JP2022510673A - アンチセンスオリゴヌクレオチドは、abca4の異常スプライシングをレスキューする - Google Patents

アンチセンスオリゴヌクレオチドは、abca4の異常スプライシングをレスキューする Download PDF

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Abstract

本発明は、医薬の分野に関する。特に、本発明は、スターガルト病の処置、予防及び/又は遅延において使用することができる新規アンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。【選択図】 なし

Description

[発明の分野]
本発明は、医学及び免疫学の分野に関する。特に、本発明は、ABCA4関連の状態の処置、予防及び/又は遅延において使用することができる新規アンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。
[発明の背景]
ABCA4における常染色体劣性変異は、中心視力喪失によって特徴付けられ、全盲に至ることが多い進行性障害である、スターガルト病を引き起こす。スターガルト病の典型的な特質は、患者の眼底全体にわたり分布した多くの黄色の点(斑点)の存在である。ABCA4遺伝子は、50個のエクソンで構成され、2273個のアミノ酸からなるタンパク質をコードする。このタンパク質は、錐体及び杆体視細胞の外節において発現され、光伝達後の老廃物の除去において重要な役割を果たす。
STGD1の他に、ABCA4におけるバリアントは、アレルの重症度に応じて、標的黄斑症から常染色体劣性錐体杆体ジストロフィー(arCRD;Cremersら、1998;Maugeriら、2000)及び汎網膜ジストロフィー(Cremersら、1998;Martinez-Mirら、1998)に及ぶ、網膜疾患の他のサブタイプをもたらす場合もある。
両アレルABCA4バリアントは、コード領域及びフランキングスプライス部位を配列決定した後に、STGD1による症例のおよそ80%(Allikmetsら、1997;Fujinamiら、2013;Lewisら、1999;Maugeriら、1999;Riveraら、2000;Schulzら、2017;Websterら、2001;Zernantら、2011;Zernantら、2017)及びarCRDによる症例の30%(Maugeriら、2000)において同定することができる。一般に、arCRD又は汎網膜ジストロフィーを有する個体は、2個の重度ABCA4アレルを保有する一方、STGD1を有する個体は、2個の中等度重度バリアント、又は軽度バリアント及び重度バリアントの組合せを保有する(Maugeriら、1999;van Drielら、1998)。STGD1患者における不明のABCA4バリアントの大部分は、遺伝子のイントロン領域に存すると仮定され、実際に、ここ数年にわたり、いくつかのグループが、斯かるディープイントロンバリアントの存在を実証した(Bauwensら、2015;Baxら、2015;Braunら、2013;Leeら、2016;Schulzら、2017)。STGDI患者に高頻度で存在する変異(西洋諸国における全STGDI症例の約2~3%が、この変異を保有する)は、エクソン6の最後のヌクレオチドに影響を与えるバリアントである、c.768G>Tである。この変異は、エクソン6のスプライスドナー部位を弱め、イントロン6における下流の代替のスプライスドナー部位の使用及び35ヌクレオチドによる転写物のその後の伸長をもたらす。よって、この伸長は、フレームシフト内に、ABCA4タンパク質合成の中途終結をもたらすことが予測される。
相当な量のSTGD1症例がc.768G>Tバリアントを保有するという事実は、このバリアントを、アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)に基づくスプライス調整療法のための魅力的な標的にする。従って、特にc.768G>T変異に関して、スターガルト病を患う対象における機能的ABCA4タンパク質の発現を可能にするための、ABCA4遺伝子のスプライス調整のためのAONを開発することが要請される。
[発明の概要]
第1の態様では、本発明は、配列番号4に示すヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに結合する、及び/又は配列番号4に示すヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドと相補的である、スプライシングを制御する(redirecting)ためのアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、好ましくは、配列番号5を有するポリヌクレオチドに結合するか、又は配列番号5を有するポリヌクレオチドと相補的である、アンチセンスオリゴヌクレオチド、より好ましくは、配列番号80を有するポリヌクレオチドに結合するか、又は配列番号80を有するポリヌクレオチドと相補的である、アンチセンスオリゴヌクレオチド、さらにより好ましくは、配列番号7、8、9;11、12、13;15、16、17;19、20及び21からなる群から選択されるポリヌクレオチドに結合するか、又は配列番号7、8、9;11、12、13;15、16、17;19、20及び21からなる群から選択されるポリヌクレオチドと相補的である、アンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。
第2の態様では、本発明は、当該分子の発現を促す条件下に置かれると、本明細書に定義されているスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドを発現する、ウイルスベクターを提供する。
第3の態様では、本発明は、本明細書に定義されているスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド又は本明細書に定義されているウイルスベクター及び薬学的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
第4の態様では、本発明は、医薬としての使用のための、好ましくはABCA4のスプライシングを調整することを必要とするABCA4関連疾患又は状態を処置するための医薬としての使用のための、本明細書に定義されているスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。
[発明の詳細な説明]
定義により、アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)は、その標的に対して実質的に相補的(アンチセンス)であり、AONが、対応するプレmRNA分子に結合することを可能にし、これにより、理論に制約されることは望まないが、スプライシングに必須なタンパク質の結合を防止する。本発明者らが、ABCA4におけるいくつかの変異について以前に示した通り(国際公開第2018/109011号)、通常、このような結合の欠如は、標的化されたエクソンのスキッピングをもたらす。
いくつかの変異は、新規スプライスアクセプター、スプライスドナー又はエクソンスプライスエンハンサー結合部位を作製し、これは、対応する遺伝子のmRNAへの偽エクソン(pseudoexon)の包含をもたらす。c.768G>T変異により、エクソン6のスプライスドナー部位が弱まり、イントロン6における下流にある代替のスプライスドナー部位が使用され、続いて転写物が35ヌクレオチド伸長する。c.768G>T変異を保有する個体におけるスプライシングを回復させるために、本発明者らは、イントロン6における新たに使用されるようになった代替のスプライスドナー部位を特異的に遮断し、これにより、本来の部位であるc.768の位置に戻るようにスプライシング機構を制御する、AONを設計した。
従って、第1の態様では、本発明は、配列番号4に示すヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに結合する、及び/又はそれと相補的である、スプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号5を有するポリヌクレオチドに結合するか、又はそれと相補的である。より好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号80を有するポリヌクレオチドに結合するか、又はそれと相補的である。さらにより好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号7、8、9;11、12、13;15、16、17;19、20及び21からなる群から選択されるポリヌクレオチドに結合するか、又はそれと相補的である。
用語「アンチセンスオリゴヌクレオチド」又は「AON」は、本明細書で互換的に使用されており、プレmRNA分子、hnRNA(ヘテロ核RNA)又はmRNA分子における標的ヌクレオチド配列に対して実質的に相補的であるヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド分子を指すことが理解される。アンチセンス配列の相補性(又は実質的な相補性)の程度は、好ましくは、アンチセンス配列を含む分子が、生理的条件下で、RNA分子における標的ヌクレオチド配列と安定したハイブリッドを形成することができるような程度である。その標的へのAONの結合は、当業者であれば、EP1619249に記載されているゲル移動度シフトアッセイ等の当分野で既知の技法を使用して容易に評価することができる。
本発明の文脈で使用される用語「相補的」は、機能性、すなわち、スプライシングを制御することが達成される限りにおいて、アンチセンス配列におけるいくつかのミスマッチが許容されることを指し示す。好ましくは、相補性は、90%~100%である。一般に、これは、20ヌクレオチドのAONにおける1若しくは2個のミスマッチ、又は40ヌクレオチドのAONにおける1、2、3若しくは4個のミスマッチ、又は60ヌクレオチドのAONにおける1、2、3、4、5若しくは6個のミスマッチ、等を許容する。任意選択で、前記AONは、患者の網膜細胞へのトランスフェクションによりさらに検査することができる。相補的領域は、好ましくは、組み合わされると、プレmRNAにおけるエクソンに特異的となるように設計することができる。斯かる特異性は、この系における他の(プレ)mRNA分子における実際の配列に依存するため、様々な長さの相補的領域により作製することができる。AONが、1種又は複数の他のプレmRNA分子にハイブリダイズしかねないというリスクは、AONのサイズの増加と共に減少する。相補性の領域にミスマッチを含むが、プレmRNAにおける標的化された領域(複数可)にハイブリダイズ及び/又は結合する能力を保持するAONを本発明において使用することができることが明らかである。しかし、相補的部分におけるミスマッチを欠如するAONは、1個又は複数の相補的領域に斯かるミスマッチを有するAONよりも高い効率及び高い特異性を典型的に有するため、好ましくは、少なくとも相補的部分は、斯かるミスマッチを含まない。より高いハイブリダイゼーション強度(すなわち、対向鎖との相互作用の数の増加)が、この系のスプライシング機構に干渉するプロセスの効率増加において有利であると考えられる。
