JP2019162111A - 福山型筋ジストロフィー治療用アンチセンス核酸 - Google Patents

福山型筋ジストロフィー治療用アンチセンス核酸 Download PDF

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Abstract

【課題】SVA型レトロトランスポゾンの挿入変異を有するフクチン遺伝子の異常スプライシングを正常化することにより、福山型筋ジストロフィーを治療し得るアンチセンス核酸を提供する。【解決手段】SVA型レトロトランスポゾンの挿入変異を有するフクチン遺伝子の転写段階において、特定配列の第111177位のグアニンの3’側のスプライシング供与部位および第115943位のチミンの5’側のスプライシング受容部位を用いる異常スプライシングを抑制するアンチセンス核酸であって、特定の塩基配列の第115937位〜第115981位の範囲を標的配列とし9〜24塩基からなることを特徴とするアンチセンス核酸。【選択図】なし

Description

本発明は、福山型筋ジストロフィー治療用アンチセンス核酸に関するものである。
福山型筋ジストロフィー(Fukuyama type congenital muscular dystrophy、以下「FCMD」と略記する場合がある。)は日本に特有の疾患であり、先天性筋ジストロフィー、II型滑脳症、眼奇形の3症状を示す常染色体劣性の遺伝疾患である。わが国で2番目に多い小児の筋疾患で、10代のうちに死に至る重篤な疾患であるが、未だ治療法がない。FCMDの疾患責任遺伝子であるフクチン遺伝子は、1998年にポジショナルクローニング法により同定された(非特許文献1、2参照)。ほとんどのFCMD患者はフクチン遺伝子の3’側非翻訳領域に、動く遺伝子である約3kbのSVA型レトロトランスポゾン(SVA:Sine-VNTR-Alu)の挿入変異を認める(非特許文献2参照)。この変異は約100世代前に日本人祖先のひとりに生じたもので、日本人の88人に1人が保因者であり、約3万の出生に1人の割合で発症することが報告されている(非特許文献3参照)。FCMD患者の骨格筋には細胞膜と基底膜をつなぐ糖タンパク質αジストログリカンのO−マンノース型糖鎖修飾に欠損があり、この糖鎖を介する細胞膜と基底膜とのあいだの結合が破綻するため重度の筋ジストロフィーが発症することが知られている(非特許文献4参照)。
FCMD以外にも、フクチン遺伝子の変異に起因して様々な病態が引き起こされることが知られている(非特許文献5参照)。これらの中で、例えば、成人発症の拡張型心筋症(非特許文献6参照)およびWalker−Warburg症候群様の重症型先天性筋ジストロフィー(非特許文献7参照)はフクチン遺伝子におけるSVA型レトロトランスポゾン挿入変異が原因であることが報告されている。
本発明者らは、FCMDがSVA型レトロトランスポゾンの挿入により誘導されるスプライシング異常症であることを証明した(非特許文献8参照)。より詳細には、疾患責任遺伝子であるフクチン遺伝子の最終エクソン(エクソン10)の3’側非翻訳領域に挿入されたSVA型レトロトランスポゾンの配列に存在する強力なスプライシング受容部位がエクソン10の翻訳領域にある潜在的なスプライシング供与部位を新たに活性化すること(エクソントラッピング)が原因であることを明らかにした。
Toda, T., Segawa, M., Nomura, Y. et al.: Localization of a gene for Fukuyama type congenital muscular dystrophy to chromosome 9q31-33. Nat. Genet., 5, 283-286 (1993) Kobayashi, K., Nakahori, Y., Miyake, M. et al.: An ancient retrotransposal insertion causes Fukuyama-type congenital muscular dystrophy. Nature, 394, 388-392 (1998) Watanabe, M., Kobayashi, K., Jin, F. et al.: Founder SVA retrotransposal insertion in Fukuyama-type congenital muscular dystrophy and its origin in Japanese and Northeast Asian populations. Am. J. Med. Genet. A, 138, 344-348 (2005) Michele, D. E., Barresi, R., Kanagawa, M. et al.: Post-translational disruption of dystroglycan-ligand interactions in congenital muscular dystrophies. Nature, 418, 417-422 (2002) OMIM No.607440, http://omim.org/entry/607440 Murakami, T., Hayashi, Y. K., Noguchi, S., et al.: Fukutin gene mutations cause dilated cardiomyopathy with minimal muscle weakness. Ann. Neurol., 60, 597-602 (2006) Kondo-Iida, E., Kobayashi, K., Watanabe, M., et al.: Novel mutations and genotype-phenotype relationships in 107 families with Fukuyama-type congenital muscular dystrophy (FCMD). Hum. Mol. Genet., 8, 2303-2309 (1999) Taniguchi-Ikeda, M., et al.: Pathogenic exon-trapping by SVA retrotransposon and rescue in Fukuyama muscular dystrophy. Nature, 478, 127-131 (2011)
本発明は、SVA型レトロトランスポゾンの挿入変異を有するフクチン遺伝子の異常スプライシングを正常化することにより、FCMD等を治療し得るアンチセンス核酸を提供することを課題とする。さらに、生理食塩水に対する溶解性に優れ、安全性が高いアンチセンス核酸を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の各発明を包含する。
[1]配列番号1で示される塩基配列の第115937位〜第115981位の範囲を標的配列とし9〜24塩基からなることを特徴とするアンチセンス核酸。
[2]配列番号6〜70から選択される塩基配列からなることを特徴とする前記[1]に記載のアンチセンス核酸。
[3]生理食塩水に50mg/mL以上溶解することを特徴とする前記[1]または[2]に記載のアンチセンス核酸。
