らないという問題がある。まず、決まった状況になると常に進行方向が案内されるため、運転者としては煩わしくなるおそれがある。
この不都合を解決するためには、運転者が音声で車載装置に問い合わせることが検討される。運転者が今すぐ進行方向を把握したい場合には車載装置の画面に視線を移動させたり、車載装置を手で操作したりすることは困難なためである。
従来から、運転者の音声を認識してテキストデータに変換し、このテキストデータが予め登録されているコマンド等と一致する場合にコマンドに対応する処理を実行する車載装置が知られている。しかしながら、単に音声認識が可能な車載装置では運転者が今すぐ進行方向を把握したい状況に対応することは困難である。補足すると、音声認識の方法にはトリガー方式とトリガーレス方式があり、トリガー方式はステアリングスイッチの押下、又はある決まった発言(呼びかけ)を検出した場合等に、コマンドとなる音声の認識を開始する方式である。トリガーレス方式は、音声認識の機能が起動中、常にコマンドとなる音声の認識を継続する方式であるが、誤認識を低減するためコマンドは一定以上の長さで設定されている。
したがって、トリガー方式の場合、運転者が今すぐ進行方向を把握したい状況にも関わらずトリガーのための操作や発言を行うことが必要になり、運転者が進行方向を今すぐに得られない場合がある。また、トリガーレス方式の場合、運転者が今すぐ進行方向を把握したい状況にも関わらず、一定以上の長さのコマンドの発言が必要になり、運転者が進行方向を今すぐに得られない場合がある。
なお、このような不都合は、今すぐ進行方向を把握したい状況に限られず、緊急時なのに運転者が車載装置から今すぐに回答を得られない状況であるという点で共通する。
また、一般的な交差点であれば、車載装置が交差点の拡大図や3D映像を表示すると共に、正確な音声案内を出力することが多い。しかし、仮に駐車場の出口で拡大図が出るとしても、このような音声案内では今すぐに進行方向を知りたい状況に対応しきれないおそれがある。
図2は、交差点における画面例と音声案内の一例を示す図である。図2の画面例では交差点の手前で「左側のガソリンスタンドを通過して2つ目の信号、けやき通り西交差点を左方向です」という音声案内が出力される。通常の運転者はこのような音声案内を聞き取れるが、運転に集中していたり会話をしていたりすると聞き漏らす場合もある。この場合、運転者が車載装置に聞き直すことは可能であるが、再度、全く同じ音声案内が出力されてしまう。車両はすでに交差点に接近しているため、音声案内を聞いているうちに交差点を曲がりそこねるおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑み、緊急時の運転者が進行方向などの回答を今すぐに得られる車載装置を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明は、車両に乗車したユーザの音声による問い合わせに対し音声で回答を案内する車載装置であって、前記ユーザの音声をトリガーレス方式で認識する音声認識手段と、前記ユーザが今すぐに案内を必要とする緊急案内状況か否かを判断する状況判断手段と、所定以下の長さの単語が登録された単語記憶手段と、前記状況判断手段が前記緊急案内状況であると判断した場合、前記音声認識手段が認識した単語が、前記単語記憶手段に登録されているか否かを判断する登録判断手段と、前記音声認識手段が認識した単語が前記単語記憶手段に登録されていると前記登録判断手段が判断した場合、前記音声認識手段が認識した前記単語に応じた案内を音声で行う案内手段と、を有する。
緊急時の運転者が進行方向などの回答を今すぐに得られる車載装置を提供すること。
運転者が今すぐ進行方向を把握したい状況の一例を示す図である。 交差点における画面例と音声案内の一例を示す図である。 車載装置の概略的動作について説明する図の一例である。 車両に搭載された車載装置を示す図の一例である。 車載装置の一例としてのハードウェア構成図である。 車載装置が有する機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。 車載装置が緊急案内状況において緊急案内する手順を示すフローチャート図の一例である。 複雑な交差点の一例を模式的に示す図である。 高速道路の出口に表示されている看板の一例を示す図である。 車載装置が有する機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である(実施例2)。 車載装置が緊急案内状況において緊急案内する手順を示すフローチャート図の一例である。 進入禁止の確認を運転者が行う緊急案内状況の一例を示す図である。 Uターン禁止の確認を運転者が行う緊急案内状況の一例を示す図である。
以下、本発明を実施するために形態について図面を参照しながら説明する。
<本実施形態の車載装置の概略的動作>
図3を用いて、本実施形態の車載装置10の概略的動作について説明する。図3(a)は、運転者が今すぐ進行方向を把握したい状況の一例として、立体駐車場の出口を通過中又は通過直後の車両8を示す。車両8には車載装置10が搭載されている。
まず、本実施形態の車載装置10には、運転者が今すぐ進行方向を把握したい状況が予め登録されている。以下、この状況を「緊急案内状況」という。立体駐車場の出口も緊急案内状況に含まれる。車載装置10は、緊急案内状況であると判断すると、ショートワード(短い言葉による問い合わせ)に対応したトリガーレス方式の音声認識を開始する。
図3(b)は緊急案内状況における音声認識の一例を示す。運転者は立体駐車場の出口で右と左のどちらに行けばよいか迷っていて、今すぐに回答が欲しいと考えている。このため運転者は比較的短い言葉かつトリガーレスで車載装置10に問い合わせる。車載装置10には運転者が緊急案内状況で発言するショートワードが予め登録されている。
例えば、運転者が「どっち?」と発言すると、車載装置10は登録されているショートワードが発言されたことを音声認識により検出する。これにより、車載装置10は現在地の経路情報を参照して、右又は左のどちらかの進行方向を音声で緊急案内する。この緊急案内は、運転者が今すぐに進行方向を把握できるように、音声案内に要する時間が短い。図3(b)では「右です」という音声案内が出力されている。
したがって、運転者は、トリガーレス方式でかつショートワードで進行方向を問い合わせることができ、更に、短時間に案内が終わる緊急案内で進行方向に関する回答を得ることができる。