用語「スプライシングを調整する」及び「スプライシングを制御する」は、本明細書で互換的に使用されており、c.768G>T変異に対するAONに基づくスプライス調整療法を包含する。用語「スプライシングを制御する」は、ABCA4プレmRNAスプライシングを制御して、本来の転写物を得ることと本明細書において定義される。
本発明に係るAONは、好ましくは、CpGのストレッチを含有しない、より好ましくは、いかなるCpGも含有しない。オリゴヌクレオチドにおけるCpG又はCpGのストレッチの存在は通常、前記オリゴヌクレオチドの免疫原性増加に関連する(Dorn及びKippenberger、2008)。この免疫原性増加は、処置されるべき組織、すなわち、眼の損傷を誘導し得るため、望ましくない。免疫原性は、CD4+及び/又はCD8+細胞、及び/又は炎症性単核細胞浸潤の存在を評価することにより、動物モデルにおいて評価することができる。免疫原性は、当業者に既知の標準イムノアッセイを使用して中和抗体及び/又は前記AONを認識する抗体の存在を検出することにより、本発明に係るAONで処置されている動物又はヒトの血液において評価することもできる。炎症性反応、I型様インターフェロン産生、IL-12産生及び/又は免疫原性増加は、標準イムノアッセイを使用して、中和抗体又は前記AONを認識する抗体の存在又は増加量を検出することにより評価することができる。本発明に係るAONは、さらにより好ましくは、許容できるRNA結合動態及び/又は熱力学的特性を有する。RNA結合動態及び/又は熱力学的特性は、少なくとも一部には、オリゴヌクレオチドの融解温度(Tm;基本のTm及び最近傍モデルを使用して、一本鎖RNAのためのオリゴヌクレオチド特性計算機(www.unc.edu/-cail/biotool/oligo/index)により計算される)及び/又はAON-標的エクソン複合体の自由エネルギー(RNA structureバージョン4.5を使用して)によって決定される。Tmが高過ぎる場合、AONは、特異性が低いと予想される。許容できるTm及び自由エネルギーは、AONの配列に依存する。従って、これらのパラメータのそれぞれについて好ましい範囲を与えることは困難である。許容できるTmは、35~70℃の間に及び得、許容できる自由エネルギーは、15~45kcal/molの間に及び得る。
あらゆる実施形態では、本発明に係るアンチセンスオリゴヌクレオチド中のヌクレオチドは、RNA残基、DNA残基、又はヌクレオチドアナログ若しくは等価物であり得る。
本発明に係るスプライシングを制御するための好ましいAONは、約8~約40ヌクレオチド、好ましくは、約10~約40ヌクレオチド、より好ましくは、約14~約30ヌクレオチド、より好ましくは、16、17、18、19、20、21、22、23又は24ヌクレオチド等の約16~約24ヌクレオチドの長さを有する。好ましくは、本発明に係るAONは、少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40ヌクレオチドの長さを有する。
好ましい実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、73、75又は77を含むか、又は配列番号34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、73、75又は77からなる。これらのAONが、c.768G>T変異によって引き起こされるABCA4の異常スプライシングを制御することにおいて非常に効率的であったことが見出された。これらの好ましいAONは、好ましくは、約8~約40ヌクレオチド、好ましくは、約10~約40ヌクレオチド、より好ましくは、約14~約30ヌクレオチド、より好ましくは、16、17、18、19、20、21、22、23若しくは24ヌクレオチド等の約16~約24ヌクレオチドを含む、又は好ましくは、少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39若しくは40ヌクレオチドを含むか、若しくはこれらからなる。
本発明に係るスプライシングを制御するためのAONが、ヌクレアーゼ抵抗性を増加させるように及び/又は標的配列に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの親和性を増加させるように修飾された1個又は複数の残基を含むことが好ましい。従って、好ましい実施形態では、AONは、少なくとも1個のヌクレオチドアナログ又は等価物を含み、ヌクレオチドアナログ又は等価物は、修飾された塩基及び/又は修飾された骨格及び/又は非天然ヌクレオシド間連結、又はこれらの修飾の組合せを有する残基として定義される。
好ましい実施形態では、ヌクレオチドアナログ又は等価物は、修飾された骨格を含む。斯かる骨格の例は、モルフォリノ骨格、カルバメート骨格、シロキサン骨格、スルフィド、スルホキシド及びスルホン骨格、ホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格、メチレンホルムアセチル骨格、リボアセチル骨格、アルケン含有骨格、スルファメート、スルホネート及びスルホンアミド骨格、メチレンイミノ及びメチレンヒドラジノ骨格、並びにアミド骨格によってもたらされる。ホスホロジアミデートモルフォリノオリゴマーは、アンチセンス薬剤として以前に調査された、修飾された骨格のオリゴヌクレオチドである。
モルフォリノオリゴヌクレオチドは、DNAのデオキシリボース糖が六員環によって置き換えられ、ホスホジエステル連結がホスホロジアミデート連結によって置き換えられた、無電荷骨格を有する。モルフォリノオリゴヌクレオチドは、酵素分解に対して抵抗性であり、RNase Hを活性化することによるのではなく、翻訳を抑止するか、又はプレmRNAスプライシングに干渉することにより、アンチセンス薬剤として機能すると思われる。モルフォリノオリゴヌクレオチドは、細胞膜を物理的に破壊する方法によって、組織培養細胞に送達されることに成功し、これらの方法のうちいくつかを比較する一研究は、スクレイプローディングが、最も効率的な送達方法であることを見出した;しかし、モルフォリノ骨格は無電荷であるため、カチオン性脂質は、細胞におけるモルフォリノオリゴヌクレオチド取込みの有効なメディエーターではない。近年の報告は、モルフォリノオリゴヌクレオチドによる三重鎖形成を実証し、非イオン性骨格のため、これらの研究は、モルフォリノオリゴヌクレオチドが、マグネシウムの非存在下で三重鎖形成が可能であることを示した。
骨格における残基間の連結は、短鎖アルキル若しくはシクロアルキルヌクレオシド間連結、混合型ヘテロ原子及びアルキル若しくはシクロアルキルヌクレオシド間連結、又は1個若しくは複数の短鎖ヘテロ原子若しくは複素環ヌクレオシド間連結によって形成される連結等、リン原子を含まないことがさらに好ましい。
好ましいヌクレオチドアナログ又は等価物は、修飾されたポリアミド骨格を有するペプチド核酸(PNA)を含む(Nielsenら、1991)。PNAに基づく分子は、塩基対認識の観点から、DNA分子の真の模倣物である。PNAの骨格は、ペプチド結合によって連結されたN-(2-アミノエチル)-グリシン単位で構成され、核酸塩基は、メチレンカルボニル結合によって骨格に連結される。代替骨格は、一炭素延長されたピロリジンPNA単量体(Govindaraju及びKumar、2005)を含む。PNA分子の骨格は、荷電リン酸基を含有しないため、PNA-RNAハイブリッドは通常、それぞれRNA-RNA又はRNA-DNAハイブリッドよりも安定している(Egholmら、1993)。さらに好ましい骨格は、リボース又はデオキシリボース糖が6員モルフォリノ環によって置き換えられた、モルフォリノヌクレオチドアナログ又は等価物を含む。最も好ましいヌクレオチドアナログ又は等価物は、リボース又はデオキシリボース糖が6員モルフォリノ環によって置き換えられ、隣接モルフォリノ環間のアニオン性ホスホジエステル連結が非イオン性ホスホロジアミデート連結によって置き換えられた、ホスホロジアミデートモルフォリノオリゴマー(PMO)を含む。
またさらに別の実施形態では、本発明に係るヌクレオチドアナログ又は等価物は、ホスホジエステル連結における非架橋性酸素のうちの1個の置換を含む。この修飾は、塩基対形成を僅かに不安定化するが、ヌクレアーゼ分解に対する有意な抵抗性を加える。好ましいヌクレオチドアナログ又は等価物は、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、H-ホスホネート、3’-アルキレンホスホネート、5’-アルキレンホスホネート及びキラルホスホネートを含むメチル及び他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3’-アミノホスホロアミデート及びアミノアルキルホスホロアミデートを含むホスホロアミデート、チオノホスホロアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、セレノホスフェート又はボラノホスフェートを含む。
本発明に係るさらに好ましいヌクレオチドアナログ又は等価物は、-OH;-F;1個又は複数のヘテロ原子によって中断され得る、置換又は未置換の、直鎖状又は分枝状の低級(C1~C10)アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アリル又はアラルキル;O-、S-又はN-アルキル;O-、S-又はN-アルケニル;O-、S-又はN-アルキニル;O-、S-又はN-アリル;O-アルキル-O-アルキル、-メトキシ、-アミノプロポキシ;メトキシエトキシ;ジメチルアミノオキシエトキシ;及び-ジメチルアミノエトキシエトキシ等、2’、3’及び/又は5’位において一又は二置換された1個又は複数の糖部分を含む。糖部分は、ピラノース若しくはその誘導体、又はデオキシピラノース若しくはその誘導体、好ましくは、リボース若しくはその誘導体、又はデオキシリボース若しくはその誘導体となることができる。好ましい誘導体化糖部分は、2’-炭素原子が糖環の3’又は4’炭素原子に連結され、これにより二環式糖部分を形成した、ロックト核酸(LNA)を含む。好ましいLNAは、2’-O,4’-C-エチレン-架橋核酸を含む(Moritaら、2001)。これらの置換は、ヌクレオチドアナログ又は等価物をRNase H及びヌクレアーゼ抵抗性にし、標的RNAに対する親和性を増加させる。
別の実施形態では、本発明に係るヌクレオチドアナログ又は等価物は、1個又は複数の塩基修飾又は置換を含む。修飾された塩基は、当技術分野で既知の又は既知となるであろう、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、並びにピリミジン及びプリン塩基の他の-アザ、デアザ、-ヒドロキシ、-ハロ、-チオ、チオール、-アルキル、-アルケニル、-アルキニル、チオアルキル誘導体等、合成及び天然塩基を含む。