[4]配列番号18、19、26、27、32、33、37、43、53、55、58、59、60、61、63、64、65、66、67、68、69および70から選択される塩基配列からなることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載のアンチセンス核酸。
[5]投与用量60mg/kgのアンチセンス核酸をマウスに投与したときに、AST値、ALT値、BUN値およびクレアチニン値のいずれにも異常値がみられないことを特徴とする前記[1]または[2]に記載のアンチセンス核酸。
[6]配列番号32、50、51、60、62、64、65、66および67から選択される塩基配列からなることを特徴とする前記[1]、[2]または[5]のいずれかに記載のアンチセンス核酸。
[7]生理食塩水に50mg/mL以上溶解し、かつ、投与用量60mg/kgのアンチセンス核酸をマウスに投与したときに、AST値、ALT値、BUN値およびクレアチニン値のいずれにも異常値がみられないことを特徴とする前記[1]または[2]に記載のアンチセンス核酸。
[8]配列番号32、60、64、65、66および67から選択される塩基配列からなることを特徴とする前記[1]、[2]または[7]のいずれかに記載のアンチセンス核酸。
[9]アンチセンス核酸の3’末端および/または5’末端が非修飾であることを特徴とする前記[1]〜[8]のいずれかに記載のアンチセンス核酸。
[10]アンチセンス核酸の3’末端および/または5’末端が修飾されていることを特徴とする前記[1]〜[8]のいずれかに記載のアンチセンス核酸。
[11]アンチセンス核酸の3’末端および/または5’末端がトリエチレングリコール(TEG)修飾、ヘキサエチレングリコール(HEG)修飾およびドデカエチレングリコール(DODEG)修飾からなる群から選択される1種または2種の修飾がされていることを特徴とする前記[10]に記載のアンチセンス核酸。
[12]オリゴデオキシリボヌクレオチド、オリゴリボヌクレオチド、モルホリノオリゴマーまたはこれらのキメラオリゴヌクレオチドである前記[1]〜[11]のいずれかに記載のアンチセンス核酸。
[13]モルホリノオリゴマーである前記[12]に記載のアンチセンス核酸。
[14]ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーである前記[13]に記載のアンチセンス核酸。
[15]フクチン遺伝子におけるSVA型レトロトランスポゾンの挿入変異に起因する疾患を治療するための医薬組成物であって、前記[1]〜[14]のいずれかに記載のアンチセンス核酸の1種または2種以上を有効成分として含有することを特徴とする医薬組成物。
[16]フクチン遺伝子におけるSVA型レトロトランスポゾンの挿入変異に起因する疾患が、福山型筋ジストロフィー、成人発症の拡張型心筋症、またはWalker−Warburg症候群様の重症型先天性筋ジストロフィーである前記[15]に記載の医薬組成物。
本発明により、フクチン遺伝子におけるSVA型レトロトランスポゾンの挿入変異に起因する疾患の治療に有効なアンチセンス核酸を提供することができる。
FCMD患者におけるフクチンゲノム、異常スプライシング産物(異常mRNA)および正常スプライシング産物(正常mRNA)、ならびに異常mRNAおよび正常mRNAを検出するためのプライマーの位置を示す図である。 FCMD患者由来細胞にアンチセンス核酸を導入し、αジストログリカンの糖鎖回復を確認した結果を示す図である。 FCMDモデルマウス(Hp/−)にPMO No.9のアンチセンス核酸を静脈内投与し、大腿四頭筋におけるαジストログリカンの糖鎖の回復および正常フクチンタンパク質の回復を確認した結果を示す図である。 FCMDモデルマウス(Hp/−)にPMO No.27のアンチセンス核酸を静脈内投与し、大腿四頭筋におけるαジストログリカンの糖鎖の回復および正常フクチンタンパク質の回復を確認した結果を示す図である。 FCMDモデルマウス(Hp/−)にPMO No.39のアンチセンス核酸またはPMO No.45のアンチセンス核酸を静脈内投与し、大腿四頭筋におけるαジストログリカンの糖鎖の回復および正常フクチンタンパク質の回復を確認した結果を示す図である。 (A)は、5’−末端トリエチレングリコール(TEG)修飾用樹脂の合成スキームを示し、(B)は、3’−末端結合用トリエチレングリコール(TEG)誘導体の合成スキームを示し、(C)は、3’−末端結合用ヘキサエチレングリコール(HEG)誘導体(化合物6)および3’−末端結合用ドデカエチレングリコール(DODEG)誘導体(化合物7)の構造を示し、(D)は、スペーサー化合物の構造を示し、(E)は、スペーサーの構造を示す図である。
〔アンチセンス核酸〕
本発明は、SVA型レトロトランスポゾンの挿入変異を有するフクチン遺伝子の転写段階において、配列番号1の第111177位のグアニンの3’側のスプライシング供与部位および第115943位のチミンの5’側のスプライシング受容部位を用いる異常スプライシングを抑制するアンチセンス核酸を提供する。
配列番号1で示される塩基配列は、フクチン遺伝子のゲノム配列(GenBank ACCESSION: AB038490)にSVA型レトロトランスポゾン配列(GenBank ACCESSION: AB185332)が挿入された挿入変異型フクチン遺伝子のゲノム配列であり、第115669位〜第118730位がSVA型レトロトランスポゾン配列である。挿入変異型フクチン遺伝子では、エクソントラッピングにより、配列番号1の第111177位のグアニンの3’側、つまり第111177位のグアニンと第111178位のグアニンの間が新たなスプライシング供与部位となり、第115943位のチミンの5’側、つまり第115942位のグアニンと第115943位のチミンの間が新たなスプライシング受容部位となる。換言すれば、挿入変異型フクチン遺伝子では、配列番号1の第111178位のグアニンから第115942位のグアニンをイントロンと認識し、第115943位のチミンから第120191位のグアニンをエクソンと認識する異常スプライシングが生じる。それゆえ、第111177位のグアニンの3’側のスプライシング供与部位および第115943位のチミンの5’側のスプライシング受容部位を用いる異常スプライシングを抑制すれば異常フクチンmRNAの発現量が減少し、同時に正常スプライシングに基づく正常フクチンmRNAの発現が回復し、正常フクチンタンパク質の生成が回復する。
異常フクチンmRNAの塩基配列を配列番号2に、異常フクチンタンパク質のアミノ酸配列を配列番号3に、正常フクチンmRNAの塩基配列を配列番号4に、正常フクチンタンパク質のアミノ酸配列を配列番号5にそれぞれ示す。
本発明のアンチセンス核酸は、挿入変異型フクチン遺伝子(配列番号1)の転写段階において、一次転写産物であるプレmRNAの上記異常スプライシングを抑制し、正常スプライシングに基づいて正常フクチンmRNAを発現させ、正常フクチンタンパク質の生成を回復させることができるものであればよい。このような効果を奏するアンチセンス核酸としては、異常スプライシングに用いられるスプライシング受容部位の周辺配列を標的配列とするものが好ましく、配列番号1で示される塩基配列の第115937位〜第115981位の範囲を標的配列とするものがより好ましい。