<用語について>
車両とは、主に動力で移動する移動体をいう。例えば、自動車の他、動力付き二輪車(自動二輪車という)等でもよい。また、人力で移動する自転車などの軽車両がふくまれてよい。
また、ユーザは車載装置10を使用する者をいい、車両に乗車している人、例えば運転者の他、乗員が例として挙げられる。
単語とは、意味の面、アクセントなどの音形の面で一つの最小単位としてのまとまりをもつ言葉の単位をいう。それだけで意味を伝えるという意味では自立語と称してよい。ただし、「よいか」のうち「か」のような助詞を単語としてもよい。
<構成例>
図4は車両に搭載された車載装置10を示す図である。車載装置10は車両に搭載された装置であり、進行方向を案内する機能を有するためナビゲーション装置と呼ばれる場合もある。車載装置10は出発地から目的地までの経路を検索して道路地図に設定し、ディスプレイに表示された電子地図に経路と現在地を表示したり、経路に基づいて進路変更の手前で音声案内や電子地図上のアニメーションなどで適切な進路を案内したりする。この他、AV(Audio Visual)の再生機能、インターネットとの通信機能等を有していてよい。運転者は案内にしたがって車両8を操作することで目的地まで到達できる。
この車載装置10の機能のうち経路の検索を図4のサーバ装置50が行い経路を車載装置10に提供してもよい。この場合、音声案内システム100がサーバ装置50と車載装置10が有する形態となる。ただし、本実施形態では、経路検索を車載装置10が行うものとして説明するためサーバ装置50はなくてもよい。
車載装置10は、汎用的な情報処理端末である場合とナビゲーション専用端末(PND(Portable Navigation Device)とも呼ばれる。)の場合がある。汎用的な情報処理端末として、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートPC、及び、ウェアラブルPC(例えば、腕時計型、サングラス型など)などがある。これらの装置は、普段は情報処理端末として利用されるが、ナビゲーションのためのアプリケーションソフトウェアを実行すると、ナビゲーション専用端末と同様、経路検索及び経路案内等を行う。
このような機能を有する装置をナビゲーション装置というが、車載装置10はナビゲーション装置に限られない。
また、車載装置10は、汎用的な情報処理端末とナビゲーション専用端末の連携(通信)により実現されてもよい。汎用的な情報処理端末に搭載されるアプリがナビ画面等を生成し、このアプリが生成するナビ画面をナビゲーション専用端末が通信で取得して表示する。このようなアプリとしてCarPlay(登録商標)やAndroid Auto(登録商標)等が知られている。
このように汎用的な情報処理端末と連携する場合、車載装置10はディスプレイオーディオ(又はコネクティッドオーディオ)と呼ばれる装置であってもよい。ディスプレイオーディオはナビゲーションの機能を搭載せずに主にAV機能と通信機能を提供する装置である。
車載装置10は、汎用的な情報処理端末とナビゲーション専用端末のどちらの場合でも、車載された状態と携帯可能な状態の切り替えが可能であってよい。つまり、車載装置10は、車両8に対し脱着可能であってよい。
また、音声認識においてもサーバ装置50が音声認識する場合と、車載装置10が音声認識する場合とがある。サーバ装置50による音声認識は音声認識の性能という点では有利であるがトリガーレス方式では通信量が増大したり、レスポンスが遅れたりするおそれがある。車載装置10による音声認識は音声認識の性能という点では不利であるが通信量を抑制でき、音声認識の結果が得られるまでのレスポンスが速くなる。本実施形態では、車載装置10が音声認識する例を説明するが、サーバ装置50が行ってもよい。
<装置のハードウェア構成>
図5は、車載装置10の一例としてのハードウェア構成図である。車載装置10は制御部22により制御され、制御部22には、カメラ11を制御したり画像処理を行ったりするカメラ制御部12、GPS受信機13、自律航法用センサ14、ハードキー15、タッチパネル17付きのディスプレイ16、スピーカ18、マイク19、HUD(Head Up Display)20、及び、通信装置21が接続されている。図示されたハードウェア要素はナビゲーション装置であるもの想定されているが、車載装置10は情報処理装置としての機能を有していればよく、図5は一例のハードウェア要素であるにすぎない。
制御部22は、マイコン、又は、コンピュータと呼ばれる機能を有し、車載装置10の全体を制御すると共に情報の入力、処理(加工)及び出力を行う。制御部22は、CPU22a、RAM22b、ROM22c、及びフラッシュメモリ22d等を有するが、この他、CANコントローラ、タイマ、I/Oポートなど一般的なECU(Electronic Control Unit)と同様の機能を備えていてよい。
カメラ11は入射した光をCCDやCMOSなどの光電変換素子により輝度情報を有する画像データに変換する撮像装置である。カメラ11は定期的に画像データをカメラ制御部12に送出する。本実施形態においてカメラ11は車両の前方又は周囲の状況を撮像するように例えばルームミラーやサンバイザ等に配置される。カメラ11は例えば前方の道路標識等を撮像することができる。
カメラ制御部12はカメラが撮像した画像データに画像処理を施すICである。本実施形態では道路標識などを画像処理により検出する。カメラ制御部12は、ディープラーニング、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、ランダムフォレストなどの機械学習のアルゴリズムで、道路標識の特徴を学習しており、車両8の前方にどのような道路標識が提示されているかを判断できる。
GPS受信機13はGPS衛星を利用して自車位置を測位する。自律航法用センサ14は加速度センサ、ジャイロセンサ及び地磁気センサ等、自律航法で自車位置や姿勢を推定するためのセンサである。
ハードキー15は、運転者による使用頻度が高いスイッチ、ボタン又はタッチセンサ類であり、例えば、電源ボタン、音量の増減ボタン、CD/DVDの取り出しボタン等である。ステアリングスイッチも含まれる。ディスプレイ16は、例えばLCD(Liquid Cristal Display)や有機ELなどの表示装置である。ディスプレイ16はタッチパネル17を一体に有しており、タッチパネル17は運転者の指などが接触した座標を検知し制御部22に出力する。