当業者であれば、AONにおける全ての位置が、均一に修飾されている必要はないことが理解される。加えて、単一のAONにおいて、又はさらにはAON内の単一の位置に、上述のアナログ又は等価物のうちの2個以上を取り込むことができる。ある特定の実施形態では、本発明に係るAONは、少なくとも2種の異なる型のアナログ又は等価物を有する。
従って、好ましい実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)、2’O-エチル修飾されたリボース、2’O-メトキシエチル修飾されたリボース、2’-O-プロピル修飾されたリボース及び/又はこれらの修飾を有するハロゲン化された誘導体等の置換された誘導体等、2’-Oアルキルホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。
好ましい実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、73、75又は77を含むか、又は配列番号34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、73、75又は77からなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。別の好ましい実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、73、75又は77を含むか、又は配列番号34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、73、75又は77からなり、2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号6を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号10を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号14を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号18を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号22を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号26を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号30を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号47を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号48を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号49を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号50を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号51を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号52を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号53を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号54を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号55を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号56を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号57を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号58を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号59を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号60を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号61を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号62を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号63を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号64を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号65を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号66を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号67を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号68を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号69を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号70を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号71を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号72を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号73を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号74を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号75を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号76を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
ある実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、配列番号77を含むか、又はこれからなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース(RNA)及びホスホロチオエート骨格を含む。
本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、当技術分野で既知の適した手段を使用して、間接的に投与することができる。AONは、例えば、いわゆる「ネイキッド」AON等として、個体又は前記個体の細胞、組織若しくは臓器に与えることができる。AONは、発現ベクターの形態で投与することもでき、この発現ベクターは、本発明に係る前記AONの配列を含むRNA転写物をコードする。発現ベクターは、好ましくは、遺伝子送達媒体により細胞、組織、臓器又は個体中に導入される。好ましい実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONの発現又は転写を駆動する発現カセット又は転写カセットを含むウイルスに基づく発現ベクターが提供される。従って、本発明は、当該分子の発現を促す条件下に置かれると、本発明に係るスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドを発現するウイルスベクターを提供する。
アデノウイルス又はアデノ随伴ウイルスに基づくベクターによってもたらされるプラスミド由来のアンチセンスオリゴヌクレオチド発現又はウイルス発現によって、細胞に、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONを与えることができる。発現は、U7 RNAプロモーター等のRNAポリメラーゼIIプロモーター(Pol II)、又はU6 RNAプロモーター等のRNAポリメラーゼIII(Pol III)プロモーターによって駆動され得る。好ましい送達媒体は、アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)、又はレンチウイルスベクターその他等のレトロウイルスベクター等、ウイルスベクターである。また、細胞のヒトゲノムにおける標的化された相同組換え及び組込みに使用可能なプラスミド、人工染色体、プラスミドを、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONの送達のために適宜適用することができる。PolIIIプロモーターから転写が駆動されるベクター、及び/又は転写物が、小型の転写物を送達するための優れた結果を生じるU1若しくはU7転写物との融合の形態であるベクターが本発明に好ましい。適した転写物を設計することは、当業者の技能範囲内である。好ましくは、U1又はU7転写物との融合転写物の形態の、PolIII駆動転写物が好ましい。斯かる融合は、以前に記載された通りに作製することができる(Gormanら、1998)。
本発明に係るスプライシングを制御するためのAONに好ましい発現系は、アデノ随伴ウイルス(AAV)に基づくベクターである。高度に効率的にスプライシングを制御するためのアンチセンスヌクレオチド配列の遷延された発現に使用することができる、単鎖及び二重鎖のAAVに基づくベクターが開発された。好ましいAAVに基づくベクターは、例えば、RNAポリメラーゼIIIプロモーター(Pol III)又はRNAポリメラーゼIIプロモーター(Pol II)によって駆動される発現カセットを含む。好ましいRNAプロモーターは、例えば、Pol III U6 RNAプロモーター又はPol II U7 RNAプロモーターである。
従って、本発明は、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONの発現のためのPol II又はPol IIIプロモーター駆動発現カセットを含む、ウイルスに基づくベクターを提供する。