本発明のアンチセンス核酸は、標的配列(挿入変異型フクチン遺伝子のプレmRNAの塩基配列)に相補的な配列を含むものであるが、完全に相補的であることを要するものではなく、標的配列とハイブリッドを形成できる限りにおいてミスマッチを含むものであってもよい。相補的な配列部分はアンチセンス核酸の長さ(塩基数)の50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上、最も好ましくは100%である。
本発明のアンチセンス核酸の長さは特に限定されないが、24塩基以下であることが好ましく、23塩基以下であることがより好ましく、22塩基以下であることがさらに好ましい。下限は9塩基以上であることが好ましく、10塩基以上であることがより好ましい。本発明のアンチセンス核酸の長さは、9〜24塩基であることが好ましい。
異常フクチンmRNAの発現が抑制されていること、および正常フクチンmRNAの発現が回復していることは、例えば、FCMD患者由来の細胞に本発明のアンチセンス核酸を導入し、当該細胞を試料として定量RT−PCR等の公知のmRNA測定方法を用いることにより確認することができる。また、正常フクチンタンパク質の生成が回復していることは、例えば、FCMD患者由来の細胞に本発明のアンチセンス核酸を導入し、当該細胞を試料としてELISAやウエスタンブロッティング等の公知のタンパク質測定法を用いることにより確認することができる。なお、正常フクチンタンパク質の発現量は正常なスプライシングにより生成される正常フクチンmRNAの発現量に相関するので、正常フクチンmRNAの発現量を測定することにより、間接的に正常フクチンタンパク質の生成が回復していることを評価できる。
正常フクチン遺伝子と挿入変異フクチン遺伝子とのヘテロ接合体(保因者)は、全フクチンタンパク質発現量の50%が正常フクチンタンパク質であるが、筋機能および脳に異常は見られず、αジストログリカン糖鎖量も健常人と変わらない。したがって、正常mRNAを50%回復させることができるアンチセンス核酸は、SVA型レトロトランスポゾンの挿入変異に起因する疾患を治療することができると考えられる。本発明者らは、FCMD患者由来の筋芽細胞(SVA型レトロトランスポゾンの挿入変異ホモ接合体)を用いてアンチセンス核酸のスクリーニングを行った結果、表1に示す65種類の塩基配列からなるアンチセンス核酸が正常フクチンmRNAを50%以上回復させた。
本発明のアンチセンス核酸は、表1に示された配列番号6〜70から選択される塩基配列からなるアンチセンス核酸であることが好ましい。また、表1に示した配列番号6〜70のいずれかで示される塩基配列において、標的配列とハイブリッドを形成できる限りいくつかの塩基が欠失、置換または付加された配列からなるアンチセンス核酸であってもよい。欠失、置換または付加される塩基数は、1〜5個が好ましく、より好ましくは1〜4個、さらに好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1または2個である。なお、表1に示された各アンチセンス核酸の標的配列は、各アンチセンス核酸の相補配列である。
本発明のアンチセンス核酸は、さらに、生理食塩水に対する溶解性が高いことが好ましい。生理食塩水に対する溶解性が低いアンチセンス核酸は、製剤保存時に析出して使用できなくなる危険性や、塩を含む輸液を利用した際に析出し、使用できなくなる危険性を有する。また、析出しやすい薬剤は投与時に毒性を示すことも報告されている(Bulletin of Osaka University of Pharmaceutical Sciences 1 (2007)91-99)。したがって、生理食塩水に対する溶解性が高いアンチセンス核酸は、医薬の有効成分として非常に利用価値が高い。
生理食塩水に対する溶解性は、20mg/mL以上であることが好ましく、30mg/mL以上であることがより好ましく、40mg/mL以上であることがさらに好ましく、50mg/mL以上であることが特に好ましい。アンチセンス核酸の生理食塩水に対する溶解性は、アンチセンス核酸を目的の濃度で生理食塩水に溶解し、一定時間後に沈殿の有無を確認することにより、評価することができる。
本発明者らは、表1に示したアンチセンス核酸のうち、22種類の塩基配列からなるアンチセンス核酸は生理食塩水に対する溶解性が50mg/mL以上であることを見出した。具体的には、配列番号18、19、26、27、32、33、37、43、53、55、58、59、60、61、63、64、65、66、67、68、69および70である。したがって、本発明のアンチセンス核酸としては、配列番号18、19、26、27、32、33、37、43、53、55、58、59、60、61、63、64、65、66、67、68、69および70から選択される塩基配列からなるアンチセンス核酸が特に好ましい。
また、安全性の高いアンチセンス核酸が医薬の有効成分として好ましいことは言うまでもない。安全性は、例えば、アンチセンス核酸投与後の血中アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)値、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)値、尿素窒素(BUN)値およびクレアチニン値を指標にして評価することができる。具体的には、例えば、健常マウスにアンチセンス核酸を投与した後、血中AST値、ALT値、BUN値およびクレアチニン値を測定し、対照群(溶媒投与または無処置)の測定値と比較して1.3倍を超える上昇が見られた場合に異常値と判断することができる。本発明においては、5%グルコース水溶液を用いてアンチセンス核酸溶液を調製し、C57BL/6J雄性6週齢マウスに60mg/kgの用量で尾静脈内投与した翌日に採血して血中AST値、ALT値、BUN値およびクレアチニン値を測定し、対照群(溶媒投与または無処置)の測定値と比較して1.3倍を超える上昇が見られた場合に異常値と判断し、いずれの値にも異常値がみられない場合に安全性が高い配列であると判定することができる。
本発明者らは、表1に示したアンチセンス核酸のうち、9種類の塩基配列からなるアンチセンス核酸は非常に安全性の高い配列であることを見出した。具体的には、配列番号32、50、51、60、62、64、65、66および67である。したがって、本発明のアンチセンス核酸としては、配列番号32、50、51、60、62、64、65、66および67から選択される塩基配列からなるアンチセンス核酸が特に好ましい。