スピーカ18は進行方向等の案内を音声で出力する。マイク19は運転者の音声を認識するために音声を集音する。HUD20はフロントガラス又は運転者の視界に設置された半透明のコンバイナーに情報を表示する表示装置である。通信装置21は3G,4G、無線LAN、WiMaxなどの通信事業者の基地局9と通信し、各種の情報を送受信する。不揮発メモリ23は、道路の構造に関するデータや電子地図を描画するための地図データを記憶するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶装置である。
<車載装置が有する機能について>
図6は、車載装置10が有する機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。車載装置10は、音声データ取得部31、音声認識部32、通常検索部33、コマンド処理部34、操作受付部35、状況判断部36、ショートワード検索部37、位置検出部38、検索部39、経路案内部41、及び、ナビ画面作成部42を有している。
車載装置10が有するこれらの各機能は、図5に示した制御部22のフラッシュメモリ22dからRAM22bに展開されたプログラムをCPU22aが実行することにより実現される機能又は手段である。
また、車載装置10は図5に示した不揮発メモリ23、フラッシュメモリ22d、又はROM22c等に形成されるショートワードDB44(Data Base)、緊急案内状況DB45、道路構造DB46、及び、地図DB47を有している。まず、これらデータベースについて説明する。
Figure 2019163938
表1は、ショートワードDB44に登録されている情報を模式的に示す。ショートワードDB44には緊急案内状況で認識の対象となるショートワードが登録されている。ショートワードは、名前のとおり「短い言葉」である。短いとは、運転者が今すぐに進行方向に関する回答を得られる短い所定以下の時間で出力が完了するという意味と文字数が少ないという意味の少なくとも一方を有している。換言すると、音節数が少ないと言うことができる。音節数とは連続する言語音が区切られた場合に何個に区切られるかという数を示す。緊急案内状況で運転者が発言するショートワードは1〜2音節が好ましいが、3〜10音節などが含まれてもよい。
短い時間という意味では、運転者の発言が数秒以内で終わる短い言葉がショートワードとなる。また、文字数が少ないという意味では、文字数が例えば10文字以内の短い言葉がショートワードとなる。なお、これらの音節数、時間、文字数は一例に過ぎず、緊急案内状況で運転者が発言しうる言葉はショートワードとなりうる。
各ショートワードには緊急案内内容が対応付けられている。例えば、「どっち?」というショートワードには「進行方向を指示」という緊急案内内容が対応付けられている。これにより、車載装置10はどのような内容の緊急案内を行えばよいかを判断できる。
Figure 2019163938
表2は、緊急案内状況DB45に登録されている情報を模式的に示す。緊急案内状況DB45には運転者が緊急案内状況であるか否かを判断するための状況が登録されている。緊急案内状況とは運転者が緊急に案内を要する状況をいう。本実施例では、運転者が今すぐ進行方向を把握したいと推定される状況が登録されている。緊急案内状況であると判断されると、表1のショートワードの検索が開始される。
表2に示すように例えば、方向感覚を失いやすい「立体駐車場出口」、短時間に操舵方向が大きく変わる「進行方向を変更する2つの交差点の距離が閾値未満」、及び、目的地によって車線などを選択する必要がある「高速道路出口」などである。したがって、緊急案内状況は、特定の場所ということもできる。
なお、表2により緊急案内状況であると判断されると、表1のショートワードが全て認識可能になるが、緊急案内状況ごとにショートワードが登録されていてもよい。すなわち、ある緊急案内状況では決まったショートワードしか認識されないようにする。これにより、ショートワードの認識精度が向上し、適切な緊急案内が可能になる。
Figure 2019163938
表3は道路構造DB46の構成を模式的に示す。道路構造DB46は、車両が通行可能な道路の構造を表すデータであって、表3(a)のノードテーブルと表3(b)のリンクテーブルとが相互に連携したデータ構造を有する。
ノードテーブルには、ノードを識別するためのノードIDとノードの座標(緯度・経度)が登録されている。ノードとは道路網表現上の結節点である。ノードは例えば交差点、分岐点、合流点、屈曲点などである。ノードIDが分かればノードに繋がっているリンクがリンクテーブルから判明するので、車載装置10はノードテーブルとリンクテーブルを相互に参照することで道路の構造を辿ることができる。
また、リンクテーブルにはリンクを識別するためのリンクID、リンクの始点ノード、リンクの終点ノード、リンク長、道路種別、及び、交通法規などが登録されている。リンクとはノードとノードを結ぶ道路を表し、リンクはノード同士を結ぶ線分となる。道路種別は、例えば一般道、高速道路、専用道路、私道などである。交通法規は、当該リンクで定められている(禁止又は制限されている)車両の運転に関する交通規則又は交通ルールである。なお、リンクテーブルには、この他、車線数、幅員、周囲の施設情報などが登録されてよく、表3に示す情報には限られない。
なお、地図DB47は、電子地図を描画するための地図データが記憶されている。電子地図に表示される情報には、ベクトルデータやラスターデータで地図を描くためのデータが含まれている。地図データは経度・緯度などが既知のメッシュ状に区切られており、1つ以上のメッシュを結合してナビ画面が作成される。
図6に戻って説明する。音声データ取得部31は、トリガーレスで常に、マイク19が集音した音声をA/D変換して電気信号に変換し音声データとして取得する。音声データは連続データなので、音声データ取得部31は所定時間分(例えば20ミリ秒など)の音声データを繰り返し取得する。所定時間は音声認識に有利な時間として設定されている。