本発明に係るAAVベクターは、組換えAAVベクターであり、本明細書の他の箇所に描写されているAAV血清型に由来するカプシドタンパク質のタンパク質シェル中にカプシド形成された、本発明に係るスプライシングを制御するためのコードされたAONを含むAAVゲノムの一部を含むAAVベクターを指す。AAVゲノムの一部は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV8、AAV9及びその他等のアデノ随伴ウイルス血清型に由来する逆位末端配列(ITR)を含有することができる。カプシドタンパク質で構成されたタンパク質シェルは、AAV1、2、3、4、5、8、9及びその他等のAAV血清型に由来することができる。タンパク質シェルは、カプシドタンパク質シェルと命名することもできる。AAVベクターは、1種の又は好ましくは全種の野生型AAV遺伝子を欠失させることができるが、依然として、機能的ITR核酸配列を含むことができる。機能的ITR配列は、AAVビリオンの複製、レスキュー及びパッケージングに必要である。ITR配列は、機能性を維持する限りにおいて、野生型配列となることができるか、又は野生型配列と少なくとも80%、85%、90%、95若しくは100%配列同一性を有することができるか、又は例えば、ヌクレオチドの挿入、変異、欠失若しくは置換によって変更することができる。この環境で、機能性は、カプシドシェルへのゲノムのパッケージングを方向付け、次いで、感染させるべき宿主細胞又は標的細胞における発現を可能にする能力を指す。本発明の環境で、カプシドタンパク質シェルは、AAVベクターゲノムITRとは異なる血清型のものとなることができる。よって、本発明に係るAAVベクターは、ある1種のAAV血清型、例えば、AAV血清型2のカプシドタンパク質(VP1、VP2及び/又はVP3)を含む、カプシドタンパク質シェル、すなわち、正二十面体カプシドで構成され得る一方で、このAAV5ベクターに含有されるITR配列は、AAV2ベクターを含む上に記載されているAAV血清型のいずれかとなることができる。よって、「AAV2ベクター」は、AAV血清型2のカプシドタンパク質シェルを含み、一方、例えば、「AAV5ベクター」は、AAV血清型5のカプシドタンパク質シェルを含み、それによって、どちらが、本発明に係るいずれのAAVベクターゲノムITRをカプシド形成してもよい。
好ましくは、本発明に係る組換えAAVベクターは、AAV血清型2、5、8又はAAV血清型9のカプシドタンパク質シェルを含み、前記AAVベクター中に存在するAAVゲノム又はITRは、AAV血清型2、5、8又はAAV血清型9に由来する;斯かるAAVベクターは、AAV2/2、AAV2/5、AAV2/8、AAV2/9、AAV5/2、AAV5/5、AAV5/8、AAV5/9、AAV8/2、AAV8/5、AAV8/8、AAV8/9、AAV9/2、AAV9/5、AAV9/8又はAAV9/9ベクターと称される。
より好ましくは、本発明に係る組換えAAVベクターは、AAV血清型2のカプシドタンパク質シェルを含み、前記ベクター中に存在するAAVゲノム又はITRは、AAV血清型5に由来する;斯かるベクターは、AAV2/5ベクターと称される。
より好ましくは、本発明に係る組換えAAVベクターは、AAV血清型2のカプシドタンパク質シェルを含み、前記ベクター中に存在するAAVゲノム又はITRは、AAV血清型8に由来する;斯かるベクターは、AAV2/8ベクターと称される。
より好ましくは、本発明に係る組換えAAVベクターは、AAV血清型2のカプシドタンパク質シェルを含み、前記ベクター中に存在するAAVゲノム又はITRは、AAV血清型9に由来する;斯かるベクターは、AAV2/9ベクターと称される。
より好ましくは、本発明に係る組換えAAVベクターは、AAV血清型2のカプシドタンパク質シェルを含み、前記ベクター中に存在するAAVゲノム又はITRは、AAV血清型2に由来する;斯かるベクターは、AAV2/2ベクターと称される。
選ばれた核酸配列によって表される、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONをコードする核酸分子は、好ましくは、上に同定されたAAVゲノム又はITR配列、例えば、コード配列及び3’終結配列に作動可能に連結された発現調節エレメントを含む発現構築物の間に挿入される。
「AAVヘルパー機能」は一般に、トランスでAAVベクターに供給される、AAV複製及びパッケージングに要求される対応するAAV機能を指す。AAVヘルパー機能は、AAVベクターに欠けているAAV機能を補完するが、AAV ITRを欠如する(これは、AAVベクターゲノムによって提供される)。AAVヘルパー機能は、AAVの2種の主要ORF、すなわち、repコード領域及びcapコード領域、又はそれらの機能的な実質的に同一の配列を含む。Rep及びCap領域は、当技術分野でよく知られており、例えば、参照により本明細書に組み込む(Chioriniら、1999)又は米国特許第5,139,941号を参照されたい。AAVヘルパー機能は、プラスミドであり得るAAVヘルパー構築物において供給され得る。宿主細胞へのヘルパー構築物の導入は、本明細書に同定されているAAVベクター中に存在するAAVゲノムの導入に先立ち又はそれと同時発生的に、例えば、形質転換、トランスフェクション又は形質導入によって起こり得る。よって、本発明に係るAAVヘルパー構築物は、一方ではAAVベクターのカプシドタンパク質シェルのための血清型、また、他方では前記AAVベクター複製及びパッケージング中に存在するAAVゲノムのための血清型の所望の組合せを産生するように選ぶことができる。
「AAVヘルパーウイルス」は、AAV複製及びパッケージングに要求される追加的な機能を提供する。適したAAVヘルパーウイルスは、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス(HSV 1及び2型等)及びワクシニアウイルスを含む。ヘルパーウイルスによって提供される追加的な機能は、参照により本明細書に組み込む米国特許第6,531,456号に記載されている通り、ベクターを介して宿主細胞に導入することもできる。
好ましくは、本発明に係る組換えAAVベクター中に存在するAAVゲノムは、AAVのrep(複製)又はcap(カプシド)遺伝子等、ウイルスタンパク質をコードするいかなるヌクレオチド配列も含まない。AAVゲノムは、例えば、抗生物質抵抗性遺伝子、蛍光タンパク質(例えば、gfp)をコードする遺伝子、又は当技術分野で既知の化学的に、酵素により若しくは他の方法で検出可能な及び/若しくは選択可能な産物(例えば、lacZ、aph等)をコードする遺伝子等のマーカー又はレポーター遺伝子をさらに含むことができる。
好ましくは、本発明に係るAAVベクターは、参照により本明細書に組み込むGarantoら、2016による方法に従って構築及び産生される。
本発明に係る好ましいAAVベクターは、次に記す配列を含むか又は好ましくはこれらからなるAONである本発明に係るスプライシングを制御するためのAONを発現する、AAVベクター、好ましくは、AAV2/5、AAV2/8、AAV2/9又はAAV2/2ベクターである:
配列番号4からなるヌクレオチド配列に対して相補的又は実質的に相補的な配列、好ましくは、AONは、配列番号5を有するポリヌクレオチドに対して相補的であり、より好ましくは、AONは、配列番号80を有するポリヌクレオチドに対して相補的であり、さらにより好ましくは、配列番号7、8、9;11、12、13;15、16、17;19、20及び21からなる群から選択されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに対して相補的又は実質的に相補的な配列。さらにより好ましくは、AONは、配列番号6、配列番号10、配列番号14、配列番号18、配列番号22、配列番号26及び配列番号30、配列番号47、配列番号48、配列番号49、配列番号50、配列番号51、配列番号52、配列番号53、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号64、配列番号65、配列番号66、配列番号67、配列番号68、配列番号69、配列番号70、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、配列番号77からなる群から選択されるか、又は最も好ましくは、配列番号34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、73、75及び77からなる群から選択されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含むか、又はこれからなる。
現在までに既に達成された進行を考慮して、個体又は前記個体の細胞、組織、臓器に、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONを与えるための手段における改善が期待される。当然ながら、斯かる将来の改善が取り込まれて、本発明に係る方法を使用したmRNAの再構築において言及された効果を達成することができる。本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、「ネイキッド」AON等として、個体、前記個体の細胞、組織又は臓器に送達することができる。本発明に係るスプライシングを制御するためのAONを投与する場合、この分子が、送達方法と適合性である溶液に溶解されることが好ましい。プラスミドを水溶液中に用意することにより、網膜細胞に、アンチセンスオリゴヌクレオチド発現のためのプラスミドを与えることができる。
或いは、スプライシングを制御するためのAON又は斯かるAONの発現のためのプラスミドに好ましい送達方法は、ウイルスベクター又はナノ粒子である。好ましくは、ウイルスベクター又はナノ粒子は、網膜又は他の関連する細胞に送達される。網膜細胞又は他の関連する細胞への斯かる送達は、in vivo、in vitro又はex vivoとなることができる;例えば、参照により本明細書に組み込むGarantoら、2016を参照されたい。
或いは、プラスミドは、知られているトランスフェクション薬剤を使用したトランスフェクションによって与えることができる。静脈内、皮下、筋肉内、くも膜下腔内及び/又は脳室内投与のため、溶液が生理的塩類溶液であることが好ましい。好ましくは網膜細胞である細胞への及び/又は細胞内への本明細書に定義されている構成物のそれぞれの送達に役立つであろう賦形剤又はトランスフェクション薬剤の使用が、本発明において特に好ましい。細胞膜を介して小胞又はリポソーム中に複合体形成又は捕捉された、本明細書に定義されている各構成物を送達する複合体、ナノ粒子、ミセル、小胞及び/又はリポソームを形成することができる賦形剤又はトランスフェクション薬剤が好ましい。これらの賦形剤の多くは、当技術分野で知られている。適した賦形剤又はトランスフェクション薬剤は、ポリエチレンイミン(PEI;ExGen500(MBI Fermentas))、リポフェクタミン(LipofectAMINE)(商標)2000(Invitrogen)若しくはこれらの誘導体、又はポリプロピレンイミン若しくはポリエチレンイミンコポリマー(PEC)及び誘導体を含む同様のカチオン性ポリマー、合成両親媒性物質(amphiphil)(SAINT-18)、リポフェクチン(lipofectin)(商標)、DOTAP、及び/又は本明細書に定義されている各構成物を細胞、好ましくは、網膜細胞に送達することができる粒子へと自己集合することができるウイルスカプシドタンパク質を含む。斯かる賦形剤は、AON等のオリゴヌクレオチドを、網膜細胞を含む多種多様な培養細胞に効率的に送達することが示された。それらの高いトランスフェクション潜在力は、全体的な細胞生存の観点から、予想される低~中等度の毒性と組み合わされる。構造修飾の容易さを使用することができ、それらのさらなる(in vivo)核酸移入特徴及び毒性のさらなる修飾及び解析することができる。