本発明のアンチセンス核酸は、DNA鎖、RNA鎖、DNAとRNAの混合鎖のいずれからなるものでもよい。すなわち、本発明のアンチセンス核酸は、オリゴデオキシリボヌクレオチド、オリゴリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドのキメラオリゴヌクレオチドであることが好ましい。また、本発明のアンチセンス核酸は、ヌクレオチド類似体またはスペーサーを含むものであってもよい。アンチセンス核酸は、ヌクレアーゼ耐性を増加させ、および/または標的配列に対する親和性を増加させるように修飾されることが好ましい。好ましいヌクレオチド類似体は、例えば、モルホリノ骨格、カルバメート骨格、シロキサン骨格、スルフィド骨格、スルホキシド骨格、スルホン骨格、ホルムアセチル骨格、チオホルムアセチル骨格、メチレンホルムアセチル骨格、リボアセチル骨格、アルケン含有骨格、スルホメート骨格、スルホネート骨格、スルホンアミド骨格、メチレンイミノ骨格、メチレンヒドラジノ骨格、アミド骨格などの修飾骨格を含む。モルホリノオリゴマーは、DNAのデオキシリボース糖が六員環に置き換えられ、ホスホジエステル結合がホスホロジアミデート結合に置き換えられた無電荷の骨格を有する修飾オリゴヌクレオチドである。モルホリノオリゴマーは酵素分解耐性に優れていることから、本発明のアンチセンス核酸としてより好ましい。
さらに好ましいヌクレオチド類似体は、モルホリノヌクレオチド誘導体であり、隣接モルホリノ環の間の陰イオン性ホスホジエステル結合が、非イオン性ホスホロジアミデート結合に置き換えられたホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー(phosphorodiamidate morpholino oligomer、以下「PMO」と記す)である。
さらに、ヌクレオチド類似体は、ホスホジエステル結合中の非架橋酸素の1つの置換を含むことが好ましい。この修飾により、ヌクレアーゼ分解に対する重要な耐性が加えられる。好ましいヌクレオチド類似体は、ホスホロチオエート、キラルなホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、H−ホスホネート、例えば3’−アルキレンホスホネート、5’−アルキレンホスホネート、キラルなホスホネートを含むエチルおよび他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、例えば3’−アミノホスホルアミデートおよびアミノアルキルホスホルアミデートを含むホスホルアミデート、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、セレノホスフェートまたはボラノホスフェートを含む。
さらに、ヌクレオチド類似体は、−OH;−F;1つまたは複数のヘテロ原子が間に存在してもよい、置換または非置換の、直鎖状または分岐状の低級(C1〜C10)アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アリルまたはアラルキル;O−、S−またはN−アルキル;O−、S−またはN−アルケニル;O−、S−またはN−アルキニル;O−、S−またはN−アリル;O−アルキル−O−アルキル、−メトキシ、−アミノプロポキシ;−メトキシエトキシ;−ジメチルアミノオキシエトキシ;−ジメチルアミノエトキシエトキシなどの、2’、3’および/または5’位で一または二置換される1つまたは複数の糖部分を含むことが好ましい。糖部分は、ピラノースもしくはその誘導体、またはデオキシピラノースもしくはその誘導体、好ましくはリボースもしくはその誘導体、またはデオキシリボースもしくはその誘導体であってよい。好ましい誘導体化された糖部分は、ロックト核酸(LNA)を含み、2’炭素原子が糖環の3’または4’炭素原子に連結し、それによって二環式糖部分を形成する。好ましいLNAは、2’−O,4’−C−エチレン架橋核酸を含む(Morita et al., 2001, Nucleic Acid Res Supplement No.1:241−242)。これらの置換により、ヌクレオチド類似体または同等物に、RNaseHおよびヌクレアーゼ耐性が与えられ、標的RNAに対する親和性が増加する。
本発明のアンチセンス核酸に含まれてもよいスペーサーは、アンチセンス核酸を構成する残基と残基の間に存在することで核酸配列の規則的な並びの間にスペース(空間)を与える化合物である。スペーサーは標的配列に対して相補的でなく、標的配列に結合しない。
さらにまた、本発明のアンチセンス核酸は、5’末端および/または3’末端が修飾されていてもよい。かかる修飾は、トリエチレングリコール(TEG)修飾、ヘキサエチレングリコール(HEG)修飾、ドデカエチレングリコール(DODEG)修飾を含む。
本発明のアンチセンス核酸は、公知の核酸合成方法を用いて製造することができる。公知の方法としては、例えば、国際公開公報WO2009/064471または国際公開公報WO2013/100190に記載の方法を用いることができる。
〔医薬組成物〕
本発明は、フクチン遺伝子におけるSVA型レトロトランスポゾンの挿入変異に起因する疾患を治療するための医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、上記本発明のアンチセンス核酸の1種または2種以上を有効成分として含有する。本発明のアンチセンス核酸は、挿入変異型フクチン遺伝子(配列番号1)の第111177位のグアニンの3’側のスプライシング供与部位および第115943位のチミンの5’側のスプライシング受容部位を用いる異常スプライシングを抑制し、正常スプライシングに基づく正常フクチンmRNAの発現を回復させ、正常フクチンタンパク質の生成を回復させることにより、フクチン遺伝子におけるSVA型レトロトランスポゾンの挿入変異に起因する疾患を治療することができる。
フクチン遺伝子におけるSVA型レトロトランスポゾンの挿入変異に起因する疾患としては、例えば、FCMD、成人発症の拡張型心筋症(非特許文献6参照)Walker−Warburg症候群様の重症型先天性筋ジストロフィー(非特許文献7参照)等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の医薬組成物の適用対象となる疾患には、将来、フクチン遺伝子におけるSVA型レトロトランスポゾンの挿入変異が原因であることが明らかとなる疾患も含まれる。好ましくはFCMDである。
本発明の医薬組成物は、1種のアンチセンス核酸を有効成分とするものでもよく、2種以上のアンチセンス核酸を有効成分とするものでもよい。2種以上のアンチセンス核酸の組み合わせは特に限定されないが、単独で使用するより効果が増強される組み合わせを適宜選択して有効成分とすることが好ましい。
本発明の医薬組成物は、上記本発明のアンチセンス核酸を有効成分とし、薬学的に許容される担体または添加剤を適宜配合して製剤化することができる。具体的には錠剤、被覆錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳剤等の経口剤;注射剤、輸液、坐剤、軟膏、パッチ剤等の非経口剤とすることができる。好ましくは、非経口剤である。注射剤は凍結乾燥製剤としてもよい。担体または添加剤の配合割合については、医薬品分野において通常採用されている範囲に基づいて適宜設定すればよい。配合できる担体または添加剤は特に制限されないが、例えば、水、生理食塩水、その他の水性溶媒、水性または油性基剤等の各種担体、賦形剤、結合剤、pH調整剤、崩壊剤、吸収促進剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、香料等の各種添加剤が挙げられる。
錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は通常の製剤業務(例えば有効成分を注射用水、天然植物油等の溶媒に溶解または懸濁させる等)に従って調製することができる。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、スクロース、塩化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。さらに、凍結乾燥製剤としてもよい。
本発明の医薬組成物は、フクチン遺伝子におけるSVA型レトロトランスポゾンの挿入変異に起因する疾患を発症しているヒトに対して投与することができる。投与経路は特に限定されないが、非経口投与が好ましい。非経口投与は、静脈内投与等の全身性投与、筋肉内投与、経皮投与、経粘膜投与等の局所投与のいずれであってもよい。また、本発明の医薬組成物の有効成分であるアンチセンス核酸は、非ウイルスベクターまたはウイルスベクターの形態で投与することができる。さらに、リポソームを用いてアンチセンス核酸を導入する方法(リポソーム法、HVJ−リポソーム法、カチオニックリポソーム法、リポフェクション法、リポフェクトアミン法など)、マイクロインジェクション法、遺伝子銃(Gene Gun)でキャリア(金属粒子)とともにアンチセンス核酸を細胞に移入する方法、超音波導入法等を併用して投与する方法などを利用することができる。
本発明の医薬組成物の用量は、含有するアンチセンス核酸の種類、剤形、投与経路、患者の年齢や体重によって異なるが、注射剤の形で投与する場合、1日当たり約0.01mg〜60g程度、好ましくは約0.1mg〜24g程度、より好ましくは約0.1mg〜6g程度を投与することができる。投与間隔は1日1回〜数回、または1日〜2週間の間隔を設定することができる。
さらに本発明には以下の発明が含まれる。
(i)フクチン遺伝子におけるSVA型レトロトランスポゾンの挿入変異に起因する疾患の治療方法であって、当該疾患患者に対して、上記本発明のアンチセンス核酸の有効量を投与することを特徴とする治療方法。
(ii)フクチン遺伝子におけるSVA型レトロトランスポゾンの挿入変異に起因する疾患の治療薬を製造するための、上記本発明のアンチセンス核酸の使用。
(iii)フクチン遺伝子におけるSVA型レトロトランスポゾンの挿入変異に起因する疾患の治療に使用するための、上記本発明のアンチセンス核酸。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1:末端非修飾型アンチセンス核酸の合成〕
国際公開公報WO2013/100190に記載の方法に従い、表2のPMO No.1〜58、60〜66に示す各種ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー(PMO)を合成した。
〔実施例2:PMO No.59の合成〕
工程1 スペーサー化合物の合成
3−(メチルアミノ)プロパン−1−オール(2g,22.44mmol)、トリエチルアミン(33.65mmol)をジメチルホルムアミド(20mL)に溶解し、氷冷下トリフェニルメチルクロリド(26.92mmol)を加え室温で3時間撹拌した。再度氷冷し、水(40ml)を加えて10分撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を白濁のまま水洗し、エバポレーターにて濃縮後、再度酢酸エチル(50ml)希釈して不溶物をろ過して除いた。ろ液を濃縮してそのままシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。得られた3−[メチル(トリチル)アミノ]プロパン−1−オール(4.8g,14mmol)をテトラヒドロフラン(40mL)に溶解し氷冷下1−メチルイミダゾール(36mmol)、N−エチルモルホリン(14mmol)、N,N−ジメチルホスホルアミドジクロリデート(29mmol)を加え室温で3時間撹拌した。酢酸エチルと1Mりん酸二水素ナトリウム水溶液にて分液操作を行い、有機層を飽和食塩水にて洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、図6(D)に示すスペーサー化合物8(4.6g)を得た。
工程2 PMO No.59の合成
国際公開公報WO2013/100190に記載の方法に従い、PMO No.59を合成した。
なお、PMO No.59は、図6(E)に示すスペーサー9の5’末端側に塩基配列がCTCGからなるPMOが結合し、配列番号71の塩基配列からなるPMOがスペーサーの3’末端側に結合したアンチセンス核酸である。
PMO No.59に含まれるスペーサーは、工程1で得られたスペーサー化合物を用いて導入した。
PMO No.59: CTCG−(スペーサー)−CATCAGAGGGAGACC
ESI−TOF−MS 計算値:6466.28
測定値:6465.23
〔実施例3:5’末端エチレングリコール修飾体PMO No.70の合成〕
工程1 N−トリチルピペラジンの合成
ピペラジン(150g,1741mmol)をトルエン(650mL)/メタノール(130mL)混合液に溶解し、氷冷下[クロロ(ジフェニル)メチル]ベンゼン(48.5g,174mmol)のトルエン(244mL)溶液を滴下して加え、室温で終夜撹拌した。反応液を水洗し、トルエン層をコハク酸(22.8g,193mmol)/水(300mL)溶液に添加し氷冷下撹拌した。析出した結晶をろ取し、アセトンで洗浄後、50℃にて減圧乾燥し、N−トリチルピペラジン/コハク酸塩71.7gを得た。得られた化合物(50g,64.5mmol)をジクロロメタンに溶解し、炭酸カリウム(322.6mmol)水溶液で洗浄した。ジクロロメタン層を水洗、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧乾固し、図6(A)に示す標記化合物1(40g)を得た。
工程2 4−オキソ−4−[2−[2−[2−(4−トリチルピペラジン−1−カルボニル)オキシエチル]エトキシ]エトキシ]ブタン酸の合成
トリエチレングリコール(370.03mmol)をピリジン(500mL)に溶解し、氷冷下1,1’−カルボニルジイミダゾール(20g,123.34mmol)を加え、室温で30分、40℃で2時間撹拌した。次いで、工程1で得た化合物1(40g,121.8mmol)を加え、60℃で4時間撹拌した。反応液を減圧濃縮して酢酸エチルと1Mリン酸二水素ナトリウム水溶液で分液操作を行い、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、図6(A)に示す化合物2(43.3g)を得た。得られた化合物2と4−ジメチルアミノピリジン(127.8mmol)をジクロロメタン(500mL)に溶解し無水コハク酸(127.8mmol)を加えて室温で1時間撹拌した。反応液を1Mリン酸二水素ナトリウム水溶液で分液し、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し図6(A)に示す標記化合物3(51.6g)を得た。
工程3 5’−末端トリエチレングリコール修飾用樹脂の合成