音声認識部32は音声データをテキストデータに変換する。テキストデータへの変換には、公知の方法があると共に様々な方法がある。ここでは一例を説明する。まず、音声認識部32は音声データを周波数スペクトルに変換して雑音に相当する周波数部分を除去するなどの処理を行う。次に、音声データからパターンの認識に役立つ情報として、フォルマント又はMFCC(Mel Frequency Cepstrum Coefficient)を抽出する。これにより、音声データから数十次元の特徴ベクトルが得られる。そして、音声認識部32は、音声の波形(トライフォンと呼ばれる3つの音素が組み合わされた組音素)とその時の音声のテキストデータとを紐付けた音響モデルを特徴ベクトルで検索してテキストデータを得る。テキストデータが一意に決まらない場合も少なくないため、音声認識部32は、単語と単語のつながり方を確率で表現した言語モデルを使って、確率的に最も確からしいテキストデータを採用する。この方法では単語単位で認識されているため形態素解析は不要になる。文字単位で音声認識が行われる場合、音声認識部32は形態素解析を行う。
音声認識部32が認識した単語を含むテキストデータは通常検索部33又はショートワード検索部37に送出される。通常検索部33は、テキストデータに含まれる単語が、トリガーレス方式に対応して予め登録されているコマンドと一致するか否かを判断する。トリガーレス方式で常にコマンドとなる音声の認識を継続する場合、音声認識部32は日常会話も認識するが、日常会話がコマンドと一致するおそれがある。このため、通常検索部33が受け付けるコマンドは一定以上の長さになるように調整されている。一例として、「サイドカメラ」、「フロントカメラ」、「近くのコンビニ」、「詳細表示」、「広域表示」、「コーナーカメラ」、「ダブルゾーン」、「オーディオ表示」、「近くのガソリンスタンド」、「自宅に帰る」、「地図表示」、及び、「ルート案内」のようなコマンドがある。
コマンド処理部34は、コマンドに応じた処理を行う。例えば、サイドカメラというコマンドに対してディスプレイ16の表示をサイドカメラの映像に切り替える。近くのコンビニというコマンドに対してコンビニを検索し、ディスプレイ16にコンビニのアイコンとコンビニの場所を示す電子地図を表示する。その他のコマンドに対しても予め決められている処理を行う。
ショートワード検索部37は、ショートワードDB44からテキストデータに含まれる単語を検索する。検索にヒットした場合(単語がショートワード検索部37に登録されている場合)、ショートワード検索部37は、この単語に対応付けられている緊急案内内容をショートワードDB44から取得して、経路案内部41に送出することで緊急案内を要求する。
操作受付部35は、経路検索のための2つのPOI(Point Of Interest:例えば出発地と目的地)の入力、経路案内の開始、リルートの指示、ナビ画面の拡大・縮尺の指示、及び、表示範囲変更などの指示を受け付ける。
位置検出部38は、定期的に及び運転者の操作に応じて、GPS受信機13が行う電波測位により、車両の現在地を緯度、経度、及び標高の座標として検出する。なお、位置検出部38は、自律航法用センサ14を使って詳細な位置を推定し、更にマップマッチングにより車両の位置を道路上に補正する。
検索部39は、運転者が経路検索を要求したり経路から車両が外れたりして再検索する場合に、道路構造DB46を用いて経路を検索し経路情報を作成する。経路検索には、リンク長や幅員、渋滞状況をコストに換算して、出発地から目的地までのコストの合計が最も少なくなる経路56を選ぶダイクストラ法、ダイクストラ法が改良されたA*(エースター)法が知られている。また、決定した経路において隣接するリンクのなす角が所定以上の場合、進行方向の変更が必要であると判断し、経路情報において、進路変更の手前に案内ポイントを設定する。経路情報の一例を表4に示す。検索部39は、経路検索で生成した経路情報を状況判断部36、経路案内部41、及び、ナビ画面作成部42に送出する。
Figure 2019163938
表4は、経路情報の一例を示す。経路情報は、経路を構成するリンクを進行方向の順番に並べたものであり、好ましくは経路案内すべき案内ポイントが含まれている。表4に示すように、経路情報は、例えば、出発地、目的地、及び、進行方向の順番に並んだ複数のリンクIDを有する。例えば表4では、LK1234、LK1251、LK1252の順に車両が進行する経路が示されている。また、リンクには案内ポイントが設定されている場合がある。すなわち、LK1251のリンクからLK1252のリンクに進入する際に車両が右折する場合、右折する旨と、案内のタイミング「終点ノードの手前30〔m〕」、及び、案内内容「M035」が登録されている。案内内容は例えばMP3などの音声データを指定する識別情報である。音声案内に使用されるテキストデータが登録されていてもよい。
図6に戻って説明する。状況判断部36は、現在地(位置情報)と経路情報に基づいて緊急案内状況DB45を検索し、緊急案内状況であるか否かを判断する。すなわち、車両の現在地(位置情報)が経路情報のどこに対応するかを特定し、経路情報における現在地が緊急案内状況に適合するか否かを判断する。適合する場合、音声認識部32に対し、テキストデータをショートワード検索部37に送出させる。この場合、通常検索部33へのテキストデータの送出は継続したままでよい。緊急案内状況でも運転者が通常のコマンドを発言する場合があるためである。
経路案内部41は、現在地(位置情報)と経路情報に基づいて経路案内を行う。すなわち、車両の現在地が経路情報に含まれる案内ポイントに到達すると、曲がり角などを指示する音声データをスピーカ18から出力する。なお、音声データはMP3などの形式でデータ化されていてもよいし、案内用のテキストデータに基づいて音声合成をおこなって作成してもよい。
また、経路案内部41は緊急案内内容を取得すると、緊急案内を行う。また、経路案内部41は一般的な自然対話システムに基づいて運転者と対話する。緊急案内とは案内ポイントの内容を通常の案内よりも短縮して行うことを言う。例えば、直前の(最近、出力した)案内ポイントが右折であり、まだ、案内ポイントがあるリンクを車両が走行している場合は「右です」「右折」「右」などの進行方向を短縮して案内する。すなわち、案内ポイントに登録されている進行方向だけを手短に出力する。したがって、経路案内部41が緊急案内内容に基づいて行う音声案内は、所定より「短い言葉」である。「短い」の考え方はショートワードと同様でよい。すなわち、音節数が所定数未満、音声案内に要する時間が所定値未満(数秒以内)、又は、文字数が例えば所定値未満(例えば10文字以内)などである。