リポフェクチンは、リポソームトランスフェクション薬剤の例を表す。リポフェクチンは、2種の脂質構成成分である、カチオン性脂質N-[1-(2,3ジオレオイルオキシ)プロピル]-N,N,N-塩化トリメチルアンモニウム(DOTMA)(cp.DOTAP、これはメチル硫酸塩である)及び中性脂質ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)からなる。中性構成成分は、細胞内放出を媒介する。送達系の別の群は、ポリマーナノ粒子である。
DNAトランスフェクション試薬としてよく既知のジエチルアミノエチルアミノエチル(DEAE)-デキストラン等のポリカチオンを、ブチルシアノアクリレート(PBCA)及びヘキシルシアノアクリレート(PHCA)と組み合わせて、細胞膜を越えて細胞内へと本明細書に定義されている各構成物、好ましくは本発明に係るAONを送達することができるカチオン性ナノ粒子を製剤化することができる。
これらの一般的なナノ粒子材料に加えて、カチオン性ペプチドプロタミンは、コロイドによりオリゴヌクレオチドを製剤化するための代替アプローチを提供する。このコロイドナノ粒子系は、単純な自己集合プロセスによって調製されて、オリゴヌクレオチドをパッケージングしその細胞内放出を媒介することができる、いわゆるプロティクル(proticle)を形成することができる。当業者は、上述又は他の市販の代替賦形剤及び送達系のいずれかを選択及び適応させて、本発明における使用のためのエクソン保持分子をパッケージング及び送達して、ABCA4関連疾患又は状態の予防、処置又は遅延のためにこれを送達することができる。「ABCA4関連疾患又は状態の予防、処置又は遅延」は、本明細書において好ましくは、ABCA4遺伝子における遺伝的欠損によって引き起こされる部分的又は完全な視力障害又は失明を予防する、それを停止させる、その進行を終止する又はそれを反転することとして定義される。
加えて、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、細胞、細胞質及び/又はその核内への取込みを容易にするように特異的に設計された、標的化リガンドに共有結合又は非共有結合により連結することができる。斯かるリガンドは、(i)細胞取込みを容易にする、細胞、組織若しくは臓器特異的エレメントを認識する化合物(ペプチド(様)構造を含むがこれらに限定されない)、及び/又は(ii)小胞、例えば、エンドソーム若しくはリソソームにおけるオリゴヌクレオチドの細胞内への取込み及び/又はその小胞、例えば、エンドソーム若しくはリソソームからの細胞内放出を容易にすることができる化学物質を含むことができる。
従って、好ましい実施形態では、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONは、少なくとも賦形剤及び/又は送達のための標的化リガンド及び/又は細胞へのその送達デバイス及び/又はその細胞内送達を増強するものを備えた組成物又は医薬又は組成物へと製剤化される。
組成物が、本明細書の後の方で定義されている補助化合物等の追加的な構成物を含む場合、組成物の各構成物は、ある単一の組合せ又は組成物又は調製物において適宜製剤化されていなくてよいことを理解されたい。それらの同一性及び特異的な特色に応じて、当業者であれば、いずれの型の製剤が、本明細書に定義されている各構成物に最も適切であるか分かるであろう。好ましい実施形態では、本発明は、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONと、本明細書の後の方で定義されているさらに別の補助化合物とを含むキットオブパーツの形態の組成物又は調製物を提供する。
要求される場合及び/又は要望される場合、本発明に係るスプライシングを制御するためのAON、又は本発明に係るスプライシングを制御するためのAONを発現する本発明に係るベクター、好ましくは、ウイルスベクターは、薬学的に許容できる担体を添加することにより、薬学的に活性がある混合物へと取り込むことができる。
従って、本発明は、本発明に係るスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド又は本発明に係るウイルスベクター及び薬学的に許容できる賦形剤を含む組成物、好ましくは、医薬組成物も提供する。斯かる組成物は、本発明に係るスプライシングを制御するための単一のAON又はウイルスベクターを含むことができるが、本発明に係るスプライシングを制御するための複数の別個のAON又はウイルスベクターを含むこともできる。斯かる医薬組成物は、担体、フィラー、保存料、アジュバント、可溶化剤及び/又は希釈剤を含む、いずれかの薬学的に許容できる賦形剤を含むことができる。斯かる薬学的に許容できる担体、フィラー、保存料、アジュバント、可溶化剤及び/又は希釈剤は、例えば、Remington、2000に見出すことができる。前記組成物の各特色は、本明細書の前の方に定義されている。
好ましい投与経路は、眼球内投与のための水溶液又は特別に適応された製剤の硝子体内注射による。EP2425814は、ペプチド又は核酸薬物の眼球内(硝子体内)投与に特に適応された水中油型エマルションを開示する。このエマルションは、硝子体液よりも低密度であるため、エマルションは、硝子体の上を浮遊し、注射された薬物が視覚を損なうことを回避する。従って、一実施形態では、硝子体内投与に適し、片眼当たり0.01~20mg/kg、好ましくは、0.05~20mg/kgの範囲の総アンチセンスオリゴヌクレオチドの量で投薬される医薬組成物が提供される。適した硝子体内用量が与えられ、片眼当たり0.05mg~5mgの間、好ましくは、0.1~1mgの間の総アンチセンスオリゴヌクレオチド、例えば片眼当たり約:0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は1.0mgを含む。
本発明に係るスプライシングを制御するための好ましいAONは、個体のABCA4関連疾患又は状態の処置のためのものである。本発明のあらゆる実施形態では、用語「処置」は、ABCA4関連疾患又は状態の予防及び/又は遅延を含むものと理解される。本発明に係るスプライシングを制御するためのAONを使用して処置することができる個体は、ABCA4関連疾患又は状態を有すると既に診断されていてよい。
或いは、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONを使用して処置することができる個体は、ABCA4関連疾患又は状態を有すると未だ診断されていなくてよいが、個体の遺伝的背景を考慮して、将来にABCA4関連疾患又は状態を発症する増加したリスクを有する個体となることができる。好ましい個体は、人間である。本発明のあらゆる実施形態では、ABCA4関連疾患又は状態は、好ましくは、スターガルト病である。
従って、本発明は、医薬としての、好ましくは、ABCA4のスプライシングを調整することを必要とするABCA4関連疾患又は状態の処置のための医薬としての使用のための、及びABCA4関連疾患又は状態の予防、処置又は遅延のための医薬としての使用のための、本発明に係るスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド又は本発明に係るウイルスベクター又は本発明に係る(医薬)組成物をさらに提供する。本明細書におけるあらゆる医学的使用の実施形態の各特色は、本明細書の前の方に定義されており、好ましくは、本明細書の前の方に定義されている斯かる特色である。
本発明は、ABCA4のスプライシングを調整することを必要とするABCA4関連疾患又は状態を処置するための、本発明に係るスプライシングを制御するためのAON、本発明に係るベクター又は本発明に係る(医薬)組成物の使用をさらに提供する。本明細書におけるあらゆる医学的使用の実施形態の各特色は、本明細書の前の方に定義されており、好ましくは、本明細書の前の方に定義されている斯かる特色である。
本発明は、ABCA4のスプライシングを調整することを必要とするABCA4関連疾患又は状態の処置の方法であって、前記個体の細胞を、本発明に係るスプライシングを制御するためのAON、本発明に係るベクター又は本発明に係る(医薬)組成物と接触させるステップを含む方法をさらに提供する。本明細書におけるあらゆる医学的使用の実施形態の各特色は、本明細書の前の方に定義されており、好ましくは、本明細書の前の方に定義されている斯かる特色である。
本発明は、ABCA4のスプライシングを調整することを必要とするABCA4関連疾患又は状態の処置のための医薬の調製のための、本発明に係るスプライシングを制御するためのAON、本発明に係るベクター又は本発明に係る(医薬)組成物の使用をさらに提供する。本明細書におけるあらゆる医学的使用の実施形態の各特色は、本明細書の前の方に定義されており、好ましくは、本明細書の前の方に定義されている斯かる特色である。
本発明は、ABCA4関連疾患又は状態がスターガルト病である、本発明に係るスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド、本発明に係る使用又は本発明に係る方法をさらに提供する。
本発明に係る使用又は方法における処置は、好ましくは、少なくとも1回であり、好ましくは、少なくとも1週間、1ヶ月間、数ヶ月間、1年間、2、3、4、5、6年間又はそれ以上一生涯持続する。本発明に係る使用のための本明細書に定義されている本発明に係るスプライシングを制御するための各AON又はその等価物は、ABCA4関連疾患又は状態に既に罹患した又はこれを発症するリスクがある個体のin vivoでの細胞、組織及び/又は臓器への直接的投与に適することができ、in vivo、ex vivo又はin vitroで直接的に投与することができる。本発明に係るAON、組成物、化合物又は補助化合物の投与頻度は、疾患の重症度、患者の年齢、患者の変異、本発明に係るスプライシングを制御するためのAONの数(すなわち、用量)、本発明に係るAON、組成物、化合物又は補助化合物の製剤、投与経路等々のいくつかのパラメータに応じる場合がある。投与頻度は、毎日、毎週、2週間又は3週間又は4週間又は5週間又はより長い期間に少なくとも1回の間で変動し得る。
本発明に係るAON、組成物、化合物又は補助化合物の用量範囲は、好ましくは、厳密なプロトコール要求が存在する臨床治験(in vivo使用)における上昇用量研究に基づいて設計される。本発明に係るAONは、0.01~20mg/kg、好ましくは、0.05~20mg/kgの範囲の用量で使用することができる。適した硝子体内用量は、片眼当たり約:片眼当たり0.05mg~5mgの間、好ましくは、0.1~1mgの間、例えば0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は1.0mgとなるであろう。