工程2で得た化合物3(43.50mmol)、アミノメチルポリスチレン樹脂(21.75mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(54.38mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(217.5mmol)をフィルター付きナスフラスコに入れ、ピリジン(420mL)、次いでトリエチルアミン(268.6mmol)を加え室温で3日間振とうした。反応液をろ過し、ピリジン、メタノール、ジクロロメタンで順次洗浄後、15分減圧乾燥をした。テトラヒドロフラン(312mL)、2,6−ルチジン(77.5mL)、無水酢酸(65mL)を加えて室温で3時間振とうした。フィルターろ過後、ピリジン、メタノール、ジクロロメタンで順次洗浄し、減圧乾燥後に図6(A)に示す標記樹脂(化合物4)を得た(ローディング:310μmol/g)。
工程4 PMO No.70の合成
工程3で得た樹脂(化合物4)を用い、国際公開公報WO2013/100190に記載の方法に従い5’末端エチレングリコール修飾体PMO No.70を合成した。
ESI−TOF−MS 計算値:6994.47
測定値:6994.79
〔実施例4:5’末端エチレングリコール修飾体PMO No.68の合成〕
実施例3と同様の方法にて5’末端エチレングリコール修飾体PMO No.68を合成した。
ESI−TOF−MS 計算値:6034.14
測定値:6034.74
〔実施例5:3’末端エチレングリコール修飾体PMO No.69の合成〕
工程1 トリエチレングリコール(TEG)誘導体 2−[2−[2−[ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ]エトキシ]エトキシ]エチルジメチルホスホルアミドクロリデートの合成
トリエチレングリコール(50g,332.96mmol)をピリジン(100mL,1236mmol)に加え、アルゴン雰囲気下ジメトキシトリチルクロリド(38g,112.2mmol)を少しずつ加えて数時間攪拌した。エバポレーターにてピリジンを減圧留去後、濃縮残渣をジクロロメタンに溶解し、水を加え分液操作を行った。有機層を回収し硫酸マグネシウムにて乾燥した。エバポレーターにてジクロロメタンを減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2−[2−[2−[ビス(4−メトキシフェニル)−フェニル−メトキシ]エトキシ]エトキシ]エタノール(35g)を得た。得られた化合物(6g,13.25mmol)をテトラヒドロフラン(60mL)に溶解し、氷冷下1−メチルイミダゾール(33.146mml)、N−エチルモルホリン(13.25mmol)、N,N−ジメチルホスホルアミドジクロリデート(26.51mmol)をこの順で加えた。室温で2時間撹拌し、1Mリン酸二水素ナトリウム水溶液でクエンチ後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムにて乾燥後、エバポレーターで濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、図6(B)に示す標記誘導体(化合物5)6.1gを得た。
工程2 PMO No.69の合成
PMO No.27(38.38μmol)を15mLファルコンチューブに入れ、ジメチルスルホキシド(1.2mL)に溶解させた。これに工程1で得た化合物5(55mg,95.1μmol)、トリエチルアミン(55μL,394.6μmol)のTHF(220μL)混合溶液を加え、水浴40℃で2時間反応させた。氷冷後、反応液を20mMトリエチルアミン−酢酸緩衝液/アセトニトリル(4/1、18mL)で希釈し、逆相カラム精製(LiChroprep_RP18)を行い濃縮した。得られた残渣を20%アセトニトリル水溶液に溶解し、0.1M塩酸水溶液を加えた。pH試験紙でpHが2になったことを確認後1時間静置した。反応液に1M水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、pH試験紙でpHが7になったことを確認した。反応液をメンブレンフィルター(PVDF,0.22μm)でろ過した。逆相カラム(YMC_GEL_TMS_HG)で脱塩および精製を行い、凍結乾燥後、3’末端エチレングリコール修飾体PMO No.69(237.6mg)を得た。
ESI−TOF−MS 計算値:6882.40
測定値:6882.10
〔実施例6:3’末端エチレングリコール修飾体PMO No.67の合成〕
実施例5と同様の方法にて3’末端エチレングリコール修飾体PMO No.67を合成した。ただし、工程2のPMOとしてPMO No.39を使用した。
ESI−TOF−MS 計算値:5922.08
測定値:5922.25
〔実施例7:3’末端エチレングリコール修飾体PMO No.71の合成〕
工程1 ヘキサエチレングリコール(HEG)誘導体の合成
ヘキサエチレングリコールを原料として、実施例5の工程1と同様の方法で図6(C)に示す標記誘導体(化合物6)を合成した。
工程2 PMO No.71の合成
実施例5と同様の方法にて3’末端エチレングリコール修飾体PMO No.71を合成した。ただし、工程2のエチレングリコール誘導体として、化合物5に代えて工程1で得た化合物6を用いた。
ESI−TOF−MS 計算値:7014.49
測定値:7014.98
〔実施例8:3’末端エチレングリコール修飾体PMO No.73の合成〕
実施例5と同様の方法にて3’末端エチレングリコール修飾体PMO No.73を合成した。ただし、工程2のPMOとしてPMO No.66を使用した。
ESI−TOF−MS 計算値:6659.37
測定値:6659.85
〔実施例9:3’末端エチレングリコール修飾体PMO No.72の合成〕
工程1 ドデカエチレングリコール(DODEG)誘導体の合成
ドデカエチレングリコールを原料として、実施例5の工程1と同様の方法で図6(C)に示す標記誘導体(化合物7)を合成した。
工程2 PMO No.72の合成
実施例5と同様の方法にて標記化合物を合成した。ただし、工程2のエチレングリコール誘導体として、化合物5に換えて工程1で得た化合物7を用いた。
ESI−TOF−MS 計算値:7278.64
測定値:7279.00
実施例3〜9において合成したPMO末端修飾体を表3に示す。
〔実施例10:FCMD治療用アンチセンス核酸のスクリーニング〕
(1)使用細胞
FCMD患者筋芽細胞(SVA型レトロトランスポゾンの挿入変異ホモ接合体)を用いた。この細胞は、神戸大学大学院医学研究科の医学倫理審査委員会の承認を受けて使用した。
(2)アンチセンス核酸
実施例1〜9で合成したPMO No.1〜73を試験物質としてスクリーニングに供した。
(3)実験方法
FCMD患者筋芽細胞を増殖培地(20% Fetal bovine serum (FBS, Invitrogen)、2.5 ng/mL basic fibroblast growth factor(SIGMA)、0.5% Antibiotic Antimycotic Solution (100×), Stabilized (SIGMA)含有Dulbecco's Modified Eagle's Medium (DMEM)- high glucose(SIGMA))で継代培養し、1cm当たり30,000細胞になるように細胞培養ディッシュに播種して1日培養した。