現在地のリンクに案内ポイントが設定されていない場合は、経路案内部41は現在地のリンクと次のリンクのなす角などから進行方向を生成して緊急案内する。
経路案内部41が緊急案内内容に基づいて行う音声案内は、案内ポイントから生成して音声合成してもよいが、予め案内ポイントに対応付けられているとなおよい。
ナビ画面作成部42は、例えば出発地と目的地を包含する領域を含む電子地図であって、経路が強調表示されたナビ画面を地図DB47の地図データを用いて作成する。ナビ画面作成部42は、更に車両の現在地を現在地マークなどで表示する。また、ナビ画面作成部42は、大きな交差点など、拡大図が用意されている場所に車両が近づくと地図DB47から地図データを取得して交差点等の拡大図を表示する。なお、地図DB47の地図データはサーバ装置からダウンロードされてもよい。
<動作手順>
図7は、車載装置10が緊急案内状況において緊急案内する手順を示すフローチャート図の一例である。なお、すでに経路検索は終了しているものとする。図7の処理は例えば定期的又は位置情報が検出されるたびに繰り返し実行される。
まず、位置検出部38は位置情報を検出する(S10)。位置情報は、状況判断部36と検索部39に送出される。
次に、状況判断部36は、経路情報における現在位置を特定する(S20)。すなわち、経路上のどこを走行しているかを特定する。例えば、現在地からリンクIDを特定し、更にリンクの始端又は終端からどの位の距離に存在するかが特定される。なお、経路から外れている場合は、進行方向の案内が困難なので緊急案内は実行されない。
次に、状況判断部36は、経路における車両の現在地が緊急案内状況に適合するか否かを判断する(S30)。例えば、「立体駐車場出口」であるか否かは、現在地が立体駐車場の位置とほぼ同じかどうかにより判断できる。経路外であれば、車両の位置が立体駐車場の位置と同じでも「立体駐車場出口」であるとは判断しない。
「進行方向を変更する2つの交差点の距離が閾値未満」であるか否かは、現在地が右折後又は左折後のリンクであり、現在のリンクを更に右折又は左折する必要があり、この連続した交差点の距離が閾値未満であるかどうかにより判断できる。例えば、表4の経路情報を例にするとLK1252のリンクを走行中にLK1252のリンク長が閾値未満であれば緊急案内状況であると判断される。なお、「進行方向を変更する2つの交差点の距離が閾値未満」であるか否かについては図8で詳細に説明する。
「高速道路出口」であるか否かは、現在地が高速道路の出口であるかどうかにより判断できる。経路外であれば、車両が高速道路の出口を走行していても「高速道路出口」であるとは判断しない。
ステップS30の判断がNoの場合、図7の処理は終了する。ステップS30の判断がYesの場合、状況判断部36は音声認識部32に対し、テキストデータをショートワード検索部37に送出するように指示する。これにより、運転者が発言するたびに、発言から変換されたテキストデータに含まれる単語をショートワード検索部37がショートワードDB44から検索する(S40)。
ショートワード検索部37はショートワードDB44に登録されている単語が発言されたか否かを判断する(S50)。ステップS50の判断がNoの場合、処理はステップS10に戻る。ステップS10で位置情報を検出されるタイミングでない場合は最後に検出された位置情報に基づいてステップS20以降を実行してよい。
ステップS50の判断がYesの場合、ショートワード検索部37は、検索にヒットしたショートワードに対応付けられた緊急案内内容を、経路案内部41に送出する(S60)。これにより、経路案内部41が緊急案内内容に対応した緊急の経路案内を実行する。
<具体例>
<<立体駐車場の出口>>
緊急案内の具体例として、図3には立体駐車場から出る際の緊急案内の一例を説明した。すなわち、立体駐車場では、車両がスロープを何回か回転して降りてきて、出口を出て直ぐに曲がらなくてはいけない状況が生じうる。立体駐車場からの出口では拡大図等がディスプレイ16に表示されない場合が多い。また、運転者がナビ画面を注視することは好ましくない。
そこで、このような緊急案内状況において、運転者が「どっち?」という短い言葉(ショートワード)で問い合わせると、車載装置10が緊急案内として「右です」という短い音声の緊急案内をスピーカ18から出力する。したがって、緊急案内状況であることを特定することで、トリガーレス方式でかつ短い言葉を音声認識でき、車載装置10も短い言葉で緊急案内することができる。
なお、案内ポイントにおける単なる進行方向の通知と異なり、運転者の問い合わせに対して車載装置が回答するシステムを自然対話システムという。一般の自然対話システムでは単語列から発言の意味を判断するため、形態素解析(構文解析や意味解析を含む)又はFST(Finite State Transducer)などで入力理解が行われる。入力理解により対話行為タイプ(施設検索、経路案内など)が決定される。対話行為タイプは対話に必要な項目が予め決められた対話管理のためのフォーマットである。対話行為タイプにより回答に必要な項目が特定される。
本実施例の緊急案内状況では対話行為タイプは経路案内に固定してよい。また、経路案内の回答に必要な項目は、少なくとも進行方向であり、好ましくはどこで進行方向を変更するかという場所も含まれる場合がある。回答すべき項目として与えられる進行方向は、緊急案内内容と対応するものであり、経路案内部41は緊急案内内容で指示された「進行方向を指示」に応じて案内ポイントから取得した進行方向を項目に設定すればよい。したがって、「どっち?」というショートワードに対しては少なくとも進行方向を回答すればよいことになる。また、単にショートワードが検出された場合に進行方向を出力すると設計すれば自然対話システムはなくてもよい。
<<複雑な交差点>>
図8は、複雑な交差点の一例を模式的に示す。図8では、LK1251からLK1252へ右折する交差点と、LK1252からLK1253へ左折する交差点と、が短い距離で連続している。したがって、車両が経路に沿って走行する場合、運転者は右折後すぐ左折しなければならない。このように、2つの交差点を短い距離で進行する場合、車両が右折した後すぐに、経路案内部41は案内ポイントにしたがって左折する必要がある旨を通常の長さの音声で案内する。
しかし、LK1253が狭い道路などの場合、運転者は「本当にここを曲がるのか?」などの不安を感じる場合がある。