好ましい実施形態では、0.1nM~1μMの範囲の、本明細書に定義されているオリゴヌクレオチドの濃度が使用される。好ましくは、この範囲は、網膜細胞又は網膜組織等の細胞モデルにおけるin vitro使用のためのものである。より好ましくは、使用される濃度は、1~400nM、さらにより好ましくは、10~200nM、さらにより好ましくは、50~100nMの範囲である。複数の別個のAONが使用される場合、この濃度又は用量は、AONの総濃度若しくは用量、又は加えられた各AONの濃度若しくは用量を指すことができる。
好ましい実施形態では、本発明に係る分子のための送達媒体としての、本明細書の前の方に記載されているウイルスベクター、好ましくは、AAVベクターは、1注射当たり1×10~1×1017個のウイルス粒子、より好ましくは、1注射当たり1×1010~1×1012個のウイルス粒子の範囲の用量で投与される。
上に描写されるAONの濃度又は用量の範囲は、in vivo、in vitro又はex vivo使用に好ましい濃度又は用量である。当業者であれば、使用されるAON、処置されるべき標的細胞、遺伝子標的及びその発現レベル、使用される培地、並びにトランスフェクション及びインキュベーション条件に応じて、使用されるAONの濃度又は用量は、さらに変動する場合があり、さらなる最適化が為されることを必要とする場合があることを理解するであろう。
本発明に係る使用のための、本発明に係るスプライシングを制御するためのAON又は本発明に係るウイルスベクター又は本発明に係る組成物は、ABCA4関連疾患又は状態に既に罹患した又はこれを発症するリスクがある個体のin vivoでの細胞、組織及び/又は臓器に投与することができ、in vivo、ex vivo又はin vitroで投与することができる。本発明に係るスプライシングを制御するためのAON又は本発明に係るウイルスベクター又は本発明に係る組成物は、ABCA4関連疾患又は状態に既に罹患した又はこれを発症するリスクがある個体のin vivoでの細胞、組織及び/又は臓器に直接的に又は間接的に投与することができ、in vivo、ex vivo又はin vitroで直接的に又は間接的に投与することができる。スターガルト病は、網膜細胞における顕著な表現型を有するため、前記標的化された細胞が網膜細胞であることが好ましく、前記組織が網膜であることがさらに好ましく、前記臓器が、眼を含むか、又はこれからなることがさらに好ましい。
本発明は、細胞におけるABCA4のスプライシングを調整するための方法であって、細胞、好ましくは、網膜細胞を、本発明に係るスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド、本発明に係るベクター又は本発明に係る医薬組成物と接触させるステップを含む方法をさらに提供する。この態様の特色は、好ましくは、本明細書の前の方に定義される特色である。細胞を、本発明に係るスプライシングを制御するためのAON又は本発明に係るウイルスベクター又は本発明に係る組成物と接触させるステップは、当業者に既知のいずれかの方法によって行うことができる。本明細書の前の方に記載されているスプライシングを制御するためのAON、ウイルスベクター及び組成物の送達のための方法の使用が含まれる。接触させるステップは、直接的又は間接的となることができ、in vivo、ex vivo又はin vitroとなることができる。
他に断りがなければ、本明細書に記載されている各実施形態は、本明細書に記載されている別の実施形態と組み合わせることができる。
[定義]
本文書及びその特許請求の範囲において、動詞「を含む」及びその活用は、その限定されない意味において、この単語の前にある項目が含まれるが、特に言及されていない項目が除外されないことを意味するように使用される。加えて、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」による要素の参照は、要素のうち唯一のものが存在すると文脈が明らかに要求しない限り、要素のうち2つ以上が存在する可能性を除外しない。よって、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は通常、「少なくとも1つ」を意味する。
単語「約」又は「およそ」は、数値(例えば、約10)に関連して使用される場合、好ましくは、値が、与えられた値(10)の5%多い又は少ない値であり得ることを意味する。
本明細書に提供される配列情報は、誤って同定された塩基の包含を要求するほど狭く解釈されるべきではない。当業者は、斯かる誤って同定された塩基を同定することができ、斯かる誤りを補正する方法が分かる。配列の誤りの場合、ポリペプチドをコードする核酸配列を含有する配列番号1に存在する遺伝子の発現によって入手可能なポリペプチドの配列が優先されるべきである。
本明細書に引用されているあらゆる特許及び文献参照は、これにより、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
A)本来のエクソン6スプライスドナー部位、及びイントロン6における代替のスプライスドナー部位に関するスプライスドナー部位強度のバイオインフォマティクス予測であり、両者共に、野生型(上の配列)及びc.768G>T変異体(下の配列)状況に関する。変異体状況における代替のスプライス部位の使用は、ABCA4転写物の35-nt拡張(灰色で示す、カラーバージョンでは赤色)をもたらすと予測される。 B)対照(ctrl)個体、c.768G>T変化が複合ヘテロ接合型(comp.het.)のSTGD1患者、及びc.768G>T変異がホモ接合型(hom.)のSTGD1患者の線維芽細胞に由来するRNAにおけるABCA4のRT-PCR解析。-又は+は、シクロヘキシミドの非存在又は存在を指し示す。M:100-bpラダー。MQ:milliQ水。 c.768G>Tバリアント、本来の及び代替のスプライスドナー部位、並びに設計されたAONの相対的位置の配置の略図。 AON送達後のホモ接合型c.768G>T患者由来線維芽細胞のRNA解析。 (A)AON2~AON8で処置した又は無処置の(NT)患者由来線維芽細胞のRT-PCR及びネステッドPCRによるABCA4転写物の解析。対照として野生型線維芽細胞(WT)を使用した。ローディング対照としてACTBを使用した。MQは、1回目及び2回目(ネステッド)のPCR反応の陰性対照を表す。AON1は、AON2と同様の結果を生じた(データ図示せず)。 AON送達後のホモ接合型c.768G>T患者由来線維芽細胞のRNA解析。 (B)ゲル1~3において強調されたバンドのクロマトグラム。配列が、バンド1中と同様にGを表すピークしか示さず、患者が、c.768G>T変異をホモ接合型で保有するため、アスタリスクを有するバンドは、コンタミネーションであることが判明した。AON8は、バンド2中の配列によって示される通り、スプライシングを補正することができた。 標的領域と比較したAON位置。 標的領域に相対的なAONの位置。AON10~34は、ホスホロチオエート(PS)骨格による2’-OMe修飾を含有した一方、AON35~40は、ホスホロチオエート(PS)骨格による2’-O-MOE修飾を含有した。エクソン部分は、灰色のボックスにより描写される。c.768G>T変異は、矢印及び太字で指し示される。STGD1症例において見出された35ヌクレオチド拡張は、斜体で収載される。 c.768Tバリアントを有するミディジーンを使用した、HEK293T細胞におけるAONスクリーニング。 c.768Tバリアント(MUT)を保有するミディジーンと、ホスホロチオエート(PS)骨格による2’-OMe修飾を有するAON(A#)又はセンスオリゴ(SON)のいずれかとをコトランスフェクトしたHEK293T細胞のRT-PCR解析。対照としてc.768G(WT)を保有する野生型ミディジーンを使用した。陰性対照として非トランスフェクトHEK293T細胞(HEK)を使用した。MQは、PCRの陰性対照を指し示す。下のパネルにおいて、条件毎に正しい(WT)及び異常な(MUT)転写物の間の比(パーセンテージで表現)の半定量化を提示する。 HEK293T細胞における2’-O-MOE AONのスクリーニング。 変異体ミディジーン(MUT)と、2’-MOE化学修飾及びPS骨格を有するいくつかのAON(A#)又はセンスオリゴ(SON)とをコトランスフェクトしたHEK293T細胞のRT-PCR解析。陽性対照として野生型ミディジーン(WT)を使用し、一方、陰性対照として非トランスフェクト細胞(HEK)を使用した。MQレーンは、PCRの陰性対照に対応する。下のパネルは、正しい(WT)及び異常な(MUT)転写物のパーセンテージで表現されたバンドの半定量化を表す。AON濃度:1μM。 患者由来線維芽細胞におけるAON有効性解析。 c.768G>Tバリアントをホモ接合型で保有する患者由来線維芽細胞株(HOM)におけるPS骨格による、2’-OMe又は2’-MOEのいずれかで化学修飾されたいくつかのAON(A#)の有効性の解析。対照(CON)として健康な個体に由来する線維芽細胞を使用した。異常な転写物は、ナンセンス変異依存分解機構(NMD)に付されるため、CON及びHOM細胞の両方を、シクロヘキシミド(CHX)の非存在(-)又は存在(+)下で培養した。AON送達が関与する全条件は、CHXの存在下で行われる。MQは、PCRの陰性対照を指し示す。ローディング対照としてACTBを使用した。条件毎にパーセンテージで表現された正しい(WT)及び異常な(MUT)転写物の比の半定量的解析。AON濃度:1μM。
[配列の説明]
Figure 2022510673000001

Figure 2022510673000002

Figure 2022510673000003
スターガルト病(STGD1)の根底にあるABCA4における再発性変異は、c.768G>Tである。この変異は、エクソン6の最後のヌクレオチドを変化させるが、アミノ酸配列を変更しない、すなわち、対応するコドンによってコードされるバリン残基はバリンのままである(p.Val256Val)。代わりに、エクソン6のスプライスドナー部位の強度は、Gの代わりのTの存在によって減少する(図1A、図4)。結果として、イントロン6における35nt下流の代替のスプライス部位が、スプライシング機構によって使用されており、患者由来線維芽細胞において実証される通り、エクソン6の35nt拡張をもたらす(図1B)。この転写物は、シクロヘキシミド(ナンセンス変異依存分解機構の阻害剤)の非存在下で検出されなかったため、この異常な転写物は、細胞内で分解される可能性が最も高い。或いは、変異体RNAが翻訳される場合、35-nt拡張は、タンパク質合成の中途終結をもたらすと予測されるフレームシフトを引き起こす。
本出願人らは、イントロン6における代替のスプライスドナー部位を遮断するであろうAONを設計し、これにより、本来のスプライスドナー部位に戻るようスプライシング機構を制御することを目標とすることにより、AON投与が、ABCA4におけるc.768G>T変異に関連するスプライス欠損を回復させることができるか評価した。
実施例1
先ず、材料と方法セクションにおいて、実験の詳細について記載する一方、結果は、さらに下の結果セクションにおいて記載及び説明する。
材料と方法
AON設計及び検査