翌日、分化培地(2% FBS含有DMEM-high glucose)に交換し、3μMとなるようPMOを添加した。陰性対照にはランダム化配列またはジストロフィン遺伝子を標的としたPMOを用いた。培地1mL当たり6μLのEndo−Porter(Gene-Tools)を用いてトランスフェクションを行った。2日後、RNeasy Mini Kit(Qiagen)によりトータルRNAを回収した。トータルRNAからPrimeScript RT−PCR Kit(タカラバイオ)を用いて、ランダムプライマーによりcDNA合成を行った。得られたcDNAを鋳型として異常スプライシングによる異常フクチンmRNAおよび正常スプライシングによる正常フクチンmRNAをPCRにより検出した。各mRNAを検出するためのプライマーの位置を図1に示した。PCRの条件は(94℃30秒、65℃30秒、72℃60秒)×32サイクルとし、反応終了後4℃に冷却した。PCR反応サンプル1μLを用いて、Agilent DNA 1000 kit(Agilent Technologies)および2100 Bioanalyzer(Agilent Technologies)によりPCR増幅断片のサイズと濃度の測定を行った。219bp付近に検出される正常スプライシングに由来するバンドの定量値[A](nmol/L)および265bp付近に検出される異常スプライシングに由来するバンドの定量値[B](nmol/L)から正常スプライシング率を以下の計算式で算出した。
正常スプライシング率=[A]/([A]+[B])
(4)FCMD治療用アンチセンス核酸の選択条件
正常フクチンとSVA型レトロトランスポゾンの挿入変異ヘテロ接合体(保因者)は筋機能および脳に異常は見られず、αジストログリカン糖鎖量も健常人と変わらない。すなわち、正常mRNAを50%回復させることができればFCMDが治療可能であると考えられる。そこで、核酸濃度3μMでトランスフェクションしたFCMD患者筋芽細胞において50%以上に正常スプライシングが回復できることを本スクリーニングにおけるFCMD治療用アンチセンス核酸の選択条件とした。
(5)結果
スクリーニングの結果、表2および表3に示した73種のアンチセンス核酸は、核酸濃度3μMにおいて50%以上に正常スプライシングを回復した。これら73種のアンチセンス核酸は、いずれもSVA挿入フクチン遺伝子の異常スプライシングに用いられるスプライシング受容部位の周辺配列を標的配列とするアンチセンス核酸である。具体的には、SVA挿入フクチン遺伝子の塩基配列(配列番号1)の第115937位〜第115981位の範囲を標的配列とするものである。
〔実施例11:FCMD患者細胞におけるαジストログリカンの糖鎖回復〕
(1)実験材料および方法
実施例1と同じFCMD患者筋芽細胞(SVA型レトロトランスポゾンの挿入変異ホモ接合体)を用いた。増殖培地(実施例10参照)で継代培養した細胞に対して、Nucleofector(Lonza)を用いて電気穿孔法によりPMOを導入し、分化培地(実施例10参照)で培養した。PMOとしてPMO No.1、9、27、39および45の5種類のPMOを用いた。陰性対照にはジストロフィン遺伝子を標的としたPMOを用いた。
PMO導入から5日後に、PBS(−)で細胞を1回洗浄し、細胞容量の10倍量の1% Triton TBSを加えてスクレーパーで回収した。4℃で1時間混和して細胞を溶解し、遠心後の上清を細胞抽出液とした。細胞抽出液15μLを抗αジストログリカンラットモノクローナル抗体、抗糖鎖修飾αジストログリカンマウスモノクローナル抗体IIH6、抗βジストログリカンマウスモノクローナル抗体8D5を用いたウエスタンブロット分析に供した。ウエスタンブロット分析は、文献(Kanagawa, M. et al. residual laminin-binding acivity and enhanced dystroglycan glycosylated by LARGE in novel model mice to dystroglycanopathy. Hum. Mol. Genet. 18, 621-31(2009))の記載に従って実施した。
(2)実験結果
結果を図2に示した。図2中、α−DGはαジストログリカン、β−DGはβジストログリカン、HSMMはヒト骨格筋筋芽細胞、RDはヒト胎児横紋筋肉腫を表す。上段が抗αジストログリカンラットモノクローナル抗体を用いた結果、中段が抗糖鎖修飾αジストログリカンマウスモノクローナル抗体IIH6を用いた結果、下段が抗βジストログリカンマウスモノクローナル抗体8D5を用いた結果である。
FCMD患者細胞はαジストログリカンの糖鎖が欠損しており、αジストログリカンは低分子量の位置に検出された(図2のwater参照)。一方、PMOを導入したFCMD患者細胞では、いずれのPMOを導入した場合でも濃度依存的にαジストログリカンの糖鎖が回復していることが確認できた。陰性対照のジストロフィン遺伝子を標的としたPMOを導入したFCMD患者細胞では、αジストログリカンの糖鎖が回復しなかった。
〔実施例12:FCMDモデルマウスを用いた薬効評価〕
(1)使用動物
全ての動物実験は神戸大学大学院医学研究科の実験動物倫理審査委員会の承認を受けた。FCMDノックインマウスおよびその命名については文献(Kanagawa, M. et al. residual laminin-binding acivity and enhanced dystroglycan glycosylated by LARGE in novel model mice to dystroglycanopathy. Hum. Mol. Genet. 18, 621-31(2009))に記載されている。フクチン遺伝子の正常ヒトエクソン10およびSVA挿入ヒトエクソン10を有するトランスジェニックアレルをそれぞれHnおよびHpと命名した。Hp/HpはSVA挿入ヒトエクソン10アレルのホモ接合体であり、Hn/Hnは正常ヒトエクソン10アレルのホモ接合体であり、Hp/−はSVA挿入ヒトエクソン10アレルとマウスフクチン遺伝子ノックアウトアレルの複合ヘテロ接合体である。実験に用いたマウスは8〜14週齢である。
(2)アンチセンス核酸投与
PMOとしてPMO No.9、27、39および45の4種類のPMOを用いた。
Hp/−マウスにカルジオトキシン10μM(SIGMA)を経皮的に前脛骨筋肉内(0.4nmol)、腓腹筋(2nmol)および大腿四頭筋(1nmol)の3か所に投与した。PMOの投与用量毎に2匹のマウスを用いた。カルジオトキシン投与日を0日目とし、3日目に5%マンニトールに溶解したPMO(20, 60, 200mg/kg)を尾静脈内投与した。23日目にマウスを安楽死させ、フクチンタンパク質、αジストログリカン糖鎖を解析するために各組織を回収した。
(3)フクチンタンパク質の検出