そこで、このような緊急案内状況において、運転者が「ここ?」という短い言葉(ショートワード)で問い合わせると、車載装置10が緊急案内として「ここを左折です」という短い音声案内をスピーカ18から出力する。
したがって、緊急案内状況であることを特定することで、トリガーレス方式でかつ短い言葉を音声認識でき、車載装置10も短い言葉で緊急案内することができる。
なお、経路案内の対話行為タイプで回答に必要な項目は進行方向であり、好ましくは場所を含むと説明したが、複雑な交差点の例では運転者が「ここ?」と発言している。「ここ?」が場所を表す単語であることは形態素解析などで検出されるので、経路案内部41は場所の項目を「ここ」で満たすことができる。また、進行方向を聞かれていることは経路案内の対話行為タイプで決まっており、更に緊急案内内容で指示されているため、案内ポイントから回答すればよい。経路案内部41は音声で回答する際、場所を示す「ここ」を使用して、案内ポイントの進行方向とつなぎ合わせて出力する。なお、「ここ」という音声案内がなくても、運転者は進行方向を把握できると考えられ、「ここ」という音声案内はなくてもよい。
<<高速道路の出口>>
図9は、高速道路の出口に表示されている看板の一例を示す。車両がETC(Electronic Toll Collection)を通過し高速道路から降りる際、図9に示すように、進行方向に応じた看板が提示されている。また、車載装置10も案内ポイントにおいて「右方向です」「○○方面です」などの音声案内を出力する。
しかし、分岐までの距離はそれほど長くなく、運転者がどの方向に進むかの音声案内を聞き逃した場合、今すぐに進行方向を把握したい状況になる。
そこで、このような緊急案内状況において、運転者が「どっち?」という短い言葉(ショートワード)で問い合わせると、車載装置10が緊急案内として「右方向です」「○○方向です」という短い音声案内をスピーカから出力する。したがって、緊急案内状況であることを特定することで、トリガーレス方式でかつ短い言葉を音声認識でき、車載装置10も短い言葉で緊急案内することができる。
<まとめ>
以上説明したように、本実施例の車載装置10では、トリガーレス方式でかつショートワードで運転者が進行方向を問い合わせることができ、更に、短い音声で進行方向が案内される緊急案内により進行方向を得ることができる。
実施例1では、目的地までの経路が設定されている状況の緊急案内状況において緊急案内する車載装置10について説明した。本実施例では、運転者が目的地設定をしていない緊急案内状況でも緊急案内を行う車載装置10について説明する。
経路情報がないため、本実施例では、現在地に基づいて緊急案内状況を検出し、主に、交通法規に基づく運転操作の是非を緊急案内として出力する。
例えば、地元ではあるが普段あまり行かない場所を通った際、運転者は目的とする場所は把握しているがその周辺の道の状況(進入禁止、一通など交通法規)をきちんと理解できていない場合がある。このような場合、道路標識を確認しながら運転すれば比較的、周辺の道の状況を把握できるが、道路標識を見落としているような場合もあり、例えば右折や左折時に進入する道路を通れるかどうか不安となる場合がある。本実施例では、このような場合に「通れる?」というショートワードの問い合わせに対し、緊急案内として「通れる」「通れない」を車載装置10が回答する。
<車載装置が有する機能について>
図10は、本実施例において、車載装置10が有する機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。なお、本実施例において、図6において同一の符号を付した構成要素は同様の機能を果たすので、主に本実施例の主要な構成要素についてのみ説明する場合がある。なお、図10に示された機能のうち検索部39は使用されないが、その他の機能は使用可能である。
本実施例の車載装置10は、新たに走行記録部51と回答部53を有している。まず、回答部53は運転者の問い合わせに対する回答を生成しスピーカ18から出力する。走行記録部51は、位置情報を利用して運転者が過去に走行した道路を走行記録DB52に登録する。この走行記録DB52には、車両が過去に走行した道路(リンク)と走行回数が登録されている。
Figure 2019163938
表5は、走行記録DB52に登録される情報を模式的に示す。走行記録DB52にはリンクIDに走行回数が対応付けて登録されている。走行記録部51は、車両がある道路を走行すると、位置情報に対応するリンクを道路構造DB46で特定し、走行記録DB52の走行回数を1つ大きくする。なお、走行回数だけでなく走行日時を記録しておき、最近の決まった期間(例えば、1〜3年)の走行回数だけを記録してもよい。また、表5の走行記録DB52では車両が走行したことがないリンクも登録されているが、走行したことがないリンクは登録しないでおき、初めて走行した時に走行記録DB52にリンクIDと走行回数を登録してもよい。
<動作手順>
図11は、車載装置10が緊急案内状況において緊急案内する手順を示すフローチャート図の一例である。なお、図11の説明では主に図7との相違を説明する。なお、経路検索は行われていない。
まず、位置検出部38は位置情報を検出する(S110)。位置情報は、状況判断部36と走行記録部51に送出される。
次に、状況判断部36は、走行記録DB52から現在の道路の走行回数を取得する(S120)。
次に、状況判断部36は、現在地が緊急案内状況に該当するか否かを判断する(S130)。具体的には、現在の道路の走行回数が閾値未満か否かを判断する。閾値としては、運転者が交通法規をある程度把握するほど頻繁に走行しているとみなせる走行回数とする。例えば、2回などの数回を閾値とすればよい。あるいは、運転者が閾値を任意に設定できてもよい。
ステップS140,S150の処理は図7と同様でよい。ステップS160では回答部53が緊急案内する。ステップS150の判断がYesの場合、ショートワード検索部37は、検索にヒットしたショートワードに対応付けられた緊急案内内容を、回答部53に送出する(S160)。本実施例では経路が設定されていないので、車載装置10は進行方向を指示できない。
このため、対話行為タイプとして進行方向と場所を項目とする経路案内をそのまま適用することが困難になり、例えば「交通法規に基づく運転操作の是非」などの対話行為タイプを設定することが適切になる。この対話行為タイプは、交通法規、運転操作の是非、及び、場所などが対話に必要な項目となる。本実施例では緊急案内することが求められているため、少なくとも運転操作の是非の項目に是又は非が設定されれば、回答部53が回答できる。