AONを設計するために、より小型の257bpの目的の領域を選択した(配列番号5)。その後、約20ヌクレオチドの長さのオリゴヌクレオチドを設計した。全オリゴヌクレオチドを、in silico RNA構造予測に付した。予測される構造の差を示した及び/又は最良の到達性を有した8種のAONを設計し、異なるケミストリーにおいて注文した(表2及び図2を参照)。
Figure 2022510673000004
AON検査
c.768G>Tをホモ接合型で保有するSTGD1患者由来の皮膚生検を得て、線維芽細胞株を作製した。次に、線維芽細胞株に、シクロヘキシミドの存在下で8種の異なるAON(表2に記載)をトランスフェクトした。次に、トランスフェクトされた細胞をRT-PCR解析に付した。
RT-PCR解析
製造業者のプロトコールに従ってヌクレオスピンRNAクリーンアップ(NucleoSpin RNA Clean-up)キット(カタログ番号740955-50;Macherey-Nagel、Duren、Germany)を使用することにより、全RNAを単離した。RNAを定量化し、製造業者の説明書に従ってアイスクリプト(iScript)cDNA合成キット(カタログ番号1708891;Bio-Rad、Hercules、CA)を使用することにより、1μg RNAからcDNAを合成した。最後に、次のABCA4プライマーを使用してネステッドPCRを行うことにより、AONの有効性を評価した:PCR1(エクソン4_Fw:5’-CACCCGGAGAGAATTGCAG-3’(配列番号38)及びエクソン8_Rv:5’-CCTGCATACTCGGCCGATG-3’(配列番号39));PCR2又はネステッドPCR(エクソン5_Fw:5’-GGAATACGAATAAGGGATATCTTG-3’(配列番号40)及びエクソン7_Rv:5’-CTTGAATTCTTGGTGACATATCAG-3’(配列番号41))。
結果
AON8は、イントロン6における代替のスプライス部位を遮断し、c.768G>T変異により弱められてはいるが依然として用いることができる、本来のスプライスドナー部位に戻るようにスプライス部位を制御することができた(図3A及び図3B)。結果として、ABCA4プレmRNAスプライシングを回復させることができる。
実施例2
次に、本出願人らは、より多くのAON(配列とケミストリーの観点から異なる)を使用し、複数の細胞系(HEK293T細胞及び患者由来線維芽細胞)を用いた、実施例1の拡大について報告する。
材料と方法
AON設計
AONを設計するために、235bpの小型のABCA4領域を選択した;ABCA4 c.669~c.768+135。その後、総計26種のAON(それぞれ21ヌクレオチドの長さ)を設計し、AON10~AON35と表示した。AON10~AON34は、2’-O-メチル(2’-OMe)化学修飾により設計し、AON35は、2’O-メトキシエチル(2’-O-MOE)ケミストリーにより設計した。最初の結果の後に、2’-O-MOEケミストリーを有するさらに5種のAONを注文し、AON36~AON40と表示し、これらは、それぞれAON14、15、16、19及び23の配列に対応する。ケミストリー毎に、それぞれAON22及び35に相補的な配列を有するセンスオリゴヌクレオチドを注文した。全AON(及びSON)は、表3に収載されている。収載されているAONは全て、ホスホロチオエート骨格を有する。
Figure 2022510673000005

Figure 2022510673000006
HEK293T細胞におけるAONウォーク
HEK293T細胞トランスフェクション
全検査を2回繰り返して行った。HEK293T細胞を6ウェルプレートに播種し、野生型ABCA4エクソン6及びイントロン6(BA4_WT)を含有するミディジーン、並びにc.768G>T変異を含有する以外は同じミディジーン(BA4_MUT)を6μgトランスフェクトした。一晩インキュベーション後に、HEK293T細胞をトリプシンで消化し、12ウェルプレートに蒔いた。細胞は、付着するようになったら、ヒュージーン(FuGENE)(カタログ番号E2311;Promega)を使用して1μM濃度のAON又はSONをトランスフェクトし、48時間インキュベートした。トランスフェクトされた細胞は、RT-PCRによりRNAレベルで解析した。
RT-PCR解析
製造業者のプロトコールに従ってヌクレオスピンRNAクリーンアップキット(カタログ番号740955250;Macherey-Nagel、Duren、Germany)を使用することにより、全RNAを単離した。RNAを定量化し、製造業者の説明書に従ってスーパースクリプト(SuperScript)VILO cDNA合成キット(カタログ番号11755050;Invitrogen)を使用することにより、1μg RNAからcDNAを合成し、その後、20ng/μlの作業濃度となるようにHOで希釈した。次のBA4ミディジーン特異的プライマーを使用して逆転写PCRを行うことにより、AONの有効性を評価した:ABCA4 ex6_Fw:5’-CTTCAGCCAGAGACGCGGGGC-3’(配列番号81)及びpCI-Neo-Rho ex5_Rev:5’-AGGTGTAGGGGATGGGAGAC-3’(配列番号82)。RHOエクソン5を標的とするプライマーを使用したRT-PCRは、ミディジーントランスフェクション有効性を評価するための対照として使用した(pCI-Neo-Rho ex5_Fw:5’-ATCTGCTGCGGCAAGAAC-3’(配列番号83)及びpCI-Neo-Rho ex5_Rev:5’-AGGTGTAGGGGATGGGAGAC-3’(配列番号84))。25μlの総反応物における10μMの各プライマー、2μMのdNTP、2.5mMのMgCl、1Uのタック(Taq)ポリメラーゼ(Roche、Basel、Switzerland)及び40ngのcDNAにより、次のPCR条件を使用して、RT-PCR解析を行った:94℃で3分間、続いて、94℃で30秒間、58℃で30秒間及び72℃で2分間を35サイクルと、72℃で3分間の最終伸長。PCR産物は、2.5%アガロースゲルにおいて分離し、選択されたバンドは、サンガー配列決定により確認した。観察された非特異的バンドは、解析に考慮しなかった。フィジー(Fiji)ソフトウェアを使用して、ヘテロ二重鎖、変異体及び野生型バンドの半定量的解析を行った。ヘテロ二重鎖バンドは、グラフ表示のため、正しい転写物と異常な転写物の間で等しく分布した。
線維芽細胞におけるAON有効性の比較
線維芽細胞トランスフェクション
健康な個体及びABCA4 c.768G>Tがホモ接合型のSTGD1患者由来の皮膚生検を得て、2種の線維芽細胞の細胞株を作製した。線維芽細胞を6ウェルプレートに蒔き、シクロヘキシミドの存在下でヒュージーン(カタログ番号E2311;Promega)を使用して1μM濃度のAONをトランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞は、RT-PCRによりRNAレベルで解析した。
RT-PCR解析
製造業者のプロトコールに従ってヌクレオスピンRNAクリーンアップキット(カタログ番号740955250;Macherey-Nagel、Duren、Germany)を使用することにより、全RNAを単離した。RNAを定量化し、製造業者の説明書に従ってスーパースクリプトVILO cDNA合成キット(カタログ番号11755050;Invitrogen)を使用することにより、1μg RNAからcDNAを合成し、その後、20ng/μlの作業濃度となるようにHOで希釈した。次のABCA4プライマー:エクソン5_Fw:5’GGAATACGAATAAGGGATATCTTG-3’(配列番号85)及びエクソン7_Rev:5’-CTTGAATTCTTGGTGACATATCAG-3’(配列番号86)を使用した線維芽細胞対照細胞株におけるRT-PCR、並びに次のABCA4プライマー:PCR1エクソン4_Fw:5’-CACCCGGAGAGAATTGCAG-3’(配列番号87)及びエクソン8_Rev:5’-CCTGCATACTCGGCCGATG-3’(配列番号88)並びにPCR2エクソン5_Fw:5’GGAATACGAATAAGGGATATCTTG-3’(配列番号89)及びエクソン7_Rev:5’-CTTGAATTCTTGGTGACATATCAG-3’(配列番号90)を使用したABCA4 c.768G>Tを保有する線維芽細胞におけるネステッドPCRを行うことにより、AONの有効性を評価した。25μlの総反応物における10μMのエクソン5_Fw及びエクソン7_Rwプライマー、2μMのdNTP、2.5mMのMgCl、1Uのタックポリメラーゼ(Roche、Basel、Switzerland)並びに80ngのcDNAにより、次のPCR条件を使用して、線維芽細胞対照細胞株におけるRT-PCRを行った:94℃で3分間、続いて、94℃で30秒間、58℃で30秒間及び72℃で2分間を35サイクルと、72℃で3分間の最終伸長。25μlの総反応物における10μMのエクソン4_Fwプライマー及びエクソン8_Rwプライマー、2μMのdNTP、2.5mMのMgCl、1Uのタックポリメラーゼ(Roche、Basel、Switzerland)並びに80ngのcDNAにより、次のPCR条件を使用して、ABCA4 c.768G>T変異を保有する線維芽細胞におけるRT-PCRを行った:94℃で3分間、続いて、94℃で30秒間、58℃で30秒間及び72℃で2分間を40サイクルと、72℃で3分間の最終伸長。上に記載されている通りにネステッドPCRを行い、0.5μlのPCR1産物を、次の条件を使用したネステッドPCRのためのPCR鋳型として使用した:94℃で3分間、続いて、94℃で30秒間、58℃で30秒間及び72℃で2分間を35サイクルと、72℃で3分間の最終伸長。全PCR産物は、2.5%アガロースゲルにおいて分離し、選択されたバンドは、サンガー配列決定により確認した。フィジーソフトウェアを使用して、変異体及び野生型バンドの半定量的解析を行った。アクチン(ACTB)を増幅して、ローディング対照とした。プライマー:P49750_Fw_ACTBエクソン3:5’-ACTGGGACGACATGGAGAAG-3’(配列番号91)プライマー:P49751_Rev_ACTBエクソン4:5’-TCTCAGCTGTGGTGGTGAAG-3’(配列番号92)。
結果と考察
HEK293T細胞におけるAONレスキュー
c.768G>T変異(35-nt拡張)に関連するスプライス欠損をレスキューすることができる最も強力なAONを同定するために、「オリゴ-ウォーク」を行い、それによると、代替のスプライス部位(位置c.768+35における)前後の領域を標的とするAON配列は、次から次に1個又は2個のヌクレオチドのみ異なる(図4)。位置c.768にG(WT)又はT(MUT)のいずれかを有するABCA4のゲノム断片を有するミディジーンを、HEK293T細胞へとトランスフェクトし、その後、異なるAONなし又はありでコトランスフェクトした。最初のシリーズにおいて、AONの大部分は、ホスホロチオエート骨格及び2’-O-メチル修飾(2’-OMe)による以前に使用されたケミストリーを含有し、AON35のみが異なり、2’-OMeの代わりに2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)を有し、AON22と同じ配列を有した。図5から観察できるように、全AONは、ある程度まで、MUTミディジーンをトランスフェクトした場合に観察されるスプライシング欠損を制御することができた。AON14、15、16、19、22及び23は、2’-OMeケミストリーを有する場合に最も強力であると思われた。興味深いことに、近年「発表された」2’-O-MOEケミストリーを有するAON35は、定量化及びサンガー配列決定によって確認される通り、正常なABCA4転写物に向けてスプライシングを制御することを最も可能とした。全実験を2回繰り返して行った。WTミディジーンを有するHEK293T細胞へのAON投与の結果は、いかなるスプライシング欠損も示さなかった(データ図示せず)。