抗フクチンウサギポリクローナル抗体RY213は、ペプチドCLKIESKDPRLDGIDS(配列番号72)を認識し、抗フクチンヤギポリクローナル抗体106G2はN末端の疎水性ドメインを欠失している全長フクチンを認識する。フクチンは、筋組織15〜30mgから10倍量の溶解バッファー(1% Nonidet P-40, 0.5% deoxycholate, 0.1% SDS, 20mM Tris-HCl および150mM NaCl)を用いて得た組織溶解液から106G2を用いた免疫沈降法により検出し、続いてアフィニティー精製したRY213を用いるウエスタンブロット分析に供した。
(4)ジストログリカンの検出
筋組織に10倍量の溶解バッファー(1% Triton TBS)を加えて組織溶解液を得た。溶解液9μLを、実施例2と同じ3種類の抗体(抗αジストログリカンラットモノクローナル抗体、抗糖鎖修飾αジストログリカンマウスモノクローナル抗体IIH6、抗βジストログリカンマウスモノクローナル抗体8D5)を用いたウエスタンブロット分析に供した。
(5)実験結果
PMO No.9のアンチセンス核酸の結果を図3に、PMO No.27のアンチセンス核酸の結果を図4に、PMO No.39のアンチセンス核酸の結果およびPMO No.45のアンチセンス核酸の結果を図5にそれぞれ示した。いずれも大腿四頭筋におけるジストログリカンおよびフクチンタンパク質の結果である。図3、図4および図5から明らかなように、4種類のアンチセンス核酸のいずれを投与した場合においても、アンチセンス核酸の濃度依存的にαジストログリカンの糖鎖および正常フクチンタンパク質が回復していることが確認できた。
〔実施例13:アンチセンス核酸の生理食塩水に対する溶解性〕
(1)実験方法
PMO5.0mgの入った2.2mLサンプル瓶(透明)に注射用水80.0μLを加え、超音波とボルテックスを使って溶解させた後、5倍濃度生理食塩水20.0μLを加え、ボルテックスを使って撹拌し50mg/mLの生理食塩水溶液とした。室温で24時間放置し、沈殿が生じないものを溶解性が高い配列と評価した。
(2)評価結果
PMO No.13、14、21、22、27、28、32、38、48、50、53〜56、58〜66、69〜73は、生理食塩水に対して50mg/mL以上の溶解性を示した。生理食塩水に対する溶解性の高いこれら28種類のPMOは、医薬として利用価値が高いアンチセンス核酸であると考えられた。
〔実施例14:アンチセンス核酸の安全性評価〕
(1)実験方法
PMOを5%グルコース水溶液に溶解し、C57BL/6J雄性6週齢マウスの尾静脈内へ投与した。翌日、マウスより血清を回収し、血中アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)値、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)値、尿素窒素量(BUN)値およびクレアチニン値を測定した。媒体として使用した5%グルコース水溶液のみを投与したマウスもしくは無処置マウスの測定値を正常値とし、正常値の1.3倍を超える上昇が見られた場合、異常値と判定した。60mg/kg以下の用量においてAST値、ALT値、BUN値およびクレアチニン値のいずれにも異常値がみられない場合、安全性が高いアンチセンス核酸であると判定した。
(2)評価結果
PMO No.27、45、46、71、55、57、60、61、62、66、73について、60mg/kg以下の用量においてAST値、ALT値、BUN値およびクレアチニン値のいずれにも異常値がみられず、安全性が高いアンチセンス核酸であることを確認した。
なお本発明は上述した各実施形態および実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。

Claims (15)

  1. 配列番号1で示される塩基配列の第115937位〜第115981位の範囲を標的配列とし9〜24塩基からなることを特徴とするアンチセンス核酸。
  2. 配列番号6〜70(ただし、配列番号32、60、64、65、66および67を除く)から選択される塩基配列からなることを特徴とする請求項1に記載のアンチセンス核酸。
  3. 生理食塩水に50mg/mL以上溶解することを特徴とする請求項1または2に記載のアンチセンス核酸。
  4. 配列番号18、19、26、27、33、37、43、53、55、58、59、61、63、68、69および70から選択される塩基配列からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアンチセンス核酸。
  5. 投与用量60mg/kgのアンチセンス核酸をマウスに投与したときに、AST値、ALT値、BUN値およびクレアチニン値のいずれにも異常値がみられないことを特徴とする請求項1または2に記載のアンチセンス核酸。
  6. 配列番号50、51および62から選択される塩基配列からなることを特徴とする請求項1、2または5のいずれかに記載のアンチセンス核酸。
  7. 生理食塩水に50mg/mL以上溶解し、かつ、投与用量60mg/kgのアンチセンス核酸をマウスに投与したときに、AST値、ALT値、BUN値およびクレアチニン量のいずれにも異常値がみられないことを特徴とする請求項1または2に記載のアンチセンス核酸。
  8. アンチセンス核酸の3’末端および/または5’末端が非修飾であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のアンチセンス核酸。
  9. アンチセンス核酸の3’末端および/または5’末端が修飾されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のアンチセンス核酸。
  10. アンチセンス核酸の3’末端および/または5’末端がトリエチレングリコール(TEG)修飾、ヘキサエチレングリコール(HEG)修飾およびドデカエチレングリコール(DODEG)修飾からなる群から選択される1種または2種の修飾がされていることを特徴とする請求項9に記載のアンチセンス核酸。
  11. オリゴデオキシリボヌクレオチド、オリゴリボヌクレオチド、モルホリノオリゴマーまたはこれらのキメラオリゴヌクレオチドである請求項1〜10のいずれかに記載のアンチセンス核酸。
  12. モルホリノオリゴマーである請求項11に記載のアンチセンス核酸。
  13. ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーである請求項12に記載のアンチセンス核酸。
  14. フクチン遺伝子におけるSVA型レトロトランスポゾンの挿入変異に起因する疾患を治療するための医薬組成物であって、請求項1〜13のいずれかに記載のアンチセンス核酸の1種または2種以上を有効成分として含有することを特徴とする医薬組成物。
  15. フクチン遺伝子におけるSVA型レトロトランスポゾンの挿入変異に起因する疾患が、福山型筋ジストロフィー、成人発症の拡張型心筋症、またはWalker−Warburg症候群様の重症型先天性筋ジストロフィーである請求項14に記載の医薬組成物。
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