運転操作の是非は、緊急案内内容と対応するものであり、回答部53は緊急案内内容で指示された「運転操作可能か判断」に対応する回答を項目に設定すればよい。したがって、「通れる?」というショートワードに対しては少なくとも交通法規に基づいて車両が通行できるかどうかを回答すればよいことになる。
回答部53は、「運転操作可能か判断」という緊急案内内容に対し、現在地で道路構造DB46を検索し、現在のリンクの交通法規を取得する。そして、進行方向の道路に進入することを禁止する交通法規があるか否かを判断し、判断結果を運転操作の是非の項目に設定する。現在のリンクに複数のリンクが接続されており進行方向が一意に決まらない場合、ウィンカの情報を利用したり操舵方向を利用したりすることが好ましい。あるいは、複数のリンクのそれぞれについて交通法規を取得し運転操作が可能かどうかをリンクごとに決定してもよい。
その他の項目(交通法規、場所)についても、交通法規に関しては、道路構造DB46から取得した交通法規を設定でき、場所については現在地を設定すればよい。なお、単にショートワードが検出された場合に交通法規に基づく運転操作の是非を出力すると設計すれば自然対話システムはなくてもよい。
回答部53は、まず、運転者の問い合わせに対し運転操作の是非のみを緊急案内する。すなわち、運転者の問い合わせに対し「禁止」「許可」又は「Yes」「No」のような是非のみを緊急案内する。こうすることで、運転者に対し早期に回答することが可能になる。
次に、回答部53は運転操作が是であったか否かを判断する(S170)。まず、運転操作の是非が「是」の場合、緊急案内の内容をより長文で補足する付随情報を案内してもよい。例えば、「進入禁止でないので安心して通って下さい」などを音声案内する(S180)。このような音声は、ショートワードに対応付けて登録されている。これにより、運転者は安心して走行できる。
運転操作の是非が「非」の場合、運転者がショートワードで問い合わせた運転操作が許可されている道路の場所を回答部53が音声案内する(S190)。例えば、進入禁止の場合、現在、車両が進行しようとしている道路に進入できる別の迂回路を探して、迂回路を回答部53が運転者に音声案内する。迂回路の検索には、現在地と進入禁止の道路の一点を目的地として経路検索する方法がある。これにより、運転者はどこまで行けば所望の運転操作が可能であるかを把握することができる。
<具体例>
<<進入禁止の確認>>
図12は、進入禁止の確認を運転者が行う緊急案内状況の一例を示す。図12では、T字路の交差点の手前に大型車両の進入禁止の道路標識が提示されている。通常、運転者は道路標識を確認するが普段見慣れない禁止マークの道路標識を見たり、あまり知らない場所ではとまどったりすることもある。
そこで、本実施例の状況判断部36は現在の道路の走行回数が閾値未満であるか否かにより、緊急案内状況であるか否かを判断する。そして、緊急案内状況である場合には、運転者が「通れる?」という短い言葉(ショートワード)で問い合わせると、車載装置10が緊急案内として「通れます」という短い音声案内をスピーカから出力する。
また、運転者が例えば、「ここ一通?」というショートワードで問い合わせた場合、回答部は交通法規に基づく運転操作の是非を回答できるだけでなく、運転者の発言として対話行為タイプの項目に設定された「一方通行」という交通法規及び「ここ」という場所を使って回答することもできる。
緊急案内に続いて、回答部53は改めて「進入禁止ではないので安心して通って下さい」という音声案内を出力する。このような音声案内は「通れる?」というショートワードに対し予め容易しておくことができる。
したがって、運転者にとっては、あまり知らない道は不安がつきものであるが、運転者が標識を見逃した後、交差点で曲がる直前に音声で確認できる。例えば、直前で道路標識を見落とすか又は理解できない場合、短い言葉で問い合わせ、直後にフィードバックを得られるので安心して走行できる。
<<Uターン禁止の確認>>
図13は、Uターン禁止の確認を運転者が行う緊急案内状況の一例を示す。あまり行かない場所を車両が通った際に、曲がるべき場所を通り過ぎてしまう場合がある。図13では、駐車場Pに駐車したいと考えたが、右折できずに通り過ぎてしまった。運転者はUターンをしたいと思っているが、よく知らない場所であるためUターンできるかどうか今すぐに確認できない状況が生じている。
そこで、本実施例の状況判断部36は現在の道路の走行回数が閾値未満であるか否かにより、緊急案内状況であるか否かを判断する。そして、緊急案内状況である場合には、運転者が「Uターンできる?」という短い言葉(ショートワード)で問い合わせると、車載装置10が現在地の交通法規を確認し緊急案内として例えば「Uターン禁止です」という短い音声案内をスピーカから出力する。
緊急案内に続いて、回答部53は進行方向の道路の交通法規を検索して、改めて「次の信号でUターンできます」という音声案内を出力する。したがって、運転者がどこでUターンできるかも把握できる。
このような音声案内はUターンという交通法規、Uターンできる場所の項目を設定する対話であり、親善対話システムにより「Uターン」という言葉+「Uターンできる場所」から回答部53が容易に案内文を作成できる。
<まとめ>
以上説明したように、本実施例の車載装置10は、トリガーレス方式でかつショートワードで進行方向を問い合わせることができ、更に、交通法規に基づく運転操作の是非を緊急案内することができる。
なお、現在地の交通法規は、道路構造DB46のリンクごとに登録されている他、車載装置10のカメラが撮像し画像解析により交通法規を特定してもよい。また、路車間通信により現在地又は前方の交通法規を取得してもよい。
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、実施例1では経路上の現在地、実施例2では走行回数でそれぞれ緊急案内状況か否かを判断しているが、運転者が任意に緊急案内状況であることを車載装置10に入力してもよい。この場合の操作方法も短時間で完了することが好ましい。例えば、ステアリングスイッチを5回連続して押下する、特殊な短いキーワード(辞書には載っていない数文字の造語)を発言する、などである。こうすることで、運転者は今すぐに進行方向や交通法規を把握したい自分にとって任意の状況を緊急案内状況として車載装置10に知らせることができる。