2’-O-MOEケミストリーによる有望な結果を考慮して、本出願人らは、AON14、15、16、19及び23(AON35は、AON22に既に対応した)の配列を有する、2’-O-MOEケミストリーも有するAONを注文することを決断した。これらのAONは、作られたAON36~40であり、これらの潜在的有効性をHEK293T細胞において同じ様式で評価した。図6において観察できるように、以前に有効なAON35、ただし同様にAON36、38及び40も、異常スプライシングプロセスを補正することを高度に可能とした。AON39は、有効性がやや低かったが、AON37は、レスキューをかろうじて示した。
線維芽細胞におけるAONレスキュー
次に、ケミストリー毎に6種の、HEK293T細胞における最も有効なAONのため、本出願人らは、患者由来線維芽細胞におけるそれらのスプライス制御能を評価することを目標としたが、その理由として、患者由来線維芽細胞が、ゲノムDNAにc.768G>T変異を有し、よって、内在性ABCA4発現による関連するスプライス欠損の評価を可能にすることが挙げられる。ホモ接合型状態でc.768G>T変異を有するSTGD1個体由来の線維芽細胞に、2’-OMe又は2’-O-MOEケミストリーのいずれかを有する最も強力なAONをトランスフェクトした。図7に示す通り、ある程度のスプライシング補正が測定されたが、HEK293T細胞において得られる結果と比較して有効性は低かった。全AONのうち、両者共に2’-O-MOEケミストリーを有するAON35及び40は、最も強い効果を有すると思われた。HEK293T細胞と比較して線維芽細胞において有効性が低いことの理由は、HEK293T細胞において、ABCA4転写物のごく一部が発現される一方、線維芽細胞において、mRNA全体が存在するという事実によって説明される可能性が最も高い。よって、プレmRNA分子のフォールディングが完全に異なる可能性があり、AONアクセスにも影響を与える。加えて、ABCA4プレmRNAの安定性のみならず、トランスフェクション有効性が、細胞毎に異なる可能性がある。
結論
c.768G>T変異が原因の異常ABCA4スプライシングを潜在的に制御することができるAONの数を拡大することにより、多数の興味深い知見が得られた。先ず、「オリゴ-ウォーク」と組み合わせたABCA4ミディジーン系を使用した場合、本出願人らは、ほぼ全てのAONが、ある程度まで、スプライシングを制御することができたが、AON間に有意差が観察されたことを発見した。AON14、15、16、19、22及び23は全て2’-OMeケミストリーを有し、最も効果的であった。興味深いことに、2’-O-MOEケミストリーを有したAON35は、全ての2’-OMeケミストリーよりも優れていた。全て2’-O-MOEケミストリーを有する多数の追加的なAON(AON36~AON40)に関して同様の観察が得られたが、この場合もやはり、AON配列間で異なる有効性を有した。線維芽細胞において、AONは、HEK293T細胞と比較したほど有効ではなく、例えば、HEK293Tミディジーン系においては問題ではない何かしらの、内在性環境におけるABCA4プレmRNAのフォールディングが原因で、これらの細胞によるAONの取込みの有効性が低いこと、及び/又はAONに対する標的転写物の到達性が低いことのいずれかを示唆する。
まとめると、本出願人らは、c.768G>Tに起因するスプライス欠損を標的とするための最も強力なAON配列を同定し、本出願人らは、2’-O-MOEケミストリーを有するAONが、2’-OMeケミストリーを有するAONと比較して、より有効であると思われることを示した。
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Claims (14)

  1. 配列番号4に示すヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに結合する、及び/又は配列番号4に示すヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドと相補的である、スプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、好ましくは、配列番号5を有するポリヌクレオチドに結合するか、又は配列番号5を有するポリヌクレオチドと相補的である、アンチセンスオリゴヌクレオチド、より好ましくは、配列番号80を有するポリヌクレオチドに結合するか、又は配列番号80を有するポリヌクレオチドと相補的である、アンチセンスオリゴヌクレオチド、さらにより好ましくは、配列番号7、8、9;11、12、13;15、16、17;19、20及び21からなる群から選択されるポリヌクレオチドに結合するか、又は配列番号7、8、9;11、12、13;15、16、17;19、20及び21からなる群から選択されるポリヌクレオチドと相補的である、アンチセンスオリゴヌクレオチド。
  2. 前記アンチセンスオリゴヌクレオチド中のヌクレオチドが、RNA残基、DNA残基、又はヌクレオチドアナログ若しくは等価物であり得る、請求項1に記載のスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  3. 約8~約40ヌクレオチド、好ましくは、約10~約40ヌクレオチド、より好ましくは、約14~約30ヌクレオチド、より好ましくは、16、17、18、19、20、21、22、23又は24ヌクレオチド等の約16~約24ヌクレオチドの長さを有する、請求項1に記載のスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  4. 配列番号34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、73、75又は77を含むか、又は配列番号34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、73、75又は77からなる、請求項1~3のいずれか一項に記載のスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  5. 2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)、2’-O-エチル修飾されたリボース、2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース、2’-O-プロピル修飾されたリボース及び/又はこれらの修飾を有するハロゲン化された誘導体等の置換された誘導体等の、2’-Oアルキルホスホロチオエートアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  6. 配列番号34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、73、75又は77を含むか、又は配列番号34、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、73、75又は77からなり、2’-O-メチル修飾されたリボース(RNA)又は2’-O-メトキシエチル修飾されたリボース及びホスホロチオエート骨格を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  7. 当該分子の発現を促す条件下に置かれると、請求項1~4のいずれか一項に記載のスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドを発現する、ウイルスベクター。
  8. 請求項1~4のいずれか一項に記載のスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド又は請求項7に記載のウイルスベクター及び薬学的に許容できる賦形剤を含む、医薬組成物。
  9. 硝子体内投与のためのものであり、0.05mg~5mgの範囲の総アンチセンスオリゴヌクレオチドの量で投与される、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 硝子体内投与のためのものであり、片眼当たり0.1~1mgの範囲の、スプライシングを制御するための総アンチセンスオリゴヌクレオチド、例えば片眼当たり約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は1.0mgのスプライシングを制御するための総アンチセンスオリゴヌクレオチドの量で投与される、請求項8及び9に記載の医薬組成物。
  11. 医薬としての使用のための、好ましくはABCA4のスプライシングを調整することを必要とするABCA4関連疾患又は状態を処置するための医薬としての使用のための、請求項1~4のいずれか一項に記載のスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド、請求項7に記載のベクター又は請求項8~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  12. ABCA4のスプライシングを調整することを必要とするABCA4関連疾患又は状態を処置するための、請求項1~4のいずれか一項に記載のスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド、請求項7に記載のベクター又は請求項8~10のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
  13. 細胞におけるABCA4のスプライシングを調整するための方法であって、前記細胞を、請求項1~4のいずれか一項に記載のスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド、請求項7に記載のベクター又は請求項8~10のいずれか一項に記載の医薬組成物と接触させるステップを含む方法。
  14. 前記ABCA4関連疾患又は状態が、スターガルト病である、請求項11に記載の使用のためのスプライシングを制御するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド、請求項12に記載の使用又は請求項13に記載の方法。
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