また、トリガーレス方式の音声認識では、車載装置10が有するオーディオビジュアル装置が出力する音声が、運転者の発言と共に集音されてしまうおそれがある。このような不都合に対しては、オーディオビジュアル装置の音声をスピーカ出力とは別に音声認識部に分岐して音声認識することが有効である。スピーカから音声認識したテキストデータから、分岐して入力した音声の認識結果を除外すると、運転者が発言したテキストデータが得られる。
また、図6,図10などの構成例は、車載装置10の処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。また、車載装置10の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
なお、音声認識部32は音声認識手段の一例であり、状況判断部36は状況判断手段の一例であり、ショートワードDB44は単語記憶手段の一例であり、ショートワード検索部37は登録判断手段の一例であり、経路案内部41又は回答部53は案内手段の一例であり、位置検出部38は位置検出手段の一例であり、緊急案内状況DB45は状況情報記憶手段の一例であり、検索部39は経路設定手段の一例であり、走行記録DB52は走行情報記憶手段の一例である。
10 車載装置
31 音声データ取得部
32 音声認識部
33 通常検索部
34 コマンド処理部
35 操作受付部
36 状況判断部
37 ショートワード検索部
38 位置検出部
39 検索部
100 音声案内システム

Claims (10)

  1. 車両に乗車したユーザの音声による問い合わせに対し音声で回答を案内する車載装置であって、
    前記ユーザの音声をトリガーレス方式で認識する音声認識手段と、
    前記ユーザが今すぐに案内を必要とする緊急案内状況か否かを判断する状況判断手段と、
    所定以下の長さの単語が登録された単語記憶手段と、
    前記状況判断手段が前記緊急案内状況であると判断した場合、前記音声認識手段が認識した単語が、前記単語記憶手段に登録されているか否かを判断する登録判断手段と、
    前記音声認識手段が認識した単語が前記単語記憶手段に登録されていると前記登録判断手段が判断した場合、前記音声認識手段が認識した前記単語に応じた案内を音声で行う案内手段と、を有することを特徴とする車載装置。
  2. 前記案内手段の音声による案内に要する時間は所定よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
  3. 更に、前記車両の現在地を検出する位置検出手段と、
    前記緊急案内状況に対応する場所に関する情報が登録された状況情報記憶手段と、を有し、
    前記状況判断手段は、前記位置検出手段が検出した現在地が前記状況情報記憶手段に登録されている前記場所に適合する場合に、前記緊急案内状況であると判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の車載装置。
  4. 目的地までの経路を設定する経路設定手段を有し、
    前記状況情報記憶手段には、前記経路において前記緊急案内状況に対応する場所に関する情報が登録されており、
    前記状況判断手段は、前記位置検出手段が検出した現在地が前記状況情報記憶手段に登録されている、前記経路における前記場所に適合する場合に、前記緊急案内状況であると判断することを特徴とする請求項3に記載の車載装置。
  5. 目的地までの経路を設定する経路設定手段を有し、
    前記音声認識手段が認識した単語が前記単語記憶手段に登録されていると前記登録判断手段が判断した場合、前記案内手段は、設定されている経路と前記現在地に基づいて、前記車両の進行方向を音声で案内することを特徴とする請求項3又は4に記載の車載装置。
  6. 前記単語記憶手段には進行方向を問い合わせる単語が登録されており、
    前記音声認識手段が進行方向を問い合わせる単語を認識し、前記進行方向を問い合わせる単語が前記単語記憶手段に登録されていると前記登録判断手段が判断した場合、前記案内手段は、設定されている経路と前記現在地に基づいて、前記車両の進行方向を音声で案内することを特徴とする請求項5に記載の車載装置。
  7. 更に、前記車両の現在地を検出する位置検出手段と、
    過去に前記車両が走行したことがある道路の走行回数が登録された走行情報記憶手段と、を有し、
    前記状況判断手段は、前記位置検出手段が検出した位置情報に基づく現在の道路の前記走行回数が閾値未満の場合に、前記緊急案内状況であると判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の車載装置。
  8. 前記音声認識手段が運転操作の是非を問い合わせる単語を認識し、前記単語記憶手段に前記運転操作の是非を問い合わせる単語が登録されていると前記登録判断手段が判断した場合、
    前記案内手段は、前記現在地で定められている交通法規に基づいて、前記運転操作が禁止されているか又は許可されているかの案内を音声で行うことを特徴とする請求項7に記載の車載装置。
  9. 前記案内手段は、前記運転操作が禁止されている旨を音声で案内した後、
    前記運転操作が許可されている道路の場所を音声で案内することを特徴とする請求項8に記載の車載装置。
  10. 車両に乗車したユーザの音声による問い合わせに対し音声で回答を案内する音声案内システムであって、
    前記ユーザの音声をトリガーレス方式で認識する音声認識手段と、
    前記ユーザが今すぐに案内を必要とする緊急案内状況か否かを判断する状況判断手段と、
    所定以下の長さの単語が登録された単語記憶手段と、
    前記状況判断手段が前記緊急案内状況であると判断した場合、前記音声認識手段が認識した単語が、前記単語記憶手段に登録されているか否かを判断する登録判断手段と、
    前記音声認識手段が認識した単語が前記単語記憶手段に登録されていると前記登録判断手段が判断した場合、前記音声認識手段が認識した前記単語に応じた案内を音声で行う案内手段と、を有することを特徴とする音声案内システム。
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